説明

高次脳機能障害の予防および/または治療剤



(式中、R、RおよびRは同一または異なって水素原子、低級アルキル、低級アルケニルまたは低級アルキニルを表し、Rはシクロアルキル、−(CH)n−Rまたは上記式(II)を表し、XおよびXは同一または異なって酸素原子または硫黄原子を表す)
例えば上記式(I)で表されるキサンチン誘導体またはその薬理的に許容される塩を有効成分として含有する高次脳機能障害の予防および/または治療剤等を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、キサンチン誘導体またはその薬理的に許容される塩を有効成分として含有する高次脳機能障害の予防および/または治療剤に関する。
【背景技術】
高次脳機能障害とは、一般に脳がさまざまな原因によって損傷されたことにより、日常生活を営むための例えば記憶、思考、認識、行為、学習、言語、注意等の脳の高次な働きに障害が起きた状態のことをいう。例えば、病気、事故または加齢による脳損傷により生じる、(1)半側空間無視(自分が見ていると意識している空間の片側を見落とす視界認識の障害)、(2)失語症(ウェルニッケ失語症(流暢性失語)、ブロカ失語症(非流暢性失語);言葉の理解または表現に係わる「話す、聞く、読むもしくは書く」という言語機能の欠落または損失)、(3)失行症(観念失行、観念運動失行;手足は動かせるが、意図した動作と行為または指示された動作と行為が困難になる障害)、(4)失認症(身体失認(病態失認);身体の一部を自分のものではないように思う、なくなったように思う、麻痺があるのにそのことを認めない等身体の認識障害、視覚失認、相貌失認、聴覚失認;視覚、聴覚または触覚の要素として対象物を認識できるが、その対象物が何であるかという認識ができない障害)、(5)記憶障害(健忘症;記憶と学習(特に新しいことを覚えること)が困難である障害)、(6)遂行機能障害(情報を整理し、計画し、手順を考え、実施するという一連の行動が困難である障害)、(7)注意障害(注意力および集中力の低下)、(8)行動と情緒の障害(些細なことで興奮して衝動的になる、著しい不安に陥ってパニック状態を起こす、逆に自発性が低下する等の状態を指す)等の脳機能障害があげられる(メルクマニュアル第17版、第169章、総合リハビリテーション、第11巻、p.605−608(1983年)、新生理科学大系12、p.1−5(1988年)、鈴木寿夫編、医学書院出版等参照)。
これらの高次脳機能障害の原因となる脳損傷を引き起こす疾患としては、例えば頭部外傷(例えば硬膜外血腫、硬膜下血腫、脳挫傷、脳内出血等)、脳血管障害(例えば脳内出血、脳梗塞、脳卒中、低酸素脳症、クモ膜下出血、もやもや病等)、感染症(例えば脳炎、エイズ脳症等)、自己免疫疾患(例えば全身性エリトマトーデス、神経ベーチェット病等)、中毒疾患(例えばアルコール中毒、一酸化炭素中毒、薬物中毒等)、脳腫瘍等があげられる。
ー方、後述する式(I)で表される化合物を含むキサンチン誘導体の多くは、例えば抗パーキンソン病作用、中枢興奮作用、神経変性抑制作用等を有することが知られている(特公昭47−26516号公報、特開平6−211856号公報、特開平6−239862号公報、特開平6−16559号公報、WO99/12546等参照)。また、例えばアデノシンA受容体拮抗作用、抗うつ作用、抗喘息作用、骨吸収抑制作用、血糖降下作用、血小板増殖抑制作用等を有することが知られている[WO92/06976、WO94/01114、WO95/23165、WO99/35147、ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(J.Med.Chem.)、第34巻、p.1431(1991年)、ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(J.Med.Chem.)、第36巻、p.1333(1993年)]。
【発明の開示】
本発明の目的は、例えばキサンチン誘導体またはその薬理的に許容される塩を有効成分として含有する高次脳機能障害の予防および/または治療剤等を提供することにある。
本発明は、以下の(1)〜(14)に関する。
(1) 式(I)

[式中、R、RおよびRは同一または異なって水素原子、低級アルキル、低級アルケニルまたは低級アルキニルを表し、
はシクロアルキル、−(CH−R(式中、Rは置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の複素環基を表し、nは0〜4の整数を表す)または式(II)

(式中、YおよびYは同一または異なって水素原子、ハロゲンまたは低級アルキルを表し、Zは置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の複素環基を表す)を表し、
およびXは同一または異なって酸素原子または硫黄原子を表す]で表されるキサンチン誘導体またはその薬理的に許容される塩を有効成分として含有する高次脳機能障害の予防および/または治療剤。
(2) XおよびXが酸素原子である上記(1)記載の高次脳機能障害の予防および/または治療剤。
(3) Rが式(II)

