説明

1つまたはそれより多くのアルカノールアミンを含有する混合物を連続的に蒸留分離するための装置および方法

1つまたはそれより多くのアルカノールアミンを含有する混合物を連続的に蒸留分離するための装置および方法であって、分離を1つまたはそれより多くの隔壁塔内で実施し、且つ、単数もしくは複数のアルカノールアミンを、単数もしくは複数の側方排出流(側方留分)として取り出す方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の詳細な説明
本発明は1つまたはそれより多くのアルカノールアミンを含有する混合物を連続的に蒸留分離するための装置および方法に関する。
【0002】
蒸留、例えば、複数の物質の混合物の連続的な分解のために、様々な変法が一般に使われている。最も単純な場合、分離されるべき混合物(供給混合物)は、2つの留分、低沸点の塔頂留分と難沸性の塔底留分とに分解される。
【0003】
2つより多くの留分への供給混合物の分離の際、この変法によれば、複数の蒸留塔を使用しなければならない。装置的な費用を制限するために、多くの物質の混合物の分離の際、可能な限り、液体または蒸気の形態での側方排出部を有する塔を使用する。
【0004】
しかしながら、側方排出部を有する蒸留塔の利用可能性は、側方排出位置で取り出される生成物が、めったに、または決して完全に純粋ではないことにより、強く制限されている。通常は液体の形態で行われる塔の濃縮部での側方取り出しの際、側方生成物(Seitenprodukt)はまだ低沸点成分の部分を含み、それは塔頂部を介して分別されることになる。同じことが塔の回収部分での側方取り出しにも当てはまり、それは大抵は蒸気の形態で行われ、その際、側方生成物はまだ高沸点成分を有する。
【0005】
それ故、従来の側方排出塔の使用は、汚染された側方生成物が許容される場合に限られている。
【0006】
側方生成物も高純度で取得することができる隔壁塔が、対策の手段を提供する(例えば図1参照)。それらの塔の種類は例えば、
US2471134号、US4230533号、EP122367号A、EP126288号A、EP133510号A、
Chem. Eng. Technol. 10、(1987)、92〜98ページ、
Chem.−Ing.−Tech. 61、(1989)、No.1、16〜25ページ、
Gas Separation and Purification 4 (1990)、109〜114ページ、
Process Engineering 2 (1993)、33〜34ページ、
Trans IChemE 72 (1994)、Part A、639〜644ページ、および
Chemical Engineering 7 (1997)、72〜76
内に記載されている。
【0007】
この構造の際、供給位置および側方取り出し部の上方および下方の中央の領域で、隔壁が取り付けられており、それが取り出し部3、5に対して供給部2、4をふさぎ、且つ、この塔部分において、液体流と蒸気流とが交わる混合物を阻止する。これによって、多くの物質の混合物の分離の際、全体で必要とされる蒸留塔の数を減らす。通常の側方排出塔の際のように、隔壁塔の際も、中間蒸発器および中間凝縮器を使用することができる。中間凝縮器は、好ましくは隔壁の上端または隔壁上方の共通の塔の領域1に設置されている。中間蒸発器は、好ましくは隔壁の下端または隔壁下部の共通の塔の領域6に準備されている。
【0008】
同じエネルギー消費の際、隔壁塔を、熱的に連結された蒸留塔の配置によっても置き換えることができる。種々の装置上の配置構成で仕上げられていてよい、熱的に連結された蒸留塔の記載は、同様に、専門文献内の上記の箇所で見出される。個々の部分塔を蒸発器および凝縮器で補完して備えることも可能である。それは中間蒸発器および中間凝縮器を有する隔壁塔に相当する。この特定の構成の特別な利点は、個々の塔を異なる圧力でも運転できることである。これは高温の広がりを回避し、且つ、運転温度を、所定の加熱および冷却媒体により良く合わせることを可能にする。エネルギー統合対策のための可能性が改善される。
【0009】
特定の構成において、隔壁塔および熱的に連結された蒸留塔の場合、1つの代わりに2つの純粋な側方留分も取り出されることができる。取り出し部3、5は、中間接続された塔の領域7を介して拡張される(図1a)。塔の領域1、3、7、5および6または塔の領域1と3との間、並びに5と6との間に、さらに側方取り出し部を準備することも可能であるが、しかしながらこれは完全に純粋な留分をもたらすことはできない。
【0010】
本発明によって使用できる隔壁塔のさらなる構造様式は、蒸留塔の上端または下端のいずれかまで行きわたる隔壁を構成することを想定している(図1b)。この構造様式は、接続された側塔を有する主塔の配置に相当する。この実施態様の際、従来の塔配置と比べて、エネルギー費用の利点は期待されないが、その代わりに投資費用の利点が期待される。
【0011】
隔壁塔および熱的に連結された蒸留塔は、従来の蒸留塔の配置に比べて、エネルギー需要に関してのみならず、投資費用の利点も提供する。
【0012】
隔壁塔および熱的に連結された塔の制御のために、種々の制御ストラテジーが記載されている。説明は、
US4230533号、DE3522234号C2、EP780147号A、
Process Engineering 2 (1993)、 33〜34、および
Ind. Eng. Chem. Res. 34 (1995)、 2094〜2103
内に見出される。
【0013】
本発明の課題は、1つまたはそれより多くのアルカノールアミンを含有する混合物を分離するための、改善された経済的な方法を見つけ出すことであった。その際、個々のアルカノールアミン、殊にモノエタノールアミン (MEOA)、ジエタノールアミン (DEOA)、トリエタノールアミン (TEOA)、メチルエタノールアミン (MeEOA)、メチルジエタノールアミン (MDEOA)、ジメチルエタノールアミン (DMEOA)、ジエチルエタノールアミン (DEEOA)、モノイソプロパノールアミン (MIPOA)、ジイソプロパノールアミン (DIPOA)およびトリイソプロパノールアミン (TIPOA)が、その都度高純度で、且つさらなる仕様の特徴、殊に色の品質を維持して生じるべきである。
【0014】
それに応じて、分離を1つまたはそれより多くの隔壁塔内で実施し、且つ、単数もしくは複数のアルカノールアミンを、単数もしくは複数の側方排出流(側方留分)として取り出すことを特徴とする、1つまたはそれより多くのアルカノールアミンを含有する混合物を連続的に蒸留分離するための方法が見出された。
【0015】
好ましくは、単数もしくは複数のアルカノールアミンを、単数/複数の側方排出流として、単数/複数の隔壁塔の縦に分割された領域から取り出す。
【0016】
選択的な実施態様において、隔壁塔の代わりに、2つの(従来の)蒸留塔の相互接続を、熱的に連結した形態で使用してよい。
【0017】
