説明

高効率増幅器

【課題】 両経路の出力信号が合成する際に合成損失が発生せず高効率を実現する。
【解決手段】 入力信号を2つの経路に分配する入力分配回路2と、一方の経路に接続されたキャリア増幅器3及び90°の電気長を有するインピーダンス変換線路4と、他方の経路に接続された位相線路21及びピーク増幅器6と、両経路の出力合成点11に接続された90°位相線路とを備え、位相線路21の電気長φは、キャリア増幅器3の電気長θCA及びインピーダンス変換線路4の電気長90°の和と、位相線路21の電気長φ及びピーク増幅器6の電気長θPAの和が一致するように設定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は放送用及び通信用に使用される高効率増幅器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
放送用及び通信用のRF増幅器は、RF信号を高い効率で線形に増幅することが望まれている。しかしながら、一般に増幅器では効率を高くすることと線形性を高くすることは両立しない。増幅器の効率は入力信号の電力レベルの増加と共に高くなり、増幅器が飽和を迎えた辺りで最大効率を迎える特性を示す。近年、放送及び移動体通信等で使用されるPAPR(Peak to Average Power Ratio)の大きい変調波を入力信号として使用した場合には、飽和点近くの動作点では増幅器の飽和による信号波形のクリッピングが発生するため線形性は大きく劣化する。
【0003】
このため、一般に放送用及び通信用のRF増幅器では飽和点から出力バックオフを大きくとった動作レベルにおいて使用され、飽和点からの出力バックオフを大きくとった動作レベルでの高効率化が重要となる。これに対し、飽和点からの出力バックオフを大きくとった動作レベルで効率を高める有力な手法としてドハティ増幅器が報告されている。
【0004】
例えば、図3は特許文献1に示された従来の高効率増幅器としてのドハティ増幅器の構成と各部の電気長、入力信号のレベルが小さい場合の各部から見たインピーダンスを示す図である。図3に示すドハティ増幅器は、入力端子1、入力分配回路2、A級又はAB級にバイアスされたキャリア増幅器3、90°位相線路4、90°位相線路5、B級又はC級にバイアスされたピーク増幅器6、90°位相線路(インピーダンス変換回路)7及び出力端子8を備えている。また、図3には入力分配回路2により分配された経路の出力合成点11が図示されている。
【0005】
図3において、入力信号のレベルが小さい場合には、B級又はC級にバイアスされたピーク増幅器6はオフ状態、即ちRF信号を増幅しない状態となり、キャリア増幅器3からのRF信号のみが出力端子8から出力される。このとき、出力合成点11から出力端子8側の90°位相線路7を見た負荷インピーダンスをR/2(Rはドハティ増幅器の負荷抵抗)とし、90°位相線路(インピーダンス変換線路)4の特性インピーダンスをRとすると、ピーク増幅器6の出力インピーダンスは理想的には無限大(open)であるため、90°位相線路4によるインピーダンス変換作用により、キャリア増幅器3から出力側を見た負荷インピーダンスは2Rとなる。
【0006】
図4は上記特許文献1に示された従来の高効率増幅器としてのドハティ増幅器の構成と各部の電気長、入力信号のレベルが大きい場合の各部から見たインピーダンスを示す図である。図4において、入力信号のレベルが大きい場合には、B級又はC級にバイアスされたピーク増幅器6はオン状態、即ちRF信号を増幅する状態となるため、出力合成点11ではキャリア増幅器3及びピーク増幅器6からのRF信号が合成されて出力される。このとき、キャリア増幅器3及びピーク増幅器6から出力側を見た負荷インピーダンスは共にRとなる。
【0007】
ここで、予め高効率増幅器では、キャリア増幅器3の負荷インピーダンスが2Rのときに、キャリア増幅器3では飽和電力は小さいが効率が高くなるように設計し、キャリア増幅器3の負荷インピーダンスがRのときに、キャリア増幅器3及びピーク増幅器6では飽和電力が大きくなるように設計しておくと、入力信号のレベルが小さい場合には、キャリア増幅器3が高効率動作し、入力信号のレベルが大きい場合には、キャリア増幅器3及びピーク増幅器6は飽和電力が大きくなるように動作する。
【0008】
