説明

駐車装置と昇降装置

【課題】 簡易な構成で、安定して運転ができる駐車装置と昇降装置とを提供しようとする。
【解決手段】
従来の昇降装置にかわって、第一ワイヤと第二ワイヤと、駆動シーブとアイドルシーブと駆動機構とカウンタウエイトとを有する巻上装置と、を備え、前記アイドルシーブが前記駆動シーブの下方に互いのワイヤ溝を対面させて回転自在に設けられ、前記第一ワイヤが、一方の端部を対象物に連結され、前記駆動シーブに上側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、前記アイドルシーブに横側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、他方の端部をカウンタウェイトに連結され、前記第二ワイヤが、一方の端部を対象物に連結され、前記アイドルシーブに上側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、前記駆動シーブの横側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、他方の端部を前記カウンタウエイトに連結される、ものとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両を駐車させる駐車装置と対象物を昇降路の中で昇降させる昇降装置に係る。特に、車両または対象物を吊る構造に特徴のある駐車装置と昇降装置とに関する。
【背景技術】
【0002】
機械式の駐車装置が、車両を駐車させるのに利用される。
例えば、車両を上下方向に重なって並んだ格納棚に格納する。
この形式の一例の駐車装置は、複数のパレット10と複数の格納棚21とリフトケージ30とワイヤ40と巻上装置50とケージ支持装置70とで構成される。
パレット10は、車両を載せる四辺形の構造体である。パレット10は、種々の形式と大きさの車両をハンドリングするのに便利であるので、一般の駐車装置ではパレット10を用いて車両をハンドリングする。一部の駐車装置は、パレットを用いないで車両をハンドリングする。
格納棚は、車両を格納できる棚である。複数の格納棚21が上下方向に並ぶ。通例、上下に並んだ複数の駐車棚を昇降路の左右に配置する。入出庫スペースSが、昇降路Hの途中に設けられる。
【0003】
リフトケージ30は、車両を載せることをできる構造体である。リフトケージは、車両の乗ったパレットを格納棚21とリフトケージ30の上との間で移動する移載機構を内蔵している。
ワイヤ40は、リフトケージ30を格納棚に沿って吊る機械要素である。
巻上装置50は、ワイヤ40を巻き上げし、または巻き下げすることをできる装置である。
ケージ支持装置70は、複数の格納棚の内の一つの格納棚の横に並んだときにリフトケージ30を駐車装置の建屋に支持させる装置である。
ケージ支持装置70は、リフトケージでのパレットの乗ったレールのレール面レベルと格納棚でのパレットの乗ったレールのレール面レベルとを一致させて、リフトケージを主構造体に支持させる。
【0004】
図7は、従来の昇降装置の斜視図である。
巻上装置50が、駆動シーブ51とアイドルシーブ52と巻上シーブ53と転向シーブ55と駆動機構57とカウンタウエイト58とで構成される。
4つの巻上シーブ53が昇降路の上方にリフトケージ30の四隅に対向する位置に配する。
4セットのワイヤが、巻上シーブ53からは下方に下ろされた一方の端部をリフトケージ30に連結し、巻上シーブ63と駆動シーブ51との間に水平に掛け渡され、駆動シーブの横方向の円弧に180度以上にわたって巻掛けられ、アイドルシーブ52に巻掛けられ、アイドルシーブ52から下方に下ろされた端部をカウンタウエイト58に連結される。
この様な構成をとると、カウンタウエイト58が、縦方向に並んだ昇降路に沿って昇降する。
【0005】
車両を駐車装置に入庫させる場合の作動を説明する。
車両が、入出庫スペースSに置かれたリフトケージ30に自走して入る。
巻上装置50が、ワイヤ40を巻き上げて、複数の格納棚のうちの一つの格納棚の横にリフトケージ30を停止させる。ケージ支持装置70が、リフトケージ30を建屋の主構造体に支持させる。
移載装置が、車両の乗ったパレットを格納棚に移載し、入庫が完了する。
【0006】
次に、車両を駐車装置から出庫させる場合の作動を説明する。
巻上装置50が、ワイヤ40を巻き上げて、複数の格納棚のうちの一つの格納棚の横にリフトケージ30を停止させる。ケージ支持装置70が、リフトケージ30を建屋の主構造体に支持させる。
移載装置が、車両の載ったパレットを格納棚からリフトケージに移載する。
ケージ支持装置が、リフトケージの支持を外す。
巻上装置50が、ワイヤ40を巻き下げて、リフトケージ30を入出庫スペースへ下ろす。
車両が、入出庫スペースSから自走して出る。
【0007】
上記の構造を有する昇降装置を用いた駐車装置では、カウンタウエイトが縦に並んだ格納棚に沿って昇降する。
その結果、上記の構造を有する昇降装置を用いて、多くのバリエーションの駐車装置を計画する際に、不具合を生ずることがある。
例えば、縦に並んだ複数の格納棚を前後方向に配置し、複数の昇降装置を前後方向に配置したい場合がある。この場合に、カウンタウエイトが前後方向に並んだ格納棚の間を昇降するので、前後方向にならんだ格納棚の間でパレットを往復させることが困難になる。
【0008】
また、リフトケージが昇降路の中を昇降し、さらに、カウンタウエイト58が格納棚に沿って昇降するので、2箇所に安全対策をほどこす必要があった。
【0009】
【特許文献1】特開平6−200652号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は以上に述べた問題点に鑑み案出されたもので、簡易な構成で、安定して運転ができる駐車装置と昇降装置とを提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明に係る車両を駐車させる駐車装置を、上下方向に並んで車両を格納することをできる複数の格納棚を有する主構造体と、車両を載せることをできるリフトケージと、前記リフトケージを前記格納棚に沿って上下に延びる昇降路の中に吊ることをできる第一ワイヤと、前記リフトケージを前記昇降路の中に吊ることをできる第二ワイヤと、駆動シーブとアイドルシーブと前記駆動シーブを回転駆動する駆動機構とカウンタウエイトとを有する巻上装置と、を備え、前記駆動シーブと前記アイドルシーブとが昇降路の上方に設けられ、前記アイドルシーブが前記駆動シーブの下方に互いのワイヤ溝を対面させて回転自在に設けられ、前記第一ワイヤが、下方に下ろされた一方の端部を前記リフトケージに連結され、前記駆動シーブに上側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、前記アイドルシーブに横側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、下方に下ろされた他方の端部をカウンタウェイトに連結され、前記第二ワイヤが、下方に下ろされた一方の端部を前記リフトケージに連結され、前記アイドルシーブに上側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、前記駆動シーブに横側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、下方に下ろされた他方の端部を前記カウンタウエイトに連結される、ものとした。