分別および分離されるべき単数/複数のアルカノールアミンは、好ましくは単数/複数のエタノールアミンまたはイソプロパノールアミン、殊にモノエタノールアミン (MEOA)、ジエタノールアミン (DEOA)、トリエタノールアミン (TEOA)、メチルエタノールアミン (MeEOA、N−メチル−エタノールアミン)、メチルジエタノールアミン (MDEOA、N−メチル−ジエタノールアミン)、ジメチルエタノールアミン (DMEOA、N,N−ジメチル−エタノールアミン)、ジエチルエタノールアミン (DEEOA、N,N−ジエチル−エタノールアミン)、モノイソプロパノールアミン (MIPOA)、ジイソプロパノールアミン (DIPOA)、および/またはトリイソプロパノールアミン (TIPOA)である。
【0018】
それらの混合物の製造は、専門文献内に記載される様々な方法によって行うことができる。該製造方法の際、アンモニアが、例えばエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドに対して1ないし20倍のモル過剰で使用される。アルキルアミン、特にC1〜C4−アルキルアミンの使用の際、これらはエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドに対して1〜15のモル過剰で使用される。この反応の搬出混合物は、主に、1つまたはそれより多くのアルカノールアミンおよび副生成物、場合によっては未変換のアンモニアもしくはアルキルアミン、場合によっては水からなり、まず放圧され、且つ脱ガスされ、引き続き、アンモニアと水とが、それぞれ、部分的または完全に蒸留によって分別される。
【0019】
単数または複数のアルカノールアミンのさらなる蒸留による後処理および仕様にふさわしい純度の取得は、1つまたはそれより多くの隔壁塔または熱的に連結された蒸留塔内で後処理を行い、且つ、単数/複数のアルカノールアミンが単数/複数の側方留分として取り出される場合に、生成物の品質の点について特に有利に行われることが見出された。この方法の態様はさらに、低い投資費用および少ないエネルギー消費量を可能にする。
【0020】
典型的な、本発明による方法において適用される隔壁塔(TK)(図1参照)はそれぞれ、塔の縦方向の隔壁(T)を上部の共通の塔の領域(1)の形成下に有し、下部の共通の塔の領域(6)、濃縮部分(2)および回収部分(4)を有する供給部分(2、4)、並びに、濃縮部分(5)および回収部分(3)を有する取り出し部分(3、5)を有し、その際、分離されるべき混合物(フィード)の給送は供給部分(2、4)の中央の領域で、高沸点の留分の排出は塔底部(塔底排出部C)を介して、低沸点の留分の排出は塔頂部(塔頂排出部A)を介して、および、中沸点の留分の排出は取り出し部分(3、5)の中央の領域(側方排出部B)から行われる。
【0021】
本発明による方法の隔壁塔は、それぞれ好ましくは30ないし100、殊に50ないし90の理論段を有する。
【0022】
単数/複数のアルカノールアミンを含有する混合物は、1つまたはそれより多くの隔壁塔内で後処理され、そこで、単数/複数のアルカノールアミンが、好ましくは純度>98.0質量%、特に≧99.0質量%を有する側方排出生成物として取得される。
【0023】
塔の運転圧力は、好ましくは0.001ないし5bar、特に0.01ないし2bar、さらに特に好ましくは0.1ないし1.6barの範囲である。
【0024】
運転圧力とは、この文献中では、塔頂部で測定された絶対圧と理解される。
【0025】
好ましくは、2つの直列接続された隔壁塔内で分離を実施し、その際、第一の隔壁塔の塔底排出流が、第二の隔壁塔のための供給流を形成する。
【0026】
好ましくは、単数もしくは複数の隔壁塔(TK)に、従来の蒸留塔(K)が前接続され、そこで比較的低沸点の物が塔頂部を介して分別され、その際、その塔底排出流が隔壁塔もしくは第一の隔壁塔のための供給流を形成する。
【0027】
殊に、本発明による方法において、塔の理論段の総数(nth)に対して、隔壁塔(TK)の上部の共通の塔の領域(1)が5ないし50%、好ましくは20ないし35%、塔の供給部分(2、4)の濃縮部分(2)が5ないし50%、好ましくは10ないし20%、塔の供給部分の回収部分(4)が5ないし50%、好ましくは20ないし35%、塔の取り出し部分(3、5)の濃縮部分(3)が5ないし50%、好ましくは7ないし20%、塔の取り出し部分の回収部分(5)が5ないし50%、好ましくは20ないし35%、および塔の共通の下部領域(6)が5ないし50%、好ましくは20ないし35%を有する。
【0028】
殊に、単数もしくは複数の隔壁塔(TK)において、それぞれ、供給部分における部分領域(2)と(4)との理論段数の合計は、取り出し部分における部分領域(3)と(5)との段数の合計の80ないし110%、好ましくは90ないし100%である。
【0029】
本発明による方法は、好ましくは、単数/複数のアルカノールアミンを分別するための単数/複数の隔壁塔の供給位置および側方排出位置が、理論段の場所に関して、供給位置が1ないし20、殊に5ないし15の理論段だけ側方排出位置とは異なることで、塔内で異なる高さに配置されることを特徴とする。
【0030】
生成物の純度について特に高い要求が出される場合には、断熱性の隔壁を備えることが有利である。隔壁の断熱の種々の手段の記載は、例えばEP640367号A内に見出される。間に存在する狭い気体の空間を有する二重壁に仕上げることが特に有利である。
【0031】
好ましくは、部分領域2、3、4および5、またはそれらの部分からなる、隔壁(T)によって分割された隔壁塔(TK)の部分領域は、規則充填物または不規則充填物が装填され、且つ、この部分領域内の隔壁は好ましくは断熱性に仕上げられている。
【0032】
本発明による方法において、単数もしくは複数のアルカノールアミンが、側方排出位置で、液体の形態または気体状で取り出される。
【0033】
好ましくは、蒸気流は、単数/複数の隔壁(T)の下端で、分離内部構造(Trenneinbauten)の選択および/または寸法決定によって、および/または圧力損失発生装置、例えばブラインドの内部構造によって、供給部分における蒸気流の比が取り出し部分の蒸気流に対して0.8ないし1.2、殊に0.9ないし1.1になるように調節される。
【0034】
特定の流れ(例えば液体流、蒸気流、塔底流、供給流、側方排出流)に関して本文献内で挙げられる比は、質量に対するものである。
【0035】
好ましくは、隔壁塔の上部の共通領域(1)から流出する液体は、塔内または塔の外側に配置された収容空間に収集され、且つ、隔壁上端での固定調節または制御によって、供給部分への液体流の比が取り出し部分への液体流に対して0.1ないし2.0、殊に0.1ないし1.0、例えば0.25ないし0.8であるように、狙い通りに分割される。
【0036】
本発明による方法において、好ましくは液体を、供給部分2に、ポンプを介して移送するか、または少なくとも1mの静的な供給高さを介して流量調節して送り込み、且つ、その制御を、供給部に送りこまれる液体量が正常値の30%を下回らないように調節する。
【0037】
本発明による方法において好ましくは、隔壁塔の取り出し部における部分領域3から流出する液体の、塔の取り出し部における側方排出部と部分領域5とへの分割は、例えば、プロセス制御システムにおける制御によって、部分領域5に送りこまれる液体量が正常値の30%を下回らないように調節される。
【0038】
好ましくはさらに、隔壁塔(TK)は隔壁(T)の上端および下端でサンプリング手段を有し、且つ、塔から連続的または時間的に間隔をおいて液体または気体状でサンプルを取り出し、且つ、その組成に関して調査する。
