説明

高透明なポリイミド前駆体及びそれを用いた樹脂組成物、ポリイミド成形体とその製造方法、プラスチック基板、保護膜とそれを有する電子部品、表示装置

【課題】 300℃以上の高温で加熱処理しても十分な透明性を有し、薬液耐性に優れる樹脂組成物を及びそれを用いたポリイミド成形体とその製造方法等を提供する。
【解決手段】 (a)一般式(I)で示される繰り返し単位を有するポリイミド前駆体。前記のポリイミド前駆体を含有する樹脂組成物。前記の樹脂組成物を加熱することで得られるポリイミド成形体。ポリイミド成形体からなるプラスチック基板。ポリイミド成形体からなる保護膜。保護膜を有する電子部品、表示装置。
【化1】


(一般式(I)中、Xはエーテル結合及びビフェニル骨格を有するジアミン残基である。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透明性、薬液耐性、耐熱性及び機械特性に優れるポリイミド前駆体、該ポリイミド前駆体を含有する樹脂組成物、該樹脂組成物を成形してなるポリイミド成形体に関する。また、該成形体からなるプラスチック基板及び保護膜、又は該基板及び該保護膜を備えた電気・電子部品、並びに該ポリイミド成形体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ポリイミド樹脂は、高い耐熱性に加え、絶縁性に優れた電気特性、並びに耐摩耗性及び寸法安定性といった機械強度を有する。このような特性を併せ持つことから、フレキシブルプリント基板のベースフィルムなどの電気・電子産業分野で広く用いられている。近年、表示装置の分野では、耐破損性の向上、軽量化、薄型化等の要望から、基板ガラスやカバーガラスをプラスチック基板に置き換えることが検討されている。表示装置とは、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ、電子ペーパー等を差す。特に、携帯電話、電子手帳、ラップトップ型パソコン等の携帯情報端末などの移動型情報通信機器用表示装置では、プラスチック基板に対する強い要望がある。さらに、耐熱性や機械特性に加え、高い視認性の実現及び透過型ディスプレイへの適用の観点から透明性にも優れる樹脂材料の開発が強く求められている。
【0003】
しかし、一般にポリイミド樹脂は、分子内共役及び電荷移動錯体の形成により、黄褐色に着色する。その解決策として、ポリイミド樹脂へフッ素を導入すること、主鎖に屈曲性を与えること、嵩高い側鎖を導入すること等により、電荷移動錯体の形成を阻害し、透明性を発現させる方法が提案されている(非特許文献1)。また、電荷移動錯体を形成しない半脂環式又は全脂環式ポリイミド樹脂を用いることにより透明性を発現させる方法も提案されている(特許文献1〜3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−348374号公報
【特許文献2】特開2005−015629号公報
【特許文献3】特開2009−286706号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Polymer(米国)、第47巻、p.2337−2348、2006年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一方、表示装置に用いられるプラスチック基板にはレジストプロセスにおける耐性が求められている。レジストプロセスでは、レジストを剥離する際に有機溶剤(レジストストリッパー)が用いられることが多く、これらの薬液に対する耐性が必要である。しかし特許文献1〜3のようなフッ素化モノマーや脂環式モノマーから得られるポリイミド樹脂は、レジストプロセスの際にポリイミド樹脂にクラックが発生するという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、300℃以上の高温で加熱処理しても十分な透明性を有し、薬液耐性に優れるポリイミド前駆体とそれを含有する樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明は、前記樹脂組成物を加熱処理して得られる成形体、成形体からなるプラスチック基板及び保護膜、該基板及び保護膜を備えた電気・電子部品と、その製造方法の提供をするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、(a)一般式(I)で示される繰り返し単位を有するポリイミド前駆体を提供する。
【0010】
【化1】

(一般式(I)中、Xはエーテル結合とビフェニル骨格を有するジアミン残基を示す)
また、本発明のポリイミド前駆体は、一般式(I)で示される繰り返し単位を有するポリイミド前駆体が、一般式(II)で示される繰り返し単位を有することが好ましい。
【0011】
【化2】

(一般式(II)中、nは、1〜3の整数を示す)
【0012】
