説明

高エネルギー放射線を用いて基材に永久描画を行うための顔料層および方法

【課題】
高エネルギー放射線を用いて基材に永久描画を行うための顔料層および方法を提供する。
【解決手段】
少なくともチタン供与体と、エネルギー照射によって遊離炭素を供する炭素供与体とを含有しそして高エネルギー放射線、特にレーザー照射によって大部分が粉末化するポリマーマトリックスをベースにする、特にガラスに永久マーキングを行うための顔料層。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高エネルギー放射線を用いて基材、特にガラスに永久描画を行うための、請求項1に記載の前文による顔料層および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
乗り物、機械、電気および電子機器の部品、又は、例えばガラス製の部品の標識付けのために、とりわけ工業ラベルは、例えば、型式表示板として、プロセスの操作ラベルとして、および保証や検査の銘板として使用されている。レーザーラベルを用いた標識付け、および印刷又は塗装された金属表示板は、特に、価値の高いマークにますます重要になってきている。このようにして、後の使用者のための情報や指示が様々な部品に書き込まれる。
【0003】
更に、描画される物品に直接描画を行うことによって、これらの情報を確実にすることもできる。特に、金属又はガラスに直接描画および標識付けを行うため、様々な描画方法が知られている。例えば、着色剤のような材料を塗布することによって、又は彫刻の場合のように材料を除去することによっても描画を行うことができる。
【0004】
ラベルの描画又は直接描画は、例えば、1−D又は2−Dバーコードの形態で行うことができる。描画された物品又はその中身に関する情報を適当な読取装置によりバーコードで読み取ることができる。しかし、この標準的な情報のほかに、慎重を要するセキュリティデータも描画に書き込まれることが多い。盗難、事故又は保証の場合、これらの情報は物品および中身の追跡のために非常に重要である。
【0005】
特に、直接描画を行うため、文字数字標識、およびコード等のマークを焼付けるための高性能の制御可能なレーザーが普及している。その際、描画されるか、又は描画に使用される材料、および描画方法には、とりわけ以下の要件がある。
・材料は迅速に描画できなければならない。
・高い空間解像度を達成しなければならない。
・材料および描画方法はできるだけ簡単に使用できなければならない。
・描画時に場合によっては発生する分解生成物は腐食作用があってはならない。
・描画方法は、部品の機械的安定性に対する影響があってはならないか、又は影響が軽微でなければならない。
【0006】
そのほかに、個々の場合、各使用分野に応じて以下のような追加の要件がある:
・照射により作製される記号は、不都合な条件でも、例えば、比較的離れていても間違いなく読むことができるようにコントラストが高くなければならない。
・描画マークは、高い耐熱性、例えば、200℃超までの耐熱性を有していなければならない。
・描画マークは、外部の影響、例えば、天候の影響、水および/又は溶剤などに対して高い耐性を有していなければならない。
【0007】
(レーザー)ラベルを用いるのではなく、直接印刷することによって部品に描画する場合、第三者は容易に描画マークを洗い流すか又は擦り落とすことができる。また、描画された物品を第2の物品、例えば包装材に擦り付けるだけで、幾つかの文字又は数字が薄くなってしまうことが多い。
【0008】
典型的には、ガラス表面は従来のサンドブラスト法およびレーザー彫刻で標識付けされる。得られる標識はコントラストが低く、ガラス材料を除去することによって作製され、それは機械的安定性の変化を伴う。
【0009】
更に、レーザーによる材料の蒸発が知られており、LTF法(レーザー転写フィルム)又はPLD(パルスレーザー蒸着)と称される。これらの方法では両方とも、蒸発した材料が目的の基材上に堆積する。そのとき、蒸発した材料は目的の基材に物理化学的に結合する。
【0010】
特許文献1から、部品に永久描画を行うためのレーザー転写フィルムが知られている。このレーザー転写フィルムは支持体層を有し、その下側に接着剤層が少なくとも部分的に存在する。更に、支持体層および/又は接着剤層上に少なくとも部分的に顔料層が形成されており、顔料層は感レーザー性顔料を含有する。好適な顔料は、例えば、着色顔料および金属塩である。特に、サーマーク(Thermark)社の顔料、例えば、サーマーク(Thermark)120−30Fが使用され、それらは、例えば、三酸化モリブデンなどの金属酸化物である。更に、メルク社(Merck)およびフェロ社(Ferro Inc.)から入手可能なもののような、複数の顔料の混合物又は顔料とガラス粒子の混合物を使用することができ、それらを焼結プロセスで処理することができる。更に、メルク(Merck)社の様々な顔料(例えば、パール光沢顔料EM143220およびBR3−01)が適している。更に、感レーザー性顔料およびそれに加えられる添加剤としての二酸化チタンを使用することができる。
