説明

高圧放電灯点灯装置及び光源装置

【課題】高圧放電灯点灯装置のイグナイタ回路において、半導体スイッチを用いずに固定極性のパルス電圧をランプに印加する。
【解決手段】第1及び第2のライン間に交流電圧を出力する交流出力回路、及び交流電圧にパルス電圧を重畳してホット側出力端及び基準出力端から高圧放電灯に印加するイグナイタ回路を備え、第2のラインが基準出力端に接続され、イグナイタ回路が、第2のラインに接続された第1のコンデンサ、第1のコンデンサと第1のラインの間に接続された第1の抵抗、第2のラインに接続された第2のコンデンサ、第2のコンデンサと第1のラインの間にカソードを第1のライン側にして接続されたダイオード、第1のコンデンサの第1の抵抗側の点と第2のコンデンサのダイオード側の点との間に接続された放電ギャップ、及び1次巻線が放電ギャップに直列接続され、2次巻線が第1のラインとホット側出力端の間に接続されたトランスを備える構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は高圧放電灯を点灯させるための高圧放電灯点灯装置の改良、特に高圧放電灯のための始動回路の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
図7に従来の高圧放電灯点灯装置の回路構成図を示す。高圧放電灯点灯装置(以下、「点灯装置」という)は直流電源部20、フルブリッジ回路30及びイグナイタ回路70からなる(例えば、特許文献1の図4)。
フルブリッジ回路30では、トランジスタ31及び34とトランジスタ32及び33とがブリッジ制御回路37によって所定の周波数で交互にオン・オフを繰り返すように制御され、これにより直流電源部20からの直流出力が交流矩形波出力に変換されて高圧放電灯50(以下、「ランプ」という)に供給される。以下、ランプ始動時の動作に特化して構成及び動作を説明する。
【0003】
イグナイタ回路70では、まず、フルブリッジ回路30の交流出力電圧が、ダイオード71及び74、抵抗72及び75並びにコンデンサ73及び76で構成された倍電圧回路によって2倍に増幅される。即ち、直流電源部20の出力電圧をV1、トランジスタ33と34との接続点の電位を0とした場合に、トランジスタ31及び34がオン、トランジスタ32及び33がオフのときには、フルブリッジ回路30の出力がダイオード71を介してコンデンサ73に充電され、一方、トランジスタ31及び34がオフ、トランジスタ32及び33がオンのときには、フルブリッジ回路30の出力がダイオード74を介してコンデンサ76に充電される。結果として、コンデンサ73に+V1、コンデンサ76に−V1が蓄えられ、この電位差2×V1が放電ギャップ77の特性値Vsを超えることにより放電ギャップ77がブレークダウンして導通する。このVsがパルストランス78の1次巻線に印加され、2次巻線側で増幅された高電圧パルスがフルブリッジ回路30の出力電圧に重畳されてランプ50に印加される。
【0004】
これにより、フルブリッジ回路30の出力電圧(即ち、直流電源部20の出力電圧)の数十倍のパルス電圧をランプ50に印加することができる。
【0005】
また、ランプ50について、最近では図2に示すように、ランプの始動性を高めるためにランプ50に補助導体であるトリガー線51を設けたものが普及している。トリガー線51の一端は電極Aに電気的に接続され、他端は電極Bの周囲に巻き付けられる。電極Aが正極性、電極Bが負極性となった場合、正電極となっているトリガー線51によって電極Bからの電子の放出が誘発される作用により始動性が向上する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−302550号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、図2のようなトリガー線51を有するランプにおいては、電子は負の電荷であるため電極Aを正電極、電極Bを負電極としてパルス電圧を印加することが想定されている。
一方、図7に示すような点灯装置では、特定の極性でパルス電圧を出力することを想定していない。即ち、トランジスタ31及び34がオンの状態で放電ギャップ77が導通した場合には電極Aが正電極の状態でパルスが印加されることになり、電極Bから見た電極Aの電圧VLは図3(a)に示すように正側に大きいパルス電圧が得られる。一方、トランジスタ32及び33がオンの状態で放電ギャップ77が導通した場合には電極Aが負電極となった状態でパルスが印加され、電圧VLは図3(c)に示すように矩形波の負側サイクルに対して正側に大きいパルス電圧が重畳される。なお、説明の便宜上、図3(a)ではパルスを直線で描いているが、パルス部を拡大すると図3(b)に示すような減衰波形となっている。
