説明

2部材連結装置

【課題】 第1,第2部材に対する連結ピンの抜差し作業を円滑に行う。
【解決手段】 ピン抜差し機構18を、シリンダ19と、シリンダ19の一端が連結された第1リンク20と、左,右の連結ピン16,17と第1リンク20との間を連結する左,右の第2リンク22,25と、左,右の第2リンク22,25とシリンダ19の他端とを連結する左,右の第3リンク28,31とにより構成する。これにより、シリンダ19の力が左,右の第3リンク28,31を介して左,右の第2リンク22,25に伝わり、左,右の第2リンク22,25が、第1リンク20との連結部を支点として左,右方向に移動するので、左,右の第2リンク22,25の一端側22A,25Aに連結された左,右の連結ピン16,17を、左,右の第1ブラケット12,13と左,右の第2ブラケット14,15とに対して円滑に抜差しすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば油圧ショベルに用いられる複数個のブーム等の2部材を相互に連結するのに好適に用いられる2部材連結装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、高層建築物等の地上高さが大きな構造物を解体する場合には、解体作業用の作業装置を備えた油圧ショベルが好適に用いられる。この解体作業用の作業装置は、通常、マルチブームと呼ばれる複数のブームを有し、各ブームのうち最上段のブームの先端側にアームが取付けられ、アームの先端側には圧砕機、グラップル等の作業具が取付けられるものである。
【0003】
そして、解体作業用のマルチブームは、複数個のブームを相互に連結することにより所望の長さに構成され、各ブーム間は2部材連結装置を用いて連結される構成となっている。
【0004】
この従来技術による2部材連結装置は、互いに連結される2個のブームのうち一方のブームに設けられた左,右のブラケットと、他方のブームに設けられた左,右のブラケットとの間を左,右の連結ピンによって連結するものである。
【0005】
この場合、左,右の連結ピンには左,右のリンクの一端側がそれぞれ回動可能にピン結合され、これら左,右のリンクの他端側は、それぞれブラケットに突設された支持部材に支点ピンを用いて回動可能にピン結合されている。そして、左,右のリンクの長手方向の中間部位には、油圧シリンダの両端部が連結され、この油圧シリンダを伸縮させたときに、リンクの一端側が支点ピンを中心として左,右方向に移動することにより、ブラケットに対して連結ピンを抜差しすることができる構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−249185号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上述した従来技術では、左,右のリンクの他端側が、それぞれ左,右のブラケットに突設された支持部材の先端側に支点ピンを用いて回動可能に支持される構成となっている。このため、例えば支点ピンを挿通するためのピン孔が設けられた支持部材を、溶接等の手段を用いてブラケットに突設した場合には、左,右のブラケットに対するピン孔の位置精度が低下してしまい、左,右のリンクが支点ピンを中心として円滑に移動できなくなるという問題がある。
【0008】
また、左,右のブラケットにそれぞれ支持部材を突設した後、これら左,右の支持部材の先端側に支点ピン用のピン孔を形成する場合には、このピン孔を形成するための工作機械に、ブラケットが設けられたブームのような大型の構造物を取付ける必要があり、このピン孔を形成するときの作業性が低下してしまうという問題がある。
【0009】
さらに、リンクの一端側には、当該リンクが支点ピンを中心として回動したときに、連結ピンを水平移動させるための長孔が形成され、この長孔に挿通したピンを介してリンクの一端側と連結ピンとを連結する構成となっている。従って、リンクの一端側に長孔を形成するためにエンドミル加工等の煩雑な加工が必要となり、リンクを含む2部材連結装置全体の製造コストが嵩んでしまうという問題がある。また、リンクの一端側に長孔を形成した場合には、長孔に挿通されたピンが、当該長孔の内周縁に常時摺接することにより、早期に摩耗してしまうという問題がある。
【0010】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、第1,第2部材に対する連結ピンの抜差し作業を円滑に行うことができるようにした2部材連結装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決するため本発明は、左,右方向で対面する左,右の第1部材と、該各第1部材にそれぞれ設けられた左,右の第1ピン挿通孔と、前記左,右の第1部材と対面する左,右の第2部材と、該各第2部材にそれぞれ設けられ前記第1ピン挿通孔と同一の孔軸線として重ねることができる左,右の第2ピン挿通孔と、前記左第1ピン挿通孔と前記左第2ピン挿通孔とに挿通される左連結ピンと、前記右第1ピン挿通孔と前記右第2ピン挿通孔とに挿通される右連結ピンと、前記左,右の第1部材間に配置され、前記左第1ピン挿通孔と前記左第2ピン挿通孔とに対して前記左連結ピンを抜差しすると共に前記右第1ピン挿通孔と前記右第2ピン挿通孔とに対して前記右連結ピンを抜差しするピン抜差し機構とを備えてなる2部材連結装置に適用される。
【0012】
そして、請求項1の発明の特徴は、前記ピン抜差し機構は、前記左,右の連結ピンに対し前記第1,第2部材の長さ方向に離間した位置に当該長さ方向に伸縮可能に配置されたシリンダと、前記左,右の連結ピンに対し前記第1,第2部材の長さ方向に離間した位置に浮動状態で配置され該シリンダの一端が連結された第1リンクと、前記左,右の連結ピンと該第1リンクとの間をそれぞれ連結して設けられた左,右の第2リンクと、前記左,右の第2リンクの長さ方向の途中部位と前記シリンダの他端との間を連結して設けられた左,右の第3リンクとにより構成したことにある。
【0013】
請求項2の発明は、前記左第1部材と前記右第1部材との間には、前記左連結ピンが前記左第2ピン挿通孔から抜け出した位置で当接すると共に、前記右連結ピンが前記右第2ピン挿通孔から抜け出した位置で当接するストッパを設ける構成としたことにある。
【0014】
請求項3の発明は、前記左,右の第1部材には、前記第1リンクが前記左,右の連結ピンを中心として回動するのを規制する廻止め部材を設ける構成としたことにある。
【0015】
請求項4の発明は、前記左,右の第3リンクと前記シリンダの他端とは、共通な1本のピンを用いて連結する構成としたことにある。
【0016】
請求項5の発明は、前記左,右の第3リンクのうちいずれか一方と前記シリンダの他端とは一のピンを用いて連結し、前記左,右の第3リンク間は前記一のピンの位置とは異なる位置で他のピンを用いて連結する構成としたことにある。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の発明によれば、シリンダを伸縮させると、このシリンダの他端に左,右の第3リンクを介して連結された左,右の第2リンクが、第1リンクとの連結部を支点として左,右方向に移動し、これら左,右の第2リンクに連結された左,右の連結ピンが左,右方向に移動することにより、左,右の連結ピンを第1,第2部材に対して抜差しすることができる。このように、第1,第2部材に対する連結ピンの抜差し作業を、シリンダを用いて容易に行うことができるので、第1部材と第2部材とを連結、離脱するときの作業性を高めることができる。また、第1,第2部材に対する連結ピンの抜差し作業を手作業で行う必要がないので、この連結ピンの抜差し作業を迅速かつ安全に行うことができる。
