説明

2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール及び1,4−シクロヘキサンジメタノールに基づくコポリエステルの製造方法

テレフタル酸のジアルキルエステルを含むジエステル組成物を、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールを含む第1ジオール成分及び1,4−シクロヘキサンジメタノールを含む第2ジオール成分を含むジオール組成物と反応させることによる、高分子量熱可塑性コポリエステルの製造方法を開示する。このジエステル組成物は前記第1ジオール成分と反応させてポリエステルオリゴマーを生成することができ、このポリエステルオリゴマーは更に第2ジオール成分と反応させて改質ポリエステルオリゴマーを生成できる。改質ポリエステルオリゴマーは、次に加熱して、コポリエステルを形成できる。この方法は、反応混合物中のポリd,4−シクロヘキシレンジメチレン)テレフタレートの沈殿を減少させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本件は、2007年5月10日に出願された米国仮出願第60/917,316号の利益を請求する。更に、本件は、以下の出願の一部継続出願である:2006年10月27日に出願された米国特許出願第11/588,524号(米国特許出願2005年10月28日に出願された米国仮出願第60/731,389号の利益を請求する2006年3月28日に出願された米国特許出願第11/390,752号の一部継続出願)2006年10月27日に出願された米国特許出願第11/588,458号(2005年10月28日に出願された米国仮出願第60/731,454号の利益を請求する2006年3月28日に出願された米国特許出願第11/390,672号の一部継続出願)2006年10月27日に出願された米国出願第11/588,907号(2005年11月22日出願された米国仮出願第60/739,058号の利益を請求する2006年3月28日に出願された米国特許出願第11/390,794号の一部継続出願)2006年10月27日に出願された米国特許出願第11/588,527号(2005年11月22日に出願された米国仮出願第60/738,869号の利益を請求する2006年3月28日に出願された米国特許出願第11/391,565号の一部継続出願)2006年10月27日に出願された米国特許出願第11/588,554号(2006年3月28日に出願された米国特許出願第11/391,659号の一部継続出願)2006年10月27日に出願された米国特許出願第11/588,906号(2006年3月28日に出願された米国仮出願第60/786,572号の利益を請求)及び2006年10月27日に出願された米国特許出願第11/588,883号(2006年3月28日に出願された米国仮出願第60/786,596号の利益を請求)。
発明の分野
本発明は熱可塑性コポリエステルの製造方法に関する。更に詳しくは、本発明は、テレフタル酸のジエステルを含むジエステル組成物を、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール及び1,4−シクロヘキサンジメタノールを含むジオール組成物と反応させるコポリエステル製造方法であって、1,4−シクロヘキサンジメタノールの全てと前記ジエステル組成物との反応が完了する前に、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールの少なくとも一部を最初に前記ジエステル組成物と反応させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ジオール成分として1,4−シクロヘキサンジメタノール(以下「CHDM」と略記する)を含むコポリエステルは、二酸成分の供給源として、例えばテレフタル酸ジメチル(DMT)、イソフタル酸ジメチル及び1,4−ジメチルシクロヘキサンジカルボキシレートのようなジアルキルエステルを用いて製造されることが多い。典型的な方法においては、例えば、ジアルキルエステルをエステル交換反応において1種又はそれ以上のジオールと反応させて、オリゴマーを生成する。アルキルアルコール副生成物を、通常は蒸留によって反応媒体から除去して、反応平衡をオリゴマーの形成の方向に押し進める助けをする。これらのコポリエステルに典型的なエステル交換プロセス温度は、約45〜約550kPaの絶対圧において、180〜約270℃の範囲である。エステル交換工程の後には、重合工程が続く。重合工程において、過剰のジオールを除去し且つ重縮合反応においてオリゴマーを更に転化して、高分子量コポリエステルを生成する。テレフタル酸ジメチル(本明細書中では「DMT」と略記する)、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール(本明細書では「TMCD」と略記する)及び1,4−シクロヘキサンジメタノール(本明細書では「CHDM」と略記する)から回分法又は連続法で製造されるコポリエステルはポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレン)テレフタレート(本明細書では「PCT」と略記する)を早期形成する傾向があり、その結果、低分子量PCT種の沈殿を生じることが知られている。PCT沈殿は、目標とする分子量又は望ましい組成が得られる前に、ポリエステルの製造を終了させる可能性がある。更に、PCTはプロセス装置を汚損する可能性がある。PCTは約290℃の溶融温度(Tm)を有することが知られており、従って、290℃及びそれ以上のプロセス温度は一般的に低分子量PCT沈殿剤(precipitant)を溶融し、それを反応混合物に戻すであろう。しかし、約270℃より高いプロセス温度は原料及び中間体種の熱崩壊を促進し、色を生成し、ポリマーの分子量を低下させる可能性がある。熱崩壊は、例えばTMCDのような感熱性ジオールがコポリエステル反応混合物中に存在する場合には特に問題となる。従って、早期PCT沈殿を回避するためにより高いプロセス温度を試みることは望ましくない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これらの問題から、CHDM及びTMCDを含むジオール成分と組合せてテレフタル酸エステルを出発原料として用いる場合に、PCT沈殿を回避する代替コポリエステルを製造する方法の必要性が生じている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは、テレフタル酸のジアルキルエステル、1,4−シクロヘキサンジメタノール(本明細書では「CHDM」と略記する)及び2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール(本明細書では「TMCD」と略記する)に基づくコポリエステルが、TMCDの全て又は一部分を前記ジエステルと反応させてポリエステルオリゴマーを形成し、次いでそのポリエステルオリゴマーをCHDMの全て又は一部と反応させて、更に重合させて熱可塑性コポリエステルとすることができる改質ポリエステルオリゴマーを形成することによって、効率的に製造できることを見出した。従って、本発明は、少なくとも1種のジアルキルテレフタル酸エステルを含むジエステル組成物を、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールを含む第1ジオール成分及び1,4−シクロヘキサンジメタノールを含む第2ジオール成分を含むジオール組成物と反応させることを含んでなるコポリエステルの製造方法であって、前記反応が、
