説明

高周波装置

【課題】本発明はシールドのために枠体やシールドカバーなどの準備・組み立てが不要であり、生産性の良好なチューナを提供することを目的とするものである。
【解決手段】本発明は、この課題を解決するために上下方向が開放された回路基板12に搭載された金属製の固定具13と、この固定具13に固定される高周波コネクタ3と、高周波コネクタ3に入力された信号が入力されるとともに、回路基板12に装着された高周波モジュール15とを備え、高周波モジュール15の天面と側面は金属シールド膜34で覆われ、固定具13は高周波コネクタ3の信号端子3aを覆うように形成されるとともに、固定具13と金属シールド膜34とはともに回路基板12のグランドへと接続されたものである。これにより、高周波モジュール15単独でシールドされ、最も妨害に弱い入力端子15aと信号端子3aとの間もしっかりとシールドできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高周波コネクタに入力された高周波信号を処理する高周波装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
以下、従来のチューナ(高周波装置の一例として用いた)について図面を用いて説明する。図5(a)は従来のチューナ1の上面図であり、図5(b)は、同断面図である。図5(a)、(b)において従来のチューナ1は、上下方向に開口部を有した金属製の枠体2には高周波コネクタ3が固定され、この枠体2内に回路基板4が嵌合される。そしてこの回路基板4上には電子部品5が直接搭載され、高周波回路が形成される。チューナ1には受信する周波数以外の信号を除去する入力フィルタ部や、受信する高周波信号をIF信号へと変換する周波数変換部や、周波数変換部から出力されたIF信号を処理するIF回路などの回路ブロックを含んでいる。
【0003】
そして、これらの回路ブロック間は仕切り板6により仕切られ、各回路ブロック間での信号の妨害などを防止する。具体的には、この仕切り板6は枠体2に対し連結部によって一体的に連結され、さらに仕切り板6と回路基板4のグランドとがはんだなどによって接続されることによって、回路ブロック間のシールドが行われる。
【0004】
さらに、枠体2の上下の開口部を覆うように金属製のシールドカバー7が装着されることにより、高周波回路がシールドされるものである。
【0005】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平6−284024号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら従来のチューナでは、高周波回路をシールドするために非常に複雑な形状をなした仕切り板6が一体に形成された枠体2を準備したり、枠体2の開口部を覆うためにシールドカバー7などの装着が必要であり、非常に生産性が悪いという課題を有していた。
【0008】
そこで本発明は、この問題を解決したもので、生産性の良好な高周波装置を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的を達成するために上下方向が開放された回路基板と、この回路基板に搭載された固定具と、この固定具に固定されるとともに、高周波信号が供給される高周波コネクタと、この高周波コネクタに入力された信号が入力されるとともに、前記回路基板に装着された高周波モジュールと、少なくともこの高周波モジュールの出力に接続されるとともに、前記回路基板に搭載された出力端子とを備え、前記高周波モジュールの天面と側面は金属製のシールド部材で覆われるとともに、少なくとも前記固定具の表面は導電性を有し、前記固定具は前記高周波コネクタの信号端子を覆うように形成されるとともに、前記固定具と前記シールド部材とはともに前記回路基板のグランドへと接続されたものである。これにより所期の目的を達成することができる。
【発明の効果】
【0010】
以上のように本発明によれば、上下方向が開放された回路基板と、この回路基板に搭載された固定具と、この固定具に固定されるとともに、高周波信号が供給される高周波コネクタと、この高周波コネクタに入力された信号が入力されるとともに、前記回路基板に装着された高周波モジュールと、少なくともこの高周波モジュールの出力に接続されるとともに、前記回路基板に搭載された出力端子とを備え、前記高周波モジュールの天面と側面はシールド部材で覆われるとともに、少なくとも前記固定具の表面は導電性を有し、前記固定具は前記高周波コネクタの信号端子を覆うように形成されるとともに、前記固定具と前記シールド部材とはともに前記回路基板のグランドへと接続された高周波装置である。
【0011】
これにより、高周波モジュールは単独でシールドされるとともに、高周波コネクタの信号端子も固定具によってシールドされ、これらが回路基板のグランドへ接続されているので、枠体やシールドカバーなどによって回路基板全体を覆う必要がない。従って、枠体やシールドカバーなどを準備、装着する必要がなく、非常に生産性の良好な高周波装置を実現できる。
