説明

高周波切除を行う間の3−D超音波ナビゲーション

【課題】
【解決手段】 医療デバイスの位置の追跡と身体内の組織の切除を同時に行うシステム。このシステムは、電源と、ナビゲーションデバイスと、制御回路とを具える。電源は、心臓組織などの組織を切除するのに好適な電流を発生する。ナビゲーションデバイスは、三次元基準座標システムを設定し、設定した座標システムに対するエネルギィ送出デバイスの位置を同定する。制御回路は、電源の始動と、設定した座標システム内の医療デバイスの位置を同定する超音波データの捕捉との間で切替又は交番を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の属する技術分野
本発明は、身体内へのカテーテルの配置に関し、特に、高周波で組織切除を行う間の超音波を用いたカテーテルの位置のナビゲーションとモニタに関する。
【0002】
関連技術の説明
機器又はデバイスの位置決定又は配置は、身体内において様々な医療処置や治療を行う前及びその間に正確に決定されなければならない。身体内における通常の処置は、上室性頻拍症(supra-ventricular tachycardia:SVT)、心房細動(atrial fibrillation:AF)、心房粗動(atrial flutter:AFL)、及び心室性頻拍(ventricular tachychardia:VT)などの心臓の病気を治療することを含む。STV、AF、AFT、及びVTの病気は、心臓の心臓内組織に異常な電気信号を生じ、心臓の不規則な鼓動や不整脈を引き起こす。
【0003】
ある種の心臓病は、高周波(RF)エネルギィを用いて心臓組織を切除することによって治療することができる。電気活性測定用のマッピング電極を具えている、電気生理学的、すなわち「EP」カテーテルを用いて心臓の電気活性を測定する。
【0004】
心臓の電気活性マップを作り、ディスプレイ上に示すことができる。外科医は、EPデータのマップを用いて、心臓のどの領域が不規則な活性を引き起こしているのかを同定することができる。切除カテーテルが、患者の脈管を通して同定した心臓のターゲット領域に挿入される。RF発生器によって生じた電流がターゲット心臓組織に与えられ、その組織を切除するか、傷を形成して心臓病を治療する。別の治療では、切除カテーテルを心房に誘導して、心臓内に細長い切除傷を作り、不規則な鼓動やその他の状態をとめる。
【0005】
しかしながら、切除及びEPカテーテルを利用する前に、身体内にこれらのカテーテルを挿入して、心臓内に正確に配置しなければならない。RFエネルギィを心臓内の正しい位置に確実に向けるために、通常、切除を行う前と切除を行っている間にカテーテルの位置をモニタする又は追跡する必要がある。
【0006】
従来のシステムでは、カテーテルを用いたモニタと追跡は、通常、従来の超音波画像システムあるいは蛍光透視システムなどの画像システムを用いて行われる。カテーテルが一旦配置されると、切除手順を実行できる。
【0007】
従来の超音波や蛍光透視画像システムは、RFエネルギィと協働して使用する場合に、特に改良の余地がある。例えば、いくつかの公知の蛍光透視システムは、三次元画像(3−D)ではなく二次元でしかない比較的低品質の画像を生成する。これらのシステムは十分な情報をもつ画像を生成するものではなく、外科医や臨床医が効率よく手順を実行できるほど明確なものではない。さらなる例として、RF切除を行う間に連続的にカテーテルの位置をモニタする公知の超音波画像システムは、よりパワーが高いRFエネルギィが超音波エネルギィと干渉するため、効果的でないことがある。この干渉は外科医又は臨床医がカテーテルの現在及び将来の位置を正しく同定することを妨げるあるいは阻止することがあるので、RF切除を行う間にカテーテルの位置を調整する必要がある場合、特に問題になる。いくつかのシステムでは、RFエネルギィを定期的に別の場所に向けることによって、この問題に取り組む試みがなされている。別のシステムでは、公知の超音波撮像機器を用いた従来の視覚化手順の検出位相とRFエネルギィの適用との間で切り替えを行っている。
【0008】
しかしながら、これらの従来のシステムは、有意な撮像機器が必要であり、低品質画像を生成し、RFエネルギィを別の場所にリルートする切替用機器を必要とする。更に、従来の超音波デバイスと蛍光透視デバイスは、既知の基準に対する切除カテーテルの位置を設定することなく切除カテーテルが身体を通って送り出されているため、不完全である。
【0009】
この結果、切除すべき心臓組織を同定することができたとしても、基準システムが入手できないことと、低品質の超音波画像あるいは蛍光透視画像と、高パワーのRF切除エネルギィによって生じる干渉とによって、切除カテーテルを心臓内のターゲット位置又は次の位置に進めるあるいは案内することが困難になることがある。従って、正確にかつ信頼性をもって、エネルギィを与える前及び与える間に、医療デバイスの位置を身体内の選択された領域に案内できるシステム及び方法を提供することが望まれている。
【0010】
発明の概要
一実施例によれば、医療デバイスを位置決めして身体内の組織を切除するシステムは、電源と、ナビゲーションシステムと、コントローラとを具える。電源は、組織を切除するのに適した電流を生成し、この電流をエネルギィ送出デバイスに提供する。エネルギィ送出デバイスは、この電源を組織に提供する。ナビゲーションシステムは、三次元基準座標システムを設定し、この座標システム内のエネルギィ送出デバイスの位置を決定する。コントローラは、電源とナビゲーションシステム間で切替を行って、組織の切除を行う間に電源電流から有意に干渉を受けることなくナビゲーションシステムが動作するようにする。
【0011】
別の実施例によれば、医療デバイスを位置決めし、身体内の組織を切除するシステムは、電源と、エネルギィ送出デバイスと、ナビゲーションシステムと、コントローラとを具える。電源は、組織を切除するための電流を生成し、この電流をエネルギィ送出デバイスに提供する。このデバイスは、この電流を組織に提供する。エネルギィ送出デバイスは、等方性超音波トランスデューサを具える。ナビゲーションシステムは、複数の等方性超音波トランスデューサを有する基準カテーテルを具える。基準カテーテルのトランスデューサは、超音波信号を射出して三次元基準座標システムを設定し、エネルギィ送出デバイストランスデューサと基準カテーテルのトランスデューサとの間で送受信される超音波信号に基づいて、この座標システムに対するエネルギィ送出デバイスの位置を決定する。コントローラは、前記電源の始動と基準カテーテル及びエネルギィ送出デバイスと前記トランスデューサとの始動の切替を行う。
【0012】
ゲーティングシステムあるいは切替システムのその他の実施例は、添付の図面と共に以下の記載を考慮することで明らかになる。
【0013】
図に示す実施例の詳細な説明
