説明

2つのパイプ端を接続するための結合要素

【課題】自動車用冷却水継手に於いて、自動排気機能を有する部材を付加した構造を提供する。
【解決手段】2つのパイプ端を接続するための結合要素1。結合要素1は、第1の接続端2、第2の接続端3、第1の接続端2と第2の接続端3との間に形成された接続水路4を有する筐体9と、吸湿性のシール21によって覆われた通路18と、吸湿性のシール21と通路18と直列に配置されたバルブシート15とバルブ要素14とを含む通気バルブ13とを備える。バルブ要素14は、接続水路4の中の圧力によってバルブシート15から開放される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つのパイプ端を接続するための結合要素に関し、より詳細には、接続水路が実装または形成された第1の接続端と第2の接続端を備える筐体と通気管を有する、自動車の冷却液のパイプ端を接続するための結合要素に関する。
【背景技術】
【0002】
この型の結合要素は、独立のパイプ端をお互いに接続する線システムの製造の中で使用される。例えば、ブランチを形成するため、または、システムの中にバルブまたは可閉開口のような制御要素を導入するために使用される。したがって、パイプ端は、堅いパイプの端だけでなく、任意の種類の線の端、例えばパイプ接続をも意味する。
【0003】
例えば、自動車の冷却液回路のような線システムは、しばしば液体で満たされる。このシステムの通気は一般に必要である。自動車の冷却液回路の中で通気は、例えば通気管からカバーキャップの除去によって実行される。カバーキャップは、冷却水が通気管から表れたとき再度閉められる。通気管の真空気密密封が、このカバーキャップの使用によって実行され、液体が吸引される充填操作の間、特に必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、カバーキャップの使用は操作者による動作を必要とする。
【0005】
本発明の実施形態は、完全に自動で真空気密通気を可能の状態にする結合要素を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態によれば、通気管の排気開口は吸湿性のシールによって覆われている。通気管の中でバルブシールとバルブ要素を有する通気バルブが配置され、通気バルブは、接続水路の中で圧力によってバルブシートから持ち上げることができる。
【0007】
本出願の中で、「通路」は、接続水路の外側、例えば環境の中への通気管の開口に言及する。したがって、通気が行われるが、吸湿性のシールの使用によって、液体が漏れ出さないことが確実にされる。吸湿性のシールは、湿気を吸収することができ、必要なら再度それを解放する。しかしながら、吸湿性のシール単独では通気管の真空密封閉鎖を可能とすることはできない。さらに、「真空密封」は、接続水路の中で低圧力の蓄積を可能とするシール、つまり十分な堅さを有するシールに言及する。この堅さは、通気バルブによって確実にされ、その中でバルブシート上のバルブ要素の支持面によって非常に堅い締め付けが確実にされる。これは、バルブ要素が接続水路の中の圧力によってバルブシートから持ち上げられることができるため、または、低圧力によってバルブシートに対して吸引されるためである。したがって、通気はバルブシートの持ち上げ、および吸湿性のシールを通して漏れることによって確実にされている間、接続水路の中の低圧力の蓄積が可能になる。運用者がこの目的のため動作を行う必要はない。直列の、つまり、1つが他のものの後ろにある、吸湿性シールを有する通気バルブの配置により、通気管を通して接続水路から漏れたい全てのものは、吸湿性シールと同様に通気バルブから通り過ぎる。
【0008】
バルブ要素が閉じる方向に力によって、支えられることは特に好ましい。例えば、バルブ要素はバネ力によって支えられる。したがって、通気バルブは、通常閉められた位置に保持される。バルブ要素は例えば、重力によってバルブシートに対して下向きに引かれることができる。閉じる方向にバルブ要素を乗せるバネの使用は、通気バルブを開くために必要な力、つまり、接続水路内の必要な高圧力が比較的正確に調節可能であることを意味する。同時に、バルブ要素がバルブシートを支える確実さがバネによって増加し、これは、例えば、振動にさらされる利用で効果を有する。
