高圧噴射工法およびダウンザホールハンマー
【課題】 対象部までの掘削作業と対象部への高圧噴射作業とを、掘削作業後に掘削機を地上に引き上げることなく、連続的に行うことができる高圧噴射工法およびダウンザホールハンマー4を提供する。
【解決手段】 ダウンザホールハンマー4のビット14に噴射ノズル22を設けるとともに、ダウンザホールハンマー4内部を通って噴射ノズル22と地上側とを結ぶ改良材供給路3b,19,21を設け、ダウンザホールハンマー4により地盤を所要深度まで堀削後、改良材Bを地上側から改良材供給路3b,19,21を経由して噴射ノズル22に供給して、噴射ノズル22から地盤中に高圧噴射させる。
【解決手段】 ダウンザホールハンマー4のビット14に噴射ノズル22を設けるとともに、ダウンザホールハンマー4内部を通って噴射ノズル22と地上側とを結ぶ改良材供給路3b,19,21を設け、ダウンザホールハンマー4により地盤を所要深度まで堀削後、改良材Bを地上側から改良材供給路3b,19,21を経由して噴射ノズル22に供給して、噴射ノズル22から地盤中に高圧噴射させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地盤改良や、土壌・地下水汚染に対する土壌改良等を行うために、地盤内の対象部に改良材を高圧噴射する高圧噴射工法およびそれに用いるに好適なダウンザホールハンマーに係り、特に地盤に硬質層、岩盤、コンクリート盤、障害物等が存在する場合に好適な高圧噴射工法およびダウンザホールハンマーに関する。
【背景技術】
【0002】
地盤改良や、土壌・地下水汚染に対する土壌改良等を行うために、地盤内の対象部に液体や固液体状の改良材を高圧噴射装置にて噴射する高圧噴射工法を実施する際において、地盤に硬質層、岩盤、コンクリート盤、障害物等が存在する場合は、従来は、一般的には、まず、ダウンザホールハンマー、パーカッションハンマー等の掘削機を用いて所要深度まで孔を掘削し、次に、掘削機を地上に引き上げ、しかる後に前記堀削孔の所要深度まで高圧噴射装置の噴射部を貫入して改良材を噴射させていた。
【0003】
このような従来の一般的な工法では、堀削作業と改良材の噴射の作業とを別個の装置で、非連続的な作業として行う必要があり、同一箇所への2度打ちによる労力と機材コストの上乗せもあり、コスト高となっていた。また、一度掘削した孔であっても、高圧噴射装置を貫入するまでに、孔の中の一部が崩落して孔が詰まっていたりする場合があり、その場合には再掘削が避けられなくなり、さらなるコスト高を招いていた。さらに、地盤が水面下にある場合は、掘削機を引き上げると、掘削孔の位置が分からなくなるので、高圧噴射装置の貫入が不可能であり、したがって高圧噴射工法の実施自体が不可能であった。
【0004】
特許文献1は、上述のような従来の一般的な工法の欠点を解消できる高圧噴射地盤改良工法として、「軸身を回転上下動させながら、該軸身の下端部に設けた噴射ノズルから硬化材液を改良対象地盤中に高圧噴射して、地盤を改良する高圧噴射地盤改良工法に用いる注入ロッドの、前記軸身の下端部に設けた硬化材液噴射用モニターに、ダウンザホールハンマーを取り付け、該ダウンザホールハンマーで改良対象地盤中の捨て石層、硬質層などの障害物層を打撃削孔して所定深度まで削孔した後、注入ロッドを回転引き上げながら硬化材液噴射用モニターから硬化材液を高圧噴射して、改良体を造成することを特徴とする高圧噴射地盤改良工法」を開示している。
【0005】
さらに、特許文献2および3は、セメントミルクスラリー(固化剤と水を混練したものの総称)を地盤に排出するセメントミルク配管をダウンザホールハンマーと一体化した構造のセメントミルク注入式ダウンザホールハンマーを開示している。
【特許文献1】特開平11−172667号公報
【特許文献2】特許第3247757号公報
【特許文献3】特開平6−264435号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記特許文献1に開示されている高圧噴射地盤改良工法においては、単純に、高圧噴射装置の下方に、この高圧噴射装置とは独立構造のダウンザホールハンマを設けていたため、地盤中の高圧噴射を行うべき位置(この位置に硬化材液噴射用モニターが位置しなければならない)よりダウンザホールハンマーのビットの長さ分(通常、1メートル強)だけ余計に孔を深く掘り下げなければならなかった。したがって、その分の時間的ロスが生じるとともに、地盤・土壌改良部の下方の硬質地盤を1メートル強余掘することにより、地盤を不必要に打ち抜いてしまい、原地盤の耐圧上問題が生じたり、汚染土壌改良の場合、所期の目的とは逆にそこから汚染を拡散させてしまう虞があるという問題があった。
【0007】
他方、前記特許文献2および3に開示されているセメントミルク注入式ダウンザホールハンマーにおいては、セメントミルク配管はダウンザホールハンマーの外周管として設置されていて、注入圧は低圧であるため、セメントミルクスラリーを吐出口の極近傍の地盤中に残してくるのみで、吐出口から遠く離れた領域まで到達させる事は不可能なため、改良材の注入範囲が極めて限定的となり、所期の地盤・土壌改良の目的を十分果たすことができないという問題があった。
【0008】
本発明は、このような従来の事情に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、対象部までの掘削作業と対象部への高圧噴射作業とを、掘削作業後に掘削機を地上に引き上げることなく、連続的に行うことができる高圧噴射工法およびダウンザホールハンマーを提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、ダウンザホールハンマーの余堀分をなるべく少なくすることができる高圧噴射工法およびダウンザホールハンマーを提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、改良材の注入範囲を広範囲とすることができる高圧噴射工法およびダウンザホールハンマーを提供することにある。
【0011】
本発明のさらに他の目的は、以下の説明から明らかになろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明による高圧噴射工法は、地盤中に改良材を高圧噴射する高圧噴射工法において、
ダウンザホールハンマーのビットに噴射ノズルを設けるとともに、前記ダウンザホールハンマー内部を通って前記噴射ノズルと地上側とを結ぶ改良材供給路を設け、
前記ダウンザホールハンマーにより地盤を所要深度まで堀削後、前記改良材を地上側から前記改良材供給路を経由して前記噴射ノズルに供給して該噴射ノズルから地盤中に高圧噴射させるものである。
【0013】
本発明による高圧噴射工法においては、ダウンザホールハンマーで改良材を噴射すべき位置まで地盤を掘削した後、従来の一般工法のようにダウンザホールハンマーを地上に引き上げてから高圧噴射装置の噴射部を貫入するのではなく、そのままダウンザホールハンマーのビットに設けた噴射ノズルから改良材を周囲の地盤に高圧噴射するので、堀削作業と改良材の高圧噴射作業とを同一装置で連続的に行うことができ、作業能率の向上およびコスト低減を図ることができる。また、従来の一般工法の場合のように、堀削後、高圧噴射装置を貫入するまでに、掘削した孔の中の一部が崩落して孔が詰まり、再掘削が必要になる虞もなく、これによっても作業能率の向上およびコスト低減を図ることができる。さらに、従来不可能であった、地盤が水面下にある場合も高圧噴射工法の実施が可能になる
