説明

骨材選別装置

【課題】骨材の長径または面積が基準値以上の大塊を自動的に選別・除去して、所望する大きさの骨材のみを選別することができ、しかも機械装置の変更なしに、基準値を容易に設定変更することができる骨材選別装置を提供する。
【解決手段】本発明は、大塊を含む骨材からなる被選別材料を照明する照明手段と、照明された被選別材料を撮影する撮影手段と、撮影された画像を基に輝度と色差を計算する画像処理手段と、該色差と該輝度が基準値を超える場合に除去信号を送信する検出手段と、該除去信号に基づいて大塊を除去する除去手段とから構成されることを特徴とした骨材選別装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、砕砂やコンクリート廃材からの再生細骨材等のコンクリート用細骨材または砕砂原石中の大塊を自動的に検出して、所定の基準値以上の大塊を自動的に選別・除去する骨材選別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
骨材は,コンクリート体積の約70%を占め,その骨材の特性がコンクリートの諸物性に大きく影響を及ぼす。即ち、骨材には、コンクリートの組織を緻密にする、水和熱を抑制する等の役割を果たす。
このためよい品質のコンクリートを作るためには、堅硬かつ物理的・化学的に安定であり、適度な粒度・粒形を有し、有害量の不純物・塩分等を含まない良質の骨材を使用する必要がある。
【0003】
コンクリート用砕石及び砕砂の品質はJIS A 5005で規定されており、ごみ、泥、有機不純物などを有害量含んではならないことになっている。
また、実績率(粒形判定実績率)は、砕石で55%以上、骨材で53%以上と規定されている。
実績率が大きい程、適度な粒形・粒度を持って折り、良い骨材と判断されている。なお実績率が大きい骨材は、粒形が丸い。実績率が大きい程、同一スランプを得るためのコンクリートの単位水量を小さくすることができる。
【0004】
従来使用されていた川砂利、川砂は採取が禁止され、かわって砕石と海砂が使用されてきた。しかしながら、海砂は塩害の原因となり、それ故砕石やコンクリート廃材の利用が益々増大して来ている。特にコンクリート廃材からの骨材は、従来の川砂利が使用されており、良質な骨材と成り得るものであり、また資源の有効利用からも活用が望まれており、JIS A 5021として規定された。
【0005】
このように、コンクリート用砕石及び砕砂は、その中にごみ、泥、木屑、鉄屑、ガラス屑、プラスチック屑等の異物を含んでいると、コンクリートの性能に重大な影響を及ぼす。
従って、コンクリート用砕石及び砕砂から前述の異物を除く必要がある。
特に、近年、天然骨材の枯渇及び環境問題等から、建築物解体によって発生するコンクリート廃材から骨材を回収するニーズが高まっている。このコンクリート廃材には種々の建築材料が含まれていることから、コンクリート用砕石及び砕砂の製造にあたっては、特に異物の除去が重要である。
【0006】
従来、コンクリート用骨材は原石やコンクリート廃材を所定の大きさに破砕機等で破砕して生成した砕石を、篩で篩い分けされて使用されていた。しかしながら従来の篩による篩い分けでは、必ずしも粒径が均一とは言い難かった。これは、骨材上限径の篩目よりも長径が大きくても、短径が短ければ、この篩目を通過してしまうためである。
【0007】
既存の篩い分け技術としては、櫛状のグリズリバーユニットを段差をもって複数段直列に配設した一床目スクリーンと、その下方位置において、前記グリズリバーの間隔より小さい間隔を有する櫛状のロッドバーユニットを段差をもって複数段直列に配設した二床目スクリーンとから構成された振動篩い分け装置が開示されている(特許文献1参照)。
また、供給岩石を大塊と細粒に選別しつつ移送するスクリーンと振動フィーダからなるスクリーン付き振動フィーダにおいて、該スクリーンは複数個の同一形状の透孔を略全面に配列した有孔平板をフィーダトラフの内部に固定するとともに、該有孔平板の上部に載置され該有孔平板の透孔と同一形状および同一配列の透孔を有する第2の有孔平板を前記振動フィーダの振動進行方向と直角に進退動自在に配設し、かつ、該第2有孔平板の進退動手段を備えた構成としたスクリーン付き振動フィーダが開示されている(特許文献2)。
