説明

高粘性物質吐出確認センサー

【課題】高粘性物質の塗布において、ノズルからの吐出不良を防止する。
【解決手段】高粘性物質圧送ポンプ1と定量吐出バルブ2と塗布ノズル4を備え、前記塗布ノズルと前記定量吐出バルブの間に高粘度物質確認センサ5を配す。前記高粘度物質確認センサは、圧縮コイルばね10と前記高粘度物質の流動圧力により摺動する金属製プランジャー8と近接センサーからなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工業製品組立ライン等で実施されている、潤滑グリース等高粘性物質の供給
吐出技術に関するものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
機械、電気製品等の生産現場における、従来の、高粘性物質圧送ポンプと定量吐出バルブによって高粘性物質を定量吐出する方法においては、ポンプや定量吐出バルブ内に空気が浸入した場合には、ポンプや定量吐出バルブが設定されている動作をしても、塗布ノズルから高粘性物質が吐出できなくなる。
ポンプにセットした高粘性物質容器内の物質残量が少なくなった場合、あるいは新しい物質容器に交換した場合にポンプ内に空気が浸入することが多い。
自動生産ラインにおいて、高粘性物質が塗布されていないことに気がつかず工程が進めば、不良品の発生が起こる。そのため生産担当者は、目視で吐出確認をしなければならない状況である。
【課題を解決するための手段】
【0003】
圧送ポンプや定量吐出バルブから送られてくる高粘性物質の供給吐出装置において、高粘性物質の流動圧力で移動する金属部品とその移動を検出して電気信号を出す近接センサーによって、吐出ノズルからの1ショットの高粘性物質の吐出を確認するための電気信号を出す。この電気信号を処理して、生産工程の制御を行う。
【発明の効果】
【0004】
1・生産担当者の、目視による高粘性物質吐出確認作業を軽減することができ、作業者の数を減らすことが可能になる。
2・不良品の発生を防ぐことができ、不良品回収コストをなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】本発明の実施例および、高粘性物質吐出確認センサーの圧送ポンプや定量吐出バルブに対する設置位置関係を示すものである。 配管中の高粘性物質は流れていない状態である。
【図2】金属製プランジャーと近接センサーとの位置関係および生産ラインの制御部との関係を示す。
【図3】金属製プランジャーが移動し、高粘性物質が流れている状態である。
【実施例】
【0006】
本発明は、高粘性物質圧送ポンプ(1)や定量吐出バルブ(2)から送られてくる高粘性物質が、ワーク(高粘性物質を塗布する生産品)(3)へ塗布ノズル(4)から確実に吐出され塗布されたことを検知するためのセンサーに関するものである。
本発明を実施する場合の構造の一例、および高粘性物質吐出確認センサー(本発明品)(5)の設置位置を図1に示す。
樹脂製のブロック(6)内に金属製プランジャーが摺動する空間(7)を設け、その空間内で摺動できるように金属製プランジャー(移動部品)(8)を設ける。
金属製プランジャー(8)は、それが摺動する空間(7)のなかで摺動する方向以外の方向においては最小の隙間となるような寸法とする。 また、摺動する空間(7)の内面と移動する金属製プランジャー(8)との間または、金属製プランジャー(8)に充分な断面積の流体通路を設ける。
また、金属製プランジャー(8)は圧縮コイルばね(10)により、流体の圧力が小さい場合には、その流れを止める機能も持つ。
高粘性物質入り口部分(9)の物質の圧力が小さい場合には、金属製プランジャー(8)は圧縮コイルばね(10)によって加圧され、定位置(物質の流動を止める位置)にある。
高粘性物質が圧送されてきたとき、その圧力で金属製プランジャー(8)が移動する。 この移動を近接センサー(11)で検出し、電気信号を出す。
電気信号が出たときは高粘性物質の吐出がなされたことを示し、信号が出なかったときには設定された量の高粘性物質が吐出されなかったことを示す。
必要なタイミングで電気信号が出ている状態のときは、高粘性物質塗布工程での異常は無し、信号が出なかったときには異常ありとして生産ライン(12)を停止したり、作業者に知らせる等の処置をとることができる。
【符号の説明】
【0007】
1 高粘性物質圧送ポンプ
2 定量吐出バルブ
3 ワーク(高粘性物質を塗布する生産品)
4 塗布ノズル
5 高粘性物質吐出確認センサー(本発明品)
6 樹脂製のブロック
7 金属製プランジャーが摺動する空間
8 金属製プランジャー
9 高粘性物質入り口部分
10 圧縮コイルばね
11 近接センサー
12 生産ライン
13 生産ライン制御部
14 生産ライン駆動部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高粘性物質の流動圧力で移動する金属部品とそれが摺動する空間の内面との位置関係
において、移動方向(摺動方向)以外の方向への移動量(すきま)を最小とし、かつ、摺動
する空間の内面と移動する金属部品との間または、金属部品に充分な断面積の流体通路を
設け、圧縮コイルばねにより流体の流れを止める機能も持つことを特徴とする金属部品。
【請求項2】
高粘性物質の供給吐出装置において、高粘性物質の流動圧力で移動する金属部品と
その移動を検出して電気信号を出す近接センサーによって、吐出ノズルからの1ショットの
高粘性物質の吐出を確認するための電気信号を得ることを特徴とする高粘性物質吐出確認
センサー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−220429(P2012−220429A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−88811(P2011−88811)
【出願日】平成23年4月13日(2011.4.13)
【出願人】(592160331)
【Fターム(参考)】