また、特許文献1に開示されている高圧噴射地盤改良工法と異なり、ダウンザホールハンマーのビットから改良材を周囲の地盤に高圧噴射するので、高圧噴射を行うべき深度より孔を深く掘り下げる必要がない。したがって、余掘による時間的ロスを生じたり、地盤を不必要に打ち抜いてしまい、原地盤の耐圧上問題が生じたり、そこから汚染を拡散させてしまう虞をなくすことができる。
【0014】
また、特許文献2および3に開示されているセメントミルク注入式ダウンザホールハンマーと異なり、改良材を高圧噴射することができるので、注入範囲を広範囲とすることができる。
【0015】
また、本発明によるダウンザホールハンマーは、大略筒状のボデーと、このボデー内に一定範囲内において昇降可能に収容されており、該ボデー内に供給される圧縮空気により往復昇降運動を行うピストンと、前記ピストンの下方において前記ボデーに一定範囲内において昇降可能に支持されており、前記ピストンの往復昇降運動の下降時に前記ピストンにより下方に打撃されるビットとを有してなるダウンザホールハンマーにおいて、
前記ビットに設けられており、該ビットから外部に改良材を噴射する噴射ノズルと、前記ボデー内部および前記ビット内部に延びており、前記改良材を前記噴射ノズルに高圧状態で供給する改良材供給路とを有してなるものである。
【0016】
本発明のダウンザホールハンマーによれば、上述ような本発明の高圧噴射工法を実現することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の高圧噴射工法およびダウンザホールハンマーは、
(イ)対象部までの掘削作業と対象部への高圧噴射作業とを、掘削作業後に掘削機を地上に引き上げることなく、連続的に行うことができる、
(ロ)ダウンザホールハンマーの余堀分をなるべく少なくすることができる。
【0018】
(ハ)改良材の注入範囲を広範囲とすることができる、
等の優れた効果を得られるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて説明する。
【実施例1】
【0020】
図1〜10は本発明の実施例1を示している。このうち図1は、本実施例における高圧噴射工法を示す全体施工概図である。まず、この図1により、本実施例において用いられる装置の概要を説明すると、地盤1上を移動できるボーリングマシン2に2重管状(図2参照)のロッド3が上下方向に装着される。前記ロッド3の外管3aの上端部は、地上に置かれたコンプレッサ(図示せず)にホース(図示せず)を介して接続され、圧縮空気を供給される。前記ロッド3の内管3bの上端部は、地上に置かれた改良材供給装置(図示せず)にホース(図示せず)を介して接続され、該装置から地盤または土壌改良用の改良材を高圧で供給される。このロッド3の内管3bは、本実施例においてダウンザホールハンマー4外における改良材供給路を構成する。前記ロッド3の下端部には、以下に詳しく説明するように、ダウンザホールハンマー4のボデー5およびダウンザホールハンマー4内の改良材供給路が接続される。
【0021】
図2〜10は、本実施例におけるダウンザホールハンマー4の構成および作動を示している。次に、これらの図を用いて、まずダウンザホールハンマー4の構成について説明する。ダウンザホールハンマー4は大略円筒状のボデー5を有しており、このボデー5の上端開口部は圧縮空気入口6とされている。前記圧縮空気入口6は、図2〜6に示されるように雄雌管7を介してロッド3の外管3aの下端部に接続され、図2の矢印Aで示されるように外管3aから圧縮空気を供給される。前記ボデー5内の、圧縮空気入口6付近の部分には、大略段付き円筒状の弁体8と、この弁体8を圧縮空気入口6を閉じる方向に付勢する圧縮コイルばね9とを有してなる逆止弁10が設けられている。この逆止弁10は、ロッド3側の方がボデー5内部より圧力が一定以上高くなると圧縮空気入口6を開く一方、そうでない場合には圧縮空気入口6を閉じるようになっている。
【0022】
前記ボデー5内部には、逆止弁10より下流側に位置されるようにしてボデー5と同軸にピストン・エグゾーストガイド11が固定されている。前記ボデー5内には大略円筒状のピストン12がボデー5およびピストン・エグゾーストガイド11に対して一定範囲内において昇降可能、かつボデー5およびピストン・エグゾーストガイド11と同軸に収容されている。前記ピストン12の上端部付近および下端部付近は、それぞれ該ピストン12の軸方向中間部より外周が大径である大径部12a,12bとされている。また、前記ピストン12の上端側はピストン・エグゾーストガイド11の外筒部11a内に侵入している。前記ボデー5の下端部にはキャップ13が固定されている。また、前記ボデー5には、ピストン12の下方において、ビット14が一定範囲内においてボデー5に対し昇降可能、かつボデー5と同軸に支持されている。前記ビット14の上端側は軸部14aとされており、この軸部14aはキャップ13を貫通してボデー5内に侵入している。ビット14の下端側は、軸部14aより大径の主部14bとされていて、この主部14bは常にボデー5およびキャップ13の外部に突出している。前記ボデー5内には、キャップ13の上端に隣接してリテイニングリング15、このリテイニングリング15の上端に隣接してスペーサ16が、それぞれビット14の軸部14aに貫通された状態で装着されている。前記リテイニングリング15はビット14をボデー5から抜け止めするためのもの、前記スペーサ16はボデー5に対するピストン12およびビット14の下限位置を決めるものである。
【0023】
前記ビット14の主部14bには、該主部14bの側面に開口するノズル収容空間17が設けられている。このノズル収容空間17は、図8に示されるように、径方向から見ると、長穴状となっている。また、前記ビット14の中心部には、軸部14aの上端からノズル収容空間17にまで軸方向に延びる軸孔14cが設けられている。前記ビット14の軸孔14cの上端部には、大略段付き円筒状のガイド18が軸孔14cと同軸でかつ上方に突出するようにして取り付けられている。小径とされたこのガイド18の上端側はピストン12内部に侵入している。前記ボデー5内には、該ボデー5と同軸に主改良材管19が取り付けられており、この主改良材管19はピストン・エグゾーストガイド11およびピストン12の内部中心を貫通するとともに、ビット14の軸孔14cを通ってノズル収容空間17にまで延びている。前記主改良材管19の上端部は、図2〜6に示されるように雄雌管7を介してロッド3の内管3bの下端部に接続され、図2の矢印Bで示されるようにロッド3の内管3bから改良材を供給される。図10によく示されるように、前記ガイド18の下端部付近の内周は、該ガイド18の他の部分の内周より径を小さくされており、主改良材管19の外周に摺接されている。ただし、図9および10に示されるように、ガイド18のこの内周部分には軸方向に延びる溝部20が設けられているので、ガイド18はピストン12内部とビット14内部との間の圧縮空気の流通は妨げないようになっている。
【0024】
