説明

高周波発生装置の温度調節システム

【課題】エンジンが搭載された乗物でマグネトロンなど高周波発生装置を使用する場合において、高周波発生装置の使用に伴って必要となる搭載スペースを小さくする。
【解決手段】高周波発生装置30の温度調節システム10として、高周波発生装置30の発熱部である本体部31の周囲に熱交換部25を設ける。熱交換部25に温調用流路26を形成する。温調用流路26は、エンジン18を冷却するための流体が循環する流体回路20に接続する。熱交換部25では、温調用流路26を流通する流体と高周波発生装置30の本体部31との熱交換が行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マグネトロンなどの高周波発生装置の発熱部の温度を調節するための温度調節システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、マグネトロンなどの高周波発生装置において発熱部の温度を調節する温度調節システムが知られている。例えば、特許文献1の図4には、マグネトロンのアノードを冷却するための冷却チューブが記載されている。冷却チューブは、アノードに巻き付けられ、入口チューブと出口チューブとの間に並列に接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−73456号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、エンジンが搭載された乗物でマグネトロンなどの高周波発生装置を使用することが考えられる。このような場合に、高周波発生装置の温度を調節するためだけに温度調節システムを設けると、乗物に大きな搭載スペースを確保する必要が生じる。
【0005】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、エンジンが搭載された乗物で高周波発生装置を使用する場合において、高周波発生装置の使用に伴って必要となる搭載スペースを小さくすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1発明は、高周波発生装置の温度を調節するための温度調節システムを対象とする。この高周波発生装置の温度調節システムは、エンジンを冷却するための流体が循環する流体回路と、上記高周波発生装置の発熱部の周囲に設けられ、上記流体回路に接続された温調用流路が形成されて、該温調用流路を流通する流体と上記高周波発生装置の発熱部とを熱交換させる熱交換部とを備えている。
【0007】
第1発明では、熱交換部の温調用流路に流体回路の流体が流入する。温調用流路に流入した流体は、高周波発生装置の発熱部と熱交換を行う。高周波発生装置の発熱部の温度は、温調用流路を流通する流体の温度に応じて調節される。このように、第1の発明では、高周波発生装置の温度調節システムが、エンジンを冷却するための流体が循環する流体回路を利用して高周波発生装置の発熱部の温度を調節する。
【0008】
第2発明は、第1の発明において、上記流体回路には、上記エンジンにおいて加熱された流体を冷却するためのラジエーターが設けられる一方、上記温調用流路は、上記流体回路において上記ラジエーターから上記エンジンへ向かう流体が流れる低温側回路に接続されている。
【0009】
第2発明では、温調用流路が低温側回路に接続されている。温調用流路には、ラジエーターにおいて冷却された流体が流入する。高周波発生装置の発熱部は、ラジエーターにおいて冷却された流体と熱交換を行う。
【0010】
第3発明は、第2の発明において、上記流体回路には、上記ラジエーターをバイパスするバイパス回路と、流体の温度に応じてエンジンから流出した流体の流路を上記ラジエーターと上記バイパス回路との間で切り替える切替手段とが設けられる一方、上記温調用流路は、上記バイパス回路に接続され、上記温調用流路では、上記低温側回路から流体が流入する第1状態と、上記バイパス回路から流体が流入する第2状態とが切り替わる。
【0011】
第3発明では、エンジンから流出した流体の流路が、切替手段によりラジエーターとバイパス回路との間で切り替える。他方、温調用流路では、低温側回路から流体が流入する第1状態と、バイパス回路から流体が流入する第2状態とが切り替わる。この第3の発明では、エンジンから流出した流体がラジエーターを流れる場合には、ラジエーターを通過した流体により高周波発生装置の発熱部の温度が調節され、エンジンから流出した流体がバイパス回路を流れる場合には、バイパス回路から流入した流体により高周波発生装置の発熱部の温度が調節される。
【0012】
第4発明は、第1の発明において、上記流体回路には、上記エンジンにおいて加熱された流体を冷却するためのラジエーターが設けられる一方、上記温調用流路は、上記ラジエーターのラジエーターコアに接続されている。
【0013】
第4発明では、温調用流路において、ラジエーターコアから流入した流体と高周波発生装置の発熱部とが熱交換を行う。
【0014】
第5発明は、第4の発明において、上記高周波発生装置は、その発熱部が上記熱交換部と共にラジエーターコアを貫通するようにラジエーターに取り付けられている。
【0015】
