説明

高速回転機器用軸封装置

【課題】高速,高圧条件下においても封水の脈動現象の発生を可及的に防止しうるタンデムシールを提供する。
【解決手段】メカニカルシール4,5間のシール空間Dに封水7を循環供給するする給排水手段が、給水通路72に連通する環状の給水溝75と、排水通路74に連通する環状の排水溝76と、これら給排水溝75,76の開口部を閉塞シールするシャワーリング77と、シャワーリング77に形成された複数の給水孔78及び排水孔79とを具備して、給水通路72から給水溝75に供給された封水7を全給水孔78からシール空間Dに供給すると共にシール空間D内の封水7を全排水孔79から排水溝76を経て排水通路74へと排出することによって、シール空間Dにおける循環供給に伴う封水7の脈動現象を抑制するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転軸が高速回転される高速回転機器(例えば、原子力発電システム等において使用される蒸気圧縮機,コンプレッサ,ブロワ,ポンプ,攪拌機等)に使用される軸封装置であって、特に、タンデム配置された一対の端面接触形メカニカルシール間に形成されるシール空間に封水を循環供給させるように構成された高速回転機器用軸封装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の軸封装置として、回転軸に固定された回転密封環と回転軸が洞貫するシールケースに軸線方向移動可能に保持され且つ回転密封環へと押圧附勢された静止密封環との対向端面たる密封端面が相対回転摺接するように構成された一対のメカニカルシールであって、被密封流体領域側メカニカルシールと大気領域側メカニカルシールとをタンデム配置し、両メカニカルシール間に形成されたシール空間に、被密封流体領域側メカニカルシールにおける密封端面の外径側領域である被密封流体領域より低圧であり且つ大気領域側メカニカルシールにおける密封端面の内径側領域である大気領域より高圧である封水を循環供給するように構成されたタンデムシールが公知である(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
而して、かかる軸封装置は、シール空間に被密封流体領域である機内領域より高圧の封水を供給することにより、被密封流体が高圧流体である場合にもシール空間を介して良好にシールすることができるものであり、さらに端面接触形メカニカルシールにおける密封環の相対回転摺接部分を封水により潤滑すると共に当該相対回転摺接部分の発熱等を封水によるフラッシング作用により抑制して、回転軸が高速回転する場合にも良好なシール機能を発揮することができるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−18392号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、かかる従来のタンデムシールにあっては、封水のシール空間への給排水をシールケース内周部の一箇所において行うようにしていることから、つまりシールケース内周部の一箇所に設けられた給水口から封水がシール空間に供給されると共にシール空間の封水がシール内周部の一箇所に設けられた排水口から排出されることから、回転軸が高速回転される場合には次のような問題が生じていた。
【0006】
すなわち、シール空間においては大気領域側メカニカルシールの回転密封環が高速で回転されることにより、当該回転密封環周辺の封水が回転密封環の回転によりポンピングされ或いは回転密封環の回転に伴って回転する連れ回り現象が生じることになるため、シール空間内の封水が一箇所の排水口へと流れ込む状況下においては、シール空間内の封水が激しく脈動することになる。そして、このような脈動が生じると、回転軸及びこれに取り付けられた回転側要素が振動し、更には回転機器全体が振動することになり、軸封装置によるシール機能が低下する等、大きなトラブルが生じる。このような脈動に起因するトラブルの発生は、特に回転軸が高速になるに従って顕著となる。
【0007】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、高速,高圧条件下においても封水の脈動現象の発生を可及的に防止し得て、良好なシール機能を発揮することができるタンデムシールたる高速回転機器用軸封装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、回転軸に固定された回転密封環と回転軸が洞貫するシールケースに軸線方向移動可能に保持され且つ回転密封環へと押圧附勢された静止密封環との対向端面たる密封端面が相対回転摺接するように構成された一対のメカニカルシールであって、被密封流体領域側メカニカルシールと大気領域側メカニカルシールとをタンデム配置し、両メカニカルシール間に形成されたシール空間に、被密封流体領域側メカニカルシールにおける密封端面の外径側領域である被密封流体領域より低圧であり且つ大気領域側メカニカルシールにおける密封端面の内径側領域である大気領域より高圧である封水を循環供給するように構成された高速回転機器用軸封装置において、シール空間に封水を循環供給する給排水手段を、シールケースに形成されてシールケース外の給水ラインに接続された給水通路と、シールケースに形成されてシールケース外の排水ラインに接続された排水通路と、シールケースの内周面に形成されて給水通路に連通する環状の給水溝と、シールケースの内周面に形成されて排水通路に連通する環状の排水溝と、これら給排水溝の開口部を閉塞シールすべくシールケースの内周面に取り付けられたシャワーリングと、シャワーリングに形成されて周方向に等間隔を隔てて並列する複数個の貫通孔であって給水溝に連通する給水孔と、シャワーリングに形成されて周方向に等間隔を隔てて並列する複数個の貫通孔であって排水溝に連通する排水孔とを具備して、給水通路から給水溝に供給された封水を全給水孔からシール空間に供給すると共にシール空間内の封水を全排水孔から排水溝を経て排水通路へと排出することによって、シール空間における循環供給に伴う封水の脈動現象を抑制するように構成しておくことを提案するものである。
【0009】
かかる軸封装置の好ましい実施の形態にあっては、給水孔が大気領域側メカニカルシールにおける回転密封環の外周面に対向して配置されると共に排水孔が大気領域側メカニカルシールにおける静止密封環の外周面に対向して配置されるか、或いは給水孔が大気領域側メカニカルシールにおける静止密封環の外周面に対向して配置されると共に排水孔が大気領域側メカニカルシールにおける回転密封環の外周面に対向して配置される。何れの場合においても、給水通路が、給水ラインに連通する環状の給水ヘッダ室と、給水ヘッダ室とシャワーリングで閉塞された給水溝内とを連通すべく周方向に等間隔を隔てて並列配置された複数の給水連絡通路とを具備するものであり、排水通路が、排水ラインに連通する環状の排水ヘッダ室と、排水ヘッダ室とシャワーリングで閉塞された排水溝内とを連通すべく周方向に等間隔を隔てて並列配置された複数の排水連絡通路とを具備するものであることが好ましい。このような複数の給排水連絡通路を設ける場合においては、回転軸の軸線を通過する断面において給水連絡通路と排水連絡通路とがX字状にクロスした形態で形成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の高速回転機器用軸封装置にあっては、シール空間への封水循環を周方向に等間隔を隔てて並列する複数の給排水孔によって行うことから、回転軸が高速回転することにより前記したポンピング現象や連れ回り現象が生じるような場合にも、シール空間において封水の脈動現象が発生するような虞れが殆どなく、脈動に起因する振動が生じず、高速回転条件下においても良好なシール機能を発揮させることができる。しかも、複数の排水孔から封水を噴出させることにより封水によるフラッシング作用をより効果的に行うことができ、上記した封水の脈動防止効果と相俟って、高速条件下におけるシール機能を更に良好に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明に係る高速回転機器用軸封装置を二次シールとして使用したシール装置の一例を示す縦断側面図である。
【図2】図2は、図1の要部を拡大して示す詳細図である。
【図3】図3は、図1のIII−III線に沿う縦断正面図である。
【図4】図4は、図1のIV−IV線に沿う縦断正面図である。
【図5】図5は、図1のV−V線に沿う縦断正面図である。
【図6】図6は、図1のVI−VI線に沿う縦断正面図である。
【図7】図7は、当該シール装置の変形例を示す縦断側面図である。
【図8】図8は、当該シール装置の他の変形例を示す縦断側面図である。
【図9】図9は、実験結果をしたもので、回転軸の回転数とその振幅との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は本発明に係る軸封装置を二次シールとして使用したシール装置の一例を示す縦断側面図であり、図2はその要部の拡大図であり、図3は図1のIII−III線に沿う縦断正面図であり、図4は図1のIV−IV線に沿う縦断正面図であり、図5は図1のV−V線に沿う縦断正面図であり、図6は図1のVI−VI線に沿う縦断正面図である。
【0013】
