説明

高データレートのオフチップ・データ通信を実行するためのシステム及び方法

ある電子機器が説明される。その電子機器は、第1の集積回路(IC)と第2の集積回路(IC)とを含む。また、その電子機器は、パラレルデータ信号をシリアルデータ信号に多重化するように構成されたマルチプレクサと、該シリアルデータ信号を該第1のICから該第2のICへ送信するように構成された送信機とを含む。さらに、その電子機器は、該シリアルデータ信号を受信するように構成された受信機を含む。該受信機は、アナログノードの電圧振幅を決められた範囲内にクランプするように構成されたクランプ回路を含む。該クランプはまた、該受信機のバンド幅を拡張するのに役立つ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(35 USC § 119に基づく優先権の主張)
この出願は、2007年4月18日付け提出され、「HIGH SPEED LOW POWER LOW DUTY CYCLE DISTORTION DIFFERENTIAL RECEIVER」と題された、発明者がVivek Mohan及びDixit Abhayである米国仮出願第60/912,619号に関係し、及び、それに基づく優先権の利益を主張する。それは、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
(技術分野)
本システム及び方法は、通信及び無線関連の技術に関係する。より詳しくは、本システム及び方法は、高データレートのオフチップ・データ通信を実行するためのシステム及び方法に関係する。
【背景技術】
【0003】
通信デバイスは、消費者のニーズを満足するため並びに携帯性及び利便性を向上するために、より小さく且つよりパワフルになった。消費者は、例えば携帯電話(cellular telephones)、携帯情報端末(PDA)、ラップトップコンピュータ、表示デバイス、デジタル加入者回線(DSL)モデムなどのような通信デバイスに依存するようになった。消費者は、信頼できるサービス、拡大された受信可能サービスエリア、更に高い機能性を期待するようになった。無線通信デバイスは、移動局、局、アクセス端末、ユーザ端末、端末、加入者ユニット、ユーザ装置などと呼ばれることがある。
【0004】
通信システムは、複数の通信デバイスのための通信を同時にサポートすることがある。一つの例において、無線通信デバイスは、アップリンク上のトランスミッション及びダウンリンク上のトランスミッションを通して、1又は複数の基地局(代わりに、アクセスポイント、Node Bなどと呼ばれることもある。)と通信できる。アップリンク(又は、逆方向リンク)は、無線通信デバイスから基地局への通信リンクを指し、ダウンリンク(又は、順方向リンク)は、基地局から無線通信デバイスへの通信リンクを指す。
【0005】
無線通信システムは、利用できるシステム資源(例えば、バンド幅及び送信電力)を共有することにより複数のユーザとの通信をサポートできる多元接続システムであっても良い。そのような多元接続システムの例は、符号分割多元接続(CDMA)システム、ワイドバンド符号分割多元接続(WCDMA)、時分割多元接続(TDMA)システム、グローバル移動体通信システム(GSM)、周波数分割多元接続(FDMA)システム及び直交周波数分割多元接続(OFDMA)システムを含む。
【0006】
例えばウルトラモバイルパーソナルコンピュータ(ultra-mobile personal computers)(UMPCs)のような通信デバイスの一部又は全部において、デバイス内の一つの回路から該デバイス内の他の回路へのデータの通信が発生することがある。それらデバイスの寸法が下がるにつれて、より小さい集積回路が必要とされる。しかしながら、回路の表面の形状(geometry)が減るにつれて、低電力且つ低ジッターで高レートのオフチップ通信における困難性は増加する。ジッターは、出力信号が生成された時と該出力信号が生成されると予期された時との違いの大きさ(measurement)を指すことができる。そのようなわけで、高データレートのオフチップ・データ通信を実行するためのシステム及び方法を提供することにより、利点が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、本システム及び方法に従ったデバイスの一つの例を説明するブロック図である。
【図2】図2は、本システム及び方法の一つの例に従ったデバイスの他の構成である。
【図3】図3は、本システム及び方法に従った受信機の一つの構成である。
【図4】図4は、受信機の他の構成を説明するブロック図である。
【図5】図5は、受信機に用いられることのできるクランプ・デバイスの一つの例を説明する回路図である。
【図6】図6は、受信機におけるプログラム可能なリークデバイス(programmable leakage device)の一つの構成を説明する回路図である。
【図7】図7は、受信機における保護ダイオード及び遅延素子の一つの例を説明する回路図である。
【図8】図8は、受信機におけるダイオード・デバイスの一つの構成を説明する回路図である。
【図9】図9は、高速、低電力且つ低ジッターの差動受信機(differential receiver)を実施するための方法の一つの例を説明するフローチャートである。
【図10】図10は、図9に示される方法に対応するミーンズ・プラス・ファンクション・ブロックを示す。
【図11】図11は、電子機器(electronic device)に利用されることのできる各種コンポーネントを示す。
【詳細な説明】
【0008】
単一のデバイス内で又は異なるデバイス間で、或る集積回路(IC)へ/から他の集積回路から/へデータが通信されることできる。ICは、シリコンチップと呼ばれることがある。異なるIC間のデータ通信は、オフチップ・データ通信と呼ばれることがある。従来のオフチップ・データ通信の技術は、パラレル低速の相補型金属酸化膜半導体(complementary metal-oxide-semiconductor)(CMOS)のデータラインを使用する。しかしながら、この従来の技術は、多くの欠点を持つ。例えば、この従来の技術は、ICの表面積(surface area)を大量に占有する。加えて、それはまた、より多くのパッケージピンを必要とする。その結果、シリコンのコスト及びパッケージ化のコストが増大する。より小さい面積は、他の機能を実行するエレメントをさらに追加する余地がICにほとんどないことを暗に示している。
【0009】