(i)前記第1ジオール成分を前記ジエステル組成物と反応させてポリエステルオリゴマーを形成し;
(ii)前記第2ジオール成分を工程(i)の前記ポリエステルオリゴマーと反応させて改質ポリエステルオリゴマーを形成し;そして
(iii)前記改質ポリエステルオリゴマーを加熱して、約0.4〜約1.0dL/gのインヘレント粘度を有する熱可塑性ランダムコポリエステルを形成することを含んでなり、
前記ジエステル組成物中の全ジエステルに対する前記ジオール組成物中の全ジオールのモル比が約1.2〜約1.5であるコポリエステルの製造方法を提供する。
【0005】
本発明の新規な方法は、一実施態様において、約1.2〜約1.5の総ジオール:ジエステルモル比を用いる。本発明のいくつかの実施態様において、コポリエステルは優れた明澄度を有することができ、包装用途、繊維製品、シート材料及びフィルムに使用できる。第1及び第2ジオール成分は、それぞれ、ジエステル組成物と、インクレメント方式で、例えばジオール成分の1種又はそれ以上を反応混合物に2段階若しくはそれ以上で又は連続的に添加することによって、反応させることができる。
【0006】
CHDMの全てが反応させられる前にTMCDからポリエステルオリゴマーへの少なくとも50モル%の転化が行われるならば、より広範囲のジオール:ジエステルモル比を使用できる。従って、本発明の別の態様は、少なくとも1種のジアルキルテレフタル酸エステルを含むジエステル組成物を、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールを含む第1ジオール成分及び1,4−シクロヘキサンジメタノールを含む第2ジオール成分を含むジオール組成物と反応させることを含んでなるコポリエステルの製造方法であって、前記反応が、
(i)前記第1ジオール成分を前記ジエステル成分と反応させて、前記ジオール組成物中の前記2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールの総モルに基づき、少なくとも50モル%の前記2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールの転化率でポリエステルオリゴマーを形成し;
(ii)前記第2ジオール成分を工程(i)の前記ポリエステルオリゴマーと反応させて改質ポリエステルオリゴマーを形成し;そして
(iii)前記改質ポリエステルオリゴマーを加熱して、約0.4〜約1.0dL/gのインヘレント粘度を有する熱可塑性ランダムコポリエステルを形成することを含んでなり、
前記ジエステル組成物中の全ジエステルに対する前記ジオール組成物中の全ジオールのモル比が約1.1〜約1.5であるコポリエステルの製造方法である。
【0007】
本発明の方法は任意のコポリエステルの製造に使用できるが、ジエステルとの反応性に大幅な差を有し且つ反応混合物からのジオールの蒸留に高温を必要とするために過剰のジオールの除去が困難であるCHDM及びTMCDのような高沸点ジオールの残基を含むコポリエステルに特に有用である。本明細書で使用する用語「高沸点ジオール」は、大気圧(絶対圧約101kPa)において230℃より高い沸点を示すジオールを意味する。従って、本発明の方法は、1,4−シクロヘキサンジメタノール及び2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールの残基を含む種々のコポリエステルの製造に有利に使用できる。例えば、本発明の方法によって製造されるコポリエステルは、二酸残基の総モルに基づき、約60〜100モル%のテレフタル酸、イソフタル酸又はそれらの組合せの残基;並びにジオール残基の総モルに基づき、約10〜約90モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールの残基、約10〜約90モル%の2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールの残基及び0〜約80モル%のネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、ポリアルキレングリコール又はそれらの組合せの残基を含むことができる。本発明の方法によって製造されるコポリエステルは約0.4〜約1.0dL/gのインヘレント粘度(本明細書では「IV」と略記する)を有する熱可塑性コポリエステルである。このコポリエステルが示すことができるIV範囲の他の例は0.55〜0.75dL/g及び0.65〜0.75dL/gである。
【0008】
本発明の更に別の実施態様は、テレフタル酸ジメチルを含むジエステル組成物を、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールを含む第1ジオール成分及び1,4−シクロヘキサンジメタノールを含む第2ジオール成分を含むジオール組成物と反応させることを含んでなるコポリエステルの製造方法であって、前記反応が、
(i)前記ジオール組成物中の2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール総モルに基づき、約100モル%の2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール及び前記ジオール組成物中の1,4−シクロヘキサンジメタノールの総モルに基づき、30〜約80モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールを含む第1ジオール成分を前記ジエステル組成物と反応させて、前記ジオール組成物中の前記2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールの総モルに基づき、少なくとも50モル%の前記2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールの転化率でポリエステルオリゴマーを形成し;
(ii)前記ジオール組成物中の1,4−シクロヘキサンジメタノールの総モルに基づき、約20〜約70モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールを含む前記第2ジオール成分を工程(i)の前記ポリエステルオリゴマーと反応させて改質ポリエステルオリゴマーを形成し;そして
(iii)前記改質ポリエステルオリゴマーを加熱して、約0.4〜約1.0dL/gのインヘレント粘度を有する熱可塑性ランダムコポリエステルを形成することを含んでなり、
前記ジエステル組成物中の全ジエステルに対する前記ジオール組成物中の全ジオールのモル比が約1.1〜約1.5であるコポリエステルの製造方法である。
【0009】
