説明

高速アップリングパケットアクセス用ダウンリンクシグナリングシステムおよび方法

【課題】基地局に対する高速アップリンクパケットアクセスをユーザ機器から行うワイヤレス通信システムおよび方法を提供する。
【解決手段】各ユーザ機器128,130および基地局114,116,118,120は、送信機、受信機、およびコントローラを含む。ユーザ機器128,130は、データパケットを基地局114,116,118,120に送信する。基地局は、データパケットに対応する制御情報をユーザ機器128,130に送信する。制御情報は、ユーザ機器128,130に割り当てられた少なくとも1つのチャネル化コードを含む。コントローラは、ハンドオフおよび/またはアクティブチャネル状態への移行に応答して、チャネル化コードに基づいて、ユーザ機器によって監視すべきスケジューリングアクティブセットセル当たりのチャネル化コードを最小限に抑える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には、ワイヤレス通信装置間で高速通信を行うワイヤレス通信システムおよびその方法の分野に関する。特に、本発明は、基地局と携帯電話機との間で高速アップリンクパケットアクセスを提供するワイヤレス通信システムおよびその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多くのワイヤレス通信システムが、通信基盤施設とユーザ機器との間で、標準的なワイヤレス通信プロトコルを用いて音声およびデータ情報を通信している。データ情報は、ネットワークの閲覧、メッセージ伝達、およびマルチメディア用途に必要な情報を含む。既存のシステムよりも高い通信速度を有する、改良型ワイヤレス通信システムを開発するためには、これらの改良型システムを管理し処理する新たな規格が望まれる。
【0003】
高速通信を処理する方法には、高速ダウンリンクパケットアクセス(High Speed Downlink Packet Access:HSDPA)サービス、および高速アップリンクパケットアクセスサービス(High Speed Uplink Packet Access:HSUPA)が含まれる。HSDPAは、一般的に定義されたダウンリンクパケットデータに対応する方法である。現在、標準化の成果としては、アップリンク方向におけるパケットデータ通信に効率的に対応するHSUPAの定義がある。HSDPAおよびHSUPAは、漸増冗長性および適応型送信フォーマット適合化を含む、多数の類似した技術を用いる。特に、HSDPAおよびHSUPAは、ワイヤレス環境における動的変動に応じて、変調フォーマットおよびコードレートを変更することができる。更に、HSDPAおよびHSUPAは、ハイブリッド自動反復要求(H−ARQ:Hybrid Automatic Repeat reQuest)として知られている再送信方式を用いる。H−ARQ方式では、漸増冗長性は、元の送信からのデータおよびデータパケットのあらゆる再送信からのデータのソフト結合の使用によって得られる。つまり、受信機が再送信を受信すると、受信した情報を、あらゆる先行のデータパケットの送信からの情報と組み合わせる。再送信は、同じチャネルデータの再送信を含んでもよく、あるいは異なるチャネルデータを送信してもよい。例えば、再送信は、前進誤り訂正(FEC)方式の追加冗長データを含んでもよい。付加的なエンコードデータは、先行の送信のエンコードデータと組み合わせることができ、組み合わせたデータにデコード動作を適用することができる。したがって、再送信は、事実上、同じ情報データのエンコードレートを低下させる(冗長性を高める)結果となる場合もある。
【0004】
HSDPAおよびHSUPAは多くの同様の技法を用いるが、HSUPAでは、HSDPAに関して多数の複雑性が付加されるものの、ダウンリンク送信に用いられる全ての技法が直接アップリンク状況に適応可能という訳ではない。特に、UMTSでは、エアインターフェースを通じた通信用データのスケジューリングは、移動体装置においてではなく、ネットワークによって行われる。特に、HSDPAおよびHSUPAでは、スケジューリング遅延を極力減らすために、スケジューリングに関連する処理は、ユーザをスケジューリングする個々の基地局において行われる。これによって、エアインターフェース通信を、ワイヤレス環境における動的なばらつきに適応させることができ、リンクの適合化が容易となる。
【0005】
HSDPAでは、送信されるべきデータは基地局で得られ、詳細には、基地局はダウンリンク送信データバッファを備える。更に、HSDPAは、1カ所の基地局のみからの送信しか行うことができず、同じデータを複数の基地局から同一の移動体装置に同時に送信するソフトハンドオーバには対応していない。したがって、基地局によるスケジューリングは、比較的単純である。これは、必要な情報は基地局において得られ、1つの基地局によるスケジューリングは、他の基地局とは独立して行うことができるためである。
【0006】
しかしながら、HSUPAでは、スケジューリングされるべきデータは、移動局から送信されるデータである。したがって、基地局が移動体装置からのデータをスケジューリングできるようにし、更に移動体装置がこのスケジューリングに応じて動作できるようにするためには、移動体装置と基地局との間に効率的なシグナリング方式を有することが重要である。
【0007】
更に、HSUPAは、移動体装置からの送信を、複数の基地局によって同時に受信することができ、受信された信号はネットワークにおいて結合されるソフトハンドオーバを用いている。しかしながら、スケジューリングがHSUPAにおける1カ所の基地局によって行われるので、他の基地局は、いつ移動体装置が送信するかについての情報を全く有していない。このため、ソフトハンドオーバに関与する可能性がある全ての基地局は、連続的に移動体装置からのデータ送信を受信しようとする。このため、基地局は、連続的に、受信信号を、潜在的に動作中であり得る移動体装置の全ての拡散コードを用いて逆拡散しなければならない。しかしながら、移動体装置が送信するのはわずかな時間だけであるのが通例であるので、リソースの使用度が非常に高くなり、特に受信機の計算リソースの大部分が、移動体装置からの潜在的な送信を監視するために用いられる。同様に、移動体装置も、ソフトハンドオーバに関与する各基地局からのダウンリンクシグナリングを監視しなければならない。その場合、各基地局は、多数のチャネル化コード(channelization code) を用いて、必要なシグナリングを移動局に送ることがあり、したがって移動局は、多数のチャネル化コードをデコードして、何時それがシグナリングされるのか、またそれがシグナリングされるのか否かを判断しなければならない。