説明

17−(1’−プロペニル)−17−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン誘導体、その使用及び当該誘導体を含む医薬品

本発明は、Z、R4、R6a、R6b、R7、R15、R16a、R16b及びR18残基が、請求項1に記載の意味を有する、一般的化学式Iで表される17−(1’−プロペニル)−17−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン誘導体、並びにそれらの溶媒和物、水和物及び塩、並びにこれらの化合物の全ての立体異性体に関する。本発明はさらに、経口避妊のための、及び閉経前、閉経前後、及び閉経後の病状を処置するための医薬品、並びに前記誘導体を含む医薬品の製造のための、特に前述の適応症における適用のためのこれらの誘導体の使用に関する。本発明の誘導体は、プロゲステロン性作用、及び好ましい場合には抗ミネラルコルチコイド性作用、及び中性〜弱いアンドロゲン性作用を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロゲステロン性作用を有する、例えば、閉経前、閉経前後、及び閉経後の、並びに月経前の病状を処置するための、17−(1’−プロペニル)−17−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン誘導体、その使用、及び当該誘導体を含む医薬品に関する。
【背景技術】
【0002】
ステロイド構造に基づいて、プロゲステロン性、抗ミネラルコルチコイド性、抗アンドロゲン性、又は抗エストロゲン性作用を有する化合物は、文献既知であり、例えば19−ノル−アンドロスト−4−エン−3−オン又はその誘導体由来である(ステロイド構造の番号付けは、例えばFresenius/Gorlitzer 3rd Ed.1991”Organic−chemical Nomenclature”p.60 ff.に記載されている)。
【0003】
従って、国際公開第2006/072467A1号は、化合物、6β,7β−15β,16β−ジメチレン−3−オキソ−17−プレグン−4−エン−21,17β−カルボラクトン(ドロスピレノン)を開示しており、そしてそれはプロゲステロン性作用を有し、そして例えば経口避妊薬中で、及び閉経後の病状の処置のための調製物中で使用されている。しかし、プロゲストゲン受容体に対するその比較的低い親和性、及びその比較的高い排卵阻害用量のために、ドロスピレノンは、3mgという比較的高い一日投与量で当該避妊薬中に含まれる。さらに、ドロスピレノンはまた、プロゲステロン性作用に加えて、アルドステロンアンタゴニスト性(抗ミネラルコルチコイド性)作用、及び抗アンドロゲン性作用を有する。これら二つの特性は、ドロスピレノンを、ドロスピレノンとは異なり経口で十分にバイオアベイラブルではない天然のプロゲストゲンであるプロゲステロンと、薬理学的特性において非常に類似のものとしている。投与量を下げるために、国際公開第2006/072467A1号はさらに、18−メチル−19−ノル−17−プレグン−4−エン−21,17−カルボラクトン、及びこれを含む医薬調製物を提案しており、そしてそれは、ドロスピレノンよりも高いプロゲステロン性活性を有する。
【0004】
さらに、例えば米国特許第3,705,179号明細書は、抗アンドロゲン性活性を示し、そしてアンドロゲンと関連のある疾患の処置のために好適であるステロイドを開示している。
【0005】
さらに欧州特許第0245170A1号明細書は、17位に不飽和スピロエーテルを、及び11位に芳香族残基を含むステロイド化合物を開示する。これらの化合物の作用は、プロゲスト模倣性(progestomimetic)又は抗プロゲスト模倣性、アンドロゲン性又は抗アンドロゲン性、及び抗グルココルチコイド性であると記載されている。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、プロゲストゲン受容体と強く結合する、利用可能な化合物を製造することである。さらに、当該化合物はまた、好ましくは、抗ミネラルコルチコイド作用を有し、そしてアンドロゲン受容体に関して、無作用〜弱いアンドロゲン作用を有する。本発明の別の重要な目的は、抗ミネラルコルチコイド作用に対するプロゲステロン性作用に関して、バランスのとれた作用特性を達成することからなり、その結果抗ミネラルコルチコイド作用に対するプロゲステロン性作用の比率がドロスピレノンを用いた時よりも低い。
【0007】
本目的は、請求項1に記載の17−(1’−プロペニル)−17−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン誘導体、請求項18に記載の発明の誘導体の使用、及び特に経口避妊のための、及び閉経前、閉経前後、及び閉経後の病状を処置するための、請求項20に記載の少なくとも一つの誘導体を含む医薬品を用いて達成される。本発明の有利な実施形態は、下位請求項に記載されている。
【発明を実施するための形態】
【0008】
一般的化学式Iを有する、本発明の誘導体の炭素骨格のナンバリングは、例えばFresenius,Ioc.citに記載されたような、一般的な方法でのステロイド構造のナンバリングに従った。特許請求の範囲に記載された残基のナンバリングは、R4、R6、R7、R15、R16及びR18に関する限り、同様の方法で、当該誘導体の炭素骨格上におけるそれらの結合位置と一致する。例えばR4残基は、本発明の誘導体のC4位と結合する。
【0009】
Zで定義された基に関して、NOR’及びNNHSO2R’は、=NOR’又は=NNHSO2R’のように、当該誘導体の炭素骨格へと、Nを通じて二重結合で各々結合する。NOR’中のOR’、及びNNHSO2R’中のNHSO2R’は、シン又はアンチの位置に存在し得る。
【0010】
R’、R6a、R6b、R7、R16a、R16b、R18、R19、R20、R21a、R21b及びR22におけるアルキル、並びに他の場合におけるアルキルは、所定の数の炭素原子、又は場合により1〜10個の炭素原子を有する、直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基を意味し、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、デシルである。R18におけるアルキルは、特に、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルを意味し、そしてR22におけるアルキルは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシルを意味する。R’、R6a、R6b、R7、R16a、R16b、R18、R19、R20、R21a、R21b及びR22におけるアルキル基はさらに、パーフルオロ化され得るか、又は1〜5個のハロゲン原子、ヒドロキシル基、C1−C4−アルコキシ基、(1〜3個のハロゲン原子で置換され得る)C6−C12−アリール基で置換され得る。したがって、特にアルキルはまた、ヒドロキシメチレン(HO−CH2)、ヒドロキシエチレン(HO−C24)、ヒドロキシプロピレン(HO−C36)、及びヒドロキシブチレン(HO−C48)、並びにそれらの異性体を表し得る。
【0011】
6a、R6b及びR7におけるアルケニルは、2〜10個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖のアルケニル基を意味し、例えば、ビニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、イソブテニル、イソペンテニルである。
【0012】
6a、R6b及びR7におけるアルキニルは、2〜10個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖のアルキニル基を意味し、例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、イソブチニル、イソペンチニルである。
【0013】
6a、R6b及びR7におけるアルケニル及びアルキニル基は、1〜5個のハロゲン原子、ヒドロキシル基、C1−C3−アルコキシ基、(1〜3個のハロゲン原子で置換され得る)C6−C12−アリール基で置換され得る。
【0014】
7におけるシクロアルキル基は、3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル基を意味し、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、及びシクロヘキシルである。R7におけるシクロアルキル基は、ハロゲン、OH、O−アルキル、CO2H、CO2−アルキル、NH2、NO2、N3、CN、C1−C10−アルキル、C1−C10−アシル、C1−C10アシルオキシ基で置換され得る。
【0015】
R’及び他の場合におけるアリール基は、1個以上のヘテロ原子で置換された、若しくは置換されていない、炭素環又はヘテロ環残基を意味し、例えば、フェニル、ナフチル、フリル、チエニル、ピリジル、ピラゾリル、ピリミジニル、オキサゾリル、ピリダジニル、ピラジニル、キノリニル、チアゾリルであり、そしてそれらは、ハロゲン、OH、O−アルキル、CO2H、CO2−アルキル、NH2、NO2、N3、CN、C1−C10−アルキル、C1−C10−アシル、C1−C10−アシルオキシ基で一置換、又は複数置換され得る。アリールが、アルキル、アルケニル又はアルキニル上の置換基として言及されるのであれば、これは特に、6〜12個の環炭素原子を有するアリール基のことである。
【0016】
R’におけるアラルキルは、14個までの炭素原子、好ましくは6〜10個までの炭素原子を環内に含み、そして1〜8個の、好ましくは1〜4個の炭素原子をアルキル鎖中に含み得るアラルキル基を意味する。アラルキル残基として、例えばベンジル、フェニルエチル、ナフチルメチル、ナフチルエチル、フリルメチル、チエニルエチル、ピリジルプロピルが考えられ得る。当該環は、ハロゲン、OH、O−アルキル、CO2H、CO2−アルキル、NO2、N3、CN、C1−C20−アルキル、C1−C20−アシル、C1−C20−アシルオキシ基で一置換又は複数置換され得る。
【0017】
アルコキシ(O−アルキル)が言及される場合、これは1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ基のことである。アルコキシは特に、メトキシ、エトキシ、及びプロポキシであり得る。
【0018】
アシル(CO−アルキル)が言及される場合、これは1〜20個の炭素原子を有するアシル基のことである。アシルは特に、ホルミル、アセチル、プロピオニル、及びブチリルであり得る。
【0019】
アシルオキシ(O−CO−アルキル)が言及される場合、これは1〜20個の炭素原子を有するアシルオキシ基のことである。アシルオキシは特に、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ 及びブチリルオキシであり得る。
【0020】
ハロゲンは、フッ素、塩素、又は臭素を意味する。これらの中で、塩素が好ましい。
【0021】
本発明は、一般的化学式I:
【0022】
【化1】