【0011】
特許文献2には、少なくとも1つの支持体層からなる部品に永久描画を行うための多層レーザー転写フィルムが記載されており、支持体層の下側にはまた第1の接着剤層が少なくとも部分的に存在する。更に、この場合は、第1の接着剤層がある支持体層のこの側には、少なくとも2つの顔料層が存在する。それは、好ましくは、少なくとも1つのガラスフラックス顔料(Glassflusspigment)を含有する少なくとも部分的に形成された第1の顔料層と、少なくとも1つの感レーザー性顔料を含有する少なくとも部分的に形成された第2の顔料層である。有利な実施形態では、第1の顔料層はガラスフラックス顔料と吸収剤を含有し、および/又は、第2の顔料層はガラスフラックス顔料、吸収剤、および感レーザー性顔料を含有する。
【0012】
また特許文献3も、少なくとも1つの支持体層からなる部品に永久描画を行うための多層レーザー転写フィルムを記載しており、ここで、支持体層の下側には第1の接着剤層が少なくとも部分的に存在する。第1の接着剤層がある支持体層の側には、同様に感レーザー性顔料を含有する少なくとも2つの顔料層が少なくとも部分的に存在する。しかし、顔料層中の感レーザー性顔料の濃度は互いに異なる。
【0013】
特許文献4は、熱活性化化学マーキング法を記載しており、そこでは、混合金属酸化物の層が金属基材に形成される。この層は、エネルギー吸収促進剤を含有する。層の形成後、記さなければならないマークの形態と一致したエネルギービーム束を層に照射する。そのとき、エネルギービーム束は、エネルギー吸収促進剤に合った波長を有し、そのため、エネルギー吸収促進剤は励起され、基材上にマーキング層が形成される。
【0014】
基本的に、エネルギー照射、特にレーザービームと材料との相互作用によって、様々な効果が生じ得る。そのとき、照射エネルギー(放射線エネルギー)が熱に変換されることによって生じる熱作用に基づいて、材料加工が行われる。そのとき、材料加工に決定的なのは、材料に吸収された強度の割合であり、その際、反射率と吸収率は照射波長と材料自体に依存する。加工されるほとんどの材料は良熱導体であるため、照射エネルギーは非常に迅速に分配され、レーザー照射点の周囲で熱の拡散は僅かしか起こらない。この効果は、金属では、的確な加熱で酸化により金属組織を変化させて変色を生じさせることにより、焼き戻し描画(Anlassbeschriftung)に使用される。着色は、境界層で達成された最高温度に依存する。このように、レーザーパラメータに応じて、比較的淡色および比較的濃色の焼き戻し色を作り出すことができる。それに対して、プラスチックの吸収性はあまり大きくなく、充填材、加工助剤、添加剤、染料、顔料、および表面の性質によって大きく左右される。不良熱導体であるプラスチックは、レーザー放射に反応して溶融、発泡、退色、変色、および彫刻が起こる。特に、熱可塑性樹脂およびエラストマーの場合、熱伝導によって運び去ることができるよりも多くのレーザー出力が吸収されるため、レーザー放射で溶融プロセスが起こる。局所的な過熱が液化の形態で起こるか、又は、臨界強度を越えるとプラスチックは蒸発さえも起こす。しかし、溶融は基材に永久マーキングを行うのにあまり適していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】独国特許出願公開第101 52 073A号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第102 13 110A1号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第102 13 111A1号明細書
【特許文献4】米国特許第6,313,436B号明細書
【非特許文献】
【0016】
【非特許文献1】A.ブランケン(A.Vrancken)、色およびワニス(Farbe und Lack)83,3(1977)171
【非特許文献2】D.サタス、感圧接着剤技術のハンドブック(バン・ノストランド・ラインホルド)(D.Satas, Handbook of Pressure Sensitive Adhesive Technology (Van Nostrand Reinhold))
【非特許文献3】ウルマンの工業化学百科事典、12巻、525〜555頁(第4版)、ヴァインハイム(Ullmanns Enzyklopaedie der technischen Chemie, Band 12, Seiten 525 bis 555(4. Auflage), Weinheim)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の課題は、迅速で正確な描画を可能にするとともに偽造防止性を向上させる、基材、特にガラスに永久描画を行うための顔料層を提供することである。更に、描画が、部品を損傷することなく行われ、破壊することなく除去できず、それにも関わらず高いコントラスト、高い解像度および高い耐熱性を可能にすることも狙いである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