組織のRF切除と、超音波ナビゲーション又は位置決定との間でゲーティング、交番、あるいは切替を行うシステムの実施例である。以下の説明において、添付の図面に符号が付されており、この符号は特定の実施例を説明するためのものである。システムの部品及び構成に様々な変更がなされる場合、他の実施例を使用できると理解される。
【0014】
図1を参照すると、超音波ナビゲーション又は位置決定と、組織のRF切除間で切替を行うゲーティングシステム100の一実施例は、電源110と、エネルギィ送出デバイス120と、超音波ナビゲーション又は位置決めシステム130と、通信インターフェース140と、ディスプレイ150と、コントローラ160とを具える。ナビゲーションシステム130は、超音波トランスデューサ131を有する基準カテーテル132を使用している。エネルギィ送出デバイス120は、電源のRF発生器111から患者170にエネルギィ112を送出するために、超音波トランスデューサ121と電極127を有する切除カテーテル122を具える。この分野の当業者には、ゲーティングシステムの実施例を非切除カテーテルのナビゲーションにも使用できることは自明である。例えば、電気生理学的(EP)カテーテルでは、「マッピングカテーテル」を案内するのにこのゲーティングシステムを使用することができる。従って、いくつかのカテーテルは切除と温度測定をサポートしていないことがあるが、これらのカテーテルが電極とナビゲーショントランスデューサを具えており、別のカテーテルでRF切除を行う間に、その位置を追跡する、あるいは進めることができる。しかしながら、この明細書は限定的なものではなく説明の目的で切除カテーテルを引用するものである。
【0015】
コントローラ160は、電源110のRF発生器111を駆動するタイミング信号162と、ナビゲーションシステムを駆動するタイミング信号164とを発生する。必要があれば、光インターフェースなどのインターフェース140でタイミング信号164をナビゲーションシステム130を駆動するのに好適なタイミング信号165にフォーマットあるいはコンフィギュアすることができる。ナビゲーションシステム130は、超音波エネルギィ又はトランスデューサ131間の信号133(通常「信号」)を用いて基準システム137を設定する。ナビゲーションシステムはまた、エネルギィ送出デバイス120の切除カテーテルトランスデューサ121と、基準カテーテルトランスデューサ131との間で送受信される超音波エネルギィ又は信号(通常「信号」)に関連するデータ124を捕捉して処理する。
【0016】
図1に示す実施例は、電源110の構成部品であるコントローラ160を具える。その他のシステム構成も使用することができる。例えば、図2に示すように、コントローラ160は、ナビゲーションシステム130の構成部品である。図2に示す実施例では、コントローラ160がナビゲーションシステム130を駆動するタイミング信号264と、RF発生器111を駆動するタイミング信号262を生成する。必要があれば、インターフェース140がこのタイミング信号262を、RF発生器111の駆動に適したタイミング信号263にフォーマット又はコンフィギュアすることができる。
【0017】
当業者は、様々なコントローラ160の構成を使用できることを認識するであろう。例えば、ナビゲーションシステム130は、タイミング信号に優先する専用のコントロールを有することができ、電源110はタイミング信号に優先する専用のコントロールを有することができ、あるいは、このコントロールを電源110とナビゲーションシステム130に配置するあるいはこれらの間で共有することもできる。限定ではなく説明及び図に示す目的で、本明細書では主に、コントローラ160が電源110の構成部品である図1に示す構成を引用している。
【0018】
ナビゲーション又は位置決定システム130は、基準カテーテル132の超音波トランスデューサ131を用いて、3−D基準座標システム137にグリッド又はマップを作る。身体を介して心臓などの患者170のターゲット領域へ基準カテーテル132を挿入する。システム100は、身体のその他の領域に使用することもできるが、この明細書は限定的なものではなく説明の目的で心臓を含むアプリケーションについて述べている。
【0019】
基準カテーテル132に担持されているトランスデューサ131は相互に信号(通常133)を送受信する。プロセッサ135は、信号133が基準カテーテルの各トランスデューサ131の間で送受信されるのにかかる時間に関するデータ(通常134)を捕捉する。プロセッサ135は、このデータ134を用いて、身体内におけるトランスデューサ131間の距離を、例えば、「飛行時間(time of flight)」計算を用いて決定する。プロセッサ135は、これらの距離の三角測量を行って、基準トランスデューサ132の互いに対する位置を設定し、3−D座標システム137を設定する。この設定した座標システム137は、臨床医あるいは外科医が使用するために、グラフィックスディスプレイ150上に3−Dでグラフィカルに表示することができる。飛行時間及び三角測量による決定については、図14及び15を参照して更に詳細に述べる。
【0020】
3−D座標システム137が一旦設定されると、外科医は、マッピング又は切除カテーテル122などのエネルギィ送出デバイスをターゲット領域170に案内することができる。設定した座標システム137に対する切除カテーテル122の超音波トランスデューサ121の位置は、切除カテーテル122の一又はそれ以上のトランスデューサ121と基準カテーテル132の一又はそれ以上のトランスデューサ131との間で送信される信号123を用いて決定することができる。プロセッサは、トランスデューサ131に対するトランスデューサ121の相対位置に関連するデータ124を捕捉して、基準グリッド137と心臓170内のカテーテル123の位置を正確に決定することができる。
【0021】
切除カテーテル122が正しく位置決めされた後、RF発生器111が始動され、切除カテーテル120の電極127を介してターゲットの心臓組織170へ電流112を提供する。
【0022】
従って、ナビゲーションシステム130に用いられるトランスデューサ121と131は、従来の撮像システム又は視覚化システムの一般的な超音波トランスデューサとは異なる。例えば、切除カテーテル120と基準カテーテル132のトランスデューサ121と131は、基準システムを設定し、この基準システムを用いて位置を決定するのに使用される。更に、トランスデューサ121及び131は等方性である、すなわち、これらのトランスデューサはフォーカスされていない超音波エネルギィを全方向に射出するので、他のトランスデューサによって超音波エネルギィを検出することができる。反対に、従来の超音波撮像システム又は視覚化システムでは、超音波トランスデューサは、フォーカスされ、通常、制御された超音波エネルギィを射出し、このエネルギィは特定のターゲット領域に向けられている。このフォーカスされたエネルギィは反射され、検出されて、ターゲット領域の画像を生成するべく処理される。
