高温気流発生装置
【課題】 コンパクトな構造に設計可能な高温気流発生装置を提供する。
【解決手段】 高温気流発生装置(1)は、燃焼装置(3)及び蓄熱装置(5)を備えた第1及び第2燃焼室(21)と、燃焼装置を交互に燃焼作動させる燃焼装置切換手段(33、34)と、各蓄熱装置を排気状態又は高温気流導入状態に切換える蓄熱装置切換手段(60)とを有する。燃焼室は、対向する第1及び第2端面(21a、21b)と、端面間に延びる頂面(21c)とを有し、燃焼装置の噴射口(36)は、第1端面に開口し、蓄熱装置の給排口(57)は、第2端面に開口し、燃焼室の高温気流導出口(24)が頂面に開口する。
【解決手段】 高温気流発生装置(1)は、燃焼装置(3)及び蓄熱装置(5)を備えた第1及び第2燃焼室(21)と、燃焼装置を交互に燃焼作動させる燃焼装置切換手段(33、34)と、各蓄熱装置を排気状態又は高温気流導入状態に切換える蓄熱装置切換手段(60)とを有する。燃焼室は、対向する第1及び第2端面(21a、21b)と、端面間に延びる頂面(21c)とを有し、燃焼装置の噴射口(36)は、第1端面に開口し、蓄熱装置の給排口(57)は、第2端面に開口し、燃焼室の高温気流導出口(24)が頂面に開口する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高温気流発生装置に関するものであり、より詳細には、蓄熱体の蓄熱・放熱作用を利用して比較的低温の気流を高温に加熱する高温気流発生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
700℃を超える高温の気流を発生させる高温気流発生装置が、本出願人の特願平10−189号(特開平10−246428号公報)等によって知られている。この高温気流発生装置は、直列に配置した燃焼域及び蓄熱体を備える。燃焼域で発生した高温の燃焼ガスが、蓄熱体を介して排気され、蓄熱体は、燃焼ガスと伝熱接触して燃焼ガスの顕熱を受熱し、蓄熱する。比較的低温の空気、不活性ガス、水蒸気等の気流が蓄熱後の高温蓄熱体を収容した蓄熱体収容領域に導入される。気流は、蓄熱体と伝熱接触して受熱し、高温に加熱され、蓄熱体は冷却する。加熱後の気流は、燃焼域を介して高温気流発生装置の送出路に流出し、送出路を介して他の機器又は装置等に供給される。
【0003】
この形式の高温気流発生装置では、蓄熱体及び燃焼域を直列に配置した加熱ユニットが対をなして配置され、一方の加熱ユニットが蓄熱工程(蓄熱体を介して燃焼域の燃焼ガスを排気する工程)を実行する間、他方の加熱ユニットが放熱工程(蓄熱体及び燃焼域を介して低温気流を高温気流送出路に送出する工程)を実行する。各加熱ユニットの工程は、交互に切換えられ、加熱後の気流は、少なくとも一方の加熱ユニットから高温気流送出路に送出される。
【0004】
このような高温気流発生装置は、本出願人の特願2001−176379号(特開2002−364834号公報)又は特願2001−176380号(特開2002−364822号公報)にも又、開示されている。
【特許文献1】特開平10−246428号公報
【特許文献2】特開2002−364834号公報
【特許文献3】特開2002−364822号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の高温気流発生装置は、蓄熱体及び燃焼域を直列に配置した構成を有し、給気流は、蓄熱体の入口部分から燃焼域の出口部分に至る直線的流路形態の流路内を流動する。このような高温気流発生装置の設計においては、高温気流発生装置の全長は、直線的流路形態の流路を確保し得る十分な寸法に設計しなければならず、装置全体のサイズが大型化していた。
【0006】
従来の高温気流発生装置は又、限られた容積の燃焼域に比較的多量の燃料を投入して燃焼反応を生じさせる構成を備えており、燃焼域の容積を制限すると、高負荷燃焼が燃焼域に生じ、火炎温度が上昇する傾向がある。このような高温の火炎は、比較的高い窒素酸化物(NOx)濃度の燃焼排ガスを生成し易い。このような事情より、従来の高温気流発生装置は、比較的大きな容積の燃焼域を備えており、装置サイズが全体的に大型化していた。
【0007】
また、従来の高温気流発生装置は、蓄熱体及び燃焼域を直列に配置してなる加熱ユニットを並列に配置した構造を有し、各加熱ユニットの燃焼域は、耐熱性を有する隔壁によって分離される。一方の燃焼域の燃焼装置が燃焼作動する間、他方の燃焼域は、加熱後の高温給気流の流動領域として使用される。各ユニットの燃焼域に交互に燃焼反応が進行するので、隔壁には、かなりの熱応力が発生し、熱応力による亀裂等が発生し易い。本出願人の実験によれば、このような隔壁の亀裂によって燃焼室間に高温気流及び燃焼ガスのリーク及び混合が発生し得る。例えば、或る条件では、不燃性の気流が燃焼中の燃焼室にリークし、燃焼反応を阻害するといった不都合が生じた。
【0008】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、比較的コンパクトな構造に設計することができる高温気流発生装置を提供することにある。
【0009】
本発明は又、高負荷燃焼に起因した排ガス中の窒素酸化物濃度の増加を防止し、装置サイズを小型化することができる高温気流発生装置を提供することを目的とする。
【0010】
本発明は更に、隔壁の熱応力を抑制し、隔壁の亀裂を防止することができる高温気流発生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記目的を達成すべく、第1燃焼装置及び第1蓄熱装置を備えた第1燃焼室と、第2燃焼装置及び第2蓄熱装置を備えた第2燃焼室と、第1及び第2燃焼装置を交互に燃焼作動させる燃焼装置切換手段と、各蓄熱装置を排気状態又は高温気流導入状態に切換える蓄熱装置切換手段とを有する高温気流発生装置において、
前記燃焼室は、対向する第1及び第2端面と、端面間に延びる頂面とを有し、前記燃焼装置は、第1端面に開口して前記燃焼室に燃料及び燃焼用空気、又は燃焼ガスを吹込み、前記蓄熱装置は、前記第2端面に開口して前記燃焼室の燃焼ガスを排気するとともに、加熱すべき気体を加熱して、高温気流として前記第2端面から燃焼室に吹込み、
該高温気流を前記燃焼室から導出する高温気流導出口が、前記頂面に開口することを特徴とする高温気流発生装置を提供する。
【0012】
本発明の上記構成によれば、第1端面の燃焼装置から燃焼室に噴流した燃料及び燃焼用空気、又は燃焼ガスは、第2端面の蓄熱装置を介して排気され、燃焼ガスの熱は、蓄熱装置に蓄熱される。蓄熱装置によって加熱された高温気流は、第2端面から燃焼室に噴流する。高温気流導出口が、燃焼室の頂面に開口するので、高温気流は、燃焼装置の噴流方向と交差する方向に燃焼室から導出される。従って、第1端面及び第2端面の間の距離は、燃焼装置及び蓄熱装置によって燃焼室の燃焼反応を適切に進行させることができる距離に設定すれば良い。これは、高温気流を転向させずに装置外に導出していた従来の高温気流発生装置と相違し、燃焼室容積の限定(従って、高温気流発生装置の装置サイズの小型化)を可能にする。
【0013】
本発明は又、上記構成の高温気流発生装置において、加熱すべき気体は、水蒸気であり、一方の燃焼室に導入された高温気流の一部を他方の燃焼室に供給するバイパス流路を備えたことを特徴とする高温気流発生装置を提供する。
【0014】
本発明の上記構成によれば、バイパス流路を介して高温水蒸気が燃焼中の燃焼室に供給される。燃焼室の火炎温度は、水蒸気の添加によって低下するので、燃焼排ガス中の窒素酸化物濃度は低下する。従って、窒素酸化物濃度の増加を防止しつつ、燃焼室の容積を低減し、装置サイズを小型化することができる。
【0015】
本発明は更に、上記構成の高温気流発生装置において、燃焼室の燃焼排ガスの一部が、前記燃焼装置の燃焼用空気に添加されることを特徴とする高温気流発生装置を提供する。
【0016】
本発明の上記構成によれば、燃焼装置の燃焼用空気が燃焼排ガスで希釈される。燃焼室の火炎温度は低下し、燃焼排ガス中の窒素酸化物濃度は低下する。従って、窒素酸化物濃度の増加を防止しつつ、燃焼室の容積を低減し、装置サイズを小型化することができる。
【0017】
本発明は又、上記構成の高温気流発生装置において、前記第1及び第2燃焼室の隔壁を構成する一次加熱装置が、前記第1及び第2燃焼室の間に配置され、前記一次加熱装置は、加熱すべき気体又は該気体として気化すべき液体が流通可能な伝熱管を有し、前記一次加熱装置は、前記燃焼室の燃焼熱が前記伝熱管内の前記気体又は前記液体に熱伝導し、該気体又は液体が加熱される構造を有することを特徴とする高温気流発生装置を提供する。
【0018】
本発明の上記構成によれば、燃焼室の間の隔壁に熱伝達した燃焼室の熱は、一次加熱装置を流通する流体に吸熱される。従って、隔壁の熱応力を抑制し、隔壁の亀裂を防止することができる。
【発明の効果】
【0019】