【0008】
このように、図3(a)の場合にトリガー線51は有効に作用するが、図3(a)のようになる確率はフルブリッジ回路30の開始動作並びにコンデンサ73及び76の充電状態に依存して約50%となる。
従って、トリガー線51を有するランプ50を始動させる場合、確実に図3(a)のような固定の極性でパルス電圧を印加する構成が必要となる。
【0009】
ここで、放電ギャップ77の代わりに半導体スイッチング素子を用いて、所望のタイミングで半導体スイッチング素子をオンする構成を採用すれば、特定のタイミング(極性)でパルスを重畳することができる。しかし、半導体スイッチング素子は非導通状態から導通状態に遷移する間に抵抗値が時間とともに減少していくため、この抵抗成分によって(特に導通開始の高抵抗時に)コンデンサ73及び76の放電電流が消費されてしまい、トランス78の1次巻線に充分な電圧を発生させることができなくなってしまう。また、半導体スイッチング素子を制御する制御回路が必要となるために部品点数の増加及びコストアップにつながり、好ましくない。
【0010】
そこで、本発明は、高圧放電灯点灯装置のイグナイタ回路において、半導体スイッチング素子を用いずに、交流出力回路(例えば、フルフルブリッジ回路)出力の2倍の電圧を利用して固定の極性のパルス電圧をランプに印加する構成を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の側面は、高圧放電灯点灯装置であって、第1のライン(L1)及び第2のライン(L2)間に交流電圧を出力する交流出力回路(30)、及び交流電圧にパルス電圧を重畳してホット側出力端(Th)及び基準出力端(Tc)から高圧放電灯に印加するイグナイタ回路(40)を備え、第2のラインが基準出力端に接続され、イグナイタ回路が、第2のラインに接続された第1のコンデンサ(43)、第1のコンデンサと第1のラインの間に接続された第1の抵抗(42)、第2のラインに接続された第2のコンデンサ(46)、第2のコンデンサと第1のラインの間にカソードを第1のライン側にして接続されたダイオード(44)、第1のコンデンサの第1の抵抗側の点(430)と第2のコンデンサのダイオード側の点(460)との間に接続された放電ギャップ(47)、及び1次巻線が放電ギャップに直列接続され、2次巻線が第1のラインとホット側出力端の間に接続されたトランス(48)を備えた高圧放電灯点灯装置である。
【0012】
本発明の第2の側面は、高圧放電灯点灯装置であって、第1のライン(L1)及び第2のライン(L2)間に交流電圧を出力する交流出力回路(30)、及び交流電圧にパルス電圧を重畳してホット側出力端(Th)及び基準出力端(Tc)から高圧放電灯に印加するイグナイタ回路(40)を備え、第2のラインが基準出力端に接続され、イグナイタ回路が、第1のラインに接続された第1のコンデンサ(43)、第1のコンデンサと第2のラインの間に接続された第1の抵抗(42)、第1のラインに接続された第2のコンデンサ(46)、第2のコンデンサと第2のラインの間にカソードを第1のライン側にして接続されたダイオード(44)、第1のコンデンサの第1の抵抗側の点(430)と第2のコンデンサのダイオード側の点(460)との間に接続された放電ギャップ(47)、及び1次巻線が放電ギャップに直列接続され、2次巻線が第1のラインとホット側出力端の間に接続されたトランス(48)を備えた高圧放電灯点灯装置である。
【0013】
本発明の第3の側面は、上記の高圧放電灯点灯装置(61)、ホット側出力端に接続される第1の電極(A)及び基準出力端に接続される第2の電極(B)を有する高圧放電灯(50)、高圧放電灯が取り付けられるリフレクタ(55)、並びに高圧放電点灯装置及びリフレクタを内包する筐体(62)を備えた光源装置であって、高圧放電灯が補助巻線(51)を備え、補助巻線の一端が第1の電極に電気的に接続されるとともに他端が第2の電極の周囲に巻き付けられた光源装置である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施例の高圧放電灯点灯装置を示す図である。
【図2】高圧放電ランプの構成を説明する図である。
【図3a】イグナイタ回路の出力波形を説明する図である。
【図3b】イグナイタ回路の出力波形を説明する図である。
【図3c】イグナイタ回路の出力波形を説明する図である。
【図4】本発明の変形例を説明する図である。
【図5】本発明の第2の実施例の高圧放電灯点灯装置を示す図である。
【図6】本発明の光源装置を示す図である。
【図7】従来の高圧放電灯点灯装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
実施例1.