従来の高効率増幅器としてのドハティ増幅器では、以上2つの作用により、即ち、入力信号のレベルに応じてピーク増幅器3の出力がキャリア増幅器6の出力に合成されるという作用、及び入力信号のレベルに応じてキャリア増幅器3及びピーク増幅器6から出力側を見た負荷インピーダンスが変化するという作用により、飽和からの出力バックオフが大きい状態において、高効率な動作を実現することが可能となる。
【0009】
【特許文献1】特許第2945833号公報(段落0018〜0021、図2、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従来の高効率増幅器は以上のように構成され、キャリア増幅器3の出力側と、ピーク増幅器6の入力側の2箇所にそれぞれ90°位相線路4,5を使用している。この場合、キャリア増幅器3の電気長θCAとピーク増幅器6の電気長θPAが同一のときには、入力分配回路2からキャリア増幅器3を経て出力合成点11に至る経路の各電気長の合計と、入力分配回路2からピーク増幅器6を経て出力合成点11に至る経路の各電気長の合計とが一致するため、両経路の出力信号が合成する際に損失は発生しない。しかしながら、実際にはキャリア増幅器3の電気長θCAとピーク増幅器6の電気長θPAが異なる。このため、入力分配回路2からキャリア増幅器3を経て出力合成点11に至る経路の各電気長の合計と、入力分配回路2からピーク増幅器6を経て出力合成点11に至る経路の各電気長の合計とが異なり、両経路の出力信号が合成する際に合成損失が発生し、高効率増幅器の効率が低下してしまうという課題があった。
【0011】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、両経路の出力信号が合成する際に合成損失が発生せず、高効率を実現することができる高効率増幅器を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明に係る高効率増幅器は、入力信号を第1及び第2の経路に分配する入力分配回路と、上記第1の経路に接続されたキャリア増幅器及び90°の電気長を有するインピーダンス変換線路と、上記第2の経路に接続された位相線路及びピーク増幅器と、上記第1及び第2の経路の出力合成点に接続されたインピーダンス変換回路とを備え、上記位相線路の電気長は、上記キャリア増幅器の電気長及び上記インピーダンス変換線路の電気長の和と、上記位相線路の電気長及び上記ピーク増幅器の電気長の和が一致するように設定されるものである。
【発明の効果】
【0013】
この発明により、入力信号のレベルが大きい場合に、両経路の出力信号が合成する際に合成損失が発生せず、高効率を実現することができるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による高効率増幅器の構成と各部の電気長を示す図である。図1に示す高効率増幅器は、入力端子1、入力分配回路2、A級又はAB級にバイアスされたキャリア増幅器3、90°の電気長を有する90°位相線路(インピーダンス変換線路)4、位相線路21、B級又はC級にバイアスされたピーク増幅器6、90°の電気長を有する90°位相線路(インピーダンス変換回路)7及び出力端子8を備えており、従来の図3及び図4に示す90°位相線路5を位相線路21に置き換えたものである。また、図1には入力分配回路2により分配された経路の出力合成点11が図示されている。
【0015】
位相線路21は次の式(1)で定義される電気長φを有する線路である。
φ+θPA=90+θCA+360・n [deg] (nは整数) (1)
ここで、θCAはキャリア増幅器3の電気長であり、θPAはピーク増幅器6の電気長である。
即ち、位相線路21の電気長φは、キャリア増幅器3の電気長θCA及び90°位相線路(インピーダンス変換線路)4の電気長90[deg]の和と、位相線路21の電気長φ及びピーク増幅器6の電気長θPAの和が一致するように設定される。
【0016】
上記式(1)において、キャリア増幅器3の電気長θCAがピーク増幅器6の電気長θPAより長い場合に、位相線路21の電気長φは、次の式(2)で示され、90°より長く設定される。
φ>90 [deg] (θCA>θPA) (2)
一方、上記式(1)において、キャリア増幅器3の電気長θCAがピーク増幅器6の電気長θPAより短い場合に、位相線路21の電気長φは、次の式(3)で示され、90°より短く設定される。
φ<90 [deg] (θCA<θPA) (3)
【0017】
次に動作について説明する。