高温気流を転向させて燃焼室の頂面から装置外に導出する本発明の上記構成によれば、高温気流発生装置を比較的コンパクトな構造に設計することができる。
【0020】
高温水蒸気を燃焼状態の燃焼室に供給し、或いは、燃焼排ガスの一部を燃焼装置の燃焼用空気に添加する本発明の上記構成によれば、高負荷燃焼に起因した排ガス中の窒素酸化物濃度の増加を防止しつつ、高温気流発生装置の装置サイズを小型化することができる。
【0021】
第1及び第2燃焼室の間に一次加熱装置を配置した本発明の上記構成によれば、高温気流発生装置の隔壁の熱応力を抑制し、隔壁の亀裂を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
好ましくは、高温気流室が、該頂壁の上側に配設され、上記第1及び第2燃焼室の高温気流導出口から上方に延びる第1及び第2流路が燃焼室の頂壁を貫通し、高温気流室に開口する。第1及び第2燃焼室の高温気流が高温気流室に流入する。高温気流室には、高温気流を系外の装置又は設備に給送する高温気流送出管が接続される。
【0023】
更に好ましくは、第1及び第2流路は、各流路の上部が互いに接近するように対称に傾斜し、高温気流送出管は、第1及び第2流路の中間において高温気流室の頂壁に開口し、各流路の上端開口が傾斜方向に吐出した高温気流を受入れる。
【0024】
好適には、ハニカム構造の蓄熱体が第1及び第2流路に配置される。高温気流は、蓄熱体の狭小流路を介して高温気流室に吐出する。ハニカム構造の蓄熱体は、第1及び第2流路に流路抵抗を与え、高温気流室の高温気流が燃焼中の燃焼室に逆流するのを防止するとともに、高温気流の温度を安定させるように作用する。
【0025】
本発明の好適な実施形態において、上記蓄熱装置は、ハニカム構造のセラミックス製蓄熱体と、給排切換弁装置とを備えた蓄熱ユニットからなる。蓄熱体は、高い温度効率のリジェネレータ型熱交換器を構成する。給排切換弁装置は、第2端面に開口する給排口と、排気ファンとを連通させて、燃焼室の燃焼ガスを排気する排気位置と、加熱すべき気体の流路と給排口とを連通させて、燃焼室に高温気流を導入する高温気流導入位置とに切換制御される。
【0026】
本発明の更に好適な実施形態によれば、燃料及び燃焼用空気、又は燃焼ガスを燃焼室に吹込む燃焼装置の噴流口の中心軸線と、蓄熱装置の給排口の中心軸線とは、互いに偏心した位置に位置決めされる。燃焼装置の噴流は、給排口にショートパスすることなく、燃焼室内に滞留し、或いは、炉内ガス循環流を形成し、燃焼室の燃焼反応を効果的に進行させる。これは、第1及び第2端面の距離の短縮を可能にし、従って、燃焼室容積の適切な縮小を可能にする。
【0027】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施例について詳細に説明する。
【0028】
図1は、本発明に係る高温気流発生装置の実施例を示す側面図である。
【0029】
高温気流発生装置1は、加熱炉2、バーナユニット3、一次加熱装置4、蓄熱ユニット5及び排気ファン7を備える。炭化水素系燃料及び燃焼用空気をバーナユニット3に供給する燃料供給管31及び空気供給管32がバーナユニット3に接続される。水蒸気供給管41が、一次加熱装置4の流入部42に接続され、上下一対の水蒸気中継管44が、一次加熱装置4の上下の流出部43に夫々接続される。
【0030】
上下の中継管44は、合流管45に接続され、合流管45は、蓄熱ユニット5の水蒸気供給ポート51に接続される。排気管71が、蓄熱ユニット5の排気ポート52に接続される。排気管71は、排気ファン(又は排気ブロワ)7の吸引口に接続される。排気管72が、排気ファン7の吐出口に接続される。分岐管73が、排気管72から分岐し、空気供給管32に接続される。
【0031】
加熱炉2は、高温水蒸気送出部8を備える。高温水蒸気送出管81が、送出部8に接続され、送出管81は、700℃以上の高温の水蒸気を系外の設備又は装置(図示せず)に供給する。
【0032】
制御弁33、34、74が供給管31、32及び分岐管73に夫々介装される。制御弁33、34、74の各駆動部が、制御信号線(破線で示す)を介して制御ユニット9に接続される。蓄熱ユニット5の弁駆動装置62が、制御信号線を介して制御ユニット9に接続される。制御ユニット9は、制御弁33、34、74及び弁駆動装置62を駆動し、高温気流発生装置1の作動を制御する。
【0033】
図2は、図1のII−II線における高温気流発生装置1の断面図である。図3、図4、図5及び図6は、図2に示すIII−III線、IV−IV線、V−V線及びVI−VI線における高温気流発生装置1の断面図である。また、図7及び図8は、蓄熱ユニット5の構造を示す縦断面図である。
【0034】
図2及び図3に示すように、加熱炉2は、左右一対の燃焼室21を備える。各燃焼室21は、炉内壁面を形成する耐火壁22によって区画される。耐火壁22の外面は、比較的硬質の断熱材23によって被覆される。一次加熱装置4は、加熱炉2の中心軸線CL(図2)上に配置される。図3に示す如く、加熱炉2は、垂直中心面CPに対して左右対称の構造及び形態を有し、一次加熱装置4は、垂直中心面CPにおいて加熱炉2を分割する。
【0035】
各燃焼室21は、直方体輪郭を有し、バーナユニット3及び蓄熱ユニット5は、各燃焼室21の端面21a、21b(図2)に夫々配置される。
【0036】
バーナユニット3の噴射口36が、端面21aに開口し、バーナユニット3のバーナスロート部35が、耐火壁22及び断熱材23を貫通する。バーナスロート部35は、中心軸線CLと平行に配向され、噴射口36は、燃料及び燃焼用空気の混合気を中心軸線CLと平行に燃焼室21に吐出する。
【0037】
バーナユニット3の基端部は炉外に突出し、燃料及び燃焼用空気を混合する混合部37が、バーナユニット3の炉外突出部分に配置される。燃料供給管31及び燃焼用空気供給管32は、混合部37に接続され、炭化水素系燃料及び燃焼用空気が制御弁33、34の制御下に混合部37に供給される。燃料及び空気の混合気は、噴射口36から燃焼室21に噴射し、燃焼室21内に火炎Fを生成する。なお、バーナユニット3は、パイロットバーナ等の付帯設備(図示せず)を備えるが、バーナユニット3の付帯設備は、従来構造のものであるので、説明を省略する。
【0038】
蓄熱ユニット5の給排口57が、端面21bに開口する。蓄熱ユニット5の蓄熱装置53が、耐火壁22及び断熱材23を貫通する。蓄熱ユニット5は、中心軸線CLと平行に配向され、給排口57は、加熱後の水蒸気を中心軸線CLと平行に燃焼室21に吐出する。蓄熱ユニット5の給排切換弁装置60が炉外に突出する。給排切換弁装置60のポート51、52には、前述の如く、合流管45及び排気管71が接続される。
【0039】
対をなすバーナユニット3は、交互に燃焼作動し、燃焼作動側の燃焼室21(図2〜図5に示す第1燃焼室21−1)の燃焼ガスは、蓄熱ユニット5の給排口57から排気される。他方、燃焼停止側の燃焼室21(図2〜図5に示す第2燃焼室21−2)に配置された蓄熱ユニット5は、蓄熱装置53によって加熱した高温の水蒸気を給排口57から燃焼室21に噴射する。
【0040】
図7及び図8には、各蓄熱ユニット5の構造が示されている。蓄熱装置53及び給排切換弁装置60から構成される。蓄熱装置53は、蓄熱体ケース55内に蓄熱体56を収容した構造を有する。蓄熱体56は、円柱形の外形を有するハニカム構造のセラミックス製蓄熱体からなり、多数の狭小流路を有する。蓄熱体56の各流路は、蓄熱ユニット5の軸線方向に蓄熱体56を貫通する。蓄熱体56は、リジェネレータ型熱交換器を構成し、0.9以上の温度効率を発揮する。この形式の熱交換器の構造は、例えば、本願出願人による特願平5-6911号(特開平6-213585号公報)等に詳細に開示されているので、更なる詳細な説明は、省略する。
【0041】
蓄熱体ケース55は、耐火壁22及び断熱材23を貫通する金属製又はセラミック製の円筒形部材からなり、耐火壁22に一体的に支持される。蓄熱体ケース55の先端部は、蓄熱体56の先端面から炉内領域に若干突出し、僅かに縮径して燃焼室21に開口する。蓄熱体ケース55の先端円形開口は、給排口57を構成する。給排口57は、燃焼室21の炉内ガスを吸引する炉内ガス吸引口として機能するとともに、加熱後の水蒸気を燃焼室21に噴射する高温水蒸気噴射口として機能する。
【0042】
給排切換弁装置60は、蓄熱装置53と同軸上に整列し、断熱材23から炉外に突出する。弁装置60は、弁機構61及び弁駆動装置62を備える。弁駆動装置62は、制御ユニット9の制御下に弁機構61を駆動し、弁機構61を排気位置又は水蒸気導入位置に切換える。弁機構61は、水蒸気供給ポート51及び排気ポート52を選択的に開閉する二位置制御弁として機能する。
【0043】
