高血糖及び低血糖傾向を通知する分析物試験方法及びシステム
本明細書で説明するのは、保存された血中グルコースデータに基づいた事実情報を利用するシステム及び方法であり、ユーザーの糖尿病の管理に対する洞察を更に得ることを可能にする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、本出願に先立って出願され、それらの全体が参照として組み込まれる米国仮特許出願第61/308,217号(2010年2月25日出願)及び同第61/322,697号(2010年4月9日出願)に対し、米国特許法第119条及び/又は第120条の下で優先権の利益を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
糖尿病の個体にとって、グルコース監視は日常のことである。この監視の精度は、糖尿病者の健康、及び最終的には生活の質に多大な影響を与えることがある。一般に糖尿病の個人は、血中グルコース濃度を1日に数回測定し、血糖値を監視かつ制御する。血中グルコース濃度を正確にかつ定期的に検査しないと、心臓血管疾患、腎疾患、神経損傷、及び失明などの重篤な糖尿病関連合併症を引き起こす可能性がある。現在は、少量の血液サンプル中のグルコース濃度を個人が検査できる、多くの電子機器が存在する。このようなグルコース測定器の1つが、LifeScan製の製品であるOneTouch(登録商標)Profile(商標)グルコース測定器である。
【0003】
グルコース監視に加え、糖尿病の個人は多くの場合、例えば不規則な食事又は運動によって悪影響を受けないように、ライフスタイルに対する厳しい管理を維持しなければならない。更に、特定の糖尿病の個人を扱う医師は、糖尿病管理に対して効果的な治療や治療の変更を提供するために、その個人のライフスタイルに関する詳細な情報を必要とする場合がある。現在、糖尿病の個人のライフスタイルを管理する方法の1つとして、その患者にライフスタイルに関する紙の日記をつけさせることがある。別の方法として、その個人にライフスタイルに関する出来事を単に記憶させ、各診察時に医師にその詳細を伝えさせることがある。
【0004】
ライフスタイルに関する情報を記録する上記の方法は、本質的に難しく、時間がかかり、かつ場合によっては正確ではない。紙の日記は、個人が必ずしも常に携帯しておらず、必要な時に正確に記録できない場合がある。このような紙の日記は小さいため、ライフスタイルにおける出来事の詳細な記述を必要とする詳細情報を記入することが難しい。更に、手書きのノートを手作業で確認し、その情報を解釈すべき医師に質問された際に、しばしば、個人はライフスタイルの主要な出来事を忘れている場合がある。紙の日記からは、要素情報を抽出又は分類するための分析が得られない。また、この情報の縮図又は概要もない。二次データ記憶システム、例えばデータベース又はその他電子システムへのデータ入力は、この二次データ記憶装置への、ライフスタイルデータを含む情報の労力を要する複写作業を必要とする。データの記録が難しいため、関連情報を思い出しながら入力することになり、結果として不正確かつ不完全な記録となる。
【0005】
現在は、個人のグルコース濃度を測定でき、かつ、分析用の別のコンピュータに読み出し又はアップロードするためにこの濃度を保存できる多くの携帯用電子機器が存在する。このような機器の1つが、Roche DiagnosticsのAccu−Check(商標)Complete(商標)Systemであり、ライフスタイルデータの保存に対する制限された機能を提供する。しかし、Accu−Check(商標)Complete(商標)Systemでは、計測器内に保存されるライフスタイル変数は制限されたものが選択できるのみである。事前に計測器内に入力された値からのインテリジェントフィードバックはなく、計測器をたまに使用するユーザーにとってユーザーインターフェースは直観的ではない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態において、糖尿病管理ユニットを使用して得た血糖値における高値又は低値傾向をユーザーに通知する方法が提供される。ユニットは、ディスプレイ、メモリ、及びユーザーインターフェースボタンに接続されたマイクロプロセッサを含む。該方法は、前記マイクロプロセッサを使用して、ユーザーの複数回の血糖測定を実施する工程と、該複数回の血糖測定をメモリに保存する工程と、一日の間の所与の時刻における最新の血糖測定値が、第1の閾値を下回るか又は第2の閾値を上回るかどうかを判定する工程と、N日間を通じた最新の血糖測定値の所与の時刻前後のX時間の時間枠内に実施された複数回の血糖測定の少なくとも1つの血糖測定値が、第1の閾値より低いか又は第2の閾値より高いかどうかをマイクロプロセッサを使用して評価する工程と、該評価工程が達成され次第、N日間を通じた少なくとも2日の同一時間枠において、複数回の血糖測定が、閾値より低い血糖傾向又は第2の閾値より高い血糖傾向を示すことを通知する工程と、によって達成され得る。
【0007】
更なる実施形態において、グルコース試験ストリップと糖尿病管理ユニットとを含む糖尿病管理システムが提供される。糖尿病管理ユニットは、ハウジングと、試験ストリップポートと、複数のユーザーインターフェースボタンと、マイクロプロセッサとを含む。ハウジングは、グルコース試験ストリップを収容するように構成された試験ストリップポートを含む。マイクロプロセッサは、試験ストリップポートに接続されて、試験ストリップの上に沈着したユーザーの生理液中の測定されたグルコースの量に関するデータを提供し、また、該マイクロプロセッサは、メモリ、及びユーザーインターフェースボタンに更に接続される。マイクロプロセッサは、(a)ユーザーの複数回の血糖測定を実施する、(b)複数回の血糖測定を保存する、(c)一日の間の所与の時刻における最新の血糖測定値が、第1の閾値を下回るか又は第2の閾値を上回るかどうかを判定する、(d)N日間を通じた最新の血糖測定値としての、所与の時刻前後のX時間の時間枠内に実施された複数回の血糖測定の少なくとも1つの血糖測定値が、第1の低閾値より低いか又は第2の閾値より高いかどうかを評価する、及び(e)該評価が達成され次第、N日間を通じた少なくとも2日の同一時間枠内で、複数回の血糖測定が、低閾値より低い傾向又は第2の閾値より高い傾向を示していることを通知する、ようにプログラムされる。
【0008】
これら及び他の実施形態、特徴並びに利点は、以下に述べる本発明の異なる例示的実施形態のより詳細な説明を、はじめに下記に簡単に述べる付属の図面とあわせて参照することによって当業者にとって明らかになるであろう。
【0009】
本明細書に援用する明細書の一部をなす添付図面は、現時点における本発明の好適な実施形態を示したものであって、上記に述べた一般的説明並びに下記に述べる詳細な説明とともに、本発明の特徴を説明する役割を果たすものである(同様の数字は同様の要素を表す)。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1A】分析物測定と、データ管理ユニットと、生体内感知装置とを含む糖尿病管理システム。
【図1B】糖尿病データ管理ユニットの例示の回路基板の簡略図。
【図2A】糖尿病データ管理ユニットのユーザーインターフェースのプロセスフローの概要。
【図2B】糖尿病データ管理ユニットのユーザーインターフェースのプロセスフローの概要。
【図2C】糖尿病データ管理ユニットのユーザーインターフェースのプロセスフローの概要。
【図2D】糖尿病データ管理ユニットのユーザーインターフェースのプロセスフローの概要。
【図3】低血糖測定値傾向を提供するルーチン400。
【図4】高血糖測定値傾向を提供するルーチン500。
【図5A】低血糖傾向を警告するための様々な画面及びユーザーインターフェースフロー。
【図5B】ユーザーに提供される代替の低値傾向メッセージを有する様々な画面及びユーザーインターフェースフロー。
【図6A】高血糖傾向警告のための様々な画面及びユーザーインターフェースフロー。
【図6B−1】ユーザーに提供される代替の高値傾向メッセージを有する様々な画面及びユーザーインターフェースフロー。
【図6B−2】ユーザーに提供される代替の高値傾向メッセージを有する様々な画面及びユーザーインターフェースフロー。
【図6C】食前BG結果を空腹時BG結果としてフラグ付け又はタグ付けする必要があるかどうかを判定するための論理フロー。
【図7】高値傾向を判定するための代替の論理フロー。
【図8】本明細書に記載されかつ図示される本発明を用いることができる様々な機器及びシステム。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の詳細な説明は、図面を参照しつつ読まれるべきもので、異なる図面中、同様の要素は同様の参照符号にて示してある。図面は必ずしも一定の縮尺を有さず、選択した実施形態を示したものであって、本発明の範囲を限定するものではない。詳細な説明は本発明の原理を限定するものではなく、あくまでも例として説明するものである。この説明文は、当業者による発明の製造及び使用を明確に可能ならしめるものであり、出願時における発明を実施するための最良の形態と考えられるものを含む、発明の複数の実施形態、適応例、変形例、代替例、並びに使用例を述べるものである。
【0012】
本明細書で任意の数値や数値の範囲について用いる「約」又は「およそ」という用語は、構成要素の部分又は構成要素の集合が、本明細書で述べるその所望の目的に従って機能することを可能とするような適当な寸法の許容誤差を示すものである。更に、本明細書で用いる「患者」、「ホスト」、「ユーザー」、及び「被験者」という用語は任意のヒト又は動物患者を指し、システム又は方法をヒトにおける使用に限定することを目的としたものではないが、ヒト患者における本発明の使用は好ましい実施形態を代表するものである。
【0013】
図1Aは、糖尿病データ管理ユニット10(「DMU」)と、グルコース試験ストリップ24の形態の生体内感知装置とを含む糖尿病管理システムを示す。図1Aに示されるように、グルコース測定器10又はDMU 10は、ハウジング11と、ユーザーインターフェースボタン(16、18及び20)と、ディスプレイ14、ストリップポートコネクタ22と、データポート13と、を含むことができる。ユーザーインターフェースボタン(16、18及び20)は、データの入力、メニューのナビゲーション、及びコマンドの実行を可能とするように構成することができる。データには、検体濃度及び/又は患者の日常の生活習慣に関連した情報を表す値を挙げることができる。日常の生活習慣に関連した情報には、食物の摂取、薬の使用、健康診断の実施、並びに個々の一般的な健康状態及び運動レベルを挙げることができる。具体的には、ユーザーインターフェースボタン(16、18及び20)には、第1のユーザーインターフェースボタン16、第2のユーザーインターフェースボタン18、及び第3のユーザーインターフェースボタン20が含まれる。ユーザーインターフェースボタン(16、18及び20)には、ユーザーがユーザーインターフェースをナビゲートすることを可能にする第1のマーキング17、第2のマーキング19、及び第3のマーキング21がそれぞれ含まれる。ボタンは機械スイッチとして示されているが、仮想ボタンを有するタッチ画面を使用することもできる。図1Aに示されるように、DMUは、例えば、図5及び図6の高血糖及び低血糖傾向用のユーザーインターフェースなどの、様々なユーザーインターフェースを備えている。
【0014】
測定器10の電子構成要素は、ハウジング11内部の回路基板34上に配置することができる。図1Bは、回路基板34の上面上に配置された電子構成要素を(概略的な形で)示す。上面の電子構成要素としては、ストリップポートコネクタ22、オペアンプ回路35、マイクロコントローラ38、ディスプレイコネクタ14a、不揮発性メモリ40、クロック42、及び第1の無線モジュール46が挙げられる。下面上の電子構成要素としては、バッテリーコネクタ(図示せず)及びデータポート13を挙げることができる。マイクロコントローラ38は、ストリップポートコネクタ22、オペアンプ回路35、第1の無線モジュール46、ディスプレイ14、不揮発性メモリ40、クロック42、バッテリー、データポート13、並びにユーザーインターフェースボタン(16、18、及び20)と電気的に接続され得る。
【0015】
オペアンプ回路35は、ポテンシオスタット機能及び電流測定機能の一部を提供するように構成された2つ以上のオペアンプを含み得る。ポテンシオスタット機能とは、試験ストリップの少なくとも2つの電極間に試験電圧を加えることを指し得る。電流機能とは、加えられた試験電圧によって生じる試験電流を測定することを指し得る。電流測定は、電流電圧変換器によって行うことができる。マイクロコントローラ38は、例えばTexas Instrument MSP 430などの混合シグナルマイクロプロセッサ(MSP)の形態であってよい。MSP 430は、ポテンシオスタット機能及び電流測定機能の一部を行うように構成することもできる。更に、MSP 430は、揮発性及び不揮発性メモリを含むこともできる。別の実施形態では、電子要素の多くを特定用途向け集積回路(ASIC)の形態でマイクロコントローラに組み込むことができる。
【0016】
ストリップポートコネクタ22は、試験ストリップと電気的接続を形成するように構成することができる。ディスプレイコネクタ14aは、ディスプレイ14に取り付けるように構成することができる。ディスプレイ14は、測定された血糖値を報告し、生活習慣に関連した情報の入力を容易にするための、液晶ディスプレイの形態であってよい。ディスプレイ14は、任意にバックライトを有してよい。データポート13は、接続リード線に取り付けられた適当なコネクタを受容することにより、グルコース測定器10をパーソナルコンピュータなどの外部機器に接続することができるようになっている。データポート13は、例えば、シリアル、USB、又はパラレルポートなど、データ送信が可能な任意のポートであってもよい。クロック42は、ユーザーが位置する地理的領域に関連する現在時刻を維持し、また時間を計測するように構成され得る。DMUは、例えば、バッテリーなどの電源と電気的に接続されるように構成され得る。
【0017】
一実施形態において、試験ストリップ24は、電気化学的グルコース試験ストリップの形態であり得る。試験ストリップ24は、1つ以上の作用電極及び対電極を含んでよい。試験ストリップ24は、複数の電気的接触パッドを更に含むことができ、その場合、各電極は少なくとも1つの電気的接触パッドと電気的に導通することができる。ストリップポートコネクタ22は、電気的接触パッドと電気的にインターフェースし、電極と電気的に連通しているように構成され得る。試験ストリップ24は、少なくとも1つの電極上に配置されている試薬層を含み得る。試薬層は、酵素及び調節物質を含み得る。試薬層に使用するのに適した例示的な酵素としては、グルコースオキシダーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ(ピロロキノリンキノン補因子「PQQ」とともに)、及びグルコースデヒドロゲナーゼ(フラビンアデニンジヌクレオチド補因子「FAD」とともに)が挙げられる。試薬層に使用するのに適した例示的な調節物質としては、フェリシアニドがあり、この場合では酸化型である。試薬層は、グルコースを酵素的副産物に物理的に変換させ、その過程でグルコース濃度に比例した所定量の還元型の調節物質(例、フェロシアニド)を生成するように構成することができる。この後、作用電極によって還元型調節物質の濃度を電流の形態で測定することができる。次いで、グルコース測定器10は電流の大きさをグルコース濃度に変換することができる。好ましい試験ストリップの詳細は、米国特許第6179979号、同第6193873号、同第6284125号、同第6413410号、同第6475372号、同第6716577号、同第6749887号、同第6863801号、同第6890421号、同第7045046号、同第7291256号、及び同第7498132に提供されており、当該特許の全ては参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0018】