移動局の複雑性は、セル当たり多数のチャネル化コードをデコードしなければならない場合に増加し、多数のセルからのチャネル化コード、したがって、移動局がデコードしなければならないチャネル化コードの数を最少に抑えなければならない。また、用途の種類によっては、ある形態のスケジューリングの方が他のものよりも最適な場合がある。例えば、サービス品質(QoS)に厳しい制御が必要な場合、またはシグナリングからのオーバーヘッドが大きくなっても許される場合には、「時間およびレート」スケジューリングがより優れている。例えば、このような場合が生じ得るのは、「ホットスポット」カバレッジエリアであり、移動局が基地局に極めて近接しており、直線的に見通せること(line of site)さえあり得るときである。マクロセルトポロジにおける多重カバレッジ領域におけるように、低いシグナリングオーバーヘッドしか許容できない場合、または電子メールのアップロードや低データレートストリーミングのように、ベストエフォートになりがちな用途の場合には、「レート制御」スケジューリングのような、他の種類のスケジューリングの方が優れている。低レイテンシの要求がある用途では、フレームサイズも重要となる。これは、フレームサイズがユーザ(移動局)が遭遇するエンド・ツー・エンド遅延の物理的遅延構成要素の多くの決定要因となり得るためである。フレームサイズを大きくすることは、セルまたはネットワークの縁端において通例発生するカバレッジの問題に有効である。したがって、高速アップリンクパケットアクセスネットワークおよび移動局が対応するとき、小さなフレームサイズおよび大きなフレームサイズ(即ち、短い送信時間間隔および長い送信時間間隔(transmission time interval:TTI)が有用である。
【非特許文献1】“3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Radio Access Network; Physical channels and mapping of transport channels onto physical channels (FDD) (Release5)”, 3GPP TS 25.211 V5.3.0 (2002-12) Technical Specification
【非特許文献2】“3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Radio Access Network; DRAFT Multiplexing and channel coding (FDD) (Release 5)”, 3GPP TS 25.212 V5.2 DRAFT (2002-09) Technical Specification
【非特許文献3】“3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Radio Access Network; Physical layer Procedures (FDD) (Release 5)”, 3GPP TS 25.214 V5.4.0 (2003-03) Technical Specification
【非特許文献4】“3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Radio Access Network; Spreading and modulation (FDD) (Release 5)” 3GPP TS 25.213 V5.5.0 (2003-12) Technical Specification
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ユーザ機器がアクティブセットにおけるセル毎に監視しなければならないチャネル化コードの数を最少に抑えるシステムおよび方法が求められている。更に、「レート制御」ならびに「時間およびレート」スケジューリング、さらには大小のフレームサイズに対応するダウンリンクシグナリング構造も求められている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の1つの態様は、基地局に高速アップリンクパケットアクセスを行うユーザ機器であり、送信機と、受信機と、送信機および受信機に結合されているコントローラとを備えている。受信機によって受信される制御情報は、ユーザ機器に割り当てられる少なくとも1つのチャネル化コードを含む。コントローラは、ハンドオフおよびアクティブチャネル状態に入ることアクティブチャネル状態への移行の少なくともいずれかに応答して、チャネル化コードを用いるように構成されている。
【0010】
本発明の別の態様は、ユーザ機器からの高速アップリンクパケットアクセスを受信する基地局であり、送信機と、受信機と、送信機および受信機に結合されているコントローラとを備えている。送信機によって送信される制御情報は、ユーザ機器に割り当てられた少なくとも1つのチャネル化コードを含む。コントローラは、ハンドオフおよびアクティブチャネル状態に入ることアクティブチャネル状態への移行のいずれかに応答して、少なくとも1つのチャネル化コードを割り当てるように構成されている。
【0011】
本発明の更に別の態様は、基地局がユーザ機器からの高速アップリンクパケットアクセスを受信するための方法である。繰り返し生じる一連の停止/待機間隔の内、第1の停止/待機間隔に関連する絶対付与インディケータがユーザ機器に送信される。次に、第1チャネル上で、ユーザ機器からパケットが受信され、第2チャネル上で、ユーザ機器から受信される前記パケットに関連する制御情報が受信される。その後、第1チャネル上で受信されたパケットは、第2チャネル上で受信された制御情報に基づいてデコードされる。
【0012】
本発明の更に別の態様は、基地局がユーザ機器からの高速アップリンクパケットアクセスを受信するための別の方法である。パケットを送信するときに用いるレートレベルおよび電力レベルの少なくともいずれかを決定するのを援助するために、相対付与情報が前記ユーザ機器に送信される。次に、第1チャネル上で、ユーザ機器からパケットが受信され、第2チャネル上で、ユーザ機器から受信される前記パケットに関連する制御情報が受信される。その後、第1チャネル上で受信された前記パケットは、第2チャネル上で受信された前記制御情報に基づいてデコードされる。
【0013】