更に、砕石等の岩石を大量に連続的に分別し大きさを揃える技術としては、一定間隔で平行に配置した複数の「く」の字形に屈曲された棒状部材、該棒状部材の上側直線部によって形成される傾斜したふるい面、及び棒状部材の屈曲部によって形成されるふるい面終端部を有するふるい部と、該ふるい部を振動させるための振動モータととから構成される岩石分別装置が開示されている(特許文献3参照)。
【0008】
また、コンクリート廃材を材料とするものについては、所定のサイズより小さい規格内破砕石を所定サイズ孔から落し、所定のサイズより大きい規格外破砕石を下流側縁から落す振動ふるい板を備えた構成により、二つのサイズ品を一緒に得ることができるコンクリート廃棄材リサイクルプラントにおける選別装置が開示されている(特許文献4参照)
【特許文献1】特開平09−085173号公報
【特許文献2】特開平10−066938号公報
【特許文献3】特開2000−334383号公報
【特許文献4】特開平09−173980号公報
【0009】
しかしながら、これらの技術はいずれも所定サイズの隙間(間隔や孔)を通過するか否かによって分別するものであり、例えば、形状が矩形状等の場合は充分に分別されるものではないし、粒形も揃ったものではないとういう問題点を依然有している。即ち、篩目よりも骨材長径が大きくても、骨材短径が短ければ、この隙間を通過してしまうためである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明者らは、上記問題点を改善すべく、鋭意研究の結果、骨材の長径または面積が基準値以上の大塊を自動的に選別・除去して、所望する大きさの骨材のみを選別することができ、しかも機械装置の変更なしに、基準値を極めて容易に変更することができる骨材選別装置を完成するに至った。
【0011】
即ち、ベルトコンベア等の搬送手段によって100m/分〜300m/分で搬送される骨材の中から、基準値以上の長径を有する大塊を検出除去することができ、しかも基準値の値をコンピューターに設定変更入力するだけで、機械装置の変更をすることなく容易に基準値を変更できる骨材選別装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、骨材の表面の色は安定しており、大塊の色とは大きく異なっていることに着目し、色差によって骨材と大塊との区別ができ、更に輝度によって大塊の大きさを判定できることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、大塊を含む骨材を撮影した画像に基づく色差によって骨材と大塊とを区別し、更に輝度によって大塊の大きさを判定し、該大塊を除去する骨材選別装置である。
詳しくは、少なくとも、大塊を含む骨材からなる被選別材料を照明する照明手段と、照明された被選別材料を撮影する撮影手段と、撮影された画像を基に輝度と色差を計算する画像処理手段と、該色差と該輝度が基準値を超える場合に除去信号を送信する検出手段と、該除去信号に基づいて大塊を除去する除去手段とから構成されることを特徴とした骨材選別装置である。
【0013】
骨材と大塊の色の違いは下記の通りである。









【0014】
本発明で用いられる骨材とは、石灰石、砕石原石、砕石粗骨材、砕砂原石、砕石細骨材(砕砂)、コンクリート廃材粗骨材、コンクリート廃材細骨材をいう。
また、本発明で用いられる大塊とは、基準値以上の大きさの、上記骨材、粘土塊、砕石原石、砕石、樹脂片、金属片、木片、草本植物片、根をいう。
【0015】
即ち、本発明は、大塊を含む骨材からなる被選別材料の画像に基づいて得られた色差から骨材と大塊とを区別し、輝度から大塊の大きさを判定して、基準値以上の大塊を除去することを特徴とする骨材選別装置である(請求項1)。
