説明

高圧放電ランプ点灯装置

【課題】ランプ電力を定格電力値に対して70%以下にして点灯させても、電極先端の突起を最適な状態に維持し、安定したアークを維持すること。
【解決手段】交流点灯方式で使用され、先端に突起が形成された一対の電極が2.0mm以下の間隔で対向配置され、この放電容器に0.20mg/mm3 以上の水銀及びハロゲンが封入された高圧放電ランプの点灯装置において、定格消費電力に対して70%以下の電力で点灯させる小電力点灯モードの期間、所定の周波数を有するベース電流を供給するベース点灯と、該ベース電流の電流値Ia(A)よりも大きな電流値を有するブースト電流Ib(A)を供給するブースト点灯を交互に行う。ブースト点灯を行なうことにより、複数の2次突起が生成されることがなく、定格の70%以下の小電力点灯モードでもアークの安定化を実現することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高圧放電ランプ点灯装置に関し、特にランプ電力を定格消費電力の40〜70%まで小さくしても、安定に点灯させることができる高圧放電ランプ点灯装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
発光管部内部に水銀を0.20mg/mm3 以上封入した高圧放電ランプが知られている。
このような高圧放電ランプ点灯装置が好適に用いられているプロジェクタ装置では、定格電力よりも電力を下げて使用するいわゆる「エコモード」を採用した装置が多くなってきた。従来エコモードとは、定格消費電力よりも約80%程度に電力を抑えて使用するモードであり、換言すると「小電力点灯モード」である。
このようなエコモードの期間は、電極先端に投入される電力が絞られるため、電極先端温度が低下し、アークの位置が不安定になりフリッカを起こし易い。
この小電力点灯モード期間のフリッカを改善するものではないが、上記ランプにおいてフリッカを抑える技術としては、例えば特許文献1、特許文献2等に記載されるものが知られている。
【0003】
特許文献1記載の技術は、交流点灯方式において点灯周波数に特徴を有するものである。周波数を制御して電極先端の突起を電極先端に突起を形成し、この突起をアークの起点とすることによりアークを安定化する。電極先端の突起のサイズは、アーク安定化のため電力に対応して望ましい状態に制御することが要求され、その制御方法の一つは駆動周波数を変えることである。突起は低い周波数では太く高い周波数では細くなることが知られているが、一方で、単純な波形を繰り返すのみでは、突起を維持できない。このような問題に対し、特許文献1の技術では、突起の維持、安定化を実現することが可能な点灯周波数を検討し、アークの安定化を図っている。
上記技術によれば、従来のエコモードのような小電力点灯モードにおいてもアークを安定的に維持することができた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−059790号公報
【特許文献2】特表2008−509518号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
最近、プロジェクタ装置としては、画面に応じてランプ電流を下げ、コントラストを上げて使用するディミング機能を用いた「明るさ調整モード」や、更に電力を下げて使用する「スーパーエコモード」の使用ニーズが高い。このような状況の下、小電力時のランプ電力は更に絞られ、具体的には定格消費電力の40〜70%まで小さくすることが要求される。しかしながらこのように電力を下げ、定格点灯時の70%以下に低下した場合、公知の技術をもって対応しても、アークが不安定になり、やがてフリッカが発生する。
【0006】
この理由を、図16を参照して、以下に説明する。図16において、101、102はそれぞれ高圧放電ランプの発光管内に設けられた電極の球部、101a、102aは球部の先端に形成された突起、103はアークである。
(a)定格電力点灯においては、図16(a)に示すように球部101,102の先端に予め設けられた体積が比較的小さい突起部分101a,101bによってアーク103が維持される。この期間においては、突起101a,101bの大きさと電力の大きさがつりあい、電極先端部を高温に維持して、電子放出を容易にする。
(b)定格電力の70%以下となる小電力点灯モードで使用する場合には、電力の低下とともに先端部分の温度が低下する。このため、この突起の大きさでは電極先端温度が低すぎて安定な熱電子放出ができなくなり、長時間安定したアーク103を維持することができなくなる。
(c)電極先端の低温状態が続くと、突起先端でアーク103の起点が短い時間周期で移動し、移動したところに更に小さな突起(2次突起)を生成する。そしてアーク103の移動と突起の形成とが繰り返された結果、複数の2次突起が生成され、図16(b)(c)に示すように、2次突起間でアーク103が移動するようになる。
【0007】
