説明

高周波技術のためのデバイス、液晶媒体および化合物

本発明は、高周波技術のための、またはマイクロ波領域およびミリメートル波領域の電磁スペクトルのためのデバイスであって、6〜15の5員環、6員環または7員環、好ましくは1,4−連結フェニレン環を含む1または2以上の化合物からなる液晶媒体を含有すること、または自体が、同様に6〜15の5員環、6員環または7員環、好ましくは1,4−連結フェニレン環を含む1または2以上のかかる化合物からなる成分Aを含有する液晶媒体を含有することを特徴とする前記成分に関する。本発明はまた、式(I)で表される化合物であって、式中パラメーターは本明細書中で与えられる意味を有する前記化合物に、および対応する新規の液晶媒体、その使用および製造に、およびかかるデバイスの製造および使用に関する。本発明のデバイスは、マイクロ波およびミリメートル波領域における移相器として、マイクロ波およびミリメートル波配列アンテナに対してとくに好適であり、いわゆる同調可能な「反射配列」に対して極めてとくに好適である。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、特に、高周波技術のための新規のデバイス、とりわけ高周波装置のためのデバイス、特に、マイクロ波またはミリメートル波領域で作動する、とりわけギガヘルツ領域に対するアンテナに関する。これらのデバイスは、例えば、同調可能な位相配列アンテナのためのマイクロ波の移相のための、または「反射配列」に基づくマイクロ波アンテナの同調可能なセルのための、特定の液晶、化学化合物またはそれらから構成される液晶媒体を用いる。
【背景技術】
【0002】
先行技術および解決すべき課題
液晶媒体は、近年、例えばDE 10 2004 029 429 AおよびJP 2005-120208 (A)などにおいて、高周波技術のための、特にマイクロ波技術のためのデバイスにおける使用に対してもまた提唱されてきている。
液晶媒体は、長きにわたって、情報を表示するための電子光学ディスプレイ(液晶ディスプレイ(liquid crystal displays)−LCDs)において用いられてきた。
しかし、液晶媒体は、近年、例えばDE 10 2004 029 429 AにおいておよびJP 2005-120208 (A)などにおいて、マイクロ波技術のためのデバイスにおける使用に対してもまた提唱されてきている。
【0003】
高周波技術における液晶媒体の産業上価値のある適用は、それらの誘電特性が可変電圧により、特にギガヘルツ領域に対して、制御されることができるというそれらの特性に基づく。このことにより、いかなる可動部品をも含まない同調可能なアンテナの構築を可能とする(Gaebler, A., Moessinger, A., Goelden, F., et al., "Liquid Crystal-Reconfigurable Antenna Concepts for Space Applications at Microwave and Millimeter Waves", International Journal of Antennas and Propagation, Volume 2009, Article ID 876989, (2009), pages 1 - 7, DOI: 10.1155/2009/876989)。
【0004】
Penirschke, A., Mueller, S., Scheele, P., Weil, C., Wittek, M., Hock, C. and Jakoby, R.: "Cavity Perturbation Method for Characterisation of Liquid Crystals up to 35 GHz", 34th European Microwave Conference - Amsterdam, pp. 545 - 548は、とりわけ、公知の単一の液晶物質K15(Merck KGaA, Germany)の9GHzの周波数における特性を記載する。
【0005】
DE 10 2004 029 429 Aは、マイクロ波技術における、とりわけ移相器(phase shifters)における液晶媒体の使用を記載する。DE 10 2004 029 429 Aは、すでに、対応する周波数領域におけるそれらの特性に関して液晶媒体を調査した。
しかし、今までに公知となった組成物は、不利に苛まれる。他の欠点に加え、それらのほとんどは不利に高度な損失および/または不適切な移相あるいは低度な材料品質(η)となる。
【0006】
高周波技術における使用のために、特定の、今まではむしろ独特な、異例な特性または特性の組み合わせを有する液晶媒体が必要である。
それゆえ、改善された特性を有する新規の液晶媒体が必要である。特に、マイクロ波領域における損失は低減されなければならず、そして材料品質は改善されなければならない。
【0007】
加えて、デバイスの低温挙動を改善する必要性が存在する。ここで、作動特性ならびに貯蔵安定性の両方における改善が必要である。
それゆえ、対応する実用的適用のための好適な特性を有する液晶媒体に対するかなりの要求が存在する。
【0008】
Larios-Lopez, L., Navarro-Rodriguez, D., Arias-Marin, E. M., Moggio, I. and Reyes-Casteneda, C. V., Liquid Crystals, 2003 Volume 30, No. 4, pages 423-433は、末端部およびいくつかの側方部においてアルコキシ基により置換される5つのおよび7つのフェニル環を有するオリゴ(p−フェニル)を記載する。これらの化合物は全て高い融点を有する。
【0009】
Banerjee M., Shukla, R. and Rathore, R., J. Am. Chem. Soc. 2009, Volume 131, pages 1780-1786、および関連する「supporting information」は、同様に全て高融点化合物である、末端置換ヘキサ−およびヘプタ−p−フェニレンを記載する。
【0010】

【化1】

式中、k=1、2または3、およびR=n−ヘキシルまたはn−ドデシルである、で表される側方置換デカフェニルが、Rehahn, M. and Galda, P., Synthesis 1996, pages 614 to 620 (DOI: 10.1055/s-1996-4260)に開示される。
【0011】
トリフェニルジアセチレンとしてもまた公知である、中央フェニレン環にさらなるアルキル置換を有するビストラン化合物は、十分に当業者に公知である。
【0012】
例えば、Wu, S.-T., Hsu, C.-S. and Shyu, K.-F., Appl. Phys. Lett., 74 (3), (1999), p. 344-346は、式
【化2】

で表される、側方メチル基を含むさまざまな液晶ビストラン化合物を開示する。
【0013】
側方メチル基を含むこの種の液晶ビストラン化合物に加え、Hsu, C. S. Shyu, K. F., Chuang, Y. Y. and Wu, S.-T., Liq. Cryst., 27 (2), (2000), p. 283-287はまた、側方エチル基を含む対応する化合物を開示し、そして、とりわけ液晶光学移相配列における、その使用を提唱する。
【0014】
Dabrowski, R., Kula, P. Gauza, S., Dziadiszek, J. Urban, S. and Wu, S.-T., IDRC 08, (2008), pages 35-38は、式
【化3】

で表される強く誘電的に正のイシチオシアナトビストラン(isithiocyanatobistolan)化合物に加え、中央の環上に側方メチル基を有するおよび有さない誘電的にニュートラルなビストラン化合物を言及する。
【0015】
A. Gaebler, F. Goelden, S. Mueller, A. Penirschke and R. Jakoby "Direct Simulation of Material Permittivites using an Eigen-Susceptibility Formulation of the Vector Variational Approach”, 12MTC 2009 - International Instrumentation and Measurement Technology Conference, Singapore, 2009 (IEEE), pp. 463-467は、公知の液晶混合物E7(同様に Merck KGaA, Germany)の対応する特性を記載する。
【0016】
DE 10 2004 029 429 Aは、マイクロ波技術、とりわけ移相器における液晶媒体の使用を記載する。DE 10 2004 029 429 Aはすでに、対応する周波数領域におけるそれらの特性に関して液晶媒体を調査してきた。加えて、それは、
【化4】

を含む液晶媒体を言及する。
【0017】
しかし、いままでに公知のこれらの組成物は、重大な不利に苛まれる。他の欠点に加えて、結果として、それらのほとんどは不利に高い損失および/または不適切な材料品質を生じる。
これらの適用のために、特定の、今まではむしろ独特な、異例な特性、または特性の組み合わせを有する液晶媒体が必要である。
【0018】
それゆえ、改善された特性を有する新規の液晶媒体が必要である。特に、マイクロ波領域における損失は低減されなければならず、そして材料品質は改善されなければならない。
加えて、デバイスの低温挙動における改善に対する要求が存在する。ここで、作動特性における、ならびに保存寿命における改善が必要である。
【0019】
それゆえ、対応する実用的適用のための好適な特性を有する液晶媒体に対するかなりの要求が存在する。
【発明の概要】
【0020】
本発明
驚くべきことに、液晶化合物またはこれらの化合物を含む液晶媒体が採用される場合、先行技術の材料の不利を有さない、または少なくともかなり低減した程度においてのみ有する、高周波技術のためのデバイスを達成することができるということが、今、見い出された。
【0021】
それゆえ本発明は、高周波技術のための、またはマイクロ波領域および/またはミリメートル領域の電磁スペクトルのためのデバイスであって、6〜15の5員環、6員環または7員環、好ましくは1,4−連結フェニレン環を有する、随意に置換されていてもよい、1つまたは2つ以上の化合物、好ましくは式I
【化5】

【0022】
式中、
11およびR12は、互いに独立して、ハロゲン、好ましくはFまたはCl、それぞれ1〜15のC原子を有する、非フッ素化アルキルまたはフッ素化アルキルあるいは非フッ素化アルコキシまたはフッ素化アルコキシ、あるいはそれぞれ2〜15のC原子を有する非フッ素化アルケニルまたはフッ素化アルケニル、非フッ素化アルケニルオキシまたは非フッ素化アルコキシアルキルまたはフッ素化アルコキシアルキルであって、それらにおいて、加えて、1または2以上の「−CH−」基は、互いに独立して、3〜6のC原子を有する、好ましくは4または6のC原子を有するシクロアルキルにより置換されてもよく、および代わりに、加えて、R11およびR12の1つあるいはR11およびR12の両方はHを示し、
【0023】
好ましくは、
11およびR12は、互いに独立して、それぞれ1〜7のC原子を有する、非フッ素化アルキルまたは非フッ素化アルコキシ、あるいはそれぞれ2〜7のC原子を有する、非フッ素化アルケニル、非フッ素化アルケニルオキシまたは非フッ素化アルコキシアルキルを示し、
【0024】
特に好ましくは、
11は、1〜7のC原子を有する非フッ素化アルキルまたはそれぞれ2〜7のC原子を有する、非フッ素化アルケニル、非フッ素化アルケニルオキシまたは非フッ素化アルコキシアルキルを示し、および
【0025】
特に好ましくは、
12は、それぞれ1〜7のC原子を有する、非フッ素化アルキルまたは非フッ素化アルコキシを示し、および
【0026】
11〜L14は、それぞれの出現において、それぞれの場合において互いに独立して、H、1〜15のC原子を有するアルキル、FまたはClを示し、および
iは、6〜15、好ましくは6または8〜12および特に好ましくは6または9〜10の範囲の整数を示し、
【0027】
および好ましくは、
存在する置換基L11〜L14の少なくとも2つは、H以外の意味を有し、およびそれらは好ましくはアルキルを示し、および
11は、C2n+1またはCH=CH−(CHを示し、および
12は、C2m+1またはO−C2m+1 or (CH−CH=CHを示し、
【0028】
およびそれらにおいて
nおよびmは、互いに独立して、0〜15の範囲の、好ましくは1〜7および特に好ましくは1〜5の範囲の整数を示し、および
zは、0、1、2、3または4、好ましくは0または2を示す、
で表される化合物を含む、成分Aを含むまたはからなる液晶媒体を含有することを特徴とする、前記デバイスに関する。
【0029】
本発明は同様に、式Iで表される化合物であって、R11およびR12がともにH以外の意味を有する前記化合物に関する。
【0030】
好ましいのは、式Iで表される化合物または式Iで表される化合物の使用であって、そこにおいて、
iが6〜8に等しい場合、
11〜L14は、それぞれの出現において、それぞれの場合において互いに独立して、H、1〜8のC原子を有する、特に好ましくは2〜5のC原子を有するアルキル、FまたはClを示し、および
好ましくは少なくとも2つの存在する置換基L11〜L14はアルキルを示し、
【0031】
iが9〜12に等しい場合、
11〜L14は、それぞれの出現において、それぞれの場合において互いに独立して、H、3〜10のC原子を有する、特に好ましくは4〜8のC原子を有するアルキル、FまたはClを示し、および
好ましくは、少なくとも3の、特に好ましくは少なくとも4の、存在する置換基L11〜L14はアルキルを示し、
【0032】
iが13〜15に等しい場合、
11〜L14は、それぞれの出現において、それぞれの場合において互いに独立して、H、5〜15のC原子を有する、特に好ましくは6〜12のC原子を有するアルキル、FまたはClを示し、および
iは、6〜15、好ましくは6または8〜12および特に好ましくは6または9〜10の範囲の整数を示し、および
好ましくは少なくとも4の、特に好ましくは少なくとも6の、存在する置換基L11〜L14はアルキルを示す。
【0033】
成分Aは好ましくは−5.0より大きくおよび10.0より小さいの範囲の誘電異方性を有し、および8または9以上の5員環、6員環または7員環を有する化合物からなる。
特に好ましいのは、液晶相を有する式Iで表される化合物である。
【0034】
本発明の好ましい態様において、成分Aは式Iで表される、好ましくは式IAおよびIB
【化6】