【0018】
この場合、シリンダの伸縮に応じて左,右の第2リンクが左,右方向に移動するときの支点となる第1リンクは、左,右の第1部材に対して浮動状態となっている。このため、シリンダの伸縮動作に応じて第1リンクが移動することにより、左第2リンクに連結された左連結ピンを、左第1ピン挿通孔と左第2ピン挿通孔の孔軸線に沿って水平移動させることができ、右第2リンクに連結された右連結ピンを、右第1ピン挿通孔と右第2ピン挿通孔の孔軸線に沿って水平移動させることができる。この結果、左連結ピンを左第1ピン挿通孔と左第2ピン挿通孔とに対して円滑に抜差しすることができ、右連結ピンを右第1ピン挿通孔と右第2ピン挿通孔とに円滑に抜差しすることができる。
【0019】
また、左,右の第2リンクの支点となる第1リンクを、左,右の第1部材に対して浮動状態とすることにより、左,右の第2リンクの支点を左,右の第1部材にそれぞれ固定的に設ける必要がない。この結果、各第2リンクの支点を第1部材に設ける作業を不要とすることができ、左,右の第1部材間にピン抜差し機構を取付けるときの作業性を高めることができる。
【0020】
また、左,右の第2リンクの支点となる第1リンクを、左,右の第1部材に対して浮動状態とすることにより、左第2リンクと左連結ピンとの連結部分、および右第2リンクと右連結ピンとの連結部分に、左,右の連結ピンを水平移動させるための長孔を設ける必要がない。この結果、左,右の第2リンクの製造コストを抑えることができ、かつ、第2リンクと連結ピンとの間を回動可能に連結するピン等が摩耗するのを抑え、左,右の第2リンクの寿命を延ばすことができる。
【0021】
さらに、ピン抜差し機構を構成するシリンダを、第1,第2部材の長さ方向に伸縮可能に配置することにより、左,右の第1部材の間隔が狭い場合でも、この左,右の第1部材間にシリンダを含むピン抜差し機構を容易に配置することができる。
【0022】
請求項2の発明によれば、左連結ピンが左第2ピン挿通孔から抜け出した位置でストッパに当接することにより、左連結ピンが左第1ピン挿通孔から抜け出すのを抑えることができ、右連結ピンが右第2ピン挿通孔から抜け出した位置でストッパに当接することにより、右連結ピンが右第1ピン挿通孔から抜け出すのを抑えることができる。これにより、左連結ピンを左第1ピン挿通孔に挿通すると共に、右連結ピンを右第1ピン挿通孔に挿通した状態で、ピン抜差し機構を左,右の第1部材間に保持しておくことができる。
【0023】
請求項3の発明によれば、左,右の第1部材に設けた廻止め部材によって第1リンクの回動を規制することにより、ピン抜差し機構が、左,右の連結ピンを中心として回動するのを抑えることができる。この結果、ピン抜差し機構が、左,右の第1部材の外側にはみ出して障害物等に干渉するのを防止し、ピン抜差し機構を保護することができる。
【0024】
請求項4の発明によれば、左,右の第3リンクとシリンダの他端との3部材を、共通な1本のピンを用いて同軸に連結することにより、ピン抜差し機構の部品点数を低減することができる。
【0025】
請求項5の発明によれば、左,右の第3リンクのうちいずれか一方とシリンダの他端との2部材を一のピンを用いて連結し、左,右の第3リンク間を他のピンを用いて連結したので、これら2本のピンの長さを、左,右の第3リンクとシリンダの他端との3部材を連結する共通な1本のピンの長さに比較して短くすることができ、これら2本のピンの強度を高め、ピン抜差し機構の寿命を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施の形態による2部材連結装置が適用されるマルチブーム式の油圧ショベルを示す正面図である。
【図2】下ブームに継ぎブームを連結する状態を示す正面図である。
【図3】第1の実施の形態による2部材連結装置を、図2中の矢示III−III方向からみた一部破断の断面図である。
【図4】2部材連結装置を図3中の矢示IV−IV方向からみた断面図である。
【図5】左,右の連結ピンを左,右の第2ブラケットから抜取った状態を示す図3と同様な断面図である。
【図6】左連結ピンがストッパに当接した状態を示す図3と同様な断面図である。
【図7】第1の実施の形態によるピン抜差し機構等を示す一部破断の斜視図である。
【図8】第2の実施の形態による2部材連結装置を示す図3と同様な断面図である。
【図9】左,右の連結ピンを左,右の第2ブラケットから抜取った状態を示す図8と同様な断面図である。
【図10】第1リンク、第2リンク、第3リンク、シリンダ、一のピン、他のピン等を図8中の矢示X−X方向からみた断面図である。
【図11】第3の実施の形態による2部材連結装置を示す図3と同様な断面図である。
【図12】左,右の連結ピンを左,右の第2ブラケットから抜取った状態を示す図11と同様な断面図である。
【図13】左,右の第1ブラケットの変形例を示す図3と同様な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明に係る2部材連結装置の実施の形態を、油圧ショベルのマルチブームを構成する2段のブーム間を連結する場合を例に挙げ、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0028】
図中、1は油圧ショベルで、該油圧ショベル1は、自走可能なクローラ式の下部走行体2と、該下部走行体2上に旋回可能に搭載された上部旋回体3と、該上部旋回体3の前部側に俯仰動可能に設けられたマルチブーム式の作業装置4とにより大略構成され、例えば高層建築物等の地上高さが大きな構造物を解体するのに好適に用いられるものである。
【0029】
ここで、作業装置4は、上部旋回体3の前部側に回動可能に取付けられた下ブーム5A、継ぎブーム5B、上ブーム5Cからなるブーム5と、上ブーム5Cの先端側に回動可能に取付けられたミドルアーム6と、ミドルアーム6の先端側に回動可能に取付けられた下アーム7A、上アーム7Bからなるアーム7と、上アーム7Bの先端側に回動可能に取付けられた作業具としての圧砕機8とにより大略構成されている。
【0030】
ここで、ブーム5の下ブーム5Aに継ぎブーム5Bを取付ける場合には、例えば図2に示すように、油圧クレーン9等を用いて継ぎブーム5Bを吊上げ、継ぎブーム5Bを下ブーム5Aの先端側に配置した状態で、後述の2部材連結装置11を用いて下ブーム5Aと継ぎブーム5Bとを連結する構成となっている。
【0031】
次に、11は本発明の第1の実施の形態による2部材連結装置を示し、この2部材連結装置11は、下ブーム5Aと継ぎブーム5Bとの間に上,下に離間して配置され、下ブーム5Aの先端側に継ぎブーム5Bの基端側を連結するものである。そして、2部材連結装置11は、図3ないし図7に示すように、後述する左,右の第1ブラケット12,13、左,右の第1ピン挿通孔12C,13C、左,右の第2ブラケット14,15、左,右の第2ピン挿通孔14A,15A、左連結ピン16、右連結ピン17、ピン抜差し機構18等により構成されている。