第5発明では、高周波発生装置の発熱部と熱交換部が、ラジエーターコアを貫通している。高周波発生装置の発熱部と熱交換部は、ラジエーターコアの占有スペースに位置している。
【0016】
第6発明は、第5の発明において、上記高周波発生装置が、上記エンジンの上部に接続された同軸線路を介して燃焼室へマイクロ波を供給する一方、上記高周波発生装置は、上記ラジエーターの上部に取り付けられている。
【0017】
第6発明では、高周波発生装置に接続された同軸線路がエンジンの上部に接続されているので、高周波発生装置をラジエーターの上部に取り付けている。
【0018】
第7発明は、第1の発明において、上記流体回路には、上記エンジンにおいて加熱された流体を冷却するためのラジエーターと、該ラジエーターをバイパスするバイパス回路と、流体の温度に応じてエンジンから流出した流体の流路を上記ラジエーターと上記バイパス回路との間で切り替える切替手段とが設けられる一方、上記温調用流路は、上記流体回路において上記ラジエーターから上記エンジンへ向かう流体が流れる低温側回路と上記バイパス回路との接続箇所よりも上記エンジン側に接続されている。
【0019】
第7発明では、温調用流路が、流体回路において低温側回路とバイパス回路との接続箇所よりもエンジン側に接続されている。温調用流路は、エンジンから流出した流体がラジエーターとバイパス回路のどちらを流れる場合であっても流体が流れる位置に接続されている。
【0020】
第8発明は、第1乃至第7の何れか1つの発明において、上記高周波発生装置は、マグネトロンを備え、上記熱交換部が、上記温調用流路を流れる流体と上記マグネトロンの永久磁石とを熱交換させる。
【0021】
第8発明では、温調用流路を流れる流体とマグネトロンの本体部の永久磁石とが熱交換を行う。従って、温調用流路を流れる流体により、マグネトロンの本体部の永久磁石の温度が調節される。
【0022】
第9発明は、高周波発生装置の温度を調節するための温度調節システムを対象とする。この高周波発生装置の温度調節システムは、エンジンを冷却するための流体が循環する流体回路と、該流体回路においてエンジンで加熱された流体を冷却するためのラジエーターと、該ラジエーターのラジエーターコアのうち、流体が流れるチューブ間に接続された冷却フィンにより構成され、上記高周波発生装置の発熱部の外周面に接続されて、空気と上記高周波発生装置の発熱部とを熱交換させる熱交換部とを備えている。
【0023】
第9発明では、熱交換部が、ラジエーターコアの冷却フィンにより構成されている。高周波発生装置の発熱部は、熱交換部を介して空気と熱交換を行う。高周波発生装置の発熱部の温度は、熱交換部に接触する空気の温度に応じて調節される。このように、第9の発明では、高周波発生装置の温度調節システムが、エンジンを冷却するための流体が循環する流体回路のラジエーターを利用して高周波発生装置の発熱部の温度を調節する。
【発明の効果】
【0024】
本発明では、温度調節システムが、エンジンを冷却するための流体が循環する流体回路を利用して高周波発生装置の発熱部の温度を調節する。温度調節システムは、乗物にもともと存在する流体回路を利用して高周波発生装置の発熱部の温度を調節する。従って、高周波発生装置の使用に伴って必要となる搭載スペースを小さくすることができる。
【0025】
また、上記第2発明では、ラジエーターにおいて冷却された流体と高周波発生装置の発熱部とを熱交換させる。従って、高周波発生装置の発熱部の温度を比較的低い温度に調節することができる。
【0026】
また、上記第3発明では、エンジンから流出した流体がラジエーターを流れる場合には、ラジエーターを通過した流体により高周波発生装置の発熱部の温度が調節され、エンジンから流出した流体がバイパス回路を流れる場合には、バイパス回路から流入した流体により高周波発生装置の発熱部の温度が調節される。ここで、流体回路では、エンジンから流出した流体が全てバイパス回路を流れる場合がある。つまり、ラジエーターに流体が流れない場合がある。このような場合、ラジエーターを通過した流体でしか高周波発生装置の発熱部の温度を調節できない構成であれば、流体回路の流体により高周波発生装置の発熱部の温度を調節できない状態になる。これに対して、この第3の発明では、エンジンから流出した流体がラジエーターとバイパス回路のどちらを流れる場合であっても、流体回路の流体により高周波発生装置の発熱部の温度を調節できる。従って、高周波発生装置の発熱部の温度を常に適切な温度に調節することができる。
【0027】
また、上記第5発明では、高周波発生装置の発熱部と熱交換部が、ラジエーターコアの占有スペースに位置している。従って、高周波発生装置の使用に伴って必要となる搭載スペースをさらに小さくすることができる。
【0028】
また、上記第6発明では、高周波発生装置に接続された同軸線路がエンジンの上部に接続されているので、高周波発生装置をラジエーターの上部に取り付けている。このため、同軸線路の取り回しが容易になる。
【0029】
また、上記第7発明では、温調用流路が、エンジンから流出した流体がラジエーターとバイパス回路のどちらを流れる場合であっても流体が流れる位置に接続されている。従って、高周波発生装置の発熱部の温度を常に適切な温度に調節することができる。