【0039】
複数の物質の混合物を、低沸点の留分、中沸点の留分、高沸点の留分に分離する際、通常、中沸点の留分中での低沸点物および高沸点物の最大許容割合についての仕様が存在する。ここで、分離問題について個々の決定的な成分、いわゆるキー成分か、または複数のキー成分の合計のいずれかが特定される。
【0040】
中沸点留分中の高沸点物についての仕様の維持は、好ましくは、隔壁の上端での液体の分割比を介して制御される。その際、隔壁(T)の上端での液体の分割比は、高沸点の留分についてのキー成分の濃度が、隔壁の上端での液体中で、側方排出生成物中で達成されるべき値の5ないし75%、好ましくは10ないし40%の値になるように調節され、且つ、液体の分割は、高沸点の留分のキー成分がより高い含有率の際はより多くの液体、且つ、高沸点の留分のキー成分がより低い含有率の際はより少ない液体が、供給部分にみちびかれるというように調節される。
【0041】
相応して、中沸点の留分中の低沸点物についての仕様は、好ましくはヒータ出力によって制御される。ここでは、それぞれの隔壁塔の蒸発器内でのヒータ出力は、隔壁(T)の下端での液体中で、低沸点の留分のキー成分の濃度が、側方排出生成物中で達成されるべき値の10ないし99%、好ましくは25ないし97.5%になるように調節され、且つ、該ヒータ出力は、低沸点の留分のキー成分がより高い含有率の際はヒータ出力を高め、且つ、低沸点の留分のキー成分がより低い含有率の際はヒータ出力を下げるというように調節される。
【0042】
供給量または供給濃度の乱れを補償するために、さらに、例えばプロセス制御システムにおいて、相応する制御方式によって、塔の部分2および5(図1参照)に送りこまれる液体の流量がその正常値の30%を下回らないことを保証することが有利であることが判明している。
【0043】
隔壁上端および側方の取り出し位置での液体の取り出しおよび分割のために、内側と同様に塔の外側にも配置される液体収容空間が適しており、それはポンプ受容器の機能を担い、または充分に高い静止した液体の高さをもたらし、そのことが調節器、例えばバルブによって、制御された液体の誘導を可能にする。充填された塔の使用の際、液体をまず収集器に入れ、且つ、そこから内側または外側の収容空間にみちびく。
【0044】
本発明による方法は好ましくは、留出物の取り出しを、温度を制御して行い、且つ、制御温度としては、2ないし20、殊に4ないし15の理論段だけ塔の上端の下方に配置されている隔壁塔の部分領域1における測定位置を使用することを特徴とする。
【0045】
本発明による方法は好ましくは、塔底生成物の取り出しを、温度を制御して行い、且つ、制御温度としては、2ないし20、殊に4ないし15の理論段だけ塔の下端の上方に配置されている隔壁塔の部分領域6における測定位置を使用することを特徴とする。
【0046】
さらに特別の構成において、側方生成物の取り出しを側方排出部において、レベル制御し、且つ、制御変数としては、蒸発器内の液体レベルを使用して行う。
【0047】
好ましくは、隔壁は塔内に溶着されているのではなく、ゆるく差し込まれ、且つ適切に密閉された部分区域の形で形成されている。
【0048】
単数もしくは複数のアルカノールアミンの蒸留による後処理のための、さらなる本発明による方法の変法は、上記の隔壁塔−それは新規構築の際、投資費用の点で好ましい−の1つの代わりに、熱的に連結された形態での2つの(従来の)蒸留塔の相互接続を使用することにある(エネルギー需要の点で隔壁塔に相応する、熱的に連結された塔)。
【0049】
それはとりわけ、塔が既に存在し、および/または該塔が異なる圧力で運転される場合に有利である。
【0050】
存在する塔の分離段数に応じて、相互接続の最も適切な形態を選択できる。
【0051】
好ましくは、2つの熱的に連結された蒸留塔はそれぞれ、適切な蒸発器および凝縮器を装備している。
【0052】
さらに好ましくは、2つの熱的に連結された塔を異なる圧力で運転し、且つ、2つの塔の間の接続流中に液体のみを移送する。接続形態を、液体の接続流のみが、個々の蒸留塔の間で生じることができるように選択することも可能である。この特定の接続は、2つの蒸留塔を異なる圧力で運転できるという利点と共に、それらを存在する加熱および冷却エネルギーの温度レベルにより良く合わせることができるという利点を提供する。
【0053】
好ましくは、2つの熱的に連結された塔の第一の塔の塔底流を、付加的な蒸発器内で部分的または完全に蒸発させ、引き続き、第二の塔に、2相または気体流および液体流の形態で給送する。
【0054】
本発明による方法において好ましくは、単数/複数の塔への供給流(フィード)を部分的または完全に、予め蒸発させ、且つ、該塔に2相または気体流および液体流の形態で給送する。
【0055】
隔壁塔および熱的に連結された塔を、不規則充填物または規則充填物を有する充填塔として、または棚段塔として仕上げてよい。
【0056】
本発明によるアルカノールアミンの精製蒸留の際、それを好ましくは真空中で運転し、充填塔を使用することが推奨される。ここでは、比表面積100〜500m2/m3、好ましくは約250ないし350m2/m3を有する、規則金属薄板充填物が特に適している。
【0057】
特別な構成においては、本発明は、モノエタノールアミン(MEOA)、ジエタノールアミン(DEOA)、およびトリエタノールアミン(TEOA)を含有する混合物を分離するための方法であって、第一の隔壁塔(TK1)において、DEOAを側方排出流として、縦に分割された領域から、MEOAを側方排出流として、上部の塔の領域(1)から、およびDEOAとTEOAとを含有する混合物を塔底部を介して分別し、その際、後者を第二の隔壁塔(TK2)内でさらに後処理し、そこで、TEOAを側方排出流として、縦に分割された領域から取得する、前記方法に関する。図2参照。
【0058】
さらに特別な構成においては、本発明はジメチルエタノールアミン(DMEOA)を含有する混合物を分離するための方法であって、従来の蒸留塔(K1)内で、DMEOAと比較的低沸点の物とを含有する混合物を塔頂部を介して、且つ、DMEOAを含有する混合物を塔底部を介して分別し、その際、後者を隔壁塔(TK2)内でさらに後処理し、そこで、DMEOAを側方排出流として、縦に分割された領域から取得する、前記方法に関する。図3参照。
【0059】
さらに特別な構成においては、本発明はジエチルエタノールアミン(DEEOA)を含有する混合物を分離するための方法であって、従来の蒸留塔(K1)内で、比較的低沸点の物を塔頂部を介して、且つ、DEEOAを含有する混合物を塔底部を介して分別し、その際、後者を隔壁塔(TK2)内でさらに後処理し、そこで、DEEOAを側方排出流として、縦に分割された領域から取得する、前記方法に関する。図4参照。
【0060】
さらに特別な構成においては、本発明はメチルジエタノールアミン(MDEOA)を含有する混合物を分離するための方法であって、従来の蒸留塔(K1)内で、比較的低沸点の物を塔頂部を介して、且つ、MDEOAを含有する混合物を塔底部を介して分別し、その際、後者を隔壁塔(TK2)内でさらに後処理し、そこで、MDEOAを側方排出流として、縦に分割された領域から取得する、前記方法に関する。図7参照。
