説明

2つのベルト体を備えた画像形成装置

【課題】 二次転写ベルト側の寄り制御が中間転写ベルトにスラスト方向の外力を及ぼさないようにし、両無端ベルト体の寄り制御が相互に干渉し合わない張架構成を実現する。
【解決手段】 寄り制御機構を有する中間転写ベルトユニットと転写ベルトユニットが転写部にて接触する画像形成装置において、少なくとも二次転写ベルトを張架するステアリングローラを、その牽引面が転写ローラを含む転写面とならない位置に配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、印刷機などに代表される画像形成装置に関する発明である。特に、中間転写ベルトに代表される像担持ベルトと、二次転写ベルトに代表される転写ベルトが互いに接触部を有して駆動される画像形成装置に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
トナー像を担持する中間転写ベルトを用いる画像形成装置において、多様な記録材の搬送性を向上するために、記録材を担持搬送する転写ベルトを採用する構成が挙げられる(特許文献1)。
【0003】
これら中間転写ベルトや転写ベルトのような無端ベルトは、駆動ローラをはじめとする複数のローラによって張架および走行駆動される。このようなベルトは、ローラの外径精度や各ローラ間のアライメント精度などによって、走行駆動時にいずれかの端部方向に寄ってしまうというベルト寄り問題が生じる。ベルト寄り問題の解決手段として、特許文献2に提案されているステアリングローラによる寄り制御がある。これは張架ローラのうちの1本をステアリングローラとして自由に軸アライメントが変えられるように支持するとともに、モータなどのアクチュエータを用いてこれを制御するという方法である。この方法による制御ブロック図は図15に示すとおりであり、無端ベルト端部の目標位置SVとエッジ検知センサによる端部位置の実測値PVの偏差Eに応じて、制御コントローラが所定の指令値MVをモータドライバに与え、ステアリングモータが駆動される。その結果、ステアリングローラの軸アライメントが変化し、無端ベルトの端部位置が変化するというフィードバック制御となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−11107
【特許文献2】特開平9−16944号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献2の方法は、ベルトの張架姿勢を変化させる際に、ベルト搬送方向をも変化させてしまう。その点について、図11、図12、図13、および図14を用いて詳細に説明する。
【0006】
図11は、ベルト114の一般的な張架レイアウトを示したものであり、ここでは4本のローラに張架されるものとする。ハッチング指示したローラをステアリングローラ113とし、説明の都合上その他のローラを張架ローラ111および112、駆動ローラ110と呼ぶ。ここで、ベルト114は高ヤング率を有する材質からなるベルトであり、伸縮はほぼ無視できるものとする。このとき、ステアリングローラ113以外の3本のローラ位置を固定した場合、ステアリングローラ113をレイアウトできる範囲は、図11に示すL1+L2=一定の条件を満たす範囲、即ち張架ローラ111及び112を焦点とする楕円軌道C上に限定される。
【0007】
図12は寄り制御を行った場合の図を示し、ステアリングローラ113は不図示のアクチュエータによって図中矢印S方向に軸アライメントを変化させようとする。図12は張架レイアウトの断面図であるため、具体的にはステアリングローラ前端113Fおよび後端113Rとなるような傾きに変化させようとし、これが張架姿勢の変化である。しかし、実際は先程の楕円軌道Cの拘束条件があるため、ステアリングローラ前端は113F’へ、ステアリングローラ後端は113R’へとそれぞれ矯正されることになる。ここで、ステアリングローラ113はバネなどの付勢手段120によって無端ベルト114に所望の張力を付与するテンションローラを兼ねており、該付勢手段120の伸縮作用によって矯正がもたらされる。この矯正の結果発生する軸アライメント変化が、ベルト搬送方向の変化である。
【0008】
図13および図14は張架レイアウトの断面図(図12)を真上から見た図に相当し、ステアリングローラ113による牽引面を表す。ここで、牽引面とは、ベルトの移動方向において、ステアリングローラが下流側に位置するようにステアリングローラと張架ローラとにより張架される面のことである。図中矢印Vの方向に無端ベルト114が走行駆動され、実線表記が時刻tにおける張架姿勢、破線表記が時刻t+Δtにおける張架姿勢をそれぞれ示している。搬送方向2ヶ所の計測点M1およびM2(搬送速度は、時間Δtの間にM1〜M2間に相当する距離を移動する速度とする)にてベルト114の端部位置を測定するものとする。図13は、ステアリングローラ113がS方向(図12参照)にのみ傾いたと仮定した場合の図であり、ベルト114は傾きγの張架姿勢でX方向に搬送される。このとき、計測点M1およびM2では端部位置がY方向に変位している、すなわちベルト寄りが発生していると捉えられる。しかし、時刻tにおける牽引面上の任意の点である質点Ptを追跡すると、時刻t+ΔtではX方向に直進したPt+Δtの位置となり、質点そのものはY方向への変位がないことが分かる。
