説明

高カルシウム含量の低エネルギーの無脂肪ミルク飲料およびその方法

本発明は、高カルシウム含量の低エネルギー無脂肪ミルク飲料に関し、該飲料は、無脂肪ミルク、ホエイタンパク質溶液またはその組合せ物からなる低エネルギーミルクベースを含有し、これから炭水化物は全体的または部分的に除かれており、またカルシウムを多く含むものであって、ミルク飲料の製造方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高カルシウム含量の低エネルギーの無脂肪ミルク飲料、およびかかる飲料の製造方法に関する。
【0002】
近年、低エネルギー食料についての興味および需要が明白となってきており、同時に、肥満は先進国において徐々に多くの人に影響を与える問題となっている。特に、子供や若者の間で体重増加の問題は、フィンランドでは十分に興味が持たれている。
【0003】
ヒトにとって主要なエネルギー源は、炭水化物、タンパク質および脂肪から構成される。体重低下における主な態様は、食事により供給されるエネルギーの量を低下することである。肥満防止において、エネルギーバランスは最も重要な要因である。近年為された研究報告から、カルシウム、繊維、ビタミンDおよび特定のミルクタンパク質成分が、エネルギーバランスコントロールに対して影響し得ることが示唆された。
【0004】
ミルク製品は、一般的に食事のグリセミック・インデックスを低下させるために有用である。これは、食後の血中グルコースレベルが、食事が高度に加工された多くの炭水化物、即ち高グリセミック・インデックスの製品を含む場合のレベルほど高く上昇しないことを意味する。高グリセミック・インデックスの製品を多く含む食事は、中心性肥満、循環器疾患およびII型糖尿病と関係がある。
【背景技術】
【0005】
WO 2004/075666 A2は、炭水化物を減少させたミルク製品およびその調製方法に関する。この製品中の原料は、約1〜3%の炭水化物、約3〜7%のタンパク質および3〜5%の脂肪を含有する限外濾過ミルクである。該ミルク製品は、例えばカルシウム、フレイバー付加および甘味料なども含有し得る。
【0006】
多くの研究者は、ミルク中に含むカルシウムのウェイトコントロールに対する正の効果を確認した。ミルク製品からの高カルシウム摂取は、体重増加を予防し、また食事療法の結果を改良することの両方が考えられる。ミルクは、カルシウムよりも強力な効果を持っており、低エネルギー食事の一部として、体重減少をもたらす。さらに、ミルク製品の通常および高い消費量と体重超過の成人におけるメタボリックシンドロームの進行との間で強い逆相関が観察された。また、食品からのカルシウム摂取の増加により、脂肪細胞の内部カルシウム含量が低下し、この細胞の低カルシウム含量が脂質生成を低下させるということが注目されている。結果として、細胞のカルシウム含量は、脂質代謝を制御するために観察されてきた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
(発明の要約)
良好な官能特性を持つ低エネルギーミルク飲料および該飲料の製造方法を提供することが本発明の目的である。これは、独立項に説明したことによって特徴づけられるミルク飲料および方法によって達成される。本発明の好ましい実施態様は従属項に開示されている。
【0008】
本発明は、本発明に従って組み合わせた物質が、食事療法者、メタボリックシンドローム、例えば高血圧に罹患している消費者、または糖尿病患者に、良好な官能特性を示す適切な極めて低いエネルギーのミルク飲料を提供するという、驚くべき発見に基づく。味が良く、良好な官能特性を持ち、フィンランドにおいて低エネルギー製品の規定である多くても20 kcal/100gを含有するミルク飲料を作り出すことは、大きな課題である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のミルク飲料の利点は、ウェイトコントロール、糖尿病およびメタボリックシンドロームの食事療法に対して正の効果を持つ栄養素の最適な組成物を組み合わせることである。本発明の無脂肪ミルク飲料は、炭水化物含量が低く、そのためエネルギー含量は極度に低いが、その組成および味は通常の無脂肪ミルクのものに相応している。
【0010】
(図面の簡単な説明)
後記において、本発明は、好ましい実施態様を参照して詳細に説明される。図1は、本発明の一実施態様の方法を説明する構成図である。
【発明の効果】
【0011】
(発明の詳細な説明)
本発明は、無脂肪ミルク、ホエイタンパク質溶液または2つの混合物からなる、そしてこれから炭水化物が部分的または全体的に除かれ、カルシウムを多く含む、低エネルギーミルクベース(base)を含有することを特徴とする、低エネルギーの無脂肪ミルク飲料に関する。
【0012】
ミルクのタンパク質含量は、80%のカゼインタンパク質および20%のホエイタンパク質を含有する。そのアミノ酸組成物および満腹感の高い効果のため、食料に含まれるホエイタンパク質画分が観察され、メタボリックシンドロームおよびウェイトコントロールに対して有利な効果を持つ。カゼインおよび他のタンパク質源と比較して、ホエイタンパク質は、満足感が高く、食事後の食料摂取量を低下せしめる。そのため、本発明のミルク飲料に使用した原料は、無脂肪ミルク、ホエイタンパク質溶液またはあらゆる比率でこの2つを組合せた混合物である。該ミルクベースは、好ましくは、100〜10%の無脂肪ミルクと0〜90%のホエイタンパク質溶液、より好ましくは70〜50%の無脂肪ミルクと30〜50%のホエイタンパク質溶液からなる。
【0013】
本発明のミルク飲料が脂肪を含まないので、ミルク飲料が含む脂肪含量は0.5%よりも低い。
【0014】
炭水化物は、低エネルギー製品を製造するために上記原料から全体的または部分的いずれかで除かれ、これはミルク飲料の全エネルギー含量が20kcal/100gを超えないように、既知の方法に従って限外濾過またはクロマトグラフィーによって為される。
【0015】
ミルク中の炭水化物はラクトースから主に生成され得る。低ラクトースまたはラクトースを含まないミルク製品の調製は、例えばフィンランド出願番号20020907において説明されている。ラクトースが限外濾過により除去される場合、ミルク飲料中の塩含量は、通常の食塩またはミルク塩などを添加することによって、その本来のレベルに戻されるべきである。好ましくは、本発明のミルク飲料中の最大の最終ラクトース含量がミルク飲料中の約1.7g/100gであるように、ラクトースの一部分のみが除かれる。ラクトースが最終ミルク飲料に残っている場合、それを加水分解し、ラクトースをグルコースおよびガラクトースに分解するのが好ましい。加水分解は、ラクターゼ(β-ガラクトシダーゼ)によって達成される。結果として、ラクトースは、甘みを提供し、それによって製品の味を改善することによって本発明のミルク飲料の官能特性に寄与する。
【0016】
炭水化物の除去または無脂肪ミルクおよび/またはホエイタンパク質からなる原料から炭水化物の量の低減により、低エネルギーミルクベースとして知られているものが得られる。次いで、このミルクベースは、可溶性繊維によって補足されてもよい。繊維は、複数のメカニズムを介してエネルギーコントロールに対して影響をもたらす。第一に、繊維は、食料のエネルギー密度を低下させる。繊維は、唾液分泌の増加および胃酸分泌により、胃を拡張させ得る。可溶性繊維は、栄養素を含有する粘性のゲルマトリックスを形成することによって胃が空になることを遅くさせ、胃から食物の排出を遅くする。これは、消化を遅くさせ、これにより栄養素はより均一に吸収され、満足感を長く持続させる。繊維は、ホルモンメカニズムを通じてエネルギーバランスに対して作用し得る。繊維および特に可溶性繊維は、恐らく栄養素および腸内繊毛間の物理的接触を低下させることによって、脂肪およびタンパク質の吸収を低下させる。
【0017】
