説明

高温高圧ガス生成装置

【課題】構造が簡単で、体積が小さく、安全性が高く、エネルギー使用効率が高い高温高圧ガス生成装置を提供する。
【解決手段】燃焼炉10、燃料輸送機構20、点火機構40および空気導入機構30を備え、燃焼炉10は、炉体内に燃焼室11が形成されたものであり、炉体下方には灰排出口12が設けられ、炉体上方には高温高圧ガス排出管13が設けられ、燃料輸送機構20は、石炭または木炭などの固体燃料を燃焼炉10内に輸送し、空気導入機構30は、空気を燃焼炉10の燃焼室11内に導入し、点火機構40は、燃焼炉10内で固体燃料の初期点火を行なう。生成された高温高圧ガスは燃焼炉10上方の高温高圧ガス排出管13から排出され、ガスタービン50などの機械装置を駆動し、更に、高温高圧ガスは動力として車両60A、ポンプモータ60Bまたは交流発電機60Cなどの機具を運転させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は高温高圧ガス生成装置に関し、特に固体燃料(石炭、木炭など)を燃焼して高温高圧ガスを生成し、そのエネルギーよって機械装置(ガスタービン、発電機など)を駆動し、構造が簡単で、安全性が高く、熱エネルギーの使用効率の高い高温高圧ガス生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在一般の高温高圧ガス生成装置(蒸気ボイラーなど)はその大部分がディーゼル燃料、重油、石炭または木炭などを燃料とし、水を加熱して蒸気を生成し、その蒸気を利用して機械(ガスタービン、発電機など)を駆動するものである。上述の従来技術による高温高圧ガス生成装置によって機械設備の動力源を提供できるが、ディーゼル燃料、重油、石炭または木炭などの燃料を燃焼し、水を加熱して蒸気を生成し、高温高圧ガスを生成する方法は構造が複雑である以外に設備の体積が大きく、更にメンテナンスも容易でない。更に、ディーゼル燃料、重油、石炭または木炭などの燃料を蒸気にする過程において多くのエネルギーロスが発生し、エネルギーの使用効率が低下する。
【特許文献1】特開第平8−110017号号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、上述の従来技術による高温高圧ガス生成装置の欠点を改善でき、固体燃料(石炭、木炭など)を燃焼して高温高圧ガスを生成し、機械装置(ガスタービン、発電機など)を駆動する、構造が簡単で、安全性が高く、エネルギーの使用効率の高い高温高圧ガス生成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明の高温高圧ガス生成装置は、燃焼炉、燃料輸送機構、点火機構および空気導入機構を備え、燃焼炉は、炉体内に燃焼室が形成されたものであり、炉体下方には灰排出口が設けられ、炉体上方には高温高圧ガス排出管が設けられ、燃料輸送機構は、石炭または木炭などの固体燃料を燃焼炉内に輸送し、空気導入機構は、空気を燃焼炉の燃焼室内に導入し、点火機構は、燃焼炉内で固体燃料の初期点火を行ない、上述の構造によって、石炭または木炭などの固体燃料が燃焼炉の燃焼室内に輸送され、空気導入機構が適量の空気を燃焼炉の燃焼室内に導入し、固体燃料が燃焼炉の燃焼室内で燃焼されて高温高圧ガスが生成され、高温高圧ガスは燃焼炉上方の高温高圧ガス排出管から排出され、ガスタービンなどの機械装置を駆動し、更に、高温高圧ガスは動力として車両、ポンプモータまたは交流発電機などの機具を運転させることができ、構造が簡単で、安全性が高く、熱エネルギーの使用効率が高い。
【発明の効果】
【0005】
本発明は固体燃料を燃焼して生成された高温高圧ガスによって機械装置を駆動させ、更にその高温高圧ガスを動力として車両、ポンプモータまたは交流発電機などの機具の運転を行なうことができる。従って、従来技術による高温高圧ガス生成装置と比較して本発明は構造が簡単で、体積が小さく、安全性が高く、エネルギー使用効率も高い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明の目的、特徴および効果を示す実施例を図に沿って詳細に説明する。
【0007】
図1に示す実施例は本発明の高温高圧ガス生成装置を示し、燃焼炉10、燃料輸送機構20、空気導入機構30および点火機構40を備える。
【0008】
燃焼炉10(図1を参照)は耐圧性、耐火性および保温性を有する直立式の炉体であり、炉体内には燃焼室11が形成され、炉体下方には灰排出口12が設けられ、炉体上方には高圧ガス排出管13が設けられる。好適な実施例では高圧ガス排出管13上には高温高圧ガス貯蔵槽14が設けられる。
【0009】
燃料輸送機構20(図1を参照)は燃焼炉10の一側に設けられ、燃焼室11内に進入しており、固体燃料(石炭、木炭など)を燃焼炉10の燃焼室11に輸送して燃焼する。燃料輸送機構20は固体燃料を燃焼室11に輸送する速度および量を調整することができる。
【0010】
空気導入機構30(図1を参照)は燃焼炉10の一側に設けられ、燃焼室11内に進入しており、燃料の燃焼に必要な空気を提供する。空気導入機構30は空気が燃焼室11に進入する速度および量を調整することができる。
【0011】
点火機構40(図1を参照)は燃焼炉10の一側に設けられ、燃焼室11内に進入しており、燃料の初期点火を行なう。
【0012】