図7には、弁機構61の排気位置が示されており、排気ファン7の吸引圧力が、排気管71、弁装置60及び蓄熱装置53を介して給排口57に作用する。弁機構61の排気位置では、燃焼室21の燃焼排ガスは、排気ファン7の吸引圧力によって給排口57から蓄熱体56の流路に流入し、弁機構61を介して炉外に排気される。図8には、弁機構61の水蒸気導入位置が示されており、合流管45の水蒸気圧が、弁装置60及び蓄熱装置53を介して給排口57に作用する。弁機構61の供給位置では、蓄熱体56によって加熱された高温の水蒸気が給排口57から燃焼室21に噴流する。
【0044】
図7(B)には、給排切換弁装置60の構造が示されている。
【0045】
弁機構61は、弁体65、給排管66、エルボ管67及び弁座部68から構成される。エルボ管67は、排気ポート52と連通する。エルボ管67の開口部69が、給排管66の管内領域69に開口する。弁座部68の弁開口が、開口部69と対向する。
【0046】
弁駆動装置62は、ピストンロッド64を備えた駆動部(アクチュエータ)と、水蒸気供給ポート51を備えた弁ハウジング63とを備える。ピストンロッド64は、弁座部68の開口部を貫通する。ピストンロッド64の先端部には、弁体65が固定される。
【0047】
図7に示す弁機構61の排気位置では、弁駆動装置62は、ピストンロッド64を弁ハウジング63内に引き込み、弁体65は、弁座部68に着座する。弁座部68の弁開口は閉塞し、エルボ管67の開口部69は、開放する。開口部69の開放により、排気口52及び管内領域69は連通する。弁座部68の弁開口閉塞により、水蒸気供給ポート51は閉鎖する。
【0048】
他方、図8に示す弁機構61の水蒸気導入位置では、弁駆動装置62は、ピストンロッド64を伸長する。弁体65は、エルボ管67の開口部69を閉塞し、弁座部68の弁開口を開放する。開口部69の閉塞により、排気口52は閉鎖する。弁座部68の弁開口開放により、水蒸気供給ポート51及び及び管内領域69は連通する。
【0049】
図3〜図5に示す如く、水蒸気流路24が、各燃焼室21の頂面21cに開口する。流路24は、耐火壁22を垂直に貫通し、蓄熱体25の下端部に連通する。蓄熱体25は、その上端部を垂直中心面CPに接近せしめるように上方且つ内方に傾斜している。蓄熱体25は、前述の蓄熱体56と同様、円柱形の外形を有するハニカム構造のセラミックス製蓄熱体からなり、多数の狭小流路を有する。蓄熱体25は、金属製の蓄熱体ケース26内に収容される。蓄熱体ケース26の先端部は、高温水蒸気送出部8の水蒸気室80内に延び、僅かに縮径して水蒸気室80に開口する。従って、蓄熱体25の上端面に露出する各狭小流路の開口端は、水蒸気室80に開放される。
【0050】
高温水蒸気送出部8は、断熱材23によって形成され、水蒸気室80は、直方体輪郭に区画される。高温水蒸気送出口82が、水蒸気室80の頂壁に形成される。送出口82は、高温水蒸気送出管81に接続される。
【0051】
図3及び図6に示す如く、一次加熱装置4は、垂直中心面CPにおいて左右の燃焼室21を分離するように配置される。一次加熱装置4は、加熱炉2の高さ中心に配置された流入部42(図6)と、流入部42から分岐した上下対称の伝熱管47と、伝熱管47を埋設した金属製の垂直壁48と、伝熱管47の末端部からなる上下の流出部43とから構成される。前述の如く、流入部42には、水蒸気供給管41が接続され、流出部43には、水蒸気中継管44が接続される。伝熱管47は、Uチューブ形態に垂直壁48内に配管される。伝熱管47のU字管部分及び流出部43は、垂直壁48の端面から突出する。
【0052】
流入部42に流入した飽和水蒸気は、伝熱管47を流通し、流出部43から中継管44に流出する。図3において、燃焼作動中の燃焼室21(第1燃焼室21−1)の燃焼熱は、耐火壁22及び垂直壁48を介して伝熱管47に熱伝達する。伝熱管47内の飽和水蒸気は、伝熱管47に熱伝導した熱を受熱し、加熱され、例えば、温度150〜200℃の過熱水蒸気として中継管44に流出し、合流管45によって蓄熱ユニット5の水蒸気供給ポート51に供給される。
【0053】
図3に示すように、加熱炉2は更に、左右の燃焼室2を相互連通するバイパス流路85を備える。バイパス流路85の流路端は、燃焼室2の底面21dに開口する。バイパス流路85は、耐火壁22を貫通し、或いは、耐火壁22及び断熱材23を貫通する。燃焼停止中の燃焼室21(第2燃焼室21−2)に流入した高温水蒸気の一部が、バイパス流路85を介して燃焼作動中の燃焼室21(第1燃焼室21−1)に流入する。
【0054】
図3〜図5に示す如く、バーナユニット3の中心軸線C1と、蓄熱ユニット5の中心軸線C2とは、横方向(水平方向)及び上下方向(鉛直方向)に互いに偏心した位置に配置される。従って、バーナユニット3が噴射した燃料及び燃焼用空気は、蓄熱ユニット5の給排口57にショートパスすることなく、燃焼室2(第1燃焼室21−1)内に滞留し又は炉内循環し、火炎Fを形成する。
【0055】
次に、高温気流発生装置1の作動について説明する。
【0056】
左右の燃焼室21に配置されたバーナユニット3は、同時に燃焼作動することなく、交互に燃焼作動する。バーナユニット3を燃焼作動した燃焼室21においては、蓄熱ユニット5の弁機構61は、排気位置に保持され、蓄熱ユニット5は、排気手段として使用される。他方、バーナユニット3を休止した側の燃焼室21においては、弁機構61は、水蒸気導入位置に保持され、蓄熱ユニット5は、水蒸気を加熱する水蒸気加熱手段として使用される。
【0057】
図2〜図5に示す高温気流発生装置1の作動状態では、第1燃焼室21−1に配置されたバーナユニット3は、炭化水素系燃料及び燃焼用空気の混合気を第1燃焼室21−1に噴射し、第1燃焼室21−1に火炎Fを生成する。第1燃焼室21−1の燃焼ガスは、第1燃焼室21−1の蓄熱装置53を介して排気される。燃焼ガスは、蓄熱体56と伝熱接触して冷却する。蓄熱体53は、燃焼ガスが保有する顕熱を受熱して高温に加熱され、燃焼ガスの顕熱を蓄熱する。冷却後の燃焼ガスは、排気管71、排気ファン7及び排気管72によって燃焼排ガスとして排気される。燃焼排ガスの一部が、分岐管73及び制御弁74によって空気供給管32の燃焼用空気に添加される。燃焼用空気は、燃焼排ガスによって希釈される。火炎Fの火炎温度が低下するとともに、第1燃焼室21−1に生成する燃焼ガスの窒素酸化物(NOx)濃度が低下する。
【0058】
他方、第2燃焼室21−2に配置されたバーナユニット3は、燃焼作動を休止しており、第2燃焼室21−2の蓄熱体56は、直前に実行した第2燃焼室21−2のバーナユニット燃焼運転によって既に蓄熱している。一次加熱装置4によって一次加熱された水蒸気が、蓄熱装置53を介して第2燃焼室21−2に供給される。水蒸気は、蓄熱体56と伝熱接触して700℃以上の高温に加熱される。加熱後の高温水蒸気は、給排口57から第2燃焼室21−2に噴流する。
【0059】
高温水蒸気の噴流は、第2燃焼室21−2の端面21aに衝突した後、水蒸気流路24、蓄熱体25、水蒸気室80及び高温水蒸気送出口82を介して高温水蒸気送出管81に送出され、系外の設備機器等に供給される。
【0060】
第2燃焼室21−2に供給された高温水蒸気の一部が、バイパス管85を介して第1燃焼室21−1に流入する。700℃以上の高温水蒸気は、第1燃焼室21−1の燃焼反応を阻害せずに火炎Fの火炎温度を低下させるとともに、第1燃焼室21−1に生成した燃焼ガスの窒素酸化物(NOx)濃度を低下させるように作用する。
【0061】
制御ユニット9は、第1燃焼室21−1のバーナユニット3を燃焼作動し、第2燃焼室21−2の蓄熱ユニット5によって高温水蒸気を供給する高温気流発生装置1の運転を所定時間継続した後、制御弁33、34、74及び弁駆動装置62を実質的に同時に駆動し、高温気流発生装置1の運転を切換える。この結果、高温気流発生装置1は、第2燃焼室21−2のバーナユニット3を燃焼作動し、第1燃焼室21−1の蓄熱ユニット5によって水蒸気を加熱する作動状態に移行する。
【0062】
このような高温気流発生装置1の作動状態が、図9〜図12に示されている。
【0063】
図9〜図12に示す如く、第2燃焼室21−2に配置されたバーナユニット3は、燃料及び燃焼用空気の混合気を第2燃焼室21−2に噴射し、第2燃焼室21−2に火炎Fを生成する。第2燃焼室21−2の燃焼ガスは、第1燃焼室21−1の蓄熱装置53を介して排気される。燃焼ガスは、蓄熱体56と伝熱接触して冷却し、蓄熱体53は、燃焼ガスの顕熱を蓄熱する。冷却後の燃焼ガスは、排気管71、排気ファン7及び排気管72によって燃焼排ガスとして排気される。燃焼排ガスの一部が、分岐管73及び制御弁74を介して空気供給管32の燃焼用空気に添加される。燃焼用空気は、燃焼排ガスによって希釈される。火炎Fの火炎温度は低下し、第2燃焼室21−2に生成する燃焼ガスの窒素酸化物(NOx)濃度は低下する。
【0064】
第1燃焼室21−1に配置されたバーナユニット3は、燃焼作動を休止しており、第1燃焼室21−1の蓄熱体56は、直前に実行した第1燃焼室21−1の燃焼運転によって既に蓄熱している。一次加熱装置4によって一次加熱された水蒸気が、蓄熱装置53を介して第1燃焼室21−1に供給される。水蒸気は、蓄熱体56と伝熱接触して700℃以上の高温に加熱され、加熱後の高温水蒸気は、給排口57から第1燃焼室21−1に噴流する。