この課題は、請求項1に記載の前文の特徴を有する顔料層において、請求項1に特徴部に記載の特徴によって解決される。請求項15の記載による方法は、並列する解決策を記載している。有利な形態および他の形態は、各従属請求項の対象である。
【0019】
従って、本発明は、ポリマーマトリックスをベースにする、基材、特にガラスに永久マーキングを行うための顔料層に関する。顔料層は、ポリマーマトリックスの他に、他の成分としてチタン供与体を含有する。チタン供与体と称されるのは、エネルギーの作用でいずれにしても短時間で遊離チタンを反応体として供する親和力を有する純粋なチタン又はチタン化合物である。場合によっては、遊離チタンの提供は、チタン含有中間生成物を経由して実施されてもよい。更に、炭素供与体、すなわち、エネルギー照射により遊離炭素、すなわち、化学結合していない炭素を供する材料も供される。このとき、それは、ポリマーマトリックス以外の他の炭素化合物であってもよく、しかし、場合によっては、ポリマーマトリックス自体が遊離炭素の供給源として十分な場合がある。
【0020】
本発明では、本質的には、例えば、レーザー照射などの高エネルギー放射線の照射によってポリマーマトリックスが粉末化する。粉末化する時、遊離炭素が生成し、チタン化合物が分解する。そのとき、新しいチタン化合物、特に炭化チタンがマーキングされる基材上にマークとして堆積する。更に、遊離炭素濃度が十分に高い場合、これは、新しいチタン化合物中に取り込まれ、それによってマークのコントラストに的確に影響を及ぼすことができる。
【0021】
このレーザー誘導粉末化は、好ましくは脆性材料で達成される。出力が十分に高い場合、プラズマと共に蒸気毛管(Dampfkapillare)が形成される。毛管によって、吸収はずっと高い値を取り、そのため、レーザー放射は材料により深く侵入することができ、プラスチックを、熱影響ゾーンの周囲でマトリックスから粒子状に爆発的に噴き出すことができる。この効果は、この毛管が反応体空間(Reaktandenraum)の役割をし、そして発生する粉末が炭化チタンの合成のためのチタン供与体および炭素供与体として反応することによって、転写材料の製造に最適に使用され得る。
【0022】
本発明では、ポリマーマトリックスとは、ポリマー性成分をベースにするあらゆるマトリックスを指す。マトリックスは、ポリマー性成分のほかに、任意の非ポリマー成分も含有し得るが、ただ主成分はポリマー種であるのがよい。特に、「ポリマーマトリックス」の概念は、複数種のベースポリマーの混合物も指す。特に好ましい形態では、ポリマーマトリックスは、熱硬化性ポリマーマトリックスである。特に熱硬化性材料は粉末化を達成するのに特に適していることが分かった。
【0023】
好ましい形態では、エネルギー照射により溶融するプラスチックを含有せずに、特に他の溶融材料も含有せずに顔料層が形成される。これによって、一方では、製品の構成をできるだけ簡単に保つことができ、他方では、プラスチック又は他の材料の溶融により描画が損なわれない。更に、本発明の顔料層では、ガラスフリットを成分として使用する必要もない。驚いたことに、特にガラスに対するマークの永久結合は、ガラスフリットなしでも達成されることが分かった。
【0024】
本発明の第1の有利な形態によれば、チタン化合物は二酸化チタン、好ましくはルチル構造の二酸化チタンである。ルチル構造は、専門文献から既知のように、二酸化チタンの4つの結晶変態の1つである。ルチル構造の二酸化チタン顔料は、屈折率n=2.75を有し、約430nmの波長で既に可視光線の一部を吸収する。それは、6〜7の硬度を有する。
【0025】
別の好ましい形態では、顔料層は、炭化チタンの合成に必要な遊離炭素を供するためのカーボンブラック又はグラファイトを有する。カーボンブラックは、エネルギー照射、特にレーザー照射により分解し、その時、遊離炭素を生成する。更に、遊離炭素は、また、エネルギー作用で、特にレーザー照射により分解、蒸発、酸化、解重合、および/又は熱分解したポリマーマトリックスに由来してもよい。
【0026】
好ましくは、pH値6〜8を有する中性のカーボンブラックが使用される。これは、特に取り扱いが簡単であることに関して、および酸性又は塩基性の材料を取り扱う際の特別な安全規定を回避するために好ましい。好ましくは、主にサーマルブラック、アセチレンブラック、およびランプブラックが挙げられる。特にランプブラックが好ましい。ランプブラックのpH値は、通常、7〜8、サーマルブラックのpH値は7〜9、アセチレンブラックのpH値は5〜8である。ファーネスブラックのpH値は通常9〜11であり、すなわち、これは強塩基性である。酸化処理したガスブラックのpH値は通常2.5〜6であり、すなわち、これは酸性である。しかし、このような酸性又は塩基性カーボンブラックの使用は基本的に除外されない。
【0027】
