説明

1−アルケン−アクリレート系共重合体

本発明は、1−アルケン及びアクリレート系単量体を金属酸化物またはルイス酸の存在下でラジカル重合反応させる段階を含む方法により製造される1−アルケン−アクリレート系共重合体を開示する。本発明による1−アルケン−アクリレート系共重合体は、アルケンと極性モノマーのランダム共重合体でありながら、極性基の含有量が著しく高く、アルケンの結晶性が存在しなくなるため、高分子フィルムなどに加工後にも、高分子の透明性には影響がなく、光学素材などの用途に使用可能である。また、本発明で提供する特定範囲のエチレン−アクリレート共重合体は、高い機械的物性及び酸素遮断性を有するフィルムなどに製造が可能である。特に、エチレンの結晶性が存在しなくなるため、高分子フィルムなどに加工後にも、高分子の透明性には影響がなく、高透明性遮断性樹脂への応用も可能である。本発明によるエチレン−アクリレート系共重合体のエチレン含量は、柔軟性及び延伸性などの機械的物性を向上させる重要な要因であり、アクリレート含量は、フィルムの酸素遮断性及び透明性を向上させる主要な要因である。したがって、二つの単量体間の含量を適宜調節することにより、所望の透明性、機械的物性及びガス遮断効果を同時に有する樹脂及びフィルムなどを製造することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1−アルケン−アクリレート系共重合体及び前記共重合体を含む光学用フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
1−アルケン、特にエチレンは、アルキル(メタ)アクリレート、アルキルメタクリレートエステルまたはビニルエステルなどの単量体と共重合する場合、単純なポリエチレンからは得られない、相違なる物性を有する重合体を形成することができる。例えば、接着力、低温靭性などのような一部特性は、単量体の含量が増加するによってかなり改善することができる。したがって、このような1−アルケンと他の単量体を混用した共重合体の開発は、多くの研究の対象となってきた。
【0003】
エチレンとアルキルアクリレートまたはエチレンとアルキルメタクリレート共重合体は、単量体の混入量を高めて、高温高圧反応から得られるのが一般的な従来技術であった。したがって、高温高圧に耐えられるように、チューブ型反応器やオートクレーブ反応器を使用した。例えば、米国特許第2,953,551号、第3,350,372号、第5,543,477号などには、オートクレーブ装置やチューブ型反応器を利用して1000気圧以上、100℃以上の厳しい条件でエチレンとアクリル系モノマーを同時投入して反応を進行することが開示されており、このような条件で得られた高分子は、エチレン基準に極性モノマーであるアクリル系モノマーを3〜35%含有した共重合体である。
【0004】
ところが、このような高温高圧の条件を具現するためには、第1の圧縮機、第2の圧縮機及び特殊反応器など、作業者の安全のための付加装置が必要となる。なお、厳しい工程条件により、共重合体の組成変化を所望の方向に変えるためには、多い制約条件が伴う。即ち、既存のエチレン系共重合体の製造方法は、共重合体の溶融温度を50〜100℃に調節するために、工程に使用される圧縮機の容量及び反応後の後処理工程まで考慮しなければならないなど制約が多かった。
【0005】
なお、既存の方法により製造されたエチレン系共重合体は、若干の極性基を含む程度に過ぎない。即ち、極性モノマーの含量が高くないため、ポリエチレンの結晶性が共重合体に残存してしまい、透明フィルムなどの光学用素材としての使用には、制約が伴われた。既存の製品として出ているエチレンビニルアセテート及びエチレンメチルアクリレートなどでは、エチレン単量体の含量が増加するにつれて、溶融温度が減少する傾向を見ることはできる。しかしながら、既存の製造方法では、無結晶性樹脂の開発は不可能であった。したがって、既存のチューブ型反応器やオートクレーブにおける高温高圧法により得られた高分子は、結局、透明性に大きい影響を及ぼさない製品の開発に主力するしかなかった。
【0006】
したがって、高温高圧の反応条件を避けながらも、極性作用基を有する単量体の含量が高く、結晶性のない共重合体及びこのような共重合体をマイルドな条件で製造できる新しい重合方法の開発が要求される。
【0007】
一方、金属錯化合物触媒を使用してオレフィンにビニル単量体を共重合する方法が知られてきた。しかしながら、金属の酸素に対する高い親和力のため、初期転移金属とランタナイド系金属に基づく金属錯化合物触媒は、極性ビニル単量体の機能性グループ(C=O)により汚染され易い短所があった。一部後期転移金属に基づく金属錯化合物触媒システムにおいて、アルキルアクリレートとオレフィンの共重合が可能であることが報告されたが、オレフィン含量が相変わらず著しく高かった。
【0008】
一方、極性基内部に存在する酸素により金属錯化合物触媒が汚染され活性が低下し、極性基含有量の低い高分子が得られるという金属錯化合物触媒重合法の短所を克服するための代案的な方法として、調節されたラジカル重合(Controlled radical polymerization)が提案された。調節されたラジカル重合の代表的な重合法であるATRP(Atom Transfer Radical Polymerization)によりオレフィンと極性ビニル単量体を共重合する場合、金属錯化合物触媒重合法とは逆に、極性ビニル単量体の含有量がオレフィン含有量より高く得られる。即ち、重合条件によってオレフィン含量がある程度調節されたランダム共重合体合成が可能である。しかしながら、ATRPを使用する場合、高分子量を得るためには時間が掛かり、オレフィンの含量が低い水準で維持されるという限界があった。さらに、このように共重合された1−アルケン−アルキル(メタ)アクリレートは、高分子鎖にエチレン含量が低くてよく壊れるため、フィルム特性が低下される。
【0009】
1−アルケン−アクリレート共重合体は、高い透明性を有するため、光学素材として使用するに適合しているが、上記用途に使用するためには、製造工程及び光学機器の作動時に発生する熱により変形が起こらないように、耐熱性に優れなければならない。したがって、耐熱性などの物性を向上できる新しい共重合体の開発が要求される。
【0010】
一方、日本特開平2−308803号(公開日1990.12.21.)は、クロム化合物と有機金属化合物を主成分とする触媒を利用して、ルイス酸の存在下でエチレンと不飽和カルボン酸エステルを共重合して、エチレン−不飽和カルボン酸エステル共重合体を得た後、80〜150℃で熱処理することを特徴とするエチレン−不飽和カルボン酸共重合体の製造方法を開示している。ここで、エチレン−不飽和カルボン酸エステル共重合体の製造時に使用される不飽和カルボン酸エステルの量は、0.001〜45モル%である。
【特許文献1】米国特許第2,953,551号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の第1の目的は、前記従来技術の問題点を解決するために、極性作用基を有する単量体の含量が高い無結晶性1−アルケン−アクリレート系共重合体、特に、エチレン−アクリレート共重合体を提供することである。
【0012】
本発明の第2の目的は、上記のような1−アルケン−アクリレート系共重合体をマイルドな条件で製造する方法を提供することである。
【0013】
本発明の第3の目的は、温和な反応条件で、金属酸化物の存在下でラジカル重合により得られるアルケン−アクリレート系共重合体を製造する方法を提供することである。
【0014】
本発明の第4の目的は、上記の共重合体を含む光学用フィルムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、上記の第1の目的を達成するために、極性作用基を有する単量体の含量が高い無結晶性1−アルケン−アクリレート系共重合体を提供する。
【0016】
なお、本発明は、上記の第2の目的を達成するために、金属酸化物またはルイス酸の存在下で1−アルケン−アクリレート系共重合体を製造する方法を提供する。
【0017】
本発明は上記の第3の目的を達成するために、金属酸化物の存在下でアルケン−アクリレート系共重合体を製造する方法を提供する。
【0018】
さらに、本発明は、上記の第4の目的を達成するために、上記共重合体を含む光学用フィルムを提供する。
【0019】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0020】
本明細書に記載の1−アルケン−アクリレート系共重合体は、1−アルケン単量体とアクリレート単量体が重合されて形成される共重合体を意味し、便宜上単量体の用語でその構造を表現したものであって、実際に本発明の共重合体の主鎖に単量体の二重結合がそのまま存在するわけではないことは、本発明の技術分野で通常の知識を有する者であれば理解することができる。
【0021】
本発明は、1−アルケンとアクリレート系単量体が共重合された1−アルケン−アクリレート系共重合体を提供する。
【0022】
本発明の1−アルケン−アクリレート系共重合体の製造のために使用される1−アルケン単量体は、炭素鎖の末端に二重結合を有する1−アルケンであれば、特に制限はない。1−アルケンは、IUPAC命名法などにより定義されるように、炭素鎖の末端の1番炭素に炭素−炭素の二重結合を有する炭化水素化合物を意味し、これは炭素鎖の中間に二重結合を有する2−ブテン、2−ペンテン、2−ヘキセン、3−ヘキセン、2−ヘプテン、2−オクテン、2−ノネンなどと区別される概念であり、ノルボルネンまたはノルボルネン誘導体のような環化合物の環構造内に含まれる炭素−炭素二重結合を有する環化合物とも区別される概念である。1−アルケンは、脂肪族(aliphatic)炭化水素化合物、芳香族(aromatic)炭化水素化合物などであり、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどの化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0023】
本発明において、1−アルケン単量体としては、特にエチレンが使用でき、二つ以上の1−アルケンの混合物を使用することもできる。
【0024】
本発明の共重合体のための単量体として使用される1−アルケン単量体の含量は、1〜70モル%、好ましくは1〜65モル%または1〜60モル%、より好ましくは1〜50モル%または5〜50モル%、最も好ましくは10〜50モル%である。アルケン単量体無しに極性基単量体のみで重合体が形成される場合は、壊れやすいという問題があって、特にアルケン単量体の含量が10モル%以下の場合、本発明の共重合体は、フィルムの形成時に壊れやすという問題点により、光学素材の積層フィルムの用途に使用するには不適である。しかしながら、壊れやすいという問題が物性に大きい影響を及ぼさない他の用途の製品に対しては適用することもできる。
【0025】
本発明の共重合体の製造のために使用されるアクリレート系単量体は、エステル基のカルボニル基と共役化した(conjugated)炭素間の二重結合を有する化合物であればよく、それの置換基は、特に限定されず、アクリレートだけでなくアクリレート誘導体の単量体を含むものであって、以下で詳細に説明するようなアルキルアクリレート、アルキルメタクリレートなどを含む概念として理解すべきで、当該技術分野で使用されるあらゆるアクリレート系単量体が使用可能である。
【0026】
例えば、前記アクリレート系単量体は、下記化学式1で表される化合物である。
【0027】
【化1】

