説明

高分子材料の着色のための被覆された金属光沢顔料の使用

高分子材料の着色のための、可視光を吸収しない低屈折率の誘電性の層で包囲されている小片状の金属支持体をベースとする光沢顔料の使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高分子材料の着色のための、可視光を吸収しない低屈折率の誘電性の層で包囲されている小片状の金属支持体をベースとする光沢顔料の使用に関する。
【0002】
更に、本発明は、前記の光沢顔料で着色された高分子材料に関する。
【0003】
光沢顔料又は効果顔料は、多くの技術分野で、例えば自動車塗料、装飾被覆、プラスチック着色、ペイント、印刷インキ並びに化粧品において使用される。
【0004】
その光学的作用は、ほぼ平面状に構成され、互いに平行に整列された、メタリック顔料粒子又は高い光屈折率の顔料粒子上での光の指向性反射に基づくものである。観察角と共に、輝度及び部分的に色調も変化する。
【0005】
色彩的には、メタリック効果とパール光沢との2つの事例に区別される。
【0006】
メタリック効果顔料、例えば未被覆の又は被覆されたアルミニウム小片の場合には、小片の平滑な表面での輝く反射が優勢となる。この顔料で着色された塗料又はプラスチックは、従って角度依存性の明暗効果を示し、これは明度変化(Helligkeitsflop)とも言われる。このメタリック効果顔料にとって典型的なのは、金属光沢及び優れた隠蔽力である。
【0007】
パール光沢顔料は、それに対して透明で、高屈折率の小片に基づき、例えば二酸化チタン被覆された雲母フレークである。適用媒体中で前記小片を平行に配置することにより、前記顔料小片を通過する光線の多重反射によって、ある意味で深みが生じかつパール特有の絹様の柔らかな光沢効果が生じる。
【0008】
一般に、多様な適用媒体の着色のために、特に高い反射率を有する、殊に視射角付近での高い明度、ひいては優れた明度変化を有する銀色のメタリック効果顔料が特に重要となる。
【0009】
殊に、プラスチックを着色する際に、顔料の適用特性に関して更に高い要求がなされる。このメタリック効果顔料は、プラスチック中に混入する際に生じる剪断力に耐え、金属光沢の減少及び外観の不安定化が生じる変形又は完全な粉砕が行われずに、射出成形の適用又はブロー成形の際の明らかなフローラインを生じさせないために、高い機械的安定性を有していなければならない。
【0010】
更に、この効果顔料はプラスチック中で良好に整列可能でなければならない、それというのもできる限り全ての顔料小片が表面に対して平行に配向された場合にだけ、最適な金属光沢及び均質な外観が得られるためである。この平行な配置は特に射出成形法の場合に妨げになる、それというのも射出工程において金型中で多様で不均一な流頭が形成されるためである。2つの流頭が合わさる場合に、前記顔料小片はこの箇所で立ち上がり、後に表面に対して平行に配向せず、曇り、フローライン及びフローマークを有する不安定な外観が生じてしまう。更に、プラスチックの機械的安定性がこのフローマークの箇所で低下される、それというのもフローライン境界部の箇所でこのポリマーは不完全に溶融しているためである。
【0011】
WO-A-99/35194では、40〜150nm、有利に100nmの厚さを有する中央の反射性アルミニウム膜を有し、その両面が50〜200nm、有利に100nmの厚さを有する二酸化ケイ素膜又はフッ化マグネシウム膜で被覆されているメタリック効果顔料が記載されている。この顔料は、極めて高価な方法で、高真空中で支持シートにそれぞれの膜材料を交互に蒸着させ、前記シートを蒸着された多層の膜から除去し、前記の膜を顔料粒子のサイズに粉砕することにより製造される。この製造方法によっては、この顔料の中央の金属膜は小片の上側及び下側にだけ被覆されている。
【0012】
このWO-A-99/35194に開示された顔料は、高い反射率及び高い機械的安定性を示すとされている。多層の顔料粒子の機械的安定性は、確かに未被覆のアルミニウム膜をベースとする顔料粒子と比較して高められているが、この反射率は、その他の点で当業者に予期されたように、この金属膜の被覆によって明らかに低下する。この反射率の実際の低下は、この場合にWO-A-99/35194に見積もられた低下を上回る。
【0013】
JP-A-1987/96565及びJP-A-1987/96566によると、大きな小片直径と特に大きな小片厚さとを有する粗大粒の未被覆のアルミニウム小片を使用することにより、高い金属光沢を有するフローラインなしのプラスチック着色を得ることができる。この顔料小片は、機械的に安定であるが、その粗大粒に基づき、しばしば不所望なきらめき効果(sparkling)が生じてしまい、微細粒の顔料よりも低い明度変化及び低い隠蔽力を示す。
【0014】
本発明の根底をなす課題は、視射角の付近で高い明度を有しかつそれにより優れた明度変化を有し、さらに特にプラスチックの着色時でも有利な機械的特性を示す銀色のメタリック効果顔料を提供することであった。
【0015】
従って、高分子材料の着色のための、可視光を吸収しない低屈折率の誘電性の層で包囲されている小片状の金属支持体をベースとする光沢顔料が使用された。
【0016】
特に、前記光沢顔料で着色された高分子材料も見出された。
【0017】
本発明により使用すべき光沢顔料は、金属支持小片をベーストし、この小片の全ての面は無色の誘電性被覆を備えている。この被覆は低屈折率であり、つまり、一般に<1.8の屈折率nを有する。
【0018】
この誘電性層の厚さは、通常では100〜800nm、有利に250〜450nm、特に有利に300〜400nmである。
【0019】
支持体として、本発明により使用すべき光沢顔料にとって、全てのメタリック効果顔料について公知の金属小片、例えばアルミニウム及びアルミニウム合金、鉄及び鋼が適している。