本発明のミルク飲料中の繊維は、食事の量にボリュームを加えることによって満足感を増加させる。繊維の一日摂取量の増加は、エネルギー摂取を低下させ、それにより長期間の体重損失をもたらす。正の効果は、天然起源および繊維サプリメントから得た繊維の両方により達成される。繊維は、味を改善し、それによって本発明のミルク飲料の官能特性に関与する。本発明のミルク飲料に添加し得る可溶性繊維の例示には、ポリデキストロース、イヌリン、フルクトオリゴサッカリド、ガラクトオリゴサッカリド、ペクチン、β-グルカン、グアーガム、キサンタンガム、カラギーンおよびキャロブパウダーを包含する。ポリデキストロースが好ましい。添加された繊維の最大量は、ミルク飲料100gあたり3g、好ましくは100gあたり1.5gである。
【0018】
本発明のミルク飲料は、カルシウムを多く含む。上記開示したように、カルシウムは、ウェイトコントロールに対する正の効果をもつことが判った。カルシウムは、多様な形態で、例えばグルコン酸乳酸Ca塩、ミルクカルシウム、グルコン酸Ca塩、乳酸Ca塩、クエン酸Ca塩またはカルシウム塩のその他の可溶性形態でミルク飲料に添加され得る。本発明のミルク飲料は、100gのミルク飲料あたり120〜240mgのカルシウム、好ましくは100gあたり180mgを含み、この量はミルク中に天然に含有される量の1.5倍である。
【0019】
本発明のミルク飲料もビタミンDを含有し得る。ビタミンDは、カルシウム吸収を増強し、これにより、カルシウムを介してエネルギーバランスに対して間接的な効果を示す。本発明のミルク飲料中のビタミンDの量は、0.1〜1μg/100g、好ましくは0.5μg/100gであり得る。
【0020】
本発明のミルク飲料の官能特性をさらに改良するために、始めに記載したような塩、甘味料およびフレーバーもまた、該飲料に添加できる。適切な甘味料の例示には、フルクトース、スクラロース、アセサルフェーム-K、アスパルテーム、サッカリンおよびチクロを包含する。
【0021】
本発明は、上記の高カルシウム含量の低エネルギーの無脂肪ミルク飲料の製造方法に関する。該方法は、
無脂肪ミルク、ホエイタンパク質溶液、またはこの2つの混合物を、限外濾過または代わりに蒸発させて、クロマトグラフィーに供して炭水化物を除去するかまたはその量を低下せしめること、
あらゆる残存する炭水化物を所望により加水分解すること、
繊維およびビタミンD、ならびに他の添加物、例えば、水、塩、甘味料、フレーバーおよびその他のビタミンを添加すること、
こうして得られた混合物を、72〜145℃で殺菌、高温殺菌または超高温処理に供すること、
該混合物を均質化すること、
カルシウムを該混合物に添加すること、
を特徴とする。
【0022】
本発明の方法において、無脂肪ミルク、ホエイタンパク質溶液、またはこの2つの混合物により形成したベースを、約10〜70%、好ましくは約20〜50%、より好ましくは約30〜40%の固体含量まで蒸発する。蒸発後、炭水化物を、残存成分の全エネルギー含量が20 kcal/100gを超えないように該濃縮物から除去するか、またはその量をクロマトグラフィーにより低下させる。あるいは、炭水化物を限外濾過によって原料から除去する。残存炭水化物、即ち主にラクトースは、甘味をミルク飲料に導入して加水分解されるのが好ましく、それによってその味覚を改善する。所望により、塩、甘味料およびフレーバーは、さらにその官能特性を改善するためにミルク飲料に添加される。該混合物を、72〜145℃の温度で、殺菌、高温殺菌(ESL)または超高温度処理(UHT)に供し、100〜160バールの圧力において均質化する。最後にカルシウムを添加した。加熱過程中のタンパク質の沈殿を防止するために、この過程は殺菌後に為されるべきである。
【0023】
下記の実施例は本発明を説明するものである。
【実施例1】
【0024】
本発明のミルク飲料("ウェイトコントロール飲料")において使用した原料は、無脂肪ミルクである。その中に含有する炭水化物の一部を、クロマトグラフィー分離または限外濾過によって除去する。
【0025】
1.クロマトグラフィーにより調製したミルクタンパク質溶液
無脂肪ミルクを、乾燥固体含量(30g/100g)まで蒸発させた。炭水化物(ラクトース)含量が約1.6g/100gで、大部分のミルク塩類を含有するタンパク質画分を、蒸発させたミルクからクロマトグラフィーにより分離した。供給溶液およびタンパク質画分の組成を表1に示した。
【表1】