図1に示すシール装置は、回転軸1が高速回転(例えば、回転軸1の周速:20m/s以上)する回転機器(例えば、原子力発電システム等において使用される蒸気圧縮機,コンプレッサ,ブロワ,ポンプ,攪拌機等)に使用される高PV値対応のメカニカルシール装置であって、回転軸1とこれを囲繞するシールケース2との間に第1〜第3メカニカルシール3,4,5を軸線方向に並列配置し、第1メカニカルシール3と第2メカニカルシール4との間に形成されるシール空間(以下「第1シール空間」という)C及び第2メカニカルシール4と第3メカニカルシール5との間に形成されるシール空間(以下「第2シール空間」という)Dを介して、機内領域である高圧ガス領域(例えば、高圧蒸気領域)Aと機外領域である大気領域Bとの間をシールするように構成されている。すなわち、第1メカニカルシール3は、機内領域Aと非密封流体領域である第1シール空間Cとの間をシールする一次シールを構成するものであり、第2及び第3メカニカルシール4,5は二次シールを構成するものであり、二次シールの被密封流体領域である第1シール空間Cと非密封流体領域である大気領域Bとの間を第2シール空間Dを介してシールする。この例では、本発明が二次シールに適用されている。すなわち、第2及び第3メカニカルシール4,5からなる二次シールが本発明に係る軸封装置である。なお、以下の説明における圧力はゲージ圧力である。
【0014】
シールケース2は、当該回転機器のハウジング8に取り付けられた円筒状のもので、当該回転機器の回転軸1が同心状に貫通している。
【0015】
第1メカニカルシール3は、図1に示す如く、シールケース2に軸線方向に移動可能に保持された静止密封環(以下「第1静止密封環」という)31と、これに対向して回転軸1に固定された回転密封環(以下「第1回転密封環」という)32と、第1静止密封環31を第1回転密封環32へと押圧附勢するスプリング部材33とからなり、両密封環31,32の対向端面たる密封端面31a,32aの相対回転摺接作用により、当該相対回転摺接部分の内周側領域である機内領域Aとその外周側領域であるシール空間(以下「第1シール空間」という)Cとの間をシールする端面接触形メカニカルシールである。
【0016】
第3メカニカルシール5は、図1に示す如く、シールケース2に軸線方向に移動可能に保持された静止密封環(以下「第3静止密封環」という)51と、これに対向して回転軸1に固定された回転密封環(以下「第3回転密封環」という)52と、第3静止密封環51を第3回転密封環52へと押圧附勢するスプリング部材53とからなり、両密封環51,52の対向端面たる密封端面51a,52aの相対回転摺接作用により、当該相対回転摺接部分の内周側領域である大気領域Bとその外周側領域である第2シール空間Dとの間をシールする端面接触形メカニカルシールである。
【0017】
第2メカニカルシール4は、図1に示す如く、上記両メカニカルシール3,5間に配置されており、シールケース2に軸線方向に移動可能に保持された静止密封環(以下「第2静止密封環」という)41と、これに対向して回転軸1に固定された回転密封環(以下「第2回転密封環」という)42と、第2静止密封環41を第2回転密封環42へと押圧附勢するスプリング部材43とからなり、両密封環41,42の対向端面たる密封端面41a,42aの相対回転摺接作用により、当該相対回転摺接部分の外周側領域である第1シール空間(二次シールにおける被密封流体領域)Cとその内周側領域である第2シール空間Dとの間をシールする端面接触形メカニカルシールである。
【0018】
第1メカニカルシール3と第2メカニカルシール4とは軸線方向における密封環配置を逆とするダブルシールを構成しており、第2メカニカルシール4と第3メカニカルシール5とは軸線方向における密封環配置を同一とするタンデムシール(タンデムダブルシール)を構成している。第1及び第2回転密封環32,42は、基端面が対向する状態でスリーブ11,12及び保持環15を介して回転軸1に固定されている。第1及び第2静止密封環31,41は、先端面(密封端面)31a,41aが回転密封環32,42を挟んで対向する状態で、夫々、Oリング34,44を介してシールケース2に軸線方向移動可能に嵌合保持されている。第3メカニカルシール5の密封環51,52は、第2メカニカルシール4より大気領域B側において、第2メカニカルシール4の密封環41,42と向きを同一とする状態で配置(タンデム配置)されており、第3回転密封環52はスリーブ11,13及び保持環16を介して回転軸1に固定されており、第3静止密封環51はOリング54を介してシールケース2に軸線方向移動可能に嵌合保持されている。
【0019】
各静止密封環31,41,51は、図1及び図2に示す如く、シールケース2の内周部に形成されたスプリングリテーナ部にOリング34,44,54を介して軸線方向に移動可能に嵌合保持された円環状体であり、その先端面は軸線に直交する平滑環状面である密封端面31a,41a,51aに形成されている。各静止密封環31,41,51は、これに突設したドライブピン31b,41b,51bをスプリングリテーナ部に形成した係合孔に係合させることにより、所定範囲での軸線移動を許容する状態でシールケース2に対する相対回転が阻止されている。なお、各静止密封環31,41,51における密封端面31a,41a,51aが形成されている部分(密封端面形成部分)はカーボンで構成されている。
【0020】