【0023】
タイミング信号162及び164は、RF発生器111とナビゲーションシステム130を異なる時間に始動するので、RF発生器111によって生成される電流112は、様々なトランスデューサ間での超音波信号の伝送を、これらの信号の送受信を含めて、有意に妨害しない、あるいは妨害しない。従って、RF電流112は、カテーテル120及び132の超音波トランスデューサ121及び131間で送信される超音波信号123、基準カテーテルの様々な超音波トランスデューサ131間で送信される信号133、及びプロセッサ135による対応するデータ124の捕捉を有意に妨害しない。
【0024】
タイミング信号162と164の位相とデューティサイクルは、相互に「交番」するようにプログラムされている。従って、RF発生器111と出力112は、ナビゲーションシステム130と超音波信号123が不活性であるときに活性になる。逆に、超音波信号123は、RF発生器111と出力112が不活性であるときに、活性になる。
【0025】
この結果、カテーテル120の超音波トランスデューサ121の位置が、設定された3−D基準座標システム137に対して正確にモニタされるので、RF切除を行う前及び行っている間に、超音波トランスデューサ121を具える切除カテーテル120の位置をモニタして、必要に応じて調整することができる。切除カテーテル120の位置は、臨床医用に、ディスプレイ150上でグラフィックレンダリングあるいはグラフィック表示として表すことができる。
【0026】
この分野の当業者は、同様の「干渉」の問題とゲーティング及び交番技術を、電磁(EM)ナビゲーションシステム又は位置決定システムを含む他のナビゲーション信号に使用できることを認識するであろう。例えば、高パワー又は最大パワーのRFエネルギィは、基準又は切除カテーテルによって射出されるEM信号と干渉することがある。しかしながら、この明細書は限定的なものではなく説明の目的で超音波トランスデューサ信号に言及している。
【0027】
一般的なタイミング原理が図3及び4Aに示されており、特別な実装が図4Bに示されている。これらのタイミング信号及び制御は、ハードウエア及び/又はソフトウエアに実装して、RF発生器によって生成した電流が、ナビゲーション/位置決定システム130による超音波信号を送信及び/又は受信と干渉しない又は有意に干渉しないようにRF発生器111と超音波トランスデューサ121及び131を駆動することができる。
【0028】
一の実施例では、図3に一般的に示すように、電源110内のRF発生器111へ送るタイミング信号162がハイ302であるときに、RF発生器111が始動してRF切除300を実行し、一方、タイミング信号162がロー304のときにRF発生器111とRF切除300は不活性である。一の実施例では、RF発生器111は、超音波信号に比べてより長い時間始動される。例えば、制御回路160は、80〜90%のデューティサイクルを持つようにプログラムすることができる。換言すると、RF発生器111(及びRF切除300)は、ある時間ピリオドの約80〜90%の間始動しており、この時間ピリオドの約10〜20%の間不活性である。
【0029】
例えば、各1msの間、RF発生器111と切除300は約800〜900μ秒、好ましくは、約825〜875μ秒始動しており、約100〜200μ秒、好ましくは約125〜175μ秒不活性である。オフピリオド304の間に、例えば対流による加熱など、組織のその他の熱処理を続けるようにしても良い。なぜなら、電源RF発生器111と、RF切除が不活性である短い時間に、組織に残っている熱エネルギィがその組織を処置するためである。同様に、超音波信号とその捕捉、及びナビゲーション310は、期間312(RF発生器111がオン)の間不活性であり、期間314(RF発生111がオフ)の間は始動している。
【0030】
これらのデューティサイクルに起因して時間に優先したパワー、又は平均パワー、又は「RMS」パワーが決定されて、組織が焦げてしまったり、血液が凝固したりすることを低減、あるいは防止する一方で、組織を効率よく切除するのに十分な電流及びパワーが提供される。これらのデューティサイクルは、また、十分な量の超音波情報121が得られるようにして、RF切除を行う前及び行っている間、切除カテーテル120の位置を正確に決定して、モニタすることができるようにする。可変切除能力が必要な場合は、電源110のピークパワーレベルを必要に応じて調整して、より多くのあるいはより少ない切除パワーを提供することができる。例えば、オペレータは電源120に設定する「平均パワー」又は「rmsパワー」を調整することができ、この結果、選択された平均出力あるいはrmsパワー出力を提供するようにピークパワーが調整される。
【0031】
この分野の当業者は、例えば、システム又は部品の公差によって、超音波サイクルの開始は、RF切除サイクルの終端と完全に整列しないことを認識するであろう。従って、図3は実質的に非オーバーラップタイミング信号を示しているが、使用に際しては、許容できる程度の小さなオーバーラップが生じることがあり、RF切除300と超音波ナビゲーション310間の切替は有効である。
【0032】
代替の実施例では、図4Aに一般的に示すように、超音波ナビゲーションタイミング信号164は、残留RF信号と、システム及び部品の公差を補償するために必要に応じて遅延させることができる。例えば、図4Aに示すように、コントローラ160はトランスデューサ間で信号を活性化し、超音波を捕捉する前に、例えば、約0から約100μ秒、好ましくは、約25μ秒の遅延400を取り入れている。この遅延400は、フィルタや、電源110の磁気部品に存在する残留RF信号が、ゼロまで、あるいはこれらが超音波信号121と捕捉124を妨害しないような実質的低レベルまで確実に減衰するようにする。代替の実施例では、図6及び11を参照して以下に更に詳細に述べるように、システム100が、超音波サイクルが開始する前に残留RF信号の減衰を促進する「エネルギィトラップ」回路を具える。
【0033】
一の実施例のより特別なタイミングの実装が図4Bに示されている。この実施例は、ナビゲーション/位置決定システム130がトランスデューサを始動して、超音波信号を伝送する時間を変更するフレキシビリティを提供する。このフレキシビリティは、超音波信号がより長い距離伝送される場合に特に有益である。例えば、典型的な超音波の伝送距離は、約200mmであり、約150mm乃至約300mmといったより長い距離は、患者の皮膚に受信器を配置した場合に生じる。従って、内部超音波送信器及び受信器、及び内部及び外部送信器及び受信器を組み合わせたものを使用したシステムに様々な実施例を適用可能である。
【0034】
