説明

2−置換−14−エピ−プレビタミンD3誘導体

【課題】骨粗鬆症治療剤として有用な新規ビタミンD誘導体を提供する。
【解決手段】下記式(1)で表されるプレビタミンD誘導体またはその医薬上許容される溶媒和物。
【化1】


[式中、Rは、水酸基で置換されていてもよいC−Cのアルキル基、C−Cのアルコキシ基、フェニル基、またはC−C12のアラルキル基を表す。]

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬品として有用な2−置換−14−エピ−プレビタミンD誘導体またはその医薬上許容される溶媒和物、およびそれらを用いた骨粗鬆症治療剤に関する。
【背景技術】
【0002】
活性型ビタミンD誘導体は、小腸でのカルシウム吸収促進作用を有し、骨では骨吸収、骨形成を調節する等の作用を有し、骨粗鬆症の治療剤として使用されている。また、副甲状腺ホルモン(PTH)の分泌抑制作用を有し、PTHの亢進した二次性副甲状腺機能亢進症の治療に用いられている。さらに、これらの作用に加えて免疫調節作用、細胞増殖抑制作用や細胞分化誘導作用が見いだされ、例えば、癌、乾癬、関節リウマチ、真性糖尿病、高血圧症、アクネ、湿疹、皮膚炎等の疾患治療剤への適応が検討されている。
【0003】
一般にビタミンD誘導体(2)は、下記スキーム1に示すようにプレ体(3)との平衡状態で存在する。なお、下記スキーム1は代表的な活性型ビタミンDである1α,25−ジヒドロキシビタミンDの場合を示している。
【0004】
【化1】

【0005】
この平衡におけるプレ体の存在比は一般に小さいことから、プレ体の医薬品への適用可能性は詳しく研究されていない。
ところで、ビタミンD誘導体の14位をエピ化させた14−エピ体は、平衡がプレ体に偏り、これが安定に存在することがオカムラらにより報告されている(下記スキーム2、非特許文献1参照)。
【0006】
【化2】

【0007】
しかしながら、これまでにプレ体(5)についてビタミンDレセプター(VDR)への親和性やin vivoでの小腸カルシウム吸収、骨カルシウム動員などが報告されているものの(非特許文献1、特許文献1参照)、これらの活性は活性型ビタミンD誘導体に比較して非常に弱く、プレ体(5)についてはビタミンD様作用を利用したさまざまな疾患に対する治療剤としての効果は期待できなかった。また、プレ体(5)以外に安定に存在するプレビタミンD誘導体は報告されておらず、プレビタミンD誘導体の疾患治療剤としての有用性は未だ確認されていない。すなわち、プレビタミンD誘導体についての技術的知見、特に生理活性に関する知見は、ほとんど蓄積されていなかった。
【0008】
一方、ビタミンD骨格の2位への化学修飾は、ビタミンDレセプターへの親和性向上をはじめとして様々な活性を向上させることが知られている(非特許文献2参照)。しかしながら、同様の効果がプレビタミンD誘導体に適用できるか否かは、その分子構造がプレビタミンD骨格と全く異なることから予測不可能である。
【0009】
一方、これまでの研究で、ビタミンD誘導体(2)はVDRに結合し、遺伝子情報を介した生理作用(ジェノミック作用)を発現するが、そのプレ体(3)はVDRを介する顕著な作用発現がなく、細胞膜に想定される受容体に結合しその応答による生理作用、すなわちノンジェノミック作用を発現すると考えられている。上記プレ体(5)についても(3)と同様のステロイド型立体構造をとると考えられるので、同様なノンジェノミック作用が期待できる。このノンジェノミック作用に基づき、慢性尋常性乾癬、白血病、前立腺癌などに対する薬剤、免疫抑制剤(1型糖尿病、臓器移植)などへの適用が考えられる(非特許文献3参照)。
【0010】
【特許文献1】国際公開第95/017197号パンフレット
【非特許文献1】ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(J. Med.Chem.)、37巻、2387−2393頁、1994年
【非特許文献2】ビタミンD・アナログス・イン・キャンサー・プリベンション・アンド・セラピー、リーセント・リザルツ・イン・キャンサー・リサーチ(VitaminD Analogs in Cancer Prevention and Therapy, Recent Results in Cancer Reserch)、164巻、289−317頁、2003年
【非特許文献3】ネイチャー・レビューズ・ドラッグ・ディスカバリー(Nature Reviews Drug Discovery)、3巻、27−41頁、2004年
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、ビタミンD様作用を有するビタミンD誘導体を提供することである。また、本発明の目的は、骨粗鬆症治療剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは上記目的で鋭意研究した結果、以下の発明に到達した。
すなわち、本発明は下記式(1)で表されるプレビタミンD誘導体またはその医薬上許容される溶媒和物である。
【0013】
【化3】

【0014】
ここで式(1)中のRは、水酸基で置換されていてもよいC−Cのアルキル基、C−Cのアルコキシ基、フェニル基、またはC−C12のアラルキル基を表す。
また、本発明は上記式(1)で表されるプレビタミンD誘導体またはその医薬上許容される溶媒和物を有効成分として含有する骨粗鬆症治療剤である。
【0015】
なお、上記式(1)で表されるプレビタミンD誘導体は、溶液中ではそれに対応する少量のビタミンD誘導体と平衡状態にあるが、かかるビタミンD誘導体も本発明の範囲に含まれる。その医薬上許容される溶媒和物、それらを有効成分として含有する骨粗鬆症治療剤も同様である。
【発明の効果】
【0016】
本発明化合物は、既知のプレビタミンD誘導体(5)に比べて強いVDR親和性があり、高いビタミンD様作用を有している。また、本発明化合物は既知のプレビタミンD誘導体(5)に比べ、骨芽細胞における強い転写活性能を有している。これらのことから、本発明化合物は骨粗鬆症の治療剤としての有用性が高い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明における用語の定義は以下の通りである。
アルキル基とは、直鎖、分岐鎖、あるいは環状の脂肪族炭化水素基をいう。C−Cのアルキル基とは、炭素数1から6のアルキル基を意味し、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、シクロヘキシル基を具体的な基として挙げることができる。
【0018】
−Cのアルコキシ基とは、炭素数1から6の直鎖、分岐鎖、あるいは環状の脂肪族炭化水素オキシ基を表す。例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロプロピルオキシ基、シクロプロピルメトキシ基、シクロヘキシルオキシ基などを具体的な基として挙げることができる。
【0019】
−C12のアラルキル基とは、芳香族炭化水素基の置換した直鎖、分岐鎖、あるいは環状の脂肪族炭化水素基で炭素数7から12のものを表す。例えば、ベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、および2−ナフチルエチル基などを具体的な基として挙げることができる。
【0020】
上記式(1)中、Rは水酸基で置換されていてもよいC−Cのアルキル基、水酸基で置換されていてもよいC−Cのアルコキシ基、水酸基で置換されていてもよいフェニル基、または水酸基で置換されていてもよいC−C12のアラルキル基を表す。アルキル基やアルコキシ基が水酸基で置換される場合は、ひとつの水酸基で置換されているものが好ましく、特にアルキル基の末端がひとつの水酸基で置換されているものが好ましい。これらの中でも、メチル基、3−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピルオキシ基、フェニル基、ベンジル基が好ましい。
【0021】
本発明のプレビタミンD誘導体は、必要に応じてその医薬上許容される溶媒和物に変換することができる。そのような溶媒としては、水、メタノ−ル、エタノ−ル、1−プロパノール、2−プロパノール、ブタノ−ル、t−ブタノ−ル、アセトニトリル、アセトン、メチルエチルケトン、クロロホルム、酢酸エチル、ジエチルエ−テル、t−ブチルメチルエ−テル、ベンゼン、トルエン、DMF、DMSO等を挙げることができる。特に、水、メタノ−ル、エタノ−ル、1−プロパノール、2−プロパノール、アセトニトリル、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチルを好ましいものとして挙げることができる。
【0022】
本発明のプレビタミンD誘導体の具体例としては、以下のものが挙げられる。
化合物(1a): 2α−メチル−14−エピ−1α、25−ジヒドロキシプレビタミンD
化合物(1b): 2α−ブチル−14−エピ−1α、25−ジヒドロキシプレビタミンD
化合物(1c): 2α−ヒドロキシプロピル−14−エピ−1α、25−ジヒドロキシプレビタミンD
化合物(1d): 2α−ヒドロキシプロピルオキシ−14−エピ−1α、25−ジヒドロキシプレビタミンD
化合物(1e): 2α−フェニル−14−エピ−1α、25−ジヒドロキシプレビタミンD
化合物(1f): 2α−ベンジル−14−エピ−1α、25−ジヒドロキシプレビタミンD
化合物(1g): 2α−フェネチル−14−エピ−1α、25−ジヒドロキシプレビタミンD
化合物(1h): 2β−メチル−14−エピ−1β、25−ジヒドロキシプレビタミンD
化合物(1i): 2β−ブチル−14−エピ−1β、25−ジヒドロキシプレビタミンD
化合物(1j): 2β−ヒドロキシプロピル−14−エピ−1β、25−ジヒドロキシプレビタミンD
化合物(1k): 2β−ヒドロキシプロピルオキシ−14−エピ−1β、25−ジヒドロキシプレビタミンD
化合物(1l): 2β−フェニル−14−エピ−1β、25−ジヒドロキシプレビタミンD
化合物(1m): 2β−ベンジル−14−エピ−1β、25−ジヒドロキシプレビタミンD
化合物(1n): 2β−フェネチル−14−エピ−1β、25−ジヒドロキシプレビタミンD
化合物(1o): 2β−メチル−14−エピ−1α、25−ジヒドロキシプレビタミンD
化合物(1p): 2β−ブチル−14−エピ−1α、25−ジヒドロキシプレビタミンD
化合物(1q): 2β−ヒドロキシプロピル−14−エピ−1α、25−ジヒドロキシプレビタミンD
化合物(1r): 2β−ヒドロキシプロピルオキシ−14−エピ−1α、25−ジヒドロキシプレビタミンD
化合物(1s): 2β−フェニル−14−エピ−1α、25−ジヒドロキシプレビタミンD
化合物(1t): 2β−ベンジル−14−エピ−1α、25−ジヒドロキシプレビタミンD
化合物(1u): 2β−フェネチル−14−エピ−1α、25−ジヒドロキシプレビタミンD
【0023】
なお、1位および2位炭素の立体化学は、ステロイド立体表記法に従い、環に結合する置換基が紙面に対して向側にあるものをα体、手前にあるものをβ体とする。
【0024】
【化4】

【0025】
上記式(1)で表されるビタミンD誘導体の製造はいかなる方法で行ってもよいが、例えば下記スキ−ム3のように行うことができる。すなわち、文献既知の化合物(6)(ウーら(Y.Wu et al.)、ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(Eur.J.Org.Chem.)、3779−3818頁、2001年)と、化合物(7)をカップリングした後、水酸基の保護基を脱保護し、化合物(9)と目的物(1)の混合物を得る。これを熱異性化させて目的物(1)に平衡を偏らせた後、分離精製を行うことで目的物(1)を得ることができる。
【0026】
【化5】

(スキーム中、R’は、水酸基が含まれない場合はRの定義に同じ。水酸基が含まれる場合は水酸基が適当な保護基で保護されたRを表す。)
【0027】
上記スキーム中、化合物(7)はエンイン化合物(10)から下記スキーム4記載の方法に従って製造することができる。すなわち、化合物(10)にヒドロキシメチル基を導入して化合物(11)を合成し、これを還元的にヨード化して化合物(12)を得る。次にパラジウムにより閉環して化合物(13)を得、その一級水酸基をホスフィンオキシドに変換することにより化合物(7)を合成することができる。
【0028】
【化6】

(スキーム中、R’は、水酸基が含まれない場合はRの定義に同じ。水酸基が含まれる場合は水酸基が適当な保護基で保護されたRを表す。)
【0029】
エンイン化合物(10)は文献記載の方法により得ることができる。例えば、2α体の場合は、橘高ら、オーガニック・レターズ(Org.Lett.)、2巻、2619−2622頁、2000年;須原ら、ザ・ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)、66巻、8760−8771頁、2001年;高山ら、ビタミンD アナログ イン キャンサー プリベンション アンド テラピー、リーセント リザルツ イン キャンサー リサーチ(Vitamin D Analog in Cancer Prevention and Therapy、Recent Results in Cancer Research)、164巻、スプリンガー社(Springer)、289−317頁、2003年;本澤ら、テトラへドロン(Tetrahedron)、61巻、11253−11263頁、2005年本澤ら、ヘテロサイクルズ(Heterocycles)、61巻、327−338頁、2003年などに記載の方法である。2β体の場合は、畑山ら、ステロイズ(Steroids)、66巻、267−276頁、2001年などに記載の方法、また、下記スキーム5による方法でも目的物を得ることができる。なお、出発化合物の(14)はニコラウ(Nicolaou)ら、ザ・ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)、50巻、1440−1456頁、1985年に記載の方法で合成できる。
【0030】
【化7】

(スキーム中、R’は、水酸基が含まれない場合はRの定義に同じ。水酸基が含まれる場合は水酸基が適当な保護基で保護されたRを表す。R”は、R’と同じ、あるいは適当な化学変換によりR’へ誘導可能な置換基を表す。)
【0031】
以上のようにして得られるプレビタミンD誘導体は、必要に応じて前述のような医薬上許容される溶媒和物に変換することができる。
かかる溶媒和物は、フリーの化合物(1)を該溶媒、あるいは該溶媒を含有する混合溶媒より再結晶することにより、得ることができる。
【0032】
本発明のプレビタミンD誘導体またはその医薬上許容される溶媒和物を有効成分として含有する骨粗鬆症症治療剤は、通常製剤化に用いられる担体や賦形剤、その他の添加剤を用いて調製される。製剤用の担体や賦形剤としては、固体または液体いずれでもよく、例えば乳糖、ステアリン酸マグネシウム、スターチ、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アラビアゴム、オリーブ油、ゴマ油、カカオバター、エチレングリコール等やその他常用のものが挙げられる。投与は錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、液剤等による経口投与、あるいは静注、筋注等の注射剤、坐剤、経皮等による非経口投与のいずれの形態であってもよい。
【0033】
本発明の有効成分の治療有効量は、投与経路、患者の年齢、性別、疾患の程度によって異なるが、通常0.001〜10000μg/日程度であり、投与回数は通常1〜3回/日ないし1〜3回/週であり、このような条件を満足するように製剤を調製するのが好ましい。
なお、本発明の疾患治療剤は、既存の薬剤と併用することも可能である。
【実施例】
【0034】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
【0035】
[実施例1]
2α−メチル−14−エピ−1α、25−ジヒドロキシプレビタミンD(化合物(1a))の製造
【0036】
【化8】