前記化学式1において、
、R及びRは、それぞれ独立的に水素原子、ヘテロ原子を含むとか含まない炭素数1〜30の1価炭化水素基を示し、
は、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を示し、
より好ましくは、R、R及びRは、それぞれ独立的に水素原子または炭素数1〜12の直鎖状または分枝状アルキル基を示し、
は、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を示して、より好ましくは、メチルアクリレートまたはメチルメタクリレートである。
【0028】
また他の例として、前記アクリレート系単量体は、アルキルの炭素数が1〜12の直鎖状または分枝状アルキル基を含むアルキルアクリレート、アルキルの炭素数が1〜12の直鎖状または分枝状アルキル基を含むアルキルメタクリレート、またはアルキルの炭素数が1〜12の直鎖状または分枝状アルキル基を含むアルキルブタクリレートである。
【0029】
また他の例として、前記アクリレート系単量体としては、下記化学式2〜5で表される化合物またはこれらの混合物を使用することができる。
【0030】
【化2】

【化3】

前記式2〜3において、o、p、qは、それぞれ独立して0〜2の整数であり、xはアクリロイル(acryloyl)側面からみて、単結合、−(CH)−、−(CO)−、−(CO)−、または−(C)−(式中、rは1〜5の整数である)で表される2価の連結基であり、Rは水素またはメチル基であり、R’10、R”10は水素であり、R’11、R”11、R’’’11、R’’’’11は水素またはメチル基であって(但し、R’10、R”10、R’11、R”11、R’’’11、R’’’’11のいずれか一つは、前記x基で代置される)、R’12、R”12、R’’’12、R’’’’12、R13、R’13はそれぞれ独立して水素;ハロゲン;環構造(
【化4】

または
【化5】

)に直接結合するか、または酸素、窒素、硫黄または珪素を含む連結基を媒介として結合している、置換または非置換された炭素数1〜20の炭化水素基;または極性基である。
【0031】
前記−x−基が単結合である場合は、アクリレートの−C(O)O−基が直接
【化6】

に結合されることを意味する。
【0032】
前記化学式2〜3の R’12、R”12、R’’’12、R’’’’12、R13、R’13において、ハロゲンは、例えばフッ素、塩素またはブロムである。
【0033】
前記化学式2〜3の R’12、R”12、R’’’12、R’’’’12、R13、R’13において、炭素数1〜20の炭化水素基は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基などのアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基;フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基などのアリル基;メチルフェニル基、エチルフェニル基、イソプロピルフェニル基などのアルカリル(alkalyl)基;ベンジル基、フェネチル基などのアラルキル基である。このような炭化水素基の一部または全部の水素原子は、置換されていてもよく、置換基は、例えば、フッ素、塩素、ブロムなどのハロゲン、シアノ基、フェニルスルホニル基である。
【0034】
前記化学式2〜3の R’12、R”12、R’’’12、R’’’’12、R13、R’13において、置換または非置換された炭化水素基は、環構造(
【化7】

または
【化8】

)に直接結合していてもよく、または酸素、窒素、硫黄または珪素を含む連結基を利用して環構造に結合していてもよい。その連結基は、例えば、−C(=O)−、−C(=O)O−、−OC(=O)−、−SO−、−O−、−S−、−NH−、−NHCO−、−CONH−、−OSi(R)−(式中、Rはメチル基、エチル基などのアルキル基である)であり、前記連結基は、同種または2種以上の連結基が二つ以上結合された連結基であってもよい。
【0035】
前記化学式2〜3の R’12、R”12、R’’’12、R’’’’12、R13、R’13において、極性基は、例えば、水酸基、シアノ基(−CN)、アミド基(−CONH)、−NH、カルボキシル基、イミド(imide)環含有基;トリメチルシリル基、トリエチルシリル基などのトリアルキルシリル基;トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基などのトリアルコキシシリル基である。
【0036】
より具体的に、前記化学式2〜3で表されるアクリレート単量体は、
【化9】

【化10】

または、これらの混合物である。
【0037】
また他の例として、アクリレート単量体は、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、アルキルブタクリレート、アルキルアクリル酸、アルキルエステル及びこれらの2以上の混合物からなる群から選ばれたいずれか一つであることが好ましく、前記アルキルは、炭素数1〜12の直鎖状または分枝状アルキルであることが好ましい。
【0038】
また他の例として、アクリレート系単量体は、直鎖または分枝鎖C1−12アルコールのアクリル酸及びメタクリル酸エステル、好ましくは直鎖または分枝鎖C1−8アルコールのアクリル酸及びメタクリル酸エステルなどが挙げられる。
【0039】
また他の例として、前記アクリレート系単量体は、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソ−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルブチルアクリレート、及び2−エチルヘキシルアクリレートとC5−12アルコールのネオ−異性体のアクリル酸エステルなどが好ましく、特に、好ましい単量体はn−アルキルメタクリレートである。
【0040】
前記アルキルアクリレートまたはメタクリレートエステル単量体は、単独または混合物で使用できる。そして、エチレンとアルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレートエステル以外の単量体を含むこともできる。これらの追加単量体としては、ビニルアセテートなどのビニルエステルと、アクリル酸、メタクリル酸またはマレイン酸の部分エステル及び一酸化炭素などの単量体を例として挙げられるが、これらに限定されるものではなく、当該技術分野で使用可能なあらゆる追加的な単量体を含むことができる。
【0041】
本発明の共重合体に繰り返し単位で含有されるこのようなアクリレート系単量体の含量は、30〜99モル%、好ましくは35〜99モル%または40〜99モル%、より好ましくは、50〜99モル%または50〜95モル%、最も好ましくは50〜90モル%である。また、本発明の1−アルケン−アクリレート系共重合体に繰り返し単位で含有されるこのようなアクリレート系単量体の含量は、45〜55モル%で、特に、1−アルケン(A)とアクリレート系単量体(B)のモル比は、50:50であってよく、この場合、−A−B−A−B−形態の交互共重合体である。
【0042】
前記極性単量体であるアクリレート単量体の含量が増加する場合、エチレンなどの1−アルケン、アルケンの固有物性である結晶性を防止することができるため、無結晶性共重合体の製造が可能である。このような無結晶性の1−アルケン−アクリレート系共重合体は、従来技術では製造することが難しかった。前記無結晶性共重合体は、高い透明性を有して、接着性などにも優れているため、光学素材として使用可能であり、特に極性作用基を多く含んでおり、金属などとの接着力に優れ、電気素子としての適用に有利である。
【0043】
前記反応において、アクリレート系単量体の量が単量体総量を基準に30モル%未満の場合は、接合性に問題があり、99モル%を超過する場合は、壊れやすいという問題がある。
【0044】
本発明の1−アルケン−アクリレート系共重合体の最も適合した例は、エチレン−メチルメタクリレート、及びエチレン−メチルアクリレートを含む。
【0045】
本発明の1−アルケン−アクリレート系共重合体は、0〜200℃のガラス転移温度を有することができる。
【0046】
本発明の1−アルケン−アクリレート系共重合体は、20〜170℃のガラス転移温度を有することができる。
【0047】
また、前記エチレン−メチルメタクリレート共重合体は、反応条件によって50〜130℃のガラス転移温度を有することができる。
【0048】
また、前記エチレン−メチルアクリレート共重合体は、反応条件によって−50〜20℃のガラス転移温度を有することができる。
【0049】
また、前記エチレン−アクリレート系共重合体は、反応条件によって20〜125℃のガラス転移温度を有することができる。
【0050】
前記1−アルケン−アクリレート系共重合体において、 前記共重合体の数平均分子量が5,000〜150,000であるとか、その重量平均分子量が10,000〜500,000であることが好ましい。数平均分子量が5,000未満であるとか、重量平均分子量が10,000未満の場合は、低い高分子量により応用分野によって物性に問題が生じる可能性があり、数平均分子量が150,000を超過するか、重量平均分子量が500,000を超過する場合は、加工上の問題が生じる可能性がある。
【0051】
前記1−アルケン−アクリレート系共重合体において、前記共重合体の熱重量分析(TGA)で得られる初期重量の50%が分解される温度(Td_50)が350〜500℃であることが好ましい。共重合されず、PMMA単独重合体が得られる場合、Td_50が350℃未満であり、1−アルケンの共重合含量によって500℃まで得られる。
【0052】
また、前記エチレン−アクリレート系共重合体において、前記共重合体の熱重量分析(TGA)で得られるTd_50が350〜450℃であることが好ましい。
【0053】
前記1−アルケン−アクリレート系共重合体において、前記共重合体の光透過度が、好ましくは80〜100%、より好ましくは85〜95%である。前記共重合体の光透過度が高いほど、光学フィルムのような光学素材として使用に有利である。したがって、80%以上の光透過度を有することが好ましい。
【0054】
一方、本発明は前記1−アルケン−アクリレート−ノルボルネン3元共重合体を提供する。
【0055】
前記3元共重合体において、アクリレート単量体の含量は、30〜99モル%であり、その他は、1−アルケン単量体とノルボルネン単量体からなり、1−アルケン単量体の含量は、0.1〜69.9モル%、そしてノルボルネン単量体の含量は、0.1〜69.9モル%である。
【0056】
このような3元共重合体のうち、エチレン−メチルアクリレート−ノルボルネン3元共重合体は、反応条件によって、0〜150℃のガラス転移温度を有することができる。
【0057】
上記でノルボルネン単量体は、ノルボルネンだけでなくノルボルネン誘導体を含むことができ、このようなノルボルネン単量体は、下記化学式4で表される化合物であることが好ましい。
【0058】
【化11】