式中、
nおよびmは、互いに独立して、1〜15、好ましくは3〜12からの整数を示し、
pは、1〜4からの整数、好ましくは2を示し、
qは、1〜6からの整数、好ましくは1または4を示し、および
(p+q)は、4〜12からの整数、好ましくは4、6または8を示す、
で表される化合物の群から選択される、1または2以上の化合物を含む。
【0035】
本発明の好ましい態様において、成分Aは式IA−1〜IA−3
【化7】

式中
kは、2を示す
で表される化合物の群から選択される式IAで表される1または2以上の化合物を含む。
【0036】
本発明の好ましい態様において、成分Aは式IB−1およびIB−2
【化8】

で表される化合物の群から選択される式IBで表される化合物の1つまたは2以上を含有する。
【0037】
本発明のさらに好ましい態様において、高周波技術のためのデバイスは、成分Aに加えて、少なくとも1のさらなる成分であって、同様に、好ましくは−5.0より大きくおよび10.0より小さい範囲の誘電異方性を有し、および、式IV
【化9】

【0038】
式中、
【化10】

【0039】
41〜R43は、互いに独立して、R11に対して与えられた意味の1つ、好ましくはそれぞれ1〜15のC原子を有する、非フッ素化アルキルまたは非フッ素化アルコキシあるいはそれぞれ2〜15のC原子を有する、非フッ素化アルケニル、非フッ素化アルケニルオキシまたは非フッ素化アルコキシアルキルであり、
【0040】
好ましくは
41およびR42は、互いに独立して、それぞれ1〜7のC原子を有する、非フッ素化アルキルまたは非フッ素化アルコキシ、あるいは互いに2〜7のC原子を有する、非フッ素化アルケニル、非フッ素化アルケニルオキシまたは非フッ素化アルコキシアルキルを示し、
【0041】
特に好ましくは、
41は、1〜7のC原子を有する非フッ素化アルキルまたはそれぞれ2〜7のC原子を有する、非フッ素化アルケニル、非フッ素化アルケニルオキシまたは非フッ素化アルコキシアルキルを示し、および
特に好ましくは、
42は、それぞれ1〜7のC原子を有する、非フッ素化アルキルまたは非フッ素化アルコキシを示し、
【0042】
好ましくは
43は、1〜5のC原子を有する非フッ素化アルキル、3〜7のC原子を有する非フッ素化シクロアルキル、それぞれ4〜12のC原子を有する、非フッ素化シクロアルキルまたは非フッ素化アルキルシクロアルキル、または5〜15のC原子を有するアルキルシクロアルキル、好ましくはn−アルキル、特に好ましくはメチル、エチルまたはn−プロピルを示し、
【0043】
41およびZ42は、互いに独立して、−C≡C−、−CF=CF−、−CF=CH−、−CH=CFまたは−CH=CH−、好ましくは−C≡C−または−CF=CF−を示し、
好ましくはZ41およびZ42はともに−C≡C−を示す
で表される化合物の1または2以上からなる前記成分である、成分Bを含む液晶媒体を含有する。
【0044】
本発明のさらに好ましい態様によると、高周波技術のためのデバイスは
・上で与えられた式Iで表される化合物の1または2以上の化合物からなる第1成分である、成分A、および
・下で定義される成分B〜Eの群から選択される1または2以上のさらなる成分、
【0045】
− 好ましくは−5.0より大きくおよび10.0より小さい範囲の誘電異方性を有し、ならびに好ましくは上で与えられる式IVで表される化合物からなる、成分B、
− 10.0以上の誘電異方性を有する、強く誘電的に正の成分である、成分C、
【0046】
− −5.0以下の誘電異方性を有する、強く誘電的に負の成分である、成分D、
− 同様に、−5.0より大きくおよび10.0より小さい範囲の誘電異方性を有し、および5以下の5員環、6員環または7員環を有する化合物からなるさらなる成分である、成分E
を含む液晶媒体を含有する。
【0047】
5員環の典型的な例は、
【化10−2】

および他の物である。
【0048】
6員環の典型的な例は、
【化11】

である。
【0049】
7員環の典型的な例は、
【化12】

である。
【0050】
5員環、6員環および7員環はまた、飽和のおよび部分飽和の環、ならびに複素環を含む。
【0051】
本発明の目的のために、これらの環の2つ、つまり、例えば、2つの5員環、1つの5員環および1つの6員環、1つの5員環および1つの7員環または2つの6員環、例えば
【化13】

からなる縮合環系は、成分AまたはEの化合物に割り当てられるこれらの5員環、6員環または7員環の1つと見なされる。
【0052】
対応して、分子内に長軸方向で組み込まれる3または4以上のこれらの環の組み合わせからなる縮合環系、例えば、
【化14】

などは、これらの5員環、6員環または7員環の2つと見なされる。
【0053】
対照的に、分子内に横断方向で組み込まれる縮合環系、例えば、
【化15】

などは、これらの5員環または6員環の1つと見なされる。
【0054】
本発明は同様に、直接的に先行する液晶媒体におよび下に記載のものに、ならびに電子光学ディスプレイにおけるおよび高周波技術のためのデバイスにおけるその使用に関する。
【0055】
本発明の好ましい態様において、液晶媒体は、式IV、好ましくは式IVA
【化16】

式中、パラメーターは上で与えられた意味を有する
で表される化合物の1つまたは2つ以上を含有する。
【0056】
式IVAで表される化合物は、特に好ましくは式IVA−1〜IVA−3で表される化合物の、好ましくは式IVA−1および/またはIVA−2および/またはIVA−3の、好ましくは式IVA−1およびIVA−2の化合物の群から選択され、これらの化合物は、より好ましくは主にそれらからなり、なおより好ましくは本質的にそれらからなり、および非常に特に好ましくは完全にそれらからなる:
【化17】

【0057】
式中
は、3〜6のC原子を有するシクロアルキル、好ましくはシクロプロピル、シクロブチルまたはシクロヘキシル、特に好ましくはシクロプロピルまたはシクロヘキシルおよび非常に特に好ましくはシクロプロピルを示し、
【0058】
および他のパラメーターは式Iに対して上に示したそれぞれの意味を有し、および好ましくは
41は、1〜7のC原子を有する非フッ素化アルキルを示し、および
42は、1〜7のC原子を有する非フッ素化アルキルまたは1〜7のC原子を有する非フッ素化アルコキシを示す。
【0059】
本発明の媒体は、好ましくは1つの成分Cを含みおよび成分Dを含まず、またはその逆である。
成分Aに加えて、本発明によるこれらの媒体は好ましくは、2つの成分CおよびDから選択される成分ならびに随意に追加的に成分Bおよび/または成分Eを含む。
【0060】
本発明によるこれらの媒体は好ましくは、成分A〜Eの群から選択される、2、3または4の、特に好ましくは2または3の成分を含む。これらの媒体は好ましくは、
− 成分Aおよび成分B、または
− 成分Aおよび成分C、または
− 成分A、成分Bおよび成分C、または
− 成分A、成分Bおよび/または成分Cおよび成分E、または
− 成分Aおよび成分D、または
− 成分A、成分Bおよび成分D、または
− 成分A、成分Bおよび/または成分Dおよび成分E
を含む。
【0061】
強く誘電的に正の成分である、成分Cは、好ましくは20.0以上、より好ましくは25.0以上、特に好ましくは30.0以上および非常に特に好ましくは40.0以上の誘電異方性を有する。
【0062】
強く誘電的に負の成分である、成分Dは、好ましくは−7.0以下、より好ましくは−8.0以下、特に好ましくは−10.0以下および非常に特に好ましくは−15.0以下の誘電異方性を有する。
【0063】
本発明の好ましい態様において、成分Cは、式IIA〜IID:
【化18】

【0064】
21は、それぞれ1〜15のC原子を有する、非フッ素化アルキルまたは非フッ素化アルコキシ、あるいはそれぞれ2〜15のC原子を有する、非フッ素化アルケニル、非フッ素化アルケニルオキシまたは非フッ素化アルコキシアルキル、好ましくはアルキル、特に好ましくはn−アルキルを示し、
22は、H、それぞれ1〜5、好ましくは1〜3、特に好ましくは3、のC原子を有する、非フッ素化アルキルまたは非フッ素化アルコキシを示し、
【0065】
【化19】

は、互いに独立しておよび、一度より多く出現する場合は、これらはまたそれぞれの場合において互いに独立して、
【化20】

を示し、
【0066】
nおよびmは、互いに独立して、1または2を示し、好ましくは
(n+m)は、3または4を示し、および特に好ましくは
nは、2を示し、
は、F、Cl、−CFまたは−OCF、好ましくはFまたはCl、特に好ましくはFを示し、
は、F、Cl、−CF、−OCFまたはCN、好ましくはCNを示し、および
は、HまたはFを示す。
の化合物の群から選択される1または2以上の化合物を含む。
【0067】
式IIAで表される好ましい化合物は、対応する副次式IIA−1
【化21】

式中、R21は上で与えられる意味を有する
で表される化合物である。
【0068】
式IIBで表される好ましい化合物は、対応する副次式IIB−1およびIIB−2:
【化22】

式中、R21は上で与えられる意味を有する
で表される化合物である。
【0069】
式IICで表される好ましい化合物は、対応する副次式IIC−1およびIIC−2:
【化23】

式中、R21、R22およびXは上で与えられるそれぞれの意味を有する
で表される化合物である。
【0070】
式IIDで表される好ましい化合物は、対応する副次式IID−1:
【化24】

式中、R21は上で与えられるそれぞれの意味を有する
で表される化合物である。
【0071】
本発明の好ましい態様において、成分Dは式IIIAおよびIIIB:
【化25】

【0072】
式中
31およびR32は、互いに独立して、式IIAのもとでR21に対して上で示される意味を有し、
および好ましくは
31は、C2n+1またはCH=CH−(CHを示し、および
32は、C2m+1またはO−C2m+1または(CH−CH=CHを示し、
【0073】
および式中
nおよびmは、互いに独立して、0〜15の範囲の、好ましくは1〜7の範囲のおよび特に好ましくは1〜5の範囲の整数を示し、および
zは、0、1、2、3または4、好ましくは0または2を示す
の化合物の群から選択される1または2以上の化合物を含む。
【0074】
ここで(R31およびR32)の好ましい組み合わせは、特に、(C2n+1およびC2m+1)および(C2n+1およびO−C2m+1)である。
【0075】
式IIIBで表される好ましい化合物は、副次式IIIB−1およびIIIB−2:
【化26】

式中
nおよびmはそれぞれ、式IIIBに対して上で与えられる意味を有し、および好ましくは、互いに独立して、1〜7の範囲の整数を示す
で表される化合物である。
【0076】
本発明の好ましい態様において、液晶媒体は、好ましくは式V〜IX:
【化27】

【0077】
式中
51は、R51またはX51を示し、
52は、R52またはX52を示し、
51およびR52は、互いに独立して、H、1〜17の、好ましくは3〜10のC原子を有する非フッ素化アルキルまたは非フッ素化アルコキシ、あるいは2〜15の、好ましくは3〜10のC原子を有する非フッ素化アルケニル、非フッ素化アルケニルオキシまたは非フッ素化アルコキシアルキル、好ましくはアルキルまたは非フッ素化アルケニルを示し、
51およびX52は、互いに独立して、H、F、Cl、−CN、−NCS、−SF、1〜7のC原子を有するフッ素化アルキルまたはフッ素化アルコキシ、あるいは2〜7のC原子を有するフッ素化アルケニル、非フッ素化またはフッ素化アルケニルオキシあるいは非フッ素化またはフッ素化アルコキシアルキル、好ましくはフッ素化アルコキシ、フッ素化アルケニルオキシ、FまたはClを示し、および
【0078】
【化28】

【0079】
61は、R61を示しおよび、Z61および/またはZ62がトランス−CH=CH−またはトランス−CF=CF−を示す場合は、代わりにX61を示し、
62は、R62を示しおよび、Z61および/またはZ62がトランス−CH=CH−またはトランス−CF=CF−を示す場合は、代わりにX62を示し、
61およびR62は、互いに独立して、H、1〜17の、好ましくは3〜10のC原子を有する非フッ素化アルキルまたは非フッ素化アルコキシあるいは2〜15の、好ましくは3〜10のC原子を有する非フッ素化アルケニル、非フッ素化アルケニルオキシまたは非フッ素化アルコキシアルキル、好ましくはアルキルまたは非フッ素化アルケニルを示し、
61およびX62は、互いに独立して、FまたはCl、−CN、−NCS、−SF、1〜7のC原子を有するフッ素化アルキルまたはアルコキシあるいは2〜7のC原子を有するフッ素化アルケニル、アルケニルオキシ、またはアルコキシアルキル、好ましくは−NCSを示し
61およびZ62の1つは、トランス−CH=CH−、トランス−CF=CF−または−C≡C−を示し、および他方は、それから独立して、トランス−CH=CH−、トランス−CF=CF−または単結合を示し、好ましくはそれらの1つは−C≡C−またはトランス−CH=CH−を示しおよび他方は単結合を示し、および
【0080】
【化29】

