説明

黄斑浮腫治療用ジフルプレドナート点眼剤

本発明は、黄斑浮腫治療用点眼剤を提供することを課題とする。本発明は、ジフルプレドナートを有効成分とする黄斑浮腫治療用点眼剤を提供する。該点眼剤によれば、黄斑浮腫において視力改善、中心窩網膜厚の減少といった効果が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジフルプレドナートを有効成分とする黄斑浮腫治療用点眼剤に関する。
【背景技術】
【0002】
黄斑浮腫は網膜黄斑の腫脹であり、浮腫は網膜血管からの液体漏出によって生じる。血液が弱い血管壁から漏出して、色を検知し、日中の視覚が依存している神経終末である網膜錐体に富む網膜黄斑の極めて小さい領域に入る。次に、中心視野の中央又はすぐ横に像の不鮮明化が生じる。視力低下は何ヶ月かにわたって進行する。糖尿病性網膜症、網膜血管閉塞、眼の炎症および加齢性黄斑変性症は全て、黄斑浮腫に関連している。網膜黄斑は、白内障治療のための水晶体除去後の黄斑腫脹によって冒される場合もある。
従来の黄斑浮腫の治療としては、レーザー照射による光凝固術、硝子体手術並びにステロイド剤の全身投与、硝子体内投与及びテノン嚢下投与等が行われている。レーザー照射による光凝固術は、液体が漏出する血管を封じ、黄斑の腫脹を減少させる。しかし、レーザー照射は非常に傷つきやすい中心窩を避けるように注意する必要があり、万一、この手術により中心窩を傷つけることがあれば、中心視野が損傷されるかもしれない。また、腫脹を消滅させるためには、複数回のレーザー手術がしばしば必要となる。硝子体手術は、レーザー手術で効果の見られない症例に適用されるが、組織侵襲性が大きく、術後の合併症が問題になる場合もある。また、ステロイド剤の投与は有用性が報告されており、眼の疾患の処置においては、ステロイド剤を全身投与することができるが、ステロイド剤の全身投与は、一般に眼科的使用にしては大きすぎる副作用を伴うことが多い。従って、局所的投与である硝子体内投与やテノン嚢下投与も研究されてきた。硝子体内投与は全身投与に伴ういくつかの問題点を解決し得るが、存在する眼科用組成物の硝子体内投与は、ステロイド剤を投与する場合、眼内圧亢進並びにステロイド緑内障及び後嚢下白内障を引き起こし得る。また、ステロイド剤の硝子体内投与も術後の合併症が問題となることがある。テノン嚢下投与は硝子体内投与の組織侵襲性や患者負担の軽減のため、臨床の場においてしばしば用いられることがある。ステロイド剤の投与は硝子体手術に比べ、組織侵襲は軽減されるものの、やはり、術後の合併症の問題はある。
点眼投与は、その組織侵襲性が低い点においては非常にメリットのある投与法である。ステロイド剤点眼投与による眼疾患の治療は、例えば、0.1%ベタメタゾン点眼液の、外眼部及び前眼部の抗炎症疾患(眼瞼炎、結膜炎、角膜炎、強膜炎、上強膜炎、前眼部ブドウ膜炎、術後炎症)への使用が挙げられる。また、国際公開第2007/025275号には、様々なステロイド剤及びコルチコステロイドアンタゴニストを点眼投与等することにより、ステロイド剤の副作用を軽減させつつ、黄斑変性症、緑内障、黄斑浮腫、加齢性黄斑変性症、網膜血管新生、糖尿病性網膜症、虹彩炎、後部ブドウ膜炎等の種々の眼疾患に対して治療適用することへの可能性が記載されている。しかしながら、臨床の場で点眼投与により網膜の黄斑浮腫に対する有効性が報告された例は少なく、0.1%ベタメタゾン点眼液を2週間から1ヶ月間、1日6回の投与により、黄斑浮腫の網膜体積の減少が認められた報告(第43回日本網膜硝子体学会 O16−5、2004)があるのみであり、未だ点眼剤による黄斑浮腫の治療は行われていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、黄斑浮腫に対する治療用点眼剤の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ジフルプレドナートを有効成分とする点眼剤を投与することにより黄斑浮腫による視力低下や中心窩網膜厚の増加等の症状が改善されることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0005】
すなわち、本発明は以下を提供するものである。
(1) ジフルプレドナートを有効成分とする黄斑浮腫治療用点眼剤。
(2) 黄斑浮腫が難治性黄斑浮腫である、(1)記載の点眼剤。
(3) 乳化点眼剤である、(1)又は(2)記載の点眼剤。
(4) ジフルプレドナートの濃度が0.005〜0.1%(w/v)である、(1)〜(3)のいずれかに記載の点眼剤。
(5) 0.005〜0.1%(w/v)ジフルプレドナート、ヒマシ油、ポリソルベート80、濃グリセリン、酢酸ナトリウム、ホウ酸、エデト酸ナトリウム、及びソルビン酸を含有してなる、(1)〜(4)のいずれかに記載の点眼剤。