【0012】
上記本発明の構成により、複数の格納棚が上下方向に並んで車両を格納することをできる。リフトケージが車両を載せることをできる。第一ワイヤと第二ワイヤとが前記リフトケージを前記格納棚に沿って上下に延びる昇降路の中に吊ることをできる。
前記駆動シーブと前記アイドルシーブとが昇降路の上方に設けられる。前記アイドルシーブが前記駆動シーブの下方に互いのワイヤ溝を対面させて回転自在に設けられる。前記第一ワイヤが、下方に下ろされた一方の端部を前記リフトケージに連結され、前記駆動シーブに上側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、前記アイドルシーブに横側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、下方に下ろされた他方の端部をカウンタウェイトに連結される。前記第二ワイヤが、下方に下ろされた一方の端部を前記リフトケージに連結され、前記アイドルシーブに上側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、前記駆動シーブに横側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、下方に下ろされた他方の端部を前記カウンタウエイトに連結される。その結果、駆動機構が駆動シーブを一方へ回転するとリフトケージが上昇してカウンタウエイトが下降し、駆動機構が駆動シーブを他方へ回転するとリフトケージが下降してカウンタウエイトが上昇する。
【0013】
上記目的を達成するため、本発明に係る車両を駐車させる駐車装置を、上下方向に並んで車両を格納することをできる複数の格納棚を有する主構造体と、車両を載せることをできるリフトケージと、前記リフトケージを前記格納棚に沿って上下に延びる昇降路の中に吊ることをできる第一ワイヤと、前記リフトケージを前記昇降路の中に吊ることをできる第二ワイヤと、巻上シーブと駆動シーブとアイドルシーブとカウンタウエイト用シーブと前記駆動シーブを回転駆動する駆動機構とカウンタウエイトとを有する巻上装置と、を備え、前記巻上シーブと前記駆動シーブと前記アイドルシーブと前記カウンタウエイト用シーブとが昇降路の上方に設けられ、前記アイドルシーブが前記駆動シーブの下方に互いのワイヤ溝を対面させて回転自在に設けられ、前記第一ワイヤが、前記駆動シーブから下方に下ろされた一方の端部を前記リフトケージに連結され、前記駆動シーブに上側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、前記アイドルシーブに横側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、前記アイドルシーブと前記カウンタウエイト用シーブとの間に掛け渡され、前記カウンタウエイト用シーブに巻掛けられ、前記カウンタウエイト用シーブから下方に下ろされた他方の端部をカウンタウェイトに連結され、前記第二ワイヤが、前記巻上シーブから下方に下ろされた一方の端部を前記リフトケージに連結され、前記巻上シーブに巻掛けられ、前記巻上シーブと前記アイドルシーブとの間に掛け渡され、前記アイドルシーブに上側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、前記駆動シーブに横側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、前記駆動シーブと前記カウンタウエイト用シーブとの間に掛け渡され、前記カウンタウエイト用シーブに巻掛けられ、前記カウンタウエイト用シーブから下方に下ろされた他方の端部を前記カウンタウエイトに連結される、ものとした。
【0014】
上記本発明の構成により、複数の格納棚が上下方向に並んで車両を格納することをできる。リフトケージが車両を載せることをできる。前記リフトケージを前記格納棚に沿って上下に延びる昇降路の中に吊ることをできる第一ワイヤと第二ワイヤとが前記リフトケージを前記格納棚に沿って上下に延びる昇降路の中に吊ることをできる。前記巻上シーブと前記駆動シーブと前記アイドルシーブと前記カウンタウエイト用シーブとが昇降路の上方に設けられる。前記アイドルシーブが前記駆動シーブの下方に互いのワイヤ溝を対面させて回転自在に設けられる。前記第一ワイヤが、前記駆動シーブから下方に下ろされた一方の端部を前記リフトケージに連結され、前記駆動シーブに上側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、前記アイドルシーブに横側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、前記アイドルシーブと前記カウンタウエイト用シーブとの間に掛け渡され、前記カウンタウエイト用シーブに巻掛けられ、前記カウンタウエイト用シーブから下方に下ろされた他方の端部をカウンタウェイトに連結される。前記第二ワイヤが、前記巻上シーブから下方に下ろされた一方の端部を前記リフトケージに連結され、前記巻上シーブに巻掛けられ、前記巻上シーブと前記アイドルシーブとの間に掛け渡され、前記アイドルシーブに上側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、前記駆動シーブに横側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、前記駆動シーブと前記カウンタウエイト用シーブとの間に掛け渡され、前記カウンタウエイト用シーブに巻掛けられ、前記カウンタウエイト用シーブから下方に下ろされた他方の端部を前記カウンタウエイトに連結される。その結果、駆動機構が駆動シーブを一方へ回転するとリフトケージが上昇してカウンタウエイトが下降し、駆動機構が駆動シーブを他方へ回転するとリフトケージが下降してカウンタウエイトが上昇する。
【0015】