【0032】
12は下ブーム5Aの先端部左側に設けられた左第1部材としての左第1ブラケットで、この左第1ブラケット12は、一定の間隔をもって左,右方向で対面する左内側第1ブラケット12Aと、左外側第1ブラケット12Bとにより構成されている。ここで、左内側第1ブラケット12Aと左外側第1ブラケット12Bとは、それぞれ厚肉な鋼板等を用いて形成され、下ブーム5Aの先端部に溶接等の手段を用いて固着されている。
【0033】
そして、左内側第1ブラケット12Aと左外側第1ブラケット12Bとの間には、後述の左第2ブラケット14が配置される構成となっている。また、左内側第1ブラケット12Aと左外側第1ブラケット12Bの長さ方向の両端側には、左第1ピン挿通孔12C,12Cがそれぞれ穿設され、これら左第1ピン挿通孔12Cには、後述の左連結ピン16が抜差し可能に挿通される構成となっている。
【0034】
13は下ブーム5Aの先端部右側に設けられた右第1部材としての右第1ブラケットで、この右第1ブラケット13は、一定の間隔をもって左,右方向で対面する右内側第1ブラケット13Aと、右外側第1ブラケット13Bとにより構成されている。ここで、右内側第1ブラケット13Aと右外側第1ブラケット13Bとは、それぞれ厚肉な鋼板等を用いて形成され、下ブーム5Aの先端部に溶接等の手段を用いて固着されている。
【0035】
そして、右内側第1ブラケット13Aと右外側第1ブラケット13Bとの間には、後述の右第2ブラケット15が配置される構成となっている。また、右内側第1ブラケット13Aと右外側第1ブラケット13Bの長さ方向の両端側には、右第1ピン挿通孔13C,13Cがそれぞれ穿設され、これら右第1ピン挿通孔13Cには、後述の右連結ピン17が抜差し可能に挿通される構成となっている。
【0036】
この場合、左第1ブラケット12の左内側第1ブラケット12Aと左外側第1ブラケット12Bとに穿設された左第1ピン挿通孔12Cと、右第1ブラケット13の右内側第1ブラケット13Aと右外側第1ブラケット13Bとに穿設された右第1ピン挿通孔13Cとは、同一の孔軸線O−O上に配置されている(図5参照)。
【0037】
14は継ぎブーム5Bの基端部左側に設けられた左第2部材としての左第2ブラケットで、この左第2ブラケット14は、厚肉な鋼板等を用いて形成され、継ぎブーム5Bの基端部に溶接等の手段を用いて固着されている。そして、左第2ブラケット14は、左第1ブラケット12の左内側第1ブラケット12Aと左外側第1ブラケット12Bとの間に配置され、これら左内側第1ブラケット12A、左外側第1ブラケット12Bと左,右方向で対面するものである。また、左第2ブラケット14には、左第1ブラケット12の左第1ピン挿通孔12Cと対応する位置に左第2ピン挿通孔14Aが穿設されている。
【0038】
15は継ぎブーム5Bの基端部右側に設けられた右第2部材としての右第2ブラケットで、この右第2ブラケット15は、厚肉な鋼板等を用いて形成され、継ぎブーム5Bの基端部に溶接等の手段を用いて固着されている。そして、右第2ブラケット15は、右第1ブラケット13の右内側第1ブラケット13Aと右外側第1ブラケット13Bとの間に配置され、これら右内側第1ブラケット13A、右外側第1ブラケット13Bと左,右方向で対面するものである。また、右第2ブラケット15には、右第1ブラケット13の右第1ピン挿通孔13Cに対応する位置に右第2ピン挿通孔15Aが穿設されている。
【0039】
ここで、図5に示すように、左第2ブラケット14の左第2ピン挿通孔14Aと、右第2ブラケット15の右第2ピン挿通孔15Aとは、左第1ブラケット12の左第1ピン挿通孔12C、右第1ブラケット13の右第1ピン挿通孔13Cと同一の孔軸線O−Oとして重ねることができるようになっている。
【0040】
16は左第1ブラケット12と左第2ブラケット14との間を連結する左連結ピンで、該左連結ピン16は、左,右方向に延びる円柱状に形成され、左第1ブラケット12の左第1ピン挿通孔12Cと左第2ブラケット14の左第2ピン挿通孔14Aとに抜差し可能に挿通されるものである。ここで、左連結ピン16の基端側には、左第1ピン挿通孔12Cの孔径よりも大径なフランジ部16Aと、後述する左第2リンク22が回動可能に取付けられるリンク取付部16Bとが設けられている。
【0041】
17は右第1ブラケット13と右第2ブラケット15との間を連結する右連結ピンで、該右連結ピン17は、左,右方向に延びる円柱状に形成され、右第1ブラケット13の右第1ピン挿通孔13Cと右第2ブラケット15の右第2ピン挿通孔15Aとに抜差し可能に挿通されるものである。ここで、右連結ピン17の基端側には、右第1ピン挿通孔13Cの孔径よりも大径なフランジ部17Aと、後述する右第2リンク25が回動可能に取付けられるリンク取付部17Bとが設けられている。
【0042】
次に、18は左第1ブラケット12と右第1ブラケット13との間に配置されたピン抜差し機構を示している。このピン抜差し機構18は、左第1ブラケット12の左第1ピン挿通孔12Cと左第2ブラケット14の左第2ピン挿通孔14Aとに対して左連結ピン16を抜差しすると共に、右第1ブラケット13の右第1ピン挿通孔13Cと右第2ブラケット15の右第2ピン挿通孔15Aとに対して右連結ピン17を抜差しするものである。そして、ピン抜差し機構18は、後述のシリンダ19、第1リンク20、左,右の第2リンク22,25、左,右の第3リンク28,31等により構成されている。
【0043】
19はピン抜差し機構18を構成するシリンダで、このシリンダ19は、例えば油圧シリンダにより構成され、チューブ19Aと、ピストン(図示せず)と、基端側がピストンに固定され先端側がチューブ19Aから突出したロッド19Bとにより構成されている。そして、シリンダ19は、左,右の連結ピン16,17に対し、左,右の第1ブラケット12,13および左,右の第2ブラケット14,15の長さ方向に離間した位置に、当該長さ方向に伸縮可能な状態で配置されている。
【0044】
そして、シリンダ19は、油圧源(図示せず)から圧油が給排されることにより、ロッド19Bを伸縮させ、後述する第1リンク20、左,右の第2リンク22,25、左,右の第3リンク28,31等を介して左,右の連結ピン16,17を左,右方向に移動させるものである。
【0045】
20は左,右の連結ピン16,17に対し左,右の第1ブラケット12,13の長さ方向に離間した位置に配置された第1リンクで、該第1リンク20は、左,右の第1ブラケット12,13のいずれにも取付けられておらず、これら左,右の第1ブラケット12,13に対して浮動状態となっている。
【0046】
ここで、第1リンク20は、シリンダ19(チューブ19A)の外径よりも大きな幅を有するスペーサ(図示せず)を挟んで対面する2枚の三角形状の板体により形成されている。また、第1リンク20の左,右方向の長さ寸法Lは、左内側第1ブラケット12Aと右内側第1ブラケット13Aとの間隔よりも僅かに小さく設定され、第1リンク20の左端部と左内側第1ブラケット12Aとの間、第1リンク20の右端部と右内側第1ブラケット13Aとの間には、それぞれ僅かな隙間が形成されている(図3参照)。従って、第1リンク20は、シリンダ19の伸縮に応じて、左内側第1ブラケット12Aと右内側第1ブラケット13Aとの間で移動することができる構成となっている。