前期化学式4において、
mは0〜4の整数であり、
、R’、R”、及びR’’’は、それぞれ独立して極性作用基または非極性作用基を示すとか;
、R’、R”、及びR’’’は、互いに連結されて、炭素数4〜12の飽和または不飽和シクリックグループ、または炭素数6〜24の芳香族環を形成することができる。
前記非極性作用基は、水素;ハロゲン;炭素数1〜20の線状または分枝状アルキルまたはハロアルキル(haloalkyl);炭素数2〜20の線状または分枝状アルケニルまたはハロアルケニル;炭素数2〜20の線状または分枝状アルキニル(alkynyl)またはハロアルキニル;炭素数1〜20の線状または分枝状アルキルまたはハロアルキル、炭素数2〜20の線状または分枝状アルケニルまたはハロアルケニル、炭素数2〜20の線状または分枝状アルキニルまたはハロアルキニル、またはハロゲンで置換または非置換された炭素数3〜12のシクロアルキル;炭素数1〜20の線状または分枝状アルキルまたはハロアルキル、炭素数2〜20の線状または分枝状アルケニルまたはハロアルケニル、炭素数2〜20の線状または分枝状アルキニルまたはハロアルキニル、またはハロゲンで置換または非置換された炭素数6〜40のアリル;または炭素数1〜20の線状または分枝状アルキルまたはハロアルキル、炭素数2〜20の線状または分枝状アルケニルまたはハロアルケニル、炭素数2〜20の線状または分枝状アルキニルまたはハロアルキニル、またはハロゲンで置換あるいは非置換された炭素数7〜15のアラルキル(aralkyl)であり;
前記極性作用基は、少なくとも一つ以上の酸素、窒素、燐、硫黄、シリコン、またはボロンを含む非炭化水素極性基(Non-hydrocarbonaceous polar group)であって、
−ROR、−OR、−OC(O)OR、−ROC(O)OR、−C(O)R、−RC(O)R、−OC(O)R、−RC(O)OR、−C(O)OR、−ROC(O)R、−(RO)−R、−(RO)−OR、−C(O)−O−C(O)R、−RC(O)−O−C(O)R、−SR、−RSR、−SSR、−RSSR、−S(=O)R、−RS(=O)R、−RC(=S)R、−RC(=S)SR、−RSO、−SO、−RN=C=S、−NCO、−R−NCO、−CN、−RCN、−NNC(=S)R、−RNNC(=S)R、−NO、−RNO
【化12】

であり;
前記極性作用基において、
及びR11は、それぞれ独立して、水素;ハロゲン;炭素数1〜20の線状または分枝状アルキレンまたはハロアルキレン;炭素数2〜20の線状または分枝状アルケニレンまたはハロアルケニレン;炭素数2〜20の線状または分枝状アルキニレンまたはハロアルキニレン;炭素数1〜20の線状または分枝状アルキルまたはハロアルキル、炭素数2〜20の線状または分枝状アルケニルまたはハロアルケニル、炭素数2〜20の線状または分枝状アルキニルまたはハロアルキニル、またはハロゲンで置換または非置換された炭素数3〜12のシクロアルキレン;炭素数1〜20の線状または分枝状アルキルまたはハロアルキル、炭素数2〜20の線状または分枝状アルケニルまたはハロアルケニル、炭素数2〜20の線状または分枝状アルキニルまたはハロアルキニル、またはハロゲンで置換または非置換された炭素数6〜40のアリレン;または炭素数1〜20の線状または分枝状アルキルまたはハロアルキル、炭素数2〜20の線状または分枝状アルケニルまたはハロアルケニル、炭素数2〜20の線状または分枝状アルキニルまたはハロアルキニル、またはハロゲンで置換あるいは非置換された炭素数7〜15のアラルキレンであり;
、R12及びR13は、それぞれ独立して、水素;ハロゲン;炭素数1〜20の線状または分枝状アルキルまたはハロアルキル(haloalkyl);炭素数2〜20の線状または分枝状アルケニルまたはハロアルケニル;炭素数2〜20の線状または分枝状アルキニルまたはハロアルキニル;炭素数1〜20の線状または分枝状アルキルまたはハロアルキル、炭素数2〜20の線状または分枝状アルケニルまたはハロアルケニル、炭素数2〜20の線状または分枝状アルキニルまたはハロアルキニル、またはハロゲンで置換または非置換された炭素数3〜12のシクロアルキル;炭素数1〜20の線状または分枝状アルキルまたはハロアルキル、炭素数2〜20の線状または分枝状アルケニルまたはハロアルケニル、炭素数2〜20の線状または分枝状アルキニルまたはハロアルキニル、またはハロゲンで置換または非置換された炭素数6〜40のアリル;または炭素数1〜20の線状または分枝状アルキルまたはハロアルキル、炭素数2〜20の線状または分枝状アルケニルまたはハロアルケニル、炭素数2〜20の線状または分枝状アルキニルまたはハロアルキニル、またはハロゲンで置換または非置換された炭素数7〜15のアラルキル(aralkyl);炭素数1〜20の線状または分枝状アルコキシまたはハロアルコキシ;カルボニルオキシ、またはハロカルボニルオキシであり;
それぞれのkは、1〜10の整数である。
【0059】
より好ましくは、前記ノルボルネンが5−エチルエステル−2−ノルボルネン、t−ブチル−5−ノルボルネン−2−カルボキシレート(NB-TBE)、メチル−5−ノルボルネン−2−メチル−2−カルボキシレート(Nb-MMA)、5−メチレン−2−ノルボルネン、ノルボルネン、及び5−n−ブチル−2−ノルボルネンからなる群から選ばれた一つ以上を使用することである。
【0060】
さらに本発明は、1−アルケン及びアクリレート系単量体からなる単量体混合物を金属酸化物またはルイス酸の存在下でラジカル重合開始剤により重合させる段階を含む、1−アルケン−アクリレート系共重合体の製造方法を提供する。
【0061】
本製造方法で使用される1−アルケン、アクリレート系単量体は、前記1−アルケン−アクリレート系共重合体で繰り返し単位を構成する単量体と同一である。
【0062】
本発明で使用される1−アルケン単量体の使用量及びアクリレート系単量体の使用量は、上記で説明した通りである。即ち、本発明で使用されるアクリレート系単量体の使用量は、30〜99モル%、好ましくは35〜99モル%または40〜99モル%、より好ましくは50〜99モル%または50〜95モル%、最も好ましくは50〜90モル%である。また、本発明の1−アルケン−アクリレート系共重合体において、1−アルケン(A)とアクリレート系単量体(B)のモル比は、45〜55:55〜45、好ましくは、50:50であり、特に1−アルケン(A)とアクリレート系単量体(B)が50:50のモル比で投入されて反応し、A−B−A−B−形態の交互に共重合された1−アルケン−アクリレート系共重合体を製造することができる。
【0063】
本明細書に記載のルイス酸及び金属酸化物において、本発明で使用される金属酸化物は、本発明の重合反応で実質的に酸点(Acid site)を提供するルイス酸と同様な役割するため、概念上、ルイス酸に含まれるものである。しかしながら、一般的な他のルイス酸と比べ、重合反応後にも実質的にその構造や組成の変化がなく、簡単に分離可能であるだけでなく、再使用が可能であるという追加的な利点があるため、本明細書では、便宜上一般の他のルイス酸と区別し、金属酸化物または複合金属酸化物と命名する。
【0064】
本発明で使用した金属酸化物は、下記化学式5で表される化合物であることが好ましい。
【0065】
[化学式5]

