説明

2色又は多色効果を示す液体洗剤組成物

処理組成物、好ましくは、有色干渉顔料及び染料系を含む審美系を含む、2色又は多色効果を示す液体洗剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理組成物、好ましくは、有色干渉顔料及び染料系を含む審美系を含む、2色又は多色効果を示す液体洗剤組成物の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、消費者は、優れた外見及び魅力的な外観を有する製品に非常に惹きつけられるため、組成物の審美性を改善するという観点で努力が行われてきた。液体処理組成物の調製では、常に、組成物の審美性を通して組成物の技術的能力を伝えることが目標とされている。本発明は、特に、液体洗剤組成物の審美性を改善するという目標に関する。
【0003】
改善された審美的外観を有する洗剤組成物は、以下の分野で既に開示されている:
国際公開第2007/111887号(P&G−公開日:04/10/2007)は、色相付与染料及びパールエッセンス剤を含む洗濯洗剤組成物に関する。国際公開第2007/111892号(P&G−公開日:26/09/2006)は、布地ケア有益剤及びパールエッセンス剤を含む液体洗剤組成物に関する。米国特許第5089148号(Unilever−公開日:18/02/1992)は、柔軟成分と、黄色着色剤を含む着色剤系とを含む液体布地コンディショニング組成物について記載している。国際公開第04/003125号(Reckitt Benckiser−公開日:08/01/2004)は、第1の色を有するゲル洗剤組成物と、第2の色を有する一次粒子について記載しており、組成物の少なくとも一部が第3の色を有するように、ゲルにより放出される放射が、一次粒子により放出される放射と相互作用する。
【0004】
しかし、液体清浄用途における審美剤、特に顔料の使用に関する問題は、処理される表面上に剤が沈着しやすいことである。布地、特に暗色の布地上で、かかる沈着物又は残留物は肉眼で視認できる。その上、本質的に、それらは光できらめき易いので、目立ちやすい。更に、かかる沈着物は、消費者に表面が汚れていると認識させるため、訴求力がない。
【0005】
それ故、技術が進歩しているにもかかわらず、審美剤を安定に懸濁させ、かつ処理される表面上に沈着物又は残留物が出現するのを防ぐ、審美剤を含有する組成物を製剤する試みが依然として行われている。
【0006】
本発明は、種々の色及び優れた光学効果を生じさせ得る成分を含む液体洗剤組成物に関する。この改善された審美系は、液体組成物に有色干渉顔料を組み込み、懸濁させることにより得られる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の主な利点は、2又は多色調の光学/色彩効果を示す液体又はゲル洗剤を製剤して、消費者にとって魅力のある審美性をもたらすことである。本発明の別の利点は、審美性を著しく改善するが、洗浄された表面上に許容できない残留物を残さない、低濃度の有色干渉顔料を含有する組成物を提供することである。したがって、成分が低濃度であるため、本発明は、本発明に係る組成物で処理された布地の布地安全性を改善するという利点を有する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、少なくとも2色効果を示す液体洗剤組成物であって、
1)界面活性剤及び洗濯助剤を含む清浄系と、
2)
i.380nm〜750nmの範囲の光スペクトルにおいて、吸収極小を示す有色干渉顔料、及び
ii.染料系、を含む審美系と、を含み、
有色干渉顔料の色が、有色干渉顔料の不在下で染料を含む組成物により反射される色に類似するように選択される、液体洗剤組成物が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】類似色の定義を示す色相図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
洗剤組成物
本発明の液体組成物は、洗濯、又は硬質表面清浄処理組成物等の他の表面清浄処理組成物として使用するのに好適である。好ましくは、本発明の液体組成物は、洗濯処理組成物として使用するのに適している。
【0011】
用語洗濯処理組成物とは、清浄及び柔軟化又はコンディショニング組成物を包含する、洗濯処理に使用される全ての液体組成物を含むことを意味する。用語硬質表面処理組成物は、台所又は浴室の表面のような硬質表面、並びに手洗い又は自動食器洗い作業における皿及び調理器具等の処理に使用される全ての液体組成物を含むことを意味する。
【0012】
好ましい実施形態では、本発明の組成物は、洗剤液体組成物、より好ましくは液体洗濯洗剤組成物である。
【0013】
本明細書に記載される組成物は、ゲル及びペースト形態を含む液体組成物として製剤される。組成物は、好ましくは構造化組成物である。構造化組成物とは、本明細書では、組成物が、内的に界面活性剤により構造化される、又は外的に増粘剤又は構造剤により構造化されることを意味する。典型的には、組成物は、流動可能な液体、ゲル、又はペーストの物理的形態を有する流体である。
【0014】
組成物は、必須ではないが好ましくは水性組成物として製剤される。組成物が水性の場合、それらは2%〜90%の水、より好ましくは20%〜80%の水、最も好ましくは25%〜65%の水を含み得る。非水性組成物は、20%未満の水、好ましくは12%未満の水、最も好ましくは9.5%未満の水を含む。
【0015】
組成物をポリビニルアルコールフィルム及びその誘導体等の水溶性フィルムに包装したとき、組成物は、好ましくは2%〜15%の水、より好ましくは2%〜10%の水、最も好ましくは4%〜9%の水を含む。
【0016】
本発明の組成物は、濃度の低い液体、瓶から絞り出すことができる注入可能な増粘液体又は硬いゲルであってもよく、またニュートン又は非ニュートンレオロジー挙動を示し得る。
【0017】
本発明の組成物は、21℃で測定したとき、20s−1で、好ましくは、1〜10000mPas、より好ましくは100〜7000mPas、最も好ましくは200〜5000mPasの粘度を有する。
【0018】
粘度は、従来の方法で測定できる。しかし、本発明による粘度は、直径40mm及び間隙サイズ500μmで、平板鋼スピンドルを使用する、TA instruments製AR 550レオメーターを使用して測定される。20s−1における高剪断粘度及び0.05s−1における低剪断粘度は、21℃において3分間の0.1s−1〜25s−1の対数剪断速度曲線から得ることができる。ここに述べる好ましいレオロジーは、内部に存在する洗剤成分による構造化を用いて又は外的レオロジー変性剤を用いることにより得ることができる。
【0019】
本発明によれば、液体洗剤組成物は、21℃において、0.05s−1で、好ましくは2000mPas超、より好ましくは5000mPass超、更により好ましくは10000mPas超の低剪断粘度を有して、有色干渉顔料が安定に懸濁した状態を維持する。
【0020】
本発明によれば、液体洗剤組成物は、洗濯助剤としてレオロジー変性剤を含むことが好ましく、その洗濯助剤は界面活性剤系の一部ではなく、組成物が21℃において、0.05s−1で5000mPas超の低剪断粘度を有するように、組成物にずり減粘特性を付与する。レオロジー変性剤は、減粘剤を除く構造剤又は増粘剤である。
【0021】
本発明による組成物は、好ましくは0.1Pa〜5Pa、より好ましくは0.3〜1.2Paの範囲の降伏値を示す。
【0022】
組成物(有色干渉顔料を添加する前)は、好ましくは、ネフェロ型の濁度計で測定された場合、5〜3000 NTUの絶対濁度を有する。本発明による濁度は、McVan Instruments,Australia製のプローブNEP260を備えるAnalyte NEP160を使用して測定される。
【0023】
好ましくは、組成物は、光学的に明澄である、即ち、有色干渉顔料を添加する前、透明又は半透明である。
【0024】