【0061】
さらに特別な構成においては、本発明はモノイソプロパノールアミン(MIPOA)、ジイソプロパノールアミン(DIPOA)およびトリイソプロパノールアミン(TIPOA)を含有する混合物を分離するための方法であって、従来の蒸留塔(K1)内で、比較的低沸点の物を塔頂部を介して、且つ、イソプロパノールアミンを含有する混合物を塔底部を介して分別し、その際、後者を第一の隔壁塔(TK2)でさらに後処理し、そこで、MIPOAを側方排出流として、縦に分割された領域から、且つDIPOAとTIPOAとを含有する混合物を塔底部を介して取り出し、その際、後者を、第二の隔壁塔(TK3)内でさらに後処理し、そこで、DIPOAを側方排出流として、縦に分割された領域から、且つTIPOAを塔底部から取得する、前記方法に関する。図5参照。
【0062】
さらに特別な構成においては、本発明はメチルエタノールアミン(MeEOA)およびメチルジエタノールアミン(MDEOA)を含有する混合物を分離するための方法であって、従来の蒸留塔(K1)内で、比較的低沸点の物を塔頂部を介して、且つ、エタノールアミンを含有する混合物を塔底部を介して分別し、その際、後者を第一の隔壁塔(TK2)でさらに後処理し、そこで、MeEOAを側方排出流として、縦に分割された領域から、且つMDEOAを含有する混合物を塔頂部を介して分別し、その際、後者を、第二の隔壁塔(TK3)内でさらに後処理し、そこで、MDEOAを側方排出流として、縦に分割された領域から取得する、前記方法に関する。図6参照。
【0063】
本発明の対象は、1つまたはそれより多くのアルカノールアミンを含有する混合物の連続的な蒸留による分離のための、上記、および殊にさらに以下に示される実施例内に定義され且つ記載されるそれぞれの構成および塔の接続を特徴とする装置でもある。
【0064】
1つの特別な構成において、本発明は、モノエタノールアミン(MEOA)、ジエタノールアミン(DEOA)およびトリエタノールアミン(TEOA)を含有する混合物を分離するために適した装置であって、第一の隔壁塔(TK1)(前記第一の隔壁塔(TK1)は、縦に分割された領域における供給部(フィード)、縦に分割された領域におけるDEOAのための側方排出部、上部の塔の領域(1)におけるMEOAのための側方排出部、塔底排出部、塔頂排出部を有する)、第二の隔壁塔(TK2)の縦に分割された領域における前記塔底排出物の給送部(前記第二の隔壁塔(TK2)は、縦に分割された領域におけるTEOAのための側方排出部、塔底排出部、および好ましくはTK1への供給部に通じる塔頂排出部を有する)を含む装置に関する。図2参照。
【0065】
さらに特別な構成において、本発明は、ジメチルエタノールアミン(DMEOA)を含有する混合物を分離するために適した装置であって、従来の蒸留塔(K1)(前記従来の蒸留塔(K1)は、中央の領域における供給部、好ましくはEOとDMAとの反応に戻す塔頂排出部、塔底排出部を有する)、隔壁塔(TK2)の縦に分割された領域における塔底排出物の給送部(前記隔壁塔(TK2)は、縦に分割された領域におけるDMEOAのための側方排出部、塔底排出部、および好ましくはEOとDMAとの反応に戻す塔頂排出部を有する)を含む装置に関する。図3参照。
【0066】
さらに特別な構成において、本発明は、ジエチルエタノールアミン(DEEOA)を含有する混合物を分離するために適した装置であって、従来の蒸留塔(K1)(前記従来の蒸留塔(K1)は、中央の領域における供給部、好ましくはEOとDEAとの反応に戻す塔頂排出部、塔底排出部を有する)、隔壁塔(TK2)の縦に分割された領域における塔底排出物の給送部(前記隔壁塔(TK2)は、縦に分割された領域におけるDEEOAのための側方排出部、塔底排出部、および好ましくはEOとDEAとの反応に戻す塔頂排出部を有する)を含む装置に関する。図4参照。
【0067】
さらに特別な構成において、本発明は、メチルジエタノールアミン(MDEOA)を含有する混合物を分離するために適した装置であって、従来の蒸留塔(K1)(前記従来の蒸留塔(K1)は、中央の領域における供給部、好ましくはEOとMAとの反応に戻す塔頂排出部、塔底排出部を有する)、隔壁塔(TK2)の縦に分割された領域における塔底排出物の給送部(前記隔壁塔(TK2)は、縦に分割された領域におけるMDEOAのための側方排出部、塔底排出部、および好ましくはEOとMAとの反応に戻す塔頂排出部を有する)を含む装置に関する。図7参照。
【0068】
さらに特別な構成において、本発明は、モノイソプロパノールアミン(MIPOA)、ジイソプロパノールアミン(DIPOA)およびトリイソプロパノールアミン(TIPOA)を含有する混合物を分離するために適した装置であって、従来の蒸留塔(K1)(前記従来の蒸留塔(K1)は、中央の領域における供給部、好ましくはPOとアンモニアとの反応に戻す塔頂排出部、塔底排出部を有する)、隔壁塔(TK2)の縦に分割された領域における前記塔底排出物の給送部(前記隔壁塔(TK2)は、縦に分割された領域におけるMIPOAのための側方排出部、好ましくはPOとアンモニアとの反応に戻す塔頂排出部、塔底排出部を有する)、隔壁塔(TK3)の縦に分割された領域におけるTK2の塔底排出物の給送部(前記隔壁塔(TK3)は縦に分割された領域におけるDIPOA−symasym−混合物のための側方排出部、上部の塔の領域(1)におけるDIPOA−symのための側方排出部、塔頂排出部、およびTIPOAのための塔底排出部を有する)を含む装置に関する。図5参照。
【0069】
さらに特別な構成において、本発明は、メチルエタノールアミン(MeEOA)およびメチルジエタノールアミン(MEDOA)を含有する混合物を分離するために適した装置であって、従来の蒸留塔(K1)(前記従来の蒸留塔(K1)は、中央の領域における供給部、好ましくはEOとMAとの反応に戻す塔頂排出部、塔底排出部を有する)、隔壁塔(TK2)の縦に分割された領域における前記塔底排出物の給送部 (前記隔壁塔(TK2)は、縦に分割された領域におけるMeEOAのための側方排出部、好ましくはEOとMAとの反応に戻す塔頂排出部、塔底排出部を有する)、隔壁塔(TK3)の縦に分割された領域におけるTK2の塔底排出物の給送部(前記隔壁塔(TK3)は、縦に分割された領域におけるMEDOAのための側方排出部、塔頂排出部、および塔底排出部を有する)を含む装置に関する。図6参照。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】隔壁塔の模式図である。
【図1a】隔壁領域に2つの側方排出部を有する隔壁塔を示す図である。
【図1b】上端または下端まで到達する隔壁を有する隔壁塔を示す図である。
【図2】モノエタノールアミン(MEOA)、ジエタノールアミン(DEOA)およびトリエタノールアミン(TEOA)を含有する混合物を分離するために適した装置を示す図である。
【図3】ジメチルエタノールアミン(DMEOA)を含有する混合物を分離するために適した装置を示す図である。
【図4】ジエチルエタノールアミン(DEEOA)を含有する混合物を分離するために適した装置を示す図である。
【図5】モノイソプロパノールアミン(MIPOA)、ジイソプロパノールアミン(DIPOA)およびトリイソプロパノールアミン(TIPOA)を含有する混合物を分離するために適した装置を示す図である。