前記化学式5において、
Mはアルカリ土類金属、転移金属、13族及び14族金属からなる群から選ばれた一つ以上を示し;
Nは5族または6族原子を示し、
Oは酸素原子を示して;
x、y及びzは、M及びNの酸化状態により決定される値であって、x>0、y≧0、z>0である。
【0066】
より具体的に、前記金属酸化物は、酸化アルミニウム(Al)、酸化イットリウム(Y)、酸化亜鉛(ZrO)、酸化ハフニウム(HfO)、酸化ケイ素(SiO)、酸化ボロン(B)、酸化セシウム(CeO)、酸化ジスプロシウム(Dy)、 酸化エルビウム(Er)、酸化ユウロピウム(Eu)、酸化ガドリニウム(Gd)、酸化ホルミウム(Ho)、酸化ランタン(La)、酸化ルテチウム(Lu)、酸化ネオジム(Nd)、酸化プラセオジム(Pr11)、酸化サマリウム(Sm)、酸化テルビウム(Tb)、酸化トリウム(Th)、酸化ツリウム(Tm)、酸化イッテルビウム(Yb)、酸化錫(SnO)、及び酸化チタニウム(TiO)からなる金属酸化物群;及びジスプロシウムアルミネート(DyAl12)、イットリウムアルミネート(YAl12)、アルミニウムチタネート(Al・TiO)、アルミニウムシリケート(3Al・SiO)、カルシウムチタネート(CaTiO)、カルシウムシルコネート(CaZrO)、鉄チタネート(FeTiO)、マグネシウムアルミネート(MgO・Al)、セシウムアルミネート(CeAl1118)、Al(SO及びAlPOからなる複合金属酸化物群から選ばれた一つ以上であるが、これに限定されるものではない。
【0067】
前記1−アルケン−アクリレート系共重合体の製造方法において、前記金属酸化物をアクリレート単量体を基準に0.01〜200モル%使用することが好ましい。
【0068】
金属酸化物の含量が0.01モル%未満の場合は、1−アルケン単量体含量が低いという問題があり、200モル%を超過する場合は、カラム形態の重合機を使用する場合には問題がないが、攪拌重合機の場合は攪拌速度を阻害するという問題がある。したがって、攪拌重合機を使用する場合は、金属酸化物を200モル%未満に使用することが好ましい。
【0069】
本発明で使用される金属酸化物は、濾過装置のみを使用する物理的な方法によっても金属酸化物を100%近く回収することができ、回収された金属酸化物を再び重合に使用できるため、経済的であるだけでなく、生成される共重合体を高純度で得られるという長所を提供する。初期及び再使用時、全部酸処理、乾燥及び焼成などの前・後処理過程が全く必要なく、金属酸化物をそのまま使用するため工程が単純である。回収された金属酸化物は、通常20回以上再使用可能である。
【0070】
本発明で使用されるルイス酸としては、ボロントリフロライド(トリフロロボロン)、エチルボロンジクロライド、ボロントリフロライド、ボロントリボロマイド、ボロントリイオナイド、アルミニウムトリクロライド(塩化アルミニウム(III))、アルミニウムトリブロマイド、エチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、スタニッククロライド、亜鉛ジクロライド、銅ジクロライド、ニッケルクロライドなどのクロライド及びフロライド系のルイス酸と共に、アルミニウムトリフレート、スカンジウムトリフレート、銅トリフレート、イットリウムトリフレート、亜鉛トリフレートなどのトリフレート系のルイス酸またはこれらの2以上の混合物が使用できる。
【0071】
しかしながら、ルイス酸は上記に限定されず、カチオンがスカンジウム、チタニウム、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、銅、亜鉛、ホウ素、アルミニウム、イットリウム、ジルコニウム、ニオビウム、モリブデン、カドミウム、レニウム及び錫からなる群から選ばれる無機または有機金属化合物である。
【0072】
例えば、米国特許第6,127,567号、第6,171,996号、及び第6,380,421号などに記載されたZnBr,ZnI,ZnCl,ZnSO,CuCl,CuCl,Cu(OSCF,CoCl,CoI,FeI,FeCl,FeCl,FeCl(THF),TiCl(THF),TiCl,TiCl,ClTi(O−i−propyl),MnCl,ScCl,AlCl,(C17)AlCl,(C17AlCl,(i−CAlCl,(CAlCl,(C)AlCl,ReCl,ZrCl,NbCl,VCl,CrCl,MoCl,YCl,CdCl,LaCl,Er(OSCF,Yb(OCCF,SmCl,B(C及びTaClなどである。そして、米国特許第3,496,217号、第3,496,218号及び第4,774,353号などに記載されたZnCl,CoI及びSnCl12などの金属塩、RAlCl,RSnOSCF及びRB(ここで、Rは、アルキル基またはアリル基である)などの有機金属化合物も適合している。
【0073】
米国特許第3,773,809号によると、アニオン性残基がフッ化物、塩化物、ブロム化物及びヨウ化物などのハロゲン化物、トリフレート、2〜7個の炭素原子を有する低級脂肪酸のアニオン、HPO2−,HPO2−,CFCOO,C15OSO2−またはSO2−からなる群から選択でき、亜鉛、カドミウム、ベリリウム、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウム、チタニウム、ジルコニウム、ハフニウム、エルビウム、ゲルマニウム、錫、バナジウム、ニオビウム、スカンジウム、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、レニウム、パラジウム、トリウム、鉄及びコバルト、好ましくは、亜鉛、カドミウム、チタニウム、錫、クロム、鉄及びコバルトから構成された群から選ばれるカチオン形態の金属を使用することも可能である。
【0074】
また、米国特許第3,773,809号には、適合した助触媒として、ボロヒドライド、有機ボロヒドライド及び化学式RBまたはB(OR)のホウ酸塩(ここで、Rは水素、6〜18個の炭素原子を有するアリル基、1〜7個の炭素原子を有するアルキル基により置換されたアリル基、1〜7個の炭素原子を有するシアノ−置換されたアルキル基により置換されたアリル基、好ましくは、トリフェニルボロンから構成された群から選択される)が開示されている。
【0075】
本発明でルイス酸という用語は、前記記載された化合物の範囲の他にも、米国特許第3,496,217号、第3,496,218号、第4,774,353号、第4,874,884号、第6,127,567号、第6,171,996号、及び第6,380,421号で言及された助触媒も含む。
【0076】
前記ルイス酸の中、特に金属塩、特に好ましくは金属ハロゲン化物、例えばフッ化物、塩化物、ブロム化物、及びヨウ化物、特に塩化物、その中でも塩化アルミニウム(III)、塩化亜鉛、塩化鉄(II)、及び塩化鉄(III)が特に好ましい。
【0077】
前記1−アルケン−アクリレート系共重合体の製造方法において、前記ルイス酸の含量は、アクリレート系単量体1モルに対して、0.01〜1モルの比で使用することが好ましい。ルイス酸の含量比が0.01モル未満の場合には、共重合体が製造されない問題があり、1モルを超過しても重合に問題はないが、共重合体の製造後ルイス酸の後処理量が多くなるという問題がある。
【0078】
前記方法は、金属酸化物またはルイス酸を使用することにより、従来技術と違って高温高圧の厳しい条件を避けることができるため、工程が簡単で工程上の効率も非常に高い。なお、使用された金属酸化物を、重合後、ろ過装置のみで容易に100%回収し再活用が可能であるため、製造コストを著しく節減できる。また、水分及び空気安定性にも優れ効率が高く、重合工程を単純化でき、産業的適用可能性が大きい。
【0079】
具体的に、本発明の1−アルケン−アクリレート系共重合体、例えば、エチレン−アクリレート系共重合体の製造方法は、高温高圧が要求される従来技術と違って、200気圧以下、100℃以下のマイルドな条件でも共重合体を製造することができて、工程が単純で共重合体の物性制御が容易であり、前記方法により製造されたエチレン−アクリレート系共重合体は、エチレンと極性モノマーのランダム共重合体でありながら、極性基の含有量が著しく高く、エチレンの結晶性が存在しなくなるため、高分子フィルムなどに加工後にも、高分子の透明性には影響がなく、光学素材などの用途に使用可能である。
【0080】
前記1−アルケン−アクリレート系共重合体の製造方法の前記反応段階において、重合開始剤、好ましくは自由ラジカル重合開始剤を使用することができる。前記重合開始剤としては、過酸化物、アゾ化合物、これらの混合物からなる群から選ばれた1以上の化合物であることが好ましい。
【0081】
より具体的には、過酸化物化合物、例えば、過酸化水素、デカノニルペルオキシド、t−ブチルペルオキシネオデカノエート、t−ブチルペルオキシピバレート、3,5,5−トリメチルヘキサノイルペルオキシド、ジエチルペルオキシド、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシイソブチレート、ベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシアセテート、t−ブチルペルオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルペルオキシド、t−アミルペルオキシネオデカノエート、t−アミルペルオキシピバレート、t−アミルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート及び1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロペルオキシド;アルカリ金属ペルサルフェート、ペルボレート及びペルカルボネート;及びアゾビスイソブチロニトリト(AIBN)のようなアゾ化合物などがある。
【0082】
好ましい開始剤は、アゾ化合物である。このような開始剤の混合物を使用することもできる。開始剤は、任意の適切な方式により、例えば、純粋な形態、適切な溶媒に溶解された形態及び/または単量体または単量体供給物ストリームと混合された形態で反応ストリームに添加することができる。
【0083】
そして、前記重合開始剤はアクリレート系単量体を基準に、0.001〜0.1モル%を使用すればさらに好ましい。開始剤の含量が0.001モル%未満の場合は収率が低く、0.1モル%を超過する場合は、過量の開始剤により、低分子量が生成される問題がある。
【0084】