本発明の方法は、回分法、半連続法又は連続法で実施でき、2つ又はそれ以上の反応器を使用できる。この方法は、ジエステル及びジオール成分の他に、種々の有機燐酸エステルを含む熱安定剤及び種々の触媒、例えば単独の錫化合物又はチタン、ガリウム、亜鉛、アンチモン、コバルト、マンガン、マグネシウム、ゲルマニウム、リチウム、アルミニウム、それらの化合物、又は水酸化リチウム若しくは水酸化ナトリウムを含むアルミニウム化合物と組み合わされた錫化合物を含むことができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、テレフタル酸のジアルキルエステルを含むジエステル組成物並びに2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール(TMCD)及び1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)を含むジオール組成物からの、高分子量熱可塑性コポリエステルの製造方法を提供する。本発明の方法は、TMCDの全て又は一部を、ジエステルと反応させてポリエステルオリゴマーを形成してから、前記ポリエステルオリゴマーを前記CHDMの全て又は一部と反応させて改質ポリエステルオリゴマーを形成することによって、PCTポリマーの問題となる現場での沈殿を減少させ、また、PCTの沈殿を防ぐために使用されることがあるより高い加工温度を回避する。改質ポリエステルオリゴマーは更に重合させて、熱可塑性コポリエステルを形成できる。従って、一般的な実施態様において、本発明は、少なくとも1種のジアルキルテレフタル酸エステルを含むジエステル組成物を、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールを含む第1ジオール成分及び1,4−シクロヘキサンジメタノールを含む第2ジオール成分を含むジオール組成物と反応させることを含んでなるコポリエステルの製造方法であって、前記反応が、
(i)前記第1ジオール成分を前記ジエステル組成物と反応させてポリエステルオリゴマーを形成し;
(ii)前記第2ジオール成分を工程(i)の前記ポリエステルオリゴマーと反応させて改質ポリエステルオリゴマーを形成し;そして
(iii)前記改質ポリエステルオリゴマーを加熱して、約0.4〜約1.0dL/gのインヘレント粘度を有する熱可塑性ランダムコポリエステルを形成することを含んでなり、
前記ジエステル組成物中の全ジエステルに対する前記ジオール組成物中の全ジオールのモル比が約1.2〜約1.5である方法を提供する。本発明の方法は広範囲のテレフタル酸、TMCD及びCHDM含量並びにインヘレント粘度(本明細書中では「IV」と略記する)を有するコポリエステルの製造に有用である。
【0011】
特に断らない限り、本明細書及び特許請求の範囲において使用する成分の量、分子量のような性質、反応条件などを表す全ての数値は、いずれの場合においても、用語「約」によって修飾されるものと理解すべきである。そうでないことが示されない限り、以下の明細書及び添付した「特許請求の範囲」中に記載した数値パラメーターは、本発明が得ようとする目的の性質によって異なり得る近似値である。最低限でも、各数値パラメーターは、報告された有効数字の数を考慮に入れ且つ通常の丸めを適用することによって解釈すべきである。更に、本明細書の開示及び特許請求の範囲中に記載した範囲は、端点だけでなく、全範囲を具体的に含むものとする。例えば、0〜10と記載した範囲は、0と10の間の全てに整数、例えば1、2、3、4など、0と10の間の全ての分数、例えば1.5、2.3、4.57、6.1113など、並びに端点0及び10を開示するものとする。また、化学置換基に関する範囲、例えば「C1〜C5炭化水素」は、C1及びC5炭化水素だけでなく、C2、C3及びC4炭化水素を具体的に含み且つ開示するものとする。
【0012】
広範囲の本発明を示す数値範囲及びパラメーターは近似値であるが、具体例に示した数値は可能な限り正確に報告してある。しかし、いずれの数値も、それぞれの試験測定値中に見られる標準偏差から必然的に生じる若干の誤差を本質的に含む。
【0013】
本明細書及び添付した「特許請求の範囲」中で使用する単数形(「a」,「an」及び「the」)は、前後関係からそうでないことが明白に指示されない限り、それらの複数の指示対象を含む。例えば1種の「コポリエステル」又は1種の「ジカルボン酸エステル」への言及は複数のポリマー又はジカルボン酸エステルの処理又は製造を含むものとする。例えば「1種の」成分又は「1種の」コポリエステルを含む組成物への言及は、それぞれ、名前を挙げたものに加えて、他の複数の成分又は他の複数のコポリエステルを含むものとする。用語「含む(containing又はincluding)」は、用語「含んでなる(comprising)」と同義であるものとし、少なくとも名前を挙げた化合物、要素(element)、粒子又は方法工程などがその組成物又は物品又は方法中に存在するが、他の化合物、材料、粒子、方法工程などが名前を挙げたものと同一の機能を有している場合でさえ、特許請求の範囲において明白に除外されないならば、このような他の化合物、触媒、材料、粒子、方法工程などの存在を除外しないことを意味する。
【0014】
また、1つ又はそれ以上のプロセス工程についての言及は、組み合わされた列挙工程の前若しくは後の追加のプロセス工程又ははっきりと識別される、これらの工程の間の介在プロセス工程の存在を排除しないことを理解すべきである。更に、プロセス工程又は成分の文字は、別個の活動又は成分を識別するための簡便な手段であり、列挙された文字は、特に断らない限り、任意の順序で配列できる。
【0015】
本発明の方法は、ジカルボン酸モノマー残基、ジオールモノマー残基及び反復単位を含む熱可塑性コポリエステルの製造に関する。従って、本明細書で使用する用語「モノマー残基」は、ジカルボン酸、ジオール又はヒドロキシカルボン酸の残基を意味する。本明細書で使用する「反復単位」は、カルボニルオキシ基を介して結合される2個のモノマー残基を有する有機構造を意味する。本発明のコポリエステルは、反復単位の総モルが100モル%に等しくなるように実質的に等しい割合で反応する、実質的に等モル比の酸残基(100モル%)及びジオール残基(100モル%)を含む。従って、本明細書の開示中に示されるモル百分率は、酸残基の総モル、ジオール残基の総モル又は反復単位の総モルに基づくことができる。例えば、総反復単位に基づき30モル%の、ジカルボン酸、ジオール又はヒドロキシカルボン酸であることができるモノマーを含むコポリエステルは、そのコポリエステルが合計100モル%の反復単位のうち30モル%のモノマーを含むことを意味する。従って、反復単位100モル毎にモノマー残基が30モル存在する。同様に、総酸残基に基づき30モル%のジカルボン酸モノマーを含むコポリエステルは、そのコポリエステルが合計100モル%の酸残基のうち30モル%のジカルボン酸モノマーを含むことを意味する。従って、この後者の場合には、酸残基100モル毎にジカルボン酸モノマー残基が30モル存在する。
【0016】