(6) 投与期間が少なくとも1週間であり、投与回数が1日4回、1回の投与量が30〜50μLであることを特徴とする、ジフルプレドナート濃度が0.005〜0.1%(w/v)である、(1)〜(5)のいずれかに記載の点眼剤。
(7) 投与期間が1〜4週間であり、投与回数が1日4回、1回の投与量が30〜50μLであることを特徴とする、ジフルプレドナート濃度が0.005〜0.1%(w/v)である、(1)〜(5)のいずれかに記載の点眼剤。
(8) 投与開始から4週間までは投与回数が1日4回、4週間後からは投与回数が1日2回、1回の投与量が30〜50μLであることを特徴とする、ジフルプレドナート濃度が0.005〜0.1%(w/v)である、(1)〜(5)のいずれかに記載の点眼剤。
(9) 投与期間が12週間以内であり、投与開始から4週間までは投与回数が1日4回、4週間後からは投与回数が1日2回、1回の投与量が30〜50μLであることを特徴とする、ジフルプレドナート濃度が0.005〜0.1%(w/v)である、(1)〜(5)のいずれかに記載の点眼剤。
(10) 投与期間が少なくとも12週間であり、投与開始から4週間までは投与回数が1日4回、4週間後からは投与回数が1日2回、1回の投与量が30〜50μLであることを特徴とする、ジフルプレドナート濃度が0.005〜0.1%(w/v)である、(1)〜(5)のいずれかに記載の点眼剤。
(11) ジフルプレドナートの有効量を含有する点眼剤を哺乳動物に点眼投与することを含む、哺乳動物における黄斑浮腫の治療方法。
(12) 黄斑浮腫が難治性黄斑浮腫である、(11)記載の方法。
(13) 該点眼剤が乳化点眼剤である、(11)又は(12)記載の方法。
(14) 該点眼剤中のジフルプレドナートの濃度が0.005〜0.1%(w/v)である、(11)〜(13)のいずれかに記載の方法。
(15) 該点眼剤が0.005〜0.1%(w/v)ジフルプレドナート、ヒマシ油、ポリソルベート80、濃グリセリン、酢酸ナトリウム、ホウ酸、エデト酸ナトリウム、及びソルビン酸を含有してなる点眼剤である、(11)〜(14)のいずれかに記載の方法。
(16) 該点眼剤の投与期間が少なくとも1週間であり、投与回数が1日4回、1回の投与量が30〜50μLであり、該点眼剤中のジフルプレドナートの濃度が0.005〜0.1%(w/v)である、(11)〜(15)のいずれかに記載の方法。
(17) 該点眼剤の投与期間が1〜4週間であり、投与回数が1日4回、1回の投与量が30〜50μLであり、該点眼剤中のジフルプレドナートの濃度が0.005〜0.1%(w/v)である、(11)〜(15)のいずれかに記載の方法。
(18) 該点眼剤の投与開始から4週間までは投与回数が1日4回、4週間後からは投与回数が1日2回、1回の投与量が30〜50μLであり、該点眼剤中のジフルプレドナートの濃度が0.005〜0.1%(w/v)である、(11)〜(15)のいずれかに記載の方法。
(19) 該点眼剤の投与期間が12週間以内であり、投与開始から4週間までは投与回数が1日4回、4週間後からは投与回数が1日2回、1回の投与量が30〜50μLであり、該点眼剤中のジフルプレドナートの濃度が0.005〜0.1%(w/v)である、(11)〜(15)のいずれかに記載の方法。
(20) 該点眼剤の投与期間が少なくとも12週間であり、投与開始から4週間までは投与回数が1日4回、4週間後からは投与回数が1日2回、1回の投与量が30〜50μLであり、該点眼剤中のジフルプレドナートの濃度が0.005〜0.1%(w/v)である、(11)〜(15)のいずれかに記載の方法。
(21) 黄斑浮腫の治療に使用するためのジフルプレドナートを含有する点眼剤。
(22) 黄斑浮腫が難治性黄斑浮腫である、(21)記載の点眼剤。
(23) 乳化点眼剤である、(21)又は(22)記載の点眼剤。
(24) ジフルプレドナート濃度が0.005〜0.1%(w/v)である、(21)〜(23)のいずれかに記載の点眼剤。
(25) 0.005〜0.1%(w/v)ジフルプレドナート、ヒマシ油、ポリソルベート80、濃グリセリン、酢酸ナトリウム、ホウ酸、エデト酸ナトリウム、及びソルビン酸を含有してなる、(21)〜(24)のいずれかに記載の点眼剤。
(26) 該点眼剤の投与期間が少なくとも1週間であり、投与回数が1日4回、1回の投与量が30〜50μLであり、ジフルプレドナート濃度が0.005〜0.1%(w/v)である、(21)〜(25)のいずれかに記載の点眼剤。
(27) 該点眼剤の投与期間が1〜4週間であり、投与回数が1日4回、1回の投与量が30〜50μLであり、ジフルプレドナート濃度が0.005〜0.1%(w/v)である、(21)〜(25)のいずれかに記載の点眼剤。