【0030】
また、上記第8発明では、温調用流路を流れる流体により、マグネトロンの本体部の永久磁石の温度が調節される。従って、寒冷地においてマグネトロンの本体部の永久磁石の温度が低くなりすぎる場合には、永久磁石を適正な温度に加熱できるし、マグネトロンの本体部の永久磁石の温度が高くなりすぎる場合には、永久磁石を適正な温度に冷却できる。
【0031】
また、上記第9発明では、温度調節システムが、エンジンを冷却するための流体が循環する流体回路のラジエーターを利用して高周波発生装置の発熱部の温度を調節する。温度調節システムは、乗物にもともと存在するラジエーターを利用して高周波発生装置の発熱部の温度を調節する。従って、高周波発生装置の使用に伴って必要となる搭載スペースを小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】図1は、実施形態1の高周波発生装置の温度調節システムの概略構成図である。
【図2】図2は、実施形態1の高周波発生装置の概略断面図である。
【図3】図3は、点火システム及び燃焼支援システムのブロック図である。
【図4】図4は、実施形態2の温度調節システムの概略構成図である。
【図5】図5は、実施形態2の変形例1の温度調節システムの概略構成図である。
【図6】図6は、実施形態2の変形例3の温度調節システムの概略構成図である。
【図7】図7は、その他の実施形態のマグネトロンの概略断面図である。
【図8】図8は、ソリッドステート発振器を備えた高周波発生装置の温度調節システムの概略構成図である。
【図9】図9は、ソリッドステート発振器を備えた高周波発生装置の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
《実施形態1》
【0034】
本実施形態1は、車のエンジン18の冷却システムを利用した高周波発生装置H1の温度調節システム10である。本実施形態1は本発明の一例である。本実施形態1では、図1に示すように、エンジン18の冷却システムを構成するラジエーター12に高周波発生装置H1が取り付けられている。ここで、高周波発生装置H1としては、半導体を用いた発信器などのソリッドステート発振器やマグネトロンを用いたものなど、さまざまな高周波発生手段が採用可能であるが、実施形態1では、一例として、マイクロ波を発生させるマグネトロン30を備えた高周波発生装置について説明する。
【0035】
本実施形態1のマグネトロン30は、図2に示すように、マイクロ波を発生させる本体部31(発熱部)と、本体部31で発生したマイクロ波を外部に出力するアンテナ47と、チョークコイル38及び貫通コンデンサー39からなるLCフィルター回路が設けられたフィルターケース35とを備えている。本体部31は、陽極部32と陰極部33と磁気部34とを備えている。アンテナ47には、図1に示すように、同軸導波管変換器37が接続されている。
【0036】
陽極部32は、円筒状の陽極円筒36と、陽極円筒36内において放射状に配置された複数枚の陽極ベイン40とを備えている。各陽極ベイン40は、その外端が陽極円筒36の内面に固定され、その内端が後述するフィラメント41と間隔を隔てて対面している。陽極円筒36内は、真空状態になっており、複数枚の陽極ベイン40により共振空洞器が形成されている。陽極ベイン40からはアンテナ47が導出されている。
【0037】
陰極部33は、陽極円筒36の軸心に沿って配置されたフィラメント41と、フィラメント41の両端にそれぞれ設けられた一対のエンドハット42とを備えている。フィラメント41は、リード43を介して、フィルターケース35のLCフィルター回路に接続されている。フィラメント41は、LCフィルター回路を介して外部電源に接続される。
【0038】
磁気部34は、陽極円筒36の両端にそれぞれ設けられた一対のポールピース46と、各ポールピース46の外側にそれぞれ設けられた円環状の永久磁石45とを備えている。永久磁石45は、フィラメント41と陽極ベイン40との間に、フィラメント41から放出された熱電子を旋回させる磁界を形成する。
【0039】
マグネトロン30では、フィラメント41と陽極ベイン40との間に高電圧が印加されると、フィラメント41から熱電子が放出される。熱電子は、磁気部34により形成された磁界により旋回運動する。その際、熱電子の運動エネルギーが高周波エネルギーに変換され、マイクロ波が陽極ベイン40を介してアンテナ47から出力される。マグネトロン30では、作動中にフィラメント41が発熱するので、本体部31の温度が上昇する。マグネトロン30の作動中は、本体部31の冷却が必要となる。
【0040】
本実施形態1では、マグネトロン30の本体部31を冷却するために、流体が流れる温調用流路26が内部に形成された熱交換部25が、本体部31の周囲に取り付けられている。熱交換部25は、温調用流路26を流れる流体と本体部31とを熱交換させるための金属製部材である。熱交換部25は、略円筒状に形成されている。熱交換部25の内周面は、本体部31の陽極円筒36の外周面に全周に亘って当接している。温調用流路26は、後述する流体回路20に接続される。熱交換部25では、温調用流路26を流通する冷却水とマグネトロン30の本体部31との熱交換が行われる。