図2A、図2B、図2C、及び図2Dを参照すると、DMUのユーザーインターフェースの一部の例示的なプロセスフローが提供されている。具体的には、図2Aにおいて、プロセスフローは、好適な試験ストリップ24がDMU 10に挿入された時点200で開始する。202における血糖(「BG」)結果がユーザーに通知される。本明細書で用いる場合、用語「通知される」及びこの語幹の変形は、文字、音声、画像、又は全ての通信モードの組み合わせを介して、ユーザーに通知が与えられることを示す。BG読取値204は、ユーザーがメニューを介してスクロールすることができる画面206で使用するために保存され、該メニューは、過去のBG結果208を呼出すことから始まって、タグ又はフラグ210を追加又は編集し、傾向警告212を取得し、インスリンボーラス214を計算し、メインメニュー216に戻る。メニュー206上の機能212〜214のいくつかは、かかる機能の1つ以上がメインメニューで有効にされているかどうかによっては使用不可能な場合がある。BG結果に関してフラグ210の編集又は追加が要求される場合、次の選択肢が利用可能である:空腹時フラグ210a(例えば、少なくとも6〜8時間の空腹期間の間に得られるBG結果);食前フラグ210b(例えば、食事前に得られるBG結果);食後フラグ210c;就寝時フラグ210d;又はタグなし210e。
【0019】
ユーザーがDMUのメインメニューにアクセスすることを望む場合、220においてDMUのボタンの1つを長期間にわたって(例えば、2秒超過)作動させることによって、図2Bのメインメニュー230にアクセスすることができる。メインメニュー230では、ユーザー又は保健医療提供者(「HCP」)が、次の機能を利用することができる:前回の血糖結果232;過去のBG結果234;インスリン投与の計算214;高又は低値傾向の指標の提供238;及び機器設定240。前回の血糖結果232が選択された場合、プロセスは結果画面242に流れる。この画面242では、ユーザーは次の機能を利用することができる:前回のBG結果244又は過去の結果246。画面246では、タグ210の追加又は編集、傾向警告212、インスリンの計算214、又は過去のメニュー画面に戻る230を選択する能力に加えて、前回のBG読取値が提供される。
【0020】
図2Bを参照して、画面230の利用可能な機能の残りを説明する。BG結果の履歴が所望の場合には、ユーザーが画定したパラメーターに基づいて、DMUによって収集又は実行された結果のログ256a、BG結果の平均256bを選択できる画面256が提供される。ユーザーインターフェースにおいて標準であるように、前画面選択256cも設けられている。結果ログ256aが選択される場合には、ある範囲の結果262、264、及び一連の後続の結果を通知する画面260(図2A)が提供される。図2Bに戻って参照すると、結果の平均256bを機器に保存するのが所望の場合には、様々な範囲のBG平均結果を表示することができる画面270が提供される。例えば、7日間の平均、14日間の平均、30日間の平均、90日間の平均(ユーザー又はHCPにとって望ましい任意の範囲)が提供される。あるいは、日付範囲のそれぞれの平均に加えて、事前に決められた日付範囲のそれぞれの中央値を提供することもできる。
【0021】
インスリンボーラスを計算することをユーザーが望む場合には、機器は計算プロトコル282を起動して、計算されたインスリンボーラスを提供することができる。本明細書には、(a)炭水化物適用範囲、(b)グルコース補正、又は(c)それらの組み合わせ、の3つのタイプのインスリンボーラスが記載されている。炭水化物適用範囲のためのインスリンボーラス量は、食事時に消費されようとする炭水化物に対処するのに必要なインスリン量であり得る。グルコース測定値補正のためのインスリンボーラス量は、目標正常血糖グルコース値を超える、ユーザー測定によるグルコース値に対処するのに必要なインスリン量であり得る。補正の組み合わせ(例えば、炭水化物値及び測定グルコース値)は、消費されようとする炭水化物及びユーザー測定によるグルコース値に対処するのに必要なインスリン量であり得る。
【0022】
グルコース補正用量は、正常血糖域を超える最近のユーザー測定によるグルコース値に対処するのに必要なインスリンの量である。炭水化物適用範囲用量は、消費されようとする炭水化物量に基づいて計算されたインスリンの量である。補正の組み合わせ(例えば、炭水化物値及び測定グルコース値)は、消費されようとする炭水化物及びユーザー測定によるグルコース値に対処するのに必要なインスリン量であり得る。インスリン投与量の計算の詳細は、2009年9月29日出願の米国暫定特許出願第61/246,630号(代理人整理番号DDI−5190)、2010年1月22日出願の米国暫定特許出願第61/297,573号(代理人整理番号LFS−5211)、及び2010年2月25日出願の米国暫定特許出願第61/308,196号(代理人整理番号DDI−5195)に提供されており、当該特許出願の全ては本出願に組み込まれる。
【0023】
図2Bに戻って参照すると、画面230により、ユーザーは高/低値傾向画面238を選択することができる。画面238により、ユーザーは、ユーザーに与えられる様々な警告286、288及び後続の一連のものを見ることができる。特定の警告、例えば、警告286を選択することにより、ユーザーは、メッセージの内容292及びメッセージの詳細294を含む画面290を見ることができる。詳細294を選択すると、ユーザーは、BG結果298、300、及び一連の後続の結果の履歴を含む画面296に進むことができる。
【0024】
機器設定240が所望の場合には、ユーザーによる調整が可能な設定である、時刻244、日付246、言語248、及びツール設定250の選択を可能にする画面243が提供される。機器情報選択252及び前画面選択254も画面243に提供される。ツール設定選択250により、ユーザー又はHCPは、DMU 10を該ユーザー用に設定することができる。具体的には、ツール設定機能250が選択されると、タグ付け又はフラグ付けフィールド304の設定、インスリン計算フィールド306設定、及び高/低値傾向フィールド308の設定などの、様々な設定を選択することができる画面302が提供される。タグ付け又はフラグ付け機能をオンにするために、画面310は、ユーザーが画面302内のフィールド304までポインタをスクロールすることにより、この機能をオン又はオフさせることができるようにする。インスリン計算を修正するために、ユーザーは、画面315に切り替えるプロセスフローのためのフィールド306まで、ポインタをスクロールしなければならない。高/低値傾向警告を修正するために、ユーザーは、画面312に切り替えるプロセスフローのためのフィールド308まで、ポインタをスクロールしなければならない。高/低値傾向308が選択されると、傾向警告326及び自分のトレンド設定328などを含む様々な設定の選択を可能にする画面312が提供される。傾向警告326を起動するために、画面314は、ユーザーがこの機能をオン又はオフさせることができるようにする。自分のトレンド設定328を調整するために、画面316は、ユーザーが閾値を修正することができるようにする。閾値の修正は、予め保存された低閾値を修正するために画面322においてフィールド318を選択することによって、又はフィールド320を選択して予め保存された高い設定を修正することによって、画面316を介して行うことができる。傾向機能の高及び低閾値に対する修正の例示的な実施形態として、図2Cを参照する。
【0025】
図2Dにおいて、ユーザーは、ツール設定画面302を選択し、予め設定された第1及び第2の閾値(例えば、第1の閾値に関しては、血液1デシリットル当たり約70ミリグラムのグルコース、及び第2の閾値に関しては、血液1デシリットル当たり約150ミリグラムのグルコース)を修正するために、「高/低値傾向:ON」機能をハイライト表示することができる。ハイライト表示されたフィールドが選択されると、画面312が表示される。フィールド「自分のトレンド設定」が選択されると、313において論理チェックが行われて、血糖測定値のタグ付け又はフラグ付けが可能かどうかを判定する。真の場合には、画面316は第1の閾値及び第2の閾値を表示する。第1の閾値318を選択すると画面322が表示されて、ユーザー又はHCPは、画面322に予め保存された第1の閾値の数値326を変更することができる。画面316の第2の閾値320を選択すると、ユーザー又はHCPは、画面324に予め保存された第2の閾値の数値328を変更することができる。高値傾向がユニットによって検出されるようにBG測定値にタグ付け又はフラグ付けすることをユーザーに想起させるために、メッセージ330も提供される。
【0026】
その一方で、313における論理演算がいいえを返す場合には、ユニットは、タグ付け機能がオンにされなければ、画面332の第2の閾値の有効化を阻止するようにプログラムされる。ユーザーが空白の第2の閾値を選択し続ける場合、高値傾向が検出されるようにタグ付け機能を有効にする必要がある旨のメッセージが、画面334に表示される。これは、食前限度とタグ付けとの関係をユーザーが理解するのを助けるのを目的としている。換言すれば、食前測定のタグ付けがなされない場合には、高値傾向メッセージを提供する意味がほとんどない。更に、たとえタグ付けが有効にされたとしても、ユーザーは、食前の高値傾向がユーザーにとって有益であるように、タグ付けを常に用いる必要があることを、メッセージ330によって想起させられる。
【0027】
動作中、ユーザーは血糖測定を行い(図2Aの200)、BG結果が表示される(202)。例えば、ここでは、最新のBG結果が、画面600上に9:30AMに測定された65mg/dLとして図5Aに示されている。あるいは、図5Aを参照すると、ユーザーは、画面608で最新のBG結果を呼び出すことができる。この時点で、マイクロプロセッサは、図3の論理を用いることになる。図3では、402において現在の又は最新のBGが比較されて、かかるBG結果が第1の閾値を下回るかどうかを判定する。402で真の場合には、マイクロプロセッサは、次に404において、直近のN日間以内に最新のBG測定602が行われたのと同一時刻(9:30AM)をブラケット表示しているX時間ウィンドウの範囲内に(例えば、約8AMから約11AMまでのおよそ3時間)行われた複数回の血糖測定の少なくとも1回以上が、第1の閾値よりも小さいかどうかを判定する。図5Aの例では、BG結果は65mg/dLであり、これは予め設定された第1の閾値である約70mg/dLよりも低い。BGは9:30AM頃に測定された。本明細書に記載される論理に基づいて、マイクロプロセッサは、過去N日間に最新の血液測定が行われた時間であるこの時間(即ち、9:30AM前後)をブラケット表示しているX時間の時間枠内に測定された保存されている血糖測定値に注目し、このような所与の時刻(即ち、9:30AM)前後のブラケット表示された時間枠内の少なくとも1つの血糖測定値が、第1の閾値よりも小さいかどうかを判定する。少なくとも1つの先の測定値がこの条件に当てはまる場合、マイクロプロセッサは、低値傾向を警告するメッセージ406を通知する。具体的には、図5Aに示されるように、画面604において、65mg/dLである最新の血糖測定値を得た所与の時刻をブラケット表示している同一時間枠で、N日間のうちの少なくとも2日間に関して低値傾向が検出されたことを、テキストメッセージが示す。ユーザーが前回の血糖結果を見ることを望む場合には、画面608が表示されることができ、低値傾向メッセージ609の選択対象を選択することができる。こうした選択対象では、画面604は、図5Aに示されるように、低値傾向が検出されたという一般的な表示を提供する。ユーザーは、低値傾向の検出に関する詳細、例えば、画面606上に示されているような日付、時刻、及びBG結果の値を列挙した表などを見るために、画面604で「詳細を表示(Get Details)」を選択してもよい。ユーザーがメニュー画面610を見ている場合には、ユーザーは、日付及び時刻のリストから高値傾向又は低値傾向のいずれか一方が検出されたという画面612の一般的な表示を、画面610から選択してもよい。この一般警告の詳細を見るために、ユーザーは、10月10日の9:30AMといったような具体的な日付を選択し、これにより、一般警告が低値傾向に関連したものであるという一般化された表示が提供される。詳細には、ユーザーは、低値傾向の検出に関する詳細、例えば、画面606上に示されているような日付、時刻、及びBG結果の値を列挙した表などを見るために、画面606を選択してもよい。
【0028】
代替実施形態では、図5Aのメッセージ604の代わりに、図5Bの少なくとも3つの異なる画面(604a、604b、604c)を利用することができる。この代替実施形態では、第1のメッセージ604a(例えば、「警告。あなたのグルコースはこの時刻付近で減少しています」)をユーザーに通知することができる。低値傾向メッセージを確実にする異なる場合では、メッセージ604aそのものの代わりに、メッセージ604aと意味的に同じ意味を有するメッセージ604b(例えば、「あなたのグルコースはこの時刻付近で減少しているようです」)をユーザーに通知することができる。本明細書に記載される論理に従った低値傾向メッセージが必要な更に別の場合には、メッセージ604a及び604bのいずれかの代わりに、メッセージ604c(例えば、「あなたのグルコースはこの時刻付近で減少しています。確認して下さい」)を利用することができる。先に記載した通り、ユーザーは、低値傾向の検出に関する詳細、例えば、画面606上に示されているような日付、時刻、及びBG結果の値を列挙した表などを見るために、画面604a、604b、又は604cのうちのいずれかで「詳細を表示」を選択してもよい。画面606の代わりに代替画面606’を提供することができる。この画面606’では、詳細は、画面606’の区画607aの中にユーザーの値が低くなった回数として、区画607b及び607cのそれぞれの中に低い読取値の特定の日付及び時刻として、提供される。例えば、低判定の根拠となった値、及び読み取りが食前のタグ(例えば、食べられていない果物(例えば、リンゴなど)の好適なアイコンで示される)を有して取られたかどうかといった追加情報を、区画のそれぞれの中に提供することも可能である。同じメッセージが何度も繰り返されているとユーザーが認識しないように(これは、ユーザーの血糖値に関して高値傾向が存在するという点をユーザーが無視するといった間違った状態にユーザーを陥らせる可能性がある)、低値傾向パターンメッセージに関する異なるフォーマットのメッセージ604a、604b、604c等が、図のように決まった順序で、又はランダムな順序で表示されてもよいことを指摘しておく。
【0029】
