説明

高圧用ホースの製造装置および製造方法

【課題】高圧用ホースを製造する簡単な構成で安価な製造装置および高圧用ホースを簡単な構成で安価に製造できる製造方法を提供すること。
【解決手段】チャック1402が回転されることでマンドレル12が回転され、帯状部材8が、張力が付与された状態でドラム16から繰り出され、マンドレル12に螺旋状に巻回されていく。帯状部材8がマンドレル12上で隙間なく螺旋状に巻回されるように、帯状部材8がマンドレル12に巻回される箇所の移動に連動して、ドラム16が駆動部24、ドラム用支持台18を介して移動され、また、連結部材34、オムニホイール用支持台28を介して4つのオムニホイール26も移動される。そして、帯状部材8の張力がマンドレル12に作用し、マンドレル12は撓もうとするが、帯状部材8が巻回される箇所の両側でマンドレル12に当接する合計4つのオムニホイール26により阻止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は高圧用ホースの製造装置および製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、高圧用ホースは、ワイヤーが未加硫ゴムで被覆された線状の部材が巻回された複数のリールを、マンドレルの周囲にマンドレルの長手方向に移動可能に配置しておき、マンドレルを回転させながらそれらリールから線状の部材をマンドレルの外周面に巻き付けていくスパイラルマシンが用いられている(特許文献1)。
【特許文献1】特開平10−44214
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このスパイラルマシンは構造が複雑で高価なため、高圧用ホースを製造するために簡単な構成で安価な装置の出現が望まれていた。
本発明者は前記事情に鑑み案出されたものであって、本発明の目的は、高圧用ホースを製造する簡単な構成で安価な製造装置および高圧用ホースを簡単な構成で安価に製造できる製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記目的を達成するため本発明の高圧用ホースの製造装置は、マンドレルの両端を支持しつつ回転させる回転機構と、間隔をおいて互いに平行に並べられた複数のワイヤと、それらワイヤを埋設した未加硫ゴムとからなる帯状部材が巻装されたドラムと、前記ドラムを回転可能に支持するドラム用支持台と、前記ドラムに制動力を作用させ前記ドラムが回転され前記帯状部材が引き出される際に前記帯状部材に張力を与える張力機構と、前記ドラム用支持台を、前記マンドレルの長手方向に沿って移動可能に支持する案内機構と、前記ドラム用支持台を、前記マンドレルの長手方向に沿って移動させる駆動機構と、前記マンドレルの長手方向で前記マンドレルの外周面に巻回される帯状部材の両側箇所において、前記マンドレルの外周面および前記外周面に巻回された帯状部材に接触し、前記帯状部材の張力による前記マンドレルの撓みを抑制する複数のオムニホイールと、前記複数のオムニホイールを支持するオムニホイール用支持台と、前記帯状部材が前記マンドレルに巻回される箇所の移動に伴い前記オムニホイール用支持台を前記マンドレルの長手方向に移動させる駆動機構とを備えることを特徴とする。
また、本発明は、管状のゴム層の内部に複数のワイヤが螺旋状に巻回され埋設されてなる補強層を備えた高圧用ホースの製造方法であって、間隔をおいて互いに平行に並べられた複数のワイヤと、それらワイヤを埋設した未加硫ゴムとからなる前記補強層の形成用の帯状部材を設け、前記マンドレルの長手方向の一端に前記帯状部材を巻回し前記マンドレルの長手方向の一端において前記マンドレルの長手方向に移動不能でマンドレルと一体に回転するように前記帯状部材の端部を取着し、前記マンドレルの長手方向で前記マンドレルの外周面に螺旋状に巻回される前記帯状部材の両側箇所において、前記マンドレルの外周面に巻回された前記帯状部材と、前記マンドレルの外周面とに、それぞれオムニホイールを接触させ、前記帯状部材に張力を持たせた状態で前記マンドレルを回転させ、前記複数のオムニホイールを前記マンドレルに螺旋状に巻回される前記帯状部材の箇所の移動に追従させて移動し前記張力による前記マンドレルの撓みを抑制しつつ前記マンドレル上に前記帯状部材を隙間なく螺旋状に巻回して前記補強層を形成するようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明の高圧用ホースの製造装置および製造方法によれば、帯状部材の張力がマンドレルに作用し、マンドレルは撓もうとするが、帯状部材が巻回される箇所の両側でマンドレルに当接するオムニホイールにより阻止される。