【0020】
アルミニウムフレークが有利であり、これは簡単な方法でアルミニウム箔から打ち抜き加工により又は通常のアトマイゼーション技術及び粉砕技術により製造される。市販の製品を使用することができる。
【0021】
金属支持粒子のサイズはそれ自体重要ではなく、所望の最適な効果に調節できる。一般に、この金属小片は約5〜200μm、殊に10〜50μmの平均直径(d50値)及び約0.1〜5μm、特に0.1〜0.3μmの厚さを有する。その自由な比表面積(BET)は、一般に0.1〜8m/gである。
【0022】
本発明により使用すべき光沢顔料の低屈折率の被覆のために、膜上で及び持続的に支持小片上に設けることができる全ての無色の材料が挙げられる。更に、この材料は適用時の要求を満たしている、つまり必要な堅牢性、特に熱安定性を有するのが好ましい。この種の材料の例としては、二酸化ケイ素、酸化ケイ素水和物、酸化アルミニウム、酸化アルミニウム水和物、フッ化マグネシウム及びリン酸アルミニウムが挙げられる。この場合、二酸化ケイ素、酸化ケイ素水和物及びこれらの混合物が特に有利である。
【0023】
この種の光沢顔料は、例えばEP-A-708 154から公知である。前記光沢顔料は、有利に湿式化学的に、有機基が酸素原子を介してケイ素原子に結合している有機ケイ素化合物、特にアルコキシシランを、前記ケイ素化合物が可溶性の有機溶剤の存在で加水分解し、及び引き続き乾燥することにより製造される。
【0024】
この製造は、少なくとも1つのアルカノイルオキシ基を含有する揮発性シランを水蒸気及び/又は酸素の存在でかつ金属小片を運動させて分解させることにより、EP-A-668 329に記載されたCVD法(chemical vapor deposition)によっても行うことができる。しかしながら湿式化学的被覆が有利である。
【0025】
所望の場合に、本発明により使用すべき光沢顔料は、着色すべき高分子材料との相容性を高めるために、表面変性剤からなる付加的な無色の外層を備えていることができる。これについて、例えば、アルキル基が最終的に官能化されているアルコキシアルキルシランが適している。
【0026】
意外にも、本発明により使用すべき光沢顔料は、その適用の際に、未被覆のアルミニウム顔料よりも明らかに高い反射率を示す。この反射率は電磁スペクトルの可視領域において、例えばポリプロピレン中で一般に約30〜40%高められる。これは、視射角の外側の5゜を測定して、約10〜15ポイントの明度L*の向上に相当する。
【0027】
本発明により使用すべき光沢顔料は、視射角付近で特に明るいだけではなく、従って、特に高光沢であり、更に優れた明度変化を特徴とする。
【0028】
更に、この光沢顔料はプラスチック中に良好に混入することができ、その際、明らかに減少されたフローライン形成が観察できる。
【0029】
本発明により使用すべき光沢顔料を用いて、有機又は無機の高分子材料を着色することができる。この材料の例として、プラスチック、多様な材料の被覆のための塗料、粉末塗料、ペイント及び印刷インキ、インク、ガラス及び無機/有機複合材料が挙げられる。
【0030】
特に重要なのは、プラスチックの着色用の、本発明により使用すべき光沢顔料であり、その際、熱可塑性樹脂も熱硬化性樹脂も使用できる。例示的に次に挙げる:ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリイソブテン(PIB)、ポリビニルクロリド(PVC)、ポリビニリデンジフルオリド(PVDF)、ポリカーボナート(PC)、ポリカーボナート−ポリエステル−ブレンド、ポリエチレンテトラフタラート(PET)、ポリエチレンナフテナート(PEN)、ポリブチレンテレフタラート(PBT)、ポリスチレン(PS)、アクリラート−ブタジエン−スチレン−コポリマー(ABS)、スチレン−アクリルニトリル−コポリマー(SAN)、ポリメチル(メタ)アクリラート(PM(M)A)、ポリブチル(メタ)アクリラート(PB(M)A)、ポリアミド、例えばPA6、PA6.6及びPA12,ポリエーテル、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ポリオキシメチレン及びポリウレタン(PU、TPU)。詳細には、スチレン、アクリラート又はポリエステルベースの重合可能な注型樹脂、メラミン又はエポキシベースの後硬化可能な重縮合樹脂及び例えば繊維被覆のために使用されるPVC塗工ペースト及びPUR−塗工ペーストも挙げられる。
【0031】
実施例
A)本発明により使用された光沢顔料の製造
実施例1A
1m−撹拌槽中に装入された、エタノール480kg及びテトラエトキシシラン4.4kgの混合物中に、アルミニウム顔料ペースト(小片の平均直径d50値17μm、小片の厚さ約0.14μm;Alpate(R) NS 7670, Toyal Europe社;固形物割合65質量%)50kgを撹拌しながら1.5時間分散させた。まず水142kgを、次いで25質量%のアンモニア水溶液14.3kgを添加した後に、この懸濁液をゆっくりと60℃に加熱した。55℃温度から、別個の供給装置を介して、同時に(1)テトラエトキシシラン3.6kg/h、(2)エタノール0.94kg/h及び(3)2.5質量%のアンモニア水溶液0.86kg/hの供給を始めた。
【0032】
テトラエトキシシラン306kg(85hの被覆時間)を添加した後に、この供給を停止し、更に5時間後撹拌した。この懸濁液を室温に冷却した後に、被覆されたアルミニウム顔料を濾別し、まずエタノールで、次いで水で洗浄し、引き続き板上に分配し、100℃で乾燥庫中で乾燥させた。
【0033】
明るい銀色のSiO被覆されたアルミニウム顔料(SiO含有量69質量%、SiO被覆の層厚340nm)118kgが得られた。
