説明

高周波電力増幅器

【課題】 基本波と2次高調波を同時に整合をとって増幅することにより、2次高調波の反射特性を向上させ、ドハティ増幅器の効率を一層向上させることができる高周波電力増幅器を提供する。
【解決手段】 キャリア増幅回路6に高調波反射回路64を備えたドハティ増幅器において、キャリア増幅回路6の入力段に、2次高調波を発生する高調波発生回路3を備え、発生した2次高調波をキャリア増幅回路6の入力に注入すると共に、基本波と2次高調波を互いに反射させて、他方の整合に影響を与えることなく基本波と2次高調波について同時に整合をとって合成してFET62に出力する基本波・2次高調波入力整合回路65を備えた高周波電力増幅器としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高周波信号を増幅する高周波電力増幅器に係り、特に電力変換効率を向上させることができる高周波電力増幅器に関する。
【背景技術】
【0002】
[先行技術の説明]
送信用電力増幅器は、高周波信号を所要の送信出力に増幅するものであり、ほとんどの無線機において最も多くの電力を消費する部分である。
電力増幅器が消費する電力は、高周波出力に変換されるだけでなく、内部損失となる熱として放出される。
そのため、発熱量を低減して消費電力の低減や信頼性の向上を図るために、電力増幅器の電力変換効率を上げて、無駄な内部損失を抑えることが要求されている。
この要求に応えるために、種々の高効率動作方式を取り入れた増幅器があり、例えばF級増幅器がある。
【0003】
[従来のF級増幅器]
従来のF級増幅器について簡単に説明する。
F級増幅器は、FET(Field Effect Transistor:電界効果トランジスタ)をB級のバイアス条件で動作させて基本波周波数の正弦波を入力し、出力端子の負荷インピーダンスを、基本波周波数で整合、偶数次高調波周波数で短絡、さらに奇数次高調波周波数で開放として、ドレイン端子とソース端子との間の電圧の時間波形を、基本波と奇数次高調波成分のみを有する矩形波とするものである。
【0004】
FETの動作は、ドレイン電流が流れているときにドレイン電圧がゼロとなり、逆にドレイン電圧が印加されているときにドレイン電流がゼロとなるので、ドレイン端子とソース端子間の消費電力をゼロの状態にすることができる。つまり、FETで消費する電力をゼロにすることができる。
【0005】
更に、上述したF級増幅器とは逆に、基本波周波数で整合、偶数次高調波周波数で開放、奇数次高調波周波数で短絡となる波形が得られる増幅器もある。
このような増幅器では、高調波反射回路は偶数次の高調波を反射する。この場合にも、ドレイン電流が流れているときにドレイン電圧がゼロとなり、逆にドレイン電圧が印加されているときにドレイン電流がゼロとなるので、同様にドレイン端子とソース端子間の消費電力を常にゼロの状態にすることができる。
【0006】
[ドハティ増幅器及び高調波反射回路を設けたドハティ増幅器:図8]
また、従来の高効率を図る増幅器としては、ドハティ増幅器がある。
更に、ドハティ増幅器に高調波反射回路を用いて一層の高効率を図ることは周知の技術である。
従来の高調波反射回路を備えたドハティ増幅器の構成について図8を用いて説明する。図8は、従来の高調波反射回路を備えたドハティ増幅器の構成を示す構成ブロック図である。
図8に示すように、従来の高調波反射回路を備えたドハティ増幅器は、入力端子1と、出力端子2と、分配器4と、移相器5と、キャリア増幅回路6と、ピーク増幅回路7と、伝送線路8と、合成点9と、伝送線路10とから構成されている。
【0007】
更に、キャリア増幅回路6は、入力整合回路61と、FET62と、出力整合回路63と、高調波反射回路64とから構成され、ピーク増幅回路7は、入力整合回路71と、FET72と、出力整合回路73と、高調波反射回路74とから構成されている。尚、高調波反射回路をキャリア増幅回路のみに設けたものもある。
【0008】
そして、入力端子1から入力された信号は、分配器4で分配され、その一方はキャリア増幅回路6に入力されて、FET62で増幅され、出力整合回路63を介して伝送線路8でインピーダンス変換される。高調波反射回路64は、FET62で発生する高調波を反射して、キャリア増幅回路6の効率を向上させる。
【0009】
分配器4で分配されたもう一方の信号は、移相器5で位相をキャリア増幅回路6に合わせて調整された後、ピーク増幅回路7に入力され、FET72で増幅されて出力整合回路73でインピーダンス変換されて出力される。高調波反射回路74は、FET72で発生する高調波を反射して、ピーク増幅回路7の効率を向上させる。
【0010】
合成点9では伝送線路8からの出力とピーク増幅回路7からの出力が合成され、更に出力負荷に整合するため、伝送線路10でインピーダンス変換されて出力端子2から出力され、出力負荷に接続される。
【0011】
尚、一般的なドハティ増幅器の構成は、図8の構成から高調波反射回路64,74を除いたものである。