(28) 該点眼剤の投与開始から4週間までは投与回数が1日4回、4週間後からは投与回数が1日2回、1回の投与量が30〜50μLであり、ジフルプレドナート濃度が0.005〜0.1%(w/v)である、(21)〜(25)のいずれかに記載の点眼剤。
(29) 該点眼剤の投与期間が12週間以内であり、投与開始から4週間までは投与回数が1日4回、4週間後からは投与回数が1日2回、1回の投与量が30〜50μLであり、ジフルプレドナート濃度が0.005〜0.1%(w/v)である、(21)〜(25)のいずれかに記載の点眼剤。
(30) 該点眼剤の投与期間が少なくとも12週間であり、投与開始から4週間までは投与回数が1日4回、4週間後からは投与回数が1日2回、1回の投与量が30〜50μLであり、ジフルプレドナート濃度が0.005〜0.1%(w/v)である、(21)〜(25)のいずれかに記載の点眼剤。
(31) 黄斑浮腫治療用点眼剤の製造のためのジフルプレドナートの使用。
(32) 黄斑浮腫が難治性黄斑浮腫である、(31)記載の使用。
(33) 該点眼剤が乳化点眼剤である、(31)又は(32)記載の使用。
(34) 該点眼剤中のジフルプレドナート濃度が0.005〜0.1%(w/v)である、(31)〜(33)のいずれかに記載の使用。
(35) 該点眼剤が0.005〜0.1%(w/v)ジフルプレドナート、ヒマシ油、ポリソルベート80、濃グリセリン、酢酸ナトリウム、ホウ酸、エデト酸ナトリウム、及びソルビン酸を含有してなる、(31)〜(34)のいずれかに記載の使用。
(36) 該点眼剤の投与期間が少なくとも1週間であり、投与回数が1日4回、1回の投与量が30〜50μLであり、該点眼剤中のジフルプレドナートの濃度が0.005〜0.1%(w/v)である、(31)〜(35)のいずれかに記載の使用。
(37) 該点眼剤の投与期間が1〜4週間であり、投与回数が1日4回、1回の投与量が30〜50μLであり、該点眼剤中のジフルプレドナートの濃度が0.005〜0.1%(w/v)である、(31)〜(35)のいずれかに記載の使用。
(38) 該点眼剤の投与開始から4週間までは投与回数が1日4回、4週間後からは投与回数が1日2回、1回の投与量が30〜50μLであり、該点眼剤中のジフルプレドナートの濃度が0.005〜0.1%(w/v)である、(31)〜(35)のいずれかに記載の使用。
(39) 該点眼剤の投与期間が12週間以内であり、投与開始から4週間までは投与回数が1日4回、4週間後からは投与回数が1日2回、1回の投与量が30〜50μLであり、該点眼剤中のジフルプレドナートの濃度が0.005〜0.1%(w/v)である、(31)〜(35)のいずれかに記載の使用。
(40) 該点眼剤の投与期間が少なくとも12週間であり、投与開始から4週間までは投与回数が1日4回、4週間後からは投与回数が1日2回、1回の投与量が30〜50μLであり、該点眼剤中のジフルプレドナートの濃度が0.005〜0.1%(w/v)である、(31)〜(35)のいずれかに記載の使用。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、点眼剤により黄斑浮腫を治療することができる。特に、本発明の点眼剤は難治性黄斑浮腫の治療に有用である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明は、ジフルプレドナートを有効成分とする黄斑浮腫治療用点眼剤に関する。
【0008】
ジフルプレドナート(6α,9α−ジフルオロプレドニゾロン 17−ブチレート 21−アセテート)は、リン酸ベタメタゾンやトリアムシノロンと同様のステロイド性抗炎症薬であり、経皮投与等により、優れた抗炎症作用を示すことが知られている。また、その点眼剤は、眼手術後の炎症の予防や治療及び手術後の眼痛の予防や治療に使用されている。
【0009】
黄斑浮腫は網膜黄斑の腫脹であり、浮腫は網膜血管からの液体漏出によって生じる。黄斑浮腫は、黄斑の中心窩網膜厚の増加として観察される。健常者の中心窩網膜厚は個人差や年齢により変化するが、その平均値は、178μmとする報告もある(Br J Ophthalmol. 1998 Sep;82(9):1003−6)。黄斑浮腫の治療は、上記のように、従来よりレーザー照射による光凝固術、硝子体手術並びにステロイド剤の全身投与、硝子体内投与及びテノン嚢下投与が用いられてきており、一部の黄斑浮腫においてはこれらの治療方法により一定の治療効果が見られている。他方、一部の黄斑浮腫に対してはこれらの従来の治療方法によっては十分な効果が得られないことが知られている。本発明において、難治性黄斑浮腫とは、このように従来一般的な治療(例えば、レーザー照射による光凝固術、硝子体手術並びにステロイド剤の全身投与、硝子体内投与及びテノン嚢下投与のいずれか1つ又は2つ以上)を試みても十分な効果が得られない黄斑浮腫をいう。