(式中、Y、YおよびZはそれぞれ前記と同義である)である上記(1)または(2)記載の高次脳機能障害の予防および/または治療剤。
(4) YおよびYが水素原子である上記(3)記載の高次脳機能障害の予防および/または治療剤。
(5) Zが置換もしくは非置換のアリールまたは式(III)

(式中、Rは水素原子、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン、ニトロまたはアミノを表し、mは1〜3の整数を表す)である上記(3)または(4)記載の高次脳機能障害の予防および/または治療剤。
(6) 高次脳機能障害が、脳損傷による高次脳機能障害である上記(1)〜(5)のいずれかに記載の高次脳機能障害の予防および/または治療剤。
(7) 脳損傷が、加齢による脳損傷である上記(6)記載の高次脳機能障害の予防および/または治療剤。
(8) 脳損傷が、頭部外傷および脳血管障害からなる群より選ばれる疾患による脳損傷である上記(6)記載の高次脳機能障害の予防および/または治療剤。
(9) 高次脳機能障害が、記憶、思考、認識、行為および学習からなる群より選ばれる脳の高次な働きへの障害である上記(1)〜(8)のいずれかに記載の高次脳機能障害の予防および/または治療剤。
(10) 高次脳機能障害が、失認症、健忘症および失行症からなる群より選ばれる脳機能障害である上記(1)〜(8)のいずれかに記載の高次脳機能障害の予防および/または治療剤。
(11) 高次脳機能障害が、記憶障害である上記(1)〜(8)のいずれかに記載の高次脳機能障害の予防および/または治療剤。
(12) 高次脳機能障害が、学習障害である上記(1)〜(8)のいずれかに記載の高次脳機能障害の予防および/または治療剤。
(13) 式(I)

(式中、R、R、R、R、XおよびXはそれぞれ前記と同義である)で表されるキサンチン誘導体またはその薬理的に許容される塩の有効量を投与することを特徴とする高次脳機能障害の予防および/または治療方法。
(14) 高次脳機能障害の予防および/または治療剤の製造のための、式(I)