上記目的を達成するため、本発明に係る対象物を昇降路の中で昇降させる昇降装置を、対象物を昇降路の中に吊ることをできる第一ワイヤと、対象物を昇降路の中に吊ることをできる第二ワイヤと、駆動シーブとアイドルシーブと前記駆動シーブを回転駆動する駆動機構とカウンタウエイトとを有する巻上装置と、を備え、前記駆動シーブと前記アイドルシーブとが昇降路の上方に設けられ、前記アイドルシーブが前記駆動シーブの下方に互いのワイヤ溝を対面させて回転自在に設けられ、前記第一ワイヤが、下方に下ろされた一方の端部を対象物に連結され、前記駆動シーブに上側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、前記アイドルシーブに横側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、下方に下ろされた他方の端部をカウンタウェイトに連結され、前記第二ワイヤが、下方に下ろされた一方の端部を対象物に連結され、前記アイドルシーブに上側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、前記駆動シーブに横側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、下方に下ろされた他方の端部を前記カウンタウエイトに連結される、ものとした。
【0016】
上記本発明の構成により、第一ワイヤと第二ワイヤが、対象物を昇降路の中に吊ることをできる。前記駆動シーブと前記アイドルシーブとが、昇降路の上方に設けられる。前記アイドルシーブが、前記駆動シーブの下方に互いのワイヤ溝を対面させて回転自在に設けられる。前記第一ワイヤが、下方に下ろされた一方の端部を対象物に連結され、前記駆動シーブに上側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、前記アイドルシーブに横側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、下方に下ろされた他方の端部をカウンタウェイトに連結される。前記第二ワイヤが、下方に下ろされた一方の端部を対象物に連結され、前記アイドルシーブに上側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、前記駆動シーブに横側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、下方に下ろされた他方の端部を前記カウンタウエイトに連結される。その結果、駆動機構が駆動シーブを一方へ回転すると対象物が上昇してカウンタウエイトが下降し、駆動機構が駆動シーブを他方へ回転すると対象物が下降してカウンタウエイトが上昇する。
【0017】
上記目的を達成するため、本発明に係る対象物を昇降路の中で昇降させる昇降装置を、対象物を昇降路の中に吊ることをできる第一ワイヤと、対象物を昇降路の中に吊ることをできる第二ワイヤと、巻上シーブと駆動シーブとアイドルシーブとカウンタウエイト用シーブと前記駆動シーブを回転駆動する駆動機構とカウンタウエイトとを有する巻上装置と、を備え、前記巻上シーブと前記駆動シーブと前記アイドルシーブと前記カウンタウエイト用シーブとが昇降路の上方に設けられ、前記アイドルシーブが前記駆動シーブの下方に互いのワイヤ溝を対面させて回転自在に設けられ、前記第一ワイヤが、前記駆動シーブから下方に下ろされた一方の端部を対象物に連結され、前記駆動シーブに上側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、前記アイドルシーブに横側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、前記アイドルシーブと前記カウンタウエイト用シーブとの間に掛け渡され、前記カウンタウエイト用シーブに巻掛けられ、前記カウンタウエイト用シーブから下方に下ろされた他方の端部をカウンタウェイトに連結され、前記第二ワイヤが、前記巻上シーブから下方に下ろされた一方の端部を対象物に連結され、前記巻上シーブに巻掛けられ、前記巻上シーブと前記アイドルシーブとの間に掛け渡され、前記アイドルシーブに上側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、前記駆動シーブに横側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、前記駆動シーブと前記カウンタウエイト用シーブとの間に掛け渡され、前記カウンタウエイト用シーブに巻掛けられ、前記カウンタウエイト用シーブから下方に下ろされた他方の端部を前記カウンタウエイトに連結される、ものとした。
【0018】
上記本発明の構成により、第一ワイヤと第二ワイヤとが、対象物を昇降路の中に吊ることをできる。前記巻上シーブと前記駆動シーブと前記アイドルシーブと前記カウンタウエイト用シーブとが、昇降路の上方に設けられる。前記アイドルシーブが、前記駆動シーブの下方に互いのワイヤ溝を対面させて回転自在に設けられる。前記第一ワイヤが、前記駆動シーブから下方に下ろされた一方の端部を対象物に連結され、前記駆動シーブに上側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、前記アイドルシーブに横側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、前記アイドルシーブと前記カウンタウエイト用シーブとの間に掛け渡され、前記カウンタウエイト用シーブに巻掛けられ、前記カウンタウエイト用シーブから下方に下ろされた他方の端部をカウンタウェイトに連結される。前記第二ワイヤが、前記巻上シーブから下方に下ろされた一方の端部を対象物に連結され、前記巻上シーブに巻掛けられ、前記巻上シーブと前記アイドルシーブとの間に掛け渡され、前記アイドルシーブに上側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、前記駆動シーブに横側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、前記駆動シーブと前記カウンタウエイト用シーブとの間に掛け渡され、前記カウンタウエイト用シーブに巻掛けられ、前記カウンタウエイト用シーブから下方に下ろされた他方の端部を前記カウンタウエイトに連結される。その結果、駆動機構が駆動シーブを一方へ回転すると対象物が上昇してカウンタウエイトが下降し、駆動機構が駆動シーブを他方へ回転すると対象物が下降してカウンタウエイトが上昇する。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように本発明に係る車両を駐車させる駐車装置と対象物を昇降路の中で昇降させる昇降装置とは、その構成により、以下の効果を有する。