【0012】
さらに、高周波コネクタは固定具に固定されるので、コネクタへケーブルなどを着脱するときに力がかかっても高周波コネクタが外れたりすることも発生しにくくできる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】(a)本実施の形態におけるチューナの断面図、(b)同、上面図
【図2】同、チューナの要部拡大断面図
【図3】第2の例におけるチューナの断面図
【図4】第3の例におけるチューナの上面図
【図5】(a)従来のチューナの上面図、(b)同、断面図
【発明を実施するための形態】
【0014】
(実施の形態1)
以下、本実施の形態におけるチューナ11(高周波装置の一例として用いた)について、図面を用いて説明する。図1(a)は、本実施の形態におけるチューナの断面図であり、図1(b)は、同、チューナの上面図である。図2は、同チューナに用いる高周波モジュールの断面図である。なお図1(a)、図1(b)、図2において、図5と同じものには同じ番号を用い、その説明は簡略化している。図1(a)、図1(b)において、本実施の形態におけるチューナ11は、回路基板12、固定具13、高周波コネクタ3、高周波モジュール15、入出力コネクタ16(出力端子の一例として用いた)とを含んでいる。
【0015】
本実施の形態における回路基板12は上面側に配線パターンが形成された片面基板であり、その上下方向や側方は開放されている(従来のように枠体2やシールドカバー7で覆われない)。そしてこの回路基板12上には、固定具13、高周波コネクタ3の信号端子3a、高周波モジュール15、入出力コネクタ16(出力端子の一例として用いた)などが装着されている。ここで、これら固定具13、信号端子3a、高周波モジュール15や入出力コネクタ16は、はんだなどによって回路基板12上に形成された配線パターンへと接続される。本実施の形態では、回路基板12に片面基板を用いているので、非常に安価なチューナ11を得ることができる。なお回路基板12には、両面基板や多層基板などを用いてもよい。その場合、配線領域を小さくできるので、小型なチューナ11を実現できる。
【0016】
固定具13は、高周波信号が入力される高周波コネクタ3が装着されるものであり、金属製の薄板を折り曲げることにより形成される。つまり固定具13には、天面と、この天面の周縁部から下方に立設された4面の側面が形成され、下方側にのみ開口部を有した形状となる。そして固定具13は開口部側が回路基板12を向くように装着される。固定具13に囲まれた領域には信号端子3aへ入力された高周波信号を高周波モジュール15の入力端子15aへ供給する配線が形成される。ここでこの固定具13に囲まれた領域には入力された高周波信号を分配する分配回路(入力回路の一例として用いた)などのような、信号端子3aと入力端子15aとの間に挿入される高周波回路なども含んで構成される。なお、本実施の形態においては、分配回路は回路基板12の上面に装着された電子部品17によって形成されている。そして、これらの分配回路を形成する電子部品17や配線は、固定具13によって囲まれた構成となっている。
【0017】
ここで、固定具13の下方端(開口部)は回路基板12へはんだなどによって接続される。これにより、固定具13は機械的に回路基板12へ固定されるとともに、高周波コネクタ3のグランド(外殻部)と回路基板12上に形成されたグランドパターンとが電気的に接続される。ここで、固定具13は金属製であるので、その表面は導電性である。そしてこのようにすることで、高周波コネクタ3の信号端子3aは固定具13によって囲まれる(覆われる)こととなる。したがって、不要な高周波信号(いわゆる妨害波)などが信号端子3aや分配回路へ飛び込むことを防止することができる。
【0018】
本実施の形態において高周波コネクタ3は、いわゆるF型接栓であり、TV放送受信用アンテナなどで受信した高周波信号がケーブルを介して供給される。そのために、ケーブルの先端に高周波プラグが装着され、このプラグと高周波コネクタ3とが嵌め合わされて、接続されることによってアンテナで受信した高周波信号がチューナ11へ供給される。なおこのプラグの脱着時に高周波コネクタ3にはストレスが加わる。そのために高周波コネクタ3を固定具13へかしめなどによって確実に固定し、かつその固定具13を回路基板12へと固定している。これにより、たとえプラグの脱着時にストレスなどが加わっても、高周波コネクタ3が外れにくくなる。
【0019】
本実施の形態では、この固定具13の天面に高周波コネクタ3が固定されているが、これは側面に固定してもかまわない。また、高周波コネクタ3は固定具13に対し、高周波コネクタ3の外殻部をかしめなどによって固定しているが、これははんだなどによって固定してもかまわない。
【0020】