前記主改良材管19の下端部には90度に屈曲するL字形管21を介して噴射ノズル22が取り付けられている。これにより、噴射ノズル22はビット14に対し一定範囲内において相対的に昇降可能にノズル収容空間17内に収容されている。ただし、噴射ノズル22はボデー5に対しては位置を固定されており、ボデー5と一体的に昇降する。また、ビット14はボデー5に対して回転できないようになっている。ここで、前記主改良材管19およびL字形管21は、本実施例においてダウンザホールハンマー4内における改良材供給路を構成している。前記噴射ノズル22はビット14の径方向外側に向けられてノズル収容空間17の開口に臨んでおり、L字形管21の下辺部21aは噴射ノズル22の直前において噴射ノズル22と同方向に直線状に延びている。
【0025】
次に、本実施例における作業工程およびダウンザホールハンマー4の作動について説明する。
【0026】
図1(a)に示されるように、地盤1を堀削すべき位置において、前記コンプレッサからロッド3の外管3aを介してダウンザホールハンマー4内に圧縮空気を供給しながら、ボーリングマシン2によりロッド3を下降させて行く。すると、圧縮空気の作用により、ダウンザホールハンマー4のピストン12が往復昇降運動を行い、このピストン12の往復昇降運動の下降時にピストン12がビット14を上方から下方に向けて打撃するので、ビット14はその下方の捨て石層、硬質層、岩盤等24を打ち割りながら地盤1内に貫入して行く。
【0027】
次に、図2〜7を用いて上記ダウンザホールハンマー4の削孔動作をさらに詳しく説明する。なお、この削孔動作自体は従来公知のダウンザホールハンマーと同じである。ビット14が土や岩等23等に接触していない状態では、重力のため、ビット14はボデー5に対して下限位置まで下降した状態となる。しかし、土や岩等23にビット14の底部が接触すると、掘削状態ではダウンザホールハンマー4全体が常に下方に押し下げられようとしているため、ビット14はボデー5に対して相対的に上昇し、図2のようにピストン12の下端とビット14の上端が当接した状態になる。
【0028】
続いて、ロッド3の外管3aを介してボデー5内に圧縮空気が供給されていることにより、図3および10に示されるように、ボデー5内の圧縮空気がピストン12を一気に押し上げる(図10は、図3のピストン12底部付近を拡大した図であり、圧縮空気がピストン12を矢印Cで示すように押し上げる)。なお、この図3の段階では、ピストン12上方のピストン・エグゾーストガイド11の外筒部11aと内筒部11bとの間の空間Dは、ピストン12内部、ガイド18の溝部20およびビット14内部(軸孔14cおよびノズル収容空間17)を介して大気に開放されている。
【0029】
上述のようにしてピストン12が一定以上押し上げられると、図4に示されるように、ピストン12の下側大径部12bがボデー5内周の小径部5aに摺接し、両者の間がシール状態なるとともに、それまでシール状態を作ってピストン12上方の空間Dへの圧縮空気の侵入を阻止していたピストン12の上側大径部12aとピストン・エグゾーストガイド11の外筒部11aの内周との嵌合が解除され、かつピストン12の内周上端付近がピストン・エグゾーストガイド11の内筒部11bの外周に摺接されてシール状態を作るので、引き続きロッド3側から供給されている圧縮空気がピストン12上方の空間Dに流れ込んで該空間Dに溜まった状態となる。空間Dに圧縮空気がさらに送り込まれ、圧縮空気の圧力がある限界点を越えると、図5の矢印Eで示されるように、急激にピストン12を押し下げる。これにより、ピストン12はビット14を上方から下方に叩き付け、図6のようにビット14は下方の岩盤23等を叩き割り、その叩き割った分だけビット14は下降する。続いて、図7のように、ダウンザホールハンマー4のビット14以外の部分も下降し(ピストン12は重力により下降する)、ダウンザホールハンマー4自体は図2の状態に戻る。この状態では、ピストン12の内周上端付近とピストン・エグゾーストガイド11の内筒部11bの外周との摺接によるシール状態が解除されるので、ピストン12上方のピストン・エグゾーストガイド11の外筒部11aと内筒部11bとの間の空間Dは、ピストン12内部、ガイド18の溝部20およびビット14内部(軸孔14cおよびノズル収容空間17)からなる流路を介して大気に開放される。
【0030】
以下、このような動作が繰り返し行われることにより、ピストン12が往復昇降運動を行い、このピストン12の往復昇降運動の下降時にピストン12がビット14を打撃し、ビット14はその下方の岩盤23等を打ち割りながら地盤1内に貫入して行く。なお、孔の深さが増すごとにロッド3は順次に継ぎ足して行く。
【0031】
以上のようにしてダウンザホールハンマー4により、図1(b)のように所要深度まで堀削を行ったならば、前記改良材供給装置から改良材を噴射ノズル22に改良材供給路(ロッド3の内管3b、主改良材管19およびL字形管21)を介して高圧状態で供給するとともに、ボーリングマシン2によりロッド3ひいてはダウンザホールハンマー4をそれらの軸線回りに回転させながらゆっくり引き上げて行く。すると、噴射ノズル22から改良材Bが地盤中に大略ビット14の径方向に高圧噴射される。ここで、本実施例では、改良材供給路のうちの噴射ノズル22の直前の部分を構成するL字形管21の下辺部21aが噴射ノズル22と同方向に直線状に延びているので、改良材が直進性を保って噴射ノズル22に至るため、噴射ノズル22から改良材を遠くまで噴射させることができる。噴射ノズル22からの改良材の噴射圧力は高圧(例えば、10〜50Mpa)であり、1分間に例えば約50〜200リットルの改良材を、例えば到達半径0.5〜4メートルで噴射することができる。
【0032】
このようにして、ダウンザホールハンマー4により堀削後、ダウンザホールハンマー4を地上に引き上げことなく、引き続き、ダウンザホールハンマー4全体を回転させるとともにゆっくり上昇させながら噴射ノズル22から改良材を噴射させることにより、図1(c)のように地盤1内の対象部に改良材を広範囲に注入し、地盤改良ないしは土壌改良を行うことができる。図1(c)において、符号26(格子模様を施した部分)は施工部を示している。
【0033】
下記は、1つの施工例であり、極めて良好に地盤改良工事を行うことができた(ただし、勿論、本発明はこのような施工例に限定されるものではない)。
【0034】
地盤改良径 2.0m
地盤改良深さ −2.0〜−15.0m
改良材(セメントミルクスラリー)注入量 100リットル/分
噴射圧力 40Mpa
ビット径 118mm
なお、近年、工場跡地における土壌・地下水汚染の改善や、護岸の液状化防止に伴う護岸地下部の地盤改良、波防効果を高めるための旧護岸改修のための地下部の地盤改良による地耐力の増加等の工事の必要性が非常に高まっている。しかし、このような場合、地下部には捨て石層が多く、従来工法では、捨て石層の下層部の地盤・土壌改良を行うには捨て石層を取り除く必要があったが、それには費用がかかり、また、捨て石層は現護岸の基礎の一部となっているため、取り除けない場合が多いので、従来工法では工事を行うことが困難であった。しかるに、本発明によれば、このような場合も、捨て石層を取り除くことなく工事を行うことができるので、従来実施が困難であった工事を容易に行うことができるようになる(ただし、勿論、本発明の適用対象はこのような工事に限られることはない)。
【0035】
また、本実施例では、噴射ノズル22がビット14内のノズル収容空間17内に収容されているので、掘削作業時に噴射ノズル22が損傷する虞がない。