【0037】
(1)文献記載の方法(紺野ら、ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(J.Med.Chem.)、43巻、4247−4265頁、2000年)で得られる(10a)(1.061g、2.771mmol)のTHF(9.2mL)溶液にn−BuLiヘキサン溶液(1.53M、2.8mL、4.284mmol)を−78℃で加え、同温で1時間攪拌した。その溶液にパラホルムアルデヒド(249.5mg、9.044mmol)を−78℃で加え、同温で1時間攪拌した後、室温まで2時間かけて昇温し、さらに同温で2時間攪拌した。その溶液に0℃で飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、水層をエーテルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して得られた残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=10/1)で精製したところ、(11a)(1.004g、91%)が無水油状物質として得られた。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.03 (s, 3H), 0.05 (s, 3H), 0.07 (s, 3H), 0.08 (s, 3H), 0.89 (s, 9H), 0.75 (t, J = 10.0 Hz, 3H), 0.886 (s, 9H), 0.893 (s, 9H), 1.41 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 1.86 (ddq, J = 10.5, 10.0, 3.5 Hz, 1H), 2.40-2.42 (m, 2H), 3.98-4.03 (m, 2H), 4.23 (dt, J = 6.0, 2.1 Hz, 2H), 5.08-5.15 (m, 2H), 5.73 (ddd, J = 18.0, 9.8, 7.3Hz, 1H); EI-LRMS m/z 395 [(M-OH)+], 355, 343, 223, 171; EI-HRMS calcd for C2243Si[(M-OH)+] 395.2802, found 395.2803.
【0038】
(2)上記で得られた(11a)(1.00g、2.43mmol)のEtO(25mL)溶液にRed−Al(登録商標)(65%トルエン溶液、2.2mL、7.33mmol)を0℃で加え、室温で4時間攪拌した。その溶液に酢酸エチル(0.41mL、4.10mmol)を0℃で加えた後、ヨウ素(1.28g、5.02mmol)のTHF(4.0mL)溶液を−78℃で加え、同温で30分間攪拌した。その溶液を2時間かけて室温まで昇温した。反応溶液をエーテルで希釈した後、0℃で10%チオ硫酸ナトリウム水溶液および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、水層をエーテルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去して得られた残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=10/1)で精製したところ、(12a)(985.1mg、73%)が無色油状物質として得られた。
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 0.03 (s, 3H), 0.06 (s, 3H), 0.08 (s, 3H), 0.10 (s, 3H), 0.73 (d, J = 7.2 Hz, 3H), 0.88 (s, 9H), 0.89 (s, 9H), 1.51 (br s, 1H), 1.57 (ddq, J = 7.3, 7.2, 2.0 Hz, 1H), 2.69-2.70 (m, 2H), 3.98 (dd, J = 7.8, 7.3 Hz, 1H), 4.20 (d, J = 5.6 Hz, 2H), 4.32 (dt, J = 6.6, 2.0 Hz, 1H), 5.08-5.13 (m, 2H), 5.71 (ddd, J = 17.8, 9.6, 7.8 Hz, 1H), 5.88 (t, J = 5.6Hz, 1H); EI-LRMS m/z 483 [(M-tBu)+], 415, 355, 241, 115; EI-HRMS calcd for C1836SiI [(M-tBu)+] 483.1248, found 483.1247.
【0039】
(3)Pd(PPh(135.1mg、0.119mmol)のアセトニトリル(19mL)溶液に上記で得られた(12a)(632.2mg、1.17mmol)のアセトニトリル(10mL)溶液およびトリエチルアミン(1.63mL、1.23mmol)を加えた後、90℃で1時間加熱還流した。その溶液を室温まで冷却した後、減圧下で溶媒を留去して得られた残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=12/1)で精製したところ、(13a)(447.9mg、93%)が黄色固体として得られた。
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 0.03 (s, 3H), 0.05 (s, 6H), 0.06 (s, 3H), 0.88 (s, 18H), 0.92 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 1.13 (t, J = 5.7Hz, 1H), 1.83 (qdd, J = 6.9, 6.9, 3.7 Hz, 1H), 2.11 (dd, J =13.5, 7.0 Hz, 1H), 2.48 (dd, J = 10.5, 3.6 Hz, 1H), 3.82 (ddd, J = 7.0, 6.9, 3.6 Hz, 1H), 4.20 (dd, J = 6.3, 5.7 Hz, 2H), 4.31 (d, J = 3.7 Hz, 1H), 4.77 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 5.13 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 5.51 (t, J = 6.3 Hz, 1H); EI-LRMS m/z 412 (M+), 394, 381, 355, 337, 223, 183; EI-HRMS calcd for C2244Si412.2829, found 412.2815.
【0040】
(4)NCS(169.0mg、1.266mmol)のジクロロメタン(3.0mL)溶液に0℃でジメチルスルフィド(0.10mL、1.362mmol)を加え、同温で15分間攪拌した。その溶液に上記で得られた(13a)(251.3mg、0.609mmol)のジクロロメタン(3.0mL)溶液を−20℃で加えた後、同温で1.5時間攪拌した。反応溶液を0℃まで昇温した後、水を加え、水層をジクロロメタンで抽出した。有機層を食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去して得られた残留物を、シリカゲルショートカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル/トリエチルアミン=100/10/1)で精製し、対応する塩素体を粗生成物として得た。
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 0.03 (s, 3H), 0.04 (s, 3H), 0.049 (s, 3H), 0.053 (s, 3H), 0.877 (s, 9H), 0.884 (s, 9H), 0.90 (d, J = 9.8 Hz, 3H), 1.86 (ddq, J = 9.8, 3.5, 3.5 Hz, 1H), 2.12 (dd, J = 13.5, 6.6 Hz, 1H), 2.48 (dd, J = 13.5, 5.4 Hz, 1H), 3.82 (ddd, J = 6.6, 5.4, 3.5 Hz, 1H), 4.13 (dd, J = 10.9, 7.9 Hz, 1H), 4.18 (dd, J = 10.9, 8.1 Hz, 1H), 4.34 (d, J = 3.5 Hz, 1H), 4.99 (d, J = 1.3 Hz, 1H), 5.20 (d, J = 1.3 Hz, 1H), 5.22 (dd, J = 8.1, 7.9 Hz, 1H).
【0041】
ジフェニルホスフィン(0.21mL、1.207mmol)のTHF(25mL)溶液にn−BuLiヘキサン溶液(1.53M、0.58mL、0.887mmol)を0℃で加えた後、同温で10分間攪拌した。その溶液を上記塩素体のTHF(2.0mL)溶液に−78℃で加え、同温で10分間攪拌した。その溶液に−78℃で水を加えた後、0℃まで徐々に昇温した。減圧下で溶媒を留去して得られた残留物をジクロロメタン(2.1mL)に溶解した後、その溶液に0℃で35%過酸化水素水(5.1mL)を加え、同温で1.5時間攪拌した。その溶液に水を加えた後、水層をジクロロメタンで抽出した。有機層を1M亜硫酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去して得られた残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=3/2)で精製したところ、(7a)(281.6mg、3工程77%)が無色非結晶性固体として得られた。
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ -0.32 (s, 3H), 0.00 (s, 6H), 0.01 (s, 3H), 0.38 (m, 1H), 1.85 (m, 1H), 2.06 (ddd, J = 13.6, 5.6, 4.9 Hz, 1H), 2.43 (d, J = 13.6 Hz, 1H), 3.13 (ddd, J = 15.8, 14.8, 6.6 Hz, 1H), 3.41 (ddd, J = 14.8, 13.8, 7.3 Hz, 1H), 3.76 (dd, J = 11.3, 4.9 Hz, 1H), 4.33 (d, J = 3.7 Hz, 2H), 4.78 (s, 1H), 5.10 (s, 1H), 5.31 (dd, J = 7.3, 6.6 Hz, 1H), 7.43-7.54 (m, 6H), 7.67-7.75 (m, 4H); EI-LRMS m/z 596 [(M-tBu)+], 539, 449, 263, 210; EI-HRMS calcd for C3453PSi[(M-tBu)+] 596.3271, found 596.3284.
【0042】
(5)(7a)(327.7mg、0.616mmol)のTHF(8mL)溶液に−78℃でn−BuLiヘキサン溶液(1.58M、0.43mL、0.658mmol)を加え、同温で10分間攪拌した。その溶液に−78℃で文献既知の方法(ウーら(Y.Wu et al.)、ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(Eur.J.Org.Chem.)、3779−3818頁、2001年)で得られる(6)(163.3mg、0.414mmol)のTHF(4.3mL)溶液を加えた後、同温で5時間攪拌した。その溶液を室温まで徐々に昇温した後、減圧下で溶媒を留去して得られた残留物をエーテルに溶解した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去して得られた残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=10/1)で精製したところ、(8a)(61.9mg、44%)が無色油状物質として得られた。
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 0.02 (s, 3H), 0.03 (s, 6H), 0.05 (s, 3H), 0.54 (q, J = 7.9 Hz, 6H), 0.79-1.82 (m, 59H), 2.02 (m, 3H), 2.41 (m, 1H), 2.47 (dd, J = 13.2, 4.2 Hz, 1H), 3.78 (ddd, J = 8.3, 4.5, 4.2 Hz, 1H), 4.17 (d, J = 2.9 Hz, 1H), 4.86 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 5.11 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 6.13 (d, J = 11.5 Hz, 1H), 6.17 (d, J = 11.5 Hz, 1H); EI-LRMS m/z 773 (M+), 716, 641, 508, 451, 376; EI-HRMS calcdfor C4688Si 772.6042, found 772.6049
【0043】
(6)(8a)(60.1mg、77.70μmol)のアセトニトリル(5mL)溶液に濃HFの10%アセトニトリル溶液(5mL)を0℃で加え、室温で9時間攪拌した。その溶液に0℃で飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去して得られた残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製したところ、(9a)と(1a)の混合物が得られた(13.0mg、39%、(9a)/(1a)=1.8/1.0)。得られた混合物(5.4mg、12.5μmol)のベンゼン(2mL)溶液を80℃で1時間攪拌した。減圧下で溶媒を留去したところ、(9a)/(1a)の比率が(1a)に偏った(9a)と(1a)の混合物が得られた(5.4mg、quant.、(9a)/(1a)=1.0/5.2)。この混合物をリサイクル逆層HPLC(アセトニトリル/水=90/10)で分離することにより、純粋な(1a)を得た。なお、NMRよりプレ構造となっていることを確認した。
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 0.84 (s, 3H), 0.87 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 0.99-1.98 (m, 34H), 2.50 (dd, J = 16.8, 5.1 Hz, 1H), 3.65 (dt, J = 10.0, 5.5 Hz, 1H), 3.87 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 5.58 (d, J = 3.4 Hz, 1H), 5.71 (d, J = 13.1 Hz, 1H), 5.75 (d, J = 13.1 Hz, 1H); EI-LRMS m/z 430 (M+), 412, 396, 374, 350, 169; EI-HRMS calcd for C2846430.3446, found 430.3430.
【0044】
[実施例2]
2α−ブチル−14−エピ−1α、25−ジヒドロキシプレビタミンD(化合物(1b))の製造
【0045】
【化9】

【0046】
(1)文献記載の方法(本澤ら、バイオオーガニック・メディシナル・ケミストリー・レターズ(Bioorg.Med.Chem.Lett.)、13巻、3503−3506頁、2003年)で得られる(10b)のTHF(8.3mL)溶液にn−BuLiヘキサン溶液(1.57M、2.4mL、3.768mmol)を−78℃で加え、同温で1時間攪拌した。その溶液にパラホルムアルデヒド(225.8mg、7.519mmol)を−78℃で加え、同温で30分攪拌した後、室温まで1時間かけて昇温し、さらに同温で1時間攪拌した。その溶液に0℃で飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、水層をエーテルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去して得られた残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=7/1)で精製したところ、(11b)(1.03g、91%)が無水油状物質として得られた。
[α]20D+1.46 (c 2.54, CHCl3);
IR (neat) 3347, 2957, 2228, 1253, 1074 cm-1;
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.00 (s, 3H), 0.03 (s, 3H), 0.04 (s, 3H), 0.07 (s, 3H), 0.84-0.87 (m, 2H), 0.866 (s, 9H), 0.871 (s, 9H), 1.22-1.32 (m, 6H), 1.37 (dt, J = 6.0, 0.9 Hz, 1H), 1.68 (dd, J = 5.2, 3.8 Hz, 1H), 2.40-2.42 (m, 2H), 3.95 (ddd, J = 6.2, 6.2, 3.7 Hz, 1H), 4.10 (dd, J = 7.2, 6.5 Hz, 1H), 4.21 (dd, J = 2.0, 2.0 Hz, 1H), 4.22 (dd, J = 2.0, 2.0 Hz, 1H), 5.04 (dd, J = 10.1, 1.1 Hz, 1H), 5.83 (ddd, J = 17.3, 10.1, 7.2 Hz, 1H);
13C NMR (400 MHz, CDCl3) δ -4.6, -4.3, -4.1, -3.6, 14.1, 18.1, 23.2, 25.90 (3C), 25.94 (3C), 26.3, 31.5, 49.6, 51.4, 71.8, 75.8, 79.7, 84.4, 115.1, 140.4;
EI-LRMS m/z 397 [(M-tBu)+], 265, 131, 115;
EI-HRMS calcd for C21H41O3Si2 [(M-tBu)+] 397.2495, found 397.2582.
【0047】
(2)(11b)(1.03g、2.27mmol)のEtO(23mL)溶液にRed−Al(65%トルエン溶液、1.71mL、5.70mmol)を0℃で加え、室温で4時間攪拌した。その溶液に酢酸エチル(0.40mL、4.10mmol)を0℃で加えた後、ヨウ素(1.15g、4.56mmol)のTHF(8.0mL)溶液を−78℃で加え、同温で1時間攪拌した。その溶液を1時間かけて室温まで昇温し、さらに同温で30分攪拌した。反応溶液をエーテルで希釈した後、0℃で10%チオ硫酸ナトリウム水溶液および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、水層をエーテルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去して得られた残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=8/1)で精製したところ、(12b)(992.3mg、75%)が無色油状物質として得られた。
[α]22D+2.56 (c 2.15, CHCl3);
IR (neat) 3326, 2950, 1644, 1470, 1254, 1074 cm-1;
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.00 (s, 3H), 0.020 (s, 3H), 0.023 (s, 3H), 0.04 (s, 3H), 0.85 (s, 9H), 0.86 (s, 9H), 0.85-0.89 (m, 2H), 1.21-1.29 (m, 6H), 1.43 (t, J = 5.9 Hz, 1H), 1.61 (m, 1H), 2.64 (dd, J = 14.1, 4.4 Hz, 1H), 2.71 (dd, J = 14.1, 7.4 Hz, 1H), 4.07 (ddd, J = 7.4, 4.4, 3.0 Hz, 1H), 4.14-4.20 (m, 3H), 5.03 (dd, J = 10.0, 1.3 Hz, 1H), 5.10 (dd, J = 17.3, 1.4 Hz, 1H), 5.83 (t, J = 5.8 Hz, 1H), 5.88 (ddd, J = 17.3, 10.0, 7.6 Hz, 1H);
13C NMR (400 MHz, CDCl3) δ -4.6, -3.9, -3.6, -3.5, 14.1, 18.1, 18.2, 23.1, 25.99, 26.02 (3C), 26.04 (3C), 31.1, 49.8, 50.8, 67.3, 71.4, 75.7, 107.8, 115.2, 136.1, 140.8;
EI-LRMS m/z 525 [(M-tBu)+], 509, 341, 283, 209;
EI-HRMS calcd for C21H42O3Si2I [(M-tBu)+] 525.1718, found 525.1724.
【0048】
(3)Pd(PPh(198.7mg、0.172mmol)のアセトニトリル(39mL)溶液に(12b)(992.3mg、1.70mmol)のアセトニトリル(4mL)溶液およびトリエチルアミン(2.4mL、17.2mmol)を加えた後、90℃で1時間加熱還流した。その溶液を室温まで冷却した後、減圧下で溶媒を留去して得られた残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=10/1)で精製したところ、(13b)(722.7mg、93%)が無色油状物質として得られた。
[α]21D-0.98 (c 1.54, CHCl3);
IR (neat) 3329, 2955, 1640, 1472, 1254, 1088 cm-1;
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.00 (s, 3H), 0.027 (s, 3H), 0.030 (s, 3H), 0.04 (s, 3H), 0.86 (s, 18H), 0.86-0.89 (m, 2H), 1.13-1.30 (m, 6H), 1.42 (m, 1H), 1.59 (m, 1H), 2.09 (dd, J = 13.7, 6.6 Hz, 1H), 2.45 (dd, J = 13.7, 3.6 Hz, 1H), 3.90 (ddd, J = 6.6, 6.6, 3.6 Hz, 1H), 4.18 (Br.d, J = 6.8 Hz, 1H), 4.39 (br.d, J = 3.4 Hz, 1H), 4.74 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 5.12 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 5.48 (t, J = 6.8 Hz, 1H);
13C NMR (400 MHz, CDCl3) δ -5.0, -4.8, -4.5, -4.4, 14.1 (2C), 18.1, 18.3, 23.0, 25.4, 25.8 (3C), 25.9 (3C), 29.9, 50.7, 59.6, 70.2, 72.9, 111.4, 126.1, 139.3, 146.7;
EI-LRMS m/z 454 [(M)+], 436, 397, 379, 265, 223;
EI-HRMS calcd for C25H50O3Si2 [(M)+] 454.3298, found 454.3291.
【0049】
(4)NCS(429.1mg、3.21mmol)のジクロロメタン(10mL)溶液に0℃でジメチルスルフィド(0.26mL、3.54mmol)を加え、同温で10分間攪拌した。その溶液に(13b)(722.7mg、1.59mmol)のジクロロメタン(7.0mL)溶液を−20℃で加えた後、同温で1時間攪拌した。1時間かけて反応溶液を0℃まで昇温した後、水を加え、水層をジクロロメタンで抽出した。有機層を食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去して得られた残留物をシリカゲルショートカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル/トリエチルアミン=100/10/1)で精製し、対応する塩素体を粗生成物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.00 (s, 3H), 0.025 (s, 6H), 0.033 (s, 3H), 0.857 (s, 9H), 0.864 (s, 9H), 0.86-0.89 (m, 3H), 1.21-1.30 (m, 5H), 1.44 (m, 1H), 1.62 (m, 1H), 2.10 (dd, J = 13.7, 6.1 Hz, 1H), 2.45 (dd, J = 13.7, 3.5 Hz, 1H), 3.90 (ddd, J = 6.1, 6.1, 3.5 Hz, 1H), 4.11 (dd, J = 10.9, 8.1 Hz, 1H), 4.17 (dd, J = 10.9, 8.0 Hz, 1H), 4.42 (d, J = 3.7 Hz, 1H), 4.95 (s, 1H), 5.19 (s, 1H), 5.49 (dd, J = 8.1, 8.0 Hz, 1H).
【0050】
ジフェニルホスフィン(0.55mL、3.16mmol)のTHF(2mL)溶液にn−BuLiヘキサン溶液(1.57M、1.51mL、2.37mmol)を0℃で加えた後、同温で10分間攪拌した。その溶液を、上記の塩素体のTHF(3.0mL)溶液に−78℃で加え、同温で10分間攪拌した。その溶液に−78℃で水を加えた後、0℃まで徐々に昇温した。減圧下で溶媒を留去して得られた残留物をジクロロメタン(5.3mL)に溶解した後、その溶液に0℃で35%過酸化水素水(10mL)を加え、同温で2時間攪拌した。その溶液に水を加えた後、水層をジクロロメタンで抽出した。有機層を1M亜硫酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去して得られた残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/1)で精製したところ、(7b)(775.9mg、3工程76%775.9mg、3工程76%)が無色非結晶性固体として得られた。
[α]26D-0.39 (c 2.08, CHCl3);
IR (neat) 2955, 2226, 1254, 1182, 1080 cm-1;
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ -0.05 (s, 3H), -0.02 (s, 3H), -0.01 (s, 3H), 0.02 (s, 3H), 0.80 (s, 9H), 0.83-0.88 (m, 3H), 0.88 (s, 9H), 1.10 (m, 1H), 1.23-1.24 (m, 4H), 1.44 (m, 1H), 1.63 (m, 1H), 2.04 (m, 1H), 2.39 (m, 1H), 3.12 (ddd, J = 16.0, 15.5, 7.0 Hz, 1H), 3.39 (ddd, J = 15.5, 14.9, 8.3 Hz, 1H), 3.85 (ddd, J = 9.3, 3.6, 3.6 Hz, 1H), 4.40 (d, J = 3.7 Hz, 1H), 4.74 (s, 1H), 5.09 (s, 1H), 5.29 (ddd, J = 15.3, 8.3, 7.0 Hz, 1H), 7.42-7.52 (m, 6H), 7.65-7.72 (m, 4H);
13C NMR (400 MHz, CDCl3) δ -5.5, -5.3, -5.0, -4.9, 13.6, 17.6, 17.74, 22.5, 24.5, 25.4 (6C), 25.51, 25,55, 50.2, 69.8, 113.84, 113.94, 127.9, 128.0, 130.26, 130.32, 130.36, 130.41, 131.1, 131.8, 132.1, 132.8, 133.1, 140.4, 140.5, 145.66, 145.69;
EI-LRMS m/z 638 [(M)+], 581, 437, 201;
EI-HRMS calcd for C37H59O3Si2P [(M)+] calcd 638.3740, found 638.3748.
【0051】
(5)(7b)(279.6mg、0.437mmol)のTHF(5mL)溶液に−78℃でn−BuLiヘキサン溶液(1.57M、0.31mL、0.487mmol)を加え、同温で10分間攪拌した。その溶液に−78℃で(6)(114.8mg、0.299mmol)のTHF(3.7mL)溶液を加えた後、同温で1時間攪拌した。その溶液を室温まで徐々に昇温した後、減圧下で溶媒を留去して得られた残留物をエーテルに溶解した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して得られた残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=10/1)で精製したところ、(8b)およびpre−(8b)の混合物(57.5mg、24%)が無色油状物質として得られた((8b)/pre−(8b)=1.0/2.7)。
[α]23D+6.42 (c 1.31, CHCl3);
IR (neat) 2955, 1746, 1640, 1603, 1462, 1252, 1082 cm-1;
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.04 (s, 3H), 0.06 (s, 6H), 0.08 (s, 3H), 0.58-0.59 (m, 6H), 0.86 (s, 9H), 0.88-1.05 (m, 20H), 0.89 (s, 9H), 1.22-1.74 (m, 27H), 1.82 (m, 1H), 2.05-2.17 (m, 2H), 2.18 (dd, J = 13.4, 8.2 Hz, 1H), 2.44 (m, 1H), 2.50 (dd, J = 13.4, 4.2 Hz, 1H), 3.88 (ddd, J = 8.2, 8.1, 4.2 Hz, 1H), 4.33 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 4.89 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 5.16 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.18 (s, 2H);
13C NMR (400 MHz, CDCl3) δ -5.0, -4.6, -4.2, -4.0, 6.9 (3C), 7.2 (3C), 14.2, 18.2, 18.3 (2C), 19.8, 21.9, 22.1, 22.6, 23.1, 25.2, 25.9 (3C), 26.0 (3C), 27.2, 29.1, 29.7, 29.8, 30.1 (3C), 34.3, 34.9, 37.9, 45.5, 45.7, 51.3, 54.0, 57.8, 70.6, 73.4 (3C), 74.0, 112.3, 120.9, 123.1, 135.0, 141.4, 147.7;
FAB-LRMS m/z 815 [(M)+], 786, 758, 683;
FAB-HRMS calcd for C49H94O3Si3[(M)+] calcd 814.6510, found 814.6523.
【0052】
(6)上記で得られた(8b)およびpre−(8b)の混合物(57.5mg、70μmol)をTHF(1.4mL)に溶かし、TBAF(1.0M、1.4mL、1.40mmol)を0℃で加え、室温で2時間攪拌した。その後さらにTHF(5.6mL)を加え、80℃で3時間加熱還流した。その溶液を室温にまで冷却した後、0℃で水を加え、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して得られた残留物をシリカゲルプレート(ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製したところ、(9b)および(1b)(31.6mg、96%)が分離困難な混合物として得られた((9b)/(1b)=1.0/6.7)。(9b)および(1b)はリサイクル逆層HPLC(アセトニトリル/水=90/10)で分離し、純粋な(1b)を得た。
[α]18D-17.68 (c 1.15, CHCl3);
IR (neat) 3376, 2955, 1641 cm-1;
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.90-0.95 (m, 10H), 1.15 (m, 1H), 1.22-1.86 (m, 30H), 1.96-2.04 (m, 4H), 2.57 (dd, J = 16.8, 4.9 Hz, 1H), 3.73 (ddd, J = 9.5, 9.5, 5.1 Hz, 1H), 4.40 (br.s, 1H), 5.64 (t, J = 3.3 Hz, 1H), 5.78 (d, J = 12.9 Hz, 1H), 5.82 (d, J = 12.9 Hz, 1H);
13C NMR (400 MHz, CDCl3) δ 14.2, 17.8, 19.6, 20.9, 21.8, 22.9, 23.2, 25.9, 28.8, 29.1, 29.3, 29.5, 29.6 33.9, 34.1, 35.8, 38.8, 41.1, 44.3, 46.7, 51.1, 51.8, 67.5, 71.1, 71.3, 125.6, 127.4, 130.4, 130.8, 132.8, 138.7;
EI-LRMS m/z 472 [(M)+], 436, 418, 267, 155;
EI-HRMS calcd for C31H52O3 [(M)+] calcd 472.3916, found 472.3939.
【0053】
[実施例3]
2α−ヒドロキシプロピル−14−エピ−1α、25−ジヒドロキシプレビタミンD(化合物(1c))の製造
【0054】
【化10】