その一方で、図4、図6A、及び図6Bを参照すると、最新のBG測定値が高い又は第2の閾値を上回り、こうした新しいBGが「空腹時」又は「食前」の一方としてタグ付けされた又はタグ付けされていた場合は、マイクロプロセッサは、180mg/dLである最新のBG測定が行われたのと同一期間(例えば、10:13AM)をブラケット表示しているX時間のウィンドウ内の過去N日間に実施された予め保存されている血糖測定値をポーリングする。図6Aの例では、最新のBG(702)が画面700上に180mg/dLとして示されており、この値は、予め設定された第2の閾値である約170mg/dLよりも高い。ここで、この最新のBGは、画面704で、選択対象フィールド706の「食前」測定値であるとしてタグ付けされている。両方の条件(即ち、第2の閾値超過及び食前又は空腹の一方のタグ付け)が満たされているので、マイクロプロセッサは、最新又はタグ付けされたBG測定が行われた時刻(10:13AM)をブラケット表示しているX時間の時間ウィンドウにわたって、過去N日間に実施された予め保存されている血糖測定値をポーリングする。最新のBGが取られたのと同一時刻をブラケット表示している時間ウィンドウ(例えば、約3時間)の中に第2の閾値を超える少なくとも1つの先のグルコース測定値が存在する場合には、画面708は、高値傾向が検出されという一般警告を提供する。別の実施形態において、高値傾向警告をトリガするためには、最新のBGが取られたのと同時刻をブラケット表示している時間ウィンドウ内(例えば、約3時間)に、第2の閾値よりも大きい2つ以上の先のグルコース測定値が必要であり得る。この傾向の詳細を得るために、ユーザーは、画面712を提供するフィールド709を選択するように促される。画面712は、N日間のうち3日に、これら3日のそれぞれのおよそ同一時刻に高いBG値の傾向が存在していることを示す。ユーザーは、画面716を提供するフィールド714を選択することによって、この傾向の更なる詳細を得ることができる。画面716は、例えば、3つのBG測定値718、720、722の表、並び対応する日付及び時刻を示す。あるいは、画面716の代わりに画面716’を使用して、ユーザーに更なる情報を提供することができる。この画面716’では、詳細は、画面716’の区画717の中にユーザーの値が低くなった回数として、それぞれの区画718’、720’、及び722’の中に低い読取値の特定の日付及び時刻として、提供される。高いグルコース判定の根拠となった正確な値、及び読み取りが食前のタグ(例えば、食べられていない果物(例えば、リンゴなど)の好適なアイコンで示される)を有して取られたかどうかといった追加情報を、区画のそれぞれに提供することも可能である。
【0030】
図6Bの代替実施形態では、図6Aに見られるような単一メッセージ712ではなく、順序通りに又はランダムな順序でユーザーに提示されることができる、少なくとも3つの異なるフォーマットのメッセージが存在する。特に、意味的に同様のメッセージを伝達するために、少なくとも3つの異なるフォーマットのメッセージ712a、712b、及び712cが利用される。例えば、ユーザーがフィールド709を選択すると、メッセージ712a(例えば、「警告、あなたの食前(又は空腹時)グルコース値はこの時刻付近で上昇しています」)が提供されてもよい。ユーザーが再度フィールド709を選択した異なる場合には、712aではなく、メッセージ712b(例えば、「あなたの食前(又は空腹時)グルコースはこの時刻付近で上昇しています。確認して下さい」)が提供されてもよい。同様に、ユーザーがフィールド709を選択した更なる別の場合には、712bの代わりに、メッセージ712c(例えば、「警告。この時刻付近で食前(又は空腹時の間)にあなたのグルコースは上昇しています」が提供されてもよい。メッセージ712a、712b、712cなどは、同様のフォーマットのメッセージが何度も繰り返されているとユーザーが認識しないように(これは、ユーザーの血糖値に関して高値傾向が存在するという要点をユーザーが無視するといった間違った状態にユーザーを陥らせる可能性がある)、順次に又はランダムに循環されてもよい。
【0031】
ユーザーが前回の血糖結果を見ているシナリオでは、フィールド728においてこの前回の血糖結果にタグ付けする選択肢をユーザーに提供できる画面724が提供される。画面730は、タグ付けフィールドのメニューを提供する。ユーザーが「食前」タグ732を選択すると、画面734は、736において、高値傾向が検出されたという一般警告を提供する。フィールド736を選択すると、画面712は、N日間のうち3日に、これら3日のそれぞれにおいておよそ同一時間枠に高いBG値の傾向が存在するというより詳細な表示を表示する。
【0032】
ユーザーは「食前」タグ又は「空腹時」タグを選択することができるにもかかわらず、マイクロプロセッサは、特定の血糖測定値が空腹期間中に取られた測定値であることを自動的に推測するようにプログラムされてもよい。具体的には、図6Cの論理フロー750を参照すると、その日のうちの特定の数時間のユーザーが予め設定した時間枠内のDMUのクロックに基づいて(758)、対象の測定値が、752において、前回の血糖検査又は測定からN時間後の食前測定値としてタグ付けされ(754)、かつ、食前タグ付けされた測定値がその日の最初の検査であった場合(756)には、対象の測定値は、空腹時タグを示すように修正される(764)。値「N」は、1/2時間から8時間までの任意の値であり得、時間枠は、特定のクロック時間によって画定される任意の範囲(例えば、810の1AM〜8AM)であり得、又は、例えば3:00AM〜11:00AMのように予め設定されることができる。その結果、空腹時の測定値が、図6Cの例示された論理750に従って高値傾向を示している場合に、図6Aのメッセージ712と異なるメッセージが提示されてもよい。例えば、所与の数日間のうちに「空腹時高」パターンが何度も検出されたというメッセージ712’を、図6Aのメッセージ712の代わりに用いることができる。
【0033】
ユーザーがメニュー画面738を見ている別のシナリオでは、高値(又は空腹時高の)傾向が検出されたことを警告するために、一般的な表示740が提供され得る。フィールド740を選択すると、画面742は、例えば、高値傾向を構成する日付及び時刻743、744、745、及び746の表を示す。
【0034】
好ましい実施形態では、X時間のウィンドウは約6時間を含み、N日間は、約2日〜約21日の範囲であってもよい。別の好ましい実施形態では、X時間のウィンドウは約3時間を含み、N日間は、約2日〜約30日、最も好ましくは約2日〜約5日の範囲であってもよい。
【0035】
本明細書に記載されるシステム及びプロセスを用いて、糖尿病管理ユニットを使用して得た血糖値の高値又は低値傾向をユーザーに通知する方法が提供される。該方法は、マイクロプロセッサを使用して複数回の血糖測定を実施する工程と、複数回の血糖測定をメモリに保存する工程と、最新の血糖測定値が第1の閾値を下回るか又は第2の閾値を上回るかを判定する工程と、N日間にわたる最新の血糖測定値としての、時間枠内に実施された複数回の血糖測定のうちの少なくとも1つの血糖測定値が、第1の低閾値より低いか又は第2の閾値より高いかを、マイクロプロセッサを使用して評価する工程と、評価工程が達成され次第、N日間を通じた少なくとも2日の同一時間枠内で、複数回の血糖測定が低閾値より低い傾向又は第2の閾値より高い傾向を示していることを通知する工程と、を含む。
【0036】
図7に示されるような更なる代替実施形態では、高値傾向検出論理800がシステムに提供される。この論理フローでは、最新のBG結果が高閾値より高いかどうかに関して論理的質問802がなされる。真の場合には、最新のBG結果が食前BG結果又は空腹時BG結果としてタグ付けされたかどうかに関する論理的質問804がなされる。真の場合には、論理は、過去N日間(例えば、4日)にわたる2つ以上の先のBG測定値が高閾値を上回るかどうかを判定する質問806に流れる。真の場合には、論理は、同じ2つ以上のBG結果が、食前BG結果又は空腹時BG結果のいずれかとしてフラグ付けされたかどうかを判定する質問808に流れる。真の場合には、論理は、最新のBG結果及び同じ2つ以上の過去のBG結果が全てX時間の時間枠内で生じているかどうかを判定する質問810に流れる。真の場合には、論理800は出力812で高値傾向警告を通知する。質問802〜810において、論理が偽を返す場合には、ルーチンは814で終了する。好ましい実施形態において、変数Nは約2日〜90日までの任意の値であり得、Xは約1時間〜約7時間までの任意の値であり得る。
【0037】
論理800の例では、次の表1に記載されるように、ユーザーは月曜日から金曜日に一連の測定を行い、最新のBG結果は金曜日の9AMであるものとする。
【0038】
【表1】
【0039】
表1を参照すると、最新のBGは、論理的質問802及び804に対して論理的真状態を有する(即ち、高閾値を超えかつ空腹時としてフラグ付けされている)。過去4日のそれぞれに関する少なくとも1つのBGは、論理的質問806及び808に対して論理的真状態を有する。論理的質問810は、最新のBG値(質問802及び804)並びに少なくとも2つのBG値(質問806及び808)である少なくとも3つのBG値を評価する必要がある。
【0040】
過去4日に収集された結果に基づいて、金曜日の9:00AMの最新のBGと共に警告メッセージが通知されることになる。3時間の時間枠は、時刻の時系列で、7:50AM(月曜日)、9:00AM(金曜日)、及び10:49AM(火曜日)を含むことができ、最新の時刻と最初の時刻との間の差は3時間未満である(10:49AM−7:50AM=2時間59分)。したがって、月曜日、金曜日、及び火曜日のBG値がこの3時間の時間枠に入る。月曜日、金曜日、及び火曜日の他に、3時間の時間枠は、時刻の時系列で、7:40AM(水曜日)、7:50AM(月曜日)、及び9:00AM(金曜日)も含むことができ、その場合、最新の時刻と最初の時刻との間の差は3時間未満である(9:00AM−7:40AM=1時間20分)。
【0041】
表1に戻って参照すると、水曜日の高値傾向警告は存在しない。水曜日に関しては、7:40AM(水曜日)、7:50AM(月曜日)、及び10:49AM(火曜日)である2つの過去のBG値及び1つの最新のBG値が論理的質問810で評価され、その場合、最新の時刻と最初の時刻との間の差は3時間未満である(即ち、10:49AM−7:40AM=3時間9分)。したがって、水曜日、月曜日、及び火曜日のBG値は3時間の時間枠に入らない。
【0042】
表1に戻って参照すると、木曜日の高値傾向警告は存在しない。木曜日に関しては、2つの過去のBG値及び1つの最新のBG値が論理的質問810で評価される。論理的質問810で評価され得る過去の日の組み合わせには、月曜日/火曜日、月曜日/水曜日、及び火曜日/水曜日の3つの組み合わせが存在することに留意されたい。ここで、過去の日の組み合わせのうちの任意の1つと最新BGとを組み合わせることは、3時間の時間枠の範囲に入る3つのBG値をもたらさない。
【0043】
表1に記載の実施形態では、一日当たり1つだけの、高閾値を超えかつ空腹時とフラグ付けされたグルコース濃度が示されたことに留意されたい。他の場合には、一日当たり2つ以上の、高閾値を超えかつ空腹時とフラグ付けされたグルコース濃度が存在する可能性がある。そのような場合には、論理800で評価される必要がある3つのBG値の組み合わせ数は増加する。
【0044】
論理ルーチン800の適用性の更なる実証として、表2に記載のように、ユーザーが(表1の)金曜日の後の土曜日にも最新のBG測定を更に行ったと考える。
【0045】
【表2】
【0046】
表2では、論理800は土曜日(11:50AM)に高値傾向警告を検出することになり、最新のBGと共に通知されることになる。論理的質問810で評価され得る過去の日の組み合わせには、月曜日/火曜日、月曜日/水曜日、月曜日/木曜日、火曜日/水曜日、火曜日/木曜日、及び水曜日/木曜日の6つの組み合わせが存在することに留意されたい。3時間の時間枠は、時刻の時系列で、10:49AM(火曜日)、11:30AM(木曜日)、及び11:50AM(土曜日)を含み、最新の時刻と最初の時刻との間の差は3時間未満である(即ち、11:50AM−10:49AM=1時間1分)。したがって、火曜日、木曜日、及び土曜日のBG値がこの3時間の時間枠に入る。表2を基に要約すると、ユーザーは、2つのメッセージ(1つは金曜日にもう1つのメッセージは土曜日に)を提供されることになる。しかしながら、別の方法としては、傾向データの優先順位付けにより、2つの高値傾向を報告するメッセージが、土曜日に1つだけ生成されてもよい。高値傾向又は低値傾向報告の優先順位付けは、次に基づくことができる:一度グルコース値が(高値又は低値)傾向に使用されると、他の(高値又は低値)傾向に含められない;複数の傾向が検出される場合、結果のうちで最も緊密なクラスタリング(tightest clustering)が報告されることになる;又は、1時間で複数の高及び低BG測定値が存在する場合、最初の測定値が傾向分析に含められる(即ち、1時間で複数の高い値又は1時間以内に複数の低い値のいずれかが存在する場合、最初の値のみが傾向分析に含められる)。あるいは、優先順位付けは、最新のBG結果に対して時間的に最も近い2つのBG結果、又は最新のBG結果に対して時間的に最も近い3つのBG結果によって決定され得る、時間的な近さ又はクラスタリング緊密度に基づくことも可能である。
【0047】
例示的実施形態が血糖測定器に関して記載されてきたが、他の糖尿病管理装置を使用することも可能である。例えば、図8を参照すると、分析物測定及び管理装置10は、本明細書に記載されるように、例えばインスリンペン28、インスリンポンプ48、携帯電話68などの携帯用グルコース−インスリンデータ管理ユニット、即ちDMUと、又はパーソナルコンピュータ26若しくはネットワークサーバー70と通信する例示の携帯用グルコース−インスリンデータ管理ユニット装置の組み合わせを通じて、無線で通信するように構成されてもよい。本明細書で使用する時、用語「DMU」は、個々のユニット10、28、48、68を別々に、又は疾患管理システムにおいて共に使用可能である携帯用グルコース−インスリンデータ管理ユニット(28、48、68)全てのいずれかを表す。更に、分析物測定及び管理ユニット、即ちDMU 10は、グルコース測定器、測定器、分析物測定装置、インスリン送達装置、又は分析物試験及び薬剤送達装置の組み合わせを含むことが意図される。一実施形態において、分析物測定及び管理ユニット10は、ケーブルを用いてパーソナルコンピュータ26に接続されてもよい。代替案では、DMUは、好適な無線技術、例えば、GSM(登録商標)、CDMA、BlueTooth(登録商標)、WiFi等を介して、コンピュータ26又はサーバー70に接続されてもよい。
【0048】
図8を参照すると、本明細書に記載の通りに実施するために、インスリンペンを利用することができることを留意するべきである。そのようなインスリンペン28は、ユーザーが糖尿病を管理するのを支援するための例示的な方法及びそれらの変形を実施するようにプログラムされた電子モジュール30を備えていてもよい。装置28のハウジング内には、ユーザーから指示されることなく自動的にDMU 10の無線モジュール46に信号を送信する無線モジュール32が配置されてもよい。無線信号は、例示的実施形態において、(a)送達される治療薬の種類、(b)ユーザーに送達される治療薬の量、(c)治療薬送達の日時、(d)高又は低BG結果の傾向、に関するデータを含み得る。こうしたユーザー起動型の治療薬送達装置の非限定的な例が、同時係属中の米国特許非暫定出願第12/407173号(代理人整理番号LFS−5180USNPにより暫定的に識別される)、同第12/417875号(代理人整理番号LFS−5183USNPにより暫定的に識別される)、及び同第12/540217号(代理人整理番号DDI−5176USNPにより暫定的に識別される)に述べられており、本出願に添付されたコピーを参照することによりその全体が本明細書に援用される。こうしたユーザー起動型の治療薬送達装置の別の非限定的な例は、インスリンペン28である。インスリンペンにはインスリンのバイアル瓶又はカートリッジを装填することができ、使い捨ての針に取り付けることができる。インスリンペンの各部分が再使用可能であってもよく、インスリンペンが完全に使い捨てであってもよい。インスリンペンはNovo Nordisk、Aventis、及びEli Lillyなどの会社から市販されており、Novolog、Humalog、Levemir及びLantusといった各種のインスリンとともに使用することができる。
