説明

鯛焼き様焼成ライス成形品

【課題】本発明は鯛焼き形状で外側がカリカリし、内側にはふかふかのご飯の中に大きなうなぎが入れられており、ウナギの蒲焼きの独特な風味を醸し出すと共に手軽にウナギの蒲焼き食品が食べられてウナギの蒲焼きの消費を促し、且つ、目新しい食品として商品化できる鯛焼き様焼成ライス成形品を提供することを目的とする。
【解決手段】1〜2割のもち米を入れた米飯に、ウナギのタレを染み込ませて鯛形状に焼成した皮部1と、該皮部1の内部に入れたウナギの蒲焼き2とから成る鯛焼き様焼成ライス成形品とする。また皮部1の表面をカリカリに焼かれて焼きおにぎり様とするのが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はウナギ入りの鯛焼き様焼成ライス成形品に関する。
【背景技術】
【0002】
一般にウナギの蒲焼きが用いられる食品としては、ウナギ丼やウナ重或いはウナギのおにぎりなどが知られている。ウナギ丼やウナ重に於いては、用いるタレにウナギの油分やエキスが含まれており、このタレがご飯に染み込むと、ウナギの油分やエキスは短時間のうちに腐敗し易く、丼物や高級な箱物であるため携帯の食品としては不向きであった。特に、余ったウナギ丼やウナ重のご飯でおにぎりを作ると、動物性の脂肪や蛋白質が空気に晒され、且つ、手に触れることにより、腐敗菌がおにぎりの表面に付着して、一層腐敗し易いものとなっていた。
【0003】
またウナギの蒲焼きを内蔵したライス成形品としては、特開平5−292931号が提案されている。これはもち米と、うるち米を等分に混ぜたご飯を用い、ウナギの蒲焼き等の具を内蔵した飯体を、朴葉で包み、いぐさにより結わえて成る包装飯体を、零下50℃に急速冷凍したウナギの朴葉蒸しである。この目的は、上記ウナギ丼やウナギのおにぎりの従来問題を解決するためのものであり、冷凍して長時間の保存、形態ができ、食べ易く、朴葉の特有の香りと風味がある製品を提供するものであった。
【0004】
このため特開平5−292931号は、ウナギの蒲焼きを内蔵したご飯を、押し寿司の要領で長方体に形成し、それを小さく切り、朴葉で包み込むものであるため、本発明のように焼成することはなく、且つ、鯛形状に形成する発想もないと共に、本発明と目的も異なるものであった。更にもち米を50%配合させた米飯が用いられて本発明品に使用すると、粘りが強過ぎて食感が悪くなってしまう。
【0005】
一方、焼成ライス成形品としては、焼きおにぎりが知られている。これは余ったご飯を手で握って形を整え、おにぎりが作られる。そして、おにぎりを焼き網に乗せたり、フライパンに乗せたりして、おにぎりの表面に焼き色が付くまで焼かれていた。焼き色が付いた後、味噌に酒又はみりんを加えて、味噌の固さをゆるめて表面に薄く塗って焼く味噌焼きおにぎりが作られる場合と、焼き色が付いた後に、刷毛で薄く醤油を塗り、醤油が乾く程度に焼いて醤油味おにぎりが作られる場合が多くあった。
【0006】
しかしながら、焼きおにぎりは、香ばしくて携帯用として適した食品であるが、手間が掛かると共に目新しさがなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平5−292931号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明はウナギの蒲焼きの独特な風味を醸し出すと共に手軽にウナギの蒲焼き食品が食べられてウナギの蒲焼きの消費を促し、且つ、目新しい食品として商品化できる鯛焼き様焼成ライス成形品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上記現状に鑑み成されたものであり、つまり、1〜2割のもち米を入れた米飯に、ウナギのタレを染み込ませて鯛形状に焼成した皮部と、該皮部の内部に入れたウナギの蒲焼きとから成す鯛焼き様焼成ライス成形品とする。また皮部の表面をカリカリするように焼くと良い。尚、本発明で言う「表面をカリカリするように」とは、焼きおにぎりの如く、その表面が焼かれて歯ごたえのある状態を指すものとする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1のように1〜2割のもち米を入れた米飯に、ウナギのタレを染み込ませて鯛形状に焼成した皮部(1)と、該皮部(1)の内部に入れたウナギの蒲焼き(2)とから成す鯛焼き様焼成ライス成形品とすることにより、焼きおにぎり感覚で手に持って手軽に食べることができるものとなるため、ウナギの蒲焼きの消費を促すものとなる。また外形が鯛焼き様で且つウナギの蒲焼きの独特な風味を醸し出すため、目新しい食品として市販できるものとなる。