図4Bを参照すると、RFコントロール(RFC)信号450、RFオン/オフ信号460、送信信号470及び受信信号480の4つの信号を用いて、RF切除と超音波送信のタイミングを制御している。RFC信号450は、電源110又はRF発生器111から、ナビゲーション/位置決定システム130へ提供される。RFオン/オフ信号460は、電源110又はRF発生器111の出力である。図4Bに示すように、RFオン/オフ信号460は、「活性ハイ」信号である。換言すると、RF発生器111は、ローの時にオフであり、ハイの時にオンである。実際は、RFオン/オフ信号460は、活性ロー、すなわち、信号460がローのときにRF発生器111がオンで、この信号がハイのときにオフであっても良い。送信信号470は、ナビゲーション/位置決定システム130によって発生し、トランスデューサが始動して超音波信号を射出する時を制御する。受信信号480もナビゲーション/位置決定システム130によって発生し、受信窓482が開いている間に、受信器検出回路を使用可能にする。
【0035】
使用に際しては、RFC信号450のローからハイへの移行が、窓455(この例では100μ秒)の開始をマークするよう動作する。この窓が開始する前にRF発生器111は、RFオン/オフ信号460によって始動している。従って、図に示すように、超音波ナビゲーションシステム130は、RF発生器111がオフになった直後、すなわちこの例ではRF発生器111が不活性化された約25μ秒465後に、送信信号470をトリガする。同様に、超音波/ナビゲーションシステム130は、一又はそれ以上のトランスデューサを始動して、約129μ秒の受信窓482が開いている間受信器の検出回路を使用可能にする、受信信号480を提供する。
【0036】
より長い伝送距離が用いられている場合は、送信信号470をより早い時期、すなわち、符号475で示すように、RF発生器がまだオンである間にトリガすることができる。換言すると、このトリガは、100μ秒の窓455の間であり、RF発生器がオンである間に始動することができる。この結果、窓482が開いている間で、RF発生器が始動していない間に受信を行いながら、より長い時間、従って、より長い距離、超音波信号を送信することができる。
【0037】
実際、この分野の当業者には、上述の例示的な信号継続期間が、様々な実施例とアプリケーションで使用することができるその他の継続期間を単に代表するものに過ぎないことは自明である。従って、25、100、125、129及び254μ秒のタイミングインターバルを含む特別な例は、様々な実施例を限定するものと考えるべきではない。
【0038】
図5は、ゲーティングシステム100を更に詳細に示す図である。図に示す実施例は、電源110内にインターフェース140を具えているが、インターフェース140は、図1に示すように、電源110に外付けすることもできる。図に示す実施例では、システム100は、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、分散ロジック又はその他の好適なロジックデバイス(一般的に、「ゲーティングロジック」500)などのコントローラ160を具える。必要に応じて様々なロジック言語を使用して、様々なロジックデバイスをプログラムすることができる。限定するものではないが、この言語にはハードウエア記載言語(Hardware Description Language:HDL)や、VHSICハードウエア記載言語(VHDL)が含まれる。
【0039】
ゲーティングロジック500は、スイッチ502を介してユーザによって最初に始動される。インディケータ504がユーザにゲーティングロジック500が始動されたことを通知する。インディケータ504は、例えば、発光ダイオード(LED)などの目に見えるインディケータであっても、あるいは、ベープや音などの可聴インディケータであっても良い。
【0040】
ゲーティングロジック500は、RF発生器111を駆動するタイミング信号162(RFクロック)と、ナビゲーションシステム130を駆動するタイミング信号164(Gating Sync ? Optical Out)を発生する。タイミング信号162及び164は、ゲーティングインターバル510の間に、RFクロックタイミング信号162がローに切り替わってRF発生器111を不活性化するように、及びゲーティング同期タイミング信号164がハイに切り替わって超音波トランスデューサ121及び131と超音波捕捉を駆動するように、同期されている。この結果、トランスデューサ121と131間での超音波伝送と信号の検出は、「不活発」なゲーティング期間510の間に、切除電流112からの干渉を受けることなく行うことができる。このデータ124は、プロセッサ135によって捕捉され、基準システム137に対する切除カテーテルトランスデューサ121の位置を決定することができる。
【0041】
RF発生器111は既知の様々なスイッチング発生器であってもよい。これは、約200kHzから約800kHz、好ましくは約500kHzの周波数で、最大電流が2A、最大電圧が170Vの電流112を提供する。RF発生器の出力112は、トランス530によってカップリングされている。帯域フィルタ540(直列LCネットワーク)が、伝送されてきた出力112を、切除カテーテル120用の周波数約500kHz、0−170ボルトのサイン波信号に成形する。
【0042】
図6を参照すると、ゲーティングシステムの代替の実施例は、固体スイッチなどの「エネルギィトラップ」回路又はRF減衰回路600を具える。エネルギィトラップ回路600は、RFエネルギィが非活性化された後、すなわち、超音波捕捉124に先行する各「ゲーティング」期間510の開始時に、例えば帯域フィルタ540やトランス530の磁気部品に存在する残留RF信号の減衰を促進する。
【0043】
特に、ゲーティングインターバル510の間は、ゲーティングロジック500がRFクロック162を停止して、エネルギィトラップスイッチ600を閉じる。この結果、帯域フィルタ540内のRFエネルギィが切除電極127の出力に漏れることがない。エネルギィトラップ600は、活性又はハイRF信号から、超音波信号121及び131とその捕捉124を妨害しないゼロ又は低レベルへのより早い遷移を提供する。必要があれば、ゲーティングロジック500は、RF発生器111がオフに切り替わった後、エネルギィトラップスイッチ600を閉じる前に、RF発生器111が確実にオフになるように、例えば1μ秒といった、わずかな遅延を導入することができる。
【0044】