【0041】
マグネトロン30は、例えば、エンジン18の燃焼を支援する燃焼支援システム100に用いられる。図3に示すように、燃焼支援システム100は、車のバッテリー101(12Vのバッテリー)に接続された点火コイル102と、点火コイル102からの高電圧パルスが印加されるとエンジン18の燃焼室においてスパーク放電を生じさせるスパークプラグ105とを有するエンジン18の点火システム107に接続されている。
【0042】
燃焼支援システム100は、マグネトロン30に加えて、マグネトロン30を駆動するパルス電源104と、点火コイル102から出力された高電圧パルスにマグネトロン30から出力されたマイクロ波を混合するミキサー回路103とを備えている。パルス電源104は、バッテリー101に接続されている。パルス電源104は、エンジン18の制御装置106(ECU)から制御信号が入力されると、マグネトロン30に電力を供給する。一方、ミキサー回路103は、点火コイル102に接続される第1入力部と、マグネトロン30に接続される第2入力部と、スパークプラグ105の中心電極に接続される出力部とを備えている。ミキサー回路103では、第1入力部から延びる伝送ラインと、第2入力部から延びる伝送ラインとが接続され、その接続箇所と出力部とが伝送ラインで結ばれている。
【0043】
なお、マグネトロン30からミキサー回路103を経てスパークプラグ105に至るまでの伝送ラインは、同軸線路を構成している。同軸線路は、エンジン18の上部に接続されている。マグネトロン30は、同軸線路を介してエンジン18の燃焼室へマイクロ波を供給する。
【0044】
点火システム107と燃焼支援システム100の動作について説明する。
【0045】
高電圧パルスの出力を指示する放電信号が制御装置106から点火コイル102に入力されると、点火コイル102からミキサー回路103へ高電圧パルスが出力される。また、マイクロ波の発振を指示する照射信号が制御装置106からパルス電源104に入力されると、マグネトロン30からミキサー回路103へマイクロ波が出力される。高電圧パルスとマイクロ波は、ミキサー回路103で混合されて、スパークプラグ105に供給される。その結果、エンジン18の燃焼室では、スパークプラグ105の放電電極と接地電極との間でスパーク放電が生じ、小規模のプラズマが形成される。そして、その小規模のプラズマに、スパークプラグ105の放電電極からマイクロ波が照射される。小規模のプラズマは、マイクロ波のエネルギーを吸収して拡大する。スパークプラグ105の放電電極は、マイクロ波用のアンテナとして機能する。
−高周波発生装置H1の温度調節システム−
【0046】
高周波発生装置H1の温度調節システム10は、エンジン18の冷却システムにより構成されている。温度調節システム10は、図1に示すように、ウォータージャケット11とラジエーター12とサーモスタット13とウォーターポンプ14とが設けられた流体回路20と、上述の熱交換部25とを備えている。流体回路20には、エンジン18を冷却するための冷却水が充填されている。流体回路20は、ウォータージャケット11からラジエーター12へ向かう冷却水が流れる高温側回路21と、ラジエーター12からウォータージャケット11へ向かう冷却水が流れる低温側回路22と、ラジエーター12をバイパスして高温側回路21から低温側回路22に接続するバイパス回路23とを備えている。流体回路20では、ウォーターポンプ14が作動すると冷却水が循環する。
【0047】
ウォータージャケット11は、エンジン18のシリンダブロック及びシリンダヘッドに設けられた水路である。ウォータージャケット11では、エンジン18の燃焼室で発生した熱が冷却水に奪われる。ウォータージャケット11は、冷却水が加熱される加熱部を構成している。ウォータージャケット11の入口には、ウォーターポンプ14が接続されている。ウォータージャケット11の出口には、高温側回路21が接続されている。
【0048】
ラジエーター12は、ウォータージャケット11で加熱された冷却水を空気と熱交換させる熱交換器である。ラジエーター12は、冷却水が冷却される冷却部を構成している。ラジエーター12は、冷却水を空気と熱交換させるラジエーターコア15と、ラジエーターコア15の入口側に設けられたアッパータンク16と、ラジエーターコア15の出口側に設けられたロアタンク17とを備えている。ラジエーターコア15は、所定の間隔を隔ててラジエーター12の長手方向(ラジエーター12の設置状態では水平方向)に配列された複数のチューブと、チューブ間に接続された冷却フィンとを備えている(図示省略)。アッパータンク16には、高温側回路21が接続されている。ロアタンク17には、低温側回路22が接続されている。ラジエーター12では、アッパータンク16に冷却水が流入し、冷却水がラジエーターコア15の各チューブに分配される。各チューブでは、空気により冷却水が冷却される。そして、各チューブを通過した冷却水がロアタンク17で合流してラジエーター12から流出する。
【0049】
なお、ラジエーター12の近傍には、ラジエーター12に空気を送るラジエーターファン19が設けられている。ラジエーターファン19は、ウォータージャケット11の出口における冷却水の温度が所定の判定温度を超える場合にだけ作動する。