図1は本発明の第1の実施例の高圧放電灯点灯装置(以下、「点灯装置」という)を示す図である。点灯装置は直流電源部20、直流電源部20からの直流入力を交流出力に変換する交流出力回路としてのフルブリッジ回路30、及びイグナイタ回路40からなる。なお、直流電源部20は点灯装置に含んでもよいし、点灯装置の外部から直流電力が供給される場合には点灯装置に含まなくてもよい。
なお、以降の説明を明瞭にするために、フルブリッジ回路30の出力ラインについて、トランジスタ31とトランジスタ32の接続点が属する側をラインL1、トランジスタ33とトランジスタ34の接続点が属する側をラインL2とする。また、本実施例では、点灯装置の出力端について、ランプ50の電極Aが接続される側をホット側出力端Th、電極Bが接続される側を基準(コールド側)出力端Tcとする。本実施例では、ラインL2側に基準出力端Tcが設けられている。
【0016】
図1の点灯装置は、図7に示した従来例とはイグナイタ回路が異なる。イグナイタ回路40は、ラインL2に接続されたコンデンサ43、コンデンサ43とラインL1の間に接続された抵抗42、ラインL2に接続されたコンデンサ46、コンデンサ46とラインL1の間にカソードをラインL1側にして接続されたダイオード44、コンデンサ43の抵抗42側の点430とコンデンサ46のダイオード44側の点460との間に接続された放電ギャップ47、及び1次巻線が放電ギャップ47に直列接続され、2次巻線がラインL1とホット側出力端Thの間に接続されたパルストランス48を備える。また、後述するように、必要に応じて抵抗45がコンデンサ46に直列接続される。
【0017】
L2を基準電位として、イグナイタ回路40の動作を説明する。
最初にラインL1が高電位(+V1)となった場合、ラインL1の電圧がコンデンサ43に充電され、点430の電位が+V1となる。一方、コンデンサ46側には電流が流れず、点460の電位は0のままである。
次にラインL1が低電位(−V1)に反転すると、コンデンサ43の電荷が放電され、点430の電位が−V1となる。一方、ラインL2からコンデンサ46、抵抗45及びダイオード44を介してラインL1に電流が流れ、点460の電位が−V1となる。
次にラインL1が再び高電位(+V1)に反転すると、ラインL1の電圧が再びコンデンサ43に充電され、点430の電位が+V1となる。一方、コンデンサ46側には電流が流れず、点460の電位は−V1から変化しない。
ここで点430と点460の電位差が2×V1(>放電ギャップ特性値Vs)となり、放電ギャップ47がブレークダウンして導通する。
【0018】
上記とは逆に、最初にラインL1が低電位(−V1)となった場合、ラインL2からコンデンサ43及び46を介してラインL1に流れる電流により、点430及び460の電位が−V1となる。
次にラインL1が高電位(+V1)に反転すると、ラインL1の電圧がコンデンサ43に充電され、点430の電位が+V1となる。一方、コンデンサ46側には電流が流れず、点460の電位は−V1から変化しない。
ここで点430と点460の電位差が2×V1となり、放電ギャップ47がブレークダウンして導通する。
【0019】
従って、フルブリッジ回路30の出力ラインL1が高電位から開始しても低電位から開始しても、必ずラインL1が高電位の時に放電ギャップ47が導通することになる。
【0020】
放電ギャップ47が導通すると、電流が点430からパルストランス48の1次巻線を介して点460に流れる。この電流に応じてパルストランス48の2次巻線側にはその巻数比に応じたパルス電圧が発生し、そのパルス電圧がラインL1の電圧(+V1)に重畳される。これによって、電圧VLとして、図3(a)に示す電圧波形が得られる。即ち、電極A側が正電極の時にパルス電圧が重畳されることになる。
【0021】
なお、パルストランス48の1次巻線の電流の向きを考慮して2次巻線の巻方向を決めることが望ましい。即ち、パルス電圧が重畳される時のラインL1の電圧とパルス電圧の最初の半サイクルとが同じ極性となるように1次巻線と2次巻線の巻方向を決定することが望ましい。そのようにすることで、図3(b)に示すように、パルス電圧のうちの最も高い最初の半サイクルが正側に重畳されることになる。この巻方向を逆にすると、2番目に高い2サイクル目が正側に重畳されることになる。なお、本実施例では1次巻線と2次巻線が逆極性となるように巻かれている。
【0022】
なお、抵抗42及び45はコンデンサ43への突入電流を抑制するとともに、コンデンサ43の充電速度を調整するために接続される。また、抵抗42はラインL1とコンデンサ43との間のインピーダンスを高くして、コンデンサ43の充放電動作がフルブリッジ回路30の動作の影響を受けないようにしている。
【0023】
また、パルス電圧が印加された後に、その矩形波の残余の期間(図3(a)のH)が長く継続することが望ましい。それにより、そのパルスよる絶縁破壊後のアーク成長を確実にすることができるからである。
従って、図4に示すように、始動時に限ってフルブリッジ回路30の出力のラインL1側が高電位となる期間T+をその逆の期間T−よりも長くして期間Hを長く確保するようにしてもよい。この場合でも、期間T−がコンデンサ43及び46の充電時間よりも長ければ、コンデンサ43及び46の充電電圧の変化は図3(a)の場合と同様になる。
【0024】
このように、本発明によると、トリガー線を有するランプを始動させるイグナイタ回路において、少ない部品点数及び簡素な構成で、フルブリッジ回路30の2倍の電圧を利用して図3(a)のような固定の極性のパルス電圧をランプに印加する構成を達成できる。
【0025】
実施例2.