また、本発明は、前記のポリイミド前駆体を含有する樹脂組成物を提供する。さらに本発明の樹脂組成物は(b)有機溶剤を含有することが好ましい。
【0013】
さらに、本発明は、前記樹脂組成物を加熱することで得られるポリイミド成形体を提供する。また、前記ポリイミド成形体からなるプラスチック基板又は保護膜を提供する。さらに、前記プラスチック基板又は保護膜を有する電子部品及び表示装置を提供する。また、前記樹脂組成物を基材上に塗布、乾燥して樹脂膜を形成する工程と、前記乾燥後の樹脂膜を加熱処理する工程とを含むポリイミド成形体の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、300℃以上の加熱処理後も十分な透明性を有し、薬液耐性に優れる樹脂組成物を提供することができる。また、ポリイミドの本来の特性である耐熱性、機械強度を兼ね備えたポリイミド成形体を付与する樹脂組成物を提供することができる。本発明の透明なポリイミド成形体は、無色で高透明性、高耐熱性を示し、さらに薬液耐性にすぐれるので、フレキシブルディスプレイ基板や保護膜等として好適に用いることができる。該フレキシブルディスプレイ基板又は保護膜を備えた電気・電子部品(各種電子デバイスにおける電気絶縁膜および液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ、電子ペーパー、太陽電池など)の提供が可能である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明にかかるポリイミド前駆体、樹脂組成物、ポリイミド成形体とその製造方法及び保護膜を有する電子部品の実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
【0016】
[(a)ポリイミド前駆体]
本発明のポリイミド前駆体は、(a)一般式(I)で示される繰り返し単位を有する。
【0017】
【化3】

(一般式(I)中、Xはエーテル結合とビフェニル骨格を有するジアミン残基を示す)
【0018】
また、ポリイミド前駆体は、薬液耐性をより向上させる観点から一般式(II)で示される繰り返し単位を有することが好ましい。
【0019】
【化4】

(一般式(II)中、nは、1〜3の整数を示す)
【0020】
一般にポリイミド前駆体は、テトラカルボン酸二無水物及びその誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種のテトラカルボン酸類と、少なくとも一種のジアミン類とを重合させることにより得られるポリアミド酸である。
【0021】
本発明の(a)ポリイミド前駆体の合成に用いるテトラカルボン酸類としては、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸が挙げられ,立体構造としては(1R,2S,4S,5R)−シクロヘキサンテトラカルボン酸(HS)若しくは,(1S,2S,4R,5R)−シクロヘキサンテトラカルボン酸(HH)であるものが好ましい。合成時の反応性の観点から(1S,2S,4R,5R)−シクロヘキサンテトラカルボン酸(HH)を用いることが好ましい。
【0022】
本発明のポリイミド前駆体の合成に用いるジアミン類としては、芳香族ジアミンが挙げられる。具体的には、エーテル結合及びビフェニル骨格を有するジアミンであり、例えば、下記の化合物が挙げられる。
【0023】
【化5】

(nは、1〜3の整数を示す)
入手のしやすさ及び薬液耐性をより向上させる観点から、4,4′−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニルを用いることが好ましい。
【0024】
[(a)ポリイミド前駆体合成]
本発明の(a)成分であるポリイミド前駆体は、従来公知のポリアミド酸の合成方法で合成することができる。例えば、溶媒に所定量のジアミン類を溶解させた後、得られたジアミン溶液に、テトラカルボン酸を乾燥機で160℃、24時間加熱し脱水閉環させることで得られるテトラカルボン酸二無水物を所定量添加し、撹拌する。各モノマー成分を溶解させるときには、必要に応じて加熱してもよい。反応温度は−30〜200℃であることが好ましく、20〜180℃であることがより好ましく、30〜100℃であることがさらに好ましい。そのまま室温(20〜25℃)、あるいは適当な反応温度で撹拌を続け、ポリアミド酸の粘度が一定になった時点を反応の終点とする。粘度はE型粘度計(東機産業株式会社製)用い、25℃にて測定した。前記反応は、使用するテトラカルボン酸二無水物とジアミン類の種類にもよるが、通常3〜100時間で完了できる。
【0025】