【0023】
[式中、
Zは、酸素、2つの水素原子、NOR’、及びNNHSO2R’を含む群から選択され、ここでR’は、水素、C1−C10−アルキル、アリール、又はC7−C20−アラルキルであり、
4は、水素及びハロゲンを含む群から選択され、
さらに:
6a、R6bは、各々独立して、水素、C1−C10−アルキル、C2−C10−アルケニル、及びC2−C10−アルキニルを含む群から選択され、又は一緒になってメチレン若しくは1,2−エタンジイルを形成し、そして
7は、水素、C1−C10−アルキル、C3−C6−シクロアルキル、C2−C10−アルケニル、及びC2−C10−アルキニルを含む群から選択されるか、
或いは:
6a、R7は、一緒になって、酸素若しくはメチレン基を形成し、又は脱落してC6とC7との間に二重結合を形成し、そして
6bは、水素、C1−C10−アルキル、C2−C10−アルケニル、及びC2−C10−アルキニルを含む群から選択されるかのいずれかであり、
さらに:
15は水素であり、そして
16a、R16bは、一緒になってメチレン若しくは1,2−エタンジイルを形成し、又は各々独立して水素及びC1−C10−アルキルを含む群から選択されるか、
或いは:
15、R16aは、一緒になって酸素を形成するか、又は脱落してC15とC16との間に二重結合を形成し、そして
16bは、水素及びC1−C10−アルキルを含む群から選択されるかのいずれかであり、そして
18は、水素及びC1−C3−アルキルを含む群から選択される]
で表される、17−(1’−プロペニル)−17−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン誘導体に関する。
【0024】
さらに、本発明はまた、本発明の誘導体の溶媒和物、水和物、及び塩、並びにこれらの化合物の全ての立体異性体に関する。
【0025】
本発明の好ましい実施形態に従って、Zは酸素、NOR’、及びNNHSO2R’を含む群から選択される。
【0026】
本発明の別の好ましい実施形態に従って、Zは酸素を表す。
【0027】
本発明の別の好ましい実施形態に従って、R4は水素及び塩素を含む群から選択される。
【0028】
本発明の好ましい実施形態に従って、R6a及びR6bは、一緒になって1,2−エタンジイルを形成するか、又は各々水素である。
【0029】
本発明の捌の好ましい実施形態に従って、R7は、水素、メチル、エチル、及びビニルを含む群から選択される。
【0030】
本発明の別の好ましい実施形態に従って、R6a及びR7は、一緒になってメチレン基を形成する。
【0031】
本発明の別の好ましい実施形態に従って、R6a及びR7は、脱落してC6とC7との間に二重結合を形成する。
【0032】
本発明の別の好ましい実施形態に従って、R15は水素である。
【0033】
本発明の別の好ましい実施形態に従って、R15及びR16aは、一緒になって酸素を形成するか、又は脱落してC15とC16との間に二重結合を形成する。
【0034】
本発明の別の好ましい実施形態に従って、R16aは水素であり、そしてR16bはメチルである。
【0035】
本発明の別の好ましい実施形態に従って、R16a及びR16bは水素である。
【0036】
本発明の別の好ましい実施形態に従って、R16a及びR16bは、一緒になってメチレンを形成する。
【0037】
本発明の別の好ましい実施形態に従って、R16a及びR16bは、一緒になって1,2−エタンジイルを形成する。
【0038】
本発明の別の好ましい実施形態に従って、R18は、水素及びメチルを含む群から選択される。
【0039】
Zが、酸素又はNOR’であり、ここでR’は水素、C1−C6−アルキル、アリール、又はC7−C12−アラルキルであり、
4が、水素又はハロゲンであり、
さらに:
6a、R6bが、各々独立して、水素、C1−C6−アルキル、C2−C6−アルケニル、及びC2−C6−アルキニルを含む群から選択され、又は一緒になってメチレン若しくは1,2−エタンジイルを形成し、そして
7が、水素、C1−C6−アルキル、C3−C6−シクロアルキル、C2−C6−アルケニル、又はC2−C6−アルキニルであるか、
或いは:
6a、R7が、一緒になってメチレン基を形成し、又は脱落してC6とC7との間に二重結合を形成し、そして
6bが、水素、C1−C6−アルキル、C2−C6−アルケニル、又はC2−C6−アルキニルであるかのいずれかであり、
さらに:
15が水素であり、そして
16a、R16bが、一緒になってメチレン若しくは1,2−エタンジイルを形成し、又は各々独立して水素及びC1−C6−アルキルを含む群から選択されるか、
或いは:
15、R16aが、脱落してC15とC16との間に二重結合を形成し、そして
16bが、水素及びC1−C6−アルキルを含む群から選択されるかのいずれかであり、そして
18が、水素又はC1−C2−アルキルである、一般的化学式Iで表される化合物、及びこの場合における本発明の誘導体の溶媒和物、水和物、及び塩、並びにこれらの誘導体の全ての立体異性体が特に好ましい。
【0040】
Zが、酸素又はNOR’であり、ここでR’は水素又はC1−C3−アルキルであり、
4が、水素、塩素、又は臭素であり、
さらに:
6a、R6bが、各々独立して、水素、C1−C3−アルキル、及びC2−C4−アルケニルを含む群から選択され、又は一緒になってメチレン若しくは1,2−エタンジイルを形成し、そして
7が、水素、C1−C4−アルキル、C3−C4−シクロアルキル、又はC2−C4−アルケニルであるか、
或いは:
6a、R7が、一緒になってメチレン基を形成し、又は脱落してC6とC7との間に二重結合を形成し、そして
6bが、水素、C1−C3−アルキル、又はC2−C4−アルケニルのいずれかであり、
さらに:
15が水素であり、そして
16a、R16bが、水素であるか、又は一緒になってメチレン若しくは1,2−エタンジイルを形成するか、
或いは:
15、R16aが、脱落してC15とC16との間に二重結合を形成し、そして
16bが、水素であるかのいずれかであり、そして
18が、水素又はメチルである、一般的化学式Iで表される化合物、及びこの場合における本発明の誘導体の溶媒和物、水和物、及び塩、並びにこれらの誘導体の全ての立体異性体が特に好ましい。
【0041】
一般的化学式Iの化合物の、全ての可能な立体異性体、及びラセミ体を含む異性体混合物が、本明細書に明確に含まれる。ステロイドの基本構造中における、前述の各々の置換基は、α位及びβ位の両方に存在し得る。さらに、二重結合を含むステロイド基本構造上の置換基であって、二重結合を含むステロイド基本構造中で、各々の炭素原子上の二重結合が、少なくとも一つの置換基を有する場合において、当該構造上の置換基は、E又はZ配置であり得る。当該構造の2つの隣接炭素原子と結合する群、例えば酸素原子、メチレン又は1,2−エタンジイルは、α,α−位又はβ,β−位のいずれかで結合する。
【0042】
溶媒和物の形態である本発明の誘導体、特に水和物が同様に明確に含まれ、したがって本発明の化合物は、本発明の化合物の結晶格子の構造要素として、極性溶媒を含み、特に水を含む。極性溶媒、特に水が、化学量論的比率で、又は非化学量論的比率でさえ存在し得る。化学量論的溶媒和物及び水和物は、ヘミ−、(セミ−)、モノ−、セスキ−、ジ−、トリ−、テトラ−、ペンタ−など溶媒和物又は水和物とも呼ばれる。
【0043】
酸性官能基が存在する場合、有機及び無機塩基の生理学的に相溶性のある塩が塩として好適であり、例えば、容易に溶解するアルカリ金属及びアルカリ土類金属塩、並びにN−メチルグルカミン、D−メチルグルカミン、エチルグルカミン、リシン、1,6−ヘキサジアミン、エタノールアミン、グルコサミン、サルコシン、セリノール、トリスヒドロキシメチルアミノメタン、アミノプロパンジオール、Sovak塩基、1−アミノ−2,3,4−ブタントリオールの塩である。塩基性官能基が存在する場合、有機及び無機酸の生理学的に相溶性のある塩が好適であり、例えば塩酸、硫酸、リン酸、クエン酸、酒石酸などの塩である。
【0044】
本発明の誘導体の化合物は、優れたプロゲステロン性作用を有することが分かった。さらに、本発明の幾つかの興味深い化合物が、ミネラルコルチコイド受容体と相互作用し、そしてアンタゴニスト性作用を提供することができる。さらに本発明の化合物は、アンドロゲン受容体に関して、中性〜弱アンドロゲン性作用を有する。大部分の当該化合物の別の特性は、すなわちプロゲステロン受容体への結合能力とミネラルコルチコイド受容体への結合能力との比率が、ドロスピレノンの場合よりも低いように、プロゲステロン受容体及びミネラルコルチコイド受容体へのこれらの化合物の結合が、お互いに釣り合っていることである。したがって、所定のプロゲステロン性作用を有するこれらの化合物の抗ミネラルコルチコイド作用は、ドロスピレノンを用いた場合よりも低い。したがって、本発明の所定の化合物用量がそのプロゲステロン性作用に基づく場合、当該用量でのこれらの化合物の抗ミネラルコルチコイド作用は、ドロスピレノンを用いた場合よりも低い。
【0045】
以下に列挙された化合物が特に好ましい(さらに、以下に記載された合成例に、参照が同様になされる):
【0046】
【表1】