【0081】
71は、R71またはX71を示し、
72は、R72またはX72を示し、
71およびR72は、互いに独立して、H、1〜17の、好ましくは3〜10のC原子を有する非フッ素化アルキルまたは非フッ素化アルコキシ、あるいは2〜15の、好ましくは3〜10のC原子を有する非フッ素化アルケニル、非フッ素化アルケニルオキシまたは非フッ素化アルコキシアルキル、好ましくはアルキルまたは非フッ素化アルケニルを示し、
71およびX72は、互いに独立して、H、F、Cl、−CN、−NCS、−SF,、1〜7のC原子を有するフッ素化アルキルまたはフッ素化アルコキシあるいは2〜7のC原子を有するフッ素化アルケニル、非フッ素化またはフッ素化アルケニルオキシあるいは非フッ素化またはフッ素化アルコキシアルキル、好ましくはフッ素化アルコキシ、フッ素化アルケニルオキシ、FまたはClを示し、および
71〜Z73は、互いに独立して、トランス−CH=CH−、トランス−CF=CF−、−C≡C−または単結合を示し、好ましくはそれらの1または2以上は単結合を示し、特に好ましくは全てが単結合を示し、および
【0082】
【化30】

【0083】
81およびR82は、互いに独立して、H、1〜15の、好ましくは3〜10のC原子を有する非フッ素化アルキルまたはアルコキシ、あるいは2〜15の、好ましくは3〜10のC原子を有する非フッ素化アルケニル、アルケニルオキシまたはアルコキシアルキル、好ましくは非フッ素化アルキルまたはアルケニルを示し、
81およびZ82の1つは、トランス−CH=CH−、トランス−CF=CF−または−C≡C−を示し、および他方は、それから独立して、トランス−CH=CH−、トランス−CF=CF−または単結合を示し、好ましくはそれらの1つは−C≡C−またはトランス−CH=CH−を示し、および他方は単結合を示し、および
【0084】
【化31】

【0085】
91は、R91またはX91を示し、
92は、R92またはX92を示し、
91およびR92は、互いに独立して、H、1〜15の、好ましくは3〜10のC原子を有する非フッ素化アルキルまたはアルコキシ、あるいは2〜15の、好ましくは3〜10のC原子を有する非フッ素化アルケニル、アルケニルオキシまたはアルコキシアルキル、好ましくは非フッ素化アルキルまたはアルケニルを示し、
91およびX92は、互いに独立して、H、F、Cl、−CN、−NCS、−SF、1〜7のC原子を有するフッ素化アルキルまたはフッ素化アルコキシあるいは2〜7のC原子を有するフッ素化アルケニル、非フッ素化またはフッ素化アルケニルオキシあるいは非フッ素化またはフッ素化アルコキシアルキル、好ましくはフッ素化アルコキシ、フッ素化アルケニルオキシ、FまたはClを示し、
91〜Z93は、互いに独立して、トランス−CH=CH−、トランス−CF=CF−、−C≡C−または単結合を示し、好ましくはそれらの1または2以上は単結合を示し、および特に好ましくは全てが単結合を示し、
【0086】
【化32】

【0087】
およびそこにおいて式IIIAで表される化合物は式VIで表される化合物から除外される
で表される化合物の群から選択される1または2以上の化合物からなるさらなる成分である、成分Eをさらに含む。
【0088】
本発明の好ましい態様において、液晶媒体は、式Vで表される化合物の、好ましくは式V−1〜V−3で表される、好ましくは式V−1および/またはV−2および/またはV−3で表される、好ましくは式V−1およびV−2で表される化合物の群から選択される1または2以上を含み、より好ましくは主にからなり、なおより好ましくは本質的にからなり、および非常に特に好ましくは完全にからなる:
【化33】

【0089】
式中、パラメーターは式Vに対して上で示したそれぞれの意味を有し、および好ましくは、
51は、1〜7のC原子を有する非フッ素化アルキルまたは2〜7のC原子を有する非フッ素化アルケニルを示し、
52は、1〜7のC原子を有する非フッ素化アルキルまたは2〜7のC原子を有する非フッ素化アルケニルまたは1〜7のC原子を有する非フッ素化アルコキシを示し、
51およびX52は、互いに独立して、F、Cl、−OCF、−CF、−CN、−NCSまたは−SF、好ましくはF、Cl、−OCFまたは−CNを示す。
【0090】
式V−1で表される化合物は、好ましくは式V−1a〜V−1dで表される化合物の群から選択され、より好ましくは式Vで表されるこれらの化合物は主にそれらからなり、なおより好ましくは本質的にそれらからなり、および非常に特に好ましくは完全にそれらからなる:
【化34】

【0091】
式中、パラメーターは式V−1に対して上で示したそれぞれの意味を有し、および式中、
51およびY52は、それぞれの場合において互いに独立して、HまたはFを示し、および好ましくは
51は、アルキルまたはアルケニルを示し、および
51は、F、Clまたは−OCFを示す。
【0092】
式V−2で表される化合物は、好ましくは式V−2a〜V−2eで表される化合物の群から、および/または式V−2fおよびV−2gで表される化合物の群から選択され、より好ましくは式Vで表されるこれらの化合物は主にそれらからなり、なおより好ましくは本質的にそれらからなり、および非常に特に好ましくは完全にそれらからなる:
【化35】

【0093】
そこにおいて、それぞれの場合において式V−2aで表される化合物は式V−2bおよびV−2cで表される化合物から除外され、式V−2bで表される化合物は式V−2cで表される化合物から除外され、および式V−2eで表される化合物は式V−2fで表される化合物から除外され、および
式中、パラメーターは式V−1に対して上で示したそれぞれの意味を有し、および式中
51およびY52は、それぞれに場合において互いに独立して、HまたはFを示し、および好ましくは
51は、アルキルまたはアルケニルを示し、
52は、アルキル、アルケニルまたはアルコキシを、好ましくはアルキルまたはアルケニルを示し、および好ましくは
51およびY52の1つはHを示し、および他のものはHまたはFを示し、好ましくは同じようにHを示す。
【0094】
式V−3で表される化合物は、好ましくは式V−3aで表される化合物である:
【化36】

【0095】
式中、パラメーターは式V−1に対して上で示したそれぞれの意味を有し、および式中好ましくは
51は、F、Cl、好ましくはFを示し、
52は、F、Clまたは−OCF、好ましくは−OCFを示す。
【0096】
本発明のなおより好ましい態様において、式Vで表される化合物は化合物V−1a〜V−1dの群から選択され、好ましくは化合物V−1cおよびV−1dの群から選択され、より好ましくは式Vで表される化合物は主にそれらからなり、なおより好ましくは本質的にそれらからなり、および非常に特に好ましくは完全にそれらからなる:
【0097】
式V−1aで表される化合物は、好ましくは式V−1a−1およびV−1a−2で表される化合物の群から選択され、より好ましくは式Vで表されるこれらの化合物は主にそれらからなり、なおより好ましくは本質的にそれらからなり、および非常に特に好ましくは完全にそれからからなる:
【化37】

式中
51は、上で示した意味を有し、および好ましくはC2n+1を示し、式中
nは、0〜7の範囲の、好ましくは1〜5の範囲の整数を、および特に好ましくは3または7を示す。
【0098】
式V−1bで表される化合物は、好ましくは式V−1b−1で表される化合物である:
【化38】

式中
51は、上で示した意味を有し、および好ましくはC2n+1を示し、式中
nは、0〜15の範囲の、好ましくは1〜7の範囲の、および特に好ましくは1〜5の範囲の整数を示す。
【0099】
式V−1cで表される化合物は、好ましくは式V−1c−1〜V−1c−4で表される化合物の群から選択され、好ましくは式V−1c−1およびV−1c−2で表される化合物の群から選択され、より好ましくは式Vで表されるこれらの化合物は主にそれらからなり、なおより好ましくは本質的にそれらからなり、および非常に特に好ましくは完全にそれらからなる:
【化39】

【0100】
式中
51は、上で示した意味を有し、および好ましくはC2n+1を示し、式中
nは、0〜15の範囲の、好ましくは1〜7の範囲の、および特に好ましくは1〜5の範囲の整数を示す。
【0101】
式V−1dで表される化合物は、式V1d−1およびV−1d−2で表される、好ましくは式V−1d−2で表される化合物の群から好ましく選択され、より好ましくは式Vで表されるこれらの化合物は、主にそれらからなり、なおより好ましくは本質的にそれらからなり、および非常に特に好ましくは完全にそれらからなる:
【化40】

【0102】
式中
51は、上で示される意味を有し、および好ましくはC2n+1を示し、式中
nは、0〜15の範囲の、好ましくは1〜7の範囲、および特に好ましくは1〜5の範囲の整数を示す。
【0103】
式V−2aで表される化合物は、式V−2a−1およびV−2a−2で表される化合物の、好ましくは式V−2a−1で表される化合物の群から好ましく選択され、より好ましくは式Vで表されるこれらの化合物は主にそれらからなり、なおより好ましくは本質的にそれらからなり、および非常に特に好ましくは完全にそれらからなる:
【化41】

【0104】
式中
51は、上で示される意味を有し、および好ましくはC2n+1またはCH=CH−(CHを示し、
52は、上で示される意味を有し、および好ましくはC2m+1またはO−C2m+1または(CH−CH=CHを示し、および式中
nおよびmは、互いに独立して、0〜15の範囲の、好ましくは1〜7の、および特に好ましくは1〜5の範囲の整数を示し、および
zは、0、1、2、3または4を、好ましくは0または2を示す。
(R51およびR52)の好ましい組み合わせは、特に式V−2a−1の場合は、(C2n+1およびC2m+1)、(C2n+1およびO−C2m+1)、(CH=CH−(CHおよびC2m+1)、(CH=CH−(CHおよびO−C2m+1)および(C2n+1および(CH−CH=CH)である。
【0105】
式V−2bで表される好ましい化合物は、式V−2b−1で表される化合物である:
【化42】

式中
51は、上で示される意味を有し、および好ましくはC2n+1またはCH=CH−(CHを示し、および
52は、上で示される意味を有し、および好ましくはC2m+1またはO−C2m+1または(CH−CH=CHを示し、および式中
nおよびmは、互いに独立して、0〜15の範囲の、好ましくは1〜7の、および特に好ましくは1〜5の範囲の整数を示し、および
zは、0、1、2、3または4を、好ましくは0または2を示す。
ここで(R51およびR52)の好ましい組み合わせは、特に(C2n+1およびC2m+1)である。
【0106】
式V−2cで表される好ましい化合物は、式V−2c−1で表される化合物である:
【化43】

式中
51は、上で示される意味を有し、および好ましくはC2n+1またはCH=CH−(CHを示し、および
52は、上で示される意味を有し、および好ましくはC2m+1またはO−C2m+1または(CH−CH=CHを示し、および式中
nおよびmは、互いに独立して、0〜15の範囲の、好ましくは1〜7の、および特に好ましくは1〜5の範囲の整数を示し、および
zは、0、1、2、3または4を、好ましくは0または2を示す。
ここで、(R51およびR52)の好ましい組み合わせは、特に、(C2n+1およびC2m+1)である。
【0107】
式V−2dで表される好ましい化合物は、式V−2d−1で表される化合物である:
【化44】

式中
51は、上で示される意味を有し、および好ましくはC2n+1またはCH=CH−(CHを示し、および
52は、上で示される意味を有し、および好ましくはC2m+1またはO−C2m+1または(CH−CH=CHを示し、および式中
nおよびmは、互いに独立して、0〜15の範囲の、好ましくは1〜7の、および特に好ましくは1〜5の範囲の整数を示し、および
zは、0、1、2、3または4を、好ましくは0または2を示す。
ここで、(R51およびR52)の好ましい組み合わせは、特に、(C2n+1およびC2m+1)である。
【0108】
式V−2eで表される好ましい化合物は、式V−2e−1で表される化合物である:
【化45】

式中
51は、上で示される意味を有し、および好ましくはC2n+1またはCH=CH−(CHを示し、および
52は、上で示される意味を有し、および好ましくはC2m+1またはO−C2m+1または(CH−CH=CHを示し、および式中
nおよびmは、互いに独立して、0〜15の範囲の、好ましくは1〜7の、および特に好ましくは1〜5の範囲の整数を示し、および
zは、0、1、2、3または4を、好ましくは0または2を示す。
ここで、(R51およびR52)の好ましい組み合わせは、特に、(C2n+1およびO−C2m+1)である。
【0109】
式V−2fで表される好ましい化合物は、式V−2f−1で表される化合物である:
【化46】

式中
51は、上で示される意味を有し、および好ましくはC2n+1またはCH=CH−(CHを示し、および
52は、上で示される意味を有し、および好ましくはC2m+1またはO−C2m+1または(CH−CH=CHを示し、および式中
nおよびmは、互いに独立して、0〜15の範囲の、好ましくは1〜7の、および特に好ましくは1〜5の範囲の整数を示し、および
zは、0、1、2、3または4を、好ましくは0または2を示す。
ここで、(R51およびR52)の好ましい組み合わせは、特に、(C2n+1およびC2m+1)および(C2n+1およびO−C2m+1)、特に好ましくは(C2n+1およびC2m+1)である。
【0110】
式V−2gで表される好ましい化合物は、式V−2g−1で表される化合物である:
【化47】