得られたポリアミド酸(ポリイミド前駆体)を含有する溶液(以下、ポリアミド酸溶液という)の全量に対し、ポリアミド酸成分(以下、溶質という)は、塗膜形成性の観点から5〜60質量%であることが好ましく、10〜50質量%であることがさらに好ましく、10〜40質量%であることが特に好ましい。このポリアミド酸溶液中の溶質(樹脂不揮発分)の割合は、あらかじめ質量の分かっている金属シャーレに(1g程度を目安に)ポリアミド酸溶液をとり質量(金属シャーレ及びポリアミド酸の質量、以下、加熱前の質量という)を測定し、その後200℃のホットプレート上で2時間加熱して溶媒が十分に揮発したあとの質量(金属シャーレ及び溶質の質量、以下、加熱後の質量という)を測定し、(加熱後の質量−金属シャーレの質量)÷(加熱前の質量−金属シャーレの質量)×100を計算することで求められる。
【0026】
本発明のポリアミド酸を合成する場合に用いられる溶媒は、ジアミン類とテトラカルボン酸類、および生じたポリアミド酸を溶解することのできる溶剤であれば特に制限はされない。このような溶剤の具体例としては、非プロトン性溶媒、フェノール系溶媒、エーテル及びグリコール系溶媒等が挙げられる。具体的には、非プロトン性溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルカプロラクタム、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、テトラメチル尿素等のアミド系溶媒;γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン等のラクトン系溶媒;ヘキサメチルホスホリックアミド、ヘキサメチルホスフィントリアミド等の含りん系アミド系溶媒;ジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド、スルホラン等の含硫黄系溶媒;シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等のケトン系溶媒;ピコリン、ピリジンなどの3級アミン系溶媒;酢酸(2−メトキシ−1−メチルエチル)などのエステル系溶媒等が挙げられる。フェノール系溶媒としては、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール等が挙げられる。エーテル及びグリコール系溶媒としては、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、1,2−ビス(2−メトキシエトキシ)エタン、ビス[2−(2−メトキシエトキシ)エチル]エーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等が挙げられる。なかでも、溶解性及び塗膜形成性の観点からN−メチル−2−ピロリドンが好ましい。これらの反応溶媒は単独で又は2種類以上混合して用いてもよい。
【0027】
本発明のポリアミド酸(ポリイミド前駆体)の分子量は、重量平均分子量で10000〜500000であることが好ましく、10000〜300000であることがより好ましく、20000〜300000であることがさらに好ましい。ここで、重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー法(GPC、装置は株式会社日立製作所製、カラムは日立化成工業株式会社製ゲルパック)を用いて、標準ポリスチレン換算により求めることができる。分子量が10000より小さいと、加熱成形により膜を成形しにくく、膜を成形できても機械特性に乏しくなる。分子量が500000よりも大きいと、ポリアミド酸の合成時に分子量をコントロールするのが難しく、また適度な粘度の樹脂組成物を得ることが難しくなる。
【0028】
本発明のポリアミド酸(ポリイミド前駆体)の溶液粘度は、25℃で500〜200000mPa・sであることが好ましく、2000〜100000mPa・sであることがより好ましく、5000〜30000mPa・sであることがさらに好ましい。ここで、粘度はE型粘度計(東機産業株式会社製VISCONIC EHD)を用い、25℃にて測定した。粘度が500mPa・sより低いと膜形成の際の塗布がしにくく、200000mPa・sより高いと合成の際の撹拌が困難になるという問題が生じる。しかし、ポリアミド酸合成の際にここに示す高粘度になったとしても、反応終了後に溶媒を添加して撹拌することで、取扱い性のよい粘度のポリアミド酸を得る事も可能である。
【0029】
[(b)有機溶剤]
本発明の樹脂組成物は必要に応じて(b)有機溶剤を用いることが好ましい。(b)有機溶剤は、本発明のポリイミド前駆体(ポリアミド酸)を溶解できるものであれば特に制限はなく、このような溶媒としては前記(a)ポリイミド前駆体(ポリアミド酸)の合成時に用いることのできる溶媒として記載したものを用いることができる。(b)有機溶剤は(a)ポリアミド酸の合成時に用いられる反応溶媒と同一でも異なってもよい。(b)成分の含有量は樹脂組成物の25℃における粘度が、0.5Pa・s〜100Pa・sとなるように調整して加える。
【0030】
また、(b)有機溶剤の常圧における沸点は、60〜210℃が好ましく、100〜205℃がより好ましく、140〜180℃がさらに好ましい。沸点が210℃より高いと、乾燥工程が長時間必要となり、60℃より低いと、乾燥工程において膜表面に荒れや、膜中に気泡が入り清浄な膜が得られない可能性がある。