図5に本発明の第2の実施例を示す。第1の実施例とはイグナイタ回路が異なる。イグナイタ回路40´は、ラインL1に接続されたコンデンサ43、コンデンサ43とラインL2の間に接続された抵抗42、ラインL1に接続されたコンデンサ46、コンデンサ46とラインL2の間にカソードをラインL1側にして接続されたダイオード44、コンデンサ43の抵抗42側の点430とコンデンサ46のダイオード44側の点460との間に接続された放電ギャップ47、及び1次巻線が放電ギャップ47に直列接続され、2次巻線がラインL1とホット側出力端Thの間に接続されたパルストランス48を備える。また、必要に応じてコンデンサ46にも抵抗が直列接続されてもよい。
【0026】
第1の実施例と同様にラインL2を基準電位として、イグナイタ回路40´の動作について説明する。点430の電位はラインL1の電位反転時の過渡期を除いて常に0である。
最初にラインL1が高電位(+V1)となった場合、コンデンサ46には電流が流れないため点460の電位はラインL1と同じ+V1となる。
次にラインL1が低電位(−V1)に反転すると、ラインL2からダイオード44及びコンデンサ46を介してラインL1に電流が流れ、点460の電位が0となる。
次にラインL1が再び高電位(+V1)に反転すると(即ち、電位が2V1上昇すると)、点460の電位は+2V1にシフトされ、点430との電位差が2×V1(>放電ギャップ特性値Vs)となり、放電ギャップ47がブレークダウンして導通する。
【0027】
上記とは逆に、最初にラインL1が低電位(−V1)となった場合、ラインL2からダイオード44及びコンデンサ46を介してラインL1に電流が流れ、点460の電位は0となる。
次にラインL1が高電位(+V1)に反転すると(即ち、電位が2V1上昇すると)、コンデンサ46には電流が流れないため点460の電位が+2V1にシフトされる。これにより、点430との電位差が2×V1となり、放電ギャップ47がブレークダウンして導通する。
【0028】
従って、本実施例でも、フルブリッジ回路30のラインL1が高電位から開始しても低電位から開始しても、必ずラインL1が高電位の時に放電ギャップ47が導通することになる。
放電ギャップ47が導通してからの動作は実施例1と同様である。
【0029】
実施例3.