前記1−アルケン−アクリレート系共重合体の製造方法において、前記重合が溶媒の存在下で行われる場合に使用される溶媒が、トルエン、クロロベンゼン、n−ヘキサン、テトラヒドロフラン、クロロホルム及びメチレンクロライドからなる群から選択された1以上であることが好ましいが、これに限定されるものではなく、当該技術分野で使用可能な溶媒なら特に制限はない。
【0085】
本発明の重合反応において、アクリレート系単量体は反応条件下で一般的に液相で存在するため、溶媒に溶解されて重合反応に参与できるため、反応圧力は特に限定されない。
【0086】
一方、1−アルケン単量体が特にエチレンまたはプロピレンである場合は、反応条件で一般的に気体状態に存在するため、アルケン単量体を本発明の共重合体の繰り返し単位に適量含有させるためには、一定加圧の反応条件が要求されて、1−アルケン単量体が反応条件で液相に存在する1−ヘキセン、1−デセンなどの場合なら、反応圧力は特に限定されない。
【0087】
本発明で1−アルケン単量体として、反応条件で気体相に存在する例において、エチレンが使用される場合、未反応単量体であるエチレンは、回収されて再使用できるという追加的な長所を有する。
【0088】
本発明の反応条件は、具体的には、前記反応が5〜200気圧の圧力(1−アルケン単量体が特にエチレンまたはプロピレンのような気体相である場合)及び40〜150℃の温度条件でなされることが好ましいが、特に好ましくは、前記反応が20〜50気圧の圧力及び40〜80℃、より好ましくは、50〜80℃の温度条件でなされる。
【0089】
圧力が5気圧未満の場合には、1−アルケン含量が低くなる問題があり、200気圧を超過する場合は、工程上の追加装置が必要となる。そして、温度が40℃未満の場合は、開始剤の活性化速度が遅くて、温度制御の問題があり、150℃を超過する場合は、過量の未反応単量体の発生と工程制御の問題がある。
【0090】
本発明の具体的な一具現例によると、1−アルケン−アクリレート系共重合体の製造方法において、前記アクリレート系単量体がメチルメタクリレートまたはメチルアクリレートであり、1−アルケンがエチレンまたはエチレンとノルボルネン混合物であり、金属酸化物が酸化アルミニウムであって、反応圧力が5〜60気圧、反応温度が50〜80℃の条件で行われることが好ましい。そして、重合開始剤を含むことが好ましく、その重合開始剤はAIBNを含むことが好ましい。
【0091】
本発明の他の具現例によると、前記1−アルケン−アクリレート系共重合体の製造方法において、前記反応が前記アクリレート系単量体がメチルメタクリレート、ルイス酸が塩化アルミニウム(III)であり、反応圧力が5〜60気圧、反応温度が60〜80℃の条件で行われることが好ましい。そして、重合開始剤を含むことが好ましく、その重合開始剤はAIBNを含むことが好ましい。
【0092】
さらに、本発明はアルケン及びアクリレート系単量体からなる単量体混合物を金属酸化物の存在下でラジカル重合開始剤により重合させる段階を含む、アルケン−アクリレート系共重合体の製造方法を提供する。
【0093】
本発明においてアルケンは、一つ以上の炭素−炭素二重結合を有する炭化水素化合物なら特に限定されず、脂肪族(aliphatic)炭化水素化合物、ノルボルネン脂環族(cyclic)炭化水素化合物、芳香族(aromatic)炭化水素化合物などを含む。本発明のアルケンは、1−アルケンはもちろん、炭素鎖の中間に二重結合を有する2−ブテン、2−ペンテン、2−ヘキセン、3−ヘキセン、2−ヘプテン、2−オクテン、2−ノネンなどを含み、ノルボルネンまたはノルボルネン誘導体、特に上記で言及されたノルボルネン化合物などを含む。本発明で使用されるアルケン単量体としては、2種以上のアルケン単量体の混合物、例えば、エチレンと上記で言及したノルボルネン化合物の混合物が使用できる。
【0094】
このような製造方法において、アルケン単量体の他に使用されるアクリレート単量体、金属酸化物、重合開始剤、及びその含量並びに重合反応条件などは、上記で言及したとおりであり、製造される共重合体の構成及び特性も上記で言及したとおりである。
【0095】
本発明は、上記により製造されたアルケン−アクリレート系共重合体、特に1−アルケン−アクリレート系共重合体、より好ましくは、エチレン−アクリレート系共重合体を含む光学用フィルムを提供する。前記光学用フィルムは、光透過度の高い共重合体樹脂を使用して製造されるため、高い光透過度を有することができ、極性作用基を有する単量体の含量が高く接着性に優れているため、偏光板などのような積層フィルムに使用するのに適合している。従って、延伸などを通じて複屈折率を有する位相差補償フィルム、ヨード溶液との後処理を通じて偏光フィルムに製造することも可能であり、その他、多様な光学用フィルムに使用可能である。
【0096】
本発明は、エチレン含量の調節が容易な新しい組成範囲のエチレン−アクリレート系共重合体、特にエチレン10〜50モル%、アクリレート50〜90モル%からなり、質量平均分子量が30,000g/モル以上であるエチレン−アクリレート系共重合体を提供する。本発明による共重合体のエチレン含有量は、15〜40モル%であることがより好ましい。本発明で提供する共重合体の質量平均分子量は、特に70,000g/モル以上であることが好ましい。
【0097】
本発明で提供する特定範囲のエチレン−アクリレート共重合体は、エチレンと極性モノマーのランダム共重合体でありながら、極性基の含有量が高く、含有量を自由に調節して製造することができるため、高い機械的物性及び酸素遮断性を有するフィルムなどに製造が可能である。特に、エチレンの結晶性が存在しなくなるため、高分子フィルムなどに加工後にも、高分子の透明性には影響がなく、高透明性遮断性樹脂への応用も可能である。本発明によるエチレン−アクリレート系共重合体のエチレン含量は、柔軟性及び延伸性などの機械的物性を向上させる重要な要因であり、アクリレート含量は、フィルムの酸素遮断性及び透明性を向上させる主要な要因である。したがって、二つの単量体間の含量を適宜調節することにより、所望の透明性、機械的物性及びガス遮断効果を同時に有する樹脂及びフィルムなどを製造することができる。
【0098】
本発明においてエチレン−アクリレート系共重合体に導入されるエチレン含量は、10〜50モル%が好ましく、15〜40モル%がもっと好ましい。エチレン含量が10モル%より少ない場合、柔軟性及び延伸性側面で不利であって、フィルムなどへの用途に不適であり、エチレン含量が50モル%より高い場合、機械的強度には有利であるが、フィルムの透明性が低下して、エチレン反応性がアクリレート反応性より著しく劣るため、重合観点で技術的具現が不可能である。特に、エチレン含量が15〜40モル%以上の場合、技術的具現が容易だけでなく、機械的強度がもっと改善される。本発明でエチレン−アクリレート系共重合体の分子量は、質量平均分子量30,000g/モル以上が好ましく、70,000g/モル以上がさらに好ましい。質量平均分子量の上限値は、特に制限する意味がない。エチレン−アクリレート系共重合体の質量平均分子量が30,000g/モル未満の場合、フィルムの機械的強度が低下して、70,000g/モル以上である場合、引張強度などの機械的強度がもっと改善される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0099】
以下、実施例を通じて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の範囲がこれらの実施例に限定されるものではない。
【0100】
重合に必要な有機試薬と溶媒は、Aldrich社製品で標準方法により精製して、エチレンは、Applied Gas Technology社の高純度製品を水分及び酸素ろ過装置を通過させた後、重合を行った。
【0101】
高分子構造を立証するために、Varian社で製造した500MHz NMRを利用してスペクトルを得た。高分子のガラス転移温度は、TA Instrument社のDSC Q100で求め、Td_50は、同社のTGAを利用した。
【0102】
実施例1〜8で得られた共重合体の分子量及び分子量分布は、Waters社でGPC(Gel permeation chromatography)分析を通じて得た。分析温度は、25℃であって、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒として使用し、ポリスチレンで標準化して、数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)を求めた。
【0103】
実施例9〜26で得られた共重合体の分子量及び分子量分布は、Polymer Lab.社で製造したPL−GPC220を利用してGPC分析を通じて得た。分析温度は160℃であって、トリクロロベンゼンを溶媒として使用し、ポリスチレンで標準化して数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)を求めた。
【0104】
[実施例1〜8]金属酸化物の存在下でアルケン−アクリレート系共重合体の製造
(実施例1)
125mLの高圧反応装置を真空にした後、アルゴンを充填した。前記アルゴン雰囲気の反応器に酸化アルミニウム3.8g(37.4mmol)、トルエン10ml、メチルメタクリレート2ml(18.7mmol)を投入した。そして、トルエンに溶かした開始剤AIBNを0.082mmol投入した。次いで、35barのエチレンを充填した後、反応器温度を70℃まで上昇させ、マグネチックバーを利用して500rpmで攪拌しながら20時間重合を行った。
【0105】
重合反応が終了した後、反応温度を常温に下げて、フィルタリングを通じて酸化アルミニウムを回収した。その後、金属酸化物の除去された重合体溶液を非溶媒であるエタノールに添加して、高分子を固体相に沈殿させた。固体相を沈殿させて上清液を除去し、エタノールを添加して再び洗浄した後、粒子を堅固にするために水を添加して攪拌し、これをフィルタリングして共重合体を回収した。このように得られた共重合体を60℃の真空オーブンで一日間乾燥した。
【0106】
(実施例2)
2Lの高圧反応装置を真空にした後、アルゴンを充填した。前記アルゴン雰囲気の反応器に酸化アルミニウム228.7g(2.24mol)、トルエン300ml、メチルメタクリレート120ml(1.12mol)を投入した。そして、トルエンに溶かした開始剤AIBNを4.93mmol投入した。次いで、35barのエチレンを充填した後、反応器温度を60℃まで上昇させ、機械式攪拌機を利用して250rpmで攪拌しながら18時間重合を行った。重合後の後処理過程は、実施例1と同様である。
【0107】
前記実施例1〜2に対するそれぞれの具体的な実験条件及び結果は、下記表1に記載した。
【0108】
【表1】