【図6】メチルエタノールアミン(MeEOA)およびメチルジエタノールアミン(MEDOA)を含有する混合物を分離するために適した装置を示す図である。
【図7】本発明はメチルジエタノールアミン(MDEOA)を含有する混合物を分離するために適した装置を示す図である。
【0071】
実施例
APHA測定をDIN ISO6271に従って行った。
【0072】
含水率の決定を、カール・フィッシャー滴定によって標準的に行った。
【0073】
アルカノールアミンの純度の算出を、ガスクロマトグラフィーを用いて、無水トリフルオロ酢酸で予め誘導した後で、以下の通りに行った:
IPOA: カラム: CP SIL 8 CB − 25m − 0.32mm − 5μm FD
MeEOA、MDEOA: カラム: CP SIL 8 CB − 25m − 0.32mm − 5μm FD
DMEOA: カラム: Permabond CW 20 M − 30m − 0.25mm − 0.25μm、およびCP SIL 8 CB − 50m − 0.32mm − 5μm FD
DEEOA: カラム: CP SIL 8 CB − 50m − 0,32mm − 5μm FD
MEOA、DEOA、TEOA: カラム: 30 m/ガラス DB 1、膜厚0.25μm、直径0.25mm
【0074】
全てのppmのデータは質量に対するものである(質量ppm)。
【0075】
実施例1:
モノエタノールアミン(MEOA)、ジエタノールアミン(DEOA)、およびトリエタノールアミン(TEOA)を含有する混合物の分離
【0076】
図2参照。
隔壁塔TK1を、塔頂部圧力50mbarで運転する。濃縮部内で、モノエタノールアミン(MEOA)を液体側方排出部を介して、隔壁のない濃縮部内で純粋な状態で取得する。ジエタノールアミン(DEOA)を、隔壁の向こう側で、液体側方排出部を介して精製蒸留する。塔頂部を介して、低沸点の副成分(NK)を排出する。所望の色の仕様を維持するために、塔底部の温度は195℃を超えるべきではない。それ故、DEOAとトリエタノールアミン(TEOA)とからの混合物を、塔底部を介して分別する。TK1の塔底部はTK2への供給部を形成する。TK2においては、3mbarの塔頂部の圧力で、純粋なTEOAを隔壁の向こう側で取得する。DEOAとTEOAとからなる混合物を、塔頂部を介してTK1に返送する。TK2の塔底部を介して、同様にTEOAを取得する。TEOAの色仕様の確保のために、亜リン酸の添加が特に好ましい。
【0077】
仕様:
MEOA:
純度: >99.7質量%
DEOA: <0.1質量%
TEOA: <0.1質量%
水: <0.3質量%
色数: <10APHA
DEOA:
純度: >99.3質量%
MEOA: <0.3質量%
TEOA: <0.3質量%
水: <0.1質量%
色数: <20APHA
TEOA:
純度: >99.3質量%
DEOA: <0.4質量%
MEOA: <0.1質量%
高沸点物: <0.5質量%
水: <0.1質量%
色数: <30APHA
TEOA−塔底部:
TEOA: 約90質量%
DEOA: <0.1質量%。
【0078】
実施例2:
ジメチルエタノールアミン(DMEOA)を含有する混合物の分離
【0079】
図3参照。
混合循環(4bar、40℃)中で、ジメチルアミン(DMA)と水とを混合し、且つ、エチレンオキシド(EO)と共に管状反応器(55bar、110〜140℃)に給送する。液相におけるDMAとEOとのDMEOAへの水触媒合成は、発熱性で進行し、且つ、モル過剰5のDMAを用いて行われる。混合循環中で約20質量%の水に調節する。前記の管状反応器は複数の冷却ゾーンおよび加熱ゾーンに分割されている。反応熱を除去するために、該反応器を第一の部分において水で冷却し、且つ、管の端部に向かって完全に反応が進行するために(<1ppm EO)加熱することによって反応温度を保持する。圧力塔K1(20理論段)内で、水と過剰なDMAとを、塔頂部を介して塔の圧力4barで反応混合物から分別し、そして混合容器に戻す。水はDMEOAと共沸物を形成するので、返送物における少量のDMEOAは不可避である。K1の塔底部は、隔壁塔TK2(60理論段)への供給部を形成する。TK2において、DMEOAを、液体側方排出部を介して隔壁の向こう側で純粋な状態で取得し、且つ、残りの水を、液体側方排出部を介して隔壁のない濃縮部で混合循環に戻す。純粋なDMEOAの高度な仕様を確保するために、充分に多くの副成分をTK2の塔底部および塔頂部を介して除去することが必須である。
【0080】
仕様 DMEOA:
純度: >99.8質量%
ビニルオキシエタノール: <2ppm
エチレングリコール: <2ppm
メトキシエタノール: <100ppm
エトキシエタノール: <50ppm
ジメチルエトキシエタノール: <100ppm
水: <300ppm
色数: <10APHA。
【0081】
実施例3:
ジエチルエタノールアミン(DEEOA)を含有する混合物の分離
【0082】
図4参照。
混合循環(4bar、40℃)中で、ジエチルアミン(DEA)と水とを混合し、且つ、エチレンオキシド(EO)と共に管状反応器(25bar、110〜140℃)に給送する。液相におけるDEAとEOとのDEEOAへの水触媒合成は、発熱性で進行し、且つ、モル過剰3のDEAを用いて行われる。混合循環中で約20質量%の水に調節する。前記の管状反応器は複数の冷却ゾーンおよび加熱ゾーンに分割されている。反応熱を除去するために、該反応器を第一の部分において水で冷却し、且つ、管の端部に向かって完全に反応が進行するために(<1ppm EO)加熱することによって反応温度を保持する。圧力塔K1(20理論段)内で、水と過剰なDEAとを、塔頂部を介して塔の圧力3barで反応混合物から分別し、そして混合容器に戻す。K1の塔底部は、隔壁塔TK2(60理論段)への供給部を形成する。TK2において、DEEOAを、液体側方排出部を介して隔壁の向こう側で純粋な状態で取得し、且つ、残りの水を、液体側方排出部を介して隔壁のない濃縮部で混合循環に戻す。純粋なDEEOAの高度な仕様を確保するために、充分に多くの副成分(NK)をTK2の塔底部および塔頂部を介して除去することが必須である。
【0083】
DEEOAの仕様:
純度: >99.5質量%
水: <0.2質量%
色数: <15APHA。
【0084】
実施例4:
イソプロパノールアミン(IPOA) モノイソプロパノールアミン(MIPOA)、ジイソプロパノールアミン(DIPOAsymおよびDIPOasym)、およびトリイソプロパノールアミン(TIPOA)を含有する混合物の分離
【0085】
図5参照。