【0010】
本発明において十分な治療効果とは、中心窩網膜厚が20%以上減少することを指す。また、logMAR値が0.2ユニット以上改善した場合も十分な効果であるとした。これは眼科治療において一般的な診断基準(FDA/NEI protocol(NEI/FDA Ophthalmic Clinical Trial Design and Endpoints Meeting, 2006))である。
【0011】
logMAR(the log of the minimum angle of resolution)値は、最小分離閾を識別する眼の能力(視力)を示す値であり、小数視力表により測定した値を対数換算することによって決定できる。
【0012】
中心窩網膜厚は、中心窩での内境界膜から視細胞内節外節境界部までの値であり、Cirrus OCT(登録商標)(Carl Zeiss)、3D OCT−1000(登録商標)(トプコン社)等によって測定することができる。
【0013】
本発明に係るジフルプレドナートを有効成分とする点眼剤は、乳剤、懸濁剤の形態のいずれであっても良い。ジフルプレドナートの組織移行性の点から、特に好ましくは乳剤の形態の乳化点眼剤が採用される。このような乳化点眼剤としては、Durezol(登録商標)(Sirion Therapeutics、米国)が挙げられる。Durezolは、有効成分であるジフルプレドナートが適切に眼球内に浸透して患部に作用可能とする等の目的で、ジフルプレドナートに対し所定の副成分を混合し、乳化してなる製剤である。
本発明の点眼剤が乳剤である場合、例えば米国特許第6,114,319号公報(特許第3410364号公報)に準じて調製することができる。
本発明の点眼剤が懸濁剤である場合、例えば米国特許第5,556,848号公報(特許第3781792号公報)に準じて調製することができる。
【0014】
本発明の点眼剤に含まれるジフルプレドナートの濃度は、0.005〜0.1%(w/v)であることが好ましい。より好ましくは0.025〜0.1%(w/v)である。特に好ましくは、0.05%(w/v)である。
【0015】
本発明の点眼剤には、点眼時の組織移行性等の調整を目的として、医薬上許容可能な種々の公知物質を適宜に選択し、混合して使用することができる。
医薬上許容可能な成分としては、油(例えばヒマシ油、落花生油、綿実油、大豆油、オリーブ油、中鎖脂肪酸トリグリセリド等)、溶剤(例えば生理食塩水、滅菌精製水等)、安定剤(例えばエデト酸ナトリウム、クエン酸等)、乳化剤(例えばポリビニルピロリドン等)、懸濁化剤(例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等)、界面活性剤(例えばポリソルベート80、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等)、保存剤(例えば塩化ベンザルコニウム、パラベン類、クロロブタノール等)、緩衝剤(例えばホウ酸、ホウ砂(ホウ酸ナトリウム)、酢酸ナトリウム、クエン酸緩衝剤、リン酸緩衝剤等)、等張化剤(例えば塩化ナトリウム、グリセリン、マンニトール等)およびpH調整剤(例えば塩酸、水酸化ナトリウム等)等が挙げられ、このような種々の公知物質をその目的に応じて適宜に選択して使用することができる。
特に本発明の点眼剤を乳剤として使用する場合には、乳化剤として界面活性剤を含有することが望ましい。界面活性剤としては、非イオン界面活性剤等を配合することができる。非イオン界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油類又はポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、好ましくはポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート類、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート類、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート類等が挙げられる。中でも、ヒマシ油とポリソルベート80を含有していることが好ましい。その他に含有可能な成分としては、濃グリセリン、酢酸ナトリウム、ホウ酸、エデト酸ナトリウム、ソルビン酸が挙げられる。中でも、濃グリセリン、酢酸ナトリウム、ホウ酸、エデト酸ナトリウム、ソルビン酸が挙げられ、必要に応じてこれらを含有していることが好ましい。
【0016】
本発明の点眼剤は、哺乳動物(ヒト、イヌ、ウサギ、ウシ、ウマ、サル、ネコ、ヒツジ等)に安全に投与することができる。
【0017】