式中
51は、上で示される意味を有し、および好ましくはC2n+1またはCH=CH−(CHを示し、および
52は、上で示される意味を有し、および好ましくはC2m+1またはO−C2m+1または(CH−CH=CHを示し、および式中
nおよびmは、互いに独立して、0〜15の範囲の、好ましくは1〜7の、および特に好ましくは1〜5の範囲の整数を示し、および
zは、0、1、2、3または4を、好ましくは0または2を示す。
ここで、(R51およびR52)の好ましい組み合わせは、特に、(C2n+1およびC2m+1)および(C2n+1およびO−C2m+1)、特に好ましくは(C2n+1およびO−C2m+1)である。
【0111】
式VIで表される化合物は、式VI−1〜VI−4で表される化合物の群から好ましく選択され、より好ましくは式VIで表されるこれらの化合物は主にそれらからなり、なおより好ましくは本質的にそれらからなり、および非常に特に好ましくは完全にそれらからなる:
【化48】

【0112】
式中
61およびZ62は、トランス−CH=CH−またはトランス−CF=CF−を、好ましくはトランス−CH=CH−を示し、および他のパラメーターは式VIの下で上で与えられた意味を有し、および好ましくは
61およびR62は、互いに独立して、H、1〜7のC原子を有する非フッ素化アルキルまたはアルコキシ、または2〜7のC原子を有する非フッ素化アルケニルを示し、
62は、F、Cl、−CNまたは−NCS、好ましくは−NCSを示し、
【0113】
【化49】

【0114】
61は、C2n+1またはCH=CH−(CHを示し、および
62は、C2m+1またはO−C2m+1または(CH−CH=CHを示し、および式中
nおよびmは、互いに独立して、0〜15の範囲の、好ましくは1〜7の、および特に好ましくは1〜5の範囲の整数を示し、および
zは、0、1、2、3または4を、好ましくは0または2を示す。
【0115】
式VI−1で表される化合物は、式VI−1aおよびVI−1bで表される化合物の群から、好ましくは式VI−1aで表される化合物から好ましく選択され、より好ましくは式VIで表されるこれらの化合物は主にそれらからなり、なおより好ましくは本質的にそれらからなり、および特に好ましくは完全にそれらからなる:
【化50】

【0116】
式中
61は、上で示される意味を有し、および好ましくはC2n+1またはCH=CH−(CHを示し、および
62は、上で示される意味を有し、および好ましくはC2m+1またはO−C2m+1または(CH−CH=CHを示し、および式中
nおよびmは、互いに独立して、0〜15の範囲の、好ましくは1〜7の、および特に好ましくは1〜5の範囲の整数を示し、および
zは、0、1、2、3または4を、好ましくは0または2を示す。
ここで(R61およびR62)の好ましい組み合わせは、特に、(C2n+1およびC2m+1)および(C2n+1およびO−C2m+1)であり、式VI−1aの場合は特に好ましくは(C2n+1およびC2m+1)であり、および式VI−1bの場合は特に好ましくは(C2n+1およびO−C2m+1)である。
【0117】
式VI−3で表される化合物は、好ましくは式VI−3aで表される化合物である:
【化51】

式中、パラメーターは式VI−3の下で上で与えられた意味を有し、および好ましくは
61は、上で示される意味を有し、および好ましくはC2n+1を示し、式中
nは、0〜7の範囲の、好ましくは1〜5の範囲の整数を示し、および
62は、F、Cl、OCF3、−CNまたは−NCS、特に好ましくは−NCSを示す。
【0118】
式VI−4で表される化合物は、好ましくは式VI−4aで表される化合物である:
【化52】

式中、パラメーターは式VI−4の下で上で与えられた意味を有し、および好ましくは、
61は、上で示される意味を有し、および特に好ましくはC2n+1であり、式中
nは、0〜7の範囲の、好ましくは1〜5の範囲の整数を示し、および
62は、F、Cl、OCF、−CNまたは−NCSを、特に好ましくは−NCSを示す。
【0119】
さらに好ましい式VIで表される化合物は、以下の式で表される化合物である:
【化53】

式中
nは、0〜7の範囲の、好ましくは1〜5の範囲の整数を示す。
【0120】
式VIIで表される化合物は、式VII−1〜VII−6で表される化合物の群から好ましく選択され、より好ましくは式VIIで表されるこれらの化合物は主にそれらからなり、なおより好ましくは本質的にそれらからなり、および非常に特に好ましくは完全にそれらからなる:
【化54】

【0121】
ここで、式VII−5で表される化合物は式VII−6で表される化合物から除外され、および
式中、パラメーターは式VIIに対して上で示されたそれぞれの意味を有し、
71およびY72はそれぞれ、互いに独立して、HまたはFを示し、
および好ましくは
71は、それぞれ1〜7のC原子を有する非フッ素化アルキルまたはアルコキシ、あるいは2〜7のC原子を有する非フッ素化アルケニルを示し、
72は、1〜7のC原子を有する非フッ素化アルキルまたはアルコキシ、あるいは2〜7のC原子を有する非フッ素化アルケニルを示し、および
72は、F、Clまたは−OCFを、好ましくはFを示し、および
【0122】
特に好ましくは
71は、上で示される意味を有し、および好ましくはC2n+1またはCH=CH−(CHを示し、および
72は、上で示される意味を有し、および好ましくはC2m+1またはO−C2m+1または(CH−CH=CHを示し、および式中
nおよびmは、互いに独立して、0〜15の範囲の、好ましくは1〜7の、および特に好ましくは1〜5の範囲の整数を示し、および
zは、0、1、2、3または4を、好ましくは0または2を示す。
【0123】
式VII−1で表される化合物は、式VII−1a〜VII−1dで表される化合物の群から好ましく選択され、より好ましくは式VII−1で表されるこれらの化合物は主にそれらからなり、なおより好ましくは本質的にそれらからなり、および非常に特に好ましくは完全にそれらからなる:
【化55】

【0124】
式中、X72は式VII−2に対して上で与えられた意味を有し、
71は上で示される意味を有し、および好ましくはC2n+1を示し、式中
nは、1〜7、好ましくは2〜6、特に好ましくは2、3または5を示し、および
zは、0、1、2、3または4を、好ましくは0または2を示し、および
72は、好ましくはFを示す。
【0125】
式VII−2で表される化合物は、式VII−2aおよびVII−2bで表される、好ましくは式VII−2aで表される化合物の群から好ましく選択され、より好ましくは式VII−2で表されるこれらの化合物は主にそれらからなり、なお好ましくは本質的にそれらからなり、および非常に特に好ましくは完全にそれらからなる:
【化56】

【0126】
式中
71は上で示される意味を有し、および好ましくはC2n+1またはCH=CH−(CH,を示し、および
72は上で示される意味を有し、および好ましくはC2m+1またはO−C2m+1または(CH−CH=CHを示し、および式中
nおよびmは、互いに独立して、0〜15の範囲の、好ましくは1〜7の、および特に好ましくは1〜5の範囲の整数を示し、および
zは、0、1、2、3または4を、好ましくは0または2を示す。
ここで(R71およびR72)の好ましい組み合わせは、特に、(C2n+1およびC2m+1)および(C2n+1およびO−C2m+1)である。特に好ましくは(C2n+1およびC2m+1)である。
【0127】
式VII−3で表される化合物は、好ましくは式VII−3aで表される化合物である:
【化57】

式中
71は上で示される意味を有し、および好ましくはC2n+1またはCH=CH−(CHを示し、および
72は上で示される意味を有し、および好ましくはC2m+1またはO−C2m+1または(CH−CH=CHを示し、および式中
nおよびmは、互いに独立して、0〜15の範囲の、好ましくは1〜7の、および特に好ましくは1〜5の範囲の整数を示し、および
zは、0、1、2、3または4を、好ましくは0または2を示す。
ここで、(R71およびR72)の好ましい組み合わせは、特に、(C2n+1およびC2m+1)および(C2n+1およびO−C2m+1)である。特に好ましくは(C2n+1およびC2m+1)である。
【0128】
式VII−4で表される化合物は、好ましくは式中
71が上で示される意味を有し、および好ましくはC2n+1またはCH=CH−(CHを示し、および
72が上で示される意味を有し、および好ましくはC2m+1またはO−C2m+1または(CH−CH=CHを示し、および式中
nおよびmは、互いに独立して、0〜15の範囲の、好ましくは1〜7の、および特に好ましくは1〜5の範囲の整数を示し、および
zは、0、1、2、3または4を、好ましくは0または2を示す
である化合物である。
ここで、(R71およびR72)の好ましい組み合わせは、特に、(C2n+1およびC2m+1)および(C2n+1およびO−C2m+1)、特に好ましくは(C2n+1およびC2m+1)である。
【0129】
式VII−5で表される化合物は、式VII−5aおよびVII−5bで表される、好ましくは式VII−5aで表される化合物の群から好ましく選択され、より好ましくは式VII−5で表されるこれらの化合物は主にそれらからなり、なお好ましくは本質的にそれらからなり、および非常に特に好ましくは完全にそれらからなる:
【化58】

【0130】
式中
71は上で示される意味を有し、および好ましくは C2n+1またはCH=CH−(CHを示し、
72は上で示される意味を有し、および好ましくはC2m+1またはO−C2m+1または(CH−CH=CHを示し、および式中
nおよびmは、互いに独立して、0〜15の範囲の、好ましくは1〜7の、および特に好ましくは1〜5の範囲の整数を示し、および
zは、0、1、2、3または4を、好ましくは0または2を示す。
ここで、(R71およびR72)の好ましい組み合わせは、特に、(C2n+1およびC2m+1)および(C2n+1およびO−C2m+1)である。特に好ましくは(C2n+1およびC2m+1)である。
【0131】
式VII−6で表される化合物は、式VII−6aおよびVII−6bで表される化合物の群から好ましく選択され、より好ましくは式VII−6で表されるこれらの化合物は主にそれらからなり、なお好ましくは本質的にそれらからなり、および非常に特に好ましくは完全にそれらからなる:
【化59】

【0132】
式中
71は上で示される意味を有し、および好ましくはC2n+1またはCH=CH−(CHを示し、および
72は上で示される意味を有し、および好ましくはC2m+1またはO−C2m+1または(CH−CH=CHを示し、および式中
nおよびmは、互いに独立して、0〜15の範囲の、好ましくは1〜7の、および特に好ましくは1〜5の範囲の整数を示し、および
zは、0、1、2、3または4を、好ましくは0または2を示す。
ここで、好ましい(R71およびR72)の組み合わせは、特に、(C2n+1およびC2m+1)および(C2n+1およびO−C2m+1)、特に好ましくは(C2n+1およびC2m+1)である。
【0133】
本願による液晶媒体は、合計で0〜40%の、好ましくは0〜30%の、および特に好ましくは5〜25%の、式VIIIで表される化合物を好ましく含む。
【0134】
式VIIIで表される化合物は、式VIII−1〜VIII−3で表される化合物の群から好ましく選択され、より好ましくは式VIIIで表されるこれらの化合物は主にそれらからなり、なお好ましくは本質的にそれらからなり、および非常に特に好ましくは完全にそれらからなる:
【化60】

【0135】
式中
81およびY82の1つはHを示し、および他方はHまたはFを示し、および
81は上で示される意味を有し、および好ましくはC2n+1またはCH=CH−(CHを示し、および
82は上で示される意味を有し、および好ましくはC2m+1またはO−C2m+1または(CH−CH=CHを示し、および式中
nおよびmは、互いに独立して、0〜15の範囲の、好ましくは1〜7の、および特に好ましくは1〜5の範囲の整数を示し、および
zは、0、1、2、3または4を、好ましくは0または2を示す。
ここで、(R81およびR82)の好ましい組み合わせは、特に(C2n+1およびC2m+1)および(C2n+1およびO−C2m+1)、特に好ましくは(C2n+1およびC2m+1)である。
【0136】
式VIII−1で表される化合物は、式VIII−1a〜VIII−1cで表される化合物の群から好ましく選択され、より好ましくは式VIII−1で表されるこれらの化合物は主にそれらからなり、なお好ましくは本質的にそれらからなり、および非常に特に好ましくは完全にそれらからなる:
【化61】