【0009】
しかし、実際にはステアリングローラ113はS方向に傾きを生じると同時に楕円軌跡へ矯正されるため、図14に示すように傾きγの張架姿勢と、傾きβの搬送方向といった2つの変化が生じる。その結果、時刻tからt+Δtの間に計測点M1およびM2におけるY方向の変位、すなわちベルト寄りだけでなく、質点Pt自体もY方向の変位を生じることになる。質点Ptを牽引面上に形成された画像(ドット)であると考えると、図14では主走査方向(Y方向)の位置ズレが発生し、計測点M1を第1色目の画像形成部、計測点M2を第2色目の画像形成部であると考えると、相対的な位置ズレの差異が色ズレとなって現れることが分かる。
【0010】
以上のように、ステアリングローラの牽引面側ではステアリング制御に伴うスラスト方向の質点変位が存在する。一般に2軸張架構成の場合には楕円軌跡の概念が当てはまらないため問題になりにくいが、特許文献1に示される二次転写ベルトのように外径差を必要とする2軸張架では同様の問題が生じる場合がある。
【0011】
即ち、分離ローラ181を小径化すればするほど分離性能に関しては向上する関係にあり、図18(a)のように2軸の外径差を大きくしていくと、大径側のローラ180は図18(b)に示すように近接した2本のローラ183および184と等価になる。その結果、2軸張架構成の場合でも二次転写ローラの場合には、ステアリングローラによる牽引面の質点移動が問題となる。
【0012】
転写ベルト、中間転写ベルト共にスラスト方向に外力を受ける構成の場合に、一方のベルトの牽引面が他方のベルトに接触する構成では、他方のベルトがスラスト方向に外力を受け、一方のベルトのステアリング制御が他方のベルトの寄りを発生させる外乱となってしまう。
【0013】
そこで本発明は、互いに接触するベルトのそれぞれ行われる寄り制御が相互に干渉し合わない張架構成を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、本発明は、ナー像を担持する回転可能な第一ベルトと、前記第一ベルトにトナー像を形成する画像形成手段と、記録材を担持搬送する回転可能な第二ベルトと、前記第一ベルトと前記第二ベルトと間で形成されるニップ部にて前記第二ベルトに担持された記録材に前記第一ベルトに形成されたトナー像を転写する転写手段と、軸を傾斜させることにより前記第一ベルトの移動方向と直交する幅方向の前記第一ベルトの位置を調整する第一ステアリングローラと、前記第一ベルトを張架する第一張架ローラと、軸を傾斜させることにより前記第二ベルトの移動方向と直交する幅方向の前記第二ベルトの位置を調整する第二ステアリングローラと、前記第二ベルトを張架する第二張架ローラと、を有する画像形成装置において、前記第二ベルトの回転方向において前記第二ステアリングローラは前記ニップ部よりも上流側で前記第二張架ローラよりも下流側に配置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、互いに接触するベルトのそれぞれ行われる寄り制御のそれぞれのベルトへの干渉を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態1におけるベルト体の断面図である。
【図2】中間転写ベルトユニットについて説明する斜視図である。
【図3】本発明におけるステアリングローラ部の機構について説明する斜視図1である。
【図4】本発明におけるステアリングローラ部の機構について説明する斜視図2である。
【図5】本発明の実施の形態1における制御ブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態1における画像形成装置の断面図である。
【図7】本発明の実施の形態2におけるベルト体の断面図である。
【図8】本発明の実施の形態3における画像形成装置の断面図である。
【図9】本発明の実施の形態3におけるベルト体の断面図である。
【図10】本発明の実施の形態3における制御ブロック図である。
【図11】張架レイアウトにおける楕円軌跡について説明する断面図である。
【図12】ステアリングローラの動作軌跡について説明する断面図である。
【図13】牽引面における質点移動について説明する上視図1である。
【図14】牽引面における質点移動について説明する上視図2である。
【図15】ステアリング制御について説明するブロック図である。
【図16】ステアリング制御におけるCPU動作のフローチャートである。
【図17】ステアリング制御同士の干渉について説明するブロック図である。
【図18】二次転写ベルトについて説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[実施例1]
<画像形成装置について>
本発明の実施例1に係る画像形成装置について、図6に示す断面図を用いて説明する。図6に示した画像形成装置60は電子写真方式を用いたフルカラー画像形成装置である。画像形成装置60は、4色の画像形成部を中間転写ベルト上に並べて配置した、中間転写タンデム方式の画像形成装置である。
【0018】
<画像形成装置について>