【0109】
(実施例3)
125mLの高圧反応装置を真空にした後、アルゴンを充填した。前記アルゴン雰囲気の反応器に酸化アルミニウム2.3g(22.2mmol)、トルエン10ml、メチルアクリレート3.8g(44.4mmol)を投入した。そして、トルエンに溶かした開始剤AIBNを0.22mmol投入した。次いで、35barのエチレンを充填した後、反応器温度を60℃まで上昇させ、マグネチックバーを利用して500rpmで攪拌しながら20時間重合を行った。重合後の後処理過程は、実施例1と同様である。
【0110】
(実施例4)
開始剤を0.16mmolに設定したことを除いては、実施例3と同様な条件と方法により重合を行った。
【0111】
前記実施例3〜4に対するそれぞれの具体的な実験条件及び結果は、下記表2に記載した。
【0112】
【表2】

【0113】
(実施例5)
125mLの高圧反応装置を真空にした後、アルゴンを充填した。前記アルゴン雰囲気の反応器に酸化アルミニウム2.3g(22.2mmol)、トルエン20ml、メチルアクリレート3.8g(44.4mmol)、及びノルボルネン88.84mmolを投入した。次いで、トルエンに溶かした開始剤AIBNを0.22mmol投入した後、反応器温度を60℃まで上昇させ、マグネチックバーを利用して500rpmで攪拌しながら16時間重合を行った。重合後の後処理過程は、実施例1と同様である。
【0114】
(実施例6)
温度を65℃、重合時間を20時間に設定したことを除いては、実施例5と同様な条件と方法により重合を行った。
【0115】
(実施例7)
125mLの高圧反応装置を真空にした後、アルゴンを充填した。前記アルゴン雰囲気の反応器に酸化アルミニウム6.8g(66.6mmol)、トルエン10ml、メチルアクリレート6ml(66.6mmol)、及びノルボルネン133.3mmolを投入した。次いで、トルエンに溶かした開始剤AIBNを0.29mmol投入した後、反応器温度を70℃まで上昇させ、マグネチックバーを利用して500rpmで攪拌しながら18時間重合を行った。重合後の後処理過程は、実施例1と同様である。
【0116】
前記実施例5〜7に対するそれぞれの具体的な実験条件及び結果は、下記表3に記載した。
【0117】
【表3】

【0118】
(実施例8)
125mLの高圧反応装置を真空にした後、アルゴンを充填した。前記アルゴン雰囲気の反応器に酸化アルミニウム2.3g(22.2mmol)、トルエン20ml、メチルアクリレート3.8g(44.4mmol)、及びノルボルネン44.4mmolを投入した。そして、トルエンに溶かした開始剤AIBNを0.22mmol投入した。次いで、35barのエチレンを充填した後、反応器温度を65℃まで上昇させ、マグネチックバーを利用して500rpmで攪拌しながら16時間重合を行った。重合後の後処理過程は、実施例1と同様である。
【0119】
前記実施例8に対する具体的な実験条件及び結果は、下記表4に記載した。
【0120】
【表4】

【0121】
実施例1〜8で得られた共重合体は、全て核磁気共鳴スペクトルを利用して構造を分析した。得られたそれぞれの共重合体からエチレン又はノルボルネンのホモ重合体は確認されず、ただランダム共重合体が生成された。実施例3及び7から得られた共重合体に対するH NMR測定結果と実施例8から得られた共重合体に対する13C NMR測定結果を図1、2及び3に示した。
【0122】
前記実施例1〜8で製造された共重合体の一部である実施例1、5及び8から得られた共重合体に対するDSC測定結果を図4に示した。図4に示されたように、既存のポリオレウィンから現れる溶融温度(Tm)は現れず、ガラス転移温度(Tg)が一つずつ現れた。したがって、ホモ重合体は確認されず、前記実施例により製造された共重合体は、温度変化にも相変化が伴われない無結晶性共重合体である。
【0123】
なお、前記実施例3及び6から得られた共重合体に対するTGA結果を図5及び6に示した。従来知られたPMMAのTd_50である350℃よりもっと高い400℃以上でTd_50が現れた。したがって、高温条件に使用される場合も、熱による変性の危険が減少するため、熱が伴われる電気素子などの場合にも適用できる。
【0124】
そして、前記実施例3,4,5及び6から得られた共重合体に対するGPC結果を図7に示した。既存の高温高圧法により得られたLDPE、EVAなどの場合は、分子量分布がlogMw値で4以上の広い分子量分布を有している。しかしながら、前記実施例で得られた共重合体は、2.5未満の狭い分子量分布が得られることが分かる。このように重合体が狭い分子量分布を有する場合、各種物性を向上させることができる。
【0125】
また、実施例1〜2のように、酸化アルミニウムが100%近く回収されて、空気及び水分安定性に優れ、再使用が可能である。
【0126】
[実施例9〜26]ルイス酸の存在下で1−アルケン−アクリレート系共重合体の製造
(実施例9〜17)
125mlの高圧反応装置を真空状態にした後、窒素を充填した。前記反応器にクロロベンゼン30mlを投入した。次いで、恒温槽に反応器を投入し、温度を一定に維持した。そして、塩化アルミニウム(III)をMMA(Methyl methacrylate)基準に適量投入した後、MMA6mlを投入して、30分間反応温度が安定するまで待った。次いで、適量のAIBNをクロロベンゼン5mlに溶解し、反応器に注入した。そして、一定なエチレン圧力を反応器に設定した。適正時間重合反応を行った後、反応温度を常温に落とした。次いで、非溶媒のメタノールを投入し、フィルタリングを通じて共重合体を回収した。このように得られた共重合体を真空オーブンで60℃で一日間乾燥した。そして、前記共重合体の物性を測定した。
【0127】
前記実施例9〜17に対するそれぞれの具体的な実験条件及び結果は、下記表5に示した。
【0128】
【表5】

【0129】
(実施例18)
125mlの高圧反応装置を真空状態にした後、窒素を充填した。そしてクロロベンゼン15mlを投入した。次いで、反応温度を60℃に固定し、塩化アルミニウム(III)をMMA1モルに対して0.5モルの比で投入し、MMA6mlを投入した。そして、AIBNをMMA100モルに対して0.4モルの比でクロロベンゼン5mlに用意し、反応器に注入した。その後、エチレン圧力を20barに固定して6時間重合した。
【0130】
得られた共重合体のガラス転移温度は96℃、数平均分子量は101,000であって、PDIは2.1であった。
【0131】
(実施例19)
ルイス酸としてCu(Tf)をMMA1モルに対して0.2モルの比で投入し、60時間反応を行ったことを除いては、実施例18と同様な条件で実験した。
【0132】
得られた共重合体のガラス転移温度は75℃、TGAを通じてのTd_50は401℃であり、数平均分子量は11,000であって、PDIは1.8であった。
【0133】
(実施例20)
2Lの高圧反応装置を真空状態にした後、窒素を充填した。前記反応器にAlClを0.56mol投入した。次いで、トルエン300mlを投入し、30分間反応器の攪拌速度を200rpmに固定して、完全な分散状態になるようにした。
【0134】
次いで、MMA1molを徐々に投入した。投入後、反応器温度を60℃まで徐々に上げた。次いで、30分間反応器の温度が安定するまで待った。そして、AIBN5.48mmolをトルエン100ccに溶かした溶液を反応器に投入した。それから10分間安定化した。そして、20気圧の高圧エチレンを反応器に充填し、6時間反応を進行した。反応後、反応器の圧力を除去し、温度を常温に落とした。次いで、エタノールを投入し共重合体を生成した。その後、フィルタリングを通じて共重合体を回収した。次に、エタノール、水を利用して反復的にフィルタリングした。得られた共重合体を真空オーブンで12時間乾燥し回収した。
【0135】
得られた共重合体の数平均分子量は112,000であり、PDIは1.9であった。エチレン含量は31mol%であって、ガラス転移温度は78℃であった。
【0136】
(実施例21)
ルイス酸としてSc(Tf)(スカンジウムトリフレート)をMMA1モルを基準に0.1モルの比で投入したことを除いては、実施例12と同様な条件で実験した。
【0137】
得られた共重合体の数平均分子量は87,000であって、PDIは2.3であった。
【0138】
(実施例22)
ルイス酸としてZn(Tf)(亜鉛トリフレート)をMMA1モルを基準に0.1モルの比で投入したことを除いては、実施例20と同様な条件で実験した。
【0139】
得られた共重合体の数平均分子量は44,000であって、PDIは1.8であった。
【0140】
(実施例23)
単量体としてメチルメタクリレートの代わりにブチルメタクリレートを使用したことを除いては、実施例20と同様な条件で実験した。
【0141】
得られた共重合体のガラス転移温度は85℃であった。
【0142】
(実施例24)
単量体としてメチルメタクリレートの代わりにエチルメタクリレートを使用したことを除いては、実施例20と同様な条件で実験した。
【0143】
得られた共重合体のガラス転移温度は22℃であった。
【0144】
(実施例25及び26)
125mlの高圧反応装置を真空状態にした後、窒素を充填した。前記反応器にトルエン30mlを投入した。次いで、恒温槽に反応器を投入し、温度を一定に維持した。そして、塩化アルミニウム(III)をMMA(Methyl methacrylate)1モルを基準に適量投入した後、MMAを投入して、30分間反応温度が安定するまで待った。次いで、適量のAIBNをトルエン5mlに溶解し、反応器に注入した。そして、1−ヘキセンを投入した。予め設定した時間重合反応を行った後、反応温度を常温に落とした。次いで、非溶媒のエタノールを投入し、フィルタリングを通じて共重合体を回収した。このように得られた共重合体を真空オーブンで70℃で乾燥した。そして、前記共重合体の物性を測定した。
【0145】
前記実施例25及び26に対するそれぞれの具体的な実験条件及び結果は、下記表6に示した。
【0146】
【表6】