本発明の組成物は、脱塩水中1重量%の濃度になるように液体に溶解させることによって測定されるとき、好ましくは3〜10、より好ましくは5〜9、更により好ましくは6〜9、最も好ましくは7.1〜8.5のpHを有する。より好ましい実施形態では、組成物のpHは、7超、好ましくは7.5超である。
【0025】
審美系
本発明による組成物は、組成物が少なくとも2色効果、好ましくは多色効果を示すのを助ける審美系を含む。審美系は、第1の必須要素として有色干渉顔料を含み、第2の必須要素として染料系を含む。より具体的には、審美系は、有色干渉顔料と、有色干渉顔料の類似色を示す染料系との組み合わせで作製される。
【0026】
したがって、本発明によれば、有色干渉顔料の色は、有色干渉顔料の不在下で染料を含む組成物により反射される色の類似色であるように選択されることが重要である。類似色とは、本明細書では、図1に示すような色相図の所定の色に隣接する色を意味する、即ち、主な色に類似している。図1の色相図では、赤色(橙色バイアス)及び橙色(黄色バイアス)は、橙色(赤色バイアス)の類似色である。隣接する色は、主な色を強調するのを助ける、即ち、第1の色を陰影効果により補強する。
【0027】
これら隣接する色は、有色干渉顔料及び液体洗剤の背景色により生じる着色効果を強化し、少なくとも2色効果及び/又は多色効果をもたらす。したがって、本発明の組成物は、材料を低濃度で用いながら、色の陰影効果、即ち、最適色及び多色効果を有するように思われる。主な色は、強調されているように見える。
【0028】
この組成物は、消費者に対して優れたかつ改善された光学効果を生じさせると共に、洗剤製剤中に有色干渉顔料を低濃度で用いることを可能にする。
【0029】
本明細書において知覚される色は、例えば、平均的な日光を表すCIE標準光源A又はD65等の通常条件下で知覚される。
【0030】
有色干渉顔料
「有色干渉顔料」とは、本明細書では、表面を見る角度によって色相が変化する光学現象である、玉虫色を示す顔料を意味する。本発明による有色干渉顔料は、粘土等の一般的な不溶性鉱物とは異なり、液体洗剤組成物に優れた玉虫色審美性を付与し、干渉効果の明白な証拠をもたらす。
【0031】
本質的な特徴として、有色干渉顔料は、光スペクトルの380〜750nm(可視)の範囲に吸収極小を示す。対照的に、パールエッセンス顔料は、可視光スペクトルにおいて平坦な波長応答を有する。結果として、有色干渉顔料は、可視スペクトルの特定の波長において光を再放出するが、パールエッセンス顔料は、特定の色なしに「銀〜白色」の光を再放出する。
【0032】
したがって、本発明によれば、組成物中に存在する有色干渉顔料は、光スペクトルの380〜750nm(可視)の範囲において1以上の吸収極小を示す。
【0033】
有色干渉顔料は、570〜590nmの範囲に(紫色)1つの吸収極小を示す有色干渉顔料;590〜620nmの範囲に(青色)少なくとも1つの吸収極小を示す有色干渉顔料;620〜750nmの範囲に(緑色)少なくとも1つの吸収極小を示す有色干渉顔料;380〜450nmの範囲に(黄色)少なくとも1つの吸収極小を示す有色干渉顔料;450〜495nmの範囲に(橙色)少なくとも1つの吸収極小を示す有色干渉顔料;495〜570nmの範囲に(赤色)少なくとも1つの吸収極小を示す有色干渉顔料、又はこれらの混合物からなる干渉顔料の群から選択することができるが、これらに限定されない。
【0034】
本発明の有色干渉顔料は、結晶質又はガラス質固体であり、所望の玉虫色効果を生じさせる光を反射及び屈折させることができる透明又は半透明な化合物である。本発明の有色干渉顔料は、水性及び非水性洗剤組成物に不溶性である。
【0035】
本発明の目的のためには、有色干渉顔料は、異なる屈折率を有する制御された厚さの2つ以上の層を有する粒子として定義される。有色干渉顔料は、薄い板状であり得る粒子の異なる層からの、典型的には2つの、しかし場合によっては更に多くの光の反射の干渉により、特徴的な反射色を生じさせる。本発明の組成物に好適な有色干渉顔料の非限定的な例は、二酸化チタン、シリカ、酸化スズ、酸化鉄、ルチル、二酸化クロム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、オキシ塩化ビスマス、及びこれらの混合物のフィルムと共に層化された、天然又は合成雲母、ホウケイ酸ガラス、シリカ、オキシ塩化ビスマス、光沢材(ポリエステル又は金属)及びこれらの混合物を含む基材粒子であって、この層の厚さが60nm〜約300nmである、ベース基材粒子を含む。より好ましくは、有色干渉顔料は、二酸化チタンでコーティングされた雲母である。
【0036】
この層は、染料を含有してもよい。特定の実施形態の場合では、染料は、洗剤組成物に放出され得ない。
【0037】
基材をコーティングする層の厚さは、本発明による有色干渉顔料において60nm超である。有色干渉顔料は、「銀〜白色」視覚効果のみを示す一般的に知られているパールエッセンス顔料とは異なる、その理由は、この「銀〜白色」視覚効果が、パールエッセンス顔料のTiO層の厚さが薄い(60nm未満)ことに起因するためである。
【0038】
理論に縛られるものではないが、出願人は、各顔料の単一反射の特徴が、光干渉により引き起こされる光学効果であると考える。それ故、金属酸化物層の厚さを制御することを通して、虹の全ての色を得ることができる。更に、基剤としての雲母に、異なる粒径を用いることにより、有色干渉顔料は、異なる艶効果(絹のような、真珠のような、きらきら輝く、光輝く)を示すことができる。好ましくは、被覆雲母有色干渉顔料は、金色を示すことを考慮して、60〜80nmを含む厚さを有するTiO層;赤色を示すことを考慮して、80〜100nmを含む厚さを有するTiO層;青色を示すことを考慮して、100〜140nmを含む厚さを有するTiO層;及び緑色をを示すことを考慮して、120〜160nmを含む厚さを有するTiO層を有する。好適な市販の有色干渉顔料は、BASFから商品名Lumina Gold、Lumina Turquoise、Lumina Green、Lumina Red、Lumina Red Blue、Lumina Aqua Blue、Rutile Fine Lilas、Mearlin Dynacolor Green Blue、Mearlin Dynacolor Blue Green、Mearlin Dynacolor Green Green、Exterior Red、exterior Blue、exterior Goldとして入手可能である。他の市販の有色干渉顔料は、Merckから商品名Timiron Super Blue、Timiron Gold Plus、Iriodin Rutile Fine Red、Iriodin Rutile Fine Lilac、Iriodin Rutile Fine Green、Iriodin Rutile Fine Blue、iriodin Rutile Fine Gold、及びIriodin Rutile Red Pearlとして入手可能である。
【0039】
粒径は、その球形の最大直径で測定される。板状粒子は、粒子の2つの寸法(長さと幅)が3番目の寸法(奥行き又は厚さ)の少なくとも5倍であるようなものである。立方体状晶、針状晶、又は他の結晶形状のような別の結晶形状は、パールエッセンス効果を示さない。雲母等の多くの有色干渉顔料は、単斜晶を有する天然鉱物である。形状は、その剤の安定性に影響すると思われる。球形状の剤、更により好ましくは、板状の剤が最もうまく安定化される。
【0040】
好ましい実施形態では、有色干渉顔料は、50μm未満のD0.99(時にD99と呼ばれる)体積粒径を有する。最も好ましくは、有色干渉顔料は、0.1μm〜50μm、より好ましくは0.5μm〜25μm、最も好ましくは1μm〜20μmの粒径分布を有する。D0.99は、粒径分布に関する粒径の尺度であり、この場合には、粒子の99%が50μm未満の体積粒径を有することを意味する。
【0041】
体積粒径及び粒径分布は、Malvern Instruments Ltd.から入手可能なHydro 2000G装置を用いて測定される。粒径は、顔料の安定性をもたらす役割を有している。粒径及び粒径分布が小さいほど、より懸濁され易い。しかし、有色干渉顔料の粒径が小さいほど、顔料の効果も小さくなる。
【0042】