上下方向に並んで車両を格納することをできる複数の格納棚と車両を載せることをできるリフトケージと前記リフトケージを前記格納棚に沿って上下に延びる昇降路の中に吊ることをできる第一ワイヤと第二ワイヤとを備えた駐車装置、または対象物を昇降路の中に吊ることをできる第一ワイヤと第二ワイヤと巻上装置とを備えた昇降装置において、前記駆動シーブと前記アイドルシーブとを昇降路の上方に設け、前記アイドルシーブを前記駆動シーブの下方に互いのワイヤ溝を対面させて回転自在に設け、前記第一ワイヤを、下方に下ろされた一方の端部を前記リフトケージまたは対象物に連結され、前記駆動シーブの上側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、前記アイドルシーブに横側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、下方に下ろされた他方の端部をカウンタウェイトに連結され、前記第二ワイヤを、下方に下ろされた一方の端部を前記リフトケージまたは対象物に連結され、前記アイドルシーブに上側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、前記駆動シーブの横側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、他方の端部を前記カウンタウエイトに連結される様にしたので、駆動機構が駆動シーブを一方へ回転するとリフトケージが上昇してカウンタウエイトまたは対象物が下降し、駆動機構が駆動シーブを他方へ回転するとリフトケージが下降してカウンタウエイトまたは対象物が上昇する。
または、前記巻上シーブと前記駆動シーブと前記アイドルシーブと前記カウンタウエイト用シーブとを昇降路の上方に設け、前記アイドルシーブを前記駆動シーブの下方に互いのワイヤ溝を対面させて回転自在に設けられ、前記第一ワイヤを、前記駆動シーブから下方に下ろされた一方の端部を前記リフトケージまたは対象物に連結され、前記駆動シーブに上側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、前記アイドルシーブに横側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、前記アイドルシーブと前記カウンタウエイト用シーブとの間に掛け渡され、前記カウンタウエイト用シーブに巻掛けられ、前記カウンタウエイト用シーブから下方に下ろされた他方の端部をカウンタウェイトに連結され、前記第二ワイヤを、前記巻上シーブから下方に下ろされた一方の端部を前記リフトケージまたは対象物に連結され、前記巻上シーブに巻掛けられ、前記巻上シーブと前記アイドルシーブとの間に掛け渡され、前記アイドルシーブに上側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、前記駆動シーブに横側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、前記駆動シーブと前記カウンタウエイト用シーブとの間に掛け渡され、前記カウンタウエイト用シーブに巻掛けられ、前記カウンタウエイト用シーブから下方に下ろされた他方の端部を前記カウンタウエイトに連結される様にしたので、駆動機構が駆動シーブを一方へ回転するとリフトケージが上昇してカウンタウエイトが下降し、駆動機構が駆動シーブを他方へ回転するとリフトケージが下降してカウンタウエイトが上昇する。
従って、簡易な構成で、安定して運転ができる駐車装置と昇降装置とを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に、本発明に係る駐車装置のいくつかの実施形態を説明する。本発明は、以下に記載の実施形態のいずれか、またはそれらの中の二つ以上が組合わされた態様を含む。
【0021】
本発明の実施形態に係る駐車装置は、前記リフトケージが上から見て前後方向に対向する辺をもつ矩形の輪郭を有し、前記駆動シーブが前記昇降路の上方の前部に設けられ、前記巻上シーブと前記カウンタウエイト用シーブとが前記昇降路の上方の後部に設けられる。
上記実施形態の構成により、前記駆動シーブが前記昇降路の上方の前部に設けられ、前記巻上シーブと前記カウンタウエイト用シーブとが前記昇降路の上方の後部に設けられる。その結果、前記カウンタウエイトが前記リフトケージの後方を昇降する。
【0022】
本発明の実施形態に係る駐車装置は、前記アイドルシーブが前記駆動シーブの斜め下方に互いのワイヤ溝を対面させて回転自在に設けられる。
上記実施形態の構成により、第一ワイヤの駆動シーブに対する巻掛け角度と第二ワイヤの駆動シーブに対する巻掛け角度とを略等しく大きくすることをでき、前記駆動シーブが第一ワイヤまたは第二ワイヤに伝達する力が安定する。
【0023】
本発明の実施形態に係る駐車装置は、前記第一ワイヤが、前記駆動シーブのワイヤ溝の少なくとも上半分の円弧に接して巻掛けられ、前記第二ワイヤが、前記駆動シーブのワイヤ溝の少なくとも横半分の円弧に接して巻掛けられる、
上記実施形態の構成により、第一ワイヤの駆動シーブに対する巻掛け角度と第二ワイヤの駆動シーブに対する巻掛け角度とが180度を超えて、前記駆動シーブが第一ワイヤまたは第二ワイヤに伝達する力が安定する。
【0024】
以下に、本発明に係る昇降装置のいくつかの実施形態を説明する。本発明は、以下に記載の実施形態のいずれか、またはそれらの中の二つ以上が組合わされた態様を含む。
【0025】
本発明の実施形態に係る昇降装置は、対象物が上から見て前後方向に対向する辺をもつ矩形の輪郭を有し、前記駆動シーブが昇降路の上方の前部に設けられ、前記巻上シーブと前記カウンタウエイト用シーブとが昇降路の上方の後部に設けられる。
上記実施形態の構成により、前記駆動シーブが昇降路の上方の前部に設けられ、前記巻上シーブと前記カウンタウエイト用シーブとが昇降路の上方の後部に設けられる。その結果、前記カウンタウエイトが前記リフトケージの後方を昇降し、昇降路の空間を有効利用できる。
【0026】
本発明の実施形態に係る昇降装置は、前記アイドルシーブが前記駆動シーブの斜め下方に互いのワイヤ溝を対面させて回転自在に設けられる。
上記実施形態の構成により、前記第一ワイヤの前記駆動シーブに対する巻掛け角度と前記第二ワイヤの前記駆動シーブに対する巻掛け角度とを略等しく大きくすることをでき、駆動シーブが第一ワイヤまたは第二ワイヤに伝達する力が安定する。
【0027】
本発明の実施形態に係る昇降装置は、前記第一ワイヤが、前記駆動シーブのワイヤ溝の少なくとも上半分の円弧に接して巻掛けられ、前記第二ワイヤが、前記駆動シーブのワイヤ溝の少なくとも横半分の円弧に接して巻掛けられる。
上記実施形態の構成により、前記第一ワイヤの前記駆動シーブに対する巻掛け角度と前記第二ワイヤの前記駆動シーブに対する巻掛け角度とが180度を超えて、前記駆動シーブが前記第一ワイヤまたは前記第二ワイヤに伝達する力が安定する。
【0028】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して説明する。なお、各図において、共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0029】
最初に、本発明の実施形態に係る駐車装置を、図を基に、説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る駐車装置の正面図である。図2は、本発明の実施形態に係る昇降装置の斜視図である。図3は、本発明の実施形態に係る昇降装置の平面図である。図4は、本発明の実施形態に係る昇降装置の側面図である。図5は、本発明の実施形態に係る昇降装置の作用説明図その1である。図6は、本発明の実施形態に係る昇降装置の作用説明図その2である。