【0065】
高温水蒸気の噴流は、第1燃焼室21−1の端面21aに衝突した後、水蒸気流路24、蓄熱体25、水蒸気室80及び高温水蒸気送出口82を介して高温水蒸気送出管81に送出される。
【0066】
第1燃焼室21−1に供給された高温水蒸気の一部が、バイパス管85を介して第2燃焼室21−2に流入する。700℃以上の高温水蒸気は、第2燃焼室21−2の燃焼反応を阻害せずに火炎Fの火炎温度を低下させるとともに、第2燃焼室21−2に生成した燃焼ガスの窒素酸化物(NOx)濃度を低下させるように作用する。
【0067】
高温気流発生装置1は、図9〜図12に示す作動状態を所定時間継続した後、制御弁33、34、46及び弁駆動装置62を駆動して高温気流発生装置1の運転を切換える。高温気流発生装置1は、このような二形態の作動を制御ユニット9の制御下に交互に実行し、700℃以上の高温水蒸気を継続的に高温水蒸気送出管81に送出し、系外の設備機器等に連続供給する。
【0068】
図7及び図8に示す各温度、即ち、燃焼室21の燃焼ガスの温度Ti、加熱後の高温水蒸気の温度To、燃焼排ガス温度T1(排気管71)および一次加熱後の過熱水蒸気の温度T2(合流管45)は、例えば、以下のとおり設定される。
【0069】
燃焼ガスの温度Ti:Ti=1200〜1400℃
高温水蒸気温度To:To=1100〜1300℃
燃焼排ガス温度T1:T1=200〜250℃
過熱水蒸気温度T2:T2=150〜200℃
【0070】
以上、本発明の好適な実施例について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内で種々の変形又は変更が可能であり、このような変形例又は変更例も又、本発明の範囲内に含まれるものであることは、いうまでもない。
【0071】
例えば、上記実施例では、高温気流発生装置は、飽和水蒸気を一次加熱装置によって一次加熱するように構成されているが、水又は純水を一次加熱装置に供給し、水又は純水を一次加熱装置によって気化するように高温気流発生装置を構成しても良い。
【0072】
また、高温気流発生装置は、700℃以上の高温水蒸気を発生させる高温水蒸気流発生装置として例示したが、不活性ガス又は空気等の他の気体を高温に加熱する装置として高温気流発生装置を構成し、或いは、水蒸気及び炭化水素(又は炭素)の混合気を加熱し、水素等の成分を含む合成ガスや、水性ガス等を生成する装置として、本発明の高温気流発生装置を構成しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は、蓄熱体を介してなされる燃焼ガス及び気体の実質的に直接的な熱交換を利用して、比較的低温の水蒸気、空気、不活性ガス等の気体を高温に加熱する高温気流発生装置に適用される。本発明は、比較的コンパクトな高温気流発生装置を提供する。本発明は又、高温気流発生装置の燃焼室から排気される燃焼排ガスの窒素酸化物濃度を増加させることなく、高温気流発生装置の小型化を可能にするとともに、燃焼室間の隔壁の亀裂発生等を防止することを可能にする。従って、本発明は、高温気流発生装置の用途又は適用範囲を拡大する上で有利である。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明に係る高温気流発生装置の実施例を示す側面図である。
【図2】図1のII−II線における高温気流発生装置の断面図であり、第1燃焼室のバーナユニットを燃焼作動させた状態が示されている。
【図3】図2のIII−III線における高温気流発生装置の断面図であり、第1燃焼室のバーナユニットを燃焼作動させた状態が示されている。
【図4】図2のIV−IV線における高温気流発生装置の断面図であり、第1燃焼室のバーナユニットを燃焼作動させた状態が示されている。
【図5】図2のV−V線における高温気流発生装置の断面図であり、第2燃焼室に高温水蒸気を供給する状態が示されている。
【図6】図2のVI−VI線における高温気流発生装置の断面図であり、第1燃焼室のバーナユニットを燃焼作動させた状態が示されている。
【図7】蓄熱ユニットの構造を示す縦断面図であり、排気工程の蓄熱ユニットの作動が示されている。
【図8】蓄熱ユニットの構造を示す縦断面図であり、水蒸気加熱工程の蓄熱ユニットの作動が示されている。
【図9】図1のII−II線における高温気流発生装置の断面図であり、第2燃焼室のバーナユニットを燃焼作動させた状態が示されている。
【図10】第2燃焼室のバーナユニットを燃焼作動させた状態を示す図3と同様の断面図である。
【図11】第1燃焼室に高温水蒸気を供給する状態を示す断面図である。
【図12】第2燃焼室のバーナユニットを燃焼作動させた状態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0075】
1:高温気流発生装置
2:加熱炉
3:バーナユニット
4:一次加熱装置
5:蓄熱ユニット
7:排気ファン
9:制御ユニット
21:燃焼室
21−1:第1燃焼室
21−2:第2燃焼室
22:耐火壁
23:断熱材
31:燃料供給管
32:空気供給管
35:バーナスロート部
36:噴射口
51:水蒸気供給ポート
52:排気ポート
53:蓄熱装置
56:蓄熱体
57:給排口
60:給排切換弁装置
62:弁駆動装置
F:火炎
【技術分野】
【0001】
本発明は、高温気流発生装置に関するものであり、より詳細には、蓄熱体の蓄熱・放熱作用を利用して比較的低温の気流を高温に加熱する高温気流発生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
700℃を超える高温の気流を発生させる高温気流発生装置が、本出願人の特願平10−189号(特開平10−246428号公報)等によって知られている。この高温気流発生装置は、直列に配置した燃焼域及び蓄熱体を備える。燃焼域で発生した高温の燃焼ガスが、蓄熱体を介して排気され、蓄熱体は、燃焼ガスと伝熱接触して燃焼ガスの顕熱を受熱し、蓄熱する。比較的低温の空気、不活性ガス、水蒸気等の気流が蓄熱後の高温蓄熱体を収容した蓄熱体収容領域に導入される。気流は、蓄熱体と伝熱接触して受熱し、高温に加熱され、蓄熱体は冷却する。加熱後の気流は、燃焼域を介して高温気流発生装置の送出路に流出し、送出路を介して他の機器又は装置等に供給される。
【0003】
この形式の高温気流発生装置では、蓄熱体及び燃焼域を直列に配置した加熱ユニットが対をなして配置され、一方の加熱ユニットが蓄熱工程(蓄熱体を介して燃焼域の燃焼ガスを排気する工程)を実行する間、他方の加熱ユニットが放熱工程(蓄熱体及び燃焼域を介して低温気流を高温気流送出路に送出する工程)を実行する。各加熱ユニットの工程は、交互に切換えられ、加熱後の気流は、少なくとも一方の加熱ユニットから高温気流送出路に送出される。
【0004】
このような高温気流発生装置は、本出願人の特願2001−176379号(特開2002−364834号公報)又は特願2001−176380号(特開2002−364822号公報)にも又、開示されている。
【特許文献1】特開平10−246428号公報
【特許文献2】特開2002−364834号公報
【特許文献3】特開2002−364822号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の高温気流発生装置は、蓄熱体及び燃焼域を直列に配置した構成を有し、給気流は、蓄熱体の入口部分から燃焼域の出口部分に至る直線的流路形態の流路内を流動する。このような高温気流発生装置の設計においては、高温気流発生装置の全長は、直線的流路形態の流路を確保し得る十分な寸法に設計しなければならず、装置全体のサイズが大型化していた。
【0006】
従来の高温気流発生装置は又、限られた容積の燃焼域に比較的多量の燃料を投入して燃焼反応を生じさせる構成を備えており、燃焼域の容積を制限すると、高負荷燃焼が燃焼域に生じ、火炎温度が上昇する傾向がある。このような高温の火炎は、比較的高い窒素酸化物(NOx)濃度の燃焼排ガスを生成し易い。このような事情より、従来の高温気流発生装置は、比較的大きな容積の燃焼域を備えており、装置サイズが全体的に大型化していた。
【0007】
また、従来の高温気流発生装置は、蓄熱体及び燃焼域を直列に配置してなる加熱ユニットを並列に配置した構造を有し、各加熱ユニットの燃焼域は、耐熱性を有する隔壁によって分離される。一方の燃焼域の燃焼装置が燃焼作動する間、他方の燃焼域は、加熱後の高温給気流の流動領域として使用される。各ユニットの燃焼域に交互に燃焼反応が進行するので、隔壁には、かなりの熱応力が発生し、熱応力による亀裂等が発生し易い。本出願人の実験によれば、このような隔壁の亀裂によって燃焼室間に高温気流及び燃焼ガスのリーク及び混合が発生し得る。例えば、或る条件では、不燃性の気流が燃焼中の燃焼室にリークし、燃焼反応を阻害するといった不都合が生じた。
