説明

(2S)−2−エトキシ−3−(4−{2−[ヘキシル(2−フェニルエチル)アミノ]−2−オキソエトキシ}フェニル)プロパン酸のトリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン塩またはエタノールアミン塩

本発明は1以上の以下のものから選択される化合物:(2S)−2−エトキシ−3−(4−{2−[ヘキシル(2−フェニルエチル)アミノ]−2−オキソエトキシ}フェニル)プロパン酸のトリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン塩;(2S)−2−エトキシ−3−(4−{2−[ヘキシル(2−フェニルエチル)アミノ]−2−オキソエトキシ}フェニル)プロパン酸のエタノールアミン塩;または該化合物を含有する医薬組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明が属する技術分野
本発明は(2S)−3−(4−{2−[アミノ]−2−オキソエトキシ}フェニル)−2−エトキシプロパン酸誘導体のある種の新規な塩、そのような化合物を製造するための方法、インスリン抵抗性および別のメタボリックシンドロームの徴候との関連の有無に関ず脂質障害(脂質代謝異常)を含む臨床状態を治療することにおけるそれらの有用性、それらの治療的使用のための方法およびそれらを含有する医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
2型糖尿病を含むメタボリックシンドロームは、高インスリン血症を伴うインスリン抵抗性であって2型糖尿病らしきもの、動脈性高血圧症、中心性(内臓型)肥満、典型的には増加したVLDL(超低密度リポタンパク質)、小型高密度LDL粒子および減少したHDL(高密度リポタンパク質)濃度を特徴とする乱れたリポタンパク質レベルおよび減少した線維素溶解を含む徴候の集まりを表す。
【0003】
最近の疫学的研究は、インスリン抵抗性がある人は、非常に高い心臓血管の罹病率および死亡率のリスクを持ち、とりわけ心筋梗塞および発作を患うことを実証している。2型糖尿病では、アテローム性動脈硬化症に関連した状態がすべての死亡の80%までを引き起こす。
【0004】
臨床医学では、メタボリックシンドロームの患者に、インスリン感受性を高め、アテローム性動脈硬化症の進行を促進すると考えられている脂質代謝異常を治療する必要性が認識されている。しかし、現在十分に定義された薬物療法的目安を持つ一般的に受容される診断が存在しない。
【0005】
PCT出願番号PCT/GB02/05743は式Aの化合物:
【0006】
【化1】

【0007】
(式中、nは1または2である)、およびその光学異性体およびラセミ体、薬剤的に受容できるその塩、溶媒和物、結晶型およびプロドラッグは非常に強力なPPARα調節剤であることを開示する。PPARは短いペルオキシソーム増殖因子‐活性化受容体である(PPARαの総説としては、T.M.Willson et al,J Med Chem 2000,Vol43,527を参照されたい)。これらの化合物はインスリン抵抗性に伴う状態を治療することにおいて有効である。式Aの化合物の具体的な薬剤的に受容できる塩はPCT/GB02/05743に開示されない。さらに、式Aの化合物、とりわけその塩の結晶型をどのように製造できるかに関する情報は全く提供されていない。nが2である化合物はこの出願では遊離塩として製造される。しかし、この化合物はシロップであり、したがって医薬製剤における使用には適切でない。したがって、医薬製剤における使用に適切な物理的および化学的特性を有するこの化合物の誘導体の必要性が存在する。多くの異なる対イオンを持つ塩を生み出す試みが行われた。しかし、大部分は以下の理由のいずれかのために不十分であった。ある塩は固体状態で形成することができなかったか、またはたとえ形成されても塩は低いガラス転移温度を持つ非晶質であった。
【0008】
薬物組成物の製剤では、都合よく取り扱われ、そして処理されうる形状にあることが薬物材料にとって重要である。このことは、商業的に実行可能な製造方法を獲得するという観点からだけでなく、それに続く活性化合物を含有する医薬製剤の工業的製造の観点からも重要である。
【0009】
さらに、薬物組成物の工業的製造では、確かで、再現性があり、患者への投与後に一定の薬物血漿中濃度特性が提供されることが重要である。
【0010】
活性成分の化学的安定性、固体状態安定性、および“貯蔵寿命”も非常に重要な因子である。薬物材料、およびそれを含有する組成物は、好ましくは、活性成分の物理‐化学的特徴(たとえば、その化学組成、密度、吸湿性および溶解度)に著しい変化を示さずに、かなりの期間にわたり、効果的に保管されうるべきである。
【0011】
その上、薬物をできるだけ化学的に純粋な形状において提供できることも重要である。
【0012】
当業者は、一般に、安定な結晶型のような、安定な形状で薬物を容易に得ることができる場合、取り扱いの容易さ、適切な医薬製剤の製造の容易さ、およびより確かな溶解度特性の観点から、利点が提供され得ることを認識するであろう。
【発明の開示】
【0013】
発明の説明
本発明は1以上の以下のものから選択される化合物を提供する:
1以上の以下のものから選択される化合物:
(2S)−2−エトキシ−3−(4−{2−[ヘキシル(2−フェニルエチル)アミノ]−2−オキソエトキシ}フェニル)プロパン酸のトリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン塩;
(2S)−2−エトキシ−3−(4−{2−[ヘキシル(2−フェニルエチル)アミノ]−2−オキソエトキシ}フェニル)プロパン酸のエタノールアミン塩。
【0014】
本発明者らは、本発明のある種の化合物はそれらが結晶型で製造できるという利点を有することを見いだしている。
【0015】
本発明はさらに、薬剤的に受容できるアジュバント、希釈剤および/またはキャリアと混合した、本発明に記載の化合物を含有する医薬製剤に関する。
【0016】
本発明はさらに、インスリン抵抗性との関連の有無に関わらない脂質障害(脂質代謝異常)を治療するか、または予防することを必要とする哺乳動物への、本発明に記載の化合物の投与を含む、そのような障害を治療するか、または予防する方法に関する。
【0017】
本発明はさらに、インスリン抵抗性との関連の有無に関わらない脂質障害(脂質代謝異常)の治療のための薬物の工業的製造における本発明に記載の化合物の使用に関する。
【0018】
本発明はさらに、2型糖尿病を治療するか、または予防することが必要な哺乳動物への本発明に記載の化合物の有効量の投与を含む、そのような疾患を治療するか、または予防する方法に関する。
【0019】
本発明はさらに、高血圧、高脂肪血症、脂質代謝異常、糖尿病および肥満のようなアテローム性動脈硬化症の発生および進行に関連した障害の治療に有用な別の治療薬と組み合わせた、本発明に記載の化合物を含有する医薬組成物に関する。
【0020】
本発明はさらに、約2‐シータ=4.7°において少なくとも1つの特有のピークを持つ粉末X‐線回折パターンを有する、(2S)−2−エトキシ−3−(4−{2−[ヘキシル(2−フェニルエチル)アミノ]−2−オキソエトキシ}フェニル)プロパン酸のトリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン塩の結晶型または部分的結晶型に関する。
【0021】
本発明はさらに、約2‐シータ=4.7°、18.8°および14.9°において特有のピークを持つ粉末X‐線回折パターンを有する、(2S)−2−エトキシ−3−(4−{2−[ヘキシル(2−フェニルエチル)アミノ]−2−オキソエトキシ}フェニル)プロパン酸のトリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン塩の結晶型または部分的結晶型に関する。
【0022】
本発明はさらに、約2‐シータ=4.7°、18.8°、14.9°、18.6°および21.8°において特有のピークを持つ粉末X‐線回折パターンを有する、(2S)−2−エトキシ−3−(4−{2−[ヘキシル(2−フェニルエチル)アミノ]−2−オキソエトキシ}フェニル)プロパン酸のトリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン塩の結晶型または部分的結晶型に関する。
【0023】
本発明はさらに、約2‐シータ=8.4°において少なくとも1つの特有のピークを持つ粉末X‐線回折パターンを有する、(2S)−2−エトキシ−3−(4−{2−[ヘキシル(2−フェニルエチル)アミノ]−2−オキソエトキシ}フェニル)プロパン酸のエタノールアミン塩の結晶型または部分的結晶型に関する。
【0024】
本発明はさらに、約2‐シータ=8.4°、19.8°および25.5°において特有のピークを持つ粉末X‐線回折パターンを有する、(2S)−2−エトキシ−3−(4−{2−[ヘキシル(2−フェニルエチル)アミノ]−2−オキソエトキシ}フェニル)プロパン酸のエタノールアミン塩の結晶型または部分的結晶型に関する。
【0025】
本発明はさらに、約2‐シータ=8.4°、19.8°および25.5°、28.4°および17.5°において特有のピークを持つ粉末X‐線回折パターンを有する、(2S)−2−エトキシ−3−(4−{2−[ヘキシル(2−フェニルエチル)アミノ]−2−オキソエトキシ}フェニル)プロパン酸のエタノールアミン塩の結晶型または部分的結晶型に関する。
【0026】
本発明の化合物、およびとりわけ本発明の結晶性化合物はPCT/GB02/05743に開示された化合物に比較した場合、改善された安定性を有していてもよい。
【0027】
本明細書で定義された“安定性”という用語は、化学的安定性および固体状態安定性を包含する。
【0028】