【0031】
[その他の成分]
本発明による樹脂組成物は、上記(a)成分、(b)成分の他に、(1)接着性付与剤、(2)界面活性剤又はレベリング剤、(3)溶剤等を含有しても良い。
【0032】
[その他の成分:(1)接着性付与剤]
本発明の樹脂組成物は、硬化膜の基板との接着性を高めるために、有機シラン化合物、アルミキレート化合物等の(1)接着性付与剤を含有しても良い。
【0033】
有機シラン化合物としては、例えば、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、尿素プロピルトリエトキシシラン、メチルフェニルシランジオール、エチルフェニルシランジオール、n−プロピルフェニルシランジオール、イソプロピルフェニルシランジオール、n−ブチルフェニルシランジオール、イソブチルフェニルシランジオール、tert−ブチルフェニルシランジオール、ジフェニルシランジオール、エチルメチルフェニルシラノール、n−プロピルメチルフェニルシラノール、イソプロピルメチルフェニルシラノール、n−ブチルメチルフェニルシラノール、イソブチルメチルフェニルシラノール、tert−ブチルメチルフェニルシラノール、エチルn−プロピルフェニルシラノール、エチルイソプロピルフェニルシラノール、n−ブチルエチルフェニルシラノール、イソブチルエチルフェニルシラノール、tert−ブチルエチルフェニルシラノール、メチルジフェニルシラノール、エチルジフェニルシラノール、n−プロピルジフェニルシラノール、イソプロピルジフェニルシラノール、n−ブチルジフェニルシラノール、イソブチルジフェニルシラノール、tert−ブチルジフェニルシラノール、フェニルシラントリオール、1,4−ビス(トリヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(メチルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(エチルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(プロピルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ブチルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジメチルヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジエチルヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジプロピルヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジブチルヒドロキシシリル)ベンゼン等が挙げられる。
【0034】
アルミキレート化合物としては、例えば、トリス(アセチルアセトネート)アルミニウム、アセチルアセテートアルミニウムジイソプロピレート等が挙げられる。
【0035】
これらの(1)接着性付与剤を用いる場合は、(a)成分100質量部に対して、0.1〜20質量部含有させるのが好ましく、0.5〜10質量部含有させるのがより好ましい。
【0036】
[その他の成分:(2)界面活性剤あるいはレベリング剤]
また、本発明のポリイミド樹脂組成物は、塗布性、例えばストリエーション(膜厚のムラ)を防いだりするために、適当な(2)界面活性剤あるいはレベリング剤を含有しても良い。このような界面活性剤あるいはレベリング剤としては、例えば、ポリオキシエチレンウラリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル等が挙げられる。
【0037】
市販品としては、メガファックスF171、F173、R−08(大日本インキ化学工業株式会社(DIC株式会社)製、商品名)、フロラードFC430、FC431(住友スリーエム株式会社製、商品名)、オルガノシロキサンポリマーKP341、KBM303、KBM403、KBM803(信越化学工業株式会社製、商品名)等が挙げられる。
【0038】
[樹脂組成物]
樹脂組成物の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、(a)ポリイミド前駆体(ポリアミド酸)を合成した時の反応溶媒と(b)有機溶剤が同一の場合には、(a)ポリアミド酸溶液に、室温(25℃)〜80℃の温度範囲で、(b)成分及び必要に応じて他の添加剤を添加して、攪拌混合する方法が挙げられる。この攪拌混合は撹拌翼を備えたスリーワンモータ(新東化学株式会社製)、自転公転ミキサー等の装置を用いることができる。また必要に応じて40〜100℃の熱を加えても良い。(a)ポリアミド酸を合成した時の反応溶媒と(b)有機溶剤が異なる場合には、合成したポリアミド酸溶液中の反応溶媒を、再沈殿や溶媒留去の方法により除去し、(a)ポリアミド酸を得た後に、室温〜80℃の温度範囲で、(b)有機溶剤及び必要に応じて他の添加剤を添加して、攪拌混合することにより得る方法が挙げられる。