混合循環(25bar、40℃)中で、NH3と水とを混合し、且つ、プロピレンオキシド(PO)と共に管状反応器(55bar、110〜140℃)に給送する。液相におけるNH3とPOとのIPOAへの水触媒合成は、MIPOAおよびDIPOAを介したNH3の一連の不可逆性の連続反応を介して、TIPOAへと発熱性で進行する。前記の管状反応器は複数の冷却ゾーンおよび加熱ゾーンに分割されている。反応熱を除去するために、該反応器を第一の部分において水で冷却し、且つ、管の端部に向かって完全に反応が進行するために(<1ppm PO)加熱することによって反応温度を保持する。該反応を通常、モル過剰3〜8のNH3を用いて行い、所望の生成混合物MIPOA/DIPOA/TIPOAを狙い通りに得る。混合循環中で約20質量%の水に調節する。圧力塔K1(15理論段)内で、水と過剰なNH3とを、塔頂部を介して塔の圧力3barで反応混合物から分別し、そして混合容器に戻す。K1の塔底部は、1.隔壁塔TK2(50理論段)への供給部を形成する。TK2において、200mbarの塔頂部の圧力で、液体側方排出部を介して隔壁の向こう側で、純粋なMIPOAを取得し、且つ、残りの水を、塔頂部を介して再使用する。2.隔壁塔TK3(60理論段)において、同時に10mbarの塔頂部圧力で、液体側方排出部を介して隔壁のない濃縮部内で純粋なDIPOAsym(sym=対称)を精留し、所定のDIPOAasym/DIPOAsym混合物(asym=非対称)を、液体側方排出部を介して隔壁の向こう側で取得し、純粋なTIPOAをTK3の塔底部を介して分別する。TK3の塔頂部を介して、副成分(NK)を排出する。イソプロパノールアミン(IPOA)の特定の色品質を保証するために、塔K1、K2およびK3において、塔底部の温度が200℃を超えないようにするべきである。
【0086】
仕様:
MIPOA:
純度: >99質量%
ジイソプロパノールアミン: <0.1質量%
水: <0.15質量%
色数: <20APHA
DIPOAsym
純度: >99質量%
ジイソプロパノールアミンasym: <0.1質量%
水: <0.1質量%
色数: <40APHA
DIPOAsym/asym混合物
純度: >99質量%
モノイソプロパノールアミン: <0.9質量%
水: <0.5質量%
色数: <40APHA
TIPOA:
純度: >97質量%
ジイソプロパノールアミン: <0.5質量%
水: <0.5質量%
色数: <150APHA。
【0087】
NH3過剰量の変化に加えて、生成混合物を、DIPAの狙い通りの再利用によって、TIPAの方向(TIPAを多く含む運転方式)にずらすことができる。
【0088】
実施例5:
メチルエタノールアミン(MeEOA)とメチルジエタノールアミン(MDEOA)とを含有する混合物の分離
【0089】
図6参照。
混合循環(15bar、90℃)中で、メチルアミン(MA、CH3NH2)と水とを混合し、且つ、エチレンオキシド(EO)と共に管状反応器(45bar、90〜140℃)に給送する。液相におけるMAとEOとのMeEOA/MDEOAへの水触媒反応は、発熱性で進行し、且つ、通常、モル過剰1.7のMAを用いて行われる。前記の管状反応器は複数の冷却ゾーンおよび加熱ゾーンに分割されている。反応熱を除去するために、該反応器を第一の部分において水で冷却し、且つ、管の端部に向かって完全に反応が進行するために(<1ppm EO)加熱することによって反応温度を保持する。混合循環において、20質量%の水に調節する。圧力塔K1(15理論段)内で、水と過剰なMAとを、塔頂部を介して塔の圧力3barで反応混合物から分別し、そして混合容器に戻す。K1の塔底部は、1.隔壁塔TK2(50理論段)への供給部を形成する。TK2において、170mbarの塔頂部の圧力で、液体側方排出部を介して隔壁の向こう側で、純粋なMIPAを取得し、且つ、残りの水を、塔頂部を介して再使用する。2.隔壁塔TK3(60理論段)において、40mbarの塔頂圧力で、液体側方排出部を介して隔壁の向こう側で純粋なMDEOAを取得する。TK3の塔頂部および塔底部を介して、副成分を(NK、例えばエチレングリコール(EG)を塔頂部を介して)排出する。MeEOAおよびMDEOAの特定の色品質を保証するために、塔K1、TK2およびTK3において塔底部の最高温度が、塔K1において200℃、TK2において190℃、およびTK3において180℃を超えないようにするべきである。
【0090】
仕様:
MeEOA:
純度: >99.7質量%
ジメチルエタノールアミン: <400ppm
水: <0.1質量%
色数: <5APHA
MDEOA:
純度: >99質量%
水: <0.3質量%の水
色数: <50APHA。
【0091】
合成へのMeEOAの狙い通りの再利用によって、所望の生成混合物MeEOA/MDEOAを狙い通りに調節できる。
【0092】
実施例6:
無水アルキルアルカノールアミン法からのアルキルアルカノールアミンを含有する混合物の分離 :例えば:メチルジエタノールアミン(MDEOA)
【0093】
図7参照。
メチルアミン(MA、CH3NH2)およびエチレンオキシド(EO)を管状反応器(25bar、90〜140℃)に給送する。液相におけるMAとEOとのMDEOAへの、無水で実施される合成は、発熱性で進行し、且つ、モル過剰1.7のMAを用いて行われる。前記の管状反応器は複数の冷却ゾーンおよび加熱ゾーンに分割されている。反応熱を除去するために、該反応器を第一の部分において水で冷却し、且つ、管の端部に向かって完全に反応が進行するために(<1ppm EO)加熱することによって反応温度を保持する。圧力塔K1(15理論段)内で、過剰なMAを、塔頂部を介して塔の圧力4barで反応混合物から分別し、そして合成に戻す。K1の塔底部は、隔壁塔TK2(50理論段)への供給部を形成する。TK2において、純粋なMDEOAを、液体側方排出部を介して隔壁の向こう側で純粋な状態で取得する。純粋なMDEOAの高度な仕様を確保するために、充分に多くの副成分(NK)をTK2の塔底部および塔頂部を介して除去することが必須である。K1の塔底部において、水が存在しないことによって、225℃の温度が予期される。TK2の塔底部において、200℃を超えるべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つまたはそれより多くのアルカノールアミンを含有する混合物を連続的に蒸留分離するための方法であって、分離を1つまたはそれより多くの隔壁塔内で実施し、且つ、単数もしくは複数のアルカノールアミンを、単数もしくは複数の側方排出流(側方留分)として取り出すことを特徴とする方法。
【請求項2】
単数もしくは複数のアルカノールアミンを、単数/複数の側方排出流として、隔壁塔の縦に分割された領域から取り出すことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
単数もしくは複数のアルカノールアミンとは、モノエタノールアミン(MEOA)、ジエタノールアミン(DEOA)、トリエタノールアミン(TEOA)、メチルエタノールアミン(MeEOA)、メチルジエタノールアミン(MDEOA)、ジメチルエタノールアミン(DMEOA)、ジエチルエタノールアミン(DEEOA)、モノイソプロパノールアミン(MIPOA)、ジイソプロパノールアミン(DIPOA)、および/またはトリイソプロパノールアミン(TIPOA)であることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
1つまたはそれより多くのアルカノールアミンを含有する混合物とは、エチレンオキシド(EO)またはプロピレンオキシド(PO)と、アンモニアまたはC1〜C4−アルキルアミンとの反応、およびその次の、未反応のアンモニアもしくはC1〜C4−アルキルアミン並びに場合によっては水の部分的または完全な分別によって得られる生成物であることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