【0036】
また、本実施例では、ビット14の軸孔14cに取り付けられたガイド18が改良材供給路(主改良材管19)に摺接されているので、ビット14の往復昇降運動によりビット14と改良材供給路(主改良材管19)との間にずれが発生するのを防止することができる。また、なおかつ、図9および10によく示されるように、ガイド18のうちの改良材供給路と摺接する部分の内周には、軸方向に延びる溝部20が設けられているので、ガイド18は軸孔14cにおける圧縮空気の流通は妨げない。なお、溝20の代わりに圧縮空気を通過させる孔をガイド18に設けてもよい。
【実施例2】
【0037】
図11および12は、本発明の実施例2を示す。本実施例においては、図11に示されるように、噴射ノズル22はビット14の主部14bに設けられたノズル収容空間17内においてビット14に固定されている。他方、図12に示されるように、改良材供給路を構成する主改良材管19の上端部は大径とされていて、その内周をロッド3の内管3bの外周に、矢印Fで示されるように、軸方向に移動可能(昇降可能)に嵌合されている。これにより、改良材供給路は全体として伸縮可能となっている。主改良材管19とロッド3の内管3bとの嵌合部にはOリング25が介装されている。他の構成は前記実施例1と同様である。
【0038】
本実施例においては、噴射ノズル22およびダウンザホールハンマー4側の改良材供給路(L字形管21および主改良材管19)はビット14ともに昇降する。そして、このダウンザホールハンマー4側の改良材供給路の昇降は、前記改良材供給路の伸縮(ロッド3の内管3bに対する主改良材管19の軸方向移動)により吸収される。本実施例においては、噴射ノズル22がビット14とともに昇降するので、ノズル収容空間17の大きさを小さくでき、ビット14内にノズル収容空間17を形成することによるビット14の強度への影響を小さくすることができる。
【0039】
なお、本実施例のように、互いに相対的に軸方向に移動可能に嵌合された管の組み合わせを改良材供給路に設けるのではなく、改良材供給路の一部を蛇腹状としたり、改良材供給路をの少なくとも一部を伸縮性に富む材料で構成したりする等の他の手段によって、改良材供給路を伸縮可能としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0040】
以上のように本発明による高圧噴射工法およびダウンザホールハンマーは、地盤改良または土壌改良等に用いるに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施例1における高圧噴射工法を示す全体施工概図である。
【図2】前記実施例1におけるダウンザホールハンマーにおいて、ビットの底部が土や岩に接触してボデーに対し相対的に上昇した状態を示す断面図である。
【図3】前記実施例1におけるダウンザホールハンマーにおいて、圧縮空気によりピストンが押し上げられる様子を示す断面図である。
【図4】前記実施例1におけるダウンザホールハンマーにおいて、圧縮空気の流路が切り換えられ、ピストン上方の空間に圧縮空気が溜められた状態を示す断面図である。
【図5】前記実施例1におけるダウンザホールハンマーにおいて、圧縮空気によりピストンが一気に押し下げられてビットを叩く様子を示す断面図である。
【図6】前記実施例1におけるダウンザホールハンマーにおいて、ビットが下方の岩盤等を叩き割り下方に進む様子を示す断面図である。
【図7】前記実施例1におけるダウンザホールハンマーにおいて、ピストンを含むダウンザホールハンマー全体が下方に進み、ダウンザホールハンマー自身は図2の状態に戻る様子を示す断面図である。
【図8】前記実施例におけるダウンザホールハンマーのビット付近を、ノズル収容空間の開口と正対して径方向から見た図である。
【図9】図2のIX−IX線における断面図である。
【図10】図3のピストン下端部付近の拡大図である。
【図11】本発明の実施例2におけるダウンザホールハンマーのビットの噴射ノズル収容部付近を示す断面図である。
【図12】前記実施例2におけるロッドの内管と主改良材管との嵌合部付近を示す断面図である。
【符号の説明】
【0042】
1 地盤
3 ロッド
3a ロッドの外管
3b ロッドの内管(ダウンザホールハンマー外の改良材供給路)
4 ダウンザホールハンマー
5 ボデー
12 ピストン
14 ビット
14c 軸孔
17 ノズル収容空間
18 ガイド
19 主改良材管(ダウンザホールハンマー内の改良材供給路)
20 溝部
21 L字形管(ダウンザホールハンマー内の改良材供給路)
22 噴射ノズル
A 圧縮空気
B 改良材
【技術分野】
【0001】
本発明は、地盤改良や、土壌・地下水汚染に対する土壌改良等を行うために、地盤内の対象部に改良材を高圧噴射する高圧噴射工法およびそれに用いるに好適なダウンザホールハンマーに係り、特に地盤に硬質層、岩盤、コンクリート盤、障害物等が存在する場合に好適な高圧噴射工法およびダウンザホールハンマーに関する。
【背景技術】
【0002】
地盤改良や、土壌・地下水汚染に対する土壌改良等を行うために、地盤内の対象部に液体や固液体状の改良材を高圧噴射装置にて噴射する高圧噴射工法を実施する際において、地盤に硬質層、岩盤、コンクリート盤、障害物等が存在する場合は、従来は、一般的には、まず、ダウンザホールハンマー、パーカッションハンマー等の掘削機を用いて所要深度まで孔を掘削し、次に、掘削機を地上に引き上げ、しかる後に前記堀削孔の所要深度まで高圧噴射装置の噴射部を貫入して改良材を噴射させていた。
【0003】
このような従来の一般的な工法では、堀削作業と改良材の噴射の作業とを別個の装置で、非連続的な作業として行う必要があり、同一箇所への2度打ちによる労力と機材コストの上乗せもあり、コスト高となっていた。また、一度掘削した孔であっても、高圧噴射装置を貫入するまでに、孔の中の一部が崩落して孔が詰まっていたりする場合があり、その場合には再掘削が避けられなくなり、さらなるコスト高を招いていた。さらに、地盤が水面下にある場合は、掘削機を引き上げると、掘削孔の位置が分からなくなるので、高圧噴射装置の貫入が不可能であり、したがって高圧噴射工法の実施自体が不可能であった。
【0004】
特許文献1は、上述のような従来の一般的な工法の欠点を解消できる高圧噴射地盤改良工法として、「軸身を回転上下動させながら、該軸身の下端部に設けた噴射ノズルから硬化材液を改良対象地盤中に高圧噴射して、地盤を改良する高圧噴射地盤改良工法に用いる注入ロッドの、前記軸身の下端部に設けた硬化材液噴射用モニターに、ダウンザホールハンマーを取り付け、該ダウンザホールハンマーで改良対象地盤中の捨て石層、硬質層などの障害物層を打撃削孔して所定深度まで削孔した後、注入ロッドを回転引き上げながら硬化材液噴射用モニターから硬化材液を高圧噴射して、改良体を造成することを特徴とする高圧噴射地盤改良工法」を開示している。
【0005】
さらに、特許文献2および3は、セメントミルクスラリー(固化剤と水を混練したものの総称)を地盤に排出するセメントミルク配管をダウンザホールハンマーと一体化した構造のセメントミルク注入式ダウンザホールハンマーを開示している。
【特許文献1】特開平11−172667号公報
【特許文献2】特許第3247757号公報