この状況になると、それぞれの2次突起でのアーク起点の滞留時間が長くなり、長い時間周期で2次突起間をアーク起点が移動するようになる。2次突起でのアーク起点の滞留時間が長くなる理由は、2次突起のサイズは小さいため高温となり熱電子放出が可能になるためである。ただし、そのサイズは小さすぎて長時間維持することができず蒸発損耗し、他の2次突起と、対向する電極先端との距離(アークギャップ)のほうが短くなれば、アーク起点はそちらへ移動する。
このように2次突起が生成され、形成と消滅を繰り返し、アークを一定個所に維持できず、起点が移動してスクリーン上ではチラツキになって現れる。
一般的に、人間には短周期(>50Hz)の光変動は感じないが、長周期(<50Hz)の光変動は感じられるようになる。ランプのフリッカが顕著になるとスクリーンに映し出された映像にチラツキが現れ、不快感として感じられるようになる。
【0008】
以上のように、定格電力の70%以下となる小電力点灯モードで使用する場合には、電力の低下とともに先端部分の温度が低下し、アークを一定個所に維持できず、起点が移動してチラツキが生ずる。
本発明は上記従来技術の問題点を解決するものであって、本発明が解決しようとする課題は、ランプ電力を定格電力に対して70%以下にしてランプを点灯しても、電極先端の突起を最適な状態に維持し、安定したアークを維持することができる高圧放電ランプ点灯装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明においては、前記課題を次のように解決する。
(1)交流点灯方式で使用される、先端に突起が形成された一対の電極が2.0mm以下の間隔で対向配置され、この放電容器に0.20mg/mm3 以上の水銀及びハロゲンが封入された高圧放電ランプの点灯装置に対して交流電流を供給する給電装置から構成される高圧放電ランプ点灯装置において、定格消費電力に対して40〜70%の電力で点灯される小電力点灯モードの期間、前記高圧放電ランプに対して100Hz〜5kHzの範囲から選択された所定の周波数を有するベース電流を供給するベース点灯と、該ベース電流の電流値Ia(A)よりも大きな電流値を有するブースト電流Ib(A)を供給するブースト点灯を交互に行う。
(2)上記ブースト点灯においては、下記点灯条件を満足すると共に、ベース点灯後の極性を都度反転させて電流を供給する。
前記ベース電流Ia(A)に対するブースト電流Ib(A)の大きさ(Ib/Ia)からなるブースト率をa、1つの電極に前記ブースト電流Ib(A)が供給される実効供給時間をb(ms)、前記ベース電流Ia(A)が供給される時間をc(ms)としたとき、点灯条件を以下のようにする。
・ブースト率a:1.2〜3.5
・ブースト電流Ib(A)実効供給時間b:0.1〜3(ms)
・ベース電流Ia(A)供給時間c:1〜400(ms)
を満足すると共に、上記a,b,cが、下記(式1)の関係を満たすよう各パラメータを選択する。
0.0009≦a×b÷c≦3.5…(式1)
【発明の効果】
【0010】
小電力点灯モードでアーク起点が動かないようにするためには、複数の2次突起が生成されないようにする必要がある。本発明においては、間欠的にブースト点灯される電流を挿入するような電流波形を与えているので、複数の2次突起が生成されることがなく、定格の70%以下の小電力点灯モードでもアークの安定化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態にかかる高圧放電ランプの構成を示す図である。
【図2】本発明の高圧放電ランプの小電力点灯時における、電極先端の様子を説明する図である。
【図3】本発明の実施形態にかかる高圧放電ランプ点灯装置の構成例を示す図である。
【図4】本発明の実施形態にかかる点灯波形の一例を示す図であり、半サイクル毎にブーストを行う場合を示す図である。
【図5】小電力点灯モードにおける半サイクルブースト動作を説明する図である。
【図6】図4の(ア)〜(オ)の各段階における電極先端形状を模式的に示す図である。
【図7】図4の波形で高圧放電ランプを点灯させた場合における電極の先端の突起部分の温度変化を示す図である。
【図8】本発明の実施形態にかかる点灯波形の他の例を示す図であり、一サイクルの間ブーストを行う場合を示す図である。
【図9】図8の(ア)〜(オ)の各段階における電極先端形状を模式的に示す図である。
【図10】図8の波形で高圧放電ランプを点灯させた場合における、小電力点灯時の電極の先端の突起部分の温度変化を示す図である。
【図11】半サイクルブーストを複数回行う場合の点灯波形と、電極の先端の突起部分の温度変化を示す図である。
【図12】全サイクルブーストを複数回行う場合の点灯波形と、電極の先端の突起部分の温度変化を示す図である。
【図13】実験例にかかる点灯条件及び実験結果をまとめて示す図(1)である。
【図14】実験例にかかる点灯条件及び実験結果をまとめて示す図(2)である。
【図15】実験例にかかる点灯条件及び実験結果をまとめて示す図(3)である。