次に、少なくとも、大塊を含む骨材からなる被選別材料を照明する照明手段と、照明された被選別材料を撮影する撮影手段と、撮影された被選別材料の画像を基に輝度と色差を計算する画像処理手段と、該色差で大塊を検出し、該輝度から該大塊の大きさを判定し、該大塊の大きさが基準値以上の場合に除去信号を除去手段に送信する検出手段と、該除去信号に基づいて大塊を除去する除去手段とから構成されることを特徴とする骨材選別装置である(請求項2)。
更に、撮影手段が、カラーCCDカメラであることを特徴とする請求項2記載の骨材選別装置である(請求項3)。
更に、照明手段の照射光中心軸の角度が、仰角60〜70度であることを特徴とする請求項2及び請求項3記載の骨材選別装置である(請求項4)。
更に、除去手段が、排出用ダンパー装置、ドロップアウトコンベア装置、押出装置、掻き出し装置、圧縮空気噴射装置、ピックアップ装置の何れか1つの装置であることを特徴とする請求項2〜請求項4に記載された骨材選別装置である(請求項5)。
また、骨材が、砕砂原石、コンクリート用細骨材(砕砂)、またはコンクリート廃材からの再生細骨材であることを特徴とする請求項1〜請求項5に記載された骨材選別装置である(請求項6)。
そして、大塊が、基準値以上の骨材、粘土塊、砕石、砕石原石、樹脂片、金属片、または木片であることを特徴とする請求項1〜請求項6に記載された骨材選別装置である(請求項7)。
【発明の効果】
【0016】
本発明の骨材選別装置は、除去対象となる大塊の下限値を基準値として設定することによって、大塊が矩形状や棒状であるか否かに係わらず、大塊の長径が基準値を超えているものを選択的に選別・除去することができる。
また、基準値を変更入力するだけで、機械装置の変更を伴うことなく、設定した基準値以上の大塊を選別・除去することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明について説明する。
本発明で用いる照明手段の光源は、白熱電球やハロゲン電球等の白熱灯、水銀灯、ナトリュウム灯、キセノン灯、メタルハライド灯等の放電灯、キセノンフラッシュ、発光ダイオード、蛍光灯、プロジェクター照明の中から任意に選択できる。光量の大きいものが好ましく、高輝度プロジェクター照明が特に好ましい。
本発明で用いる照明手段の照射方法としては、ストロボ照射が好ましく、発光時間は50μsec〜200μsecが好ましい。
【0018】
また、本発明で用いる照明手段の照射角度は、照射光中心軸の角度が、仰角60〜70度が好ましく、特に仰角63〜66度が好ましい。
【0019】
本発明で用いる撮影手段は、カラービデオカメラ、カラーCCDカメラの中から任意のものを適宜選択して使用することができるが、特にカラーCCDカメラが好ましい。
【0020】
本発明で用いる画像処理手段は、ベルトコンベア等の搬送手段で搬送されてきた骨材を、該搬送手段上で骨材を照明手段で照射し、骨材を撮影手段で映像化し、画像解析によりRGBカラー画像から輝度情報と色差情報に変換し、これらの情報を基準値と比較判定することによって、大塊のみの位置情報と大きさを検出し、基準値以上の大塊を検出・除去するものである。
【0021】
本発明で用いる画像処理方法は、先ず、撮影手段で撮影した画像から画像解析によりRGBカラー画像を得、該RGBカラー画像から輝度情報と色差情報に変換する。
次に、骨材の基準値と大きく異なる輝度情報と色差情報を有する部分を大塊として識別することができると同時に、大塊の位置情報も得られる。
そして、RGBカラー画像を2値化処理し、大塊のみが抽出された画像(白い画像)を得ることができる。
【0022】
次に、本発明で用いる大塊の大きさを求める方法について説明する。
先ず、大塊のみが抽出された画像の各画素を画素ピッチ毎に横1ラインづつスキャンして一番長い画素列の長さを計測する。次に同様に縦1ラインづつスキャンして一番長い画素列の長さを計測する。そして、このうちの長い方を大塊長径測定値(長径)、短い方を大塊短径測定値(短径)とする。
尚、基準値との差があまりない場合には、前記大塊長径測定値(長径)と大塊短径測定値(短径)から大塊の面積を計算し、基準値から計算した面積と比較しても良い。