【0147】
実施例20で製造された共重合体を、核磁気共鳴スペクトルを利用して構造を分析した。得られた結果は図8に示した。エチレンとメチルメタクリレート共重合体からエチレンホモ重合体は確認されず、ただランダム共重合体が生成されたことが分かる。
【0148】
前記実施例9〜24で製造された共重合体の一部である実施例9、13及び17から得られた共重合体に対するDSC測定結果を図9に示した。図9に示されたように、既存のポリオレウィンから現れる溶融温度(Tm)は現れず、ガラス転移温度(Tg)が30〜125℃範囲で現れた。したがって、前記実施例により製造された共重合体は、温度変化にも相変化が伴われない無結晶性共重合体である。
【0149】
なお、前記実施例10、12及び16から得られた共重合体に対するTGA結果を図10に示した。従来知られたPMMAのTd_50である350℃よりもっと高い約400℃近傍でTd_50が現れた。即ち、既存のPMMAよりももっと高い熱変形温度を有していることが分かる。したがって、高温条件に使用される場合も、熱による変性の危険が減少するため、熱が伴われる電気素子などの場合にも適用できる。
【0150】
そして、前記実施例11,14及び15から得られた共重合体に対するGPC結果を図11に示した。既存の高温高圧法により得られたLDPE、EVAなどの場合は、分子量分布がlogMw値で4以上の広い分子量分布を有している。しかしながら、前記実施例で得られた共重合体は、2.5未満の狭い分子量分布が得られることが分かる。このように重合体が狭い分子量分布を有する場合、各種物性を向上させることができる。
【0151】
図12は、THFに前記実施例20で製造された共重合体を溶かして製造したフィルムの紫外線−可視光線分光スペクトル(UV Visible spectrum)結果である。スペクトル結果から分かるように、透過度90%以上の優れた透過性を示すことが分かる。前記実験に使用されるフィルムは、前記共重合体1gを30mlTHFに入れた後、マグネチックバー(Magnetic stirrer)を利用して完全に溶かした後、ドクターブレードを利用して製造した。したがって、前記共重合体は多様な光学用素材として使用が可能であると判断される。
【0152】
評価例:接触角測定
実施例11で製造された共重合体、一般HDPE(High Density Polyethylene, LUTENE-H)及び一般EVOH(Ethylene-vinyl alcohol copolymer, Soarnol)に対する接触角を測定した。接触角測定は、KRUSS社モデルContact angle measuring system G2を使用して測定した。使用した溶媒は、水とエタノールであって、常温で測定した。測定結果を下記表7及び図13に示した。接触角の単位は、[°]である。
【0153】
【表7】

【0154】
一般的に親水性が高いと評価されるEVOHと比較し、親水性側面で略等しい水準であった。したがって、食品包装などの分野で使用できる。また、エチレン及びアクリレートの含量比を調節して共重合体の親水性及び疎水性を調節できるため、多様な分野への適用が可能である。
【0155】
[実施例27〜37]エチレン−アクリレート共重合体の製造
(実施例27)
2Lの高圧反応装置を真空にした後、アルゴンを充填した。前記アルゴン雰囲気の反応器に酸化アルミニウム228.7g(2.24mol)、トルエン300ml、メチルメタクリレート120ml(1.12mol)を投入した。そして、トルエンに溶かした開始剤AIBNを4.93mmol投入した。次いで、35barのエチレンを充填した後、反応器温度を60℃まで上昇させ、機械式攪拌機を利用して250rpmで攪拌しながら18時間重合を行った。重合反応が終了した後、反応温度を常温に落として、フィルタリングを通じて酸化アルミニウムを回収した。その後、金属酸化物の除去された重合体溶液を非溶媒であるエタノールに添加して、高分子を固体相に沈殿させた。固体相を沈殿させて上清液を除去し、エタノールを添加して再び洗浄した後、粒子を堅固にするために水を添加して攪拌し、これをフィルタリングしてエチレン−メチルメタクリレート共重合体を回収した。回収した共重合体を60℃の真空オーブンで一日間乾燥した。得られたエチレン−メチルメタクリレート共重合体のエチレン含量は、29.7モル%であって、モル分子量は、72,300g/molであった。
【0156】
(実施例28)
酸化アルミニウムを343.1g(3.38mol)使用したことを除いては、実施例27と同様な方法と条件で行い、エチレン含量が40.2モル%で、モル分子量が79,000g/molであるエチレン−メチルメタクリレート共重合体を得た。
【0157】
(実施例29)
酸化アルミニウムを114.4g(1.12mol)使用したことを除いては、実施例27と同様な方法と条件で行い、エチレン含量が19.3モル%で、モル分子量が69,500g/molであるエチレン−メチルメタクリレート共重合体を得た。
【0158】
(実施例30)
酸化アルミニウムを57.2g(0.56mol)使用したことを除いては、実施例27と同様な方法と条件で行い、エチレン含量が12.1モル%で、モル分子量が67,500g/molであるエチレン−メチルメタクリレート共重合体を得た。
【0159】
(実施例31)
実施例27において、トルエンに溶かした開始剤AIBNを10mmol使用したことを除いては、実施例27と同様な方法と条件で行い、エチレン含量が29.9モル%で、モル分子量が38,000g/molであるエチレン−メチルメタクリレート共重合体を得た。
【0160】
(実施例32)
実施例27において、トルエンに溶かした開始剤AIBNを5mmol使用したことを除いては、実施例27と同様な方法と条件で行い、エチレン含量が29.9モル%で、モル分子量が80,000g/molであるエチレン−メチルメタクリレート共重合体を得た。
【0161】
(実施例33)
実施例27において、トルエンに溶かした開始剤AIBNを2.5mmol使用したことを除いては、実施例27と同様な方法と条件で行い、エチレン含量が29.9モル%で、モル分子量が145,000g/molであるエチレン−メチルメタクリレート共重合体を得た。
【0162】
(比較例1)
酸化アルミニウムを添加しなかったことを除いては、実施例27と同様な方法と条件で行い、エチレン含量が1.1モル%で、モル分子量が89,000g/molであるエチレン−メチルメタクリレート共重合体を得た。
【0163】
(比較例2)
実施例27において、トルエンに溶かした開始剤AIBNを20mmol使用したことを除いては、実施例27と同様な方法と条件で行い、エチレン含量が29.9モル%で、モル分子量が21,000g/molであるエチレン−メチルメタクリレート共重合体を得た。
【0164】
(実施例3)
実施例27において、トルエンに溶かした開始剤AIBNを40mmol使用したことを除いては、実施例27と同様な方法と条件で行い、エチレン含量が27.9モル%で、モル分子量が15,000g/molであるエチレン−メチルメタクリレート共重合体を得た。
【0165】
アクリレート単量体としてメチルメタクリレートを使用した実施例27〜33及び比較例2、3のアクリレート含量及びエチレン含量を下記表8に示した。
【0166】
【表8】

【0167】
(実施例34)
メチルメタクリレート120ml(1.12mol)の代わりにメチルアクリレート120ml(1.12mol)を使用し、酸化アルミニウム228.7g(2.24 mol )の代わりに 酸化アルミニウムを114.4g(1.12mol)使用したことを除いては、実施例27と同様な方法と条件で行い、エチレン含量が17.0モル%で、質量平均分子量が130,000g/molであるエチレン−メチルアクリレート共重合体を得た。
【0168】
(実施例35)
メチルメタクリレート120ml(1.12mol)の代わりにメチルアクリレート120ml(1.12mol)を使用し、酸化アルミニウムを343.2g(3.36mol)投入したことを除いては、実施例27と同様な方法と条件で行い、エチレン含量が28.4モル%で、質量平均分子量が140,000g/molであるエチレン−メチルアクリレート共重合体を得た。
【0169】
(実施例36)
メチルメタクリレート120ml(1.12mol)の代わりにメチルアクリレート120ml(1.12mol)を使用し、トルエンに溶かした開始剤AIBNを10mmol使用したことを除いては、実施例27と同様な方法と条件で行い、エチレン含量が20.1モル%で、質量平均分子量が65,000g/molであるエチレン−メチルアクリレート共重合体を得た。
【0170】
(実施例37)
メチルメタクリレート120ml(1.12mol)の代わりにメチルアクリレート120ml(1.12mol)を使用し、トルエンに溶かした開始剤AIBNを5mmol使用したことを除いては、実施例27と同様な方法と条件で行い、エチレン含量が21.2モル%で、質量平均分子量が135,000g/molであるエチレン−メチルアクリレート共重合体を得た。
【0171】
(比較例4)
メチルメタクリレート120ml(1.12mol)の代わりにメチルアクリレート120ml(1.12mol)を使用し、酸化アルミニウムを添加しなかったことを除いては、実施例27と同様な方法と条件で行い、エチレン含量が5.6モル%で、質量平均分子量が120,000g/molであるエチレン−メチルアクリレート共重合体を得た。
【0172】
(比較例5)
メチルメタクリレート120ml(1.12mol)の代わりにメチルアクリレート120ml(1.12mol)を使用し、トルエンに溶かした開始剤AIBNを20mmol使用したことを除いては、実施例27と同様な方法と条件で行い、エチレン含量が21.1モル%で、質量平均分子量が16,000g/molであるエチレン−メチルアクリレート共重合体を得た。
【0173】
前記実施例34〜37、比較例4〜5の各成分含量などを下記表9に示した。
【0174】
【表9】