“化学的安定性”により、通常の保管条件下で、重要でない程度の化学的劣化または分解を伴って、単離した形状において、または薬剤的に受容できるキャリア、希釈剤またはアジュバントと混合した状態(たとえば錠剤、カプセル剤などのような経口のための剤形)で提供される固体製剤の形状において、本発明の化合物を保管することが可能であってもよいことを包含する。
【0029】
“固体状態安定性”により、通常の保管条件下で、問題ない程度の固体状態の転換(たとえば、結晶化、再結晶化、固体状態相転移、水和、脱水、溶媒和または脱溶媒和)を伴って、単離した形状において、または薬剤的に受容できるキャリア、希釈剤またはアジュバントと混合した状態(たとえば錠剤、カプセル剤などのような経口のための剤形)で提供される固体製剤の形状において、本発明の化合物を保管することが可能であってもよいことを包含する。
【0030】
“通常の保管条件”の例としては、長期間(すなわち、6ヶ月より長いか、またはそれに等しい)の、マイナス80〜プラス50℃(好ましくは0〜40℃、そしてより好ましくは室温、たとえば15〜30℃)の温度、0.1〜2バールの圧(好ましくは大気圧)、5〜95%(好ましくは10〜60%)の相対湿度、および/または460ルクスのUV/可視光を包含する。そのような条件下、本発明の化合物は適宜、15%未満、より好ましくは10%未満、そしてとりわけ5%未満、化学的に劣化/分解されるか、または固体状態が転換されることが見いだされてもよい。当業者は、先に述べた温度、圧および相対湿度の上限および下限が通常の保管状態の極限を表し、これらの極限のある種の組み合わせを通常の保管(たとえば、温度50℃および圧0.1バール)中に経験することはないであろうということを認識するであろう。
【0031】
溶媒系の存在下または非存在下で、式Aの化合物の塩を結晶化することが可能であってもよい(たとえば、結晶化は超臨界条件下で、メルト(melt)に由来しても、または昇華によって得てもよい)。しかし、本発明者らは結晶化が適切な溶媒系から起こることを好む。
【0032】
本発明の別の側面に従って、本発明の化合物を適切な溶媒系から結晶化することを含む、本発明の結晶性化合物の製造のための方法が提供される。
【0033】
結晶化温度および結晶化時間は結晶化されることになる塩、溶液中のその塩の濃度、および使用される溶媒系に依存する。
【0034】
結晶化はまた、たとえば本発明の適切な結晶性化合物の結晶による播種を伴う、または伴わない標準技術によって開始されても、および/または行われてもよい。
【0035】
本発明の化合物の異なる結晶型は、たとえば以後に記載されるような、粉末X‐線回折(XRPD)法を使用して容易に性状解析することができる。
【0036】
特定の結晶型が別の結晶型の存在しない状態で製造されることを確実するために、結晶化は好ましくは、別の結晶型の核および/または種結晶が実質的に完全に存在しない状態で、所望する結晶型の核および/または種結晶による播種によって実行される。適切な化合物の種結晶は、たとえば、適切な塩の溶液の一部から溶媒をゆっくり留去することにより製造してもよい。
【0037】
本発明の化合物は、当業者に公知の技術、たとえばデカンテーション、濾過または遠心分離を使用して分離してもよい。
【0038】
化合物は標準技術を使用して乾燥してもよい。
【0039】
本発明の化合物のそれ以上の精製は当業者に公知の技術を使用して行ってもよい。たとえば、不純物は適切な溶媒系から再結晶化によって除去してもよい。再結晶化に適切な温度および時間は溶液中の塩の濃度、および使用される溶媒系に依存する。
【0040】
本発明の化合物が、本明細書に記載のように結晶化されるか、または再結晶化される場合、得られた塩は以後に述べるような、改善された化学的および/または固体状態安定性を有する形状の状態であってよい。
【0041】
本発明の化合物は、それらが、先行技術で公知の化合物より、有効で、毒性が低く、作用時間が長く、広い活性範囲を有し、強力であり、副作用が少なく、吸収されやすく、および/または優れた薬物動態学的特性(たとえば、より高い経口バイオアベイラビリティーおよび/またはより低いクリアランス)を有していてもよく、および/またはそのような公知の化合物を越えた、別の有用な薬理学的、物理的、または化学的性質を有するという利点を有する。本発明の化合物は、それらが先行技術で公知の化合物より少ない回数で投与してもよいという付加的な利点を有していてもよい。
【0042】
本発明の化合物はその上に、改善された取り扱いやすさを提供する形状にあるという利点を有してもよい。さらに、本発明の化合物は、それらが改善された化学的および/または固体状態安定性(たとえばより低い吸湿性に起因するというようなことを含む)を有する形状で生み出されてもよいという利点を有する。したがって、そのような本発明の化合物は長期間にわたって保管される場合安定であってよい。
【0043】
本発明の化合物はその上、高い収率において、高純度で、速やかに、都合よく、そして低コストで結晶化することができるという利点を有していてもよい。
【0044】
本発明の化合物は薬物としての活性を有する。とりわけ、該化合物はPPARαの非常に強力なアゴニストである。さらに該化合物はまたPPARγのアゴニストである。本明細書で使用するアゴニストという用語は部分アゴニストを包含する。
【0045】
本発明のある種の結晶性化合物は溶媒和、たとえば水和、ならびに非水和型で存在してもよいことは理解されるであろう。本発明はそのような溶媒和および非溶媒和型のすべてを包含することを理解すべきである。
【0046】
本発明はまた、以下の態様を提供する。
【0047】
製造の方法
本発明の化合物は、0〜100℃の範囲の温度で不活性溶媒中に(2S)−2−エトキシ−3−(4−{2−[ヘキシル(2−フェニルエチル)アミノ]−2−オキソエトキシ}フェニル)プロパン酸を溶解し、その後純粋な、または不活性溶媒中の溶液としてのいずれか適切なアミンを添加し、固体塩を分離することにより製造する。塩は反応溶液を冷やし、場合により所望する生成物を溶液に播種する、および/または溶液を濃縮することにより分離してもよい。場合により、生成物は不活性溶媒中の生成物の溶液に貧溶媒を添加することにより分離してもよい。固体は、たとえば濾過または遠心分離のような、当業者に公知の方法により集めてもよい。
【0048】
別の側面では、本発明は不活性溶媒、とりわけイソプロピルアセテート中で、(2S)−2−エトキシ−3−(4−{2−[ヘキシル(2−フェニルエチル)アミノ]−2−オキソエトキシ}フェニル)プロパン酸とトリス(ヒドロキシメチル)メチルアミンを反応させ、そして生成物を分離することにより得ることができる化合物を提供する。
【0049】
別の側面では、本発明は不活性溶媒、とりわけイソプロピルアセテート中で、(2S)−2−エトキシ−3−(4−{2−[ヘキシル(2−フェニルエチル)アミノ]−2−オキソエトキシ}フェニル)プロパン酸と2−アミノエタノールを反応させ、そして生成物を分離することにより得ることができる化合物を提供する。
【0050】
“不活性溶媒”という表現は、所望する生成物の収率に有害な影響を与えるような様式で出発物質、試薬、中間体または生成物と反応しない溶媒を表す。
【0051】
医薬製剤
本発明の化合物は通常、薬剤的に受容できる剤形中の医薬製剤の形状において、経口、非経口、静脈内、筋肉内、皮下または別の注射可能な方法、口腔内、直腸内、膣内、経皮および/または経鼻経路を介して、および/または吸入により投与されることになる。治療されることになる障害および患者ならび投与経路に依存して、組成物は種々の投与量で投与されてもよい。
【0052】
ヒトの治療的処置における本発明の化合物の適切な1日投与量は約0.0001〜100mg/kg体重、好ましくは0.001〜10mg/kg体重である。
【0053】
経口製剤は、とりわけ錠剤またはカプセル剤が好ましく、それらは当業者に公知の方法により製剤され、0.5mg〜500mgの範囲、たとえば1mg、3mg、5mg、10mg、25mg、50mg、100mgおよび250mgの活性化合物の用量を提供することができる。
【0054】
本発明の別の側面に従って、薬剤的に受容できるアジュバント、希釈剤および/またはキャリアと混合した本発明の化合物を含有する医薬製剤が提供される。
【0055】
薬理学的性質
本発明の化合物は生来の、または誘発された、インスリンに対する低い感受性(インスリン抵抗性)およびそれに伴う代謝障害(メタボリックシンドロームとしても知られる)に関連した臨床状態の予防および/または治療に有用である。これらの臨床状態には、インスリン抵抗性と共に特徴的に出現する、一般肥満、腹部肥満、動脈性高血圧、高インスリン血症、高血糖、2型糖尿病および脂質代謝異常を挙げることができるが、それらに限定されない。アテローム形成性リポタンパク質特性としても公知のこの脂質代謝異常は、穏やかに上昇した非エステル化脂肪酸、上昇した超低密度リポタンパク質(VLDL)トリグリセリドリッチ粒子、高アポBレベル、低いアポAI粒子レベルを伴った低い高密度リポタンパク質(HDL)レベル、および小型、高密度(dense)、低密度リポタンパク質(LDL)粒子、表現型Bの存在下における高いアポBレベルによって特徴付けられる。
【0056】
本発明の化合物は、複合もしくは混合脂質代謝異常または種々の程度の高トリグリセリド血症および食後脂質代謝異常があり、メタボリックシンドロームのその他の徴候を伴う、または伴わない患者を治療することにおいて有用であることが予想される。本発明の化合物による治療は、それらの抗脂質代謝異常および抗炎症特性のために、アテローム性動脈硬化症に関連した心臓血管罹病率および死亡率を低下させることが予想される。心臓血管疾患状態には、心筋梗塞、鬱血性心不全、脳血管疾患および下肢の末梢動脈不全を引き起こす種々の内部器官のマクロアンギオパシーが挙げられる。インスリン増感作用のために、該化合物はまた、メタボリックシンドローム由来の2型糖尿病および妊娠糖尿病の発生を妨げるか、または遅らせることが予想される。したがって、糖尿病における慢性高血糖に伴う長期間の合併症、たとえば腎臓疾患、腎臓損傷および下肢の末梢血管疾患を引き起こすミクロアンギオパシーの発生を遅くすることが予想される。さらに、該化合物は軽い認知障害、アルツハイマー病、パーキンソン病および多発性硬化症のような神経変性障害を含む、多嚢胞性卵巣症候群、肥満、癌および炎症性疾患の状態のような、インスリン抵抗性との関連の有無に関わらない心臓血管系外の種々の状態の治療において有用であってよい。