ここで、ドハティ増幅器の効率について簡単に説明する。
キャリア増幅回路6のFET62はAB級にバイアスされ、ピーク増幅回路7のFET72はB級又はC級にバイアスされている。そのため、入力レベルが低くFET72が動作しない内はFET62が単独で動作する。そして、FET62が飽和領域に入る、つまりFET62の線形性が崩れ始めると、FET72が動作し始め、FET72の出力が負荷に供給され、FET62と共に負荷を駆動する。これにより、ドハティ増幅器では、出力レベルが最大出力レベルよりも低い場合でも、高い効率が得られるものである。
図8の構成では、キャリア増幅回路6とピーク増幅回路7に高調波反射回路を備えているので、一層の効率改善を図ることができるものである。
【0012】
尚、高効率化を図る増幅器に関する先行技術としては、特開2005−204208号公報(特許文献1)がある。
特許文献1には、増幅対象となる基本波信号に対する奇数次の高調波信号を発生させ、当該奇数次の高調波信号を増幅対象となる基本波信号と合成して矩形波信号を生成し、矩形波信号を能動素子により増幅し、当該能動素子の出力端から負荷側を見た場合における奇数次の高調波信号に対するインピーダンスの値を無限大とすると共に、偶数次の高調波信号に対するインピーダンスの値をゼロとするようにして、高効率化を実現できる増幅器が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2005−204208号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、従来のドハティ増幅器に高調波反射回路を組み合わせた増幅器においても、出力レベルが低いと高調波の出力レベルが低下し、効率向上の効果が小さくなるという問題点があった。
【0015】
尚、上記特許文献1では、奇数次高調波を増幅器入力に注入することは記載されているが、偶数次高周波を注入することは記載されていない。
【0016】
本発明は、上記実状に鑑みて為されたもので、従来の高調波反射回路を組み合わせたドハティ増幅器に比べて高い効率が得られる高周波電力増幅器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、AB級で動作する第1の増幅素子と、第1の増幅素子から出力される2次高調波周波数を反射する高調波反射回路とを有するキャリア増幅回路と、B級又はC級で動作する第2の増幅素子を有するピーク増幅回路とを備え、キャリア増幅回路と前記ピーク増幅回路の出力を合成して出力する高周波電力増幅器であって、キャリア増幅回路の入力側に、入力される基本波の2次高調波を生成する2次高調波発生回路を備え、キャリア増幅回路に、生成された2次高調波と基本波について、それぞれ第1の増幅素子との整合をとり、整合された2次高調波と基本波とを合成して第1の増幅素子に出力する基本波・2次高調波入力整合回路を備え、基本波・2次高調波入力整合回路が、基本波を入力する基本波入力端子と、2次高調波を入力する2次高調波入力端子と、整合された2次高調波と基本波とを合成する合成点と、合成点からの信号を出力する出力端子とを備え、基本波入力端子と出力端子との間に、基本波を第1の増幅素子に整合させる基本波用整合回路と、基本波の1/8波長の長さを備えた第1の伝送線路と、合成点とが直列に接続され、基本波用整合回路と第1の伝送線路との間の点に基本波の1/8波長の長さを備えた第1のオープンスタブが接続され、2次高調波用整合回路の出力側と基本波の1/4波長の長さを備えた第2のオープンスタブの間の点と、合成点とが、基本波の1/4波長の長さを備えた第2の伝送線路で接続されたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、AB級で動作する第1の増幅素子と、第1の増幅素子から出力される2次高調波周波数を反射する高調波反射回路とを有するキャリア増幅回路と、B級又はC級で動作する第2の増幅素子を有するピーク増幅回路とを備え、キャリア増幅回路と前記ピーク増幅回路の出力を合成して出力する高周波電力増幅器であって、キャリア増幅回路の入力側に、入力される基本波の2次高調波を生成する2次高調波発生回路を備え、キャリア増幅回路に、生成された2次高調波と基本波について、それぞれ第1の増幅素子との整合をとり、整合された2次高調波と基本波とを合成して第1の増幅素子に出力する基本波・2次高調波入力整合回路を備え、基本波・2次高調波入力整合回路が、基本波を入力する基本波入力端子と、2次高調波を入力する2次高調波入力端子と、整合された2次高調波と基本波とを合成する合成点と、合成点からの信号を出力する出力端子とを備え、基本波入力端子と出力端子との間に、基本波を第1の増幅素子に整合させる基本波用整合回路と、基本波の1/8波長の長さを備えた第1の伝送線路と、合成点とが直列に接続され、基本波用整合回路と第1の伝送線路との間の点に基本波の1/8波長の長さを備えた第1のオープンスタブが接続され、2次高調波用整合回路