本実施の形態において、高周波コネクタ3の信号端子3aと高周波モジュール15の入力端子15aとの間は、回路基板12の上面に形成された接続パターンを介して接続され、高周波コネクタ3に入力された信号が高周波モジュール15へと供給される。なお、回路基板12に両面基板を用いた場合、信号端子3aと入力端子15aとの間の接続パターンを上面に配線し、この配線パターンの裏側にはグランドパターンを形成する。あるいは、回路基板12に対し多層基板を用いた場合、信号端子3aと入力端子15aとの間の接続パターンを内層に配線し、その上下にグランドパタ−ンを配線するとよい。これにより高周波信号の漏洩などが少なく、安定した受信性能のチューナ11を実現できる。
【0021】
入出力コネクタ16は、回路基板12に設けられた配線パターンを介して、高周波モジュール15の電源端子や出力端子に接続される。
【0022】
次に、回路基板12上に装着される高周波モジュール15について、図を用いて詳細に説明する。図2は、本実施の形態における高周波モジュール15を回路基板12へ装着した状態のチューナ11の要部拡大断面図である。図2において、高周波モジュール15は、配線基板31、電子部品32、樹脂部33、金属シールド膜34(シールド部材の一例として用いた)、接続パッド35とを含んでいる。
【0023】
本実施の形態において配線基板31は多層基板であり、内層のうちの1層をグランド層31aとしている。この配線基板31の上面には電子部品32が実装される接続ランドが形成されている。この接続ランド上には、電子部品32がはんだによって接続・固定され、配線基板31上に高周波回路が形成される。一方、配線基板31の下面には、回路基板12と接続するために複数個の接続パッド35が形成されている。なお本実施の形態においては、左端の接続パッド35を高周波モジュール15の入力端子15aとして用いている。ここで、本実施の形態において、配線基板31上に形成される高周波回路は、受信する周波数以外の信号を除去する入力フィルタ部や、受信する高周波信号IF信号(中間周波信号)へと変換する周波数変換部や、周波数変換部から出力されたIF信号を処理するIF回路(中間周波フィルタや、中間周波増幅器)などの回路ブロックを含んでいる。
【0024】
なお周波数変換部や入力フィルタの一部などは、半導体上で形成され、フリップチップ実装などの方法で配線基板31上に搭載される。ここで、このような半導体では、一般的にRCによるフィルタなどが用いられるため、回路ブロック間の仕切りなどは設けずとも、妨害が生じにくくなっていると推測される。
【0025】
次に樹脂部33は、配線基板31の上面側に形成され、その内部に電子部品32が埋設されている。本実施の形態では、樹脂部33の側面と配線基板31の側面とは同一直線上に並んで位置している。そして、これら樹脂部33と配線基板31との側面(高周波モジュール15の側面)および樹脂部33の上面(高周波モジュール15の天面)とには、金属シールド膜34が形成されている。なお、金属シールド膜34は、配線基板31の側面において下端部まで形成されているので、高周波回路を確実にシールドすることができる。ここでグランド層31aは、配線基板31の側面において露出し、金属シールド膜34と接続されている。これにより、金属シールド膜34は、内層のグランド層31aを介して高周波モジュール15の下面のグランド端子38へと接続される。なお本実施の形態においては、右端の接続パッド35を高周波モジュール15のグランド端子38として用いている。
【0026】
ここで本実施の形態における金属シールド膜34は、スパッタによって形成している。したがって、非常に緻密な膜を形成でき、非常に良好なシールド性を実現することができる。なお金属シールド膜34には、金属メッキや導電性ペーストなどによって膜を形成してもよい。金属メッキにより膜を形成した場合、厚みの厚い膜を形成できるので、傷などにより樹脂部33が露出しにくくできる。一方導電性ペーストを用いた場合、スパッタに比べて非常に生産性が良好であるので、安価なチューナ11を実現できる。
【0027】
そして本実施の形態では、高周波モジュール15は回路基板12に対し固定具13と同一の面側に装着される。そのために回路基板12には、接続パッド35のそれぞれに対応する位置に、搭載ランド37が形成され、はんだ36を介して、接続パッド35と搭載ランド37とが接続される。これによって、回路基板12と高周波モジュール15が接続され、信号端子3aと入力端子15a、高周波モジュール15のデータ入力端子、IF周波信号の出力端子、電源端子などと入出力コネクタ16、さらに高周波モジュール15のグランド端子38や金属シールド膜34と回路基板12のグランドとがそれぞれに接続されることとなる。これにより、高周波モジュール15の天面と側面とは、金属シールド膜34で覆われ、さらに金属シールド膜34は回路基板12のグランドへと接続されているので、高周波モジュールをしっかりとシールドすることができる。
【0028】