【0057】
本発明の化合物は2型糖尿病に罹患している患者のグルコースレベルの制御において有用であることが予想される。
【0058】
本発明は、脂質代謝異常、インスリン抵抗性症候群および/または(先に記載のような)代謝障害を治療すること、または予防することが必要な哺乳動物(とりわけヒト)への本発明の化合物の投与を含む、そのような障害を治療するか、または予防する方法を提供する。
【0059】
本発明は、2型糖尿病を治療するか、または予防することが必要な哺乳動物(とりわけヒト)への有効量の本発明の化合物の投与を含む、そのような障害を治療するか、または予防する法を提供する。
【0060】
別の側面では、本発明は薬物としての本発明の化合物の使用を提供する。
【0061】
別の側面では、本発明はインスリン抵抗性および/または代謝障害の治療のための薬物の工業的製造における、本発明の化合物の使用を提供する。
【0062】
組み合わせ治療
本発明の化合物は、高血圧、高脂肪血症、脂質代謝異常、糖尿病および肥満のようなアテローム性動脈硬化症の発生および進行に関連した障害の治療に有用な別の治療薬と組み合わせてもよい。本発明の化合物は、LDL:HDL比を減少させる別の治療薬、またはLDL‐コレステロールの循環レベルの減少を引き起こす薬剤と組み合わせてもよい。糖尿病患者では、本発明の化合物はまた、ミクロアンギオパシーに関連した合併症を治療するために使用される治療薬と組み合わせてもよい。
【0063】
本発明の化合物はメタボリックシンドロームまたは2型糖尿病およびそれに伴う合併症の治療のための別の療法と共に使用してもよく、それらにはビグアニド薬、たとえばメトホルミン、フェンホルミンおよびブホルミン、インスリン(合成インスリン類似体、アミリン)ならびに経口抗高血糖症薬(これらは食後グルコース調節剤およびアルファ‐グルコシダーゼ阻害剤に分割される)が挙げられる。アルファ‐グルコシダーゼ阻害剤の例としてはアカルボースまたはボグリボースまたはミグリトールが挙げられる。食後グルコース調節剤の例としてはレパグリニドまたはナテグリニドが挙げられる。
【0064】
本発明の別の側面では、式Iの化合物、または薬剤的に受容できるその塩はPPAR調節剤と一緒に投与してもよい。PPAR調節剤には、PPARアルファおよび/またはガンマおよび/またはデルタアゴニスト、または薬剤的に受容できるその塩、溶媒和物、そのような塩の溶媒和物もしくはプロドラッグが挙げられるが、それらに限定されない。適切なPPARアルファおよび/またはガンマアゴニスト、薬剤的に受容できるその塩、溶媒和物、そのような塩の溶媒和物もしくはプロドラッグは当該技術分野で周知である。これらには、WO01/12187、WO01/12612、WO99/62870、WO99/62872、WO99/62871、WO98/57941、WO01/40170、WO04/000790、WO04/000295、WO04/000294、WO03/051822、WO03/051821、WO02/096863、WO03/051826、WO02/085844、WO01/040172、J Med Chem,1996,39,665、Expert Opinion on Therapeutic Patents,10(5),623−634(とりわけ、634ページに挙げられた特許出願に記載の化合物)およびJ Med Chem,2000,43,527(それらは参照として本明細書に援用される)に記載の化合物が挙げられ、これらは全て本明細書に参照として援用される。とりわけ、PPARアルファおよび/またはガンマおよび/またはデルタアゴニストはマルグリタザー(BMS 298585)、リボグリタゾン(CS−011)、ネトグリタゾン(MCC−555)、バラグリタゾン(DRF−2593、NN−2344)、クロフィブレート、フェノフィブレート、ベザフィブレート、ゲムフィブロジル、シプロフィブレート、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、AVE−0847、AVE−8134、CLX−0921、DRF−10945、DRF−4832、LY−518674、LY−818、LY−929、641597、GW−590735、GW−677954、GW−501516、MBX−102、ONO−5129、KRP−101、R−483(BM131258)、TAK−559またはTAK−654を指す。とりわけ、PPARアルファおよび/またはガンマおよび/またはデルタアゴニストは、テサグリタザー((S)−2−エトキシ−3−[4−(2−{4−メタンスルホニル−オキシフェニル}エトキシ)フェニル]プロパン酸)および薬剤的に受容できるその塩を指す。
【0065】
なおその上、本発明の化合物はスルホニル尿素、たとえば:グリメピリド、グリベンクラミド(グリブリド)、グリクラジド、グリピジド、グリキドン、クロロプロパミド、トルブタミド、アセトヘキシミド、グリコピラミド、カルブタミド、グリボヌリド、グリソキセピド、グリブチアゾール、グリブゾール、グリヘキシミド、グリミジン、グリピラミド、フェンブタミド、トルシラミドおよびトラザミドと一緒に使用してもよい。好ましくは、スルホニル尿素はグリメピリドまたはグリベンクラミド(グリブリド)である。より好ましくは、スルホニル尿素はグリメピリドである。本発明は、この組み合わせの節で記載された1種、2種またはそれ以上の既存の療法と一緒の本発明の化合物の投与を包含する。2型糖尿病およびそれに伴う合併症の治療のための別の既存の療法の用量は当該技術分野で公知であり、規制機関、たとえばFDAにより使用が認可されたものであろう。あるいは、組み合わせに由来する利点の結果として、より少ない用量が使用されてもよい。本発明はまた、コレステロール‐低下剤と組み合わせた本発明の化合物を包含する。本出願において言及されるコレステロール‐低下剤には、HMG−CoAレダクターゼ(3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルコエンザイムAレダクターゼ)阻害剤が挙げられるが、それらに限定されない。適切にはHMG−CoAレダクターゼ阻害剤は、アトルバスタチン、ベルバスタチン、セリバスタチン、ダルバスタチン、フルバスタチン、イタバスタチン、ロバスタチン、メバスタチン、ニコスタチン、ニバスタチン、プラバスタチンおよびシンバスタチン、または薬剤的に受容できるその塩、とりわけナトリウムまたはカルシウム塩、もしくは溶媒和物、もしくはそのような塩の溶媒和物からなる群から選択されるスタチンである。具体的なスタチンは、アトルバスタチン、または薬剤的に受容できるその塩、溶媒和物、もしくはそのような塩の溶媒和物もしくはプロドラッグである。より具体的なスタチンはアトルバスタチンカルシウム塩である。とりわけ好ましいスタチンは、しかし、化学名(E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−[メチル(メチルスルホニル)−アミノ]−ピリミジン−5−イル](3R,5S)−3,5−ジヒドロキシヘプト−6−エン酸、[(E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−[N−メチル−N−(メチルスルホニル)−アミノ]ピリミジン−5−イル](3R,5S)−3,5−ジヒドロキシヘプト−6−エン酸としても公知]を持つ化合物、または薬剤的に受容できるその塩、もしくは溶媒和物、もしくはそのような塩の溶媒和物である。化合物(E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−[メチル−(メチルスルホニル)−アミノ]−ピリミジン−5−イル](3R,5S)−3,5−ジヒドロキシヘプト−6−エン酸およびそのカルシウムおよびナトリウム塩は欧州特許出願、公開番号EP−A−0521471およびBioorganic and Medicinal Chemistry,(1997),5(2),437−444に開示される。この後者のスタチンは現在一般名称ロスバスタチンとして公知である。
【0066】
本出願では、“コレステロール‐低下剤”という用語は、活性または不活性にかかわらず、エステル、プロドラッグおよび代謝産物のようなHMG−CoAレダクターゼ阻害剤の化学的改変物も包含する。
【0067】
本発明はまた、胆汁酸隔離剤、たとえばコレスチポルまたはコレスチラミンまたはコレスタゲルと組み合わせた本発明の化合物を包含する。
【0068】
本発明はまた、回腸胆汁酸輸送系阻害剤(IBAT阻害剤)と組み合わせた本発明の化合物を包含する。
【0069】
IBAT阻害活性を有する適切な化合物は記載されていて、たとえば以下に記載の化合物を参照されたい:WO93/16055、WO94/18183、WO94/18184、WO96/05188、WO96/08484、WO96/16051、WO97/33882、WO98/07449、WO98/03818、WO98/38182、WO99/32478、WO99/35135、WO98/40375、WO99/35153、WO99/64409、WO99/64410、WO00/01687、WO00/47568、WO00/61568、WO00/62810、WO01/68906、DE19825804、WO00/38725、WO00/38726、WO00/38727、WO00/38728、WO00/38729、WO01/68906、WO01/66533、WO02/32428、WO02/50051、EP 864 582、EP489423、EP549967、EP573848、EP624593、EP624594、EP624595およびEP624596(これらの特許出願の内容は参照として本明細書に援用される)。さらに、IBAT阻害活性を有する適切な化合物は、WO94/24087、WO98/56757、WO00/20392、WO00/20393、WO00/20410、WO00/20437、WO01/34570、WO00/35889、WO01/68637、WO02/08211、WO03/020710、WO03/022825、WO03/022830、WO03/022286、WO03/091232、WO03/106482、JP10072371、US5070103、EP 251 315、EP 417 725、EP 869 121、EP 1 070 703 およびEP 597 107に記載されていて、これらの特許出願の内容は参照として本明細書に援用される。