【特許文献3】特開平6−264435号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記特許文献1に開示されている高圧噴射地盤改良工法においては、単純に、高圧噴射装置の下方に、この高圧噴射装置とは独立構造のダウンザホールハンマを設けていたため、地盤中の高圧噴射を行うべき位置(この位置に硬化材液噴射用モニターが位置しなければならない)よりダウンザホールハンマーのビットの長さ分(通常、1メートル強)だけ余計に孔を深く掘り下げなければならなかった。したがって、その分の時間的ロスが生じるとともに、地盤・土壌改良部の下方の硬質地盤を1メートル強余掘することにより、地盤を不必要に打ち抜いてしまい、原地盤の耐圧上問題が生じたり、汚染土壌改良の場合、所期の目的とは逆にそこから汚染を拡散させてしまう虞があるという問題があった。
【0007】
他方、前記特許文献2および3に開示されているセメントミルク注入式ダウンザホールハンマーにおいては、セメントミルク配管はダウンザホールハンマーの外周管として設置されていて、注入圧は低圧であるため、セメントミルクスラリーを吐出口の極近傍の地盤中に残してくるのみで、吐出口から遠く離れた領域まで到達させる事は不可能なため、改良材の注入範囲が極めて限定的となり、所期の地盤・土壌改良の目的を十分果たすことができないという問題があった。
【0008】
本発明は、このような従来の事情に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、対象部までの掘削作業と対象部への高圧噴射作業とを、掘削作業後に掘削機を地上に引き上げることなく、連続的に行うことができる高圧噴射工法およびダウンザホールハンマーを提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、ダウンザホールハンマーの余堀分をなるべく少なくすることができる高圧噴射工法およびダウンザホールハンマーを提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、改良材の注入範囲を広範囲とすることができる高圧噴射工法およびダウンザホールハンマーを提供することにある。
【0011】
本発明のさらに他の目的は、以下の説明から明らかになろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明による高圧噴射工法は、地盤中に改良材を高圧噴射する高圧噴射工法において、
ダウンザホールハンマーのビットに噴射ノズルを設けるとともに、前記ダウンザホールハンマー内部を通って前記噴射ノズルと地上側とを結ぶ改良材供給路を設け、
前記ダウンザホールハンマーにより地盤を所要深度まで堀削後、前記改良材を地上側から前記改良材供給路を経由して前記噴射ノズルに供給して該噴射ノズルから地盤中に高圧噴射させるものである。
【0013】
本発明による高圧噴射工法においては、ダウンザホールハンマーで改良材を噴射すべき位置まで地盤を掘削した後、従来の一般工法のようにダウンザホールハンマーを地上に引き上げてから高圧噴射装置の噴射部を貫入するのではなく、そのままダウンザホールハンマーのビットに設けた噴射ノズルから改良材を周囲の地盤に高圧噴射するので、堀削作業と改良材の高圧噴射作業とを同一装置で連続的に行うことができ、作業能率の向上およびコスト低減を図ることができる。また、従来の一般工法の場合のように、堀削後、高圧噴射装置を貫入するまでに、掘削した孔の中の一部が崩落して孔が詰まり、再掘削が必要になる虞もなく、これによっても作業能率の向上およびコスト低減を図ることができる。さらに、従来不可能であった、地盤が水面下にある場合も高圧噴射工法の実施が可能になる
また、特許文献1に開示されている高圧噴射地盤改良工法と異なり、ダウンザホールハンマーのビットから改良材を周囲の地盤に高圧噴射するので、高圧噴射を行うべき深度より孔を深く掘り下げる必要がない。したがって、余掘による時間的ロスを生じたり、地盤を不必要に打ち抜いてしまい、原地盤の耐圧上問題が生じたり、そこから汚染を拡散させてしまう虞をなくすことができる。
【0014】
また、特許文献2および3に開示されているセメントミルク注入式ダウンザホールハンマーと異なり、改良材を高圧噴射することができるので、注入範囲を広範囲とすることができる。
【0015】
また、本発明によるダウンザホールハンマーは、大略筒状のボデーと、このボデー内に一定範囲内において昇降可能に収容されており、該ボデー内に供給される圧縮空気により往復昇降運動を行うピストンと、前記ピストンの下方において前記ボデーに一定範囲内において昇降可能に支持されており、前記ピストンの往復昇降運動の下降時に前記ピストンにより下方に打撃されるビットとを有してなるダウンザホールハンマーにおいて、
前記ビットに設けられており、該ビットから外部に改良材を噴射する噴射ノズルと、前記ボデー内部および前記ビット内部に延びており、前記改良材を前記噴射ノズルに高圧状態で供給する改良材供給路とを有してなるものである。
【0016】
本発明のダウンザホールハンマーによれば、上述ような本発明の高圧噴射工法を実現することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の高圧噴射工法およびダウンザホールハンマーは、
(イ)対象部までの掘削作業と対象部への高圧噴射作業とを、掘削作業後に掘削機を地上に引き上げることなく、連続的に行うことができる、
(ロ)ダウンザホールハンマーの余堀分をなるべく少なくすることができる。
【0018】
(ハ)改良材の注入範囲を広範囲とすることができる、
等の優れた効果を得られるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて説明する。
【実施例1】
【0020】
図1〜10は本発明の実施例1を示している。このうち図1は、本実施例における高圧噴射工法を示す全体施工概図である。まず、この図1により、本実施例において用いられる装置の概要を説明すると、地盤1上を移動できるボーリングマシン2に2重管状(図2参照)のロッド3が上下方向に装着される。前記ロッド3の外管3aの上端部は、地上に置かれたコンプレッサ(図示せず)にホース(図示せず)を介して接続され、圧縮空気を供給される。前記ロッド3の内管3bの上端部は、地上に置かれた改良材供給装置(図示せず)にホース(図示せず)を介して接続され、該装置から地盤または土壌改良用の改良材を高圧で供給される。このロッド3の内管3bは、本実施例においてダウンザホールハンマー4外における改良材供給路を構成する。前記ロッド3の下端部には、以下に詳しく説明するように、ダウンザホールハンマー4のボデー5およびダウンザホールハンマー4内の改良材供給路が接続される。
【0021】
図2〜10は、本実施例におけるダウンザホールハンマー4の構成および作動を示している。次に、これらの図を用いて、まずダウンザホールハンマー4の構成について説明する。ダウンザホールハンマー4は大略円筒状のボデー5を有しており、このボデー5の上端開口部は圧縮空気入口6とされている。前記圧縮空気入口6は、図2〜6に示されるように雄雌管7を介してロッド3の外管3aの下端部に接続され、図2の矢印Aで示されるように外管3aから圧縮空気を供給される。前記ボデー5内の、圧縮空気入口6付近の部分には、大略段付き円筒状の弁体8と、この弁体8を圧縮空気入口6を閉じる方向に付勢する圧縮コイルばね9とを有してなる逆止弁10が設けられている。この逆止弁10は、ロッド3側の方がボデー5内部より圧力が一定以上高くなると圧縮空気入口6を開く一方、そうでない場合には圧縮空気入口6を閉じるようになっている。