【0047】
【表2】

【0048】
【表3】

【0049】
【表4】

【0050】
【表5】

【0051】
【表6】

【0052】
それらのプロゲステロン性効果に基づいて、一般的化学式Iの新規化合物は、避妊用医薬品において、単体で、又はエストロゲンとの併用で使用され得る。
【0053】
本発明の誘導体は、したがって、ホルモン交換療法(HRT)用の調製物における使用を含めて、経口避妊用の、及び閉経前、閉経前後、及び閉経後の病状を処置するための医薬品の製造のために特に好適である。
【0054】
それらの好ましい作用プロファイルのために、本発明の誘導体は、月経前の病状、例えば頭痛、憂鬱気分、水分保持、及び乳房痛の治療にさらに特に好適である。
【0055】
本発明の誘導体の使用は、プロゲステロン性を有する医薬品、並びに好ましくは抗ミネラルコルチコイド性作用及び中性〜弱いアンドロゲン性作用を有する医薬品の製造のために特に好ましい。
【0056】
本発明の誘導体を用いた処置は、好ましくはヒトへ適用されるが、関連のある哺乳動物種、例えばイヌ及びネコに対してもなされ得る。
【0057】
医薬品としての、本発明の誘導体の使用のために、それらは、少なくとも一つの好適な薬学的に無害である添加剤、例えば担体と組み合され得る。当該添加剤は例えば、非経口の、好ましくは経口の適用のために好適である。関連のある材料は、薬学的に好適な有機性又は無機性の不活性添加剤、例えば水、ゼラチン、アラビアゴム、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、タルク、植物油、ポリアルキレングリコールなどである。当該医薬品は、固体形態で、例えば錠剤、被覆錠、坐剤、カプセルとして、又は液体形態で、例えば溶液、懸濁液、又はエマルションとして存在し得る。場合によりそれらはまた、特定の賦形剤、例えば保存剤、安定剤、湿潤剤、若しくは乳化剤、浸透圧を変化させるための塩、又は緩衝液を含み得る。非経口適用のために、油状溶液が特に好適であり、例えばゴマ油、キャスターオイル、及び綿実油の溶液である。溶解性を増大させるため、可溶化剤、例えば安息香酸ベンジル、又はベンジルアルコールが添加され得る。本発明の誘導体を経皮性の系に組み込み、したがってそれらを経皮的に適用することがまた可能である。経口適用のために、錠剤、被覆錠、カプセル、丸薬、懸濁液又は溶液が特に考えら得る。
【0058】
投与経路のさらなる例は、膣内又は子宮内投与である。これは、生理学的に許容される溶液、例えば好適な可溶化剤、分散剤、又は乳化剤を有する、若しくは有しない、水溶液又は油性溶液を用いて可能である。
【0059】
好適な油の例は、ピーナッツ油、綿実油、キャスター油、又はゴマ油である。当該選択は、それらに決して限定されない。
【0060】
膣内又は子宮内投与に関して、特別な系、例えば膣内系(例えばバージナルリング(virginal ring)、VRS)、又は、発明の活性物質を長期間(例えば1、2、3、4、又は5年)かけて容器から放出する子宮内系(intrauterine system)(IUS)を使用することが可能である。
【0061】
言及され得る子宮内系の代表例は、MIRENA(登録商標)である。これは、Bayer Schering Pharma AGからの、T形の、レボノルゲストレルを放出する子宮内系である。
【0062】
不活性担体材料、例えば、生分解性ポリマー、又は合成シリコーンポリマーから構成される、埋め込みデポ系を経由した投与がさらに可能である。これらのデポ系は、活性成分を調節された方法で長期間(例えば3カ月〜3年)かけて放出し、そして皮下に埋め込まれる。
【0063】
避妊用調製物における、本発明の誘導体の投与量は、1日あたり0.01〜10mgであるべきである。月経前の病状の治療のため一日投与量は、約0.1〜20mgである。本発明のプロゲステロン性誘導体は、避妊用調製物、及び月経前の病状の治療のための医薬品において、好ましくは経口で投与される。一日投与量は、好ましくは単回投与量で投与される。前述の投与量は、経口投与形態に関する。
【0064】
デポ製剤の使用において、前述の経口投与量に相当する好適な投与量は、各日において前述のデポ系から連続的に放出され、そして長期間作用する。
【0065】
プロゲステロン性及びエストロゲン性活性成分は、好ましくは避妊用調製物において経口で一緒に適用される。一日投与量は、好ましくは単回投与量として投与される。
【0066】
エストロゲンとして、合成エストロゲンが、好ましくはエチニルエストラジオールのみならず、メストラノールが、及びフィトエストロゲンを含む天然エストロゲンが考えられる。
【0067】
エストロゲンは、0.01〜0.04mgのエチニルエストラジオールの薬理学的作用に相当する一日投与量で投与される。この量は、経口投与形態に関する。異なる投与経路が選択される場合、前述の経口投与量と等しい好適な投与量が使用される。
【0068】
閉経前、閉経前後、及び閉経後の病状を処置するための、及びホルモン交換療法のための医薬品におけるエストロゲンとして、天然のエストロゲンが主に使用され、特にエストラジオールのみならずエストラジオールのエステル、例えば吉草酸エストラジオール、又は結合型エストロゲン(CEE=結合型ウマエストロゲン)が使用される。
【0069】
本発明の化合物のプロゲステロン性、抗ミネラルコルチコイド性、及びアンドロゲン性又は抗アンドロゲン性作用が、以下の方法によって調べられた:
【0070】
1.プロゲステロン受容体結合試験:
プロゲステロン受容体発現性昆虫細胞(Hi5)由来のシトソルを使用して、参照物質としての3H−プロゲステロンを当該受容体から移動させる能力によって、プロゲステロン受容体に対する競合結合が決定された。化合物がプロゲステロンと同等の親和性を有する場合、これは、競合係数(competition factor)(CF)1に相当する。1超のCF値は、プロゲステロン受容体へのより低い親和性によって特徴付けられ、そして1未満のCF値は、より高い親和性によって特徴付けられる。
【0071】
2.ミネラルコルチコイド受容体結合試験:
当該試験を、以下の変更を用いて、1.と同様に行った:ミネラルコルチコイド受容体発現性昆虫細胞(Hi5)由来のシトソルが使用され、そして参照物質は3H−アルドステロンであった。
【0072】
3.アンドロゲン受容体結合試験
当該試験を、以下の変更を用いて、1.と同様に行った:アンドロゲン受容体発現性昆虫細胞(Hi5)由来のシトソルが使用され、そして参照物質は3H−アルドステロンであった。
【0073】
結合試験の結果、及び競合係数CF(PR)とCR(MR)との比率を表1に示し、そして比較のために、参照物質Aとしてのドロスピレノンの受容体結合値を同様に示す。
【0074】
4.トランス活性化試験による、プロゲステロン性作用の決定
アッセイのために使用される細胞の培養のために使用される培養培地は、10%FCS(Biochrom,S0115,バッチ#615B)、4mM L−グルタミン、1%ペニシリン/ストレプトマイシン、1mg/ml G418、及び0.5μg/mlピューロマイシンを含む、MEM(ダルベッコ改質イーグル培地:4500mg/ml グルコース;PAA,#E15−009)であった。
【0075】
受容体細胞株(PRリガンド結合ドメイン、及びGal4トランス活性化ドメイン、及び受容体コンストラクト由来であって、Gal4応答性プロモーターの制御下でルシフェラーゼを含んだ融合タンパク質を、安定にトランスフェクトされたCHO K1細胞)を、96ウェル入りの白色不透明の組織培養プレートのウェル(PerkinElmer, #P12−106−017)に、1ウェルあたり4×104個の細胞の濃度で播き、そして培養培地を、(血清中に含まれる干渉性成分を除去するために、活性炭処理された)3%DCC−FCSを有する培養培地中に維持した。試験化合物を8時間後に添加し、そして細胞を当該化合物と共に16時間インキュベートした。当該試験を3回行った。インキュベーションの最後に、エフェクターを含む培地を除去し、そして溶解緩衝液で置き換えた。ルシフェラーゼアッセイの基質(Promega,#E1501)を加えた後、96ウェルプレートをマイクロプレートルミノメーター(Pherastar,BMG labtech)に置き、そして蛍光を測定した。用量−効果の関係を計算するためのソフトウェアを使用してIC50値を評価した。表2は試験結果を示し、比較のために、参照物質Aとしてのドロスピレノンに関する対応する結果を示す。
【0076】
5.トランス活性化試験による、抗ミネラルコルチコイド作用の決定:
試験物質の抗ミネラルコルチコイド活性を、上記のトランス活性化試験と同様に決定した。
【0077】
以下の変更がなされた:この場合において、ヒトミネラルコルチコイド受容体を、及びステロイドホルモン応答性プロモーターの制御下でルシフェラーゼを含むレポーターコンストラクトを一時的に含む、レポーター細胞株(MDCK細胞)が使用された。
【0078】
アッセイに使用される細胞の培養のために使用される培養培地は、100U ペニシリン/0.1mg/ml ストレプトマイシン(PAA,Cat:P11−010)、4mM L−グルタミン(PAA,Cat:M11−004)、及び胎児ウシ血清(BIO Witthaker,Cat:DE14−801F)を有する、DMEM EARLE
S MEM(PAA,Cat.:E15−025)であった。
【0079】
抗ミネラルコルチコイドの効果の決定のために、1nMのアルドステロン(SIGMA A−6628,ロット22H4033)を細胞へ添加し、レポーター遺伝子のほぼ最大の刺激を達成した。効果の阻害は、当該物質のミネラルコルチコイド−アンタゴニスト性作用を示した(表2;比較のための、ドロスピレノン(A)と同等の値)。
【0080】
6.トランス活性化試験による、アンドロゲン性/抗アンドロゲン性作用の決定:
試験物質のアンドロゲン性/抗アンドロゲン性作用を、上記のトランス活性化試験と同様に決定した。
【0081】
以下の変更がなされた:この場合において、アンドロゲン受容体、及びステロイドホルモン応答性プロモーターの制御下でルシフェラーゼを含むレポーターコンストラクトを発現するレポーター細胞株(PC3細胞)を使用した。
【0082】
アンドロゲンの効果の決定のために、レポーター遺伝子のほぼ最大の刺激を達成するために、0.05nM R1881を当該細胞へ添加した。効果の阻害は、当該物質のアンドロゲン−アンタゴニスト性作用を示した(表2;比較のための、ドロスピレノン(A)と同等の値)。
【0083】
出発化合物の製造が本明細書に記載されていない場合、これらは当業者に既知であるか、又は、既知化合物と同様に、若しくは本明細書に記載された方法で製造され得る。異性体混合物は、従来法により、例えば結晶化、クロマトグラフィー、又は塩形成により、単一の化合物へと分離され得る。塩は、従来法において、一般的化学式Iの当該化合物の溶液へ等量又は過剰量の塩基又は酸を、場合より溶液形態で添加することによって、必要ならば沈殿物を分離するか、又は当該溶液を従来法で処理することによって調製される。
【0084】
一般的化学式Iの化合物は、一般的化学式1a(スキーム2)又は1b(スキーム3)の化合物から出発して、スキーム1で示される方法に従って製造され、ここでR4、R6a、R6b、R7、R15、R18及びZは、先に記載した意味を有し、そして、
6、R7は、8bにおいて一緒になって酸素又はメチレン基を形成し、
16a、R16bは、一緒になって32a及び40aにおいてメチレンを形成し、32b及び40bにおいて一緒になって1,2−エタンジイルを形成し、32c及び40cにおいて各々独立して水素及びC1−C10−アルキルを含む群から選択され、