したがって、撓みのない直線状に延在するマンドレルに、張力を掛けつつ帯状部材を螺旋状に巻回でき、撓みがなく直線状に延在する補強層が得られ、簡単で安価な構成により撓みがなく直線状に延在する高圧用ホースを製造することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の高圧用ホースの製造装置および製造方法の実施の形態を図面にしたがって説明する。
まず、本実施の形態により製造する高圧用ホースから説明する。
図5は、高圧用ホースの断面図である。
高圧用ホース70は、内層ゴム層72と、補強層74と、外被ゴム76とで構成されている。
内層ゴム層72、補強層74、外被ゴム76は未加硫ゴムを含んで構成され、それらを順次マンドレル12(図1乃至図3参照)に被せたのち、外傷防止のためのラッピングを被せて加硫し、ラッピングを剥がしたのちマンドレル12を引き抜くことで製造される。
高圧用ホース70は、例えば、内径が19〜50mm、長さが2〜20mであり、マンドレル12の外径は19〜50mmであり、高圧用ホース70は例えば高圧の油圧用ホースなどに使用される。
本実施の形態では、内層ゴム層72の上に補強層74を形成する場合に、本発明が適用されている。
【0007】
補強層74は、図4、図5に示すように、管状のゴム層7402の内部に複数のワイヤ7404が螺旋状に巻回され埋設されて構成されている。
補強層74は、図4に示す帯状部材8を、内層ゴム層72の上に、張力を与えつつ隙間なく螺旋状に巻回していくことで形成され、帯状部材8の巻回数は、1重であってもよく、2重、3重、4重のように複数重であってもよい。
帯状部材8は、間隔をおいて互いに平行に並べられた複数のワイヤ7404と、それらワイヤ7404を被覆する未加硫のゴム層7402とからなり、断面が長方形を呈している。
【0008】
次に、高圧用ホースの製造装置について説明する。
図1は高圧用ホースの製造装置の平面図、図2は高圧用ホースの製造装置の正面図、図3は高圧用ホースの製造装置のオムニホイール部分の側面図である。
高圧用ホースの製造装置10は、マンドレル12の両端を支持しつつ回転させる回転機構14と、帯状部材8が巻装されたドラム16と、ドラム16を支持するドラム用支持台18と、帯状部材8に張力を与える張力機構20と、ドラム用支持台18の案内機構22と、ドラム用支持台18を移動させる駆動部24と、マンドレル12の撓みを抑制する複数のオムニホイール26と、オムニホイール26を支持するオムニホイール用支持台28と、オムニホイール用支持台28の案内機構30と、オムニホイール用支持台28を移動させる駆動部とを備えている。
【0009】
回転機構14は、マンドレル12の長手方向の一端を保持するチャック1402と、チャック1402を回転させる駆動機構1404と、マンドレル12の長手方向の他端を回転可能に支持する支持機構32を含んで構成されている。
支持機構32は、例えば、マンドレル12の他端に形成された孔に嵌合される円錐部を備えるロッド3202と、このロッド3202を回転可能に支持する支持機構3204と、支持機構3204をチャック側に押圧する油圧シリンダあるいは空圧シリンダ3206などを含んで構成され、ロッド3202の軸心とチャック1402の軸心は合致している。
回転機構14によりマンドレル12を回転することにより、帯状部材8がドラム16から繰り出されマンドレル12に巻回される。
【0010】
ドラム16は、図1に示すように、帯状部材8がマンドレル12に隙間なく螺旋状に巻回されるように、その軸心を、マンドレル12の長手方向に対して傾斜させて配設されている。
本実施の形態では、帯状部材8は鉛直方向に対して交差する方向からマンドレル12に巻回されるように、より詳細には、水平方向に対して僅かに下方からマンドレル12に巻回されるようにドラム16は配設されている。
【0011】
ドラム用支持台18は、水平方向においてマンドレル12の長手方向と直交する方向に離れた箇所においてドラム16の支軸を回転可能に支持し、ドラム16の向きは調節可能である。
【0012】
張力機構20は、マンドレル12の回転で帯状部材8がドラム16から繰り出される際に、ドラム16に制動力を与えることで帯状部材8に張力を与えるものである。
張力機構20は、例えば、油圧シリンダや空圧シリンダ、リンク機構などからなり、ドラム16の支軸をブレーキシューで挟持するブレーキ機構や、あるいは、ドラム16の内周面にブレーキシューを圧接させるブレーキ機構など従来公知の様々な機構が採用可能であり、ドラム16への制動力は調節可能であり、したがって、帯状部材8へ付与する張力も調節可能である。
本実施の形態では、帯状部材8に掛ける張力は、例えば、200N〜300Nであり、もしくは、ワイヤ7404の1本あたり20N〜30Nである。