(式中、R、R、R、R、XおよびXはそれぞれ前記と同義である)で表されるキサンチン誘導体またはその薬理的に許容される塩の使用。
本発明において、「高次脳機能障害」とは「脳がさまざまな原因によって損傷されたことにより、日常生活を営むための例えば記憶、思考、行為、学習、言語、注意等の脳の高次な働きに障害が起きた状態」のことをいう。具体的には、病気、事故または加齢による「脳損傷」により生じる「高次脳機能障害」があげられ、より具体的には、病気、事故または加齢による「脳損傷」により生じる(1)半側空間無視、(2)失語症(ウェルニッケ失語症(流暢性失語)、ブロカ失語症(非流暢性失語)等)、(3)失行症、(4)失認症(身体失認(病態失認)、視覚失認、相貌失認、聴覚失認等)、(5)記憶障害(健忘症等)、(6)遂行機能障害、(7)注意障害、(8)行動と情緒の障害等の脳機能障害があげられる。これらの高次脳機能障害の原因となる「脳損傷」を引き起こす疾患としては、例えば頭部外傷(例えば硬膜外血腫、硬膜下血腫、脳挫傷、脳内出血等)、脳血管障害(例えば脳内出血、脳梗塞、脳卒中、低酸素脳症、クモ膜下出血、もやもや病等)、感染症(例えば脳炎、エイズ脳症等)、自己免疫疾患(例えば全身性エリトマトーデス、神経ベーチェット病等)、中毒疾患(例えばアルコール中毒、一酸化炭素中毒、薬物中毒等)、脳腫瘍等があげられる。
中でも、本発明の高次脳機能障害の予防および/または治療剤により好適に予防および/または治療される「脳の高次な働きへの障害」としては、例えば記憶、思考、行為、学習等、およびこれらのひとつ以上が組み合わさった機能である認識、認知、遂行等への障害があげられる。中でも、記憶、思考、行為、学習、認識、認知および遂行への障害から選ばれるひとつ以上の脳の高次な働きへの障害が好適に予防および/または治療される。
また、中でも、本発明の高次脳機能障害の予防および/または治療剤により好適に予防および/または治療される「高次脳機能障害」としては、上記で例示した病気、事故または加齢による「脳損傷」により生じる「高次脳機能障害」があげられる。中でも、半側空間無視、失行症、失認症、記憶障害、学習障害、遂行機能障害等が好適に予防および/または治療される。
式(I)の各基の定義において、
低級アルキルおよび低級アルコキシの低級アルキル部分としては、例えば直鎖または分岐状の炭素数1〜6のアルキルがあげられ、具体的にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル等があげられる。
低級アルケニルとしては、例えば直鎖または分岐状の炭素数2〜6のアルケニルがあげられ、具体的にはビニル、アリル、メタクリル、クロチル、3−ブテニル、2−ぺンテニル、4−ペンテニル、2−ヘキセニル、5−ヘキセニル等があげられる。
低級アルキニルとしては、例えば直鎖または分岐状の炭素数2〜6のアルキニルがあげられ、具体的にはエチニル、プロパルギル、2−ブチニル、3−ブチニル、2−ペンチニル、4−ペンチニル、2−ヘキシニル、5−ヘキシニル、4−メチル−2−ペンチニル等があげられる。
シクロアルキルとしては、例えば炭素数3〜8のシクロアルキルがあげられ、具体的にはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル等があげられる。
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素の各原子を意味する。
アリールとしては、例えば炭素数6〜14のアリールがあげられ、具体的にはフェニル、ナフチル、アントリル等があげられる。
複素環基としては、例えば窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む5員または6員の単環性複素環基、3〜8員の環が縮合した二環または三環性で窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む縮環性複素環基等があげられ、具体的にはフリル、チエニル、ピロリル、ピラニル、チオピラニル、ピリジル、ピリミジニル、トリアジニル、プリニル、ピラジニル、ピリダジニル、ベンゾイミダゾリル、2−オキソベンゾイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、1,3−ベンゾジオキソリル、1,4−ベンゾジオキサニル、3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾジオキセピニル、インダゾリル、インドリル、イソインドリル、キノリル、イソキノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、ピラゾリル、キナゾリニル、シンノリニル、トリアゾリル、テトラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ジヒドロイソキノリル、テトラヒドロキノリル、ジヒドロベンゾピラニル等があげられる。
置換アリールおよび置換複素環基における置換基としては、同一または異なって例えば置換数1〜3の置換基があげられ、具体的には低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、ヒドロキシ、置換もしくは非置換の低級アルコキシ、ハロゲン、ニトロ、アミノ、低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アラルキル、アラルキルオキシ、アリール、アリールオキシ、低級アルカノイル、低級アルカノイルオキシ、アロイル、アロイルオキシ、アリールアルカノイルオキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、低級アルキルカルバモイル、ジ低級アルキルカルバモイル、スルホ、低級アルコキシスルホニル、低級アルキルスルファモイル、ジ低級アルキルスルファモイル等があげられる。
ここで示した低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノ、低級アルカノイル、低級アルカノイルオキシ、低級アルコキシカルボニル、低級アルキルカルバモイル、ジ低級アルキルカルバモイル、低級アルコキシスルホニル、低級アルキルスルファモイルおよびジ低級アルキルスルファモイルの低級アルキル部分は、前記低級アルキルと同義であり、ハロゲン、低級アルケニルおよび低級アルキニルはそれぞれ前記と同義である。ジ低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルカルバモイルおよびジ低級アルキルスルファモイルの2つの低級アルキル部分は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。アリールおよびアリールオキシのアリール部分は前記アリールと同義であり、アラルキルおよびアラルキルオキシのアラルキル部分としては、例えばベンジル、フェネチル等があげられる。アロイルおよびアロイルオキシのアロイル部分としては、例えばベンゾイル、ナフトイル等があげられる。アリールアルカノイルオキシのアリールアルキル部分としては、例えばベンジル、フェネチル等があげられる。置換低級アルコキシにおける置換基としては、例えばヒドロキシ、低級アルコキシ、ハロゲン、アミノ、アジド、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル等があげられる。ここで、低級アルコキシおよび低級アルコキシカルボニルの低級アルキル部分は、前記低級アルキルと同義であり、ハロゲンは前記と同義である。
以下、式(I)で表される化合物を化合物(I)という。
化合物(I)の薬理的に許容される塩としては、例えば薬理的に許容される酸付加塩、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン付加塩、アミノ酸付加塩等があげられる。
化合物(I)の薬理的に許容される酸付加塩としては、例えば塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩等の有機酸塩があげられ、薬理的に許容される金属塩としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、亜鉛塩等があげられ、薬理的に許容されるアンモニウム塩としては、例えばアンモニウム、テトラメチルアンモニウム等の塩があげられ、薬理的に許容される有機アミン付加塩としては、モルホリン、ピペリジン等の付加塩があげられ、薬理的に許容されるアミノ酸付加塩としては、リジン、グリシン、フェニルアラニン等の付加塩があげられる。
化合物(I)は、特公昭47−26516号公報、ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(J.Med.Chem.)、第34巻、p.1431(1991年)、ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(J.Med.Chem.)、第36巻、p.1333(1993年)、WO92/06976、特開平6−211856号公報、特開平6−239862号公報、WO95/23165、特開平6−16559号公報、WO94/01114、WO99/12546、WO99/35147等に開示された方法でまたはそれらに準じて製造することができる。各製造法における目的化合物は、有機合成化学で常用される精製法、例えば濾過、抽出、洗浄、乾燥、濃縮、再結晶、各種クロマトグラフィー等に付して単離精製することができる。
化合物(I)の塩を取得したいとき、化合物(I)が塩の形で得られる場合には、そのまま精製すればよく、また、遊離塩基の形で得られる場合には、化合物(I)を適当な溶媒に溶解または懸濁し、酸または塩基を加えて塩を形成させればよい。
また、化合物(I)およびその薬理的に許容される塩は、水または各種溶媒との付加物の形で存在することもあるが、これら付加物も本発明の高次脳機能障害の予防および/または治療剤に用いることができる。
化合物(I)の中には光学異性体等が存在し得るものもあるが、全ての可能な立体異性体およびそれらの混合物も本発明の高次脳機能障害の予防および/または治療剤に用いることができる。
化合物(I)の具体例を第1表に示す。