【0034】
実施例2A:
実施例1Aと同様に行うが、被覆時間は44hだけにし、これはテトラエトキシシラン158.5kgの供給に相当した。
【0035】
明るい銀色のSiO被覆されたアルミニウム顔料(SiO含有量59質量%、SiO被覆の層厚230nm)79kgが得られた。
【0036】
実施例3A:
実施例1Aと同様に行うが、被覆時間は20hだけにし、これはテトラエトキシシラン72kgの供給に相当した。
【0037】
明るい銀色のSiO被覆されたアルミニウム顔料(SiO含有量41質量%、SiO被覆の層厚109nm)54kgが得られた。
【0038】
実施例4A:
実施例1Aと同様に行うが、被覆時間は13hだけにし、これはテトラエトキシシラン46.8kgの供給に相当した。
【0039】
明るい銀色のSiO被覆されたアルミニウム顔料(SiO含有量32質量%、SiO被覆の層厚75nm)47kgが得られた。
【0040】
実施例5A
4口のガラス丸底フラスコ中に装入された、アルミニウム顔料ペースト(小片の平均直径d50値15μm、小片の厚さ約0.13μm;Alpate F 795, Toyal Europe社;固形物割合70質量%)150gのエタノール1.6リットル中の懸濁液に、強力に撹拌しながら、テトラエトキシシラン16.4ml、水450ml及び25質量のアンモニア水溶液40gを連続して添加した。60℃に加熱した後、(1)テトラエトキシシラン40ml/h、(2)2.5質量%のアンモニア水溶液10ml/h及び(3)エタノール15ml/hを撹拌しながら温度を60℃に一定に維持しながら別個に供給した。
【0041】
テトラエトキシシラン951ml(23.8hの被覆時間)を添加した後に、この供給を停止し、1時間後撹拌した。室温に冷却した後、この被覆されたアルミニウム顔料を濾別し、エタノールで洗浄し、真空中で100℃で乾燥させた。
【0042】
明るい銀色のSiO被覆されたアルミニウム顔料(SiO含有量71質量%、SiO被覆の層厚389nm)364gが得られた。
【0043】
実施例6A
実施例5Aと同様に行うが、全部でテトラエトキシシラン723mlを使用した。
【0044】
明るい銀色のSiO被覆されたアルミニウム顔料(SiO含有量64質量%、SiO被覆の層厚282nm)303gが得られた。
【0045】
実施例7A
実施例5Aと同様に行うが、全部でテトラエトキシシラン334mlを使用した。
【0046】
明るい銀色のSiO被覆されたアルミニウム顔料(SiO含有量46質量%、SiO被覆の層厚135nm)190gが得られた。
【0047】
実施例8A
実施例5Aと同様に行うが、全部でテトラエトキシシラン195mlを使用した。
【0048】
明るい銀色のSiO被覆されたアルミニウム顔料(SiO含有量34質量%、SiO被覆の層厚82nm)154gが得られた。
【0049】
実施例9A
実施例5Aと同様に行うが、全部でテトラエトキシシラン119mlを使用した。
【0050】
明るい銀色のSiO被覆されたアルミニウム顔料(SiO含有量22質量%、SiO被覆の層厚50nm)133gが得られた。
【0051】
実施例10A
3口のガラス丸底フラスコ中に装入された、アルミニウム顔料ペースト(小片の平均粒径d50値75μm、小片の厚さ約0.5μm; Stapa Metallux(R) 211, Eckart-Werke社;固形物割合70質量%)350gのエタノール1.3リットル中の懸濁液に、強力に撹拌しながら、テトラエトキシシラン14.2ml、水400ml及び25質量%のアンモニア水溶液40gを連続して添加した。60℃に加熱した後、(1)テトラエトキシシラン25ml/h、(2)2.5質量%のアンモニア水溶液10ml/h及び(3)エタノール10ml/hを撹拌しながら温度を60℃に一定に維持しながら供給した。
【0052】
テトラエトキシシラン602ml(23.5hの被覆時間)を添加した後に、この供給を停止し、1時間後撹拌した。室温に冷却した後、この被覆されたアルミニウム顔料を濾別し、エタノールで洗浄し、真空中で100℃で乾燥させた。
【0053】
明るい銀色のSiO被覆されたアルミニウム顔料(SiO含有量39.1質量%、SiO被覆の層厚335nm)415gが得られた。
【0054】
実施例11A
実施例10Aと同様に行うが、全部でテトラエトキシシラン664mlを使用した。
【0055】
明るい銀色のSiO被覆されたアルミニウム顔料(SiO含有量41.9質量%、SiO被覆の層厚383nm)432gが得られた。
【0056】
B) プラスチックを着色するための、製造された光沢顔料の適用
実施例1A〜11A中で製造された光沢顔料を用いてプラスチックプレートを着色し、引き続き測色測定する。適用例の番号は、この場合に製造実施例の番号に一致し、この適用例は次に記載するBによって特徴付けられる。つまり、適用例1Bでは、製造実施例1Aからの光沢顔料が使用された。
【0057】
比較のために、それぞれ未被覆のアルミニウム顔料でもプラスチックプレートを着色した。
【0058】
その測色データを測定するために、着色されたプラスチックプレートを測定法I及びIIにより測定した。得られたデータはCIEによる三刺激値L*、a*及びb*に換算した(標準光の種類D65、標準観察者10゜)。
【0059】
測定方法I
着色されたプラスチックプレートを、ゴニオスペクトルフォトメータMultiflash(Optronic社、Berlin)を用いて角度依存的に測定した。照射角は45°で一定に保持し、測定角と視射角との間の差角を変化させた。
【0060】
明度の測定のための標準として、白色タイルを使用した。
【0061】
傾斜観察の方向を変える際にプレートの明度変化を特性決定するために、メタリック効果値MEを次のように定義した:
【0062】
【数1】