【0030】
駐車装置は、車両1を駐車させる装置であり、パレット10と主構造体20とリフトケージ30とワイヤ40と巻上装置50と連結機構60とケージ支持装置70とで構成される。
昇降装置は、対象物を昇降路の中で昇降させる装置であり、ワイヤ40と巻上装置50とで構成される。駐車装置では、リフトケージが対象物に相当する。
【0031】
パレット10は、車両1を乗せることのできる構造体である。パレットは、上から見て、略長四辺形の輪郭を持つ。パレットは短辺に沿って車輪を持ち、短辺に沿った方向に移動可能である。車両は、パレット10の長辺に沿った向きに自走して、パレット10の上に乗る。パレット10は、後述するリフトケージ30に設けられたパレットレール(図示せず。)と格納棚21との上に車輪を転動して、リフトケージ30と格納棚21との間を移動可能になっている。
車両1を駐車する際には、パレット10は、車両1を乗せて、格納棚21に格納される。
昇降路Hは、入出庫スペースSを含んで上下方向に延びる空間である。
例えば、地上に据付けられる駐車装置では、入出庫スペースSは地面に設けられ、昇降路Hが、入出庫スペースSの上方に設けられる。
車両1を入出庫する際には、パレット10は、リフトケージ30に乗って、昇降路Hを昇降して、入出庫スペースSと格納棚21の横との間を移動する。
【0032】
主構造体20は、駐車装置の建屋の骨格であり、N個の格納棚21と柱22と梁(図示せず。)と2N個の支持部材(図示せず。)とで構成される。
複数の格納棚21は、上下方向に並んで車両1を格納することをできる棚である。
例えば、格納棚21は、パレット10の車輪が転動するパレットレールである。
通常、格納棚21は、昇降路Hの左右に配置される。
柱22は、格納棚21を支持する構造部材である。
梁は、柱22を左右に繋ぐ構造部材である。
支持部材は、リフトケージ30を昇降路Hの中の格納棚21の横に位置決めするために、後述するケージ支持装置70の作用よりリフトケージ30を支持する部材である。
支持部材は、昇降路Hの左右に建てられた柱22に固定される。
【0033】
リフトケージ30は、車両1を乗せることをできる装置であり、リフトケージ構造体31と移載装置(図示せず)とパレットレール(図示せず)とで構成される。
リフトケージ構造体31は、上から見て矩形に配された長手の横部材31aと矩形の四隅に固定され縦方向に延びる縦部材31bとでできた構造体である。
移載装置は、パレット10をリフトケージ30と格納棚21との間で移載できる装置である。
例えば、移載装置は、チェーン駆動して左右方向に移動できるクランプを持つ。移載装置は、パレット10に係止したクランプを左右方向に移動し、パレット10を格納棚21からパレットレールへ移動し、パレットレールから格納棚21へ移動する。
パレットレールは、パレット10の車輪が転動できる1対の長手部材である。左右方向に延びるパレットレールが、リフトケージ構造体31の横部材31aに固定される。
【0034】
ワイヤ40は、リフトケージ30を昇降路Hの中に吊ることをできる機械要素である。
ワイヤ40の一方の端部が、リフトケージ30の縦部材31bに連結機構60を介して結合する。
ワイヤ40は、左右一対の第一ワイヤ41と左右一対の第二ワイヤ42とで構成される。
ワイヤ40の中間が、巻上装置50に巻掛けられる。ワイヤ40の一方の端部が、昇降路Hの中を上下移動する。ワイヤ40の他方の端部が、主構造体に沿って上下移動する。
ワイヤ40の他方の端部が、カウンタウエイト58に連結する。
例えば、各3本のワイヤを一組とする。4組のワイヤの一方の端部が、各々連結機構60を介して縦部材31bに連結する。合計12本のワイヤは、巻上装置50のシーブに巻掛けられる。カウンタウェイト56が、合計12本のワイヤの他方の端部に連結される。
【0035】
巻上装置50は、昇降路Hの中をワイヤ40の巻き上げと巻き下げとをできる装置であり、駆動シーブ51とアイドルシーブ52と巻上シーブ53とカウンタウエイト用シーブ54と転向シーブ55と転向シーブ56と駆動機構57とカウンタウエイト58とで構成される。
駆動シーブ51とアイドルシーブ52とが昇降路Hの上方に設けられる。
例えば、左右一対の駆動シーブ51と左右一対のアイドルシーブ52とが昇降路Hの上方の前部に設けられる。
アイドルシーブ52が駆動シーブ51の斜め下方に互いのワイヤ溝を対面させて回転自在に設けられる。
アイドルシーブ52が、駆動シーブ51の略45度の斜め下方に互いのワイヤ溝を対面させて回転自在に設けられてもよい。
駆動シーブ51が昇降路Hの上方の前部に設けられてもよい。アイドルシーブ52が、駆動シーブ51の後側の斜め下方に配される。
例えば、左右一対の駆動シーブ51が昇降路Hの上方の前部に設けられる。アイドルシーブ52が、駆動シーブ51の後側の斜め下方に配される。
巻上シーブ53とカウンタウエイト用シーブ54とが、昇降路Hの上方の後部に配される。
例えば、左右一対の巻上シーブ53と左右一対のカウンタウエイト用シーブ54とが、昇降路Hの上方の後部に配される。左右一対のカウンタウエイト用シーブ54が、左右一対の巻上シーブ53の間に配される。
駆動機構50は、駆動シーブ51を回転駆動する機構であり、減速機とモータとで構成される。
【0036】
第一ワイヤ41が、下方に下ろされた一方の端部をリフトケージ30に連結され、駆動シーブ41に上側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、アイドルシーブ42に横側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、下方に下ろされた他方の端部をカウンタウェイト58に連結される。
例えば、左右一対の第一ワイヤ41が、下方に下ろされた一方の端部をリフトケージ30に連結され、駆動シーブ51に上側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、アイドルシーブ52に駆動シーブ寄りの横側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、下方に下ろされた他方の端部をカウンタウェイト58に連結される。
第一ワイヤ41が、駆動シーブ51にワイヤ溝の少なくとも上半分の円弧部分に接して巻掛けられてもよい。
例えば、第一ワイヤ41が、駆動シーブ51にワイヤ溝の上半分の円弧部分とその円弧部分の後端につながり下方に伸びる狭角の円弧部分に接して巻掛けられ、アイドルシーブ52に駆動シーブ寄りの横側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、その円弧部分の下端からカウンタウエイト用シーブ54の設けられる位置へ伸びる。
【0037】