【0070】
本発明における使用に適切なIBAT阻害剤の具体的なクラスはベンゾチエピンであり、そしてWO00/01687、WO96/08484およびWO97/33882の特許請求の範囲、とりわけ特許請求の範囲1に記載の化合物が参照として本明細書に援用される。IBAT阻害剤の別の適切なクラスは、1,2−ベンゾチアゼピン、1,4−ベンゾチアゼピンおよび1,5−ベンゾチアゼピンである。別の適切なIBAT阻害剤のクラスは1,2,5−ベンゾチジアゼピンである。
【0071】
IBAT阻害活性を有する1種の具体的で適切な化合物は(3R,5R)−3−ブチル−3−エチル−1,1−ジオキシド−5−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾジアゼピン−8−イル□−D−グルコピラノシドウロン酸(EP 864 582)である。別の適切なIBAT阻害剤には以下の化合物の1種:
1,1−ジオキソ−3,3−ジブチル−5−フェニル−7−メチルチオ−8−(N−{(R)−1'−フェニルl−1'−[N'−(カルボキシメチル)カルバモイル]メチル}カルバモイルメトキシ)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,5−ベンゾチアゼピン;
1,1−ジオキソ−3,3−ジブチル−5−フェニル−7−メチルチオ−8−(N−{(R)−a−[N'−(カルボキシメチル)カルバモイル]−4−ヒドロキシベンジル}カルバモイルメトキシ)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,5−ベンゾチアゼピン;
1,1−ジオキソ−3,3−ジブチル−5−フェニル−7−メチルチオ−8−(N−{(R)−1'−フェニル−1'−[N'−(2−スルホエチル)カルバモイル]メチル}カルバモイルメトキシ)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,5−ベンゾチアゼピン;
1,1−ジオキソ−3−ブチル−3−エチル−5−フェニル−7−メチルチオ−8−(N−{(R)−1'−フェニル−1'−[N'−(2−スルホエチル)カルバモイル]メチル}カルバモイルメトキシ)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,5−ベンゾチアゼピン;
1,1−ジオキソ−3,3−ジブチル−5−フェニル−7−メチルチオ−8−(N−{(R)−a−[N'−(2−スルホエチル)カルバモイル]−4−ヒドロキシベンジル}カルバモイルメトキシ)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,5−ベンゾチアゼピン;
1,1−ジオキソ−3−ブチル−3−エチル−5−フェニル−7−メチルチオ−8−(N−{(R)−a−[N'−(2−スルホエチル)カルバモイル]−4−ヒドロキシベンジル}カルバモイルメトキシ)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,5−ベンゾチアゼピン;
1,1−ジオキソ−3−ブチル−3−エチル−5−フェニル−7−メチルチオ−8−(N−{(R)−a−[N'−(2−カルボキシエチル)カルバモイル]ベンジル}カルバモイルメトキシ)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,5−ベンゾチアゼピン;
1,1−ジオキソ−3,3−ジブチル−5−フェニル−7−メチルチオ−8−(N−{(R)−a−[N'−(2−カルボキシエチル)カルバモイル]−4−ヒドロキシベンジル}カルバモイルメトキシ)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,5−ベンゾチアゼピン;
1,1−ジオキソ−3−ブチル−5−フェニル−7−メチルチオ−8−(N−{(R)−a−[N'−(5−カルボキシペンチル)カルバモイル]ベンジル}カルバモイルメトキシ)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,5−ベンゾチアゼピン;
1,1−ジオキソ−3,3−ジブチル−5−フェニル−7−メチルチオ−8−(N−{(R)−a−[N'−(2−カルボキシエチル)カルバモイル]ベンジル}カルバモイルメトキシ)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,5−ベンゾチアゼピン;
1,1−ジオキソ−3,3−ジブチル−5−フェニル−7−メチルチオ−8−(N−{a−[N'−(2−スルホエチル)カルバモイル]−2−フルオロベンジル}カルバモイルメトキシ)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,5−ベンゾチアゼピン;
1,1−ジオキソ−3−ブチル−5−フェニル−7−メチルチオ−8−(N−{(R)−a−[N'−(R)−(2−ヒドロキシ−1−カルボキシエチル)カルバモイル]ベンジルカルバモイルメトキシ)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,5−ベンゾチアゼピン;
1,1−ジオキソ−3,3−ジブチル−5−フェニル−7−メチルチオ−8−(N−{(R)−a−[N'−(R)−(2−ヒドロキシ−1−カルボキシエチル)カルバモイル]ベンジル}カルバモイルメトキシ)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,5−ベンゾチアゼピン;
1,1−ジオキソ−3,3−ジブチル−5−フェニル−7−メチルチオ−8−{N−[(R)−a−(N'−{(R)−1−[N''−(R)−(2−ヒドロキシ−1−カルボキシエチル)カルバモイル]−2−ヒドロキシエチル}カルバモイル)ベンジル]カルバモイルメトキシ}−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,5−ベンゾチアゼピン;
1,1−ジオキソ−3−ブチル−3−エチル−5−フェニル−7−メチルチオ−8−(N−{a−[N'−(カルボキシメチル)カルバモイル]ベンジル}カルバモイルメトキシ)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,5−ベンゾチアゼピン;
1,1−ジオキソ−3−ブチル−3−エチル−5−フェニル−7−メチルチオ−8−(N−{a−[N'−((エトキシ)(メチル)ホスホリル−メチル)カルバモイル]ベンジル}カルバモイルメトキシ)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,5−ベンゾチアゼピン;
1,1−ジオキソ−3−ブチル−3−エチル−5−フェニル−7−メチルチオ−8−{N−[(R)−a−(N'−{2−[(ヒドロキシ)(メチル)ホスホリル]エチル}カルバモイル)ベンジル]カルバモイルメトキシ}−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,5−ベンゾチアゼピン;
1,1−ジオキソ−3,3−ジブチル−5−フェニル−7−メチルチオ−8−(N−{(R)−a−[N'−(2−メチルチオ−1−カルボキシエチル)カルバモイル]ベンジル}カルバモイルメトキシ)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,5−ベンゾチアゼピン;
1,1−ジオキソ−3,3−ジブチル−5−フェニル−7−メチルチオ−8−{N−[(R)−a−(N'−{2−[(メチル)(エチル)ホスホリル]エチル}カルバモイル)−4−ヒドロキシベンジル]カルバモイルメトキシ}−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,5−ベンゾチアゼピン;
1,1−ジオキソ−3,3−ジブチル−5−フェニル−7−メチルチオ−8−{N−[(R)−a−(N'−{2−[(メチル)(ヒドロキシ)ホスホリル]エチル}カルバモイル)−4−ヒドロキシベンジル]カルバモイルメトキシ}−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,5−ベンゾチアゼピン;
1,1−ジオキソ−3,3−ジブチル−5−フェニル−7−メチルチオ−8−(N−{(R)−a−[(R)−N'−(2−メチルスルフィニル−1−カルボキシエチル)カルバモイル]ベンジル}カルバモイルメトキシ)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,5−ベンゾチアゼピン;
1,1−ジオキソ−3,3−ジブチル−5−フェニル−7−メトキシ−8−[N−{(R)−a−[N'−(2−スルホエチル)カルバモイル]−4−ヒドロキシベンジル}カルバモイルメトキシ]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,5−ベンゾチアゼピン;