【0137】
式中
81は上で示される意味を有し、および好ましくはC2n+1またはCH=CH−(CHを示し、
82は上で示される意味を有し、および好ましくはC2m+1またはO−C2m+1または(CH−CH=CHを示し、および式中
nおよびmは、互いに独立して、0〜15の範囲の、好ましくは1〜7の、および特に好ましくは1〜5の範囲の整数を示し、および
zは、0、1、2、3または4を、好ましくは0または2を示す。
ここで、(R81およびR82)の好ましい組み合わせは、特に(C2n+1およびC2m+1)および(C2n+1およびO−C2m+1)、特に好ましくは(C2n+1およびC2m+1)である。
【0138】
式VIII−2で表される化合物は、好ましくは式中
81は上で示される意味を有し、および好ましくはC2n+1またはCH=CH−(CHであり、および
82は上で示される意味を有し、および好ましくはC2m+1またはO−C2m+1または(CH−CH=CHを示し、および式中
nおよびmは、互いに独立して、0〜15の範囲の、好ましくは1〜7の、および特に好ましくは1〜5の範囲の整数を示し、および
zは、0、1、2、3または4を、好ましくは0または2を示す
化合物である。
ここで、(R81およびR82)の好ましい組み合わせは、特に、(C2n+1およびC2m+1)、(C2n+1およびO−C2m+1)および(CH=CH−(CHおよびC2m+1)、特に好ましくは(C2n+1およびC2m+1)である。
【0139】
式VIII−3で表される化合物は、好ましくは式中
81は上で示される意味を有し、および好ましくはC2n+1またはCH=CH−(CHを示し、
82は上で示される意味を有し、および好ましくはC2m+1またはO−C2m+1または(CH−CH=CHを示し、および式中
nおよびmは、互いに独立して、0〜15の範囲の、好ましくは1〜7の、および特に好ましくは1〜5の範囲の整数を示し、および
zは、0、1、2、3または4を、好ましくは0または2を示す
化合物である。
ここで、(R81およびR82)の好ましい組み合わせは、特に、(C2n+1およびC2m+1)および(C2n+1およびO−C2m+1)である。
【0140】
式IXで表される化合物は、式IX−1〜IX−3で表される化合物の群から好ましく選択され、より好ましくは式IXで表される化合物は、主にそれらからなり、なお好ましくは本質的にそれらからなり、および非常に特に好ましくは完全にそれらからなる:
【化62】

【0141】
式中、パラメーターは式IXの下で上に示したそれぞれの意味を有し、および好ましくは
【化63】

【0142】
および
式中
91は上で示される意味を有し、および好ましくはC2n+1またはCH=CH−(CHを示し、および
92は上で示される意味を有し、および好ましくはC2m+1またはO−C2m+1または(CH−CH=CHを示し、および式中
nおよびmは、互いに独立して、0〜15の範囲の、好ましくは1〜7の、および特に好ましくは1〜5の範囲の整数を示し、および
zは、0、1、2、3または4を、好ましくは0または2を示す。
ここで、(R91およびR92)の好ましい組み合わせは、特に、(C2n+1およびC2m+1)および(C2n+1およびO−C2m+1)である。
【0143】
本願による液晶媒体は、合計で5〜30%の、好ましくは10〜25%のおよび特に好ましくは15〜20%の、式IXで表される化合物を好ましく含む。
【0144】
式IX−1で表される化合物は、式IX−1a〜IX−1eで表される化合物の群から好ましく選択され、より好ましくは式IX−1で表されるこれらの化合物は主にそれらからなり、なお好ましくは本質的にそれらからなり、および非常に特に好ましくは完全にそれらからなる:
【化64】

【0145】
式中、パラメーターは上で与えられる意味を有し、および好ましくは
91は上で示される意味を有し、および好ましくはC2n+1を示し、および
nは、0〜15の範囲の、好ましくは1〜7のおよび特に好ましくは1〜5の範囲の整数を示し、および
92は、好ましくはFまたはClを示す。
【0146】
式IX−2で表される化合物は、式IX−2aおよびIX−2bで表される化合物の群から好ましく選択され、より好ましくは式IX−2で表されるこれらの化合物は主にそれらからなり、なお好ましくは本質的にそれらからなり、および非常に特に好ましくは完全にそれらからなる:
【化65】

【0147】
式中
91は上で示される意味を有し、および好ましくはC2n+1またはCH=CH−(CHを示し、および
92は上で示される意味を有し、および好ましくはC2m+1またはO−C2m+1または(CH−CH=CHを示し、および式中
nおよびmは、互いに独立して、0〜15の範囲の、好ましくは1〜7の、および特に好ましくは1〜5の範囲の整数を示し、および
zは、0、1、2、3または4を、好ましくは0または2を示す。
ここで、(R91およびR92)の好ましい組み合わせは、特に、(C2n+1およびC2m+1)である。
【0148】
式IX−3で表される化合物は、好ましくは式IX−3aおよびIX−3bで表される化合物である:
【化66】

