説明

高強度ポリマーセメント組成物

【課題】各種ガラス類、陶磁器屑、溶融スラグ、焼成瓦等の廃材の再活用法として、水硬セメント、超微粒子合成樹脂エマルジョン並びに界面活性を有する改質水と組合せ、混練固化してなる高強度ポリマーセメント組成物を提供する。
【解決手段】各種ガラス類、陶磁器屑、溶融スラグ、焼成瓦等の廃材を粉砕、微細粒とし、水硬性セメントの骨材として用い、超微粒子合成樹脂エマルジョン並びに界面活性を有する改質水と組合せ、混練することにより高強度のポリマーセメント固化体となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種ガラス類、陶磁器、溶融スラグ、焼成瓦等の廃材の再活用法として、水硬性セメントと混合し、超微粒合成樹脂エマルジョンと界面活性を有する改質水とを組み合わせて混練、固化してなる高強度ポリマーセメント。
【背景技術】
【0002】
珪酸ソーダーを主成分とする食品、飲料用ガラス容器、並びに建材用ガラス板類は、主成分の珪酸塩成分が水硬性セメント成分のアルカリ分と化学反応(アルカリ骨材反応)を起こし、セメント結晶体中で組成変化を生じ、膨脹、剥離、亀裂等の劣化現象を引き起こすことは公知とするところである。そのため、ガラス廃材を水硬性セメントの骨材として多量に利用することは困難であるといわれていた。
本発明者等は、高強度ガラスポリマーセメント固化体とその製造法として、水硬セメントと天然珪酸塩鉱物の電気石またはガーネット砂と微細ガラス粉粒と水性合成樹脂エマルジョンを用い混練固化することにより、圧縮強度、曲げ強度の高いガラス70パーセント以上含有する高強度ガラスポリマーセメント固化体及びその製造法を発明してきた。特許文献1、2に記載されている。
【0003】
また、建材用プレキャストセメント製品組成物として、水硬性無機材料、シリカ質混和材、平均粒径20〜1000nmのアクリル系ミクロポリエマルジョン、細骨材、水を用いて、超微粒子ポリマーによる混練時の分散性と流動性を向上し、W/C(水/セメント)比を低く保つことにより硬化体表面が緻密化し、強度が向上するとの提案が特許文献3に記載されている。
【0004】
また、水の改質法の一つとして、磁性体による磁界を通過させた磁気処理水をセメントと骨材を混合攪拌することにで、高強度のコンクリートを得ることが特許文献4、非特許文献1に記載されている。
つづいて、電解改質法では、高周波低電圧による還元処理水が、水単独で界面活性効果を有し、部品の洗浄水として用いることが特許文献5、6及び非特許文献1に記載されている。
【0005】
しかしながら、特許文献1、及び2の発明は、水性合成樹脂エマルジョンの界面活性効果を促進させるために、天然珪酸塩鉱物の細粒を添加し、この鉱石のもつ電気特性である水の電解作用によって生じるヒドロキシルイオン[H]の界面活性物質を利用することである。界面活性物質は、添加する水性合成樹脂エマルジョンに含まれる水分と天然珪酸塩鉱物の細粒と動的に接触する際、生じるものである。しかし、静的に放置しておくと界面活性物質は減少し、界面活性効果が低減するという課題があった。
【0006】
また、特許文献3の提案は、平均粒径20〜1000nmのアクリル系ミクロポリエマルジョンを用いた建設用プレキャストセメント製品組成物に関するものである。
しかし、ミクロポリエマルジョンを用いることにより水硬性無機材料粒子とシリカ質混和材粒子(シリカヒューム等)の分散性と流動性を向上させるには有効であるが、添加する混練水に界面活性力が無いため、水硬性無機材粒子表面とミクロポリマー粒子表面の親和力が弱く、且つ、細骨材にガラス細粒を用いる場合、微細ガラス粒子表面のぬれ性が低いため、ガラス粒子表面に形成する単分子状の樹脂皮膜が弱い。従って、固化した硬化体は、経時変化により微細ガラス粒子表面とポリマーセメント固化体との間に剥離が生じ、高い強度を保持することが困難になるとの課題があった。
【0007】