その際、以下の意味を有する:
25: 25°の視射角に対する差におけるプレートの明度
75: 75°の視射角に対する差におけるプレートの明度
ME値が大きくなればそれだけ、明度変化も顕著になる。
【0063】
測定方法Iを用いて得られた結果を、表1、3及び5にまとめた。
【0064】
測定方法II
着色されたプラスチックプレートを、ゴニオスペクトルフォトメータGKR 311(Zeiss社)を用いて角度依存的に測定した。測定角と視射角との間の差角を5°に一定に保持し、照射角を5°ずつ変化させた。
【0065】
標準として、それぞれ未被覆のアルミニウム顔料で着色されたプラスチックプレートを使用し、これに明度100を割り当てた。
【0066】
測定方法IIを用いて得られた結果を、表2、4及び6にまとめた。この場合、角度表示はそれぞれ試料の水平方向に関する。
【0067】
実施例1B〜4B
実施例1A〜4Bからの、SiO被覆されたアルミニウム顔料を、ディソルバー攪拌機を用いてそれぞれ1400rpmで30分間ポリメチルメタクリラート(PMMA;Lucryl(R), BASF)のアセトン中の20質量%の溶液中に分散させた。それぞれ得られた懸濁液を、流動層中へ吹き込み、アセトンを蒸発させた。
【0068】
得られた5質量%顔料添加されたPMMA顆粒を、更なるPMMAと混合することにより、2質量%の顔料濃度に希釈し、三層シート(1.2m幅、エンドレス)中の着色層として供給した。
【0069】
この三層シートは次の構造を有していた:
50μmの透明なカバー層(PMMA)
200μmの着色層(PMMA+顔料)
600μmの下層(アクリルニトリル/スチレン/アクリルエステル−コポリマー、ASA;Luran(R) S, BASF社)
測定方法I及びIIによる測色測定でそれぞれ得られた結果を表1もしくは表2にまとめた。比較のために、表1では実施例1Aからの未被覆のアルミニウム顔料を用いて得られた結果も一緒に記載した(実施例V1)。表2において次の意味を表す:
BW:照射角
MW:測定角
表1
【0070】
【表1】