の出力側と基本波の1/4波長の長さを備えた第2のオープンスタブの間の点と、合成点とが、基本波の1/4波長の長さを備えた第2の伝送線路で接続された高周波電力増幅器としているので、キャリア増幅回路において、2次高調波注入と2次高調波反射による効率改善を図ると共に、基本波・2次高調波入力整合回路において、基本波と2次高調波を互いに反射させて、他方の整合回路へ影響を与えないようにしてそれぞれ最適に整合をとることができ、2次高調波の反射効率を向上させて、2次高調波の注入レベルを低減することができ、高調波発生器における消費電力を低減することにより、増幅器全体の効率を一層向上させることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】高調波注入型ドハティ増幅器のブロック構成図である。
【図2】高調波発生器32の構成ブロック図である。
【図3】別の高調波注入型ドハティ増幅器の構成を示す構成ブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る高周波電力増幅器(第1の増幅器)の構成を示す構成ブロック図である。
【図5】基本波・2次高調波入力整合回路の構成を示す回路図である。
【図6】第1の増幅器と、図1に示した2次高調波注入型ドハティ増幅器の出力−2次高調波注入レベル特性比較図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る高周波電力増幅器(第2の増幅器)の構成ブロック図である。
【図8】従来の高調波反射回路を備えたドハティ増幅器の構成を示す構成ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[実施の形態の概要]
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
本発明の実施の形態に係る高周波電力増幅器は、キャリア増幅回路に高調波反射回路を備えたドハティ増幅器において、入力信号から2次高調波を発生する高調波発生回路と、基本波と2次高調波の両方について独立に整合をとり、合成して、キャリア増幅回路の増幅素子に出力する基本波・2次高調波整合回路とを備え、キャリア増幅回路において基本波と2次高調波の同時整合を容易にして、2次高調波の反射特性を向上させ、2次高調波の注入レベルを小さくでき、増幅器全体の効率を向上させることができるものである。
【0021】
また、本発明の実施の形態に係る高周波電力増幅器波、キャリア増幅回路とピーク増幅回路に高調波反射回路を備えたドハティ増幅器において、入力信号から2次高調波を発生する高調波発生回路と、2次高調波を分配する分配器と、基本波と分配された一方の2次高調波について独立に整合をとって、合成してキャリア増幅回路の増幅素子に出力する第1の基本波・2次高調波整合回路と、基本波と分配された他方の2次高調波について独立に整合をとって、合成してピーク増幅回路の増幅素子に出力する第2の基本波・2次高調波整合回路とを備え、キャリア増幅回路とピーク増幅回路の両方において、基本波と2次高調波の同時整合を容易にし、2次高調波の注入レベルを小さくして、増幅器全体の効率を向上させることができるものである。
【0022】
[高調波注入型ドハティ増幅器(1):図1]
本発明の実施の形態について説明する前に、発明者らによって提案されている、高調波を注入することによって効率の向上を図るドハティ増幅器(高調波注入型ドハティ増幅器)について図1を用いて説明する。図1は、高調波注入型ドハティ増幅器のブロック構成図である。
図1に示すように、高調波注入型ドハティ増幅器は、キャリア増幅回路6に2次高調波を反射する高調波反射回路64を備え、キャリア増幅回路6の入力段に、2次高調波を発生する高調波発生回路3と、入力信号と2次高調波とを合成する合成回路36を設けた構成である。
【0023】
具体的には、高調波注入型ドハティ増幅器は、入力端子1と、高調波発生回路3と、分配器4と、合成器36と、移相器5と、キャリア増幅回路6と、ピーク増幅回路7と、伝送線路8及び10と、合成点9と、出力端子2とを備えている。つまり、第1の増幅器は、図8に示した従来の高調波反射回路を備えたドハティ増幅器に、高調波発生回路3と合成器36とを備えた構成である。従来と同様の部分については説明を省略する。
【0024】
キャリア増幅回路6に設けられた高調波反射回路64は、基本波に影響を与えず、2次高調波を反射するインピーダンス特性を有するものである。尚、高調波反射回路64は、出力整合回路63の前に設けてもよい。
【0025】
[高調波発生回路3の構成:図1]
高調波発生回路3の構成について説明する。
高調波発生回路3は、高調波を発生する回路であり、図1に示すように、分配器31と、遅延線35と、2次高調波発生器32と、可変移相器33と、可変減衰器34と、合成器36とから構成されている。
【0026】
分配器31は、入力端子1からの入力信号を分配する。