特許文献4の提案は、改質水として磁気処理した磁化水をセメントの混練固化に用い、水道水中の塩素、カルシウム等の不純物の除去作用による効果で高強度のコンクリートを得るということであり、水の単独使用に止まっているため、界面活性作用の特性について知見の不足があり、磁気処理水の拡大活用には課題があった。
【0008】
特許文献5及び6の提案による改質水の一つである電解改質法の高周波低電圧による還元処理水は、酸化還元電位−200mV〜−300mVを有し、pHは中性に近く、表面張力が小さく、且つ界面活性力が高いために油脂類の乳化に利用され、多くの製品化が行われている。さらに、赤錆発生防止、植物の成長促進、野菜の鮮度保持、並びにコンクリートの強度向上等に使用されている。しかしながら、水硬セメントと細骨材としてのガラス細粒を組み合わせることには、アルカリ骨材反応防止の点で課題があった。
【引用文献】

【特許文献1】 特許第2853087号 登録日平成10年11月
【特許文献2】 特許第2858003号 登録日平成10年12月
【特許文献3】 特許第2585959号 登録日平成 8年12月
【特許文献4】 特開2003−211434号 公開日平成15年7月
【特許文献5】 特許第2623204号 登録日平成 9年 4月
【特許文献6】 特許第2615308号 登録日平成15年 7月
【非特許文献1】 水の再発見 光琳 平成6年7月
【非特許文献2】電気石がつくる水の界面活性(株)アグネ技術 固体物理Vol.24(1998)
【発明の開示】

【発明が解決するための課題】
【0009】
本発明の課題及び目的は、陶磁器、溶融スラグ、焼成瓦、各種ガラス類等の廃材の再活用法として、これ等を水硬性セメントと混合し、超微粒合成樹脂エマルジョンと界面活性を有する改質水とを組み合わせて混練、固化してなる高強度ポリマーセメント組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者等は、水硬セメントに強化骨材として天然珪酸塩鉱物の微細粒と微細ガラス粉粒とを水性合成樹脂エマルジョンと組み合わせて混練することにより、混練の際、天然珪酸塩鉱物の持つ電気特性により、水性合成樹脂エマルジョンの中の水分が界面活性力を有する改質水になり、水自体が高い界面活性効果を発生することを確認し、特許第2853087号及び特許第2858003号に提案し、開示してきた。
本発明において、高強度ポリマーセメント組成物を提案するにあたり、天然珪酸塩鉱物を用いることなく、水自体が界面活性力を有する改質水と、分散性の良い超微粒子状の合成樹脂エマルジョンとを組み合わせて混練することにより、水硬性セメント粒子表面と微粒子状の合成樹脂表面との親和力が高まり、細骨材である微細ガラス表面のぬれ性が高くなり、ガラス粒子表面に単分子層の合成樹脂皮膜が強固に形成されるため、ポリマーセメント固化体の圧縮強度及び曲げ強度が高強度を有することを確認した。
【0011】
本発明の説明に先立ち、水の界面活性作用について、電気石(天然珪酸塩鉱物)が作る水の界面活性を非特許文献2より引用することにする。
【0012】
すなわち、天然珪酸塩鉱物である電気石[NaFeAlSi(OH)30]は、二極性結晶体を有し、微細粒が水と接触するとき、電気石の電気特性により水を電気分解し、水が水素イオン(H)と水酸イオン(OH)に分解し、水素イオン(H)は水素ガス(H)として放出されるが、水酸イオン(OH)と水分子(HO)が結合し[HO+OH→H]となり、ヒドロキシルイオン(H)と呼ばれる界面活性物質に変化し、界面活性作用を呈することは公知である。
【0013】
本発明においては、水自体が界面活性作用を有する改質水と超微粒合成樹脂エマルジョンを組み合わせ、水硬性セメントと混練すると、天然珪酸塩鉱物を用いることなく水硬性セメント粒子と微粒子合成樹脂との親和力が高まり、微細ガラス粒のぬれ性が高くなり、ガラス粒子表面に単分子状の強固な合成樹脂皮膜が形成され、セメント成分のアルカリ・カルシウムイオンとの接触が退けられるために、ポリマーセメント固化体の初期の圧縮強度及び曲げ強度が長期間保持できることを確認した。その結果、ガラス廃材の多量活用の可能性のあることがわかり、本発明を完成するに至った。