さらに、電子機器は、より小さくなっている。例えば、幾つかの無線通信デバイス(例えば、携帯電話(cellular phones))は、そのデバイスの外形寸法を減らすために、“折りたたみ型(flip form)”になっている。一例として、“折りたたみ型”の携帯電話は、フリップ・フォンと呼ばれることがある。電話機の第1の部分(first portion)は、その電話機の第2の部分(second portion)から“フリップ(flip)”して開閉する。その第1の部分がディスプレイを含んでいても良い。その第2の部分がキーパッドを含んでいても良い。該第1の部分と該第2の部分とを接続するコンポーネントは、ナックル(knuckle)と呼ばれることがある。オフチップ通信の間、電話機の第1の部分中の第1のICは、その電話機の第2の部分中の第2のICへ/から、データを送信/受信することができる。その第1のICと第2のICとを接続するワイヤー(wires)は、ナックルを通り抜ける。上述の従来の技術を用いると、小さいナックル・エリアを通り抜けるために、複数のパラレルライン(すなわち、ワイヤー(wires))を使用することが、ますます難しくなってくる。
【0010】
幾つかの技術は、オフチップ・データ通信のためにシリアル高速のデータラインを用いる方へシフトした。シリアル高速のデータラインは、デバイス内の異なるIC間のデータ通信に用いられるワイヤーの数を最小にする可能性がある。受信側のICは、パラレルラインを通してマイクロプロセッサにデータを送り込むために、オンチップの直並列変換を実行しても良い。マイクロプロセッサは、受信側のIC上に位置しても良い。
【0011】
しかしながら、シリアルデータラインのために増大した高いデータレートを使うと、CMOSレール・ツー・レール(rail-to-rail)ドライバーは、そのような高いデータレートでは動作しない可能性がある。それゆえ、高速且つ低電力のシリアルラインが必要とされる。低電力、低ジッター、高速の受信機は、そのシリアルラインの重要なコンポーネントである。ジッターは、出力信号が生成された時と該出力信号が生成されると予期された時との違いの大きさを指すことができる。現存する産業向けソリューションは、大量の電流を使用する。大量の電流はパワーサプライに頼らないので、電流の高い利用は、バックプレーン、交流(AC)コンセント(outlet)のデスクトップアプリケーションにとっては、不利ではない可能性がある。しかしながら、大量の電流を燃焼(burning)することは、電池式の携帯用デバイス(handheld devices)にとって重荷となる(cumbersome)。本システム及び方法は、受信機のための高速、低電力且つ低ジッターのデザインの概要を説明する。受信機は、デバイス内の1又は複数のIC上に実装されても良い。
【0012】
ある電子機器が説明される。その電子機器は、第1の集積回路(IC)と第2の集積回路(IC)とを含む。また、その電子機器は、パラレルデータ信号をシリアルデータ信号に多重化するように構成されたマルチプレクサと、該シリアルデータ信号を該第1のICから該第2のICへ送信するように構成された送信機とを含む。さらに、その電子機器は、該シリアルデータ信号を受信するように構成された受信機を含む。該受信機は、アナログ・ノードの電圧振幅を決められた(determined)範囲内にクランプするように構成されたクランプ回路を含む。該クランプはまた、該受信機のバンド幅を拡張するのに役立つ。
【0013】
また、オフチップ・データ通信を実行するための方法が説明される。パラレルデータ信号は、シリアルデータ信号に多重化(multiplexed)される。該シリアルデータ信号は、第1のチップから第2のチップへ送信される。該第2のチップにて、該受信機は、その受信データを処理する。その受信機回路中のクランプ回路は、アナログ・ノードに関連する電圧振幅を決められた電圧範囲内にクランプする。これは、該受信機の出力ステージ中のカスケード・トランジスタ(cascode transistors)が、飽和状態でなくなるのに、役立つ。該クランプはまた、受信機のバンド幅を拡張するのに役立つ。該受信機からのシリアルデータ出力は、パラレルデータ信号に逆多重化(demultiplexed)される。該パラレルデータ信号は、プロセッサにより処理される。
【0014】
また、ある装置が説明される。その装置は、パラレルデータ信号をシリアルデータ信号に多重化するための手段と、該シリアルデータ信号を第1のチップから第2のチップへ送信するための手段とを含む。その装置はまた、アナログ・ノードに関連する電圧出力振幅を決められた電圧範囲内にクランプするための手段を含む。これはまた、受信機のバンド幅を拡張する。その装置は、更に、シリアルデータ信号をパラレルデータ信号に逆多重化するための手段と、該パラレルデータ信号を処理するための手段とを含む。
【0015】
また、オフチップ・データ通信を実行するための集積回路が説明される。その集積回路は、シリアルデータ信号を受信するように構成された受信機を含む。受信機は、該受信機内のアナログ・ノードへバイアスをかけ、該アナログ・ノードに関連する電圧振幅を決められた電圧範囲内にクランプするように構成されたクランプ回路を含む。これはまた、該受信機のバンド幅を拡張する。受信機は、該受信機のカスケードの出力ステージのデバイスが深いカットオフ領域(deep cut-off region)に入ることを回避するプログラム可能な漏れ電流回路(programmable current leakage circuit)を更に含んでも良い。加えて、該受信機は、内部の受信機ノードが対応する静止点(quiescent point)に接近し、且つ、受信機のバイアス電流が静止値(quiescent value)に接近するまで、該受信機の出力を、論理ロー(logic low)にクランプするように構成された遅延素子を含む。
【0016】
図1は、本システム及び方法に従ったデバイス100の一つの例を説明するブロック図である。デバイス100は、無線通信デバイス、メディア・プロセッサ、PDA、携帯電話など(ただし、これらに制限されない。)を含む任意の種類の電子機器であっても良い。本システム及び方法は、電子機器100の異なる部分の間(例えば、異なるICの間、異なるチップの間、異なる回路の間など)のデータ通信に用いられる受信機を提供する。さて、図1のダイアグラムを参照して、第1のセクション160は、処理モジュール102を含んでもよく、第2のセクション170は、センサーモジュール112と表示モジュール114とを含んでも良い。一つの構成において、処理モジュール102は、中央演算処理装置(CPU)、マイクロコントローラIC、移動局モデム(MSM)などであっても良い。
【0017】