スケジューリングセルとは、移動体装置、即ち、ユーザ機器が付与またはその他のスケジューリングの信号(scheduling signaling)を受信する、アクティブセットセルである。アクティブセットセルとは、移動体装置と通信中のセルである。移動体装置が多重カバレッジ領域内にあるときには、多数のセルがアクティブセットの中にある可能性が高い。このような多重カバレッジ領域は、通例ソフトハンドオフ領域と呼ばれており、移動体装置は、セルがアクティブセットに含まれた後にその領域にカバレッジを有するセル群と同時に通信することができる。1つ以上の他のセルに加えて、新たなセルが移動体装置のアクティブセットに含まれた場合、移動体装置は、新たなセルとソフトハンドオフ(新たに加入したセルが異なるセルサイトのものである場合)またはソフターハンドオフ(softer handoff)(新たに加入したセルが同じセルサイトのものである場合)を行う。アクティブセットへのセルの加入およびアクティブセットからのセルの削除(即ち、ソフトまたはソフターハンドオフセルを加入または欠落させる)だけでなく、アクティブセットにおける最良のセルが、付与のスケジューリングによって、および/または移動体装置の最大許容データレート、電力レベル、または電力比を制御するアップ/ダウンコマンドによって、移動体装置を制御するように、複数のアクティブセットセルのハンドオフがあってもよい。
【0014】
「時間およびレート」スケジューリングは、アクティブセットの基地局がスケジューリング付与を用いて、移動体装置のレートまたは電力レベルおよびスケジューリング間隔を制御する場合のことを指す。スケジューリング間隔とは、移動体装置が送信することを許容される時間間隔であるか、またはある期間にわたって許される未処理パケットの数に関連する。
【0015】
「レート制御」スケジューリングとは、アクティブセットの基地局がシグナリングを用いてある移動体装置の属性を制御する場合を言い、移動体装置はこの移動体装置属性を用いてそれらの送信レートまたは電力レベルを決定するが、移動体装置送信開始時間や送信期間を直接決定することはない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1を参照すると、多数のセルサイト102、104を備えているワイヤレス無線アクセスネットワーク(radio access network: RAN)のような、ワイヤレス通信システム100の一例が示されており、各セルサイトは、多数のセル106、108、110、112を含む。各セル106、108、110、112は、基地局、別名、ノードB、114,116,118,120を含み、これらは基地局コントローラまたは無線ネットワークコントローラ(RNC)122、124によって制御することができる。基地局コントローラ122、125は、通信ネットワーク126を通じて、他の陸線用構成機器またはワイヤレス構成機器と通信することができる。移動局、即ち移動体装置128,130は、ワイヤレスフェーディングマルチパスチャネル上で1カ所以上の基地局114,116,118,120と通信する。シグナリングおよび制御情報も、ワイヤレスチャネル上にてサポートされ得る。移動体装置即ちユーザ機器128,130は、当該移動体装置が多数のセルを関与させるソフトハンドオフ状態またはソフターハンドオフ状態(softer handoff state)にあり、そのセルは、ハンドオフプロセスの一部として、移動体装置のアクティブセット内に置かれているようなときに、1つ以上のセル、即ち、基地局114,116,118,120と同時通信チャネルを有することができる。
【0017】
ワイヤレス通信システム100が利用するワイヤレス通信リンクまたは接続は、アナログ通信のようなセルラ系通信(AMPSを用いる)、ディジタル通信(CDMA、TDMA、GSM、iDEN、GPRS、またはEDGEを用いる)、ならびに次世代通信(UMTSまたはWCDMAを用いる)およびそれらの変形例、HomeRF、Bluetooth、IEEE802.11(a、bまたはg)およびIEEE802.16(a、d、またはe)のようなピアツーピアまたはアドホック通信、ならびに赤外線技術のようなその他の形態のワイヤレス通信を含むが、これらに限定されるものではない。
【0018】
図2Aを参照すると、多数の移動体装置を担当するセルのタイミングの一例200が示されている。セルは、アップリンク(UL DPCH)204およびダウンリンク(DL DPCH)202の専用物理チャネルに対応する。これらのチャネルは、主要共通制御物理チャネル(P−CCPCH)206の開始時点から、ネットワークによって決定され、発呼またはハンドオーバ時に各移動体装置に信号で送られるフレームおよびチップオフセットだけ時間がずれている。高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA)212に対応するダウンリンク(HS−SCCH)208およびアップリンク(HS−DPCCH)210物理チャネルに対するタイミングは、N=6の場合のように、N個のチャネルの各々に割り当てられる付番(例えば、図2Aに示す実施形態では1から6まで)によって、Nチャネル停止/待機ハイブリッドARQのサポートを強調して示されている。また、提案したダウンリンクチャネル214, 216,222およびアップリンク専用物理データチャネル(E−DPDCH)218、ならびに「時間およびレート」スケジューリングのために高速アップリンクパケットアクセス(HSUPA)に対応する制御チャネル(E−DPCCH)220も含まれている。この場合も、N個のチャネルの各々に割り当てられる付番(例えば、1から5まで)によって、Nチャネル停止/待機ハイブリッドARQプロトコルのサポートを強調して示されている。例えば、図2Aに示す実施形態では、N=5であり、TTIサイズは2msである。提案したダウンリンクチャネルは、移動体装置UE1に割り当てられたACKチャネル214、および絶対付与チャネル(Absolute Grant channel)222を含むとともに、移動体装置UE2に割り当てられたACKチャネル216、および絶対付与チャネル(Absolute Grant channel)を含む。尚、E−DPDCH218およびE−DPCCH220は、UL DPCH202と時間整合されていることに留意すべきである。ダウンリンクHSUPAチャネル開始時点は、P−CCPCH206と時間整合されている。
【0019】