【0014】
本発明の改質水について説明する。本発明の改質水は磁気処理水と高周波低電圧電解法による高周波還元水を用いるが、長時間界面活性力の持続性を有するもの、例えば流動電場活水器による改質水、二価鉄塩含有液による改質水等、特に問わない。しかし、一般的に飲料として用いられている活性水等は、セメント成分のアルカリ性領域において活性力に低下をきたすため、利用は困難となるものが多い。
【0015】
磁気処理水は、磁石のN極とS極の間に一定の流速以上で水を通すことにより得られる。一般的には、導水管の赤錆の発生防止(黒錆化)やボイラー内の熱交換チューブのスケール発生防止等に活用されている。
【0016】
本発明においては、現在市販されている磁気処理装置を適用する場合、磁束密度が1000〜6000Gの範囲のもので、流速は1〜3m/secである。磁気処理装置ハイドロユニットの場合、標準磁束密度は約2000Gであり、標準最低流速は1.5m/secになっている。
【0017】
磁気処理水のさまざまな効果作用メカニズムについて明確な理論はないが、水が磁界を通過する際、導体である金属容器と水との間に電流が発生し、水と金属容器の間に電子の授受反応が起こっているといわれている。
電子授受反応は電解反応に近い現象であり、磁気処理水は、電気石の電解反応に似た現象を起こしており、界面活性力の高い水に改質されていることが考えられる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施の形態について説明する。
本発明で使用する水硬セメントは普通ポルトランドセメント、早強セメント、ホワイトセメント、アルミナセメント、フライアッシュセメント、高炉セメント、石膏セメントのいずれでもよいが、本発明では、ホワイトセメントを用いた。陶磁器屑廃材、溶融スラグ、ガラス屑廃材は回転叩解式粉砕機により粉砕した。粉砕粒径は50μm〜8mmであり、使用した微細ガラス粉粒径は1〜2mmである。超微粒合成樹脂エマルジョンとしては、0.1μm〜0.05μm粒径のアクリル系ポリマーエマルジョンの他、粒径10μm以下のアクリルニトリル系重合体微粒子乾燥粉末が用いられる。その他、汎用水性合成樹脂エマルジョンとして、酢酸ビニル系エマルジョン、酢酸ビニル・アクリル共重合樹脂エマルジョン、酢酸ビニル・エチレン共重合樹脂エマルジョン、アクリル系共重合樹脂エマルジョン等が用いられる。
【0019】
本発明では、固形分45%の0.1μm〜0.05μm粒径のアクリル系ポリマーエマルジョンを改質水と組み合わせ、W/C比が25/100〜33/100となるよう用いた。改質水は、磁気処理装置ハイドロユニットを用い、磁束密度約2000G、流速 1.5m/secで処理した磁気処理水と高周波低電圧方式の電解装置による高周波還元水を用いた。
【0020】
本発明を実施例によりさらに詳しく説明する。
【実施例1】
水硬性セメント(ホワイトセメント)100重量部にたいし、水道水38重両部(試料No.1)、又は、超微粒合成樹脂エマルジョンであるアクリル系ポリマーエマルジョン(固形分45%)17重量部に水道水17重両部(試料No.2)、又は、超微粒合成樹脂エマルジョンであるアクリル系ポリマーエマルジョン(固形分45%)17重量部に、磁気処理装置により磁束密度2000G、水の流速1.5m/secで処理した改質水17重量部(試料No.3)、又は、超微粒合成樹脂エマルジョンであるアクリル系ポリマーエマルジョン(固形分45%)17重量部に、改質水として高周波低電圧法により処理し、−200mV〜−300mVの還元電位を有し、且つ中性のpHを示す還元処理水17重量部(試料No.4)を混練し、接着強度試験のための5mm厚さの板ガラスを下地材とした型枠(40mm×40mm×5mm)に流し込み、さらに吸水率測定用の型枠(40mm×40mm×40mm)に流し込み、養生28日後にJIS A−6203に準じた接着強度試験、並びにJIS R−5209に準じる方法で吸水率を測定した。その結果を表1に示す。試料No.1の接着強度試験では、治具をセットする過程で剥離してしまい、測定不能となった。試料No.3、4は下地のガラスが破損したが、剥離する状況は無い。