以上のように、高周波モジュール15の天面と側面全体に形成された金属シールド膜34によって、高周波モジュール15の高周波回路はシールドされ、固定具13によって高周波コネクタ3の信号端子3aはシールドされる。しかしながら、本実施の形態におけるチューナ11では枠体2やシールドカバー7を用いないので、この信号端子3aと入力端子15aとの間の分配回路や配線も確実にシールドすることが重要である。そこで、本実施の形態におけるチューナ11では、高周波モジュール15の入力端子15aが固定具13で覆われるような位置に配置する。そしてもちろんこの場合、入力端子15aと信号端子3aとの間の配線や分配回路すべても固定具13に覆われるようにする。これにより、回路基板12全体を覆うような枠体2やシールドカバー7などを用いなくても良好なシールド性を得ることができ、信号端子3aと入力端子15aとの間への妨害信号の進入などを少なくできる。したがって、枠体2やシールドカバー7などの準備や、組み立てなどが不要となり、生産性の良好なチューナ11を実現できる。
【0029】
本実施の形態では、回路基板12には片面基板を用いたが、これは両面基板を用いても良い。この場合、信号端子3aと入力端子15aとの間の配線や、分配回路を形成する電子部品を上面に装着し、それら配線や電子部品に対応する位置の下面をグランドにしておくことにより、さらにしっかりとシールドを得ることができる。また回路基板12には多層基板を用いても良い。この場合、信号端子3aと入力端子15aとの間の配線は可能な限り内層で配線し、回路を形成する電子部品は回路基板12の上面に装着する。そして、両面の場合と同様にそれらに対応する位置の下面をグランドにしておくことにより、さらにしっかりとシールドを得ることができる。
【0030】
そして以上の構成においては、入力端子15aが固定具13で覆われるように配置されているので、高周波モジュール15の天面の一部は、固定具13によって覆われることとなる。つまり、固定具13の4つの側面のうちの少なくとも1面を除いた側面が、高周波モジュール15の上方に配置されることとなる。このとき、側面と高周波モジュール15の天面との間には隙間を設けておくとよい。これにより、着脱などにより高周波コネクタ3に負荷が加わっても、高周波モジュール15に負荷が加わりにくくできるので、高周波モジュール15と回路基板12との間を長期間安定して接続を維持できる。
【0031】
本実施の形態における回路基板12は片面基板であるが、多層基板を用いれば、さらに良好なシールドを得ることができる。そのためには、信号端子3aと入力端子15aとの間を内層で配線するとよい。さらに信号端子3aと入力端子15aとの間の接続パターンは、グランドパターンによって囲まれるようにしておくとさらに良好なシールド性を得ることができる。
【0032】
ここで、配線基板31や回路基板12において入力端子15a自身やこの入力端子15aに対応する搭載ランド37の周囲にもグランドパターンを形成しておくことが望ましい。これによって、入力端子15aへの妨害を少なくできる。そしてさらには、それら周囲のグランドパターン上にも接続パッド35や搭載ランド37を設け、それらの間をはんだなどによって接続するとさらに良い。これによりさらに、入力端子15aへの妨害を少なくできる。
【0033】
また、回路基板12において、高周波モジュール15への信号配線部分を除き、高周波モジュール15の周縁部に対応する位置にグランドパターンを配線しておくと良い。これは高周波モジュール15では、スパッタにより金属シールド膜34が配線基板31の側面下端まで形成されるので、回路基板12のグランドと金属シールド膜34との間の隙間を小さくできる。したがって、しっかりとシールドできる。ただし、この場合高周波モジュール15の下面と回路基板12の上面との間の隙間の大きさは、少なくとも受信する周波数の最も高い周波数に対する波長の長さの1/4以下とすることが望ましい。さらに信号配線を介して離れたグランドパターン同士の距離も上記波長の1/4以下の寸法としておけば、さらに良好なシールドを得ることができる。
【0034】
さらに高周波モジュール15の下面の周縁部にグランドパターンを設ければ、高周波回路の周囲が完全にグランドで覆われることとなるので、この場合もしっかりと高周波回路をシールドできる。
【0035】
なお、さらに良好なシールド性を得るためには、回路基板12上における高周波モジュール15の外周に沿って、グランドと接続された搭載ランド37を形成し、金属シールド膜34とその搭載ランド37との間を直接はんだ付けすることが望ましい。そしてその場合、回路基板12に多層基板を用いれば、高周波モジュール15への信号などの配線は内層を介して配線できるので、高周波モジュール15の周囲全周において、金属シールド膜34を回路基板12のグランドへと接続することができ、さらに確実にシールドできる。
【0036】
図3は、他の例におけるチューナの断面図である。なお図3において、図1と同じものには同じ番号を用い、その説明は簡略化している。図3において回路基板12は、両面基板もしくは多層基板を用いる。そして、固定具13を回路基板12の下面側へと装着した例である。この例の場合においても高周波モジュール15は、入力端子15aが固定具13で囲まれた領域へ対応する位置に装着する。これにより、信号端子3aから入力端子15aまでをしっかりとシールドできる。なおこの場合、固定具13で囲まれた領域内において、スル−ホールなどにより、入力端子15aに対応する搭載ランド37は回路基板12の下面へと導出される。