【0047】
そして、第1リンク20の左,右方向の中間部位には、シリンダ19の一端となるチューブ19Aのボトム側が、ピン21を介して回動可能に連結されている。また、第1リンク20の左,右方向の両端側には、後述する左,右の第2リンク22,25の他端側22C,25Cがそれぞれ回動可能に連結され、第1リンク20は、これら左,右の第2リンク22,25の支点を構成している。
【0048】
22は左連結ピン16と第1リンク20との間を連結する左第2リンクで、該左第2リンク22は、左,右の第1ブラケット12,13の長さ方向に延びる2枚の板体により形成されている(図7参照)。そして、左第2リンク22の長さ方向の一端側22Aにはピン孔22Bが穿設され、このピン孔22Bと左連結ピン16のリンク取付部16Bとにピン23を挿通することにより、左第2リンク22の一端側22Aが、左連結ピン16に回動可能に連結されている。また、左第2リンク22の長さ方向の他端側22Cは、ピン24を介して第1リンク20に回動可能に取付けられ、左第2リンク22の長さ方向の途中部位22Dは、後述の左第3リンク28に回動可能に取付けられる構成となっている。
【0049】
25は右連結ピン17と第1リンク20との間を連結する右第2リンクで、該右第2リンク25も、左第2リンク22と同様に、左,右の第1ブラケット12,13の長さ方向に延びる2枚の板体により形成されている。そして、右第2リンク25の長さ方向の一端側25Aにはピン孔25Bが穿設され、このピン孔25Bと右連結ピン17のリンク取付部17Bとにピン26を挿通することにより、右第2リンク25の一端側25Aが、右連結ピン17に回動可能に連結されている。また、右第2リンク25の長さ方向の他端側25Cは、ピン27を介して第1リンク20に回動可能に取付けられ、右第2リンク25の長さ方向の途中部位25Dは、後述の右第3リンク31に回動可能に取付けられる構成となっている。
【0050】
28は左第2リンク22の長さ方向の途中部位22Dとシリンダ19のロッド19B先端との間を連結する左第3リンクで、該左第3リンク28は、シリンダ19の伸縮力を左第2リンク22に伝えるもので、一定の間隔をもって対面しつつ左,右方向に延びる2枚の板体により形成されている(図7参照)。
【0051】
ここで、左第3リンク28の長さ方向の一端側28Aは、左第2リンク22の途中部位22Dにピン29を介して回動可能に取付けられ、左第3リンク28の長さ方向の他端側28Bは、シリンダ19の他端であるロッド19B先端にピン30を介して回動可能に取付けられている。これにより、左第3リンク28は、左第2リンク22の途中部位22Dからシリンダ19のロッド19B先端に向けて斜め上向きに傾斜している。
【0052】
31は右第2リンク25の長さ方向の途中部位25Dとシリンダ19のロッド19B先端との間を連結する右第3リンクで、該右第3リンク31は、シリンダ19の伸縮力を右第2リンク25に伝えるもので、左第3リンク28と同様に、一定の間隔をもって対面しつつ左,右方向に延びる2枚の板体により形成されている。
【0053】
ここで、右第3リンク31の長さ方向の一端側31Aは、右第2リンク25の途中部位25Dにピン32を介して回動可能に取付けられ、右第3リンク31の長さ方向の他端側31Bは、シリンダ19の他端であるロッド19B先端にピン30を介して回動可能に取付けられている。これにより、右第3リンク31は、右第2リンク25の途中部位25Dからシリンダ19のロッド19B先端に向けて斜め上向きに傾斜している。
【0054】
そして、本実施の形態では、左第3リンク28の他端側28Bと、右第3リンク31の他端側31Bと、シリンダ19のロッド19B先端との3部材が、共通な1本のピン30を介して回動可能に連結される構成となっている。
【0055】
従って、シリンダ19を伸縮させると、このシリンダ19の伸縮力が、左第3リンク28を介して左第2リンク22に伝わると共に右第3リンク31を介して右第2リンク25に伝わる。このため、左第2リンク22が、第1リンク20との連結部(ピン24)を支点として左,右方向に移動すると共に、右第2リンク25が、第1リンク20との連結部(ピン27)を支点として左,右方向に移動する。
【0056】
これにより、シリンダ19を縮小させたときには、図3に示すように、左第2リンク22の一端側22Aに連結された左連結ピン16が、左第1ブラケット12の左第1ピン挿通孔12Cと左第2ブラケット14の左第2ピン挿通孔14Aとに挿通され、右第2リンク25の一端側25Aに連結された右連結ピン17が、右第1ブラケット13の右第1ピン挿通孔13Cと右第2ブラケット15の右第2ピン挿通孔15Aとに挿通される。この結果、左,右の第1ブラケット12,13と、左,右の第2ブラケット14,15とを連結することができる構成となっている。
【0057】
一方、シリンダ19を伸長させたときには、図5に示すように、左連結ピン16が、左第2ブラケット14の左第2ピン挿通孔14Aから抜取られ、右連結ピン17が、右第2ブラケット15の右第2ピン挿通孔15Aから抜取られることにより、左,右の第1ブラケット12,13から、左,右の第2ブラケット14,15を離脱させることができる構成となっている。
【0058】
33は左,右の連結ピン16,17の近傍に位置して左第1ブラケット12と右第1ブラケット13との間に設けられたストッパで、該ストッパ33は、図5に示すように、左連結ピン16が左第2ピン挿通孔14Aから抜け出した位置で当接すると共に、右連結ピン17が右第2ピン挿通孔15Aから抜け出した位置で当接するものである。ここで、ストッパ33は、左内側第1ブラケット12Aと右内側第1ブラケット13Aとの間に架け渡された板状のベース板33Aと、該ベース板33Aの左,右方向の中央部に突設され、左連結ピン16のリンク取付部16Bおよび右連結ピン17のリンク取付部17Bが当接する当接板33Bとにより構成されている。
【0059】
そして、シリンダ19が伸長して左連結ピン16が左第2ピン挿通孔14Aから抜け出したときには、左連結ピン16のリンク取付部16Bがストッパ33の当接板33Bに当接することにより、左連結ピン16が、左内側第1ブラケット12Aの左第1ピン挿通孔12Cから抜出すのを抑える構成となっている。また、シリンダ19が伸長して右連結ピン17が右第2ピン挿通孔15Aから抜け出したときには、右連結ピン17のリンク取付部17Bがストッパ33の当接板33Bに当接することにより、右連結ピン17が、右内側第1ブラケット13Aの右第1ピン挿通孔13Cから抜出すのを抑える構成となっている。
【0060】
ここで、図5に示すように、左,右の連結ピン16,17のリンク取付部16B,17Bが、それぞれストッパ33の当接板33Bに当接したときには、左連結ピン16は、左内側第1ブラケット12Aの左第1ピン挿通孔12Cのみに挿通され、右連結ピン17は、右内側第1ブラケット13Aの右第1ピン挿通孔13Cのみに挿通された状態を保つ。従って、ピン抜差し機構18は、左,右の連結ピン16,17を介して、左内側第1ブラケット12Aと右内側第1ブラケット13Aとの間に保持される構成となっている。
【0061】
34,34は左,右の第1ブラケット12,13にそれぞれ設けられた左,右の廻止め部材で、これら各廻止め部材34は、左,右の第1ブラケット12,13間に設けられたピン抜差し機構18の第1リンク20が、左,右の連結ピン16,17を中心として回動するのを規制するものである。