入力信号のレベルが小さい場合には、B級又はC級にバイアスされたピーク増幅器6はオフ状態、即ちRF信号を増幅しない状態となり、キャリア増幅器3からのRF信号のみが出力端子8から出力される。このとき、出力合成点11から出力端子8側の90°位相線路7を見た負荷インピーダンスをR/2とし、90°位相線路(インピーダンス変換線路)4のインピーダンスをRとすると、ピーク増幅器6の出力インピーダンスは理想的には無限大(open)であるため、90°位相線路4によるインピーダンス変換作用により、キャリア増幅器3から出力側を見た負荷インピーダンスは2Rとなる。
【0018】
入力信号のレベルが大きい場合には、B級又はC級にバイアスされたピーク増幅器6はオン状態、即ちRF信号を増幅する状態となるため、出力合成点11ではキャリア増幅器3及びピーク増幅器6からの出力信号が合成されて出力される。このとき、キャリア増幅器3及びピーク増幅器6から出力側を見た負荷インピーダンスは共にRとなる。
【0019】
ここで、予め高効率増幅器では、キャリア増幅器3の負荷インピーダンスが2Rのときに、キャリア増幅器3では飽和電力は小さいが効率が高くなるように設計し、キャリア増幅器3の負荷インピーダンスがRのときに、キャリア増幅器3及びピーク増幅器6では飽和電力が大きくなるように設計しておくと、入力信号のレベルが小さい場合には、キャリア増幅器3が高効率動作し、入力信号のレベルが大きい場合には、キャリア増幅器3及びピーク増幅器6は飽和電力が大きくなるように動作する。
【0020】
この高効率増幅器では、以上2つの作用により、即ち、入力信号のレベルに応じてピーク増幅器6の出力がキャリア増幅器3の出力に合成されるという作用、及び入力信号のレベルに応じてキャリア増幅器3及びピーク増幅器6から出力側を見た負荷インピーダンスが変化するという作用により、この実施の形態1では、飽和からの出力バックオフが大きい状態において高効率な動作を実現することが可能となる。
【0021】
また、この実施の形態1では、位相線路21の電気長φは、キャリア増幅器3の電気長θCA及び90°位相線路4の電気長90°の和と、位相線路21の電気長φ及びピーク増幅器6の電気長θPAの和が一致するように設定されることにより、入力信号のレベルが大きい場合に、両経路の出力信号が合成する際に合成損失が発生しない。
【0022】
以上のように、この実施の形態1によれば、位相線路21の電気長φは、キャリア増幅器3の電気長θCA及び90°位相線路4の電気長90°の和と、位相線路21の電気長φ及びピーク増幅器6の電気長θPAの和が一致するように設定されることにより、入力信号のレベルが大きい場合に、両経路の出力信号が合成する際に合成損失が発生せず、高効率を実現することができるという効果が得られる。
【0023】
実施の形態2.
図2はこの発明の実施の形態2による高効率増幅器の構成と各部の電気長を示す図である。図2に示す高効率増幅器は、入力端子1、入力分配回路2、位相線路(第1の位相線路)31、A級又はAB級にバイアスされたキャリア増幅器3、位相線路(第3の位相線路、インピーダンス変換線路)33、位相線路(第2の位相線路)32、B級又はC級にバイアスされたピーク増幅器6、位相線路(第4の位相線路)34、90°位相線路(インピーダンス変換回路)7及び出力端子8を備えている。
【0024】
上記実施の形態1の図1では、入力分配回路2とキャリア増幅器3が直結され、ピーク増幅器6と出力合成点11が直結されているが、この実施の形態2では、実装上の線路を考慮して、位相線路31及び位相線路34を追加し、図1の90°位相線路4を位相線路33に置き換え、図1の位相線路21を位相線路32に置き換えている。
【0025】
位相線路31,32,33,34は、それぞれ次の式(4)で定義される電気長φ1,φ2,φ3,φ4を有する線路である。
φ2+φ4+θPA=φ1+φ3+θCA+360・n [deg](nは整数) (4)
ここで、φ1,φ2,φ3,φ4はそれぞれ位相線路31,32,33,34の電気長、θCAはキャリア増幅器3の電気長、θPAはピーク増幅器6の電気長である。
【0026】
ここで、位相線路33の電気長φ3は、入力信号のレベルが小さい場合に、キャリア増幅器3から出力側を見た負荷インピーダンスが最大となるように設定され、位相線路34の電気長φ4は、入力信号のレベルが小さい場合に、出力合成点11から位相線路34を見たインピーダンスが無限大(open)に最も近くなるように設定される。そして、上記式(4)に示すように、位相線路31,32の電気長φ1,φ2は、位相線路31の電気長φ1、キャリア増幅器3の電気長θCA及び位相線路33の電気長φ3の和と、位相線路32の電気長φ2、ピーク増幅器6の電気長θPA及び位相線路34の電気長φ4との和が一致するように設定される。