1,1−ジオキソ−3,3−ジブチル−5−フェニル−7−メチルチオ−8−(N−{(R)−a−[N−((R)−1−カルボキシ−2−メチルチオ−エチル)カルバモイル]−4−ヒドロキシベンジル}カルバモイルメトキシ)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,2,5−ベンゾチアジアゼピン;
1,1−ジオキソ−3,3−ジブチル−5−フェニル−7−メチルチオ−8−(N−{(R)−a−[N−((S)−1−カルボキシ−2−(R)−ヒドロキシプロピル)カルバモイル]−4−ヒドロキシベンジル}カルバモイルメトキシ)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,2,5−ベンゾチアジアゼピン;
1,1−ジオキソ−3,3−ジブチル−5−フェニル−7−メチルチオ−8−(N−{(R)−a−[N−((S)−1−カルボキシ−2−メチルプロピル)カルバモイル]−4−ヒドロキシベンジル}カルバモイルメトキシ)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,2,5−ベンゾチアジアゼピン;
1,1−ジオキソ−3,3−ジブチル−5−フェニル−7−メチルチオ−8−(N−{(R)−a−[N−((S)−1−カルボキシブチル)カルバモイル]−4−ヒドロキシベンジル}カルバモイルメトキシ)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,2,5−ベンゾチアジアゼピン;
1,1−ジオキソ−3,3−ジブチル−5−フェニル−7−メチルチオ−8−(N−{(R)−a−[N−((S)−1−カルボキシプロピル)カルバモイル]ベンジル}カルバモイルメトキシ)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,2,5−ベンゾチアジアゼピン;
1,1−ジオキソ−3,3−ジブチル−5−フェニル−7−メチルチオ−8−(N−{(R)−a−[N−((S)−1−カルボキシエチル)カルバモイル]ベンジル}カルバモイルメトキシ)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,2,5−ベンゾチアジアゼピン;
1,1−ジオキソ−3,3−ジブチル−5−フェニル−7−メチルチオ−8−(N−{(R)−a−[N−((S)−1−カルボキシ−2−(R)−ヒドロキシプロピル)カルバモイル]ベンジル}カルバモイルメトキシ)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,2,5−ベンゾチアジアゼピン;
1,1−ジオキソ−3,3−ジブチル−5−フェニル−7−メチルチオ−8−(N−{(R)−a−[N−(2−スルホエチル)カルバモイル]−4−ヒドロキシベンジル}カルバモイルメトキシ)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,2,5−ベンゾチアジアゼピン;
1,1−ジオキソ−3,3−ジブチル−5−フェニル−7−メチルチオ−8−(N−{(R)−a−[N−((S)−1−カルボキシエチル)カルバモイル]−4−ヒドロキシベンジル}カルバモイルメトキシ)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,2,5−ベンゾチアジアゼピン;
1,1−ジオキソ−3,3−ジブチル−5−フェニル−7−メチルチオ−8−(N−{(R)−a−[N−((R)−1−カルボキシ−2−メチルチオエチル)カルバモイル]ベンジル}カルバモイルメトキシ)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,2,5−ベンゾチアジアゼピン;
1,1−ジオキソ−3,3−ジブチル−5−フェニル−7−メチルチオ−8−(N−{(R)−a−[N−{(S)−1−[N−((S)−2−ヒドロキシ−1−カルボキシエチル)カルバモイル]プロピル}カルバモイル]ベンジル}カルバモイルメトキシ)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,2,5−ベンゾチアジアゼピン;
1,1−ジオキソ−3,3−ジブチル−5−フェニル−7−メチルチオ−8−(N−{(R)−a−[N−((S)−1−カルボキシ−2−メチルプロピル)カルバモイル]ベンジル}カルバモイルメトキシ)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,2,5−ベンゾチアジアゼピン;
1,1−ジオキソ−3,3−ジブチル−5−フェニル−7−メチルチオ−8−(N−{(R)−a−[N−((S)−1−カルボキシプロピル)カルバモイル]−4−ヒドロキシベンジル}カルバモイルメトキシ)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,2,5−ベンゾチアジアゼピン;
1,1−ジオキソ−3,3−ジブチル−5−フェニル−7−メチルチオ−8−[N−((R/S)−a−{N−[1−(R)−2−(S)−1−ヒドロキシ−1−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロプ−2−イル]カルバモイル}−4−ヒドロキシベンジル)カルバモイルメトキシ]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,2,5−ベンゾチアジアゼピン;
1,1−ジオキソ−3,3−ジブチル−5−フェニル−7−メチルチオ−8−(N−{(R)−a−[N−(2−(S)−3−(R)−4−(R)−5−(R)−2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシヘキシル)カルバモイル]−4−ヒドロキシベンジル}カルバモイルメトキシ)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,2,5−ベンゾチアジアゼピン;および
1,1−ジオキソ−3,3−ジブチル−5−フェニル−7−メチルチオ−8−(N−{(R)−a−[N−(2−(S)−3−(R)−4−(R)−5−(R)−2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシヘキシル)カルバモイル]ベンジル}カルバモイルメトキシ)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,2,5−ベンゾチアジアゼピン;
または薬剤的に受容できるその塩、溶媒和物、そのような塩の溶媒和物もしくはプロドラッグが挙げられる。
【0072】
本発明の付加的な別の側面に従って、有効量の本発明の化合物、式Aの、場合により薬剤的に受容できる希釈剤またはキャリアと一緒の投与と共に、1種以上の以下のものから選択される薬剤の同時、連続および別々の投与を含む組み合わせ治療であって、そのような治療が必要な、ヒトのような温血動物への治療的処置が提供される:
場合により薬剤的に受容できる希釈剤またはキャリアと一緒の、
CETP(コレステリルエステル輸送タンパク質)阻害剤、たとえばWO00/38725、7ページ、22行〜10ページ、17行(参照として本明細書に援用される)において参照され、記載されたもの;
コレステロール吸収アンタゴニスト、たとえばSCH58235のようなアゼチジノンおよびUS5,767,115(参照として本明細書に援用される)に記載されたもの;
MTP(ミクロソーム輸送タンパク質)阻害剤、たとえばScience,282,751−54,1998(参照として本明細書に援用される)に記載されたもの;
徐放および組み合わせ産物を含むニコチン酸誘導体、たとえばニコチン酸(ナイアシン)、アシピモックスおよびニセリトロール;
植物ステロール化合物、たとえばスタノール;
プロブコール;
オメガ‐3脂肪酸、たとえばオマコール(登録商標);
抗肥満化合物、たとえばオルリスタット(EP 129,748)およびシブトラミン(GB 2,184,122およびUS 4,929,629);
抗高血圧化合物、たとえばアンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、アンギオテンシンII受容体アンタゴニスト、アドレナリン作動性阻害剤、アルファアドレナリン作動性阻害剤、メトプロロールのようなベータアドレナリン作動性阻害剤、アルファ/ベータ混合アドレナリン作動性阻害剤、アドレナリン作動性刺激薬、カルシウムチャンネルブロッカー、AT−1ブロッカー、塩類利尿剤、利尿剤または血管拡張剤;
CB1アンタゴニストまたは逆アゴニスト、たとえばWO01/70700およびEP 65635に記載のもの;
アスピリン;
メラニン濃縮ホルモン(MCH)アンタゴニスト;
PDK阻害剤;もしくは
核受容体の調節剤、たとえばLXR、FXR、RXRおよびRORアルファ;
または薬剤的に受容できるその塩、溶媒和物、そのような塩の溶媒和物もしくはプロドラッグ。
【0073】
本発明の化合物と一緒に組み合わせて使用することができる活性な代謝産物を含む、具体的なACE阻害剤または薬剤的に受容できるその塩、溶媒和物、そのような塩の溶媒和物もしくはプロドラッグには以下の化合物が挙げられるが、それらに限定されない:アラセプリル、アラトリオプリル、アルチオプリルカルシウム、アンコベニン、ベナゼプリル、ベナゼプリル塩酸塩、ベナゼプリラート、ベンゾイルカプトプリル、カプトプリル、カプトプリル‐システイン、カプトプリル‐グルタチオン、セラナプリル、セラノプリル、セロナプリル、シラザプリル、シラザプリラート、デラプリル、デラプリル‐ジアシド、エナラプリル、エナラプリラート、エナプリル、エピカプトプリル、ホロキシミチン、ホスフェノプリル、ホセノプリル、ホセノプリル‐ナトリウム、ホシノプリル、ホシノプリル‐ナトリウム、ホシノプリラート、ホスノプリル酸、グリコプリル、ヘモルフィン‐4、イドラプリル、イミダプリル、インドラプリル、インドラプリラート、リベンザプリル、リシノプリル、リシウミンA、リシウミンB、ミキサンプリル、モエキシプリル、モエキシプリラート、モベルチプリル、ムラセインA、ムラセインB、ムラセインC,ペントプリル、ペリンドプリル、ペリンドプリラート、ピバロプリル、ピボプリル、キナプリル、キナプリル塩酸塩、キナプリラート、ラミプリル、ラミプリラート、スピラプリル、スピラプリル塩酸塩、スピラプリラート、スピロプリル、スピロプリル塩酸塩、テモカプリル、テモカプリル塩酸塩、テプロチド、トランドラプリル、トランドラプリラート、ウチバプリル、ザビシプリル、ザビシプリラート、ゾフェノプリルおよびゾフェノプリラート。本発明における使用のための好ましいACE阻害剤はラミプリル、ラミプリラート、リシノプリル、エナラプリルおよびエナラプリラートである。本発明における使用のためのより好ましいACE阻害剤は、ラミプリルおよびラミプリラートである。