図7乃至13は、図1、2、5及び6のシステムブロック図の構成部品の部分に対応する回路、ロジック、及びタイミング図を示す。これら特別な回路図は、カリフォルニア州95134、サンホセ、オーチャードパークウエイ2710所在のBoston Scientific Corporation 社によって製造され、米国特許第6,490,474号に概略が記載されているPAMモデルNo.8200及びPAMi部品No. 09-1685-000を含む、現存の超音波ナビゲーション製品に使用するように構成されている。従って、この分野の当業者は、ゲーティングシステムの実施例がさまざまな回路部品を具えていても良く、必要に応じてその他のナビゲーションシステムとアプリケーション用に構成することができることを認識するであろう。このように、図7乃至13に示す回路図及びロジック図は、超音波ナビゲーション300及びRF切除310間での切替を実装するのに使用することができるその他の様々な回路設計の例証となる。超音波ナビゲーションシステム130の部品を動作させて、飛行時間及び三角測量による位置決定を用いて3−D基準座標システムを生成する方法を、更に詳細に説明する。
【0045】
図14を参照すると、上記に概略を説明したとおり、ナビゲーションあるいは位置決定システム300とその手順は、基準カテーテル132の超音波トランスデューサ131を使用して患者の心臓170内の3−D基準座標システム137を設定するようにしている。各基準カテーテル132は、複数の超音波トランスデューサ131、好ましくは少なくとも4つのトランスデューサ131を具えている。基準カテーテルトランスデューサ131は、音圧を電圧に変換することによって超音波受信器として機能し、電圧を音圧に変換することによって超音波送信器として機能する。
【0046】
既知の技術と計算を用いて送信トランスデューサ131から各受信トランスデューサ131へと超音波パルスが移動する時間を測定することによって、各基準カテーテルトランスデューサ131と、その他の基準カテーテルトランスデューサ131との間の距離をコンピュータで計算する。これらの距離測定は、好ましくは、並列に行われるため、一つの基準カテーテルトランスデューサ131から超音波パルスが射出されると、このパルスがシステムで使用されているその他のトランスデューサの各々に届くそれぞれの時間をシステムが同時に測定する。
【0047】
これらの決定は、心臓中の音響信号の速度に基づいてなされ、例えば血液や組織などで生じるわずかな変化を伴うが、約1570−1580mm/msecである。音パルスが一のトランスデューサ131から別のトランスデューサへ届く時間は、従って、飛行時間に、心臓内の音パルスの速度を掛け合わせる(すなわち、1570−1580mm/msecを掛ける)ことによって、トランスデューサ131間の距離に変換することができる。
【0048】
飛行時間の原理と、ジオメトリックな三角測量の原理とを組み合わせて、プロセッサ135と、増幅器及び位置測定ハードウエア1400、及びカテーテル(一般的に1410)を用いて3−D座標システム137を設定する。一又はそれ以上の基準カテーテル132は、心臓170又は周辺の脈管(あるいは、食道などのその他の領域)に導入され、処置を行う間、正しい場所におかれている。基準カテーテル132が患者の心臓170内、あるいは近傍に配置されると、システムはまず、「飛行時間」の原理を用いて各基準カテーテルのトランスデューサ131間の距離を測定する。プロセッサ135は、これらの距離を用いて、基準トランスデューサ131の相対位置を設定し、3−D座標システム137を設定する。
【0049】
例えば、図15を参照すると、3−D座標システム137は、符号T1−4で示す少なくとも4つの基準トランスデューサ131を含む基準カテーテル132を用いて設定される。これらのトランスデューサT1−T4は、以下の通り3−D座標システム137を規定する:T1乃至T3は、z=0において面Pを規定し;一の基準トランスデューサT1は、座標システムの原点を規定し;T3とT2の間のラインはシステムのx−軸を規定し;T3はz=0の面内にある。4番目の基準トランスデューサT4は、z>0のときに、面Pの一方の側にある。
【0050】
基準カテーテル132は、少なくとも4つのこのようなトランスデューサ131を具えていることが好ましいので、3−D座標システム137は、単一の基準カテーテル132を使用して設定することができる。所望であれば、基準カテーテル132はより多くのトランスデューサ131有していても良く、あるいは三次元座標システム137を設定するのに一以上の基準カテーテルを使用するのであれば、より少ないトランスデューサ131を具えていても良い。
【0051】
4つ以上の基準トランスデューサ131を使用することは、システムに余剰部分を加え、システムの精度を強化するという意味で有利である。4つ以上の基準トランスデューサ131を使用する場合、カテーテルトランスデューサ131の位置が過剰に決定されるという問題がある。追加の余剰は、基準トランスデューサ131とカテーテルトランスデューサ121との間の測定した距離にノイズがある場合に、より精度を高める。過剰に決定することの問題は、「Use of Sonomicrometry and Multidimensional Scaling to Determine 3D Coordinates of Multiple Cardiac Locations: feasibility and implementation」、Ratciffle et. al., IEEE Transactions Biomedical Engineering, Vol. 42, no. 6, June 1995に記載されているように、複数ディメンションのスケーリングを用いて解決することができる。
【0052】
基準トランスデューサ131の座標は、コサインの法則を用いてコンピュータで計算することができる。例えば、Advanced Mathematics, A preparation for calculus, 2nd Ed., Coxford, A. F., Payne J. N., Harcort Brace Jovanovich, New York, 1978, p. 160を参照されたい。各基準トランスデューサ131は、超音波パルスの受信と送信の双方ができなくてはならず、その他の各基準トランスデューサ131で受信された音パルスを別途射出するように作られている。図15に示す距離d1乃至d6は、音パルスが基準トランスデューサ131の各対間を移動するのにかかるそれぞれの時間を用いて計算することができる。これらの距離は三角測量されて、基準トランスデューサ131の互いに対する位置、従って、3−D座標システム137を設定する。
【0053】
図14を参照すると、3−D座標システム137が一旦設定されると、以下のようにして心臓近傍あるいは心臓内に配置されたマッピングあるいは切除カテーテル(一般的に図14における1410)などの医療デバイス120の追加のトランスデューサ121の位置を、3−D座標システム137内で計算することができる。まず、「飛行時間」法を用いて、基準トランスデューサ131のT1乃至T4の各々と、追加のカテーテルトランスデューサ121(図15において、TCATHで表す)間の距離を並行して設定する。これらの距離は、好ましくは、座標システム137を設定するためになされた距離測定と並行して実行する。次いで、基本的な代数学とコサインの法則を用いて(例えば、上述のAdvanced Mathematicsのテキストを参照)TCATH121の基準トランスデューサ131に対する座標を、三角測量を用いて、T1乃至T4からTCATH121までの測定した距離を用いて、計算する。