一つの構成において、センサーモジュール112は、例えばカメラのような画像キャプチャリング・モジュールであっても良い。加えて、センサーモジュール112は、グローバル・ポジショニング・システム(GPS)モジュール又は高レートでデータを処理モジュール102へ送信できる任意の他のタイプのモジュールであっても良い。センサーモジュール112は、送信機110Bを含むホストモジュール106Bを含んでも良い。送信機110Bは、データ118Bを処理モジュール102へ送信しても良い。データ118Bは、1又は複数のワイヤー122Bを通して送信されても良い。処理モジュール102は、プロセッサ116Aとクライアントモジュール104Aとを含んでも良い。また、クライアントモジュール104Aは、該データ118Bを受信するための受信機108Aを含んでも良い。プロセッサ116Aは、データ118Bを処理しても良い。
【0018】
加えて、処理モジュール102は、送信機110Aを持つホストモジュール106Aを含んでも良い。送信機110Aは、データ118Aを表示モジュール114へ送信しても良い。一つの構成において、表示モジュール114は、液晶ディスプレイ(LCD)であっても良い。処理モジュール102は、1又は複数のワイヤー122Aを用いて、該データ118Aを、ディスプレイ114へ送信しても良い。表示モジュール114は、該データ118Aを受信する受信機108Bを持つクライアントモジュール104Bを含んでも良い。プロセッサ116Bは、該受信データ118Aを処理しても良い。各々のセクション160,170内のエレメントは、ワイヤー、ケーブルなどにより接続されるので、各々のセクション160,170内のエレメントの組み合わせは、それぞれ、ワイヤーライン送受信機と呼ばれることがある。
【0019】
図2は、本システム及び方法の一つの例に従ったデバイスの他の構成である。一つの構成において、デバイス200は、“フリップする(flipping)”能力を持っていても良い(例えば、該デバイスが開閉しても良い)。デバイス200は、メイン・ディスプレイとサブ・ディスプレイを含んでも良い。デバイス200の第1のセクション260と第2のセクション270とは、コネクタ220により接続されても良い。コネクタ220は、ナックルと呼ばれることがある。第2のセクション270は、コネクタ220の軸の周りを第1の方向に回転し、第1のセクション260の上に載っていても良い。デバイス200は、第2のセクション270をコネクタ220の軸の周りに第2の方向に回転することによってフリップして開かれても良い。一つの例において、第1の方向は、第2の方向とは反対の方向である。幾つかの例において、サブ・ディスプレイが用いられ、デバイスを動かす(activate)ために該デバイスをフリップして開く必要がなくても良い。他の構成では、デバイス200は、“フリップする”能力を含まなくても良い。フリップしない(Non-flipping)デバイス200が、ディスプレイ及びサブ・ディスプレイを含んでいても良い。フリップしないデバイス200は、作動されるためにフリップされる必要がないくても良い。
【0020】
ホストモジュール206は、マルチプレクサ224を含んでも良い。マルチプレクサ224は、パラレルデータライン218Aをシリアルデータライン222へ変換しても良い。一つの構成において、マルチプレクサ224は、シリアライザー(serializer)であっても良い。
【0021】
シリアルデータライン222は、二つのワイヤーの差動ライン(differential line)(すなわち、ポジティブライン及びネガティブライン)であっても良い。各々のパラレルデータラインは、一度に、ある量のデータを運んでも良い。例えば、1ギガビットのデータがある場合に、10本のパラレルデータラインが、それぞれ、100メガビットのデータを運んでも良い。シリアルデータラインは、逐次的に、1回につき、1又は複数ビットのデータを運んでも良い。複数のシリアルデータラインが存在しても良い。
【0022】
送信機210は、シリアルデータライン222によって(via)コネクタ220を通り抜けてデータを送信しても良い。クライアントモジュール204は、シリアルデータライン222上のデータを受信する受信機208を含んでも良い。デマルチプレクサ228は、シリアルデータライン222をパラレルデータライン218Bへ逆多重化しても良い。一つの例において、デマルチプレクサ228は、デシリアライザー(deserializer)であっても良い。更なる構成において、デマルチプレクサ228は、クロックデータ復元(clock and data recovery)(CDR)回路であっても良い。受信機208は、シリアルデータライン222をパラレルデータライン218Bへ変換するCDR回路へ、シリアルデータライン222を送信しても良い。シリアルデータライン222がパラレルデータライン218Bへ変換されることができるように、CDRは、マルチプレクサ224に使われる(associated with)クロックに同期されても良い。一つの例において、マルチプレクサ224に使われる(associated with)クロックに関する情報は、データとともにCDRへ送信されても良い。その代わりに、クロックが、シリアルデータライン222上を送信されるデータと一緒に、符号化されても良い。CDRは、そのクロックを復号化し、その復号化されたクロックと同期をとり、シリアルデータライン222をパラレルデータライン218Bへ変換しても良い。一つの構成において、データは、シリアルデータライン222の一つのライン上を送信されても良く、また、ストロボラインは、もう一つのシリアルデータライン222上を送信されても良い。CDRは、クロック情報を復号化するために、そのストロボラインを使用しても良い。パラレルデータライン218Bは、そのデータを処理するプロセッサ216に接続されても良い。
【0023】
図3は、本システム及び方法に従った受信機308の一つの構成である。一つの例において、第1のバイアス電流ソース366A及び第2のバイアス電流源366Bは、電流入力ステージ350へ入力される。この電流は、差動増幅器353全体のためのバイアス電流として働いても良い。加えて、第1の電圧源368A及び第2の電圧源368Bは、差動増幅器353の入力ステージ352へ入力される。第1及び及び第2の電圧源368A,368Bは、差動電圧信号であっても良い。一つの構成において、差動電圧信号は、およそ50ミリボルト(mV)〜70mVの電圧振幅を持っていても良い。
【0024】
一つの構成において、第1及び及び第2の電圧源368A,368Bは、差動低電圧源(differential low voltage source)であっても良い。差動低電圧シグナリング・スキームは、デバイス100の周囲に存在し得る同相雑音(common mode noise)を除去するために用いられても良い。
【0025】