図2Aに示すように、ユーザ機器即ち移動体装置UEIは、停止/待機チャネル1に対応するTTIの間、E−DPDCH218上でパケットを送信することができ、更に、停止/待機チャネル1に対応する絶対付与(図示せず)の受信に応答して、関連制御情報をE−DPCCH220上で送信することができる。スケジューリングセル(例えば、スケジューリング基地局)は、E−DPCCH220上で送られた制御情報を用いることによってE−DPDCH218上で送られたパケット送信の受信およびデコード時に、パケットのデコードに成功した場合には、当該移動体装置に割り当てられたACKチャネル214上でACKを送信し、それ以外の場合NACKを送信する。別の実施形態では、暗示的なNACKを用いることもでき、その場合、パケットのデコードが失敗した場合、何も送信しない(即ち、送信の切断(DTX))。また、移動体装置が他のセルとのソフトハンドオフを行っている場合、これらも移動体装置に対してACK/NACK情報をACKチャネル上で送り、ネットワークによるパケットのデコードが成功したか否かを判断することができる。同一または同様の時点で、停止/待機チャネル1上で受信したパケットに応答して、ACKまたはNACKをACKチャネル214上で送ることができる。スケジューリングセルは、停止/待機チャネル1に対応するTTI上の絶対付与チャネル上で絶対付与を送ることによって、停止/待機チャネル1に対する次の送信をスケジュールすることができる。絶対付与チャネルを受信すると、移動体装置は次いで停止/待機チャネル1の次の発生に対応するTTI上でパケットを送信することができる。尚、用いられるN個の停止/待機チャネルの各々に対してこの手順が続いて行われることに留意されたい。また、同一のTTIに対して送信するようにスケジューリングする移動体装置が1台よりも多い場合もあるので、多数のAGチャネルがあってもよい。一実施形態では、移動体装置は、多数のチャネルを監視し、何らかの一意の識別子に基づいて、どのチャネルがそれに割り当てられているのかを判定する必要がある場合もあり得る。あるいは、絶対付与チャネルを各ユーザに割り当てることもできるが(例えば、ハンドオーバ時、または移動体装置がそのセルにおいてアクティブチャネル状態に入るとき)、1つのセルによって多数の移動体装置に対応しなければならない場合、これでは非効率的となる場合もある。最後に、絶対付与標識フィールドを、絶対付与チャネル自体に含ませることにより、移動体装置が次の送信または以降の送信において用いるべき絶対付与チャネルがどれであるかを識別することができる。最初に、ハンドオーバ時またはあるセルにおいてアクティブチャネル状態に入るときに、監視すべき特定の絶対付与チャネルを移動体装置に割り当てることもできる。次に、監視する絶対付与チャネルは、AGIフィールドの使用によって変更され得る。エラー状態の場合、移動体装置およびスケジューリングセルは、最後に正しい送信を受信したAGチャネルに戻るか、あるいは(一層単純に)ハンドオーバ時に割り当てられたAGチャネル、またはアクティブチャネル状態の開始時に割り当てられたAGチャネルに移ることができる。移動体装置が考慮しなければならない可能性のあるAGチャネルを減らすために、全AGチャネルを複数の集合に分割し、1台の移動体装置には4つの可能なAGチャネルのみを有する1つの集合を割り当てるようにし、よってAGインディケータは、各々4つのAGチャネルの1つに対応する4つの可能な値のみを有するようにすることができる。また、集合を用いることは、AGチャネル上で送られるAG標識フィールドに必要なビット数を削減するのにも役立つ。
【0020】
図2Bを参照すると、多数の移動体装置を担当するセルのタイミングの別の例250が示されている。このセルは、アップリンク(UL DPCH)252およびダウンリンク(DL DPCH)254の専用物理チャネルに対応する。これらのチャネルは、主要共通制御物理チャネル(P−CCPCH)256の開始時点から、ネットワークによって決定され、発呼またはハンドオーバ時に各移動体装置に信号で送られるフレームおよびチップオフセットだけ時間がずれている。高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA)262に対応するダウンリンク(HS−SCCH)258およびアップリンク(HS−DPCCH)260物理チャネルに対するタイミングは、N個のチャネル(例えば、この場合N=6)の各々に割り当てられる異なる付番によって、Nチャネル停止/待機ハイブリッドARQのサポートを強調して示されている。また、提案したダウンリンクチャネル264,266,268およびアップリンク専用物理データチャネル(E−DPDCH)270、ならびに「時間およびレート」スケジューリングのために高速アップリンクパケットアクセス(HSUPA)に対応する制御チャネル(E−DPCCH)272も含まれている。この場合も、N個のチャネルの各々に割り当てられる異なる付番によるNチャネル停止/待機ハイブリッドARQプロトコルのサポートが強調されており、例えば、この場合、N=5であり、TTIサイズは2msである。提案したダウンリンクチャネルは、移動体装置UE1に割り当てられたACKチャネル264、広域相対付与チャネル266、広域ビジービットチャネル268、そして任意に移動体装置毎ビジービットチャネル(図示せず)を含む。また、移動体装置UE2に割り当てられたACKチャネルも示されている。尚、E−DPDCH270およびE−DPCCH272は、UL DPCH252と時間整合されていることに留意されたい。ダウンリンクHSUPAチャネルの開始時点は、P−CCPCH256と時間整合されている。別の実施形態では、E−DPDCH270およびE−DPCCH272は、HS−DPCCH260と時間整合されている。
【0021】
図2Bに示すように、ユーザ機器即ち移動体装置UE1は、停止/待機チャネル1に対応するTTIの間、E−DPDCH270上でパケットを送信し、更に、関連制御情報をE−DPCCH272上で送信することができる。E−DPDCH270上におけるパケット送信に先だって、移動体装置は、スケジューリングセルにおける全体の干渉が目標レベルに制御されるように、スケジューリングセルによって広域相対付与チャネル266上で送られた相対付与情報を用いて、パケットを送るときに用いるべきレートおよび電力レベルを決定するのを援助することができる。スケジューリングセルは、E−DPCCH272上で送られた制御情報を用いることによってE−DPDCH270上で送られたパケット送信の受信およびデコード時に、パケットのデコードに成功した場合には、当該移動体装置に割り当てられたACKチャネル264上でACKを送信し、それ以外の場合NACKを送信する。別の実施形態では、暗示的なNACKを用いることもでき、その場合、パケットのデコードが失敗した場合、何も送信しない(即ち、送信の切断(DTX))。また、移動体装置が他のセルとのソフトハンドオフを行っている場合、それらの他のセルも移動体装置に対してACK/NACK情報をACKチャネル上で送り、それにより移動体装置はネットワークによるパケットのデコードが成功したか否か判断することができる。ビジービットが広域ビジービットチャネル268または移動体装置毎ビジービットチャネル上で送信される場合、移動体装置は、ビジービットの送信が途切れるまで、後続のTTI上での送信を開始しない。尚、用いられるN個の停止/待機チャネルの各々に対してこの手順が続いて行われることに留意されたい。