【0022】
前記ボデー5内部には、逆止弁10より下流側に位置されるようにしてボデー5と同軸にピストン・エグゾーストガイド11が固定されている。前記ボデー5内には大略円筒状のピストン12がボデー5およびピストン・エグゾーストガイド11に対して一定範囲内において昇降可能、かつボデー5およびピストン・エグゾーストガイド11と同軸に収容されている。前記ピストン12の上端部付近および下端部付近は、それぞれ該ピストン12の軸方向中間部より外周が大径である大径部12a,12bとされている。また、前記ピストン12の上端側はピストン・エグゾーストガイド11の外筒部11a内に侵入している。前記ボデー5の下端部にはキャップ13が固定されている。また、前記ボデー5には、ピストン12の下方において、ビット14が一定範囲内においてボデー5に対し昇降可能、かつボデー5と同軸に支持されている。前記ビット14の上端側は軸部14aとされており、この軸部14aはキャップ13を貫通してボデー5内に侵入している。ビット14の下端側は、軸部14aより大径の主部14bとされていて、この主部14bは常にボデー5およびキャップ13の外部に突出している。前記ボデー5内には、キャップ13の上端に隣接してリテイニングリング15、このリテイニングリング15の上端に隣接してスペーサ16が、それぞれビット14の軸部14aに貫通された状態で装着されている。前記リテイニングリング15はビット14をボデー5から抜け止めするためのもの、前記スペーサ16はボデー5に対するピストン12およびビット14の下限位置を決めるものである。
【0023】
前記ビット14の主部14bには、該主部14bの側面に開口するノズル収容空間17が設けられている。このノズル収容空間17は、図8に示されるように、径方向から見ると、長穴状となっている。また、前記ビット14の中心部には、軸部14aの上端からノズル収容空間17にまで軸方向に延びる軸孔14cが設けられている。前記ビット14の軸孔14cの上端部には、大略段付き円筒状のガイド18が軸孔14cと同軸でかつ上方に突出するようにして取り付けられている。小径とされたこのガイド18の上端側はピストン12内部に侵入している。前記ボデー5内には、該ボデー5と同軸に主改良材管19が取り付けられており、この主改良材管19はピストン・エグゾーストガイド11およびピストン12の内部中心を貫通するとともに、ビット14の軸孔14cを通ってノズル収容空間17にまで延びている。前記主改良材管19の上端部は、図2〜6に示されるように雄雌管7を介してロッド3の内管3bの下端部に接続され、図2の矢印Bで示されるようにロッド3の内管3bから改良材を供給される。図10によく示されるように、前記ガイド18の下端部付近の内周は、該ガイド18の他の部分の内周より径を小さくされており、主改良材管19の外周に摺接されている。ただし、図9および10に示されるように、ガイド18のこの内周部分には軸方向に延びる溝部20が設けられているので、ガイド18はピストン12内部とビット14内部との間の圧縮空気の流通は妨げないようになっている。
【0024】
前記主改良材管19の下端部には90度に屈曲するL字形管21を介して噴射ノズル22が取り付けられている。これにより、噴射ノズル22はビット14に対し一定範囲内において相対的に昇降可能にノズル収容空間17内に収容されている。ただし、噴射ノズル22はボデー5に対しては位置を固定されており、ボデー5と一体的に昇降する。また、ビット14はボデー5に対して回転できないようになっている。ここで、前記主改良材管19およびL字形管21は、本実施例においてダウンザホールハンマー4内における改良材供給路を構成している。前記噴射ノズル22はビット14の径方向外側に向けられてノズル収容空間17の開口に臨んでおり、L字形管21の下辺部21aは噴射ノズル22の直前において噴射ノズル22と同方向に直線状に延びている。
【0025】
次に、本実施例における作業工程およびダウンザホールハンマー4の作動について説明する。
【0026】
図1(a)に示されるように、地盤1を堀削すべき位置において、前記コンプレッサからロッド3の外管3aを介してダウンザホールハンマー4内に圧縮空気を供給しながら、ボーリングマシン2によりロッド3を下降させて行く。すると、圧縮空気の作用により、ダウンザホールハンマー4のピストン12が往復昇降運動を行い、このピストン12の往復昇降運動の下降時にピストン12がビット14を上方から下方に向けて打撃するので、ビット14はその下方の捨て石層、硬質層、岩盤等24を打ち割りながら地盤1内に貫入して行く。
【0027】
次に、図2〜7を用いて上記ダウンザホールハンマー4の削孔動作をさらに詳しく説明する。なお、この削孔動作自体は従来公知のダウンザホールハンマーと同じである。ビット14が土や岩等23等に接触していない状態では、重力のため、ビット14はボデー5に対して下限位置まで下降した状態となる。しかし、土や岩等23にビット14の底部が接触すると、掘削状態ではダウンザホールハンマー4全体が常に下方に押し下げられようとしているため、ビット14はボデー5に対して相対的に上昇し、図2のようにピストン12の下端とビット14の上端が当接した状態になる。
【0028】
続いて、ロッド3の外管3aを介してボデー5内に圧縮空気が供給されていることにより、図3および10に示されるように、ボデー5内の圧縮空気がピストン12を一気に押し上げる(図10は、図3のピストン12底部付近を拡大した図であり、圧縮空気がピストン12を矢印Cで示すように押し上げる)。なお、この図3の段階では、ピストン12上方のピストン・エグゾーストガイド11の外筒部11aと内筒部11bとの間の空間Dは、ピストン12内部、ガイド18の溝部20およびビット14内部(軸孔14cおよびノズル収容空間17)を介して大気に開放されている。
【0029】
上述のようにしてピストン12が一定以上押し上げられると、図4に示されるように、ピストン12の下側大径部12bがボデー5内周の小径部5aに摺接し、両者の間がシール状態なるとともに、それまでシール状態を作ってピストン12上方の空間Dへの圧縮空気の侵入を阻止していたピストン12の上側大径部12aとピストン・エグゾーストガイド11の外筒部11aの内周との嵌合が解除され、かつピストン12の内周上端付近がピストン・エグゾーストガイド11の内筒部11bの外周に摺接されてシール状態を作るので、引き続きロッド3側から供給されている圧縮空気がピストン12上方の空間Dに流れ込んで該空間Dに溜まった状態となる。空間Dに圧縮空気がさらに送り込まれ、圧縮空気の圧力がある限界点を越えると、図5の矢印Eで示されるように、急激にピストン12を押し下げる。これにより、ピストン12はビット14を上方から下方に叩き付け、図6のようにビット14は下方の岩盤23等を叩き割り、その叩き割った分だけビット14は下降する。続いて、図7のように、ダウンザホールハンマー4のビット14以外の部分も下降し(ピストン12は重力により下降する)、ダウンザホールハンマー4自体は図2の状態に戻る。この状態では、ピストン12の内周上端付近とピストン・エグゾーストガイド11の内筒部11bの外周との摺接によるシール状態が解除されるので、ピストン12上方のピストン・エグゾーストガイド11の外筒部11aと内筒部11bとの間の空間Dは、ピストン12内部、ガイド18の溝部20およびビット14内部(軸孔14cおよびノズル収容空間17)からなる流路を介して大気に開放される。