Uは、酸素、2つのアルコキシ基OR19、C2−C10−アルキレン−α,ω−ジオキシ基であり、それらは直鎖又は分岐鎖であり得、そしてR19はC1−C20−アルキル残基を表し、
20は、C1−C20−アルキル残基を表し、
Xは、NR21a21b−基か又はアルコキシ基OR22であり、
21a、R21bは、各々独立して、水素及びC1−C10−アルキルを含む群から選択されるか、又は一緒になってC4−C10−α,ω−アルキレン基を形成し、ここでそれらは直鎖又は分岐鎖であり、そして、
22は、C1−C20−アルキル残基である。
【0085】
当業者にとって、合成変換の記載において、必要ならばステロイド構造上に存在する他の官能基が好適に保護されることが常に仮定されることは明らかである。
【0086】
一般的化学式5、8a、10又は12の化合物の形成における6,7−二重結合の導入は、各々の3,5−ジエノールエーテル、4、7、9又は11のブロモ化、その後の臭化水素の脱離によって行われる(J.Fried,J.A.Edwards,Organic Reactions in Steroid Chemistry,Van Nostrand Reinhold Company 1972,p.265−374を参照)。
【0087】
化合物4、7、9又は11のジエノールエーテルのブロモ化は、例えば、Steroids 1,233(1963)の記載と同様の方法で行われ得る。一般的化学式5、8a、10又は12の化合物の形成における臭化水素の脱離は、6−ブロモ化合物を塩基性試薬、例えばLiBr又はLi2CO3と共に、非プロトン性溶媒、例えばジメチルホルムアミドと、50〜120℃で加熱することによって、又は6−ブロモ化合物をコリジン又はルチジンの溶媒中で加熱することによって達成される。
【0088】
置換基R4の導入は、例えば一般的化学式3、5、6、8a、8b、又は10の一つの化合物から出発して、塩基性条件下、過酸化水素を用いて4,5−二重結合をエポキシ化し、そして生じるエポキシドを好適な溶媒中、一般的化学式H−R4(R4はハロゲン原子、好ましくは塩素又は臭素であり得る)の酸と反応させることによって行われ得る。R4が臭素の意味である化合物は、例えば、ジメチルホルムアミド中、ヨウ化銅(I)の存在下、2,2−ジフルオロ−2−(フルオロスルホニル)メチルアセテートと反応して、R4がフッ素の意味である化合物を形成し得る。代わりに、一般的化学式3、5、6、8a、8b、又は10の一つの化合物から出発して、塩化スルフリル又は臭化スルフリルと、好適な塩基、例えばピリジンの存在下で反応させることによって直接的にハロゲンを導入し得、ここでR4は、塩素又は臭素の意味である。
【0089】
化合物5又は12は、6,7−二重結合を、例えばジメチルスルホキソニウムメチリドを用いる既知の方法(例えば独国特許出願公開第A1183500号明細書、独国特許出願公開第A2922500号明細書、欧州特許出願公開第A0019690号明細書、U米国特許第A4,291,029号明細書;J.Am.Chem.Soc.84,867(1962)を参照)でメチル化することによって、α−及びβ−異性体混合物の化合物8b又は13(R6、R7は一緒になってメチレン基を形成する)へと変換され、そしてそれは例えばクロマトグラフィーにより個々の異性体へと分離され得る。
【0090】
化合物8b又は13は、実施例に記載された通りに得られるか、又は当該実施例に記載された類似の試薬を使用して、これらの記載と同様にして得られる。
【0091】
スピロ環化合物10(R6、R7は一緒になって1,2−エタンジイル基を形成する)の合成は、化合物3又は5から出発して、そしてそれは3−アミノ−3,5−ジエン誘導体7(X=NR21a21b)へと初めに変換される。ホルマリンのアルコール溶液との反応によって、6−ヒドロキシメチレン誘導体8a(R6=ヒドロキシメチレン)が得られる。ヒドロキシル基を脱離基、例えばメシレート、トシレート、又はベンゾエートへと変換した後、化合物10は、塩基、例えばアルカリヒドロキシド、アルカリアルコレートと共に、好適な溶媒、例えばジメチルスルホキシド中で、トリメチルスルホキソニウムヨージドと反応させることによって製造され得る。
【0092】
6−メチレン基の導入のために、化合物8a(R6=ヒドロキシメチレン)は、例えば塩酸のジオキサン/水中で脱水され得る。化合物10(R6a、R6bは一緒になってメチレンを形成する)はまた、ヒドロキシル基を脱離基、例えばメシレート、トシレート、又はベンゾエートへと変換した後に製造され得る(DE−A3402329、EP−A0150157、US−A4,584,288;J.Med.Chem.34,2464(1991)を参照)。
【0093】
6−メチレン化合物10の製造の別の可能性は、4(5)−不飽和3−ケトン、例えば化合物8a(R6=水素)を、ホルムアルデヒドアセタールと、酢酸ナトリウムの存在下、例えばオキシ塩化リン、または五塩化リンとを用いて、好適な溶媒、例えばクロロホルム中で直接的に反応させることである(K.Annen,H.Hofmeister,H. Laurent and R.Wiechert,Synthesis 34(1982))。
【0094】
6−メチレン化合物は、一般的化学式10の化合物(R6aはメチルであり、そしてR6b及びR7は、脱落してC6とC7との間に二重結合を形成する)の製造のために使用され得る。
【0095】
これに関して、例えば、Tetrahedron 21,1619(1965)に記載された方法を使用することが可能であり、そしてその中で、二重結合の異性化が、6−メチレン化合物をエタノール中、5%パラジウム/チャコール触媒と共に、水素で前処理して加熱することによって、又は少量のシクロヘキセンと共に加熱することによってのいずれかで達成される。異性化はまた、少量のシクロヘキセンが反応混合物へ添加される場合、前処理せずに触媒と共に行われ得る。少量の水素化産物の形成は、過剰の酢酸ナトリウムを加えることによって防ぐことができる。
【0096】
代わりに、化合物9(X=OR22)は前駆体として使用され得る。6−メチル−4,6−ジエン−3−オン−誘導体の直接的合成が記載されている(K.Annen,H.Hofmeister,H.Laurent and R.Wiechert,Lieb.Ann.712(1983)を参照)。
【0097】
6bがα−メチル基である化合物10は、6−メチレン化合物から、水素化によって好適な条件で製造され得る(10:R6a、R6bが、一緒になってメチレンを形成する)。最も優れた結果(exo−メチレン基の選択的水素化)は、水素転移反応によって達成される(J.Chem.Soc.3578(1954))。6-メチレン誘導体 10は、好適な溶媒、例えばエタノール中で、ヒドリドドナー、例えばシクロヘキセンの存在下で加熱され、その後6α−メチル誘導体が非常に良好な収率で得られる。少量の6β−メチル化合物が、酸性条件下において異性化され得る(Tetrahedron 1619(1965))。
【0098】
6β−メチル化合物の選択的合成がまた、可能ある。このために、4−エン−3−オン、例えば化合物8aが、例えばエチレングリコール、トリメチルオルトホルメートと、ジクロロメタン中、触媒量の酸、例えばp−トルエンスルホン酸の存在下で反応して、対応する3−ケタールが得られる。このケタール化の間、C5位への二重結合の異性化が起こる。この5位の二重結合の選択的エポキシ化が、例えば、有機過酸、例えば、m−クロロ過安息香酸を使用して、好適な溶媒、例えばジクロロメタン中で達成される。代わりに、エポキシ化はまた、例えばヘキサクロロアセトン又は3−ニトロトリフルオロアセトフェノンの存在下、過酸化水素を用いて行われ得る。形成された5,6α−エポキシドはその後、好適なアルキルマグネシウムハライド、又はアルキルリチウム化合物を使用してアキシアルに開環し得る。この方法で、α−ヒドロキシ−6β−アルキル化合物が得られる。3−ケト保護基が、緩やかな酸性条件(酢酸、又は4N塩酸、0℃)で除去され、5α−ヒドロキシ基を得る。例えば、希釈水酸化ナトリウムを用いた、5α−ヒドロキシ基の塩基性除去により、6−アルキル基をβ位に有する3−ケト−4−エン化合物を得る。代わりに、より厳しい条件(塩酸水溶液、又は他の強酸を使用)によるケタールの切断により、対応する6α−アルキル化合物を得る。
【0099】
一般的化学式6の化合物を形成する、7−アルキル−、7−アルケニル−又は7−アルキニル基の導入は、銅塩の作用下、対応する有機金属化合物の、一般的化学式5の前駆体への1,6−付加により達成される。二価金属、例えばマグネシウム及び亜鉛が好ましく;塩素、臭素、及びヨウ素が対イオンとして好ましい。好適な銅塩は、一価又は二価の銅化合物、例えば塩化銅、臭化銅、又は酢酸銅である。当該反応は不活性溶媒、例えばテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、又はジクロロメタン中で行われる。
【0100】
得られた化合物3、5、6、8a、8b、10、11又は12(ここでZは、酸素原子を表す)は、三級アミンの存在下、−20〜+40℃の温度で、ヒドロキシルアミン塩酸塩、アルコキシアミン塩酸塩、又はスルホニルヒドラジンとの反応によって変換されて、対応するE/Z配置のオキシム又はスルホニルヒドラゾンとなる(NOR’、NNHSO2R’を表すZを有する一般式I)。好適な三級塩基は、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアミノピリジン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン(DBN)、及び1,5−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデス−5−エン(DBU)であり、ピリジンが好ましい。ドロスピレノンの対応する3−オキシイミノ誘導体の製造に関して、同様の方法が、国際公開第98/24801A号に記載されている。
【0101】
一般的化学式I(Zは2つの水素原子を示す)の最終産物の製造のために、3−オキソ基が、好適な前駆体、例えば一般的化学式3、5、6、8a、8b、10、11又は12の化合物における、3−ケト化合物のチオケタールの還元的切断によって、例えば独国特許公開第A2805490号明細書に記載された方法に従って除去され得る。
【0102】
スピロエーテルの、一般的化学式6又は11の一つの化合物への形成は、対応する17−ヒドロキシプロペニル化合物5又は10から出発して、一級ヒドロキシル基を脱離基へと変換し、その後分子内置換を行うことによって行われる。ハロゲン原子、例えば、塩素、臭素、又はヨウ素、及びアルキル−、アリール−又はアラルキルスルホネート、例えば、メタンスルホネート、フェニルスルホネート、トリルスルホネート、トリフルオロメタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネートが、脱離基として好適である。スピロエーテルへの分子内環化は、好適な塩基、例えばトリエチルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、水素化ナトリウム、ヘキサメチルジシラザンナトリウム、ヘキサメチルジシラザンカリウム、カリウムtert−ブトキシド、又はn−ブチルリチウムを用いた、三級ヒドロキシル基の脱保護によって行われ得る。一つの反応容器中での、直接的分子内環化を用いた、脱離基の導入が可能である方法及び条件が好ましい。
【0103】
【化2】