本発明の点眼剤の投与量は、症状の程度、患者の年齢、体重などにより異なるが、例えば成人にジフルプレドナートを0.005〜0.1%(w/v)含有する点眼剤として、1回量1〜2滴(好ましくは1滴:約30〜50μL)を1日2〜4回程度点眼することが好ましい。
また、本発明の点眼剤の投与期間は、症状の程度等により異なるが、例えば少なくとも約1週間、好ましくは約1〜4週間、より好ましくは約4週間以上、更に好ましくは約12週間以内である。しかしながら、症状の程度等によっては12週間を超えて投与することもできる。
【0018】
好ましい投与態様は、例えば、0.005〜0.1%(w/v)のジフルプレドナート濃度を有する本発明の点眼剤の投与期間が少なくとも1週間であり、投与回数が1日4回、1回の投与量が約30〜50μLである。
別の好ましい投与態様は、例えば、0.005〜0.1%(w/v)のジフルプレドナート濃度を有する本発明の点眼剤の投与期間が1〜4週間であり、投与回数が1日4回、1回の投与量が約30〜50μLである。
更に別の好ましい投与態様は、0.005〜0.1%(w/v)のジフルプレドナート濃度を有する本発明の点眼剤の投与回数が投与開始から4週間までは1日4回、4週間後からは1日2回、1回の投与量が約30〜50μLである。
また別の好ましい投与態様は、0.005〜0.1%(w/v)のジフルプレドナート濃度を有する本発明の点眼剤の投与期間が12週間以内であり、投与開始から4週間までは投与回数が1日4回、4週間後からは投与回数が1日2回、1回の投与量が約30〜50μLである。
他の好ましい投与態様は、0.005〜0.1%(w/v)のジフルプレドナート濃度を有する本発明の点眼剤の投与期間が少なくとも12週間であり、投与開始から4週間までは投与回数が1日4回、4週間後からは投与回数が1日2回、1回の投与量が約30〜50μLである。
【実施例】
【0019】
(実施例1)
以下の結果は、山形大学医学部医薬品等受託研究審査委員会において承認された臨床試験(UMIN000001432)にて得られたものである。
本発明に係る点眼剤の薬効を確認するため、黄斑浮腫の患者11名の16眼に0.05%(w/v)ジフルプレドナート乳化点眼剤(Durezol)の点眼投与による治療を行った。このDurezol点眼投与した患者群には、トリアムシノロンのテノン嚢下投与(n=8)、トリアムシノロンの硝子体内投与(n=4)、硝子体手術(n=10)、ベバシズマブの硝子体内投与(n=2)の治療が適用された患者が含まれていた(治療の重複あり)。また、光凝固術は12眼に施術され、11眼において眼内レンズが装着されていた。このように治療対象とした患者は、従来知られた黄斑浮腫の治療が施され、特に硝子体手術や眼内レンズの装着により様々な状態の患者であり、これらの治療によっても中心窩付近の網膜の浮腫が改善されず、依然として中心窩網膜厚が健常者よりも大きい、いわゆる難治性黄斑浮腫と判断される患者であった。臨床試験は、全ての患者に対して、前回の治療から3ヶ月以上経過後にDurezolを点眼投与することにより行った。Durezolの点眼投与は、最初の1ヶ月は1日4回、その後の2ヶ月は1日2回行った。また、1回の投与量は1滴(約30〜50μL)とした。Durezolの処方は以下の通りである。
ジフルプレドナート 0.05g
ヒマシ油 5.0 g
ポリソルベート80 4.0 g
濃グリセリン 2.2 g
酢酸ナトリウム 0.05g
ホウ酸 0.1 g
エデト酸ナトリウム 0.02g
ソルビン酸 0.1 g
滅菌精製水 全量100mL
【0020】
対照群として、糖尿病性黄斑浮腫を発症した患者から年齢、性別、糖尿病の罹患期間、網膜症の程度がDurezol投与群に適合する患者として9名の17眼を採用した。この対照群は、ステロイド剤のテノン嚢下投与、硝子体内投与、硝子体手術等の黄斑浮腫の治療を行う前の患者である。この対照群に対して、1日6回で1ヶ月間、0.1%(w/v)ベタメタゾンリン酸エステルナトリウム点眼液(Rinderon A(登録商標))の投与を行った。当該リン酸ベタメタゾン点眼剤は、ジフルプレドナートを含有する点眼剤と同様に前眼部の抗炎症剤として通常に用いられるステロイド製剤である。
なお、上記Rinderon Aの投与条件は、黄斑浮腫の治療としてトリアムシノロン等のステロイド剤をテノン嚢下投与、硝子体内投与した際に生じる眼圧上昇の程度を予め確認する試験(ステロイドレスポンダー試験)においてRinderon Aを投与する際の条件である。ステロイドレスポンダー試験は、点眼投与されたリン酸ベタメタゾンが眼球内部に作用した際に生じる眼圧上昇の程度を測定することで、患者毎のステロイドに対する感受性を試験するものであり、ステロイド剤を硝子体内投与等することによる黄斑浮腫の治療の可否を明らかにするものである。
【0021】