【実施例2】
【0021】
水硬性セメント(ホワイトセメント)100重量部、骨材として微細ガラス粉粒(粒径1〜2mm)150重量部、超微粒合成樹脂エマルジョンであるアクリル系ポリマーエマルジョン(固形分45%)17重量部、磁気処理装置により磁束密度2000G、水の流速1.5m/secで処理した改質水17重量部を混練し、型枠(40mm×40mm×160mm)に流し込んだ。固化後脱形し、養生28日後に強度測定した。比較例として、改質水の代わりに水道水を用いた場合の強度試験結果を併記する。
圧縮強度試験、曲げ強度試験はJIS R−5201に準じた。その結果、改質水を使用した固化体の圧縮強度は784kgf/cm、曲げ強度181kgf/cmを得た。改質水の代わりに水道水を使用した比較試験の値は、圧縮強度712kgf/cm、曲げ強度143kgf/cmであった。
【実施例3】
【0022】
水硬性セメント(ホワイトセメント)100重量部、骨材として微細ガラス粉粒(粒径1〜2mm)150重量部、超微粒合成樹脂エマルジョンであるアクリル系ポリマーエマルジョン(固形分45%)17重量部、改質水として高周波低電圧法により処理し、−200mV〜−300mVの還元電位を有し、且つ中性のpHを示す還元処理水17重量部を混練し、型枠(40mm×40mm×160mm)に流し込んだ。固化後脱形し、養生28日後に強度測定した。その結果、固化体の圧縮強度は771kgf/cm、曲げ強度170kgf/cmを得た。
【実施例4】
【0023】
水硬性セメント(ホワイトセメント)100重量部、骨材として微細ガラス粉粒(粒径1〜2mm)86重量部、粉砕陶磁器細粒(粒径1〜2mm)64重量部、超微粒合成樹脂エマルジョンであるアクリル系ポリマーエマルジョン(固形分45%)17重量部、磁気処理装置により磁束密度2000G、水の流速1.5m/secで処理した改質水17重量部を混練し、型枠(40mm×40mm×160mm)に流し込んだ。固化後脱形し、養生28日後に強度測定した。比較例として、改質水の代わりに水道水を用いた場合の強度試験結果を併記する。
その結果、改質水を使用した固化体の圧縮強度は714kgf/cm、曲げ強度172kgf/cmを得た。改質水の代わりに水道水を使用した比較試験の値は、圧縮強度610kgf/cm、曲げ強度132kgf/cmであった。
【実施例5】
【0024】
水硬性セメント(ホワイトセメント)100重量部、骨材として微細ガラス粉粒(粒径1〜2mm)86重量部、粉砕陶磁器細粒(粒径1〜2mm)64重量部、超微粒合成樹脂エマルジョンであるアクリル系ポリマーエマルジョン(固形分45%)17重量部、改質水として高周波低電圧法により処理し、−200mV〜−300mVの還元電位を有し、且つ中性のpHを示す還元処理水17重量部を混練し、型枠(40mm×40mm×160mm)に流し込んだ。固化後脱形し、養生28日後に強度測定した。その結果、固化体の圧縮強度は693kgf/cm、曲げ強度170kgf/cmを得た。
【実施例6】
【0025】
水硬性セメント(ホワイトセメント)100重量部、骨材として微細ガラス粉粒(粒径1〜2mm)86重量部、溶融スラグ(粒径1〜2mm)64重量部、超微粒合成樹脂エマルジョンであるアクリル系ポリマーエマルジョン(固形分45%)17重量部、磁気処理装置により磁束密度2000G、水の流速1.5m/secで処理した改質水17重量部を混練し、型枠(40mm×40mm×160mm)に流し込んだ。固化後脱形し、養生28日後に強度測定した。比較例として、改質水の代わりに水道水を用いた場合の強度試験結果を併記する。
その結果、改質水を使用した固化体の圧縮強度は705kgf/cm、曲げ強度153kgf/cmを得た。改質水の代わりに水道水を使用した比較試験の値は、圧縮強度598kgf/cm、曲げ強度130kgf/cmであった。
【実施例7】
【0026】