【0054】
基準カテーテル132の全体又は部分の位置も同様に表示することができる。システムは、システムに予めプログラムされている様々なカテーテルのモデルに基づいてトランスデューサの位置の座標からカテーテルの位置を推定し、グラフィカルユーザディスプレイ(図1のディスプレイ150参照)上に各カテーテルの位置と方向を表示するようにプログラムされることが好ましい。追加のカテーテル120及びトランスデューサ121の全体あるいは部分(例えば、その遠位先端、電極又は切除部分、あるいは、もしあれば興味の対称であるその他の部分)の位置が表示される。基準カテーテル132は、これによって、内部座標システム137を設定し、これによって心臓内のEPカテーテルトランスデューサ121の相対位置を三角測量を用いて計算し、三次元ディスプレイ150にリアルタイムで示すことができる。
【0055】
カテーテル122の遠位先端位置(及び、従って生体構造部位の位置)も、予めプログラムされたカテーテル122のモデルを用いて、トランスデューサ121の位置から推定することができる。例えば、プロセッサ135は、マッピング/切除カテーテル122によって捕捉した生体構造ポイントに基づいて心室の表示をグラフィカルに再構築することができる。特に、プロセッサ135は、各々が心臓内において捕捉されるときに球面モデルを生体構造ポイントに変形する。これらの構築された表示又はレンダリングは、通常、従来の超音波生成、反射及び検出と、画像形成技術を使用して心臓の画像を生成する既知の超音波視覚化システムで生成した画像より、一層正確で有益である。ナビゲーションシステムに関する更なる詳細は米国特許第6,490,474号に見ることができる。
【0056】
図16乃至18は、例示的なカテーテルを示す。図16を参照すると、超音波ナビゲーションシステム300に使用することができる一の例示的な基準カテーテル1600は、遠位端に複数の超音波トランスデューサ131を配置した細長のカテーテルである。トランスデューサ131は、超音波信号を送受信することができる圧電トランスデューサである。基準カテーテル1600は、上述の超音波トランスデューサを設けることによって、典型的なEPカテーテルと一体化することができる。これによって、EP手順用にすでに必要とされているカテーテルを用いた位置決定及びナビゲーション機能にシステムを使用することができる。従って、このシステムを使用することで、EP手順が位置決定機能なしで実行されるのであれば、外科医は必要以上に多くのカテーテルを使用する必要がない。
【0057】
もう一つの例示的なカテーテルが図17に示されている。基準カテーテル1700は、遠位側のEP電極1710対と、この遠位先端に設けた超音波トランスデューサ131と、この遠位先端の近位側の追加の超音波トランスデューサ131を有するRVアペックスカテーテルであってもよい。更なる代替のカテーテルは、冠状静脈洞基準カテーテル1800(図18)であり、このカテーテルは、冠状静脈洞内に配置されたカテーテル部分の上に分布させたEP電極1710の少なくとも3つのバイポール対を具え、やはり冠状静脈洞内にあるカテーテルの部分上に分布させた少なくとも3つの超音波トランスデューサを有する。遠位側電極1711を使用する基準カテーテルも、図19及び20に示す基準カテーテルのように使用することができる。
【0058】
ナビゲーションシステムの最適動作周波数は、超音波トランスデューサ121と131の共振周波数を考慮して決定される。システム中で用いられているトランスデューサの寸法、したがって共振とを与えると、トランスデューサは、長さモードにおけるトランスデューサの共振周波数である、約0.5MHzで最も好ましく動作することがわかった。トランスデューサ121と131は、等方性であり、約114度のビーム幅を持つ。このビーム幅は信号振幅がピーク振幅から6dB以下に落ちない角度として規定される。所望であれば、エポキシ又はその他の材料でできた球形ビーズの形状をした発散レンズを、セラミックシリンダの上に形成して、信号強度をビーム幅以上に均一にすることができる。
【0059】
カテーテル122の遠位先端の位置(従って生体構造部位の位置)も、予めプログラムされたモデルのカテーテル122を用いてトランスデューサ121の位置から推定することができる。プロセッサ135は、マッピング/切除カテーテル122によって捕捉した生体構造ポイントに基づいて心室170の表示をグラフィカルに再構築することができる。特に、プロセッサ135は、心臓内で各々を捕捉するときに、球面モデルを生体構造ポイントに変形する。これらの構築された表示又はレンダリングは、通常、従来の超音波生成、反射及び検出と、画像形成技術を使用して心臓の画像を生成する既知の超音波視覚化システムで生成した画像より、一層正確で有益である。
【0060】
EPデータは、適宜のマッピング位置内にマッピング/切除カテーテル122を配置し、システムを始動させて、関連するマッピング電極によって検知されるEPデータ又は始動ポイントを記録することによって捕捉することができる。マッピング電極の座標は、近似して、捕捉したEPデータ内で関連させることができる。所望の場合は、等時性のマップ(すなわち、下に位置する心臓組織の活性化時間をカラーコード化した画像)を、EPデータから生成し、心室のグラフィカル再構築画像の上にEPデータを重畳することによって、3−Dコンテキストで表示することができる。
【0061】
代替的に、外科医は、始動ポイントの分散マップを表示することができる。この場合、再構築した心室は表示されない。一旦EPデータが捕捉され、心臓モデル表面にマッピングされると、マッピング/切除カテーテルをEPデータによって同定されたターゲット部位へと操縦して、これらの部位で組織を治療的に切除する手術を行う。
【0062】
心臓内のマッピング又は切除カテーテルの位置をモニタすることに加えて、切除を行う間のインピーダンスと温度をモニタすることもできる。このシステムは、パワーレベル又はインピーダンスレベルを操作して、電源110のピークパワーを変更することができる。例えば、RFエネルギィが心臓組織を焦がし始めたり、あるいは血液が凝固し始めると、インピーダンスと電力ワットが上がり、これによって、臨床医にパワーレベルを低減するべきであること、あるいは、カテーテルを再配置できることを警告する。
【0063】
米国特許第6,490,474号は、3−D基準座標システム、飛行時間、三角測量、基準カテーテル、及び例示的なマッピング及び切除カテーテル構造1500に関連する更なる情報を含む。
【0064】