本明細書で使用する用語「コポリエステル」は、「ポリエステル」と同義であるものとし、1種又はそれ以上の二官能価カルボン酸又はジエステルを含む二酸成分と1種又はそれ以上の二官能価ヒドロキシル化合物を含むジオール成分との重縮合によって製造される合成ポリマーを意味する。用語「コポリエステル」は、典型的には、少なくとも3種の異なるモノマー成分から製造されるポリエステルを示すのに用いる。例えばホモポリエステルは一般に単一二酸成分及び単一ジオール成分から製造される。これに対して、コポリエステルは、例えば2種若しくはそれ以上の二酸成分と単一ジオール成分から、又は別の例では、単一二酸成分と2種若しくはそれ以上のジオール成分から製造できる。典型的には、二官能価カルボン酸はジカルボン酸又はジエステルであり、二官能価ヒドロキシル化合物は二価アルコール、例えばグリコール及びジオールである。或いは、二官能価カルボン酸は、ヒドロキシカルボン酸又はエステル、例えばp−ヒドロキシ安息香酸であることができ、二官能価ヒドロキシル化合物は2個のヒドロキシ置換基を有する芳香核、例えばヒドロキノンであることができる。本明細書で使用する用語「熱可塑性コポリエステル」は、「熱に暴露された場合に軟化し且つ室温に冷却された場合にその元の状態に戻るコポリエステル」という、当業者によって理解されるであろうその普通の意味を有するものとする。本明細書及び特許請求の範囲において使用する用語「実質的に線状の(substantially linear)」とは、コポリエステルが、ジオール又は二酸残基の総モルに基づき、2モル%又はそれ以下の分岐剤の残基を含むことを意味する。本明細書で使用する用語「残基」は、対応するモノマーを含む重縮合反応によってポリマー中に組み込まれる任意の有機構造を意味する。ジカルボン酸残基はジカルボン酸モノマー若しくはその関連する酸ハロゲン化物、エステル、塩、無水物又はそれらの混合物に由来することができるが、本発明の方法は、対応するジカルボン酸ではなく、ジカルボン酸ジエステルからのコポリエステルの製造に関する。本発明の一実施態様において、例えばジエステル成分は1種又はそれ以上のジカルボン酸エステルから本質的になる。別の実施態様において、ジエステル成分は1種又はそれ以上のジカルボン酸ジエステルからなる。本明細書中で使用する用語「ジアルキルテレフタル酸エステル」は、用語「テレフタル酸のジアルキルエステル」と同義であり、アルキルアルコールによるテレフタル酸の両カルボン酸基のエステル化によって形成されたテレフタル酸のジエステルを意味するものと理解される。
【0017】
本発明の方法は、少なくとも1種のジアルキルテレフタル酸エステルを含むジエステル組成物を、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールを含む第1ジオール成分及び1,4−シクロヘキサンジメタノールを含む第2ジオール成分を含むジオール組成物と、反応させることを含んでなる。テレフタル酸のジエステルの他に、ジエステル成分は、例えばナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、イソフタル酸及びそれらの組合せから選ばれた1種又はそれ以上のジカルボン酸ジエステルを含むことができる。ナフタレンジカルボン酸ジエステルの種々の異性体又は異性体の混合物はいずれも使用できるが、1,4−、1,5−、2,6−及び2,7−異性体が好ましい。また、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジエステルは純粋なシス若しくはトランス異性体として又はシス異性体とトランス異性体との混合物として存在できる。ジエステル成分は、前記ジカルボン酸ジエステルの他に、約1種又はそれ以上の改質用ジカルボン酸ジエステルを更に含むことができる。改質用ジカルボン酸ジエステルの例としては、フマル酸、コハク酸、アジピン酸、グルタル酸、アゼライン酸、セバシン酸、レゾルシノール二酢酸、ジグリコール酸、4,4’−オキシビス(安息香酸)、ビフェニルジカルボン酸、4,4’−メチレンジ安息香酸、トランス−4,4’−スチルベンジカルボン酸及びスルホイソフタル酸のジエステルが挙げられるが、これらに限定するものではない。一例を挙げれば、ジエステル組成物は、テレフタル酸のジエステルに加えて、イソフタル酸の少なくとも1種のジアルキルエステルを更に含むことができる。
【0018】
ジアルキルエステルは、炭素数1〜8の第一アルコールの残基を含む。第一アルコールの例としては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアルコール、ペンチルアルコール、ヘキシルアルコール及び2−エチルヘキシルアルコールが挙げられるが、これらに限定するものではない。例えば、ジエステル組成物は、ジエステル組成物中のジエステルの総モルに基づき、約100モル%のテレフタル酸ジメチルを含むことができる。
【0019】
ジオール組成物は、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールを含む第1ジオール成分及び1,4−シクロヘキサンジメタノールを含む第2ジオール成分を含む。CHDM及びTMCDは、純粋なシス若しくはトランス異性体として又はシス異性体とトランス異性体の混合物として、使用できる。本発明の方法は、CHDM及びTMCDの他に、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、ポリアルキレングリコール及びそれらの組合せから選ばれた1種又はそれ以上のジオールをポリエステルオリゴマー又は改質ポリエステルオリゴマーと反応させることを更に含んでなることができる。
【0020】
典型的には、本発明のコポリエステル製造方法は、少なくとも一部分は本方法の工程(i)及び(ii)の間に実施できるエステル交換反応及び少なくとも一部分は本方法の工程(iii)の間に実施できる重合反応を含んでなるであろう。エステル交換反応及び重合反応は、一般に、異なる範囲の温度及び圧力で実施する。エステル交換反応において、ジオール及びジエステル組成物は、エステル交換されて、低分子量ポリマー又はオリゴマー並びにジエステルに対応する副生成物としてのアルコールを形成する。アルコール副生成物の大部分は、エステル化段階の間に、反応ゾーンから除去する。本明細書で使用する用語「オリゴマー」は比較的少ない反復単位を含む低分子量ポリマー又はプレポリマーを意味するものと解する。典型的には、オリゴマーは0.4dL/g未満のIVを有するであろう。本発明の方法において、ジエステル組成物へのジオール組成物の添加は通常、エステル交換工程の間に完了させる。エステル交換は、一般に、ジオール組成物とジエステル組成物とが反応ゾーン中で高温において接触させられた時に急速に起こる。一般に、アルコール副生成物は、反応が起こるにつれて、反応ゾーンから蒸留によって連続的に除去する。具体的なエステル交換条件は、添加するジエステル及びジオール成分の数及び型並びに各成分を添加する反応点によって、異なり得る。例えばDMT、DMI、TMCD及びCHDMから製造されるコポリエステルの場合は、エステル交換は180〜270℃の温度において約45〜約550kPaの絶対圧で行うことができる。ジオール組成物は、典型的には、この方法のエステル交換工程の間に添加する。エステル交換工程は、ジエステル成分及びジオール成分を全て反応ゾーンに添加した後に、ジオール成分及びジエステル成分を加熱することによって継続できる。例えば、この方法のエステル交換段階は、ジエステル成分又はジオール成分の添加を完了させた後に、アルコール副生成物を除去しながら、ジオール成分及びジエステル成分を約210〜約290℃の温度において約45〜約550kPaの絶対圧で加熱することによって実施できる。別の例においては、ジエステル成分及びジオール成分は、約210〜約280℃の温度において加熱することができる。更に別の例においては、ジエステル成分及びジオール成分は約220〜約270℃の温度において加熱することができる。