【0008】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、比較的コンパクトな構造に設計することができる高温気流発生装置を提供することにある。
【0009】
本発明は又、高負荷燃焼に起因した排ガス中の窒素酸化物濃度の増加を防止し、装置サイズを小型化することができる高温気流発生装置を提供することを目的とする。
【0010】
本発明は更に、隔壁の熱応力を抑制し、隔壁の亀裂を防止することができる高温気流発生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記目的を達成すべく、第1燃焼装置及び第1蓄熱装置を備えた第1燃焼室と、第2燃焼装置及び第2蓄熱装置を備えた第2燃焼室と、第1及び第2燃焼装置を交互に燃焼作動させる燃焼装置切換手段と、各蓄熱装置を排気状態又は高温気流導入状態に切換える蓄熱装置切換手段とを有する高温気流発生装置において、
前記燃焼室は、対向する第1及び第2端面と、端面間に延びる頂面とを有し、前記燃焼装置は、第1端面に開口して前記燃焼室に燃料及び燃焼用空気、又は燃焼ガスを吹込み、前記蓄熱装置は、前記第2端面に開口して前記燃焼室の燃焼ガスを排気するとともに、加熱すべき気体を加熱して、高温気流として前記第2端面から燃焼室に吹込み、
該高温気流を前記燃焼室から導出する高温気流導出口が、前記頂面に開口することを特徴とする高温気流発生装置を提供する。
【0012】
本発明の上記構成によれば、第1端面の燃焼装置から燃焼室に噴流した燃料及び燃焼用空気、又は燃焼ガスは、第2端面の蓄熱装置を介して排気され、燃焼ガスの熱は、蓄熱装置に蓄熱される。蓄熱装置によって加熱された高温気流は、第2端面から燃焼室に噴流する。高温気流導出口が、燃焼室の頂面に開口するので、高温気流は、燃焼装置の噴流方向と交差する方向に燃焼室から導出される。従って、第1端面及び第2端面の間の距離は、燃焼装置及び蓄熱装置によって燃焼室の燃焼反応を適切に進行させることができる距離に設定すれば良い。これは、高温気流を転向させずに装置外に導出していた従来の高温気流発生装置と相違し、燃焼室容積の限定(従って、高温気流発生装置の装置サイズの小型化)を可能にする。
【0013】
本発明は又、上記構成の高温気流発生装置において、加熱すべき気体は、水蒸気であり、一方の燃焼室に導入された高温気流の一部を他方の燃焼室に供給するバイパス流路を備えたことを特徴とする高温気流発生装置を提供する。
【0014】
本発明の上記構成によれば、バイパス流路を介して高温水蒸気が燃焼中の燃焼室に供給される。燃焼室の火炎温度は、水蒸気の添加によって低下するので、燃焼排ガス中の窒素酸化物濃度は低下する。従って、窒素酸化物濃度の増加を防止しつつ、燃焼室の容積を低減し、装置サイズを小型化することができる。
【0015】
本発明は更に、上記構成の高温気流発生装置において、燃焼室の燃焼排ガスの一部が、前記燃焼装置の燃焼用空気に添加されることを特徴とする高温気流発生装置を提供する。
【0016】
本発明の上記構成によれば、燃焼装置の燃焼用空気が燃焼排ガスで希釈される。燃焼室の火炎温度は低下し、燃焼排ガス中の窒素酸化物濃度は低下する。従って、窒素酸化物濃度の増加を防止しつつ、燃焼室の容積を低減し、装置サイズを小型化することができる。
【0017】
本発明は又、上記構成の高温気流発生装置において、前記第1及び第2燃焼室の隔壁を構成する一次加熱装置が、前記第1及び第2燃焼室の間に配置され、前記一次加熱装置は、加熱すべき気体又は該気体として気化すべき液体が流通可能な伝熱管を有し、前記一次加熱装置は、前記燃焼室の燃焼熱が前記伝熱管内の前記気体又は前記液体に熱伝導し、該気体又は液体が加熱される構造を有することを特徴とする高温気流発生装置を提供する。
【0018】
本発明の上記構成によれば、燃焼室の間の隔壁に熱伝達した燃焼室の熱は、一次加熱装置を流通する流体に吸熱される。従って、隔壁の熱応力を抑制し、隔壁の亀裂を防止することができる。
【発明の効果】
【0019】
高温気流を転向させて燃焼室の頂面から装置外に導出する本発明の上記構成によれば、高温気流発生装置を比較的コンパクトな構造に設計することができる。
【0020】
高温水蒸気を燃焼状態の燃焼室に供給し、或いは、燃焼排ガスの一部を燃焼装置の燃焼用空気に添加する本発明の上記構成によれば、高負荷燃焼に起因した排ガス中の窒素酸化物濃度の増加を防止しつつ、高温気流発生装置の装置サイズを小型化することができる。
【0021】
第1及び第2燃焼室の間に一次加熱装置を配置した本発明の上記構成によれば、高温気流発生装置の隔壁の熱応力を抑制し、隔壁の亀裂を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
好ましくは、高温気流室が、該頂壁の上側に配設され、上記第1及び第2燃焼室の高温気流導出口から上方に延びる第1及び第2流路が燃焼室の頂壁を貫通し、高温気流室に開口する。第1及び第2燃焼室の高温気流が高温気流室に流入する。高温気流室には、高温気流を系外の装置又は設備に給送する高温気流送出管が接続される。
【0023】
更に好ましくは、第1及び第2流路は、各流路の上部が互いに接近するように対称に傾斜し、高温気流送出管は、第1及び第2流路の中間において高温気流室の頂壁に開口し、各流路の上端開口が傾斜方向に吐出した高温気流を受入れる。
【0024】
好適には、ハニカム構造の蓄熱体が第1及び第2流路に配置される。高温気流は、蓄熱体の狭小流路を介して高温気流室に吐出する。ハニカム構造の蓄熱体は、第1及び第2流路に流路抵抗を与え、高温気流室の高温気流が燃焼中の燃焼室に逆流するのを防止するとともに、高温気流の温度を安定させるように作用する。
【0025】
本発明の好適な実施形態において、上記蓄熱装置は、ハニカム構造のセラミックス製蓄熱体と、給排切換弁装置とを備えた蓄熱ユニットからなる。蓄熱体は、高い温度効率のリジェネレータ型熱交換器を構成する。給排切換弁装置は、第2端面に開口する給排口と、排気ファンとを連通させて、燃焼室の燃焼ガスを排気する排気位置と、加熱すべき気体の流路と給排口とを連通させて、燃焼室に高温気流を導入する高温気流導入位置とに切換制御される。
【0026】
本発明の更に好適な実施形態によれば、燃料及び燃焼用空気、又は燃焼ガスを燃焼室に吹込む燃焼装置の噴流口の中心軸線と、蓄熱装置の給排口の中心軸線とは、互いに偏心した位置に位置決めされる。燃焼装置の噴流は、給排口にショートパスすることなく、燃焼室内に滞留し、或いは、炉内ガス循環流を形成し、燃焼室の燃焼反応を効果的に進行させる。これは、第1及び第2端面の距離の短縮を可能にし、従って、燃焼室容積の適切な縮小を可能にする。
【0027】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施例について詳細に説明する。
【0028】
図1は、本発明に係る高温気流発生装置の実施例を示す側面図である。
【0029】
高温気流発生装置1は、加熱炉2、バーナユニット3、一次加熱装置4、蓄熱ユニット5及び排気ファン7を備える。炭化水素系燃料及び燃焼用空気をバーナユニット3に供給する燃料供給管31及び空気供給管32がバーナユニット3に接続される。水蒸気供給管41が、一次加熱装置4の流入部42に接続され、上下一対の水蒸気中継管44が、一次加熱装置4の上下の流出部43に夫々接続される。
【0030】
上下の中継管44は、合流管45に接続され、合流管45は、蓄熱ユニット5の水蒸気供給ポート51に接続される。排気管71が、蓄熱ユニット5の排気ポート52に接続される。排気管71は、排気ファン(又は排気ブロワ)7の吸引口に接続される。排気管72が、排気ファン7の吐出口に接続される。分岐管73が、排気管72から分岐し、空気供給管32に接続される。
【0031】
加熱炉2は、高温水蒸気送出部8を備える。高温水蒸気送出管81が、送出部8に接続され、送出管81は、700℃以上の高温の水蒸気を系外の設備又は装置(図示せず)に供給する。
【0032】
制御弁33、34、74が供給管31、32及び分岐管73に夫々介装される。制御弁33、34、74の各駆動部が、制御信号線(破線で示す)を介して制御ユニット9に接続される。蓄熱ユニット5の弁駆動装置62が、制御信号線を介して制御ユニット9に接続される。制御ユニット9は、制御弁33、34、74及び弁駆動装置62を駆動し、高温気流発生装置1の作動を制御する。
【0033】
図2は、図1のII−II線における高温気流発生装置1の断面図である。図3、図4、図5及び図6は、図2に示すIII−III線、IV−IV線、V−V線及びVI−VI線における高温気流発生装置1の断面図である。また、図7及び図8は、蓄熱ユニット5の構造を示す縦断面図である。
【0034】