漏れ電流デバイス(current leakage device)354A,354Bは、プログラム可能なリークデバイスであっても良く、また、差動増幅器353の入力ステージ352の出力を、入力として受信しても良い。漏れ電流デバイス354A,354Bは、ある電流を出力ステージ356へ流し出し(bleed)、それゆえ、出力ステージ356のカスケード・デバイスが深いカットオフ領域へ入っていくのを回避することを支援(assist)しても良い。深いカットオフ領域は、差動増幅器353の高速動作を低下させることがある。出力ステージ356は、更に、クランプ・デバイス358に接続されても良い。クランプ・デバイス358は、受信機内のアナログ・ノード355にバイアスをかけ、出力ステージ356から取り出される出力振幅電圧をクランプしても良い。アナログ・ノード355は、出力ステージ356と出力バッファ360との間にあっても良い。ノード355は、センシティブなノードであっても良い。アナログ・ノード355上の静電容量は、増幅器353のバンド幅を制限する低周波ポール(low frequency pole)を作り出すことがある。クランプ・デバイス358は、アナログ・ノード355上の容量負荷を低減するのに役立つことがあり、また、受信機のバンド幅を増加させる低出力インピーダンスを示す(offer)ことができる。
【0026】
漏れ電流デバイス354A,354B及びクランプ・デバイス358に関する詳細は、以下で提供される。出力バッファ360は、クランプ・デバイス358に接続されても良く、また、出力バッファ360は、出力シリアルデータ信号372を、更なる処理のために、駆動しても良い。出力信号372は、シングルエンド(single ended)CMOS出力であっても良い。一つの例において、前に説明されたように、出力シリアルデータ信号372は、シリアルデータ信号372をパラレルデータ信号へ変換するデマルチプレクサ228に、提供されても良い。
【0027】
加えて、受信機308はまた、遅延素子364及び保護ダイオード362A,362Bを含んでも良い。保護ダイオード362A,362Bは、受信機308のエレメントを、損害を与える(damaging)静電放電(ESD)パルスから保護しても良い。保護ダイオード362A,362Bは、電荷デバイスモデル(CDM) ESD保護回路であっても良い。一つの例において、許可信号(enabling signal)374が、遅延素子に入力されても良い。遅延素子364は、受信機308の出力信号372を、決められた期間、論理ローに保持しても良い。一つの例において、差動電圧信号368A,368Bを含む入力信号は、保護ダイオード362A,362Bへ入力されても良い。
【0028】
一つの構成において、受信機308は、モバイルデジタルディスプレイインタフェース(MDDI)の物理レイヤ(PHY)のエレメントの一つであっても良い。しかしながら、MDDIは、受信機308内で用いられるインタフェースのタイプの単なる一例である。受信機308は、標準リンク動作(standard link operation)の間に用いられても良い。受信機308は、差動低電圧信号(differential low voltage signals)を、シングルエンドCMOS出力へ変換しても良い。一つの例において、受信機308の動作の速度は、1ギガビット毎(Gbps)より大きくても良い。加えて、受信機308のための同相入力範囲(Vcm)は、レール・ツー・レールであっても良い。幾つかの構成において、サブ100のデューティー・サイクル歪み(sub-hundred duty cycle distortion)(DCD)及びジッターが、レール・ツー・レールの同相動作(common mode operation)のために持ち込まれる。更なる例において、受信機308は、50mVの最小差動入力振幅(minimum differential input swing)を含んでも良い。差動入力振幅は、受信機308のセンシティビティーの大きさ(measurement)を与える。
【0029】
一つの例において、受信機308の入力センシティビティーは、50mV未満であっても良く、また、受信機308の電流消費は、500マイクロ増幅器未満であっても良い。一つの構成において、動作入力電圧(operating input voltage)368A,368Bは、パッド入力電圧(pad power)については1.65V〜1.95V、コア入力電圧(core power)については1.08V〜1.45Vであっても良い。コア入力電圧は、受信機308からのレベル変換された(level translated)CMOS出力を得るために用いられても良い。受信機308に関する動作温度範囲は、−40°セ氏(C)〜125°Cであっても良い。
【0030】
受信機308のデザインは、p型の金属酸化膜半導体(PMOS)電界効果トランジスタと、n型の金属酸化膜半導体(NMOS)電界効果トランジスタとの入力対(input pai)の両方を、対応するテール・ソース(tail sources)とともに連携させても良い。この相補的な入力は、受信器増幅器が広い同相入力範囲を持つことを可能にする。この入力対の差動出力電流は、差動からシングルエンドへの変換を実行するために、折り返され(folded)ミラーされて(mirrored)も良い。入力デバイスは、受信機オフセットを最小にするために、弱反転領域(weak inversion region)で動作しても良い。テール・ソースは、信号のレール・ツー・レールの同相入力範囲(すなわち、少なくとも0.475V〜1.475V)を調整(accommodate)しても良い。一つの例において、同相範囲は、パワーサプライのレール(rails)により制限されても良い。1.65Vの低パッド電源(low pad power supply)及び中間の同相入力信号(mid common mode input signal)にて、厚い酸化膜のデバイスの高いVt(スレショルド電圧)に起因して、PMOS及びNMOSの差動対(differential pair)を与えるテール電流源(tail current sources)の両方が、差動対における減少した電流を引き起こし、そして、出力ステージ356における減少した電流を引き起こす飽和状態から抜け出し(exit)ても良い。これは、高速動作に対して非能率(inefficiencies)の原因になることがあり、また、出力において欠落されるデータのビットの原因になることがある。薄い酸化膜のNMOS及びPMOSの差動対(以下で図5において更に説明される)は、これら非能率を回避するために用いられても良い。
【0031】
図4は、受信機408の他の構成を説明するブロック図である。受信機408の構成は、図3に示された受信機308の構成と類似している。しかしながら、本例は、漏れ電流デバイス354A,354Bの代わりに、ダイオード・デバイス474A,474Bを含んでいる。また、ダイオード・デバイス474A,474Bは、カスケード・デバイスを持つ出力ステージ456が、深いカットオフ領域へ入っていくのを回避することを支援しても良い。深いカットオフ領域は、増幅器の高速動作を低下させることがある。