特定の実施形態では、本発明の液体組成物は、全組成物の0.1重量%未満の有色干渉顔料を含む。好ましくは、本発明の液体組成物は、全組成物の0.0001重量%〜0.5重量%、好ましくは0.001重量%〜最高0.1重量%、最も好ましくは0.01重量%〜最高0.05重量%の有色干渉顔料を含む。
【0043】
本発明の好ましい実施形態では、有色干渉顔料は、組成物全体にわたって均一に分布し、組成物は、有色干渉顔料を安定に懸濁させるのに十分な量の界面活性剤及び/又はレオロジー変性剤を含む。
【0044】
染料系
審美系は、第2の必須要素として染料系を含む。より具体的には、染料系は特に、有色干渉顔料の類似色を示すという観点で選択される。
【0045】
好ましくは、染料系は、1種又は数種の非蛍光染料を含む。染料系は、1種以上の水及び/又は油及び/又は界面活性剤可溶性染料を含む。2種の染料、特に2種の青色染料、又は青色染料と紫色染料とを混合することにより、種々の色合いを得ることができる。染料系は、非染色染料のみを含んでもよく、又は非色相付与染料/非染色染料と色相付与染料との混合物を含んでもよい。本発明の染料系で用いられる染料は、次亜塩素酸塩で漂白可能であり得る。好ましい実施形態では、染料系は、フタロシアニン染料を含まない。
【0046】
本明細書において使用するのに好適な染料は、Kirk Othmer Encyclopedia of Chemical technology,Fifth Edition,Volume 9,Wiley,2005の238〜430ページに開示されている。染料としては、アゾ染料、アントラキノン染料、ベンゾフラノン染料、キノイド系により結合されている1つ以上のカルボニル基を含む多環式芳香族カルボニル染料、インジゴイド染料、ポリメチン及び関連染料、スチリル染料、ジ−及びトリ−アリールカルボニウム及び関連染料、例えば、ジフェニルメタン、メチレンブルー、オキサジン及びキサンテン型が挙げられ、また、例えば、ジ−及びトリスルホン化型を含むフタロシアニン、キノフタロン、硫化染料及びニトロ染料も有用である。
【0047】
非常に好ましい染料としては、時に非染色染料と呼ばれる、布地に対する堅牢度の低い染料が挙げられる。これらは、高い審美効果を有するが、洗濯された布地を変色させない。かかる染料は、PEG部分等の溶解度向上部分を含むことが多く、これらは種々の特許出願に記載されている。例えば、米国特許第6 417 155号及び国際公開第2007/087252号を参照。
【0048】
別の部類の好ましい染料としては、布地に対して青み付け効果を有する染料が挙げられる。これらの染料は、より一般的には、洗濯洗剤の分野で「色相付与」又は「布地色付け」染料と呼ばれる。
【0049】
本明細書において有用な染料は、更に、国際公開第2006/045375 a1号、同第2006/017570 A1号、同第2007/006357 A1号、同第2006/032327 A1号、同第2007/096068 A1号、同第2007/096066 A1号、同第2008/065028 A1号、同第2008/064978 A1号、及び同第2008/064977 A1号(Unilever)に記載されているものを含み得る。他の低染色染料は、米国特許第4 144 024号、同第4 110 238号、同第3 958 928号、及び同第4 077 911号に開示されている。染料系で更に用いることができる青色染料の好適な混合物としては、米国特許第3 755 201号の染料が挙げられる。好適なチアゾリウム染料は、国際公開第2007/084729号(P&G)に記載されている。米国特許出願公開第2006−0183658号(P&G)及び同第2005−0288206号における他の色相付与染料は、特定の色相付与効果を有する。好適なトリフェニルメタン青色及び紫色ベース染料は、米国特許出願公開第2005−0288207号(P&G)及び米国特許第4 526 701号に記載されている。
【0050】
上述の有色干渉顔料とは対照的に、染料は、水及び/又は油及び/又は有機溶媒及び/又は液体洗剤に対して溶解性を示す。染料の構造は、基本的に溶解性を可能にする。誤解を避けるために、本明細書における染料は、干渉効果を示さず、本明細書で使用するのに好適な染料は、非常に溶けにくい(例えば、染料を分散させる)から非常に水に溶けやすいまで広範囲の溶解度を有し得る。
【0051】
別の用語では、染料は、機能的に、酸性、塩基性、反応性、分散性、直接、バット、硫黄、又は溶媒染料として定義することができる。本発明の目的には、直接染料、酸性染料、及び反応性染料が好適であり、直接染料が最も好適である。直接染料は水溶性染料のグループであり、恐らく選択的吸着により、電解質を含有する水溶液から繊維によって直接的に取り込まれる。カラーインデックスシステムでは、直接染料は様々な平面的で、高度に共役した分子構造を指し、1つ以上のアニオン性スルホネート基を含有する。酸性染料は水溶性アニオン性染料のグループであり、酸性溶液から適用される。反応性染料は、天然繊維又は合成繊維の分子の特定部分と共有結合を形成することが可能な反応性基を含有する染料のグループである。化学的構造の観点から、本明細書において有用で好適な布地直接染料は、アゾ化合物、スチルベン、オキサジン及びフタロシアニンであってよい。本明細書に用いられる好適な布地直接染料は、カラーインデックス中に直接紫色染料、直接青色染料、酸性紫色染料及び酸性青色染料として列記されるものを含む。
【0052】
特定の実施形態では、本発明の液体組成物は、全組成物の0.0001重量%〜0.1重量%、好ましくは0.0002重量%〜0.01重量%、より好ましくは0.0005重量%〜0.005重量%の染料系を含む。
【0053】
本発明の好ましい実施形態では、有色干渉顔料の重量%は、組成物中に存在する染料系の重量%を超える。
【0054】
本発明による組成物は、組成物が少なくとも2色効果、即ち、2色又は多色効果を示すのを助ける審美系を含む。したがって、本発明によれば、有色干渉顔料の色は、有色干渉顔料の不在下で染料を含む組成物により反射される色の類似色であるように選択されることが重要である。
【0055】
この組成物は、主に有色干渉顔料と液体洗剤の背景色との間に存在するコントラストを上げることにより、消費者に対して優れたかつ改善された光学効果を生じさせる。この組み合わせにより、洗剤製剤で低濃度の染料を用いることが可能になる。
【0056】
したがって、本発明の1つの態様によれば、組成物は、紫色有色干渉顔料を含有する紫色液体洗剤であってもよい。この類似色の組み合わせは、495〜620nmの範囲、好ましくは532〜605nmの範囲、より好ましくは570〜590nmの範囲に吸収極大を示し、かつ570〜590nmの範囲に吸収極小を示す有色干渉顔料も含有する染料系を含む液体洗剤の結果である。
【0057】
本発明の別の態様によれば、組成物は、青色有色干渉顔料を含有する青色液体洗剤であってもよい。この類似色の組み合わせは、570〜750nmの範囲、好ましくは580〜685nmの範囲、より好ましくは590〜620nmの範囲に吸収極大を示し、かつ590〜620nmの範囲に吸収極小を示す有色干渉顔料も含有する染料系を含む液体洗剤の結果である。
【0058】
また、本発明の別の態様によれば、組成物は、緑色有色干渉顔料を含有する緑色液体洗剤であってもよい。この類似色の組み合わせは、590〜750nm又は380〜450nmの範囲、好ましくは605〜750nm又は380〜415nmの範囲、より好ましくは620〜750nmの範囲に吸収極大を示し、かつ620〜750nmの範囲に吸収極小を示す有色干渉顔料も含有する染料系を含む液体洗剤の結果である。
【0059】
更に、更なる態様によれば、組成物は、黄色有色干渉顔料を含有する黄色液体洗剤であってもよい。この類似色の組み合わせは、620〜750nm又は380〜495nmの範囲、好ましくは685〜750nm又は380〜472nmの範囲、より好ましくは380〜450nmの範囲に吸収極大を示し、かつ380〜450nmの範囲に吸収極小を示す有色干渉顔料も含有する染料系を含む液体洗剤の結果である。
【0060】