塔の運転圧力が、0.001〜5barの範囲であることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
隔壁塔(TK)がそれぞれ、上部の共通の塔の領域(1)の形成下で、塔の縦方向の隔壁(T)、下部の共通の塔の領域(6)、濃縮部分(2)および回収部分(4)を有する供給部分(2、4)、並びに、濃縮部分(5)および回収部分(3)を有する取り出し部分(3、5)を有し、その際、分離されるべき混合物(フィード)の給送を、供給部分(2、4)の中央の領域で、高沸点の留分の排出は塔底部(塔底排出部C)を介して、低沸点の留分の排出は塔頂部(塔頂排出部A)を介して、および、中沸点の留分の排出は取り出し部分(3、5)の中央の領域(側方排出部B)から行うことを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
分離を2つの直列接続された隔壁塔において実施し、その際、第一の隔壁塔の塔底排出流が、第二の隔壁塔のための供給流を形成することを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
単数もしくは複数の隔壁塔(TK)に、従来の蒸留塔を前接続し、そこで比較的低沸点の物を塔頂部を介して分別し、その際、その塔底排出流が隔壁塔もしくは第一の隔壁塔のための供給流を形成することを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
単数の隔壁塔が30ないし100の理論段を有するか、もしくは複数の隔壁塔がそれぞれ30ないし100の理論段を有することを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
単数もしくは複数の隔壁塔(TK)において、それぞれ、供給部分における部分領域(2)と(4)との理論段数の合計は、取り出し部分における部分領域(3)と(5)との段数の合計の80ないし110%であることを特徴とする、請求項6から9までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
隔壁塔の理論段の総数に対して、単数もしくは複数のアルカノールアミンの分別のための単数/複数の隔壁塔(TK)の上部の共通の塔の領域(1)が5ないし50%、隔壁塔の供給部分(2、4)の濃縮部分(2)が5ないし50%、隔壁塔の供給部分の回収部分(4)が5ないし50%、隔壁塔の取り出し部分(3、5)の濃縮部分(3)が5ないし50%、隔壁塔の取り出し部分の回収部分(5)が5ないし50%、および塔の共通の下部領域(6)が5ないし50%を有することを特徴とする、請求項6から10までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
単数/複数のアルカノールアミンの分別のための単数/複数の隔壁塔の供給位置および側方排出位置が、理論段の場所に関して、供給位置が1ないし20の理論段だけ側方排出位置とは異なることで、塔内で異なる高さに配置されることを特徴とする、請求項6から11までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
部分領域2、3、4および5、またはその部分からなる、単数/複数の隔壁塔(TK)の隔壁(T)によって分割された部分領域に、規則充填物または不規則充填物を装填し、且つ、この部分領域内の隔壁が断熱性に仕上げられていることを特徴とする、請求項6から12までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
単数もしくは複数のアルカノールアミンを、単数/複数の側方排出位置で、液体の形態で取り出すことを特徴とする、請求項1から13までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
単数もしくは複数のアルカノールアミンを、単数/複数の側方排出位置で、気体状で取り出すことを特徴とする、請求項1から13までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
蒸気流を、単数/複数の隔壁(T)の下端で、分離内部構造の選択および/または寸法決定によって、および/または圧力損失下発生装置の内部構造によって、供給部分における蒸気流の比が取り出し部分の蒸気流に対して0.8ないし1.2になるように調節することを特徴とする、請求項6から15までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
単数/複数の隔壁塔の上部の共通領域(1)から流出する液体を、塔内または塔の外側に配置された収容室に収集し、且つ、隔壁(T)の上端での固定調節または制御によって、供給部分への液体流の比が、取り出し部分への液体流に対して0.1ないし2.0になるように、狙い通りに分けることを特徴とする、請求項6から16までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
液体を、供給部分2に、ポンプを介して移送するか、または少なくとも1mの静的な供給高さを介して流量制御して送り込み、且つ、その制御を、供給部分に送りこまれる液体量が正常値の30%を下回らないように調節することを特徴とする、請求項6から17までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
隔壁塔の取り出し部分における部分領域3から流出する液体の、塔の取り出し部分における側方排出部と部分領域5とへの分割を、制御によって、部分領域5に送りこまれる液体量が正常値の30%を下回らないように調節することを特徴とする、請求項6から18までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
単数/複数の隔壁(T)の上端での液体の分割比を、高沸点の留分の、側方排出物中で濃度について特定の閾値が達成されるべき成分の濃度が、隔壁の上端での液体中で、側方排出生成物中で達成されるべき値の5ないし75%になるように調節し、且つ、液体の分割を、高沸点の留分の成分についてより高い含有率の際はより多くの液体、且つ、高沸点の留分の成分についてより低い含有率の際はより少ない液体が供給部分にみちびかれるというように調節することを特徴とする、請求項1から19までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
蒸発器内でのヒータ出力を、単数/複数の隔壁(T)の下端において、低沸点の留分の、側方排出物中で濃度について特定の閾値が達成されるべき成分の濃度が、隔壁の下端において、液体中で低沸点の留分の成分の濃度が、側方排出生成物中で達成されるべき値の10ないし99%になるように調節されるように調節し、且つ、該ヒータ出力を、低沸点の留分の成分が高い含有率の際はヒータ出力を高め、且つ、低沸点の留分の成分がより低い含有率の際はヒータ出力を下げるというように調節することを特徴とする、請求項1から20までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