【0032】
図5は、受信機108に用いられることのできるクランプ・デバイス558の一つの例を説明する回路図である。クランプ558は、受信機108のバンド幅(すなわち、速度)を拡張し得る。クランプ558は、受信機の出力ステージ中のデバイスを飽和領域に保持するために、アナログ・ノード555にバイアスをかけ、その出力電圧振幅を小さい電圧範囲にクランプしても良い。クランプ588は、並列接続の(in parallel)p型の金属酸化膜半導体(PMOS)電界効果トランジスタ及びn型の金属酸化膜半導体(NMOS)電界効果トランジスタ504を含むことによって、低インピーダンスを与えても良い。並列のPMOSトランジスタ及びNMOSトランジスタ504からの低インピーダンスは、1/相互コンダクタンス(gm)として表されても良い。
【0033】
一つの構成において、クランプは、センシティブなアナログ・ノード555に低インピーダンスを与え、該センシティブなアナログ・ノード555にバイアスをかけるために、NMOS−PMOSのプッシュプル・トポロジー(push pull topology)を使用する。センシティブなアナログ・ノード555の低インピーダンス及びバイアシングは、受信機108のバンド幅(BW)を拡張し得る。クランプ558は、センシティブなアナログ・ノード555に、ゲート・キャパシタンス(gate cap)を加えないことができる。ゲート・キャパシタンスは、MOSデバイスのゲートをのぞき込む(looking into)キャパシタンスであっても良い。NMOS−PMOSトランジスタ504への入力は、出力ステージ556の出力であっても良い。加えて、イネーブリング・デバイス(enabling device)520もまた、NMOS−PMOSトランジスタ504に接続されても良い。出力ステージ556の出力はまた、出力バッファ560へ入力されても良い。出力バッファ560は、出力信号572を作り出しても良い。
【0034】
図6は、受信機608におけるプログラム可能なリークデバイス654A,654Bの一つの構成を説明する回路図である。(受信機608の幾つかの部分は、図6には示されていない。)出力ステージ656及びクランプ・デバイス658はまた、基準点(points of reference)として示される。リークデバイス654A,654Bは、入力デバイス対(input device pair)から出力ステージ656への電流比を不均衡にし、それらがターンオフしたときに、出力ステージのPMOS/NMOSのカスケード・トランジスタに小さい漏れ電流をもたらす。既に述べたように、プログラム可能なリークデバイス654A,654Bは、出力ステージ656のカスケード・デバイスが深いカットオフ領域に入らないように支援するために用いられる。カスケーディング(Cascading)は、増幅器の利得を向上させるのに役立つ増幅器の出力抵抗を増加させるために用いられても良い。向上された(すなわち、より高い)利得は、入力オフセット電圧を取り除くのに役立つ。カスケーディングはまた、信号対雑音比を向上させるために用いられても良い。
【0035】
図7は、受信機708における保護ダイオード762及び遅延素子764の一つの例を説明する回路図である。(受信機708の幾つかの部分は、図7には示されていない。)先に述べたように、保護ダイオード762は、ESD保護ダイオードであっても良い。保護ダイオード762は、損害を与える(damaging)静電放電(ESD)パルスから受信機の入力対トランジスタ(receiver input pair transistors)を保護しても良い。差動入力信号768A,768Bは、保護ダイオード762に入力されても良い。
【0036】
遅延素子764は、受信機イネーブル信号(receiver enable signal)774に接続された非対称遅延素子(asymmetric delay element)であっても良い。遅延素子は、非対称インバータ(asymmetric inverters)のチェーン(chain)で実装されても良い。結果として生じるローからハイへの遅延(low to high delay)は、ハイからローへの遅延(high to low delay)より非常に大きくなることがある。遅延素子764は、受信機708のパワーアップ期間(period)の間、受信機708の出力をローにとどめることを確実にすることができる。遅延素子764は、バイアスノードがそれらのそれぞれの静止値(すなわち、定常状態の値(steady state value))に落ち着く(settle to)まで、受信機出力をローにクランプしても良い。
【0037】
図8は、受信機808におけるダイオード・デバイス874A,874Bの一つの構成を説明する回路図である。(受信機808の幾つかの部分は、図8には示されていない。)クランプ・デバイス858、出力ステージ856及び出力バッファ860はまた、回路図内で基準点(point of reference)として示されている。ダイオード・デバイス874A,874Bは、漏れ電流デバイス(leakage current devices)354A,354Bを置き換えることができる。ダイオード・デバイス874A,874Bは、ダイオード構造(diode configuration)に接続されたPMOS/NMOSデバイスであっても良い。漏れ電流デバイス354A,354Bは、PMOSトランジスタ及び/又はNMOSトランジスタであっても良い。ダイオード・デバイス874A,874Bは、プログラム可能なリークデバイス654A,654Bと同じ機能を実行する。先に述べたように、ダイオード・デバイス874A,874Bは、深いカットオフ領域に入ることを回避するカスケード・デバイスを持つ出力ステージ856を支援するために用いられても良い。
【0038】
図9は、高速、低電力且つ低ジッターの差動受信機108を実施するための方法900の一つの例を説明するフローチャートである。方法900は、例えば電子機器、モバイルデバイス、ハンドヘルド・デバイスなどのデバイス100により)実行されても良い。一つの構成において、パラレルデータ信号がシリアルデータ信号に多重化されても良い(902)。パラレルデータ信号は、第1のチップ上で多重化されても良い(902)。該第1のチップは、処理モジュール102、センサーモジュール112、表示モジュール114などの中にあっても良い。
【0039】