本発明に係る画像形成装置について説明する。まず、図6を用いて画像形成装置の動作について説明する。図6に示した画像形成装置60は電子写真方式を用いたカラーの画像形成装置である。画像形成装置60は、4色の画像形成部を中間転写ベルト上に並べて配置した、所謂中間転写タンデム方式の画像形成装置の断面図である。
【0019】
<記録材の搬送プロセス>
記録材Sは記録材収納部61内のリフトアップ装置62上に積載される形で収納されており、給紙部63により画像形成タイミングに合わせて給紙される。ここで、給紙部63はエアによる分離吸着を利用する方式を用いるものとする。給紙部63により送り出された記録材Sは搬送ユニット64が有する搬送パス64aを通過し、レジストレーション装置65へと搬送される。レジストレーション装置65において斜行補正やタイミング補正を行った後、記録材Sは二次転写部へと送られる。二次転写部は、対向する二次転写内ローラ603および二次転写外ローラ66により形成される二次転写ニップ部であり、所定の加圧力と静電的負荷バイアスを与えることで記録材S上に中間転写ベルト上のトナーを転写させる。
【0020】
<画像の作像プロセス>
以上説明した二次転写部までの記録材Sの搬送プロセスに対して、同様のタイミングで二次転写部までの画像の形成プロセスについて説明する。本実施例では、イエローのトナーで画像形成する画像形成部613Y,マゼンタのトナーで画像形成する画像形成部613M,シアンのトナーで画像形成する画像形成部613C,ブラックのトナーで画像形成する画像形成部613 Bkが配置されている。
【0021】
画像形成部613は、トナーの色以外は同様の構成であるため、代表して画像形成部613Yについて説明する。画像形成部613Yは、主に感光体608Y、帯電装置614Y,露光装置611Y、現像装置610Y、一次転写ローラ607Y、および感光体クリーナ609Y等から構成される。予め帯電装置614Yにより表面を一様に帯電され、図中矢印mの方向に回転する感光体608Yに対し、送られてきた画像情報の信号に基づいて露光装置611Yが駆動され、回折手段612等を適宜経由して潜像が形成される。感光体608上に形成された静電潜像は、現像装置610Yによるトナー現像を経て、感光体上にトナー像として顕在化する。その後、一次転写ローラ607Yにより所定の加圧力および静電的負荷バイアスが与えられ、ベルト部材である中間転写ベルト606上にトナー像が転写される。その後、感光体608Yに残った転写残トナーは感光体クリーナ609Yにより回収され、再び次の画像形成に備える。以上説明した画像形成動作がそれぞれの画像形成部で実行される。
【0022】
次に、中間転写ベルト606について説明する。中間転写ベルト606は駆動ローラ604、テンションローラ605および二次転写内ローラ603等のローラによって張架され、図中矢印nの方向へと回転駆動される。先述のY、M、CおよびBkの各画像形成装置613により並列処理される各色の画像形成プロセスは、中間転写ベルト上に一次転写された上流色のトナー像上に重ね合わせるタイミングで行われる。その結果、最終的にはフルカラーのトナー像が中間転写ベルト606上に形成され、二次転写部へと搬送される。
【0023】
<二次転写以降のプロセス>
以上、それぞれ説明した記録材Sの搬送プロセスおよび画像形成プロセスを以って、二次転写部において記録材S上にフルカラーのトナー像が二次転写される。その後、記録材Sは定着前搬送部67により定着装置68へと搬送される。本実施例では、二次転写部Nは、第一ベルトである中間転写ベルト606と第二ベルトである記録材を搬送する転写ベルト67により形成される。そして、二次転写部Nは、二次転写内ローラ60と二次転写外ローラ66とにより、中間転写ベルト606と転写ベルト67を介して形成される。転写ベルト67が矢印m方向に回転することで、転写ベルト上の記録材は定着装置68に搬送される。定着装置68は、対向するローラもしくはベルト等による所定の加圧力と、一般的にはヒータ等の熱源による加熱効果を加えて記録材S上にトナー像を溶融固着させる。このようにして得られた定着画像を有する記録材Sは分岐搬送装置69により、そのまま排紙トレイ600上に排出されるか、もしくは両面画像形成を要する場合には反転搬送装置601へと搬送されるかの経路選択が行われる。両面画像形成を要する場合、反転搬送装置601へと送られた記録材Sはスイッチバック動作を行うことで先後端を入れ替え、両面搬送装置602へと搬送される。その後、給紙装置61より搬送されてくる後続ジョブの記録材とのタイミングを合わせて、搬送ユニット64が有する再給紙パス64bから合流し、同様に二次転写部へと送られる。裏面(2面目)の画像形成プロセスに関しては、先述の表面(1面目)の場合と同様なので説明は省略する。
【0024】
<ベルトユニット部の詳細>
図1に、中間転写ベルトユニット200と転写ベルトユニット100の周辺部のみを抜粋した図を示す。
【0025】