【0049】
血糖測定器10の更なる代替案としては、図8に示されるように、治療薬投与装置はポンプ48も含むことができ、このポンプ48は、ハウジング50と、バックライトボタン52と、アップボタン54と、カートリッジ蓋56と、ボーラスボタン58と、ダウンボタン60と、バッテリーキャップ62と、OKボタン64と、ディスプレイ66と、を含む。ポンプ48は、例えば血糖値を調節するためのインスリンなど薬物を分配するように構成することができる。先に述べたように、マイクロプロセッサは、本明細書に記載の様々なプロセスの工程を一般的に実施するようにプログラムされてもよい。このマイクロプロセッサは、例えば、血糖値計、インスリンペン、インスリンポンプ、サーバー、携帯電話、パーソナルコンピュータ、又は移動携帯型装置などの特定の装置の一部であってよい。
【0050】
更に、本明細書に記載する様々な方法を用いて、例えば、Visual Studio 6.0、C又はC++(及びその変形)、Windows(登録商標) 2000 Server、及びSQL Server 2000などの既製のソフトウェア開発ツールを用いてソフトウェアコードを生成することができる。しかしながら、これらの方法は、こうした方法をコードするための新しいソフトウェア言語の必要条件及び入手可能性に応じて、他のソフトウェア言語に変換することもできる。更に、本明細書で述べた様々な方法は、適当なソフトウェアコードに一旦変換されれば、適当なマイクロプロセッサ又はコンピュータによって実行される際に、これらの方法において述べられた工程をあらゆる他の必要な工程とともに実行するように動作する、任意のコンピュータ読みだし可能な記憶媒体として実施することができる。
【0051】
本発明を特定の変形例及び説明図に関して述べたが、当業者には本発明が上述された変形例又は図に限定されないことが認識されよう。更に、上述の方法及び工程が特定の順序で起こる特定の事象を示している場合、当業者には特定の工程の順序が変更可能であり、そうした変更は本発明の変形例に従うものである点が認識されよう。更に、こうした工程のうちのあるものは、上述のように順次行われるが、場合に応じて並行したプロセスで同時に行われてもよい。したがって、開示の趣旨及び本発明の同等物の範囲内にある本発明の変形が存在する範囲では、本特許請求がこうした変形例をも包含することが意図されるところである。
【技術分野】
【0001】
本出願は、本出願に先立って出願され、それらの全体が参照として組み込まれる米国仮特許出願第61/308,217号(2010年2月25日出願)及び同第61/322,697号(2010年4月9日出願)に対し、米国特許法第119条及び/又は第120条の下で優先権の利益を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
糖尿病の個体にとって、グルコース監視は日常のことである。この監視の精度は、糖尿病者の健康、及び最終的には生活の質に多大な影響を与えることがある。一般に糖尿病の個人は、血中グルコース濃度を1日に数回測定し、血糖値を監視かつ制御する。血中グルコース濃度を正確にかつ定期的に検査しないと、心臓血管疾患、腎疾患、神経損傷、及び失明などの重篤な糖尿病関連合併症を引き起こす可能性がある。現在は、少量の血液サンプル中のグルコース濃度を個人が検査できる、多くの電子機器が存在する。このようなグルコース測定器の1つが、LifeScan製の製品であるOneTouch(登録商標)Profile(商標)グルコース測定器である。
【0003】
グルコース監視に加え、糖尿病の個人は多くの場合、例えば不規則な食事又は運動によって悪影響を受けないように、ライフスタイルに対する厳しい管理を維持しなければならない。更に、特定の糖尿病の個人を扱う医師は、糖尿病管理に対して効果的な治療や治療の変更を提供するために、その個人のライフスタイルに関する詳細な情報を必要とする場合がある。現在、糖尿病の個人のライフスタイルを管理する方法の1つとして、その患者にライフスタイルに関する紙の日記をつけさせることがある。別の方法として、その個人にライフスタイルに関する出来事を単に記憶させ、各診察時に医師にその詳細を伝えさせることがある。
【0004】
ライフスタイルに関する情報を記録する上記の方法は、本質的に難しく、時間がかかり、かつ場合によっては正確ではない。紙の日記は、個人が必ずしも常に携帯しておらず、必要な時に正確に記録できない場合がある。このような紙の日記は小さいため、ライフスタイルにおける出来事の詳細な記述を必要とする詳細情報を記入することが難しい。更に、手書きのノートを手作業で確認し、その情報を解釈すべき医師に質問された際に、しばしば、個人はライフスタイルの主要な出来事を忘れている場合がある。紙の日記からは、要素情報を抽出又は分類するための分析が得られない。また、この情報の縮図又は概要もない。二次データ記憶システム、例えばデータベース又はその他電子システムへのデータ入力は、この二次データ記憶装置への、ライフスタイルデータを含む情報の労力を要する複写作業を必要とする。データの記録が難しいため、関連情報を思い出しながら入力することになり、結果として不正確かつ不完全な記録となる。
【0005】
現在は、個人のグルコース濃度を測定でき、かつ、分析用の別のコンピュータに読み出し又はアップロードするためにこの濃度を保存できる多くの携帯用電子機器が存在する。このような機器の1つが、Roche DiagnosticsのAccu−Check(商標)Complete(商標)Systemであり、ライフスタイルデータの保存に対する制限された機能を提供する。しかし、Accu−Check(商標)Complete(商標)Systemでは、計測器内に保存されるライフスタイル変数は制限されたものが選択できるのみである。事前に計測器内に入力された値からのインテリジェントフィードバックはなく、計測器をたまに使用するユーザーにとってユーザーインターフェースは直観的ではない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態において、糖尿病管理ユニットを使用して得た血糖値における高値又は低値傾向をユーザーに通知する方法が提供される。ユニットは、ディスプレイ、メモリ、及びユーザーインターフェースボタンに接続されたマイクロプロセッサを含む。該方法は、前記マイクロプロセッサを使用して、ユーザーの複数回の血糖測定を実施する工程と、該複数回の血糖測定をメモリに保存する工程と、一日の間の所与の時刻における最新の血糖測定値が、第1の閾値を下回るか又は第2の閾値を上回るかどうかを判定する工程と、N日間を通じた最新の血糖測定値の所与の時刻前後のX時間の時間枠内に実施された複数回の血糖測定の少なくとも1つの血糖測定値が、第1の閾値より低いか又は第2の閾値より高いかどうかをマイクロプロセッサを使用して評価する工程と、該評価工程が達成され次第、N日間を通じた少なくとも2日の同一時間枠において、複数回の血糖測定が、閾値より低い血糖傾向又は第2の閾値より高い血糖傾向を示すことを通知する工程と、によって達成され得る。
【0007】
更なる実施形態において、グルコース試験ストリップと糖尿病管理ユニットとを含む糖尿病管理システムが提供される。糖尿病管理ユニットは、ハウジングと、試験ストリップポートと、複数のユーザーインターフェースボタンと、マイクロプロセッサとを含む。ハウジングは、グルコース試験ストリップを収容するように構成された試験ストリップポートを含む。マイクロプロセッサは、試験ストリップポートに接続されて、試験ストリップの上に沈着したユーザーの生理液中の測定されたグルコースの量に関するデータを提供し、また、該マイクロプロセッサは、メモリ、及びユーザーインターフェースボタンに更に接続される。マイクロプロセッサは、(a)ユーザーの複数回の血糖測定を実施する、(b)複数回の血糖測定を保存する、(c)一日の間の所与の時刻における最新の血糖測定値が、第1の閾値を下回るか又は第2の閾値を上回るかどうかを判定する、(d)N日間を通じた最新の血糖測定値としての、所与の時刻前後のX時間の時間枠内に実施された複数回の血糖測定の少なくとも1つの血糖測定値が、第1の低閾値より低いか又は第2の閾値より高いかどうかを評価する、及び(e)該評価が達成され次第、N日間を通じた少なくとも2日の同一時間枠内で、複数回の血糖測定が、低閾値より低い傾向又は第2の閾値より高い傾向を示していることを通知する、ようにプログラムされる。
【0008】
これら及び他の実施形態、特徴並びに利点は、以下に述べる本発明の異なる例示的実施形態のより詳細な説明を、はじめに下記に簡単に述べる付属の図面とあわせて参照することによって当業者にとって明らかになるであろう。
【0009】
本明細書に援用する明細書の一部をなす添付図面は、現時点における本発明の好適な実施形態を示したものであって、上記に述べた一般的説明並びに下記に述べる詳細な説明とともに、本発明の特徴を説明する役割を果たすものである(同様の数字は同様の要素を表す)。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1A】分析物測定と、データ管理ユニットと、生体内感知装置とを含む糖尿病管理システム。
【図1B】糖尿病データ管理ユニットの例示の回路基板の簡略図。
【図2A】糖尿病データ管理ユニットのユーザーインターフェースのプロセスフローの概要。
【図2B】糖尿病データ管理ユニットのユーザーインターフェースのプロセスフローの概要。
【図2C】糖尿病データ管理ユニットのユーザーインターフェースのプロセスフローの概要。
【図2D】糖尿病データ管理ユニットのユーザーインターフェースのプロセスフローの概要。
【図3】低血糖測定値傾向を提供するルーチン400。
【図4】高血糖測定値傾向を提供するルーチン500。
【図5A】低血糖傾向を警告するための様々な画面及びユーザーインターフェースフロー。
【図5B】ユーザーに提供される代替の低値傾向メッセージを有する様々な画面及びユーザーインターフェースフロー。
【図6A】高血糖傾向警告のための様々な画面及びユーザーインターフェースフロー。
【図6B−1】ユーザーに提供される代替の高値傾向メッセージを有する様々な画面及びユーザーインターフェースフロー。
【図6B−2】ユーザーに提供される代替の高値傾向メッセージを有する様々な画面及びユーザーインターフェースフロー。
【図6C】食前BG結果を空腹時BG結果としてフラグ付け又はタグ付けする必要があるかどうかを判定するための論理フロー。
【図7】高値傾向を判定するための代替の論理フロー。
【図8】本明細書に記載されかつ図示される本発明を用いることができる様々な機器及びシステム。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の詳細な説明は、図面を参照しつつ読まれるべきもので、異なる図面中、同様の要素は同様の参照符号にて示してある。図面は必ずしも一定の縮尺を有さず、選択した実施形態を示したものであって、本発明の範囲を限定するものではない。詳細な説明は本発明の原理を限定するものではなく、あくまでも例として説明するものである。この説明文は、当業者による発明の製造及び使用を明確に可能ならしめるものであり、出願時における発明を実施するための最良の形態と考えられるものを含む、発明の複数の実施形態、適応例、変形例、代替例、並びに使用例を述べるものである。
【0012】
本明細書で任意の数値や数値の範囲について用いる「約」又は「およそ」という用語は、構成要素の部分又は構成要素の集合が、本明細書で述べるその所望の目的に従って機能することを可能とするような適当な寸法の許容誤差を示すものである。更に、本明細書で用いる「患者」、「ホスト」、「ユーザー」、及び「被験者」という用語は任意のヒト又は動物患者を指し、システム又は方法をヒトにおける使用に限定することを目的としたものではないが、ヒト患者における本発明の使用は好ましい実施形態を代表するものである。
【0013】
図1Aは、糖尿病データ管理ユニット10(「DMU」)と、グルコース試験ストリップ24の形態の生体内感知装置とを含む糖尿病管理システムを示す。図1Aに示されるように、グルコース測定器10又はDMU 10は、ハウジング11と、ユーザーインターフェースボタン(16、18及び20)と、ディスプレイ14、ストリップポートコネクタ22と、データポート13と、を含むことができる。ユーザーインターフェースボタン(16、18及び20)は、データの入力、メニューのナビゲーション、及びコマンドの実行を可能とするように構成することができる。データには、検体濃度及び/又は患者の日常の生活習慣に関連した情報を表す値を挙げることができる。日常の生活習慣に関連した情報には、食物の摂取、薬の使用、健康診断の実施、並びに個々の一般的な健康状態及び運動レベルを挙げることができる。具体的には、ユーザーインターフェースボタン(16、18及び20)には、第1のユーザーインターフェースボタン16、第2のユーザーインターフェースボタン18、及び第3のユーザーインターフェースボタン20が含まれる。ユーザーインターフェースボタン(16、18及び20)には、ユーザーがユーザーインターフェースをナビゲートすることを可能にする第1のマーキング17、第2のマーキング19、及び第3のマーキング21がそれぞれ含まれる。ボタンは機械スイッチとして示されているが、仮想ボタンを有するタッチ画面を使用することもできる。図1Aに示されるように、DMUは、例えば、図5及び図6の高血糖及び低血糖傾向用のユーザーインターフェースなどの、様々なユーザーインターフェースを備えている。
【0014】
測定器10の電子構成要素は、ハウジング11内部の回路基板34上に配置することができる。図1Bは、回路基板34の上面上に配置された電子構成要素を(概略的な形で)示す。上面の電子構成要素としては、ストリップポートコネクタ22、オペアンプ回路35、マイクロコントローラ38、ディスプレイコネクタ14a、不揮発性メモリ40、クロック42、及び第1の無線モジュール46が挙げられる。下面上の電子構成要素としては、バッテリーコネクタ(図示せず)及びデータポート13を挙げることができる。マイクロコントローラ38は、ストリップポートコネクタ22、オペアンプ回路35、第1の無線モジュール46、ディスプレイ14、不揮発性メモリ40、クロック42、バッテリー、データポート13、並びにユーザーインターフェースボタン(16、18、及び20)と電気的に接続され得る。
【0015】
オペアンプ回路35は、ポテンシオスタット機能及び電流測定機能の一部を提供するように構成された2つ以上のオペアンプを含み得る。ポテンシオスタット機能とは、試験ストリップの少なくとも2つの電極間に試験電圧を加えることを指し得る。電流機能とは、加えられた試験電圧によって生じる試験電流を測定することを指し得る。電流測定は、電流電圧変換器によって行うことができる。マイクロコントローラ38は、例えばTexas Instrument MSP 430などの混合シグナルマイクロプロセッサ(MSP)の形態であってよい。MSP 430は、ポテンシオスタット機能及び電流測定機能の一部を行うように構成することもできる。更に、MSP 430は、揮発性及び不揮発性メモリを含むこともできる。別の実施形態では、電子要素の多くを特定用途向け集積回路(ASIC)の形態でマイクロコントローラに組み込むことができる。
【0016】