各回転密封環32,42,52は、図1及び図2に示す如く、回転軸1にスリーブ11,12,13,14及び保持環15,16を介して固定された円環状体であり、その先端面は軸線に直交する平滑環状面である密封端面32a,42a,52aに形成されている。第1及び第2回転密封環32,42の外周面(密封端面32a,42aが形成される先端部を除く外周面部分)は保持環15の外周面で被覆されており、両回転密封環32,42とシールケース2の内周部分(後述するシャワーリング67)との対向周面間に凹凸のない封水流路(軸線方向に平行する円筒状流路)C1が形成されている。第3回転密封環52の外周面(密封端面52aが形成される先端部を除く外周面部分)及び背面(基端面)は保持環16で被覆されており、第3回転密封環52とシールケース2の内周部分(後述するシャワーリング77)との対向周面間に凹凸のない封水流路(軸線方向に平行する円筒状流路)D1が形成されている。なお、各回転密封環32,42,52における密封端面32a,42a,52aが形成されている部分(密封端面形成部分)は静止密封環31,41,51の密封端面形成部分より硬質のセラミックス(炭化珪素等)等で構成されている。
【0021】
各スプリング部材33,43,53は、図1に示す如く、静止密封環31,41,51と前記スプリングリテーナ部との間に周方向に所定間隔を隔てて装填された複数のコイルスプリングで構成されており、静止密封環31,41,51を回転密封環32,42,52へと押圧接触させるべく附勢するものである。
【0022】
なお、この例では、シール装置は、図1に示す如く、静止側要素(シールケース2及び静止密封環31,41,51等)と回転側要素(スリーブ11,12,13,14及び回転密封環32,42,52等)とを、シールケース2の機外領域B側の端部に取り付けたセット爪9をスリーブ11,14に係合させることにより、一体化させるようにしたカートリッジ構造のものに構成してある。すなわち、上記静止側要素と回転側要素とをセット爪9により一体化させた状態で回転軸1(及びハウジング8)に装着又は取外しできるようになっている(装着後の運転時にはセット爪9を外しておく)。また、図1に示す如く、シールケース2には、機内領域A側の端部に配してラビリンスシール27及び水冷ジャケット28が設けられると共に、大気領域B側の端部に配してラビリンスシール29a,29bが設けられており、スリーブ11の大気領域B側の端部にはスリング17が設けられている。
【0023】
而して、第1シール空間Cには第1給排水手段により機内領域Aより高圧の封水6が循環供給されると共に、第2シール空間Dには、第2給排水手段により、第2メカニカルシール(二次シールにおける被密封流体領域側メカニカルシール)4における密封端面41a,42aの外径側領域である第1シール空間(二次シールによってシールされる被密封流体領域)Cより低圧であり且つ第3メカニカルシール(二次シールにおける大気領域側メカニカルシール)5における密封端面51a,52aの内径側領域である大気領域Bより高圧である封水7が循環供給されていて、各シール空間C,Dを所定圧(機内領域Aの圧力<第1シール空間C,機外領域Bの圧力(大気圧)<第2シール空間Dの圧力<第1シール空間Cの圧力)に保持すると共に封水6,7によるフラッシング効果が発揮されるように工夫してある。なお、各回転密封環32,42,52の密封端面32a,42a,52aの外周縁部には、図2〜図6に示す如く、相手密封端面(静止密封環31,41,51の密封端面)31a,41a,51aの外周縁部に若干食い込む凹部(ハイドロカット)32b,42b,52bが形成されていて、封水6,7を密封端面31a,32a、41a,42a及び51a,52a間に積極的に導入させることにより当該密封端面間の潤滑を効果的に行いうるように工夫してある。
【0024】
第1給排水手段は、図1及び図2に示す如く、シールケース2に形成されてシールケース外の給水ライン61に接続された給水通路62と、シールケース2に形成されてシールケース外の排水ライン63に接続された排水通路64と、シールケース2の内周面に形成されて給水通路62に連通する環状の給水溝65と、シールケース2の内周面に形成されて排水通路64に連通する環状の排水溝66と、これら給排水溝65,66の開口部を閉塞シールすべくシールケース2の内周面に取り付けられたシャワーリング67と、シャワーリング67に形成されて周方向に等間隔を隔てて並列する複数個の貫通孔であって給水溝65に連通する給水孔68と、シャワーリング67に形成されて周方向に等間隔を隔てて並列する複数個の貫通孔であって排水溝66に連通する排水孔69とを具備して、給水通路62から給水溝65に供給された封水6を全給水孔68から第1シール空間Cに供給すると共に第1シール空間C内の封水6を全排水孔69から排水溝66を経て排水通路64へと排出するように構成されている。給水孔69は、図1〜図3に示す如く、第2メカニカルシール4における静止密封環(第2静止密封環)41の外周面であって密封端面41aに対向して開口する形態でシャワーリング67に穿設されている。排水孔67は、図1、図2及び図4に示す如く、第1メカニカルシール3における静止密封環(第2静止密封環)31の外周面であって密封端面31aに対向して開口する形態でシャワーリング67に穿設されている。なお、シャワーリング67には、給水孔68から大気領域B側へと離間する位置に配して、第1シール空間Cと給水溝65内とを連通する適当数の空気抜き孔67aが穿設されている。