【0023】
本発明で用いる検出手段は、例えば、選別すべき骨材が砕石1505の場合は16mmを、砕石2005の場合は21mmを、砕砂の場合は6mmを基準値と設定すれば良い。
【0024】
別の方法としては、予め選別すべき骨材(大塊を含んでいない骨材)について前述の方法で直近の複数の画像を処理し、該画像処理で求めた骨材の粒径の長径と短径のそれぞれの平均値を求め、それぞれの平均値を基に除去すべき大塊の長径と面積のそれぞれの下限値を定めるようにしておき、このそれぞれの下限値を基準値としても良い。
【0025】
そして、搬送手段上の被選別材料を撮影・画像処理して得られた大塊径測定値と基準値を比較し、大塊長径測定値(長径)と大塊面積のどちらか一方でも基準値よりも大きい場合に、検出手段が除去信号を除去手段に送信するものである。
【0026】
本発明では、画像処理手段による画像処理、検出手段による大塊の検出、大塊の大きさの計算、及び大塊の位置情報は、コンピューターで処理される。
また、撮影手段によって撮影された撮影画像、画像処理によって処理された2値画像、輝度、色差等の各種データをモニター上に表示されるようにしても良い。
尚、これらの各種データは、検出日時や出荷先データ等品質管理上必要なデータとともに、コンピューターまたはその他の電磁気的記録媒体に保管される。
【0027】
本発明で用いる除去手段は、排出用ダンパー装置、ドロップアウトコンベア装置、押出装置、掻き出し装置、ピックアップ装置の何れかのうちの一つから選ばれる。
これらの除去手段は、搬送手段上の撮影手段設置位置よりも川下に設けられている。
【0028】
除去手段が排出用ダンパー装置の場合について説明する。
撮影された画像により測定された大塊長径測定値(長径)が基準値を超えた場合に、検出手段から除去信号が除去手段に送信され、該除去信号を発信する原因となった大塊がダンパー装置に搬送されて来た時に、ダンパー駆動装置を駆動し、羽を回動して該大塊を大塊回収ラインまたは大塊回収箱に送り込む。
尚、除去信号が発信されなかった場合の骨材は、回動していない状態のダンパー装置を通過し、そのまま搬送手段によって搬送されて、骨材サイロや骨材ヤード、あるいは出荷施設に送り込まれる。
【0029】
次に、除去手段がドロップアウトコンベア装置の場合について説明する。
撮影された画像により測定された大塊長径測定値(長径)が基準値を超えた場合に、検出手段から除去信号が除去手段に送信され、該除去信号を発信する原因となった大塊がドロップコンベア上には搬送されて来た時に、ドロップアウトコンベア駆動装置を駆動し、ドロップアウトコンベアを回動して該大塊を大塊回収ラインまたは大塊回収箱に送り込む。
尚、ドロップアウトコンベアが稼動し始めてから初期の水平状態に戻る迄の時間は、ドロップアウトコンベアの搬送時間や検出時間等を考慮して任意に設定することができる。
そして、除去信号が発信されなかった場合の骨材は、ドロップアウトコンベアを通過し、そのまま次の搬送手段で搬送されて、骨材サイロや骨材ヤード、あるいは出荷施設に送り込まれる。
【0030】
次に、除去手段が押出装置の場合について説明する。
搬送手段の脇にエアーシリンダーまたは油圧シリンダーが搬送方向と垂直方向に伸縮する用に設けられていて、該シリンダーの先端には、大塊を押出すための矩形状の板が取り付けられている。該板はシリンダーの伸長によって搬送手段上の大塊を搬送手段上から押出して除去できる状態に設置されている。
撮影された画像により測定された大塊長径測定値(長径)が基準値を超えた場合に、検出手段から除去信号が除去手段に送信され、該除去信号を発信する原因となった大塊が除去手段が設置されている搬送手段上に搬送されて来た時に、上記シリンダーを伸長し、該大塊を搬送手段上から押出し、搬送手段脇に設けられた大塊回収ラインまたは大塊回収箱に送り込む。そして該大塊を押出すために伸長したシリンダーは直ぐに収縮し元の状態に戻る。
尚、除去信号が発信されなかった場合の骨材は、除去手段によって押出されることなく、そのまま搬送手段によって搬送されて、骨材サイロや骨材ヤード、あるいは出荷施設に送り込まれる。