【0021】
本発明のコポリエステル製造方法は、少なくとも1種のジアルキルテレフタル酸エステルを含むジエステル組成物を、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール(TMCD)を含む第1ジオール成分及び1,4−シクロヘキサンジメタノールジエステル(CHDM)を含む第2ジオール成分を含むジオール組成物と反応させることによって実施する。CHDMとテレフタル酸エステルとの反応によるPCTポリマーの過剰形成及び沈殿を減少させるために、反応の初期段階の間は総CHDM装入量の全て又は一部を添加しないでおくことによって、TMCDを優先的に、典型的には、エステル交換条件下でジエステル組成物と反応させる。従って、反応は(i)ジエステル組成物を第1ジオール成分と反応させてポリエステルオリゴマーを形成し;(ii)第2ジオール成分を前記ポリエステルオリゴマーと反応させて改質ポリエステルオリゴマーを形成し;そして(iii)前記改質ポリエステルオリゴマーを加熱してランダム熱可塑性コポリエステルを形成することを含んでなる。工程(i)におけるジエステル成分との反応は、ジエステル組成物の全て又は一部を含むことができる。典型的には、本発明によって製造されるコポリエステルのIVは約0.4〜約1.0dL/gの範囲である。
【0022】
前述のように、工程(i)及び(ii)は、典型的には、エステル交換化条件下で約180〜約270℃の温度及び約45〜約550kPaの絶対圧において、実施する。工程(iii)は、典型的には、第1及び第2ジオール成分の添加完了後、重縮合又は重合条件下で約220〜約290℃の温度及び約0.001〜約55kPaの絶対圧において、実施できる。
【0023】
第1及び第2ジオール成分内のTMCD及びCHDMの比率は、第1ジオール成分がTMCDを含み且つ第2ジオール成分がCHDMを含むならば、かなり変動できる。例えば、第1ジオール成分は、ジオール組成物中の2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールの総モルに基づき、約50〜約100モル%の2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール及びジオール組成物中の1,4−シクロヘキサンジメタノールの総モルに基づき、0〜約80モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールを含むことができる。TMCD又はCHDMに関して本明細書で使用する用語「総モル」は、全コポリエステル製造方法全体にわたってコポリエステル反応混合物に添加されるTMCD又はCHDMの総モルを意味するものとする。例えば、合計10モルのTMCDを含むジオール組成物を用いてコポリエステルを生成し且つ第1ジオール成分がジオール組成物中のTMCDの総モルに基づき、50モル%のそのTMCD含む場合には、第1ジオール成分は5モルのTMCDを含む。第1ジオール成分内のTMCDのモル百分率の他の例は、ジオール組成物中のTMCDの総モルに基づき、55、60、65、70、75、80、85、90及び95モル%である。第1ジオール成分内のCHDMのモル百分率の更なる例は、ジオール組成物中のCHDMの総モルに基づき、5、10,15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70及び75モル%である。一実施態様において、例えば、第1ジオール成分は、ジオール組成物中のTMCDの総モルに基づき、約100モル%の2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール及びジオール組成物中の総CHDMに基づき、約30〜約80モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールを含むことができる。
【0024】
第2ジオール成分は、ジオール組成物中の1,4−シクロヘキサンジメタノールの総モルに基づき、約20〜約100モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノール及びジオール組成物中の2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールの総モルに基づき、0〜約50モル%の2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールを含むことができる。ジオール組成物中のCHDMの総モルに基づく第2ジオール成分中のCHDMのモル百分率の更なる例は25、30、35、40,45、50、55、60、65、70、75、80、85、90及び95モル%である。ジオール組成物中のTMCDの総モルに基づく第2ジオール成分中のTMCDのモル百分率の更なる例は5、10、15、20、25、30、35、40及び45モル%である。更なる例において、第2ジオール成分は、ジオール組成物中のCHDMの総モルに基づき、約20〜約70モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールを含むことができる。
【0025】
一実施態様において、ジオール組成物中の全ジオール対ジエステル組成物中の全ジエステルのモル比は約1.2〜約1.5である。反応の工程(i)におけるポリエステルオリゴマーへのTMCDの転化率が、ジオール組成物中のTMCDの総モルに基づき、少なくとも50モル%である場合には、より広範囲のジオール:ジエステルモル比、例えば約1.1〜約1.5を使用できる。例えば、本発明方法において合計10モルのTMCDを使用し且つ第2ジオール成分の添加前に工程(i)の間に6モルのTMCDがポリエステルオリゴマーに転化されるならば、ポリエステルオリゴマーへのTMCDの転化率は60モル%であろう。ポリエステルオリゴマーへのTMCDの転化度は当業者によく知られた方法によって測定できる。例えば、TMCDの転化率は、工程(i)の間に反応したTMCDの量を当業者によく知られたピーク積分技法を用いたプロトン核磁気共鳴によって測定することによって求めることができる。或いは、TMCDの転化率は、未反応TMCDの量をこの場合もやはり当業者に知られた方法を用いてガスクロマトグラフィーによって測定することによって求めることができる。総ジオール:ジエステルモル比の他の非限定的例は約1.15〜約1.45、約1.15〜約1.40、約1.15〜約1.35、約1.15〜約1.3、約1.15〜約1.25、約1.15〜約1.2、約1.2〜約1.45、約1.2〜約1.4、約1.2〜約1.35、約1.2〜約1.3及び約1.2〜約1.25である。本発明の方法において使用できる総ジオール:ジエステルモル比の具体例は1.1、1.12、1.13、1.15、1.17、1.20、1.22、1.25、1.27、1.30、1.32、1.35、1.37、1.40、1.43、1.45及び1.50である。
【0026】