【0062】
ここで、廻止め部材34は、左,右の第1ブラケット12,13の長さ方向に延びる角柱体からなり、左内側第1ブラケット12Aの内側面と右内側第2ブラケット13Aの内側面とに、それぞれ溶接等の手段を用いて固着されている。そして、第1リンク20を構成する2枚の板体が、左,右の廻止め部材34をそれぞれ挟込むことにより、第1リンク20は、廻止め部材34に係合した状態で、当該廻止め部材34に沿って左,右の第1ブラケット12,13の長さ方向に移動する構成となっている。
【0063】
本実施の形態による2部材連結装置11は上述の如き構成を有するもので、次に、この2部材連結装置11を用いて、油圧ショベル1のブーム5を構成する下ブーム5Aの先端側に継ぎブーム5Bを取付ける場合について説明する。
【0064】
まず、図2に示すように、油圧クレーン9を用いて継ぎブーム5Bを吊上げ、この継ぎブーム5Bの基端側を、油圧ショベル1の上部旋回体3側に取付けられた下ブーム5Aの先端側に配置する。
【0065】
このとき、ピン抜差し機構18は、図5に示すように、シリンダ19を伸長させた状態で、左連結ピン16を左内側第1ブラケット12Aの左第1ピン挿通孔12Cに挿通し、右連結ピン17を右内側第1ブラケット13Aの右第1ピン挿通孔13Cに挿通することにより、左,右の連結ピン16,17を介して左内側第1ブラケット12Aと右内側第1ブラケット13Aとの間に保持されている。
【0066】
そして、図5に示すように、下ブーム5Aに設けられた左内側第1ブラケット12Aと左外側第1ブラケット12Bとの間に、継ぎブーム5Bに設けられた左第2ブラケット14を挿入すると共に、下ブーム5Aに設けられた右内側第1ブラケット13Aと右外側第1ブラケット13Bとの間に、継ぎブーム5Bに設けられた右第2ブラケット15を挿入する。さらに、左第2ブラケット14の左第2ピン挿通孔14Aおよび右第2ブラケット15の右第2ピン挿通孔15Aを、左第1ブラケット12の左第1ピン挿通孔12Cおよび右第1ブラケット13の右第1ピン挿通孔13Cと同一の孔軸線O−O上に重ねる。
【0067】
この状態で、ピン抜差し機構18のシリンダ19に対し油圧源(図示せず)からの圧油を給排することにより、図3に示すように、シリンダ19を縮小させる。これにより、シリンダ19の力が左,右の第3リンク28,31を介して左,右の第2リンク22,25に伝わり、左第2リンク22の一端側22Aが、第1リンク20との連結部(ピン24)を支点として左,右方向に移動すると共に、右第2リンク25の一端側25Aが、第1リンク20との連結部(ピン27)を支点として左,右方向に移動する。
【0068】
この結果、左第2リンク22の一端側22Aに連結された左連結ピン16を、左第1ブラケット12の左第1ピン挿通孔12Cと左第2ブラケット14の左第2ピン挿通孔14Aとに挿通することができると共に、右第2リンク25の一端側25Aに連結された右連結ピン17を、右第1ブラケット13の右第1ピン挿通孔13Cと右第2ブラケット15の右第2ピン挿通孔15Aとに挿通することができる。
【0069】
この場合、左第2リンク22の一端側22Aはピン24を中心として円弧状に移動するが、左,右の第1ブラケット12,13に対して浮動状態となった第1リンク20がシリンダ19の縮小動作に応じて移動することにより、左第2リンク22の一端側22Aにピン23を用いて連結された左連結ピン16を、左第1ピン挿通孔12Cと左第2ピン挿通孔14Aの孔軸線O−Oに沿って水平移動させることができる。これと同様に、右第2リンク25の一端側25Aはピン27を中心として円弧状に移動するが、浮動状態となった第1リンク20がシリンダ19の縮小動作に応じて移動することにより、右第2リンク25の一端側25Aにピン26を用いて連結された右連結ピン17を、右第1ピン挿通孔13Cと右第2ピン挿通孔15Aの孔軸線O−Oに沿って水平移動させることができる。
【0070】
そして、左連結ピン16が左第1ピン挿通孔12Cと左第2ピン挿通孔14Aとに挿通されることにより、この左連結ピン16によって、左第1ブラケット12と左第2ブラケット14とを連結することができる。また、右連結ピン17が右第1ピン挿通孔13Cと右第2ピン挿通孔15Aとに挿通されることにより、この右連結ピン17によって、右第1ブラケット13と右第2ブラケット15とを連結することができる。
【0071】
この結果、下ブーム5Aの先端側に設けた左,右の第1ブラケット12,13と、継ぎブーム5Bの基端側に設けた左,右の第2ブラケット14,15とを、左,右の連結ピン16,17によって連結することができ、下ブーム5Aの先端側に継ぎブーム5Bを取付けることができる。
【0072】
一方、ピン抜差し機構18を構成する第1リンク20は、左,右の第1ブラケット12,13に固着された左,右の廻止め部材34に係合することにより、左,右の連結ピン16,17を中心とした回動が規制されている。このため、左,右の連結ピン16,17によって左,右の第1ブラケット12,13と左,右の第2ブラケット14,15とを連結した状態で、図1に示す油圧ショベル1の作業装置4を用いて解体作業等を行う場合に、ピン抜差し機構18が、左,右の連結ピン16,17を中心として回動するのを抑えることができる。この結果、油圧ショベル1の作業時に、ピン抜差し機構18が左,右の第1ブラケット12,13の外側にはみ出して障害物等に干渉するのを防止し、ピン抜差し機構18を保護することができる。
【0073】
次に、下ブーム5Aの先端側から継ぎブーム5Bを取外すために、下ブーム5Aの先端側に設けた左,右の第1ブラケット12,13と、継ぎブーム5Bの基端側に設けた左,右の第2ブラケット14,15から、左,右の連結ピン16,17を抜取る場合について説明する。
【0074】
この場合には、図2に示すように、下ブーム5Aの先端側に取付けられた継ぎブーム5Bを油圧クレーン9によって支持した状態で、ピン抜差し機構18のシリンダ19を伸長させる。これにより、シリンダ19の力が左,右の第3リンク28,31を介して左,右の第2リンク22,25に伝わる。
【0075】
このため、図5に示すように、左第2リンク22が、第1リンク20との連結部(ピン24)を支点として左,右方向に移動し、この左第2リンク22の一端側22Aに連結された左連結ピン16を、左第2ブラケット14の左第2ピン挿通孔14Aから抜取ることができる。一方、右第2リンク25が、第1リンク20との連結部(ピン27)を支点として左,右方向に移動し、この右第2リンク25の一端側25Aに連結された右連結ピン17を、右第2ブラケット15の右第2ピン挿通孔15Aから抜取ることができる。
【0076】
この場合、例えば左連結ピン16と左第2ピン挿通孔14Aとの間に生じる摩擦力に比較して、右連結ピン17と右第2ピン挿通孔15Aとの間に生じる摩擦力が大きい場合には、図6に示すように、左連結ピン16が、右連結ピン17よりも先に左第2ピン挿通孔14Aから抜け出す。このとき、左連結ピン16のリンク取付部16Bが、ストッパ33の当接板33Bに当接することにより、左連結ピン16がそれ以上に抜取り方向に移動するのを規制し、左連結ピン16の先端側を、左内側第1ブラケット12Aの左第1ピン挿通孔12Cに挿通しておくことができる。