【0050】
ここで、本実施形態1では、ラジエーターコア15の上部にマグネトロン30が取り付けられている。マグネトロン30は、ラジエーターコア15の隅角部に配置されている。マグネトロン30は、熱交換部25と共に、本体部31がラジエーターコア15の上部を厚さ方向に貫通するように設けられている。マグネトロン30の本体部31と熱交換部25は、ラジエーターコア15の占有スペースに位置している。
【0051】
熱交換部25の温調用流路26は、ラジエーターコア15のチューブの途中に接続されている。温調用流路26は、ラジエーターコア15の上流側(アッパータンク16側)に接続されている。温調用流路26には、ラジエーターコア15のチューブを流れる冷却水が流入する。以上の構成により、温調用流路26を流通する冷却水によりマグネトロン30の本体部31の陽極円筒36を冷却することが可能になる。
【0052】
サーモスタット13は、内部を流通する冷却水の温度に応じて、ウォータージャケット11から流出した冷却水の流路をラジエーター12とバイパス回路23との間で切り替える弁であり、切替手段を構成している。サーモスタット13は、第1の入口が低温側回路22に接続され、第2の入口がバイパス回路23に接続され、出口がウォーターポンプ14に接続されている。サーモスタット13の内部には、第1の入口と出口を連通させる第1連通孔と、第2の入口と出口を連通させる第2連通孔と、第1連通孔及び第2連通孔を開閉する弁機構とが設けられている。弁機構は、サーモスタット13の内部を流れる冷却水の温度が所定値になるまでは、第1連通孔及び第2連通孔のうち第2連通孔だけを開状態にする。そして、弁機構は、サーモスタット13の内部を流れる冷却水の温度が所定値を超えると、温度の上昇に伴って第1連通孔の開度を大きくすると共に、第2連通孔の開度を小さくし、最終的に、第1連通孔だけを開状態にする。弁機構が作動する温度は、エンジン18の熱効率を考慮して設定されている。
【0053】
ウォーターポンプ14は、流体回路20において冷却水を循環させるポンプである。ウォーターポンプ14の回転軸は、エンジン18のクランクシャフトに連結されている。ウォーターポンプ14は、エンジン18の運転中は、サーモスタット13から冷却水を吸入してウォータージャケット11に吐出する。
【0054】
上記構成より、温度調節システム10では、サーモスタット13の内部を流れる冷却水の温度が所定値を超えると、ラジエーター12に冷却水が流通する。その結果、ラジエーターコア15から温調用流路26に流入した冷却水により、マグネトロン30の本体部31の陽極円筒36が冷却される。
−実施形態1の効果−
【0055】
本実施形態1では、温度調節システム10が、エンジン18を冷却するための冷却水が循環する流体回路20を利用してマグネトロン30の本体部31の温度を調節する。温度調節システム10は、乗物にもともと存在する流体回路20を利用してマグネトロン30の本体部31の温度を調節する。従って、マグネトロン30の使用に伴って必要となる搭載スペースを小さくすることができる。
【0056】
また、本実施形態1では、マグネトロン30の本体部31と熱交換部25が、ラジエーターコア15の占有スペースに位置している。従って、マグネトロン30の使用に伴って必要となる搭載スペースをさらに小さくすることができる。
【0057】
また、本実施形態1では、マグネトロン30に接続された同軸線路がエンジン18の上部に接続され、マグネトロン30がラジエーター12の上部に取り付けられている。このため、同軸線路(同軸ケーブル)の取り回しが容易になる。
【0058】
また、本実施形態1では、マグネトロン30がラジエーターコア15の隅角部に配置されているので、マグネトロン30の取り付けに伴ってラジエーター12を通過する空気の圧力損失が増大することを抑制することができる。
−実施形態1の変形例1−
【0059】
実施形態1の変形例1について説明する。この変形例1では、温調用流路26が、ラジエーターコア15の下流側に接続されている。温調用流路26は、ラジエーターコア15のロアタンク17側に接続されている。従って、温調用流路26をラジエーターコア15の上流側に接続する場合に比べて、マグネトロン30の本体部31を低い温度に調節することができる。
【0060】
なお、ラジエーター12がラジエーターコア15において複数のチューブが水平方向に延びるクロスフロー式又はUターンフロー式である場合には、温調用流路26をラジエーターコア15の下流側に接続しつつ、マグネトロン30をラジエーター12の上部に取り付けることが可能である。
−実施形態1の変形例2−
【0061】
実施形態1の変形例2について説明する。この変形例2では、熱交換部25が、ラジエーター12のラジエーターコア15の冷却フィンにより構成されている(図示省略)。熱交換部25は、複数枚の冷却フィンにより構成されている。各冷却フィンは、マグネトロン30の本体部31の外周面に接続されている。マグネトロン30の本体部31の温度は、熱交換部25に接触する空気の温度に応じて調節される。
【0062】