高調波発生器32は、高調波を発生するものであり、ここでは2次高調波を発生するものとしている。
【0027】
可変移相器33は、高調波発生器32で発生した2次高調波の位相を調整する。
可変減衰器34は、高調波発生器32で発生した2次高調波の振幅を調整する。
尚、可変移相器33及び可変減衰器34から成る部分は、発生した2次高調波のベクトル調整を行うベクトル調整器に相当し、可変移相器33、可変減衰器34、高調波発生器32の配列順が変わっても構わない。
【0028】
可変移相器33及び可変減衰器34では、高調波発生器32で発生した2次高調波の位相及び振幅を、キャリア増幅回路6で発生する2次高調波の位相及び振幅との関係が最適となるよう調整すると共に、基本波と2次高調波との位相のずれ及び振幅レベルの比が最適となるよう調整するものである。
【0029】
遅延線35は、高調波発生器32、可変移相器33、可変減衰器34における処理時間分、分配器31からの入力信号(基本波)を遅延する。
そして、合成器36は、遅延された基本波信号と、可変減衰器34から出力された位相及び振幅が調整された2次高調波とを合成して、キャリア増幅回路6に出力する。
【0030】
このように、高調波発生回路3は、構成の簡単なアナログ回路から成り、基本波と2次高調波との位相のずれ及び必要な振幅レベルの比を調整するベクトル調整回路を備えているので、キャリア増幅回路6で必要な高調波の出力レベル及び位相を正確に調整でき、キャリア増幅回路6における増幅動作を高効率で行うことができるものである。
【0031】
尚、高調波発生回路3では、位相を調整する可変移相器33と振幅を調整する可変減衰器34とを用いた構成としているが、高調波発生器32で発生した高調波の位相及び振幅を調整する調整器として位相と振幅が調整できればよく、同等の機能があればどのような方法を用いてもよい。
【0032】
また、図1の高調波注入型ドハティ増幅器では、発生する高調波の中でもレベルが高い2次高調波に着目して、キャリア増幅回路6の入力に2次高調波を注入した上、出力では高調波反射回路64で無駄なく2次高調波を反射させる構成としているので、効率向上の効果が大きくなるものである。
【0033】
[高調波発生器32の構成:図2]
高調波発生回路3の、高調波発生器32の構成について図2を用いて説明する。図2は、高調波発生器32の構成ブロック図である。
高調波発生器32は、入力端子321と、入力整合回路323と、ダイオード324と、出力整合回路325と、出力端子322とが直列に接続された構成である。
ダイオード324は入力端子321から入力された基本波を用いて2次高調波を発生する。
入力整合回路323は、入力される信号を無駄なく伝達するために基本波に整合されたインピーダンス変換回路であり、出力整合回路325は、ダイオード324から発生する2次高調波をできるだけ無駄なく出力するために、2次高調波に整合されたインピーダンス変換回路である。
尚、ここではダイオードを用いた場合の構成について説明したが、増幅素子を用いて構成することも可能であり、2次高調波を発生するのであれば別の方法を用いてもよい。
【0034】
入力整合回路323、出力整合回路325は、マイクロストリップライン等の伝送線路、コンデンサやコイルといった回路素子、またはこれらを組み合わせた回路によって構成される。
【0035】
そして、高調波発生器32の入力端子321から入力された入力信号は、入力整合回路323でインピーダンス変換され、ダイオード324で増幅され、2次高調波が生成される。2次高調波を含む信号は、出力整合回路325でインピーダンス変換され、2次高調波を多く含む信号として出力端子322から出力される。
【0036】
[高調波注入型ドハティ増幅器の動作:図1]
高調波注入型ドハティ増幅器の動作について図1を用いて説明する。
図1に示した高調波注入型ドハティ増幅器では、図1の入力端子1から入力された基本波信号は、高調波発生回路3に入力され、高調波発生回路3の分配器31で分配され、その一方の基本波信号は高調波発生器32に入力されて、基本波周波数の2倍の周波数を有する2次高調波が生成される。
発生した2次高調波は、可変移相器33で位相調整され、可変減衰器34で振幅調整されて、合成器36に入力される。
【0037】
高調波発生回路3の分配器31で分配されたもう一方の基本波信号は、遅延線35で遅延されて合成器36に入力され、分配器4で分配されて、分配された一方の基本波信号は、合成器36において、ベクトル調整された2次高調波と合成され、キャリア増幅回路6に入力される。キャリア増幅回路6に入力された信号は増幅されて伝送線路8を介して合成点9に入力される。
分配器4で分配された他方の基本波信号は、移相器5を経てピーク増幅回路7に入力されて、増幅され、合成点9に入力される。
そして、合成点9において合成後、伝送線路10を経て出力端子2から出力される。
【0038】