図6に上記の高圧放電ランプ点灯装置を用いたアプリケーションとしての光源装置(プロジェクタ)を示す。図6において、61は上記で説明した点灯装置、62は点灯装置61及びランプ50を内蔵する筐体である。なお、図は実施例を模擬的に図示したものであり、寸法、配置などは図面通りではない。そして、図示されない映像系の部材等を筐体62内に適宜配置してプロジェクタが構成される。これにより、始動性の良いプロジェクタを得ることができる。
【0030】
上記においては、最も好適な例を示したが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で以下のように変形可能である。
(1)図1又は図5において示したダイオード44の向き、パルストランス48の挿入位置、ホット側出力端Thの向き及びトリガー線の向きの組合せは、可能な組合せの一例に過ぎない。例えば、図1においてダイオード44の向きを逆にし、ホット側出力端(電極A)と基準側出力端(電極B)の位置を逆にすれば、やはり電極A側が正電極となる時にパルス電圧が重畳されることになる。あるいは、パルストランスの2次巻線をホット側出力端とラインL1の間ではなく基準出力端とラインL2の間に挿入してもよい。また、パルストランスの2次巻線をホット側とコールド側に分割して挿入するような構成としてもよい。
(2)交流出力回路としてフルブリッジ回路30を示したが、交流電圧を供給できる回路であれば、プッシュプル回路、ハーフフルブリッジ回路等、他の形式の回路であってもよい。
(3)図1及び図5において、抵抗45をコンデンサ46とダイオード44の間に挿入したが、ダイオード44とラインL1又はL2の間に挿入してもよい。
【符号の説明】
【0031】
30.フルブリッジ回路
40、40´.イグナイタ回路
42、45.抵抗
43、46.コンデンサ
44.ダイオード
47.放電ギャップ
48.パルストランス
50.高圧放電灯(ランプ)
51.トリガー線
55.リフレクタ
61.高圧放電灯点灯装置(点灯装置)
62.筐体
A、B.電極
L1、L2.ライン
Th.ホット側出力端
Tc.基準(コールド側)出力端

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高圧放電灯点灯装置であって、
第1のライン(L1)及び第2のライン(L2)間に交流電圧を出力する交流出力回路(30)、及び
該交流電圧にパルス電圧を重畳してホット側出力端(Th)及び基準出力端(Tc)から高圧放電灯に印加するイグナイタ回路(40)
を備え、前記第2のラインが前記基準出力端に接続され、
前記イグナイタ回路が、
前記第2のラインに接続された第1のコンデンサ(43)、
前記第1のコンデンサと前記第1のラインの間に接続された第1の抵抗(42)、
前記第2のラインに接続された第2のコンデンサ(46)、
前記第2のコンデンサと前記第1のラインの間に、カソードを該第1のライン側にして接続されたダイオード(44)、
前記第1のコンデンサの前記第1の抵抗側の点(430)と、前記第2のコンデンサの前記ダイオード側の点(460)との間に接続された放電ギャップ(47)、及び
1次巻線が前記放電ギャップに直列接続され、2次巻線が前記第1のラインと前記ホット側出力端の間に接続されたトランス(48)
を備えた高圧放電灯点灯装置。
【請求項2】
高圧放電灯点灯装置であって、
第1のライン(L1)及び第2のライン(L2)間に交流電圧を出力する交流出力回路(30)、及び
該交流電圧にパルス電圧を重畳してホット側出力端(Th)及び基準出力端(Tc)から高圧放電灯に印加するイグナイタ回路(40)
を備え、前記第2のラインが前記基準出力端に接続され、
前記イグナイタ回路が、
前記第1のラインに接続された第1のコンデンサ(43)、
前記第1のコンデンサと前記第2のラインの間に接続された第1の抵抗(42)、
前記第1のラインに接続された第2のコンデンサ(46)、
前記第2のコンデンサと前記第2のラインの間に、カソードを該第1のライン側にして接続されたダイオード(44)、
前記第1のコンデンサの前記第1の抵抗側の点(430)と、前記第2のコンデンサの前記ダイオード側の点(460)との間に接続された放電ギャップ(47)、及び
1次巻線が前記放電ギャップに直列接続され、2次巻線が前記第1のラインと前記ホット側出力端の間に接続されたトランス(48)
を備えた高圧放電灯点灯装置。
【請求項3】
請求項1又は2の高圧放電灯点灯装置において、
前記パルス電圧が重畳される交流電圧の半サイクルに対して該パルス電圧が同じ極性となるように前記トランスの1次巻線と2次巻線の巻方向が決定された高圧放電灯点灯装置。
【請求項4】
請求項1又は2の高圧放電灯点灯装置であって、さらに、前記第2のコンデンサに直列接続された第2の抵抗(45)を備えた高圧放電灯点灯装置。
【請求項5】
請求項1又は2記載の高圧放電灯点灯装置(61)、前記ホット側出力端に接続される第1の電極(A)及び前記基準出力端に接続される第2の電極(B)を有する高圧放電灯(50)、該高圧放電灯が取り付けられるリフレクタ(55)、並びに該高圧放電点灯装置及び該リフレクタを内包する筐体(62)を備えた光源装置であって、前記高圧放電灯が補助巻線(51)を備え、該補助巻線の一端が前記第1の電極に電気的に接続されるとともに、他端が前記第2の電極の周囲に巻き付けられた光源装置。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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