【図16】従来技術に係る電極先端形状を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は本発明の実施形態にかかる高圧放電ランプの構成を示す図、図2はこの放電ランプの電極の構成例を示す図である。
図1に示すように、放電ランプ10の発光管11は石英ガラスからなり、略楕円球形の発光管部12とその両端に連設されたロッド状の封止管部13とを備えて構成される。
発光管部12の内部にはタングステンよりなる一対の電極14a,14bが、極間2mm以下の間隔で対向配置されている。電極14a,14bは図2に示すように、球部141と、球部141の先端に形成された一次突起142と、一次突起の先端にさらに形成された二次突起143を有する。
なお、この実施形態にかかる高圧放電ランプ10においては、定常点灯時は交流点灯方式で点灯されるものであり、電極14a,14bの構成は、定常点灯時における熱的設計を容易にする目的で、すべて同一の構成とされている。
封止管部13の内部にはモリブデンよりなる帯状の金属箔15が埋設され、この金属箔15の発光管部12側の端部には電極14a,14bの軸部が、他方の端部には外部リード棒16が接続される。
【0013】
発光管部12の内部には、放電媒体としての水銀と、希ガスと、ハロゲンガスが封入され、放電空間Sが形成される。
水銀は、必要な可視光波長、例えば、波長360〜780nmという放射光を得るためのものであり、0.15mg/mm3 以上封入されている。この封入量は、温度条件によっても異なるが、点灯時150気圧以上という極めて高い蒸気圧を形成するためのものである。また、水銀をより多く封入することで点灯時の水銀蒸気圧200気圧以上、300気圧以上という高い水銀蒸気圧の放電ランプを作ることができ、水銀蒸気圧が高くなるほどプロジェクタ装置に適した光源を実現することができる。
希ガスは、静圧で約10〜26kPa封入される。具体的には、アルゴンガスであり、このように希ガスを封入するのは、点灯始動性を改善するためである。
また、ハロゲンは、沃素、臭素、塩素などが水銀その他の金属との化合物の形態で封入され、ハロゲンの封入量は、10-6〜10-2μmol/mm3 の範囲から選択される。
その機能は、ハロゲンサイクルを利用した長寿命化(黒化防止)も存在するが、本発明の放電ランプのように極めて小型で高い内圧を有するものの場合、発光管10の失透防止である。なお、放電空間Sには、更に他の放電媒体としてハロゲン化金属を封入することもできる。
【0014】
このような放電ランプについて具体的数値例を示すと、例えば、発光管部12の最大外径12mm、電極間距離1.2mm、発光管11の内容積120mm3 、定格電圧85V、定格電力300Wであり、交流方式で点灯される。
また、この種の放電ランプは、小型化するプロジェクタ装置に内蔵されるものであり、装置の全体寸法が極めて小型化される一方で高い光量が要求されることから、発光管部11内の熱的条件は極めて厳しいものとなり、ランプの管壁負荷値は0.8〜3.0W/mm2 、具体的には2.1W/mm2 となる。このような高い水銀蒸気圧や管壁負荷値を有することにより、プロジェクタ装置等のプレゼンテーション用機器に搭載された場合に演色性の良い放射光を提供することができる。
【0015】
定格電力の40〜70%という小電力範囲でランプを点灯する場合、後述の点灯条件を採用することにより、起点移動することなく、安定的に点灯することができる。
なお、本発明における小電力点灯時のベース電流の周波数範囲は100Hz〜5kHzである。
また、定格消費電力に対し平均して40〜70%の電力値で動作されるモードを「小電力点灯モード」という。
【0016】
小電力点灯モードにおいて、本実施例では、100Hz〜5kHzの範囲から選択された周波数で任意の一定の電流値(ベース電流値という)で交流電流が供給されるベース点灯と、半サイクル、1サイクル又は数サイクルの期間、ベース電流値よりも大きな電流値を有するブースト電流が供給されるブースト点灯とを交互に行う。
ここで、ベース電流値Ia(A)に対するブースト電流値Ib(A)の大きさ(Ib/Ia)からなるブースト率をa、1つの電極に前記ブースト電流Ib(A)が供給される実効供給時間をb(ms)、ベース電流が供給される時間(すなわちベース点灯期間)をc(ms)としたとき、点灯条件は以下のように設定される。
・ブースト率a:1.2〜3.5
・ブースト電流Ib(A)の実効供給時間b:0.1〜3(ms)
・ベース電流Ia(A)供給時間c:1〜400(ms)
を満足すると共に、上記a,b,cが、下記(式1)の関係を満たすよう各パラメータを選択する。
0.0009≦a×b÷c≦3.5…(式1)
さらに、本実施例では、ベース電流から開始されるブースト電流の極性をブースト点灯毎に変える。
【0017】
図3に本発明の実施例の点灯装置(給電装置)の構成例を示す。
点灯装置は放電ランプと給電装置から構成される。
