説明

高周波誘電加熱定着装置及び画像形成装置

【課題】 高周波電界を用いて記録材の温度を上昇させ、その温度でトナーを溶融定着し良好な定着画像と共に省エネルギを実現する高周波誘電加熱定着装置及び画像形成装置を提供すること。
【解決手段】 記録材の搬送手段を具え、記録材に担持されるトナー像を複数の電極群によって発生する高周波電界により定着させる高周波誘電加熱定着装置において、複数の電極群25,26は、搬送手段の記録材の載置面を挟んで一方の側の電極が同じ極性で、他方の側の電極が一方の側の電極と極性が異なる同じ極性になっており、かつ記録材Pの搬送方向においては極性が互い違いとなるように配列されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複写機、レーザープリンター等の画像形成装置用の定着装置、特に現像剤を胆持した記録材を高周波電界により定着させる高周波誘電加熱定着装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、複写機、レーザープリンター等の画像形成装置用の定着装置は、ヒータを有する加熱ローラによって加熱された定着ベルト又はヒータを有する加熱ローラと、これに圧接して回転する加圧ローラとで形成されるニップ部によって、現像剤であるトナーを溶融定着する加熱定着方式や、カプセルトナーを用いて圧力のみで加圧定着する加圧定着方式が知られている。
【0003】
しかしながら、前者のいずれの方式も熱源としてヒータが用いられており、電源を投入してヒータが温まるまでヒータは点滅を繰り返して電力を消費すると共に、起動直後に使用できないという問題がある。これに対して、後者は、ヒータを使用しないため、前者の消費電力等の問題は解消されたが、幅の小さい記録材に対しては過大な圧力によって記録材の端部に、例えば半透明化、高光沢化などの変質を生じたり、幅の大きな記録材に対しては圧力不足によって定着不良が生じたりするという画像品質の問題がある。
【0004】
そこで、前述の方式を廃して、省エネルギを実現でき、且つ良好な画像を得るべく高周波誘導加熱方式を採用した高周波誘電加熱定着装置が提案されている。
【0005】
例えば、図14に示すように、トナー像が担持された記録材Pに噴霧装置31から水などの誘電損失の大きい液体を噴きつけ、高周波発信機32に接続された平行平板電極33a,33bの間に記録材Pを通過させることにより、液体を発熱させてトナー像を定着させる技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
また、図15に示すように、平行平板電極33a,33bの内側に誘電損失の高い物質で形成された板材34a,34bを貼付し、高周波発信機32に接続する。そして、数十メガサイクル以上の高周波を印加し、トナー像が担持された記録材Pを矢印方向に回転する搬送ローラ38によって高周波電界中を搬送する。これにより、記録材Pに含まれている水分、トナーt等を発熱させて定着を行う技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、これらの方式では電極が平板であるため電力ロスが大きく、また電極間でのアークも起きやすいがゆえ、システムがダウンし易いという問題がある。したがって、製品化には至っていない。
【0007】
一方、図16に示すように、家具や建材の接着剤を乾かす目的で高周波が用いられている。すなわち、駆動ローラ39と従動ローラ37の作用によって矢印方向に移動するベルトコンベア35a,35bの下部に導電性金属の棒材で形成された正電極25及び負電極26を複数配置し、ベルトコンベア35a,35bの上を搬送するワーク36の接着剤に数十MHzの高周波を印加して短時間に硬化させる装置が実用化されている。すなわち、ワーク36を挟んで上下対称に配設された環状のエンドレスベルト24a,24bと正電極25a,25b及び負電極26a,26bを設け、正電極25a,25b及び負電極26a,26bの間で高周波を引加する。そして、上下に配設された2本のエンドレスベルト24a,24bでワーク36を挟み込みながら搬送するとワーク36が搬送しながら、接着材は硬化する。なお、ワーク36は住宅用ドアパネルやフローリングの化粧貼り等である(例えば、特許文献3参照)。この技術は、電極列の可及的近傍にワーク36を搬送させ、ワーク36で使用されている接着剤に誘電損失が高い物質を混合し、この接着剤を選択的に加熱することで乾燥硬化させるものである。しかしながら、この技術を複写機の定着装置として使用すると、実用化に至らない。現在、機能性トナーの性能を維持させる混合可能な誘電損失の高い材料は見つかっておらず、このような物質がトナーに混合されていないため、通常の電極と記録材間の距離ではトナーが溶融定着される温度まで温度上昇しない。また、この従来技術はワークが厚いため、2本のエンドレスベルト24a,24bでワーク36を挟んで、上下対称に配設された正電極25a,25b及び負電極26a,26bにより加熱する方式である。これに対して、一般に記録材Pは薄いため、理論上トータルの印加電圧を上げない限り、トナーが溶融定着される温度まで温度上昇しない。