別の更なる態様によれば、組成物は、橙色有色干渉顔料を含有する橙色液体洗剤であってもよい。この類似色の組み合わせは、380〜570nmの範囲、好ましくは415〜532nmの範囲、より好ましくは450〜495nmの範囲に吸収極大を示し、かつ450〜495nmの範囲に吸収極小を示す有色干渉顔料も含有する染料系を含む液体洗剤の結果である。
【0061】
更なる態様によれば、組成物は、赤色有色干渉顔料を含有する赤色液体洗剤であってもよい。この類似色の組み合わせは、450〜590nmの範囲、好ましくは472〜580nmの範囲、より好ましくは495〜570nmの範囲に吸収極大を示し、かつ495〜570nmの範囲に吸収極小を示す有色干渉顔料も含有する染料系を含む液体洗剤の結果である。
【0062】
例えば、混合物の形態の本発明の審美系、即ち、有色干渉顔料及び染料は、一般的に、可視スペクトルに1超の吸収帯を示し得る。かかる状況では、本発明の組成物の効果は、吸収波長のエネルギー分布の重心を使用することにより等しく達成され得る。例えば、Kirk−Othmer Encyclopedia of chemical technology,vol.7,pages 303〜341(2004),J.Wily & Sensを参照。
【0063】
清浄系
本発明による組成物は、清浄系を含有する。清浄系は、界面活性剤を含む。清浄系は、布地を洗濯するのに十分な界面活性剤を必要とする、即ち、界面活性剤が低濃度で乳化剤として用いられることがある化粧品等の組成物とは異なる。
【0064】
本発明の組成物は、典型的には、約5重量%〜約80重量%の界面活性剤を含む。好ましくは、かかる組成物は、約7重量%〜約50重量%の界面活性剤を含む。より好ましくは、かかる組成物は、約10重量%〜約40重量%の界面活性剤を含む。
【0065】
好ましい界面活性剤系は、アニオン性及び非イオン性界面活性剤の混合物を含み、アニオン性及び非イオン性の重量比は、好ましくは1超である。
【0066】
界面活性剤
使用される洗浄性界面活性剤は、アニオン性、非イオン性、双極性イオン、両性、若しくはカチオン性の種類のものであってもよく、又はこれらの種類の界面活性剤の相容性混合物を含んでもよい。より好ましくは、界面活性剤は、アニオン性、非イオン性、カチオン性の界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される。好ましくは、組成物は、ベタイン界面活性剤を実質的に含まない。
【0067】
本明細書で有用な洗浄性界面活性剤は、米国特許第3,664,961号(Norris、1972年5月23日発行)、同第3,919,678号(Laughlin et al、1975年12月30日発行)、同第4,222,905号(Cockrell、1980年9月16日発行)、及び同第4,239,659号(Murphy、1980年12月16日発行)に記載されている。アニオン性及び非イオン性の界面活性剤が好ましい。
【0068】
有用なアニオン性界面活性剤は、それら自体が、幾つか異なる種類の界面活性剤であってもよい。例えば、高級脂肪酸の水溶性塩、即ち「石鹸」は、本明細書の組成物において有用なアニオン性界面活性剤である。これには、約8〜約24個の炭素原子、及び好ましくは約12〜約18個の炭素原子を含有する高級脂肪酸のナトリウム、カリウム、アンモニウム、及びアルキルアンモニウム塩のようなアルカリ金属石鹸、が挙げられる。石鹸は、脂肪及び油の直接鹸化によって、又は遊離脂肪酸の中和によって製造することができる。特に有用であるのは、ココヤシ油及び獣脂から誘導される脂肪酸の混合物のナトリウム塩及びカリウム塩、即ち、ナトリウム又はカリウム獣脂及びココヤシ石鹸である。
【0069】
本明細書に用いるのに好適な、石鹸以外の更なるアニオン性界面活性剤としては、その分子構造内に約10〜約20個の炭素原子を含有するアルキル基とスルホン酸又は硫酸エステル基とを有する有機イオウ反応生成物の、水溶性塩類、好ましくはアルカリ金属及びアンモニウム塩が挙げられる。(用語「アルキル」には、アシル基のアルキル部分が含まれる)この群の合成界面活性剤の例は、a)アルキル硫酸ナトリウム、アルキル硫酸カリウム、及びアルキル硫酸アンモニウム、特に、獣脂又はココヤシ油のグリセリドの還元によって生成されるもののような高級アルコール(C〜C18炭素原子)の硫酸化によって得られるもの、b)アルキルポリエトキシレート硫酸ナトリウム、アルキルポリエトキシレート硫酸カリウム、及びアルキルポリエトキシレート硫酸アンモニウム、特に、アルキル基が10〜22個、好ましくは12〜18個の炭素原子を含有し、ポリエトキシレート鎖が1〜15個、好ましくは1〜6個のエトキシレート部分を含有するもの、並びに、c)アルキル基が直鎖又は分枝鎖構造中に約9〜約15個の炭素原子を含有する、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム及びアルキルベンゼンスルホン酸カリウム、例えば、米国特許第2,220,099号及び同第2,477,383号に記載の種類のものである。とりわけ価値があるのは、アルキル基の平均炭素原子数が約11〜13個である、C11〜C13 LASと略される、直鎖アルキルベンゼンスルホネートである。
【0070】
好ましい非イオン性界面活性剤は、式R(OCOHのものであり、式中、Rは、C10〜C16アルキル基又はC〜C12アルキルフェニル基であり、nは3〜約80である。特に好ましいのは、C12〜C15アルコールと、アルコール1モル当たり約5〜約20モルのエチレンオキシドとの縮合生成物であり、例えば、C12〜C13アルコールをアルコール1モル当たり約6.5モルのエチレンオキシドで縮合したものである。
【0071】
洗濯助剤
好ましくは、本発明による組成物は、1種又は数種の洗濯助剤を更に含有する。
【0072】
洗濯助剤とは、本明細書では、レオロジー変性剤、布地ケア有益剤、洗浄性酵素、沈着助剤、ビルダー、漂白系等の、典型的に洗濯洗剤組成物中の全ての成分を意味する。
【0073】
したがって、本発明の液体組成物は、以下に記載の任意成分の一覧から選択されるその他の成分を含んでもよい。本明細書の以下において特に指示しない限り、特定の洗濯助剤の「有効な量」は、洗剤組成物の、好ましくは0.01重量%から、より好ましくは0.1重量%から、更により好ましくは1重量%から、20重量%まで、より好ましくは15重量%まで、更により好ましくは10重量%まで、更により好ましくは7重量%まで、最も好ましくは5重量%までである。
【0074】
好ましくは、本発明の組成物は、レオロジー変性剤、蛍光増白剤、ビルダー、転染阻害剤、布地ケア有益剤、洗浄性酵素、キレート剤、沈着助剤、ポリアクリレートポリマー、分散剤、香料、漂白添加物、漂白活性化剤、漂白触媒、溶媒、酵素阻害剤、汚れ放出ポリマー及びこれらの混合物からなる群から選択される洗濯助剤を含む。
【0075】
より好ましくは、本発明の組成物は、レオロジー変性剤、蛍光増白剤、布地ケア有益剤、洗浄性酵素、沈着助剤、又はこれらの混合物からなる群から選択される洗濯助剤を含む。
【0076】
更により好ましくは、本発明の組成物は、洗濯助剤としてレオロジー変性剤を含む。
【0077】
レオロジー変性剤
本発明の好ましい実施形態では、組成物は、非常に好ましい洗濯助剤としてレオロジー変性剤を含む。レオロジー変性剤は、減粘剤を除く構造剤又は増粘剤である。レオロジー変性剤は、非ポリマー結晶性のヒドロキシ官能性材料、ポリマーレオロジー変性剤からなる群から選択され、組成物の水性液体マトリックスにずり減粘特性を付与する。かかるレオロジー変性剤は、好ましくは、水性液体組成物に、21℃において、20s−1で、1〜10000mPasの高剪断粘度、及び2000mPas超の低剪断粘度(21℃において、0.05s−1)を付与するものである。本発明による粘度は、直径40mm及び間隙サイズ500μmの平板の鋼製スピンドルを用いるTA instruments製のAR550レオメーターを使用して測定される。20s−1における高剪断粘度及び0.05s−1における低剪断粘度は、21℃において3分間の0.1s−1〜25s−1の対数剪断速度曲線から得ることができる。結晶性、ヒドロキシ官能性材料はレオロジー変性剤であり、それはマトリックス中のその場での結晶化により組成物のマトリックスの全体にわたって糸状構造系を形成する。ポリマーレオロジー変性剤は、好ましくはポリアクリレート、ポリマーゴム、その他の非ゴム多糖類、及びこれらのポリマー材料の組み合わせから選択される。そのようなレオロジー変性剤を本明細書の組成物に添加する総合的な目的は、製品の厚さ、製品の注入可能性、製品の光学的特性、及び/又は粒子の懸濁性能の観点から、適切に機能的であり、審美的に満足できる液体組成物に到達することである。こうしてレオロジー変性剤は、一般的に液体製品の適切なレオロジー特性を確立するのに役立ち、不適格な光学的特性又は望ましくない相分離などのような製品に対する望ましくないあらゆる属性を付与すること無しに役立つ。一般的にレオロジー変性剤は、本明細書の組成物の、0.01重量%〜1重量%、好ましくは0.05重量%〜0.75重量%、より好ましくは0.1重量%〜0.5重量%含まれる。