給電装置は、直流電圧が供給される降圧チョッパ回路1と、降圧チョッパ回路1の出力側に接続され、直流電圧を交流電圧に変化させて放電ランプに供給するフルブリッジ型インバータ回路2(以下、「フルブリッジ回路」ともいう。)と、放電ランプ10に直列接続されたコイルL1、コンデンサC1、およびスタータ回路3と、上記フルブリッジ回路2のスイッチング素子Q1〜Q4を駆動するドライバ4と、制御部5とから構成される。 制御部5は例えばマイクロプロセッサ等の処理装置で構成することができ、ここではその機能構成をブロック図で示している。
【0018】
図3において、降圧チョッパ回路1は、直流電圧が供給される+側電源端子に接続されたスイッチング素子QxとリアクトルLxと、スイッチング素子QxとリアクトルLxの接続点と−側電源端子間にカソード側が接続されたダイオードDxと、リアクトルLxの出力側に接続された平滑コンデンサCxと、平滑コンデンサCxの−側端子とダイオードDxのアノード側の間に接続された電流検出用の抵抗Rxから構成される。
上記スイッチング素子Qxを所定のデューティで駆動することにより、入力直流電圧Vdcをこのデューティに応じた電圧に降圧する。降圧チョッパ回路1の出力側には、電圧検出用の抵抗R1,R2の直列回路が設けられている。
フルブリッジ回路2は、ブリッジ状に接続したスイッチング素子Q1〜Q4から構成され、スイッチング素子Q1,Q4、スイッチング素子Q2,Q3を交互にオンにすることにより、スイッチング素子Q1,Q2の接続点と、スイッチング素子Q3,Q4の接続点間に矩形波状の交流電圧が発生する。
スタータ回路3は、抵抗R3とスイッチング素子Q5の直列回路と、コンデンサC2とトランスT1から構成される。
スイッチング素子Q5をオンにすると、コンデンサC2に充電されていた電荷がスイッチング素子Q5、トランスT1の一次側巻線を介して放電し、トランスT1の二次側にパルス状の高電圧が発生する。この高電圧は、ランプ10の補助電極Etに印加され、ランプを点灯させる。
【0019】
上記回路において、出力電力の制御及び上記ブースト率の調整は降圧チョッパ回路1のスイッチング素子Qxの動作デューティを調整することで達成できる。
降圧チョッパ回路1のスイッチング素子Qxは、ゲート信号Gxのデューティに応じてオン/オフし、ランプ10に供給される電力が変化する。すなわち、電力アップならQxのデューティを上げ、電力ダウンならQxのデューティを下げるなどして、その入力された電力調整信号値に合致する電力値になるようにゲート信号Gxの制御を行う。また、ブースト時には、Qxのデューティを上げ、ベース電流値よりも大きな電流値を有するブースト電流を流す。
交流駆動周波数の調整は、フルブリッジ回路2のスイッチング素子Q1〜Q4のスイッチング周期を調整することで実現される。
【0020】
制御部5は、駆動信号発生部51とコントローラ52から構成される。
駆動信号発生部51は、例えば、プロセッサなどから構成され、フルブリッジ回路2のスイッチング素子Q1〜Q4を駆動するための駆動信号を発生する。
コントローラ52は、ランンプ10の点灯動作を制御する点灯動作制御部52aと、駆動信号発生部51の出力を制御する駆動信号選択部52bと、外部からの点灯電力指令に応じて、降圧チョッパ回路1のスイッチング素子Qxを設定されたデューティで駆動し、ランプ電力を制御する点灯電力制御部52cを備える。
【0021】
点灯電力制御部52cは、電流検出用の抵抗Rxの両端電圧と、電圧検出用の抵抗R1,R2により検出された電圧から、ランプ電流I、ランプ電圧Vを求めてランプ電力を演算し、この電力が点灯電力指令に一致するように降圧チョッパ回路1のスイッチング素子Qxのデューティを制御する。また、点灯電力指令の値から定格点灯か、小電力点灯かを判別し、判別結果を駆動信号選択部52bに送出する。
点灯電力制御部52cは、また、点灯電力指令信号が、ディミング又はスーパーエコモードへの切り替えにより、小電力点灯モードに切り替わると、その小電力点灯信号を駆動信号選択部52bに送信する。駆動信号選択部52bは、その小電力信号に応じた駆動信号選択信号を、駆動信号発生部51に送信する。
駆動信号発生部51は、駆動信号選択信号に応じて、駆動信号を発生し、ドライバ4に送信する。
例えば、定格点灯時、小電力点灯時には、それに対応した周波数の駆動信号が出力され、ブースト時にはブースト信号に対応した駆動信号が出力される。
【0022】
フルブリッジ回路2は、ドライバ4からのドライブ信号に応じた極性反転動作を行う。 また、駆動信号選択部52bは、ブースト時にブースト信号を、電力制御部52cに送信し、電力制御部52cはブースト信号が出力される期間、出力電力を前述したようにブーストする(大きくする)。
一例として、定格点灯の「ノーマルモード」における電力が180Wであると、定常時の「エコモード」は144W(定格電力の80%)、小電力点灯の「スーパーエコモード」と「明るさ調整モード(ディミングモード)」は90W(定格電力の50%)である。 この場合、ノーマルモードとエコモードに関しては定常点灯モードで駆動し、小電力点灯のスーパーエコモードと明るさ調整モード(ディミングモード)は小電力点灯モードで駆動し、上記のようにブーストする。