【0025】
給排水ライン61,63はプランジャポンプ等を具備する封水供給装置に接続されていて、これらと給排水通路62,64、給排水溝65,66、給排水孔68,69及び第1シール空間Cとで封水6の循環ラインが構成されている。すなわち、給水孔群68から一定圧の封水6を一定流量で第1シール空間Cに供給すると共にこの供給量と同一量の封水6を第1シール空間Cから排水孔群69へと排出させることにより、一定圧の封水6を第1シール空間Cに循環供給させるようになっている。したがって、第1シール空間Cは封水6によって常時充満され、一定圧に保持される。封水6の圧力及び循環量は、第1シール空間Cが機内領域Aより若干(0.5MPaG程度)高くなるように設定される。例えば、機内領域Aの流体が7.2MPaGの高圧蒸気である場合においては、封水6の圧力を7.7MPaGとし且つ封水6の給排量(循環量)を96L/minとして、第1シール空間Cを機内領域Aより0.5MPaG高圧となるように保持させるようにする。
【0026】
第1及び第2メカニカルシール3,4における相対回転摺接部分31a,32a及び41a,42aは、第1シール空間Cに給排される封水6によってフラッシングされるが、かかる封水6によるフラッシング機能をより効果的に発揮させるべく、シャワーリング67の内周部には、図2に示す如く、第1メカニカルシール3の相対回転摺接部分31a,32aに対向する位置及び第2メカニカルシール4の相対回転摺接部分41a,42aに対向する位置に夫々配して環状の第1及び第2誘導突起21,22が設けられていて、給水孔68から排水孔69への封水流動経路の途中において封水6が第1及び第2メカニカルシール3,4の相対回転摺接部分31a,32a及び41a,42aに向かうべく誘導されるように工夫してある。すなわち、給水孔68から封水流路C1へと流動する封水6は、この間において第2誘導突起22により第2メカニカルシール4の相対回転摺接部分41a,42aに向かうように誘導される反転流6aとなる。さらに、封水流路C1から排水孔69へと流動する封水6は、この間において第1誘導突起21により第1メカニカルシール3の相対回転摺接部分31a,32aに向かうように誘導される反転流6bとなる。したがって、かかる反転流6a,6bによって、相対回転摺接部分31a,32a及び41a,42aの周辺においても封水6が停滞することなく流動され、相対回転摺接部分31a,32a及び41a,42aを含む密封環31,32及び41,42に対するフラッシング効果が良好に発揮されることになる。
【0027】
第2給排水手段は、図1及び図2に示す如く、シールケース2に形成されてシールケース外の給水ライン71に接続された給水通路72と、シールケース2に形成されてシールケース外の排水ライン73に接続された排水通路74と、シールケース2の内周面に形成されて給水通路72に連通する環状の給水溝75と、シールケース2の内周面に形成されて排水通路74に連通する環状の排水溝76と、これら給排水溝75,76の開口部を閉塞シールすべくシールケース2の内周面に取り付けられたシャワーリング77と、シャワーリング77に形成されて周方向に等間隔を隔てて並列する複数個の貫通孔であって給水溝75に連通する給水孔78と、シャワーリング77に形成されて周方向に等間隔を隔てて並列する複数個の貫通孔であって排水溝76に連通する排水孔79とを具備して、給水通路72から給水溝75に供給された封水7を全給水孔78から第2シール空間Dに供給すると共に第2シール空間D内の封水7を全排水孔79から排水溝76を経て排水通路74へと排出するように構成されている。給水孔78は、図1、図2及び図5に示す如く、第3メカニカルシール5における回転密封環(第3回転密封環)52の外周面であってこれを覆っている保持環16の大径部と小径部との境界部分つまり封水流路D1の機内領域A側の端部に対向して開口する形態でシャワーリング67に穿設されている。排水孔79は、図1、図2及び図6に示す如く、第3メカニカルシール5における静止密封環(第3静止密封環)51の外周面であって密封端面51aに対向して開口する形態でシャワーリング67に穿設されている。給水通路72は、図1、図2及び図5に示す如く、給水ライン71に連通する環状の給水ヘッダ室72aと、給水ヘッダ室72aとシャワーリング77で閉塞された給水溝75内とを連通すべく周方向に等間隔を隔てて並列配置された複数の給水連絡通路72bとを具備して、給水ライン71から給水ヘッダ室72aに供給された封水7を給水連絡通路群76から給水溝75に供給するようになっている。