【0104】
【化3】

【0105】
一般的化学式1aの化合物が、スキーム2の方法に従って製造され、ここでR15及びR18は先に記載した通りであり、そして
16a、R16bは、32a及び40aにおいて、一緒になってメチレンを形成し、32b及び40bにおいて一緒になって1,2−エタンジイルを形成し、32cにおいて各々独立して水素及びC1−C10−アルキルを含む群から選択され、
20は、C1−C20−アルキル残基である。
【0106】
スキーム2において1aに至る化合物30は、C5とC6との間に、又はC5とC10との間に二重結合を有し、及びC2とC3と間に、又はC3とC4の間にさらに二重結合を有する。
【0107】
【化4】

【0108】
【化5】

【0109】
一般的化学式1bの化合物は、スキーム3の方法に従って製造され、ここでR15及びR18は、先に記載した意味を有し、そして
16a、R16bは、40aにおいて、一緒になってメチレンを形成し、40bにおいて一緒になって1,2−エタンジイルを形成し、40cにおいて各々独立して水素及びC1−C10−アルキルを含む群から選択され、
Uは、酸素、2つのアルコキシ基OR19、C2−C10−アルキレン−α,ω−ジオキシ基であり、それらは直鎖又は分岐鎖であり得、そしてR19はC1−C20−アルキル残基を表す。
【0110】
スキーム3で1bに至る化合物38は、C4とC5との間に、又はC5とC6との間に、又はC5とC10との間に二重結合を有する。
【0111】
【化6】

【0112】
以下の実施例は、本発明のさらなる説明のために提供され、そして本発明は、示される実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0113】
実施例1:(スピロエーテル形成)
17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン
【0114】
【化7】

【0115】
実施例1aに従って合成された化合物10gの600mlジクロロメタン溶液へ、3℃で、43.6mlのトリエチルアミン、及び15,2gのp−トルエンスルホニルクロリドを加え、それを23℃で加熱し、そして15時間攪拌した。それを飽和炭酸水素ナトリウム溶液へと注ぎ、酢酸エチルで数回抽出し、合わせた有機層抽出物を水及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、そして硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過及び溶媒の除去後に得られた残渣をクロマトグラフィーによって精製した。7.93gの表題化合物を単離した。
【0116】
【化8】

【0117】
実施例1a:(ケタールの切断)
17α(Z)−(3’−ヒドロキシプロペン−1’−イル)−17β−ヒドロキシエストラ−4−エン−3−オン
【0118】
【化9】

【0119】
1.51mlの4N塩酸を、実施例1bに従って合成された化合物367mgの30mlアセトン溶液へと加え、そして30分間、23℃で攪拌した。それを飽和炭酸水素ナトリウム溶液へと注ぎ、酢酸エチルで数回抽出し、合わせた有機層抽出物を水及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、そして硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過及び溶媒の除去後に得られた残渣を、クロマトグラフィーによって精製した。269mgの表題化合物を単離した。
【0120】
実施例1b:(リンドラー水素化)
17α(Z)−(3’−ヒドロキシプロペン−1’−イル)−3,3−ジメトキシ−17β−ヒドロキシエストラ−5(10)−エン
【0121】
【化10】

【0122】
5.35mlのピリジン、及び560mgのパラジウム/硫酸バリウムを、実施例1cに従って製造された化合物3.94gの、90mlテトラヒドロフラン溶液に加え、そしてそれを水素雰囲気下で水素化した。それをセライトろ過し、エバポレーションによる濃縮の後、クロマトグラフィーを行い、3.04gの表題化合物を単離した。
【0123】
実施例1c:(ヒドロキシプロピンの付加)
17α−(3’−ヒドロキシプロピン−1’−イル)−3,3−ジメトキシ−17β−ヒドロキシエストラ−5(10)−エン
【0124】
【化11】

【0125】
1.13Lの2.3Mブチルリチウム−ヘキサン溶液を、92.7mlの2−プロピン−1−オールの1.4Lテトラヒドロフラン溶液へ、−60℃で加えた。30分後、100gの3,3−ジメトキシエストラ−5(10)−エン−17−オンの0.8Lテトラヒドロフラン溶液を加え、23℃まで昇温し、そしてさらに16時間攪拌した。それを水へ注ぎ、酢酸エチルで数回抽出し、合わせた有機層抽出物を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、そして硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過及び溶媒の除去後に得られた残渣を、結晶化により精製した。72.9gの表題化合物を単離した。
【0126】
実施例2:(ジエノールエーテルからのジエノン形成)
17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4,6−ジエン−3−オン
【0127】
【化12】

【0128】
454mgの酢酸ナトリウム、及び4.5mlの水を、実施例2aに従って製造された化合物4.0gの、45.4ml N−メチルピロリドン溶液へと加え、それを−10℃に冷却し、そして全体で1.75gのジブロモヒダントインを一度に加えた。30分後、1.7gの臭化リチウム及び1.49gの炭酸リチウムを加え、そして湯浴温度100℃で1時間加熱した。それを氷と塩化ナトリウム溶液との混合物へと注ぎ、沈澱した産物を吸引ろ過した。3.93gの表題化合物を粗精製物として単離し、そしてそれをさらにそのまま反応させ得るか、又は再結晶によってさらに精製し得る。
【0129】
【化13】