【0022】
図3Aを参照すると、「レート制御」スケジューリングを用いた高速パケットアクセスネットワークにおいてアップリンクデータ通信に対応するためのダウンリンク制御チャネル300が具体化して示されている。「レート制御」スケジューリング用ダウンリンク制御チャネル300は、1つ以上のスケジューリングセル構造302、および1つ以上の非スケジューリングセル構造304を備えている。スケジューリングセル構造302は、スケジューリングセルシグナリング構造306を含み、1つ以上の付加的なスケジューリングセルシグナリング構造308を含むこともできる。同様に、非スケジューリングセル構造304も、非スケジューリングセルシグナリング構造310を含み、1つ以上の付加的な非スケジューリングセルシグナリング構造312を含むこともできる。
【0023】
図3Bを参照すると、「時間およびレート」スケジューリングを用いた高速パケットアクセスネットワークにおいてアップリンクデータ通信に対応するためのダウンリンク制御チャネル320が具体化して示されている。「時間およびレート」スケジューリング用ダウンリンク制御チャネル320は、1つ以上のスケジューリングセル構造322、1つ以上の非スケジューリングセル構造324、および1つ以上の絶対付与(AG)チャネル集合326、328を備えている。スケジューリングセル構造322は、スケジューリングセルシグナリング構造330を含み、1つ以上の付加的なスケジューリングセルシグナリング構造332も含むことができる。同様に、非スケジューリングセル構造324も、非スケジューリングセルシグナリング構造334を含み、1つ以上の付加的な非スケジューリングセルシグナリング構造336を含むことができる。AGチャネル326, 328の各集合は、複数のAGチャネルを含むことができる。
【0024】
図3Cを参照すると、「レート制御」ならびに「時間およびレート」スケジューリング双方を用いた高速パケットアクセスネットワークにおいてアップリンクデータ通信に対応するためのダウンリンク制御チャネル340が具体化して示されている。移動体装置には、アクティブセットへのハンドオフ時またはアクティブ状態に入るときに、「レート制御」シグナリング構造チャネル化コードまたは「時間およびレート」シグナリング構造チャネル化コードのいずれかが割り当てられる。「レート制御」ならびに「時間およびレート」スケジューリングのためのダウンリンク制御チャネル340は、「レート制御」スケジューリング用スケジューリングセル構造342、「時間およびレート」スケジューリング用スケジューリングセル構造344、非スケジューリングセル構造346、ならびに1つ以上の絶対付与(AG)チャネル集合348,350を備えている。「レート制御」スケジューリング用スケジューリングセル構造342は、「レート制御」スケジューリング用スケジューリングセルシグナリング構造352を含み、1つ以上の付加的な「レート制御」スケジューリング用スケジューリングセルシグナリング構造354を含むこともできる。「時間およびレート」スケジューリング用スケジューリングセル構造344は、「時間およびレート」スケジューリング用スケジューリングセルシグナリング構造356を含み、1つ以上の付加的な「時間およびレート」スケジューリング用スケジューリングセルシグナリング構造358を含むこともできる。非スケジューリングセル構造346は、非スケジューリングセルシグナリング構造360を含み、1つ以上の付加的な非スケジューリングセルシグナリング構造362を含むこともできる。AGチャネルの各集合348、350は、複数のAGチャネルを含むことができる。
【0025】
図3Dを参照すると、「レート制御」ならびに「時間およびレート」スケジューリングの双方を用いるが、複合ダウンリンクシグナリングスケジューリングセル構造を用いる高速パケットアクセスネットワークにおいてアップリンクデータ通信に対応するダウンリンク制御チャネル370が具体化して示されている。「ハイブリッド」スケジューリング用ダウンリンク制御チャネル370は、1つ以上の「ハイブリッド」スケジューリング用スケジューリングセル構造372、1つ以上の「ハイブリッド」スケジューリング用非スケジューリングセル構造374、および1つ以上の絶対付与(AG)チャネル集合376,78を備えている。「ハイブリッド」スケジューリング用スケジューリングセル構造372は、「ハイブリッド」スケジューリング用スケジューリングセルシグナリング構造380を含み、1つ以上の付加的な「ハイブリッド」スケジューリング用スケジューリングセルシグナリング構造382も含むことができる。「ハイブリッド」スケジューリング用非スケジューリングセル構造374は、「ハイブリッド」スケジューリング用非スケジューリングセルシグナリング構造384を含み、1つ以上の付加的な「ハイブリッド」スケジューリング用非スケジューリングセルシグナリング構造386も含むことができる。AGチャネルの各集合376,378は、複数のAGチャネルを含むことができる。
【0026】
図4を参照すると、高速パケットアクセスネットワークにおいてアップリンクデータ通信を制御するためのスケジューリングセルのダウンリンクコード化構造400の一例が示されている。提案するダウンリンクコード化構造400は、移動体装置当たりのACKビットチャネル406,408、広域(即ち、全ての移動体装置の)相対付与ダウンリンクチャネル414、および広域ビジービットチャネル416をサポートする。任意に、コード化構造400は、移動体装置当たりのビジービットチャネル410,412をサポートすることもできる。一例として示すように、提案するダウンリンクコード化構造400は、移動体装置UE402からUE404をサポートすることができる。更に、この構造は、各移動体装置に対して、ACK/NAKビットチャネル406,08およびビジービットチャネル410,412をサポートすることができる。また、この例では、提案するダウンリンクコード化構造400は、広域1ビット相対付与ビット414、および広域1ビットビジービット416をサポートすることもできる。
【0027】