【0039】
本発明の樹脂組成物の25℃における粘度は、使用用途・目的にもよるが、塗布工程における作業性の観点から、0.5〜100Pa・sであることが好ましく、1〜30Pa・sであることがより好ましく、5〜20Pa.sであることがさらに好ましい。
【0040】
[ポリイミド成形体]
本発明のポリイミド成形体は、本発明の樹脂組成物を塗布、乾燥して得られた樹脂膜を形成し、これを加熱処理(イミド化)することにより得ることが出来る。また、該ポリイミド成形体は、使用用途・目的により、膜状、フィルム状、シート状等の形態から選ばれる。
【0041】
ポリイミド成形体の製造方法は、(1)本発明の樹脂組成物を基材上に塗布する工程、(2)塗布した樹脂膜を80〜200℃の熱で乾燥し、樹脂膜を形成する工程、(3)乾燥後の樹脂膜を加熱処理する工程として300℃以上の加熱により、樹脂組成物中のポリイミド前駆体をイミド化する工程からなる。
【0042】
(1)塗布工程
塗布工程で使用される塗布方法は、特に制限はなく、所望の塗布厚や樹脂組成物の粘度などに応じて、公知の塗布方法を適宜選択して使用できる。具体的には、ドクターブレード、ナイフコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、ロータリーコーター、フローコーター、ダイコーター、バーコーター等の塗布方法、スピンコート、スプレイコート、ディップコート等の塗布方法、スクリーン印刷やグラビア印刷等に代表される印刷技術を応用することもできる。樹脂組成物を塗布する基材としては、その後の工程の乾燥温度における耐熱性を有し、剥離性が良好であれば特に限定されない。例えば、ガラス、シリコンウエハ等からなる基材、PET(ポリエチレンテレフタレート)、OPP(延伸ポリプロピレン)等からなる支持体が挙げられる。また、基材としては他に、ガラス基板、ステンレス、アルミナ、銅、ニッケル等の金属基板、ポリエチレングリコールテレフタレート、ポリエチレングリコールナフタレート、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルホン、ポリフェニレンスルフィド等の樹脂基板などが用いられる。樹脂膜中に残留した有機溶剤が除去され、イミド化反応が進行する。
【0043】
本発明の樹脂組成物の塗布厚は、目的とする成形体の厚さと樹脂組成物中の樹脂不揮発分の割合により適宜調整されるものであるが、通常1〜1000μm程度である。樹脂不揮発分は上述の方法により求めることができる。塗布工程は、通常室温で実施されるが、粘度を下げて作業性を良くする目的で樹脂組成物を40〜80℃の範囲で加温して実施してもよい。
【0044】
塗布工程に続き、(2)乾燥工程を行う。乾燥工程は、有機溶媒除去の目的で行われる。乾燥工程はホットプレート、箱型乾燥機やコンベヤー型乾燥機などの装置を利用することができ、80〜200℃で行うことが好ましく、100〜150℃で行うことがより好ましい。
【0045】
続いて(3)加熱工程を行う。この加熱工程は(2)乾燥工程で樹脂膜中に残留した有機溶媒の除去を行うとともに、樹脂組成物中のポリアミド酸のイミド化反応を進行させる工程である。加熱工程は、イナートガスオーブン、ホットプレート、箱型乾燥機、コンベヤー型乾燥機等の装置を用いて行う。またこの工程は前記(2)乾燥工程と同時に行っても、逐次的に行っても良い。空気雰囲気下でも良いが、安全性及び酸化防止の観点から、不活性ガス雰囲気下で行うことが推奨される。不活性ガスとしては窒素、アルゴンなどが挙げられる。加熱温度は、(b)有機溶剤の種類にもよるが、250℃〜400℃が好ましく、300〜350℃であることがより好ましい。250℃より低いとイミド化が不十分となり、400℃より高いと膜が着色しやすい、耐熱がもたないと言う問題が生じる恐れがある。加熱時間は、通常0.5〜3時間程度である。
【0046】
また、ポリイミド成形体の使用用途・目的によっては、(3)加熱工程の後、(4)基材から樹脂組成物を剥離する剥離工程が必要となる。この剥離工程は、基材上の成形体を室温〜50℃程度まで冷却後、実施される。剥離作業を容易に実施するため、本発明の樹脂組成物を塗布する前に、必要に応じて基材へ離型剤を塗布しておいてもよい。係る離型剤としては、植物油系、シリコン系、フッ素系、アルキッド系等の離型剤が挙げられる。
【0047】