中間転写ベルトユニット200は、中間転写ベルト606の回転方向において画像形成部の対向面である1次転写面の上流に第一ステアリングローラであるステアリングローラ605、下流に駆動ローラ604を配置する。さらにその間に二次転写内ローラ603を有し、その他ステアリングに伴う1次転写面のばたつきを抑制する張架ローラ617による張架レイアウトとなっている。ここで、ステアリングローラ605は加圧バネ1により中間転写ベルト606に所定の張力を付与するテンションローラの役割も兼ねている。本実施例における中間転写ベルトユニット200におけるステアリングローラの牽引面は、ステアリングローラ605と、中間転写ベルト606の回転方向においてステアリングローラ605よりも上流側に位置する第一張架ローラである二次転写内ローラ603との間で張架されるベルト面が牽引面となる。
【0026】
また、ステアリングローラ1は、中間転写ベルトの端部位置を検知するエッジ検知センサ5aの信号に基づき、矢印S1方向にアライメントを変化させることが可能となっており、詳細については後述する。
【0027】
転写ベルトユニット100は、駆動ローラを兼ねた二次転写外ローラ66と二次転写外ローラ66よりも小径である分離ローラ4に張架された二次転写ベルト67が配置されている。また、外掛け張架構成の第二ステアリングローラであるステアリングローラ2が二次転写ベルト67の外周面に接触する構成であって、非転写面側に配接される張架レイアウトとなっている。ステアリングローラ2も同様に加圧バネ3により二次転写ベルト67に所定の張力を付与するテンションローラの役割も兼ねている。
【0028】
本実施例における転写ベルトユニット100におけるステアリングローラの牽引面は、ステアリングローラ2と、転写ベルト67の回転方向においてステアリングローラ2よりも上流側に位置する第二張架ローラである分離ローラ4との間で張架されるベルト面が牽引面となる。
【0029】
また、ステアリングローラ2は、二次転写ベルトの端部位置を検知するエッジ検知センサ5bの信号に基づき、矢印S2方向にアライメントを変化させることが可能となっている。
【0030】
なお、中間転写ベルト606および二次転写ベルト67はいずれもポリイミドなどで形成された樹脂ベルトを少なくとも基層に有する単層または複層のベルトである。本実施の形態における画像形成装置では、以上に説明した張架レイアウトの中間転写ベルトユニット200および転写ベルトユニット100が二次転写部において互いに圧接する構成となっている。
【0031】
<ステアリングローラ部の機構および制御>
本実施の形態では内掛け張架と外掛け張架の違いはあるものの、中間転写ベルトユニット200と転写ベルトユニット100は基本的に同じ機構を有するステアリングローラを備えている。本実施例では、ステアリングローラを傾斜させることで、ベルトの移動方向と直交する幅方向におけるベルトの位置を調整させるものである。以下、中間転写ベルトを例にその機構および制御について説明する。
【0032】
図2は中間転写ベルトユニット200の斜視図であり、図2(a)は中間転写ベルト606を張架した状態、図2(b)は中間転写ベルト606を外した状態を示す。ステアリングローラ605は、ユニット筐体を構成する前側板21Fおよび後側板21Rの間に渡された張架ローラの1つであり、図3および図4(図4は図3を反対側から見た図)は実際にステアリングを切る回動部分とその駆動部分の詳細を示す斜視図である。ステアリングローラ605は両端の軸受け部材31によって従動回転可能に支持され、該軸受け部材31は加圧バネ1により付勢されている。軸受け部材31はステアリングローラ605を保持するホルダー部材32に取り付けられ、該ホルダー部材32はローラ軸方向中央の位置に固定された回動軸33を有する。図2の状態では、回動軸33が前側板21Fおよび後側板21Rの間に設けられたステー部材(不図示)によって軸受け支持されており、ステアリングローラ605はホルダー部材32ごと矢印S方向(図3および図4参照)に回動可能となっている。このとき、ホルダー部材32の裏面に設けられたガイドコロ39(図4では一方のみが見えているが両端に設けられている)によって、滑らかな回動動作が行われる。
【0033】
次に、ステアリングローラ605の軸アライメントを所定量変化させる駆動部について説明する。ホルダー部材32の一端にはフォロワ36が固定され、ステアリングカム34は中間転写ベルトユニットの筐体部に固定された軸を中心に回転可能に支持され、該軸端とフォロワ36のバネ掛け部の間に引張りバネ35が掛けられる構成となっている。この構成とすることで、常にホルダー部32およびステアリングローラ605はフォロワ36とステアリングカム34が当接する位置に付勢されて軸アライメントが決まる。また、ステアリングカム34はカム部と同軸にプーリー部を有し、同じくユニット筐体部に固定されたステアリングモータ30の駆動プーリーからタイミングベルト37によって駆動力が伝達される。なお、ステアリングカム34のプーリー部側面にはホームポジションフラグ34Fが設けられ、フォトインタラプタ38によってホームポジション検知を行うことでステアリングローラ605の軸アライメントがニュートラルとなる位置が把握可能になっている。なお、ステアリングモータ30はステッピングモータを使用しており、必要なカム位相変化分だけパルス駆動される。
【0034】