すなわち、図1の高調波注入型ドハティ増幅器では、ドハティ増幅器のキャリア増幅回路6に入力される信号は、2次高調波を多く含むものであるから2次高調波の出力レベルが増大し、キャリア増幅回路6の高調波反射回路64によってFET62に反射される2次高調波反射レベルを一層大きくすることができ、電圧電流波形の重なりを減らして、電力効率を向上させることができるものである。
【0039】
また、図1の高調波注入型ドハティ増幅器では、高調波発生回路3の可変移相器33と可変減衰器34とを調整することにより、高調波発生回路3で基本波に注入される2次高調波の位相及び振幅を、キャリア増幅回路6で発生する2次高調波の位相及び振幅と最適な関係となるよう調整することができ、簡易な構成で一層効率を向上させることができるものである。
【0040】
[高調波注入型ドハティ増幅器(2):図3]
次に、高調波注入型ドハティ増幅器の別の構成について図3を用いて説明する。図3は、別の高調波注入型ドハティ増幅器の構成を示す構成ブロック図である。
図3に示すように、別の高調波注入型ドハティ増幅器は、図1の高調波注入型ドハティ増幅器と同様に、キャリア増幅回路6に高調波反射回路64を設けて入力に2次高調波を注入すると共に、ピーク増幅回路7にも高調波反射回路74を設け、ピーク増幅回路7の入力に2次高調波を注入するものである。
すなわち、別の高調波注入型ドハティ増幅器は、図1に示した高調波注入型ドハティ増幅器の構成に加えて、分配器38と、合成器37と、高調波反射回路74とを備えたものである。他の部分は図1に示した高調波注入ドハティ増幅器と同様であるため説明を省略する。
【0041】
分配器38は、2次高調波発生器32で発生され、位相及び振幅が調整された2次高調波を、キャリア増幅回路6側とピーク増幅回路7側とに分配する。
合成器37は、分配器4で分配され、位相調整された基本波信号と、分配器38で分配された2次高調波とを合成し、合成信号をピーク増幅回路7に出力する。
高調波反射回路74は、FET72から出力される2次高調波を反射してピーク増幅回路7の効率を向上させる。
【0042】
別の高調波注入型ドハティ増幅器では、高調波発生回路3で発生された最適レベルの2次高調波は、分配器38で分配され、一方は合成器36で基本波と合成されてキャリア増幅回路6に入力され、他方は合成器37で基本波と合成されてピーク増幅回路7に入力され、それぞれ増幅されて、合成点9で合成されて、伝送線路10を介して出力端子2から出力される。
このようにして別の高調波注入型ドハティ増幅器の動作が行われるようになっている。
【0043】
そして、図3に示した別の高調波注入型ドハティ増幅器では、キャリア増幅回路6とピーク増幅回路7の入力に2次高調波を注入して、キャリア増幅回路6とピーク増幅回路7の両方において高調波反射による効率向上を図り、ドハティ増幅器全体の効率を向上させることができるものである。
また、キャリア増幅回路6とピーク増幅回路7の2次高調波の注入量及び位相を変える場合には、移相器や減衰器をそれぞれに対応して設けることも可能である。
【0044】
[第1の実施の形態に係る高周波増幅装置]
次に、本発明の第1の実施の形態に係る高周波増幅器(第1の増幅器)について説明する。
第1の増幅器は、図1に示した高調波注入型ドハティ増幅器において、更に、キャリア増幅回路の入力整合回路での基本波と2次高調波の同時整合を可能として、注入する2次高調波のレベルを低減し、高周波電力増幅器全体の効率を一層向上させることを目的とするものである。
【0045】
[第1の増幅器の構成:図4]
第1の増幅器の構成について図4を用いて説明する。図4は、第1の増幅器の構成を示す構成ブロック図である。
図4に示すように、第1の増幅器は、図1に示した高調波注入型ドハティ増幅器の、合成器36と入力整合回路61の代わりに、キャリア増幅回路6に基本波・2次高調波入力整合回路65を備えた構成である。他の構成部分については図1の増幅器と同じであるため、説明を省略する。
尚、キャリア増幅回路6のFET62は、請求項に記載した第1の増幅素子に相当し、ピーク増幅回路7のFET72は、第2の増幅素子に相当している。
【0046】
一般の入力整合回路では、仮に基本波を中心に整合させた場合、2次高調波の整合がずれ、2次高調波の反射特性が劣化するため、その分注入しなければならない2次高調波レベルが大きくなってしまう。その結果、2次高調波発生器の消費電力が大きくなり、増幅器全体の高効率化の妨げとなってしまう恐れがある。
そこで、第1の増幅器では、キャリア増幅回路6に入力される基本波信号と、2次高調波の両方について同時にそれぞれ独立して整合をとり、それを合成してFET62に入力する基本波・2次高調波入力整合回路6を備えた構成としている。
【0047】
[基本波・2次高調波入力整合回路:図5]
ここで、第1の増幅器の特徴部分である基本波・2次高調波入力整合回路65について図5を用いて説明する。図5は、基本波・2次高調波入力整合回路の構成を示す回路図である。