得られたポリイミド成形体は、用途に応じて、レジストプロセスによりパターンを形成することもできる。レジストプロセスは例えば、(3)加熱工程又は(4)剥離工程の後、レジストを塗布し、露光及び現像などによりパターンを形成する。レジスト材料及びエッチングに用いられる材料は、通常のレジストプロセスで用いられるものであれば、特に制限はない。例えば、一般に良く知られたエッチング溶液としては、ヒドラジン水和物、水酸化カリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液などがある。またこれらの湿式エッチングの他に、酸素プラズマエッチング、酸素スパッタエッチングなど乾式方法をとることもできる。パターン形成後、有機溶剤を用いてレジストをポリイミド成形体から剥離する。かかる有機溶剤としては、エタノールアミン、NMP、DMSO等が挙げられ、これらの混合物を用いることもできる。
【0048】
本発明に係るポリイミド成形体の製造方法は、膜厚1〜500μmのポリイミド成形体を製造する場合に有用である。膜厚1〜100μmのポリイミド成形体を製造することが、本発明の効果をより向上させるため、好ましい。
【0049】
本発明のポリイミド成形体の製造後の残存有機溶剤量は、2質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下がさらに好ましい。
【0050】
本発明のポリイミド成形体の機械的物性は、引張弾性率が、幅方向及び操作方向共に1.5GPa以上であることが好ましく、1.7〜6.5GPaであることがより好ましい。引張強さは45MPa以上であることが好ましく、50〜200MPaであることがより好ましい。破断伸びは50〜150%であることが好ましく、80〜150%であることがより好ましい。これらの機械特性は全て引っ張り試験装置の引っ張り試験により求めることができる。ポリイミド成形体がこれらの機械的物性を有していれば、光通信分野、表示装置分野に利用されるポリイミド成形体としては十分な靭性を有するとされ、実用的に用いることが出来る。
【0051】
本発明のポリイミド成形体のガラス転移温度(Tg)は、通常、250〜400℃、好ましくは300〜400℃が推奨される。光通信分野、表示装置分野に利用されるポリイミド成形体として十分な耐熱性を有すると評される値である。ガラス転移温度は、後述の実施例に記載した方法にて得られた値である。
【0052】
本発明のポリイミド成形体の透明性は、400nm以上における透過率が、膜厚10μmで80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。光通信分野、表示装置分野に利用されるポリイミド成形体として十分な透明性を有すると評される値である。
【0053】
[プラスチック基板・保護膜/電気・電子部品]
本発明のプラスチック基板及び保護膜は、上記ポリイミド成形体からなることを特徴とする。その製造方法は、従来公知の製造方法を用いることができる。例えば、本発明の樹脂組成物を仮固定基材に塗布し、乾燥及び加熱を行い、次いで上記レジストプロセスを行い、透明導電膜(ITO)基板、薄膜トランジスタ(TFT)基板として用いられるプラスチック基板として使用することができる。また、本発明の樹脂組成物を仮固定基材に塗布し、乾燥及び加熱を行い、仮固定基材から剥離してフィルムとして用いることができる。
【0054】
プラスチック基板及び保護膜は、本発明のポリイミド成形体が耐熱性、透明性及び靭性を有することから、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ等の電子部品に使用することができる。具体的には、カバーフィルム、薄膜トランジスタ(TFT)基板等として電子部品に用いることが出来る。また、電子ペーパーなどの、フレキシブルディスプレイ基板、カラーフィルター用保護膜等として用いることもできる。さらに、透明伝導フィルム基板、TFT基板などのガラス基板代替として、表示装置分野に利用できる。また光ファイバー、光導波路などの光通信分野にも利用可能である。さらに、太陽電池の表面保護フィルム等としても用いることができる。
【実施例】
【0055】
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0056】
[ポリマーIの合成]
攪拌機、温度計を備えた0.2リットルのフラスコ中に、N−メチルピロリドン63.2g(637mmol)と4,4′-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル11.1g(30.0mmol)を仕込み、撹拌溶解した後、シクロヘキサンテトラカルボン酸を乾燥機で(160℃、24時間)加熱し脱水閉環させた(1R,2S,4S,5R)−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物6.72g(30.0mmol)を添加し、十分攪拌し完全に溶解させた。その後、分子量が一定となるまで約70時間撹拌しポリアミック酸(ポリイミド前駆体)を得た(以下、ポリマーIとする)。ポリマーIのGPC法標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は89,000、分散度は2.4であった。
【0057】
[ポリマーII〜XIIの合成]