上記のカーボンブラック顔料は化学物質に対する耐性が非常に高く、高い耐光性と耐候性を特徴とする。非常に高い色の深みと色の強度並びに他の特殊な特性のため、カーボンブラック顔料は最も頻繁に使用される黒色顔料である。カーボンブラック顔料の工業的製造は、炭化水素の熱酸化分解又は熱分解によって行われる。カーボンブラック顔料は、ほとんど専ら、文献から既知のファーネスブラック法、デグサ−ガスブラック法、又はランプブラック法に従って製造される。
【0028】
本発明の別の有利な形態によれば、ポリマーマトリックスは、放射線硬化ポリマーマトリックスである。ポリマーマトリックスは、有利にはワニス、特に硬化ワニス、好ましくは放射線硬化ワニス、特に好ましくは電子線硬化脂肪族二官能性ポリウレタンアクリレートワニスからなる。代替の実施形態では、ポリマーマトリックスは、ポリエステルアクリレートからなる。この硬化ワニスは非常に高い硬度と高い脆性を有する。
【0029】
原則的には、安定性が十分である限り、4種類のワニス、例えば、酸硬化性アルキドメラミン樹脂、付加架橋性ポリウレタン、およびラジカル硬化性スチレンワニス等をポリマーマトリックスに有利に使用できる。しかし、時間のかかる溶剤の蒸発又は熱の作用を含まずに非常に迅速に硬化するため、放射線硬化性ワニスが特に有利である。このようなワニスは、例えば、非特許文献1に記載されている。
【0030】
本発明の特に有利な実施形態によれば、顔料層は、以下の組成を有する。
100phr:ポリマーマトリックス、特に放射線硬化脂肪族二官能性ポリウレタンアクリレート
0.2phr〜2.5phr:カーボンブラックおよび
45phr〜65phr:二酸化チタン
ここで「phr」は、混合物の組成を特徴付けるためにポリマー業界で一般に使用されている単位である「樹脂100当たりの部」を意味し、ポリマー成分全体(ここではすなわちポリマーマトリックス)は100phrとされる。
【0031】
更に好ましくは、組成は、以下の通りである。
100phr:ポリマーマトリックス、特に放射線硬化脂肪族二官能性ポリウレタンアクリレート
0.4phr:カーボンブラックおよび
63.2phr:二酸化チタン
顔料層の厚さは、それに対する要件を非常に良く満たすように、有利には約20μm〜約500μmの範囲、特に約30μm〜約100μmの範囲である。
【0032】
特性を最適化するために、顔料層は、可塑剤、充填材、顔料、紫外線吸収剤、光安定剤、老化防止剤、架橋剤、架橋促進剤又はエラストマーのような1種類以上の添加剤が混合されていてもよい。
【0033】
高エネルギー放射線、特にレーザービームが当たると、顔料層は、本質的に、照射点の領域が微粒子となって飛散し、そのため、レーザーによって発生する顔料層の粉末化された加熱除去部分(Abbrand)は、0.5〜2.0μmの数平均粒径を有する。
【0034】
レーザー照射のような高エネルギー放射線を、例えば、レーザーパルスとして照射すると、放射線又はレーザー光は顔料層表面と直接接触し又は相互作用し、ポリマーマトリックスが粉末化される。レーザービームの場合、これは吸収により材料に導入(einkoppeln)される。吸収は、材料を蒸発させ、顔料層から粒子を飛び出させ、プラズマを生成し得るという効果を有する。特に、レーザービーム暴露の境界部では熱溶融プロセスが起こる。
【0035】
典型的には、顔料層の長鎖ポリマー成分は、照射エネルギーが熱に変換される時に分解され、とりわけ熱分解によって元素状炭素が生じる。要約すると、ポリマーマトリックスは高エネルギー入力(Energieeintrag)により粒子化/蒸発/分解する。
【0036】
この炭素は、描画される物品上に炭化チタンの形態で堆積する。従って、描画時の放出成分は、元素状で存在する炭素、TiO、および顔料層のポリマーマトリックスからの分解生成物である。次の反応は、炭化チタンを製造するための炭素熱合成反応と表すことができるプロセスを反映することができる。
【0037】
【数1】

【0038】
エネルギー入力は、反応体の相互作用係数、特にその吸収性、並びに放射線の種類、および放射線源のパラメータ化によって決定される。適当な放射線源、特にレーザーの選択後、主に放射線出力および描画速度で制御が行われる。
【0039】
炭化チタン(Titaniumcarbid)[Titancarbid−TiCとも称される]は、非酸化物セラミックに属する。非酸化物セラミックは、ケイ酸塩セラミックおよび酸化物セラミックと比較して、共有結合の割合が高くてイオン結合の割合が少なく、化学的安定性と熱安定性が高いという特徴がある。工業用炭化チタンは、約19.5質量%の結合炭素および0.5質量%までの非結合炭素、いわゆる遊離炭素を含有する。理論的な化学量論的炭素含有量は20.05質量%である。
【0040】
炭化チタン化合物(TiC)は、次の特性を有する。
色:灰金属色
融点:3157℃
密度:4.93g/cm
結晶構造:立方形、全ての八面体空隙を充填した場合、最密球充填構造;TiC
【0041】
【化1】

【0042】