【0013】
ドラム用支持台18の案内機構22は、マンドレル12の長手方向と直交する方向である上下方向および左右方向に移動不能にかつマンドレル12の長手方向と平行する方向に移動可能にドラム用支持台18を支持するものである。
案内機構22は、例えば、ドラム用支持台18の下面に設けられた2つのあり溝2202と、このあり溝2202に係合可能に係合しマンドレル12の長手方向と平行する方向に延在する2本のレール2204で構成されるなど従来公知の様々な構成が採用可能である。
【0014】
駆動部24は、帯状部材8がマンドレル12に隙間なく螺旋状に巻回されるように、ドラム用支持台18をマンドレル12の長手方向に移動させるものであり、駆動部24は、例えば、マンドレル12の長手方向と平行する方向に延在しドラム用支持台18に螺合された雄ねじ部材と、雄ねじ部材を正逆転させるモータとにより速度調節可能に構成されるなど、従来公知の様々な構成が採用可能である。
【0015】
オムニホイール26は、マンドレル12の撓みを抑制するものであり、マンドレル12の長手方向において帯状部材8がマンドレル12に巻回される箇所の両側に2つずつ配設され、少なくとも合計4つ配設されている。
本実施の形態では、図3に示すように、帯状部材8が、水平方向に対して僅かに下方からマンドレル12に巻回されることから、帯状部材8がマンドレル12に巻回される箇所の両側において、2つのオムニホイール26のうちの1つは、マンドレル12外周面の側面に接触し、残りの1つは、マンドレル12外周面の下面に接触している。
マンドレル12外周面の側面に接触するオムニホイール26は、帯状部材8の張力によるマンドレル12の撓みを防止するものである。
また、マンドレル12外周面の下面に接触するオムニホイール26は、マンドレル12の自重による撓みを防止するものである。なお、マンドレル12の外径が大きく、あるいは、長さが短く自重による撓みを無視できる場合には、マンドレル12外周面の下面に接触するオムニホイール26は省略可能であるが、実施の形態のようにオムニホイール26を、マンドレル12の長手方向において帯状部材8がマンドレル12に巻回される箇所の両側に2つずつ配設しておくと、帯状部材8の張力によるマンドレル12の撓みおよびマンドレル12の自重による撓みをより安定した状態で防止する上で有利となる。
オムニホイール26は、マンドレル12の外周面に接触しながらマンドレル12の長手方向と周方向の両方向に転動可能に構成されており、例えば、株式会社土佐電子の市販品が使用可能である。
【0016】
オムニホイール用支持台28は、4つのオムニホイール26を支持する4本の支軸を含んで構成されており、各オムニホイール26の位置は、マンドレル12の径方向に調節可能に構成されており、このようなオムニホイール26の支持構造には従来公知の様々な構成が採用可能である。
オムニホイール用支持台28は、本実施の形態では、マンドレル12の下方に配設されている。
【0017】
オムニホイール用支持台28の案内機構30は、マンドレル12の長手方向と直交する方向である上下方向および左右方向に移動不能にかつマンドレル12の長手方向と平行する方向に移動可能にオムニホイール用支持台28を支持するものである。
案内機構30は、例えば、オムニホイール用支持台28の下面に設けられた2つのあり溝3002と、このあり溝3002に係合可能に係合しマンドレル12の長手方向と平行する方向に延在する2本のレール3004で構成されるなど、従来公知の様々な構成が採用可能である。
【0018】
オムニホイール用支持台28の駆動部は、帯状部材8がマンドレル12に巻回される箇所の移動に追従させてオムニホイール26をマンドレル12の長手方向に移動させるものである。
本実施の形態では、ドラム用支持台18とオムニホイール用支持台28とがマンドレル12の長手方向に一体的に移動するように連結部材34により連結されており、ドラム用支持台18の駆動部24がドラム用支持台18の駆動部を兼ねており、したがって、単一の駆動部24によりドラム用支持台18とドラム用支持台18の双方がマンドレル12の長手方向に沿って同一の速度で移動される。
なお、駆動機構1404によるチャック1402の回転速度、駆動部24によるドラム用支持台18の移動速度、油圧シリンダあるいは空圧シリンダ3206によるロッド3202のマンドレル12への押圧力、張力機構20によるドラム16への制動力などは制御部により制御される。
【0019】
このような構成からなる高圧用ホース70の製造装置10によれば、内層ゴム層72が被覆されたマンドレル12上に次のように帯状部材8が巻回される。