【0074】
本発明の化合物との組み合わせにおいて使用のための好ましいアンギオテンシンIIアンタゴニスト、薬剤的に受容できるその塩、溶媒和物、そのような塩の溶媒和物またはプロドラッグには以下の化合物が挙げられるが、それらに限定されない:カンデサルタン、カンデサルタンシレキセチル、ロサルタン、バルサルタン、イルベサルタン、タソサルタン、テルミサルタン、およびエプロサルタン。本発明における使用のためのとりわけ好ましいアンギオテンシンIIアンタゴニストまたは薬剤的に受容できるその誘導体はカンデサルタンおよびカンデサルタンシレキセチルである。
【0075】
したがって、本発明の付加的な態様では、2型糖尿病およびそれに伴う合併症の治療が必要なヒトのような温血動物におけるそのような治療のための方法が提供され、該方法は上記動物に、この組み合わせの節で記載された有効量の別の化合物の1種、または薬剤的に受容できるその塩、溶媒和物、そのような塩の溶媒和物もしくはプロドラッグとの同時、連続または別個投与で、有効量の本発明の化合物を投与することを含む。
【0076】
したがって、本発明の付加的な態様では、高脂肪血状態の治療が必要なヒトのような温血動物におけるそのような状態の治療のための方法が提供され、該方法は上記動物に、この組み合わせの節で記載された有効量の別の化合物の1種、または薬剤的に受容できるその塩、溶媒和物、そのような塩の溶媒和物もしくはプロドラッグとの同時、連続または別個投与で、有効量の本発明の化合物を投与することを含む。
【0077】
本発明の別の側面に従って、本発明の化合物、およびこの組み合わせの節で記載された別の化合物の1種、または薬剤的に受容できるその塩、溶媒和物、そのような塩の溶媒和物もしくはプロドラッグを薬剤的に受容できる希釈剤またはキャリアと一緒に含有する医薬組成物が提供される。
【0078】
本発明の別の側面に従って、本発明の化合物、およびこの組み合わせの節に記載された別の化合物の1種、または薬剤的に受容できるその塩、溶媒和物、そのような塩の溶媒和物もしくはプロドラッグを含有するキットが提供される。
【0079】
本発明の別の側面に従って、以下のものを含むキットが提供される:
a)第1の単位剤形における本発明の化合物;
b)第2の単位剤形におけるこの組み合わせの節に記載された別の化合物の1種、または薬剤的に受容できるその塩、溶媒和物、そのような塩の溶媒和物もしくはプロドラッグ;および
c)上記の第1および第2剤形を含有する容器手段。
【0080】
本発明の別の側面に従って、以下のものを含有するキットが提供される:
a)第1の単位剤形における、薬剤的に受容できる希釈剤またはキャリアと一緒の本発明の化合物;
b)第2の単位剤形におけるこの組み合わせの節に記載された別の化合物の1種、または薬剤的に受容できるその塩、溶媒和物、そのような塩の溶媒和物もしくはプロドラッグ;および
c)上記の第1および第2剤形を含有する容器手段。
【0081】
本発明の別の態様に従って、メタボリックシンドロームまたは2型糖尿病およびそれに伴う合併症の治療における使用のための薬物の工業的製造における、本発明の化合物およびこの組み合わせの節に記載された別の化合物の1種、または薬剤的に受容できるその塩、溶媒和物、そのような塩の溶媒和物もしくはプロドラッグの使用が提供される。
【0082】
本発明の別の態様に従って、高脂肪血症状態の治療における使用のための薬物の工業的製造における、本発明の化合物およびこの組み合わせの節に記載された別の化合物の1種、または薬剤的に受容できるその塩、溶媒和物、そのような塩の溶媒和物もしくはプロドラッグの使用が提供される。
【0083】
本発明の付加的な態様に従って、組み合わせ治療が必要なヒトのような温血動物に、場合により薬剤的に受容できる希釈剤またはキャリアと一緒の有効量の本発明の化合物の投与と、場合により薬剤的に受容できる希釈剤またはキャリアと一緒の、この組み合わせの節で記載された有効量の別の化合物の1種または薬剤的に受容できるその塩、溶媒和物、そのような塩の溶媒和物もしくはプロドラッグの同時、連続または別個投与を含む、そのような治療的処置が提供される。
【0084】
実験の部
H NMRおよび13C NMR測定は、それぞれH周波数300、400、500および600MHz、およびそれぞれ13C周波数75、100、125および150MHzで操作されるVarian Mercury 300またはVarian UNITY plus 400、500または600スペクトロメーターで実行した。測定はデルタスケール(δ)で行った。
【0085】
特記しない限り、化学シフトは内部標準として溶媒を用いてppmで表す。
【0086】
粉末X−線回折分析(XRPD)は、内部標準を用いておよび/または用いずに、標準法に従って調製された試料に、可変スリットを使用して実行した。標準法は、たとえば
Giacovazzo,C.et al(1995),Fundamentals of Crystallography,Oxford University Press;Jenkins,R.and Snyder,R.L.(1996),Introduction to X−Ray Powder Diffractometry,John Wiley&Sons,New York;Bunn,C.W.(1948),Chemical Crystallography,Clarendon Press,London;またはKlug,H.P.&Alexander,L.E.(1974),X−ray Diffraction Procedures,John Wiley and Sons,New Yorkに記載される。X−線分析はSiemens D5000回折計またはPhilips X’Pert MPDを使用して実行した。X−線分析はSiemens D5000回折計またはPhilips X’Pert MPDを使用し、1.5418オングストロームのCu−放射を使用して実行した。以下の図面のX−軸は2−シータであり、そしてY−軸は強度である。
【0087】
当業者は、本発明の化合物の結晶型が本明細書に記載され、および/または以下の実施例に従った方法と同じように製造してもよいこと、そして本明細書に開示されたものと本質的に同じXRPD回折パターンおよび/またはDSCおよび/またはTGAサーモグラムを示してよいことを認識するであろう。“本質的に同じ”XRPD回折パターンおよび/またはDSCおよび/またはTGAサーモグラムという句により、本発明者らは、本質的に同じ結晶型が形成されていることが、相当するパターンおよび/またはサーモグラム(実験誤差を考慮する)から明白な場合の事例を包含する。ただし、XRPD距離値はθ/2の範囲で変化してもよい。本質的に同じ結晶型に対して測定される場合、たとえば、好ましいオリエンテーションおよび試料高を含む多様な理由のために、XRPD強度およびピーク位置が変化してもよいことを当業者は認識するであろう。
【0088】
略語
NMR略語
t トリプレット
s シングレット
d ダブレット
m マルチプレット
bs ブロードシングレット
XRPD略語
XRPD 粉末X−線回折
d−値 結晶格子中における連続した平行なhkl平面間の間隔
【0089】
【表1】

【0090】
実施例
出発物質の製造
方法1
(2S)−2−エトキシ−3−(4−{2−[ヘキシル(2−フェニルエチル)アミノ]−2−オキソエトキシ}フェニル)プロパン酸
(i)エチル(2S)−3−{4−[2−(ベンジルオキシ)−2−オキソエトキシ]フェニル}−2−エトキシプロパノエート
アセトニトリル(200mL)中のエチル(2S)−2−エトキシ−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパノエート(23.8g、100mmol、WO99/62872に記載の通りに製造))の溶液に、無水炭酸カリウム(31.9g、231mmol)、続いてベンジルブロモアセテート(17.4mL、110mmol)を添加し、反応混合物は一晩還流した。反応混合物は室温に戻し、不溶な塩は濾過により取り除き、溶液は真空下で濃縮した。残渣はエチルアセテート(300mL)に溶解し、有機相は水性NaHCO(3x100mL)およびブライン(100mL)で洗浄し、無水MgSOで乾燥し、真空下で濃縮した。溶離液としてメチレンクロリドを使用してシリカゲルで精製し、黄色オイルの純粋な画分22.4g(58%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): d 1.16 (t, 3H), 1.22 (t, 3H), 2.93-2.97 (m, 2H), 3.35 (m, 1H), 3.60 (m, 1H), 3.97 (m, 1H), 4.16 (q, 2H), 4.64 (s, 2H), 5.23 (s, 2H), 6.82 (d, 2H), 7.15 (d, 2H), 7.32-7.39 (m, 5H).
13C NMR (100 MHz, CDCl3): d 14.3, 15.2, 38.6, 60.9, 65.6, 66.3, 67.0, 80.4, 114.6, 128.5, 128.6, 128.7, 130.6, 135.3, 156.7, 169.0, 172.6.