【0149】
式中、
91は上で示される意味を有し、および好ましくはC2n+1またはCH=CH−(CHであり、
92は上で示される意味を有し、および好ましくはC2m+1またはO−C2m+1または(CH−CH=CHであり、および式中
nおよびmは、互いに独立して、0〜15の範囲の、好ましくは1〜7の、および特に好ましくは1〜5の範囲の整数を示し、および
zは、0、1、2、3または4を、好ましくは0または2を示す。
ここで、(R91およびR92)の好ましい組み合わせは、特に、(C2n+1およびC2m+1)および(C2n+1およびO−C2m+1)、特に好ましくは(C2n+1およびO−C2m+1)である。
【0150】
本発明の好ましい態様において、媒体は、3より大きい誘電異方性を有する式V−1で表される誘電的に正の化合物の1または2以上を含む。
【0151】
本発明による液晶媒体は、10%以下、好ましくは5%以下、特に好ましくは2%以下、非常に特に好ましくは1%以下の2または1以下のみの5および/または6員環を有する化合物を好ましくは含み、および特には全く含まない。
【0152】
本発明の好ましい態様において、媒体は1または2以上の式VIで表される化合物を含む。
本発明のさらに好ましい態様において、媒体は1または2以上の式VIIで表される化合物を含む。
略号(頭文字)の定義は、下の表Dで示されるか、または表A〜Cから明らかである。
【0153】
本発明の液晶媒体は、式I、II、IVおよびVで、好ましくは式I、IIおよびIVで表される化合物の群から選択される、または式I、III、IVおよびVで、好ましくは式I、IIIおよびIVで表される化合物の群から選択される化合物を含み、より好ましくは主にからなり、なおより好ましくは本質的にからなり、および非常に特に好ましくは完全にからなる。
【0154】
本願において、組成物に関連する含むとは、問題となる実体、つまり媒体または成分が、示される成分(単数)または成分(複数)あるいは化合物(単数)または化合物(複数)を、合計濃度で10%以上、および非常に好ましくは20%以上含むことを意味する。
これに関連して、主にからなるとは、問題となる実体が、55%以上、好ましくは60%以上および非常に好ましくは70%以上の示される成分(単数)または成分(複数)あるいは化合物(単数)または化合物(複数)を含むことを意味する。
【0155】
これに関連して、本質的にからなるとは、問題となる実体が、80%以上、好ましくは90%以上および非常に好ましくは95%以上の示される成分(単数)または成分(複数)あるいは化合物(単数)または化合物(複数)を含むことを意味する。
これに関連して、完全にからなるとは、問題となる実体が、98%以上、好ましくは99%以上および非常に好ましくは100.0%の示される成分(単数)または成分(複数)あるいは化合物(単数)または化合物(複数)を含むことを意味する。
【0156】
上で明示的に述べられない他のメソゲン性化合物がまた、随意的におよび有利に、本発明の媒体において用いられることができる。かかる化合物は、当業者に公知である。
【0157】
本発明の液晶媒体は、90℃以上の、より好ましくは100℃以上の、なおより好ましくは120℃以上の、特に好ましくは150℃以上の、または非常に特に好ましくは170℃以上の透明点を有する。
本発明の媒体のネマチック相は、少なくとも20℃以下〜90℃以上、好ましくは100℃以上の、より好ましくは少なくとも0℃以下〜120℃以上の、非常に好ましくは少なくとも−10℃以下〜140℃以上の、および特には−20℃以下〜140℃以上の範囲に好ましくわたる。
【0158】
本発明の液晶媒体のΔεは、1kHzおよび20℃において、好ましくは1以上、より好ましくは2以上および非常に好ましくは3以上である。
【0159】
本発明の液晶媒体のΔnは、589nm(Na)および20℃において、0.200以上〜0.90以下の範囲、より好ましくは0.250以上〜0.90以下の範囲、なおより好ましくは0.300以上〜0.85以下の範囲、および非常に特に好ましくは0.350以上〜0.800以下の範囲である。
本願の好ましい態様において、本発明の液晶媒体のΔnは好ましくは0.50以上であり、より好ましくは0.55以上である。
【0160】
本発明により、液晶媒体中の式Iで表される個々の化合物は、混合物全体の1%〜20%の、より好ましくは2%〜15%の、なおより好ましくは3%〜12%の、および非常に好ましくは5%〜10%の総濃度で好ましく用いられる。
【0161】
液晶媒体が式IIAおよびIIDで表される化合物の群から選択される1または2以上の化合物を含む本発明の態様において、さらなる化合物が以下のとおり好ましく用いられる。
式IIAおよびIIDで表される化合物の群から選択される化合物は、混合物全体の1%〜30%の、より好ましくは2%〜20%の、なおより好ましくは3%〜18%のおよび非常に好ましくは4%〜16%の総濃度で好ましく用いられる。
【0162】
式IVで表される化合物は、混合物全体の10%〜100%、より好ましくは30%〜95%、なおより好ましくは40%〜90%、および非常に好ましくは50%〜90%の総濃度で好ましく用いられる。
【0163】
液晶媒体は、合計で70%〜100%の、より好ましくは80%〜100%の、および非常に好ましくは90%〜100%の、および特に95%〜100%の式I、IIA、IIB、IIC、IIDおよびIV〜IXで表される、好ましくは式I、IIA、IIB、IIC、IIDおよびIVで表される化合物を好ましくは含み、より好ましくは主にからなり、および非常に好ましくは完全にからなる。
【0164】
液晶媒体が式IIIAおよびIIIBで表される化合物の群から選択される1または2以上の化合物を含む本発明の態様において、さらなる化合物が以下のとおり好ましく用いられる。
式IIIAおよびIIIBで表される化合物の群から選択される化合物は、全体の混合物の1%〜60%の、より好ましくは5%〜55%の、なおより好ましくは7%〜50%の、および非常に好ましくは10%〜45%の総濃度で好ましく用いられる。
【0165】
液晶媒体が式IIIAで表される1または2以上の化合物のみを含むが、式IIIBで表される化合物を含まない場合、式IIIAで表される化合物は、全体の混合物の10%〜60%の、より好ましくは20%〜55%の、なおより好ましくは30%〜50%の、および非常に好ましくは35%〜45%の総濃度で好ましく用いられる。
液晶媒体が式IIIBで表される1または2以上の化合物のみを含むが、式IIIAで表される化合物を含まない場合、式IIIBで表される化合物は、全体の混合物の5%〜45%の、より好ましくは10%〜40%の、なおより好ましくは15%〜35%の、および非常に好ましくは20%〜30%の総濃度で好ましく用いられる。
【0166】
液晶媒体が1または2以上の式IIIAで表される化合物および1または2以上の式IIIBで表される化合物の両方を含む場合、式IIIAで表される化合物は混合物全体の5%〜50%の、より好ましくは10%〜45%の、なおより好ましくは15%〜30%のおよび非常に好ましくは20%〜25%の総濃度で好ましく用いられ、および式IIIBで表される化合物は混合物全体の1%〜35%の、より好ましくは5%〜30%の、なおより好ましくは7%〜25%の、および非常に好ましくは10%〜20%の総濃度で好ましく用いられる。
【0167】
この態様において、式Iで表される化合物は、混合物全体の1%〜20%の、より好ましくは2%〜15%の、なおより好ましくは3%〜12%の、および非常に好ましくは5%〜10%の総濃度で好ましく用いられる。
【0168】
液晶媒体は、合計で70%〜100%の、より好ましくは80%〜100%の、および非常に好ましくは90%〜100%の、および特に95%〜100%の式I、IIIA、IIIBおよびIV〜IXで表される、好ましくは式I、IIIAおよび/またはIIIBおよび/またはIVで表される化合物を、好ましくは含み、より好ましくは主にからなり、および非常に好ましくは完全にからなる。
【0169】
本発明の特に好ましい態様において、液晶媒体は式Vで表される1または2以上の化合物および式VIで表される1または2以上の化合物を含む。
本発明のさらに特に好ましい態様において、液晶媒体は式Vで表される1または2以上の化合物および式VIIで表される1または2以上の化合物を含む。
【0170】
本発明の液晶化合物は同様に、式Vで表される1または2以上の化合物、式VIで表される1または2以上の化合物および式VIIIで表される1または2以上の化合物を好ましく含む。
本願の液晶媒体が式Vで表される1または2以上の化合物を含む場合、これらの化合物の濃度は好ましくは合計で10〜30%、好ましくは15〜25%、および特に好ましくは18〜22%である。
【0171】
本願の液晶媒体が式VIで表される1または2以上の化合物を含む場合、これらの化合物の濃度は好ましくは合計で15〜35%、好ましくは18〜30%および特に好ましくは22〜26%である。
本願の液晶媒体が式VIIで表される1または2以上の化合物を含む場合、これらの化合物の濃度は好ましくは合計で4〜25%、好ましくは8〜20%、および特に好ましくは10〜14%である。
【0172】
本願の液晶媒体が式VIIIで表される1または2以上の化合物を含む場合、これらの化合物の濃度は好ましくは合計で15〜35%、好ましくは18〜30%、および特に好ましくは22〜26%である。
本願の液晶媒体が式IXで表される1または2以上の化合物を含む場合、これらの化合物の濃度は好ましくは合計で5〜25%、好ましくは10〜20%、および特に好ましくは13〜17%である。
【0173】
本願において、誘電的に正なる表現は、Δε>3.0である化合物または成分を表し、誘電的にニュートラルは−1.5≦Δε≦3.0であるものを表し、および誘電的に負はΔε<−1.5であるものを表す。Δεは、1kHzの周波数および20℃において決定される。それぞれの化合物の誘電異方性は、ネマチックホスト混合物における10%のそれぞれの個々の化合物の溶液の結果から決定される。ホスト混合物におけるそれぞれの化合物の溶解度が10%の未満の場合、濃度は5%へと低減される。試験混合物の能力は、ホメオトロピック配向を有するセルおよびホモジニアス配向を有するセルの両方において決定される。両方のタイプのセル厚さは、約20μmである。印加される電圧は1kHzの周波数および典型的には0.5V〜1.0Vの実効値を有する矩形波であるが、それぞれの試験混合物の容電しきい値の下にあるよう常に選択される。
【0174】
ここで以下の定義が適用される。
Δε≡(ε−ε)および
ε平均≡(ε+2ε)/3。
【0175】
誘電的に正の化合物に対して用いられるホスト混合物は混合物ZLI−4792であり、および誘電的にニュートラルおよび誘電的に負の化合物に対して用いられるものは混合物ZLI−3086であり、ともにMerck KGaA, Germanyからのものである。化合物の誘電率の絶対値は、対象の化合物を添加したホスト混合物のそれぞれの値における変化から決定される。値は100%の対象の化合物の濃度へと外挿される。
【0176】
20℃の測定温度においてネマチック相を有する成分はそのように測定され、他の物は化合物のように処理される。
両方の場合においても他に明示的に述べられなければ、本発明におけるしきい値電圧なる表現は光学的なしきい値に言及し、および10%の相対コントラスト(V10)に対して引用され、および飽和電圧なる表現は光学的な飽和に言及し、および90%の相対コントラスト(V90)に対して引用される。フレデリックしきい値(VFr)とも呼ばれる容電しきい値電圧(V)は、明示的に示唆された場合にのみ用いられる。
【0177】
本発明において示されるパラメータ範囲は、他に明示的に述べられなければ、全て限界値を含む。
性質のさまざまな範囲に対して示される異なる上限値および下限値は、互いに組みわせて、さらなる好ましい範囲を生じさせる。
【0178】
本願をとおして、他に明示的に示されない限り、以下の条件および定義が適用される。全ての濃度は重量パーセントで引用され、そしてそれぞれの混合物全体に関連し、全ての温度はセルシウス温度で引用され、そして全ての温度差は示差温度(differential degree)で引用される。全ての物性は、他に明示的に示されない限り"Merck Liquid Crystals, Physical Properties of Liquid Crystals", Status Nov. 1997, Merck KGaA, Germanyに従って決定され、そして20℃の温度に対して引用される。光学異方性(Δn)は、589.3nmの波長において決定される。誘電異方性(Δε)は、1kHzの周波数において決定される。しきい値電圧、ならびに他の電気光学的性質は、Merck KGaA, Germanyで製造されたテストセルを用いて決定される。Δεの決定のためのテストセルは、約20μmのセル厚を有する。電極は、1.13cmの面積およびガードリングを有する円形ITO電極である。
【0179】
配向層は、ホメオトロピック配向(ε)に対してはNissan Chemicals, JapanからのSE−1211であり、そしてホモジニアス配向(ε)に対してはJapan Synthetic Rubber, JapanからのポリイミドAL−1054である。電気容量は、電圧0.3Vrmsrmsの正弦波を用いるSolatron 1260周波数応答分析器を用いて決定される。電気光学測定において用いられる光は、白色光である。Autronic-Melchers, Germanyからの商業的に入手可能なDMS装置を用いたセットアップが、ここで用いられる。特性電圧は、垂直観察(perpendicular observation)のもとに決定された。しきい値(V10)、ミッドグレー(mid-grey)(V50)および飽和(V90)電圧は、それぞれ10%、50%および90%の相対コントラスに対して決定された。
【0180】
液晶媒体は、マイクロ波周波数領域におけるそれらの性質に関し、A. Penirschke, S. Mueller, P. Scheele, C. Weil, M. Wittek, C. Hock and R. Jakoby: “Cavity Perturbation Method for Characterization of Liquid Crystals up to 35GHz“, 34th European Microwave Conference - Amsterdam, pp. 545-548に記載されるとおりに調査された。
【0181】
この点に関する比較はまた、A. Gaebler, F. Goelden, S. Mueller, A. Penirschke and R. Jakoby “Direct Simulation of Material Permittivites …“, 12MTC 2009 - International Instrumentation and Measurement Technology Conference, Singapore, 2009 (IEEE), pp. 463-467、およびDE 10 2004 029 429 Aにおいて、測定方法が同様に詳細に記載される。
【0182】
液晶は、ポリテトラフルオロエチレン(PEFE)毛管へと導入される。毛管は180μmの内径および350μmの外径を有する。有効長は2.0cmである。充填された毛管は30GHzの共振周波数の空洞の中心へと導入される。この空洞は、6.6mmの長さ、7.1mmの幅および3.6mmの高さを有する。そして入力信号(ソース)が適用され、そして出力信号の結果が市販のベクトルネットワーク分析器を用いて記録される。
【0183】
液晶で充填された毛管での測定および液晶で充填された毛管なしの測定の間の共振周波数およびQファクターにおける変化を用いて、A. Penirschke, S. Mueller, P. Scheele, C. Weil, M. Wittek, C. Hock and R. Jakoby: “Cavity Perturbation Method for Characterization of Liquid Crystals up to 35GHz“, 34th European Microwave Conference - Amsterdam, pp. 545-548に記載される等式10および11により、対応する標的周波数における誘電率および損失角を決定する。
【0184】
液晶のディレクターに垂直なおよび平行な性質の成分に対する値は、磁界における液晶の配向により得られる。この目的に対して、永久磁石の磁界が用いられる。磁界の強さは、0.35テスラである。磁石の配向は対応して設定され、そしてそれから対応して90°まで回転させる。
【0185】
好ましいデバイスは、移相器、バラクター、無線および電波アンテナ配列、整合回路適応フィルターおよび他の物である。
本願において、化合物なる用語は、他に明示的に述べない限り、1の化合物および複数の化合物を意味することとする。
【0186】
好ましい態様において、本発明の液晶媒体は、それぞれの場合において、−20℃〜80℃の、好ましくは−30℃〜85℃の、および非常に特に好ましくは−40℃〜100℃のネマチック相を有する。かかる相は、120℃以上に、好ましくは140℃以上に、および非常に特に好ましくは160℃以上に、特に好ましく及ぶ。ネマチック相を有するという表現は、ここでは、一方で対応する温度での低い温度においてスメクチック相および結晶化が観察されないこと、および他方でネマチック相からの加熱で透明化が起こらないことを意味する。低温における調査は、対応する温度での流動粘度計(flow viscometer)で実行され、そして5μmの層厚さを有するテストセル中の少なくとも100時間の貯蔵により確認される。高温において、透明点は従来の方法による毛管で測定される。
【0187】
さらに、本発明による液晶媒体は、可視領域における高い光学異方性を特徴とする。589nmにおける複屈折は、好ましくは0.20以上、特に好ましくは0.25以上、特に好ましくは0.30以上、特に好ましくは0.40以上、および非常に特に好ましくは0.45以上である。加えて、複屈折は好ましくは0.80以下である。
【0188】
本発明の好ましい態様において、用いられる液晶媒体は1kHzで測定される、好ましくは0.5以上の、より好ましくは1以上の、特に好ましくは2以上の、および非常に特に好ましくは3以上の値を有する正の誘電異方性(Δε)を有する。誘電異方性は、特に好ましくは1.8以上〜15.0以下、より好ましくは2.0以上〜10.0以下、特に好ましくは3.0以上〜8.0以下、および非常に特に好ましくは3.5以上〜6.0以下である。
【0189】
しかし、いくつかの態様において、負の値の誘電異方性を有する液晶が有利に用いられる。この場合において、誘電異方性は好ましくは−2.5以下、特に好ましくは−4.0以下、および非常の特に好ましくは−5.0以下である。この態様におけるΔεの値は、好ましくは1.5以上および15.0以下、特に好ましくは1.8以上および12.0以下、ならびに非常に特に好ましくは2.0以上および10.0以下である。
【0190】
さらに、本発明による液晶媒体は、マイクロ波領域における高い異方性を特徴とする。例えば、複屈折は約8.3GHzにおいて、好ましくは0.14以上、特に好ましくは0.15以上、特に好ましくは0.20以上、特に好ましくは0.25以上、および非常に特に好ましくは0.30以上である。加えて、複屈折は好ましくは0.80以下である。
【0191】
マイクロ波領域の誘電異方性は、
Δε≡(εr,‖−εr,⊥
として定義される。
同調性(τ)は、
τ≡(Δε/εr,‖
として定義される。
材料品質(η)は、
η≡(τ/tanδε r,max
として定義され、そこにおいて最大誘電損失は、
tanδε r,max≡max.{tanδε r,⊥;tanδε r,‖
である。
【0192】
好ましい液晶材料の材料品質(η)は、4.5以上、好ましくは5以上、好ましくは6以上、好ましくは10以上、好ましくは15以上、好ましくは17以上、より好ましくは20以上、特に好ましくは25以上、および非常に特に好ましくは30以上である。
【0193】
一般的に、液晶媒体の材料品質は、誘電異方性(例えば1kHzにおけるに対する)に相互関係を示す。1kHzにおいてより大きな誘電異方性(Δε)を有する液晶媒体の場合における材料品質は、1kHzにおいてより小さな誘電異方性(Δε)を有するものの場合よりも低い。しかし、1kHzにおいてより小さな誘電異方性(Δε)を有する液晶媒体を電気的にアドレスするのは、より困難である。
【0194】
本発明による好ましいものは、その材料品質が、以下の表に示す誘電異方性を特徴とするものである。
【表1】

【0195】
対応するデバイスにおいて、好ましい液晶材料は、15°/dB以上の、好ましくは20°/dB以上の、好ましくは30°/dB以上の、好ましくは40°/dB以上の、好ましくは50°/dB以上の、特に好ましくは80°/dB以上の、および非常に特に好ましくは100°/dB以上の移相品質(phase shifter qualities)を有する。
用いられる液晶は、個々の物質または混合物のいずれかである。それらは、好ましくはネマチック相を有する。
【0196】
式Iで表される化合物は、以下の一般反応スキーム(反応スキームI〜IV)によって得られることができる。
式中i=6または式中i=10である式Iで表される化合物は、例えば、反応スキームIIIまたはIVによって有利に得られる。
【0197】
【化67】

【0198】
【化68】

【0199】
ここで、スキームIおよびIIにおいて、
は、それぞれに場合において、互いに独立して、式IにおけるL1iに対して上で与えられた意味を有し、つまり
はL11に対して〜
はL14に対して与えられた意味を有し、
m、n、o、pおよびqは0、1または2を示し、および
合計(m+n+o+p+q)は、3〜7を示す。
【0200】
側方メチル置換基を有する化合物が、スキームIによって製造されることができる。この目的に対し必要とされる出発材料、ブロモヨードトルエンは、商業的に入手可能である。代わりに、以下のスキームIIIに類似した手順に従うことができる。ここで第2のステップ、アルデヒドのグリニャール化合物との反応を省略することができる。この場合において、アルデヒドは直接メチルへと還元される。
【0201】
【化69】

【0202】
そこにおいて
Rは、それぞれの場合において互いに独立して、式Iのもとで定義されたR11を示し、好ましくはアルキルであり、
nは、2および任意に3を、好ましくは2を示し、および
R”は、それぞれの場合において互いに独立して、好ましくは1〜11の、より好ましくは1〜7の、および非常に特に好ましくは2〜5のC原子を有するアルキルを示す。
【0203】
【化70】