【0026】
2.限外濾過によって調製されたミルクタンパク質濃縮物
無脂肪ミルクを、限外濾過装置に通して供給し、主にミルクタンパク質、ラクトースおよびミルク塩の一部を含有する濃縮残液(retentate)を得た。UF-濃縮残液(ミルクタンパク質濃縮物)の組成を表2に示す。
【表2】

【0027】
本発明のミルク飲料を下記の配合に従って構成した:


【0028】
ミルクタンパク質溶液およびミルクタンパク質濃縮物を、約10℃の温度で、約10時間容器内にてラクターゼ酵素により酵素的に加水分解した。加水分解後、容器中で攪拌しながら、水、ミルク塩類およびポリデキストロースをミルクタンパク質混合物に添加した。該溶液を高温殺菌装置(ESL、温度127℃、継続<1秒)およびホモジナイザー(圧力160バール)をとおして供給した。グルコン酸乳酸カルシウム(calcium lactate gluconate)を、別の容器内で温水(1:4の質量比)に溶解し、該溶液を、ミルクをベースとした溶液に送り出して製品フローとした。製品全体を無菌パッケージに送り出し、包装に進めた。結果として、表3に示した組成を有する本発明のミルク飲料が得られた。
【表3】

【0029】
製品の官能特性は良好であると見なされた。口当たりはミルクのようであり、味は新鮮かつ問題ないと評された。変質フレーバーはなかった。
【実施例2】
【0030】
本発明のミルク飲料("ウェイトコントロール飲料")中の原料は、10:90の割合の無脂肪ミルクとホエイタンパク質溶液である。該製品を、無脂肪ミルクおよびホエイタンパク質溶液中の大部分の炭水化物をクロマトグラフィー分離により除去することによって調製した。
【0031】
チーズ製造において得られた甘いホエイをナノ濾過し、ホエイタンパク質の量が約3.3g/100gであるホエイタンパク質溶液を製造した。当該ホエイタンパク質溶液および無脂肪ミルクを組み合わせて、混合物中の全タンパク質含量の約10%が無脂肪ミルクから得られたタンパク質から構成され、かつ約90%がホエイタンパク質溶液由来のタンパク質から構成するようにした。
【0032】
該ミルクタンパク質-ホエイタンパク質溶液を、約40g/100gの乾燥固体含量まで蒸発させた。約1.6g/100gの炭水化物(ラクトース)含量を示し、ミルクおよびホエイの塩の一部を含有するタンパク質画分を、該蒸留混合物からクロマトグラフィーにより分離した。供給溶液およびタンパク質画分の組成を表4に示した。
【表4】

【0033】
本発明のミルク飲料を下記の配合に従って構成した:

【0034】
タンパク質画分を、約10℃の温度、容器内で約10時間、酵素的に(ラクターゼ酵素によって)加水分解した。加水分解後、水およびポリデキストロースを、容器内で攪拌下にタンパク質混合物に添加した。該溶液を、高温殺菌装置(ESL、温度127℃、継続<1秒)およびホモジナイザー(圧力160バール)を通して供給した。該グルコン酸乳酸カルシウムを、別の容器内で温水に溶解させ(1:4の質量比で)、該溶液を、ミルクをベースにした溶液に送り出して製品フローとした。全製品を、無菌パッケージに送り出し、包装に進めた。結果として、表5に示した組成を有する本発明のミルク飲料が得られた。
【表5】

【0035】
製品の官能特性は良好であると見なされた。口当たりは、実施例1の製品よりも若干水っぽいミルクのようであった。味は、新鮮かつ問題ないと評された。変質フレーバーはなかった。
【実施例3】
【0036】
本発明のミルク飲料("ウェイトコントロール飲料")中の原料は、60:40の比の無脂肪ミルクおよびホエイタンパク質溶液である。該製品を、無脂肪ミルクおよびホエイタンパク質溶液中の炭水化物の一部をクロマトグラフィー分離により除去して調製した。
【0037】
チーズ製造において得られた甘いホエイをナノ濾過し、ホエイタンパク質の量が約3.3g/100gであるホエイタンパク質溶液を製造した。当該ホエイタンパク質溶液および無脂肪ミルクを組み合わせて、混合物中の全タンパク質含量の約60%が無脂肪ミルクから得られたタンパク質から構成し、かつ約40%がホエイタンパク質溶液由来のタンパク質から構成するようにした。
【0038】
ミルクタンパク質-ホエイタンパク質溶液を、乾燥固体含量が約35g/100gになるまで蒸発させた。約1.6g/100gの炭水化物(ラクトース)含量を有し、ミルクおよびホエイの一部の塩を含有するタンパク質画分を、該蒸発混合物からクロマトグラフィーにより分離した。供給溶液およびタンパク質画分の組成を表6に示した。
【表6】

【0039】
本発明のミルク飲料を下記配合に従って構成した:

【0040】
容器中でタンパク質画分を、容器内で約10℃の温度、約10時間で酵素的に加水分解した(ラクターゼ酵素により)。加水分解後、水およびポリデキストロースを、容器内で攪拌下にタンパク質混合物に添加した。該溶液を、高温殺菌装置(ESL、温度127℃、継続<1秒)およびホモジナイザー(圧力160バール)をとおして供給した。該グルコン酸乳酸カルシウムを、別の容器内で温水(1:4の質量比で)に溶解させ、該溶液を、ミルクをベースとした溶液に送り出して製品フローとした。全製品を、無菌パッケージに送り出し、包装に進めた。結果として、表7に示した組成を有する本発明のミルク飲料が得られた。
【表7】

【0041】
製品の官能特性は良好であると見なされた。口当たりはミルクのようであった。味は、新鮮かつ問題ないと評された。変質フレーバーはなかった。
【0042】
当業者には、技術的進歩にしたがって本発明の基本的な概念が様々な方法において実施できることは明白であろう。そのため、本発明およびその実施態様は、上記実施例によって制限されるものではなく、請求の範囲内で変更できる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】図1は、本発明の一実施態様の方法を説明する構成図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無脂肪ミルク、ホエイタンパク質溶液または2つの混合物からなる低エネルギーミルクベースを含有し、そしてこれらから炭水化物が全体的または部分的に除去されており、カルシウムを多く含み、該カルシウムの量がミルク飲料100gあたり120〜240mgであることを特徴とする、高カルシウム含量の安定化剤を含まない低エネルギーの無脂肪ミルク飲料。
【請求項2】
ミルクベースが、100〜10%の無脂肪ミルク、0〜90%のホエイタンパク質溶液、好ましくは70〜50%の無脂肪ミルクおよび30〜50%のホエイタンパク質溶液を含有することを特徴とする、請求項1に記載のミルク飲料。
【請求項3】
炭水化物が、全体的または部分的に除去されており、最終製品中のそれらの量が多くても1.7g/100gであることを特徴とする、請求項1または2に記載のミルク飲料。
【請求項4】
残存する炭水化物が加水分解されることを特徴とする、請求項3記載のミルク飲料。
【請求項5】
脂肪含量が、ミルク飲料の100gあたり0.5g未満であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のミルク飲料。
【請求項6】
エネルギー含量が多くても20kcal/100gであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のミルク飲料。
【請求項7】
カルシウムの量が、ミルク飲料100gあたり180mgであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載のミルク飲料。
【請求項8】
ミルク飲料100gあたり3gまで、好ましくは100gあたり1.5gまでの可溶性繊維の量をさらに含有することを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載のミルク飲料。
【請求項9】
繊維がポリデキストロースであることを特徴とする、請求項8記載のミルク飲料。
【請求項10】
ミルク飲料100gあたり0.1〜1μg、好ましくは100gあたり0.5μgの量のビタミンDをさらに含有することを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載のミルク飲料。
【請求項11】
無脂肪ミルク、ホエイタンパク質溶液またはこの2つの組合せ物を、限外濾過またはその代わりに蒸発させ、クロマトグラフィーに供して、炭水化物を除去するかまたはその量を低下せしめることを特徴とする、下記の工程;
あらゆる残存する炭水化物が所望により加水分解される工程、
繊維、ビタミンDおよび他の任意の添加物、例えば、水、塩、甘味料、フレーバーおよびその他のビタミンが添加される工程、
こうして得られた混合物が、72〜145℃で殺菌、高温殺菌または超高温度処理に供される工程、
混合物が均質化される工程、そして
カルシウムが該混合物に添加される工程、
を含む、請求項1〜10のいずれかに記載のミルク飲料の製造方法。
【請求項12】
無脂肪ミルク、ホエイタンパク質溶液またはその混合物を、乾燥固体含量が約10〜70%、好ましくは約20〜50%、より好ましくは約30〜40%になるまで蒸発させることを特徴とする、請求項11に記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2008−529547(P2008−529547A)
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−555650(P2007−555650)
【出願日】平成17年12月8日(2005.12.8)
【国際出願番号】PCT/FI2005/050454
【国際公開番号】WO2006/087409
【国際公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【出願人】(500185416)ヴァリオ・リミテッド (12)
【氏名又は名称原語表記】Valio Ltd.
【Fターム(参考)】