特に、炭化チタンは次の特性/利点を有する。
・比較的高い硬度および従って耐摩擦性及び耐磨耗性
・非常に高い耐熱性
・耐食性
・優れた生体適合性
・強誘電性
・低い熱伝導性(炭素の割合が高い場合)
・半導性
・低温の酸およびアルカリに対する耐性
侵入型化合物又は介在型化合物の形成(格子間位置の占有)のため、小さい炭素原子は結晶格子の格子間位置又は空隙に取り込まれることができ、そのとき炭化チタンに黒い色を付与する。その結果、最終的にコントラストの高い黒色描画マークが描画される基材上に得られる。
【0043】
換言すれば、炭化チタンが基材上に堆積することによって、描画される基材上に非常にコントラストの高い描画マークが得られるが、ここで、例えば、カーボンブラックに又はポリマーマトリックスから分解生成した元素状炭素に由来する遊離炭素原子が結晶格子の空隙に侵入する。
【0044】
本発明の別の有利な実施形態の一つによれば、顔料層は部分的に又は全面的に、接着剤、特に感圧接着剤でコーティングされる。このような形態は、顔料層を簡単に使用できるようにするために、特に有利である。そのように形成された(部分的な)接着剤層を用いて、描画プロセス中、簡単に顔料層を描画される基材上に固定することができ、顔料層が移動する恐れがない。
【0045】
特に、接着剤層は点の形態で又はスクリーン印刷で、場合によってはまた縁部印刷として形成されていてもよく、そのため、顔料層を任意の方法で基材上に接着することができる。
【0046】
好ましくは、接着剤は感圧接着剤である。顔料層の片面又は両面に好ましい感圧接着剤を溶液若しくは分散体として又は100%で(例えば、溶融物から)コーティングする。1つ以上の接着剤層を、熱又は高エネルギー放射線によって架橋することができ、必要に応じて離型フィルム又は離型紙で被覆することができる。好適な感圧接着剤は、非特許文献2に記載されている。特に、アクリレート、天然ゴム、熱可塑性スチレンブロック共重合体又はシリコーンをベースにする感圧接着剤が適している。
【0047】
特性を最適化するために、使用される自己粘着剤に、粘着付与剤(樹脂)、可塑剤、充填材、顔料、紫外線吸収剤、光安定剤、老化防止剤、架橋剤、架橋促進剤又はエラストマーのような1種類以上の添加剤が混合されていてもよい。接着剤の調整は、特に使用目的、すなわち、接着基材の種類、予測される接着持続時間、環境条件等に応じて行われる。
【0048】
混合するのに適したエラストマーは、例えば、EPDMゴム又はEPMゴム、ポリイソブチレン、ブチルゴム、エチレン−酢酸ビニル、ジエンの水素化ブロック共重合体(例えば、SBR、cSBR、BAN、NBR、SBS、SIS又はIRの水素化によるもの;このようなポリマーは、例えば、SEPSおよびSEBSとして知られている)又はACMのようなアクリレート共重合体である。
【0049】
好適な粘着付与剤は、例えば、炭化水素樹脂(例えば、不飽和Cモノマーモノマー又はCモノマーから製造されたもの)、テルペンフェノール樹脂、α−又はβ−ピネンのような原料から製造されたテルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂又はスチレン若しくはα−メチルスチレンから製造された樹脂のような芳香族樹脂、並びにロジンおよびその二次製品、例えば、不均化、二量化又はエステル化された樹脂(ここで、グリコール、グリセリン、又はペンタエリトリトールを使用することができる)、並びに、非特許文献3に列挙されているような他のものである。例えば、水素化樹脂のようなオレフィン性二重結合を含まない老化安定性樹脂が特に適している。
【0050】
好適な可塑剤は、例えば、脂肪族、脂環式および芳香族鉱油、フタル酸のジエステル又はポリエステル、トリメリット酸又はアジピン酸、液状ゴム(例えば、ニトリルゴム又はポリイソプレンゴム)、ブテンおよび/又はイソブテンから製造された液状ポリマー、アクリル酸エステル、ポリビニルエーテル、接着性樹脂の原料をベースにする液状樹脂および軟質樹脂、ウールワックスおよび他のワックス、又は液状シリコーンである。
【0051】
好適な架橋剤は、例えば、フェノール樹脂又はハロゲン化フェノール樹脂、メラミン樹脂およびホルムアルデヒド樹脂である。好適な架橋促進剤は、例えば、マレイミド類、トリアリルシアヌレートのようなアリルエステル、アクリル酸およびメタクリル酸の多官能性エステルである。
【0052】
接着剤のコーティング量は、好ましくは約5g/m〜約100g/mの範囲、特に約10g/m〜約25g/mの範囲である。
【0053】
更に好ましくは、顔料層は支持体上に、好ましくは支持フィルム上に形成される。層の形成は、有利には、支持体上に顔料層をコーティングすることによって行われる。
【0054】