【0055】
(1)文献記載の方法(須原ら、ザ・ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)、66巻、8760−8771頁、2001年)で得られる(10c)(339.1mg、0.627mmol)のTHF(2.1mL)溶液に、n−BuLiヘキサン溶液(1.53M、0.61mL、0.933mmol)を−78℃で加え、同温で1時間攪拌した。その溶液にパラホルムアルデヒド(59.9mg、1.20mmol)を−78℃で加え、室温まで2.5時間かけて昇温した。その溶液に0℃で飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、水層をエーテルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去して得られた残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=10/1)で精製したところ、(11c)(330.3mg、92%)が無水油状物質として得られた。
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 0.02 (s, 3H), 0.04 (s, 6H), 0.05 (s, 3H), 0.06 (s, 3H), 0.08 (s, 3H), 0.89 (s, 27H), 1.24 (m, 1H), 1.42 (m, 1H), 1.57-1.65 (m, 3H), 1.71 (ddt, J = 5.9, 5.7, 3.4 Hz, 1H), 2.41-2.44 (m, 2H), 3.56 (m, 2H), 4.01 (dt, J = 6.1, 3.4 Hz, 1H), 4.10 (dd, J = 6.7, 5.7 Hz, 1H), 4.22 (dt, J = 6.1, 2.1 Hz, 2H), 5.08 (dd, J = 10.1, 1.0 Hz, 1H), 5.13 (dd, J = 17.2, 1.0 Hz, 1H), 5.83 (ddd, J = 17.2, 10.1, 6.7 Hz, 1H); EI-LRMS m/z 553 [(M-OH)+], 513, 438, 381, 369, 171; EI-HRMS calcd for C3061Si[(M-OH)+] 553.3928, found 553.3928.
【0056】
(2)上記で得られた(11c)(1.19g、2.08mmol)のEtO(2.1mL)溶液にRed−Al(登録商標)(65%トルエン溶液、1.75mL、5.829mmol)を0℃で加え、室温で4時間攪拌した。その溶液に酢酸エチル(0.32mL、3.28mmol)を0℃で加えた後、ヨウ素(1.27mg、4.99mmol)のTHF(6.0mL)溶液を−78℃で加え、同温で1時間攪拌した。その溶液を1時間かけて室温まで昇温した後、同温で1時間攪拌した。反応溶液をエーテルで希釈した後、0℃で10%チオ硫酸ナトリウム水溶液および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、水層をエーテルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去して得られた残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=10/1)で精製したところ、(12c)(1.01g、70%)が無色油状物質として得られた。
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 0.01 (s, 3H), 0.04 (s, 12H), 0.07 (s, 3H), 0.87 (s, 9H), 0.88 (s, 9H), 0.89 (s, 9H), 1.29-1.31 (m, 2H), 1.56-1.64 (m, 4H), 2.70 (dd, J = 7.2, 6.2 Hz, 2H), 3.57 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 4.12-4.23 (m, 4H), 5.06 (dd, J = 10.3, 1.2 Hz, 1H), 5.13 (dd, J = 17.2, 1.2 Hz, 1H), 5.86 (t, J = 6.2 Hz, 1H), 5.88 (m, 1H); EI-LRMS m/z 641 [(M-tBu)+], 553, 509, 341, 283, 171; EI-HRMS calcd for C2654SiI [(M-tBu)+] 641.2374, found 641.2363.
【0057】
(3)Pd(PPh(105.8mg、0.092mmol)のアセトニトリル(34mL)溶液に(12c)(608.5mg、0.871mmol)のアセトニトリル(10mL)溶液およびトリエチルアミン(1.21mL、8.68mmol)を加えた後、90℃で1時間加熱還流した。その溶液を室温まで冷却した後、減圧下で溶媒を留去し、得られた残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=15/1)で精製したところ、(13c)(404.4mg、89%)が無色油状物質として得られた。
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 0.02 (s, 3H), 0.038 (s, 6H), 0.045 (s, 6H), 0.06 (s, 3H), 0.88-0.89 (m, 27H), 1.21-1.32 (m, 2H), 1.43-1.66 (m, 4H), 2.11 (dd, J = 13.7, 6.3 Hz, 1H), 2.46 (dd, J = 13.7, 3.6 Hz, 1H), 3.58 (t, J = 6.2 Hz, 2H), 3.92 (dt, J = 6.3 Hz, 1H), 4.20 (d, J = 6.8 Hz, 2H), 4.43 (d, J = 2.9 Hz, 1H), 4.76 (s, 1H), 5.14 (s, 1H), 5.50 (t, J = 6.8 Hz, 1H); EI-LRMS m/z 570 (M+), 552, 513, 423, 381, 289; EI-HRMS calcd for C3060Si(M+) 570.3956, found 570.3964
【0058】
(4)NCS(339.7mg、2.544mmol)のジクロロメタン(6.5mL)溶液に、0℃でジメチルスルフィド(0.19mL、2.587mmol)を加え、同温で15分間攪拌した。その溶液に(13c)(715.3mg、1.252mmol)のジクロロメタン(6.0mL)溶液を−20℃で加えた後、同温で2時間攪拌した。反応溶液を0℃まで昇温した後に水を加え、水層をジクロロメタンで抽出した。有機層を食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去して得られた残留物をシリカゲルショートカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル/トリエチルアミン=100/10/1)で精製し、対応する塩素体を粗生成物として得た。
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 0.03 (s, 3H), 0.04 (s, 9H), 0.049 (s, 3H), 0.053 (s, 3H), 0.87 (s, 9H), 0.88 (s, 9H), 0.89 (s, 9H), 1.25 (m, 1H), 1.25 (m, 1H), 1.46-1.71 (m, 1H), 2.12 (dd, J = 13.7, 5.9 Hz, 1H), 2.47 (dd, J = 13.7, 3.9 Hz, 1H), 3.58 (t, J = 6.3 Hz, 2H), 3.92 (ddd, J = 5.9, 3.9, 3.5 Hz, 1H), 4.13 (dd, J = 11.0, 8.1 Hz, 1H), 4.18 (dd, J = 11.0, 8.1 Hz, 1H), 4.45 (d, J = 3.4 Hz, 1H), 4.98 (s, 1H), 5.21 (s, 1H), 5.50 (t, J = 8.1 Hz, 1H).
【0059】
ジフェニルホスフィン(0.36mL、2.069mmol)のTHF(3.4mL)溶液にn−BuLi(1.53Mヘキサン溶液、1.0mL、1.53mmol)を0℃で加えた後、同温で10分間攪拌した。その溶液を上記塩素体のTHF(3.4mL)溶液に−78℃で加え、同温で10分間攪拌した。その溶液に−78℃で水を加えた後、0℃まで徐々に昇温した。減圧下で溶媒を留去して得られた残留物をジクロロメタン(3.4mL)に溶解した後、その溶液に0℃で35%過酸化水素水(9.0mL)を加え、同温で1.5時間攪拌した。その溶液に水を加えた後、水層をジクロロメタンで抽出した。有機層を1M亜硫酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去して得られた残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=3/2)で精製したところ、(7c)(698.3mg、3工程74%)が無色非結晶性固体として得られた。
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ -0.05 (s, 3H), -0.02 (s, 3H), -0.01 (s, 3H), 0.01 (s, 6H), 0.02 (s, 3H), 0.80 (s, 9H), 0.85 (s, 9H), 0.87 (s, 9H), 1.13 (br s, 1H), 1.45-1.65 (m, 1H), 2.05 (m, 1H), 2.39 (m, 1H), 3.12 (ddd, J = 16.0, 14.9, 6.8 Hz, 1H), 3.38 (ddd, J = 14.9, 14.8, 8.8 Hz, 1H), 3.54 (t, J = 6.1 Hz, 2H), 3.86 (ddd, J = 4.7, 4.7, 4.7 Hz, 1H), 4.41 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 4.73 (s, 1H), 5.09 (s, 1H), 5.29 (dd, J = 14.1, 6.8 Hz, 1H), 7.42-7.52 (m, 6H), 7.65-7.72 (m, 4H); EI-LRMS m/z 754 (M+), 697, 622, 565, 490, 433, 201; EI-HRMS calcd for C4271SiP 754.4398, found 754.4413.
【0060】
(5)(7c)(501.0mg、0.663mmol)のTHF(8.3mL)溶液に−78℃でn−BuLiヘキサン溶液(1.53M、0.46mL、0.727mmol)を加え、同温で10分間攪拌した。その溶液に−78℃で(6)(178.4mg、0.452mmol)のTHF(5.0mL)溶液を加えた後、同温で1時間攪拌した。その溶液を2時間かけて室温まで昇温した後、減圧下で溶媒を留去して得られた残留物をエーテルに溶解した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去して得られた残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=40/1)で精製したところ、(8c)(219.2mg、52%)が無色油状物質として得られた。
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 0.01-0.06 (m, 18H), 0.54 (q, J = 7.9 Hz, 6H), 0.83-1.81 (m, 68H), 2.04-2.25 (m, 3H), 2.41 (m, 1H), 2.47 (ddd, J = 13.4, 4.1, 4.1 Hz, 1H), 3.55-3.59 (m, 3H), 3.86 (dt, J = 8.1, 4.1 Hz, 1H), 4.31 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 4.87 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 5.13 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 6.15 (s, 1H); FAB-LRMS m/z 931 (M+), 874, 799, 742; FAB-HRMS calcd for C54106Si930.7168, found 930.7159.
【0061】
(6)(8c)(14.3mg、15.35μmol)のアセトニトリル(5mL)溶液に濃HFの10%アセトニトリル溶液(5mL)を0℃で加え、室温で10時間攪拌した。その溶液に0℃で飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去して得られた残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)で精製したところ、(9c)と(1c)の混合物が得られた(3.0mg、41%、(9c)/(1c)=11.8/1.0)。得られた混合物(3.0mg、6.33μmol)のベンゼン(2mL)溶液を80℃で1時間攪拌した。減圧下で溶媒を留去したところ、(9c)/(1c)の比率が(1c)に偏った(9c)と(1c)の混合物が得られた(3.0mg、quant.、(9c)/(1c)=1.0/2.4)。この混合物をリサイクル逆層HPLC(アセトニトリル/水=90/10)で分離することにより、純粋な(1c)を得た。なお、NMRよりプレ構造となっていることを確認した。
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 0.90 (s, 3H), 0.94 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 1.11-2.05 (m, 34H), 2.52-2.57 (m, 2H), 3.11 (br s, 1H), 3.69 (m, 1H), 4.01 (d, J = 3.4 Hz, 1H), 5.63 (t, 3.3 Hz, 1H), 5.71 (d, J = 13.6 Hz, 1H), 5.81 (d, J = 13.6 Hz, 1H); EI-LRMS m/z 457 [(M-OH)+], 438, 420, 379, 145, 59; EI-HRMS calcd for C3049
[(M-OH)+] 457.3682, found 457.3686.
【0062】
[実施例4]
2α−ヒドロキシプロピルオキシ−14−エピ−1α、25−ジヒドロキシプレビタミンD(化合物(1d))の製造
【0063】
【化11】