本発明の実施例に係る患者、及び対照群の患者について、FDA/NEI protocol(NEI/FDA Ophthalmic Clinical Trial Design and Endpoints Meeting, 2006)に従って、視力検査およびCirrus OCT(Carl Zeiss)を用いた中心窩網膜厚の減少率の測定を行った。点眼治療の有効性の判断は、点眼によりlogMAR値が0.2ユニット以上改善したものを視力改善に対する有効性あり、又は、中心窩網膜厚の減少率が20%以上のものを有効性ありと判断した。また、有効率は、視力改善および中心窩網膜厚減少率に対する効果が有効であった例数の全例数に対する割合(%)として算出した。
【0022】
表1には、黄斑浮腫における中心窩網膜厚減少率に関するDurezol点眼、Rinderon A点眼の効果を示す。投与開始1ヶ月後の時点で、Durezol投与群においては、中心窩網膜厚減少についての有効率が37.5%であり、黄斑浮腫の症状が改善されることが明らかである。これに対し、Durezolと同様に前眼部の抗炎症剤として用いられるRinderon A投与群(対照群)では、ごく一部の患者において中心窩網膜厚の減少が見られたが、全患者に対する有効率はDurezol投与群と比較してごく低い値となった。Durezol投与群の患者は、Rinderon A投与群の患者と比較して浮腫の治療が困難であることを考慮すれば、本発明に係るジフルプレドナートの点眼剤は、同様のステロイド製剤であるリン酸ベタメタゾン点眼剤では得られない薬効を示すことが明らかである。また、ジフルプレドナート点眼剤が、従来の治療法では治療が困難であった難治性黄斑浮腫にも有効なことが明らかである。
表2には、中心窩網膜厚減少率に関するDurezolの点眼投与の効果の経時変化を示す。黄斑浮腫患者にDurezolの点眼投与を継続することにより、有効率が継続的に上昇すると共に、患者の網膜厚の平均値が継続的に減少し、3ヶ月間の投与により極めて高い61.5%の有効率が得られる。また、Durezol投与群の患者は、Durezol点眼治療の以前に従来知られた様々な治療を経験した患者であるが、硝子体手術の有無などの治療の履歴によらずDurezol投与により同様の有効性が得られた。これは、点眼されたジフルプレドナート製剤が、直接に黄斑部の浮腫部位に作用することを示すものであり、本発明に係る点眼剤の効果は難治性の黄斑浮腫に限定されず、より症状の改善が容易である一般の黄斑浮腫の患者に対しても同様の浮腫の改善効果が期待される。
表3には、黄斑浮腫における視力改善に対するDurezolの効果を示す。表4には、Durezol投与による視力改善の有効率の経時変化を示す。黄斑浮腫の治療により視力が改善するためには、黄斑部の浮腫が改善した後に比較的長期間を要するため、短期間の治療中に視力改善を確認することは一般には困難である。しかし、Durezol投与群の一部には短期間で明らかな視力の改善が見られ、黄斑浮腫の治療手段としてのジフルプレドナート点眼剤の有効性が示された。一方、対照群であるRinderon A投与群では視力改善に対する有効率が確認されなかった。Rinderon Aは、前眼部の抗炎症剤として点眼で用いられる他、上記の通り、黄斑浮腫の患者に対するステロイドレスポンダー試験にも用いられるステロイド剤であり、当該ステロイドレスポンダー試験において視力改善が見られないことと一致する結果である。
【0023】
【表1】

【0024】
【表2】

【0025】
【表3】

【0026】
【表4】

【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明のジフルプレドナートを有効成分として含む点眼剤は、黄斑浮腫患者に対して、臨床の場で行われてきた従来の治療法と比較して組織侵襲性の低い投与方法である点眼投与により浮腫を改善することを可能にした。中心窩網膜厚や視力に対する効果は、点眼投与した試験例が報告されているリン酸ベタメタゾン点眼剤よりも優れたものである。また、過去にトリアムシノロンのテノン嚢下投与や硝子体内投与、硝子体手術、bevacizumabの硝子体内投与を適用されたが、再発を起こした難治性黄斑浮腫患者に対しても有効な効果が得られる。
【0028】
本発明は、日本で出願された特願2009−165924(出願日:2009年7月14日)を基礎としており、その内容は本明細書に全て包含されるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジフルプレドナートを有効成分とする黄斑浮腫治療用点眼剤。
【請求項2】
黄斑浮腫が難治性黄斑浮腫である、請求項1記載の点眼剤。
【請求項3】
乳化点眼剤である、請求項1又は2に記載の点眼剤。
【請求項4】