【0011】
請求項2のように皮部(1)の表面を、カリカリに焼かれて焼きおにぎり様にすることにより、手で容易に本発明品が持てるようになると共にウナギのタレに含まれる脂肪や蛋白質が焼かれて殺菌された状態になり、且つ、表面がカリカリに固化して空気と内部が遮断された状態となるため、日持ちが良いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態の要部を示す断面図である。
【図2】本実施形態の外形を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1、図2は本発明の実施形態を示す図であり、この図に基づいて説明する。(1)は鯛焼き様焼成ライス成形品の皮部であり、該皮部(1)としては、1〜2割のもち米を入れた米飯に、ウナギのタレを染み込ませたものを用いる。尚、前記もち米の配合が、1割以下になると、粘り気が不足し、鯛焼き様に焼成した時に、形状が崩れ易くなる恐れがあり、一方、2割以上になると、食感として粘りが気になって後述するウナギの蒲焼き(2)を充分に味わえなくなる恐れが生じる。
【0014】
(2)は皮部(1)の内部に入れたウナギの蒲焼きであり、該ウナギの蒲焼き(2)は鰻屋で焼かれたものと同じものを用いればよい。尚、本発明品に山椒の小袋を付けて市販すると良い。
【0015】
本発明品の製造方法について説明する。先ず、鯛焼き製造用の金型或いは略同一のものを用い、従来の鯛焼きと略同様の要領で、一方の金型面に設けた凹部に米飯を詰め込む。この時、1〜2割のもち米を入れた米飯に、ウナギのタレを染み込ませ、その米飯が金型内部に詰め込まれる。そして、その詰め込まれた米飯の上部中央に適宜な大きさのウナギの蒲焼き(2)を載せ、更に他方の金型面に設けた凹部にもタレが染み込んだ米飯を詰め込み、一対の金型面を重ね合せて加熱を続け、表面がカリカリする状態になるまで焼く。この時の焼き具合は食べた時にカリカリする歯ごたえのある状態になれば良い。この時点を見図って金型を開き、その金型から鯛の形状が転写されたものを取出すことによって、本発明品は得られるのである。この時、皮部(1)にはもち米が適宜量入って粘り気があるので、きれいな鯛の形に成形される。尚、前記表面がカリカリする状態になる時点は予め確認しておくので、表面が黒く焦げ、或いはカリカリしない状態になる恐れは殆どない。
【0016】
このようにして焼成された本発明品を食べてみると、芳ばしい皮部(1)の香りと、ウナギの蒲焼き(2)とにより、醸し出す独特な風味と食感に特徴があり、今までにない新たな食品となるのである。また30人に本発明品を食べてもらった後の感想を聞くと、以下の通りであった。1)焼きおにぎりの感覚で食べ易かった。2)焼きおにぎりの如くカリカリとして美味しかった。3)ウナギの蒲焼き(2)が手軽に食べることができ良かった。4)ご飯とウナギの絶妙なバランスが良い。5)こんがりときれいに焼けていて、見た目が良い。6)おなががふっくらし、半分に割ると、内側がふかふかのご飯の中に、しっかり大きなウナギが入っていた。7)鰻屋さんのいい香りがした。8)外側のカリカリ感がしっかりあった。9)臭みが微塵にも感じられず、ウナギとご飯の本格的な鰻屋さんの味がした。尚、全般的に美味しい、食感が良いなどの良好な意見が多かった。
【符号の説明】
【0017】
1 皮部
2 ウナギの蒲焼き


【特許請求の範囲】
【請求項1】
1〜2割のもち米を入れた米飯に、ウナギのタレを染み込ませて鯛形状に焼成した皮部(1)と、該皮部(1)の内部に入れたウナギの蒲焼き(2)とから成したことを特徴とする鯛焼き様焼成ライス成形品。
【請求項2】
前記皮部(1)の表面が、カリカリに焼かれて焼きおにぎり様である請求項1記載の鯛焼き様焼成ライス成形品。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2012−55228(P2012−55228A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−201725(P2010−201725)
【出願日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【出願人】(301048161)有限会社澄企画 (1)
【Fターム(参考)】