支持フィルムとして、好ましくは透明なフィルム、特に、ポリオレフィンをベースにする一軸および二軸延伸フィルム、延伸ポリエチレン、又はエチレンおよび/又はポリプロピレン単位を含有する延伸共重合体をベースにするフィルム、場合によってはPVCフィルムおよび/又はビニルポリマー、ポリアミド、ポリエステル、ポリアセタール、ポリカーボネートをベースにするフィルムを使用することができる。PETフィルムも支持体として非常に適している。延伸ポリエチレンあるいはエチレン単位および/又はポリプロピレン単位を含有する延伸共重合体をベースにするフィルムも支持フィルムとして適している。
【0055】
更に、ポリプロピレンをベースにする単層の二軸又は一軸延伸フィルム、および多層の二軸又は一軸フィルムも好ましい。硬質PVCをベースにするフィルムも軟質PVCをベースにするフィルムと同様に使用できる。例えば、ポリエチレンテレフタレートのようなポリエステルをベースにするフィルムも同様に知られており、顔料層の支持体として適している。
【0056】
更に、顔料層の一部が、特にマーキングプロセス中に基材と接触する側で、部分的に形成された不動態層(Passivierschicht)によって不活性化されていてもよい。それによって、既に最初から、ある一定の領域で基材のマーキングを防止することができる。不動態化は、例えば、所望のマーキングのネガの形態で行うことができ、そのため、その後でマーキング自体を面照射により行うことができる。
【0057】
顔料層、又は、これと支持フィルムおよび/又は接着剤コーティング並びに他の全ての層は、本発明の趣旨では、全ての平面状の形態で、例えば、二次元で延びているフィルム又はフィルム片、長い長さと狭い幅を有する帯、帯片、ダイカットシート(Stanzlingen)、ラベル等の形態で存在することができる。比較的長い顔料層をアルキメデスの螺旋に巻いたものも可能であり、使用する毎にそれから所望の長さの片を切り取る。
【0058】
該顔料層で、μmのオーダーの解像度を有する描画を達成することができる。更に好ましくは、施されたマークは干渉ホログラムであり、その理由は、この方法の解像の質が、光増幅および消光のための構造を可能にするからである。あるいは、描画はコンピュータ生成ホログラムの形態でも行うことができる。コンピュータ生成ホログラムは、ホログラム構造を計算すること、およびレーザー照射によりこの構造を形成することによって、標識の個体化を可能にし、これは、その形態のため、偽造が非常に困難であり、その結果として高い偽造防止性を提供する。更に、このような構造には簡単に情報を隠し入れることができる。
【0059】
特に標準的なレーザー、とりわけ、1.06μmの波長を有する普及しているNd−YAG固体レーザーを使用する場合、鮮明な高コントラストの描画および標識マークが得られる。
【0060】
更に好ましくは、本発明による顔料層は基材、特にガラスにマーキングする方法に使用することができ、この際、、顔料層を、押し当てることによって、描画される基材と直接接触させ、その後、顔料層に高エネルギー放射線、特にレーザーを照射する。照射によってポリマーマトリックスは粉末化され、遊離炭素が生成し、照射領域で基材にマークが形成される。特に、前述の顔料層を用いたガラスの描画は特に有利であることが分かった。描画は、比較的短い露光時間で行うことができ、ガラスと永久結合する。更に、描画は、ガラスに目に見える損傷を与えることなく実施することができる。
【0061】
顔料層と基材を直接接触させることによって間の空間が回避される。間の空間があるとレーザー照射中の反応空間が増大し、この結果、堆積物が基材上で、より広い表面積にわたって分配され得、そのため得られる描画の輪郭の鮮明さが低くなる。
【0062】
この方法は、特に、例えば、ガラスのような透明な基材にマーキングするのに適している。なぜならば、基材を通して描画を行うことができるためである。従って、放射線は基材、細い管のような適合する構造では、場合によっては複数の基材層も貫通し、基材上に配置された顔料層と相互作用し、それによって、前述のように、放射線源の方を向いていない基材の側にマークが形成される。
【0063】
ガラスに描画する場合まさに、本発明による顔料層の全ての利点が使用される。すなわち、行われるマーキングは極めて抵抗力がある。非常に優れた描画結果が達成される。更に、発煙が非常に少ないことが分かる。筆致は、描画後直ぐに非常にコントラストの高い描画を示した。標識マーク表面を乾式又は湿式清拭することによって、固定されていない残留物を除去することができる。
【0064】
好ましくは、顔料層を形成する前に、描画される表面を清浄にする。更に、高エネルギー放射線の照射後、従って基材表面にマーキングした後、残留物を取り除いて清浄にする、および/又は、もはや必要でない顔料層を除去することが有利である。そのとき、本質的に、後で描画もしくはマーキングされる表面領域だけに顔料層を形成することが特に有利である。
【0065】
好ましくは、ダイオード励起固体レーザーを使用する時、描画内容に応じて、レーザーのパルス幅は40〜90nsの間であり、初期出力は20ワットであり、および/又は描画速度は250mm/秒〜750mm/秒である。しかし、レーザー技術が進歩していることを考慮すると、更に短いパルス長も、特にps〜fsの範囲のパルス幅も考えられる。このように短いパルス幅は、特に露光サイクルが短いことに関して非常に有利である。