ストリップポートコネクタ22は、試験ストリップと電気的接続を形成するように構成することができる。ディスプレイコネクタ14aは、ディスプレイ14に取り付けるように構成することができる。ディスプレイ14は、測定された血糖値を報告し、生活習慣に関連した情報の入力を容易にするための、液晶ディスプレイの形態であってよい。ディスプレイ14は、任意にバックライトを有してよい。データポート13は、接続リード線に取り付けられた適当なコネクタを受容することにより、グルコース測定器10をパーソナルコンピュータなどの外部機器に接続することができるようになっている。データポート13は、例えば、シリアル、USB、又はパラレルポートなど、データ送信が可能な任意のポートであってもよい。クロック42は、ユーザーが位置する地理的領域に関連する現在時刻を維持し、また時間を計測するように構成され得る。DMUは、例えば、バッテリーなどの電源と電気的に接続されるように構成され得る。
【0017】
一実施形態において、試験ストリップ24は、電気化学的グルコース試験ストリップの形態であり得る。試験ストリップ24は、1つ以上の作用電極及び対電極を含んでよい。試験ストリップ24は、複数の電気的接触パッドを更に含むことができ、その場合、各電極は少なくとも1つの電気的接触パッドと電気的に導通することができる。ストリップポートコネクタ22は、電気的接触パッドと電気的にインターフェースし、電極と電気的に連通しているように構成され得る。試験ストリップ24は、少なくとも1つの電極上に配置されている試薬層を含み得る。試薬層は、酵素及び調節物質を含み得る。試薬層に使用するのに適した例示的な酵素としては、グルコースオキシダーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ(ピロロキノリンキノン補因子「PQQ」とともに)、及びグルコースデヒドロゲナーゼ(フラビンアデニンジヌクレオチド補因子「FAD」とともに)が挙げられる。試薬層に使用するのに適した例示的な調節物質としては、フェリシアニドがあり、この場合では酸化型である。試薬層は、グルコースを酵素的副産物に物理的に変換させ、その過程でグルコース濃度に比例した所定量の還元型の調節物質(例、フェロシアニド)を生成するように構成することができる。この後、作用電極によって還元型調節物質の濃度を電流の形態で測定することができる。次いで、グルコース測定器10は電流の大きさをグルコース濃度に変換することができる。好ましい試験ストリップの詳細は、米国特許第6179979号、同第6193873号、同第6284125号、同第6413410号、同第6475372号、同第6716577号、同第6749887号、同第6863801号、同第6890421号、同第7045046号、同第7291256号、及び同第7498132に提供されており、当該特許の全ては参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0018】
図2A、図2B、図2C、及び図2Dを参照すると、DMUのユーザーインターフェースの一部の例示的なプロセスフローが提供されている。具体的には、図2Aにおいて、プロセスフローは、好適な試験ストリップ24がDMU 10に挿入された時点200で開始する。202における血糖(「BG」)結果がユーザーに通知される。本明細書で用いる場合、用語「通知される」及びこの語幹の変形は、文字、音声、画像、又は全ての通信モードの組み合わせを介して、ユーザーに通知が与えられることを示す。BG読取値204は、ユーザーがメニューを介してスクロールすることができる画面206で使用するために保存され、該メニューは、過去のBG結果208を呼出すことから始まって、タグ又はフラグ210を追加又は編集し、傾向警告212を取得し、インスリンボーラス214を計算し、メインメニュー216に戻る。メニュー206上の機能212〜214のいくつかは、かかる機能の1つ以上がメインメニューで有効にされているかどうかによっては使用不可能な場合がある。BG結果に関してフラグ210の編集又は追加が要求される場合、次の選択肢が利用可能である:空腹時フラグ210a(例えば、少なくとも6〜8時間の空腹期間の間に得られるBG結果);食前フラグ210b(例えば、食事前に得られるBG結果);食後フラグ210c;就寝時フラグ210d;又はタグなし210e。
【0019】
ユーザーがDMUのメインメニューにアクセスすることを望む場合、220においてDMUのボタンの1つを長期間にわたって(例えば、2秒超過)作動させることによって、図2Bのメインメニュー230にアクセスすることができる。メインメニュー230では、ユーザー又は保健医療提供者(「HCP」)が、次の機能を利用することができる:前回の血糖結果232;過去のBG結果234;インスリン投与の計算214;高又は低値傾向の指標の提供238;及び機器設定240。前回の血糖結果232が選択された場合、プロセスは結果画面242に流れる。この画面242では、ユーザーは次の機能を利用することができる:前回のBG結果244又は過去の結果246。画面246では、タグ210の追加又は編集、傾向警告212、インスリンの計算214、又は過去のメニュー画面に戻る230を選択する能力に加えて、前回のBG読取値が提供される。
【0020】
図2Bを参照して、画面230の利用可能な機能の残りを説明する。BG結果の履歴が所望の場合には、ユーザーが画定したパラメーターに基づいて、DMUによって収集又は実行された結果のログ256a、BG結果の平均256bを選択できる画面256が提供される。ユーザーインターフェースにおいて標準であるように、前画面選択256cも設けられている。結果ログ256aが選択される場合には、ある範囲の結果262、264、及び一連の後続の結果を通知する画面260(図2A)が提供される。図2Bに戻って参照すると、結果の平均256bを機器に保存するのが所望の場合には、様々な範囲のBG平均結果を表示することができる画面270が提供される。例えば、7日間の平均、14日間の平均、30日間の平均、90日間の平均(ユーザー又はHCPにとって望ましい任意の範囲)が提供される。あるいは、日付範囲のそれぞれの平均に加えて、事前に決められた日付範囲のそれぞれの中央値を提供することもできる。
【0021】
インスリンボーラスを計算することをユーザーが望む場合には、機器は計算プロトコル282を起動して、計算されたインスリンボーラスを提供することができる。本明細書には、(a)炭水化物適用範囲、(b)グルコース補正、又は(c)それらの組み合わせ、の3つのタイプのインスリンボーラスが記載されている。炭水化物適用範囲のためのインスリンボーラス量は、食事時に消費されようとする炭水化物に対処するのに必要なインスリン量であり得る。グルコース測定値補正のためのインスリンボーラス量は、目標正常血糖グルコース値を超える、ユーザー測定によるグルコース値に対処するのに必要なインスリン量であり得る。補正の組み合わせ(例えば、炭水化物値及び測定グルコース値)は、消費されようとする炭水化物及びユーザー測定によるグルコース値に対処するのに必要なインスリン量であり得る。
【0022】
グルコース補正用量は、正常血糖域を超える最近のユーザー測定によるグルコース値に対処するのに必要なインスリンの量である。炭水化物適用範囲用量は、消費されようとする炭水化物量に基づいて計算されたインスリンの量である。補正の組み合わせ(例えば、炭水化物値及び測定グルコース値)は、消費されようとする炭水化物及びユーザー測定によるグルコース値に対処するのに必要なインスリン量であり得る。インスリン投与量の計算の詳細は、2009年9月29日出願の米国暫定特許出願第61/246,630号(代理人整理番号DDI−5190)、2010年1月22日出願の米国暫定特許出願第61/297,573号(代理人整理番号LFS−5211)、及び2010年2月25日出願の米国暫定特許出願第61/308,196号(代理人整理番号DDI−5195)に提供されており、当該特許出願の全ては本出願に組み込まれる。
【0023】
図2Bに戻って参照すると、画面230により、ユーザーは高/低値傾向画面238を選択することができる。画面238により、ユーザーは、ユーザーに与えられる様々な警告286、288及び後続の一連のものを見ることができる。特定の警告、例えば、警告286を選択することにより、ユーザーは、メッセージの内容292及びメッセージの詳細294を含む画面290を見ることができる。詳細294を選択すると、ユーザーは、BG結果298、300、及び一連の後続の結果の履歴を含む画面296に進むことができる。
【0024】
機器設定240が所望の場合には、ユーザーによる調整が可能な設定である、時刻244、日付246、言語248、及びツール設定250の選択を可能にする画面243が提供される。機器情報選択252及び前画面選択254も画面243に提供される。ツール設定選択250により、ユーザー又はHCPは、DMU 10を該ユーザー用に設定することができる。具体的には、ツール設定機能250が選択されると、タグ付け又はフラグ付けフィールド304の設定、インスリン計算フィールド306設定、及び高/低値傾向フィールド308の設定などの、様々な設定を選択することができる画面302が提供される。タグ付け又はフラグ付け機能をオンにするために、画面310は、ユーザーが画面302内のフィールド304までポインタをスクロールすることにより、この機能をオン又はオフさせることができるようにする。インスリン計算を修正するために、ユーザーは、画面315に切り替えるプロセスフローのためのフィールド306まで、ポインタをスクロールしなければならない。高/低値傾向警告を修正するために、ユーザーは、画面312に切り替えるプロセスフローのためのフィールド308まで、ポインタをスクロールしなければならない。高/低値傾向308が選択されると、傾向警告326及び自分のトレンド設定328などを含む様々な設定の選択を可能にする画面312が提供される。傾向警告326を起動するために、画面314は、ユーザーがこの機能をオン又はオフさせることができるようにする。自分のトレンド設定328を調整するために、画面316は、ユーザーが閾値を修正することができるようにする。閾値の修正は、予め保存された低閾値を修正するために画面322においてフィールド318を選択することによって、又はフィールド320を選択して予め保存された高い設定を修正することによって、画面316を介して行うことができる。傾向機能の高及び低閾値に対する修正の例示的な実施形態として、図2Cを参照する。
【0025】
図2Dにおいて、ユーザーは、ツール設定画面302を選択し、予め設定された第1及び第2の閾値(例えば、第1の閾値に関しては、血液1デシリットル当たり約70ミリグラムのグルコース、及び第2の閾値に関しては、血液1デシリットル当たり約150ミリグラムのグルコース)を修正するために、「高/低値傾向:ON」機能をハイライト表示することができる。ハイライト表示されたフィールドが選択されると、画面312が表示される。フィールド「自分のトレンド設定」が選択されると、313において論理チェックが行われて、血糖測定値のタグ付け又はフラグ付けが可能かどうかを判定する。真の場合には、画面316は第1の閾値及び第2の閾値を表示する。第1の閾値318を選択すると画面322が表示されて、ユーザー又はHCPは、画面322に予め保存された第1の閾値の数値326を変更することができる。画面316の第2の閾値320を選択すると、ユーザー又はHCPは、画面324に予め保存された第2の閾値の数値328を変更することができる。高値傾向がユニットによって検出されるようにBG測定値にタグ付け又はフラグ付けすることをユーザーに想起させるために、メッセージ330も提供される。
【0026】
その一方で、313における論理演算がいいえを返す場合には、ユニットは、タグ付け機能がオンにされなければ、画面332の第2の閾値の有効化を阻止するようにプログラムされる。ユーザーが空白の第2の閾値を選択し続ける場合、高値傾向が検出されるようにタグ付け機能を有効にする必要がある旨のメッセージが、画面334に表示される。これは、食前限度とタグ付けとの関係をユーザーが理解するのを助けるのを目的としている。換言すれば、食前測定のタグ付けがなされない場合には、高値傾向メッセージを提供する意味がほとんどない。更に、たとえタグ付けが有効にされたとしても、ユーザーは、食前の高値傾向がユーザーにとって有益であるように、タグ付けを常に用いる必要があることを、メッセージ330によって想起させられる。
【0027】
動作中、ユーザーは血糖測定を行い(図2Aの200)、BG結果が表示される(202)。例えば、ここでは、最新のBG結果が、画面600上に9:30AMに測定された65mg/dLとして図5Aに示されている。あるいは、図5Aを参照すると、ユーザーは、画面608で最新のBG結果を呼び出すことができる。この時点で、マイクロプロセッサは、図3の論理を用いることになる。図3では、402において現在の又は最新のBGが比較されて、かかるBG結果が第1の閾値を下回るかどうかを判定する。402で真の場合には、マイクロプロセッサは、次に404において、直近のN日間以内に最新のBG測定602が行われたのと同一時刻(9:30AM)をブラケット表示しているX時間ウィンドウの範囲内に(例えば、約8AMから約11AMまでのおよそ3時間)行われた複数回の血糖測定の少なくとも1回以上が、第1の閾値よりも小さいかどうかを判定する。図5Aの例では、BG結果は65mg/dLであり、これは予め設定された第1の閾値である約70mg/dLよりも低い。BGは9:30AM頃に測定された。本明細書に記載される論理に基づいて、マイクロプロセッサは、過去N日間に最新の血液測定が行われた時間であるこの時間(即ち、9:30AM前後)をブラケット表示しているX時間の時間枠内に測定された保存されている血糖測定値に注目し、このような所与の時刻(即ち、9:30AM)前後のブラケット表示された時間枠内の少なくとも1つの血糖測定値が、第1の閾値よりも小さいかどうかを判定する。少なくとも1つの先の測定値がこの条件に当てはまる場合、マイクロプロセッサは、低値傾向を警告するメッセージ406を通知する。具体的には、図5Aに示されるように、画面604において、65mg/dLである最新の血糖測定値を得た所与の時刻をブラケット表示している同一時間枠で、N日間のうちの少なくとも2日間に関して低値傾向が検出されたことを、テキストメッセージが示す。ユーザーが前回の血糖結果を見ることを望む場合には、画面608が表示されることができ、低値傾向メッセージ609の選択対象を選択することができる。こうした選択対象では、画面604は、図5Aに示されるように、低値傾向が検出されたという一般的な表示を提供する。ユーザーは、低値傾向の検出に関する詳細、例えば、画面606上に示されているような日付、時刻、及びBG結果の値を列挙した表などを見るために、画面604で「詳細を表示(Get Details)」を選択してもよい。ユーザーがメニュー画面610を見ている場合には、ユーザーは、日付及び時刻のリストから高値傾向又は低値傾向のいずれか一方が検出されたという画面612の一般的な表示を、画面610から選択してもよい。この一般警告の詳細を見るために、ユーザーは、10月10日の9:30AMといったような具体的な日付を選択し、これにより、一般警告が低値傾向に関連したものであるという一般化された表示が提供される。詳細には、ユーザーは、低値傾向の検出に関する詳細、例えば、画面606上に示されているような日付、時刻、及びBG結果の値を列挙した表などを見るために、画面606を選択してもよい。
【0028】