【0077】
ここで、左連結ピン16のリンク取付部16Bがストッパ33の当接板33Bに当接すると、シリンダ19が伸長するときの力が右第2リンク25に集中するので、右連結ピン17を確実に右第2ピン挿通孔15Aから抜き取ることができる。そして、右連結ピン17のリンク取付部17Bが、ストッパ33の当接板33Bに当接することにより、右連結ピン17の先端側を、右内側第1ブラケット13Aの右第1ピン挿通孔13Cに挿通しておくことができる。
【0078】
このようにして、図5に示すように、左連結ピン16を左第2ブラケット14の左第2ピン挿通孔14Aから抜き取ると共に、右連結ピン17を右第2ブラケット15の右第2ピン挿通孔15Aから抜き取ることにより、左,右の第1ブラケット12,13から左,右の第2ブラケット14,15を離脱させることができ、下ブーム5Aから継ぎブーム5Bを切り離すことができる。
【0079】
そして、シリンダ19を伸長させた状態で、左連結ピン16を左内側第1ブラケット12Aの左第1ピン挿通孔12Cに挿通し、右連結ピン17を右内側第1ブラケット13Aの右第1ピン挿通孔13Cに挿通することにより、ピン抜差し機構18を、左,右の連結ピン16,17を介して左内側第1ブラケット12Aと右内側第1ブラケット13Aとの間に保持することができる。
【0080】
かくして、本実施の形態によれば、左,右の第1ブラケット12,13間に設けられるピン抜差し機構18を、左,右の第1ブラケット12,13の長さ方向に伸縮可能に配置されたシリンダ19と、左,右の第1ブラケット12,13に対して浮動状態となりシリンダ19のチューブ19Aのボトム側が連結された第1リンク20と、左,右の連結ピン16,17と第1リンク20との間を連結する左,右の第2リンク22,25と、左,右の第2リンク22,25の長さ方向の途中部位22D,25Dとシリンダ19のロッド19B先端との間を連結する左,右の第3リンク28,31とにより構成している。
【0081】
これにより、シリンダ19に圧油を給排して伸縮させると、シリンダ19の伸縮力が左,右の第3リンク28,31を介して左,右の第2リンク22,25に伝わり、左,右の第2リンク22,25が、第1リンク20との連結部を支点として左,右方向に移動する。そして、これら左,右の第2リンク22,25の一端側22A,25Aに連結された左,右の連結ピン16,17が左,右方向に移動することにより、左,右の連結ピン16,17を、左,右の第1ブラケット12,13と左,右の第2ブラケット14,15とに対して抜差しすることができる。
【0082】
この場合、左,右の連結ピン16,17の抜差し作業を、シリンダ19を用いて容易に行うことができるので、左,右の第1ブラケット12,13と左,右の第2ブラケット14,15とを連結、離脱するときの作業性を高めることができる。また、左,右の連結ピン16,17の抜差し作業を手作業で行う必要がないので、この抜差し作業を迅速かつ安全に行うことができる。
【0083】
しかも、左,右の第2リンク22,25が左,右の連結ピン16,17を移動させるときの支点となる第1リンク20を、左,右の第1ブラケット12,13に対して浮動状態とすることにより、シリンダ19の伸縮動作に応じて第1リンク20が移動することができる。これにより、左第2リンク22と左連結ピン16とがピン23を中心として相対回動するだけで、左連結ピン16を、左第1ピン挿通孔12Cと左第2ピン挿通孔14Aの孔軸線O−Oに沿って水平移動させることができる。また、右第2リンク25と右連結ピン17とがピン26を中心として相対回動するだけで、右連結ピン17を、右第1ピン挿通孔13Cと右第2ピン挿通孔15Aの孔軸線O−Oに沿って水平移動させることができる。この結果、左,右の連結ピン16,17を、左,右の第1ブラケット12,13と左,右の第2ブラケット14,15とに対して円滑に抜差しすることができる。
【0084】
また、左,右の第1ブラケット12,13に対して第1リンク20を浮動状態とすることにより、左,右の第2リンク22,25の支点を、左,右の第1ブラケット12,13に固定的に設ける必要がない。この結果、大きな構造物である下ブーム5Aの左,右の第1ブラケット12,13に、左,右の第2リンク22,25の支点を設けるといった煩雑な作業を不要とすることができ、左,右の第1ブラケット12,13間にピン抜差し機構18を取付けるときの作業性を高めることができる。
【0085】
また、左,右の第1ブラケット12,13に対して第1リンク20を浮動状態とすることにより、左第2リンク22と左連結ピン16とがピン23を中心として相対回動するだけで、左連結ピン16を左第1ピン挿通孔12Cと左第2ピン挿通孔14Aとに挿通することができるので、左第2リンク22の一端側22Aに設けたピン孔22Bを長孔とする必要がない。また、右第2リンク25と右連結ピン17とがピン26を中心として相対回動するだけで、右連結ピン17を右第1ピン挿通孔13Cと右第2ピン挿通孔15Aとに挿通することができるので、右第2リンク25の一端側25Aに設けたピン孔25Bを長孔とする必要がない。
【0086】
この結果、左第2リンク22に穿設したピン孔22B、該ピン孔22Bに挿通されたピン23等の摩耗を抑えて左第2リンク22の寿命を延ばすことができると共に、右第2リンク25に穿設したピン孔25B、該ピン孔25Bに挿通されたピン26等の摩耗を抑えて右第2リンク25の寿命を延ばすことができる。また、左,右の第2リンク22,25の一端側22A,25Aにエンドミル加工等によって長孔を形成する必要がない分、左,右の第2リンク22,25の製造コストを低減することができる。
【0087】
さらに、ピン抜差し機構18を構成するシリンダ19を、左,右の第1ブラケット12,13及び左,右の第2ブラケット14,15の長さ方向に伸縮可能に配置することにより、左,右の第1ブラケット12,13の間隔が狭い場合でも、この左,右の第1ブラケット12,13間にシリンダ19を含むピン抜差し機構18を容易に配置することができる。
【0088】
次に、図8ないし図10は本発明の第2の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、左,右の第3リンクのうちいずれか一方とシリンダの他端とを一のピンを用いて連結し、左,右の第3リンク間は他のピンを用いて連結したことにある。なお、本実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0089】
図中、41は第2の実施の形態による2部材連結装置を示し、この2部材連結装置41は、上述した第1の実施の形態によるものとほぼ同様に、左,右の第1ブラケット12,13、左,右の第1ピン挿通孔12C,13C、左,右の第2ブラケット14,15、左,右の第2ピン挿通孔14A,15A、左連結ピン16、右連結ピン17、後述するピン抜差し機構42等により構成されているものの、ピン抜差し機構42の構成が、第1の実施の形態によるものとは異なっている。
【0090】
42は左第1ブラケット12と右第1ブラケット13との間に配置されたピン抜差し機構で、該ピン抜差し機構42は、第1の実施の形態によるピン抜差し機構18に代えて第2の実施の形態に用いたものである。そして、ピン抜差し機構42は、シリンダ19、第1リンク20、左第2リンク22、右第2リンク25、後述の左第3リンク43、右第3リンク44等により構成されている。