【特許文献1】特公昭43−27584号公報
【特許文献2】特公昭49−38171号公報
【特許文献3】特開平8−96951号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
一般に、現像剤のトナーはポリエステルやポリオールが主成分であるため、高周波誘電加熱定着装置によってトナー自体が選択的に加熱されることはなく、トナーの溶融は起こらない。
【0009】
そこで、この発明は、前記のような従来のものが有する問題点を解決し、現在主流のポリエステルやポリオールを主成分とするトナーを、高周波電界を用いて記録材の温度を上昇させ、その温度でトナーを溶融定着し良好な定着画像と共に省エネルギを実現する高周波誘電加熱定着装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、記録材の搬送手段を具え、記録材に担持されるトナー像を複数の電極群によって発生する高周波電界により定着させる高周波誘電加熱定着装置において、前記複数の電極群は、前記搬送手段の記録材の載置面を挟んで一方の側の電極が同じ極性で、他方の側の電極が一方の側の電極と極性が異なる同じ極性になっており、かつ記録材の搬送方向においては極性が互い違いとなるように配列されていることを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、複数の電極群は、記録材の搬送方向において、記録材の進入側及び排出側で隣接する電極との間隔が中間部より次第に広くなっていることを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、複数の電極群は、記録材の搬送方向と交叉する方向において、記録材の進入側及び排出側で隣接する電極との間隔が中間部より次第に広くなっていることを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明において、複数の電極群は、記録材の搬送方向と交叉する方向において、記録材の進入時には搬送手段の記録材の載置面に接近し、記録材の排出時には搬送手段の記録材の載置面から離間するように接離可能になっていることを特徴とする。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明において、複数の電極群に対して記録材の搬送方向の下流側に、電極群によって加熱された記録材を加圧する加圧部材を具えていることを特徴とする。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の高周波誘電加熱定着装置を装備していることを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0016】
この発明は、前記のようであって、複数の電極群が、前記搬送手段の記録材の載置面を挟んで一方の側の電極が同じ極性で、他方の側の電極が一方の側の電極と極性が異なる同じ極性になっており、かつ記録材の搬送方向においては極性が互い違いとなるように配列されているので、高周波加熱により良好な定着画像が得られると共にヒータを熱源として使わないため省エネルギを実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
この発明を実施するための最良の形態を、添付図面に示す実施形態を参照して説明する
【0018】
図1は、第1実施形態としての高周波誘電加熱定着装置を具えた画像形成装置(フルカラー複写機)の概略全体構成を示す正面図である。
【0019】
フルカラー複写機1は、記録材Pが積載された箱状の給紙カセット2a〜2dを垂直方向に並列して具える給紙部3、露光装置4により帯電された感光体5Y、5M、5C、5K上に光書き込みにより静電潜像を形成し、トナーにより顕像化する画像形成部6、画像形成部6によって顕像化されたトナー像を記録材Pに定着させる高周波誘電加熱定着装置7、シート状の原稿を原稿読み取り部に搬送する原稿搬送部8、光を反射させて原稿を読み取る原稿読取部9を具えている。
【0020】