以下に試験例により本発明の効果を具体的に説明する。
試験例1:能動的回避学習試験
SD系雄性ラット(体重220−280g)を1群10匹用いて実験を行った。
2つの箱からなるシャトル・ボックス(shuttle box)装置(TK−401S;ユニコム)を用いて、該ラットに条件回避行動を学習訓練(回避訓練)させた。該回避訓練における1試行として、該ラットに条件刺激としてライトとブザーによる警告刺激を8秒間与え、警告刺激を与え始めてから4秒以内に隣の箱に移動(警告刺激による回避行動)しない場合には、床グリッドに3mAの電流を流すことによる無条件刺激(学習強化因子)を4秒間与えた。試行の繰り返しには5秒間の間隔(interval time)をとり、各回避訓練を50試行/1訓練/1日として10日間以上行った。
試験化合物は、0.3% Tween−80を含有する注射用蒸留水(大塚製薬社製;0.3% Tween−80溶液)の懸濁液として用い、上記ラットに10mL/kgの容量で、試験の1時間前に経口投与した(試験化合物投与群)。別途、上記ラットに0.3% Tween−80溶液のみを10mL/kgの容量で、試験の1時間前に経口投与し、溶媒投与群とした。
試験結果の解析は、パーソナルコンピュータ(日本電気:PC−9821Xe)に各種パラメータを取り込み、回避率(%)(10匹での平均値;警告刺激による回避行動をしたものを回避成功とし、50試行全てにおいて回避成功した場合を回避率100%とした)および全反応潜時の変動(全試行完了に要した時間)を溶媒投与群と比較して、Steel−testにより行った。その結果を第2表に示す。