【0066】
目的の基材がガラスである場合、使用される1.064μmの波長はガラスを透過できるため、透過法が可能である。
【0067】
ガラスに施される描画は、描画内容およびパラメータ化に応じて0.25μm〜3.0μmの高さを有する。温度安定性は、−50℃〜1200℃の範囲であることが証明されている。しかし、低温耐性および耐熱性は明らかに高くなっている。摩耗に対する機械的耐性は非常に高い(クロックメーター試験>1000ストローク)。
【0068】
描画は、使用される放射線の質に応じて高い解像精度を示し、線幅は70μm〜80μmである。例えば、内容が16個の記号である1.5mm×1.5mmの縁部長さの機械読み取り可能な2Dコードを描画することができる。更に、ロゴ、絵文字、図、文字数字記号、特殊記号、およびピクセルグラフィック(ドッド絵)のような普通の標識内容は全て実現可能である。
【0069】
最後に、本発明は、本発明による顔料層を使用してマーキングされたガラス物品も包含する。その際、ガラス製のすべての物品、特にガラス板、容器、又は管、略凸状又は凹状に曲がったガラス表面は、「ガラス物品」の概念に包括される。
【0070】
前述の顔料層並びに対応する描画法は、特にガラス容器の確実な標識付けが非常に重要である次の適用分野に特に適している。
・生物工学、医療および薬学用のガラス製の一次、二次および三次包装材
・化学物質、助剤、食品および嗜好品用のガラス製の包装材
・外科用、治療用、および診断用のガラス製の容器および/又は部品
・工業的方法用および分析方法用の容器および/又は部品(ピペット、pHメータなど)
・活性/不活性細胞物質に関する生物学的方法に用いられる容器および/又は部品
以下に、例に基づいてポリマー層の組成をより詳細に説明するが、これは何ら限定するものではない。
【0071】
【表1】

【0072】
上記組成物は、厚さ100μmの層に塗工される。塗工したものから30×50mmの寸法を有するダイカットシートが製造される。
【0073】
最後に複数の図を参照して有利な実施形態におけるガラス物品に描画をするための本発明によるポリマー層の使用をより詳細に説明するが、それは本発明を不必要に限定しようとするものではない。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明による顔料層を使用した透過法でのレーザーによるガラス物品の描画を示す図である。
【図2】レーザーの照射点の顔料層のポリマーマトリックスの粉末化および後の蒸発プロセスを示す図である。
【図3】炭化チタンによるガラス物品上での描画マークの形成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0075】
図1に、本発明による顔料層3を使用してレーザービーム2を放射するレーザーを用いた透過法によるガラス物品1の描画が示されている。
【0076】
ガラス物体1を透過する1.064μmの波長を有するNd:YAG−レーザーが使用される。従って、レーザービーム2は、ガラス物品1を通り、ガラス物品1と直接接触している顔料層3に当たる。顔料層3は、二酸化チタン31およびカーボンブラック32が混合されているポリマーマトリックスからなる。
【0077】
図2に、レーザーの照射点における顔料層3のポリマーマトリックスが粉末化された後、蒸発するプロセスが示されている。レーザー光2が顔料層3に当たることによって、レーザー光2は熱に変換され、それが顔料層3の表面上に作用する。そのとき、ポリマーマトリックスはレーザー光2の吸収によって局所的に、プラズマ雲とも称されるプラズマ33に変わる。
【0078】
プラズマ33の生成により、二酸化チタン31とカーボンブラック32の反応が起こって炭化チタン34が生成し、これは、図3に示されているように、ガラス物品1の表面に堆積する。
【符号の説明】
【0079】
1 ガラス物品
2 レーザービーム(レーザー光)
3 顔料層
31 二酸化チタン
32 カーボンブラック
33 プラズマ
34 炭化チタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高エネルギー放射線、特にレーザー照射によって大部分が粉末化するポリマーマトリックスをベースにする、基材、特にガラスに永久マーキングを行うための顔料層であって、
前記顔料層が、成分としてチタン供与体、およびエネルギー照射によって遊離炭素を供する炭素供与体を有することを特徴とする前記顔料層。
【請求項2】
前記顔料層が、エネルギー照射により溶融するプラスチックを含有せず、および/又はガラスフリットを含有せずに形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の顔料層。
【請求項3】
チタン供与体として二酸化チタンが供されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の顔料層。
【請求項4】