画像形成部6は、カラートナー像を形成する画像形成ユニット11を具えている。画像形成ユニット11は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に対応して感光体5Y、5M、5C、5Kが具えてい。画像形成ユニット11は、トナーの色のみが相違し他の部分は同一である。感光体5Y、5M、5C、5Kの周囲には、該感光体上に形成された静電潜像を現像剤たるトナーにより顕像化する現像装置12、レーザー照射器13及びミラー14等を具える露光装置4、感光体との間でコロナ放電を発生させ感光体の表面を一様に帯電する帯電ローラ15、所定の電圧をかけて感光体の表面を初期状態にする除電装置(図示せず)、記録材Pに転写しきれず、感光体の表面上に残留したトナーを除去するクリーニング装置16、感光体とで中間転写ベルト17を挟時し、中間転写ベルト17の上にトナー像を転写する1次転写ローラ21等が配設されている。
【0021】
ユーザーは、原稿を原稿搬送部8に載置して不図示のコピースイッチを押下する。すると、原稿は原稿読取部9に搬送されると共に、記録材Pが給紙カセット2から画像形成部6に搬送される。そして、画像形成部6で画像形成された記録材Pは、転写、定着というプロセスを経て排紙トレイ10に排紙される。コピーが終了すると、原稿は原稿搬送部8により原稿読取部9に排出される。
【0022】
図2は、第1実施形態に係る高周波誘電加熱定着装置7の外観を示す斜視図、図3は、図2に示す高周波誘電加熱定着装置7の概略側面図である。この高周波誘電加熱定着装置7は、駆動ローラ22と、該駆動ローラと予め設定された所定距離離れて配設される従動ローラ23を具え、駆動ローラ22と従動ローラ23にはエンドレスベルト24が懸架されている。エンドレスベルト24は、誘電損失の少ない材質、例えばリプロピレンやテフロン(登録商標)からなっている。感光体側であって記録材Pの載置面24cの上側を跨ぐように、導電性金属の棒材をコ字状に形成した正電極25がエンドレスベルト24の幅方向を跨ぐように配設される。正電極25の搬送方向の下流側であってエンドレスベルト24の載置面24cの下側に、導電性金属の棒材をコ字状に形成した負電極26がエンドレスベルト24の幅方向を跨ぐように配設される。同様に負電極26の搬送方向下流には、正電極25、負電極26が順に配設される。したがって、画像形成部6でトナー像が担持された記録材Pは、エンドレスベルト24の記録材Pの載置面24cに載置される。すなわち、複数の電極群25,26は、エンドレスベルト24の記録材の載置面を挟んで一方の側の電極が同じ極性で、他方の側の電極が一方の側の電極と極性が異なる同じ極性になっており、かつ記録材Pの搬送方向においては極性が互い違いとなるように配列されている。
【0023】
画像形成部6で画像形成された記録材Pが矢印方向に搬送され、不図示のセンサにより検知されるとそれまで停止していたエンドレスベルト24が駆動を始める。それと共に、負電極26及び正電極25は、図示しない高周波発生手段から数十MHzの高周波電圧が印加される。高周波電圧が印加されると、図4に示すように、隣接する正電極25と負電極26の間に、図中破線で示すように電界が生じる。トナーが担持された記録材Pは、負電極26及び正電極25の電極間によって発生する高周波電界を通過するので、電界強度の一番強い部分、すなわち異極電極の中心を結ぶ線を突破することになり、トナー像が担持された記録材Pに強い電界が印加される。前述した通り、トナーは誘電損失が低いため、選択的に加熱されることはないが、記録材Pである紙は比較的この周波数付近における誘電損失が高いため加熱され、画像を形成するトナーは記録材Pから伝わる熱で溶融し定着される。
【0024】
ついで、この発明者らの行った実験について説明する。
【0025】
この発明者らの実験によれば、図4において、搬送方向と交差する方向における正電極25及び負電極26の間の距離が2mm、隣り合う負電極26と正電極25の搬送方向の距離が10mm、棒状電極の数が19本、印加電力が2kw、周波数が40MHz、記録材の搬送速度50mm/sと設定すると、記録材Pの上に担持されたポリエステル系トナー及びポリオール系トナーのいずれを使用しても、記録材Pから伝わる熱で溶融し充分な定着強度が得られた。定着時の印加電圧は2kwと従来のハロゲンヒータによる加熱定着方式に比べて3〜4割高いが、待機時は高周波誘電加熱定着装置に通電する必要がない。すなわち、従来の定着装置のように電源投入直後ヒータを暖める必要がないため、省エネルギを図ることができる。
【0026】
一方、図5に示すように、正電極25及び負電極26を、エンドレスベルト24の記録材Pの載置面24cを挟んで一方の側のみに並列させ、正電極25及び負電極26に近接させてトナーtが担持された記録材Pを通過させ、溶融定着させようと試みた。この場合、負電極26及び正電極25はエンドレスベルト24の表面から等距離に配設される。この距離は電界強度に大きな影響を与える。この発明者らの実験によると、実用上必要であろうと考える2mm程度では、トナーが担持された記録材Pはトナーが溶融定着される温度まで上昇しなかった。トナーに誘電損失の高い物質を混ぜれば結果は異なったであろうが、機能性トナーの性能を維持しつつ混合可能な高誘電損失の材料は見つかっていない。
