説明

鳴き防止シムを製造する方法、及びディスク・ブレーキの鳴きを防止するための方法

【課題】鳴き防止性能に優れていると共に、耐久性があり、大量生産に適している鳴き防止シムを製造する方法を提供すること。
【解決手段】鳴き防止シムを製造する方法は、強化繊維、充填材、及びバインダ材を含む、繊維強化された主に防振の材料の防振シートを用意する工程と、主に吸振の層を防振シートの少なくとも一方の側部上に貼付して、シム・シートを形成する工程と、個々の鳴き防止シムをシム・シートから切り出す工程とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は鳴き防止シムに関し、より詳細には、繊維強化された防振層を含む鳴き防止シムに関する。
【背景技術】
【0002】
ディスク・ブレーキの鳴きとは、車両のブレーキ・システムから発生する高音/振動である。この鳴きは、車両の型式、ブレーキの設計、及び気象条件に応じて頻繁に発生する。車両製造業者は、車両のブレーキ及びボディにより軽いものを用いる傾向があり、これがブレーキ・ノイズの発生に拍車をかけている。
【0003】
自動車の誕生以来、ブレーキ・システムのノイズ問題は発生し続けている。初期の頃は、他に多くのノイズが車両から生じたため、ブレーキ・ノイズが問題とは見なされていなかった。1960年代後半及び70年代前半、車両メーカーは停止距離を大幅に縮めるディスク・ブレーキを使用し始めた。当初は、大多数のブレーキ・パッドがアスベストを主構成要素として含んでおり、その結果、ブレーキ・ノイズ問題が発生することがほとんどなかった。今日、環境問題の法律に従い、実質的に世界中のすべての主要車両メーカーがアスベストの使用を止めている。代わりに、ほとんどのメーカーがブレーキ・パッドに半金属製の摩擦材を使用している。このブレーキ・ディスクとの金属間接触が、しばしばノイズ発生を増加させてきた。
【0004】
今日、世界中で製造されているほぼすべての車両は、ブレーキの鳴きを減少させる又は除去するために、ブレーキの鳴きを除去するためのノイズ防止シム/インシュレータ/ダンパを備えたブレーキ・パッドを有している。
【0005】
ディスク・ブレーキによって発生する鳴きノイズは、ブレーキ・アセンブリの各部品が高周波で振動することでもたらされる振動である。複数の研究で、いくつかの可能性のある発生源から鳴きが生じ得ることが示されている。最も一般的な発生源は、ブレーキ・キャリパの各構成部品、ブレーキ・パッドの摩擦材、及びディスク・ロータである。
【0006】
ブレーキの鳴きノイズを減少させる又は除去するために、キャリパとブレーキ・パッドの受板との間に鳴き防止シムが設けられている。そのような鳴き防止シムは、従来、制振材層がその両面に貼付された鋼板からなっている。ほとんどの場合、鳴き防止シムの制振材層はゴムで形成されており、厚さがおよそ100μmとなるように選定されている。特許文献1は、制振材層がアスベスト以外の非金属繊維、エラストマー、及び充填材を含有する組成物で形成される鳴き防止シムを開示している。繊維強化制振材層はおよそ100μmであり、また非強化ゴムと比較して、耐摩耗性を向上させたことが示されている。特許文献2は、金属板と、その金属板のブレーキ・パッド側にのみ貼付された繊維強化組成物層とを有する鳴き防止シムであって、その金属板のピストン側がピストンと直接接触している鳴き防止シムを開示している。この繊維強化組成物は、アスベスト以外の非金属繊維、エラストマー、及び充填材を含有する。この組成物層の厚さは、200〜800ミクロンと決められている。開示された鳴き防止シムは、金属板が裏当てシムの介在なしでピストンと向き合い、組成物層が受板と向き合う状態で、ブレーキ・ピストンと摩擦パッドの受板との間に介装される。特許文献3では、組成物層が200ミクロンより薄い場合、満足な制振性を得ることができず、一方、組成物層が800ミクロンより厚い場合、鳴き防止シムに応力緩和が発生し易くなると述べられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開昭63−101530号公報
【特許文献2】米国特許第6105736号明細書
【特許文献3】米国特許第6105736号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、従来技術の欠点を解決する新しい鳴き防止シムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
これは、各独立請求項に記載の鳴き防止シム及び関連する各方法によって達成される。