排水通路74は、図1、図2及び図6に示す如く、排水ライン73に連通する環状の排水ヘッダ室74aと、排水ヘッダ室74aとシャワーリング77で閉塞された排水溝76内とを連通すべく周方向に等間隔を隔てて並列配置された複数の排水連絡通路74bとを具備して、排水孔群79から排水溝76に流入した第2シール室D内の封水7を排水連絡通路群74bから排水ヘッダ室74aを介して排水ライン73に排水するようになっている。給水連絡通路72bと排水連絡通路74bとは、回転軸1の軸線に対して逆方向に傾斜する傾斜通路となっている。すなわち、図1及び図2に示す如く、給排水ヘッダ室72a,74aの軸線方向位置関係と給排水溝75,76の軸線方向位置関係とが逆になるようにして、回転軸1の軸線を通過する断面において給水連絡通路72bと排水連絡通路74bとがX字状にクロスした形態となるように工夫してある。各連絡通路72b,74bの上記軸線に対する傾斜角度は45度又は略45度に設定されている。給排水連絡通路72b,74b及び給排水孔78,79の数及び形状(断面積(水流方向に直交する断面の面積))は、全給排水連絡通路72b,74bの合計断面積が全給排水孔78,79の合計断面積と同一か又は全給排水孔78,79の合計断面積より若干大きくなる条件において、適宜に設定される。なお、シャワーリング77には、排水孔79から大気領域B側へと離間する位置に配して、第2シール空間Dと排水溝76内とを連通する適当数の空気抜き孔77aが穿設されている。
【0028】
給排水ライン71,73はプランジャポンプ等を具備する封水供給装置に接続されていて、これらと給排水通路72,74、給排水溝75,76、給排水孔78,79及び第2シール空間Dとで封水7の循環ラインが構成されている。すなわち、給水通路72から一定圧の封水7を一定流量で第2シール空間Dに供給すると共にこの供給量と同一量の封水7を第2シール空間Dから排水通路74へと排出させることにより、一定圧の封水7を第2シール空間Dに循環供給させるようになっている。したがって、第2シール空間Dは封水7によって常時充満され、一定圧に保持される。封水7の圧力及び循環量は、第2シール空間Dがこれに隣接する機内領域A側のシール空間つまり第1シール空間Cより低圧で且つ大気領域Bより高圧に保持されるように設定される。例えば、前記した如く機内領域Aの流体が7.2MPaGの高圧蒸気であり、封水6の圧力を7.7MPaGとし且つ封水6の給排量(循環量)を96L/minとした場合においては、封水7の圧力を3.5MPaGとし且つ封水7の給排量(循環量)を61L/minとする。
【0029】
第3メカニカルシール5における相対回転摺接部分51a,52aは、第2シール空間Dに給排される封水7によってフラッシングされるが、かかる封水7によるフラッシング機能をより効果的に発揮させるべく、シャワーリング77の内周部には、図2に示す如く、第3メカニカルシール5の相対回転摺接部分51a,52aに対向する位置に配して環状の第3誘導突起23が設けられている。したがって、封水7は給水孔78から封水流路D1を通過して排水孔79に向かうが、この間において、上記した第1シール空間Cにおける反転流6a,6bと同様の反転流7aが生じることになる。すなわち、第3メカニカルシール5の相対回転摺接部分51a,52aの周辺において、封水7は第3誘導突起23により当該相対回転摺接部分51a,52aへと向かうように誘導された反転流7aとなる。かかる反転流7aによって、相対回転摺接部分51a,52aの周辺においても封水7が停滞することなく流動され、相対回転摺接部分51a,52aを含む密封環51,52に対するフラッシング効果が良好に発揮されることになる。
【0030】
なお、この例では第2静止密封環42が軸線方向に長尺なものであるため、第2シール空間Dにおいては、当該密封環42と回転軸1(スリーブ12)との対向周面間に軸線方向に延びる長尺な円筒状領域D2が生じるが、この円筒状領域における回転軸1の回転に伴う封水7の連れ回り現象を可及的に防止すべく、当該対向周面を表面研磨(電解研磨,バフ研磨等)して封水7との摩擦係数が小さくなるように工夫すると共に当該対向周面の間隔(円筒状領域D2の径方向幅)を可能な範囲で最大限大きく設定してある。
【0031】
以上のように構成されたシール装置にあっては、機内領域Aと機外領域(大気領域)Bとの間を機外領域側へと段階的に減圧された封水充填空間である第1及び第2シール空間C,Dを介してシールするように構成されているから、機内領域Aの流体が高圧蒸気等の高圧流体である場合にも、機内領域Aを確実にシールすることができ、しかも回転軸1が高速回転される場合においても、タンデムシールである二次シールにおける封水循環に伴う封水7の脈動を可及的に防止することができ、回転軸1延いては回転機器の振動を大幅に低減することができる。
【0032】