【0175】
[試験例]エチレン含有比率と分子量による特性試験
アクリレート単量体としてメチルメタクリレートを使用した前記実施例27〜37及び比較例1〜5のエチレン含量、質量平均分子量(Mw)による特性差を調べるために、各実施例及び比較例による重合体の分子量分布(PDI)、引張強度及び伸び率などを測定し、表10に示した。また、アクリレート単量体として、メチルアクリレートを使用した実施例34〜37及び比較例4〜5による測定結果を表11に示した。
【0176】
エチレン含量分析は、500MHz核磁気共鳴法(NMR,VARIAN社)を利用して測定し、分子量(Mw)及び分子量分布(PDI, Mw/Mn)は、Waters社でGPC(Gel permeation chromatography)を利用して測定して、引張強度及び伸び率は、ASTM D638によって、ユニバーサル引張試験機(Instron, M 4202)を利用して測定した。
【0177】
【表10】

【0178】
【表11】

【0179】
表10において、エチレン含量が10モル%未満の比較例1の共重合体は、エチレン含量が10〜50モル%の範囲にある実施例27〜33の共重合体に比べ、引張強度と伸び率特性が非常に低いことを確認することができる。また、エチレン含量の範囲が本発明の範囲内である場合、質量平均分子量が30,000g/mol以上の実施例27〜33の共重合体は、質量平均分子量が30,000g/mol以下の比較例2、3の共重合体に比べ、引張強度及び伸び率が高く、機械的強度が向上することを確認することができる。
【0180】
表11においても、エチレン含量が10モル%未満の比較例4と、質量平均分子量が3000未満の比較例5の共重合体に比べ、引張強度及び伸び率特性が 実施例34〜37のエチレン含量と質量平均分子量ともに本発明の範囲内にある 重合体の引張強度及び伸び率特性より悪いことを確認することができる。
【産業上の利用可能性】
【0181】
本発明による1−アルケン−アクリレート系共重合体は、1−アルケンと極性単量体のランダム共重合体でありながら、極性基の含有量が著しく高く、エチレンの結晶性が存在しなくなるため、高分子フィルムなどに加工後にも高分子の透明性には影響がなく、光学素材などの用途に使用可能である。
【0182】
本発明のアルケン−アクリレート系共重合体、特にエチレン−アクリレート共重合体の製造方法は、高温高圧が要求される従来技術と違って、200気圧以下、100℃以下の温和な条件でも共重合体を製造することができ、工程が単純で、共重合体の物性制御が容易である。なお、本発明による金属酸化物は、特に水分安全性に優れ効率的であり、追加処理工程無しに再活用が可能である。
【0183】
さらに、金属酸化物をルイス酸として使用すると、重合後、ろ過装置のみで容易に100%近く回収し再活用が可能であるため、製造コストを著しく節減できるばかりか、水分及び空気安定性にも優れ効率が高く、追加的な触媒残渣処理工程が必要なく、重合工程を単純化できるため、産業的適用可能性が大きい。
【図面の簡単な説明】
【0184】
【図1】実施例3で得られたエチレン−メチルアクリレート共重合体の炭素核磁気共鳴スペクトル(1H-NMR spectrum)である。
【図2】実施例7で得られたノルボルネン−メチルアクリレート共重合体の炭素核磁気共鳴スペクトル(1H-NMR spectrum)である。
【図3】実施例8で得られたエチレン−ノルボルネン−メチルアクリレート三元共重合体の炭素核磁気共鳴スペクトル(13C-NMR spectrum)である。
【図4】実施例1、5及び8で得られた共重合体に対する走査熱量(DSC)グラフである。
【図5】実施例3で得られた共重合体に対するTGA結果である。
【図6】実施例6で得られた共重合体に対するTGA結果である。
【図7】実施例3,4,5及び6で得られた共重合体に対するゲル透過クロマトグラフィー(GPC)分析結果を示したグラフである。
【図8】実施例20で得られたエチレン−メチルメタアクリレート共重合体の炭素核磁気共鳴スペクトル(13C-NMR spectrum)である。
【図9】実施例9、13及び17で得られた共重合体に対する走査熱量(DSC)グラフである。
【図10】実施例10、12及び16で得られた共重合体に対するTGA結果である。
【図11】実施例11,14,及び15で得られた共重合体に対するゲル透過クロマトグラフィー(GPC)分析結果を示したグラフである。
【図12】実施例20で得られたエチレン−メチルメタクリレート共重合体の紫外線−可視光線分光スペクトル(UV-Visible spectrum)である。
【図13】実施例11で得られたエチレン−メチルメタクリレート共重合体の接触角測定結果である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1〜50モル%の1−アルケンと50〜99モル%のアクリレート系単量体が共重合された1−アルケン−アクリレート系ランダム共重合体。
【請求項2】
前記1−アルケンがエチレンであることを特徴とする、請求項1に記載の1−アルケン−アクリレート系ランダム共重合体。
【請求項3】
前記共重合体が無結晶性であることを特徴とする、請求項1に記載の1−アルケン−アクリレート系ランダム共重合体。
【請求項4】
前記共重合体のガラス転移温度が0〜200℃であることを特徴とする、請求項1に記載の1−アルケン−アクリレート系ランダム共重合体。
【請求項5】
前記共重合体は、ガラス転移温度が20〜160℃であることを特徴とする、請求項1に記載の1−アルケン−アクリレート系ランダム共重合体。
【請求項6】
前記共重合体の数平均分子量が5,000〜150,000であり、重量平均分子量が10,000〜500,000であることを特徴とする、請求項1に記載の1−アルケン−アクリレート系ランダム共重合体。
【請求項7】
前記共重合体の熱重量分析(TGA)で得られるTd_50が350〜500℃であることを特徴とする、請求項1に記載の1−アルケン−アクリレート系ランダム共重合体。
【請求項8】
前記共重合体の光透過度が80〜100%であることを特徴とする、請求項1に記載の1−アルケン−アクリレート系ランダム共重合体。
【請求項9】
前記1−アルケンは、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、及び1−デセンからなる群から選ばれる1以上であることを特徴とする、請求項1に記載の1−アルケン−アクリレート系ランダム共重合体。
【請求項10】
前記アクリレート系単量体は、下記化学式1で表されるアクリレート化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の1−アルケン−アクリレート系ランダム共重合体。
【化1】

前記化学式1において、
、R及びRは、それぞれ独立的に水素原子、ヘテロ原子を含むとか含まない炭素数1〜30の1価炭化水素基を示し、
は、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を示す。
【請求項11】
前記アクリレート系単量体が、アルキルの炭素数が1〜12の直鎖状または分枝状アルキル基を含むアルキルアクリレート、アルキルの炭素数が1〜12の直鎖状または分枝状アルキル基を含むアルキルメタクリレート、またはアルキルの炭素数が1〜12の直鎖状または分枝状アルキル基を含むアルキルブタクリレートであることを特徴とする、請求項1に記載の1−アルケン−アクリレート系ランダム共重合体。
【請求項12】
前記アクリレート系単量体がアルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、アルキルブタクリレート、アクリル酸及びこれらの2以上の混合物からなる群から選ばれたいずれか一つであることを特徴とする、請求項1に記載の1−アルケン−アクリレート系ランダム共重合体。
【請求項13】
前記アクリレート系単量体は、下記化学式2〜3で表される化合物及びこれらの混合物からなる群から選ばれることを特徴とする、請求項1に記載の1−アルケン−アクリレート系ランダム共重合体。
【化2】

【化3】

前記式2〜3において、
o、p、qは、それぞれ独立して0〜2の整数であり、xはアクリロイル(acryloyl)側面からみて、単結合、−(CH)−、−(CO)−、−(CO)−、または−(C)−(式中、rは、1〜5の整数である)で表される2価の連結基であり、Rは、水素またはメチル基であり、R’10、R”10は、水素であり、R’11、R”11、R’’’11、R’’’’11は、水素またはメチル基であって(但し、R’10、R”10、R’11、R”11、R’’’11、R’’’’11のいずれか一つは、前記x基で代置される)、R’12、R”12、R’’’12、R’’’’12は、それぞれ独立して水素;ハロゲン;環構造(
【化4】

または
【化5】

)に直接結合するか、または酸素、窒素、硫黄または珪素を含む連結基を媒介として結合している、置換または非置換された炭素数1〜20の炭化水素基;または極性基である。
【請求項14】
前記共重合体は、光学用フィルム用に使用されることを特徴とする、請求項1に記載の1−アルケン−アクリレート系ランダム共重合体。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか一つの項に記載の1−アルケン−アクリレート系共重合体を含む光学用フィルム。
【請求項16】
エチレン10〜50モル%及びアクリレート50〜90モル%からなり、質量平均分子量が30,000g/モル以上であるエチレン−アクリレート共重合体。
【請求項17】
前記共重合体のエチレン含量は15〜40モル%であり、前記アクリレート含量は60〜85モル%であることを特徴とする、請求項16に記載のエチレン−アクリレート共重合体。
【請求項18】
前記共重合体の質量平均分子量は、70,000g/モル以上であることを特徴とする、請求項16に記載のエチレン−アクリレート共重合体。
【請求項19】
前記共重合体は、酸素遮断性高分子フィルム用に使用されることを特徴とする、請求項16に記載のエチレン−アクリレート共重合体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−530438(P2009−530438A)
【公表日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−500286(P2009−500286)
【出願日】平成19年3月13日(2007.3.13)
【国際出願番号】PCT/KR2007/001209
【国際公開番号】WO2007/105896
【国際公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【出願人】(500239823)エルジー・ケム・リミテッド (1,221)
【Fターム(参考)】