水硬性セメント(ホワイトセメント)100重量部、骨材として微細ガラス粉粒(粒径1〜2mm)86重量部、溶融スラグ(粒径1〜2mm)64重量部、超微粒合成樹脂エマルジョンであるアクリル系ポリマーエマルジョン(固形分45%)17重量部、高周波低電圧法により処理し、−200mV〜−300mVの還元電位を有し、且つ中性のpHを示す還元処理水17重量部を混練し、型枠(40mm×40mm×160mm)に流し込んだ。固化後脱形し、養生28日後に強度測定した。その結果、固化体の圧縮強度は700kgf/cm、曲げ強度161kgf/cmを得た。
【実施例8】
【0027】
水硬性セメント(ホワイトセメント)100重量部、骨材として微細ガラス粉粒(粒径1〜2mm)86重量部、溶融スラグ(粒径1〜2mm)32重量部、陶磁器屑細粒(粒径1〜2mm)32重量部、超微粒合成樹脂エマルジョンであるアクリル系ポリマーエマルジョン(固形分45%)17重量部、磁気処理装置により磁束密度2000G、水の流速1.5m/secで処理した改質水17重量部を混練し、型枠(40mm×40mm×160mm)に流し込んだ。固化後脱形し、養生28日後に強度測定した。比較例として、還元処理水の代わりに水道水を用いた場合の強度試験結果を併記する。
その結果、改質水を使用した固化体の圧縮強度は700kgf/cm、曲げ強度170kgf/cmを得た。改質水の代わりに水道水を使用した比較試験の値は、圧縮強度602kgf/cm、曲げ強度137kgf/cmであった。
【実施例9】
【0028】
水硬性セメント(ホワイトセメント)100重量部、骨材として微細ガラス粉粒(粒径1〜2mm)86重量部、溶融スラグ(粒径1〜2mm)32重量部、陶磁器屑細粒(粒径1〜2mm)32重量部、超微粒合成樹脂エマルジョンであるアクリル系ポリマーエマルジョン(固形分45%)17重量部、改質水として高周波低電圧法により処理し、−200mV〜−300mVの還元電位を有し、且つ中性のpHを示す還元処理水17重量部を混練し、型枠(40mm×40mm×160mm)に流し込んだ。固化後脱形し、養生28日後に強度測定した。その結果 固化体の圧縮強度は693kgf/cm、曲げ強度166kgf/cmを得た。
【0029】
【表1】

【0030】
【表2】

【発明の効果】
【0031】
以上説明したように、水硬セメントと超微粒子合成樹脂エマルジョン並びに磁気処理した改質水、又は高周波低電圧法により処理した改質水を組合せ、混練固化することにより、ガラスに対し接着強度が強くなる。その結果、リユースできない廃ガラスや表層がガラス質である陶磁器屑並びに溶融スラグを多量に使用した建築材料や土木資材を無焼成で得ることができ、CO削減による環境改善効果は絶大である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水硬セメント、陶磁器細粒、溶融スラグ、微細ガラス粉粒の混合物に、超微粒合成樹脂エマルジョンおよび改質水を組み合わせた混練、固化してなることを特徴とする高強度ポリマーセメント組成物。
【請求項2】
超微粒合成樹脂エマルジョンの平均粒径が10nm〜500nmであるアクリル系共重合体微粒子、またはスルフォン酸基アクリルニトリル系重合体微粒子である請求項1記載の高強度ポリマーセメント組成物。
【請求項3】
改質水が、磁束密度1000〜6000G(ガウス)、流速1〜3m/secである磁気処理水、または高周波低電圧電解法による高周波還元水であることを特徴とする請求項1及び請求項2記載の高強度ポリマーセメント組成物。

【公開番号】特開2007−197292(P2007−197292A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−41585(P2006−41585)
【出願日】平成18年1月24日(2006.1.24)
【出願人】(506057041)株式会社大萌 (1)
【出願人】(506057052)
【出願人】(504243154)
【出願人】(506057074)
【出願人】(506057096)
【Fターム(参考)】