【0030】
以下、このような動作が繰り返し行われることにより、ピストン12が往復昇降運動を行い、このピストン12の往復昇降運動の下降時にピストン12がビット14を打撃し、ビット14はその下方の岩盤23等を打ち割りながら地盤1内に貫入して行く。なお、孔の深さが増すごとにロッド3は順次に継ぎ足して行く。
【0031】
以上のようにしてダウンザホールハンマー4により、図1(b)のように所要深度まで堀削を行ったならば、前記改良材供給装置から改良材を噴射ノズル22に改良材供給路(ロッド3の内管3b、主改良材管19およびL字形管21)を介して高圧状態で供給するとともに、ボーリングマシン2によりロッド3ひいてはダウンザホールハンマー4をそれらの軸線回りに回転させながらゆっくり引き上げて行く。すると、噴射ノズル22から改良材Bが地盤中に大略ビット14の径方向に高圧噴射される。ここで、本実施例では、改良材供給路のうちの噴射ノズル22の直前の部分を構成するL字形管21の下辺部21aが噴射ノズル22と同方向に直線状に延びているので、改良材が直進性を保って噴射ノズル22に至るため、噴射ノズル22から改良材を遠くまで噴射させることができる。噴射ノズル22からの改良材の噴射圧力は高圧(例えば、10〜50Mpa)であり、1分間に例えば約50〜200リットルの改良材を、例えば到達半径0.5〜4メートルで噴射することができる。
【0032】
このようにして、ダウンザホールハンマー4により堀削後、ダウンザホールハンマー4を地上に引き上げことなく、引き続き、ダウンザホールハンマー4全体を回転させるとともにゆっくり上昇させながら噴射ノズル22から改良材を噴射させることにより、図1(c)のように地盤1内の対象部に改良材を広範囲に注入し、地盤改良ないしは土壌改良を行うことができる。図1(c)において、符号26(格子模様を施した部分)は施工部を示している。
【0033】
下記は、1つの施工例であり、極めて良好に地盤改良工事を行うことができた(ただし、勿論、本発明はこのような施工例に限定されるものではない)。
【0034】
地盤改良径 2.0m
地盤改良深さ −2.0〜−15.0m
改良材(セメントミルクスラリー)注入量 100リットル/分
噴射圧力 40Mpa
ビット径 118mm
なお、近年、工場跡地における土壌・地下水汚染の改善や、護岸の液状化防止に伴う護岸地下部の地盤改良、波防効果を高めるための旧護岸改修のための地下部の地盤改良による地耐力の増加等の工事の必要性が非常に高まっている。しかし、このような場合、地下部には捨て石層が多く、従来工法では、捨て石層の下層部の地盤・土壌改良を行うには捨て石層を取り除く必要があったが、それには費用がかかり、また、捨て石層は現護岸の基礎の一部となっているため、取り除けない場合が多いので、従来工法では工事を行うことが困難であった。しかるに、本発明によれば、このような場合も、捨て石層を取り除くことなく工事を行うことができるので、従来実施が困難であった工事を容易に行うことができるようになる(ただし、勿論、本発明の適用対象はこのような工事に限られることはない)。
【0035】
また、本実施例では、噴射ノズル22がビット14内のノズル収容空間17内に収容されているので、掘削作業時に噴射ノズル22が損傷する虞がない。
【0036】
また、本実施例では、ビット14の軸孔14cに取り付けられたガイド18が改良材供給路(主改良材管19)に摺接されているので、ビット14の往復昇降運動によりビット14と改良材供給路(主改良材管19)との間にずれが発生するのを防止することができる。また、なおかつ、図9および10によく示されるように、ガイド18のうちの改良材供給路と摺接する部分の内周には、軸方向に延びる溝部20が設けられているので、ガイド18は軸孔14cにおける圧縮空気の流通は妨げない。なお、溝20の代わりに圧縮空気を通過させる孔をガイド18に設けてもよい。
【実施例2】
【0037】
図11および12は、本発明の実施例2を示す。本実施例においては、図11に示されるように、噴射ノズル22はビット14の主部14bに設けられたノズル収容空間17内においてビット14に固定されている。他方、図12に示されるように、改良材供給路を構成する主改良材管19の上端部は大径とされていて、その内周をロッド3の内管3bの外周に、矢印Fで示されるように、軸方向に移動可能(昇降可能)に嵌合されている。これにより、改良材供給路は全体として伸縮可能となっている。主改良材管19とロッド3の内管3bとの嵌合部にはOリング25が介装されている。他の構成は前記実施例1と同様である。
【0038】
本実施例においては、噴射ノズル22およびダウンザホールハンマー4側の改良材供給路(L字形管21および主改良材管19)はビット14ともに昇降する。そして、このダウンザホールハンマー4側の改良材供給路の昇降は、前記改良材供給路の伸縮(ロッド3の内管3bに対する主改良材管19の軸方向移動)により吸収される。本実施例においては、噴射ノズル22がビット14とともに昇降するので、ノズル収容空間17の大きさを小さくでき、ビット14内にノズル収容空間17を形成することによるビット14の強度への影響を小さくすることができる。
【0039】
なお、本実施例のように、互いに相対的に軸方向に移動可能に嵌合された管の組み合わせを改良材供給路に設けるのではなく、改良材供給路の一部を蛇腹状としたり、改良材供給路をの少なくとも一部を伸縮性に富む材料で構成したりする等の他の手段によって、改良材供給路を伸縮可能としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0040】
以上のように本発明による高圧噴射工法およびダウンザホールハンマーは、地盤改良または土壌改良等に用いるに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施例1における高圧噴射工法を示す全体施工概図である。
【図2】前記実施例1におけるダウンザホールハンマーにおいて、ビットの底部が土や岩に接触してボデーに対し相対的に上昇した状態を示す断面図である。
【図3】前記実施例1におけるダウンザホールハンマーにおいて、圧縮空気によりピストンが押し上げられる様子を示す断面図である。
【図4】前記実施例1におけるダウンザホールハンマーにおいて、圧縮空気の流路が切り換えられ、ピストン上方の空間に圧縮空気が溜められた状態を示す断面図である。
【図5】前記実施例1におけるダウンザホールハンマーにおいて、圧縮空気によりピストンが一気に押し下げられてビットを叩く様子を示す断面図である。
【図6】前記実施例1におけるダウンザホールハンマーにおいて、ビットが下方の岩盤等を叩き割り下方に進む様子を示す断面図である。
【図7】前記実施例1におけるダウンザホールハンマーにおいて、ピストンを含むダウンザホールハンマー全体が下方に進み、ダウンザホールハンマー自身は図2の状態に戻る様子を示す断面図である。
【図8】前記実施例におけるダウンザホールハンマーのビット付近を、ノズル収容空間の開口と正対して径方向から見た図である。
【図9】図2のIX−IX線における断面図である。
【図10】図3のピストン下端部付近の拡大図である。