図5に示すように、基本波・2次高調波入力整合回路65は、基本波入力端子651と、2次高調波入力端子652と、出力端子653と、基本波用整合回路654と、2次高調波用整合回路655と、基本波の1波長をλとしたλ/8のオープンスタブ656と、λ/8の伝送線路657と、点658と、同じく基本波の1波長をλとしたλ/4のオープンスタブ659と、λ/4の伝送線路660と、点661と、合成点662とから構成されている。
尚、伝送線路657,660は、それぞれ、請求項に記載した第1の伝送線路、第2の伝送線路に相当し、オープンスタブ656,659は、それぞれ、第1のオープンスタブ、第2のオープンスタブに相当している。
【0048】
そして、基本波入力端子651と出力端子663との間に、基本波用整合回路654とλ/8の伝送線路657とが直列に接続され、基本波用整合回路654とλ/8の伝送線路657との間の点658にλ/8のオープンスタブ656が接続されている。
また、2次高調波入力端子652には2次高調波用整合回路655が接続され、点661にはλ/4のオープンスタブ659が接続されている。
そして、λ/8の伝送線路657と出力端子653との間に設けられた合成点662と、点661との間は、λ/4の伝送線路660で接続されている。
【0049】
[基本波・2次高調波入力整合回路の動作:図5]
次に、基本波・2次高調波入力整合回路65の動作について図5を用いて説明する。
図4の分配器4から出力された基本波は、基本波入力端子651に入力され、基本波用整合回路654でFET62のインピーダンスに合わせて整合される。
整合された基本波は、点658に入力される。点658から見てλ/8のオープンスタブ656は開放となるので、全ての基本波はλ/8の伝送線路657を通過し、合成点662に入る。
【0050】
基本波は、合成点662において、λ/4のオープンスタブ659の先端が開放であるので、点661は短絡となる。よって合成点662から見てλ/4の伝送線路660は開放となるので、全ての基本波は出力端子653に出力される。
よって、基本波が2次高調波用整合回路655に影響を与えることはなく、2次高調波用整合回路655は、2次高調波のみについて独立して整合をとることができるものである。
【0051】
また、図4の可変減衰器34から出力された2次高調波は、2次高調波入力端子652から入力され、2次高調波用整合回路655でFET62のインピーダンスに合わせて整合される。
整合された2次高調波は、点661に入力される。点661から見てλ/4のオープンスタブ659は開放となるので、全ての2次高調波はλ/4の伝送線路660を通過し、合成点662に入る。
【0052】
2次高調波は、合成点662において、λ/8のオープンスタブ656の先端が開放であるので、点658は短絡となる。よって合成点662から見てλ/8の伝送線路657は開放となるので、全ての2次高調波は出力端子653に出力される。
よって、2次高調波が基本波用整合回路654に影響を与えることはなく、基本波用整合回路654は、基本波のみについて独立して整合をとることができるものである。
【0053】
すなわち、第1の増幅器の基本波・2次高調波入力整合回路では、適切な伝送線路とオープンスタブを組み合わせて用いることにより、基本波と2次高調波のそれぞれについて、互いに他方の整合回路へ影響を及ぼさないよう反射させて、損失なく合成することができるものである。
これにより、基本波用整合回路654では、2次高調波の調整に影響されることなく基本波について整合をとり、また、2次高調波用整合回路655では、基本波の調整に影響されることなく2次高調波について整合をとることができるものとなる。
【0054】
つまり、第1の増幅器では、基本波及び2次高調波のそれぞれについて最適に整合をとって合成することにより、2次高調波を効率よく注入して損失なく合成することができ、また、高調波反射回路64での反射特性を向上させて、注入する2次高調波のレベルを低減し、高調波発生回路3での消費電力を低減して、ドハティ増幅器全体の効率を向上させることができるものである。
【0055】
[第1の増幅器の特性:図6]
次に、第1の増幅器の特性について図6を用いて説明する。図6は、第1の増幅器と、図1に示した2次高調波注入型ドハティ増幅器の出力−2次高調波注入レベル特性比較図である。
図6では、図1の2次高調波注入型ドハティ増幅器の2次高調波注入レベルを実線で示し、第1の増幅器の2次高調波注入レベルを点線で示している。
【0056】
図6に示すように、一般の入力整合回路を用いた図1の2次高調波注入型ドハティ増幅器では、入力整合回路61において基本波と2次高調波の同時整合が困難であり、基本波を中心に整合させた場合、2次高調波の反射特性が劣化してしまうことがある。そのため、注入しなければならない2次高調波レベルが大きくなり、その結果、高調波発生器32の消費電力が大きくなる。
これに対して、第1の増幅器では、入力整合回路にスタブや伝送線路を追加した基本波・2次高調波入力整合回路65を設けたことで、基本波と2次高調波のそれぞれについて、独立して整合をとることが可能となり、2次高調波注入レベルを大幅に低減できることがわかる。