【0130】
実施例2a:(ジエノールエーテル形成)
3−メトキシ−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−3,5−ジエン
【0131】
【化14】

【0132】
60.3mgのピリジニウムp−トルエンスルホネートを、実施例1に従って製造された化合物500mgの、5.96mlの2,2−ジメトキシプロパンへ加え、そしてそれを2時間加熱還流した。それを飽和炭酸水素ナトリウム溶液へと注ぎ、酢酸エチルで数回抽出し、合わせた有機層抽出物を水及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、そして硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過及び溶媒の除去後に得られた残渣を、再結晶によって精製した。351mgの表題化合物を単離した。
【0133】
実施例3:(1,6−付加)
7α−メチル−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン(A)、及び7β−メチル−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン(B)
【0134】
【化15】

【0135】
778μlの3M塩化メチルマグネシウム−テトラヒドロフラン溶液を、−30℃に冷却された塩化銅(I)18.5mgの2.9mlテトラヒドロフラン懸濁液へ滴下し、それをさらに10分間攪拌した。−25℃に冷却し、当該溶液を、実施例2に従って製造された化合物290mgの3.3mlテトラヒドロフラン液へ滴下した。10分後、1N塩酸中に注ぎ、酢酸エチルで数回抽出し、合わせた有機層抽出物を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、そして硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過及び溶媒の除去後に得られた残渣を、クロマトグラフィーによって精製した。148mgの表題化合物Aを単離し、同時に表題化合物Bをある割合で含む混合物を得た。
【0136】
【化16】

【0137】
実施例4:
7α−エチル−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン(A)、及び7β−エチル−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン(B)
【0138】
【化17】

【0139】
実施例3と同様にして、塩化エチルマグネシウムを使用して、実施例2に従って製造された化合物550mgを反応させ、そして処理及び精製の後、37mgの表題化合物A、及び9mgの表題化合物Bを単離した。
【0140】
【化18】

【0141】
【化19】

【0142】
実施例5:
17α−(1’−プロペニル)−7α−ビニル−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン(A)、及び17α−(1’−プロペニル)−7β−ビニル−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン(B)
【0143】
【化20】

【0144】
実施例3と同様にして、塩化ビニルマグネシウムを使用して、実施例2に従って製造された化合物550mgを反応させ、そして処理及び精製の後、58mgの表題化合物Aを単離し、同時に表題化合物Bをある割合で含む混合物を得た。
【0145】
【化21】

【0146】
実施例6:
16,16−エチレン−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン
【0147】
【化22】

【0148】
実施例1と同様にして、実施例6aに従って製造された化合物400mgを反応させ、そして処理及び精製の後、236mgの表題化合物を単離した。
【0149】
【化23】

【0150】
実施例6a:
16,16−(1,2−エタンジイル)−17α(Z)−(3’−ヒドロキシプロペン−1’−イル)−17β−ヒドロキシエストラ−4−エン−3−オン
【0151】
【化24】

【0152】
実施例6bに従って製造された化合物2.83gを実施例1aと同様に反応させ、処理及び精製の後、1.64gの表題化合物を単離した。
【0153】
実施例6b:
3,3−ジメトキシ−16,16−(1,2−エタンジイル)−17α(Z)−(3’−ヒドロキシプロペン−1’−イル)−17β−ヒドロキシエストラ−5(10)−エン
【0154】
【化25】

【0155】
実施例6cに従って製造された化合物2.98gを実施例1bと同様に反応させ、処理及び精製の後、2.84gの表題化合物を単離し、そして当該表題化合物をさらなる精製無しに反応させた。
【0156】
実施例6c:
3,3−ジメトキシ−16,16−(1,2−エタンジイル)−17α(Z)−(3’−ヒドロキシプロピン−1’−イル)−17β−ヒドロキシエストラ−5(10)−エン
【0157】
【化26】

【0158】
実施例6dに従って製造された化合物100mgを実施例1cと同様に反応させ、処理及び精製の後、116mgの表題化合物を単離し、そして当該表題化合物をさらなる精製無しに反応させた。
【0159】
実施例6d:(16,16−メチレンからの16,16−シクロプロパン化)
3,3−ジメトキシ−16,16−(1,2−エタンジイル)−エストラ−5(10)−エン−17−オン
【0160】
【化27】

【0161】
60%水素化ナトリウム−ホワイトオイル懸濁液1.05gを、23℃にて、5.61gのスルホキソニウムヨージドの100mlジメチルスルホキシド溶液へと一度に加えた。それをさらに2時間攪拌し、その後、実施例6eに従って製造された化合物2.1gの40mlジメチルスルホキシド溶液を滴下し、さらに16時間反応を継続した。それを水へと注ぎ、酢酸エチルで数回抽出し、合わせた有機層抽出物を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、そして硫酸ナトリウムで乾燥した。残余量のホワイトオイルを含む2.52gの表題化合物を単離し、そして当該表題化合物をさらなる精製無しで反応させた。
【0162】
実施例6e:(シリルエノールエーテルからの16,16−メチレン)
3,3−ジメトキシ−16−メチレン−エストラ−5(10)−エン−17−オン
【0163】
【化28】

【0164】
10mlのN,N,N’,N’−テトラメチルジアミノメタンを、3,3−ジメトキシ17−トリメチルシリルオキシ−エストラ−5(10),16−ジエン6.1gの30mlテトラヒドロフラン溶液へ加え、それを3℃に冷却し、そして10mlの無水酢酸を加えた。23℃へと昇温し、そして反応を2日間継続した。それを飽和炭酸水素ナトリウム溶液へと注ぎ、酢酸エチルで数回抽出し、合わせた有機層抽出物を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、そして硫酸ナトリウムで乾燥した。それをシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、そして1.6gの表題化合物を単離した。
【0165】
実施例7:
18−メチル−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン
【0166】
【化29】

【0167】
実施例1と同様に、実施例7aに従って製造された化合物10gを反応させ、処理及び精製の後、8.26gの表題化合物を単離した。
【0168】
【化30】

【0169】
実施例7a:
17α(Z)−(3’−ヒドロキシプロペン−1’−イル)−18−メチル−17β−ヒドロキシエストラ−4−エン−3−オン
【0170】
【化31】

【0171】
実施例7bに従って製造された化合物6.35gを、実施例1aと同様にして反応させ、処理及び精製の後、3.02gの表題化合物を単離した。
【0172】
実施例7b:
17α(Z)−(3’−ヒドロキシプロペン−1’−イル)−3−メトキシ−18−メチル−17β−ヒドロキシエストラ−2,5(10)−ジエン
【0173】
【化32】

【0174】
実施例7cに従って製造された化合物7.86gを、実施例1bと同様にして反応させ、処理及び精製の後、6.35gの表題化合物を単離し、そして当該表題化合物をさらなる精製無しに反応させた。
【0175】
実施例7c:
17α(Z)−(3’−ヒドロキシプロピン−1’−イル)−3−メトキシ−18−メチル−17β−ヒドロキシエストラ−2,5(10)−ジエン
【0176】
【化33】

【0177】
5.0gの3−メトキシ−18−メチル−17β−ヒドロキシエストラ−2,5(10)−ジエン−17−オンを、実施例1cと同様にして反応させ、処理の後、7.86gの表題化合物を単離し、そして当該表題化合物をさらなる精製無しに反応させた。
【0178】
実施例8:
18−メチル−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4,6−ジエン−3−オン
【0179】
【化34】

【0180】
実施例2と同様に、実施例8aに従って製造された化合物1.04gを反応させ、処理及び精製の後、498mgの表題化合物を単離した。
【0181】
【化35】

【0182】
実施例8a:
3−メトキシ18−メチル−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−3,5−ジエン
【0183】
【化36】

【0184】
実施例2aと同様に,実施例1に従って製造された化合物10gを反応させ、処理の後、11gの表題化合物を単離し、そして当該表題化合物をさらなる精製無しに反応させた。
【0185】
実施例9:
7α,18−ジメチル17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン(A)、及び7β,18−ジメチル−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン(B)
【0186】
【化37】

【0187】
実施例3と同様にして、実施例8に従って製造された化合物200mgを反応させ、そして処理及び精製の後、82mgの表題化合物Aを単離し、同時に表題化合物Bをある割合で含む混合物を得た。
【0188】
【化38】

【0189】
実施例10:
7α−エチル−18−メチル−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン(A)、及び7β−エチル−18−メチル−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン(B)
【0190】
【化39】

【0191】
実施例3と同様にして、塩化メチルマグネシウムを使用して、実施例8に従って製造された化合物200mgを反応させ、そして処理及び精製の後、28mgの表題化合物Aを単離し、同時に表題化合物Bをある割合で含む混合物を得た。
【0192】
【化40】

【0193】
実施例11:
7α−ビニル−18−メチル−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン(A)、及び7β−ビニル−18−メチル−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン(B)
【0194】
【化41】