第一ワイヤ41が、駆動シーブ41から下方に下ろされた一方の端部をリフトケージ30に連結され、駆動シーブ51に上側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、アイドルシーブ52に横側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、アイドルシーブ52とカウンタウエイト用シーブ54との間に掛け渡され、カウンタウエイト用シーブ54に巻掛けられ、カウンタウエイト用シーブ54から下方に下ろされた他方の端部をカウンタウェイトに連結されてもよい。
例えば、左右一対の第一ワイヤ41が、駆動シーブ51から下方に下ろされた一方の端部をリフトケージ30に連結され、駆動シーブ51に上側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、アイドルシーブ52に駆動シーブ寄りの横側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、アイドルシーブ52とカウンタウエイト用シーブ54との間に転向シーブ55で向きを変えられて掛け渡され、カウンタウエイト用シーブ54に巻掛けられ、カウンタウエイト用シーブ54から下方に下ろされた他方の端部をカウンタウェイト58に連結される。
【0038】
第二ワイヤ42が、下方に下ろされた一方の端部をリフトケージ30に連結され、アイドルシーブ52に駆動シーブ寄りの上側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、駆動シーブ51に横側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、他方の端部をカウンタウエイト58に連結される。
例えば、左右一対の第二ワイヤ42が、下方に下ろされた一方の端部をリフトケージ30に連結され、アイドルシーブ52に上側のワイヤ溝の駆動シーブ寄りの箇所に接して巻掛けられ、駆動シーブ51に横側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、他方の端部をカウンタウエイト58に連結される。
第二ワイヤ42が、駆動シーブ51にワイヤ溝の少なくとも横半分の円弧部分に接して巻掛けられてもよい。
例えば、第二ワイヤ42が、アイドルシーブ52に上側のワイヤ溝の駆動シーブ寄りの箇所に接して巻掛けられ、駆動シーブ51にワイヤ溝の横半分の円弧部分とその円弧部分のアイドルシーブ寄りの下端につながる狭角の円弧部分に接して巻きかけられ、その円弧部分の上端からカウンタウエイト用シーブ54の設けられ位置へ伸びる。
【0039】
第二ワイヤ42が、巻上シーブ53から下方に下ろされた一方の端部をリフトケージ30に連結され、巻上シーブ53に巻掛けられ、巻上シーブ53とアイドルシーブ52との間に掛け渡され、アイドルシーブ52に上側のワイヤ溝の駆動シーブ寄りの箇所に接して巻掛けられ、駆動シーブ51に横側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、駆動シーブ51とカウンタウエイト用シーブ54との間に掛け渡され、カウンタウエイト用シーブ54に巻掛けられ、カウンタウエイト用シーブ54から下方に下ろされた他方の端部をカウンタウエイト58に連結されてもよい。
例えば、左右一対の第二ワイヤ42が、巻上シーブ53から下方に下ろされた一方の端部をリフトケージ30に連結され、巻上シーブ53に巻掛けられ、巻上シーブ53とアイドルシーブ52との間に掛け渡され、アイドルシーブ52に上側のワイヤ溝の駆動シーブ寄りの箇所に接して巻掛けられ、駆動シーブ51に横側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、駆動シーブ51とカウンタウエイト用シーブ54との間に転向シーブ56で向きを変えられて掛け渡され、カウンタウエイト用シーブ54に巻掛けられ、カウンタウエイト用シーブ54から下方に下ろされた他方の端部をカウンタウエイト58に連結されてもよい。
【0040】
連結機構60は、ワイヤ40の一方の端部をリフトケージ30に連結する機構である。
左右一対の第一ワイヤ41の一方の端部が、連結機構60を介して、リフトケージ30の前部の縦部材31bに連結する。
左右一対の第二ワイヤ42の他方の段歩が、連結機構60を介して、リフトケージ30の後部の縦部材31bに連結する。
【0041】
ケージ支持装置70は、リフトケージが複数の格納棚21の内の一つの格納棚21の横に並んだ際に、リフトケージ30を主構造体20により支持させる装置である。
【0042】
次に、本発明の実施形態に係る駐車装置の作用を、図を基に、説明する。
図5は、発明の理解の容易のために、第一ワイヤ41を実線で表し、第二ワイヤ41を破線で表した昇降装置を示している。
図6は、発明の理解の容易のために、第一ワイヤ41を破線で表し、第二ワイヤ42を実線で表した昇降装置を示している。
リフトケージ30が対象物に相当する。
上から見てリフトケージ30が前後方向に対向する辺をもった矩形の輪郭を有し、駆動シーブ51が昇降路の上方の前部に設けられ、巻上シーブ53とカウンタウエイト用シーブ54とが昇降路の上方の後部に設けられる場合を例に、説明する。
左右一対の駆動シーブ51が、上から見たリフトケージ30の矩形の輪郭の前方の角部に対応する位置に設けられる。
左右一対の巻上シーブ53が、上から見たリフトケージ30の矩形の輪郭の後方の角部に対応する位置に設けられる。
【0043】
(リフトケージ30を、上昇させる場合)
駆動機構57が、駆動シーブ51を一方向へ回転する。
駆動シーブ51に巻掛けられた左右一対の第一ワイヤ41が巻上げられる。第一ワイヤ41が、アイドルローラ52からカウンタウエイト用シーブ54へ移動する。カウンタウエイト用シーブ54に巻掛けられた第一ワイヤ41が巻き下げられる。
駆動シーブ51に巻掛けられた第二ワイヤ42が駆動シーブ51からカウンタウエイト用シーブ54へ移動し、巻上シーブ53からアイドルシーブ52へ移動する。巻上シーブ53に巻掛けられた第二ワイヤ42が巻上げられる。カウンタウエイト用シーブ54に巻掛けられた第二ワイヤ42が巻き下げられる。
その結果、リフトケージ30が上昇し、カウンタウエイト58が下降する。
【0044】
(リフトケージ30を、下降させる場合)
駆動機構57が、駆動シーブ51を他方向へ回転する。
駆動シーブ51に巻掛けられた左右一対の第一ワイヤ41が巻下げられる。第一ワイヤ41が、カウンタウエイト用シーブ54からアイドルローラ52へ移動する。カウンタウエイト用シーブ54に巻掛けられた第一ワイヤ41が巻き上げられる。
駆動シーブ51に巻掛けられた第二ワイヤ42がカウンタウエイト用シーブ54から駆動シーブ51へ移動し、アイドルシーブ52から巻上シーブ53へ移動する。巻上シーブ53に巻掛けられた第二ワイヤ42が巻下げられる。カウンタウエイト用シーブ54に巻掛けられた第二ワイヤ42が巻き上げられる。
その結果、リフトケージ30が下降し、カウンタウエイト58が上昇する。
【0045】
上述の実施形態の駐車装置と昇降装置とを用いれば、以下の効果を発揮する。