ステアリング制御に関しても、中間転写ベルトユニット200および転写ベルトユニット100は基本的に同じであり、図15にその制御ブロック図を、図16にCPU処理のフローチャートをそれぞれ示す。図15からも分かるように、エッジ検知センサ5が検知した値PV(実際のベルト端部位置)と目標のベルト端部位置SVの偏差Eを演算し、該偏差Eに基づく指令値MVを演算する制御コントローラ50からなるCPU150と、該指令値MVに従って駆動されるステアリングモータ30からなるフィードバック制御が行われ、制御ブロック図そのものは一般的な公知技術を用いている。図16に示すように、画像形成装置の動作が開始される(制御ステップS160)と、ステアリングモータ30はCW方向にホームポジションフラグが検知されるまで駆動入力される(制御ステップS161〜S162)。ホームポジションフラグが検知されると、駆動方向をCCWに逆回転させ所定パルスだけ駆動した後、停止させる(制御ステップS163)。所定パルスの量は、ホームポジションフラグとカムプロファイル中央部の位相差に相当し、制御ステップS163が終了した位置がステアリングローラ605のニュートラル位置と定義される。そして、ここを起点に軸アライメントをプラスマイナス同量だけ変位できるようにカムプロファイルが形成されている。ニュートラル位置が求められると駆動ローラ604および66を駆動開始し(制御ステップS164)、エッジ検知センサ5の信号を取得する(制御ステップS165)。取得された信号と予め規定された目標エッジ位置との偏差を演算(制御ステップS166)し、偏差がある場合には修正方向および必要な舵角量からステアリングモータ30の回転方向および入力パルス数が演算され(制御ステップS167)、ステアリングモータが駆動される(制御ステップS168)。その結果、無端ベルト体の端部位置が変位し、繰り返しエッジ検知センサ5の信号取得および目標エッジ位置との偏差演算が行われる。偏差がなくなった状態ではベルト寄りが補正されたと判断して、ステアリングモータ30を停止することでステアリングカム34の位相が保持される(制御ステップ169)。
【0035】
<ステアリング制御の相互関係>
図1を用いて、本実施の形態における中間転写ベルトユニット200と転写ベルトユニット100のステアリング制御による影響について説明する。既に説明した張架レイアウト構成から、中間転写ベルトユニット200においては、駆動ローラ604と、中間転写ベルト606の回転方向において駆動ローラ604より上流側にある張架ローラ617と、で張架される一次転写面Fdが駆動ローラ604による牽引面となる。この駆動ローラの軸アライメントは不変であるため、ステアリング制御の影響を受け難い。つまり、Y、M、CおよびBkの4色の重ね合わせに関する位置ズレ(色ズレ)については有利な構成となっている。
【0036】
その反面、ステアリングローラ605と、中間転写ベルト606の回転方向においてステアリングローラ605より上流側にある二次転写内ローラ603と、で張架される二次転写部を含む張架面Fuがステアリングローラ605による牽引面となる。そのため、図14で説明した牽引面上の質点がスラスト方向に変位する現象が顕著に現れる。
【0037】
一方、転写ベルトユニット100においては、分離ローラ4と、転写ベルトの回転方向において分離ローラ4よりも上流側にある二次転写外ローラ66と、で張架される二次転写面Pdが分離ローラ4による牽引面となる。分離ローラの軸アライメントは不変であるため、ステアリング制御の影響を受け難い。つまり、二次転写部では図14で説明した質点のスラスト方向変位が発生し難くなる。
【0038】
その反面、ステアリングローラ2と、転写ベルトの回転方向においてステアリングローラ2よりも上流側にある分離ローラ4と、で張架される対向側の張架面Puはステアリングローラ2による牽引面である。そのため、ステアリング制御に伴う質点のスラスト方向変位が顕著となる。
【0039】
しかしながら、中間転写ベルト606の牽引面と転写ベルト67の牽引面とがお互いに接触しない関係である。そのため、中間転写ベルト606と転写ベルト67とそれぞれステアリング制御されている構成であっても、一方のベルトのステアリング制御による牽引面の影響が他方のベルトへの影響を小さくすることができる。
【0040】
以上から、両ベルトユニットにおけるステアリング制御の相互関係を図5のブロック線図に示す。上段が中間転写ベルトユニット200、下段が転写ベルトユニット100のステアリング制御に関する制御ブロックであり、制御コントローラを含むCPUが行う指令については既に説明した図16のフローチャートに準ずるものである。本実施の形態においては、フルカラー機特有の課題である色ズレを有利にする目的から、二次転写部において中間転写ベルト606から二次転写ベルト67に対してスラスト方向の外力が作用することを許容している。つまり、図5における制御コントローラ1(50a)からの指令値MV1が中間転写ベルトの端部位置を制御するものであると同時に、外乱伝達Iを経て二次転写ベルトの端部位置を制御する上での外乱d2として作用する系となる。しかし、二次転写ベルト67からは中間転写ベルト606に対してスラスト方向の外力は作用しないため外乱入力は一方向のみに限られ、図17のように2つのステアリング制御の影響が相互に干渉し合う系を回避することができる。その結果、色ズレに代表される画質を有利にしながら、複雑な構成を用いることなく制御コントローラ1(50a)の目標値追従性を高めることができ、メディア対応力に優れた中間転写ベルトと二次転写ベルトを有する構成の画像形成装置が実現できる。