【0195】
実施例3と同様にして、塩化ビニルマグネシウムを使用して、実施例8に従って製造された化合物200mgを反応させ、そして処理及び精製の後、41mgの表題化合物Aを単離し、同時に表題化合物Bをある割合で含む混合物を得た。
【0196】
【化42】

【0197】
実施例12:
7α−シクロプロピル−18−メチル−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン(A)、及び7β−シクロプロピル−18−メチル−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン(B)
【0198】
【化43】

【0199】
実施例3と同様にして、臭化シクロプロピルマグネシウムを使用して、実施例8に従って製造された化合物200mgを反応させ、そして処理及び精製の後、47mgの表題化合物Aを単離し、同時に表題化合物Bをある割合で含む混合物を得た。
【0200】
【化44】

【0201】
実施例13:(6−ヒドロキシメチルの導入)
6β−ヒドロキシメチレン−18−メチル−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン
【0202】
【化45】

【0203】
860μlの37%ホルムアルデヒド水溶液を、実施例13aに従って製造された化合物830mgの、8mlトルエン及び18mlエタノールの混合溶液中へ加え、そして23℃で6時間攪拌した。エバポレーションにより濃縮し、そして残渣をクロマトグラフィーによって精製した。260mgの表題化合物を単離した。
【0204】
【化46】

【0205】
実施例13a:(ジエナミン形成)
18−メチル−3−ピロリジニル−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−3,5−ジエン
【0206】
【化47】

【0207】
584μlのピロリジンを、実施例7に従って製造された化合物1.0gの、10mlメタノール溶液へ加え、それを2時間加熱還流した。冷却し、沈澱を吸引ろ過し、少量の冷メタノールで洗浄し、そして840mgの表題化合物を得、そして当該表題化合物をさらに精製することなく反応させた。
【0208】
実施例14:
6β,7β−メチレン−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン(A)、及び6α,7α−メチレン−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン(B)
【0209】
【化48】

【0210】
215mgのトリメチルスルホニウムヨージドを、4.1mlのジメチルスルホキシドに溶解し、38.9mgの60%水素化ナトリウム分散物を加え、それを23℃で1.25時間攪拌した。その後、実施例8に従って製造された化合物76mgの、1.66mlジメチルスルホキシド溶液を滴下し、23℃にてさらに5時間攪拌した。それを水へと注ぎ、酢酸エチルで数回抽出し、合わせた有機層抽出物を水及び飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、そして硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過及び溶媒除去後に得られる残渣をクロマトグラフィーにより精製し、表題化合物AとBとの混合物8.2mgを単離した。
【0211】
実施例15:
7α−シクロプロピル−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン(A)、及び7β−シクロプロピル−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン(B)
【0212】
【化49】

【0213】
実施例3と同様にして、臭化シクロプロピルマグネシウムを使用して、実施例2に従って製造された化合物200mgを反応させ、そして処理及び精製の後、13.3mgの表題化合物Aを単離し、同時に表題化合物Bをある割合で含む混合物を得た。
【0214】
【化50】

【0215】
実施例16:(6,6−シクロプロパン化)
(6,6−1,2−エタンジイル)−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン
【0216】
【化51】

【0217】
64mgのトリメチルスルホニウムヨージドを、1.2mlのジメチルスルホキシドに溶解し、11.7mgの60%水素化ナトリウム分散物を加え、それを23℃で2時間攪拌した。その後、実施例16aに従って製造された化合物36mgの、0.46mlジメチルスルホキシド溶液を滴下し、23℃にてさらに2時間攪拌した。それを水へと注ぎ、酢酸エチルで数回抽出し、合わせた有機層抽出物を水及び飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、そして硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過及び溶媒除去後に得られる残渣をクロマトグラフィーにより精製し、4.2mgの表題化合物を単離した。
【0218】
【化52】

【0219】
実施例16a:(6−トシルオキシメチルの形成)
17α−(1’−プロペニル)−6β−(p−トリルスルホニルオキシメチル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン
【0220】
【化53】

【0221】
実施例16bに従って合成された化合物328mgの13mlジクロロメタン溶液へ、3℃で、1.3mlのトリエチルアミン、及び456mgのp−トルエンスルホニルクロリドを加え、0℃にて60時間攪拌した。それを飽和炭酸ナトリウム溶液へと注ぎ、酢酸エチルで数回抽出し、合わせた有機層抽出物を水及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、そして硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過及び溶媒の除去後に得られた残渣をクロマトグラフィーによって精製した。81mgの表題化合物を単離した。
【0222】
実施例16b:
6β−(ヒドロキシメチレン)−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン
【0223】
【化54】

【0224】
実施例13と同様に、実施例16cに従って製造された表題化合物350mgを反応させ、そして粗精製物を、処理後、さらなる精製無しに反応させた。
【0225】
実施例16c:
3−ピロリジニル−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−3,5−ジエン
【0226】
【化55】

【0227】
実施例13aと同様に、実施例1に従って製造された化合物745mgを反応させ、そして処理後を、356mgの表題化合物を単離した。
【0228】
実施例17
子宮内への埋め込みを行え、そして所望の毎日放出速度を保証するポリマー膜によって囲まれた、好適なポリマー活性成分混合比の、活性成分含有コアからなる、生分解性ポリマー又は合成シリコーンポリマーを含む不活性デポ系が、ラットの子宮内腔へと導入された。雌の動物を前もって去勢し、そしてエストラジオールで3日間あらかじめ処理した。異なる組織中の種々のパラメータに基づいて、放出される活性成分の局部的及び全身的プロゲステロン性効果を調べるために、異なる長さ(5〜20mm)及び制限された直径(1.1〜2mm)のインプラントを、ラットの子宮内で4〜14日間保持した。以下のパラメータを測定した:1)子宮の重量、組織学的に検出可能な上皮長、及びプロゲステロン制御性マーカー遺伝子(例えば、IGFBP−1)に基づく、子宮における局所的プロゲステロン性効果;2)プロゲステロン制御性マーカー遺伝子(例えば、RankL)に基づく、乳腺における全身的プロゲステロン性効果、3)LHレベル(LHレベルのエストロゲン誘導性上昇の減少)に基づく、下垂体における全身的プロゲステロン性効果。
【0229】
本発明の化合物は、子宮内で著しいプロゲステロン性効果を示し、そしてそれは、レボノルゲストレルを含有するデポ系、例えばMIRENA(登録商標)を用いた同様の処理に匹敵した。
【0230】
【表7】