【0078】
本明細書の組成物のレオロジー変性剤成分は、「外的」又は「内的」レオロジー変性剤として特徴付けられる。好ましくは、本発明のレオロジー変性剤は、外的レオロジー変性剤である。本発明の目的のための「外的」レオロジー変性剤は、液体マトリックスのレオロジー変更をもたらすことを主要機能として有する材料である。したがって、一般的に外的レオロジー変性剤は、その中で及びそれ自体で、顕著な布地清浄効果又は布地ケア効果を全くもたらさない、又は顕著な成分可溶化効果を全くもたらさない。外的レオロジー変性剤は、したがって、同様にマトリックスレオロジーを変更できるが、幾つかの追加の主要目的のために液体製品に組み込まれた「内的」レオロジー変性剤とは明確に異なる。したがって、例えば、好適な内的レオロジー変性剤は、液体洗剤のレオロジー特性を変更する役割を果たすことができるが、主に清浄成分として機能するために製品に添加されたアニオン性界面活性剤である。
【0079】
本発明の組成物の外的レオロジー変性剤は、特定のレオロジー特性を有する組成物のための水性液体マトリックスを提供するために使用される。これらの特性のうち主要なものは、マトリックスが「ずり減粘」でなければならないということである。ずり減粘流体は、剪断力が流体に印加されると低下するある粘度を有するものである。したがって、液体洗剤製品の静止時、即ち保存の間又は輸送の間に、組成物の液体マトリックスは、相対的に高い粘度を有するべきである。しかし、容器から組成物を注ぐ又は絞り出すような行為において、剪断力が組成物に印加されると、マトリックスの粘度は、流体製品の分配が容易かつ直ちに達成されるほどまで低下するべきである。
【0080】
本明細書の組成物の静止時の粘度は、理想的には幾つかの目的を達成するのに十分なほど高い。これらの目的の主なものは、静止時の組成物が、本明細書の発明の別の必須成分である有色干渉顔料を適切に懸濁するために十分に粘稠であるべきであるということである。相対的に高い静止時の粘度の第2の効果は、薄くて弱い水っぽいものではなく、濃くて強い効果的な製品の外観を組成物に与える審美的なものである。
【0081】
最後に、液体マトリックスの必須のレオロジー特性は、組成物中に懸濁される審美剤の可視度を不都合なほどに損なうことが無い、即ち懸濁され不明確化された審美剤が評価できない度合いまでマトリックスを不透明にすることがない外的レオロジー変性剤を介して提供されるべきである。
【0082】
水又は他の水性液体と組み合わされると減粘流体を形成する物質は、一般に当該技術分野において既知である。そのような物質は、上記で記載されたレオロジー特性を有する水性液体マトリックスを形成するために使用できるものであれば、本明細書の組成物における使用のために選択できる。
【0083】
本発明の組成物に特に有用である1種の構造剤は、その場でマトリックス中に結晶化されると、液体マトリックスの全体にわたって糸状構造系を形成することができる非ポリマー(従来のアルコキシル化を除く)、結晶性ヒドロキシ官能性材料を含む。かかる物質は、一般に、結晶性ヒドロキシル含有脂肪酸、脂肪酸エステル又は脂肪ろうとして特徴付けることができる。そのような物質は、以下の式を有するものから一般に選択される:
I)
【化1】

(式中、
【化2】

R2は、R1又はHであり;R3は、R1又はHであり;R4は、独立して、少なくとも1つのヒドロキシル基を含むC10〜C22アルキル又はアルケニルである);
II)
【化3】

(式中、
【化4】

は、上記i)で定義された通りであり;Mは、Na、K、Mg++若しくはAl3+、又はHである);及び
III)Z−(CH(OH))a−Z’
(式中、aは2〜4であり、好ましくは2であり、Z及びZ’は疎水性基であり、特にC〜C20アルキル又はシクロアルキル、C〜C24アルカリル又はアラルキル、C〜C20アリール又はこれらの混合物である)。任意に、Zはエーテル又はエステルと同様に、1個以上の非極性酸素原子を含有することができる。
【0084】
式Iの種類の物質が好ましい。これらは、以下の式でより具体的に定義される:
【化5】

(式中、
(x+a)は11〜17であり;
(y+b)は11〜17であり;
(z+c)は11〜17である。
【0085】
好ましくは、この式においてx=y=z=10及び/又はa=b=c=5である。
【0086】
具体的な、好適な結晶性、ヒドロキシル含有レオロジー変性剤の例としては、ヒマシ油及びその誘導体が挙げられる。特に好ましいものは、硬化ヒマシ油及び水素添加ヒマシ蝋などの硬化ヒマシ油誘導体である。市販のヒマシ油系、結晶性、ヒドロキシル含有レオロジー変性剤としては、Rheox Inc.(現Elementis)製のTHIXCIN(登録商標)が挙げられる。
【0087】
結晶性、ヒドロキシル含有レオロジー変性剤として使用に適切な別の市販の材料は、上記の式IIIのものである。この種のレオロジー変性剤の例は、R,R及びS,Sの型の1,4−ジ−O−ベンジル−D−トレイトール、並びに光学活性又は不活性な任意の混合物である。
【0088】
上記のように説明された、これら結晶性、ヒドロキシル含有のレオロジー変性剤の全ては、本明細書の組成物の水性液体マトリックスの中で、又はそのような水性液体マトリックスを形成するために使用されるプレミックスの中で、その場で結晶化される場合、糸状構造化系を形成することによって機能すると考えられる。そのような結晶化は、これらの材料の水性混合物をレオロジー変性剤の融点より高い温度に加熱し、続いてその混合物を室温まで液を撹拌下で維持しながら冷却することによって引き起こされる。
【0089】
特定の条件下では、結晶性、ヒドロキシル含有レオロジー変性剤は、冷却に際し、水性液体マトリックス内に糸状構造化系を形成する。この糸状系は、繊維性又は絡まった糸状の網状組織を含むことができる。「ロゼッタ」形態の非繊維性粒子も形成される可能性がある。この網状組織の粒子は、1.5:1〜200:1、より好ましくは10:1〜200:1の縦横比を有することができる。そのような繊維及び非繊維性粒子は、1マイクロメートル〜100マイクロメートル、より好ましくは5マイクロメートル〜15マイクロメートルの範囲の小さい寸法を有することができる。
【0090】
これらの結晶性、ヒドロキシル含有材料は、ずり減粘レオロジーを有する本明細書の洗剤組成物の形成に特に好適なレオロジー変性剤である。これらは、組成物が望ましくないほど不透明性になり、ビーズの可視度が制限されることがないほどの低い濃度で、この目的に有効に使用できる。これらの物質及びこれらが形成する網状組織は、また、本明細書の組成物を液−液又は固−液(当然ながらビーズ及び構造系粒子を除いて)相分離に対して安定化するのに役立つ。したがって、これらの使用は、配合者が、そうでなければ望ましくない相分離を最小限にするためにより高い濃度で使用しなければならなくなる可能性がある、比較的高価な非水性溶媒又は相安定剤の使用を少なくすることを可能にする。これらの好ましい結晶性、ヒドロキシル含有レオロジー変性剤、及び水性ずり減粘マトリックスへのこれらの組み込みは、米国特許第6,080,708号及び国際公開第02/40627号に、より詳細に記載されている。
【0091】