【0027】
上記式(4)において、キャリア増幅器3の電気長θCAがピーク増幅器6の電気長θPAより長い場合には、位相線路31,32,33,34の電気長φ1,φ2,φ3,φ4の関係は次の式(5)で示され、位相線路32の電気長φ2と位相線路34の電気長φ4との和は、位相線路31の電気長φ1と位相線路33の電気長φ3との和より長く設定される。
φ2+φ4>φ1+φ3 [deg] (θCA>θPA) (5)
【0028】
一方、キャリア増幅器3の電気長θCAがピーク増幅器6の電気長θPAより短い場合には、位相線路31,32,33,34の電気長φ1,φ2,φ3,φ4の関係は次の式(6)で示され、位相線路32の電気長φ2と位相線路34の電気長φ4との和は、位相線路31の電気長φ1と位相線路33の電気長φ3との和より短く設定される。
φ2+φ4<φ1+φ3 [deg] (θCA<θPA) (6)
【0029】
次に動作について説明する。
入力信号のレベルが小さい場合には、B級又はC級にバイアスされたピーク増幅器6はオフ状態、即ちRF信号を増幅しない状態となり、キャリア増幅器3からのRF信号のみが出力端子8から出力される。このとき、出力合成点11から出力端子8側の90°位相線路7を見た負荷インピーダンスをR/2とし、位相線路33のインピーダンスをRとすると、出力合成点11から位相線路34を見たインピーダンスがほぼ無限大(open)であるため、位相線路33によるインピーダンス変換作用により、キャリア増幅器3から出力側を見た負荷インピーダンスは2Rとなる。
【0030】
入力信号のレベルが大きい場合には、B級又はC級にバイアスされたピーク増幅器6はオン状態、即ちRF信号を増幅する状態となるため、出力合成点11ではキャリア増幅器3及びピーク増幅器6からのRF信号が合成されて出力される。このとき、キャリア増幅器3及びピーク増幅器6から出力側を見た負荷インピーダンスは共にRとなる。
【0031】
ここで、予め高効率増幅器では、負荷インピーダンスが2Rのときに、キャリア増幅器3では飽和電力は小さいが効率が高くなるように設計し、負荷インピーダンスがRのときに、キャリア増幅器3及びピーク増幅器6では飽和電力が大きくなるように設計しておくと、入力信号のレベルが小さい場合には、キャリア増幅器3が高効率動作し、入力信号のレベルが大きい場合には、キャリア増幅器3及びピーク増幅器6は飽和電力が大きくなるように動作する。
【0032】
この実施の形態2では、以上2つの作用により、即ち、入力信号のレベルに応じてピーク増幅器6の出力がキャリア増幅器3の出力に合成されるという作用、及び入力信号のレベルに応じてキャリア増幅器3及びピーク増幅器6から出力側を見た負荷インピーダンスが変化するという作用により、この実施の形態2では、飽和からの出力バックオフが大きい状態において高効率な動作を実現することが可能となる。
【0033】
また、この実施の形態2では、位相線路33の電気長φ3は、入力信号のレベルが小さい場合に、キャリア増幅器3から出力側を見た負荷インピーダンスが最大となるように設定され、位相線路34の電気長φ4は、入力信号のレベルが小さい場合に、出力合成点11から位相線路34を見たインピーダンスが無限大(open)に最も近くなるように設定され、位相線路31,32の電気長φ1,φ2は、位相線路31の電気長φ1、キャリア増幅器3の電気長θCA及び位相線路33の電気長φ3の和と、位相線路32の電気長φ2、ピーク増幅器6の電気長θPA及び位相線路34の電気長φ4との和が一致するように設定されることにより、入力信号のレベルが大きい場合に、両経路の出力信号が合成する際に合成損失が発生しない。
【0034】
以上のように、この実施の形態2によれば、位相線路33の電気長φ3が、入力信号のレベルが小さい場合に、キャリア増幅器3から出力側を見た負荷インピーダンスが最大となるように設定され、位相線路34の電気長φ4が、入力信号のレベルが小さい場合に、出力合成点11から位相線路34を見たインピーダンスが無限大に最も近くなるように設定され、位相線路31,32の電気長φ1,φ2が、位相線路31の電気長φ1、キャリア増幅器3の電気長θCA及び位相線路33の電気長φ3の和と、位相線路32の電気長φ2、ピーク増幅器6の電気長θPA及び位相線路34の電気長φ4との和が一致するように設定されることにより、入力信号のレベルが大きい場合に、両経路の出力信号が合成する際に合成損失が発生せず、高効率を実現することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】この発明の実施の形態1による高効率増幅器の構成と各部の電気長を示す図である。