【0231】
【表8】

【0232】
【表9】

【0233】
【表10】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般的化学式I:
【化1】

[式中、
Zは、酸素、2つの水素原子、NOR’、及びNNHSO2R’を含む群から選択され、ここでR’は、水素、C1−C10−アルキル、アリール、又はC7−C20−アラルキルであり、
4は、水素及びハロゲンを含む群から選択され、
さらに:
6a、R6bは、各々独立して、水素、C1−C10−アルキル、C2−C10−アルケニル、及びC2−C10−アルキニルを含む群から選択され、又は一緒になってメチレン若しくは1,2−エタンジイルを形成し、そして
7は、水素、C1−C10−アルキル、C3−C6−シクロアルキル、C2−C10−アルケニル、及びC2−C10−アルキニルを含む群から選択されるか、
或いは:
6a、R7は、一緒になって、酸素若しくはメチレン基を形成し、又は脱落してC6とC7との間に二重結合を形成し、そして
6bは、水素、C1−C10−アルキル、C2−C10−アルケニル、及びC2−C10−アルキニルを含む群から選択されるかのいずれかであり、
さらに:
15は水素であり、そして
16a、R16bは、一緒になってメチレン若しくは1,2−エタンジイルを形成し、又は各々独立して水素及びC1−C10−アルキルを含む群から選択されるか、
或いは:
15、R16aは、一緒になって酸素を形成するか、又は脱落してC15とC16との間に二重結合を形成し、そして
16bは、水素及びC1−C10−アルキルを含む群から選択されるかのいずれかであり、そして
18は、水素及びC1−C3−アルキルを含む群から選択される]
で表される、17−(1’−プロペニル)−17−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン誘導体、並びにその溶媒和物、水和物、及び塩、並びにそれらの全ての立体異性体。
【請求項2】
Zが、酸素、NOR'、及びNNHSO2R’を含む群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の17−(1’−プロペニル)−17−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン誘導体。
【請求項3】
Zが酸素を表すことを特徴とする、請求項1又は2に記載の17−(1’−プロペニル)−17−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン誘導体。
【請求項4】
4が、水素及び塩素を含む群から選択されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の17−(1’−プロペニル)−17−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン誘導体。
【請求項5】
6a及びR6bが、一緒になって1,2−エタンジイルを形成するか、又は各々水素であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の17−(1’−プロペニル)−17−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン誘導体。
【請求項6】
7が、水素、メチル、エチル、及びビニルを含む群から選択されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の17−(1’−プロペニル)−17−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン誘導体。
【請求項7】
6a及びR7が、一緒になってメチレン基を形成することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の17−(1’−プロペニル)−17−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン誘導体。
【請求項8】
6a及びR7が、脱落してC6とC7との間に二重結合を形成することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の17−(1’−プロペニル)−17−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン誘導体。
【請求項9】
15が水素であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の17−(1’−プロペニル)−17−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン誘導体。
【請求項10】
15及びR16aが、一緒になって酸素原子を形成するか、又は脱落してC15とC16との間に二重結合を形成することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の17−(1’−プロペニル)−17−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン誘導体。
【請求項11】
16aが水素であり、そしてR16bがメチルであることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の17−(1’−プロペニル)−17−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン誘導体。
【請求項12】
16a及びR16bが水素であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の17−(1’−プロペニル)−17−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン誘導体。
【請求項13】
16a及びR16bが、一緒になってメチレンを形成することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の17−(1’−プロペニル)−17−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン誘導体。
【請求項14】
16a及びR16bが、一緒になって1,2−エタンジイルを形成することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の17−(1’−プロペニル)−17−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン誘導体。
【請求項15】
18が、水素及びメチルを含む群から選択されることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一項に記載の17−(1’−プロペニル)−17−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン誘導体。
【請求項16】
・17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン、
・7α−メチル−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン、
・7β−メチル−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン、
・7α−エチル−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン、
・7β−エチル−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン、
・7α−ビニル−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン、
・7β−ビニル−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン、
・7α−シクロプロピル−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン、
・7β−シクロプロピル−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン、
・6−メチレン−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン、
・6α−ヒドロキシメチレン−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン、
・6β−ヒドロキシメチレン−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン、
・6,6−(1,2−エタンジイル)−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン、
・6α,7α−メチレン−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン、
・6β,7β−メチレン−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン、
・17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4,6−ジエン−3−オン、
・16,16−(1,2−エタンジイル)−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン、
・(E/Z)−3−(ヒドロキシイミノ)−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン、
・(E/Z)−3−(ヒドロキシイミノ)−7α−メチル−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン、
・(E/Z)−3−(ヒドロキシイミノ)−7β−メチル−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン
・(E/Z)−3−(ヒドロキシイミノ)−7α−エチル−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン、
・(E/Z)−3−(ヒドロキシイミノ)−7β−エチル−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン、
・(E/Z)−3−(ヒドロキシイミノ)−7α−ビニル−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン、
・(E/Z)−3−(ヒドロキシイミノ)−7β−ビニル−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン、
・(E/Z)−3−(ヒドロキシイミノ)−7α−シクロプロピル−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン、
・(E/Z)−3−(ヒドロキシイミノ)−7β−シクロプロピル−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン、
・(E/Z)−3−(ヒドロキシイミノ)−6−メチレン−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン、
・(E/Z)−3−(ヒドロキシイミノ)−6α−ヒドロキシメチレン−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン、
・(E/Z)−3−(ヒドロキシイミノ)−6β−ヒドロキシメチレン−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン、
・(E/Z)−3−(ヒドロキシイミノ)−6,6−(1,2−エタンジイル)−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン、
・(E/Z)−3−(ヒドロキシイミノ)−6α,7α−メチレン−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン、
・(E/Z)−3−(ヒドロキシイミノ)−6β,7β−メチレン−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン、
・(E/Z)−3−(ヒドロキシイミノ)−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4,6−ジエン、
・(E/Z)−3−(ヒドロキシイミノ)−16,16−(1,2−エタンジイル)−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン、
・17α−(1’−プロペニル)−18−メチル−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン、
・7α,18−ジメチル−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン、
・7β,18−ジメチル−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン、
・7α−エチル−18−メチル−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン、
・7β−エチル−18−メチル−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン、
・7α−ビニル−18−メチル−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン、
・7β−ビニル−18−メチル−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン、
・7α−シクロプロピル−18−メチル−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン、
・7β−シクロプロピル−18−メチル−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン、
・6−メチレン−17α−(1’−プロペニル)−18−メチル−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン、
・6α−ヒドロキシメチレン−17α−(1’−プロペニル)−18−メチル−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン、
・6β−ヒドロキシメチレン−17α−(1’−プロペニル)−18−メチル−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン、
・6,6−(1,2−エタンジイル)−17α−(1’−プロペニル)−18−メチル−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン、
・6α,7α−メチレン−17α−(1’−プロペニル)−18−メチル−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン、
・6β,7β−メチレン−17α−(1’−プロペニル)−18−メチル−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン、
・17α−(1’−プロペニル)−18−メチル−17β−3’−オキシドエストラ−4,6−ジエン−3−オン、
・16,16−(1,2−エタンジイル)−17α−(1’−プロペニル)−18−メチル−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン、
・(E/Z)−3−(ヒドロキシイミノ)−18−メチル−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン、
・(E/Z)−3−(ヒドロキシイミノ)−7α,18−ジメチル−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン、
・(E/Z)−3−(ヒドロキシイミノ)−7β,18−ジメチル−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン、
・(E/Z)−3−(ヒドロキシイミノ)−7α−エチル−18−メチル−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン、
・(E/Z)−3−(ヒドロキシイミノ)−7β−エチル−18−メチル−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン、
・(E/Z)−3−(ヒドロキシイミノ)−7α−ビニル−18−メチル−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン、
・(E/Z)−3−(ヒドロキシイミノ)−7β−ビニル−18−メチル−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン、
・(E/Z)−3−(ヒドロキシイミノ)−7α−シクロプロピル−18−メチル−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン、
・(E/Z)−3−(ヒドロキシイミノ)−7β−シクロプロピル−18−メチル−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン、
・(E/Z)−3−(ヒドロキシイミノ)−6−メチレン−17α−(1’−プロペニル)−18−メチル−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン、
・(E/Z)−3−(ヒドロキシイミノ)−6α−ヒドロキシメチレン−17α−(1’−プロペニル)−18−メチル−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン、
・(E/Z)−3−(ヒドロキシイミノ)−6β−ヒドロキシメチレン−17α−(1’−プロペニル)−18−メチル−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン、
・(E/Z)−3−(ヒドロキシイミノ)−6,6−(1,2−エタンジイル)−17α−(1’−プロペニル)−18−メチル−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン、
・(E/Z)−3−(ヒドロキシイミノ)−6α,7α−メチレン−17α−(1’−プロペニル)−18−メチル−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン、
・(E/Z)−3−(ヒドロキシイミノ)−6β,7β−メチレン−17α−(1’−プロペニル)−18−メチル−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン、
・(E/Z)−3−(ヒドロキシイミノ)−18−メチル−17α−(1’−プロペニル)−17β−3’−オキシドエストラ−4,6−ジエン、
・(E/Z)−3−(ヒドロキシイミノ)−16,16−(1,2−エタンジイル)−17α−(1’−プロペニル)−18−メチル−17β−3’−オキシドエストラ−4−エン
を含む群から選択される、請求項1〜15のいずれか一項に記載の17−(1’−プロペニル)−17−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン誘導体。
【請求項17】
経口避妊のための、並びに閉経前、閉経前後、及び閉経後の病状を処置するための、請求項1〜16のいずれか一項に記載の17−(1’−プロペニル)−17−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン誘導体。
【請求項18】
経口避妊のための、並びに閉経前、閉経前後、及び閉経後の病状を処置するための医薬品の製造のための、請求項1〜17のいずれか一項に記載の17−(1’−プロペニル)−17−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン誘導体の使用。
【請求項19】
前記医薬品が、プロゲステロン性作用、抗ミネラルコルチコイド性作用、及び中性〜弱いアンドロゲン性作用を有することを特徴とする、請求項18に記載の使用。
【請求項20】
少なくとも一つの、請求項1〜17のいずれか一項に記載の17−(1’−プロペニル)−17−3’−オキシドエストラ−4−エン−3−オン誘導体、及び少なくとも一つの好適な、薬学的に無害の添加剤を含む医薬品。
【請求項21】
少なくとも一つのエストロゲンをさらに含む、請求項20に記載の医薬品。
【請求項22】
前記エストロゲンがエチニルエストラジオールであることを特徴とする、請求項21に記載の医薬品。
【請求項23】
前記エストロゲンが吉草酸エストラジオールであることを特徴とする、請求項21に記載の医薬品。
【請求項24】
前記エストロゲンが天然のエストロゲンであることを特徴とする、請求項21に記載の医薬品。
【請求項25】
前記天然のエストロゲンがエストラジオールであることを特徴とする、請求項24に記載の医薬品。
【請求項26】
前記天然のエストロゲンが結合型エストロゲンであることを特徴とする、請求項24に記載の医薬品。
【請求項27】
子宮内の使用のための医薬品の製造のための、請求項1〜16のいずれか一項に記載の17−ヒドロキシ−19−ノル−21−カルボン酸ステロイドγ−ラクトン誘導体の使用。
【請求項28】
子宮内系(IUS)の製造のための、請求項27に記載の使用。
【請求項29】
子宮内の使用のために設計されることを特徴とする、請求項20〜26のいずれか一項に記載の医薬品。
【請求項30】
子宮内系であることを特徴とする、請求項29に記載の医薬品。

【公表番号】特表2011−507925(P2011−507925A)
【公表日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−540079(P2010−540079)
【出願日】平成20年12月23日(2008.12.23)
【国際出願番号】PCT/EP2008/011161
【国際公開番号】WO2009/083268
【国際公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【出願人】(300049958)バイエル・シエーリング・ファーマ アクチエンゲゼルシャフト (357)
【Fターム(参考)】