【0023】
以下、本発明の点灯動作について波形例を参照して説明する。
図4は点灯波形の例であり、同図(a)は、定常点灯モードと小電力点灯モードで点灯させているときの電流波形を示し、小電力点灯モードにおいては、所定の周期で半サイクルブーストを行っている場合を示す。また、同図(b)は小電力点灯モード時の波形の拡大図である。なお、同図の縦軸は電流値(電極14aの電流値を正で示す。)、横軸は時間を表す。また、図5は小電力点灯モードにおける半サイクルブースト動作を説明する図である。
なお、ブースト時に、半サイクルだけ出力電力を増大させる場合を半サイクルブーストと呼び、後述するように一サイクル乃至数サイクルにわたり出力電力を増大させる場合を全サイクルブーストと呼ぶ。
【0024】
次に、上記半サイクルブーストの場合について、本実施例におけるランプ点灯装置の動作について説明する。
(1)点灯指令が与えられると、ランプ10への給電が開始されると共に、コントローラ52の点灯動作制御部52aは、始動回路駆動信号を発生し、スタータ回路3をトリガしてランプ10を点灯させる。
(2)ランプ10が点灯すると、電力制御部52cにおいて、分圧抵抗R1、R2により検出される電圧値Vと、抵抗Rxにより検出される電流値Iにより点灯電力が演算される。
(3)コントローラ52の電力制御部52cは、点灯電力指令信号と、上記演算された電力備に基き、降圧チョッパ回路1のスイッチング素子Qxを制御して、点灯電力を制御する。
すなわち、降圧チョッパ回路1のスイッチング素子Qxは、ゲート信号Gxのデューティに応じて変化し、外部から点灯電力指令(電力調整信号)が入力されると電力アップならスイッチング素子Qxのデューティを上げ、電力ダウンならスイッチング素子Qxのデューティを下げるなどして、その入力された点灯電力指令に合致する電力値(電力調整信号値)になるようにゲート信号Gxの制御を行う。
【0025】
(4)点灯電力指令値が大きい(ランプの定格電力の70%より大きい)の定常点灯時には、コントローラ52の駆動信号選択部52bは、駆動信号発生部51から定常点灯時に対応した予め決められた駆動信号を出力させ、ドライバ4を駆動する。また、電力制御部52cは駆動信号選択部52bからの定常点灯信号に応じて、出力電力を定常点灯電力に設定する。
これにより、フルブリッジ回路2は、ドライバ4からのドライブ信号に応じた極性反転動作を行い、ランプ10は、図4(a)の定常点灯モードの波形(A)で点灯する。
(5)また、点灯電力指令値が小さい、すなわち定格電力の70%以下(実用的には40〜70%)である小電力点灯時には、コントローラ52の駆動信号選択部52bは、駆動信号発生部51から、小電力点灯時に対応した予め決められた駆動信号を出力させ、ドライバ4を駆動する。また、電力制御部52cは駆動信号選択部52bからの小電力点灯信号に応じて、出力電力を小電力点灯電力に設定する。
これにより、フルブリッジ回路2は、ドライバ4からのドライブ信号に応じた極性反転動作を行い、ランプ10は、図4(a)の小電力点灯モードの波形(B)で点灯する。
小電力点灯時には、図4(a)(b)に示すように所定の周期で電流値を増大させ、ブースト点灯を行う。
【0026】
上記ブースト点灯動作について、図5により説明する。図5において、(a)は小電力点灯時に駆動信号発生部51から出力されるブースト点灯信号を含む駆動信号、(b)はブースト信号、(c)は小電力点灯時のランプ電流波形(フルブリッジ回路出力)である。
小電力点灯時、点灯動作制御部52aは、図5(b)に示すように所定の周期でブースト信号を出力する。駆動信号選択部52bは、ブースト信号に応じて、駆動信号発生部51から図5(a)に示すブースト点灯信号を含む駆動信号を選択させ、ドライバ4へ出力させる。すなわち、駆動信号発生部51は図5(a)に示すように小電力点灯時の駆動信号の間にブースト点灯時の駆動信号が周期的に挿入された駆動信号を出力する。
一方、上記ブースト信号は電力制御部52cに与えられ、電力制御部52cはブースト信号に応じて、降圧チョッパ回路1のスイッチング素子Qxのデューティを上げ、ベース電流値よりも大きなブースト電流を供給する。
このため、図5(c)に示すように、ブースト信号が出力される毎に、ランプには、ベース電流値よりも大きな電流値を有するブースト電流が供給される。
【0027】
波形(A)の具体的数値例を以下に示す。
・定常点灯時の波形(A)
・定格電力:180W、96V、2.4A
・定常点灯周波数:370Hz
波形(B)の具体的数値例を以下に示す。
・小電力点灯時の波形(B)
・電力:90W、73.5V、1.2A
・小電力点灯周波数:1000Hz
・ブースト率:4
・ブースト間隔(c):0.3秒
【0028】