【発明の効果】
【0010】
本発明による鳴き防止シムの利点は、鳴き防止性能に優れていると共に、耐久性があり、大量生産に適していることである。
【0011】
本発明の各実施例は、各従属請求項に記載されている。
【0012】
図面を参照して、本発明を以下で詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】ディスク・ブレーキの例示的な概略図である。
【図2a】鳴き防止シムの一実施例を示す概略図である。
【図2b】鳴き防止シムの一実施例を示す概略図である。
【図2c】鳴き防止シムの一実施例を示す概略図である。
【図2e】鳴き防止シムの一実施例を示す概略図である。
【図2f】鳴き防止シムの一実施例を示す概略図である。
【図2g】鳴き防止シムの一実施例を示す概略図である。
【図2h】鳴き防止シムの一実施例を示す概略図である。
【図3】鳴き防止シムの製造方法を示す概略図である。
【図4】連続的な接合及び切断工程ラインの例示的な概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、軸線C−Cのまわりを回転するように配置されたディスク20を備えるディスク・ブレーキ10の例示的な概略図を示している。1対のブレーキ・パッド30はそれぞれディスク側の摩擦部材50を担持する受板40を有している。ブレーキ・キャリパ60は、ディスク20の対向した各摩擦面に向かって及びそれから離れるように移動可能な各ブレーキ・パッド30、及び各ブレーキ・パッドをディスクに向かって付勢するためのブレーキ・ピストン70の形を呈する油圧作動手段を担持している。ブレーキ・ピストン70は、車両の油圧ブレーキ・システムにつながれた流体経路80によって油圧作動される。ここに開示した実施例では、ディスク・ブレーキ10、すなわちキャリパ・ハウジング60はブレーキ・ピストンの動作方向に移動可能であり、そのため、非ピストン側のブレーキ・パッドはキャリパ・ハウジング60のキャリパ・フィンガー90によって、ディスクに向かって付勢される。鳴き防止シム100は、各ディスク・パッド30の受板40の近傍に配置され、ブレーキ・ピストン70とキャリパ・フィンガー65のブレーキ力はそれぞれ、鳴き防止シム100を介してブレーキ・パッド30に伝えられる。
【0015】
本説明を通して、「パッド側部」という表現は、ブレーキ・パッド30の受板40に面する鳴き防止シム100の側部を指し、「外側部」という表現は、非パッド側部、すなわちピストン70又はキャリパ・フィンガー90に面する側部を指す。いくつかのディスク・ブレーキ設計では、キャリパ・フィンガー90が省かれ、キャリパ60はディスク20の両側にブレーキ・ピストン70を備えている。しかし、本説明を通して、上記の諸表現はそのような非開示のディスク・ブレーキ構成をも含む。
【0016】
従来技術では、鳴き防止シム中の繊維強化層は主として制振層と見なされ、そのような繊維強化層の厚さは、所望の制振性が得られるように選定される。例えば全体が200μmを超える厚さである。しかし、本出願人が見出したところによると、この種の繊維強化材は単独だと、過度に厚い場合を除いて厚さが200μmを十分超えていても当技術分野での現行の要求を満たす制振性を実現できないが、そのような繊維強化材は薄い層であっても防振について優れた特性を示す。一実施例、例えば図2a、によると、繊維強化防振層110及び吸振層120を有する鳴き防止シム100が提供される。この繊維強化防振層110は、強化繊維、充填材、及びバインダ材を含み、以下で詳細に説明する。先に述べたように、繊維強化層110は、ゴムなど従来の防振材と同等の優れた防振性を示す。上記から明らかなように、防振という用語は単に防振用材料のみを指すのではなく、主に防振用であり、ある程度吸振又は制振用の材料を指す。したがって、本明細書で使用されている吸振材という用語は、主に吸振用である材料を指すが、防振用の材料をも指す。
【0017】
一実施例によると、シム100はパッド側部及び外側部を有し、繊維強化防振層110はその外側部に、吸振層120はそのパッド側部に配置されている。この構成によって、吸振層120は防振層110とブレーキ・パッド30の受板40との間に拘束される。
【0018】