【0071】
表2
【0072】
【表2】

【0073】
実施例5B〜9B
実施例5A〜9AからのSiO被覆されたアルミニウム顔料を、それぞれ透明なポリプロピレン(Metocene(R) X 50081, Basell社)中に、1質量%の濃度で予備押出成形して、6cm×4.4cm×0.2cmのサイズの射出成形プレートに加工した。
【0074】
測定方法I及びIIによる測色測定でそれぞれ得られた結果を表3もしくは表4にまとめた。比較のために、表3では実施例5Aからの未被覆のアルミニウム顔料を用いて得られた結果も一緒に記載した(実施例V2)。表4において次の意味を表す:
BW:照射角
MW:測定角
表3:
【0075】
【表3】

【0076】
表4
【0077】
【表4】

【0078】
実施例10B及び11B
実施例10A及び11AからのSiOで被覆されたアルミニウム顔料を、それぞれ透明なポリプロピレン(Metocene X 50081, Basell社)中に、2質量%の濃度で予備押出成形して、6cm×4.4cm×0.2cmのサイズの射出成形プレートに加工した。
【0079】
測定方法I及びIIによる測色測定でそれぞれ得られた結果を表4もしくは表5にまとめた。比較のために、表5では実施例10Aからの未被覆のアルミニウム顔料を用いて得られた結果も一緒に記載した(実施例V3)。表6において次の意味を表す:
BW:照射角
MW:測定角
表5
【0080】
【表5】

【0081】
表6
【0082】
【表6】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
高分子材料の着色のための、可視光を吸収しない低屈折率の誘電性の層で包囲されている小片状の金属支持体をベースとする光沢顔料の使用。
【請求項2】
光沢顔料が屈折率n<1.8の誘電性の層で包囲されていることを特徴とする、請求項1記載の使用。
【請求項3】
光沢顔料が100〜800nmの厚さの誘電性の層で包囲されていることを特徴とする、請求項1又は2記載の使用。
【請求項4】
光沢顔料が250〜450nmの厚さの誘電性の層で包囲されていることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の使用。
【請求項5】
光沢顔料が、支持体としてアルミニウム小片をベースとすることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の使用。
【請求項6】
光沢顔料が、主に二酸化ケイ素及び/又は酸化ケイ素水和物からなる誘電性の層で包囲されていることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の使用。
【請求項7】
着色すべき高分子材料との相容性を向上させるために、光沢顔料に表面変性剤からなる付加的に無色の外層が設けられていることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の使用。
【請求項8】
着色すべき高分子材料が、プラスチック、塗料、ペイント、印刷インキ、インク、ガラス又は無機/有機複合材料であることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の使用。
【請求項9】
請求項1から7までのいずれか1項記載の光沢顔料を用いて着色されている、高分子材料。

【公表番号】特表2006−523743(P2006−523743A)
【公表日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−505123(P2006−505123)
【出願日】平成16年4月14日(2004.4.14)
【国際出願番号】PCT/EP2004/003948
【国際公開番号】WO2004/092261
【国際公開日】平成16年10月28日(2004.10.28)
【出願人】(595123069)ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト (847)
【氏名又は名称原語表記】BASF Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】