図6は、図4に示す波形で高圧放電ランプを点灯させた場合における図4中の(ア)〜(オ)で示した各時点における電極先端の模式図、図7は、同図(a)の波形で高圧放電ランプを点灯させた場合における小電力点灯時の電極の先端の突起部分の温度変化を示す図であり、同図(b)は電極14a(+側)の温度変化、同図(c)は電極14b(−)の温度変化を示す。
図4、図6、図7を参照し、この高圧放電ランプの点灯モードと電極先端形状の関係について説明する。
(ア)定格電力動作期間、比較的電流値が大きく、アークは、球部の先端に形成されている1次突起により支持されている。かかる1次突起は先端側のアークアタッチメント部が溶融した状態で、溶融、蒸発、再形成のサイクルを繰り返し、1次突起は維持される。
(イ)点灯電力指令信号により小電力点灯モードに切り替わると、電流値が低下するため1次突起では体積が大きいため十分な熱電子放出が困難になる。アークを安定に維持するため高い1次突起の先端に体積が更に小さい2次突起を形成し、図7の(イ)に示すように電流密度および電極先端温度は維持される。
【0029】
(ウ)小電力点灯モードの電流値が継続されたままでは他に小突起を形成し、複数の小突起が形成され、やがてフリッカの発生にいたる。このため、他の突起が形成される以前に一時的に電流値を増大させ(ブーストする)、図7の(ウ)に示すように温度を上げて2次突起を維持する。
ブースト電流が投入される期間、電極14aの先端温度が上がるため、複数生成されようとする他の小突起を一つにまとめる役割があると考えられる。対向する電極14bにおいては電子流出から温度低下を生じるが、電極14bは電流値の増大によってアークからの輻射熱を受けることで入熱も同時に生じるため、それほど大きな熱損失とはならない。(エ)再び小電力点灯モードによる点灯が行われると、電極先端温度は電流値に従い温度が低下しアークもまた小さくなるが(図7の(エ))、アークは第2突起によって維持される。
(オ)続いて、前回と極性が反転された状態で、ブースト電流が投入されると、上記と反対側の電極14bにおいて先端温度が上がり(図7の(オ))、複数生成されようとする他の小突起を一つにまとめ、2次突起が維持される。このとき電極14aは電子の流出から温度低下を生じるが、上記と同様、電流値の増大によってアークからの輻射熱を受けることで入熱が生じるため、それほど大きな熱損失とはならない。
【0030】
上記では半サイクルブーストの場合について説明したが、1サイクルの間ブーストを行う全サイクルブーストを行うようにしてもよい。
図8は1サイクルの間、ブーストを行う全サイクルブーストの場合の点灯波形の例であり、同図(a)は、定常点灯モードと小電力点灯モードで点灯させているときの電流波形を示し、小電力点灯モードにおいては、所定の周期で半サイクルブーストを行っている場合を示す。また、同図(b)は小電力点灯モード時の波形の拡大図である。なお、同図の縦軸は電流値(電極14aの電流値を正で示す。)、横軸は時間を表す。
図8の場合は前記図5(a)に示した小電力点灯時の駆動信号の間に周期的に挿入されるブースト点灯時の駆動信号を、図8に示すブースト信号のように1サイクルの信号にすることにより実現することができ、その動作は基本的には、前記半サイクルブーストの場合と同様である。
【0031】
図9は、図8に示す波形で高圧放電ランプを点灯させた場合における図8中の(ア)〜(オ)で示した各時点における電極先端の模式図、図10は、同図(a)の波形で高圧放電ランプを点灯させた場合における、小電力点灯時の電極の先端の突起部分の温度変化を示す図であり、同図(b)は電極14a(+側)の温度変化、同図(c)は電極14b(−)の温度変化を示す。
図8、図9、図10を参照して、この高圧放電ランプの点灯モードと電極先端形状の関係について説明する。
(ア)定格電力動作期間、比較的電流値が大きく、アークは、球部の先端に形成されている1次突起により支持されている。
(イ)点灯電力指令信号により小電力点灯モードに切り替わると、電流値が低下するため1次突起では体積が大きいため電子放出が困難になる。アークを維持するため高い1次突起の先端に体積が更に小さい2次突起を形成し、図9の(イ)に示すように電流密度および電極先端温度は維持される。
【0032】
(ウ)小電力点灯モードの電流値が継続されたままでは他に小突起を形成し、複数の小突起が形成され、やがてフリッカの発生にいたる。このため他の突起が形成される以前に一時的に電流値を増大させ(ブースト電流)、図9の(ウ)に示すように温度を上げることで2次突起を維持する。
(エ)極性が反転されたブースト電流が投入されると、図9の(エ)に示すように上記と反対側の電極14bにおいて先端温度が上がり、複数生成されようとする他の小突起を一つにまとめ、2次突起が維持される。このとき電極14aは電子の流出から温度低下を生じるが、上記と同様、電流値の増大によってアークからの輻射熱を受けることで入熱が生じるため、それほど大きな熱損失とはならない。