図2及び図3に示すように、加熱炉2は、左右一対の燃焼室21を備える。各燃焼室21は、炉内壁面を形成する耐火壁22によって区画される。耐火壁22の外面は、比較的硬質の断熱材23によって被覆される。一次加熱装置4は、加熱炉2の中心軸線CL(図2)上に配置される。図3に示す如く、加熱炉2は、垂直中心面CPに対して左右対称の構造及び形態を有し、一次加熱装置4は、垂直中心面CPにおいて加熱炉2を分割する。
【0035】
各燃焼室21は、直方体輪郭を有し、バーナユニット3及び蓄熱ユニット5は、各燃焼室21の端面21a、21b(図2)に夫々配置される。
【0036】
バーナユニット3の噴射口36が、端面21aに開口し、バーナユニット3のバーナスロート部35が、耐火壁22及び断熱材23を貫通する。バーナスロート部35は、中心軸線CLと平行に配向され、噴射口36は、燃料及び燃焼用空気の混合気を中心軸線CLと平行に燃焼室21に吐出する。
【0037】
バーナユニット3の基端部は炉外に突出し、燃料及び燃焼用空気を混合する混合部37が、バーナユニット3の炉外突出部分に配置される。燃料供給管31及び燃焼用空気供給管32は、混合部37に接続され、炭化水素系燃料及び燃焼用空気が制御弁33、34の制御下に混合部37に供給される。燃料及び空気の混合気は、噴射口36から燃焼室21に噴射し、燃焼室21内に火炎Fを生成する。なお、バーナユニット3は、パイロットバーナ等の付帯設備(図示せず)を備えるが、バーナユニット3の付帯設備は、従来構造のものであるので、説明を省略する。
【0038】
蓄熱ユニット5の給排口57が、端面21bに開口する。蓄熱ユニット5の蓄熱装置53が、耐火壁22及び断熱材23を貫通する。蓄熱ユニット5は、中心軸線CLと平行に配向され、給排口57は、加熱後の水蒸気を中心軸線CLと平行に燃焼室21に吐出する。蓄熱ユニット5の給排切換弁装置60が炉外に突出する。給排切換弁装置60のポート51、52には、前述の如く、合流管45及び排気管71が接続される。
【0039】
対をなすバーナユニット3は、交互に燃焼作動し、燃焼作動側の燃焼室21(図2〜図5に示す第1燃焼室21−1)の燃焼ガスは、蓄熱ユニット5の給排口57から排気される。他方、燃焼停止側の燃焼室21(図2〜図5に示す第2燃焼室21−2)に配置された蓄熱ユニット5は、蓄熱装置53によって加熱した高温の水蒸気を給排口57から燃焼室21に噴射する。
【0040】
図7及び図8には、各蓄熱ユニット5の構造が示されている。蓄熱装置53及び給排切換弁装置60から構成される。蓄熱装置53は、蓄熱体ケース55内に蓄熱体56を収容した構造を有する。蓄熱体56は、円柱形の外形を有するハニカム構造のセラミックス製蓄熱体からなり、多数の狭小流路を有する。蓄熱体56の各流路は、蓄熱ユニット5の軸線方向に蓄熱体56を貫通する。蓄熱体56は、リジェネレータ型熱交換器を構成し、0.9以上の温度効率を発揮する。この形式の熱交換器の構造は、例えば、本願出願人による特願平5-6911号(特開平6-213585号公報)等に詳細に開示されているので、更なる詳細な説明は、省略する。
【0041】
蓄熱体ケース55は、耐火壁22及び断熱材23を貫通する金属製又はセラミック製の円筒形部材からなり、耐火壁22に一体的に支持される。蓄熱体ケース55の先端部は、蓄熱体56の先端面から炉内領域に若干突出し、僅かに縮径して燃焼室21に開口する。蓄熱体ケース55の先端円形開口は、給排口57を構成する。給排口57は、燃焼室21の炉内ガスを吸引する炉内ガス吸引口として機能するとともに、加熱後の水蒸気を燃焼室21に噴射する高温水蒸気噴射口として機能する。
【0042】
給排切換弁装置60は、蓄熱装置53と同軸上に整列し、断熱材23から炉外に突出する。弁装置60は、弁機構61及び弁駆動装置62を備える。弁駆動装置62は、制御ユニット9の制御下に弁機構61を駆動し、弁機構61を排気位置又は水蒸気導入位置に切換える。弁機構61は、水蒸気供給ポート51及び排気ポート52を選択的に開閉する二位置制御弁として機能する。
【0043】
図7には、弁機構61の排気位置が示されており、排気ファン7の吸引圧力が、排気管71、弁装置60及び蓄熱装置53を介して給排口57に作用する。弁機構61の排気位置では、燃焼室21の燃焼排ガスは、排気ファン7の吸引圧力によって給排口57から蓄熱体56の流路に流入し、弁機構61を介して炉外に排気される。図8には、弁機構61の水蒸気導入位置が示されており、合流管45の水蒸気圧が、弁装置60及び蓄熱装置53を介して給排口57に作用する。弁機構61の供給位置では、蓄熱体56によって加熱された高温の水蒸気が給排口57から燃焼室21に噴流する。
【0044】
図7(B)には、給排切換弁装置60の構造が示されている。
【0045】
弁機構61は、弁体65、給排管66、エルボ管67及び弁座部68から構成される。エルボ管67は、排気ポート52と連通する。エルボ管67の開口部69が、給排管66の管内領域69に開口する。弁座部68の弁開口が、開口部69と対向する。
【0046】
弁駆動装置62は、ピストンロッド64を備えた駆動部(アクチュエータ)と、水蒸気供給ポート51を備えた弁ハウジング63とを備える。ピストンロッド64は、弁座部68の開口部を貫通する。ピストンロッド64の先端部には、弁体65が固定される。
【0047】
図7に示す弁機構61の排気位置では、弁駆動装置62は、ピストンロッド64を弁ハウジング63内に引き込み、弁体65は、弁座部68に着座する。弁座部68の弁開口は閉塞し、エルボ管67の開口部69は、開放する。開口部69の開放により、排気口52及び管内領域69は連通する。弁座部68の弁開口閉塞により、水蒸気供給ポート51は閉鎖する。
【0048】
他方、図8に示す弁機構61の水蒸気導入位置では、弁駆動装置62は、ピストンロッド64を伸長する。弁体65は、エルボ管67の開口部69を閉塞し、弁座部68の弁開口を開放する。開口部69の閉塞により、排気口52は閉鎖する。弁座部68の弁開口開放により、水蒸気供給ポート51及び及び管内領域69は連通する。
【0049】
図3〜図5に示す如く、水蒸気流路24が、各燃焼室21の頂面21cに開口する。流路24は、耐火壁22を垂直に貫通し、蓄熱体25の下端部に連通する。蓄熱体25は、その上端部を垂直中心面CPに接近せしめるように上方且つ内方に傾斜している。蓄熱体25は、前述の蓄熱体56と同様、円柱形の外形を有するハニカム構造のセラミックス製蓄熱体からなり、多数の狭小流路を有する。蓄熱体25は、金属製の蓄熱体ケース26内に収容される。蓄熱体ケース26の先端部は、高温水蒸気送出部8の水蒸気室80内に延び、僅かに縮径して水蒸気室80に開口する。従って、蓄熱体25の上端面に露出する各狭小流路の開口端は、水蒸気室80に開放される。
【0050】
高温水蒸気送出部8は、断熱材23によって形成され、水蒸気室80は、直方体輪郭に区画される。高温水蒸気送出口82が、水蒸気室80の頂壁に形成される。送出口82は、高温水蒸気送出管81に接続される。
【0051】
図3及び図6に示す如く、一次加熱装置4は、垂直中心面CPにおいて左右の燃焼室21を分離するように配置される。一次加熱装置4は、加熱炉2の高さ中心に配置された流入部42(図6)と、流入部42から分岐した上下対称の伝熱管47と、伝熱管47を埋設した金属製の垂直壁48と、伝熱管47の末端部からなる上下の流出部43とから構成される。前述の如く、流入部42には、水蒸気供給管41が接続され、流出部43には、水蒸気中継管44が接続される。伝熱管47は、Uチューブ形態に垂直壁48内に配管される。伝熱管47のU字管部分及び流出部43は、垂直壁48の端面から突出する。
【0052】
流入部42に流入した飽和水蒸気は、伝熱管47を流通し、流出部43から中継管44に流出する。図3において、燃焼作動中の燃焼室21(第1燃焼室21−1)の燃焼熱は、耐火壁22及び垂直壁48を介して伝熱管47に熱伝達する。伝熱管47内の飽和水蒸気は、伝熱管47に熱伝導した熱を受熱し、加熱され、例えば、温度150〜200℃の過熱水蒸気として中継管44に流出し、合流管45によって蓄熱ユニット5の水蒸気供給ポート51に供給される。
【0053】
図3に示すように、加熱炉2は更に、左右の燃焼室2を相互連通するバイパス流路85を備える。バイパス流路85の流路端は、燃焼室2の底面21dに開口する。バイパス流路85は、耐火壁22を貫通し、或いは、耐火壁22及び断熱材23を貫通する。燃焼停止中の燃焼室21(第2燃焼室21−2)に流入した高温水蒸気の一部が、バイパス流路85を介して燃焼作動中の燃焼室21(第1燃焼室21−1)に流入する。
【0054】
図3〜図5に示す如く、バーナユニット3の中心軸線C1と、蓄熱ユニット5の中心軸線C2とは、横方向(水平方向)及び上下方向(鉛直方向)に互いに偏心した位置に配置される。従って、バーナユニット3が噴射した燃料及び燃焼用空気は、蓄熱ユニット5の給排口57にショートパスすることなく、燃焼室2(第1燃焼室21−1)内に滞留し又は炉内循環し、火炎Fを形成する。
【0055】