この構造は、所与のセルによってスケジューリングされる移動体装置のためのものである。そのセルがある移動体装置に対するスケジューリングセルである場合、移動体装置は、アップリンク通信に対応するために必要なダウンリンク情報にアクセスするために、この構造を用いるように指定される。ビジービットチャネル410,412,416は、「時間およびレート」スケジューリングネットワークには不要であるが、送信時間間隔(TTI)毎に送信可能な移動体装置の最大数を制御するため、および/または必要とされる基地局のチャネルリソースの最大量を抑制するために、「レート」制御スケジューリングネットワークには有用である。所与の移動体装置に対してTTI毎にスケジューリングセルが1つだけであると想定し、アクティブセットへのハンドオフを用いて、「スケジューリングセル」のステータスを、アクティブセットにおける別のセルに転送することができる。
【0028】
例えば、図4に示す実施形態では、128OVSF(orthogonal variable spreading factor)チャネル化コード418は、19台までの移動体装置に対応するか、あるいは移動体装置当たりのビジービット410,412が割り当てられていない場合には38台までの移動体装置に対応する構造と関連付けられている。セル毎にこの構造の多数のインスタンスがある場合もあるが、セルによってスケジューリングされる移動体装置には、アクティブセルのハンドオフ時、または同時アクティブセルおよびソフト/ソフターハンドオフ時、あるいはセルに対する移動体装置の発呼/呼設定時に監視すべき、対応する1つのOVSFコード418が割り当てられる。
【0029】
更に、図4に示す実施形態例では、発呼または呼設定時、ソフトまたはソフターハンドオフ時、あるいはスケジューリングセルへのアクティブセルのハンドオフ時に、各移動体装置には、それに対応するACKおよびビジービットチャネル406,408,410,412に対する一意の直交シーケンス420,422,424,426、相対付与(アップ/ダウンビット)チャネルに対して全ての移動体装置が知っている一意の共通直交シーケンス428、および広域ビジービットチャネルに対する一意の共通直交シーケンス430も割り当てることができる。例えば、前述の処置に応答して、各移動体装置に、ACKおよびビジービットチャネルに対する40ビットアダマール直交シーケンス420,422,424,426、相対付与チャネルに対する40ビットアダマール直交シーケンス428、ならびに広域ビジービットチャネルに対する40ビットアダマール直交シーケンス430を割り当てることができる。送信する各シーケンスは、2msTTIのスロット3つというように、所定のTTIの所定数のスロットにわたって繰り返えされ、他のシーケンスと合計(432)してもよい。次いで、この和を、サイズ128のコードのような、OVSFチャネル化コード418で拡散し(434)、続いてQPSK変調およびスクランブリングを行う。一実施形態では、維持するチャネル化コードを少なくできるように、図4に示すように、40ビットシーケンスのような、より大きいシーケンスが、20ビットシーケンスのようなより小さいシーケンスよりも好ましい。
【0030】
図5を参照すると、多数の移動体装置毎ACKチャネル502,504をサポートする、非スケジューリングセルダウンリンクコード化構造500の一例が示されている。このコード化構造500は、アクティブセットにおける所与のセルによってスケジューリングされていない移動体装置によって用いられ得る。したがって、移動体装置は、アクティブセットのそれらの非スケジューリングセルの各々におけるこの構造のインスタンスに対応する単一の(サイズ256)OVSFチャネル化コード506を監視する。例えば、図5に示す実施形態では、この構造の各インスタンスは、20台の移動体装置に対応することができ、ソフト/ソフターハンドオフ時、発呼/呼設定時、またはアクティブセルへのハンドオーバ時に、1つの対応するチャネル化コードを割り当てることができる。20ビットアダマール直交コードのような単一ACKチャネルに対応する直交コードも、アクティブセットへのハンドオフ時、またはソフト/ソフターハンドオフ時に、移動体装置のアクティブセットにセルを追加する際に、非スケジューリングセルによって各移動体装置に割り当てることもできる。一実施形態では、移動体装置に割り当てられるシーケンスは、ACKに対して送信され、NACKに対しては送信されなくてもよい。尚、より良好なACK/NACKカバレッジが得られるので、(20ビットのような)より短いシーケンスが、(40ビットのような)より長いシーケンスよりも好ましいことに留意されたい。また、セルがサポートするスケジューリングされていないユーザの数を最少にして、非スケジューリングセルダウンリンクコード化構造において必要なACKチャネルの数を削減することができる。
【0031】
図6を参照すると、基地局が移動体装置のアップリンク送信をスケジューリングする際に用いることができ、「時間およびレート」スケジューリングネットワークにおいて対応することができる絶対付与(AG)チャネルのコード化構造の一例が示されている。AGチャネルを用いて、移動体装置のレートまたは電力限度情報、および移動体装置が送信し得る禁止スケジューリング時間間隔(proscribed scheduling time interval) を信号で送ることができる。AG情報(例えば、DPR、CACK、NOP、AGI)は、特定の移動体装置に向けてAGチャネル上で送ることができる。AG情報は、K=9テールバイティング畳み込みコード(tail biting convolution code)のような、畳み込みコードを用いてコード化することができる。尚、制御チャネルACK/NACK(CACK)は、先行の2ms TTI E−DPCCH送信に応答して送信され得、その場合、制御チャネルのデコードに成功した場合にはACKが送られ、それ以外の場合にはNACKが送られることに留意されたい。また、移動体装置は、E−DPCCH電力制御のためにCACKも用いることができる。また、CACKは、コード多重化E−DPCHの場合に効果的な10msTTIを達成するために用いられる2ms TTI E−DPCCH送信の反復を早期に終了させることができる。未処理パケット数(NOP)フィールドは、いくつの未処理パケットが許容されるかを示す。一実施形態では、スケジューリング付与当たりの未処理パケット数は、2ビットの「未処理パケット数」(NOP)フィールドによって制御され、1個、4個、6個、または無限数のパケットにマップされ得る。無限数のパケットの場合は、移動体装置が「時間およびレート」スケジューリングモードから離脱し、「レート制御」モードに入ることに対応する。「時間およびレート」スケジューリングでは、これは、事実上、異なるスケジューリング間隔を可能にし、無限数の場合は、移動体装置がレートスケジューリングモードに入り、広域相対付与(アップ/ダウン)ビットを用いてそのレート選択または電力レベルを制御し、ビジービットを用いてその送信を可能または不能にすることを意味する。一旦「レートスケジューリング」モードに入ると、移動体装置は、アクティブ状態から離脱するまで、そのモードに残留することができる。アクティブ状態からの離脱は、一般に、送信するデータが残っていないために、休止タイマ(inactivity timer)が切れるときに起こる。アクティブチャネル状態(3GPP WCDMAでは、CELL_DCH状態として知られている)に入ると、ユーザ機器即ち移動体装置(UE)を、「時間およびレート」または「レート制御」スケジューリングモードのいずれかに指定することができる。一実施形態では、AGIを受信するための現HARQ停止/待機チャネル番号に対する後続のAG送信において、AGチャネル化コード集合における4つのAGチャネル化コードの内のどれを、移動体装置が監視しデコードすべきかを示すために、絶対付与標識(AGI)フィールドを用いることができる。これによって、移動体装置は、TTI毎に1つのAGコードのみを監視すればよいことになる。