【0037】
なお本実施の形態における回路基板12には、1つの高周波モジュール15のみを装着したが、これは2個以上の高周波モジュールを装着しても良い。ただし、他の高周波モジュール(図示せず)も、天面と側面とが金属シールド膜34によって覆われたものを用いる。これにより、高周波モジュール15、他の高周波モジュールともにしっかりとシールドできているので、それらの間での干渉などが発生しにくくなる。たとえば、他の高周波モジュール内に高周波モジュール15から出力されたIF周波数信号が供給される復調回路などを形成すれば、復調回路内の高周波デジタル信号(クロックなど)の、高周波モジュール15内の回路への妨害などを生じにくくできる。
【0038】
図4は第3の例におけるチューナ11の上面図である。なお図4において、図1と同じものには同じ番号を用い、その説明は簡略化している。図4は、他の高周波モジュールとして高周波モジュール15と同じものを用いた場合であり、これら2つの高周波モジュール15によっていわゆるダイバーシティ形式の受信をするものである。これにより、高周波モジュール15同士での干渉を少なくできる。そしてこの場合、固定具13は双方の入力端子15aを覆うような大きさとしておくことが必要である。そのために、固定具13の幅51は、双方の入力端子15aの距離52よりも大きくしておく。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明にかかる高周波装置は、生産性が良好であるという効果を有し、たとえばTV放送を受信するチューナ等に用いると有用である。
【符号の説明】
【0040】
3 高周波コネクタ
3a 信号端子
12 回路基板
13 固定具
15 高周波モジュール
16 入出力コネクタ
34 金属シールド膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向が開放された回路基板と、この回路基板に搭載された固定具と、この固定具に固定されるとともに、高周波信号が供給される高周波コネクタと、この高周波コネクタに入力された信号が入力されるとともに、前記回路基板に装着された少なくとも1つ以上の高周波モジュールと、この高周波モジュールの出力に接続されるとともに、前記回路基板に搭載された出力端子とを備え、前記高周波モジュールの天面と側面は金属製のシールド部材で覆われるとともに、少なくとも前記固定具の表面は導電性を有し、前記固定具は前記高周波コネクタの信号端子を覆うように形成されるとともに、前記固定具と前記シールド部材とはともに前記回路基板のグランドへと接続された高周波装置。
【請求項2】
固定具は金属製とした請求項1に記載の高周波装置。
【請求項3】
高周波モジュールは、少なくとも前記高周波モジュールの入力端子が回路基板において固定具で覆われた領域に配置された請求項2に記載の高周波装置。
【請求項4】
コネクタの信号端子と高周波モジュールの入力端子との間を接続する接続パターンは、回路基板において固定具で覆われた領域に配線された請求項3に記載の高周波装置。
【請求項5】
配線パターンの裏面にはグランドパターンが形成された請求項4に記載の高周波装置。
【請求項6】
高周波モジュールと固定具とは回路基板において同一の面側に搭載されるとともに、前記高周波モジュールは前記高周波モジュールの一部のみが前記固定具に覆われる請求項3に記載の高周波装置。
【請求項7】
固定具には天面と、この天面の一方の周端部に立設して設けられた第1の側面と、前記天面の残る3辺の周端部に前記第1の側面と同じ方向へと立設された第2の側板とを有し、入力端子が前記天板と前記第1および第2の側板とで囲まれた領域に配置されるように装着され、少なくとも前記第2の側面のいずれかひとつは前記モジュール天面の上方となる位置に配置された請求項6に記載の高周波装置。
【請求項8】
高周波モジュールの上方に設けられた第2の側板と前記高周波モジュールの天面との間には隙間が形成された請求項7に記載の高周波装置。
【請求項9】
回路基板には電子部品が実装され、前記電子部品によって少なくとも前記コネクタと前記高周波モジュールとの間に挿入される入力回路が形成され、前記電子部品は固定具にて覆われた請求項4に記載の高周波装置。
【請求項10】
電子部品の位置の裏面にはグランドパターンが形成された請求項9に記載の高周波装置。
【請求項11】
回路基板には、高周波モジュールの出力が供給されたモジュールが装着され、前記モジュールの天面と側面とはシールド部材で覆われた高周波装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−108719(P2011−108719A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−259633(P2009−259633)
【出願日】平成21年11月13日(2009.11.13)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】