上記の結果、以下のことが判明した。
化合物2の投与群において、溶媒投与群における回避率(90.8%)より高い回避率が得られた。また、化合物2(3.0mg/kg)の投与群において、回避率が有意に上昇した(p<0.01:Steel−test)。
一方、化合物2の投与群において、溶媒投与群における全試行完了に要した時間(99.1秒)より、短い時間で全試行を完了した。また、化合物1(0.3mg/kg)および化合物1(3.0mg/kg)の投与群において、全試行完了に要した時間がそれぞれ有意に短縮された(それぞれp<0.05およびp<0.01:Steel−test)。
試験例2:受動的回避学習試験
アルビノ系雌性ラット(体重約100g)を1群32匹用いて実験を行った。
受動的回避学習試験は、1.1mAの電気ショックをランダムに与えることが可能なステンレスの床グリッドを敷いた試験箱(40cm x 31cm x 29cm)を用いて行った。該試験箱は、床の一角を0.5cm厚のプラスチック平板(15cm x 5cm)でカバーされており、プラスチック平板に置かれたラットが、試験箱の床グリッドに降りることにより電気ショックを受ける仕組みを有している。通常、ラットは電気ショックを与えられるとすぐにプラスチック平板に戻り、再び床に降りようとするが、この際、床に降りることにより再び電気ショックを受ける。通常、それらの行動は繰り返されること(学習訓練)により次第に変化し、ラットはプラスチック平板に留まるようになる(受動的回避行動)。
学習訓練させた後、以下の記憶保持試験に基づき、記憶を保持したラットのみを選別して試験に用いた。ラットをプラスチック平板に置き、この時点を開始時点として、(1)ラットが60秒以内に床に降りた場合、および(2)60秒後に軽く押されて床に落とされるということにラットが抵抗しない場合を、各ラットが受動的回避行動の学習を記憶保持していないと判定した。
試験化合物は、0.3% Tween−80を含有する蒸留水の懸濁液として用い、スコポラミン(Scopolamine)は蒸留水(Sigma製)の溶液として用いた。
受動的回避行動を学習したラットに、学習した後ただちにスコポラミン(皮下投与)を1mg/kg(2mL/kgの容量)および試験化合物(経口投与)を2mL/kgの容量で同時投与し(試験化合物投与群)、投与から2時間後に受動的回避行動の学習を記憶保持しているかどうかを評価した。別途、受動的回避行動を学習したラットに、学習した後ただちに0.3% Tween−80溶液のみを2mL/kgの容量で経口投与したものを溶媒投与群、同様にスコポラミンのみを1mg/kg(2mL/kgの容量)で皮下投与したものをスコポラミン投与群とした。
試験結果の解析は、受動的回避行動を示したラットの割合をスコポラミン投与群と比較して、両側X検定(Two−tailed Chi Square test)により行った。その結果を第3表に示す。