駐車装置は、主構造体の複数の格納棚が上下方向に並んで車両を格納することをでき、リフトケージ(対象物に相当する。)が車両を載せることをでき、リフトケージを格納棚に沿って上下に延びる昇降路の中に吊ることをできる第一ワイヤと第二ワイヤとがリフトケージを格納棚に沿って上下に延びる昇降路の中に吊ることをでき、巻上シーブと駆動シーブとアイドルシーブとカウンタウエイト用シーブとが昇降路の上方に設けられ、アイドルシーブが駆動シーブの斜め下方に互いのワイヤ溝を対面させて回転自在に設けられる。
その駐車装置または昇降装置において、第一ワイヤ41が、駆動シーブ51から下方に下ろされた一方の端部をリフトケージ30に連結され、駆動シーブ51に上側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、アイドルシーブ52に駆動シーブ51寄りの横側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、アイドルシーブ52とカウンタウエイト用シーブ54との間に掛け渡され、カウンタウエイト用シーブ54に巻掛けられ、カウンタウエイト用シーブ54から下方に下ろされた他方の端部をカウンタウェイト58に連結される。
第二ワイヤ42が、巻上シーブ53から下方に下ろされた一方の端部をリフトケージ30に連結され、巻上シーブ53に巻掛けられ、巻上シーブ53とアイドルシーブ52との間に掛け渡され、アイドルシーブ52に上側のワイヤ溝の駆動シーブ51寄りの箇所に接して巻掛けられ、駆動シーブ51に横側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、駆動シーブ51とカウンタウエイト用シーブ54との間に掛け渡され、カウンタウエイト用シーブ64に巻掛けられ、カウンタウエイト用シーブ54から下方に下ろされた他方の端部をカウンタウエイト58に連結される。
この様にしたので、駆動機構57が駆動シーブ51を一方へ回転するとリフトケージ30が上昇してカウンタウエイト59が下降し、駆動機構57が駆動シーブ51を他方へ回転するとリフトケージ30が下降してカウンタウエイト58が上昇する。
また、駆動シーブ51が昇降路Hの上方の前部に設けられ、巻上シーブ53とカウンタウエイト用シーブ54とが昇降路Hの上方の後部に設けられる様にしたので、カウンタウエイト58がリフトケージ30の後方を昇降し、昇降路Hの空間を有効利用でき、駐車装置のバリエーションを増やすことをできる。
また、アイドルシーブ52が駆動シーブ51の略45度の斜め下方に互いのワイヤ溝を対面させて回転自在に設けられる様にしたので、第一ワイヤ41の駆動シーブ52に対する巻掛け角度と第二ワイヤ42の駆動シーブ51に対する巻掛け角度とを略等しく大きくすることをでき、駆動シーブ51が第一ワイヤ41または第二ワイヤ42に伝達する力が安定する。
また、第一ワイヤ41が駆動シーブ51にワイヤ溝の少なくとも上半分の円弧部分に接して巻掛けられ、第二ワイヤ42が駆動シーブ51にワイヤ溝の少なくとも横半分の円弧部分に接して巻掛けられる様にしたので、第一ワイヤ41の駆動シーブ51に対する巻掛け角度と第二ワイヤ42の駆動シーブ51に対する巻掛け角度とが180度を超えて、駆動シーブ51が第一ワイヤ41または第二ワイヤ42に伝達する力が安定する。
【0046】
本発明は以上に述べた実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で各種の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施形態に係る駐車装置の正面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る昇降装置の斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に係る昇降装置の平面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る昇降装置の側面図である。
【図5】本発明の実施形態に係る昇降装置の作用説明図その1である。
【図6】本発明の実施形態に係る昇降装置の作用説明図その2である。
【図7】従来の昇降装置の斜視図である。
【符号の説明】
【0048】
S 入出庫スペース
H 昇降路
1 車両
10 パレット
20 主構造体
21 格納棚
22 柱
30 リフトケージ
31 リフトケージ構造体
31a 横部材
31b 縦部材
40 ワイヤ
50 巻上装置
51 駆動シーブ
52 アイドルシーブ
53 巻上シーブ
54 カウンタウエイト用シーブ
55 転向シーブ
56 転向シーブ
57 駆動機構
58 カウンタウエイト
60 連結機構
70 ケージ支持装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両を駐車させる駐車装置であって、
上下方向に並んで車両を格納することをできる複数の格納棚を有する主構造体と、
車両を載せることをできるリフトケージと、
前記リフトケージを前記格納棚に沿って上下に延びる昇降路の中に吊ることをできる第一ワイヤと、
前記リフトケージを前記昇降路の中に吊ることをできる第二ワイヤと、
駆動シーブとアイドルシーブと前記駆動シーブを回転駆動する駆動機構とカウンタウエイトとを有する巻上装置と、
を備え、
前記駆動シーブと前記アイドルシーブとが昇降路の上方に設けられ、
前記アイドルシーブが前記駆動シーブの下方に互いのワイヤ溝を対面させて回転自在に設けられ、
前記第一ワイヤが、下方に下ろされた一方の端部を前記リフトケージに連結され、前記駆動シーブに上側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、前記アイドルシーブに横側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、下方に下ろされた他方の端部をカウンタウェイトに連結され、
前記第二ワイヤが、下方に下ろされた一方の端部を前記リフトケージに連結され、前記アイドルシーブに上側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、前記駆動シーブに横側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、下方に下ろされた他方の端部を前記カウンタウエイトに連結される、
ことを特徴とする駐車装置。
【請求項2】
車両を駐車させる駐車装置であって、
上下方向に並んで車両を格納することをできる複数の格納棚を有する主構造体と、
車両を載せることをできるリフトケージと、
前記リフトケージを前記格納棚に沿って上下に延びる昇降路の中に吊ることをできる第一ワイヤと、
前記リフトケージを前記昇降路の中に吊ることをできる第二ワイヤと、
巻上シーブと駆動シーブとアイドルシーブとカウンタウエイト用シーブと前記駆動シーブを回転駆動する駆動機構とカウンタウエイトとを有する巻上装置と、
を備え、