【0064】
(1)文献記載の方法(橘高ら、オーガニック・レターズ(Org.Lett.)、2巻、2619−2622頁、2000年)で得られる(10d)(2.31g、4.15mmol)のTHF(13.1mL)溶液に、n−BuLiヘキサン溶液(1.53M、3.9mL、5.97mmol)を−78℃で加え、同温で1時間攪拌した。その溶液にパラホルムアルデヒド(424.1mg、14.122mmol)を−78℃で加え、同温で1時間攪拌した後、室温まで2時間かけて昇温し、さらに同温で1時間攪拌した。その溶液に0℃で飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、水層をエーテルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去して得られた残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=10/1)で精製したところ、(11d)(2.07g、89%)が無水油状物質として得られた。
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 0.03 (s, 3H), 0.05 (s, 3H), 0.06 (s, 3H), 0.08 (s, 3H), 0.10 (s, 3H), 0.88 (s, 9H), 0.89 (s, 9H), 0.90 (s, 9H), 1.54 (t, J = 6.1 Hz, 1H), 1.71-1.82 (m, 2H), 2.38 (ddt, J = 18.8, 6.4, 5.4 Hz, 1H), 2.53 (ddt, J = 16.8, 6.8, 5.7 Hz, 1H), 3.33 (dd, J = 5.5, 3.3 Hz, 1H), 3.59-3.76 (m, 4H), 3.84 (dt, J = 5.7, 5.5 Hz, 1H), 4.23 (m, 2H), 4.30 (m, 1H), 5.12 (ddd, J = 10.3, 1.7, 1.0 Hz, 1H), 5.22 (ddd, J = 17.3, 1.7, 1.2 Hz, 1H), 5.95 (ddd, J = 17.3, 10.3, 6.9 Hz, 1H); EI-LRMS m/z 569 [(M-OH)+], 529, 415, 339, 327, 115; EI-HRMS calcd for C3061Si[(M-OH)+] 569.3898, found 569.3888
【0065】
(2)(11d)(2.07g、3.52mmol)のEtO(35mL)溶液にRed−Al(登録商標)(65%トルエン溶液、2.4mL、7.99mmol)を0℃で加え、室温で4時間攪拌した。その溶液に酢酸エチル(0.35mL、3.58mmol)を0℃で加えた後、ヨウ素(1.79g、7.06mmol)のTHF(10mL)溶液を−78℃で加え、同温で1時間攪拌した。その溶液を2時間かけて室温まで昇温した後、同温で30分間攪拌した。反応溶液をエーテルで希釈した後、0℃で10%チオ硫酸ナトリウム水溶液および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、水層をエーテルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去して得られた残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=15/1)で精製したところ、(12d)(1.88g、75%)が無色油状物質として得られた。
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 0.02 (s, 3H), 0.05 (s, 9H), 0.06 (s, 3H), 0.08 (s, 3H), 0.885 (s, 9H), 0.893 (s, 9H), 1.53 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 1.78 (tt, J = 6.3, 6.3 Hz, 2H), 2.63 (dd, J = 14.2, 8.3 Hz, 1H), 2.78 (dd, J = 14.2, 4.3 Hz, 1H), 3.28 (dd, J = 4.3, 3.1 Hz, 1H), 3.59 (dt, J = 9.3, 6.4 Hz, 1H), 3.66-3.77 (m, 3H), 4.06 (ddd, J = 8.3, 4.3, 3.8 Hz, 1H), 4.16 (m, 2H), 4.34 (dd, J = 7.3, 3.1 Hz, 1H), 5.12 (d, J = 17.4 Hz, 1H), 5.21 (d, J = 10.2 Hz, 1H), 5.87 (t, J = 5.9 Hz, 1H), 5.94 (ddd, J = 17.4, 10.4, 7.3 Hz, 1H); EI-LRMS m/z 657 [(M-tBu)+], 639, 525, 467, 397; EI-HRMS calcd for C2654SiI [(M-tBu)+] 657.2324, found 657.2323.
【0066】
(3)Pd(PPh(153.1mg、0.132mmol)のアセトニトリル(23mL)溶液に(12d)(936.2mg、1.31mmol)のアセトニトリル(10mL)溶液およびトリエチルアミン(1.82mL、13.1mmol)を加えた後、90℃で1時間加熱還流した。その溶液を室温まで冷却した後、減圧下で溶媒を留去して得られた残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=12/1)で精製したところ、(13d)(632.7mg、82%)が無色油状物質として得られた。
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 0.03 (s, 6H), 0.05 (s, 3H), 0.07 (s, 6H), 0.08 (s, 3H), 0.877 (s, 9H), 0.884 (s, 9H), 0.890 (s, 9H), 1.12 (m, 1H), 1.76 (m, 2H), 2.07 (dd, J = 13.4, 5.2 Hz, 1H), 2.56 (d, J = 13.4 Hz, 1H), 3.28 (m, 1H), 3.58-3.79 (m, 4H), 4.01 (dd, J = 5.2, 5.0 Hz, 1H), 4.19 (dd, J = 6.2, 5.9 Hz, 2H), 4.42 (s, 1H), 4.62 (s, 1H), 5.22 (s, 1H), 5.50 (dd, J = 6.7, 6.2 Hz, 1H); EI-LRMS m/z 586 (M+), 543, 529, 453, 397, 339; EI-HRMS calcd for C3062Si586.390
5, found 586.3890
【0067】
(4)NCS(700.7mg、5.25mmol)のジクロロメタン(15mL)溶液に0℃でジメチルスルフィド(0.42mL、5.45mmol)を加え、同温で10分間攪拌した。その溶液に(13d)(1.33g、2.27mmol)のジクロロメタン(8.0mL)溶液を−20℃で加えた後、同温で1時間攪拌した。反応溶液を0℃まで昇温した後、水を加え、水層をジクロロメタンで抽出した。有機層を食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して得られた残留物をシリカゲルショートカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル/トリエチルアミン=100/10/1)で精製し、対応する塩素体を粗生成物として得た。
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 0.01 (s 6H), 0.036 (s, 3H), 0.039 (s, 3H), 0.05 (s, 6H), 0.085 (s, 9H), 0.086 (s, 9H), 0.089 (s, 9H), 1.70-1.79 (m, 2H), 2.05 (dd, J = 13.8, 5.1 Hz, 1H), 2.55 (br d, J = 13.8 Hz, 1H), 3.28 (m, 1H), 3.56-3.79 (m, 4H), 3.98 (ddd, J = 5.1, 4.5, 4.5 Hz, 1H), 4.11 (dd, J = 10.8, 8.0 Hz, 1H), 4.16 (dd, J = 10.8, 8.2 Hz, 1H), 4.41 (s, 1H), 5.00 (s, 1H), 5.02 (s, 1H), 5.48 (dd, J = 8.2, 8.0 Hz, 1H).
【0068】
ジフェニルホスフィン(0.62mL、3.56mmol)のTHF(6.8mL)溶液にn−BuLiヘキサン溶液(1.53M、1.0mL、1.58mmol)を0℃で加えた後、同温で10分間攪拌した。その溶液を上記塩素体のTHF(5.9mL)溶液に−78℃で加え、同温で10分間攪拌した。その溶液に−78℃で水を加えた後、0℃まで徐々に昇温した。減圧下で溶媒を留去して得られた残留物をジクロロメタン(5.9mL)に溶解した後、その溶液に0℃で35%過酸化水素水(16mL)を加え、同温で2.5時間攪拌した。その溶液に水を加えた後、水層をジクロロメタンで抽出した。有機層を1M亜硫酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去して得られた残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=4/3)で精製したところ、(7d)(1.20g、3工程66%)が無色非結晶性固体として得られた。
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ -0.04 (s, 3H), 0.00 (s, 9H), 0.01 (s, 3H), 0.04 (s, 3H), 0.80 (s, 9H), 0.85 (s, 9H), 0.88 (s, 9H), 1.71 (tt, J = 6.7, 6.7 Hz, 2H), 2.02 (m, 1H), 2.49 (m, 1H), 3.14 (ddd, J = 15.5, 14.9, 6.3 Hz, 1H), 3.25 (m, 1H), 3.36 (ddd, J = 14.9, 14.0, 8.2 Hz, 1H), 3.44-3.52 (m, 4H), 3.92 (ddd, J = 4.2, 4.2, 4.2 Hz, 1H), 4.37 (s, 1H), 4.76 (s, 1H), 5.16 (s, 1H), 5.32 (dd, J = 15.5, 8.2 Hz, 1H), 7.41-7.51 (m, 6H), 7.64-7.73 (m, 4H); EI-LRMS m/z 755 (M+), 713, 581, 523, 449, 201; EI-HRMS calcd for C4271SiP(M+), 770.4347, found 770.4341
【0069】
(5)(7d)(203.3mg、0.256mmol)のTHF(2.0mL)溶液に−78℃でn−BuLiヘキサン溶液(1.58M、0.18mL、0.270mmol)を加え、同温で10分間攪拌した。その溶液に−78℃で(6)(70.3mg、0.178mmol)のTHF(1.4mL)溶液を加えた後、同温で5時間攪拌した。その溶液を室温まで徐々に昇温した後、減圧下で溶媒を留去して得られた残留物をエーテルに溶解した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去して得られた残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=10/1)で精製したところ、(8d)(89.0mg、55%)が無色油状物質として得られた。
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 0.02-0.06 (m, 18H), 0.54 (q, J = 7.9 Hz, 6H), 0.84-1.80 (m, 65H), 2.02-2.17 (m, 3H), 2.39 (m, 1H), 2.51 (dd, J = 13.7, 4.2 Hz, 1H), 3.15 (d, J = 4.4 Hz, 1H), 3.54-3.75 (m, 5H), 4.00 (ddd, J = 7.2, 7.2, 4.2 Hz, 1H), 4.36 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 4.88 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 5.19 (s, 1H), 6.10 (d, J = 11.1 Hz, 1H), 6.16 (d, J = 11.1 Hz, 1H); FAB-LRMS m/z 970 [(M+Na)+], 948, 890, 815; FAB-HRMS calcd for C54106SiNa [(M+Na)+] 969.7015, found 969.7008.
【0070】
(6)(8d)(41.7mg、44.0μmol)のアセトニトリル(5mL)溶液に濃HFの10%アセトニトリル溶液(5mL)を0℃で加え、室温で10時間攪拌した。その溶液に0℃で飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去して得られた残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)で精製したところ、(9d)と(1d)の混合物が得られた(9.1mg、42%、(9d)/(1d)=1.0/16.4)。得られた混合物(3.0mg、6.33μmol)のベンゼン(2mL)溶液を80℃で1時間攪拌した。減圧下で溶媒を留去したところ、(9d)と(1d)の混合物が得られた(4.5mg、quant.)。この混合物をリサイクル逆層HPLC(アセトニトリル/水=90/10)で分離することにより、純粋な(1d)を得た。なお、NMRよりプレ構造となっていることを確認した。
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 0.91 (s, 3H), 0.95 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 1.02-2.05 (m, 32H), 2.65 (dd, J = 17.0, 5.7 Hz, 1H), 2.72 (brs, 1H), 3.23 (dd, J = 10.0, 4.2 Hz, 1H), 3.74 (m, 1H), 3.85 (t, J = 5.6 Hz, 2H), 3.89-3.96 (m, 2H), 4.22 (d, J = 4.2 Hz, 1H), 5.65 (t, J = 3.3 Hz, 1H), 5.79 (d, J = 13.2 Hz, 1H), 5.81 (d, J = 13.2 Hz, 1H); EI-LRMS m/z 490 (M+), 472, 454, 378, 145, 59; EI-HRMS calcd for C3050490.3658, found 490.3662.
【0071】
[実施例5]
2α−フェニル−14−エピ−1α、25−ジヒドロキシプレビタミンD(化合物(1e))の製造
【0072】
【化12】

【0073】
(1)文献記載の方法(本澤ら、テトラへドロン(Tetrahedron)、61巻、11253−11263頁、2005年)で得られる(10e)のTHF(3.0mL)溶液にn−BuLiヘキサン溶液(1.56M、0.84mL、1.31mmol)を−78℃で加え、同温で1時間攪拌した。その溶液にパラホルムアルデヒド(89mg、2.96mmol)を−78℃で加え、同温で30分攪拌した後、室温まで30分かけて昇温し、さらに同温で2時間攪拌した。その溶液に0℃で飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して得られた残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=10/1)で精製したところ、(11e)(0.335g、81%)が無色油状物質として得られた。
[α]23D-3.71 (c 1.08, CHCl3);
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.05 (d, J = 6.6 Hz , 6H), 0.10 (d, J = 3.7 Hz, 6H), 0.86 (s, 9H), 0.92 (s, 9H), 1.25 (s, 1H), 1.99-2.06 (m, 1H), 2.25-2.32 (m, H), 2.98 (ddd, J = 2.5, 9.0, 17.9 Hz, 1H), 4.27-4.34 (m, 2H), 4.47-4.53 (m, 2H), 4.85-495 (m, 2H), 5.53 (ddd, J = 1.5, 8.5, 8.5 Hz, 1H), 7.18 (s, 5H);
13C NMR (400 MHz, CDCl3) δ -4.2, -4.1, -4.0, -2.5, 14.2, 18.2, 18.3 , 22.7 , 26.0 (3C), 26.1 (2C), 26.3, 31.6, 51.5, 56.7, 69.7, 75.2, 80.6, 83.3, 117.0, 126.3, 127.1, 131.2, 137.4, 140.2.
【0074】
(2)(11e)(0.208g、0.438mmol)のEtO(4.5mL)溶液にRed−Al(65%トルエン溶液、0.33mL、1.10mmol)を0℃で加え、室温で4時間攪拌した。その溶液に酢酸エチル(0.07mL、0.7mmol)を0℃で加えた後、ヨウ素(0.441g、1.75mmol)のTHF(1.75mL)溶液を−78℃で加え、同温で1時間攪拌した。その溶液を30分かけ室温まで昇温し、さらに同温で30分攪拌した。反応溶液をエーテルで希釈した後、0℃で10%チオ硫酸ナトリウム水溶液および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、水層をエーテルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して得られた残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=30/1)で精製したところ(12e)(0.177g、67%)が無色油状物質として得られた。
[α]21D +1.07 (c 0.92, CHCl3);
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.05 (s, 3H), 0.10 (s, 6H), 0.19 (s, 3H), 0.90 (s, 9H), 0.93 (s, 9H), 1.24 (s, H), 2.38 (dd, J = 8.0, 14.2 Hz, 1H), 2.45-2.50 (m, 1H), 2.59 (dd, J= 2.0, 9.3, Hz, 1H), 4.09-4.24 (m, 2H), 4.46 (t, J = 9.0 Hz, 1H), 4.74-4.82 (m, 3H), 5.45 (dddd, J = 8.0, 9.1, 9.0, 9.0 Hz, 1H), 5.74 (t, J = 5.9 Hz, 1H), 7.16 (s, 5H);
13C NMR (400 MHz, CDCl3) δ -4.2, -3.9, -3.8, -2.5, 18.1, 18.2, 25.9 (3C), 26.2 (3C), 50.4, 55.7, 67.1, 69.6, 75.4, 105.3, 116.6, 126.2, 127.1 (2C), 131.2 (2C), 136.0, 137.5, 140.4;
EI-HRMS calcd for C27H47O3Si2I [(M)+] 602.2113, found 602.2102.
【0075】
(3)(12e)(0.089g、0.148mmol)のアセトニトリル(3.7mL)溶液にPd(PPh(16.9mg、0.0148mmol)及びトリエチルアミン(0.205mL、1.48mmol)を加えた後、90℃で1時間加熱還流した。その溶液を室温まで冷却した後、減圧下溶媒を留去して得られた残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=10/1)で精製したところ(13e)(70mg、99%)が無色油状物質として得られた。
[α]22D +3.25 (c 0.69, CHCl3);
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ -0.48 (s, 3H), -0.21 (s, 3H), -0.14 (s, 3H), 0.00 (s, 3H), 0.63 (s, 9H), 0.80 (s, 9H), 2.28 (dd, J = 6.5, 17.5 Hz 1H), 2.66 (dd, J = 4.8, 13.1 Hz, 1H), 2.85 (dd, J = 2.7, 9.5 Hz, 1H), 4.08-4.28 (m, 2H), 4.41-4.46 (m, 2H), 4.83 (t, J = 1.6 Hz, 1H), 5.13 (s, 1H), 5.65 (t, J = 6.9 Hz, 1H), 7.14-7.25 (m, 5H);
13C NMR (400 MHz, CDCl3) δ -5.5, -5.0, -4.5, -3.9, 17.9, 18.1, 25.6 (3C), 25.9 (3C), 45.6, 58.4, 59.9, 69.5, 77.3, 113.0, 125.2, 126.2, 126.7, 127.5, 128.1, 129.0, 129.8, 138.8, 140.3, 146.9.
【0076】
(4)NCS(113.8mg、0.852mmol)のジクロロメタン(3mL)溶液に0℃でジメチルスルフィド(0.068mL、0.938mmol)を加え、同温で30分間攪拌した。その溶液に(13e)(135mg、0.284mmol)のジクロロメタン(1.0mL)溶液を−40℃加えた後、同温で2時間攪拌した。1時間かけて反応溶液を室温まで昇温した後、0℃で水を加え、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して得られた残留物を中性シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=30/1)で精製し、対応する塩素体を粗生成物として得た。
ジフェニルホスフィン(0.056mL、0.322mmol)のTHF(0.5mL)溶液にn−BuLiヘキサン溶液(1.57M、0.1mL、0.242mmol)を0℃で加えた後、同温で10分間攪拌した。その溶液を、上記の塩素体のTHF(0.5mL)溶液に−78℃で加え、同温で10分間攪拌後、室温まで徐々に昇温した。減圧下溶媒を留去して得られた残留物をジクロロメタン(0.5mL)に溶解した後、その溶液に0℃で35%過酸化水素水(0.16mL)を加え、同温で45分攪拌した。その溶液に飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液を加えた後、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して得られた残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=3/1)で精製したところ(7e)(77mg、3工程39%)が無色非結晶性固体として得られた。
[α]23D +6.60 (c 0.92, CHCl3);
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ -0.46 (s, 3H), -0.22 (s, 3H), -0.16 (s, 3H), -0.04 (s, 3H), 0.61 (s, 9H), 0.79 (s, 9H), 2.24-2.32 (m, 1H), 2.61 (dd, J= 4.8, 13.1 Hz, 1H), 2.84 (dd, J = 3.1, 9.2 Hz, 1H), 3.04-3.12 (m, 1H), 3.50 (ddd, J = 10.6, 14.0, 14.0 Hz, 1H), 4.24 (d, J = 2.9 Hz, 1H), 4.36 (ddd, J= 4.6, 9.2, 9.2 Hz, 1H), 4.82 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 5.03 (s, 1H), 5.41 (t, J= 5.0 Hz, 1H), 7.13-7.22 (m, 5H), 7.44-7.58 (m, 6H), 7.65-7.70 (m, 2H), 7.76-7.80 (m, 2H);
13C NMR (400 MHz, CDCl3) δ -5.4, -5.0, -4.4, -4.0, 14.3, 17.8, 18.1, 25.6 (3C), 25.8, 25.9 (3C), 31.2, 45.5, 58.4, 69.9, 77.0, 77.2 112.9, 126.2, 127.5, 128.5, 128.6, 128.6, 129.8, 130.7, 130.8, 131.1, 131.2, 131.7, 131.7, 131.8, 132.7, 140.3, 140.8, 146.5, 146.5;
EI-HRMS calcd for C39H55O3Si2P [(M)+] calcd 659.3525, found 659.3506.
【0077】
(5)(7e)(44.0mg、0.0667mmol)のTHF(0.7mL)溶液に−78℃でn−BuLiヘキサン溶液(1.57M、0.05mL、0.08mmol)を加え、同温で15分間攪拌した。その溶液に−78℃で(6)(17.5mg、0.0444mmol)のTHF(0.5mL)溶液を加えた後、同温で1時間攪拌した。その溶液を室温まで1時間かけて昇温した後、同温で1時間攪拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して得られた残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=10/1)で精製したところ(8e)(5.0mg、8.8%)が無色油状物質として得られた。
[α]23D +1.26 (c 0.384, CHCl3);
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ -0.24 (s, 3H), -0.15 (s, 3H), 0.01 (s, 3H), 0.06 (s, 3H), 0.51-0.58 (m, 9H), 0.61 (s, 9H), 0.79 (s, 9H), 0.84-1.49 (m, 37H), 2.50 (m, 1H), 2.67 (dd, J = 4.2, 13.9, Hz, 1H), 2.80 (dd, J = 2.3, 10.1 Hz, 1H), 3.74 (s, 1H), 4.21 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 4.95 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 5.15 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 6.18 (d, J = 11.2 Hz, H), 6.31 (d, J = 11.5 Hz, H), 7.20-7.24 (m, 5H);
13C NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.2 (4C), 7.0 (3C), 7.3 (3C), 14.3, 14.4, 22.2, 22.8, 25.7, 25.8, 25.9, 26.0, 26.1, 26.8, 28.8, 29.4, 29.5, 29.8, 29.8 (9C), 30.2, 32.0, 34.4, 45.7, 77.6, 120.9, 124.1, 126.0, 127.3 (2C), 129.8 (2C), 130.3, 134.3;
EI-HRMS calcd for C51H90O3Si3[(M)+] calcd 835.6257, found 835.5276.
【0078】
(6)(8e)(3.0mg、3.5μmol)をTHF(0.07mL)に溶かし、TBAF(1.0M、0.07mL、0.07mmol)を0℃で加え、室温で1.5時間攪拌した。その後さらにTHF(0.3mL)を加え、80℃で2時間加熱還流した。その溶液を室温にまで冷却した後、0℃で水を加え、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して得られた残留物をシリカゲルプレート(ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製したところ、(1e)(1.0mg、57%)及び(9e)(1.0mg、31.4%)が得られた。この混合物をリサイクル逆層HPLC(アセトニトリル/水=90/10)で分離し、純粋な(1e)を得た。
[α]23D -3.79 (c 0.092, CHCl3);
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.12 (s, 3H), 0.83-2.34 (m, 32H), 2.86 (dd, J= 3.4, 11.5 Hz, 1H), 4.07 (m, 1H), 4.43 (ddd, J = 5.5, 10.3, 10.3 Hz, 1H), 5.32 (s, 1H), 5.71 (s, 1H), 5.77-5.79 (m, 1H), 5.83 (d, J = 6.6 Hz, 2H), 7.33-7.40 (m, 5H);
EI-HRMS calcd for C33H48O3 Na[(M+Na)+] calcd 515.3481, found 515.3501.
【0079】
[実施例6]
2α−ベンジル−14−エピ−1α、25−ジヒドロキシプレビタミンD(化合物(1f))の製造
【0080】
【化13】