上記の結果、以下のことが判明した。
スコポラミンの投与により記憶過程の障害を惹起させたスコポラミン投与群において、受動的回避行動を示すラットの割合が、溶媒投与群と比較して著しく減少した。一方、化合物2をスコポラミンと同時投与した群(試験化合物群)において、受動回避行動を示すラットの割合が、スコポラミン投与群と比較して有意に増加した(p<0.05:Two−tailed Chi Square test)。
試験例3:両側総頸動脈結紮ラットの迷路学習試験
本試験は、以下の文献に記載の方法に準じて行った。
(1)アクタ・ニューロパソロジカ(Acta.Neuropathol.),87,p.484−492(1994年)
(2)ブレイン・リサーチ(Brain Res.),729,p.55−65(1996年)
(3)ニューロサイエンス(Neuroscience),79,p.1039−1050(1997年)
(4)日薬理誌,113,p−85−95(1999年)
(5)ストローク(Stroke),26,p.1415−1422(1995年)
(6)脳神経,49,p.639−644(1997年)
(7)ジャパニーズ・ジャーナル・オブ・ファーマコロジー(Jpn.J.Pharmacol.),75,p.443−446(1997年)
ウィスター系雌性ラット(体重210〜310g)を1群10匹用いて実験を行った。
ペントバルビタール麻酔下において、ラット頸部を切開し、両側総頚動脈を結紮した(結紮処置ラット)。別途、ラット頸部の切開のみで両側頸動脈結紮を行わなかったラットを偽手術処置ラットとした。ペントバルビタール麻酔下、ラットをラット用脳固定装置(ナリシゲ;SR−6)に固定した。脳座標(A2.0,L2.0,D−2.0)に水素電極(ユニークメディカル;UHE−100,ISニードルタイプ)を刺入した。水素不関電極(ユニークメディカル)をラット頸部においた。ラットに人工呼吸装置(シナノ製作所;SN−480−7)により人工呼吸を施し、人工呼吸装置を介して水素ガス約40mLを約15分間隔にて2、3回強制的に吸入させた。
迷路学習試験には灰色塩化ビニール製の放射状迷路を用いた。該迷路は、床から50cmの高さに設定されている放射状に伸びた8本の走路(12cm x 60cm)と中心のプラットホームからなり、走路の先端には報酬用ミルクを置くためのくぼみ(直径3cm、深さ1cm)を有する。
該迷路学習試験は2走行からなる。第1走行においては、報酬用ミルクを8走路すべてに置き、そのうち4走路にブロックを置いて進入できないようにした。第1走行としてラットに該迷路へ自由に進入させ、ラットが4つのミルクを得てプラットホームに戻ると、円筒を設置してラットをプラットホーム上に枸束し、この間に4走路のブロックを取り除いた。ラットを拘束してから10秒後に円筒を取り除き、第2走行を実施した。該第2走行において、ラットは残りの4走路に置かれているミルクを得ることができた。このとき、第2走行において4つのミルクを得るのに要した走路の選択数を16選択まで記録した。
該迷路学習試験は、両側頚動脈結紮処置の4週間後より開始し、第1走行と第2走行とを合わせて1試行とし、1日に2試行の訓練を、約15分の試行間隔にて10日間連続して実施した。第1試行および第2試行における選択数の平均値を学習成績とした。第1走行においてブロックを置く走路に関しては、ラットごとに定め、これを試験期間中一定にした。
試験化合物は、0.5%メチルセルロース(MC)を含有する注射用蒸留水(大塚製薬社製)の懸濁液として用い、上記結紮処置ラットに10mL/kgの容量で、第1試行開始の1時間前に経口投与した(試験化合物投与群)。別途、上記偽手術処置ラットおよび上記結紮処置ラットに、それぞれ0.5% MC溶液のみを10mL/kgの容量で、第1試行開始の1時間前に経口投与し、それぞれ偽手術処置群および溶媒投与群とした。
試験結果の解析は、迷路学習試験の第2走行において4つのミルクを得るのに要した走路の選択数(走路選択数)を溶媒投与群と比較して、Bonferroniの多重性調整法(Bonferroni−type multiple testing procedures)により行った。その結果を図1に示す。
上記の結果、以下のことが判明した。
溶媒投与群においては、走路選択数が、偽手術処置群と比較して有意に増加し、学習成績の低下が認められた(p<0.01:Bonferroniの多重性調整法)。化合物1(1mg/kg)および化合物1(3mg/kg)をそれぞれ投与した試験化合物投与群では、両側頚動脈結紮によって生じた学習成績の低下がそれぞれ有意に(P<0.025およびp<0.005:Bonferroniの多重性調整法)改善された。
試験例4:遅延交代課題学習試験(non−matching to sample)
本試験は、ドラッグ・デベロップメント・リサーチ(Drug Dev.Res.),35,p.83−95(1996年)に記載の方法に準じて行った。
ウィスター(Han)系雄性ラット(体重200〜250g)を1群10匹用いて実験を行った。
実験には給餌器(45mg食餌ペレットを給餌)に繋がる引込み式レバー3つ(中央左、右)を有するスキナー箱(30cm x 25cm x 30cm)を用い、実験条件のコントロールおよびデータ集積は、MED.PCプログラムシステムと連動させることにより自動的に行った。
各ラットに、レバー押しの学習訓練をさせた後、続いて遅延交代課題学習訓練を行った。レバー押しの学習訓練においては、中央および左右のどの引込み式レバーを押しても食餌が得られることを該ラットに学習訓練させた。次いで遅延交代課題学習訓練においては、最初に左右どちらかの一つの引込み式レバーで食餌が得られると、そのレバーは引込み、5秒後に左右両方のレバーが提示されるが、前回と反対側のレバーを押すことによってのみ食餌が供給されることを該ラットに学習訓練させた。
各レバーの提示時間は20秒間とし、この時間内にラットがレバーを押さない場合にはレバーは引込まれ、10秒後に次のトライアルを開始した。
試験化合物は、0.5%メチルセルロース(MC)を含有する注射用蒸留水(大塚製薬社製)の懸濁液として用い、レバー押しを学習訓練させたラットに10mL/kgの容量で、遅延交代課題学習訓練開始時から一日一回、一週間連続で経口投与した(試験化合物投与群)。別途、上記のレバー押しを学習訓練させたラットに、0.5% MC溶液のみを10mL/kgの容量で、遅延交代課題学習訓練開始時から一日一回、一週間連続で経口投与し、溶媒投与群とした。
反応正解率は、左右のレバー選択の正解率(%)(10匹の平均値)で示し、試験結果の解析は、one−way ANOVA−Student’s t testにより行った。その結果を第4表に示す。