この分野の当業者は、図に示す実施例を心臓組織以外の身体組織の治療に使用できることを認識するであろう。更に、図に示す回路図は例示的な回路部品を示すためのものであるので、必要があれば、その他の回路とシステム構成を使用できる。更に、この明細書は、主に超音波信号との干渉を低減する又は除去することに言及して実施例を説明しているが、同じ又は同様の原理及び構成部品を、電磁信号に使用することもできる。タイミング信号に先行する更なるコントロールは専用であっても、共用であっても良く、別のアプリケーション用に必要に応じてその他のデューティサイクル及び遅延を用いてもよい。従って、ゲーティングシステムはここに記載して説明した特別な例示的実施例に限定されるものではなく、添付の請求の範囲から外れることなく、記載した実施例に変形、変更、代替を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
図面を参照すると、全体を通して対応する部分には同じ符号が付されている。
【図1】図1は、超音波ナビゲーションとRF切除の間を切り替えるコントローラを電源内に有するゲーティングシステムの実施例のブロック図である。
【図2】図2は、超音波ナビゲーションとRF切除の間を切り替えるコントローラを超音波ナビゲーションシステム内に有するゲーティングシステムの実施例のブロック図である。
【図3】図3は、超音波ナビゲーションとRF切除の間を切り替えるタイミング信号を示す図である。
【図4A】図4Aは、超音波ナビゲーションとRF切除の間を切り替える超音波捕捉を開始する前に遅延を含むタイミング信号を示す図である。
【図4B】図4Bは、代替の実施例に使用する遅延を含むタイミング信号を示す図である。
【図5】図5は、スイッチングシステム又はゲーティングシステムの実施例を示すより詳細なブロック図である。
【図6】図6は、選択的にエネルギィトラップあるいはRF減衰回路を有するスイッチングシステム又はゲーティングシステムの実施例のより詳細なブロック図である。
【図7】図7は、図5及び6に示すゲーティングロジック部分に対応する回路図である。
【図8】図8は、ゲーティングロジック回路のロジック及びタイミング構成部品を示す回路図である。
【図9】図9は、ゲーティングロジック回路のタイミング信号を示す図である。
【図10】図10は、通信インターフェースの光トランスミッタを示す回路図である。
【図11】図11は、エネルギィトラップ又はAF減衰回路部分に対応する回路図である。
【図12】図12は、ゲーティングシステム構成部品間の接続を示す回路図である。
【図13】図13は、ゲーティングシステム構成部品間の接続を示す別の回路図である。
【図14】図14は、超音波ナビゲーションシステムの主な構成部品を表す図である。
【図15】図15は、3−D基準座標システムを設定する方法を示す図である。
【図16】図16は、3−D基準座標システムを設定するのに使用することができる基準カテーテルの側面図である。
【図17】図17は、別の基準カテーテルの側面図である。
【図18】図18は、追加の基準カテーテルの側面図である。
【図19】図19は、別の好適なトランスデューサと電極構成を有する更なる基準カテーテルの側面図である。
【図20】図20は、別の好適なトランスデューサと電極構成の別の好適な基準カテーテルの側面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療デバイスを位置決めし、身体内の組織を切除するシステムにおいて:
前記組織の切除に適した電流を発生し、エネルギィ送出デバイスにその電流を提供する電源であって、前記エネルギィ送出デバイスが前記組織へ前記電流を提供して当該組織を切除するように構成されている、電源と;
三次元基準座標システムを設定して、当該基準座標システム内の前記エネルギィ送出デバイスの位置を決定するナビゲーションシステムと;
前記電源とナビゲーションシステムを始動する間に、前記ナビゲーションシステムが前記組織を切除する間に前記電源電流から有意な干渉を受けることなく動作するように切替を行うコントローラと;
を具えることを特徴とするシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記電源が高周波発生器を具えることを特徴とするシステム。
【請求項3】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記電流の周波数が約500kHzであることを特徴とするシステム。
【請求項4】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記電源が可変平均又はRMSパワーを有することを特徴とするシステム。
【請求項5】
請求項4に記載のシステムにおいて、前記平均又はRMSパワーをユーザが調整可能であることを特徴とするシステム。
【請求項6】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記ナビゲーションシステムが前記身体内に配置可能な基準カテーテルを具え、前記基準カテーテルがその上に複数の超音波トランスデューサを有しており、前記複数の超音波トランスデューサ間の信号が、前記基準座標システムを設定するのに使用されることを特徴とするシステム。
【請求項7】
請求項6に記載のシステムにおいて、前記基準カテーテルが少なくとも4つの超音波トランスデューサを有することを特徴とするシステム。
【請求項8】
請求項6に記載のシステムにおいて、前記複数の超音波トランスデューサが等方性であることを特徴とするシステム。
【請求項9】
請求項6に記載のシステムにおいて、前記複数の超音波トランスデューサが、前記複数の超音波トランスデューサ以外の各トランスデューサ間の信号の送受信を行うことを特徴とするシステム。
【請求項10】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記コントローラがマイクロプロセッサを具えることを特徴とするシステム。
【請求項11】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記コントローラがプログラム可能なロジックデバイスあるいは分散ロジックであることを特徴とするシステム。
【請求項12】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記コントローラが約80%−90%のデューティサイクルを有するように電源にタイミング信号を提供することを特徴とするシステム。
【請求項13】
請求項12のシステムにおいて、約1msの期間に、前記電源が約800−900μ秒間始動されることを特徴とするシステム。
【請求項14】
請求項12に記載のシステムにおいて、前記コントローラが約10%−20%のデューティサイクルを有する前記ナビゲーションシステムについてのタイミング信号を提供することを特徴とするシステム。