【0081】
(1)文献記載の方法(本澤ら、テトラへドロン(Tetrahedron)、61巻、11253−11263頁、2005年)で得られる(10f)(1.183g、2.578mmol)のTHF(8.6mL)溶液にn−BuLiヘキサン溶液(1.56M、2.5mL、3.900mmol)を−78℃で加え、同温で1時間攪拌した。その溶液にパラホルムアルデヒド(232.2mg、7.826mmol)を−78℃で加え、同温で30分攪拌した後、室温まで30分かけて昇温し、さらに同温で1時間攪拌した。その溶液に0℃で飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、水層をエーテルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去して得られた残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=7/1)で精製したところ、(11f)(1.181g、94%)が無水油状物質として得られた。
[α]23D+0.78 (c 2.15, CHCl3);
IR (neat) 3358, 2955, 2363, 1254, 1063 cm-1;
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.00 (s, 9H), 0.04 (s, 3H), 0.877 (s, 9H), 0.884 (s, 9H), 1.32 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 2.18-2.25 (m, 2H), 2.33 (dd, J = 16.8, 6.4 Hz, 1H), 2.60 (dd, J = 14.3, 5.5 Hz, 1H), 2.66 (dd, J = 14.3, 7.1 Hz, 1H), 4.02 (ddd, J = 6.5, 6.4, 2.4 Hz, 1H), 4.14-419 (m, 3H), 5.06 (d, J = 10.0 Hz, 1H), 5.14 (d, J = 17.2 Hz, 1H), 5.18 (ddd, J = 17.2, 10.0, 7.5 Hz, 1H), 7.11-7.24 (m, 5H);
13C NMR (400 MHz, CDCl3) δ -4.6, -4.4, -4.1, -3.5, 18.19, 18.25, 25.95 (3C), 25.97 (3C), 26.1, 32.1, 51.4, 51.6, 71.0, 75.9, 79.8, 84.3, 115.7, 125.5, 128.0(2C), 129.2 (2C), 140.4, 142.1;
EI-LRMS m/z 431 [(M-tBu)+], 339, 287, 207;
EI-HRMS calcd for C24H39O3Si2 [(M-tBu)+] 431.2438, found 431.2455.
【0082】
(2)(11f)(1.181g、2.415mmol)のEtO(25mL)溶液にRed−Al(65%トルエン溶液、1.8mL、5.996mmol)を0℃で加え、室温で4時間攪拌した。その溶液に酢酸エチル(0.38mL、3.890mmol)を0℃で加えた後、ヨウ素(1.216g、4.881mmol)のTHF(4.0mL)溶液を−78℃で加え、同温で1時間攪拌した。その溶液を30分かけて室温まで昇温し、さらに同温で30分攪拌した。反応溶液をエーテルで希釈した後、0℃で10%チオ硫酸ナトリウム水溶液および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、水層をエーテルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去して得られた残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=8/1)で精製したところ、(12f)(1.133g、76%)が無色油状物質として得られた。
[α]21D+2.46 (c 2.15, CHCl3);
IR (neat) 3329, 2955, 1645, 1471, 1254, 1063 cm-1;
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ -0.08 (s, 3H), -0.06 (s, 3H), 0.02 (s, 3H), 0.06 (s, 3H), 0.86 (s, 9H), 0.90 (s, 9H), 1.31 (t, J = 6.1 Hz, 1H), 2.02 (m, 1H), 2.49 (dd, J = 14.1, 5.5 Hz, 1H), 2.56 (dd, J = 14.2, 9.5 Hz, 1H), 2.60 (dd, J = 14.1, 7.2 Hz, 1H), 2.75 (dd, J = 14.2, 3.9 Hz, 1H), 4.00-4.11 (m, 3H), 4.22 (ddd, J = 7.3, 5.1, 0.5 Hz, 1H), 5.08 (dd, J = 10.2, 1.6 Hz, 1H), 5.17 (ddd, 17.2, 1.6, 0.5 Hz, 1H), 5.40 (t, J = 5.7 Hz, 1H), 5.90 (ddd, J = 17.2, 10.2, 7.3 Hz, 1H), 7.15 (m, 1H), 7.20-7.26 (m, 4H);
13C NMR (400 MHz, CDCl3) δ -4.5, -4.2, -3.7, -3.5, 18.2, 18.3, 26.07 (3C), 26.11 (3C), 31.9, 50.4, 51.8, 67.2, 70.6, 75.8, 106.8, 115.8, 125.7, 128.1 (2C), 129.4 (2C), 136.4, 140.4, 142.0;
EI-LRMS m/z 559 [(M-tBu)+], 541, 415, 245;
EI-HRMS calcd for C24H40O3Si2I [(M-tBu)+] 559.1560, found 559.1153.
【0083】
(3)Pd(PPh(218.0mg、0.189mmol)のアセトニトリル(36mL)溶液に(12f)(1.133g、1.837mmol)のアセトニトリル(10mL)溶液およびトリエチルアミン(2.6mL、18.654mmol)を加えた後、90℃で1時間加熱還流した。その溶液を室温まで冷却した後、減圧下で溶媒を留去して得られた残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=10/1)で精製したところ、(13f)(824.1mg、92%)が無色油状物質として得られた。
[α]22D-3.84 (c 1.54, CHCl3);
IR (neat) 3333, 2955, 1638, 1254, 1094 cm-1;
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ -0.10 (s, 3H), -0.09 (s, 3H), 0.02 (s, 3H), 0.04 (s, 3H), 0.81 (s, 9H), 0.92 (s, 9H), 1.15 (br.s, 1H), 2.10 (dd, J = 13.7, 4.6 Hz, 1H), 2.10 (m, 1H), 2.43 (dd, J = 14.2, 9.2 Hz, 1H), 2.57 (dd, J = 13.7, 0.0 Hz, 1H), 2.88 (dd, J = 14.2, 6.2 Hz, 1H), 3.81 (ddd, J = 4.8, 4.6, 0.0 Hz, 1H), 4.15-4.26 (m, 2H), 4.46 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 4.79 (s, 1H), 5.18 (s, 1H), 5.49 (t, J = 6.7 Hz, 1H), 7.11-7.17 (m, 3H), 7.24-7.26 (m, 2H);
13C NMR (400 MHz, CDCl3) δ -4.94, -4.92, -4.7, -4.5, 18.0, 18.4, 25.8 (3C), 26.0 (3C), 31.4, 41.4, 52.4, 59.7, 70.0, 72.1, 111.4, 125.7, 126.4, 128.2 (2C), 128.7 (2C), 139.2, 141.0, 146.1;
EI-LRMS m/z 488 [(M)+], 470, 431, 413, 299;
EI-HRMS calcd for C28H48O3Si2 [(M)+] 488.3142, found 488.3149.
【0084】
(4)NCS(452.8mg、3.391mmol)のジクロロメタン(10mL)溶液に0℃でジメチルスルフィド(0.27mL、3.676mmol)を加え、同温で10分間攪拌した。その溶液に(13f)(824.1mg、1.686mmol)のジクロロメタン(7.0mL)溶液を−20℃で加えた後、同温で1時間攪拌した。1時間かけて反応溶液を0℃まで昇温した後、水を加え、水層をジクロロメタンで抽出した。有機層を食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去して得られた残留物をシリカゲルショートカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル/トリエチルアミン=100/10/1)で精製し、対応する塩素体を粗生成物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ -0.12 (s, 3H), -0.10 (s, 3H), 0.03 (s, 3H), 0.04 (s, 3H), 0.81 (s, 9H), 0.92 (s, 9H), 2.08-2.15 (m, 2H), 2.39 (dd, J = 14.2, 9.5 Hz, 1H), 2.57 (dd, J = 13.9, 0.0 Hz, 1H), 2.90 (dd, J = 14.2, 5.9 Hz, 1H), 3.79 (ddd, J = 4.2, 4.2, 0.0 Hz, 1H), 4.14 (dd, J = 13.2, 8.7 Hz, 1H), 4.17 (dd, J = 13.2, 8.8 Hz, 1H), 4.49 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 5.02 (s, 1H), 5.25 (s, 1H), 5.50 (dd, J = 8.8, 8.7 Hz, 1H).
【0085】
ジフェニルホスフィン(0.54mL、3.103mmol)のTHF(10mL)溶液にn−BuLiヘキサン溶液(1.57M、1.50mL、2.355mmol)を0℃で加えた後、同温で10分間攪拌した。その溶液を、上記の塩素体のTHF(3.0mL)溶液に−78℃で加え、同温で10分間攪拌した。その溶液に−78℃で水を加えた後、0℃まで徐々に昇温した。減圧下溶媒を留去して得られた残留物をジクロロメタン(2.1mL)に溶解した後、その溶液に0℃で35%過酸化水素水(5.1mL)を加え、同温で1.5時間攪拌した。その溶液に水を加えた後、水層をジクロロメタンで抽出した。有機層を1M亜硫酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去して得られた残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製したところ、(7f)(947.1mg、3工程83%)が無色非結晶性固体として得られた。
[α]23D-2.02 (c 5.31, CHCl3);
IR (neat) 2955, 1638, 1593, 1254, 1173, 1078 cm-1;
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ -0.22 (s, 3H), -0.17 (s, 3H), 0.00 (s, 3H), 0.04 (s, 3H), 0.71 (s, 9H), 0.92 (s, 9H), 2.03-2.15 (m, 2H), 2.27 (dd, J = 13.1, 11,8 Hz, 1H), 2.53 (dd, J = 13.9, 0.0 Hz, 1H), 2.91 (dd, J = 13.1, 5.0 Hz, 1H), 3.18 (ddd, J = 16.1, 14.9, 6.6 Hz, 1H), 3.38 (ddd, J = 14.9, 13.7, 8.0 Hz, 1H), 3.71 (m, 1H), 4.48 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 4.83 (s, 1H), 5.19 (s, 1H), 5.32 (ddd, J = 14.2, 8.0, 6.6 Hz, 1H), 7.07-7.15 (m, 3H), 7.21-7.24 (m, 2H), 7.42-7.52 (m, 6H), 7.67-7.77 (m, 4H);
13C NMR (400 MHz, CDCl3) δ -5.01, -4.97, -4.9, -4.5, 18.0, 18.3, 25.8 (3C), 25.9 (3C), 30.9, 31.2, 31.6, 52.5, 68.9, 71.7, 111.0, 114.5, 114.6, 125.6, 128.2 (2C), 128.4 (2C), 128.5 (2C), 128.7 (2C), 130.8, 130.88, 130.93, 131.0, 131.7, 140.8, 140.9, 141.0, 145.7, 145.6;
EI-LRMS m/z 672 [(M)+], 672, 616, 483, 449;
EI-HRMS calcd for C40H57O3Si2P [(M)+] calcd 672.3584, found 672.3581.
【0086】
(5)(7f)(329.8mg、0.490mmol)のTHF(8mL)溶液に−78℃でn−BuLiヘキサン溶液(1.57M、0.34mL、0.534mmol)を加え、同温で10分間攪拌した。その溶液に−78℃で(6)(128.7mg、0.326mmol)のTHF(4.8mL)溶液を加えた後、同温で1時間攪拌した。その溶液を室温まで徐々に昇温した後、減圧下で溶媒を留去して得られた残留物をエーテルに溶解した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去して得られた残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=10/1)で精製したところ、(8f)とpre−(8f)の混合物(162.4mg、59%)が無色油状物質として得られた((8f)/pre−(8f)=2.42/1.0)。
【0087】
(6)上記で得られた(8f)とpre−(8f)の混合物(88.8mg、105μmol)をTHF(2.1mL)に溶かし、TBAF(1.0M、2.1mL、2.10mmol)を0℃で加え、室温で1時間攪拌した。その後さらにTHF(8.4mL)を加え、80℃で3時間加熱還流した。その溶液を室温にまで冷却した後、0℃で水を加え、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去して得られた残留物をシリカゲルプレート(ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製したところ、(1f)および(9f)(49.2mg、92%)が分離困難な混合物として得られた((1f)/(9f)=4.0/1.0)。この混合物をリサイクル逆層HPLC(アセトニトリル/水=90/10)で分離し、純粋な(1f)を得た。
[α]23D-21.11 (c 8.08, CHCl3);
IR (neat) 3387, 2951, 1636, 1603 cm-1;
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.89 (s, 3H), 0.95 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 1.06-1.56 (m, 21H), 1.78-1.89 (m, 4H), 1.99-2.08 (m, 5H), 2.64 (dd, J = 16.9, 4.6 Hz, 1H), 2.75 (dd, J = 13.5, 11.1 Hz, 1H), 3.20 (dd, J = 13.5, 4.5 Hz, 1H), 3.69 (br.s, 1H), 3.87 (ddd, J = 10.1, 10.1, 5.5 Hz, 1H), 5.63 (t, J = 3.5 Hz, 1H), 5.78 (d, J = 12.8 Hz, 1H), 5.81 (d, J = 12.8 Hz, 1H), 7.18-7.32 (m, 5H);
13C NMR (400 MHz, CDCl3) δ 17.6, 19.5, 20.7, 21.8, 22.9, 28.8, 29.1, 29.3, 29.8, 32.6, 34.0, 35.8, 38.9, 41.2, 44.3, 49.0, 51.2, 51.4, 67.3, 70.7, 71.2, 125.6, 125.8, 127.3, 128.4 (3C), 129.1 (3C), 130.4, 130.8, 132.9, 138.6, 140.6;
EI-LRMS m/z 506 [(M)+], 470, 452, 379, 195, 91;
EI-HRMS calcd for C34H50O3 [(M)+] calcd 506.3760, found 506.3761.
【0088】
[実施例7]
2β−ヒドロキシプロピルオキシ−14−エピ−1β、25−ジヒドロキシプレビタミンD(化合物(1k))の製造
【0089】
【化14】