前述したように、繊維強化防振層110は、強化繊維、充填材、及びバインダ材を含む。一実施例によると、このバインダ材はエラストマー・バインダであるが、これは非エラストマーの樹脂タイプ・バインダであってもよい。従来のゴム材と比較すると、この強化繊維は材質をより強化し、法線方向の圧縮性に大きな影響を及ぼすことなく平面弾性をより減少させる。さらに、これらの繊維及び充填材で、この層中のエラストマー・バインダの量が減り、この層がより安価となる。一実施例によると、この繊維強化防振層中の繊維含有量は、重量で10%又は14%を超え、23%又は30%未満である。ただし、いくつかの応用例では、繊維含有量が30%より多く、最大で50%又は80%にまでなり得る。これらの強化繊維は、個々の応用例に応じて、複数の有機繊維から選択される。有機繊維の例には、芳香族ポリアミド繊維、芳香族ポリアミド繊維以外のポリアミド繊維、ポリオレフィン繊維、ポリエステル繊維、ポリアクリロニトリル繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ尿素繊維、ポリウレタン繊維、ポリフルオロカーボン繊維、フェノール繊維、セルロース繊維などが挙げられる。一実施例によると、強化繊維はセルロース繊維及び/又は芳香族ポリアミド繊維を含む。
【0019】
充填材は、クレー、アッシュ、タルク、硫酸バリウム、重炭酸ナトリウム、グラファイト、硫酸鉛、トリポリ石、ウラストナイトなどの無機充填材、又は有機充填材であってよい。バインダ材は、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(ニトリルゴム、NBR)、イソプレンゴム(IR)、クロロプレンゴム(CR)、ブタジエンゴム(BR)、イソブチレン−イソプレンゴム(IIR)、エチレンプロピレンゴム(EPM)、フッ素ゴム(FPM)、シリコーンゴム(Si)、クロロスルフォン化ポリエチレン(CSM)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、塩化ポリエチレン(CPE)、クロロ−イソブタン−イソプレンゴム(CIIR)、エピクロロヒドリンゴム(ECO)、ニトリルイソプレンゴム(NIR)などのゴム・タイプのエラストマー材であってもよい。ゴム以外のエラストマーも使用することができる。別の諸実施例によると、このバインダ材は、ゴム変性フェノール樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂などの樹脂タイプの材料である。
【0020】
一実施例によれば、吸振層120は粘弾性層である。この粘弾性層はアクリル・ベース又はシリコーン・ベースの接着物質など粘弾性の接着物質であってよいが、これは、ディスク・ブレーキ10内に取り付けられたときにシムが直面する状況において適切な吸振性を有するいかなる粘弾性材料であってもよい。一実施例、例えば図2h、によると、吸振層120は2つの剛性材板180の間に配置される粘性媒質170の層である。一実施例によると、剛板の1つはブレーキ・パッドの受板によって代用され、その際、シムは図2bのように構成されるが、吸振層120は粘性媒質である。一実施例によると、繊維強化防振層110は金属板などの剛板によって担持されているならば、剛性材板180と見なせる。そのとき、粘性媒質は少なくとも1つの側部が繊維強化防振層110に面している。一実施例によると、この粘性媒質はグリース又はグリース様組成物である。
【0021】
一部の実施例、例えば図2b〜図2hによると、鳴き防止シムは、金属板などの1枚又は複数枚の剛板130を有する。剛板130は、シムの拘束層として働く。そのような金属板130は、例えば、鉄、亜鉛メッキ鋼、ステンレス鋼、アルミニウムなどでよい。一部の実施例、例えば図2b、図2e、及び図2f、によると、鳴き防止シムは金属板130を有し、繊維強化防振層110はシムの外側部に、吸振層120はシムのパッド側部に配置されている。一部の実施例、例えば図2e及び図2f、によると、鳴き防止シムは1つ又は複数の追加の繊維強化防振層150を有する。
【0022】
一実施例、例えば図2g、によると、鳴き防止シム100は、そのシム100の外側部に追加の吸振層160を有する。
【0023】
所望の防振性を得るために、繊維強化層は、110μm、好ましくは130μmより厚くなっている。一実施例によると、繊維強化防振層は、250μm、好ましくは200μm、好ましくは180μm、より好ましくは160μmより薄くなっている。繊維強化防振層110が薄くなり過ぎないことが極めて重要であり、これはその場合に防振性が低下するためである。一方、繊維強化防振層110が厚くなり過ぎると、圧縮性が増し、それによりブレーキの作動制御力が低下する。これは、特に圧縮後の回復過程がより長くなって、より時間がかかるためである。さらに、厚い防振層は過剰磨耗を受け、またこの層が圧縮されるため、ブレーキ・ピストンの作動移動量が増加する。その上、特に強化繊維が主に繊維強化防振層の面に配置されて、通常方向の強度がほぼエラストマー・バインダの強度に限定される場合、繊維強化防振層は、この層の厚さと共に、層間剥離の危険性が増す。