(ii){4−[(2S)−2,3−ジエトキシ−3−オキソプロピル]フェノキシ}酢酸
新たに蒸留して精製したTHF(290mL)中のエチル(2S)−3−{4−[2−(ベンジルオキシ)−2−オキソエトキシ]フェニル}−2−エトキシプロパノエート(22.33g、57.8mmol)の溶液に、Pd/C(10%、3.1g)を添加し、反応混合物は大気圧下、室温で一晩水素添加した。混合物はCeliteプラグを通して濾過し、濾液は真空下で濃縮し、淡黄色のオイル16.6g(97%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): d 1.15 (t, 3H), 1.21 (t, 3H), 2.93-2.98 (m, 2H), 3.35 (m, 1H), 3.60 (m, 1H), 3.97 (m, 1H), 4.16 (q, 2H), 4.65 (s, 2H), 6.84 (d, 2H), 7.17 (d, 2H), 8.48 (bs, 1H)
13C NMR (100 MHz, CDCl3): d 14.3, 15.1, 38.5, 61.0, 65.1, 66.4, 80.3, 114.6, 130.7, 130.9, 156.4, 172.7, 173.7
(iii)エチル(2S)−2−エトキシ−3−(4−{2−[ヘキシル(2−フェニルエチル)アミノ]−2−オキソエトキシ}フェニル)プロパノエート
メチレンクロリド(3.7mL)中の{4−[(2S)−2,3−ジエトキシ−3−オキソプロピル]フェノキシ}酢酸(0.110g、0.37mmol)の溶液に、N−ヘキシル−2−フェニルエチルアミン(0.080g、0.39mmol)およびDMAP(0.045g、0.37mmol)、続いて1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.071g、0.37mmol)を添加し、反応混合物は室温で一晩攪拌した。混合物はメチレンクロリド(25mL)で希釈し、有機相は5%HCl(3x25mL)、水性NaHCO(25mL)およびブライン(25mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、真空下で濃縮した。溶離液としてメチレンクロリド中のメタノール(0〜1%グラジエント)を使用してシリカゲル(Isolute(登録商標)SPEカラム、5g Si/25mL)で精製し、無色オイル0.125g(70%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): d 0.82-0.92 (m, 3H), 1.16 (t, 3H), 1.19-1.33 (m, 9H), 1.45-1.65 (m, 2H), 2.82-2.90 (m, 2H), 2.91-2.98 (m, 2H), 3.12-3.21 および 3.29-3.42 (2m, 3H, ロータマー) 3.50-3.65 (m, 3H), 3.95 (m,1H), 4.16 (q, 2H), 4.39および4.65 (2s, 2H, ロータマー), 6.75 および 6.86 (2d, 2H, ロータマー), 7.10-7.34 (m, 7H).

13C NMR (100 MHz, CDCl3): d 14.0, 14.1, 14.3, 15.1, 22.6, 26.5, 26.7, 27.4, 29.0, 31.5, 31.6, 33.9, 35.3, 38.5, 45.9, 48.1, 48.3, 48.9, 60.8, 66.2, 67.5, 80.4, 114.5, 126.4, 126.9, 128.5, 128.9, 130.1, 130.2, 130.5, 130.5, 138.3, 139.2, 156.9, 157.0, 167.6, 167.8, 172.5. (ピーク数はロータマーのために炭素数より多い)。
(iv)(2S)−2−エトキシ−3−(4−{2−[ヘキシル(2−フェニルエチル)アミノ]−2−オキソエトキシ}フェニル)プロパン酸
THF(8.6mL)中のエチル(2S)−2−エトキシ−3−(4−{2−[ヘキシル(2−フェニルエチル)アミノ]−2−オキソエトキシ}フェニル)プロパノエート(0.081g、0.17mmol)の溶液に、0.10M LiOH溶液4.3mLを添加し、反応混合物は室温で一晩攪拌した。反応混合物は2M HClで酸性化し、エチルアセテート(3x25mL)で抽出した。合わせた有機相はブライン(25mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、真空下で濃縮して無色オイル0.073g(96%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): d 0.82-0.93 (m, 3H), 1.15 (t, 3H), 1.20-1.35 (m, 6H), 1.47-1.62 (m, 2H), 2.80-2.99 (m, 3H), 3.00-3.09 (m, 1H), 3.11-3.21および 3.31-3.44 (2m, 3H, ロータマー), 3.50-3.67 (m, 3H), 4.01 (m, 1H), 4.40 および 4.66 (2s, 2H, ロータマー), 6.75および6.85 (2d, 2H, ロータマー), 7.10-7.35 (m, 7H), 8.86 (bs, 1H).

13C NMR (100 MHz, CDCl3): d 14.0, 14.1, 15.1, 22.6, 22.6, 26.6, 26.7, 27.3, 28.9, 31.5, 31.6, 33.8, 35.2, 38.1, 46.1, 48.3, 48.4, 49.0, 66.7, 67.4, 79.9, 114.6, 126.4, 127.0, 128.6, 128.9, 130.0, 130.1, 130.6, 130.7, 138.2, 139.1, 156.9, 157.0, 168.1, 168.2, 175.6. (ピーク数はロータマーのために炭素数より多い)。
【0091】
方法2
(2S)−2−エトキシ−3−(4−{2−[ヘキシル(2−フェニルエチル)アミノ]−2−オキソエトキシ}フェニル)プロパン酸
a)フェネチルアミン(30.0g)はトルエン(100ml)中の6M水性水酸化ナトリウム(61.5ml)で処理した。トルエン(50ml)中のクロロアセチルクロリド(28.0g)の溶液は温度管理下で添加した。完全な反応後、反応スラリーは完成した溶液が得られるまで暖め、水相を取り除いた。有機相は水性塩化水素および水で洗浄した。得られたトルエン相は留去して濃縮し、ジイソプロピルエーテルをトルエン溶液に添加した。溶液を冷やし、1−クロロ−N−フェネチルアセタミド(42.3g)を濾過により集め、洗浄し、乾燥した。生成物はLC(99.8面積%)およびNMRにより分析した。
1H NMR dH(400 MHz, CDCl3): 2.88 (t, 2H), 3.60 (dd, 2H), 4.05 (s, 2H), 6.62 (bs, 1H), 7.19-7.58 (m, 5H)
b)炭酸カリウム(31.5g)、1−クロロ−N−フェネチルアセタミド(15.0g)、エチル(2S)−2−エトキシ−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパノエート(18.1g)(WO 99/62871を参照されたい)およびアセトニトリル(150ml)の混合物は還流下で攪拌し、沸騰させた。完全な反応後、混合物を冷やし、無機塩を濾過により取り除き、アセトニトリルで洗浄した。残っている溶液は蒸留により濃縮し、生成物はエチルアセテートおよびヘキサンから結晶化した。エチル(2S)−2−エトキシ−3−(4−{2−オキソ−2−[(2−フェニルエチル)アミノ]エトキシ}フェニル)プロパノエート(24.5g)を濾過により集め、洗浄し、乾燥した。生成物はLC(98.6面積%)およびNMRにより分析した。
1H NMR dH(400 MHz, CDCl3): 1.18 (t, 3H), 1.26 (t, 3H), 2.86 (t, 2H), 2.96-3.01 (m, 2H), 3.37 (dq, 1H), 3.58-3.68 (m, 3H), 4.00 (dd, 1H), 4.20 (q, 2H), 4.47 (s, 2H), 6.65 (bs, 1H), 6.79 (dm, 2H), 7.14-7.36 (m, 7H)。
c)THF(270ml)中のエチル(2S)−2−エトキシ−3−(4−{2−オキソ−2−[(2−フェニルエチル)アミノ]エトキシ}フェニル)プロパノエート(36.0g)の溶液は水(360ml)に溶解した水酸化リチウム(6.51g)の溶液に添加した。混合物は室温で攪拌した。完全な反応後、混合物は減圧下で留去してTHFを除去した。留去後、反応混合物は室温に冷やし、塩酸で酸性化した。酸性化した生成物はエチルアセテートで抽出した。エチルアセテート溶液は水で洗浄し、留去して濃縮した。生成物はエチルアセテートおよびジイソプロピルエーテルから結晶化した。(2S)−2−エトキシ−3−(4−{2−オキソ−2−[(2−フェニルエチル)アミノ]エトキシ}フェニル)プロパン酸(28.0g)は濾過により取り除き、ジイソプロピルエーテルで洗浄し、真空下で乾燥した。
1H NMR dH(400 MHz, CDCl3): 1.20 (t, 3H), 2.85 (t, 2H), 3.00 (dd, 1H), 3.10 (dd, 1H), 3.46 (dq, 1H), 3.56-3.71 (m, 3H), 4.07 (dd, 1H), 4.45 (s, 2H), 6.68 (bs, 1H), 6.78 (dm, 2H), 7.10-7.38 (m, 7H)。