【0027】
また、図6に示すように正電極25及び負電極26を、エンドレスベルト24の記録材Pの載置面24cを挟んで対向配設し、未定着トナーを担持した記録材Pを、複数の正電極25及び負電極26の間を搬送させた。この場合、電界強度の強い部分を記録材Pが通過するので電力ロスは少ない。定着画像の態様を詳述すると、図7に示すように、電極間に高周波電界が発生すると記録材Pの正電極25と負電極26で挟まれた部分が加熱される。そのため、記録材Pが停止していると仮定すると、被加熱部分27は、電極の数と等しい数の縞模様となる。すなわち、エンドレスベルト24により矢印方向に搬送されると、この被加熱部分27が連続的に移動して記録材Pの全体が定着される。
【0028】
図8は、図9に示す各方式における電界強度の比をシミュレーションによる計算結果に基づくグラフである。図8の(1)は図9の(1)、図8の(2)は図9の(2)、図8の(3)は図9の(3)にそれぞれ対応する。図9の(1)は、搬送方向の隣り合う電極間の距離l、それと交差する方向の隣り合う電極間の距離lとすると、l=l=2mm、図9の(2)及び(3)は、搬送方向の隣り合う電極間の距離l及びそれと交差する方向の電極間の距離lとすると、l=2mm、l/2=l=1mmである。図8を参照すると、電極中心間距離を任意の値に仮定すると、電界強度は(1)の最大値と最上値とでは約30%の強弱の差があることが判る。この場合、実際の定着後の画像には若干縞模様が残り易い。これに対しこの発明の図8(2)ではMAX値(100%とする)は(1)に対して11%程度落ちる(89%)が、強度差は小さく約6%程度しかないため定着画像には縞模様は現れ難い。また、(3)の構成は、(1)のMAX値と比較して50%以下の電界強度しか得られないことが判る。以上のことより、図8(2)で示されるこの発明の構成が効率も良く、また均一な定着が得られることが判る。
【0029】
ところで、図9に示す複数の正電極25及び負電極26を使用した方式の全ては、記録材Pの進入側及び排出側において、電界は所定値よりも強く引加されてしまうという現象が起きる。つまり、高周波誘電加熱定着装置7に記録材Pのすべてが進入している状態に比べて、記録材Pの一部が高周波誘電加熱定着装置7に進入直後又は排出直前で記録材Pの温度が急激に上がってしまう。この現象は、進入している部分に電力が集中してしまうからであり、均一な定着という観点からは好ましい現象ではない。
【0030】
図10乃至図12は、この現象の解決を図ったものである。
【0031】
図10に示す第2実施形態において、複数の電極群25,26は、記録材Pの搬送方向において、記録材の進入側及び排出側で隣接する電極25,26との間隔が中間部より次第に広くなっている。この構成であれば、記録材Pが高周波誘電加熱定着装置7に進入した時、電極間の間隔が広いため印加される電圧は低くなり、中央部では所定の電圧が印加されるため、結果的に記録材Pの全面は一様な温度で加熱される。
【0032】
図11に示す第3実施形態は、複数の電極群25,26は、記録材Pの搬送方向と交叉する方向において、記録材Pの進入側及び排出側で隣接する電極25,26との間隔が中間部より次第に広くなるもので、図10と同様の効果が得られる。
【0033】
図12に示す第4実施形態は、複数の電極群25,26は、記録材Pの搬送方向と交叉する方向において、記録材Pの進入時には不図示の電極群接離手段によりエンドレスベルト24の記録材Pの載置面に接近し、記録材Pの排出時には搬送手段の記録材Pの載置面から離間するように接離可能になっている。図12(1)は、搬送される記録材Pが正電極25及び負電極26に差しかかる状態を示す図で、電極25,26とエンドレスベルト24とは予め設定された所定距離よりも離れている。この状態では前述の電界の集中は起きるものの、電極25,26間の距離が離れているため記録材Pの上では必要以上に加熱されない。図12(2)は、記録材Pの全体が電極25,26に進入した状態を示す図で、電極25,26は予め設定された所定距離まで近接している。この状態で所定の電界が印加される。図12(3)では図12(1)と同様に電界の集中が起きても電極25,26が離間しているため、電界集中による過加熱は起きない。図10乃至図13に示す構成は、いずれも記録材Pは均一な定着が行われることが確認された。
【0034】
また、図13に示す第5実施形態は、電極群25,26に対して記録材Pの搬送方向の下流側に、電極群25,26によって加熱された記録材を加圧する加圧部材としての金属ローラ28を具えている。すなわち、金属ローラ28を通過した転写材Pに所定の圧力fを矢印方向に印加して、高周波誘電加熱定着されたトナー画像に圧力を印加する。これにより、高周波誘電加熱定着されたトナーtはフィルム化し、光沢のある画像を得ることができる。