ジエステル組成物と第1及び第2ジオール組成物との反応はインクレメント方式で実施できる。例えば、本発明の方法の一実施態様において、本発明方法は、更に、工程(i)においてジエステル組成物に第1ジオール成分をインクレメント方式で添加し、工程(ii)においてポリエステルオリゴマーに第2ジオール成分をインクレメント方式で添加し、又はその組合せを行うことを含んでなることができる。本明細書で使用する用語「インクレメント方式で(incrementally)」は、ジエステル組成物、第1ジオール成分、第2ジオール成分又はそれらの任意の組合せを、反応条件下で1回若しくはそれ以上インクレメント(増分)しながら又は1回又はそれ以上に分けて接触させる、その普通の意味を有するものとする。例えばジエステル組成物はインクレメント方式で第1ジオール成分と同時に反応ゾーンに加えることができる。別の例においては、第1ジオール成分を、ジエステル組成物を含む反応ゾーンに、インクレメント方式で加えることができる。インクレメント(増分)はサイズが同じである必要はない。例えば1つのインクレメントが第1又は第2ジオール成分の総量の90%を含み且つもう1つのインクレメントが残りの10%を含むことができる。インクレメントは、別々に段階的に、連続的に又はその組合せで添加することができる。従って、明細書及び特許請求の範囲で使用する用語「インクレメント方式で」は第1又は第2ジオール成分の連続的添加及び段階的添加の両方を含むものとする。従って、「インクレメント方式で」は、プロセス全体にわたって、ジオール成分を反応ゾーンに連続的に、2段階若しくはそれ以上又は別々の工程で段階的に、或いは連続的及び段階的添加の組合せで添加することができることを意味する。このため、本発明の一実施態様においては、工程(i)及び(ii)における第1及び第2ジオール成分の添加は、それぞれ、2段階又はそれ以上で実施する。別の実施態様においては、工程(i)及び(ii)における第1及び第2ジオール成分の添加はそれぞれ連続的に実施する。
【0027】
例えば、TMCDの全て又は一部及び任意的にCHDMの一部を含む第1ジオール成分は、エステル交換条件下で、即ち、典型的には、約180〜約270℃の温度においてジエステル成分を含む反応ゾーンに連続的に加えてポリエステルオリゴマーを形成することができる。次に、第1ジオール成分中に存在しないCHDMの全て又は全ての残りの部分及び第1ジオール成分中に存在しないTMDCの全ての残りの部分を含む第2ジオール成分を、連続的に又は1つ又はそれ以上の別々の工程で、添加することができる。別の例において、テレフタル酸ジメチル(DMT)、イソフタル酸ジメチル(DMI)並びに1,4−シクロヘキサンジメタノール及び2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールを総ジオール:総ジエステルモル比1.20で含む反応において、DMT、DMI及びTMCDの全てとCHDMの1/2を最初にジオール:ジエステルモル比約1又はそれ以下で反応器に装入する。この混合物を一定時間反応させて、ポリエステルオリゴマーを含むコポリエステル反応混合物を形成できる。次に、残りのCHDMを反応器に2段階又はそれ以上で供給して、添加が終わった時に、反応器に添加されたジオール及びジエステル成分の総量のモル比が約1.2となるようにすることができる。別の実施態様においては、本発明方法は一連の回分反応器又は連続反応器中で実施でき、DMT、DMI、TMCD及びCHDMの1種又はそれ以上の一部を第1反応器に添加し且つ残りの部分をその方法の下流にあるその後の反応器に添加することができる。ジエステル及びジオール成分は、別々に、又はスラリー成分がこの方法に悪影響も及ぼさないか又は容易に除去できるならばスラリー混合物として、添加できる。例えばジエステル成分は水;メタノール、プロパノール、ブタノール及びイソプロパノールのようなアルコール;トルエン及びキシレンのような炭化水素中又は1種若しくはそれ以上のジオール中の混合物として添加できる。
【0028】
前述のように、工程(i)及び(ii)の間の反応圧力は約45kPa(絶対)(約7psia)〜約550kPa(絶対)(約80psia)であることができる。使用する実際の圧力は使用エステル化温度並びにジオール及びジステル組成物によって異なるであろう。エステル化工程の時間は温度、圧力、エステル化段階に添加するジオール及びジエステル成分の性質及び量並びに各成分を添加する時点によって異なるであろう。例えば、本方法のエステル交換部、即ち工程(i)及び(ii)の総滞留時間は120〜600分であることができる。滞留時間のいくつかの追加例としては、150、180,210、240,270、300、330、360、390、420、450、480、510、540及び570分が挙げられるが、これらに限定するものではない。
【0029】
本発明の方法は、連続、半連続及び回分運転モードで実施でき、種々の反応器型を含む反応ゾーンを利用できる。適当な反応器型の例としては、撹拌槽型反応器、連続撹拌槽型反応器、スラリー反応器、管型反応器、ワイプドフィルム反応器、流下膜式反応器又は押出反応器が挙げられるが、これらに限定するものではない。反応ゾーンは、例えば、典型的には、直列配置で配列される2つ又はそれ以上の反応器を含むことができる。別の例においては、反応ゾーンは2、3、4、5又は6個の反応器を直列又は並列で含むことができる。本明細書で使用する用語「連続」は、反応体の投入及び生成物の回収を同時に絶え間なく行う方法を意味する。「連続」とは、その方法の運転が実質的に又は完全に連続的であって、その方法が「回分」法とは対比すべきものであることを意味する。「連続的」は、例えば始動、反応器のメインテナンス又は定期運転停止期間による方法の連続性の正常な中断を妨げることを意味しない。本明細書で使用する用語「回分」法は、反応体の全て又は一部を反応器に加え、次いで所定の反応過程に従って処理し、その間に更なる反応体を反応器に供給できるが、反応器からポリマーを取り出さない方法を意味する。用語「半連続」は、反応体の一部を方法の開始時に装入し、残りの反応体を反応の進行につれて連続的に供給する方法を意味する。或いは、半連続方法は、また、1種又はそれ以上の生成物を反応の進行につれて連続的に取り出す以外は、反応体の全て又は一部を方法の開始時に加える回分法と同様な方法を含むことができる。コポリエステルは、過度に長い時間、高温で反応器中に滞留させると外観が悪化する可能性があるので、経済的理由から並びにポリマーの発色及び熱崩壊を減少させるために、典型的には商業規模では、この方法は連続法として運転することができる。
【0030】
本発明によれば、本方法の工程(ii)は、低分子量改質ポリエステルオリゴマーを生成し、これは工程(iii)の第2の重合段階で通常は真空下でより高温において更にすぐに反応させて、インヘレント粘度によって測定して、所望の重合度を有する熱可塑性ランダムコポリエステルを生成できる。本発明の方法の場合には、重合段階からのコポリエステルは少なくとも0.4dL/gのIVを有するであろう。重合段階の条件は、添加する酸及びジオール成分の数及び型並びに使用するジオール対ジエステルモル比によって、異なり得る。例えば、ジオール成分の添加後に、工程(iii)は約220〜約290℃の温度において約0.001(絶対圧)〜約55kPa(絶対圧)の典型的な反応圧力で実施できる。重合工程の更なる温度範囲は約240〜約290℃及び約250〜約280℃であることができる。反応混合物の適正な熱移動及び表面更新を確実にするために、エステル交換及び重合の両工程において撹拌条件又は適切な条件を用いることができる。重合段階の間に、オリゴマーの連続するエステル化からの更なる水は少量のジオールと共に蒸留によって除去することができる。典型的には、重合工程は、ポリエステルが少なくとも0.4〜約1.0dL/gのIVに達するまで実施するが、約1.05、約1.1、約1.15及び約1.2dL/gより高いIVも得ることができる。