【0009】
好ましくは、吸湿性のシールは、筐体のパイプ接続の中に配置される空洞円筒形挿入物の中に配置される。これによって高精度に筐体を作成する必要はない。吸湿性のシールは、比較的正確に挿入物の中に適応される。挿入物は、例えば筐体の中に押される、ねじ込まれる、または、溶接される。他の実施形態で、挿入物は筐体内でスライド可能なように配置される。追加的なシールが挿入物と筐体との間の密封のため提供される。追加的なシールは、例えば、挿入物の正面に配置され、および挿入物が挿入されたとき、正面と筐体の間に配置される。結合筐体の中に挿入物を溶接することによって、追加のシールが省略される。
【0010】
挿入物の正面が蓋によって閉められることは特に好ましい。空洞円筒形挿入物は筐体から離れた側上で蓋によって閉められる。これは、通気が通路を通してのみ行われることを確実にする。しかしながら、吸湿性のシールの取り付けは、蓋が置かれる前に簡単に可能であり、挿入物は、それが筐体の中に挿入される端上に内部に突き出ているフランジを有し、吸湿性のシールはフランジを支える。シールと蓋を有する挿入物は、小型で一体型であり、これは取り扱うのに容易である。
【0011】
好ましくは、通路は挿入物の円周の壁に配置される。したがって、通気は単純に直線の方向に実行されず、約90°の方向変化が必要となる。これは液体が通過することを難しくする。
【0012】
好ましくは、吸湿性のシールはいくつかの密封リングを有する。いくつかの密封リングの使用は、空洞円筒形挿入物に対して比較的正確に、吸湿性のシールの寸法を適応可能にする。通気管の拡張は、これにより密封リングの自由横断面を通して発生する。
【0013】
好ましくは、通気管は接続水路の中に、開口部の領域を有する。この開口部の領域は制限の形で実装されることができる。例えば、隣接する通気管と比較して内部直径を減少させる。したがって接続水路の開口は、比較的小さく保たれる。これは液体の過剰の流出を妨げる。通気のため、比較的小さい開口のみが必要である。
【0014】
好ましくは、バルブ要素は伸張部を有する。これは、開口部の領域を超えて広がる。必要なら、この伸張部の長さはバルブ要素の移動距離よりも長い。バルブ要素は伸張部によって開口部の中に導かれる。したがって、伸張部は開口部の断面の大きい部分を閉じる。この結果、比較的小さい開いた断面の全ての中に接続水路の小さい断面が維持される。このため、液体は比較的小さい量のみが漏れる。これは吸湿性のシールによって、捕まえれる。
【0015】
好ましくは、通気管は案内領域を有する。開口部の領域は案内領域より小さい直径を有し、バルブシートは、案内領域と開口部の領域の間で段によって形成される。案内領域は十分大きい直径を有し、この結果、例えば、案内領域内でのバルブ要素の移動は簡単にできる。筐体を弱くすること、および特に接続水路への開口は、開口部の領域の中の直径の縮小によって低く保たれる。これは、よい密封を得るという効果を有する。バルブシートは、案内領域と開口部の領域の間で段によって、バルブシートの実装の結果として、大きな出費をすることなく、筐体の中に統合できる。この段は、したがって、案内領域の直径に比較して開口部の領域の直径の減少によって生み出される。
【0016】
バルブ要素が案内領域の中に導かれることに効果がある。バルブ要素はしたがって簡単に、通気管の案内領域の中に置かれる。これは、案内領域を通した移動の間に導かれる。例えば、バルブ要素は、案内領域の中、円周方向の壁上で半径方向に支えられる。これにより、バルブ要素と案内領域の円周側との間で通気が可能になることが、バルブ要素の対応する凹凸によって確実にされる。バルブ要素と案内領域の円周側との間で十分な空気の隙間があるこのような大きな間隔でバルブ要素を生産することも考えられる。
【0017】
好ましくは、バルブシートはじょうごの形の手法によって実装または形成され、バルブ要素は特に円錐の支持面を有する。したがって、バルブ要素がバルブシートを支えるとき、平らな接触面がバルブ要素とバルブシートの間に得られる。これは達成される堅さで有利な効果を有する。達成される堅さはさらに、比較的柔らかいまたは弾性的な材料からバルブ要素および/または筐体を生産することによって増加される。この結果バルブ要素がバルブシートを支えるとき、弾性変形が起こる。