代替実施形態では、図5Aのメッセージ604の代わりに、図5Bの少なくとも3つの異なる画面(604a、604b、604c)を利用することができる。この代替実施形態では、第1のメッセージ604a(例えば、「警告。あなたのグルコースはこの時刻付近で減少しています」)をユーザーに通知することができる。低値傾向メッセージを確実にする異なる場合では、メッセージ604aそのものの代わりに、メッセージ604aと意味的に同じ意味を有するメッセージ604b(例えば、「あなたのグルコースはこの時刻付近で減少しているようです」)をユーザーに通知することができる。本明細書に記載される論理に従った低値傾向メッセージが必要な更に別の場合には、メッセージ604a及び604bのいずれかの代わりに、メッセージ604c(例えば、「あなたのグルコースはこの時刻付近で減少しています。確認して下さい」)を利用することができる。先に記載した通り、ユーザーは、低値傾向の検出に関する詳細、例えば、画面606上に示されているような日付、時刻、及びBG結果の値を列挙した表などを見るために、画面604a、604b、又は604cのうちのいずれかで「詳細を表示」を選択してもよい。画面606の代わりに代替画面606’を提供することができる。この画面606’では、詳細は、画面606’の区画607aの中にユーザーの値が低くなった回数として、区画607b及び607cのそれぞれの中に低い読取値の特定の日付及び時刻として、提供される。例えば、低判定の根拠となった値、及び読み取りが食前のタグ(例えば、食べられていない果物(例えば、リンゴなど)の好適なアイコンで示される)を有して取られたかどうかといった追加情報を、区画のそれぞれの中に提供することも可能である。同じメッセージが何度も繰り返されているとユーザーが認識しないように(これは、ユーザーの血糖値に関して高値傾向が存在するという点をユーザーが無視するといった間違った状態にユーザーを陥らせる可能性がある)、低値傾向パターンメッセージに関する異なるフォーマットのメッセージ604a、604b、604c等が、図のように決まった順序で、又はランダムな順序で表示されてもよいことを指摘しておく。
【0029】
その一方で、図4、図6A、及び図6Bを参照すると、最新のBG測定値が高い又は第2の閾値を上回り、こうした新しいBGが「空腹時」又は「食前」の一方としてタグ付けされた又はタグ付けされていた場合は、マイクロプロセッサは、180mg/dLである最新のBG測定が行われたのと同一期間(例えば、10:13AM)をブラケット表示しているX時間のウィンドウ内の過去N日間に実施された予め保存されている血糖測定値をポーリングする。図6Aの例では、最新のBG(702)が画面700上に180mg/dLとして示されており、この値は、予め設定された第2の閾値である約170mg/dLよりも高い。ここで、この最新のBGは、画面704で、選択対象フィールド706の「食前」測定値であるとしてタグ付けされている。両方の条件(即ち、第2の閾値超過及び食前又は空腹の一方のタグ付け)が満たされているので、マイクロプロセッサは、最新又はタグ付けされたBG測定が行われた時刻(10:13AM)をブラケット表示しているX時間の時間ウィンドウにわたって、過去N日間に実施された予め保存されている血糖測定値をポーリングする。最新のBGが取られたのと同一時刻をブラケット表示している時間ウィンドウ(例えば、約3時間)の中に第2の閾値を超える少なくとも1つの先のグルコース測定値が存在する場合には、画面708は、高値傾向が検出されという一般警告を提供する。別の実施形態において、高値傾向警告をトリガするためには、最新のBGが取られたのと同時刻をブラケット表示している時間ウィンドウ内(例えば、約3時間)に、第2の閾値よりも大きい2つ以上の先のグルコース測定値が必要であり得る。この傾向の詳細を得るために、ユーザーは、画面712を提供するフィールド709を選択するように促される。画面712は、N日間のうち3日に、これら3日のそれぞれのおよそ同一時刻に高いBG値の傾向が存在していることを示す。ユーザーは、画面716を提供するフィールド714を選択することによって、この傾向の更なる詳細を得ることができる。画面716は、例えば、3つのBG測定値718、720、722の表、並び対応する日付及び時刻を示す。あるいは、画面716の代わりに画面716’を使用して、ユーザーに更なる情報を提供することができる。この画面716’では、詳細は、画面716’の区画717の中にユーザーの値が低くなった回数として、それぞれの区画718’、720’、及び722’の中に低い読取値の特定の日付及び時刻として、提供される。高いグルコース判定の根拠となった正確な値、及び読み取りが食前のタグ(例えば、食べられていない果物(例えば、リンゴなど)の好適なアイコンで示される)を有して取られたかどうかといった追加情報を、区画のそれぞれに提供することも可能である。
【0030】
図6Bの代替実施形態では、図6Aに見られるような単一メッセージ712ではなく、順序通りに又はランダムな順序でユーザーに提示されることができる、少なくとも3つの異なるフォーマットのメッセージが存在する。特に、意味的に同様のメッセージを伝達するために、少なくとも3つの異なるフォーマットのメッセージ712a、712b、及び712cが利用される。例えば、ユーザーがフィールド709を選択すると、メッセージ712a(例えば、「警告、あなたの食前(又は空腹時)グルコース値はこの時刻付近で上昇しています」)が提供されてもよい。ユーザーが再度フィールド709を選択した異なる場合には、712aではなく、メッセージ712b(例えば、「あなたの食前(又は空腹時)グルコースはこの時刻付近で上昇しています。確認して下さい」)が提供されてもよい。同様に、ユーザーがフィールド709を選択した更なる別の場合には、712bの代わりに、メッセージ712c(例えば、「警告。この時刻付近で食前(又は空腹時の間)にあなたのグルコースは上昇しています」が提供されてもよい。メッセージ712a、712b、712cなどは、同様のフォーマットのメッセージが何度も繰り返されているとユーザーが認識しないように(これは、ユーザーの血糖値に関して高値傾向が存在するという要点をユーザーが無視するといった間違った状態にユーザーを陥らせる可能性がある)、順次に又はランダムに循環されてもよい。
【0031】
ユーザーが前回の血糖結果を見ているシナリオでは、フィールド728においてこの前回の血糖結果にタグ付けする選択肢をユーザーに提供できる画面724が提供される。画面730は、タグ付けフィールドのメニューを提供する。ユーザーが「食前」タグ732を選択すると、画面734は、736において、高値傾向が検出されたという一般警告を提供する。フィールド736を選択すると、画面712は、N日間のうち3日に、これら3日のそれぞれにおいておよそ同一時間枠に高いBG値の傾向が存在するというより詳細な表示を表示する。
【0032】
ユーザーは「食前」タグ又は「空腹時」タグを選択することができるにもかかわらず、マイクロプロセッサは、特定の血糖測定値が空腹期間中に取られた測定値であることを自動的に推測するようにプログラムされてもよい。具体的には、図6Cの論理フロー750を参照すると、その日のうちの特定の数時間のユーザーが予め設定した時間枠内のDMUのクロックに基づいて(758)、対象の測定値が、752において、前回の血糖検査又は測定からN時間後の食前測定値としてタグ付けされ(754)、かつ、食前タグ付けされた測定値がその日の最初の検査であった場合(756)には、対象の測定値は、空腹時タグを示すように修正される(764)。値「N」は、1/2時間から8時間までの任意の値であり得、時間枠は、特定のクロック時間によって画定される任意の範囲(例えば、810の1AM〜8AM)であり得、又は、例えば3:00AM〜11:00AMのように予め設定されることができる。その結果、空腹時の測定値が、図6Cの例示された論理750に従って高値傾向を示している場合に、図6Aのメッセージ712と異なるメッセージが提示されてもよい。例えば、所与の数日間のうちに「空腹時高」パターンが何度も検出されたというメッセージ712’を、図6Aのメッセージ712の代わりに用いることができる。
【0033】
ユーザーがメニュー画面738を見ている別のシナリオでは、高値(又は空腹時高の)傾向が検出されたことを警告するために、一般的な表示740が提供され得る。フィールド740を選択すると、画面742は、例えば、高値傾向を構成する日付及び時刻743、744、745、及び746の表を示す。
【0034】
好ましい実施形態では、X時間のウィンドウは約6時間を含み、N日間は、約2日〜約21日の範囲であってもよい。別の好ましい実施形態では、X時間のウィンドウは約3時間を含み、N日間は、約2日〜約30日、最も好ましくは約2日〜約5日の範囲であってもよい。
【0035】
本明細書に記載されるシステム及びプロセスを用いて、糖尿病管理ユニットを使用して得た血糖値の高値又は低値傾向をユーザーに通知する方法が提供される。該方法は、マイクロプロセッサを使用して複数回の血糖測定を実施する工程と、複数回の血糖測定をメモリに保存する工程と、最新の血糖測定値が第1の閾値を下回るか又は第2の閾値を上回るかを判定する工程と、N日間にわたる最新の血糖測定値としての、時間枠内に実施された複数回の血糖測定のうちの少なくとも1つの血糖測定値が、第1の低閾値より低いか又は第2の閾値より高いかを、マイクロプロセッサを使用して評価する工程と、評価工程が達成され次第、N日間を通じた少なくとも2日の同一時間枠内で、複数回の血糖測定が低閾値より低い傾向又は第2の閾値より高い傾向を示していることを通知する工程と、を含む。
【0036】
図7に示されるような更なる代替実施形態では、高値傾向検出論理800がシステムに提供される。この論理フローでは、最新のBG結果が高閾値より高いかどうかに関して論理的質問802がなされる。真の場合には、最新のBG結果が食前BG結果又は空腹時BG結果としてタグ付けされたかどうかに関する論理的質問804がなされる。真の場合には、論理は、過去N日間(例えば、4日)にわたる2つ以上の先のBG測定値が高閾値を上回るかどうかを判定する質問806に流れる。真の場合には、論理は、同じ2つ以上のBG結果が、食前BG結果又は空腹時BG結果のいずれかとしてフラグ付けされたかどうかを判定する質問808に流れる。真の場合には、論理は、最新のBG結果及び同じ2つ以上の過去のBG結果が全てX時間の時間枠内で生じているかどうかを判定する質問810に流れる。真の場合には、論理800は出力812で高値傾向警告を通知する。質問802〜810において、論理が偽を返す場合には、ルーチンは814で終了する。好ましい実施形態において、変数Nは約2日〜90日までの任意の値であり得、Xは約1時間〜約7時間までの任意の値であり得る。
【0037】
論理800の例では、次の表1に記載されるように、ユーザーは月曜日から金曜日に一連の測定を行い、最新のBG結果は金曜日の9AMであるものとする。
【0038】
【表1】
【0039】
表1を参照すると、最新のBGは、論理的質問802及び804に対して論理的真状態を有する(即ち、高閾値を超えかつ空腹時としてフラグ付けされている)。過去4日のそれぞれに関する少なくとも1つのBGは、論理的質問806及び808に対して論理的真状態を有する。論理的質問810は、最新のBG値(質問802及び804)並びに少なくとも2つのBG値(質問806及び808)である少なくとも3つのBG値を評価する必要がある。
【0040】
過去4日に収集された結果に基づいて、金曜日の9:00AMの最新のBGと共に警告メッセージが通知されることになる。3時間の時間枠は、時刻の時系列で、7:50AM(月曜日)、9:00AM(金曜日)、及び10:49AM(火曜日)を含むことができ、最新の時刻と最初の時刻との間の差は3時間未満である(10:49AM−7:50AM=2時間59分)。したがって、月曜日、金曜日、及び火曜日のBG値がこの3時間の時間枠に入る。月曜日、金曜日、及び火曜日の他に、3時間の時間枠は、時刻の時系列で、7:40AM(水曜日)、7:50AM(月曜日)、及び9:00AM(金曜日)も含むことができ、その場合、最新の時刻と最初の時刻との間の差は3時間未満である(9:00AM−7:40AM=1時間20分)。
【0041】
表1に戻って参照すると、水曜日の高値傾向警告は存在しない。水曜日に関しては、7:40AM(水曜日)、7:50AM(月曜日)、及び10:49AM(火曜日)である2つの過去のBG値及び1つの最新のBG値が論理的質問810で評価され、その場合、最新の時刻と最初の時刻との間の差は3時間未満である(即ち、10:49AM−7:40AM=3時間9分)。したがって、水曜日、月曜日、及び火曜日のBG値は3時間の時間枠に入らない。
【0042】
表1に戻って参照すると、木曜日の高値傾向警告は存在しない。木曜日に関しては、2つの過去のBG値及び1つの最新のBG値が論理的質問810で評価される。論理的質問810で評価され得る過去の日の組み合わせには、月曜日/火曜日、月曜日/水曜日、及び火曜日/水曜日の3つの組み合わせが存在することに留意されたい。ここで、過去の日の組み合わせのうちの任意の1つと最新BGとを組み合わせることは、3時間の時間枠の範囲に入る3つのBG値をもたらさない。
【0043】
表1に記載の実施形態では、一日当たり1つだけの、高閾値を超えかつ空腹時とフラグ付けされたグルコース濃度が示されたことに留意されたい。他の場合には、一日当たり2つ以上の、高閾値を超えかつ空腹時とフラグ付けされたグルコース濃度が存在する可能性がある。そのような場合には、論理800で評価される必要がある3つのBG値の組み合わせ数は増加する。
【0044】
論理ルーチン800の適用性の更なる実証として、表2に記載のように、ユーザーが(表1の)金曜日の後の土曜日にも最新のBG測定を更に行ったと考える。
【0045】
【表2】
【0046】
表2では、論理800は土曜日(11:50AM)に高値傾向警告を検出することになり、最新のBGと共に通知されることになる。論理的質問810で評価され得る過去の日の組み合わせには、月曜日/火曜日、月曜日/水曜日、月曜日/木曜日、火曜日/水曜日、火曜日/木曜日、及び水曜日/木曜日の6つの組み合わせが存在することに留意されたい。3時間の時間枠は、時刻の時系列で、10:49AM(火曜日)、11:30AM(木曜日)、及び11:50AM(土曜日)を含み、最新の時刻と最初の時刻との間の差は3時間未満である(即ち、11:50AM−10:49AM=1時間1分)。したがって、火曜日、木曜日、及び土曜日のBG値がこの3時間の時間枠に入る。表2を基に要約すると、ユーザーは、2つのメッセージ(1つは金曜日にもう1つのメッセージは土曜日に)を提供されることになる。しかしながら、別の方法としては、傾向データの優先順位付けにより、2つの高値傾向を報告するメッセージが、土曜日に1つだけ生成されてもよい。高値傾向又は低値傾向報告の優先順位付けは、次に基づくことができる:一度グルコース値が(高値又は低値)傾向に使用されると、他の(高値又は低値)傾向に含められない;複数の傾向が検出される場合、結果のうちで最も緊密なクラスタリング(tightest clustering)が報告されることになる;又は、1時間で複数の高及び低BG測定値が存在する場合、最初の測定値が傾向分析に含められる(即ち、1時間で複数の高い値又は1時間以内に複数の低い値のいずれかが存在する場合、最初の値のみが傾向分析に含められる)。あるいは、優先順位付けは、最新のBG結果に対して時間的に最も近い2つのBG結果、又は最新のBG結果に対して時間的に最も近い3つのBG結果によって決定され得る、時間的な近さ又はクラスタリング緊密度に基づくことも可能である。
【0047】