上記の結果、以下のことが判明した。
遅延交代課題試験における化合物2投与群の反応正解率は、溶媒投与群に比べて有意に増加し、一週間での反応正解率(週間反応正解率)は溶媒投与群45.4±1.6(%)に対し50.6±1.5(%)と有意に増加した。
以上の試験例1〜4の結果から、化合物(I)またはその薬理的に許容される塩は、例えば記憶、学習、行為、認知、認識、遂行等の脳の高次な働きを改善および/または増強する作用を有することが判明した。つまり、化合物(I)またはその薬理的に許容される塩は、高次脳機能障害(例えば、病気、事故または加齢による脳損傷により生じる、半側空間無視、失行症、失認症、記憶障害、学習障害、遂行機能障害等)の予防および/または治療剤として有用であることが示された。
化合物(I)またはその薬理的に許容される塩はそのまままたは各種の製薬形態で使用することができる。本発明の製薬組成物は、活性成分として、有効な量の化合物(I)またはその薬理的に許容される塩を薬理的に許容される担体と均一に混合して製造できる。これらの製薬組成物は、例えば直腸投与、経口または非経口(皮下、静脈内および筋肉内を含む)等の投与に対して適する単位服用形態にあることが望ましい。
経口服用形態にある組成物の調製においては、何らかの有用な薬理的に許容される担体が使用できる。例えば懸濁剤およびシロップ剤のような経口液体調製物は、水、シュークロース、ソルビトール、フラクトース等の糖類、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類、ゴマ油、オリーブ油、大豆油等の油類、p−ヒドロキシ安息香酸エステル類等の防腐剤、ストロベリーフレーバー、ペパーミント等のフレーバー類等を使用して製造できる。粉剤、丸剤、カプセル剤および錠剤は、ラクトース、グルコース、シュークロース、マンニトール等の賦形剤、でん粉、アルギン酸ソーダ等の崩壊剤、ステアリン酸マグネシウム、タルク等の滑沢剤、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、ゼラチン等の結合剤、脂肪酸エステル等の表面活性剤、グリセリン等の可塑剤等を用いて製造できる。錠剤およびカプセル剤は、投与が容易であるという理由で、最も有用な単位経口投与剤である。錠剤やカプセル剤を製造する際には固体の製薬担体が用いられる。
また、注射剤は、蒸留水、塩溶液、グルコース溶液または塩水とグルコース溶液の混合物等から成る担体を用いて調製することができる。この際、常法に従い適当な助剤を用いて、溶液、懸濁液または分散液として調製される。
化合物(I)またはその薬理的に許容される塩は、上記製薬形態で経口的にまたは注射剤等として非経口的に投与することができ、その有効用量および投与回数は、投与形態、患者の年齢、体重、症状等により異なるが、1〜100mg/60kg/日、好ましくは1〜20mg/60kg/日を一日一回または数回に分けて投与するのが適当である。
【図面の簡単な説明】
図1は、両側総頸動脈結紮ラットの迷路学習試験における化合物1の効果を示したものである。縦軸は迷路学習試験の第2走行において4つのミルクを得るのに要した走路の選択数(走路選択数)を表し、横軸は試験開始からの経過日数(日)を表す。グラフ上の各プロットの意味は、それぞれ以下の通りである。
―――:偽手術処置群
―〇―:溶媒投与群
―△―:化合物1(1mg/kg)投与群
―□―:化合物1(3mg/kg)投与群
【発明を実施するための最良の形態】
以下に、実施例によって本発明の様態を説明する。
【実施例1】
錠剤
常法により、次の組成からなる錠剤を調製する。
化合物1の40g、ラクトース286.8gおよび馬鈴薯でん粉60gを混合し、これにヒドロキシプロピルセルロースの10%水溶液120gを加える。この混合物を常法により練合し、造粒して乾燥させた後、整粒し打錠用顆粒とする。これにステアリン酸マグネシウム1.2gを加えて混合し、径8mmの杵を持った打錠機(菊水社製RT−15型)で打錠を行って、錠剤(1錠あたり活性成分20mgを含有する)を得る。
処方 化合物1 20 mg
ラクトース 143.4mg
馬鈴薯でん粉 30 mg
ヒドロキシプロピルセルロース 6 mg
ステアリン酸マグネシウム 0.6mg
200 mg
【実施例2】
カプセル剤
常法により、次の組成からなるカプセル剤を調製する。
化合物2の200g、アビセル995gおよびステアリン酸マグネシウム5gを常法により混合する。この混合物をカプセル充填機(Zanasi社製、LZ−64型)により、ハードカプセル4号(1カプセルあたり120mg容量)に充填し、カプセル剤(1カプセルあたり活性成分20mgを含有する)を得る。
処方 化合物2 20 mg
アビセル 99.5mg
ステアリン酸マグネシウム 0.5mg
120 mg
【実施例3】
注射剤
常法により、次の組成からなる注射剤を調製する。
化合物3の1gを精製ダイズ油100gに溶解させ、精製卵黄レシチン12gおよび注射用グリセリン25gを加える。この混合物を常法により注射用蒸留水で1000mLとして練合・乳化する。得られた分散液を0.2μmのディスポーザブル型メンブランフィルターを用いて無菌濾過後、ガラスバイアルに2mLずつ無菌的に充填して、注射剤(1バイアルあたり活性成分2mgを含有する)を得る。
処方 化合物3 2 mg
精製ダイズ油 200 mg
精製卵黄レシチン 24 mg
注射用グリセリン 150 mg
注射用蒸留水 1.72mL
2.00mL
【実施例4】
肛門坐剤
常法により、次の組成からなる直腸投与用の製剤を調製する。
ウィテプゾールTMH15(ダイナマイトノーベル社製)678.8gおよびウィテプゾールTME75(ダイナマイトノーベル社製)290.9gを40〜50□で溶融させる。これに化合物4の2.5g、第一リン酸カリウム13.6gおよび第二リン酸ナトリウム14.2gをそれぞれ均一に混合分散させる。ついで該混合分散したものをプラスチック製の坐剤の型に充填した後、徐々に冷却して肛門坐剤(1製剤あたり活性成分2.5mgを含有する)を得る。
処方 化合物4 2.5mg
ウィテプゾールTMH15 678.8mg
ウィテプゾールTME75 290.9mg
第一リン酸カリウム 13.6mg
第二リン酸ナトリウム 14.2mg
1,000 mg
【産業上の利用可能性】
本発明により、例えばキサンチン誘導体またはその薬理的に許容される塩を有効成分として含有する高次脳機能障害の予防および/または治療剤等が提供される。
【図1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)