【0018】
好ましくは、挿入物の第2の正面はバルブ要素のための停止片を形成する。開口方向でのバルブ要素の移動距離は、この挿入物によって制限される。これは比較的単純な方法で通気管を統合することを可能とする。同時に移動距離は挿入物によって定められ、バルブ要素の損失は妨げられる。
【0019】
好ましくは、接続端は、他の端に対して0°より大きい角で配置され、特に90°である。これは、結合要素の組み立てを通気バルブが最も高い位置に配置されることを可能にする。
【0020】
接続端の1つは、したがって挿入部分として実装または形成され、接続端の他は、受け入れる部分として実装または形成される。これは、比較的簡単にパイプ端に対する接続要素の接続を可能とする。
【0021】
好ましくは、通気管は接続端の1つと平行な方向に走っている。通気管と挿入物の挿入はしたがって比較的簡単な手法で可能になり、接続端は固定される。挿入の間に必要な力は、平行に走っている接続端の中に直接移動される。
【0022】
通気管が接続端で補われることも好ましい。これは、通気要素が、ラム(ram)が接続水路の中通気管を通して飛び出したときでさえ、通気バルブの望ましくない開口を導く接続水路内の液体の主な流れに抵抗して流されないことを確実にする。通気管の補正配置を通して、確実さが向上する。
【0023】
好ましくは、蓋がバルブ要素を形成する。これにより独立の要素の数が減少する。通気バルブの開口または閉鎖は、筐体のパイプ接続に関する蓋の動作によって行われる。したがって、通気バルブが開いているか閉じているかを外側から簡単に認識することが可能になる。この実施形態の中で、バルブ要素または蓋で通気バルブを形成するバルブシートは、流れの方向の中で吸湿性のシールおよび通路の後ろに配置される。通気管を通した接続水路からの液体の流れは最初吸湿性のシール次に通気管を通過しなければならない。したがって、挿入物が蓋に接続され、挿入物が筐体内で直線的に動作可能な手法で配置されることは特に好ましい。半径方向のシールが特に挿入物と筐体の間に配置される。通路は、例えば、挿入物と筐体の間の接続点の中に実装または形成される。蓋またはバルブ要素の案内は、挿入物を通して行われる。挿入物と筐体の間の半径方向のシールは、挿入物と筐体の間の動作でさえ、液体が吸湿性のシールを飛び越えて進むことがないことを確実にする。
【0024】
好ましくは、蓋は、基部と完全な周囲の壁を有する茶碗型の手法で実装され、特に、環状のシールはパイプ接続の外壁と壁の内側との間に配置される。したがって、蓋の完全な周囲の壁は、挿入物が導かれる筐体のパイプ接続を取り囲む。したがって、通路は、環境の影響から壁によって守られる。同時に、パイプ接続の外壁を有する壁の相互作用を通して、蓋の案内が行われる。
【0025】
好ましくは、環状のシールは、バルブ要素の開いた位置で内部または外部の壁のどちらかを支え、閉じた位置で外部の壁と同様に内部の壁を支える。バルブ要素の開いた位置で、環状のシールは、密封の機能はなく、追加の密封がバルブ要素の閉じた位置で行われる。真空気密閉鎖が閉じた位置で確実にされる。
【0026】
好ましくは、スロットは、壁の中に実装され、閉じた位置で環状のシールによって追加的に密封される。しかしながら、開いた位置でスロットは環状のシールによって密封されない。通気管からの空気の制御された漏れがスロットを通して行われる。同時に、真空気密閉鎖が環状のシールによって可能になる。
【0027】
本発明の実施形態は、2つのパイプ端を接続するための結合要素に向いている。結合要素は、第1の接続端、第2の接続端、第1の接続端と第2の接続端との間に形成された接続水路を有する筐体と、吸湿性のシールによって覆われた通路と、吸湿性のシールと通路と直列に配置されたバルブシートとバルブ要素とを含む通気バルブとを備える。バルブ要素は、接続水路の中の圧力によってバルブシートから持ち上げられる。
【0028】
実施形態の側面によれば、結合要素は自動車の冷却回路の中に構成され、配置される。
【0029】