【0090】
(1−1)文献記載の方法(ニコラウ(Nicolaou)ら、ザ・ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)、50巻、1440−1456頁、1985年)で得られる(14)(100mg、0.352mmol)を1mLのプロピレングリコールに溶解し、カリウムt−ブトキシド(119mg、1.06mmol)を加え、100℃で2.5時間反応させた。その後、0℃に冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、さらにろ過、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製することにより、ヒドロキシプロポキシ付加体(123mg、97%)を無色油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.75-1.79 (m, 2H), 2.51 (t, J = 4.9 Hz, 1H), 2.63 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 3.53-3.82 (m, 9H), 3.89 (m, 1H), 4.54 (s, 2H), 4.55 (s, 2H), 7.27-7.37 (m, 10H); LSMS (EI+) m/z 360 (M+), 269; HRMS (EI+) calcd for C2128, 360.1937, found: 360.1933.
【0091】
(1−2)得られたヒドロキシプロポキシ付加体(120mg、0.333mmol)をジメチルホルムアミド(1mL)に溶解し、氷冷下、イミダゾール(45mg、0.66mmol)、t−ブチルジフェニルシリルクロリド(104μL、0.4mmol)を順に加え、室温で1時間攪拌した。その後、0℃に冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、さらにろ過、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=10/1−6/1)で精製することにより、(15k)(189mg、95%)を無色油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.04 (s, 9H), 1.78 (m, 2H), 2.60 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 3.48 (m, 1H), 3.55-3.62 (m, 4H), 3.66-3.75 (m, 4H), 3.92 (m, 1H), 4.49 (s, 2H), 4.50 (d, J = 11.2 Hz, 1H), 4.53 (d, J = 11.2 Hz, 1H), 7.27-7.40 (m, 16H), 7.64-7.66 (m, 4H); LSMS (EI+) m/z 598 (M+), 575, 507; HRMS (EI+) calcd for C3746Si, 598.3115, found: 597.3109.
【0092】
(2)(15k)(185mg、0.309mmol)をメタノール(5mL)に溶解し、パラジウム炭素(24mg)を加え、水素気流下で13時間激しく攪拌した。反応液をろ過後濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)で精製することにより、(16k)(98mg、76%)を無色油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.06 (s, 9H), 1.77 (m, 2H), 3.30 (m, 1H), 3.58-3.63 (m, 2H), 3.66-3.83 (m, 10H), 7.36-7.44 (m, 6H), 7.66-7.68 (m, 4H); LSMS (FAB - NBA + NaI) m/z 441 (M+ Na)+; HRMS (FAB - NBA + NaI) calcd for C2334SiNa, 441.2073, found: 441.2067.
【0093】
(3)(16k)(585mg、1.40mmol)をジクロロメタン(6mL)に溶解し、氷冷下、オルト酢酸トリメチル(508μL、4.20mmol)、PPTS(3.5mg、0.014mmol)を順に加え、室温で30分間攪拌した。反応液を減圧濃縮後、真空ポンプで乾燥し、残渣をジクロロメタン(6mL)に溶解した。これに、氷冷下でトリエチルアミン(2μL、0.014mmol)、アセチルブロミド(155μL、2.1mmol)を順に加え、室温で12時間攪拌した。その後、0℃に冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、さらにろ過、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=10/1−8/1)で精製することにより、(17k)(578mg、73%)を無色油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.03 (s, 9H), 1.79 (m, 2H), 2.01 (s, 3H), 2.07 (s, 3H), 3.60-3.80 (m, 6H), 4.09 (dd, J = 4.2, 12.2 Hz, 1H), 4.26 (dd, J = 3.2, 12.2 Hz, 1H), 4.98 (m, 1H), 7.34-7.41 (m, 6H), 7.63-7.65 (m, 4H); LSMS (FAB - NBA + NaI) m/z 587 (M+ Na)+; HRMS (FAB - NBA + NaI) calcd for C2737SiNa79Br, 587.1441, found: 587.1448.
【0094】
(4)(17k)(440mg、0.778mmol)をメタノール(3mL)に溶解し、氷冷下で炭酸カリウム(269mg、1.945mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。その後0℃に冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、さらにろ過、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=4/1−3/1)で精製することにより、(18k)(309mg、99%)を無色油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.07 (s, 9H), 1.81-1.84 (m, 2H), 2.36 (brs, 1H), 2.70 (dd, J = 2.7, 5.4 Hz, 1H), 2.78 (dd, J = 3.9, 5.4 Hz, 1H), 2.96 (m, 1H), 3.20 (m, 1H), 3.60-3.70 (m, 2H), 3.72-3.83 (m, 4H), 7.34-7.44 (m, 6H), 7.67-7.69 (m, 4H); LSMS (FAB - NBA + NaI) m/z 423 (M+ Na)+; HRMS (FAB - NBA + NaI) calcd for C2332SiNa, 423.1967, found: 423.1964.
【0095】
(5)(18k)(68mg、0.17mmol)をジクロロメタン(2.5mL)に溶解し、氷冷下でトリエチルアミン(47μL、0.34mmol)、ベンゾイルクロリド(30μL、2.55mmol)を順に加え、室温で4時間攪拌した。その後0℃に冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、さらにろ過、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=10/1)で精製することにより、(19k)(72mg、84%)を無色油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.09 (s, 9H), 1.86 (m, 2H), 2.80 (dd, J = 2.4, 5.4 Hz, 1H), 2.83 (dd, J = 3.9, 5.4 Hz, 1H), 3.10 (m, 1H), 3.54 (m, 1H), 3.70-3.83 (m, 4H), 4.45 (dd, J = 5.9, 11.7 Hz, 1H), 4.55 (dd, J = 3.9, 11.7 Hz, 1H), 7.38-7.40 (m, 8H), 7.56 (m, 1H), 7.68-7.71 (m, 4H), 8.07-8.10 (m, 2H); LSMS (FAB - NBA + NaI) m/z 527 (M+ Na)+; HRMS (FAB - NBA + NaI) calcd for C3036SiNa, 527.2230, found: 527.2227.
【0096】
(6)トリメチルシリルアセチレン(455μL、3.225mmol)をTHF(9mL)に溶解し、−78℃に冷却した。n−BuLiヘキサン溶液(1.56M、1.90mL、3.0mmol)を加え、30分間攪拌した。この反応液に(19k)(650mg、1.29mmol)のTHF溶液(4mL)を滴下し、続いて三フッ化ホウ素エーテル錯体(180μL、1.42mmol)を加え、徐々に昇温した。2.5時間後、反応液が−30℃に達したところで、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、さらにろ過、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=10/1−8/1)で精製することにより、(20k)(700mg、100%)を無色油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.21 (s, 9H), 1.11 (s, 9H), 1.88 (m, 2H), 2.63 (dd, J = 6.4, 16.8 Hz, 1H), 2.70 (dd, J = 5.1, 16.8 Hz, 1H), 2.70 (brs, 1H), 3.70 (m, 1H), 3.73-3.85 (m, 3H), 3.92-3.95 (m, 2H), 4.53 (dd, J = 4.9, 12.0 Hz, 1H), 4.71 (dd, J = 3.7, 12.0 Hz, 1H), 7.39-7.46 (m, 8H), 7.55 (m, 1H), 7.70-7.73 (m, 4H), 8.09-8.11 (m, 2H); LSMS (FAB - NBA + NaI) m/z 625 (M+ Na)+; HRMS (FAB - NBA + NaI) calcd for C3546SiNa, 625.2781, found: 625.2778.
【0097】
(7)(20k)(740mg、1.29mmol)をジクロロメタン(5mL)に溶解し、氷冷下でジイソプロピルエチルアミン(337μL、1.94mmol)、TBSOTf(370μL、1.61mmol)を順に加え、室温で1時間攪拌した。その後0℃に冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、さらにろ過、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=100/1−50/1)で精製することにより、(21k)(880mg、95%)を無色油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.10 (s, 3H), 0.15 (s, 3H), 0.16 (s, 9H), 0.94 (s, 9H), 1.07 (s, 9H), 1.87 (m, 2H), 2.58 (d, J = 5.4 Hz, 2H), 3.72-3.88 (m, 5H), 4.01 (m, 1H), 4.35 (dd, J = 5.1, 11.7 Hz, 1H), 4.67 (dd, J = 3.7, 11.7 Hz, 1H), 7.37-7.44 (m, 8H), 7.54 (m, 1H), 7.67-7.70 (m, 4H), 8.06-8.08 (m, 2H); LSMS (FAB - NBA + NaI) m/z 739 (M+ Na)+; HRMS (FAB - NBA + NaI) calcd for C4160SiNa, 739.3648, found: 739.3641.
【0098】
(8)(21k)(860mg、1.20mmol)をTHF(3mL)とメタノール(5mL)に溶解し、氷冷下で炭酸カリウム(497mg、3.60mmol)を加え、室温で12時間攪拌した。その後0℃に冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、さらにろ過、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=15/1−10/1)で精製することにより、(22k)(700mg、100%)を無色油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.13 (s, 3H), 0.15 (s, 3H), 0.94 (s, 9H), 1.10 (s, 9H), 1.84 (m, 2H), 1.99 (dd, J = 2.6, 2.6 Hz, 1H), 2.30 (brs, 1H), 2.45 (ddd, J = 2.6, 5.6, 11.2 Hz, 1H), 2.52 (ddd, J = 2.6, 4.6, 11.2 Hz, 1H), 3.51 (m, 1H), 3.71-3.83 (m, 6H), 3.92 (m, 1H), 7.38-7.44 (m, 6H), 7.70-7.72 (m, 4H); LSMS (FAB - NBA + NaI) m/z 563 (M+ Na)+; HRMS (FAB - NBA + NaI) calcd for C3148SiNa, 563.2989, found: 563.2994.
【0099】
(9)(22k)(120mg、0.222mmol)をジメチルスルホキシド(3mL)に溶解し、トリエチルアミン(309μL、0.222mmol)、三酸化硫黄ピリジン錯体(177mg、1.11mmol)を順に加え、室温で4時間攪拌した。その後0℃に冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、さらにろ過、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=50/1−25/1)で精製することにより、(23k)(114mg、95%)を無色油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.05 (s, 3H), 0.07 (s, 3H), 0.85 (s, 9H), 1.03 (s, 9H), 1.85 (m, 2H), 1.98 (dd, J = 2.6, 2.6 Hz, 1H), 2.40 (ddd, J = 2.6, 5.4, 13.2 Hz, 1H), 2.48 (ddd, J = 2.6, 7.1, 13.2 Hz, 1H), 3.71 (t, J = 6.1 Hz, 2H), 3.74 (m, 1H), 3.77 (t, J = 5.9 Hz, 2H), 4.07 (m, 1H), 7.35-7.41 (m, 6H), 7.63-7.66 (m, 4H), 9.64 (d, J = 2.0 Hz, 1H); LSMS (FAB - NBA + NaI) m/z 561 (M+ Na)+; HRMS (FAB - NBA + NaI) calcd for C3146SiNa, 561.2832, found: 561.2837.
【0100】
(10)(23k)(420mg、0.78mmol)をTHF(5mL)に溶解し、−78℃に冷却した。ビニルマグネシウムクロリド(1.44M、2.71mL、3.5mmol)を加え、徐々に昇温した。2時間後、反応液が−30℃に達したところで飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、さらにろ過、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=50/1−25/1)で精製することにより、(24k)(256mg、58%)を無色油状物として得た。あわせてジアステレオマー(67mg、15%)を無色油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.08 (s, 3H), 0.12 (s, 3H), 0.89 (s, 9H), 1.05 (s, 9H), 1.74 (m, 2H), 1.97 (t, J = 2.7 Hz, 1H), 2.50 (dd, J = 2.7, 5.1 Hz, 1H), 3.43 (dd, J = 5.4, 5.6 Hz, 1H), 3.70-3.82 (m, 4H), 3.88 (m, 1H), 5.17 (m, 1H), 5.35 (m, 1H), 5.98 (ddd, J = 5.6, 10.7, 17.3 Hz, 1H), 7.35-7.42 (m, 6H), 7.65-7.67 (m, 4H); LSMS (FAB - NBA + NaI) m/z 589 (M+ Na)+; HRMS (FAB - NBA + NaI) calcd for C3350SiNa, 589.3146, found: 589.3146.
【0101】
(11)(24k)(230mg、0.406mmol)をジクロロメタン(5mL)に溶解し、氷冷下でジイソプロピルエチルアミン(106μL、0.609mmol)、TBSOTf(112μL、0.487mmol)を順に加え、室温で1時間攪拌した。その後0℃に冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、さらにろ過、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=100/1−50/1)で精製することにより、(10k)(273mg、99%)を無色油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.01 (s, 3H), 0.04 (s, 3H), 0.05 (s, 3H), 0.08 (s, 3H), 0.88 (s, 9H), 0.90 (s, 9H), 1.03 (s, 9H), 1.78 (m, 2H), 1.90 (t, J = 2.6 Hz, 1H), 2.40 (ddd, J = 2.7, 3.7, 11.2 Hz, 1H), 2.48 (ddd, J = 2.7, 5.6, 11.2 Hz, 1H), 3.36 (dd, J = 4.6, 5.1 Hz, 1H), 3.72 (m, 2H), 3.80 (m, 1H), 3.84 (m, 1H), 4.25 (m, 1H), 5.09 (m, 1H), 5.21 (m, 1H), 5.83 (ddd, J = 6.4, 10.5, 16.9 Hz, 1H), 7.34-7.40 (m, 6H), 7.64-7.67 (m, 4H); LSMS (FAB - NBA + NaI) m/z 704 (M+ Na)+; HRMS (FAB - NBA + NaI) calcd for C3964SiNa, 703.4010, found: 703.4014.
【0102】
(12)(10k)(270mg、0.396mmol)をTHF(4.5mL)に溶解し、−78℃に冷却した。n−BuLiヘキサン溶液(1.57M、380μL、0.594mmol)を加え、1時間攪拌後、パラホルムアルデヒド(40mg、1.19mmol)を加え、徐々に昇温した。2時間後、反応液が0℃に達したところで反応容器を氷浴に移し、2.5時間攪拌した。その後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、さらにろ過、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=20/1−10/1)で精製することにより、(11k)(255mg、90%)を無色油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.00 (s, 3H), 0.04 (s, 3H), 0.07 (s, 3H), 0.88 (s, 9H), 0.89 (s, 9H), 1.03 (s, 9H), 1.78 (m, 2H), 2.46 (m, 2H), 3.22 (dd, J = 4.6, 4.6 Hz, 1H), 3.71 (m, 2H), 3.77 (t, J = 6.3 Hz, 2H), 3.83 (m, 1H), 4.20 (m, 3H), 5.08 (m, 1H), 5.18 (m, 1H), 5.80 (ddd, J = 6.1, 10.3, 16.9 Hz, 1H), 7.34-7.40 (m, 6H), 7.64-7.66 (m, 4H); LSMS (FAB - NBA + NaI) m/z 734 (M+ Na)+; HRMS (FAB - NBA + NaI) calcd for C4066SiNa, 733.4116, found: 733.4115.
【0103】
(13)(11k)(255mg、0.359mmol)をエーテル(4mL)に溶解し、0℃に冷却した。Red−Al(登録商標)(65%トルエン溶液、323μL、1.08mmol)を加え、室温で4.5時間攪拌後、再び0℃に冷却した。酢酸エチル(0.4mL)を加えた後に−78℃に冷却し、ヨウ素(273mg、1.08mmol)を加え、徐々に昇温した。30分後、反応液は室温に達したが、そのまま1.5時間攪拌した。その後、0℃でエーテルを加え、さらに飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、さらにろ過、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=20/1−15/1)で精製することにより、(12k)(142mg、47%)を無色油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.00 (s, 6H), 0.04 (s, 3H), 0.05 (s, 3H), 0.82 (s, 9H), 0.86 (s, 9H), 1.03 (s, 9H), 1.76 (m, 2H), 2.78 (m, 2H), 3.22 (dd, J = 1.5, 7.3 Hz, 1H), 3.60 (m, 1H), 3.72 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 3.81 (m, 1H), 4.07-4.15 (m, 4H), 5.09 (m, 1H), 5.20 (m, 1H), 5.71-5.83 (m, 1H), 7.32-7.40 (m, 6H), 7.63-7.65 (m, 4H); LSMS (FAB - NBA + NaI) m/z 862 (M+ Na)+; HRMS (FAB - NBA + NaI) calcd for C4067SiNaI, 861.3239, found: 861.3238.
【0104】
(14)(12k)(133mg、0.158mmol)をアセトニトリル(4.5mL)に溶解し、トリエチルアミン(27μL、0.19mmol)、Pd(PPh(9.2mg、0.008mmol)を順に加え、脱気した後、加熱還流した。10分後、反応液を減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=15/1−10/1)で精製することにより、(13k)(106mg、94%)を無色油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.04 (s, 3H), 0.05 (s, 3H), 0.06 (s, 6H), 0.87 (s, 9H), 0.91 (s, 9H), 1.02 (s, 9H), 1.85 (m, 2H), 2.12 (dd, J = 4.9, 12.7 Hz, 1H), 2.64 (m, 1H), 3.54 (brs, 1H), 3.74-3.78 (m, 3H), 3.84 (m, 2H), 3.96 (m, 1H), 4.10 (ddd, J = 2.9, 4.9, 12.7 Hz, 1H), 4.29 (dd, J = 7.8, 12.7 Hz, 1H), 4.77 (m, 1H), 5.30 (m, 1H), 5.53 (m, 1H), 7.32-7.41 (m, 6H), 7.63-7.66 (m, 4H); LSMS (FAB - NBA + NaI) m/z 734 (M+ Na)+; HRMS (FAB - NBA + NaI) calcd for C4066SiNa, 733.4116, found: 733.4114.
【0105】
(15)NCS(107mg、0.8mmol)をジクロロメタン(2mL)に溶解し、0℃に冷却した。ジメチルスルフィド(59μL、0.8mmol)を加え、30分間攪拌した後、−20℃に冷却した。この反応液に(13k)(57mg、0.08mmol)のジクロロメタン溶液(1mL)を滴下し、室温で1時間攪拌した。その後、0℃で水を加え、ヘキサンで抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、さらにろ過、減圧濃縮した。得られた粗生成物を中性シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=20/1)で精製することにより無色油状物(13k)を得、これを直ちに次の反応に用いた。
ジフェニルホスフィン(42μL、0.24mmol)をTHF(2mL)に溶解し、0℃に冷却した。n−BuLiヘキサン溶液(1.57M、153μL、0.24mmol)を加え、20分間攪拌した。この反応液を−78℃に冷却後、先に得た(13k)のTHF溶液(1.5mL)を滴下し、45分間攪拌した。その後、水を数滴加え、0℃に昇温し、次いで30%過酸化水素水(0.5mL)を加えた。1時間後に水を加えた後、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、さらにろ過、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/1−1.5/1)で精製することにより、(7k)(51mg、71%)を無色油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ -0.01 (s, 3H), -0.03 (s, 3H), 0.03 (s, 6H), 0.84 (s, 9H), 0.89 (s, 9H), 1.00 (s, 9H), 1.80 (m, 2H), 2.04 (dd, J = 3.9, 12.7 Hz, 1H), 2.53 (m, 1H), 3.13 (m, 1H), 3.30 (m, 1H), 3.41 (m, 2H), 3.59 (m, 1H), 3.68-3.78 (m, 4H), 4.77 (brs, 1H), 5.24 (brs, 1H), 5.47 (m, 1H), 7.30-7.50 (m, 12H), 7.61-7.73 (m, 8H); LSMS (FAB - NBA + NaI) m/z 918 (M+ Na)+; HRMS (FAB - NBA + NaI) calcd for C5275SiPNa, 917.4557, found: 917.4559.
【0106】
(16)(7k)(50mg、0.056mmol)をTHF(1mL)に溶解し、−78℃に冷却した。n−BuLiヘキサン溶液(1.57M、39μL、0.061mmol)を加え、20分間攪拌後(6)(15mg、0.038mmol)のTHF(1mL)溶液を加え、徐々に昇温した。3.5時間後、反応液が0℃に達したところで反応容器を氷浴に移し、1時間攪拌した。その後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、さらにろ過、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=100/1−50/1)で精製することにより、(8k)(22mg、57%)を無色油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.05 (s, 6H), 0.06 (s, 6H), 0.52 (q, J = 7.9 Hz, 6H), 0.87 (s, 9H), 0.90-0.97 (m, 33H), 1.06 (s, 6H), 1.17 (s, 3H), 1.24-1.59 (m, 22H), 1.80-1.86 (m, 3H), 2.03-2.16 (m, 2H), 2.19 (m, 1H), 2.39 (m, 1H), 2.66 (t, J = 11.7 Hz, 1H), 3.53 (m, 1H), 3.71-3.84 (m, 5H), 3.95 (m, 1H), 4.95 (brs, 1H), 5.35 (brs, 1H), 6.09 (d, J = 11.2 Hz, 1H), 6.19 (d, J = 11.2 Hz, 1H), 7.32-7.38 (m, 6H), 7.63-7.64 (m, 4H); LSMS (FAB - NBA + NaI) m/z 1093 (M+ Na)+; HRMS (FAB - NBA + NaI) calcd for C64110SiNa, 1093.7327, found: 1093.7325.
【0107】
(17)(8k)(18mg、0.0175mmol)をTHF(1.5mL)に溶解し、テトラブチルアンモニウムフルオリド(1M THF溶液、350μL、0.35mmol)を加え、室温で7時間攪拌した。その後0℃に冷却し、水を加え、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、さらにろ過、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(メタノール/酢酸エチル=0/1−1/20)で精製することにより、無色油状物(9k)を得た。これをベンゼン(3mL)に溶解し、80℃で3時間加熱した。その後、反応液を濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(メタノール/酢酸エチル=0/1−1/20)で精製することにより、(1k)(7.4mg、86%)を無色油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.91 (s, 3H), 0.94 (d, J = 6.6 Hz, 3H), 1.10 (m, 1H), 1.21 (s, 3H), 1.21 (s, 3H), 1.22-1.60 (m, 15H), 1.74-1.78 (m, 1H), 1.78 (s, 3H), 1.87 (m, 3H), 2.02-2.06 (m, 3H), 2.41 (m, 2H), 3.00 (brs, 2H), 3.48 (m, 1H), 3.81-3.91 (m, 4H), 4.13 (m, 2H), 5.62 (m, 1H), 5.80 (d, J = 12.9 Hz, 1H), 5.84 (d, J = 12.9 Hz, 1H); LSMS (EI) m/z 490 (M+), 472, 454, 396, 378, 324; HRMS (EI) calcdfor C3050, 490.3658, found: 490.3667.
【0108】
[実施例8]
2β−メチル−14−エピ−1β、25−ジヒドロキシプレビタミンD(化合物(1h))および2β−メチル−14−エピ−1α、25−ジヒドロキシプレビタミンD(化合物(1o))の製造
【0109】
【化15】