【請求項15】
請求項14のシステムにおいて、約1msの期間に、前記ナビゲーションシステムが約100−200μ秒間始動されることを特徴とするシステム。
【請求項16】
請求項12に記載のシステムにおいて、前記デューティサイクルが前記コントローラ内でプログラムされていることを特徴とするシステム。
【請求項17】
請求項12に記載のシステムにおいて、前記デューティサイクルが固定であることを特徴とするシステム。
【請求項18】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記ナビゲーションシステムが送信トランスデューサと受信トランスデューサを具え、前記電源が電流を発生していない間に、前記送信トランスデューサが信号を射出し、前記受信トランスデューサがこの射出された信号を受信することを特徴とするシステム。
【請求項19】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記ナビゲーションシステムが送信トランスデューサと受信トランスデューサを具え、前記電源が電流を発生している間に、前記送信トランスデューサが信号を射出し、前記電源が電流を発生していない間に、前記受信トランスデューサがこの射出された信号を受信することを特徴とするシステム。
【請求項20】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記コントローラが前記電源の一部品であることを特徴とするシステム。
【請求項21】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記コントローラが前記ナビゲーションシステムの一部品であることを特徴とするシステム。
【請求項22】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記コントローラが前記電源と前記ナビゲーションシステムの間に配置されていることを特徴とするシステム。
【請求項23】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記コントローラが更に、前記ナビゲーションシステムを始動する前に前記電源によって提供された前記電流の減衰を促進する回路を具えることを特徴とするシステム。
【請求項24】
請求項23に記載のシステムにおいて、前記減衰回路が固体スイッチを具えることを特徴とするシステム。
【請求項25】
請求項1に記載のシステムが更に、前記コントローラと前記ナビゲーションシステムの間にインターフェースを具え、制御信号がこのインターフェースを介して送受信されることを特徴とするシステム。
【請求項26】
請求項25に記載のシステムにおいて、前記インターフェースが光インターフェースを具えることを特徴とするシステム。
【請求項27】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記ナビゲーションシステムが、前記組織を切除している間に前記電源から干渉されることなく動作することを特徴とするシステム。
【請求項28】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記組織が心臓組織であることを特徴とするシステム。
【請求項29】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記エネルギィ送出デバイスが切除カテーテルを具えることを特徴とするシステム。
【請求項30】
請求項1に記載のシステムが更に:
その上に等方性超音波トランスデューサを装着したエネルギィ送出デバイスを具え;
前記ナビゲーションシステムがその上に複数の等方性超音波トランスデューサを有する基準カテーテルを具え、当該基準カテーテルのトランスデューサが超音波信号を射出して基準座標システムを設定し、前記エネルギィ送出デバイスの位置が当該エネルギィ送出デバイストランスデューサと前記基準カテーテルトランスデューサ間で送受信される超音波信号に基づいて前記基準座標システムに対して位置決めされ;
前記コントローラが電源と前記基準カテーテルのトランスデューサと、前記エネルギィ送出デバイスの活性化の間で切替を行って、前記ナビゲーションシステムが前記組織を切除する間に前記電源電流から有意な干渉を受けることなく動作するように構成されている;
ことを特徴とするシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7−1】
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【図7−2】
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【図7−3】
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【図7−4】
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【図7−5】
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【図7−6】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12−1】
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【図12−2】
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【図12−3】
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【図13−1】
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【図13−2】
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【図13−3】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公表番号】特表2008−500138(P2008−500138A)
【公表日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−527439(P2007−527439)
【出願日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【国際出願番号】PCT/US2005/017558
【国際公開番号】WO2005/112775
【国際公開日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【出願人】(500332814)ボストン サイエンティフィック リミテッド (627)
【Fターム(参考)】