他の側面によれば、バルブ要素は、閉じる方向に力によって支えられることが可能である。
【0030】
実施形態のさらなる側面によれば、空洞円筒形挿入物が筐体のパイプ連結器スタブの中の部分に少なくとも配置されることができる。吸湿性のシールは空洞円筒形挿入物の中に配置される。さらに、蓋は挿入物の第1の正面近くに配置される。通路は、挿入物の円周の壁の中に形成される。
【0031】
実施形態のさらなる他の側面によれば、吸湿性のシールはいくつかの密封リングを備える。
【0032】
さらに、通気管は接続水路に連結された開口部の領域を有する。バルブ要素は、開口部の領域を超えて広がる伸張部を有する。伸張部の長さはバルブ要素の移動距離よりも長い。さらに、通気管は案内領域を有する。開口部の領域は案内領域より小さい直径を有し、バルブシートは、案内領域と開口部の領域との間で段によって形成される。バルブ要素が案内領域の中に導かれる。
【0033】
他の側面によれば、バルブシートはじょうご型の部分を含み、バルブ要素は円錐の支持面を備える。
【0034】
本発明の別のさらなる他の実施形態によれば、挿入物は、バルブ要素のための停止片として配置された第2の正面を有する。蓋はバルブ要素を形成する。挿入物は蓋に接続され、筐体内で直線的に動作可能に配置される。さらに半径方向のシールが挿入物と筐体の間に配置される。蓋は、基部と完全な周囲の壁を有する茶碗型を有し、結合要素は、筐体のパイプ連結器スタブの外壁と完全な周囲の壁の内部との間に配置された環状のシールをさらに含む。さらに、バルブ要素の開いた位置で、環状のシールは、パイプ連結器スタブの外壁の1つ、または完全な周囲の壁の内部を内側から支えるために配置され、バルブ要素の閉じた位置で、環状のシールは、バルブ要素の開いた位置での完全な周囲の全ての壁の外部、およびパイプ連結器スタブの外壁、または完全な周囲の壁の内部を内側から支えるために配置される。結合要素は、さらにバルブ要素が閉じた位置であるとき、環状のシールによって密封されることが可能な完全な周囲の壁の中に形成されたスロットを含む。
【0035】
他の例示的実施形態と本発明の効果は、本発明の開示と添付の図によって確かめられる。
【0036】
本発明は、本発明の非制限の例示的実施形態により、複数の図を参照することによって、以下の詳細な記述により記載される。図の中のいくつかを通して同じ参照番号は同じ部分を表す。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】第1の実施形態の通気バルブを有する結合要素の断面図を示す。
【図2】閉じた位置での通気バルブを有する第2の実施形態の結合要素の断面図を示す。
【図3】3次元表現での図2による結合要素を示す。
【図4】開いた位置での図2による結合要素を示す。
【図5】3次元表現での図4による結合バルブを示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
ここで、詳細は例示の方法で示され、本発明の実施形態の図示的議論の目的のためのみに、本発明の原理と概念的な面をすぐに理解でき、最も効果的と信じられることを提供するために表される。このことについて、本発明の基本的理解のために必要なもの以上に、本発明のいくつかの形状が実際にどのように実装されるかを当業者に明らかにさせる、図を伴った記載以上に、本発明の構造的詳細を開示することを意図していない。
【0039】
図1は、結合要素1の断面図を示す。これは、第1の接続端2、第2の接続端3、およびこれらの間に実装または形成された接続水路4を有する。したがって、液体は結合要素1または接続水路4を通して導かれる。接続端2は、挿入端として実装または形成され、パイプ端はここに挿入可能である。接続端3は、例えばホースのように実装または形成されたパイプ端の中に挿入可能である挿入端として実装または形成される。
【0040】
パイプ端の確実な接続のため、接続端3は、その外部上にのこぎり歯5が提供される。接続端2は、その内部上に、バネリング6と密封リング7が提供される。接続端2は、その外部上に掛け金8を有する。これらの要素は結合要素1内にパイプ端の堅い接続を生成するための既知の手法の中で使用される。
【0041】