まず、長手方向の一端がチャック1402で保持され、長手方向の他端がロッド3202により支持されたマンドレル12の端部において、帯状部材8の端部を、例えば、複数回螺旋状に巻回する。そして、テープなどを用いて帯状部材8の端部を、マンドレル12の長手方向に移動不能でマンドレル12と一体に回転するようにマンドレル12に取着する。
【0020】
つぎに、マンドレル12に対するオムニホイール26の位置を調節する。
すなわち、帯状部材8が巻回される箇所に対してロッド3202側のマンドレル12箇所に接触する2つのオムニホイール26は、既に巻回された帯状部材8の外周面に当接するように位置決めされる。
また、帯状部材8が巻回される箇所に対してチャック1402側のマンドレル12箇所に接触する2つのオムニホイール26は、マンドレル12に被せられた内層ゴム層72の外周面に当接するように位置決めされる。
また、張力機構20によりドラム16に所定の制動力を付与する。
【0021】
つぎに、チャック1402を回転させる。
チャック1402が回転されることでマンドレル12が回転され、帯状部材8が張力が付与された状態でドラム16から繰り出され、マンドレル12に螺旋状に巻回されていく。
そして、帯状部材8がマンドレル12上で隙間なく螺旋状に巻回されるように、帯状部材8がマンドレル12に巻回される箇所の移動に連動して、ドラム16が駆動部24、ドラム用支持台18を介して移動される。
また、帯状部材8がマンドレル12に巻回される箇所の移動に連動して、連結部材34、オムニホイール用支持台28を介して4つのオムニホイール26も移動される。
【0022】
そして、帯状部材8の張力がマンドレル12に作用し、マンドレル12は撓もうとするが、帯状部材8が巻回される箇所の両側でマンドレル12の側面に当接する2つのオムニホイール26により阻止される。
また、本実施の形態では、帯状部材8が巻回される箇所の両側でマンドレル12の下面に当接する2つのオムニホイール26によりマンドレル12の自重による撓みが阻止される。
したがって、撓みのない直線状に延在するマンドレル12に帯状部材8が螺旋状に巻回される。
このようにして帯状部材8は、1層、または複数層巻回され、次に、外被ゴム76が被覆され、加硫されたのち、従来公知の様々な方法によりマンドレル12が引き抜かれる。
なお、帯状部材8を複数層設ける場合は、帯状部材8がマンドレル12の端部に至った際に、オムニホイール26の高さを変え、また、ドラム16の向きを変え、前記と同様に、マンドレル12を回転させつつドラム用支持台18およびオム二ホイール用支持台28を逆方向に移動させることにより帯状部材8を、既に巻回した帯状部材8の上に巻回していく。
【0023】
本実施の形態によれば、断面積に比べて長さが極めて大きいマンドレル12に張力を掛けつつ帯状部材8を巻きつけていくにも拘わらずマンドレル12を直線状に維持できるので、言い換えると、マンドレル12を撓ませることなく直線状に維持しつつ張力を掛けながら帯状部材8を螺旋状に巻回することができるので、撓みがなく直線状に延在する補強層74が得られ、簡単で安価な構成により撓みがなく直線状に延在する高圧用ホース70を製造することが可能となる。
また、本実施の形態によれば、マンドレル12の自重による撓みも阻止できるので、撓みがなく直線状に延在する高圧用ホース70を製造する上でより有利となる。
また、本実施の形態によれば、帯状部材8のスパイラルピッチ精度を高い精度に維持でき、高品質な高圧用ホース70を製造する上で有利となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】高圧用ホースの製造装置の平面図である。
【図2】高圧用ホースの製造装置の正面図である。
【図3】高圧用ホースの製造装置のオムニホイール部分の側面図である。
【図4】帯状部材の斜視図である。
【図5】高圧用ホースの断面図である。
【符号の説明】
【0025】
8……帯状部材、10……高圧用ホースの製造装置、12……マンドレル、14……回転機構、16……ドラム、18……ドラム用支持台、20……張力機構、22……案内機構、24……駆動部、26……オムニホイール、28……オムニホイール用支持台、30……案内機構、70……高圧用ホース、72……内層ゴム層、74……補強層。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マンドレルの両端を支持しつつ回転させる回転機構と、
間隔をおいて互いに平行に並べられた複数のワイヤと、それらワイヤを埋設した未加硫ゴムとからなる帯状部材が巻装されたドラムと、
前記ドラムを回転可能に支持するドラム用支持台と、
前記ドラムに制動力を作用させ前記ドラムが回転され前記帯状部材が引き出される際に前記帯状部材に張力を与える張力機構と、