このように、この変形例2では、マグネトロン30の温度調節システム10が、エンジン18を冷却するための冷却水が循環する流体回路20のラジエーター12を利用してマグネトロン30の本体部31の温度を調節する。温度調節システム10は、乗物にもともと存在するラジエーター12を利用してマグネトロン30の本体部31の温度を調節する。従って、マグネトロン30の使用に伴って必要となる搭載スペースを小さくすることができる。
《実施形態2》
本実施形態2について説明する。本実施形態2では、温調用流路26が、流体回路20において配管部分に接続されている。
【0063】
具体的に、温調用流路26は、低温側回路22に接続されている。図4に示すように、低温側回路22は、主回路51と、該主回路51に並列に接続された並列回路52とを備えている。温調用流路26は、並列回路52に接続されている。
−実施形態2の効果−
【0064】
本実施形態2では、ラジエーター12において冷却された冷却水とマグネトロン30の本体部31とが熱交換を行う。従って、マグネトロン30の本体部31の温度を比較的低い温度に調節することができる。
【0065】
なお、並列回路52に、マグネトロン30の作動中だけ開状態に設定される開閉弁を設けても良い。これにより、マグネトロン30の停止中における低温側回路22の圧力損失を低減させることができる。
−実施形態2の変形例1−
【0066】
実施形態2の変形例1について説明する。この変形例1では、図5に示すように、温調用流路26が、低温側回路22だけでなく、バイパス回路23にも接続されている。温調用流路26では、低温側回路22から冷却水が流入する第1状態と、バイパス回路23から冷却水が流入する第2状態とが切り替わる。
【0067】
具体的に、流体回路20には、低温側回路22から分岐した第1分岐回路53と、バイパス回路23から分岐した第2分岐回路54と、第1分岐回路53及び第2分岐回路54に接続する切替機構55と、温調用流路26とウォーターポンプ14の吸入側とを連通させる出口側回路57とが設けられている。
【0068】
切替機構55は、サーモスタット13に連動して、第1分岐回路53と温調用流路26とを連通させる第1状態と、第2分岐回路54と温調用流路26とを連通させる第2状態とに切り替わる三方弁である。具体的に、切替機構55は、サーモスタット13において弁機構が低温側回路22の冷却水の通過を許容する場合には第1状態に切り替えられる。第1状態では、低温側回路22から温調用流路26へ冷却水が流入する。一方、切替機構55は、サーモスタット13において弁機構が低温側回路22の冷却水の通過を禁止する場合(サーモスタット13において弁機構がバイパス回路23の冷却水の通過を許容する場合)には第2状態に切り替えられる。第2状態では、バイパス回路23から温調用流路26へ冷却水が流入する。温調用流路26を通過した冷却水は、流体回路20においてサーモスタット13とウォーターポンプ14との間に流入する。
【0069】
この変形例1では、エンジン18から流出した冷却水がラジエーター12を流れる場合には、ラジエーター12を通過した冷却水によりマグネトロン30の本体部31の温度が調節され、エンジン18から流出した冷却水がバイパス回路23を流れる場合には、バイパス回路23から流入した冷却水によりマグネトロン30の本体部31の温度が調節される。ここで、流体回路20では、エンジン18から流出した冷却水が全てバイパス回路23を流れる場合がある。つまり、ラジエーター12に冷却水が流れない場合がある。このような場合、ラジエーター12を通過した冷却水でしかマグネトロン30の本体部31の温度を調節できない構成であれば、流体回路20の冷却水によりマグネトロン30の本体部31の温度を調節できない状態になる。これに対して、この変形例1では、エンジン18から流出した冷却水がラジエーター12とバイパス回路23のどちらを流れる場合であっても、流体回路20の冷却水によりマグネトロン30の本体部31の温度を調節できる。従って、マグネトロン30の本体部31の温度を常に適切な温度に調節することができる。
−実施形態2の変形例2−
【0070】
実施形態2の変形例2について説明する。この変形例2では、上記実施形態2の変形例1の切替機構55の代わりに、第1分岐回路53から温調用流路26に流入する冷却水の流量と第2分岐回路54から温調用流路26に流入する冷却水の流量との比率を調節する混合弁58が設けられている。上記実施形態2の変形例1と同様に、第1分岐回路53は低温側回路22から分岐し、第2分岐回路54はバイパス回路23から分岐している。
【0071】
他方、流体回路20には、温調用流路26に流入する冷却水の温度を計測する温度センサが設けられている。混合弁58は、温度センサの計測値が一定値になるように、第1分岐回路53から温調用流路26に流入する冷却水の流量と第2分岐回路54から温調用流路26に流入する冷却水の流量との比率を調節する。
【0072】
なお、第1分岐回路53及び第2分岐回路54は、流体回路20において冷却水が循環している間に亘って冷却水が流れる箇所から分岐させてもよい。例えば、第1分岐回路53は、高温側回路21においてバイパス回路23の接続箇所の上流から分岐させてもよい。第2分岐回路54は、サーモスタット13とウォーターポンプ14の間から分岐させてもよい。