接続端2と3は、例示的実施形態に示されたように、90°の角でお互いに配置される。しかしながら、他の配置もあり得る。非制限の例によって、接続端2と3はお互い平行に整列することも可能であり、これらの端をお互いに軸方向に整列することも可能である。
【0042】
通気管10は、結合要素1の筐体9の中に提供される。通気管10は接続水路4の中に開いており、接続水路4の接続は環境に達する。通気管10は、開口部領域11と案内領域12を有する。開口部領域11は、接続水路4に隣接し、案内領域12より小さい直径を有する。
【0043】
通気バルブ13は、通気管10内に配置される。通気バルブ13は、バルブ要素14とバルブシート15を有する。例示的実施例の中で、バルブシート15は段によって形成され、これは、案内領域12に関して開口部領域11の直径を減少させることによって生成される。バルブ要素14は、この例示的実施形態の中で重力の力によって、閉める方向に装填される。これにより、バルブ要素14は、通気管10の案内領域12の中に導かれる。これは、半径方向に支えられ、通気管10に関して軸方向に動くことが可能である。
【0044】
バルブ要素14は、伸張部17を有し、これは、接続水路4の中、開口部領域11を通して延びる。
【0045】
バルブシート15は、じょうごの形の手法で実装または形成される。バルブ要素14は、対応する支え面を有し、その結果、バルブ要素14がバルブシート15を支えるとき、領域接触が得られる。したがって、非常に高い堅さが、特にバルブ要素と筐体の異なった材料で得られ、特に2つの材料の1つは、より柔らかい。
【0046】
通気管10の通路18は、筐体9のパイプ接続の中にねじ込まれる空洞円筒形挿入物20の周囲の壁19の中に実装または形成され、この結果、通気管10は挿入物20を通過する。吸湿性のシール21は、挿入物20の中に配置され、通路18を覆う。吸湿性のシール21は、いくつかの密封リング21a−21fによって形成される。密封リング21a−21fの中心円形開口は通気管10を拡張するために使用される。通気バルブ13は、流れの方向に通路18と吸湿性のシール21の正面に配置される。
【0047】
挿入物20の第1の正面22は、液体密封の手法で蓋23で閉められる。蓋23は挿入物20の中にねじ込まれるまたは挿入物20に溶接される。蓋23は、茶碗形状の手法で実装または形成され、完全な周囲の壁で通路18を覆い、外からの通路18の汚れを防ぐ。
【0048】
挿入物20と筐体9間の接続を軸方向に密封する密封リング25は、筐体9の中に挿入される挿入物20の第2の正面24上に配置される。
【0049】
筐体9は、プラスチックまたは金属から作られる。挿入物20とバルブ要素14は同様にプラスチックまたは金属から作られる。吸湿性のシール21は、例えばセルロースを含むことができる。
【0050】
接続水路4内の低圧力または真空の適用で、バルブ要素14は吸引され、バルブシート15を密封の手法で支え、通気管10の堅い閉鎖が得られる。バルブ要素14は、わずかな加圧によってバルブシート15から持ち上げられ、その結果、閉じこめられた空気は通気管10と通路18を通して漏れる。ここで、吸湿性のシール21は比較的かすかな障害のみを表す。しかしながら、吸湿性のシール21は、任意の液体がそこから逃げ出す可能性について強い障害である。比較的小さい自由断面がバルブ要素と開口部領域の案内部分または伸張部との間の小さい空気間隔を通して可能になるため、液体は小さい量でのみシール21に到達する。これは吸湿性のシール21によって簡単に吸収される。このように自動通気が可能である一方、液体は結合要素によって連続的に漏れることを防がれる。同時に通気管の真空密封閉鎖が確実にされる。
【0051】
図2は、より好ましい実施形態での結合要素1を示す。挿入物20は、筐体9のパイプ接続26の中に導かれて動くことができる。バルブ要素14と蓋23は、1つの要素として実装または形成される。パイプ接続26の第1の正面は、バルブシート15を形成する。バルブ要素14とバルブシート15を有する通気バルブ13は、吸湿性のシール21と通路18の後ろに直列に配置される。環状のシール30が、茶碗形状の蓋23の完全な周囲の壁27の内側28とパイプ接続26の外壁29の間に配置される。閉じた位置で示されたように、環状のシール30は外壁29と同様に内部28を支え、パイプ接続26と蓋23の間を密封する。