その結果、高調波発生器32の消費電力を小さくできるので、高周波電力増幅器の高効率化を図ることができるものである。
【0057】
[第1の増幅器の動作:図4]
第1の増幅器の動作について図4を用いて説明する。
第1の増幅器では、入力端子1から入力された基本波信号は、高調波発生回路3に入力され、分配器31で分配されて、その一方の基本波信号は、高調波発生器32基本波周波数の2倍の周波数の2次高調波が生成され、可変移相器33で位相が調整され、可変減衰器34で最適レベルの調整が行われ、基本波・2次高調波入力整合回路65に入力される。
【0058】
分配器31で分配されたもう一方の基本波信号は、遅延線35で遅延されて位相が遅らされ、分配器4でキャリア増幅回路6側とピーク増幅回路7側に分配される。
キャリア増幅回路6側に分配された基本波信号は、キャリア増幅回路6の基本波・2次高調波入力整合回路65に入力されて、基本波用整合回路654で整合され、合成点662に入力される。
また、基本波・2次高調波入力整合回路65に入力された2次高調波は、2次高調波用整合回路655で整合され、合成点662に入力される。
【0059】
合成点662では、それぞれ独立して整合された基本波信号と2次高調波が合成されて、出力端子653に出力される。この合成された信号がFET62の入力信号となって、FET62で増幅され、伝送線路8を介して合成点9に入力される。
【0060】
一方、分配器4でピーク増幅回路7側に分配された信号は、移相器5で位相調整され、ピーク増幅回路7で増幅されて合成点9に入力される。
合成点9では、キャリア増幅回路6側からの信号とピーク増幅回路7側からの信号とが合成され、伝送線路10を介して出力端子2に出力される。
このようにして第1の増幅器の動作が行われる。
【0061】
[第1の実施の形態の効果]
第1の実施の形態に係る高周波電力増幅器(第1の増幅器)によれば、キャリア増幅回路6に高調波反射回路64を備えたドハティ増幅器において、ドハティ増幅器の入力段に、2次高調波を発生する高調波発生回路3を備え、キャリア増幅回路6に、基本波信号と2次高調波とをそれぞれ独立に整合をとって合成し、FET62に出力する基本波・2次高調波入力整合回路65を備えた高周波電力増幅器としているので、広い入力レベルの範囲で動作するキャリア増幅回路6において2次高調波のレベルを増大させて高調波反射による効率向上を図ると共に、キャリア増幅回路6の入力信号となる基本波信号と2次高調波の整合をいずれも最適に調整することができ、2次高調波の反射特性を向上させ、注入される2次高調波のレベルを低減することができ、高調波発生回路3の消費電力を低減して、ドハティ増幅器全体の効率を一層向上させることができる効果がある。
【0062】
[第2の実施の形態:図7]
次に第2の実施の形態に係る高周波電力増幅器(第2の増幅器)について図7を用いて説明する。図7は、第2の実施の形態に係る高周波電力増幅器の構成ブロック図である。
図7に示すように、第2の増幅器は、図3に示した別の高調波注入型ドハティ増幅器の合成器36とキャリア増幅回路6の入力整合回路61の代わりに、基本波・2次高調波入力整合回路65を備え、更に、合成器37とピーク増幅回路7の入力整合回路71の代わりに、基本波・2次高調波入力整合回路65とを備えた構成である。他の構成部分については図3の増幅器と同じであるため、説明を省略する。
【0063】
また、キャリア増幅回路6に設けられた基本波・2次高調波入力整合回路(第1の基本波・2次高調波入力整合回路)65は、図4に示した第1の増幅器の基本波・2次高調波入力整合回路65と同様である。
更に、ピーク増幅回路7に設けられた基本波・2次高調波入力整合回路(第2の基本波・2次高調波入力整合回路)75の構成は、基本波・2次高調波入力整合回路65と同様の構成及び動作となっている。つまり、基本波・2次高調波入力整合回路75の構成は図5に示した構成と同じである。
【0064】
第2の増幅器の動作について説明する。
第2の増幅器の動作は、基本的な動作は第1の増幅器と同様であるため、特徴部分の動作についてのみ説明する。
第2の増幅器では、高調波発生回路3の高調波発生器32で発生された2次高調波は、位相及び振幅を調整され、分配器38によってキャリア増幅回路6側とピーク増幅回路7側とに分配される。
ピーク増幅回路7側に分配された2次高調波は、基本波・2次高調波入力整合回路75に入力され、2次高調波用整合回路で整合され、合成点に入力される。
一方、分配器4で分配され、位相を調整された基本波信号は、基本波・2次高調波入力整合回路75に入力され、基本波用整合回路で整合され、合成点に入力される。
【0065】
そして、基本波・2次高調波入力整合回路75の合成点で、それぞれ独立して整合された基本波信号と2次高調波が合成されて、ピーク増幅回路7のFET72の入力信号となって増幅され、合成点9に入力される。