留出物の取り出しを、温度を制御して行い、且つ、制御温度としては、2ないし20の理論段だけ隔壁塔の上端の下方に配置されている、塔の部分領域1における測定位置を使用することを特徴とする、請求項6から21までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
塔底生成物の取り出しを、温度を制御して行い、且つ、制御温度としては、2ないし20の理論段だけ隔壁塔の下端の上方に配置されている、隔壁塔の部分領域6における測定位置を使用することを特徴とする、請求項6から22までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
アルカノールアミンの取り出しを側方排出部でレベル制御して行い、且つ、制御変数としては、蒸発器内の液体レベルを使用することを特徴とする、請求項1から23までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
単数/複数の隔壁が、塔内に溶着されているのではなく、ゆるく差し込まれ、且つ適切に密閉された部分区域の形で形成されていることを特徴とする、請求項1から24までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
隔壁塔の代わりに、熱的に連結された形態の2つの蒸留塔の相互接続を使用することを特徴とする、請求項1から25までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
2つの熱的に連結された蒸留塔がそれぞれ、適切な蒸発器および凝縮器を装備していることを特徴とする、請求項1から26までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
2つの熱的に連結された塔を異なる圧力で運転し、且つ、この2つの塔の間の接続流中に液体のみを移送することを特徴とする、請求項26または27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
第一の塔の塔底流を、付加的な蒸発器内で部分的または完全に蒸発させ、引き続き、第二の塔に2相、または気体流および液体流の形態で給送することを特徴とする、請求項26から28までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
単数/複数の塔への供給流(フィード)を部分的または完全に、予め蒸発させ、且つ、その単数/複数の塔に2相または気体流および液体流の形態で給送することを特徴とする、請求項1から29までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
モノエタノールアミン(MEOA)、ジエタノールアミン(DEOA)、およびトリエタノールアミン(TEOA)を含有する混合物の分離のための、請求項1から30までのいずれか1項に記載の方法において、第一の隔壁塔(TK1)において、DEOAを側方排出流として、縦に分割された領域から、MEOAを側方排出流として、上部の塔の領域(1)から、およびDEOAとTEOAとを含有する混合物を塔底部を介して分別し、その際、後者を第二の隔壁塔(TK2)内でさらに後処理し、そこで、TEOAを側方排出流として、縦に分割された領域から取得することを特徴とする方法。
【請求項32】
ジメチルエタノールアミン(DMEOA)を含有する混合物を分離するための、請求項1から30までのいずれか1項に記載の方法において、従来の蒸留塔(K1)内で、DMEOAと比較的低沸点の物とを含有する混合物を塔頂部を介して、且つ、DMEOAを含有する混合物を塔底部を介して分別し、その際、後者を隔壁塔(TK2)内でさらに後処理し、そこで、DMEOAを側方排出流として、縦に分割された領域から取得することを特徴とする方法。
【請求項33】
ジエチルエタノールアミン(DEEOA)を含有する混合物を分離するための、請求項1から30までのいずれか1項に記載の方法において、従来の蒸留塔(K1)内で、比較的低沸点の物を塔頂部を介して、且つ、DEEOAを含有する混合物を塔底部を介して分別し、その際、後者を隔壁塔(TK2)内でさらに後処理し、そこで、DEEOAを側方排出流として、縦に分割された領域から取得することを特徴とする方法。
【請求項34】
メチルジエタノールアミン(MDEOA)を含有する混合物を分離するための、請求項1から30までのいずれか1項に記載の方法において、従来の蒸留塔(K1)内で、比較的低沸点の物を塔頂部を介して、且つ、MDEOAを含有する混合物を塔底部を介して分別し、その際、後者を隔壁塔(TK2)内でさらに後処理し、そこで、MDEOAを側方排出流として、縦に分割された領域から取得することを特徴とする方法。
【請求項35】
モノイソプロパノールアミン(MIPOA)、ジイソプロパノールアミン(DIPOA)およびトリイソプロパノールアミン(TIPOA)を含有する混合物を分離するための、請求項1から30までのいずれか1項に記載の方法であって、従来の蒸留塔(K1)内で、比較的低沸点の物を塔頂部を介して、且つ、イソプロパノールアミンを含有する混合物を塔底部を介して分別し、その際、後者を第一の隔壁塔(TK2)でさらに後処理し、そこで、MIPOAを側方排出流として、縦に分割された領域から、且つ、DIPOAとTIPOAとを含有する混合物を塔底部を介して分別し、その際、後者を、第二の隔壁塔(TK3)内でさらに後処理し、そこで、DIPOAを側方排出流として、縦に分割された領域から、且つ、TIPOAを塔底部を介して取得することを特徴とする方法。
【請求項36】
メチルエタノールアミン(MeEOA)およびメチルジエタノールアミン(MDEOA)を含有する混合物を分離するための、請求項1から30までのいずれか1項に記載の方法であって、従来の蒸留塔(K1)内で、比較的低沸点の物を塔頂部を介して、且つ、エタノールアミンを含有する混合物を塔底部を介して分別し、その際、後者を第一の隔壁塔(TK2)でさらに後処理し、そこで、MeEOAを側方排出流として、縦に分割された領域から、且つ、MDEOAを含有する混合物を塔頂部を介して分別し、その際、後者を、第二の隔壁塔(TK3)内でさらに後処理し、そこで、MDEOAを側方排出流として、縦に分割された領域から取得することを特徴とする方法。
【請求項37】
1つまたはそれより多くのアルカノールアミンを含有する混合物を連続的に蒸留分離するための装置において、請求項1から36までのいずれか1項に定義された構成および塔の接続を特徴とする装置。

【図1】
image rotate

【図1a】
image rotate

【図1b】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公表番号】特表2012−502889(P2012−502889A)
【公表日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−526517(P2011−526517)
【出願日】平成21年9月16日(2009.9.16)
【国際出願番号】PCT/EP2009/062016
【国際公開番号】WO2010/031790
【国際公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】