【0052】
通路18は、挿入物20の正面と蓋23の基部31の間の結合部に実装または形成される。例えば、液体を密封しない接続は、挿入部20と蓋23の間にこの目的のため提供される。
【0053】
図3は、3次元図での結合要素1を示す。通気バルブ13は閉じた位置にある。蓋23またはその壁27は、接続水路4または筐体9の外箱32の上にほとんど載っている。したがって通気バルブが閉じた位置にあるか見て確認することは容易である。
【0054】
スロット33は、壁27内に実装または形成される。これらのスロット23を通して、通気管10の通気が行われる。
【0055】
図4の中で、図3による実施形態の結合要素1が開いた位置で示される。吸湿性のシール21が配置された蓋23と挿入物20は、直線的に筐体9またはパイプ接続26から動くことができ、通路の断面は、バルブ要素14を形成する蓋23の基部31とバルブシート15の間で自由になる。吸湿性のシール21と通路18を通過して到達した空気は、このようにバルブ要素14とバルブシート15とスロット33との間の隙間を通して外の環境に逃げることができる。環状のシール30はパイプ接続26の外壁29を支えるのみであるため、これは障害にならない。環状のシール30が環状の溝34と適合するため、蓋23の動きによる環状のシール30の動きは妨げられる。
【0056】
蓋23と筐体9の間の直線的な移動を制限するため、停止片35が、パイプ接続26上に実装または形成され、壁27の対応するホック36と相互作用する。
【0057】
スロット33は、内側28の凹部38の範囲に配置され、これらは開いた位置で利用可能であり、これらは、閉じた位置で環状のシール30によって覆われる。
【0058】
図5は、開いた位置での結合要素1を示す。蓋23は明らかに外箱32から離れて配置される。したがって外部から接続水路4がまだ完全に通気されないことを簡単に認識できる。
【0059】
上記の例は、単に例示の目的のために提示されたものであり、本発明の制限として構成されるものではないことに注意すべきである。本発明は例示的な実施形態を参照し記載されたが、ここで用いられた言葉は、制限の言葉ではなく、記載と例示の言葉と理解すべきである。添付の請求項の範囲内で、本発明の範囲と概念から、その態様を逸脱することなく、ここで述べられたようにおよび補正によって、変形は可能である。本発明は、特定の手段、材料および形態に関して、ここで記載されたが、本発明は、ここで開示された特別なものに制限されない。むしろ、本発明は、添付された請求項の範囲内で機能的に同等な構成、方法および用途に拡張される。
【符号の説明】
【0060】
1 結合要素
2 第1の接続端
3 第2の接続端
4 接続水路
5 のこぎり歯
6 バネリング
7 密封リング
8 掛け金
9 筐体
10 通気管
11 開口部領域
12 案内領域
13 通気バルブ
14 バルブ要素
15 バルブシート
17 伸張部
18 通路
19 周囲の壁
20 空洞円筒形挿入
21 吸湿性のシール
22 第1の正面
23 蓋
24 第2の正面
25 密封リング
26 パイプ接続
27 完全な周囲の壁
28 内側
29 外壁
30 環状のシール
31 基部
32 外箱
33 スロット
34 環状の溝
35 停止片
36 ホック
38 凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の接続端(2)、第2の接続端(3)、および前記第1の接続端(2)と前記第2の接続端(3)との間に形成された接続水路(4)を有する筐体(9)と、
吸湿性のシール(21)によって覆われた通路(18)、および前記吸湿性のシール(21)と前記通路(18)と直列に配置されたバルブシート(15)とバルブ要素(14)とを含む通気バルブ(13)と、
を備え、
前記バルブ要素(14)は、前記接続水路(4)の中の圧力によって前記バルブシート(15)から持ち上げられる、2つのパイプ端を接続するための結合要素(1)。
【請求項2】
自動車の冷却回路の中に構成され、配置される請求項1に記載の結合要素(1)。