次に、高温気流発生装置1の作動について説明する。
【0056】
左右の燃焼室21に配置されたバーナユニット3は、同時に燃焼作動することなく、交互に燃焼作動する。バーナユニット3を燃焼作動した燃焼室21においては、蓄熱ユニット5の弁機構61は、排気位置に保持され、蓄熱ユニット5は、排気手段として使用される。他方、バーナユニット3を休止した側の燃焼室21においては、弁機構61は、水蒸気導入位置に保持され、蓄熱ユニット5は、水蒸気を加熱する水蒸気加熱手段として使用される。
【0057】
図2〜図5に示す高温気流発生装置1の作動状態では、第1燃焼室21−1に配置されたバーナユニット3は、炭化水素系燃料及び燃焼用空気の混合気を第1燃焼室21−1に噴射し、第1燃焼室21−1に火炎Fを生成する。第1燃焼室21−1の燃焼ガスは、第1燃焼室21−1の蓄熱装置53を介して排気される。燃焼ガスは、蓄熱体56と伝熱接触して冷却する。蓄熱体53は、燃焼ガスが保有する顕熱を受熱して高温に加熱され、燃焼ガスの顕熱を蓄熱する。冷却後の燃焼ガスは、排気管71、排気ファン7及び排気管72によって燃焼排ガスとして排気される。燃焼排ガスの一部が、分岐管73及び制御弁74によって空気供給管32の燃焼用空気に添加される。燃焼用空気は、燃焼排ガスによって希釈される。火炎Fの火炎温度が低下するとともに、第1燃焼室21−1に生成する燃焼ガスの窒素酸化物(NOx)濃度が低下する。
【0058】
他方、第2燃焼室21−2に配置されたバーナユニット3は、燃焼作動を休止しており、第2燃焼室21−2の蓄熱体56は、直前に実行した第2燃焼室21−2のバーナユニット燃焼運転によって既に蓄熱している。一次加熱装置4によって一次加熱された水蒸気が、蓄熱装置53を介して第2燃焼室21−2に供給される。水蒸気は、蓄熱体56と伝熱接触して700℃以上の高温に加熱される。加熱後の高温水蒸気は、給排口57から第2燃焼室21−2に噴流する。
【0059】
高温水蒸気の噴流は、第2燃焼室21−2の端面21aに衝突した後、水蒸気流路24、蓄熱体25、水蒸気室80及び高温水蒸気送出口82を介して高温水蒸気送出管81に送出され、系外の設備機器等に供給される。
【0060】
第2燃焼室21−2に供給された高温水蒸気の一部が、バイパス管85を介して第1燃焼室21−1に流入する。700℃以上の高温水蒸気は、第1燃焼室21−1の燃焼反応を阻害せずに火炎Fの火炎温度を低下させるとともに、第1燃焼室21−1に生成した燃焼ガスの窒素酸化物(NOx)濃度を低下させるように作用する。
【0061】
制御ユニット9は、第1燃焼室21−1のバーナユニット3を燃焼作動し、第2燃焼室21−2の蓄熱ユニット5によって高温水蒸気を供給する高温気流発生装置1の運転を所定時間継続した後、制御弁33、34、74及び弁駆動装置62を実質的に同時に駆動し、高温気流発生装置1の運転を切換える。この結果、高温気流発生装置1は、第2燃焼室21−2のバーナユニット3を燃焼作動し、第1燃焼室21−1の蓄熱ユニット5によって水蒸気を加熱する作動状態に移行する。
【0062】
このような高温気流発生装置1の作動状態が、図9〜図12に示されている。
【0063】
図9〜図12に示す如く、第2燃焼室21−2に配置されたバーナユニット3は、燃料及び燃焼用空気の混合気を第2燃焼室21−2に噴射し、第2燃焼室21−2に火炎Fを生成する。第2燃焼室21−2の燃焼ガスは、第1燃焼室21−1の蓄熱装置53を介して排気される。燃焼ガスは、蓄熱体56と伝熱接触して冷却し、蓄熱体53は、燃焼ガスの顕熱を蓄熱する。冷却後の燃焼ガスは、排気管71、排気ファン7及び排気管72によって燃焼排ガスとして排気される。燃焼排ガスの一部が、分岐管73及び制御弁74を介して空気供給管32の燃焼用空気に添加される。燃焼用空気は、燃焼排ガスによって希釈される。火炎Fの火炎温度は低下し、第2燃焼室21−2に生成する燃焼ガスの窒素酸化物(NOx)濃度は低下する。
【0064】
第1燃焼室21−1に配置されたバーナユニット3は、燃焼作動を休止しており、第1燃焼室21−1の蓄熱体56は、直前に実行した第1燃焼室21−1の燃焼運転によって既に蓄熱している。一次加熱装置4によって一次加熱された水蒸気が、蓄熱装置53を介して第1燃焼室21−1に供給される。水蒸気は、蓄熱体56と伝熱接触して700℃以上の高温に加熱され、加熱後の高温水蒸気は、給排口57から第1燃焼室21−1に噴流する。
【0065】
高温水蒸気の噴流は、第1燃焼室21−1の端面21aに衝突した後、水蒸気流路24、蓄熱体25、水蒸気室80及び高温水蒸気送出口82を介して高温水蒸気送出管81に送出される。
【0066】
第1燃焼室21−1に供給された高温水蒸気の一部が、バイパス管85を介して第2燃焼室21−2に流入する。700℃以上の高温水蒸気は、第2燃焼室21−2の燃焼反応を阻害せずに火炎Fの火炎温度を低下させるとともに、第2燃焼室21−2に生成した燃焼ガスの窒素酸化物(NOx)濃度を低下させるように作用する。
【0067】
高温気流発生装置1は、図9〜図12に示す作動状態を所定時間継続した後、制御弁33、34、46及び弁駆動装置62を駆動して高温気流発生装置1の運転を切換える。高温気流発生装置1は、このような二形態の作動を制御ユニット9の制御下に交互に実行し、700℃以上の高温水蒸気を継続的に高温水蒸気送出管81に送出し、系外の設備機器等に連続供給する。
【0068】
図7及び図8に示す各温度、即ち、燃焼室21の燃焼ガスの温度Ti、加熱後の高温水蒸気の温度To、燃焼排ガス温度T1(排気管71)および一次加熱後の過熱水蒸気の温度T2(合流管45)は、例えば、以下のとおり設定される。
【0069】
燃焼ガスの温度Ti:Ti=1200〜1400℃
高温水蒸気温度To:To=1100〜1300℃
燃焼排ガス温度T1:T1=200〜250℃
過熱水蒸気温度T2:T2=150〜200℃
【0070】
以上、本発明の好適な実施例について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内で種々の変形又は変更が可能であり、このような変形例又は変更例も又、本発明の範囲内に含まれるものであることは、いうまでもない。
【0071】
例えば、上記実施例では、高温気流発生装置は、飽和水蒸気を一次加熱装置によって一次加熱するように構成されているが、水又は純水を一次加熱装置に供給し、水又は純水を一次加熱装置によって気化するように高温気流発生装置を構成しても良い。
【0072】
また、高温気流発生装置は、700℃以上の高温水蒸気を発生させる高温水蒸気流発生装置として例示したが、不活性ガス又は空気等の他の気体を高温に加熱する装置として高温気流発生装置を構成し、或いは、水蒸気及び炭化水素(又は炭素)の混合気を加熱し、水素等の成分を含む合成ガスや、水性ガス等を生成する装置として、本発明の高温気流発生装置を構成しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は、蓄熱体を介してなされる燃焼ガス及び気体の実質的に直接的な熱交換を利用して、比較的低温の水蒸気、空気、不活性ガス等の気体を高温に加熱する高温気流発生装置に適用される。本発明は、比較的コンパクトな高温気流発生装置を提供する。本発明は又、高温気流発生装置の燃焼室から排気される燃焼排ガスの窒素酸化物濃度を増加させることなく、高温気流発生装置の小型化を可能にするとともに、燃焼室間の隔壁の亀裂発生等を防止することを可能にする。従って、本発明は、高温気流発生装置の用途又は適用範囲を拡大する上で有利である。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明に係る高温気流発生装置の実施例を示す側面図である。
【図2】図1のII−II線における高温気流発生装置の断面図であり、第1燃焼室のバーナユニットを燃焼作動させた状態が示されている。
【図3】図2のIII−III線における高温気流発生装置の断面図であり、第1燃焼室のバーナユニットを燃焼作動させた状態が示されている。
【図4】図2のIV−IV線における高温気流発生装置の断面図であり、第1燃焼室のバーナユニットを燃焼作動させた状態が示されている。
【図5】図2のV−V線における高温気流発生装置の断面図であり、第2燃焼室に高温水蒸気を供給する状態が示されている。
【図6】図2のVI−VI線における高温気流発生装置の断面図であり、第1燃焼室のバーナユニットを燃焼作動させた状態が示されている。
【図7】蓄熱ユニットの構造を示す縦断面図であり、排気工程の蓄熱ユニットの作動が示されている。
【図8】蓄熱ユニットの構造を示す縦断面図であり、水蒸気加熱工程の蓄熱ユニットの作動が示されている。
【図9】図1のII−II線における高温気流発生装置の断面図であり、第2燃焼室のバーナユニットを燃焼作動させた状態が示されている。
【図10】第2燃焼室のバーナユニットを燃焼作動させた状態を示す図3と同様の断面図である。
【図11】第1燃焼室に高温水蒸気を供給する状態を示す断面図である。