【0024】
図2a〜図2hは、繊維強化防振層110を有する鳴き防止シム100の複数の実施例を模式的に示している。これらの図は例示的に過ぎず、複数の異なる層の相対寸法に意味はない。図2b〜図2hで、異なる特性を有する複数のシムをもたらす追加の及び/又は代替の複数層を有する種々の構成実施例を開示する。シムがブレーキ・パッドの受板に着設された場合、粘弾性の接着物質は、そのシムを固着して、かつ鳴き振動を減衰させる/抑制するように働く。
【0025】
また、上記の諸実施例のいずれか1つによるシムをキャリパとブレーキ・パッドの間に有するディスク・ブレーキ構成も提供され、このディスク・ブレーキは、乗用車、トラック、列車、オートバイ、自転車などの適当な車両内に配置することができる。
【0026】
また、本明細書で開示したタイプの鳴き防止シムを製造する方法も提供される。この方法の諸工程は図3で模式的に示され、強化繊維、充填材、及びバインダ材を含む繊維強化防振材の防振シートを用意する工程と、吸振層をこの防振シートの少なくとも一方の側部上に貼付して、シム・シートを形成する工程と、個々の鳴き防止シムをシム・シートから切り出す工程とを含む。
【0027】
繊維強化防振材を防振シートの形で提供することにより当該製造方法は、対応する繊維強化防振層を湿式塗布技術で塗布し次いでその層中のバインダを架橋結合させる場合と比較すると、大きく改善できることになる。この繊維強化防振材は、防振シート寸法のパラメータが特定の所定の範囲内で与えられる限り、適切な方法によってシートの形で提供することができる。一実施例によると、シートの形を呈する繊維強化防振材は、各ロールに巻き付けられた連続した細長いシートとして提供され、製紙方法又は同様の方法によって製造される。このような製造方法の性質のため、この方法が大量生産に適しており、費用効果が高いことに加え、この方法で製造された防振シートは、寸法及び材料の性質に関して非常に小さな公差で提供することができる。
【0028】
吸振層の貼付は、湿式塗布技術により、又は予成形された吸振フィルムを防振シートの表面に接合することにより行うことができる。粘弾性タイプの吸振層を有する鳴き防止シムの取扱性を向上させるために、保護フィルムを吸振層の上に貼付して、塵及び埃が表面に付着するのを防止することがでる。図2hで先に開示した一実施例によると、吸振層120は2つの剛性材板180の間に配置される粘性媒質170の層であり、その場合、吸振層の貼付方法は、粘性媒質170を第1の剛板180の表面上に貼付する付加的工程と、第2の剛板180を粘性媒質170上に配置する付加的工程とを含む。
【0029】
いくつかの実施例によると、鳴き防止板は金属層130を有し、したがって製造方法は、金属シートを用意する付加的工程と、その金属シートを防振シート上に接合する付加的工程とを含み、吸振層が、防振シート及び/又は金属シートの少なくとも一方の非接合側部上に貼付される。
【0030】
一部の実施例によると、鳴き防止板は、1つ又は複数の拘束用金属層130及び1つ又は複数の追加の防振層150を有する多層防振構造を備える。したがって、製造方法は、1枚又は複数枚の金属シート及び1枚又は複数枚の追加の防振シートを用意する付加的工程と、(1枚又は複数枚の)金属シートと追加の(1枚又は複数枚の)防振シートを交互に防振シートに接合する付加的工程とを含み、吸振層が、防振シート及び/又は(1枚又は複数枚の)金属シートの少なくとも一方の非接合側部上に貼り付けられる。
【0031】
異なる複数のシート同士の接合は、そのシート間に十分強固な接着状態を形成する適切な方法で行うことができる。この接合は、圧力及び/又は熱を加える工程を含んでよく、また、樹脂、シアン、アクリル系接着剤などの結合剤を使用すること、又は加硫による工程を含んでよい。この方法が効率的になるように、接合には連続圧延が用いられ、その際、金属シートと防振フィルムはそれぞれコイル又はロールの形で提供/製造される(310及び300)。
【0032】
シム・シートから個々の鳴き防止シムを切り出す工程は、スタンピング又は同様の方法などの適切な方法によって行うことができる。一実施例によると、この方法は接合工程330の後にコイルを細幅のコイルに切断する工程340を含む。その後、個々のシムが細幅の各コイルから切り出される。