【0204】
そこにおいて、
Rは、それぞれの場合において互いに独立して、式Iのもとで定義されたR11を示し、好ましくはアルキルであり、
「Alkyl」は、好ましくは1〜15のC原子を有するアルキルを示す。
【0205】
用語「アルキル」は、好ましくは、それぞれ1〜15の炭素原子を有する、直鎖および分枝アルキル基ならびにシクロアルキル基を、特に直鎖基メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルおよびへプチル、ならびにシクロプロピルおよびシクロヘキシルを包含する。2〜10の炭素原子を有する基が、一般的に好ましい。
【0206】
用語「アルケニル」は、好ましくは、2〜15の炭素原子を有する直鎖および分枝アルケニル基を、特に直鎖基を包含する。特に好ましいアルケニル基は、C−〜C−1E−アルケニル、C−〜C−3E−アルケニル、C−〜C−4−アルケニル、C−〜C−5−アルケニルおよびC−6−アルケニル、特にC−〜C−1E−アルケニル、C−〜C−3E−アルケニルおよびC−〜C−4−アルケニルである。さらに好ましいアルケニル基の例は、ビニル、1E−プロペニル、1E−ブテニル、1E−ペンテニル、1E−ヘキセニル、1E−ヘプテニル、3−ブテニル、3E−ペンテニル、3E−ヘキセニル、3E−ヘプテニル、4−ペンテニル、4Z−ヘキセニル、4E−ヘキセニル、4Z−ヘプテニル、5−ヘキセニル、6−ヘプテニルなどである。5以下の炭素原子を有する基が一般的に好ましい。
【0207】
用語「フルオロアルキル」は、好ましくは、末端フッ素を有する直鎖基、つまりフルオロメチル、2−フルオロエチル、3−フルオロプロピル、4−フルオロブチル、5−フルオロペンチル、6−フルオロヘキシルおよび7−フルオロヘプチルを包含する。しかし、他の部位のフッ素は除外されない。
【0208】
用語「オキサアルキル」または「アルコキシアルキル」は、好ましくは、式C2n+1−O−(CH、式中nおよびmはそれぞれ、互いに独立して、1〜10の整数を示す、で表される直鎖ラジカルを包含する。好ましくは、nは1であり、およびmは1〜6である。
ビニル末端基を含有する化合物およびメチル末端基を含有する化合物は、低い回転粘度を有する。
【0209】
本願において、高周波技術およびハイパー周波数技術はともに、1MHz〜1THzの、好ましくは1GHz〜500GHzの、より好ましくは2GHz〜300GHzの、特に好ましくは5〜150GHzの範囲の、および非常に特に好ましくは約10〜80GHzの周波数を有する適用を示す。
【0210】
本発明による液晶媒体は、さらなる添加剤およびキラルドーパントを、通常の濃度で含んでもよい。これらのさらなる構成物の総濃度は、混合物全体に基づいて、0%〜10%の、好ましくは0.1〜6%の範囲である。用いられる個々の化合物の濃度は、それぞれ、好ましくは0.1%〜3%の範囲である。これらのおよび類似の添加物の濃度は、本願の液晶媒体の液晶成分および液晶化合物の値および濃度範囲を引用する際に考慮されない。
【0211】
本発明による液晶媒体は、複数の化合物から、好ましくは3〜30の、より好ましくは4〜20の、および非常に好ましくは4〜15の化合物からなる。これらの化合物は、従来の様式で混合される。一般的に、より少量で用いられる化合物の所望量を、より多量で用いられる化合物に溶解させる。温度がより大量で用いられる化合物の透明点の上である場合、溶解プロセスの完了を観察することは特に容易である。しかし、例えば、同族のまたは共融の化合物の混合物とすることができる、いわゆる予混合を用いる、またはその構成物自体がすぐに使うことができる混合物である、いわゆる「マルチボトル」システムを用いる他の従来の方法で、媒体を調製することもできる。
【0212】
例えば、液晶の融点T(C,N)またはT(C,S)、スメクチック(S)からネマチック(N)相への転移T(S,N)および透明点T(N,I)などの全ての温度は、セルシウス温度で引用される。全ての温度差は示差温度で引用される。
【0213】
本発明において、および特に以下の例において、メソゲン性化合物の構造は略号により示され、また頭文字で言及される。これらの頭文字で、化学式は表A〜Cを用いて以下のとおり短略化される。全ての基C2n+1、C2m+1およびC2l+1またはC2n−1、C2m−1およびC2l−1は、n、mおよびlのC原子をそれぞれ有し、n、mおよびlは、互いに独立して、それぞれ1〜9の、好ましくは1〜7の、または2〜9の、好ましくは2〜7を示す、直鎖アルキルまたはアルケニルを、好ましくは1E−アルケニルを示す。C2O+1は、1〜7の、好ましくは1〜4のC原子を有する直鎖アルキル、または1〜7の、好ましくは1〜4のC原子を有する分枝アルキルを示す。
【0214】
表Aは、化合物のコア構造の環要素に対して用いられるコードを羅列し、一方で表Bは結合基を示す。表Cは、左側または右側の末端基に対するコードの意味を与える。表Dは、それぞれの略号での化合物の説明的な構造を示す。
【0215】
表A:環要素
【表2】

【0216】
【表3】

【0217】
【表4】

【0218】
表B:結合基
【表5】

【0219】
表C:末端基
【表6】

表中、nおよびmは、それぞれ整数を示し、および3つのドット「...」は、この表からの他の略号に対するプレースホルダーである。
【0220】
以下の表は、それぞれの略号とともに、説明的構造を示す。これらは略号の法則の意味を説明するために示される。それらはさらに、好ましく用いられる化合物を表す。
【0221】
表D:説明的構造
説明的構造は、特に好ましく用いられる化合物を示す。
【0222】
成分Aの化合物の例
【表7】

【0223】
成分Bの化合物の例
【表8】

【0224】
【表9】

【0225】
【表10】

【0226】
成分Cの化合物の例
【表11】

【0227】
成分Dの化合物の例
【表12】

【0228】
成分Eの化合物の例
3つの6員環を有する化合物
【表13】

【0229】
4つの6員環を有する化合物
【表14】

【0230】
用いられる極性化合物の説明的構造:
【表15】

【0231】
好ましく用いられるさらなるニュートラルな化合物の説明的構造:
【表16】

【0232】
用いられるさらなる極性化合物の説明的構造:
【表17】

【0233】
以下の表、表Eは、本発明によるメソゲン性媒体における安定化剤として用いられることができる説明的な化合物を示す。媒体におけるこれらのおよび類似する化合物の総濃度は、好ましくは5%以下である。
表E
【表18】

【0234】
【表19】

【0235】
【表20】

【0236】
【表21】

【0237】
本発明の好ましい態様において、メソゲン性媒体は表Eからの化合物の群から選択される1または2以上の化合物を含む。
【0238】
以下の表、表Fは、本発明によるメソゲン性媒体におけるキラルドーパントとして好ましく用いられることができる説明的な化合物を示す。
【0239】
表F
【表22】

【0240】
【表23】

【0241】
【表24】

【0242】
本発明の好ましい態様において、メソゲン性媒体は表Fからの化合物の群から選択される1または2以上の化合物を含む。
本発明によるメソゲン性媒体は、上の表からの化合物からなる群から選択される2または3以上の、好ましくは4または5以上の化合物を好ましく含む。
【0243】
本発明による液晶媒体は、
− 7または8以上の、好ましくは8または9以上の化合物、好ましくは表Dからの化合物の群から選択される、3または4以上の、好ましくは4または5以上の異なる式を有する化合物
を含む。
【0244】

以下の例は、いかようにも限定することなく、本発明を説明する。
しかし、物性値から、いかなる性質が達成されることができるか、およびいかなる範囲でそれらが改変されることができるか、当業者には明らかとなる。特に、好ましく達成されることができるさまざまな性質の組み合わせが、当業者にはそのように十分に定義される。
【0245】
物質例
物質例1
化合物の製造
【化71】

【0246】
ステップ1.1
【化72】

【0247】
24.0gのメタホウ酸ナトリウムを60.0mlの脱塩水中に溶解させる。そして合成用の1.50gの塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(15.2%のPd)、0.100mlの水酸化ヒドラジニウム(約100%純度)および25.0gの2−ブロモ−5−クロロベンズアルデヒドを連続的に添加し、混合物を周囲温度で10分間撹拌する。そして120.0mlのテトラヒドロフランに溶解させた19.7gのホウ酸塩を滴加し、および混合物を加熱し沸騰させる。混合物を還流下で16h加熱する。生成物に慣用の精製を施す。黄色油が得られる。
【0248】
ステップ1.2
【化73】

【0249】
テトラヒドロフラン中の塩化メチルマグネシウムの20%溶液の18.0mlを、最初に導入する。第1のステップからの11.2gの生成物を100mlのTHFに溶解させ、約5℃の温度で冷却しながら滴加する。次いで反応混合物を5℃の温度で1h撹拌する。生成物に慣用の精製を施す。クリヤーな、淡い黄色の、粘性な油が得られる。
【0250】
ステップ1.3
【化74】

【0251】
最終ステップからの9.20gの生成物を、窒素雰囲気下、周囲温度で150.0mlのテトラヒドロフラン中に溶解させる。そして三フッ素化ホウ素/ジエチルエーテル複合体(合成用)の49.0mlの溶液を滴加する。この添加の間に、反応混合物の温度は約28℃へと上昇する。そして17.40gのシアノ水素化ホウ素ナトリウムを分割して(in portions)添加する。この添加の間に、温度は約35℃へと上昇する。次いで混合物を還流下で70h加熱する。60gの粗生成物を、黄色の粘性油で得る。生成物に慣用の精製を施す。
【0252】
ステップ1.4
【化75】

【0253】
最終ステップからの7.20gの生成物を、100.0mlの1.4−ジオキサン中に、13.3gのビス(ピナコラト)ジボロン、490.0mgのトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、510mgの2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニルおよび7.70gの酢酸カリウムとともに溶解させる。混合物を還流下100℃で16h加熱する。生成物に慣用の精製を施す。
【0254】
ステップ1.5
【化76】

【0255】
最終ステップからの3.00gの生成物を50mlの1.4−ジオキサン中に、1.28gの合成用4,4−ジブロモフェニル、300.0mgのトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、35.0mgの2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’ジメトキシビフェニルおよび4.80gのリン酸カリウム一水和物(140℃で16時間後のリン酸カリウム三水和物から製造される)とともに溶解させる。反応混合物を還流下100℃で16h加熱する。粗生成物(緑青色結晶)を単離する。生成物に慣用の精製を施す。
生成物はC 197℃ N 330.4℃ Iの相順序を有し、ZLI−4792中の5%溶液から2.8のΔεおよび0.351のΔnが外挿された。
【0256】
物質例2
以下の化合物が物質例1と類似して製造される。
【化77】

【0257】
簡略化のため、最終合成ステップのみをここで詳細に記載する。
【化78】

【0258】
3.80gのホウ酸塩を、50.0mlの1,4−ジオキサン中に1.560gの4,4’−ジブロモビフェニル(合成用)、90.0mgのトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、170mgの2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’ジメトキシビフェニルおよび5.80gのリン酸カリウム一水和物(140℃で16時間後のリン酸カリウム三水和物から製造される)とともに溶解させる。反応混合物を還流下100℃で16h加熱する。粗生成物を単離する。生成物に慣用の精製を施す。淡い灰色結晶を得る。
生成物はC 174℃ N 252.7℃ Iの相順序を有し、ZLI−4792中の5%溶液から1.6のΔεおよび0.319のΔnが外挿された。
【0259】
物質例3
化合物の製造
【化79】

【0260】
ステップ3.1
【化80】

【0261】
33.50gの1,4−ジ−n−ドデシルベンゼンを、100mlのジクロロメタン中に溶解させる。200mgのヨウ素(2回昇華)を触媒として添加する。次いで8.5mlの臭素(一級(extra pure))を急速に滴加する。茶色の反応混合物を16h、光を当てないようにして撹拌する。そして、さらに100mlのジクロロメタンを添加し、混合物をさらに50h撹拌する。粗生成物(薄い黄色結晶)を単離し、慣用の精製を施す。白色結晶が得られる。
【0262】
ステップ3.2
【化81】

【0263】
最終段階からの20.0gの生成物、100.0mlのトルエン(一級)、12.0gの無水炭酸ナトリウム(一級)および50.0mlの脱塩水をまず導入し、激しく撹拌しながら約75℃〜80℃の範囲の温度へと温める。次いで、0.40gのテトラキス(トリフェニルホスフィン)Pd(0)を添加し、50.0mlのエタノール(絶対的、一級)中の9.40gのボロン酸の溶液を滴加する。ボロン酸を完全に溶解させるために、有利には、ボロン酸のアルコール溶液を予め、わずかに温める。反応混合物を還流下で16h加熱する。粗生成物(茶色油)を単離し、慣用の精製を施す。クリアな油を得る。
【0264】
ステップ3.3
【化82】

【0265】
最終ステップからの13.60gの生成物を100mlの1,4−ジオキサン(一級)中に溶解させる。次いで0.40gのPdCl−dppf(二塩素化ビスフェニルホスフィノフェロセンパラジウム)、5.50gのビス(ピナコラト)ジボロンおよび5.40gの酢酸カリウム (一級)を添加し、反応混合液を還流下で4h加熱する。粗生成物(茶色油)を単離し、慣用の精製を施す。生成物を油で得る。
【0266】
ステップ3.4
【化83】

【0267】
3.00gの4−ブロモ−4’−ヨードビフェニルを80.0mlのトルエン(一級)中に溶解させる。そして3.00gの無水炭酸ナトリウム(一級)、50.0mlの脱塩水、最終ステップからの6.20gの生成物を連続して添加する。粗生成物(黄茶色結晶)を単離し、慣用の精製を施す。黄茶色結晶を得る。
【0268】
ステップ3.5
【化84】