例示的実施形態が血糖測定器に関して記載されてきたが、他の糖尿病管理装置を使用することも可能である。例えば、図8を参照すると、分析物測定及び管理装置10は、本明細書に記載されるように、例えばインスリンペン28、インスリンポンプ48、携帯電話68などの携帯用グルコース−インスリンデータ管理ユニット、即ちDMUと、又はパーソナルコンピュータ26若しくはネットワークサーバー70と通信する例示の携帯用グルコース−インスリンデータ管理ユニット装置の組み合わせを通じて、無線で通信するように構成されてもよい。本明細書で使用する時、用語「DMU」は、個々のユニット10、28、48、68を別々に、又は疾患管理システムにおいて共に使用可能である携帯用グルコース−インスリンデータ管理ユニット(28、48、68)全てのいずれかを表す。更に、分析物測定及び管理ユニット、即ちDMU 10は、グルコース測定器、測定器、分析物測定装置、インスリン送達装置、又は分析物試験及び薬剤送達装置の組み合わせを含むことが意図される。一実施形態において、分析物測定及び管理ユニット10は、ケーブルを用いてパーソナルコンピュータ26に接続されてもよい。代替案では、DMUは、好適な無線技術、例えば、GSM(登録商標)、CDMA、BlueTooth(登録商標)、WiFi等を介して、コンピュータ26又はサーバー70に接続されてもよい。
【0048】
図8を参照すると、本明細書に記載の通りに実施するために、インスリンペンを利用することができることを留意するべきである。そのようなインスリンペン28は、ユーザーが糖尿病を管理するのを支援するための例示的な方法及びそれらの変形を実施するようにプログラムされた電子モジュール30を備えていてもよい。装置28のハウジング内には、ユーザーから指示されることなく自動的にDMU 10の無線モジュール46に信号を送信する無線モジュール32が配置されてもよい。無線信号は、例示的実施形態において、(a)送達される治療薬の種類、(b)ユーザーに送達される治療薬の量、(c)治療薬送達の日時、(d)高又は低BG結果の傾向、に関するデータを含み得る。こうしたユーザー起動型の治療薬送達装置の非限定的な例が、同時係属中の米国特許非暫定出願第12/407173号(代理人整理番号LFS−5180USNPにより暫定的に識別される)、同第12/417875号(代理人整理番号LFS−5183USNPにより暫定的に識別される)、及び同第12/540217号(代理人整理番号DDI−5176USNPにより暫定的に識別される)に述べられており、本出願に添付されたコピーを参照することによりその全体が本明細書に援用される。こうしたユーザー起動型の治療薬送達装置の別の非限定的な例は、インスリンペン28である。インスリンペンにはインスリンのバイアル瓶又はカートリッジを装填することができ、使い捨ての針に取り付けることができる。インスリンペンの各部分が再使用可能であってもよく、インスリンペンが完全に使い捨てであってもよい。インスリンペンはNovo Nordisk、Aventis、及びEli Lillyなどの会社から市販されており、Novolog、Humalog、Levemir及びLantusといった各種のインスリンとともに使用することができる。
【0049】
血糖測定器10の更なる代替案としては、図8に示されるように、治療薬投与装置はポンプ48も含むことができ、このポンプ48は、ハウジング50と、バックライトボタン52と、アップボタン54と、カートリッジ蓋56と、ボーラスボタン58と、ダウンボタン60と、バッテリーキャップ62と、OKボタン64と、ディスプレイ66と、を含む。ポンプ48は、例えば血糖値を調節するためのインスリンなど薬物を分配するように構成することができる。先に述べたように、マイクロプロセッサは、本明細書に記載の様々なプロセスの工程を一般的に実施するようにプログラムされてもよい。このマイクロプロセッサは、例えば、血糖値計、インスリンペン、インスリンポンプ、サーバー、携帯電話、パーソナルコンピュータ、又は移動携帯型装置などの特定の装置の一部であってよい。
【0050】
更に、本明細書に記載する様々な方法を用いて、例えば、Visual Studio 6.0、C又はC++(及びその変形)、Windows(登録商標) 2000 Server、及びSQL Server 2000などの既製のソフトウェア開発ツールを用いてソフトウェアコードを生成することができる。しかしながら、これらの方法は、こうした方法をコードするための新しいソフトウェア言語の必要条件及び入手可能性に応じて、他のソフトウェア言語に変換することもできる。更に、本明細書で述べた様々な方法は、適当なソフトウェアコードに一旦変換されれば、適当なマイクロプロセッサ又はコンピュータによって実行される際に、これらの方法において述べられた工程をあらゆる他の必要な工程とともに実行するように動作する、任意のコンピュータ読みだし可能な記憶媒体として実施することができる。
【0051】
本発明を特定の変形例及び説明図に関して述べたが、当業者には本発明が上述された変形例又は図に限定されないことが認識されよう。更に、上述の方法及び工程が特定の順序で起こる特定の事象を示している場合、当業者には特定の工程の順序が変更可能であり、そうした変更は本発明の変形例に従うものである点が認識されよう。更に、こうした工程のうちのあるものは、上述のように順次行われるが、場合に応じて並行したプロセスで同時に行われてもよい。したがって、開示の趣旨及び本発明の同等物の範囲内にある本発明の変形が存在する範囲では、本特許請求がこうした変形例をも包含することが意図されるところである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイ、メモリ、及びユーザーインターフェースボタンに接続されたマイクロプロセッサを有する糖尿病管理ユニットを使用して得られた血糖値における高値又は低値傾向をユーザーに通知する方法であって、該方法が、
前記マイクロプロセッサを使用して、前記ユーザーの複数回の血糖測定を実施する工程と、
前記ユーザーの前記複数回の血糖測定値を前記メモリに保存する工程と、
一日の間の所与の時刻に測定された最新の血糖測定値が、血液1デシリットル当たり約70mgのグルコースである第1の閾値を下回っているか、又は血液1デシリットル当たり約150mgのグルコースである第2の閾値を上回っているかを判定する工程と、
過去の数日を通じた前記最新の血糖測定値の前記所与の時刻前後の約3時間の時間枠内に実施された前記複数の血糖測定のうちの少なくとも1つの血糖測定値が、前記第1の閾値より低いか又は前記第2の閾値より高いかを、マイクロプロセッサを使用して評価する工程と、
前記少なくとも1つの血糖測定値が前記第1の閾値より低い又は前記第2の閾値より高いという前記評価が達成され次第、過去の数日の間の同一時間枠において、前記複数の血糖測定値が、前記第1の閾値より低い血糖測定値の傾向又は前記第2の閾値より高い血糖測定値の傾向を示すことを通知する工程と、
を含む方法。
【請求項2】
ディスプレイ、メモリ、及びユーザーインターフェースボタンに接続されたマイクロプロセッサを有する糖尿病管理ユニットを使用して得られた血糖値における高値又は低値傾向をユーザーに通知する方法であって、該方法が、
前記マイクロプロセッサを使用して、前記ユーザーの複数回の血糖測定を実施する工程と、
前記複数回の血糖測定をメモリに保存する工程と、
一日の間の所与の時刻における最新の血糖測定値が、第1の閾値を下回る又は第2の閾値を上回るかどうかを判定する工程と、
N日間を通じた前記最新の血糖測定値の前記所与の時刻前後のX時間の時間枠内に実施された前記複数回の血糖測定の少なくとも1つの血糖測定値が、前記第1の閾値より低いか又は前記第2の閾値より高いかを、マイクロプロセッサを使用して評価する工程と、
前記評価する工程が達成され次第、前記N日間を通じた同一時間枠において、前記複数回の血糖測定が、低閾値より低い血糖傾向又は第2の閾値より高い血糖傾向を示すことを通知する工程と、を含む方法。
【請求項3】
ディスプレイ、メモリ、及びユーザーインターフェースボタンに接続されたマイクロプロセッサを有する糖尿病管理ユニットを使用して得られた血糖値における高値又は低値傾向をユーザーに通知する方法であって、該方法が、
前記マイクロプロセッサを使用して、前記ユーザーの複数回の血糖測定を実施する工程と、
前記複数回の血糖測定をメモリに保存する工程と、
一日の間の所与の時刻における最新の血糖測定値が第1の閾値を下回るかどうかを判定する工程と、
N日間を通じた前記最新の血糖測定値の前記所与の時刻前後のX時間の時間枠内に実施された前記複数回の血糖測定の少なくとも1つの血糖測定値が、前記第1の閾値より低いかどうかを、マイクロプロセッサを使用して評価する工程と、
前記評価する工程が達成され次第、前記N日間を通じた同一時間枠において、前記複数の血糖測定値が、前記低閾値より低い血糖傾向を示すことを通知する工程と、を含む方法。
【請求項4】
ディスプレイ、メモリ、及びユーザーインターフェースボタンに接続されたマイクロプロセッサを有する糖尿病管理ユニットを使用して得られた血糖値における高値又は低値傾向をユーザーに通知する方法であって、該方法が、
前記マイクロプロセッサを使用して、前記ユーザーの複数回の血糖測定を実施する工程と、
前記複数回の血糖測定をメモリに保存する工程と、
一日の間の所与の時刻における最新の血糖測定値が第2の閾値より高いかどうかを判定する工程と、
N日間を通じた前記最新の血糖測定値の前記所与の時刻前後のX時間の時間枠内に実施された前記複数回の血糖測定の少なくとも1つの血糖測定値が、前記第2の閾値より高いかどうかを、マイクロプロセッサを使用して評価する工程と、
前記評価する工程が達成され次第、前記N日間を通じた同一時間枠において、前記複数回の血糖測定値が、前記第2の閾値より高い血糖傾向を示すことを通知する工程と、を含む方法。
【請求項5】
前記判定する工程は、前記最新の血糖測定値が(a)食前に行われた測定値又は(b)空腹期間中に行われた測定値であるとフラグ付けされたかどうかを確認することを更に含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
最近のN日間が、約2〜約14の任意の数を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記X時間が、約0〜約7時間の間の任意の数を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記X時間が、約0〜約3時間の間の任意の数を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の閾値が、血液1デシリットル当たり約70mgのグルコースを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
前記第2の閾値が、血液1デシリットル当たり約150mgのグルコースを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項11】
前記通知する工程が、第1の閾値を下回る保存された血糖値の分布を、それぞれの保存された血糖値に対して得られた対応する日付及び時刻を有して表示することを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項12】
前記通知する工程が、第2の閾値を上回る保存された血糖値を、それぞれの保存された血糖値に対して得られた対応する日付及び時刻を有して表示することを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項13】
前記通知する工程が、日付と、時刻と、かかる日付及び時刻における前記第1の閾値を下回る測定血糖値と、を有する表を表示することを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項14】
前記通知する工程が、日付と、時刻と、かかる日付及び時刻における前記第2の閾値を上回る測定血糖値と、を有する表を表示することを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項15】
前記通知する工程が、概して同じ意味を有する異なるメッセージフォーマットを通知することを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
糖尿病管理システムであって、
グルコース試験ストリップと、
糖尿病管理ユニットと、を含み、該糖尿病管理ユニットが、
前記グルコース試験ストリップを収容するように構成された試験ストリップポートを含むハウジングと、
複数のユーザーインターフェースボタンと、
前記試験ストリップポートに接続されて、前記試験ストリップの上に沈着したユーザーの生理液中の測定されたグルコースの量に関するデータを提供するマイクロプロセッサと、を含み、
該マイクロプロセッサは、メモリ、及びユーザーインターフェースボタンに更に接続され、該マイクロプロセッサが、
(a)前記ユーザーの複数回の血糖測定を実施する、
(b)前記複数回の血糖測定値を保存する、
(c)一日の間の所与の時刻における最新の血糖測定値が、第1の閾値を下回るか又は第2の閾値を上回るかどうかを判定する、
(d)N日間を通じた前記最新の血糖測定値としての、前記所与の時刻前後のX時間の時間枠内に実施された前記複数回の血糖測定の少なくとも1つの血糖測定値が、前記第1の低閾値より低いか又は前記第2の閾値より高いかかどうかを評価する、及び
(e)前記評価する工程が達成され次第、前記N日間を通じた少なくとも2日の同一時間枠内で、前記複数回の血糖測定が、前記低閾値より低い傾向又は前記第2の閾値より高い傾向を示していることを通知する、
ようにプログラムされる、糖尿病管理システム。
【請求項17】
糖尿病管理システムであって、
グルコース試験ストリップと、
糖尿病管理ユニットと、を含み、該糖尿病管理ユニットが、
前記グルコース試験ストリップを収容するように構成された試験ストリップポートを含むハウジングと、
複数のユーザーインターフェースボタンと、
前記試験ストリップポートに接続されて、前記試験ストリップの上に沈着したユーザーの生理液中の測定されたグルコースの量に関するデータを提供するマイクロプロセッサと、
を含み、該マイクロプロセッサが、メモリ、及びユーザーインターフェースボタンに更に接続され、該マイクロプロセッサが、
(a)前記ユーザーの複数回の血糖測定を実施する、
(b)前記複数回の血糖測定を保存する、
(c)一日の間の所与の時刻における最新の血糖測定値が、第1の閾値を下回るかどうかを判定する、
(d)N日間を通じた前記最新の血糖測定値としての、前記所与の時刻前後のX時間の時間枠内に実施された前記複数回の血糖測定の少なくとも1つの血糖測定値が、前記第1の低閾値より低いかどうかを評価する、及び
(e)前記評価が達成され次第、前記N日間を通じた少なくとも2日の同一時間枠内で、前記複数回の血糖測定値が低閾値より低い傾向を示していることを通知する、
ようにプログラムされる、糖尿病管理システム。
【請求項18】
糖尿病管理システムにおいて、
グルコース試験ストリップと、
糖尿病管理ユニットと、を含み、該糖尿病管理ユニットが、
前記グルコース試験ストリップを収容するように構成された試験ストリップポートを含むハウジングと、
複数のユーザーインターフェースボタンと、
前記試験ストリップポートに接続されて、前記試験ストリップの上に沈着したユーザーの生理液中の測定されたグルコースの量に関するデータを提供するマイクロプロセッサと、を含み、
該マイクロプロセッサは、メモリ、及びユーザーインターフェースボタンに更に接続され、
(a)前記ユーザーの複数回の血糖測定を実施する、
(b)前記複数回の血糖測定を保存する、
(c)一日の間の所与の時刻における最新の血糖測定値が第2の閾値を上回るかどうかを判定する、
(d)N日間を通じた前記最新の血糖測定値としての、前記所与の時刻前後のX時間の時間枠内に実施された前記複数回の血糖測定の少なくとも1つの血糖測定値が、前記第2の閾値より高いかどうかを判定する、及び