該シリアルデータ信号は、第2のチップへ伝送されても良い(904)。第2のチップは、第1のチップとは異なるモジュールに位置しても良い。例えば、第1のチップが処理モジュール102に位置し、第2のチップが表示モジュール114に位置しても良い。一つの構成において、該シリアルデータ信号は、該第2のチップにて受信されても良い(906)。アナログ・ノードに関連する電圧信号が、クランプされもて良い(908)。該信号は、決められた電圧範囲にクランプされても良い(908)。例えば、電圧信号は、出力ステージのカスケード・デバイスを飽和状態に保持するために、クランプ・デバイス304によりクランプされても良い(908)。
【0040】
一つの構成において、該シリアルデータ信号は、前記パラレルデータ信号に逆多重化されても良い(910)。シリアルデータ信号の逆多重化(demultiplexing)は、第2のチップ上で発生しても良い(901)。該パラレルデータ信号は、例えばマイクロプロセッサのようなプロセッサ216により処理されても良い(912)。
【0041】
前述の図9の方法は、図10に示されるミーンズ・プラス・ファンクション・ブロックに対応する様々なハードウェア及び/又はソフトウェアの(1又は複数の)コンポーネント及び/又は(1又は複数の)モジュールにより実行されても良い。言い換えると、図10に示されるブロック902〜912は、図10に示されるミーンズ・プラス・ファンクション・ブロック1002〜1012に対応する。
【0042】
上で与えられたデザイン技術を使って、受信機108は、前もって指定されたデザイン・パラメータを満足しても良い。一つの構成において、低ジッターを持つ高パフォーマンス(ギガビット毎秒(Gbps)の量)は、50mVと同じくらい低い入力電圧振幅について観測される。本システム及び方法の受信機108はまた、高い同相除去比(common mode rejection ratio)(CMRR)を持つことができる。高いCMRRは、無線が高レベルのノイズを生成する場合に携帯電話において高い可能性のある同相雑音を除去する。少なくとも数Gbpsのデータレート達成するためにシリアルデータライン(すなわち、単線(single wire))を用いることは、集積回路の表面領域(surface area)上のスペースを節約し、同様に、パッケージピンを節約する。受信機108による低電力使用は、デバイス100のためのパワーサプライを改善する。一つの構成において、受信機は、およそ10ナノアンペア(nano−amps)(nA)の範囲内のオフ電流(off current)を持つ。受信機108のためのイネーブル時間(enable time)は、およそ50〜60ナノ秒(ns)であっても良いが、ターンオフ時間(turn-off time)は、5ns未満であっても良い。より早いイネーブル時間は、デバイス100を早くターンオン(turn on)するのに役立つことができる。データは、バーストモードで送信されても良く、デバイス100は、電力を節約するために早くターンオフされても良い。
【0043】
図11は、電子機器1102に利用されることのできる各種コンポーネントを示す。電子機器1102は、本明細書で説明される様々なシステム及び方法を実施するように構成されることのできるデバイスの一例である。例えば、本明細書で説明される有線受信機(wireline receiver)108は、デバイス1102のコンポーネントであっても良い。デバイス1102は、移動局、携帯電話、PDA、ハンドヘルド・デバイス、衛星電話、ラップトップコンピュータデバイスなどであっても良い。本システム及び方法は、無線又は非無線の電子機器に実装されても良い。無線能力を持たないデバイスの構成は、プロセッサ、メモリなどを含んでも良いが、送受信機、信号検出器又は無線能力を実装するために用いられる他のコンポーネントを含まなくても良い。
【0044】
デバイス1102は、電子機器1102の動作を制御するプロセッサ1104を含んでも良い。プロセッサ1104はまた、中央演算処理装置(CPU)と呼ばれることもある。リードオンリーメモリ(ROM)とランダムアクセスメモリ(RAM)の両方を含んでも良いメモリ1106は、プロセッサ1104へ、インストラクション及びデータを供給する。また、メモリ1106の一部は、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)を含んでも良い。プロセッサ1104は、通常は、メモリ1106内に記憶されたプログラムインストラクションに基づいて、論理演算又は算術演算を実行する。デバイス1102はまた、ハウジング1108を含んでも良い。
【0045】
デバイス1102はまた、信号検出器1118を含んでも良い。信号検出器1118は、総合エネルギー(total energy)、擬似雑音(PN)チップごとのパイロットエネルギー(pilot energy)、パワースペクトル密度(power spectral density)及び他の信号のような信号を検出しても良い。デバイス1102はまた、信号の処理に用いられるデジタルシグナルプロセッサ(DSP)1120を含んでいても良い。
【0046】
電子機器1102の様々なコンポーネントは、データバスに加えて電力バス(power bus)、制御信号バス(control signal bus)及びステータス信号バス(status signal bus)を含むことのできるバス・システム1122により連結(coupled together)されても良い。しかしながら、見やすいように、図11では、様々なバスは、バス・システム1122として示されている。
【0047】
本明細書で用いられるように、用語“決定すること(determining)”は、幅広い種類のアクションを包含し、ゆえに、“決定すること”は、計算すること(calculating)、コンピュータで計算すること(computing)、処理すること(processing)、得ること(deriving)、詳しく調べること(investigating)、調べること(looking up)(例えば、テーブル、データベース又は他のデータ構造を検索すること)、突き止めること(ascertaining)及び同類のことを含むことができる。また、“決定すること”は、受信すること(receiving)(例えば、情報を受信すること)、アクセスすること(accessing)(例えば、メモル中のデータにアクセスすること)及び同類のことを含むことができる。また、“決定すること”は、解決すること(resolving)、選択すること(selecting)、選り抜くこと(choosing)、確証すること(establishing)及び同類のことを含むことができる。
【0048】
句“基づく(based on)”は、他の方法で明確に指定されない限り、“のみに基づく(based only on)”を意味しない。言い換えると、句“基づく(based on)”は、“のみに基づく(based only on)”と“少なくとも基づく(based at least on)”との両方を表現する。