−実施形態2の変形例3−
【0073】
実施形態2の変形例3について説明する。この変形例3では、図6に示すように、温調用流路26が、流体回路20において低温側回路22とバイパス回路23との接続箇所よりもエンジン18側の位置に接続されている。つまり、温調用流路26は、サーモスタット13とウォーターポンプ14の間に接続されている。サーモスタット13とウォーターポンプ14の間には、主回路51と、該主回路51に並列に接続された並列回路52とが設けられている。温調用流路26は、並列回路52に接続されている。なお、上記実施形態2と同様に、並列回路52に、マグネトロン30の作動中だけ開状態に設定される開閉弁を設けても良い。
【0074】
この変形例3では、温調用流路26が、エンジン18から流出した冷却水がラジエーター12とバイパス回路23のどちらを流れる場合であっても冷却水が流れる位置に接続されている。従って、マグネトロン30の本体部31の温度を常に適切な温度に調節することができる。
−実施形態2の変形例4−
【0075】
実施形態2の変形例4について説明する。この変形例4では、温調用流路26が、高温側回路21においてバイパス回路23の接続箇所よりもエンジン18側の位置に接続されている。
《その他の実施形態》
上記実施形態は、以下のように構成してもよい。
【0076】
上記実施形態において、熱交換部25が、温調用流路26を流れる冷却水とマグネトロン30の本体部31の永久磁石45とを熱交換させるように構成されている。図7に示すように、熱交換部25には、永久磁石45の外周面に当接する磁石用冷却板27が上下にそれぞれ設けられている。磁石用冷却板27によれば、温調用流路26を流れる冷却水により、マグネトロン30の本体部31の永久磁石45の温度が調節される。従って、寒冷地においてマグネトロン30の本体部31の永久磁石45の温度が低くなりすぎる場合には、永久磁石45を適正な温度に加熱できるし、マグネトロン30の本体部31の永久磁石45の温度が高くなりすぎる場合には、永久磁石45を適正な温度に冷却できる。
【0077】
また、上記実施形態において、マグネトロン30を車に搭載するにあたって、マイクロ波の発振部として、マグネトロン30、導波管、及び同軸変換出力部を一体化してもよい。
【0078】
また、上記実施形態において、同軸導波管変換器37を車体に一体化してもよい。
【0079】
また、上記実施形態において、マグネトロン30と同軸導波管変換器37との接続部をフレキシブル構造(例えば、ベローズ)にしてもよい。
【0080】
また、上記実施形態において、車の衝突を検知した場合にマグネトロン30への給電を停止する手段を設けてもよい。例えば、制御装置106が、車の衝突を検知する衝突検知回路と、該衝突検知回路において車の衝突が検知された場合にマグネトロン30への給電を停止する給電停止回路とを備えていてもよい。また、車の衝突を検知した場合に、バッテリー101とパルス電源104とを接続する電線を切断する切断装置を設けてもよい。
【0081】
また、上記実施形態において、マグネトロン30から出力されたマイクロ波をエンジン18の排気管に供給してもよい。例えば、エンジン18の排気管においてマイクロ波プラズマを発生させる排ガス処理装置にマグネトロン30を使用してもよい。また、排気管に設けられた触媒の昇温にマグネトロン30を使用してもよい。
【0082】
さらに、高周波発生装置としては、マイクロ波を発生させる手段としてマグネトロンの代わりに、半導体を用いた発振器など、ソリッドステート発振器も採用可能である。
【0083】
例えば、図8、図9は、マグネトロンの代わりに、ソリッドステート発振器を用いた高周波発生装置H2の変形例である。この変形例の高周波発生装置H2は、図9に示すように本体部61を備えている。そして、この本体部61において、基板62の上に図略のソリッドステート発振器が設けられ、このソリッドステート発振器の増幅器63がマイクロ波を発生させるように構成されている。また、本体部61で発生したマイクロ波を外部に出力する同軸コネクタ67が接続されている。
【0084】
さらに、この変形例では高周波発生装置H2のソリッドステート発振器の増幅器63(発熱部)を冷却するために、基板62の背面に複数のフィン64が設けられる一方、流体が流れる温調用流路76が内部に形成された熱交換部75が、基板62の背面に取り付けられている。熱交換部75は、温調用流路76を流れる流体とソリッドステート発振器の増幅器63とを熱交換させるための部材である。このように熱交換部75が、基板62の背面に設けられ、温調用流路76に冷却用の流体が流れることにより、流体とソリッドステート発振器の増幅器63との熱交換が行われる。
【0085】
そして、この高周波発生装置H2は、図8に示すように、エンジン18の冷却システムを構成するラジエーター12に取り付けられる。
【0086】
なお、高周波発生装置はマイクロ波などの電磁波の高周波を発生させるものに限らない。例えば高周波の交流電流など電場の高周波を発生させるものにも適用可能である。また、高周波発生装置の温度調節システムとしても、これら電場の高周波を発生させるものの昇圧回路を冷却するものなどに適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0087】