【0269】
最終ステップからの4.70gの生成物および0.680gのビス(ピナコラト)ジボロンを、25.0mlの1,4−ジオキサン(一級)中に穏やかに温めながら溶解させる。そして、最初に200.0mgのPdCl(PCy(二塩素化ビストリシクロヘキシルホスフィノパラジウム)、次いで3.50gのフッ化セシウムおよび一滴の水を添加する。反応混合物を、100℃の温度で16h、窒素雰囲気下で撹拌する。粗生成物(黄色結晶)を単離する。生成物に慣用の精製を施す。黄色結晶を得る。
生成物はC 103℃ N 199.9℃ Iの相順序を有し、ZLI−4792中の5%溶液から0.3のΔεおよび0.255のΔnが外挿された。
【0270】
物質例4
以下の化合物が物質例3と類似して製造される。
【化85】

【0271】
簡略化のため、最終合成ステップのみをここで詳細に記載する。
【化86】

【0272】
最終ステップからの1.70gの生成物および0.280gのビス(ピナコラト)ジボロンを、10.0mlの1,4−ジオキサン中に穏やかに温めながら溶解させる。そして、最初に80.0mgのPdCl(PCy(二塩素化ビストリシクロヘキシルホスフィノパラジウム)、次いで1.40gのフッ素セシウムを添加する。反応混合物を還流化で16h、窒素雰囲気下で加熱する。生成物に慣用の精製を施す。黄色結晶を得る。
生成物は相順序:C 154℃ N 283.9℃ Iを有し、ZLI−4792中の5%溶液から3.0のΔεおよび0.308のΔnが外挿された。
【0273】
物質例5
以下の化合物が物質例3と類似して製造される。
【化87】

【0274】
簡略化のため、最終合成ステップのみをここで詳細に記載する。
【化88】

【0275】
最終ステップからの5.0gの生成物および0.863gのビス(ピナコラト)ジボロンを、35.0mlの1,4−ジオキサン中に穏やかに温めながら溶解させた。そして、最初に250mgのPdCl(PCy(二塩素化ビストリシクロヘキシルホスフィノパラジウム)、次いで1.40gのフッ化セシウムおよび一滴の水を添加する。反応混合物を100℃の温度で16h、窒素雰囲気下で撹拌する。粗生成物(非晶質、黄色/黄色がかった橙色のかたまり)を単離する。生成物に慣用の精製を施す。灰色がかった結晶を得る。
生成物は相順序:C 147℃ N 238.4.9℃ Iを有し、ZLI−4792中の10%溶液から0.4のΔεおよび0.267のΔnが外挿された。
【0276】
使用例
比較例1
既知の液晶化合物4’−ペンチル−4−シアノビフェニル(5CBまたはK15、Merck KGaA, Darmstadt, Germanyとしても既知である)を、特にマイクロ波領域、20℃における物性に関し調査する。
【0277】
表1:K15の30GHzにおける性質
【表25】

【0278】
この化合物は、相順序:C 23℃ N 35.1℃および26℃における11.0のΔεおよび29℃における9.9のΔε、および、ZLI−4792中の10%溶液から外挿された20.1のΔεおよび0.212のΔnを有する。
該化合物は、非常に狭い相範囲およびやや低いηを有するため、非常に低い材料品質を有し、マイクロ波領域における適用には特に高度に好適ではない。
【0279】
比較例2
略号PTP(2)TP−6−3を有する液晶物質をHsu, C. S. Shyu, K. F., Chuang, Y. Y. and Wu, S.-T., Liq. Cryst., 27 (2), (2000), p. 283-287の方法により製造し、特にマイクロ波領域におけるその物性に関し調査する。該化合物はネマチック相および108℃の透明点を有する。
【0280】
表2:化合物PTP(2)TP−6−3の30GHzにおける性質
【表26】

【0281】
該化合物は相順序:Tg −54℃ N 119.2℃、およびZLI−4792中の10%溶液から外挿された1.8のΔεおよび0.393のΔnを有する。
該化合物はマイクロ波領域における適用に好適であるが、特に移相器に対し、低いΔεを有する。
【0282】
表3:30GHzおよび20℃における様々な例の性質の比較
【表27】

注:):P2−6−3:PTP(2)TP−6−3、
§):T=22℃ および
t.b.d.:未決定。
【0283】
例1
以下の表に示す組成および性質を有する液晶混合物M−1を調製し、特にマイクロ波領域におけるその物性に関し調査する。
【表28】

注:t.b.d.:未決定
【0284】
表4:混合物M−1の30GHzにおける性質
【表29】

この混合物は、マイクロ波領域における適用に、特に移相器に対し、非常に高度に好適である。
【0285】
例2
以下の表に示す組成および性質を有する液晶混合物M−2を調製し、特にマイクロ波領域におけるその物性に関し調査する。
【表30】

注:t.b.d.:未決定。
【0286】
表5:混合物M−2の30GHzにおける性質
【表31】

この混合物は、マイクロ波領域における適用に、特に移相器に対し、非常に高度に好適である。
【0287】
例3
以下の表に示す組成および性質を有する液晶混合物M−3を調製し、特にマイクロ波領域におけるその物性に関し調査する。
【表32】

注:t.b.d.:未決定。
【0288】
表6:混合物M−3の30GHzにおける性質
【表33】

この混合物は、マイクロ波領域における適用に、特に移相器に対し、非常に高度に好適である。
【0289】
例4
以下の表に示す組成および性質を有する液晶混合物M−4を調製し、特にマイクロ波領域におけるその物性に関し調査する。
【表34】

注:t.b.d.:未決定、
PU[QGU]−5−F:PUQGUQGU−5−F、
相順序:C 86℃ N 236.4℃ I。
【0290】
表7:混合物M−4の30GHzにおける性質
【表35】

この混合物は、マイクロ波領域における適用に、特に移相器に対し、非常に高度に好適である。それは、特に、相対的に高いΔεを有する。
【0291】
例5
以下の表に示す組成および性質を有する液晶混合物M−5を調製し、特にマイクロ波領域におけるその物性に関し調査する。
【表36】

注:t.b.d.:未決定。
【0292】
表8:混合物M−5の30GHzにおける性質
【表37】

この混合物は、マイクロ波領域における適用に、特に移相器に対し、非常に高度に好適である。
【0293】
例6
以下の表に示す組成および性質を有する液晶混合物M−6を調製する。
【表38】

注:t.b.d.:未決定 および
D(fN)UQU−3−F、相順序:C 80℃ N 120℃ I
【0294】
表9:混合物M−6の30GHzにおける性質
【表39】

この混合物は、マイクロ波領域における適用に、特に移相器に対し、非常に高度に好適である。それは、特に、相対的に高いΔεを有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高周波技術のための、またはマイクロ波領域およびミリメートル波領域の電磁スペクトルのためのデバイスであって、6〜15の5員環、6員環または7員環を含有する1または2以上の化合物からなる液晶媒体を含むこと、または自体が6〜15の5員環、6員環または7員環を含有する1または2以上の該化合物からなる成分Aを自体が含む液晶媒体を含有することを特徴とする、該デバイス。
【請求項2】
請求項1で述べられた6〜15の5員環、6員環または7員環を含有する化合物が式Iで表される化合物であることを特徴とする、請求項1に記載のデバイス:
【化1】

式中
11およびR12は、互いに独立して、ハロゲン、それぞれ1〜15のC原子を有する非フッ素化アルキルまたはフッ素化アルキルまたは非フッ素化アルコキシまたはフッ素化アルコキシ、あるいはそれぞれ2〜15のC原子を有する非フッ素化アルケニルあるいはフッ素化アルケニル、非フッ素化アルケニルオキシまたは非フッ素化アルコキシアルキルまたはフッ素化アルコキシアルキルを示し、そこにおいて、さらに、1または2以上の「−CH2−」基は、互いに独立して、3〜6のC原子を有する、好ましくは4または6のC原子を有するシクロアルキルにより置き換えられていてもよく、および代わりに、さらに、R11およびR12の1つ、またはR11およびR12の両方がHを示し、
11〜L14は、それぞれの出現において、それぞれの場合において互いに独立して、H、1〜15のC原子を有するアルキル、FまたはClを示し、および
pは、6〜15の範囲の整数を示す。
【請求項3】
式IVで表される1または2以上の化合物からなる成分Bを含む液晶媒体を含有することを特徴とする、請求項1または2に記載のデバイス:
【化2】

式中
【化3】

41〜R43は、互いに独立して、請求項1においてR11に対して与えた意味の1つを有し、および
41およびZ42は、互いに独立して、−C≡C−、−CF=CF−、−CF=CH−、−CH=CFまたは−CH=CH−を示す。
【請求項4】
液晶媒体が、成分Aに加えて、以下の成分、成分B〜Eの群から選択される1または2以上の成分をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のデバイス:
− −5.0より大きくおよび10.0より小さい範囲の誘電異方性を有し、および、好ましくは請求項3で与えられる式IVで表される1または2以上の化合物からなる成分である、成分B、
− 10以上の誘電異方性を有する強く誘電的に正の成分である、成分C、
− −5以下の値を有する誘電異方性を有する強く誘電的に負の成分である、成分D、
− −5.0より大きくおよび10.0より小さい範囲の誘電異方性を同様に有し、および5以下の5員環、6員環または7員環を有する化合物からなる成分である、成分E。
【請求項5】
液晶媒体が成分Cを含むことを特徴とする、請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
液晶媒体が成分Dを含むことを特徴とする、請求項4または5に記載のデバイス。
【請求項7】
液晶媒体が成分Eを含むことを特徴とする、請求項4または5に記載のデバイス。
【請求項8】
・請求項2で示される式Iで表される1または2以上の化合物からなる成分A、および
・さらに、以下の成分、成分B〜Eの群から選択される1または複数の成分
− −5.0より大きい〜10.0より小さい範囲の誘電異方性を有し、および好ましくは請求項3で与えられる式IVで表される化合物からなる成分である、成分B、
− 10以上の誘電異方性を有する、強く誘電的に正の成分である、成分C、
− −5以下の価の誘電異方性を有する、強く誘電的に負の成分である、成分D、
− 同様に−5.0より大きい〜10.0より小さい範囲の誘電異方性を有し、および5以下の5員環、6員環または7員環を有する化合物からなる成分である、成分E
を含むことを特徴とする液晶媒体。
【請求項9】
液晶媒体が成分Bを含むことを特徴とする、請求項8に記載の液晶媒体。
【請求項10】
液晶媒体が成分Cを含むことを特徴とする、請求項8または9に記載の液晶媒体。
【請求項11】
液晶媒体が成分Dを含むことを特徴とする、請求項8または9に記載の液晶媒体。
【請求項12】
請求項8〜11のいずれか一項に記載の液晶媒体の、高周波技術のためのデバイスにおける使用。
【請求項13】
請求項2において示される式Iで表される1または2以上の化合物を、1または2以上のさらなる化合物および/または1または2以上の添加剤と混合することを特徴とする、液晶媒体の調製方法。
【請求項14】
請求項8〜11のいずれか一項に記載の液晶媒体が用いられることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載のデバイスの製造方法。
【請求項15】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の1または2以上のデバイスを含むことを特徴とする移相器。
【請求項16】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の1または2以上のデバイスを含むことを特徴とする、マイクロ波アンテナ配列。
【請求項17】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の1または2以上のデバイスが電気的にアドレスされるまたは電気的にアドレスされることができる、マイクロ波アンテナ配列を同調するための方法。
【請求項18】
式Iで表される化合物
【化4】

式中
11およびR12は、互いに独立して、ハロゲン、それぞれ1〜15のC原子を有する非フッ素化アルキルまたはフッ素化アルキルあるいは非フッ素化アルコキシまたはフッ素化アルコキシ、あるいはそれぞれ2〜15のC原子を有する非フッ素化アルケニルまたはフッ素化アルケニル、非フッ素化アルケニルオキシまたは非フッ素化アルコキシアルキルまたはフッ素化アルコキシアルキルを示し、そこにおいて、互いに独立して、1または2以上の「−CH−」基は、さらに、3〜6のC原子を有する、好ましくは4または6のC原子を有するシクロアルキルにより置換されていてもよく、
11〜L14は、それぞれの出現において互いに独立して、H、1〜15のC原子を有するアルキル、FまたはClを示し、および
pは、6〜15の範囲の整数を示す。
【請求項19】
請求項1に記載の式Iで表される化合物の製造方法であって、またはホウ酸アリール化合物からの生産物または1または2以上の中間体が、パラジウム触媒ホモカップリングおよび/またはクロスカップリングにより、アリール−ハロゲン化合物へとまたはアリールトリフラート化合物へと連結することを特徴とする、前記方法。

【公表番号】特表2013−512970(P2013−512970A)
【公表日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−541334(P2012−541334)
【出願日】平成22年11月16日(2010.11.16)
【国際出願番号】PCT/EP2010/006961
【国際公開番号】WO2011/066905
【国際公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】