(オ)再び小電力点灯モードによる点灯が行われると、電極先端温度は電流値に従い温度が低下しアークもまた小さくなるが(図9の(オ))、アークは第2突起によって支持される。
次に極性を反転させて、上記と同様にブースト電流を流す。これにより、図10に示すように、電極14aにおいて先端温度を上げ、次いで、反対側の電極14bにおいて先端温度を上げて2次突起を維持する。
【0033】
上記では半サイクルブースト、一サイクルブーストの場合について説明したが、半サイクルブーストを複数回おこなったり、全サイクルブーストを複数回行うようにしてもよい。
図11は半サイクルブーストを複数回行う場合の点灯波形と、電極の先端の突起部分の温度変化を示す図であり、同図(b)は電極14a(+側)の温度変化、同図(c)は電極14b(−)の温度変化を示す。
この場合は前記図5において、同図(a)に示したブースト時に出力される駆動信号を、図11に示すブースト信号のように複数回の半サイクル信号となるようにすることにより実現することができ、その動作は基本的には前記と同様である。
図11に示すように、半サイクルブーストを複数回行うことにより、前記図10と同様に電極14a,14bの先端温度を上げ、2次突起を維持することができる。
図12は、全サイクルブーストを複数回行う場合の点灯波形と、電極の先端の突起部分の温度変化を示す図であり、同図(b)は電極14a(+側)の温度変化、同図(c)は電極14b(−)の温度変化を示す。
この場合も前記図5において、同図(a)に示したブースト時に出力される駆動信号を図12に示すブースト信号のように複数回の全サイクル信号となるようにすることにより実現することができ、その動作は基本的には前記と同様である。
この場合も、図12に示すように、電極14a,14bの先端温度を上げ、2次突起を維持することができる。
【0034】
次に、小電力点灯時の周波数、ブースト率、ブースト幅、ブースト間隔などを変えてフリッカの有無を調べた。
ここでは、定格消費電力が180W、275W、450Wの高圧放電ランプと、給電装置を用い、小電力点灯モードにおいて種々条件を変え、ランプの電極先端状態を調べた。 この実験例に用いた高圧放電ランプは、以下の表1に示す仕様である。
【0035】
【表1】

【0036】
電極体積については電極体積をy(mm3 ),電力をx(W)としたとき、概ね下記(式2)を採用して形状の最適化を行うと実用的な寿命特性が得られることがわかっている。本実験例に係るランプも(式2)の関係に基いて製作したものである。但し、形状により電極体積はこの関係式から±20%程度の差異が生じることがある。ここで、この電極体積とは、放電空間内の電極の体積(電極棒の部分も含む)である。
y=−0.000026x2+0.032x−2.56…(式2)
【0037】
図13〜図15に実験結果を示す。
この実験は、小電力点灯時の点灯周波数(Hz)、ブースト率a(ブースト電流値Ib/ベース電流値Ia)、ブースト幅b(ブースト電流Ib(A)の実効供給時間)、ブースト間隔c(ブースト間のベース電流Ia(A)供給時間)を変えながら、表1に示すランプ1−3を小電力点灯させてフリッカの有無を調べたものであり、図13〜図15には、上記a,b,cについてa×b÷cの値を示している。
図13〜図15では、フリッカが生じた場合をハッチングと×印で示している。
なお、この実験は、半サイクルブーストを行った場合の結果を示しているが、ブーストは半サイクルでも全サイクルでも効果があると考えられる。
上記実験から、フリッカを生ずることなく、小電力点灯を行うためには、以下の点灯条件を満たす必要があることがわかった。
・ブースト率a:1.2〜3.5
・ブースト電流Ib(A)の実効供給時間b:0.1〜3(ms)
・ベース電流Ia(A)供給時間c:1〜400(ms)
を満足し、かつ、上記a,b,cが、下記(式1)の関係を満たす。
0.0009≦a×b÷c≦3.5…(式1)
【0038】
この実験例は、定格電力180〜450Wのランプのものであるが、これら以外の定格電力のランプであっても、概ね(式1)と同等のパラメータ条件を採用することで、2次突起を安定して維持することができ、小電力点灯期間中、フリッカを生じることなくランプを安定して点灯させることができるものと考えられる。
また、ブースト部分は半サイクルでも全サイクルでも効果があるが、ブースト電流は挿入ごとに極性を変えることが望ましい。
すなわち、陽極動作中の突起の最高到達温度は開始極性に依存し、開始極性を固定した場合、開始極性が陰極となる側の電極は温度が下がりすぎて複数の2次突起が生成されることがある。これを防ぐためブースト電流の挿入ごとにその開始極性を変えると、両側電極の入熱エネルギーが均等になり、両側電極の温度を所期の状態に維持することができる。
【0039】
上記点灯条件で点灯することにより、アーク起点移動の問題を解決できた理由は定かではないが、起点移動を防ぐためには複数の2次突起が生成されないようにする必要があり、1次突起の先端を加熱溶融を行い生成されようとする複数の2次突起をひとまとめにすることで解決できたと考えることができる。