【図2】この発明の実施の形態2による高効率増幅器の構成と各部の電気長を示す図である。
【図3】従来の高効率増幅器の構成と各部の電気長、入力信号のレベルが小さい場合の各部から見たインピーダンスを示す図である。
【図4】従来の高効率増幅器の構成と各部の電気長、入力信号のレベルが大きい場合の各部から見たインピーダンスを示す図である。
【符号の説明】
【0036】
1 入力端子、2 入力分配回路、3 キャリア増幅器、4 90°位相線路、5 90°位相線路、6 ピーク増幅器、7 90°位相線路、8 出力端子、11 出力合成点、21 位相線路、31,32,33,34 位相線路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力信号を第1及び第2の経路に分配する入力分配回路と、
上記第1の経路に接続されたキャリア増幅器及び90°の電気長を有するインピーダンス変換線路と、
上記第2の経路に接続された位相線路及びピーク増幅器と、
上記第1及び第2の経路の出力合成点に接続されたインピーダンス変換回路とを備え、
上記位相線路の電気長は、上記キャリア増幅器の電気長及び上記インピーダンス変換線路の電気長の和と、上記位相線路の電気長及び上記ピーク増幅器の電気長の和が一致するように設定されることを特徴とする高効率増幅器。
【請求項2】
上記キャリア増幅器の電気長が上記ピーク増幅器の電気長より長い場合に、上記位相線路の電気長が90°の電気長より長く設定されることを特徴とする請求項1記載の高効率増幅器。
【請求項3】
上記キャリア増幅器の電気長が上記ピーク増幅器の電気長より短い場合に、上記位相線路の電気長が90°の電気長より短く設定されることを特徴とする請求項1記載の高効率増幅器。
【請求項4】
入力信号を第1及び第2の経路に分配する入力分配回路と、
上記第1の経路に接続された第1の位相線路、キャリア増幅器及び第3の位相線路によるインピーダンス変換線路と、
上記第2の経路に接続された第2の位相線路、ピーク増幅器及び第4の位相線路と、
上記第1及び第2の経路の出力合成点に接続されたインピーダンス変換回路とを備え、
上記第3の位相線路によるインピーダンス変換線路の電気長は、上記入力信号のレベルが小さい場合に、上記キャリア増幅器から出力側を見たインピーダンスが最大となるように設定され、上記第4の位相線路の電気長は、上記入力信号のレベルが小さい場合に、上記出力合成点から上記第4の位相線路を見たインピーダンスが無限大に近くなるように設定され、
上記第1及び第2の位相線路の電気長は、上記第1の位相線路の電気長、上記キャリア増幅器の電気長及び上記インピーダンス変換線路の電気長の和と、上記第2の位相線路の電気長、上記ピーク増幅器の電気長及び上記第4の位相線路の電気長の和が一致するように設定されることを特徴とする請求項1記載の高効率増幅器。
【請求項5】
上記キャリア増幅器の電気長が上記ピーク増幅器の電気長より長い場合に、上記第2の位相線路の電気長と上記第4の位相線路の電気長との和が、上記第1の位相線路の電気長と上記第3の位相線路の電気長との和より長く設定されることを特徴とする請求項4記載の高効率増幅器。
【請求項6】
上記キャリア増幅器の電気長が上記ピーク増幅器の電気長より短い場合に、上記第2の位相線路の電気長と上記第4の位相線路の電気長との和が、上記第1の位相線路の電気長と上記第3の位相線路の電気長との和より短く設定されることを特徴とする請求項4記載の高効率増幅器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−43305(P2007−43305A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−222990(P2005−222990)
【出願日】平成17年8月1日(2005.8.1)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】