上述の構造によって、燃焼炉10が運転を開始するとき、燃料輸送機構20によって微量の固体燃料(石炭、木炭など)が燃焼炉10の燃焼室11内に輸送され、空気導入機構30によって適量の空気が燃焼炉10の燃焼室11内に導入される。その後、点火機構40によって固体燃料が点火され、点火機構40は固体燃料を点火した後動作を停止する。続いて、必要な高温高圧ガスの出力量に応じて燃料輸送機構20が固体燃料を燃焼室11に輸送する速度および量を調整し、空気導入機構30が空気を燃焼室11に導入する速度および量を調整することによって固体燃料が燃焼炉10の燃焼室11内で燃焼されて高温高圧ガスが生成される。高温高圧ガスは燃焼炉10上方の高温高圧ガス排出管13から排出され、機械装置(図1に示すガスタービン50など)を駆動し、また、高温高圧ガスを動力として車両60A、ポンプモータ60Bまたは交流発電機60Cなどの機具を運転させることができる。
【0013】
また、好適な実施例として、固体燃料を燃焼炉10の燃焼室11内で燃焼して生成された高温高圧ガスは、燃焼炉10上方の高温高圧ガス排出管13から排出されてガスタービン50を駆動し、ガスタービン50の運転によってエアコンプレッサ70が駆動され、空気導入機構30の制御を通じて空気を燃焼室11に提供することができる。
【0014】
また、好適な実施例として、固体燃料を燃焼炉10の燃焼室11内で燃焼して生成された高温高圧ガスは、燃焼炉10上方の高温高圧ガス排出管13から排出されてガスタービン50を駆動し、ガスタービン50の運転によって直流発電機80が駆動されて発電を行ない、その電気が蓄電器81に保存され、次に燃焼炉10を起動するときにその電力によって燃料輸送機構20、点火機構40およびエアコンプレッサ70を駆動することができ、外部から電力を提供する必要がない。
【0015】
以上の説明から分かるように、本発明は固体燃料を燃焼して生成された高温高圧ガスによって機械装置(図1に示すガスタービン50など)を駆動し、更に高温高圧ガスを動力として車両60A、ポンプモータ60Bまたは交流発電機60Cなどの機具の運転を行なうことができる。従って、従来技術による高温高圧ガス生成装置と比較して本発明は構造が簡単で、体積が小さく、安全性が高く、エネルギー使用効率も高い。従って本発明は進歩性および新規性を有し、特許要件に符合するものである。
【0016】
以上の説明は本発明の実施可能な実施例を示したものであり、これらの実施例は本発明の目的を達成するために運用された技術および構造を示すものであり、本発明の保護範囲を制限する物ではない。本発明の主旨に基づく同等効果の変更または修飾は全て本発明の保護範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の構造を示す模式図である。
【符号の説明】
【0018】
10 燃焼炉
11 燃焼室
12 灰排出口
13 高温高圧ガス排出管
14 高温高圧ガス貯蔵槽
20 燃料輸送機構
30 空気導入機構
40 点火機構
50 ガスタービン
60A車両
60Bポンプモータ
60C交流発電機
70 エアコンプレッサ
80 直流発電機
81 蓄電器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼炉、燃料輸送機構、点火機構および空気導入機構を備え、
前記燃焼炉は、炉体内に燃焼室が形成されたものであり、前記炉体下方には灰排出口が設けられ、前記炉体上方には高温高圧ガス排出管が設けられ、
前記燃料輸送機構は、石炭または木炭などの固体燃料を燃焼炉内に輸送し、
前記空気導入機構は、空気を燃焼炉の燃焼室内に導入し、
前記点火機構は、前記燃焼炉内で前記固体燃料の初期点火を行ない、
上述の構造によって、石炭または木炭などの固体燃料が燃焼炉の燃焼室内に輸送され、空気導入機構が適量の空気を燃焼炉の燃焼室内に導入し、固体燃料が燃焼炉の燃焼室内で燃焼されて高温高圧ガスが生成され、前記高温高圧ガスは燃焼炉上方の高温高圧ガス排出管から排出され、ガスタービンなどの機械装置を駆動し、更に、前記高温高圧ガスは動力として車両、ポンプモータまたは交流発電機などの機具を運転させ、構造が簡単で、安全性が高く、熱エネルギーの使用効率が高いことを特徴とする高温高圧ガス生成装置。
【請求項2】
前記燃焼炉に設けられた高温高圧ガス排出管上には、高温高圧ガス貯蔵槽が設けられることを特徴とする請求項1記載の高温高圧ガス生成装置。
【請求項3】
前記燃焼炉で生成された高温高圧ガスは、ガスタービンを駆動し、前記ガスタービンがエアコンプレッサを駆動し、空気が空気導入機構の制御を通じて燃焼室内に導入されることを特徴とする請求項1記載の高温高圧ガス生成装置。
【請求項4】
前記燃焼炉で生成された高温高圧ガスは、ガスタービンを駆動し、前記ガスタービンの運転によって直流発電機が駆動されて発電を行ない、蓄電器にその電気が保存され、次に燃焼炉を起動するときにその電力によって燃料輸送機構、点火機構およびエアコンプレッサが駆動されることを特徴とする請求項1記載の高温高圧ガス生成装置。

【図1】
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【公開番号】特開2009−79803(P2009−79803A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−248003(P2007−248003)
【出願日】平成19年9月25日(2007.9.25)
【出願人】(507319182)
【Fターム(参考)】