【0032】
N−チャネル停止/待機プロトコルでは、ユーザは、例えば、2msTTIで、N個のチャネルの各々の上で1つのパケットを送ることができ、この場合チャネルは互いに1TTIだけ時間がずれており、N個のチャネル全てを連続的に用いるときに、移動体装置の送信において重複や間隙が生じないようにしている。パケットが停止/待機チャネルi上で送信され、ユーザが受信エンティティからACKを受信しない場合、その後に生じるチャネルi上で再送信することができる。ACKを受信するまで、または再送信の最大数に達するまで、i番目の停止/待機チャネル上でパケットを再送信し続ける。次いで、ユーザは自由にチャネルi上で新たなパケットを送信する。この手順は、N個のチャネルの各々で独立して行うことができる。チャネルiに対応するAGチャネル上で受信したAGIは、ユーザがチャネルiについて、どのAGチャネル番号を監視すうべきかを示している。あるいは、AGIは、絶対付与が暗示的に示す停止/待機チャネル番号には無関係に、どのAGチャネルを監視すべきかを示す。
【0033】
図7を参照すると、セル毎に割り当てられた絶対付与(AG)チャネル702,704の一例が示されている。例えば、図示の実施形態では、4つのAGチャネルから成る2つの集合をセル毎に割り当てることができ、各チャネルは、対応するOVSFチャネル化コード706,708を有する。セルのAGチャネル集合の1つは、対応するチャネル化コードと共に、アクティブセットへのハンドオフまたは発呼/呼設定によってセルがスケジューリングセルになったときに、移動体装置に割り当てられる。
【0034】
図8を参照すると、AGと共に用いられるH−RNTIカラーコード化方式800が示されている。各AGチャネルは、一意の移動体装置ID(H−RNTI802)によってカラーコード化されているので、移動体装置は、それ自体が送信された付与の目標であるのか否かを判定することができ、これによって誤った付与の可能性を低下する。
【0035】
図9を参照すると、AGチャネルと共に用いられる高速パケットアクセスネットワークにおけるアップリングデータ通信を制御するための別のスケジューリングセルダウンリンクコード化構造900の一例が示されている。提案するダウンリンク構造は、スケジューリングセルの移動体装置UE〜UE毎に、「時間およびレート」スケジューリングネットワーク用のACKチャネル902,904に対応する。所与の移動体装置には、TTI毎に1つのスケジューリングセルしかないものと仮定して、アクティブセットへのハンドオフを用いて「スケジューリングセル」ステータスを、アクティブセットにおける異なるセルに転送する。例えば、図示の実施形態では、単一サイズの128OVSFチャネル化コードが、最大数の移動体装置に対応する構造の各インスタンス化と関連付けられている。1つのセルに対してこの構造には多数のインスタンスがある場合もあるが、そのセルによってスケジューリングされる移動体装置には、アクティブセルのハンドオフの際に監視すべきOVSFコードが知らされている。新たなスケジューリングセルへのアクティブセルのハンドオフの間、各移動体装置には、それに対応するACKチャネル902、904に対する一意の直交シーケンス908,910も割り当てられる。例えば、送信する各シーケンスを、2msTTIの3スロットにわたって繰り返し、他のシーケンスと合計する(912)ことができる。次いで、この合計を、OVSFチャネル化コードで拡散し(914)、続いてQPSK変調およびスクランブリングを行う。この場合、維持するチャネル化コードが少なくなるように、小さい(例えば、20ビット)シーケンスよりもより大きい(この場合、40ビット)シーケンスが好ましい。
【0036】
図10を参照すると、スケジューリングセルコード化構造の更に別の実施形態が示されている。即ち、ハイブリッドスケジューリングセルコード化構造1000は、1つ以上の「レート制御」ACK/NAKチャネル1002、移動体装置毎ビジービットチャネル100x、広域相対付与チャネル100xおよび広域ビジービットチャネル100x、ならびに1つ以上の「時間およびレート」ACK/NAKチャネル1004を含み、したがって、「レート制御」または「時間およびレート」スケジューリングモードのいずれかで移動体装置に対応することができる。これに応じて、1つのチャネル化コードが、「レート制御」スケジューリングが行われる移動体装置および「時間およびレート」スケジューリングが行われる移動体装置の双方をサポートする構造を提供する。
【0037】
図11を参照すると、図1のワイヤレス通信システム100の移動体装置例1100が示されている。明確性および簡潔性のために、図11は、当業者に実施形態を説明するために必要な移動体装置128,130の機能性のみを図示する。つまり、図11に示す機能的要素に加えて、移動体装置は、当業者には周知である、ワイヤレス通信技術仕様に応じて通信するために必要なまたは望ましいその他の機能性も備えることができるのが通例である。
【0038】
図11は、第1受信機1104および第1送信機1106に(例えば、デュプレクサ(図示せず)を介して)結合されているアンテナ1102を備えている。第1受信機1104は、1カ所以上の基地局から送信される信号をエアインターフェースを通じて受信する機能性を備えており、第1送信機は、1カ所以上の基地局にエアインターフェースを通じて送信する機能性を備えている。第1受信機1104および第1送信機1106は、第1コントローラ1108に結合されている。
【0039】
図12は、図1のワイヤレス通信システム100のソフトハンドオーバ基地局1200を示す。明確性および簡潔性のために、図12は、当業者に実施形態を説明するために必要な基地局の機能性114,116,118,120のみを図示する。つまり、図12に示す機能的要素に加えて、基地局は、当業者には周知のワイヤレス通信技術使用に応じて通信するために必要なまたは望ましいその他の機能性も備えることができるのが通例である。