前記巻上シーブと前記駆動シーブと前記アイドルシーブと前記カウンタウエイト用シーブとが昇降路の上方に設けられ、
前記アイドルシーブが前記駆動シーブの下方に互いのワイヤ溝を対面させて回転自在に設けられ、
前記第一ワイヤが、前記駆動シーブから下方に下ろされた一方の端部を前記リフトケージに連結され、前記駆動シーブに上側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、前記アイドルシーブに横側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、前記アイドルシーブと前記カウンタウエイト用シーブとの間に掛け渡され、前記カウンタウエイト用シーブに巻掛けられ、前記カウンタウエイト用シーブから下方に下ろされた他方の端部をカウンタウェイトに連結され、
前記第二ワイヤが、前記巻上シーブから下方に下ろされた一方の端部を前記リフトケージに連結され、前記巻上シーブに巻掛けられ、前記巻上シーブと前記アイドルシーブとの間に掛け渡され、前記アイドルシーブに上側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、前記駆動シーブに横側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、前記駆動シーブと前記カウンタウエイト用シーブとの間に掛け渡され、前記カウンタウエイト用シーブに巻掛けられ、前記カウンタウエイト用シーブから下方に下ろされた他方の端部を前記カウンタウエイトに連結される、
ことを特徴とする駐車装置。
【請求項3】
前記リフトケージが上から見て前後方向に対向する辺をもつ矩形の輪郭を有し、
前記駆動シーブが前記昇降路の上方の前部に設けられ、
前記巻上シーブと前記カウンタウエイト用シーブとが前記昇降路の上方の後部に設けられる、
ことを特徴とする請求項2に記載の駐車装置。
【請求項4】
前記アイドルシーブが前記駆動シーブの斜め下方に互いのワイヤ溝を対面させて回転自在に設けられる、
ことを特徴とする請求項1または請求項2のうちのひとつに記載の駐車装置。
【請求項5】
前記第一ワイヤが、前記駆動シーブにワイヤ溝の少なくとも上半分の円弧部分に接して巻掛けられ、
前記第二ワイヤが、前記駆動シーブにワイヤ溝の少なくとも横半分の円弧部分に接して巻掛けられる、
ことを特徴とする請求項1または請求項2のうちのひとつに記載の駐車装置。
【請求項6】
対象物を昇降路の中で昇降させる昇降装置であって、
対象物を昇降路の中に吊ることをできる第一ワイヤと、
対象物を昇降路の中に吊ることをできる第二ワイヤと、
駆動シーブとアイドルシーブと前記駆動シーブを回転駆動する駆動機構とカウンタウエイトとを有する巻上装置と、
を備え、
前記駆動シーブと前記アイドルシーブとが昇降路の上方に設けられ、
前記アイドルシーブが前記駆動シーブの下方に互いのワイヤ溝を対面させて回転自在に設けられ、
前記第一ワイヤが、下方に下ろされた一方の端部を対象物に連結され、前記駆動シーブに上側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、前記アイドルシーブに横側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、下方に下ろされた他方の端部をカウンタウェイトに連結され、
前記第二ワイヤが、下方に下ろされた一方の端部を対象物に連結され、前記アイドルシーブに上側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、前記駆動シーブの横側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、下方に下ろされた他方の端部を前記カウンタウエイトに連結される、
ことを特徴とする昇降装置。
【請求項7】
対象物を昇降路の中で昇降させる昇降装置であって、
対象物を昇降路の中に吊ることをできる第一ワイヤと、
対象物を昇降路の中に吊ることをできる第二ワイヤと、
巻上シーブと駆動シーブとアイドルシーブとカウンタウエイト用シーブと前記駆動シーブを回転駆動する駆動機構とカウンタウエイトとを有する巻上装置と、
を備え、
前記巻上シーブと前記駆動シーブと前記アイドルシーブと前記カウンタウエイト用シーブとが昇降路の上方に設けられ、
前記アイドルシーブが前記駆動シーブの下方に互いのワイヤ溝を対面させて回転自在に設けられ、
前記第一ワイヤが、前記駆動シーブから下方に下ろされた一方の端部を対象物に連結され、前記駆動シーブの上側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、前記アイドルシーブに横側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、前記アイドルシーブと前記カウンタウエイト用シーブとの間に掛け渡され、前記カウンタウエイト用シーブに巻掛けられ、前記カウンタウエイト用シーブから下方に下ろされた他方の端部をカウンタウェイトに連結され、
前記第二ワイヤが、前記巻上シーブから下方に下ろされた一方の端部を対象物に連結され、前記巻上シーブに巻掛けられ、前記巻上シーブと前記アイドルシーブとの間に掛け渡され、前記アイドルシーブに上側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、前記駆動シーブに横側のワイヤ溝に接して巻掛けられ、前記駆動シーブと前記カウンタウエイト用シーブとの間に掛け渡され、前記カウンタウエイト用シーブに巻掛けられ、前記カウンタウエイト用シーブから下方に下ろされた他方の端部を前記カウンタウエイトに連結される、
ことを特徴とする昇降装置。
【請求項8】
対象物が上から見て前後方向に対向する辺をもつ矩形の輪郭を有し、
前記駆動シーブが前記昇降路の上方の前部に設けられ、
前記巻上シーブと前記カウンタウエイト用シーブとが前記昇降路の上方の後部に設けられる、
ことを特徴とする請求項7に記載の昇降装置。
【請求項9】
前記アイドルシーブが前記駆動シーブの斜め下方に互いのワイヤ溝を対面させて回転自在に設けられる、
ことを特徴とする請求項6または請求項7のうちのひとつに記載の昇降装置。
【請求項10】
前記第一ワイヤが、前記駆動シーブにワイヤ溝の少なくとも上半分の円弧部分に接して巻掛けられ、
前記第二ワイヤが、前記駆動シーブにワイヤ溝の少なくとも横半分の円弧部分に接して巻掛けられる、
ことを特徴とする請求項6または請求項7のうちのひとつに記載の昇降装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−113345(P2007−113345A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−308399(P2005−308399)
【出願日】平成17年10月24日(2005.10.24)
【出願人】(000198363)石川島運搬機械株式会社 (292)
【Fターム(参考)】