【0049】
本開示に関連して説明された様々な例となる論理ブロック、モジュール及び回路は、汎用プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向けIC(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)又は他のプログラム可能な論理素子、個別ゲート又はトランジス・タロジック、個別ハードウェア部品又は本明細書で説明された機能を実行するようにデザインされたそれらの任意の組み合わせで実装又は実行されても良い。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであって良いが、その代わりの手段では、該プロセッサは、任意の市販の利用できるプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ又はステートマシンであっても良い。プロセッサはまた、例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連結した1又は複数のマイクロプロセッサ又は任意の他のそのような構成として実装されても良い。
【0050】
本開示と関連して説明された方法又はアルゴリズムのステップは、直接、ハードウェアに具体化されても良いし、プロセッサにより実行されるソフトウェア・モジュールに具体化されても良いし、又は、それら二つの組み合わせに具体化されても良い。ソフトウェア・モジュールは、技術的に知られている任意の形の記憶媒体中に存在していても良い。利用できる記憶媒体の幾つかの例は、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD−ROM、その他を含む。ソフトウェア・モジュールは、単一のインストラクション又は多数のインストラクションを含んでも良く、また、幾つかの異なるコードセグメント上に分散していても良く、異なるプログラムの間に分散していても良く、又は、複数の記憶媒体にわたって分散していても良い。記録媒体は、プロセッサが該記録媒体から情報を読み込み及び該記憶媒体へ情報を書き込むことができるように、該プロセッサと接続されても良い。代わりの方法では、記録媒体は、該プロセッサに一体化されていても良い。
【0051】
本明細書で開示された方法は、説明された方法を実現するための1又は複数のステップ又はアクションを含む。それら方法のステップ及び/又はアクションは、クレームの範囲から逸脱することなく、互いに交換されることができる。言い換えると、ステップ又はアクションの具体的な順序が指定されない限り、具体的なステップ及び/又はアクションの順序及び/又は使用は、クレームの範囲から逸脱することなく、修正されることができる。
【0052】
説明された機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はそれらの任意の組み合わせにより実装されても良い。ソフトウェアにより実装される場合には、それら機能は、コンピュータ読み出し可能な媒体上の1又は複数のインストラクションとして記憶されても良い。コンピュータ読み出し可能な媒体は、コンピュータからアクセスされることのできる任意の利用できる媒体であっても良い。制限ではなく、一例として、コンピュータ読み出し可能な媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROM若しくは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージ若しくは他の磁気ディスクデバイス、又は、インストラクション若しくはデータ構造の形の要求されたプログラムコードを運ぶため又は記憶するために利用可能であり且つプロセッサによりアクセス可能である任意の他の媒体を含むことができる。本明細書で用いられるように、ディスク(Disk)及び(disc)は、コンパクトディスク(disc)(CD)、レーザーディスク(登録商標)(disc)、光ディスク(disc)、デジタルバーサタイルディスク(disc)(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク(disk)及びブルーレイ(登録商標)ディスク(disc)を含む。ここで、ディスク(disks)は、通常、磁気的にデータを再生し、一方、ディスク(discs)は、レーザーを使って光学的にデータを再生する。
【0053】
また、ソフトウェア又はインストラクションは、伝送媒体上を伝送されても良い。例えば、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、デジタル加入者線(DSL)、又は、例えば赤外線、無線、マイクロ波のような無線技術を使用することによって、ウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースからソフトウェアが送信される場合に、その同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、DSL、又は、例えば赤外線、無線、マイクロ波のような無線技術は、伝送媒体の定義に含まれる。
【0054】
さらに、本明細書で説明される方法又は技術を実行するためのモジュール及び/又は適切な手段(例えば図9,10により示されたようなそれら)は、ダウンロードされることができ、及び/又は、そうでなければ、適用できる場合には、モバイルデバイス及び/又は基地局により入手されることができることは、認識されるべきである。例えば、そのようなデバイスは、本明細書で説明される方法を実行するための手段の転送を支援するサーバに接続されることができる。その代わりに、モバイルデバイス及び/又は基地局へ記憶手段を連結又は提供する場合に、該モバイルデバイス及び/又は基地局が本明細書で説明される様々な方法を入手することができるように、該様々な方法は、記憶手段(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、例えばコンパクトディスク(CD)又はフロッピーディスクのような物理記憶媒体など)を通して提供されることができる。さらに、明細書で説明される様々な方法又は技術をデバイスへ提供するための任意の他の適切な技術が利用可能である。
【0055】
クレームは、上記に説明されたちょうどその構成及びコンポーネントに制限されるものではないことは、理解されるべきである。本明細書で説明されるシステム、方法及び装置の配置(arrangement)、動作(operation)及び細部(details)において、クレームの範囲から逸脱することなく、様々な修正、変更及び変形がなされても良い。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の集積回路(IC)と、