[式中、R、RおよびRは同一または異なって水素原子、低級アルキル、低級アルケニルまたは低級アルキニルを表し、
はシクロアルキル、−(CH−R(式中、Rは置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の複素環基を表し、nは0〜4の整数を表す)または式(II)

(式中、YおよびYは同一または異なって水素原子、ハロゲンまたは低級アルキルを表し、Zは置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の複素環基を表す)を表し、
およびXは同一または異なって酸素原子または硫黄原子を表す]で表されるキサンチン誘導体またはその薬理的に許容される塩を有効成分として含有する高次脳機能障害の予防および/または治療剤。
【請求項2】
およびXが酸素原子である請求の範囲1記載の高次脳機能障害の予防および/または治療剤。
【請求項3】
が式(II)

(式中、Y、YおよびZはそれぞれ前記と同義である)である請求の範囲1または2記載の高次脳機能障害の予防および/または治療剤。
【請求項4】
およびYが水素原子である請求の範囲3記載の高次脳機能障害の予防および/または治療剤。
【請求項5】
Zが置換もしくは非置換のアリールまたは式(III)

(式中、Rは水素原子、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン、ニトロまたはアミノを表し、mは1〜3の整数を表す)である請求の範囲3または4記載の高次脳機能障害の予防および/または治療剤。
【請求項6】
高次脳機能障害が、脳損傷による高次脳機能障害である請求の範囲1〜5のいずれかに記載の高次脳機能障害の予防および/または治療剤。
【請求項7】
脳損傷が、加齢による脳損傷である請求の範囲6記載の高次脳機能障害の予防および/または治療剤。
【請求項8】
脳損傷が、頭部外傷および脳血管障害からなる群より選ばれる疾患による脳損傷である請求の範囲6記載の高次脳機能障害の予防および/または治療剤。
【請求項9】
高次脳機能障害が、記憶、思考、認識、行為および学習からなる群より選ばれる脳の高次な働きへの障害である請求の範囲1〜8のいずれかに記載の高次脳機能障害の予防および/または治療剤。
【請求項10】
高次脳機能障害が、失認症、健忘症および失行症からなる群より選ばれる脳機能障害である請求の範囲1〜8のいずれかに記載の高次脳機能障害の予防および/または治療剤。
【請求項11】
高次脳機能障害が、記憶障害である請求の範囲1〜8のいずれかに記載の高次脳機能障害の予防および/または治療剤。
【請求項12】
高次脳機能障害が、学習障害である請求の範囲1〜8のいずれかに記載の高次脳機能障害の予防および/または治療剤。
【請求項13】
式(I)

(式中、R、R、R、R、XおよびXはそれぞれ前記と同義である)で表されるキサンチン誘導体またはその薬理的に許容される塩の有効量を投与することを特徴とする高次脳機能障害の予防および/または治療方法。
【請求項14】
高次脳機能障害の予防および/または治療剤の製造のための、式(I)

(式中、R、R、R、R、XおよびXはそれぞれ前記と同義である)で表されるキサンチン誘導体またはその薬理的に許容される塩の使用。

【国際公開番号】WO2005/056016
【国際公開日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【発行日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−516245(P2005−516245)
【国際出願番号】PCT/JP2004/018765
【国際出願日】平成16年12月9日(2004.12.9)
【出願人】(000001029)協和醗酵工業株式会社 (276)
【Fターム(参考)】