【0033】
強固な接着状態をもたらし、接合動作の各工程を最小限にするために、接合工程の前に、結合剤を用いて金属シートを前処理することができる。また、前処理工程320は連続的な方法で行うことができる。
【0034】
図4は、連続的な接合及び切断工程ライン400の模式的な例を示し、一緒に接合される防振シート110と金属シート130がそれぞれコイル又はロール(410及び420)の形で提供される。2枚のシート110及び130は、1対のカレンダー・ロール430によって互いに押圧及び接合され、層状の防振シートを形成する。吸振層120は、湿式塗布工程440によってこの層状の防振シートの表面上に貼付される。最後に、個々の鳴き防止シム450が、スタンピング機460によって切り出される。
【0035】
本発明によるシムを十分に活用するために、上記の諸実施例のいずれか1つによるシムをキャリパとブレーキ・パッドの間に配置する工程を含む、ディスク・ブレーキの鳴きを防止するための方法もさらに提供される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鳴き防止シムを製造する方法であって、
強化繊維、充填材、及びバインダ材を含む、繊維強化された主に防振の材料の防振シートを用意する工程と、
主に吸振の層を前記防振シートの少なくとも一方の側部上に貼付して、シム・シートを形成する工程と、
個々の鳴き防止シムを前記シム・シートから切り出す工程とを含む方法。
【請求項2】
金属シートを用意する工程と、
前記金属シートを前記防振シートに接合する工程とを含む方法であって、
前記主に吸振の層が前記防振シート及び/又は前記金属シートの非接合側部の少なくとも一方に貼付されている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
1枚又は複数枚の金属シート及び1枚又は複数枚の追加の防振シートを用意する工程と、
前記金属シートと前記追加の防振シートを交互に前記防振シートに接合する工程とを含む方法であって、
前記主に吸振の層が前記防振シート及び/又は前記金属シートの非接合側部の少なくとも一方に貼付されている、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記繊維強化された主に防振の層中の繊維含有量が重量で50%以下である、請求項1から3までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記接合工程の前に、結合剤を用いて前記金属シートを前処理する工程を含む、請求項1から4までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記接合が圧力及び/又は熱を加えることを含む、請求項1から5までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記接合が連続圧延を含む、請求項1から6までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
請求項1から7までのいずれか一項に記載のシムを製造する工程と、前記シムをキャリパとブレーキ・パッドの間に配置する工程とを含む、ディスク・ブレーキの鳴きを防止するための方法。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図2e】
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【図2f】
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【図2g】
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【図2h】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−100913(P2013−100913A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−24214(P2013−24214)
【出願日】平成25年2月12日(2013.2.12)
【分割の表示】特願2010−506117(P2010−506117)の分割
【原出願日】平成19年4月25日(2007.4.25)
【出願人】(509296155)トレレボルグ シーリング ソリューションズ カルマル エービー (4)
【Fターム(参考)】