ポリマーIと同様に、表1に示すように配合を行い、ポリマーII〜XIIを合成した。表1のアミン1〜9、酸1〜3及びNMPの数値の単位はmmolである。用いたアミン1〜9及び酸1、2は下記のものである。
アミン1:4,4′-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル
アミン2:p−フェニレンジアミン
アミン3:4,4′‐オキシジアニリン
アミン4:2,2′‐ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン
アミン5:1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン
アミン6:2,2′−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン
アミン7:ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン
アミン8:4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)
アミン9:3,3′−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン
酸1:(1R,2S,4S,5R)−シクロヘキサンテトラカルボン酸
酸2:(1S,2S,4R,5R)−シクロヘキサンテトラカルボン酸
酸3:3,3′,4,4′−テトラカルボキシジフェニルエーテル
【0058】
(重量平均分子量の測定条件)
合成したポリマーの重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー法(GPC、装置は、株式会社日立製作所製、カラムは日立化成工業株式会社製ゲルパック)を用いて、標準ポリスチレン換算により求めた。
具体的には、以下の装置及び条件にて、GPCにより各ポリマーの重量平均分子量を測定した。
測定装置:検出器 株式会社日立製作所社製L4000UV
ポンプ:株式会社日立製作所社製L6000
株式会社島津製作所社製C−R4A Chromatopac
測定条件:カラム Gelpack GL−S300MDT−5×2本
溶離液:THF/DMF=1/1(容積比)
LiBr(0.03mol/l)、H3PO4(0.06mol/l)
流速:1.0ml/分、検出器:UV270nm
ポリマー0.5mgに対して溶媒[THF/DMF=1/1(容積比)]1mlの溶液を用いて測定した。
【0059】
[実施例1]
(硬化膜の作製)
ポリマーIを塗布しやすい粘度までNMPで希釈し、残存固形分(NV)を測定したところ14質量%であった。ここで、残存固形分は樹脂組成物中の樹脂不揮発分の割合であり、あらかじめ質量の分かっている金属シャーレに(1g程度を目安に)ポリアミド酸溶液をとり質量(金属シャーレ及びポリアミド酸の質量、以下、加熱前の質量という)を測定し、その後200℃のホットプレート上で2時間加熱して溶媒が十分に揮発したあとの質量(金属シャーレ及び溶質の質量、以下、加熱後の質量という)を測定し、(加熱後の質量−金属シャーレの質量)÷(加熱前の質量−金属シャーレの質量)×100を計算することで求められる。
これを5μmのフィルター(ミリポア(Millipore)社製、SLLS025NS)を用いてろ過を行った。得られた樹脂組成物をシリコンウエハ上にスピンコートして、120℃で3分間乾燥し、乾燥膜厚14〜18μmの塗膜を形成した。これをさらにイナートガスオーブンを用いて窒素雰囲気下中フルキュアし、キュア膜厚9〜11μmの硬化膜を得た。イナートガスオーブンによるフルキュアの条件は以下の通りである。
【0060】
(イナートガスオーブンによるフルキュアの条件)
装置:光洋サーモシステム株式会社製イナートガスオーブン
条件:昇温 室温〜200℃(5℃/分)
ホールド 200℃(20分)
昇温 200℃〜300℃(5℃/分)
ホールド 300℃(60分)
冷却 300℃〜室温(60分)
【0061】
(膜物性の評価)
次に4.9質量%フッ酸水溶液を用いて、この硬化膜をシリコンウエハより剥離し、水洗、乾燥した後、ガラス転移点(Tg)、破断伸び、透過率を調べた。Tgはセイコーインスツル株式会社製TMA/SS6000を用い、昇温速度5℃/分にて熱膨張の変曲点より求めた。破断伸び及び弾性率は株式会社島津製作所製オートグラフAGS−100NHを用いて引っ張り試験より求めた。また、透過率はU−3310(株式会社日立製作所製スペクトロフォトメーター)を用いて測定し、Lambert−Beerの法則を用いて10μm換算した値を求めた。
【0062】
(薬液耐性の評価)
上述の方法でシリコンウエハ上に形成された硬化膜を、ジメチルスルホキシド:モノエタノールアミン=30:70質量比の溶液に80℃で10分間浸漬し、硬化膜の薬液耐性を評価した。硬化膜にクラックが無いものを「○」、クラックが入ったものを「×」として評価した。また、薬液耐性の評価試験前後の膜厚の変化が±0.3%未満のものを「A」、±0.3%以上±0.5%以下のものを「B」、±0.5より大きいものを「C」として評価した。