(e)前記評価が達成され次第、前記N日間を通じた少なくとも2日の同一時間枠内で、前記複数回の血糖測定値が低閾値より低い傾向又は第2の閾値より高い傾向を示していることを通知する、ようにプログラムされる、
糖尿病管理システム。
【請求項19】
前記マイクロプロセッサが、前記最新の血糖測定値が、(a)食前に行われた測定値又は(b)空腹期間といった所与の条件のうちの1つであるとしてフラグ付けされたかどうかを確認するように更にプログラムされる、請求項16〜18のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項20】
前記マイクロプロセッサが、前記所与の条件として、前記最新の血糖測定値が第1の閾値を下回るかどうかを確認するように更にプログラムされる、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
最近のN日間が、約2〜約14の任意の数を含み、前記X時間が、約0〜約7時間の間の任意の数を含む、請求項19に記載のシステム。
【請求項22】
前記X時間が、約0〜約3時間の間の任意の数を含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項23】
前記第1の閾値が、血液1デシリットル当たり約70mgのグルコースを含み、前記第2の閾値が、血液1デシリットル当たり約150mgのグルコースを含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項24】
前記マイクロプロセッサが、概して同じ意味を有する異なるメッセージフォーマットを通知するようにプログラムされる、請求項16〜18のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項1】
ディスプレイ、メモリ、及びユーザーインターフェースボタンに接続されたマイクロプロセッサを有する糖尿病管理ユニットを使用して得られた血糖値における高値又は低値傾向をユーザーに通知する方法であって、該方法が、
前記マイクロプロセッサを使用して、前記ユーザーの複数回の血糖測定を実施する工程と、
前記ユーザーの前記複数回の血糖測定値を前記メモリに保存する工程と、
一日の間の所与の時刻に測定された最新の血糖測定値が、血液1デシリットル当たり約70mgのグルコースである第1の閾値を下回っているか、又は血液1デシリットル当たり約150mgのグルコースである第2の閾値を上回っているかを判定する工程と、
過去の数日を通じた前記最新の血糖測定値の前記所与の時刻前後の約3時間の時間枠内に実施された前記複数の血糖測定のうちの少なくとも1つの血糖測定値が、前記第1の閾値より低いか又は前記第2の閾値より高いかを、マイクロプロセッサを使用して評価する工程と、
前記少なくとも1つの血糖測定値が前記第1の閾値より低い又は前記第2の閾値より高いという前記評価が達成され次第、過去の数日の間の同一時間枠において、前記複数の血糖測定値が、前記第1の閾値より低い血糖測定値の傾向又は前記第2の閾値より高い血糖測定値の傾向を示すことを通知する工程と、
を含む方法。
【請求項2】
ディスプレイ、メモリ、及びユーザーインターフェースボタンに接続されたマイクロプロセッサを有する糖尿病管理ユニットを使用して得られた血糖値における高値又は低値傾向をユーザーに通知する方法であって、該方法が、
前記マイクロプロセッサを使用して、前記ユーザーの複数回の血糖測定を実施する工程と、
前記複数回の血糖測定をメモリに保存する工程と、
一日の間の所与の時刻における最新の血糖測定値が、第1の閾値を下回る又は第2の閾値を上回るかどうかを判定する工程と、
N日間を通じた前記最新の血糖測定値の前記所与の時刻前後のX時間の時間枠内に実施された前記複数回の血糖測定の少なくとも1つの血糖測定値が、前記第1の閾値より低いか又は前記第2の閾値より高いかを、マイクロプロセッサを使用して評価する工程と、
前記評価する工程が達成され次第、前記N日間を通じた同一時間枠において、前記複数回の血糖測定が、低閾値より低い血糖傾向又は第2の閾値より高い血糖傾向を示すことを通知する工程と、を含む方法。
【請求項3】
ディスプレイ、メモリ、及びユーザーインターフェースボタンに接続されたマイクロプロセッサを有する糖尿病管理ユニットを使用して得られた血糖値における高値又は低値傾向をユーザーに通知する方法であって、該方法が、
前記マイクロプロセッサを使用して、前記ユーザーの複数回の血糖測定を実施する工程と、
前記複数回の血糖測定をメモリに保存する工程と、
一日の間の所与の時刻における最新の血糖測定値が第1の閾値を下回るかどうかを判定する工程と、
N日間を通じた前記最新の血糖測定値の前記所与の時刻前後のX時間の時間枠内に実施された前記複数回の血糖測定の少なくとも1つの血糖測定値が、前記第1の閾値より低いかどうかを、マイクロプロセッサを使用して評価する工程と、
前記評価する工程が達成され次第、前記N日間を通じた同一時間枠において、前記複数の血糖測定値が、前記低閾値より低い血糖傾向を示すことを通知する工程と、を含む方法。
【請求項4】
ディスプレイ、メモリ、及びユーザーインターフェースボタンに接続されたマイクロプロセッサを有する糖尿病管理ユニットを使用して得られた血糖値における高値又は低値傾向をユーザーに通知する方法であって、該方法が、
前記マイクロプロセッサを使用して、前記ユーザーの複数回の血糖測定を実施する工程と、
前記複数回の血糖測定をメモリに保存する工程と、
一日の間の所与の時刻における最新の血糖測定値が第2の閾値より高いかどうかを判定する工程と、
N日間を通じた前記最新の血糖測定値の前記所与の時刻前後のX時間の時間枠内に実施された前記複数回の血糖測定の少なくとも1つの血糖測定値が、前記第2の閾値より高いかどうかを、マイクロプロセッサを使用して評価する工程と、
前記評価する工程が達成され次第、前記N日間を通じた同一時間枠において、前記複数回の血糖測定値が、前記第2の閾値より高い血糖傾向を示すことを通知する工程と、を含む方法。
【請求項5】
前記判定する工程は、前記最新の血糖測定値が(a)食前に行われた測定値又は(b)空腹期間中に行われた測定値であるとフラグ付けされたかどうかを確認することを更に含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
最近のN日間が、約2〜約14の任意の数を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記X時間が、約0〜約7時間の間の任意の数を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記X時間が、約0〜約3時間の間の任意の数を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の閾値が、血液1デシリットル当たり約70mgのグルコースを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
前記第2の閾値が、血液1デシリットル当たり約150mgのグルコースを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項11】
前記通知する工程が、第1の閾値を下回る保存された血糖値の分布を、それぞれの保存された血糖値に対して得られた対応する日付及び時刻を有して表示することを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項12】
前記通知する工程が、第2の閾値を上回る保存された血糖値を、それぞれの保存された血糖値に対して得られた対応する日付及び時刻を有して表示することを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項13】
前記通知する工程が、日付と、時刻と、かかる日付及び時刻における前記第1の閾値を下回る測定血糖値と、を有する表を表示することを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項14】
前記通知する工程が、日付と、時刻と、かかる日付及び時刻における前記第2の閾値を上回る測定血糖値と、を有する表を表示することを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項15】
前記通知する工程が、概して同じ意味を有する異なるメッセージフォーマットを通知することを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
糖尿病管理システムであって、
グルコース試験ストリップと、
糖尿病管理ユニットと、を含み、該糖尿病管理ユニットが、
前記グルコース試験ストリップを収容するように構成された試験ストリップポートを含むハウジングと、
複数のユーザーインターフェースボタンと、
前記試験ストリップポートに接続されて、前記試験ストリップの上に沈着したユーザーの生理液中の測定されたグルコースの量に関するデータを提供するマイクロプロセッサと、を含み、
該マイクロプロセッサは、メモリ、及びユーザーインターフェースボタンに更に接続され、該マイクロプロセッサが、
(a)前記ユーザーの複数回の血糖測定を実施する、
(b)前記複数回の血糖測定値を保存する、
(c)一日の間の所与の時刻における最新の血糖測定値が、第1の閾値を下回るか又は第2の閾値を上回るかどうかを判定する、
(d)N日間を通じた前記最新の血糖測定値としての、前記所与の時刻前後のX時間の時間枠内に実施された前記複数回の血糖測定の少なくとも1つの血糖測定値が、前記第1の低閾値より低いか又は前記第2の閾値より高いかかどうかを評価する、及び
(e)前記評価する工程が達成され次第、前記N日間を通じた少なくとも2日の同一時間枠内で、前記複数回の血糖測定が、前記低閾値より低い傾向又は前記第2の閾値より高い傾向を示していることを通知する、
ようにプログラムされる、糖尿病管理システム。
【請求項17】
糖尿病管理システムであって、
グルコース試験ストリップと、
糖尿病管理ユニットと、を含み、該糖尿病管理ユニットが、
前記グルコース試験ストリップを収容するように構成された試験ストリップポートを含むハウジングと、
複数のユーザーインターフェースボタンと、
前記試験ストリップポートに接続されて、前記試験ストリップの上に沈着したユーザーの生理液中の測定されたグルコースの量に関するデータを提供するマイクロプロセッサと、
を含み、該マイクロプロセッサが、メモリ、及びユーザーインターフェースボタンに更に接続され、該マイクロプロセッサが、
(a)前記ユーザーの複数回の血糖測定を実施する、
(b)前記複数回の血糖測定を保存する、
(c)一日の間の所与の時刻における最新の血糖測定値が、第1の閾値を下回るかどうかを判定する、
(d)N日間を通じた前記最新の血糖測定値としての、前記所与の時刻前後のX時間の時間枠内に実施された前記複数回の血糖測定の少なくとも1つの血糖測定値が、前記第1の低閾値より低いかどうかを評価する、及び
(e)前記評価が達成され次第、前記N日間を通じた少なくとも2日の同一時間枠内で、前記複数回の血糖測定値が低閾値より低い傾向を示していることを通知する、
ようにプログラムされる、糖尿病管理システム。
【請求項18】
糖尿病管理システムにおいて、
グルコース試験ストリップと、
糖尿病管理ユニットと、を含み、該糖尿病管理ユニットが、
前記グルコース試験ストリップを収容するように構成された試験ストリップポートを含むハウジングと、
複数のユーザーインターフェースボタンと、
前記試験ストリップポートに接続されて、前記試験ストリップの上に沈着したユーザーの生理液中の測定されたグルコースの量に関するデータを提供するマイクロプロセッサと、を含み、
該マイクロプロセッサは、メモリ、及びユーザーインターフェースボタンに更に接続され、
(a)前記ユーザーの複数回の血糖測定を実施する、
(b)前記複数回の血糖測定を保存する、
(c)一日の間の所与の時刻における最新の血糖測定値が第2の閾値を上回るかどうかを判定する、
(d)N日間を通じた前記最新の血糖測定値としての、前記所与の時刻前後のX時間の時間枠内に実施された前記複数回の血糖測定の少なくとも1つの血糖測定値が、前記第2の閾値より高いかどうかを判定する、及び
(e)前記評価が達成され次第、前記N日間を通じた少なくとも2日の同一時間枠内で、前記複数回の血糖測定値が低閾値より低い傾向又は第2の閾値より高い傾向を示していることを通知する、ようにプログラムされる、
糖尿病管理システム。
【請求項19】
前記マイクロプロセッサが、前記最新の血糖測定値が、(a)食前に行われた測定値又は(b)空腹期間といった所与の条件のうちの1つであるとしてフラグ付けされたかどうかを確認するように更にプログラムされる、請求項16〜18のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項20】
前記マイクロプロセッサが、前記所与の条件として、前記最新の血糖測定値が第1の閾値を下回るかどうかを確認するように更にプログラムされる、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
最近のN日間が、約2〜約14の任意の数を含み、前記X時間が、約0〜約7時間の間の任意の数を含む、請求項19に記載のシステム。
【請求項22】
前記X時間が、約0〜約3時間の間の任意の数を含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項23】
前記第1の閾値が、血液1デシリットル当たり約70mgのグルコースを含み、前記第2の閾値が、血液1デシリットル当たり約150mgのグルコースを含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項24】
前記マイクロプロセッサが、概して同じ意味を有する異なるメッセージフォーマットを通知するようにプログラムされる、請求項16〜18のいずれか一項に記載のシステム。
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図6B−1】
【図6B−2】
【図6C】
【図7】
【図8】
【図1B】
【図2】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図6B−1】
【図6B−2】
【図6C】
【図7】
【図8】
【公表番号】特表2013−520278(P2013−520278A)
【公表日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−554979(P2012−554979)
【出願日】平成22年6月29日(2010.6.29)
【国際出願番号】PCT/US2010/040434
【国際公開番号】WO2011/106029
【国際公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(502328710)ライフスキャン・スコットランド・リミテッド (70)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月29日(2010.6.29)
【国際出願番号】PCT/US2010/040434
【国際公開番号】WO2011/106029
【国際公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(502328710)ライフスキャン・スコットランド・リミテッド (70)
【Fターム(参考)】
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