上記に記載した、非ポリマー、結晶性、ヒドロキシル基含有レオロジー変性剤以外の、その他のタイプのレオロジー変性剤は、本明細書の液体洗剤組成物に利用できる。また、水性液体マトリックスにずり減粘特性を提供する高分子物質が使用されてもよい。
【0092】
好適なポリマーレオロジー変性剤には、ポリアクリレート、多糖類又は多糖類誘導体のタイプのものが挙げられる。レオロジー変性剤として典型的に用いられる多糖類誘導体には、ポリマーゴム材料が含まれる。そのようなゴムとしては、ペクチン、アルギネート、アラビノガラクタン(アラビアゴム)、カラギーナン、ジェランガム、キサンタンガム及びグアーガムが挙げられる。
【0093】
本明細書でポリマーレオロジー変性剤が使用される場合、このタイプの好適な材料はジェランガムである。ジェランガムは、シュードモナス・エロディア(Pseudomonaselodea)ATCC 31461の発酵によって調製されるヘテロ多糖である。ジェランガムは、CP Kelco U.S.,Inc.によってKELCOGELの商標名で市販されている。ジェランガムを調製する方法は、米国特許第4,326,052号、同第4,326,053号、同第4,377,636号及び同第4,385,123号に記載されている。
【0094】
更に別の、好ましいレオロジー変性剤は、溶媒とポリカルボキシレートポリマーの組み合わせである。より具体的には、溶媒は、好ましくはアルキレングリコールである。更に好ましくは、溶媒はジプロピグリコールである。好ましくは、ポリカルボキシレートポリマーは、ポリアクリレート、ポリメタクリレート又はこれらの混合物である。溶媒は好ましくは、組成物の、0.5%〜15%の濃度で存在し、より好ましくは2%〜9%である。ポリカルボキシレートポリマーは、好ましくは、組成物の、0.1%〜10%の濃度で存在し、より好ましくは2%〜5%である。溶媒成分は、好ましくはジプロピレングリコール(dipropykeneglycol)と1、2−プロパンジオールとの混合物を含む。ジプロピレングリコールと1,2−プロパンジオールとの比は、好ましくは3:1〜1:3であり、より好ましくは1:1である。ポリアクリレートは、好ましくは不飽和モノ−又はジ−炭酸と、(メタ)アクリル酸の1〜30Cアルキルエステルとのコポリマーである。別の好ましい実施形態においては、レオロジー変性剤は、不飽和モノ−又はジ−炭酸のポリアクリレート及び(メタ)アクリル酸の1〜30Cアルキルエステルである。そのようなコポリマーは、Noveon Incから商品名Carbopol Aqua 30で入手可能である。
【0095】
本明細書の水性液体洗剤組成物には、その他のレオロジー変性剤材料が選択されたレオロジー特性を有する組成物を製造するという条件で、当然のことながら上記に具体的に記載した材料以外のその他いかなるレオロジー変性剤も使用できる。得られる組成物の液体マトリックスが上記の特定の注入粘度(pour viscosity)、一定の応力粘度(stress viscosity)及び粘度比値を有する限りで、様々なレオロジー変性剤の組み合わせ及び変性剤のタイプもまた利用できる。
【0096】
光学的光沢剤
本発明の組成物はまた、洗濯助剤として、蛍光増白剤(FWA)としても知られている1種以上の光学的光沢剤を含んでもよい。これら光学的光沢剤は、スペクトルの紫外線領域の光を吸収し、それを可視青色範囲で再放出する。光学的光沢剤は、布地又は綿の衣類等の洗濯される衣類上に沈着し、そこで蛍光を発する。これは、経時的に又は繰り返し洗浄するにつれて、白色布地上で生じる白色度の低下及び/又は黄ばみを補正するのを助ける。蛍光染料のように、本明細書における光学的光沢剤は、上記で定義された必須及び非蛍光染料の定義の範囲外である。
【0097】
好ましい光学的光沢剤の性質は、アニオン性である。好適な光学的光沢剤としては、特定のスチルベン誘導体、より具体的には、ジアミノスチルベンジスルホン酸及びその塩類が挙げられる。4,4’−ビス(2−アニリノ−4−モルホリノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ)スチルベン−2,2’−ジスルホン酸の塩、及び4,4’−ビス(2−スルホスチリル)ビフェニル型のようなモルホリノ基が別の窒素含有部分に置き換えられた関連化合物が好ましい。光沢剤の混合物を用いてもよい。光学的光沢剤の更なる例としては、二ナトリウム4,4’−ビス−(2−ジエタノールアミノ−4−アニリノ−s−トリアジン−6−イルアミノ)スチルベン−2:2’ジスルホネート、二ナトリウム4,−4’−ビス−(2−モルホリノ−4−アニリノ−s−トリアジン−6−イルアミノ)スチルベン−2:2’ジスルホネート、二ナトリウム4,4’−ビス−(2,4−ジアニリノ−s−トリアジン−6−イルアミノ)スチルベン−2:2’−ジスルホネート、一ナトリウム4’,4”−ビス−(2,4−ジアニリノ−s−トリアジン−6−イルアミノ)スチルベン−2−スルホネート、二ナトリウム4,4’−ビス−(4−フェニル−2,1,3−トリアゾール−2−イル)−スチルベン−2,2’ジスルホネート、二ナトリウム4,4’−ビス−(2−アニリノ−4−(1メチル−2−ヒドロキシメチルアミノ)−s−トリアジン−6−イルアミノ)スチルベン−2,2’ジスルホネート、ナトリウム2(スチルビル−4”−(ナフタ−1’,2’:4,5)−1,2,3−トリアゾール−2”−スルホネート及び4,4’−ビス(2−スルホスチリル)ビフェニルが挙げられる。光沢剤は、Ciba−Geigyにより商品名Tinopal(商標)として販売されており、欧州特許出願第A−753−567号及び米国特許第5,174,927号に詳細に記載されている。光学的光沢剤の商業的供給源としては、Ciba Specialty Chemicals及びBayerが挙げられる。光学的光沢剤は、典型的には、約0.001重量%〜約1重量%、より典型的には、約0.05重量%〜約0.5重量%の範囲の濃度で、本明細書における洗濯洗剤組成物に組み込まれる。
【0098】
布地ケア有益剤
本発明の別の実施形態では、組成物は、洗濯助剤として布地ケア有益剤を含む。本明細書で使用するとき、「布地ケア有益剤」は、その材料が適切な量で衣類/布地の上にあるときに、布地ケアに効果を与えるあらゆる材料を指し、例えば、布地柔軟化、着色保護、毛玉/毛羽削減、磨耗防止、皺防止、などの効果を衣類及び布地、特に綿及び綿が多い衣類並びに布地に対して与える。布地ケア有益剤の非限定的な例としては、カチオン性界面活性剤、シリコーン、ポリオレフィンワックス、ラテックス、油性糖誘導体、カチオン性多糖類、ポリウレタン、脂肪酸、及びこれらの混合物が挙げられる。布地ケア有益剤は、組成物中に存在する場合、ある実施形態において、好適には、組成物の最高30重量%、より一般的には1重量%〜20重量%、好ましくは2重量%〜10重量%の濃度である。本発明の目的のため、シリコーン誘導体は、布地ケア効果を与えることができ、エマルション、ラテックス、分散物、懸濁剤等として液体処理組成物中に組み込むことができる、あらゆるシリコーン材料である。洗濯製品には、これらは好適な界面活性剤と共に組み入れるのが最も一般的である。
【0099】
別の好適な布地ケア有益剤は脂肪酸である。布地に付着するとき、脂肪酸又はその石鹸は、洗濯布地に布地ケア(柔軟性、形状保持)を提供するであろう。有用な脂肪酸(又は石鹸=脂肪酸のナトリウム、カリウム、アンモニウム、及びアルキルアンモニウム塩のようなアルカリ金属石鹸)は、約8〜約24個の炭素原子、より好ましくは約12〜約18個の炭素原子を含有する高級脂肪酸である。脂肪酸は天然物又は合成物由来であることができ、直鎖又は分枝鎖を有する飽和物及び不飽和物の両方であってよい。
【0100】
沈着助剤