【図12】第2燃焼室のバーナユニットを燃焼作動させた状態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0075】
1:高温気流発生装置
2:加熱炉
3:バーナユニット
4:一次加熱装置
5:蓄熱ユニット
7:排気ファン
9:制御ユニット
21:燃焼室
21−1:第1燃焼室
21−2:第2燃焼室
22:耐火壁
23:断熱材
31:燃料供給管
32:空気供給管
35:バーナスロート部
36:噴射口
51:水蒸気供給ポート
52:排気ポート
53:蓄熱装置
56:蓄熱体
57:給排口
60:給排切換弁装置
62:弁駆動装置
F:火炎
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1燃焼装置及び第1蓄熱装置を備えた第1燃焼室と、第2燃焼装置及び第2蓄熱装置を備えた第2燃焼室と、第1及び第2燃焼装置を交互に燃焼作動させる燃焼装置切換手段と、各蓄熱装置を排気状態又は高温気流導入状態に切換える蓄熱装置切換手段とを有する高温気流発生装置において、
前記燃焼室は、対向する第1及び第2端面と、端面間に延びる頂面とを有し、前記燃焼装置は、第1端面に開口して前記燃焼室に燃料及び燃焼用空気、又は燃焼ガスを吹込み、前記蓄熱装置は、前記第2端面に開口して前記燃焼室の燃焼ガスを排気するとともに、加熱すべき気体を加熱して、高温気流として前記第2端面から燃焼室に吹込み、
該高温気流を前記燃焼室から導出する高温気流導出口が、前記頂面に開口することを特徴とする高温気流発生装置。
【請求項2】
加熱すべき気体は、水蒸気であり、一方の燃焼室に導入された高温気流の一部を他方の燃焼室に供給するバイパス流路を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の高温気流発生装置。
【請求項3】
燃焼室の燃焼排ガスの一部が、前記燃焼装置の燃焼用空気に添加されることを特徴とする請求項1又は2に記載の高温気流発生装置。
【請求項4】
前記第1及び第2燃焼室の隔壁を構成する一次加熱装置が、前記第1及び第2燃焼室の間に配置され、前記一次加熱装置は、加熱すべき気体又は該気体として気化すべき液体が流通可能な伝熱管を有し、前記一次加熱装置は、前記燃焼室の燃焼熱が前記伝熱管内の前記気体又は前記液体に熱伝導し、該気体又は液体が加熱される構造を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の高温気流発生装置。
【請求項5】
高温気流室が、前記頂壁の上側に配設され、前記第1及び第2燃焼室の高温気流導出口から上方に延びる第1及び第2流路が該燃焼室の頂壁を貫通し、高温気流室に開口し、前記高温気流室には、前記高温気流を系外の装置又は設備に給送する高温気流送出管が接続されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の高温気流発生装置。
【請求項6】
前記第1及び第2流路は、各流路の上部が互いに接近するように対称に傾斜し、前記高温気流送出管は、第1及び第2流路の中間において前記高温気流室の頂壁に開口し、各流路の上端開口が傾斜方向に吐出した高温気流を受入れることを特徴とする請求項5に記載の高温気流発生装置。
【請求項7】
ハニカム構造の蓄熱体が前記第1及び第2流路に配置され、前記高温気流は、前記蓄熱体の狭小流路を介して高温気流室に吐出することを特徴とする請求項5又は6に記載の高温気流発生装置。
【請求項8】
前記蓄熱装置は、ハニカム構造のセラミックス製蓄熱体と、給排切換弁装置とを備えた蓄熱ユニットからなり、前記蓄熱体は、リジェネレータ型熱交換器を構成し、前記給排切換弁装置は、前記第2端面に開口する給排口と、排気ファンとを連通させて、燃焼室の燃焼ガスを排気する排気位置と、加熱すべき気体の流路と前記給排口とを連通させて、燃焼室に高温気流を導入する高温気流導入位置とに切換制御されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の高温気流発生装置。
【請求項9】
前記燃料及び燃焼用空気、又は燃焼ガスを前記燃焼室に吹込む前記燃焼装置の噴流口の中心軸線と、前記蓄熱装置の給排口の中心軸線とは、互いに偏心した位置に位置決めされることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の高温気流発生装置。
【請求項1】
第1燃焼装置及び第1蓄熱装置を備えた第1燃焼室と、第2燃焼装置及び第2蓄熱装置を備えた第2燃焼室と、第1及び第2燃焼装置を交互に燃焼作動させる燃焼装置切換手段と、各蓄熱装置を排気状態又は高温気流導入状態に切換える蓄熱装置切換手段とを有する高温気流発生装置において、
前記燃焼室は、対向する第1及び第2端面と、端面間に延びる頂面とを有し、前記燃焼装置は、第1端面に開口して前記燃焼室に燃料及び燃焼用空気、又は燃焼ガスを吹込み、前記蓄熱装置は、前記第2端面に開口して前記燃焼室の燃焼ガスを排気するとともに、加熱すべき気体を加熱して、高温気流として前記第2端面から燃焼室に吹込み、
該高温気流を前記燃焼室から導出する高温気流導出口が、前記頂面に開口することを特徴とする高温気流発生装置。
【請求項2】
加熱すべき気体は、水蒸気であり、一方の燃焼室に導入された高温気流の一部を他方の燃焼室に供給するバイパス流路を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の高温気流発生装置。
【請求項3】
燃焼室の燃焼排ガスの一部が、前記燃焼装置の燃焼用空気に添加されることを特徴とする請求項1又は2に記載の高温気流発生装置。
【請求項4】
前記第1及び第2燃焼室の隔壁を構成する一次加熱装置が、前記第1及び第2燃焼室の間に配置され、前記一次加熱装置は、加熱すべき気体又は該気体として気化すべき液体が流通可能な伝熱管を有し、前記一次加熱装置は、前記燃焼室の燃焼熱が前記伝熱管内の前記気体又は前記液体に熱伝導し、該気体又は液体が加熱される構造を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の高温気流発生装置。
【請求項5】
高温気流室が、前記頂壁の上側に配設され、前記第1及び第2燃焼室の高温気流導出口から上方に延びる第1及び第2流路が該燃焼室の頂壁を貫通し、高温気流室に開口し、前記高温気流室には、前記高温気流を系外の装置又は設備に給送する高温気流送出管が接続されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の高温気流発生装置。
【請求項6】
前記第1及び第2流路は、各流路の上部が互いに接近するように対称に傾斜し、前記高温気流送出管は、第1及び第2流路の中間において前記高温気流室の頂壁に開口し、各流路の上端開口が傾斜方向に吐出した高温気流を受入れることを特徴とする請求項5に記載の高温気流発生装置。
【請求項7】
ハニカム構造の蓄熱体が前記第1及び第2流路に配置され、前記高温気流は、前記蓄熱体の狭小流路を介して高温気流室に吐出することを特徴とする請求項5又は6に記載の高温気流発生装置。
【請求項8】
前記蓄熱装置は、ハニカム構造のセラミックス製蓄熱体と、給排切換弁装置とを備えた蓄熱ユニットからなり、前記蓄熱体は、リジェネレータ型熱交換器を構成し、前記給排切換弁装置は、前記第2端面に開口する給排口と、排気ファンとを連通させて、燃焼室の燃焼ガスを排気する排気位置と、加熱すべき気体の流路と前記給排口とを連通させて、燃焼室に高温気流を導入する高温気流導入位置とに切換制御されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の高温気流発生装置。
【請求項9】
前記燃料及び燃焼用空気、又は燃焼ガスを前記燃焼室に吹込む前記燃焼装置の噴流口の中心軸線と、前記蓄熱装置の給排口の中心軸線とは、互いに偏心した位置に位置決めされることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の高温気流発生装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−32946(P2007−32946A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−218014(P2005−218014)
【出願日】平成17年7月27日(2005.7.27)
【出願人】(000229748)株式会社NFKホールディングス (8)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年7月27日(2005.7.27)
【出願人】(000229748)株式会社NFKホールディングス (8)
【Fターム(参考)】
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