炭素供与体としてカーボンブラックおよび/又は前記ポリマーマトリックスが供されており、この際、前記遊離炭素が前記カーボンブラックの照射により生成される、および/又は放射線の作用で分解、蒸発、酸化、解重合および/又は熱分解されたポリマーマトリックスに由来すること、
好ましくは、炭素供与体として、専らカーボンブラックおよび/又は前記ポリマーマトリックスが供されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の顔料層。
【請求項5】
前記ポリマーマトリックスが放射線硬化ポリマーマトリックスであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の顔料層。
【請求項6】
前記ポリマーマトリックスが熱硬化性ポリマーマトリックスであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の顔料層。
【請求項7】
前記ポリマー層が以下の組成:
100phr:ポリマーマトリックス、特に放射線硬化脂肪族二官能性ポリウレタンアクリレート
0.2phr〜2.5phr:カーボンブラックおよび
45phr〜65phr:二酸化チタン
を有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の顔料層。
【請求項8】
前記顔料層の厚さが、約20μm〜約500μmの範囲であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の顔料層。
【請求項9】
エネルギー照射により発生する顔料層の粉末化された加熱除去部分が、約0.5μm〜約2.0μmの数平均粒度を有することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の顔料層。
【請求項10】
前記顔料層が部分的に又は全面的に接着剤、特に感圧接着剤でコーティングされていることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の顔料層。
【請求項11】
前記顔料層が支持体、好ましくは支持フィルム上に形成されることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の顔料層。
【請求項12】
前記顔料層が、部分的に形成された不動態層で不活性化されており、前記不動態化が、マーキングプロセス中に基材と接触している方の前記顔料層の側で行われることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の顔料層。
【請求項13】
ガラスにマーキングを行うための請求項1〜12のいずれか一項に記載の顔料層の使用。
【請求項14】
前記施されたマークがコンピュータ生成ホログラム又は干渉ホログラムであることを特徴とする、請求項13に記載の使用。
【請求項15】
顔料層を、押し当てることによって、描画される基材と直接接触させ、この際、前記顔料層は請求項1〜12のいずれか一項に従って形成されており、
前記顔料層に高エネルギー放射線が照射され、それによって前記ポリマーマトリックスが粉末化し、遊離炭素が生成され、
前記照射によって前記基材上にマークが形成される、
基材にマーキングを行う方法。
【請求項16】
前記マークが、ガラスフリットを除外しておよび/又はエネルギー照射により溶融するプラスチックを除外して、実施されることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
透明な基材、特にガラスにマーキングが行われ、前記照射が前記基材を通して行われ、前記マークが、放射線源の方を向いていない方の基材の側に形成されることを特徴とする、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項18】
前記照射が放射線源としてレーザーを用いて実施されることを特徴とする、請求項15〜17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記照射が90ns未満のパルス幅で実施されることを特徴とする、請求項15〜18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
請求項1〜12のいずれか一項に記載の顔料層を使用してマーキングされたガラス物品、特にガラス板、容器、又は管。
【請求項21】
表面に炭化チタンを有することを特徴とする、請求項20に記載のガラス物品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−166494(P2009−166494A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−3797(P2009−3797)
【出願日】平成21年1月9日(2009.1.9)
【出願人】(507249591)テーザ・アクチエンゲゼルシャフト (52)
【Fターム(参考)】