すなわち、第2シール空間D内の封水7をシールケース2の周方向に等間隔を隔てて並列する複数の給排水孔78,79から給排水させるため、第2シール空間D内に位置する回転密封環(第3回転密封環)52の回転によってその周辺の封水7にポンピング,連れ回り現象が生じている場合にも、冒頭で述べた従来のタンデムシールにおける如く一箇所から封水を給排させる場合に比して、封水7の脈動が防止され或いは振動を生じさせない程度にまで抑制される。また、全給排水孔78,79と給排水ライン71,73との間に、第1環状室(給排水溝75,76)と第2環状室(ヘッダ室72a,74a)と両環状室間を連結する複数の給排水連絡通路72b,74bとを介して、連結していることから、第2シール空間Dへの給排水経路において急激な圧力変動が生じず、これによって脈動の発生をより効果的に抑制することができる。このような効果を発揮させる上で、給排水連絡通路72b,74bを前記した如く45度前後の傾斜角度でX状にクロスさせておくことも有効となる。さらに、周方向に均等配置された複数の給水孔78から第2シール空間D内に位置する回転密封環(第3回転密封環)52の外周面に向けて放射状に給水させるようにしたことによって、当該回転密封環52の回転によるポンピング,連れ回り現象が、回転密封環外周の封水流路D1を給水孔79へと流動する封水7によって緩和されることになり、これによって脈動の発生が更に効果的に抑制されることになる。また、第2静止密封環42と回転軸1(スリーブ12)との対向周面間(円筒状領域D2)を、前記した如く、表面研磨により封水7との摩擦係数を低減し且つ最大限拡げるようにしておくことによっても、封水7の連れ回りによる脈動発生を有効に抑制することができる。
【0033】
また、封水6,7を周方向に均等配置された複数の給水孔68,78からシール空間C,Dに供給(噴出)させるようにしたことによって、冒頭で述べた従来のタンデムシールにおける如くシールケース内周部の一箇所から封水を供給させる場合に比して、封水6,7によるフラッシング機能がより効果的に発揮され、更に誘導突起24,25,26による反転流6a,6b,7aを生じさせることにより、密封環の相対回転摺接部分31a,32a、41a,42a及び51a,52aに対するフラッシング機能が更に効果的に発揮されることになる。
【0034】
したがって、上記した構成のシール装置によれば、高速,高圧の高PV値条件下においても、冒頭で述べた如きトラブルを生じることなく、極めて良好なシール機能を発揮することができる。
【0035】
ところで、本発明の構成は上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の基本原理を逸脱しない範囲において、適宜に改良,変更することができる。
【0036】
例えば、図7に示す如く、第2シール空間Dに開口する給排水口78,79の軸線方向位置関係を図1に示すシール装置(以下「第1実施例装置」という)とは逆にして、給水孔78が大気領域側メカニカルシール5における静止密封環(第3静止密封環)51の外周面に対向して配置されると共に、排水孔79が当該メカニカルシール5における回転密封環(第3回転密封環)52の外周面に対向して配置されるようにしておくことも可能である。すなわち、図7に示すシール装置(以下「第2実施例装置」という)では、第1実施例装置の給水孔及び給水溝を排水孔79及び排水溝76として使用すると共に第1実施例装置の排水孔及び排水溝を給水孔78及び給水溝75として使用し、さらに第1実施例装置の給水用ヘッダ室及び排水用ヘッダ室はそのまま給水用ヘッダ室72a及び排水用ヘッダ室74aとして使用し、給排水溝75,76と給排水用ヘッダ室72a,74aとを夫々クロスしない複数の給排水連絡通路72a,74aで接続してある。
【0037】
第2実施例装置は、第1実施例装置に比しては脈動防止効果が多少劣るものの、従来のタンデムシールに比しては大幅な脈抑制効果を発揮しうるものである。この点については、実験により確認された。すなわち、第1及び第2実施例装置と第2シール空間Dに開口する給排水孔を夫々一個とし且つ給排水孔を夫々給排水ラインに一本の給排水通路で連結した点を除いて第2実施例装置と同一構造をなくシール装置(以下「比較例装置」という)とを使用して、同一条件下で回転軸1の回転数を変えながら、回転軸1の振幅を測定した。その結果は、図9に示す通りであった。すなわち、図9においては、回転軸1の回転数(r.p.m.)と振幅(μm p−p)との関係を、第1実施例装置については実線で、第2実施例装置については破線で、また比較例装置については鎖線で示してあるが、この実験結果からも、比較例装置では高速回転になるに従い振幅が増大して良好な運転が困難となるが、第1及び第2実施例装置では高速回転条件下でも回転軸1の振動が効果的に抑制されており、特に、第1実施例装置では回転軸1の振動が大幅に抑制されていることが理解される。
【0038】
また、第2シール空間Dにおける回転密封環52による封水7のポンピングないし連れ回り現象を抑制するために、第1又は第2実施例装置における当該回転密封環52の形状を工夫しておくことも有効と考えられる。例えば、図8は第1実施例装置において、回転密封環52の背面つまり保持環16の背面を機内領域A側へと漸次縮径する傾斜面16aに形成して、当該回転密封環52の回転に伴う封水7のポンピングないし連れ回り現象の発生を可及的に抑制しうるように工夫してある。