【0031】
両工程の反応は、例えばチタン、錫、アンチモン、ゲルマニウムの種々の化合物及びそれらの混合物のような適切な触媒によって触媒できる。典型的な触媒の例としては、アルコキシチタン化合物、アルカリ金属水酸化物及びアルコレート、有機カルボン酸の塩、アルキル錫化合物、金属酸化物などが挙げられるが、これらに限定するものではない。一態様において、本発明のいずれの方法も、少なくとも1種の錫化合物並びに任意的にチタン、ガリウム、亜鉛、アンチモン、コバルト、マンガン、マグネシウム、ゲルマニウム、リチウム、アルミニウム化合物並びに水酸化リチウム若しくは水酸化ナトリウムを含むアルミニウム化合物から選ばれた少なくとも1種の触媒を含むことができる。典型的には、触媒は1〜500ppmの範囲で存在する。本発明において有用な触媒の例としては、ブチル錫トリス−2−エチルヘキサノエート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫オキサイド及びジメチル錫オキサイドの1種又はそれ以上が挙げられるが、これらに限定するものではない。燐化合物阻害剤も任意的に使用できる。例えば、触媒は少なくとも1種の錫化合物を含むことができる。別の実施態様においては、本発明において有用ないずれのコポリエステルの製造方法も、少なくとも1種の錫化合物及び少なくとも1種のチタン化合物を含む触媒を用いて準備できる。
【0032】
本発明の方法には、場合によっては、燐化合物を含む熱安定剤の存在が有効であることができる。熱安定剤として有用な燐化合物は、例えば燐酸、亜燐酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、亜ホスホン酸並びにそれらの種々のエステル及び塩を含むことができる。エステルは、アルキル、分岐鎖アルキル、置換アルキル、二官能価アルキル、アルキルエーテル、アリール及び置換アリールであることができる。一態様において、熱安定剤は、例えば置換若しくは非置換燐酸アルキルエステル、置換若しくは非置換燐酸アリールエステル、置換若しくは非置換燐酸アルキルアリール混合エステル、ジホスファイト、燐酸の塩、ホスフィンオキサイド及び亜燐酸アルキルアリール混合エステル、それらの反応生成物、並びにそれらの混合物のうち少なくとも1種から選ばれた少なくとも1種の化合物を含むことができる。燐酸エステルは燐酸が完全にエステル化された又は一部分だけエステル化されたエステルを含む。更に別の態様において、熱安定剤は、燐酸トリフェニル及び/又はMerpol Aの使用を含むことができる。更に別の態様において、本発明の熱安定剤は燐酸トリフェニルを含むことができる。
【0033】
本発明の方法によって製造されるコポリエステルは、典型的には、二酸残基の総モルに基づき、約60〜100モル%のテレフタル酸、イソフタル酸又はそれらの組合せの残基;並びにジオール残基の総モルに基づき、約10〜約90モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールの残基及び約10〜約90モル%の2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールの残基を含むことができる。CHDM及びTMCDは純粋なシス若しくはトランス異性体として又はシス異性体とトランス異性体との混合物として使用できる。コポリエステルは、CHDM及びTMCDの他に、約0〜約80モル%の、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、ポリアルキレングリコール及びそれらの組合せから選ばれた1種又はそれ以上のジオールの残基を含むことができる。
【0034】
例えば、熱可塑性コポリエステルは、総二酸残基に基づき、約80〜100モル%のテレフタル酸の残基並びに総ジオール残基に基づき、約85〜50モル%超の1,4−シクロヘキサンジメタノールの残基及び約15〜50モル%未満の2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールの残基を含むことができる。別の例において、コポリエステルは(a)約70〜約100モル%のテレフタル酸の残基、0〜30モル%の炭素数20以下の少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸の残基及び0〜約10モル%の炭素数16以下の少なくとも1種の脂肪族ジカルボン酸の残基を含む二酸残基;並びに(b)約20〜約40モル%の2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールの残基及び約60〜約80モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールの残基を含むジオール残基を含むことができる。別の例において、コポリエステルは約95モル%のテレフタル酸の残基及び約5モル%のイソフタル酸の残基を含むことができる。更に別の例において、コポリエステルは約100モル%のテレフタル酸の残基を含むことができる。本発明の方法によって製造できるコポリエステル組成物のいくつかの更なる例は、約70〜約100モル%のテレフタル酸の残基、0〜約30モル%の炭素数20以下の少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸の残基及び0〜約10モル%の炭素数16以下の少なくとも1種の脂肪族ジカルボン酸の残基を含む二酸残基;並びに(a)約20〜約35モル%の2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールの残基及び約65〜約80モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールの残基;(b)約30〜約40モル%の2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールの残基及び約60〜約70モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールの残基;(c)約20〜約25モル%の2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールの残基及び約75〜約80モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールの残基;(d)約30〜約35モル%の2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールの残基及び65〜70モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールの残基を含むジオール残基を含むものである。