以上説明したように、本発明は、マグネトロンの本体部の温度を調節するための温度調節システムについて有用である。
【符号の説明】
【0088】
H1、H 2 高周波発生装置
10 高周波発生装置の温度調節システム
18 エンジン
20 流体回路
25、75 熱交換部
26、76 温調用流路
30 マグネトロン
31、63 発熱部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高周波発生装置の発熱部の温度を調節するための温度調節システムであって、
エンジンを冷却するための流体が循環する流体回路と、
上記高周波発生装置の発熱部の周囲に設けられ、上記流体回路に接続された温調用流路が形成されて、該温調用流路を流通する流体と上記高周波発生装置の発熱部とを熱交換させる熱交換部とを備えている
ことを特徴とする高周波発生装置の温度調節システム。
【請求項2】
請求項1において、
上記流体回路には、上記エンジンにおいて加熱された流体を冷却するためのラジエーターが設けられる一方、
上記温調用流路は、上記流体回路において上記ラジエーターから上記エンジンへ向かう流体が流れる低温側回路に接続されている
ことを特徴とする高周波発生装置の温度調節システム。
【請求項3】
請求項2において、
上記流体回路には、上記ラジエーターをバイパスするバイパス回路と、流体の温度に応じてエンジンから流出した流体の流路を上記ラジエーターと上記バイパス回路との間で切り替える切替手段とが設けられる一方、
上記温調用流路は、上記バイパス回路に接続され、
上記温調用流路では、上記低温側回路から流体が流入する第1状態と、上記バイパス回路から流体が流入する第2状態とが切り替わる
ことを特徴とする高周波発生装置の温度調節システム。
【請求項4】
請求項1において、
上記流体回路には、上記エンジンにおいて加熱された流体を冷却するためのラジエーターが設けられる一方、
上記温調用流路は、上記ラジエーターのラジエーターコアに接続されている
ことを特徴とする高周波発生装置の温度調節システム。
【請求項5】
請求項4において、
上記高周波発生装置は、その発熱部が上記熱交換部と共にラジエーターコアを貫通するようにラジエーターに取り付けられている
ことを特徴とする高周波発生装置の温度調節システム。
【請求項6】
請求項5において、
上記高周波発生装置は、上記エンジンの上部に接続された同軸線路を介して燃焼室へマイクロ波を供給する一方、
上記高周波発生装置は、上記ラジエーターの上部に取り付けられている
ことを特徴とする高周波発生装置の温度調節システム。
【請求項7】
請求項1において、
上記流体回路には、上記エンジンにおいて加熱された流体を冷却するためのラジエーターと、該ラジエーターをバイパスするバイパス回路と、流体の温度に応じてエンジンから流出した流体の流路を上記ラジエーターと上記バイパス回路との間で切り替える切替手段とが設けられる一方、
上記温調用流路は、上記流体回路において上記ラジエーターから上記エンジンへ向かう流体が流れる低温側回路と上記バイパス回路との接続箇所よりも上記エンジン側に接続されている
ことを特徴とする高周波発生装置の温度調節システム。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか1つにおいて、
上記高周波発生装置は、マグネトロンを備え、
上記熱交換部は、上記温調用流路を流れる流体と上記マグネトロンの永久磁石とを熱交換させる
ことを特徴とする高周波発生装置の温度調節システム。
【請求項9】
高周波発生装置の発熱部の温度を調節するための温度調節システムであって、
エンジンを冷却するための流体が循環する流体回路と、
上記流体回路においてエンジンで加熱された流体を冷却するためのラジエーターと、
上記ラジエーターのラジエーターコアのうち、流体が流れるチューブ間に接続された冷却フィンにより構成され、上記高周波発生装置の発熱部の外周面に接続されて、空気と上記高周波発生装置の発熱部とを熱交換させる熱交換部とを備えている
ことを特徴とする高周波発生装置の温度調節システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2011−238601(P2011−238601A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−88378(P2011−88378)
【出願日】平成23年4月12日(2011.4.12)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成22年度 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 「エネルギー使用合理化技術戦略的開発/エネルギー使用合理化技術実用化開発/マイクロ波プラズマ燃焼エンジンの研究開発」に関する共同研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(504293528)イマジニアリング株式会社 (51)
【Fターム(参考)】