【0035】
なお、前記各実施の形態で示した高周波誘電加熱定着装置の構成部品であるエンドレスベルト、電極の数は、好ましい一例を示したにすぎず、実施に際してはこれら部品を特許請求の範囲に記載した範囲内で適宜に変更、修正等をすることができることは言うまでもなく、また、この発明は、例えばインクジェットプリンタの乾燥装置にも応用できる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】この発明の高周波誘電加熱定着装置を具えた画像形成装置を示し、概略の全体構成を示す正面図である。
【図2】この発明に係る高周波誘電加熱定着装置の外観を示す斜視図である。
【図3】第1実施形態に係る高周波誘電加熱定着装置の概略を示す側面図である。
【図4】第1実施形態に係る高周波誘電加熱定着装置の概略を示す側面図である。
【図5】発明者らが行った実験の態様の概略を示す側面図である。
【図6】発明者らが行った実験の態様の概略を示す側面図である。
【図7】発明者らが行った実験で得られた定着画像を示す図である。
【図8】様々な方式を用いてシミュレーションした電界強度の比の計算結果に基づくグラフである。
【図9】様々な方式を用いた高周波誘電加熱定着装置の概略を示す側面図である。
【図10】第2実施形態に係る高周波誘電加熱定着装置の概略を示す側面図である。
【図11】第3実施形態に係る高周波誘電加熱定着装置の概略を示す側面図である。
【図12】第4実施形態に係る高周波誘電加熱定着装置の概略を示す側面図である。
【図13】第5実施形態に係る高周波誘電加熱定着装置の概略を示す側面図である。
【図14】従来の高周波誘電加熱定着装置の概略を示す側面図である。
【図15】従来の高周波誘電加熱定着装置の概略を示す側面図である。
【図16】従来の高周波誘電加熱定着装置の概略を示す側面図である。
【符号の説明】
【0037】
1 フルカラー複写機 2 給紙カセット
3 給紙部 4 露光装置
5 感光体 6 画像形成部
7 高周波誘導加熱定着装置 8 原稿搬送部
9 原稿読取部 10 排紙トレイ
11 画像形成ユニット 12 現像装置
13 レーザ照射器 14 ミラー
15 帯電ローラ 16 クリーニング装置
17 中間転写ベルト 21 1次転写ローラ
22 駆動ローラ 23 従動ローラ
24a,24b エンドレスベルト(搬送手段) 24c 載置面
25,25a,25b 正電極 26,26a,26b 負電極
27 被加熱部分 28 金属ローラ
P 記録材 t トナー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録材の搬送手段を具え、記録材に担持されるトナー像を複数の電極群によって発生する高周波電界により定着させる高周波誘電加熱定着装置において、
前記複数の電極群は、前記搬送手段の記録材の載置面を挟んで一方の側の電極が同じ極性で、他方の側の電極が一方の側の電極と極性が異なる同じ極性になっており、かつ記録材の搬送方向においては極性が互い違いとなるように配列されていることを特徴とする高周波誘電加熱定着装置。
【請求項2】
複数の電極群は、記録材の搬送方向において、記録材の進入側及び排出側で隣接する電極との間隔が中間部より次第に広くなっている請求項1に記載の高周波誘電加熱定着装置。
【請求項3】
複数の電極群は、記録材の搬送方向と交叉する方向において、記録材の進入側及び排出側で隣接する電極との間隔が中間部より次第に広くなっている請求項1又は2に記載の高周波誘電加熱定着装置。
【請求項4】
複数の電極群は、記録材の搬送方向と交叉する方向において、記録材の進入時には搬送手段の記録材の載置面に接近し、記録材の排出時には搬送手段の記録材の載置面から離間するように接離可能になっている請求項1乃至3のいずれかに記載の高周波誘電加熱定着装置。
【請求項5】
複数の電極群に対して記録材の搬送方向の下流側に、電極群によって加熱された記録材を加圧する加圧部材を具えている請求項1乃至4のいずれかに記載の高周波誘電加熱定着装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の高周波誘電加熱定着装置を装備していることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2006−258831(P2006−258831A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−72145(P2005−72145)
【出願日】平成17年3月15日(2005.3.15)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】