【0041】
なお、本実施の形態ではトナーを用いた電子写真方式を例に説明をしたが、画像形成部はインクジェット方式やオフセット印刷方式などの他方式であっても構わない。また、中間転写ベルトの代わりに感光体層を有する感光体ベルトを用い、該感光体ベルト上に画像形成部によって直接作像を行う方式としても構わない。
【0042】
[実施例2]
本発明の実施例2は、図7に示すように転写ベルトユニット101が有するステアリングローラ2を内掛け張架構成としたものである。本実施の形態に係る画像形成装置の構成は、基本的に実施例1で説明した図6の画像形成装置60と同様であり、転写ベルトユニットの張架レイアウトのみが図7の構成に置き換わったものである。したがって、搬送プロセスおよび作像プロセスは共通であるため省略し、以下に異なる部分のみを中心に説明を行う。
【0043】
<転写ベルトユニットの構成>
転写ベルトユニット101は、駆動ローラを兼ねた二次転写外ローラ66と、分離ローラ4と、ステアリングローラ2と、張架ローラ70とによって張架される、ポリイミド等の樹脂ベルトを基層とした二次転写ベルト67から構成される。ステアリングローラ2は加圧バネ3によって二次転写ベルト67に所望の張力を付与するテンションローラを兼ねており、図中矢印S2方向に軸アライメントを変化させるように構成されている。軸アライメントの制御は、二次転写ベルト67の端部位置を検知するエッジ検知センサ5bからの信号に基づいてステアリングモータを駆動する方式が用いられ、図3、図4、図15、図16に示すものと同様の機械的および制御的な構成を有する。なお、張架ローラ70は、ステアリングローラ2が動いた際に記録材Sを受け入れる張架面が上下に変動するのを低減する目的で配置されている。
【0044】
<ステアリング制御の相互関係>
図7より、ステアリングローラ2による牽引面は、ステアリングローラ2と、転写ベルト67の回転方向においてステアリングローラ2よりも上流側にある分離ローラ4と、で張架される張架面Puである。張架面Puは、二次転写内ローラ603と二次転写外ローラ66とで形成される二次転写部Nを含まない面である。そのため、該張架面Pu上の質点がスラスト方向に変位を生じても中間転写ベルト606には外力を及ぼさない。一方、二次転写部Nを含む二次転写面Pdを牽引する張架ローラは軸アライメントが不変の分離ローラ4であるため、二次転写ベルト67のステアリング制御に伴う影響が及び難い。なお、中間転写ベルトユニット200については、実施の形態1と同じく色ズレに有利となるよう一次転写面Fdを駆動ローラ604の牽引面、二次転写面Fuをステアリングローラ605の牽引面となるように構成している。
【0045】
以上より、本実施の形態における両ステアリング制御の相互関係は、実施例1と同じく図5のブロック線図のように示される。つまり、ステアリング制御に伴う外乱入力の方向は、中間転写ベルト606から二次転写ベルト67に対しての一方向のみに限られ、図17のように2つのステアリング制御の影響が相互に干渉し合う系を回避することができる。その結果、色ズレに代表される画質を有利にしながら、複雑な構成を用いることなく制御コントローラ1(50a)の目標値追従性を高めることができ、メディア対応力に優れた中間転写ベルトと二次転写ベルトを有する構成の画像形成装置が実現できる。
【0046】
このように、本発明はステアリングローラを無端ベルト体の外側に配接した、所謂外掛け張架構成に限らず、ステアリングローラによる牽引面が無端ベルト体同士の接触部とならないように構成すれば、本実施の形態のような内掛け張架構成でも効果が得られる。
【0047】
[実施例3]
<画像形成装置について>
本発明の実施例3に係る画像形成装置は、図8の断面図に示すように中間転写方式のモノクロ画像形成装置である。記録材Sの搬送プロセスについては、図6に示した画像形成装置60と同じであるため、ここでは説明を省略する。画像形成装置80はブラック(Bk)の画像形成部613のみを有し、主に感光体608、露光装置611、現像装置610、一次転写装置607、および感光体クリーナ609等から構成される。作像プロセスについては、図6に示す画像形成装置60と基本的に同じであるため、説明は省略する。中間転写ベルトユニット201は、中間転写ベルト606が駆動ローラ604、テンションローラ605および二次転写内ローラ603によって張架され、図中矢印nの方向へと走行駆動され、先述の作像プロセスによるトナー像を二次転写部へと担持搬送する。
【0048】
転写ベルトユニット100は、記録材S上に中間転写ベルト606上からトナー像を転写し、さらに二次転写ベルト67によって記録材Sを吸着保持し、下流の定着装置68へと受け渡すものである。定着装置68による定着プロセス以降については、図6に示す画像形成装置60と同じであるため説明は省略する。
【0049】
<ベルトユニット部の詳細>