前記ドラム用支持台を、前記マンドレルの長手方向に沿って移動可能に支持する案内機構と、
前記ドラム用支持台を、前記マンドレルの長手方向に沿って移動させる駆動機構と、
前記マンドレルの長手方向で前記マンドレルの外周面に巻回される帯状部材の両側箇所において、前記マンドレルの外周面および前記外周面に巻回された帯状部材に接触し、前記帯状部材の張力による前記マンドレルの撓みを抑制する複数のオムニホイールと、
前記複数のオムニホイールを支持するオムニホイール用支持台と、
前記帯状部材が前記マンドレルに巻回される箇所の移動に伴い前記オムニホイール用支持台を前記マンドレルの長手方向に移動させる駆動機構と、
を備えることを特徴とする高圧用ホースの製造装置。
【請求項2】
前記オムニホイール用支持台に、前記マンドレルの外周面に巻回される帯状部材の両側箇所において、前記マンドレルの下面および前記外周面に巻回された帯状部材の下面に接触してマンドレルの自重による撓みを抑制するオムニホイールが設けられている、
ことを特徴とする請求項1記載の高圧用ホースの製造装置。
【請求項3】
前記ドラム用支持台と前記オムニホイール用支持台とは、前記マンドレルの長手方向に沿って一体的に移動するように連結され、
前記ドラム用支持台の駆動機構が前記オムニホイール用支持台の駆動機構を兼ねている、
ことを特徴とする請求項1記載の高圧用ホースの製造装置。
【請求項4】
前記ドラム用支持台と前記オムニホイール用支持台とは同一の速度で移動される、
ことを特徴とする請求項1記載の高圧用ホースの製造装置。
【請求項5】
管状のゴム層の内部に複数のワイヤが螺旋状に巻回され埋設されてなる補強層を備えた高圧用ホースの製造方法であって、
間隔をおいて互いに平行に並べられた複数のワイヤと、それらワイヤを埋設した未加硫ゴムとからなる前記補強層の形成用の帯状部材を設け、
前記マンドレルの長手方向の一端に前記帯状部材を巻回し前記マンドレルの長手方向の一端において前記マンドレルの長手方向に移動不能でマンドレルと一体に回転するように前記帯状部材の端部を取着し、
前記マンドレルの長手方向で前記マンドレルの外周面に螺旋状に巻回される前記帯状部材の両側箇所において、前記マンドレルの外周面に巻回された前記帯状部材と、前記マンドレルの外周面とに、それぞれオムニホイールを接触させ、
前記帯状部材に張力を持たせた状態で前記マンドレルを回転させ、前記複数のオムニホイールを前記マンドレルに螺旋状に巻回される前記帯状部材の箇所の移動に追従させて移動し前記張力による前記マンドレルの撓みを抑制しつつ前記マンドレル上に前記帯状部材を隙間なく螺旋状に巻回して前記補強層を形成するようにした、
ことを特徴とする高圧用ホースの製造方法。
【請求項6】
前記帯状部材は鉛直方向に対して交差する方向から前記マンドレルに巻回され、
前記マンドレルの長手方向で前記マンドレルの外周面に螺旋状に巻回される前記帯状部材の両側箇所において、前記マンドレルに巻回された前記帯状部材の下面と、前記マンドレルの下面とに、それぞれ前記オムニホイールとは別のオムニホイールを接触させ、
前記別のオムニホイールを前記マンドレルに螺旋状に巻回される前記帯状部材の箇所の移動に追従させて移動し前記マンドレルの自重による撓みを抑制しつつ前記マンドレル上に前記帯状部材を巻回するようにした、
ことを特徴とする請求項5記載の高圧用ホースの製造方法。
【請求項7】
前記帯状部材が巻装されたドラムと、前記ドラムを回転可能に支持するドラム用支持台とが設けられ、
前記張力は、前記帯状部材が前記ドラムから引き出されて前記ドラムが回転する際に前記ドラムに制動力を作用させることで前記帯状部材へ付与される、
ことを特徴とする請求項5記載の高圧用ホースの製造方法。
【請求項8】
前記高圧用ホースは、前記補強層の内側に内層ゴム層を有し、
前記マンドレルには前記内層ゴム層が被せられており、
前記オムニホイールは、前記マンドレルの長手方向で前記マンドレルの外周面に螺旋状に巻回される前記帯状部材の両側箇所において、前記マンドレルの外周面に巻回された前記帯状部材と、前記マンドレルに被せられた内層ゴム層の外周面とに接触する、
ことを特徴とする請求項5記載の高圧用ホースの製造方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−137190(P2009−137190A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−317099(P2007−317099)
【出願日】平成19年12月7日(2007.12.7)
【出願人】(000006714)横浜ゴム株式会社 (4,905)
【Fターム(参考)】