【0031】
次に、除去手段が掻き出し装置の場合について説明する。
搬送手段の上方に設けられた回転軸に、その先端に掻き出し用装置が取り付けられた掻き出し用装置固定軸が一つまたは複数接続されている。該回転軸は、搬送手段の幅方向に回転するように設けられている。そして掻き出し用装置は、上記回転軸が回転することによって、搬送手段上の大塊を掻き出し、搬送装置上から除去するものである。
即ち、撮影された画像により測定された大塊長径測定値(長径)が基準値を超えた場合に、検出手段から除去信号が除去手段に送信され、該除去信号を発信する原因となった大塊が除去手段が設置されている搬送手段上に搬送されて来た時に、上記回転軸を回転し、該大塊を搬送手段上から掻き出し、搬送手段脇に設けられた大塊回収ラインまたは大塊回収箱に送り込む。
尚、除去信号が発信されなかった場合の骨材は、除去手段によって掻き出されることなく、そのまま搬送手段によって搬送されて、骨材サイロや骨材ヤード、あるいは出荷施設に送り込まれる。
【0032】
次に、除去手段が圧縮空気噴射装置の場合について説明する。
搬送手段の脇に搬送方向と垂直方向に圧縮空気が噴出するように圧縮空気噴出し用ノズルが設けられている。圧縮空気噴出し用ノズルは、コンプレッサーや高圧空気ボンベ等に接続されている。圧縮空気噴出し用ノズルは、除去信号の有無によって開閉弁が開閉する。
そして、撮影された画像により測定された大塊長径測定値(長径)が基準値を超えた場合に、検出手段から除去信号が除去手段に送信され、該除去信号を発信する原因となった大塊が除去手段が設置されている搬送手段上に搬送されて来た時に、除去信号によって前記開閉弁を開弁し、圧縮空気噴出し用ノズルから圧縮空気が噴出し、該大塊を搬送手段上から噴出・押出し、搬送手段脇に設けられた大塊回収ラインまたは大塊回収箱に送り込む。
尚、除去信号が発信されなかった場合の骨材は、圧縮空気によって噴出・押出されることなく、そのまま搬送手段によって搬送されて、骨材サイロ、骨材ヤード、あるいは出荷施設に送り込まれる。
【0033】
次に、排出装置がピックアップ装置の場合について説明する。
ピックアップ装置は、大塊をすくい上げるツメまたは矜持するツメと、ツメを固定・回動するフレキシブルに折り曲げ可能なア−ムとから構成されており、除去信号を発信する原因となった大塊をすくい上げる、あるいは矜持し、そして、該搬送手段脇に備えられた大塊回収ラインまたは大塊回収箱上に回動し、該大塊を大塊回収ラインまたは大塊回収箱に落とすものである。
【実施例】
【0034】
次に、本発明の実施例の一例について詳細に説明するが、本発明はこれらに何等制限されるものではない。
7号タンク(5mm以下)に貯蔵されていた被選別材料をベルトコンベアによって250m/分で搬送した。
そして、ベルトコンベア上の被選別材料にストロボ照明灯具によって光を照明し、該ストロボ照明灯具と連動したカラーCCDカメラによって被選別材料を撮影した。
撮影した被選別材料の画像は、画像処理によって、色差に基づき被選別材料中の大塊と、その位置情報を検出した。
さらに、画像処理によって得た2値画像から、その大塊長径測定値(長径)を計算した。
次に、基準値を5.5mmに設定した。
そして、撮影した大塊が排出用ダンパー装置に移動した時に、大塊長径測定値(長径)が基準値を超えていた場合に、検出手段が除去手段へ除去信号を送信した。
この除去信号に基づいて、排出用ダンパー装置の駆動装置が稼動し、排出用ダンパー装置の羽が回動して、大塊を大塊回収ライン誘導した。
基準値以上の大きさである大塊が除去されると、羽は初期の状態に戻り、除去信号が出力されなかった砕砂は、排出用ダンパー装置を素通りし、更にその先の出荷施設に搬送された。
【0035】
次に、大塊回収ラインに誘導された大塊及び出荷施設に搬送された砕砂の大きさについて検証した、
大塊回収ラインに誘導された大塊の最小長径は6mmであった。
また、出荷施設に搬送された砕砂の最大長径は5mmであった。