図9に、中間転写ベルトユニット201と転写ベルトユニット100の周辺部のみを抜粋した図を示す。中間転写ベルトユニット201は、1次転写面の上流に駆動ローラ604、下流にステアリングローラ605、さらにその間に二次転写内ローラ603を有する張架レイアウトとなっている。ここで、ステアリングローラ605は加圧バネ1により中間転写ベルト606に所定の張力を付与するテンションローラの役割も兼ねている。また、ステアリングローラ1は、中間転写ベルトの端部位置を検知するエッジ検知センサ5aの信号に基づき、矢印S1方向にアライメントを変化させることが可能となっており、詳細については後述する。
【0050】
転写ベルトユニット100は、駆動ローラを兼ねた二次転写外ローラ66と相対的に小径である下の分離ローラ4に張架された二次転写ベルト67に、外掛け張架構成のステアリングローラ2が非転写面側に配接される張架レイアウトとなっている。ステアリングローラ2も同様に加圧バネ3により二次転写ベルト67に所定の張力を付与するテンションローラの役割も兼ねている。また、ステアリングローラ2は、二次転写ベルトの端部位置を検知するエッジ検知センサ5bの信号に基づき、矢印S2方向にアライメントを変化させることが可能となっている。なお、中間転写ベルト606および二次転写ベルト67はいずれもポリイミドなどで形成された樹脂ベルトを少なくとも基層に有する単層または複層のベルトである。本実施の形態における画像形成装置では、以上に説明した張架レイアウトの中間転写ベルトユニット201および転写ベルトユニット100が二次転写部において互いに圧接する構成となっている。
【0051】
本実施例では内掛け張架と外掛け張架の違いはあるものの、中間転写ベルトユニット201と転写ベルトユニット100はいずれも図3および図4に示す機構のステアリングローラを備えている。ステアリング制御に関しても、中間転写ベルトユニット200と転写ベルトユニット100はいずれも図15に示す制御ブロック図と、図16に示すCPUフローチャートに基づき行われる。
【0052】
<ステアリング制御の相互関係>
図9を用いて、本実施の形態における中間転写ベルトユニット201と転写ベルトユニット100のステアリング制御による影響について説明する。既に説明した張架レイアウト構成から、中間転写ベルトユニット201においては、ステアリングローラ605と、中間転写ベルト606の回転方向においてステアリングローラ605よりも上流側にある張架ローラ604と、で張架される一次転写面Fuがステアリングローラ605による牽引面となる。図14で説明した牽引面上の質点がスラスト方向に変位する現象が顕著に現れる。本実施例では、もう1つの転写部を含む二次転写面Fdを軸アライメントが不変である駆動ローラ604による牽引面とする。
【0053】
一方、転写ベルトユニット100においては、駆動ローラ66と、転写ベルト67の回転方向において転写ベルト67よりも下流側にある分離ローラ4と、で張架される二次転写面Pdが軸アライメント不変の分離ローラ4による牽引面となる。そのため、二次転写部ではステアリング制御に伴う質点のスラスト方向変位が発生し難い。その反面、ステアリングローラ2と、転写ベルト67の回転方向においてステアリングローラ2よりも上流側にある分離ローラ4と、で張架される対向側の張架面Puはステアリングローラ2による牽引面となる。そのため、ステアリング制御に伴う質点のスラスト方向変位が顕著となるが、中間転写ベルト606と直接接触する部分を有さない張架面であるため影響は非常に少ない。
【0054】
以上から、両ベルトユニットにおけるステアリング制御の相互関係を図10のブロック線図に示す。上段が中間転写ベルトユニット200、下段が転写ベルトユニット100のステアリング制御に関する制御ブロックであり、制御コントローラを含むCPUが行う指令については既に説明した図16のフローチャートに準ずるものである。本実施の形態においては、色ズレを考慮しなくてよいモノクロ機ゆえ、一次転写面上の質点がスラスト方向に変位することを許容し、二次転写部において中間転写ベルト606から二次転写ベルト67に対してスラスト方向の外力が作用しない利点を優先している。同様に、二次転写ベルト67から中間転写ベルト606に対してもスラスト方向の外力は作用しない。そのため、制御コントローラ1(50a)からの指令値MV1は中間転写ベルトの端部位置を、制御コントローラII(50b)からの指令値MV2は二次転写ベルトの端部位置をそれぞれ制御する独立な系となる。すなわち、2つの無端ベルト体が接触部を有する構成であっても、図17のような2つのステアリング制御の影響が相互に干渉し合う系を回避することができる。その結果、複雑な構成を用いることなく制御コントローラ1(50a)および制御コントローラ2(50b)の目標値追従性を高めることができ、メディア対応力に優れた中間転写ベルトと二次転写ベルトを有する構成の画像形成装置が実現できる。
【0055】
なお、本実施の形態ではトナーを用いた電子写真方式を例に説明をしたが、画像形成部はインクジェット方式やオフセット印刷方式などの他方式であっても構わない。また、中間転写ベルトの代わりに感光体層を有する感光体ベルトを用い、該感光体ベルト上に画像形成部によって直接作像を行う方式としても構わない。
【0056】