【0063】
[実施例2〜4、比較例1〜8]
実施例1と同様の方法で硬化膜を作製し、ガラス転移点(Tg)、破断伸び、透過率の測定及び薬液耐性の評価を行い、結果をまとめて表1に示した。
【0064】
【表1】

【0065】
実施例1〜4のように、シクロヘキサンテトラカルボン酸とエーテル結合及びビフェニル骨格を有するジアミンから得られるポリイミド前駆体を含有する樹脂組成物を用いた場合、良好な透過率を示し、かつ薬液耐性に優れた硬化膜を得ることができた。またこれらの硬化膜は、十分な耐熱性及び機械特性を有することが分かった。シクロヘキサンテトラカルボン酸では、Tgは若干低下するが酸1の(1R,2S,4S,5R)−シクロヘキサンテトラカルボン酸を用いたものが、酸2の(1S,2S,4R,5R)−シクロヘキサンテトラカルボン酸を用いたものより、透過率が高く、機械的特性にもやや優れる。
一方、ジアミンにエーテル結合とビフェニル骨格を有していない、アミン2のp-フェニレンジアミン(比較例1)、アミン3の4,4′‐オキシジアニリン(比較例2)、アミン4の2,2′‐ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン(比較例3)を用いた場合、透過率は比較的に良いが、薬液耐性のクラックや膜厚変化に劣る。さらに、ジアミンにエーテル結合とビフェニル骨格を有していない、アミン5の1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(比較例4)、アミン6の2,2′−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン(比較例5)、アミン7のビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン(比較例6)、アミン8の4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)(比較例7)、アミン9の3,3′−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン(比較例8)は、87.1〜89.1%の透過率で、実施例より大幅に劣り、薬液耐性のクラックや膜厚変化にも劣る。
本発明の酸成分にシクロヘキサンテトラカルボン酸、ジアミン成分にエーテル結合とビフェニル骨格を有するジアミンを用いることで得られるポリイミド前駆体(ポリアミド酸)を用いたポリイミド樹脂は、透明性と薬液耐性に優れる。
【産業上の利用可能性】
【0066】
以上のように、本発明にかかる樹脂組成物を加熱硬化した膜は、透明性及び薬液耐性に優れ、さらに耐熱性及び機械特性に優れているため、ディスプレイ基材や保護膜等として好適に用いることができる。また、該基材又は保護膜を備えた電気・電子部品(各種電子デバイスにおける電気絶縁膜および液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ、電子ペーパー、太陽電池など)の提供が可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)一般式(I)で示される繰り返し単位を有するポリイミド前駆体。
【化1】

(一般式(I)中、Xはエーテル結合とビフェニル骨格を有するジアミン残基を示す)
【請求項2】
一般式(I)で示される繰り返し単位を有するポリイミド前駆体が、一般式(II)で示される繰り返し単位を有する請求項1に記載のポリイミド前駆体。
【化2】

(一般式(II)中、nは、1〜3の整数を示す)
【請求項3】
請求項1又は2に記載のポリイミド前駆体を含有する樹脂組成物。
【請求項4】
有機溶剤を含有する請求項3に記載の樹脂組成物。
【請求項5】
請求項4に記載の樹脂組成物を加熱することで得られるポリイミド成形体。
【請求項6】
請求項5に記載のポリイミド成形体からなるプラスチック基板。
【請求項7】
請求項5に記載のポリイミド成形体からなる保護膜。
【請求項8】
請求項6に記載のプラスチック基板又は請求項7に記載の保護膜を有する電子部品。
【請求項9】
請求項6に記載のプラスチック基板又は請求項7に記載の保護膜を有する表示装置。
【請求項10】
請求項3又は4に記載の樹脂組成物を基材上に塗布、乾燥して樹脂膜を形成する工程と、前記乾燥後の樹脂膜を加熱処理する工程とを含むポリイミド成形体の製造方法。

【公開番号】特開2012−224755(P2012−224755A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−93946(P2011−93946)
【出願日】平成23年4月20日(2011.4.20)
【出願人】(398008295)日立化成デュポンマイクロシステムズ株式会社 (81)
【Fターム(参考)】