ジフルプレドナートの濃度が0.005〜0.1%(w/v)である、請求項1から3のいずれか1項に記載の点眼剤。
【請求項5】
0.005〜0.1%(w/v)ジフルプレドナート、ヒマシ油、ポリソルベート80、濃グリセリン、酢酸ナトリウム、ホウ酸、エデト酸ナトリウム、及びソルビン酸を含有してなる、請求項1から4のいずれか1項に記載の点眼剤。
【請求項6】
投与期間が少なくとも1週間であり、投与回数が1日4回、1回の投与量が30〜50μLであることを特徴とする、ジフルプレドナート濃度が0.005〜0.1%(w/v)である、請求項1から5のいずれか1項に記載の点眼剤。
【請求項7】
投与期間が1〜4週間であり、投与回数が1日4回、1回の投与量が30〜50μLであることを特徴とする、ジフルプレドナート濃度が0.005〜0.1%(w/v)である、請求項1から5のいずれか1項に記載の点眼剤。
【請求項8】
投与開始から4週間までは投与回数が1日4回、4週間後からは投与回数が1日2回、1回の投与量が30〜50μLであることを特徴とする、ジフルプレドナート濃度が0.005〜0.1%(w/v)である、請求項1から5のいずれか1項に記載の点眼剤。
【請求項9】
投与期間が12週間以内であり、投与開始から4週間までは投与回数が1日4回、4週間後からは投与回数が1日2回、1回の投与量が30〜50μLであることを特徴とする、ジフルプレドナート濃度が0.005〜0.1%(w/v)である、請求項1から5のいずれか1項に記載の点眼剤。
【請求項10】
投与期間が少なくとも12週間であり、投与開始から4週間までは投与回数が1日4回、4週間後からは投与回数が1日2回、1回の投与量が30〜50μLであることを特徴とする、ジフルプレドナート濃度が0.005〜0.1%(w/v)である、請求項1から5のいずれか1項に記載の点眼剤。
【請求項11】
ジフルプレドナートの有効量を含有する点眼剤を哺乳動物に点眼投与することを含む、哺乳動物における黄斑浮腫の治療方法。
【請求項12】
黄斑浮腫が難治性黄斑浮腫である、請求項11記載の方法。
【請求項13】
該点眼剤が乳化点眼剤である、請求項11又は12記載の方法。
【請求項14】
該点眼剤中のジフルプレドナートの濃度が0.005〜0.1%(w/v)である、請求項11から13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
該点眼剤が0.005〜0.1%(w/v)ジフルプレドナート、ヒマシ油、ポリソルベート80、濃グリセリン、酢酸ナトリウム、ホウ酸、エデト酸ナトリウム、及びソルビン酸を含有してなる点眼剤である、請求項11から14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
該点眼剤の投与期間が少なくとも1週間であり、投与回数が1日4回、1回の投与量が30〜50μLであり、該点眼剤中のジフルプレドナートの濃度が0.005〜0.1%(w/v)である、請求項11から15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
該点眼剤の投与期間が1〜4週間であり、投与回数が1日4回、1回の投与量が30〜50μLであり、該点眼剤中のジフルプレドナートの濃度が0.005〜0.1%(w/v)である、請求項11から15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
該点眼剤の投与開始から4週間までは投与回数が1日4回、4週間後からは投与回数が1日2回、1回の投与量が30〜50μLであり、該点眼剤中のジフルプレドナートの濃度が0.005〜0.1%(w/v)である、請求項11から15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
該点眼剤の投与期間が12週間以内であり、投与開始から4週間までは投与回数が1日4回、4週間後からは投与回数が1日2回、1回の投与量が30〜50μLであり、該点眼剤中のジフルプレドナートの濃度が0.005〜0.1%(w/v)である、請求項11から15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
該点眼剤の投与期間が少なくとも12週間であり、投与開始から4週間までは投与回数が1日4回、4週間後からは投与回数が1日2回、1回の投与量が30〜50μLであり、該点眼剤中のジフルプレドナートの濃度が0.005〜0.1%(w/v)である、請求項11から15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
黄斑浮腫の治療に使用するためのジフルプレドナートを含有する点眼剤。
【請求項22】
黄斑浮腫が難治性黄斑浮腫である、請求項21記載の点眼剤。
【請求項23】