なお、実施例1、実施例2の中間転写ベルトユニットでは、中間転写ベルトの回転方向において画像形成部の下流側に駆動ローラ、上流側にステアリングローラを設ける構成であった。しかし、駆動ローラとステアリングローラとの位置関係を変更する構成であっても、本発明の効果を得ることはできる。
【符号の説明】
【0057】
1、3 加圧バネ
2、605 ステアリングローラ
4 分離ローラ
603 二次転写内ローラ
604 駆動ローラ
606 中間転写ベルト
Fu ステアリングローラによる牽引面(中間転写ベルト側)
Fd アライメント軸が不変なローラによる牽引面(中間転写ベルト側)
Pu ステアリングローラによる牽引面(二次転写ベルト側)
Pd アライメント軸が不変なローラによる牽引面(二次転写ベルト側)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー像を担持する回転可能な第一ベルトと、前記第一ベルトにトナー像を形成する画像形成手段と、記録材を担持搬送する回転可能な第二ベルトと、前記第一ベルトと前記第二ベルトと間で形成されるニップ部にて前記第二ベルトに担持された記録材に前記第一ベルトに形成されたトナー像を転写する転写手段と、軸を傾斜させることにより前記第一ベルトの移動方向と直交する幅方向の前記第一ベルトの位置を調整する第一ステアリングローラと、前記第一ベルトを張架する第一張架ローラと、軸を傾斜させることにより前記第二ベルトの移動方向と直交する幅方向の前記第二ベルトの位置を調整する第二ステアリングローラと、前記第二ベルトを張架する第二張架ローラと、を有する画像形成装置において、
前記第二ベルトの回転方向において前記第二ステアリングローラは前記ニップ部よりも上流側で前記第二張架ローラよりも下流側に配置されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第一ベルトの回転方向において前記第一ステアリングローラは前記ニップ部よりも上流側で前記第一張架ローラよりも下流側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第二ステアリングローラは、前記第二ベルトの外周面に巻き付き部を形成した外掛けローラであることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第二ベルトの幅方向における前記第二ベルトの位置を検知する検知手段を有し、前記第二ステアリングローラの傾斜を前記検知手段の検知の結果に応じて制御する制御手段を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記検知手段は、ニップ部を形成するベルト面の前記幅方向の位置を検知することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
トナー像を担持する回転可能な第一ベルトと、前記第一ベルトにトナー像を形成する画像形成手段と、記録材を担持搬送する回転可能な第二ベルトと、前記第一ベルトと前記第二ベルトと間で形成されるニップ部にて前記第二ベルトに担持された記録材に前記第一ベルトに形成されたトナー像を転写する転写手段と、軸を傾斜させることにより前記第一ベルトの移動方向と直交する幅方向の前記第一ベルトの位置を調整する第一ステアリングローラと、前記第一ベルトを張架する第一張架ローラと、軸を傾斜させることにより前記第二ベルトの移動方向と直交する幅方向の前記第二ベルトの位置を調整する第二ステアリングローラと、前記第二ベルトを張架する第二張架ローラと、を有する画像形成装置において、
前記第一ベルトの回転方向において前記第一ステアリングローラは前記ニップ部よりも上流側で前記第一張架ローラよりも下流側に配置されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
前記第二ベルトの回転方向において前記第二ステアリングローラは前記ニップ部よりも上流側で前記第二張架ローラよりも下流側に配置されることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第二ステアリングローラは、前記第二ベルトの外周面に巻き付き部を形成した外掛けローラであることを特徴とする請求項6または請求項7のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記第二ベルトの幅方向における前記第二ベルトの位置を検知する検知手段を有し、前記第二ステアリングローラの傾斜を前記検知手段の検知の結果に応じて制御する制御手段を有することを特徴とする請求項6から請求項8のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記検知手段は、ニップ部を形成するベルト面の前記幅方向の位置を検知することを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−103286(P2012−103286A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−248981(P2010−248981)
【出願日】平成22年11月5日(2010.11.5)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】