このように、本願発明の方法によって、設定値5.5mm以上の大塊が除去されていることが検証された。
【0036】
以上説明したように、本発明によれば、除去対象となる大塊の下限長径となる基準値を設定することによって、大塊が矩形状や棒状であるか否かに係わらず、大塊長径測定値(長径)が基準値を超えたものだけを選択的に選別・除去することができる。
また、基準値を変更入力するだけで、機械装置の変更を伴うことなく、基準値以上の大塊を選別・除去することができる。
【0037】
また、基準値を設定しない場合は、大塊の白い部分のみが抽出された画像の大塊全てを除去するようにプログラムを設定しておけば良い。
このようにすれば、一旦、被選別材料を搬送し始めれば、全ての被選別材料を搬送し終わる迄、何等人手を必要とするものではない。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施に係わる骨材選別装置の一例を示す要部概略図である。
【図2】本発明の実施に係わる骨材選別装置を破砕選別ラインに組み込んだ一例を示す概略図である。
【図3】本発明の実施に係わる骨材選別装置により、ベルトコンベア上の細骨材と大塊を撮影した画像である。
【図4】図3の撮影画像を2値化処理し、大塊のみを抽出した画像である。
【符号の説明】
【0039】
1:ストロボ照明灯具
2:カラーCCDカメラ
3:ドロップアウトコンベア駆動装置
4:ベルトコンベア
5:ストロボ照明灯具用電源
6:画像処理手段及び検出手段を有したコンピューター
7:ドロップアウトコンベア
8:砕砂
9:大塊
10:大塊回収箱
11:骨材ヤード
31:トンネル
41:6号サイロ
42:5号サイロ
43:7号タンク
51:シップローダー
61:輸送船
71:採掘切羽
72:油圧ショベル
73:ダンプトラック
74:グリズリ振動フィーダ
75:クラッシャ
76:骨材原石ヤード
77:砕砂原石タンク
78:コーンクラッシャ



【特許請求の範囲】
【請求項1】
大塊を含む骨材からなる被選別材料の画像に基づいて得られた色差から骨材と大塊とを区別し、輝度から大塊の大きさを判定して、基準値以上の大塊を除去することを特徴とする骨材選別装置。
【請求項2】
少なくとも、大塊を含む骨材からなる被選別材料を照明する照明手段と、照明された被選別材料を撮影する撮影手段と、撮影された被選別材料の画像を基に輝度と色差を計算する画像処理手段と、該色差で大塊を検出し、該輝度から該大塊の大きさを判定し、該大塊の大きさが基準値以上の場合に除去信号を除去手段に送信する検出手段と、該除去信号に基づいて大塊を除去する除去手段とから構成されることを特徴とする骨材選別装置。
【請求項3】
撮影手段が、カラーCCDカメラであることを特徴とする請求項2記載の骨材選別装置。
【請求項4】
照明手段の照射光中心軸の角度が、仰角60〜70度であることを特徴とする請求項2及び請求項3記載の骨材選別装置。
【請求項5】
除去手段が、排出用ダンパー装置、ドロップアウトコンベア装置、押出装置、掻き出し装置、圧縮空気噴射装置、ピックアップ装置の何れか1つの装置であることを特徴とする請求項2〜請求項4に記載された骨材選別装置。
【請求項6】
骨材が、砕砂原石、コンクリート用細骨材(砕砂)、またはコンクリート廃材からの再生細骨材であることを特徴とする請求項1〜請求項5に記載された骨材選別装置。
【請求項7】
大塊が、基準値以上の骨材、粘土塊、砕石、砕石原石、樹脂片、金属片、または木片であることを特徴とする請求項1〜請求項6に記載された骨材選別装置。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−212777(P2008−212777A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−50056(P2007−50056)
【出願日】平成19年2月28日(2007.2.28)
【出願人】(000000240)太平洋セメント株式会社 (1,449)
【出願人】(592256667)パシフィックシステム株式会社 (6)
【Fターム(参考)】