【0091】
43は左第2リンク22の長さ方向の途中部位22Dとシリンダ19のロッド19B先端との間を連結する左第3リンクで、該左第3リンク43は、シリンダ19の伸縮力を左第2リンク22に伝えるものである。ここで、左第3リンク43は、第1の実施の形態によるものとほぼ同様に、一定の間隔をもって対面しつつ左,右方向に延びる2枚の板体により形成されている。そして、左第3リンク43の長さ方向の一端側43Aは、左第2リンク22の途中部位22Dにピン29を介して回動可能に取付けられている。また、左第3リンク43の長さ方向の他端側43Bは、後述する右第3リンク44の他端側44Cに回動可能に取付けられる構成となっている。
【0092】
44は右第2リンク25の長さ方向の途中部位25Dとシリンダ19のロッド19B先端との間を連結する右第3リンクで、該右第3リンク44は、シリンダ19の伸縮力を右第2リンク25に伝えるものである。ここで、右第3リンク44は、第1の実施の形態によるものとほぼ同様に、一定の間隔をもって対面しつつ左,右方向に延びる2枚の板体により形成されている。そして、右第3リンク44の長さ方向の一端側44Aは、右第2リンク25の途中部位25Dにピン32を介して回動可能に取付けられている。
【0093】
また、右第3リンク44の長さ方向の途中部位44Bは、シリンダ19の他端であるロッド19B先端に一のピン45を介して回動可能に取付けられ、右第3リンク44の長さ方向の他端側44Cは、左第3リンク43の他端側43Bに他のピン46を介して回動可能に取付けられている。
【0094】
即ち、本実施の形態では、シリンダ19のロッド19B先端と右第3リンク44との2部材を一のピン45を介して連結し、左第3リンク43と右第3リンク44との2部材を、一のピン45とは異なる位置で他のピン46を介して連結している。これにより、例えばシリンダ19のロッド19B先端と、左第3リンク43と、右第3リンク44との3部材を1本の共通なピンで連結する場合に比較して、一のピン45及び他のピン46の長さ寸法Sを短くすることができる構成となっている。
【0095】
第2の実施の形態による2部材連結装置41は上述の如き構成を有するもので、その基本的作動については、第1の実施の形態による2部材連結装置11と格別差異はない。
【0096】
然るに、第2の実施の形態による2部材連結装置41は、シリンダ19のロッド19B先端と右第3リンク44との2部材を一のピン45を介して連結し、左第3リンク43と右第3リンク44との2部材を、一のピン45とは異なる位置で他のピン46を介して連結する構成としている。
【0097】
このため、例えばシリンダ19のロッド19B先端と、左第3リンク43と、右第3リンク44との3部材を1本の共通なピンで連結する場合に比較して、一のピン45及び他のピン46の長さ寸法Sを短くすることができる。この結果、一のピン45及び他のピン46の強度を高めることができ、ピン抜差し機構42の寿命を延ばすことができる。
【0098】
次に、図11ないし図12は本発明の第3の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、シリンダが伸長したときに左,右の連結ピンを左,右の第2ピン挿通孔に挿通し、シリンダが縮小したときに左,右の連結ピンを左,右の第2ピン挿通孔から抜取る構成としたことにある。なお、本実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0099】
図中、51は第3の実施の形態による2部材連結装置を示し、この2部材連結装置51は、上述した第1の実施の形態によるものとほぼ同様に、左,右の第1ブラケット12,13、左,右の第1ピン挿通孔12C,13C、左,右の第2ブラケット14,15、左,右の第2ピン挿通孔14A,15A、左連結ピン16、右連結ピン17、後述するピン抜差し機構52等により構成されているものの、ピン抜差し機構52の構成が、第1の実施の形態によるものとは異なっている。
【0100】
52は左第1ブラケット12と右第1ブラケット13との間に配置されたピン抜差し機構で、該ピン抜差し機構52は、第1の実施の形態によるピン抜差し機構18に代えて第3の実施の形態に用いたものである。そして、ピン抜差し機構52は、シリンダ19、第1リンク20、後述する左,右の第2リンク53,54、左,右の第3リンク55,56等により構成されている。
【0101】
53は左連結ピン16と第1リンク20との間を連結する左第2リンクで、該左第2リンク53の長さ方向の一端側53Aにはピン孔53Bが穿設され、このピン孔53Bと左連結ピン16のリンク取付部16Bとにピン23を挿通することにより、左第2リンク53の一端側53Aが、左連結ピン16に回動可能に連結されている。また、左第2リンク53の長さ方向の他端側53Cは、ピン24を介して第1リンク20に回動可能に取付けられ、左第2リンク53の長さ方向の途中部位53Dは、後述の左第3リンク55に回動可能に取付けられる構成となっている。
【0102】
54は右連結ピン17と第1リンク20との間を連結する右第2リンクで、該右第2リンク54の長さ方向の一端側54Aにはピン孔54Bが穿設され、このピン孔54Bと右連結ピン17のリンク取付部17Bとにピン26を挿通することにより、右第2リンク54の一端側54Aが、右連結ピン17に回動可能に連結されている。また、右第2リンク54の長さ方向の他端側54Cは、ピン27を介して第1リンク20に回動可能に取付けられ、右第2リンク54の長さ方向の途中部位54Dは、後述の右第3リンク56に回動可能に取付けられる構成となっている。
【0103】
55は左第2リンク53の長さ方向の途中部位53Dとシリンダ19のロッド19B先端との間を連結する左第3リンクで、該左第3リンク55は、シリンダ19の伸縮力を左第2リンク53に伝えるものである。ここで、左第3リンク55の長さ方向の一端側55Aは、左第2リンク53の途中部位53Dにピン29を介して回動可能に取付けられ、左第3リンク55の長さ方向の他端側55Bは、シリンダ19のロッド19B先端にピン30を介して回動可能に取付けられている。これにより、左第3リンク55は、左第2リンク53の途中部位53Dからシリンダ19のロッド19B先端に向けて斜め下向きに傾斜している。
【0104】
56は右第2リンク54の長さ方向の途中部位54Dとシリンダ19のロッド19B先端との間を連結する右第3リンクで、該右第3リンク56は、シリンダ19の伸縮力を右第2リンク54に伝えるものである。ここで、右第3リンク56の長さ方向の一端側56Aは、右第2リンク54の途中部位54Dにピン32を介して回動可能に取付けられ、右第3リンク56の長さ方向の他端側56Bは、シリンダ19のロッド19B先端にピン30を介して回動可能に取付けられている。これにより、右第3リンク56は、右第2リンク54の途中部位54Dからシリンダ19のロッド19B先端に向けて斜め下向きに傾斜している。
【0105】
従って、シリンダ19を伸長させたときには、図11に示すように、左連結ピン16が、左第1ブラケット12の左第1ピン挿通孔12Cと左第2ブラケット14の左第2ピン挿通孔14Aとに挿通され、右連結ピン17が、右第1ブラケット13の右第1ピン挿通孔13Cと右第2ブラケット15の右第2ピン挿通孔15Aとに挿通されることにより、左,右の第1ブラケット12,13と、左,右の第2ブラケット14,15とを連結することができる。