d)ジメチルスルホキシド(DMSO)(2750mL)、水酸化カリウム粉末(244g)および(2S)−2−エトキシ−3−(4−{2−オキソ−2−[(2−フェニルエチル)アミノ]エトキシ}フェニル)プロパン酸(250g)は、約18℃で約20分間攪拌した。1−ブロモヘキサン(344g=292mL)を2.5時間かけて添加した。反応混合物は約10分間攪拌した。ジイソプロピルエーテル(1000mL)を添加し、その後、混合物を濾過し、抽出して分離した。DMSO層はジイソプロピルエーテル(2x1000mL)でさらに抽出した。DMSO層は4M HCl(水性)(950mL)で酸性化した。ジイソプロピルエーテル(3000mL)および水(2500mL)を添加し、その後抽出した。層は分離(水層のpHは約2)し、ジイソプロピルエーテル層は水(2500mL)で洗浄した。ジイソプロピルエーテル層は真空下で濃縮して、透明で、粘性の高いオイルを得た。収量317g、アッセイ88.1%、補正した収率91.1%、LC−純度97.2%、e.e.97.8%。LC−純度およびキラルLCは参照試料と一致した。
1H NMR dH(400 MHz, CDCl3): 0.75-0.85 (m, 3H), 1.10 (t, 3H), 1.14-1.29 (m, 6H), 1.40-1.55 (m, 2H), 2.76-2.93 (m, 3H), 2.97-3.06 (m, 1H), 3.06-3.14および 3.28-3.43 (2m, 3H, ロータマー), 3.45-3.58 (m, 3H), 3.98 (m, 1H), 4.32 および 4.59 (2s, 2H, ロータマー), 6.68 および 6.80 (2dm, 2H, ロータマー), 7.02-7.31 (m, 8H)
実施例1
(2S)−2−エトキシ−3−(4−{2−[ヘキシル(2−フェニルエチル)アミノ]−2−オキソエトキシ}フェニル)プロパン酸のトリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン塩
138mg(2S)−2−エトキシ3−(4−{2−[ヘキシル(2−フェニルエチル)アミノ]−2−オキソエトキシ}フェニル)プロパン酸は2mlのイソプロピルアセテートに溶解し、25Cで攪拌した。37.6mg(トリスヒドロキシメチル)メチルアミン(tris)を添加し、溶液を40℃に加熱し、その後1C/分で冷やした。固体物質は全く生成されなかった。
【0092】
次に溶液を留去し、得られたオイルを1mlアセトンに溶解した。0.5mlヘキサンをこの溶液の上に添加し、2‐相系を形成した。この2‐相系は冷蔵庫(4℃)に入れ、11週間保管した。そのようにして結晶を得た。
【0093】
実施例2
(2S)−2−エトキシ−3−(4−{2−[ヘキシル(2−フェニルエチル)アミノ]−2−オキソエトキシ}フェニル)プロパン酸のエタノールアミン塩
2−アミノエタノール(73ul、1.21mmol)は、イソプロピルアセテート(8ml)中の(2S)−2−エトキシ−3−(4−{2−[ヘキシル(2−フェニルエチル)アミノ]−2−オキソエトキシ}フェニル)プロパン酸、遊離酸(0.552g)の溶液に添加した。溶液は室温で10分間攪拌し、その後留去してオイルを得た。オイルはイソプロピルアセテート/イソオクタン(50:50v/v、2ml)に溶解し、エマルジョンは4℃で5日間保管した。結晶がオイルから成長し、バイアルの底から離れた。
【0094】
特性
(2S)−2−エトキシ−3−(4−{2−[ヘキシル(2−フェニルエチル)アミノ]−2−オキソエトキシ}フェニル)プロパン酸のtrisおよびエタノールアミン塩のXRPDパターンおよびピーク位置の表は以下に示す。それぞれの塩の最も強いピークは小数第1位までだけピーク位置を抜き出して示した。
【0095】
(2S)−2−エトキシ−3−(4−{2−[ヘキシル(2−フェニルエチル)アミノ]−2−オキソエトキシ}フェニル)プロパン酸のトリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン塩
【0096】
【表2】

【0097】
主要ピークは、強度の減少する順に4.7、18.8、14.9、10.9および7.7°2eであり、面間隔18−19、4.7、4.8、5.9、8.1および11−12Å(オングストローム)、に相当する。
【0098】
(2S)−2−エトキシ−3−(4−{2−[ヘキシル(2−フェニルエチル)アミノ]−2−オキソエトキシ}フェニル)プロパン酸のエタノールアミン塩
【0099】
【表3】

【0100】
主要ピークは、強度の減少する順に8.4、19.8、25.5、28.4および17.5°2θである。これは面間隔:10.5、19.8、3.5、3.1および5.1Åに相当する。
【0101】
XRPDのバックグラウンドは以下のような標準的な教科書に記載される。
H.P.Klug and L.E.Alexander,X−Ray Diffraction Procedures for Polycrystalline and Amorphous Materials.,John Wiley&Sons,2版,1974.
R.Jenkins&R.L.Snyder,Introduction to X−Ray Powder Diffractometry,John Wiley&Sons,1996.
生物学的活性
化合物AはWO03/051821に記載のアッセイで試験した。
【0102】
本発明の化合物はPPARαに対して0.5μmol/l未満のEC50を有し、好ましい化合物はPPARαに対して0.05μmol/l未満のEC50を有する。本発明の化合物はPPARγに関してより、PPARαに関して、より強力である。この関係は化合物の薬理学的活性およびそれらの治療特性に関して重要であると考えられる。
【0103】
その上、本発明の化合物は改善されたDMPK(薬物代謝および薬物動態)特性を示し、たとえばそれらはin vitroで改善された代謝安定性を示し、その上in vivoでも好ましい用量反応曲線を示す。化合物はまた、有望な毒性学的特性を有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の以下のものから選択される化合物
(2S)−2−エトキシ−3−(4−{2−[ヘキシル(2−フェニルエチル)アミノ]−2−オキソエトキシ}フェニル)プロパン酸のトリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン塩;
(2S)−2−エトキシ−3−(4−{2−[ヘキシル(2−フェニルエチル)アミノ]−2−オキソエトキシ}フェニル)プロパン酸のエタノールアミン塩;
【請求項2】
(2S)−2−エトキシ−3−(4−{2−[ヘキシル(2−フェニルエチル)アミノ]−2−オキソエトキシ}フェニル)プロパン酸のトリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン塩である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
(2S)−2−エトキシ−3−(4−{2−[ヘキシル(2−フェニルエチル)アミノ]−2−オキソエトキシ}フェニル)プロパン酸のエタノールアミン塩である、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
溶媒和物、水和物、溶媒和物/水和物の混合物、非溶媒和物または無水物であってもよい、請求項1〜3のいずれか1つに記載の塩。
【請求項5】
結晶型または部分的結晶型の状態にある、請求項1〜4のいずれか1つに記載の塩。
【請求項6】
薬剤的に受容できるアジュバント、希釈剤および/またはキャリアと混合した、請求項1〜5のいずれか1つに記載の化合物を含有する医薬製剤。
【請求項7】
インスリン抵抗性との関連の有無に関わらない脂質障害(脂質代謝異常)を治療するか、または予防することが必要な哺乳動物への請求項1〜5のいずれか1つに記載の化合物の投与を含む、そのような障害を治療するか、または予防する方法。
【請求項8】
インスリン抵抗性との関連の有無に関わらない脂質障害(脂質代謝異常)の治療のための薬物の工業的製造における請求項1〜5のいずれか1つに記載の化合物の使用。
【請求項9】
2型糖尿病を治療するか、または予防することが必要な哺乳動物に請求項1〜5のいずれか1つに記載の化合物の有効量を投与することを含む、そのような疾患を治療するか、または予防する方法。
【請求項10】
高血圧、高脂肪血症、脂質代謝異常、糖尿病および肥満のようなアテローム性動脈硬化症の発生および進行に関連した障害の治療に有用な別の治療薬と組み合わせた、請求項1〜5のいずれか1つに記載の化合物を含有する医薬組成物。
【請求項11】
結晶型または部分的結晶型の状態にある、請求項2に記載の化合物。
【請求項12】
前記化合物が約2‐シータ=4.7°において少なくとも1つの特有のピークを持つ粉末X‐線回折パターンを有する、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
前記化合物が約2‐シータ=4.7°、18.8°および14.9°において特有のピークを持つ粉末X‐線回折パターンを有する、請求項11または12に記載の化合物。
【請求項14】
上記化合物が約2‐シータ=4.7°、18.8°、14.9°、18.6°および21.8°において特有のピークを持つ粉末X‐線回折パターンを有する、請求項11〜13のいずれかに記載の化合物。
【請求項15】
結晶型または部分的結晶型の状態にある、請求項3に記載の化合物。
【請求項16】
前記化合物が約2‐シータ=8.4°において少なくとも1つの特有のピークを持つ粉末X‐線回折パターンを有する、請求項15に記載の化合物。
【請求項17】
前記化合物が約2‐シータ=8.4°、19.8°および25.5°において少なくとも1つの特有のピークを持つ粉末X‐線回折パターンを有する、請求項15または16に記載の化合物。
【請求項18】
前記化合物が約2‐シータ=8.4°、19.8°および25.5°、28.4°および17.5°において特有のピークを持つ粉末X‐線回折パターンを有する、請求項15または16に記載の化合物。

【公表番号】特表2008−524209(P2008−524209A)
【公表日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−546608(P2007−546608)
【出願日】平成17年12月14日(2005.12.14)
【国際出願番号】PCT/SE2005/001916
【国際公開番号】WO2006/065214
【国際公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【出願人】(300022641)アストラゼネカ アクチボラグ (581)
【Fターム(参考)】