そして、合成点9においてキャリア増幅回路6側からの信号と合成され、伝送線路10を介して出力端子2に出力される。このようにして第2の増幅器の動作が行われるものである。
【0066】
第2の増幅器では、FET62とFET72の性能にもよるが、ピーク増幅回路7にも2次高調波を注入し、基本波・2次高調波入力整合回路75において、基本波と2次高調波をそれぞれ独立して整合をとって、2次高調波の反射特性を向上させているので、より高効率な2次高調波注入型ドハティ増幅器を実現することができるものである。
【0067】
[第2の実施の形態の効果]
第2の実施の形態に係る高周波電力増幅器(第2の増幅器)によれば、キャリア増幅回路6に高調波反射回路64を備え、ピーク増幅回路7に高調波反射回路74を備えたドハティ増幅器において、2次高調波を発生する高調波発生回路3を備え、キャリア増幅回路6に、基本波信号と2次高調波とをそれぞれ独立に整合をとって合成し、FET62に出力する第1の基本波・2次高調波入力整合回路65を備え、更にピーク増幅回路7に、基本波信号と2次高調波とをそれぞれ独立に整合をとって合成し、FET72に出力する第2の基本波・2次高調波入力整合回路75を備えた高周波電力増幅器としているので、キャリア増幅回路6及びピーク増幅回路7において、入力信号となる基本波信号と2次高調波の整合をいずれも最適に調整することができ、2次高調波の反射特性を向上させ、注入される2次高調波のレベルを低減することができ、高調波発生回路3の消費電力を低減して、ドハティ増幅器全体の効率を一層向上させることができる効果がある。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は、電力変換効率を向上させることができる高周波電力増幅器に適している。
【符号の説明】
【0069】
1…入力端子、 2…出力端子、 3…高調波発生回路、 4…分配器、 5…移相器、 6…キャリア増幅回路、 7…ピーク増幅回路、 8,10…伝送線路、 61,71…入力整合回路、 62,72…FET、 63,73…出力整合回路、 64,74…高調波反射回路、 31…分配器、 32…高調波発生器、 33…可変移相器、 34…可変減衰器、 35…遅延線、 36,37…合成器、 38…分配器、 323…入力整合回路、 324…ダイオード、 325…出力整合回路、 65,75…基本波・2次高調波入力整合回路、 651…基本波入力端子、 652…2次高調波入力端子、 653…出力端子、 654…基本波要請号回路、 655…2次高調波用整合回路、 656,659…オープンスタブ、 657,660…伝送線路、 658,661…点、 662…合成点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
AB級で動作する第1の増幅素子と、前記第1の増幅素子から出力される2次高調波周波数を反射する高調波反射回路とを有するキャリア増幅回路と、
B級又はC級で動作する第2の増幅素子を有するピーク増幅回路とを備え、
前記キャリア増幅回路と前記ピーク増幅回路の出力を合成して出力する高周波電力増幅器であって、
前記キャリア増幅回路の入力側に、入力される基本波の2次高調波を生成する2次高調波発生回路を備え、
前記キャリア増幅回路に、前記生成された2次高調波と前記基本波について、それぞれ前記第1の増幅素子との整合をとり、整合された2次高調波と基本波とを合成して前記第1の増幅素子に出力する基本波・2次高調波入力整合回路を備え、
前記基本波・2次高調波入力整合回路が、前記基本波を入力する基本波入力端子と、前記2次高調波を入力する2次高調波入力端子と、整合された2次高調波と基本波とを合成する合成点と、前記合成点からの信号を出力する出力端子とを備え、
前記基本波入力端子と前記出力端子との間に、前記基本波を前記第1の増幅素子に整合させる基本波用整合回路と、前記基本波の1/8波長の長さを備えた第1の伝送線路と、前記合成点とが直列に接続され、前記基本波用整合回路と前記第1の伝送線路との間の点に前記基本波の1/8波長の長さを備えた第1のオープンスタブが接続され、
前記2次高調波入力端子に前記2次高調波を前記第1の増幅素子に整合させる2次高調波用整合回路が接続され、前記2次高調波用整合回路の出力側に前記基本波の1/4波長の長さを備えた第2のオープンスタブが接続され、
前記2次高調波用整合回路の出力側と前記第2のオープンスタブの間の点と、前記合成点とが、前記基本波の1/4波長の長さを備えた第2の伝送線路で接続されたことを特徴とする高周波電力増幅器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−287930(P2010−287930A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−137903(P2009−137903)
【出願日】平成21年6月9日(2009.6.9)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】