乳化点眼剤である、請求項21又は22記載の点眼剤。
【請求項24】
ジフルプレドナート濃度が0.005〜0.1%(w/v)である、請求項21から23のいずれか1項に記載の点眼剤。
【請求項25】
0.005〜0.1%(w/v)ジフルプレドナート、ヒマシ油、ポリソルベート80、濃グリセリン、酢酸ナトリウム、ホウ酸、エデト酸ナトリウム、及びソルビン酸を含有してなる、請求項21から24のいずれか1項に記載の点眼剤。
【請求項26】
該点眼剤の投与期間が少なくとも1週間であり、投与回数が1日4回、1回の投与量が30〜50μLであり、ジフルプレドナート濃度が0.005〜0.1%(w/v)である、請求項21から25のいずれか1項に記載の点眼剤。
【請求項27】
該点眼剤の投与期間が1〜4週間であり、投与回数が1日4回、1回の投与量が30〜50μLであり、ジフルプレドナート濃度が0.005〜0.1%(w/v)である、請求項21から25のいずれか1項に記載の点眼剤。
【請求項28】
該点眼剤の投与開始から4週間までは投与回数が1日4回、4週間後からは投与回数が1日2回、1回の投与量が30〜50μLであり、ジフルプレドナート濃度が0.005〜0.1%(w/v)である、請求項21から25のいずれか1項に記載の点眼剤。
【請求項29】
該点眼剤の投与期間が12週間以内であり、投与開始から4週間までは投与回数が1日4回、4週間後からは投与回数が1日2回、1回の投与量が30〜50μLであり、ジフルプレドナート濃度が0.005〜0.1%(w/v)である、請求項21から25のいずれか1項に記載の点眼剤。
【請求項30】
該点眼剤の投与期間が少なくとも12週間であり、投与開始から4週間までは投与回数が1日4回、4週間後からは投与回数が1日2回、1回の投与量が30〜50μLであり、ジフルプレドナート濃度が0.005〜0.1%(w/v)である、請求項21から25のいずれか1項に記載の点眼剤。
【請求項31】
黄斑浮腫治療用点眼剤の製造のためのジフルプレドナートの使用。
【請求項32】
黄斑浮腫が難治性黄斑浮腫である、請求項31記載の使用。
【請求項33】
該点眼剤が乳化点眼剤である、請求項31又は32記載の使用。
【請求項34】
該点眼剤中のジフルプレドナート濃度が0.005〜0.1%(w/v)である、請求項31から33のいずれか1項に記載の使用。
【請求項35】
該点眼剤が0.005〜0.1%(w/v)ジフルプレドナート、ヒマシ油、ポリソルベート80、濃グリセリン、酢酸ナトリウム、ホウ酸、エデト酸ナトリウム、及びソルビン酸を含有してなる、請求項31から34のいずれか1項に記載の使用。
【請求項36】
該点眼剤の投与期間が少なくとも1週間であり、投与回数が1日4回、1回の投与量が30〜50μLであり、該点眼剤中のジフルプレドナートの濃度が0.005〜0.1%(w/v)である、請求項31から35のいずれか1項に記載の使用。
【請求項37】
該点眼剤の投与期間が1〜4週間であり、投与回数が1日4回、1回の投与量が30〜50μLであり、該点眼剤中のジフルプレドナートの濃度が0.005〜0.1%(w/v)である、請求項31から35のいずれか1項に記載の使用。
【請求項38】
該点眼剤の投与開始から4週間までは投与回数が1日4回、4週間後からは投与回数が1日2回、1回の投与量が30〜50μLであり、該点眼剤中のジフルプレドナートの濃度が0.005〜0.1%(w/v)である、請求項31から35のいずれか1項に記載の使用。
【請求項39】
該点眼剤の投与期間が12週間以内であり、投与開始から4週間までは投与回数が1日4回、4週間後からは投与回数が1日2回、1回の投与量が30〜50μLであり、該点眼剤中のジフルプレドナートの濃度が0.005〜0.1%(w/v)である、請求項31から35のいずれか1項に記載の使用。
【請求項40】
該点眼剤の投与期間が少なくとも12週間であり、投与開始から4週間までは投与回数が1日4回、4週間後からは投与回数が1日2回、1回の投与量が30〜50μLであり、該点眼剤中のジフルプレドナート濃度が0.005〜0.1%(w/v)である、請求項31から35のいずれか1項に記載の使用。

【公表番号】特表2012−533517(P2012−533517A)
【公表日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−545305(P2010−545305)
【出願日】平成22年7月14日(2010.7.14)
【国際出願番号】PCT/JP2010/062289
【国際公開番号】WO2011/007893
【国際公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【出願人】(304036754)国立大学法人山形大学 (59)
【Fターム(参考)】