【図11】本発明の実施例2におけるダウンザホールハンマーのビットの噴射ノズル収容部付近を示す断面図である。
【図12】前記実施例2におけるロッドの内管と主改良材管との嵌合部付近を示す断面図である。
【符号の説明】
【0042】
1 地盤
3 ロッド
3a ロッドの外管
3b ロッドの内管(ダウンザホールハンマー外の改良材供給路)
4 ダウンザホールハンマー
5 ボデー
12 ピストン
14 ビット
14c 軸孔
17 ノズル収容空間
18 ガイド
19 主改良材管(ダウンザホールハンマー内の改良材供給路)
20 溝部
21 L字形管(ダウンザホールハンマー内の改良材供給路)
22 噴射ノズル
A 圧縮空気
B 改良材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地盤中に改良材を高圧噴射する高圧噴射工法において、
ダウンザホールハンマーのビットに噴射ノズルを設けるとともに、前記ダウンザホールハンマー内部を通って前記噴射ノズルと地上側とを結ぶ改良材供給路を設け、
前記ダウンザホールハンマーにより地盤を所要深度まで堀削後、前記改良材を地上側から前記改良材供給路を経由して前記噴射ノズルに供給して該噴射ノズルから地盤中に高圧噴射させる高圧噴射工法。
【請求項2】
前記ビットを該ビットの軸線を中心として前記噴射ノズルとともに回転させながら、前記噴射ノズルから大略前記ビットの径方向に前記改良材を高圧噴射させる請求項1記載の高圧噴射工法。
【請求項3】
前記改良材供給路を伸縮可能としておき、前記噴射ノズルを前記ビットとともに昇降する請求項1または2記載の高圧噴射工法。
【請求項4】
大略筒状のボデーと、このボデー内に一定範囲内において昇降可能に収容されており、該ボデー内に供給される圧縮空気により往復昇降運動を行うピストンと、前記ピストンの下方において前記ボデーに一定範囲内において昇降可能に支持されており、前記ピストンの往復昇降運動の下降時に前記ピストンにより下方に打撃されるビットとを有してなるダウンザホールハンマーにおいて、
前記ビットに設けられており、該ビットから外部に改良材を噴射する噴射ノズルと、前記ボデー内部および前記ビット内部に延びており、前記改良材を前記噴射ノズルに高圧状態で供給する改良材供給路とを有してなるダウンザホールハンマー。
【請求項5】
前記ビット内に設けられており、該ビットの側面に開口するノズル収容空間をさらに有しており、前記噴射ノズルは前記ノズル収容空間内に収容されていて、該ノズル収容空間の開口を通して外部に前記改良材を噴射する請求項4記載のダウンザホールハンマー。
【請求項6】
前記噴射ノズルは、前記ビットに対し一定範囲内において相対的に昇降可能に前記ノズル収容空間内に収容されている請求項5記載のダウンザホールハンマー。
【請求項7】
前記ビットに該ビットの軸方向に設けられており、圧縮空気を通すようになっているととともに、前記改良材供給路を通されている軸孔と、この軸孔に該軸孔と同軸状に取り付けられるとともに内周を前記改良材供給路の外周に摺接される大略筒状のガイドとをさらに有し、前記ガイドは前記軸孔における圧縮空気の流通は妨げないようになっている請求項6記載のダウンザホールハンマー。
【請求項8】
前記噴射ノズルは前記ビットとともに昇降するようになっている請求項4または5に記載のダウンザホールハンマー。
【請求項9】
前記噴射ノズルは大略前記ビットの径方向に向けられており、かつ前記改良材供給路のうちの前記噴射ノズルの直前の部分は前記噴射ノズルと同方向に直線状に延びている請求項4乃至8のいずれかに記載のダウンザホールハンマー。
【請求項1】
地盤中に改良材を高圧噴射する高圧噴射工法において、
ダウンザホールハンマーのビットに噴射ノズルを設けるとともに、前記ダウンザホールハンマー内部を通って前記噴射ノズルと地上側とを結ぶ改良材供給路を設け、
前記ダウンザホールハンマーにより地盤を所要深度まで堀削後、前記改良材を地上側から前記改良材供給路を経由して前記噴射ノズルに供給して該噴射ノズルから地盤中に高圧噴射させる高圧噴射工法。
【請求項2】
前記ビットを該ビットの軸線を中心として前記噴射ノズルとともに回転させながら、前記噴射ノズルから大略前記ビットの径方向に前記改良材を高圧噴射させる請求項1記載の高圧噴射工法。
【請求項3】
前記改良材供給路を伸縮可能としておき、前記噴射ノズルを前記ビットとともに昇降する請求項1または2記載の高圧噴射工法。
【請求項4】
大略筒状のボデーと、このボデー内に一定範囲内において昇降可能に収容されており、該ボデー内に供給される圧縮空気により往復昇降運動を行うピストンと、前記ピストンの下方において前記ボデーに一定範囲内において昇降可能に支持されており、前記ピストンの往復昇降運動の下降時に前記ピストンにより下方に打撃されるビットとを有してなるダウンザホールハンマーにおいて、
前記ビットに設けられており、該ビットから外部に改良材を噴射する噴射ノズルと、前記ボデー内部および前記ビット内部に延びており、前記改良材を前記噴射ノズルに高圧状態で供給する改良材供給路とを有してなるダウンザホールハンマー。
【請求項5】
前記ビット内に設けられており、該ビットの側面に開口するノズル収容空間をさらに有しており、前記噴射ノズルは前記ノズル収容空間内に収容されていて、該ノズル収容空間の開口を通して外部に前記改良材を噴射する請求項4記載のダウンザホールハンマー。
【請求項6】
前記噴射ノズルは、前記ビットに対し一定範囲内において相対的に昇降可能に前記ノズル収容空間内に収容されている請求項5記載のダウンザホールハンマー。
【請求項7】
前記ビットに該ビットの軸方向に設けられており、圧縮空気を通すようになっているととともに、前記改良材供給路を通されている軸孔と、この軸孔に該軸孔と同軸状に取り付けられるとともに内周を前記改良材供給路の外周に摺接される大略筒状のガイドとをさらに有し、前記ガイドは前記軸孔における圧縮空気の流通は妨げないようになっている請求項6記載のダウンザホールハンマー。
【請求項8】
前記噴射ノズルは前記ビットとともに昇降するようになっている請求項4または5に記載のダウンザホールハンマー。
【請求項9】
前記噴射ノズルは大略前記ビットの径方向に向けられており、かつ前記改良材供給路のうちの前記噴射ノズルの直前の部分は前記噴射ノズルと同方向に直線状に延びている請求項4乃至8のいずれかに記載のダウンザホールハンマー。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
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【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−336389(P2006−336389A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−164891(P2005−164891)
【出願日】平成17年6月3日(2005.6.3)
【出願人】(391051049)株式会社エステック (28)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月3日(2005.6.3)
【出願人】(391051049)株式会社エステック (28)
【Fターム(参考)】
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