上記検討に基くと、(式1)において a×b÷cは、その際に電極先端に与えるエネルギーと理解することができ、この値が低すぎると1次突起先端を加熱溶融するには不十分となり、高すぎると2次突起を溶融消失または蒸発損耗させてしまう。
【0040】
各パラメータの組み合わせにより、電極先端の加熱のされ方が異なる。従って、a×b÷cの値だけでは良否が決まらないが、各パラメータの持つ定性的な作用は以下の通りである。
(ア)小電力周波数が低すぎると陰極動作期間中にアーク起点が収縮しすぎて不安定となる。特に低い電力のランプで問題を起こしやすい。
逆に高すぎるとアークが収縮しにくくなり2次突起そのものが生成されにくくなる。電流値の高い電力のランプで問題を起こしやすい。
(イ)ブースト高さと幅は加熱溶融のために与えるエネルギーと考えることができる。これらの値が大きすぎると生成されようとする2次突起を溶融消失または蒸発損耗させてしまい、小さすぎると1次突起の先端を必要十分に加熱溶融することができないため、複数の2次突起が生成されてしまう。
(ウ)実用に際して、2次突起を維持するためには必要十分な頻度で加熱を行う必要があり、適切なブースト挿入間隔が必要である。短すぎると加熱されすぎて2次突起そのものを溶融消失または蒸発損耗し、長すぎると先端を必要十分に加熱溶融することができないため複数の2次突起が生成されてしまう。
【0041】
定格電力から小電力点灯モードへの切り替え時には電力を一気に下げるのではなく、段階的にまたはUp/Downを繰り返すような方式をとれば短時間に適切な2次突起を生成させることが可能である。
2次突起の維持を効果的に行えば点灯時間とともに進むアークギャップの増大を抑制することができる。前述したパラメータ範囲内で突起の状態に応じて更に適切な値を選択して点灯させることにより可能である。例えば、ランプ電圧を感知してその値に応じて適切なパラメータを選択するようにプログラミングされた点灯電源を用いることにより、突起の状態に応じて適切な値を選択して点灯させることが可能となる。その結果、ランプの更なる長寿命化が実現可能となる。
【符号の説明】
【0042】
1 降圧チョッパ回路
2 フルブリッジ回路(フルブリッジ型インバータ回路)
3 スタータ回路
4 ドライバ
5 制御部
10 放電ランプ
11 発光管
12 発光管部
13 封止管部
14a,14b 電極
15 金属箔
16 外部リード棒
51 駆動信号発生部
52 コントローラ
52a 点灯動作制御部
52b 駆動信号選択部
52c 電力制御部
Qx スイッチング素子
L1,Lx コイル
Cx,C1,C2 コンデンサ
Q1,Q2,Q3,Q4,Q5 スイッチング素子
Dx ダイオード R1〜R3,Rx 抵抗
T2 トランス
Et 補助電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
石英ガラスからなる放電容器内に、先端に突起が形成された一対の電極が2.0mm以下の間隔で対向配置して、この放電容器に0.20mg/mm3 以上の水銀及びハロゲンが封入された高圧放電ランプと、
この高圧放電ランプに対して交流電流を供給する給電装置から構成される高圧放電ランプ点灯装置において、
前記給電装置は、定常点灯モードと小電力点灯モードとを切り替え可能であって、
前記小電力点灯モードでは、前記定格消費電力に対して40〜70%の範囲内において所定の電力値でランプを駆動し、
前記給電装置は、前記小電力点灯モードにおいては、前記高圧放電ランプに対して100Hz〜5kHzの範囲から選択された所定の周波数を有するベース電流と、該ベース電流の電流値Ia(A)よりも大きな電流値を有するブースト電流Ib(A)とを交互に供給する
ことを特徴とする高圧放電ランプ点灯装置。
【請求項2】
前記給電装置は、
前記ベース電流Ia(A)に対するブースト電流Ib(A)の大きさ(Ib/Ia)からなるブースト率をa、
1つの電極に前記ブースト電流Ib(A)が供給される実効供給時間をb(ms)、
前記ベース電流Ia(A)が供給される時間をc(ms)としたとき、
前記ブースト率a:1.2〜3.5
前記ブースト電流Ib(A)供給時間b:0.1〜3(ms)
前記ベース電流Ia(A)供給時間c:1〜400(ms)
を満足すると共に、これらの関係が次式
0.0009≦a×b÷c≦3.5
を満足するよう各パラメータが選択されてなる
ことを特徴とする請求項1記載の高圧放電ランプ点灯装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−238526(P2010−238526A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−85098(P2009−85098)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(000102212)ウシオ電機株式会社 (1,414)
【Fターム(参考)】