本明細書で使用するとき、「沈着助剤」は、洗濯中に布地ケア有益剤の布地への沈着を顕著に高める、あらゆるカチオン性ポリマー又はカチオン性ポリマーの組み合わせを指す。有効な沈着助剤は、好ましくはファンデルワールス力のような物理的力又は水素結合及び/又はイオン結合のような非共有性の化学結合によって、非水溶性の布地ケア有益剤と強力に結合する能力を有する。それは、好ましくは、天然の布地繊維、特に綿繊維に対して非常に強い親和力を有する。好ましくは、沈着助剤はカチオン性又は両性ポリマーである。本発明の両性ポリマーは、やはりカチオン性の正味電荷を有し、即ち、これらのポリマー上にあるカチオン性電荷の合計が、アニオン性電荷の合計を上回る。ポリマーのカチオン性電荷密度は、約0.05ミリ当量/g〜約6ミリ当量/gの範囲にある。電荷密度は、反復単位当りの正味電荷数を反復単位の分子量で除算して計算される。一実施形態において、電荷密度は0.1ミリ当量/g〜3ミリ当量/gの間で変化する。正電荷は、ポリマーの主鎖又はポリマーの側鎖上に存在することができる。沈着助剤の非限定的な例は、カチオン性多糖類、キトサン及びその誘導体、並びにカチオン性合成ポリマーである。より具体的には、好ましい沈着助剤は、カチオン性ヒドロキシエチルセルロース、カチオンデンプン、カチオン性グアー誘導体及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0101】
ビルダー
本発明の組成物は、任意でビルダーを含んでもよい。好適なビルダーを以下に記載する。好適なポリカルボキシレートビルダーとしては、環状化合物、特に米国特許第3,923,679号、同第3,835,163号、同第4,120,874号及び同第4,102,903号に記載されるもののような脂環式化合物が挙げられる。他の有用な洗浄性ビルダーとしては、エーテルヒドロキシポリカルボキシレート、無水マレイン酸のエチレン又はビニルメチルエーテルとのコポリマー、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン−2,4,6−トリスルホン酸、及びカルボキシメチルオキシコハク酸、エチレンジアミン四酢酸及びニトリロ三酢酸のようなポリ酢酸の各種アルカリ金属塩、アンモニウム塩及び置換型アンモニウム塩、並びにメリト酸、コハク酸、オキシジコハク酸、ポリマレイン酸、ベンゼン−1,3,5−トリカルボン酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、及びこれらの可溶性塩のようなポリカルボキシレートが挙げられる。
【0102】
シトレートビルダー、例えば、クエン酸及びその可溶性の塩(特に、ナトリウム塩)は、その再生可能な資源からの可用性及びその生分解性のために、強力液体洗剤製剤にとって特に重要なポリカルボキシレートビルダーである。オキシジスクシネートはまた、かかる組成物及び組み合わせにおいて特に有用である。
【0103】
その他の助剤
その他の好適な洗濯助剤材料の例としては、トリメトキシ安息香酸又はこれらの塩(TMBA)のようなアルコキシル化安息香酸又はこれらの塩;酵素安定化系;アミノカルボキシレート、アミノホスホネート、窒素非含有ホスホネート、及びリン及びカルボン酸塩非含有キレート剤を含むキレート剤;ゼオライトのような無機ビルダーを含む無機ビルダー及びポリアクリレート、アクリレート/マレエートコポリマーなどのような水溶性有機ビルダー、及びアニオン染料固着剤、アニオン性界面活性剤の錯化剤、及びこれらの混合剤を含むスカベンジング剤;過酸化水素及びカタラーゼを含む発泡性系;汚れ放出ポリマー;分散剤;泡抑制剤;染料;着色剤;硫酸ナトリウムのような増量剤塩;トルエンスルホネート、キュメンスルホネート、及びナフタレンスルホネートのようなヒドロトロープ;光活性化剤;加水分解性界面活性剤;防腐剤;酸化防止剤;収縮防止剤;防皺剤;殺菌剤;殺真菌剤;色スペックル;着色ビーズ、球状物又は押出し品;日焼け止め剤;フッ素化化合物;粘土;発光剤又は化学発光剤;耐腐食及び/又は器具保護剤;アルカリ性供給源又は他のpH調節剤;可溶化剤;加工助剤;顔料;フリーラジカルスカベンジャー、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。好適な物質としては、米国特許第5,705,464号、同第5,710,115号、同第5,698,504号、同第5,695,679号、同第5,686,014号及び同第5,646,101号に記載されているようなものが挙げられる。上記成分の混合物は、どのような割合でも製造できる。
【0104】
組成物の包装形状
本明細書における組成物は、当業者に既知である、種々の好適な洗剤包装容器に包装することができる。液体組成物は、好ましくは、透明な又は半透明な容器、より好ましくは透明な容器に包装される。
【0105】
本明細書で使用するとき、「透明」という用語は、良好な明澄性を示し、それにより光を通す特性を有する容器を指す。したがって、透明な容器を通して、はっきりと透かして見ることができる。本明細書で使用するとき、「半透明」という用語は、光の一部のみを通過させる(拡散的に)容器を指す。本発明の組成物はまた、カプセル化及び/又は単位化用量として包装される。水溶性フィルムの中に液体組成物を包装した単位化用量製品で使用される組成物は、非水性と記述されることが多い。
【0106】
カプセル化組成物
本発明の組成物は、水溶性フィルムの中にカプセル化されてよい。水溶性フィルムは、ポリビニルアルコール又はその他の好適な変形物、カルボキシメチルセルロース、セルロース誘導体、デンプン、加工デンプン、ショ糖、PEG、ワックス、又はこれらの組み合わせから製造されてよい。
【0107】
別の実施形態では、水溶性物は、例えば、ビニルアルコールのコポリマー及びカルボン酸のような他の助剤を含んでもよい。米国特許第7,022,656 B2号は、かかるフィルム組成物及びその利点について記載している。これらのコポリマーの一効果は、洗剤との良好な適合性の結果による袋包装(パウチ化)洗剤の貯蔵寿命の改善である。かかるフィルムの別の利点は、冷水(10℃未満)へのその溶解性がより優れていることである。フィルム材料中にあるそのコポリマーの濃度は、フィルム中、少なくとも60重量%である。ポリマーは、任意の重量平均分子量を有することができ、好ましくは、1000ダルトン〜1,000,000ダルトン、より好ましくは10,000ダルトン〜300,000ダルトン、更により好ましくは15,000ダルトン〜200,000ダルトン、最も好ましくは20,000ダルトン〜150,000ダルトンである。好ましくは、フィルム内に存在するコポリマーは、材料の溶解を改善させるために60%〜98%、より好ましくは80%〜95%が加水分解されている。極めて好ましい実施例では、コポリマーは、0.1モル%〜30モル%、好ましくは1モル%〜6モル%の前記カルボン酸を含む。
【0108】
パウチ又は水溶性フィルム自体が、洗浄水に供給されるべき洗剤添加物、例えば、有機ポリマー性の汚れ放出剤、分散剤、移染防止剤などを含むことが有用であり得る。所望により、パウチのフィルム表面に微細粉末を散布して、摩擦係数を減少させてもよい。アルミノケイ酸ナトリウム、シリカ、タルク及びアミロースは、好適な微細粉末の例である。
【0109】
本発明のカプセル化パウチは、あらゆる従来の技法を使用して製造できる。より好適には、パウチは水平形態充填のサーモフォーミング技法を使用して製造される。
【0110】
組成物の調製
本明細書の組成物は、一般的に、成分を共に混合し有色干渉顔料を添加することにより調製できる。しかしレオロジー変性剤を使用する場合、最終的に組成物に含まれるために使用される水の一部の中にレオロジー変性剤が分散されているるプレミックスを最初に形成することが好適である。このプレミックスは、構造化された液体を含むように形成される。
【0111】
次に、この構造化したプレミックスを、プレミックスを攪拌しながら添加することができ、水及びあらゆる任意の洗剤組成物助剤と共に、界面活性剤及び必須の洗剤助剤材料を使用できる。プレミックスへのこれらの物質の都合のよいいかなる添加順序、又は更に言えば、これらの組成物成分の同時添加も、実施することができる。構造化されたプレミックスと残りの組成物成分から得られる組み合わせが、水性液体マトリックスを形成し、有色干渉顔料がそれに添加される。
【0112】
結晶性ヒドロキシル含有構造剤が利用される特に好ましい実施形態において、構造剤を活性化するために以下の工程が使用できる:
1)プレミックスは、好ましくはプレミックスの約0.1重量%〜約5重量%の量の結晶性ヒドロキシル安定剤と、プレミックスの少なくとも20重量%を構成する水と、組成物に使用される1つ以上の界面活性剤と、所望により洗剤組成物に含まれるあらゆる塩類と、を組み合わせることにより形成される。