【0040】
基地局1200は、第2受信機1204に結合されているアンテナ1202を備えている。第2受信機1204は、ユーザ機器からエアインターフェースを通じて送信される信号を受信する。第2受信機1204は、コントローラ1206に結合されており、コントローラ1206は第2受信機1204からデータを受け取り、固定ネットワーク、特に、RNC(図示せず)に出力する。コントローラ1206は、更に、第2受信機1204を制御するとともに、固定ネットワークにおけるその他のネットワーク要素をアドレス指定するように動作することができる。
【0041】
基地局1200は、ユーザ機器からエアインターフェースを通じて送信される信号を受信する第2受信機1204と、ユーザ機器に送信される信号をエアインターフェースを通じて送る第2送信機1206とに結合されているアンテナ1202を備えている。第2受信機1204は、1台以上のユーザ機器からエアインターフェースを通じて送信される信号を受信する機能を備えており、第2送信機1206は、エアインターフェースを通じて1台以上のユーザ機器に信号を送信する機能性を備えている。第2受信機1204および第2送信機1206は、コントローラ1208に結合されている。
【0042】
以上、本発明の好適な実施形態について図示し説明したが、本発明はそれに限定されるのではないことは、理解されてしかるべきである。当業者であれば、添付した特許請求の範囲に規定した本発明の主旨および範囲から逸脱することなく、多数の修正、変更、変形、置換、均等物に想到するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明による移動体装置のワイヤレス通信基盤設備との通信を表す、ワイヤレス通信システムの概略図。
【図2A】本発明にしたがって、セルが担当する多数の移動体装置をスケジューリングする場合のタイミング図。
【図2B】本発明にしたがって、セルが担当する多数の移動体装置をスケジューリングする場合のタイミング図。
【図3A】本発明によるダウンリンクデータ通信に対応するダウンリンク制御チャネルを表す概略図。
【図3B】本発明によるダウンリンクデータ通信に対応するダウンリンク制御チャネルを表す概略図。
【図3C】本発明によるダウンリンクデータ通信に対応するダウンリンク制御チャネルを表す概略図。
【図3D】本発明によるダウンリンクデータ通信に対応するダウンリンク制御チャネルを表す概略図。
【図4】本発明にしたがってアップリンクデータ通信を制御するスケジューリングセルダウンリンクコード化構造を表す概略図。
【図5】本発明による非スケジューリングセルダウンリンクコード化構造を表す概略図。
【図6】本発明にしたがって利用する絶対付与チャネルの概略図。
【図7】本発明にしたがってセル毎に割り当てられる多数の絶対付与チャネルの概略図。
【図8】本発明にしたがって利用するカラーコード化方式の概略図。
【図9】本発明にしたがってアップリンクデータ通信を制御する、別のスケジューリングセルダウンリンクコード化構造を表す概略図。
【図10】本発明にしたがってアップリングデータ通信を制御する、ハイブリッドスケジューリングセルダウンリンクコード化構造を表す概略図。
【図11】図1のワイヤレス通信システムの移動体装置の一例を表すブロック図。
【図12】図1のワイヤレス通信システムの基地局の一例を示すブロック図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局がユーザ機器からの高速アップリンクパケットアクセスを受信するための方法であって、
繰り返し生じる一連の停止/待機間隔の内、第1の停止/待機間隔に関連する絶対付与インディケータを送信するステップと、
前記ユーザ機器から、第1チャネル上で、パケットを受信するステップと、
前記ユーザ機器から、第2チャネル上で、前記パケットに関連する制御情報を受信するステップと、
第1チャネル上で受信した前記パケットを、第2チャネル上で受信した前記制御情報に基づいてデコードするステップとから成ることを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法において、第2チャネル上で前記パケットに関連する制御情報を受信するステップは、第1チャネル上でパケットを受信するステップと同時に行われることを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1記載の方法であって、前記基地局による前記パケットのデコードが成功したかを判定するステップを更に含むことを特徴とする方法。
【請求項4】
基地局が、ユーザ機器からの高速アップリンクパケットアクセスを受信するための方法であって、
パケットを送信するときに用いるレートレベルおよび電力レベルの少なくともいずれかを決定するのを援助するために、相対付与情報を前記ユーザ機器に送信するステップと、
前記ユーザ機器から、第1チャネル上で、パケットを受信するステップと、
前記ユーザ機器から、第2チャネル上で、前記パケットに関連する制御情報を受信するステップと、
第1チャネル上で受信した前記パケットを、第2チャネル上で受信した前記制御情報に基づいてデコードするステップとから成ることを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項4記載の方法において、第2チャネル上で前記パケットに関連する制御情報を受信するステップは、第1チャネル上でパケットを受信するステップと同時に行われることを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項4記載の方法であって、前記基地局による前記パケットのデコードが成功したかを判定するステップを更に含むことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−27729(P2009−27729A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−208127(P2008−208127)
【出願日】平成20年8月12日(2008.8.12)
【分割の表示】特願2005−267832(P2005−267832)の分割
【原出願日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(390009597)モトローラ・インコーポレイテッド (649)
【氏名又は名称原語表記】MOTOROLA INCORPORATED
【Fターム(参考)】