【0110】
(1)ヨウ化銅(398mg、2.09mmol)をエーテル(5mL)に溶解し、−40℃に冷却した。メチルリチウム(1.14M、3.66mL、4.17mmol)を加え、0℃に昇温し、40分間攪拌した。−78℃に冷却後、この反応液に文献記載の方法(ニコラウ(Nicolaou)ら、ザ・ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)、50巻、1440−1456頁、1985年)で得られる(14)(396mg、1.39mmol)のエーテル溶液(2mL)を滴下し、徐々に昇温した。2時間後、反応液が0℃に達したところで氷浴に移し、さらに1時間攪拌した。その後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、さらにろ過、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=10/1−8/1)で精製することにより、(15h/o)(409mg、98%)を無色油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.96 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 2.02 (m, 1H), 3.18 (m, 1H), 3.60-3.44 (m, 4H), 3.74 (m, 2H), 4.50 (s, 2H), 4.56 (s, 2H), 7.33 (m, 10H).
【0111】
(2)(15h/o)(400mg、1.33mmol)をTHF(8mL)に溶解し、パラジウム炭素(20mg)を加え、水素気流下で10時間激しく攪拌した。反応液をろ過後濃縮し、得られた粗生成物をジクロロメタン(5mL)に溶解し、氷冷下、オルト酢酸トリメチル(208μL、1.73mmol)、PPTS(3.3mg、0.0133mmol)を順に加え、室温で30分間攪拌した。反応液を減圧濃縮後、真空ポンプで乾燥し、残渣をジクロロメタン(4mL)に溶解し、アセチルブロミド(118μL、1.6mmol)を加えて室温で1時間攪拌した。その後0℃に冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、さらにろ過、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=6/1−4/1)で精製することにより、(17h/o)(213mg、60%)を無色油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.01 (d, J = 7.08 Hz, 3H), 2.05 (s, 3H), 2.12 (s, 3H), 3.50 (dd, J = 5.25, 11.36 Hz, 1H), 3.64 (dd, J = 3.66, 11.23 Hz, 1H), 4.02 (dd, J = 4.76, 11.11 Hz, 1H), 4.09 (dd, J = 5.37, 11.23 Hz, 1H), 4.93-4.98 (m, 1H).
【0112】
(3)(17h/o)(700mg、2.62mmol)をメタノール(7mL)に溶解し、氷冷下炭酸カリウム(1.09g、7.86mmol)を加え、室温で2.5時間攪拌した。その後、0℃に冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過、減圧濃縮した。得られた粗生成物をジクロロメタン(11mL)に溶解し、氷冷下トリエチルアミン(1.1mL、7.86mmol)、ベンゾイルクロリド(608μL、5.24mmol)を順に加え、室温で4時間攪拌した。その後、0℃に冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=10/1)に付すことにより、(19h/o)(432mg、80%)を無色油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.02 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 1.75-1.83 (m, 1H), 2.50 (dd, J = 2.7, 4.9 Hz, 1H), 2.69 (dd, J = 4.2, 4.9 Hz, 1H), 2.85-2.90 (m, 1H), 4.30 (d, J = 5.7 Hz, 2H), 7.35-7.42 (m, 2H), 7.46-7.50 (m, 1H), 8.00-8.02 (m, 2H); LSMS (FAB - NBA + NaI) m/z 207 (M+ H)+; HRMS (FAB - NBA + NaI) calcd for C12H14O5, 207.1021, found: 207.1028.
【0113】
(4)トリメチルシリルアセチレン(823μL、5.83mmol)をTHF(5mL)に溶解し−78℃に冷却した。n−ブチルリチウム(1.56M、3.43mL、5.36mmol)を加え、30分間攪拌した。この反応液に(19h/o)(480mg、2.33mmol)のTHF溶液(3mL)を滴下し、続いて三フッ化ホウ素エーテル錯体(325μL、2.56mmol)を加え、徐々に昇温した。2.5時間後、反応液が−30℃に達したところで飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=15/1−10/1)に付すことにより、(20h/o)(564mg、80%)を無色油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.13 (s, 9H), 1.04 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 2.10-2.14 (m, 1H), 2.46 (dd, J = 7.1, 16.8 Hz, 1H), 2.60 (brs, 1H), 2.60 (dd, J = 4.4, 16.8 Hz, 1H), 3.67-3.72 (m, 1H), 4.38-4.45 (m, 2H), 7.39-7.43 (m, 2H), 7.51-7.55 (m, 1H), 8.00-8.03 (m, 2H); LSMS (FAB - NBA + NaI) m/z 305 (M+ H)+; HRMS (FAB - NBA + NaI) calcd for C17H24O5Si, 305.1573, found: 305.1574.
【0114】
(5)(20h/o)(540mg、1.77mmol)をジクロロメタン(5mL)に溶解し、氷冷下ジイソプロピルエチルアミン(462μL、2.66mmol)、TBSOTf(508μL、2.21mmol)を順に加え、室温で1時間攪拌した。その後、0℃に冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=100/1−50/1)に付すことにより、(21h/o)(672mg、90%)を無色油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.06 (s, 3H), 0.10 (s, 3H), 0.11 (s, 9H), 0.87 (s, 9H), 1.04 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 2.33 (m, 1H), 2.43 (dd, J = 5.6, 17.1 Hz, 1H), 2.54 (dd, J = 6.6, 17.1 Hz, 1H), 3.87 (m, 1H), 4.24 (dd, J = 5.6, 11.0 Hz, 1H), 4.39 (dd, J = 6.1, 11.0 Hz, 1H), 7.39-7.43 (m, 2H), 7.50-7.54 (m, 1H), 8.04-8.07 (m, 2H); LSMS (FAB - NBA + NaI) m/z 441 (M+ Na)+; HRMS (FAB - NBA + NaI) calcd for C23H38O5Si2Na, 441.2257, found: 441.2265.
【0115】
(6)(21h/o)(630mg、1.50mmol)をTHF(5mL)とメタノール(5mL)に溶解し、氷冷下、炭酸カリウム(624mg、4.50mmol)を加え、室温で16時間攪拌した。その後、0℃に冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=20/1−15/1)に付すことにより、(22h/o)(344mg、94%)を無色油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.06 (s, 3H), 0.07 (s, 3H), 0.85 (s, 9H), 0.98 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 1.95-2.00 (m, 2H), 2.39 (ddd, J = 2.7, 4.9, 17.1 Hz, 1H), 2.43 (ddd, J = 2.4, 7.3, 17.1 Hz, 1H), 2.66 (brs, 1H), 3.55 (dd, J = 5.1, 11.2 Hz, 1H), 3.74 (dd, J = 4.2, 11.2 Hz, 1H), 3.78-3.80 (m, 1H); LSMS (FAB - NBA + NaI) m/z 244 (M+ H)+;HRMS (FAB - NBA + NaI) calcd for C13H26O2Si, 243.1780, found: 243.1780.
【0116】
(7)(22h/o)(310mg、1.28mmol)をジメチルスルホキシド(7mL)に溶解し、トリエチルアミン(2.50mL、17.9mmol)、三酸化硫黄ピリジン錯体(1.43g、8.96mmol)を順に加え、室温で4時間攪拌した。その後、0℃に冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:1−50:1)にふすことにより、(23h/o)(237mg、77%)を無色油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.04 (s, 3H), 0.05 (s, 3H), 0.85 (s, 9H), 1.09 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 2.00-2.02 (m, 1H), 2.40 (ddd, J = 2.9, 5.1, 16.8 Hz, 1H), 2.47 (ddd, J = 2.7, 7.1, 16.8 Hz, 1H), 2.68-2.73 (m, 1H), 3.99-4.04 (m, 1H), 9.79 (d, J = 2.2 Hz, 1H).
【0117】
(8)(23h/o)(450mg、1.87mmol)をTHF(12mL)に溶解し、−78℃に冷却した。ビニルマグネシウムクロリド(1.44M、3.9mL、5.61mmol)を加え、徐々に昇温した。1.5時間後、反応液が−30℃に達したところで飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=50/1−30/1)に付すことにより、化合物(24h)(230mg、46%)を無色油状物として、またジアステレオマー(24o)(235mg、47%)を無色油状物として得た。
(24h)
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.11 (s, 3H), 0.12 (s, 3H), 0.89 (s, 9H), 0.95 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 1.94-2.01 (m, 2H), 2.46 (ddd, J = 2.7, 4.9, 17.1 Hz, 1H), 2.57 (ddd, J = 2.7, 8.3, 17.1 Hz, 1H), 3.90-3.93 (m, 1H), 4.59-4.61 (m, 1H), 5.12-5.15 (m, 1H), 5.25-5.31 (m, 1H), 5.81 (ddd, J = 4.6, 10.5, 17.1 Hz, 1H).
(24o)
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.10 (s, 3H), 0.12 (s, 3H), 0.86 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 0.90 (s, 9H), 1.93-1.99 (m, 2H), 2.36 (ddd, J = 2.7, 5.4, 16.9 Hz, 1H), 2.53 (ddd, J = 2.4, 5.9, 16.9 Hz, 1H), 3.88-3.95 (m, 1H), 4.08 (dd, J = 7.1, 7.1 Hz, 1H), 5.13-5.16 (m, 1H), 5.23-5.27 (m, 1H), 5.83-5.92 (m, 1H); LSMS (FAB - NBA + NaI) m/z 269 (M+ H)+; HRMS (FAB - NBA + NaI) calcd for C15H28O2Si, 269.1937, found: 269.1935.
【0118】
(9)(24h)(270mg、1.01mmol)をジクロロメタン(6mL)に溶解し、氷冷下、ジイソプロピルエチルアミン(263μL、1.52mmol)、TBSOTf(290μL、1.26mmol)を順に加え、室温で1時間攪拌した。その後、0℃に冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=100/1−50/1)に付すことにより、(10h)(385mg、100%)を無色油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.02 (s, 3H), 0.05 (s, 3H), 0.07 (s, 3H), 0.11 (s, 3H), 0.87-0.93 (m, 21H), 1.75-1.83 (m, 1H), 1.92 (m, 1H), 2.26 (ddd, J = 2.4, 6.8, 16.9 Hz, 1H), 2.40 (ddd, J = 2.7, 4.2, 16.9 Hz, 1H), 3.86 (m, 1H), 4.12 (m, 1H), 5.09 - 5.16 (m, 2H), 5.84 (ddd, J = 7.3, 10.5, 17.3 Hz, 1H); LSMS (FAB - NBA + NaI) m/z 383 (M+ H)+; HRMS (FAB - NBA + NaI) calcd for C21H43O2Si2, 383.2802, found: 383.2809.
(10h)の合成と同様に(24o)(300mg、1.12mmol)から(10o)(415mg、97%)を無色油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.03 (s, 3H), 0.06 (s, 3H), 0.07 (s, 3H), 0.12 (s, 3H), 0.78 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 0.90 (s, 9H), 0.91 (s, 9H), 1.88-1.92 (m, 1H), 1.93 (m, 1H), 2.28 (ddd, J = 2.7, 7.1, 16.6 Hz, 1H), 2.39 (ddd, J = 2.7, 3.9, 16.6 Hz, 1H), 3.97-4.00 (m, 1H), 4.13 (dd, J = 6.6, 6.6 Hz, 1H), 5.08-5.11 (m, 1H), 5.14-5.18 (m, 1H), 5.71-5.78 (m, 1H); LSMS (FAB - NBA + NaI) m/z 383 (M+ H)+; HRMS (FAB - NBA + NaI) calcd for C21H43O2Si2, 383.2802, found: 383.2800.
【0119】
(10)(10h)(340mg、0.888mmol)をTHF(20mL)に溶解し、−78℃に冷却した。n−ブチルリチウム(1.57M、850μL、1.33mmol)を加え、1時間攪拌後、パラホルムアルデヒド(89mg、2.66mmol)を加え、徐々に昇温した。2時間後、反応液が0℃に達したところで反応容器を氷浴に移し、1時間攪拌した。その後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=30/1−20/1)に付すことにより、(11h)(345mg、94%)を無色油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.00 (s, 3H), 0.03 (s, 3H), 0.06 (s, 3H), 0.09 (s, 3H), 0.88-0.90 (m, 21H), 1.74-1.78 (m, 1H), 1.85 (brs, 1H), 2.25-2.31 (m, 1H), 2.41 (m, 1H), 3.83 (m, 1H), 4.07 (m, 1H), 4.22 (m, 2H), 5.07-5.15 (m, 2H), 5.81 (ddd, J = 7.3, 10.3, 17.3 Hz, 1H); LSMS (FAB - NBA + NaI) m/z 435 (M+ Na)+; HRMS (FAB - NBA + NaI) calcd for C22H44O3Si2Na, 435.2727, found: 435.2715.
(11h)の合成と同様に(10o)(330mg、0.862mmol)から(11o)(344mg、93%)を無色油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.02 (s, 3H), 0.05 (s, 3H), 0.06 (s, 3H), 0.11 (s, 3H), 0.77 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 0.90 (s, 9H), 0.90 (s, 9H), 1.88-1.92 (m, 1H), 1.87 (m, 1H), 2.31 (m, 1H), 2.40 (m, 1H), 3.96 (m, 1H), 4.10 (m, 1H), 4.23 (brs, 2H), 5.08-5.17 (m, 2H), 5.71-5.77 (m, 1H).; LSMS (FAB - NBA + NaI) m/z 435 (M+ Na)+; HRMS (FAB - NBA + NaI) calcd for C22H44O3Si2Na, 435.2727, found: 435.2750.
【0120】
(11)(11h)(340mg、0.824mmol)をエーテル(5mL)に溶解し、0℃に冷却した。Red−Al(742μL、65%トルエン溶液、2.47mmol)を加え、室温で5時間攪拌後、再び0℃に冷却した。酢酸エチル(0.5mL)を加えた後−78℃に冷却し、ヨウ素(627mg、2.47mmol)を加え、徐々に昇温した。1時間後、反応液が−10℃に達したところでエーテルを加え、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=30/1−20/1)に付すことにより、(12h)(272mg、61%)を無色油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.01 (s, 3H), 0.01 (s, 3H), 0.03 (s, 3H), 0.06 (s, 3H), 0.85 (s, 9H), 0.89 (s, 9H), 0.96 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 1.75 (brs, 1H), 1.78-1.82 (m, 1H), 2.47-2.58 (m, 2H), 3.79 (m, 1H), 3.97 (m, 1H), 4.12 (dd, J = 5.4, 13.7 Hz, 1H), 4.18 (dd, J = 6.1, 13.7 Hz, 1H), 5.11-5.23 (m, 2H), 5.77-5.86 (m, 1H), 5.87 (dd, J = 5.4, 6.1 Hz, 1H); LSMS (FAB - NBA + NaI) m/z 563 (M+ Na)+; HRMS (FAB - NBA + NaI) calcd for C22H45O3Si2NaI, 563.1850, found: 563.1832.
(12h)の合成と同様に(11o)(330mg、0.80mmol)から(12o)(319mg、74%)を無色油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.00 (s, 3H), 0.01 (s, 3H), 0.03 (s, 3H), 0.07 (s, 3H), 0.85 (s, 9H), 0.86 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 0.91 (s, 9H), 1.81 (m, 1H), 2.55 (m, 1H), 2.77 (m, 1H), 3.99 (dd, J = 6.4, 6.4 Hz, 1H), 4.11-4.20 (m, 3H), 5.11-5.19 (m, 2H), 5.78-5.85 (m, 1H), 5.86 (dt, J = 2.7, 5.4 Hz, 1H).
【0121】
(12)(12h)(250mg、0.462mmol)をアセトニトリル(5mL)に溶解し、トリエチルアミン(77μL、0.554mmol)、Pd(PPh(27mg、0.023mmol)を順に加え、脱気した後、加熱還流した。30分後、反応液を減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=20/1−15/1)に付すことにより、(13h)(185mg、97%)を無色油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.02 (s, 3H), 0.04 (s, 3H), 0.05 (s, 3H), 0.05 (s, 3H), 0.88 (s, 9H), 0.90 (s, 9H), 0.92 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 1.80-1.84 (m, 1H), 2.27 (d, J = 5.1 Hz, 2H), 4.02-4.03 (m, 1H), 4.06-4.09 (m, 1H), 4.13-4.22 (m, 2H), 4.79 (m, 1H), 5.14 (m, 1H), 5.50 (m, 1H); LSMS (FAB - NBA + NaI) m/z 435 (M+ Na)+; HRMS (FAB - NBA + NaI) calcd for C22H44O3Si2Na, 435.2727, found: 435.2710.
(13h)の合成と同様に(12o)(300mg、0.555mmol)から(13o)(219mg、95%)を無色油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.05 (s, 6H), 0.05 (s, 6H), 0.81 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 0.88 (s, 9H), 0.92 (s, 9H), 2.12-2.18 (m, 2H), 2.30-2.41 (m, 1H), 3.80-3.84 (m, 1H), 4.05-4.06 (m, 1H), 4.12 (ddd, J = 2.7, 5.1, 12.7 Hz, 1H), 4.23-4.31 (m, 1H), 4.80 (m, 1H), 5.31 (m, 1H), 5.50-5.53 (m, 1H); LSMS (FAB - NBA + NaI) m/z 435 (M+ Na)+; HRMS (FAB - NBA + NaI) calcd for C22H44O3Si2Na, 435.2727, found: 435.2741.
【0122】
(13)N−クロロコハク酸イミド(549mg、4.11mmol)をジクロロメタン(5mL)に溶解し、0℃に冷却した。ジメチルスルフィド(302μL、4.11mmol)を加え、30分間攪拌した後、−20℃に冷却した。この反応液に(13h)(170mg、0.411mmol)のジクロロメタン溶液(2mL)を滴下し、室温で1時間攪拌した。その後、0℃で水を加え、ヘキサンで抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過、減圧濃縮した。得られた粗生成物を中性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=20/1)に付すことにより無色油状物を得た後、直ちに次の反応に用いた。
ジフェニルホスフィン(215μL、1.23mmol)をTHF(5mL)に溶解し、0℃に冷却した。n−ブチルリチウム(1.57M、785μL、1.23mmol)を加え、20分間攪拌した。この反応液を−78℃に冷却後、先に得た化合物のTHF溶液(2mL)を滴下し、45分間攪拌した。その後、水を数滴加えて0℃に昇温し、次いで過酸化水素水(30%、2mL)を加えた。1時間後、水を加え、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液を加えてジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/1−1/1)に付すことにより、(7h)(216mg、88%)を無色油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ -0.06 (s, 3H), -0.05 (s, 3H), -0.02 (s, 3H), 0.02 (s, 3H), 0.82 (s, 9H), 0.88 (s, 9H), 0.91 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 1.70-1.74 (m, 1H), 2.22 (m, 2H), 3.10-3.19 (m, 1H), 3.29-3.38 (m, 1H), 3.97 (m, 2H), 4.72 (m, 1H), 5.09 (m, 1H), 5.25-5.30 (m, 1H), 7.42-7.46 (m, 6H), 7.67-7.70 (m, 4H); LSMS (FAB - NBA + NaI) m/z 597 (M+ H)+; HRMS (FAB - NBA + NaI) calcd for C34H54O3Si2P, 597.3349, found: 597.3372.
(7h)の合成と同様に(13o)(200mg、0.483mmol)から(7o)(250mg、87%)を無色油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.01 (s, 6H), 0.01 (s, 6H), 0.75 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 0.86 (s, 9H), 0.91 (s, 9H), 2.01-2.10 (m, 2H), 2.22-2.29 (m, 1H), 3.15-3.21 (m, 1H), 3.26-3.32 (m, 1H), 3.51-3.54 (m, 1H), 3.69 (m, 1H), 4.84 (m, 1H), 5.27 (m, 1H), 5.42-5.47 (m, 1H), 7.45-7.54 (m, 6H), 7.65-7.74 (m, 4H); LSMS (FAB - NBA + NaI) m/z 597 (M+ H)+; HRMS (FAB - NBA + NaI) calcd for C34H54O3Si2P, 597.3349, found: 597.3358.
【0123】
(14)(7h)(210mg、0.351mmol)をTHF(4.5mL)に溶解し、−78℃に冷却した。n−ブチルリチウム(1.57M、246μL、0.386mmol)を加え、20分間攪拌後(6)(92mg、0.234mmol)のTHF(1.5mL)溶液を加え、徐々に昇温した。3.5時間後、反応液が0℃に達したところで反応容器を氷浴に移し、1時間攪拌した。その後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=100/1−50/1)に付すことにより、(8h)(66mg、37%)を無色油状物として得た。
1H NMR (600 MHz, C6D6) δ 0.15 (s, 3H), 0.15 (s, 3H), 0.20 (s, 3H), 0.24 (s, 3H), 0.70 (q, J = 8.0 Hz, 6H), 0.88-0.92 (m, 9H), 1.02-1.13 (m, 30H), 1.27 (s, 3H), 1.33-1.67 (m, 13H), 1.70-1.76 (m, 1H), 1.81-1.87 (m, 1H), 1.90-1.94 (m, 1H), 2.08-2.14 (m, 1H), 2.19-2.22 (m, 1H), 2.46-2.51 (m, 2H), 2.54-2.58 (m, 1H), 4.21 (d, J = 5.8 Hz, 1H), 4.26 (m, 1H), 5.20 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 5.31 (s, 1H), 6.47 (d, J = 11.2 Hz, 1H), 6.57 (d, J = 11.2 Hz, 1H); LSMS (FAB - NBA + H) m/z 773 (M+ Na)+; HRMS (FAB - NBA + NaI) calcd for C46H88O3Si3, 773.6120, found: 773.6121.
(8h)の合成と同様に(7o)(198mg、0.331mmol)から(8o)(84mg、49%)を無色油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.07 (s, 3H), 0.07 (s, 3H), 0.08 (s, 3H), 0.09 (s, 3H), 0.56 (q, J = 8.1 Hz, 6H), 0.84 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 0.88-0.98 (m, 36H), 1.19 (s, 3H), 1.26-1.75 (m, 15H), 1.81-1.85 (m, 1H), 2.06-2.26 (m, 4H), 2.36-2.42 (m, 2H), 3.81-3.87 (m, 1H), 4.09 (m, 1H), 4.98 (m, 1H), 5.38, (m, 1H), 6.11 (m, 1H), 6.20 (dd, J = 1.5, 11.2 Hz, 1H); LSMS (FAB - NBA + NaI) m/z 795 (M+ Na)+; HRMS (FAB - NBA + NaI) calcd for C46H88O3Si3Na, 795.5939, found: 795.5944.
【0124】
(15)(8h)(36mg、0.046mmol)をTHF(4mL)に溶解し、テトラブチルアンモニウムフルオリド(776μL、1.0MTHF溶液、0.92mmol)を加え、室温で7時間攪拌した。その後、0℃に冷却し、水を加えて酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1.5/1−1/1)に付すことにより、無色油状物を得た。これをベンゼン(5mL)に溶解し、80℃で2時間加熱した。その後、反応液を濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/1)に付すことにより、(1h)(20mg、100%)を無色油状物として得た。
1H NMR (600 MHz, C6D6) δ 1.01 (s, 3H), 1.02 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 1.03 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 1.15 (s, 3H), 1.15 (s, 3H), 1.32-1.62 (m, 10H), 1.86 (s, 3H), 1.87-2.04 (m, 3H), 2.07 (m, 2H), 2.15-2.21 (m, 2H), 2.48-2.51 (m, 1H), 3.77 (d, J = 4.4 Hz, 1H), 4.06 (m, 1H), 5.83, (m, 1H), 5.91 (d, J = 12.1 Hz, 1H), 5.94 (d, J = 12.1 Hz, 1H); LSMS (FAB - NBA + NaI) m/z 453 (M+ Na)+; HRMS (FAB - NBA + NaI) calcd for C28H46O3Na, 453.3345, found: 453.3363.
(1h)の合成と同様に(8o)(29mg、0.0375mmol)から(1o)(16mg、100%)を無色油状物として得た。
1H NMR (600 MHz, C6D6) δ 1.03 (d, J = 6.2 Hz, 3H), 1.05 (s, 3H), 1.12 (s, 3H), 1.12 (s, 3H), 1.22 (d, J = 7.2 Hz, 3H), 1.33-1.55 (m, 13H), 1.87-1.90 (m, 1H), 1.99 (s, 3H), 2.03-2.12 (m, 3H), 2.23-2.28 (m, 2H), 2.33 (m, 1H), 3.64 (m, 1H), 3.69 (m, 1H), 5.84, (m, 1H), 5.95 (s, 1H), 5.95 (s, 1H); LSMS (FAB - NBA + NaI) m/z 453 (M+ Na)+; HRMS (FAB - NBA + NaI) calcd for C28H46O3Na, 453.3345, found: 453.3332.
【0125】
[実施例9]
2β−ヒドロキシプロピル−14−エピ−1β、25−ジヒドロキシプレビタミンD(化合物(1j))の製造
【0126】
【化16】