【0106】
一方、シリンダ19を縮小させたときには、図12に示すように、左連結ピン16が、左第2ブラケット14の左第2ピン挿通孔14Aから抜取られ、右連結ピン17が、右第2ブラケット15の右第2ピン挿通孔15Aから抜取られることにより、左,右の第1ブラケット12,13から、左,右の第2ブラケット14,15を離脱させることができる構成となっている。
【0107】
第3の実施の形態による2部材連結装置51は上述の如き構成を有するもので、その基本的作動については、第1の実施の形態による2部材連結装置11と格別差異はない。
【0108】
然るに、第3の実施の形態による2部材連結装置51は、シリンダ19を伸長させることにより、図11に示すように、左,右の連結ピン16,17を左,右の第1ブラケット12,13と左,右の第2ブラケット14,15とに挿通することができ、シリンダ19を縮小させることにより、図12に示すように、左,右の連結ピン16,17を左,右の第2ブラケット14,15から抜取ることができる。
【0109】
このように、左,右の連結ピン16,17に対してより大きな力が作用するシリンダ19の伸長時に、左,右の連結ピン16,17を左,右の第1ブラケット12,13と左,右の第2ブラケット14,15とに挿通することができるので、左,右の第1ブラケット12,13と左,右の第2ブラケット14,15とを、左,右の連結ピン16,17を用いて確実に連結することができる。
【0110】
なお、上述した各実施の形態では、左第1ブラケット12を左内側第1ブラケット12Aと左外側第1ブラケット12Bとの2枚の板体により構成し、右第1ブラケット13を右内側第1ブラケット13Aと右外側第1ブラケット13Bとの2枚の板体により構成した場合を例示している。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば図13に示す変形例のように、1枚の板体により構成した左第1ブラケット12′と右第1ブラケット13′とを用いてもよい。
【0111】
また、上述した第2の実施の形態では、ピン抜差し機構42を構成する左,右の第3リンク43,44のうち、右第3リンク44を一のピン45を介してシリンダ19のロッド19B先端に連結した場合を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、例えばこれとは逆に、左第3リンク43を一のピン45を介してシリンダ19のロッド19B先端に連結する構成としてもよい。
【0112】
また、上述した各実施の形態では、油圧ショベル1のブーム5を構成する下ブーム5A、継ぎブーム5B、上ブーム5Cのうち、下ブーム5Aと継ぎブーム5Bとの連結部分に用いた場合を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、例えば継ぎブーム5Bと上ブーム5Cとの連結部分、アーム7を構成する下アーム7Aと上アーム7Bとの連結部分等にも用いることができる。
【0113】
また、上述した各実施の形態では、油圧ショベル1のブーム5を構成する下ブーム5Aに左,右の第1ブラケット12,13を設け、継ぎブーム5Bに左,右の第2ブラケット14,15を設けた場合を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、例えば継ぎブーム5Bに左,右の第1ブラケット12,13を設け、下ブーム5Aに左,右の第2ブラケット14,15を設ける構成としてもよい。
【符号の説明】
【0114】
11,41,51 2部材連結装置
12,12′ 左第1ブラケット(左第1部材)
12C 左第1ピン挿通孔
13,13′ 右第1ブラケット(右第1部材)
13C 右第1ピン挿通孔
14 左第2ブラケット(左第2部材)
14A 左第2ピン挿通孔
15 右第2ブラケット(右第2部材)
15A 右第2ピン挿通孔
16 左連結ピン
17 右連結ピン
18,42,52 ピン抜差し機構
19 シリンダ
20 第1リンク
21,23,24,26,27,29,30,32 ピン
22,53 左第2リンク
25,54 右第2リンク
28,43,55 左第3リンク
31,44,56 右第3リンク
33 ストッパ
34 廻止め部材
45 一のピン
46 他のピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左,右方向で対面する左,右の第1部材と、該各第1部材にそれぞれ設けられた左,右の第1ピン挿通孔と、前記左,右の第1部材と対面する左,右の第2部材と、該各第2部材にそれぞれ設けられ前記第1ピン挿通孔と同一の孔軸線として重ねることができる左,右の第2ピン挿通孔と、前記左第1ピン挿通孔と前記左第2ピン挿通孔とに挿通される左連結ピンと、前記右第1ピン挿通孔と前記右第2ピン挿通孔とに挿通される右連結ピンと、前記左,右の第1部材間に配置され、前記左第1ピン挿通孔と前記左第2ピン挿通孔とに対して前記左連結ピンを抜差しすると共に前記右第1ピン挿通孔と前記右第2ピン挿通孔とに対して前記右連結ピンを抜差しするピン抜差し機構とを備えてなる2部材連結装置において、
前記ピン抜差し機構は、前記左,右の連結ピンに対し前記第1,第2部材の長さ方向に離間した位置に当該長さ方向に伸縮可能に配置されたシリンダと、前記左,右の連結ピンに対し前記第1,第2部材の長さ方向に離間した位置に浮動状態で配置され該シリンダの一端が連結された第1リンクと、前記左,右の連結ピンと該第1リンクとの間をそれぞれ連結して設けられた左,右の第2リンクと、前記左,右の第2リンクの長さ方向の途中部位と前記シリンダの他端との間を連結して設けられた左,右の第3リンクとにより構成したことを特徴とする2部材連結装置。
【請求項2】
前記左第1部材と前記右第1部材との間には、前記左連結ピンが前記左第2ピン挿通孔から抜け出した位置で当接すると共に、前記右連結ピンが前記右第2ピン挿通孔から抜け出した位置で当接するストッパを設ける構成としてなる請求項1に記載の2部材連結装置。
【請求項3】
前記左,右の第1部材には、前記第1リンクが前記左,右の連結ピンを中心として回動するのを規制する廻止め部材を設ける構成としてなる請求項1または2に記載の2部材連結装置。
【請求項4】
前記左,右の第3リンクと前記シリンダの他端とは、共通な1本のピンを用いて連結する構成としてなる請求項1,2または3に記載の2部材連結装置。
【請求項5】
前記左,右の第3リンクのうちいずれか一方と前記シリンダの他端とは一のピンを用いて連結し、前記左,右の第3リンク間は前記一のピンの位置とは異なる位置で他のピンを用いて連結する構成としてなる請求項1,2または3に記載の2部材連結装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−159801(P2010−159801A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−1604(P2009−1604)
【出願日】平成21年1月7日(2009.1.7)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】