2)工程1)で形成されるプレミックスが、結晶性ヒドロキシル含有構造剤の融点を超えて加熱される。
3)工程2)で形成される加熱されたプレミックスが、混合物を攪拌しながら、糸状構造系がこの混合物内に形成されるように周囲温度に冷却される。
4)洗剤組成物成分の残部が残量の水と共に任意の順番で別個に混合され、それにより別個の混合物が形成される。
5)工程3)の構造化されたプレミックス及び工程4)の別個の混合物が、次に攪拌下で合わされて、構造化された水性液体マトリックスを形成し、それに目で識別されるビーズが組み込まれる。
【0113】
以下の実施例は、本発明を更に説明する。
【実施例】
【0114】
(実施例1):
以下の液体洗剤組成物は、列挙される比率で列挙される成分を混合することにより作製される(特に定めのない限り重量%)。
【0115】
組成物A〜Hは、液体洗濯洗剤組成物を表す。組成物I〜Pは、液体手洗い洗剤組成物を表す。
【表1】

【表2】

(1)Millikenから入手可能
(2)BASFから入手可能
(3)硬化ヒマシ油は、Elementisから入手可能なThixcin(登録商標)である。
(4)FWAは、Cibaから入手可能な蛍光増白剤Tinopal CBSである。
(5)ポリアクリレート増粘剤は、Noveonから入手可能なCarbopol Aqua 30である。
【表3】

(6)エトキシル化アルキル硫酸ナトリウム塩EO 0.5〜1
(7)細菌セルロース、カルボキシメチルセルロース、及びキサンタンガムを含む細菌セルロースミックス
(8)硬化ヒマシ油構造剤
【0116】
(実施例2):
以下の表は、染料系を含む組成物と、実施例1の組成物A〜Cに対して得られた溶液(水溶液)中の有色干渉顔料の吸収帯における波長を示す。表はまた、得られた色の知覚も示す(バイアスは、実施例4の図を参照することにより理解される)。
【表4】

【0117】
(実施例3):
染料系を含む液体洗剤組成物の色決定方法
染料系を含む液体洗剤組成物の色決定は、液体洗剤組成物の吸収の測定により決定される。
【0118】
有色干渉顔料の色決定は、水中に分散した(0.02%〜0.3%)顔料の吸収の測定により決定される。
【0119】
測定は、UVIKON UV−Vis分光計を用いて行われる。次いで、吸収を波長に対してプロットする。
【0120】
UVIKON UV−Vis分光計の原理:
平行光線を、段付モーター駆動に実装された反射回折格子上に照射する。格子から反射される光線は、特定の波長を有し、液体サンプルを含む透明なセルを通して、鏡を介して照射される。次いで、セルを通過するビームを、光の強度が光線の強度に比例して電気信号に変換される光ダイオードに照射する。サンプルにぶつかる入射光線(I0)と透過光(I)との間の差が、吸収光(I0−I)であり、サンプル中に存在する所定の化学化合物の濃度に比例する。回折格子を移動させることにより、他の波長を選択することができる。
【0121】
測定は、固定波長(=回折部)で行ってもよく、波長範囲を通じてスキャンしてもよい。固定部測定を用いて、サンプル中の試料の存在及び/又は濃度が決定される。スキャンを用いて、フィンガープリンティング、化学結合、発色団の検出に用いられるサンプルのスペクトルが得られる。
【0122】
単位:
透過率T:サンプルを通過する光の割合(%)
吸収A:サンプルにより吸収される光の割合(1−T)
減光又は吸光度、E:透過率の対数に負号をつけたもの(−log T)
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳しく制限されるものとして理解されるべきでない。それよりむしろ、特に指定されない限り、各こうした寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味することを意図する。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2色効果を示す液体洗剤組成物であって、
a)清浄系と、
b)i.380〜750nmの範囲の光スペクトルにおいて、吸収極小を示す有色干渉顔料、及び
ii.染料系、を含む審美系と、を含み、
前記有色干渉顔料の色が、前記有色干渉顔料の不在下で前記染料を含む前記組成物により反射される色に類似するように選択されることを特徴とする、液体洗剤組成物。
【請求項2】
前記染料系が、495〜620nmの範囲、好ましくは532〜605nmの範囲、より好ましくは570〜590nmの範囲に吸収極大を示し、前記有色干渉顔料が、570〜590nmの範囲に吸収極小を示す、請求項1に記載の洗剤組成物。
【請求項3】
前記染料系が、570〜750nmの範囲、好ましくは580〜685nmの範囲、より好ましくは590〜620nmの範囲に吸収極大を示し、前記有色干渉顔料が、590〜620nmの範囲に吸収極小を示す、請求項1に記載の洗剤組成物。
【請求項4】
前記染料系が、590〜750nm又は380〜450nmの範囲、好ましくは605〜750nm又は380〜415nmの範囲、より好ましくは620〜750nmの範囲に吸収極大を示し、前記有色干渉顔料が、620〜750nmの範囲に吸収極小を示す、請求項1に記載の洗剤組成物。
【請求項5】
前記染料系が、620〜750nm又は380〜495nmの範囲、好ましくは685〜750nm又は380〜472nmの範囲、より好ましくは380〜450nmの範囲に吸収極大を示し、前記有色干渉顔料が、380〜450nmの範囲に吸収極小を示す、請求項1に記載の洗剤組成物。
【請求項6】
前記染料系が、380〜570nmの範囲、好ましくは415〜532nmの範囲、より好ましくは450〜495nmの範囲に吸収極大を示し、前記有色干渉顔料が、450〜495nmの範囲に吸収極小を示す、請求項1に記載の洗剤組成物。
【請求項7】
前記染料系が、450〜590nmの範囲、好ましくは472〜580nmの範囲、より好ましくは495〜570nmの範囲に吸収極大を示し、前記有色干渉顔料が、495〜570nmの範囲に吸収極小を示す、請求項1に記載の洗剤組成物。
【請求項8】
前記清浄系が、好ましくは全組成物の少なくとも5重量%の量の界面活性剤を含む、請求項1〜7のいずれかに記載の組成物。
【請求項9】
前記有色干渉顔料の基材をコーティングする層の厚さが60nm超である、請求項1〜8のいずれかに記載の組成物。
【請求項10】
前記有色干渉顔料が、50マイクロメートル未満のD0.99粒径を有する、請求項1〜9のいずれかに記載の組成物。
【請求項11】
前記有色干渉顔料が、全組成物の0.0001重量%〜0.5重量%、好ましくは0.001重量%〜0.1重量%、最も好ましくは0.01重量%〜0.05重量%の量で存在する、請求項1〜10のいずれかに記載の組成物。
【請求項12】
前記染料系が、全組成物の0.0001重量%〜0.1重量%、好ましくは0.0002重量%〜0.01重量%、最も好ましくは0.0005重量%〜0.005重量%の量で存在する、請求項1〜11のいずれかに記載の組成物。
【請求項13】
前記液体洗剤組成物が、1種又は数種の洗濯助剤、好ましくはレオロジー変性剤及び/又は蛍光増白剤、より好ましくはレオロジー変性剤を更に含む、請求項1〜12のいずれかに記載の組成物。
【請求項14】
前記組成物が、透明又は半透明な容器、好ましくは透明な容器に包装される、請求項1〜13のいずれかに記載の組成物。
【請求項15】
前記組成物が、カプセル化及び/又は単位化用量として包装される、請求項1〜14のいずれかに記載の組成物。

【図1】
image rotate


【公表番号】特表2012−503091(P2012−503091A)
【公表日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−528056(P2011−528056)
【出願日】平成21年9月22日(2009.9.22)
【国際出願番号】PCT/US2009/057788
【国際公開番号】WO2010/039484
【国際公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】