【0127】
(1−1)アリルマグネシウムクロリド(2.0M THF溶液、6.15mL、12mmol)を反応容器に移し、真空ポンプで溶媒留去した。残渣をトルエン(5mL)に溶解して0℃に冷却した。この反応液に文献記載の方法(ニコラウ(Nicolaou)ら、ザ・ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)、50巻、1440−1456頁、1985年)で得られる(14)(700mg、2.46mmol)のトルエン溶液(5mL)を滴下し、室温で3時間攪拌した。その後0℃で飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、さらにろ過、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=10/1−8/1)で精製することにより、アリル付加体(800mg、100%)を無色油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.92-1.96 (m, 1H), 2.22-2.32 (m, 2H), 3.06 (brs, 1H), 3.56-3.66 (m, 4H), 3.93 (dd, J = 5.6, 11.2 Hz, 1H), 4.49 (s, 2H), 4.57 (s, 2H), 5.04-5.10 (m, 2H), 5.77-5.84 (m, 1H), 7.29-7.39 (m, 10H).
【0128】
(1−2)得られたアリル付加体(595mg、1.82mmol)をTHF(10mL)に溶解し、0℃に冷却した。これに9−BBN(0.5M THF溶液、8.02mL、4mmol)を加え、室温で3時間攪拌した。再び0℃に冷却し、30%過酸化水素水(1mL)、15%水酸化ナトリウム水溶液(1mL)を順に加え、1時間攪拌した。その後飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、さらにろ過、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/1−1/2)で精製することにより、ヒドロキシ体(630mg、100%)を無色油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.40-1.59 (m, 4H), 1.80 (m, 1H), 2.74 (brs, 1H), 3.42-3.60 (m, 6H), 3.89 (m, 1H), 4.48 (s, 2H), 4.54 (s, 2H), 7.27-7.35 (m, 10H).
【0129】
(1−3)得られたヒドロキシ体(105mg、0.305mmol)をジメチルホルムアミド(1.5mL)に溶解し、氷冷下でイミダゾール(42mg、0.61mmol)、t−ブチルジフェニルシリルクロリド(95μL、0.366mmol)を順に加え、室温で1時間攪拌した。その後0℃に冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、さらにろ過、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=30/1)で精製することにより、(15j)(160mg、90%)を無色油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.07 (s, 9H), 1.52-1.61 (m, 4H), 1.78 (m, 1H), 2.85 (brs, 1H), 3.53-3.56 (m, 3H), 3.61-3.66 (m, 3H), 3.88 (m, 1H), 4.45 (d, J = 12.2 Hz, 1H), 4.51 (d, J = 12.2 Hz, 1H), 4.54 (s, 2H), 7.28-7.43 (m, 16H), 7.67-7.69 (m, 4H).
【0130】
(2)(15j)(52mg、0.089mmol)をメタノール(5mL)に溶解し、パラジウム炭素(16mg)を加え、水素気流下で10時間激しく攪拌した。反応液をろ過後濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)で精製することにより、(16j)(31mg、86%)を無色油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.05 (s, 9H), 1.42-1.64 (m, 5H), 2.54 (brs, 2H), 3.09 (brs, 1H), 3.59-3.79 (m, 7H), 7.36-7.45 (m, 6H), 7.64-7.67 (m, 4H).
【0131】
(3)(16j)(37mg、0.092mmol)をジクロロメタン(1mL)に溶解し、氷冷下でオルト酢酸トリメチル(33μL、0.276mmol)、PPTS(1mg)を順に加え、室温で30分間攪拌した。反応液を減圧濃縮後、真空ポンプで乾燥し、残渣をジクロロメタン(1mL)に溶解した。これに氷冷下でアセチルブロミド(8μL、0.11mmol)を加え、室温で2、5時間攪拌した。その後0℃に冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、さらにろ過、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=12/1)で精製することにより、(17j)(30mg、60%)を無色油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.03 (s, 9H), 1.39-1.45 (m, 2H), 1.56-1.61 (m, 2H), 2.02 (s, 2H), 2.07 (s, 1H), 2.13 (m, 1H), 3.49 (dd, J = 5.9, 11.2 Hz, 1H), 3.55 (dd, J = 4.4, 11.2 Hz, 1H), 3.65 (t, J = 5.9 Hz, 2H), 4.05 (dd, J = 5.1, 11.7 Hz, 1H), 4.14 (dd, J = 4.6, 11.7 Hz, 1H), 5.05 (m, 1H), 7.34-7.43 (m, 6H), 7.62-7.65 (m, 4H).
【0132】
(4)(17j)(28mg、0.051mmol)をメタノール(3mL)に溶解し、氷冷下で炭酸カリウム(17mg、0.122mmol)を加え、室温で4時間攪拌した。その後0℃に冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、さらにろ過、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=5/1−4/1)で精製することにより、(18j)(19mg、96%)を無色油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.03 (s, 9H), 1.33 (m, 1H), 1.44-1.62 (m, 4H), 1.91 (brs, 1H), 2.51 (dd, J = 2.7, 4.7 Hz, 1H), 2.76 (dd, J = 4.2, 4.7 Hz, 1H), 2.83 (m, 2H), 3.63-3.70 (m, 6H), 7.34-7.43 (m, 6H), 7.62-7.65 (m, 4H).
【0133】
(5)かくして得られた化合物(18j)から表題化合物(1j)までの誘導は、実施例4における化合物(18k)から化合物(1k)までの製造条件を参考に、容易に行うことができる。
【0134】
[実施例10]
ニワトリ小腸粘膜細胞質内1α、25−ジヒドロキシビタミンD3リセプタ−(VDR)に対する結合親和性
文献記載の方法(石塚ら、ステロイズ(Steroids)、1982年、37巻、p.33−p.43)に従った。すなわち、12×75mmのポリプロピレンチュ−ブに、GEヘルスケアバイオサイエンス社から購入した[26、27−メチル−H]1α、25−ジヒドロキシビタミンD(176Ci/mmol)20pgと各被験化合物を50μlのエタノ−ルに溶解した。これに、リン酸緩衝液(pH7.4)1mlにニワトリ小腸粘膜細胞よりステロイド、37巻33から43頁、1982年に記載の方法で調製したVDR0.1mgとゲラチン2mgを溶解した溶液を加え、25℃で1時間反応させた。反応後、40%ポリエチレングリコ−ル6000溶液1mlを各チュ−ブに加え、激しく撹拌後、4℃、2260×gで60分間遠心分離した。沈殿部分のチュ−ブをカッタ−ナイフで切り取り、液体シンチレ−ション用バイアルに入れ、10mlのジオキサンシンチレ−タ−を加え、放射能をベックマンLS6500型液体シンチレ−ションカウンタ−で測定した。
この結果、本発明の化合物は、既知のプレビタミンD誘導体(5)に比べ、強いVDR親和性を有することが判明した。特に化合物(1a)は、化合物(5)と比較して10倍以上強いVDR親和性を有することが判明した。
【0135】
[実施例11]
ヒト骨芽細胞(HOS細胞)におけるVDR転写活性
(1)レポーターベクターはpGL3ベクター(promega社)を用い、ルシフェラーゼ遺伝子の上流に、文献既知の方法(Ozonoら、ザ・ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(TheJournalofBiologicalChemistry )、265巻、21881―21888頁、1990年)で得られるヒトオステオカルシン遺伝子プロモーター部分の配列を、HOS細胞(ATCCより入手)から取得したcDNAよりクローニングし、組み込んで構築した。発現ベクターはpCDNA3ベクター(Invitrogen社)にヒトVDRおよびヒトRXRをコードするDNA配列を挿入して構築した。HOS細胞は10%FBSを含むDMEM培地で37℃、5%COの条件で培養し、2日あるいは3日ごとに継代した。
【0136】
(2)継代培養していた細胞を遠心回収し、無血清、フェノールレッド不含のDMEM培地に4×10cells/mlの密度で分散させ、96ウェルプレートに0.1mL/ウェルで播種した。この系に、(1)に記載した各種ベクターをLipofectamin2000(Invitrogen社)試薬を用いてウェルあたり0.05mL添加した。37℃で3時間インキュベートした後、各ウェルに各種濃度の被験化合物エタノール溶液あるいはコントロールとしてエタノールを2μLずつ添加した。37℃で24時間インキュベートした後、培地を取り除き、PBS(−)で一度洗浄した後、DualGlo−Luciferase Assay kit(Promega社)を用いて、ルミノメータ(ベルトールド社)によりルシフェラーゼ活性を測定した。
その結果、本発明の化合物は、既知のプレビタミンD誘導体(5)に比べ、同等以上の転写活性を有することが判明した。特に、化合物(1a)は、化合物(5)と比較して5倍強い転写活性能を有することが判明した。
【産業上の利用可能性】
【0137】
本発明のプレビタミンD誘導体は、骨粗鬆症の治療剤の有効成分として用いられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)で表されるプレビタミンD誘導体またはその医薬上許容される溶媒和物。
【化1】

[式中、Rは、水酸基で置換されていてもよいC−Cのアルキル基、C−Cのアルコキシ基、フェニル基、またはC−C12のアラルキル基を表す。]
【請求項2】
前記式(1)のRがメチル基である請求項1に記載のプレビタミンD誘導体またはその医薬上許容される溶媒和物。
【請求項3】
前記式(1)のRが3−ヒドロキシプロピル基である請求項1に記載のプレビタミンD誘導体またはその医薬上許容される溶媒和物。
【請求項4】
前記式(1)のRが3−ヒドロキシプロピルオキシ基である請求項1に記載のプレビタミンD誘導体またはその医薬上許容される溶媒和物。
【請求項5】
前記式(1)の1位の立体配置がα、2位の立体配置がαである請求項1から4のいずれかに記載のプレビタミンD誘導体またはその医薬上許容される溶媒和物。
【請求項6】
前記式(1)の1位の立体配置がβ、2位の立体配置がβである請求項1から4のいずれかに記載のプレビタミンD誘導体またはその医薬上許容される溶媒和物。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載のプレビタミンD誘導体またはその医薬上許容される溶媒和物を有効成分として含有する骨粗鬆症治療剤。

【公開番号】特開2009−13154(P2009−13154A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−251273(P2007−251273)
【出願日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(503369495)帝人ファーマ株式会社 (159)
【Fターム(参考)】