【請求項3】
前記バルブ要素(14)は、閉じる方向に力によって支えられる請求項1または2に記載の結合要素(1)。
【請求項4】
前記筐体(9)のパイプ接続(36)の中の部分に少なくとも配置される空洞円筒形挿入物(20)をさらに備え、前記吸湿性のシール(21)は前記空洞円筒形挿入物(20)の中に配置される請求項1から3のいずれか1項に記載の結合要素(1)。
【請求項5】
前記挿入物(20)の第1の正面近くに配置される蓋(23)をさらに備える請求項4に記載の結合要素(1)。
【請求項6】
通路(18)は、前記挿入物(20)の円周の壁の中に形成される請求項4または5に記載の結合要素(1)。
【請求項7】
前記吸湿性のシール(21)は、いくつかの密封リング(21a−21f)を備える請求項1から6のいずれか1項に記載の結合要素(1)。
【請求項8】
前記通気管(10)は、前記接続水路に連結された開口部の領域(11)を備える請求項1から7のいずれか1項に記載の結合要素(1)。
【請求項9】
前記バルブ要素(14)は、前記開口部の領域(11)を超えて広がる伸張部(17)を有する請求項1から8のいずれか1項に記載の結合要素(1)。
【請求項10】
前記伸張部(17)の長さは、前記バルブ要素(14)の移動距離よりも長い請求項9に記載の結合要素(1)。
【請求項11】
前記通気管(10)は、案内領域(12)をさらに備え、前記開口部の領域(11)は前記案内領域(12)より小さい直径を有し、前記バルブシート(15)は、前記案内領域(12)と前記開口部の領域(11)との間で段によって形成される請求項1から10のいずれか1項に記載の結合要素(1)。
【請求項12】
前記バルブ要素(14)が前記案内領域(12)の中に導かれる請求項11に記載の結合要素(1)。
【請求項13】
前記バルブシート(15)はじょうご型の部分を備え、前記バルブ要素(14)は円錐の支持面を備える請求項1から12のいずれか1項に記載の結合要素(1)。
【請求項14】
前記挿入物(20)は、前記バルブ要素(14)のための停止片として配置された第2の正面を有する請求項4から13のいずれか1項に記載の結合要素(1)。
【請求項15】
前記蓋(23)は前記バルブ要素(14)を形成する請求項1から13のいずれか1項に記載の結合要素(1)。
【請求項16】
前記挿入物(20)は前記蓋(23)に接続され、前記筐体(9)の内で直線的に動作可能に配置される請求項15に記載の結合要素(1)。
【請求項17】
半径方向のシール(39)が前記挿入物(20)と前記筐体(9)の間に配置される請求項16に記載の結合要素(1)。
【請求項18】
前記蓋(23)は、基部と完全な周囲の壁を有する茶碗型を有し、前記結合要素(1)は、前記筐体(9)のパイプ接続の外壁と前記完全な周囲の壁の内部との間に配置された環状のシール(30)をさらに備える請求項15から17のいずれか1項に記載の結合要素(1)。
【請求項19】
前記バルブ要素(14)の開いた位置で、前記環状のシール(30)は、前記パイプ接続(36)の外壁の1つ、または前記完全な周囲の壁の内部を内側から支えるために配置され、前記バルブ要素(14)の閉じた位置で、前記環状のシール(30)は、前記バルブ要素(14)の開いた位置での前記完全な周囲の全ての壁の外部を支え、および前記パイプ接続(36)の外壁、または前記完全な周囲の壁の内部を内側から支えるために配置される請求項15から18のいずれか1項に記載の結合要素(1)。
【請求項20】
前記バルブ要素(14)が閉じた位置であるとき、前記環状のシール(30)によって密封されることが可能な前記完全な周囲の壁の中に形成されたスロット(33)をさらに備える請求項18または19に記載の結合要素(1)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−185436(P2011−185436A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−44950(P2011−44950)
【出願日】平成23年3月2日(2011.3.2)
【出願人】(591044393)ノルマ ジャーマニー ゲーエムベーハー (43)
【Fターム(参考)】