第2の集積回路(IC)と、
パラレルデータ信号をシリアルデータ信号へ多重化するように構成されたマルチプレクサと、
前記シリアルデータ信号を、前記第1のICから前記第2のICへ送信するように構成された送信機と、
前記シリアルデータ信号を受信するように構成された受信機とを備え、
前記受信機は、アナログノードの電圧振幅を、決められた範囲内にクランプし、前記受信機のバンド幅を拡張するように構成されたクランプ回路を含む電子機器。
【請求項2】
前記クランプ回路は、p型の金属酸化膜半導体(PMOS)トランジスタ及びn型の金属酸化膜半導体(NMOS)トランジスタを含む請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記クランプ回路は、NMOS及びPMOSのプッシュプル・トポロジーを更に含む請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記NMOS及びPMOSのプッシュプル・トポロジーは、並列接続のNMOS及びPMOSの相互コンダクタンス(gm)の逆数に等しいインピーダンスを与える請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記受信機は、十分な利得を与えるように構成された出力ステージデバイスを更に含む請求項1に記載の電子機器。
【請求項6】
前記入力振幅の前記決められた範囲は、出力ステージデバイスを飽和状態に保持するための電圧信号の範囲である請求項5に記載の電子機器。
【請求項7】
前記受信機は、前記受信機のカスケード・デバイスが深いカットオフ領域に入るのを回避するように構成されたプログラム可能な漏れ電流デバイスを更に含む請求項1に記載の電子機器。
【請求項8】
前記受信機は、前記受信機のカスケード・デバイスが深いカットオフ領域に入るのを回避するように構成されたダイオード・デバイスを更に含む請求項1に記載の電子機器。
【請求項9】
前記受信機は、前記受信機の前記出力を論理ローにクランプするように構成された遅延デバイスを更に含む請求項1に記載の電子機器。
【請求項10】
前記遅延デバイスは、内部の受信機ノードが対応する静止点に接近するまで、前記受信機の前記出力を、論理ローにクランプするように更に構成された請求項9に記載の電子機器。
【請求項11】
前記遅延デバイスは、前記受信機のバイアス電流が対応する静止値に接近するまで、前記受信機の前記出力を、論理ローにクランプするように更に構成された請求項9に記載の電子機器。
【請求項12】
前記電子機器は、無線デバイスである請求項1に記載の電子機器。
【請求項13】
前記無線デバイスは、ハンドセットを含む請求項12に記載の電子機器。
【請求項14】
オフチップデータ通信を実行するための方法において、
前記方法は、
パラレルデータ信号をシリアルデータ信号へ多重化することと、
前記シリアルデータ信号を、前記第1のチップから第2のチップへ送信することと、
アナログノードに関係する電圧振幅を、決められた範囲内にクランプし、受信機のバンド幅を拡張することと、
前記シリアルデータ信号を前記パラレルデータ信号へ逆多重化することと、
前記パラレルデータ信号を処理することを含む方法。
【請求項15】
前記電圧出力振幅をクランプすることは、p型の金属酸化膜半導体(PMOS)トランジスタ及びn型の金属酸化膜半導体(NMOS)トランジスタにより実行される請求項14に記載の方法。
【請求項16】
NMOS及びPMOSのプッシュプル・トポロジーを与えることを更に含む請求項15に記載の方法。
【請求項17】
並列接続のNMOS及びPMOSの相互コンダクタンス(gm)の逆数に等しいインピーダンスを与えることを更に含む請求項16に記載の方法。
【請求項18】
アナログノードの前記電圧を決められた範囲にクランプすることによって、前記受信機の出力ステージデバイスを飽和状態に保持することを更に含む請求項5に記載の方法。
【請求項19】
前記出力ステージデバイスのカスケード・デバイスが深いカットオフ領域に入るのを回避することを更に含む請求項18に記載の方法。
【請求項20】
受信機の前記出力を論理ローにクランプすることを更に含む請求項14に記載の方法。
【請求項21】
前記遅延デバイスは、内部の受信機ノードが対応する静止点に接近するまで、前記受信機の前記出力を、論理ローにクランプすることを更に含む請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記受信機のバイアス電流が対応する静止値に接近するまで、前記受信機の前記出力を、論理ローにクランプすることを更に含む請求項20に記載の方法。
【請求項23】
パラレルデータ信号をシリアルデータ信号へ多重化するための手段と、
前記シリアルデータ信号を、前記第1のチップから第2のチップへ送信するための手段と、
アナログノードに関係する電圧振幅を、決められた範囲内にクランプし、受信機のバンド幅を拡張するための手段と、
前記シリアルデータ信号を前記パラレルデータ信号へ逆多重化するための手段と、
前記パラレルデータ信号を処理するための手段とを備える装置。
【請求項24】
オフチップデータ通信を実行するための集積回路において、
前記集積回路は、
シリアルデータ信号を受信するように構成された受信機を備え、
前記受信機は、
前記受信機内のアナログノードにバイアスをかけ、前記アナログノードに関係する電圧振幅を、決められた範囲内にクランプし、前記受信機のバンド幅を拡張するように構成されたクランプ回路と、
前記受信機のカスケードの出力ステージのデバイスが、深いカットオフ領域へ入ることを回避するように構成されたプログラム可能な漏れ電流回路と、
内部の受信機ノードが対応する静止点に接近し、かつ、前記受信機のバイアス電流が静止値に接近するまで、前記受信機の出力を、論理ローにクランプするように構成された遅延素子とを備える集積回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2010−527172(P2010−527172A)
【公表日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−504266(P2010−504266)
【出願日】平成20年4月18日(2008.4.18)
【国際出願番号】PCT/US2008/060770
【国際公開番号】WO2008/131188
【国際公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】