【0039】
また、本発明に係る軸封装置は、上記したシール装置における二次シールとして使用する他、それ単独のタンデムシールとして或いは3個以上のメカニカルシールが並列配置されるシール装置における一次シールとしても好適に使用することができることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0040】
1 回転軸
2 シールケース
4 第2メカニカルシール(被密封流体領域側メカニカルシール)
5 第3メカニカルシール(大気領域側メカニカルシール)
7 封水
41 第2静止密封環
41a 密封端面
42 第2回転密封環
42a 密封端面
51 第3静止密封環
51a 密封端面
52 第3回転密封環
52a 密封端面
71 給水ライン
72 給水通路
72a ヘッダ室
72b 給水連絡通路
73 排水ライン
74 排水通路
74a ヘッダ室
74b 排水連絡通路
75 給水溝
76 排水溝
77 シャワーリング
78 給水孔
79 排水孔
B 大気領域
C 第1シール空間(被密封流体領域)
D 第2シール空間(シール空間)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸に固定された回転密封環と回転軸が洞貫するシールケースに軸線方向移動可能に保持され且つ回転密封環へと押圧附勢された静止密封環との対向端面たる密封端面が相対回転摺接するように構成された一対のメカニカルシールであって、被密封流体領域側メカニカルシールと大気領域側メカニカルシールとをタンデム配置し、両メカニカルシール間に形成されたシール空間に、被密封流体領域側メカニカルシールにおける密封端面の外径側領域である被密封流体領域より低圧であり且つ大気領域側メカニカルシールにおける密封端面の内径側領域である大気領域より高圧である封水を循環供給するように構成された高速回転機器用軸封装置であって、
シール空間に封水を循環供給する給排水手段を、シールケースに形成されてシールケース外の給水ラインに接続された給水通路と、シールケースに形成されてシールケース外の排水ラインに接続された排水通路と、シールケースの内周面に形成されて給水通路に連通する環状の給水溝と、シールケースの内周面に形成されて排水通路に連通する環状の排水溝と、これら給排水溝の開口部を閉塞シールすべくシールケースの内周面に取り付けられたシャワーリングと、シャワーリングに形成されて周方向に等間隔を隔てて並列する複数個の貫通孔であって給水溝に連通する給水孔と、シャワーリングに形成されて周方向に等間隔を隔てて並列する複数個の貫通孔であって排水溝に連通する排水孔とを具備して、給水通路から給水溝に供給された封水を全給水孔からシール空間に供給すると共にシール空間内の封水を全排水孔から排水溝を経て排水通路へと排出することによって、シール空間における循環供給に伴う封水の脈動現象を抑制するように構成したことを特徴とする高速回転機器用軸封装置。
【請求項2】
給水孔が大気領域側メカニカルシールにおける回転密封環の外周面に対向して配置されると共に、排水孔が大気領域側メカニカルシールにおける静止密封環の外周面に対向して配置されていることを特徴とする、請求項1に記載する高速回転機器用軸封装置。
【請求項3】
給水孔が大気領域側メカニカルシールにおける静止密封環の外周面に対向して配置されると共に、排水孔が大気領域側メカニカルシールにおける回転密封環の外周面に対向して配置されていることを特徴とする、請求項1に記載する高速回転機器用軸封装置。
【請求項4】
給水通路が、給水ラインに連通する環状の給水ヘッダ室と、給水ヘッダ室とシャワーリングで閉塞された給水溝内とを連通すべく周方向に等間隔を隔てて並列配置された複数の給水連絡通路とを具備するものであり、排水通路が、排水ラインに連通する環状の排水ヘッダ室と、排水ヘッダ室とシャワーリングで閉塞された排水溝内とを連通すべく周方向に等間隔を隔てて並列配置された複数の排水連絡通路とを具備するものであることを特徴とする、請求項1〜3の何れかに記載する高速回転機器用軸封装置。
【請求項5】
回転軸の軸線を通過する断面において給水連絡通路と排水連絡通路とがX字状にクロスした形態で形成されていることを特徴とする、請求項4に記載する高速回転機器用軸封装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−223332(P2010−223332A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−71097(P2009−71097)
【出願日】平成21年3月24日(2009.3.24)
【出願人】(000005452)株式会社日立プラントテクノロジー (1,767)
【出願人】(000229737)日本ピラー工業株式会社 (337)
【Fターム(参考)】