【0035】
本発明の方法によって製造されるコポリエステルは、また、それらの最終用途に悪影響を与えない他の常用の添加剤及び成分を含むことができる。例えば充填剤、表面摩擦調節剤、光安定剤及び熱安定剤、押出助剤、帯電防止剤、着色剤、染料、顔料、螢光増白剤、抗菌剤、偽造防止マーカー、疎水性及び親水性エンハンサー、粘度調節剤、スリップ剤、強化剤、接着促進剤などのような添加剤を使用できる。トナーとも称することがある着色剤はコポリエステルに目的とするニュートラルな色相及び/又は明度(brightness)を与えるために添加できる。着色ポリエステルが望ましい場合には、顔料又は着色剤を、ジオール成分とジエステル成分の反応の間にコポリエステル反応混合物に含ませることもできるし、或いは方法の完了後にコポリエステルと溶融ブレンドすることもできる。着色剤を含ませる好ましい方法は、着色剤がコポリエステル中に共重合されて組み込まれて、その色相を改善するような反応性基を有する熱安定性有機着色化合物を含む着色剤を使用することである。例えば、青色及び赤色置換アントラキノンを含む(これらに限定するものではないが)反応性ヒドロキシル及び/又はカルボニル基を有する染料のような着色剤をポリマー鎖中に共重合させることができる。染料を着色剤として用いる場合には、直接エステル化反応後にコポリエステル反応プロセスに加えることができる。
【0036】
本発明のポリエステル組成物において有用なポリエステル及び/又はポリカーボネートは、3個又はそれ以上のカルボキシル置換基、ヒドロキシル置換基又はそれらの組合せを有する少なくとも1種の分岐モノマー(本明細書では「分岐剤」とも称する)の残基を含むことができる。常用の分岐剤としては、多官能価酸、無水物、アルコール及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定するものではない。ポリマーの溶融強度及び溶融粘度の増大には、少量の分岐剤が有用である。
【0037】
一実施態様において、分岐剤は、例えばそれぞれジオール又は二酸残基の総モル百分率に基づき、0〜10モル%、0.01〜5モル%、0.01〜1モル%、0.05〜5モル%、0.05〜1モル%、0.1〜0.7モル%又は0.1〜0.5モル%の、分岐モノマーの1つ又はそれ以上の残基を含むことができる。
【0038】
分岐モノマーの例としては、多官能価酸又は多官能価アルコール、例えばトリメリット酸、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸二無水物、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、クエン酸、酒石酸、3−ヒドロキシグルタル酸などが挙げられるが、これらに限定するものではない。一実施態様において、分岐モノマー残基は、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸二無水物、グリセロール、ソルビトール、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、トリメチロールエタン及び/又はトリメシン酸のうち少なくとも1種から選ばれた1つ又はそれ以上の残基を0.1〜0.7モル%含むことができる。分岐モノマーはコポリエステル反応混合物に加えることもできるし、或いは、例えば米国特許第5,654,347号及び第5,696,176号に記載されたようにコンセントレートの形態でコポリエステルとブレンドすることもできる。
【0039】
本発明のコポリエステルは、少なくとも1種の連鎖延長剤を含むことができる。適当な連鎖延長剤としては、多官能価(二官能価を含むが、これに限定するものではない)イソシアネート、多官能価エポキシド、例えばエポキシ化ノボラック及びフェノキシ樹脂が挙げられるが、これらに限定するものではない。一部の実施態様において、連鎖延長剤は、重合プロセスの最後又は重合プロセス後に添加できる。重合プロセス後に添加する場合には、連鎖延長剤は、配合によって又は射出成形若しくは押出のような転化プロセスの間に添加によって取り入れることができる。連鎖延長剤の量は、使用する具体的なモノマー組成及び目的とする物理的性質によって異なり得るが、一般に、コポリエステルの総重量に基づき、約0.1〜約10重量%、例えば約0.1〜約5重量%である。
【0040】
本発明の方法は、DMT、CHDM及びTMCDの反応によるコポリエステルの製造に使用できる。一態様において、本発明の方法は、
(I)(a)(i)テレフタル酸残基70〜100モル%;
(ii)炭素数20以下の少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸の残基0〜30モル%;及び
(iii)炭素数16以下の少なくとも1種の脂肪族ジカルボン酸の残基0〜10モル%
を含むジカルボン酸成分;並びに
(b)(i)2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール残基;及び
(ii)シクロヘキサンジメタノール残基
を含むジオール成分
を含む少なくとも1種のコポリエステルと
(II)燐酸アルキルエステル、燐酸アリールエステル、燐酸アルキルアリール混合エステル、それらの反応生成物及びそれらの混合物のうち少なくとも1種から選ばれた少なくとも1種の熱安定剤
を含んでなるコポリエステル組成物の製造に使用できる。
【0041】
一態様において、本発明の方法は、
(I)(a)(i)テレフタル酸残基70〜100モル%;
(ii)炭素数20以下の少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸の残基0〜30モル%;及び
(iii)炭素数16以下の少なくとも1種の脂肪族ジカルボン酸の残基0〜10モル%
を含むジカルボン酸成分;並びに
(b)(i)2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール残基1〜99モル%;及び
(ii)シクロヘキサンジメタノール残基1〜99モル%
を含むジオール成分
を含む少なくとも1種のコポリエステル(前記ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり且つ前記ジオール成分の総モル%は100モル%である)と
(II)燐酸アルキルエステル、燐酸アリールエステル、燐酸アルキルアリール混合エステル、それらの反応生成物及びそれらの混合物のうち少なくとも1種から選ばれた少なくとも1種の熱安定剤
を含んでなり、前記コポリエステルのインヘレント粘度が、25℃において60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中で0.25g/50mlの濃度で測定した場合に、0.4〜1.0dL/gであり;且つ前記コポリエステルが85〜200℃のTgを有するコポリエステル組成物の製造に使用できる。
【0042】
一態様において、本発明の方法は、
(I)(a)(i)テレフタル酸残基70〜100モル%;
(ii)炭素数20以下の少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸の残基0〜30モル%;及び
(iii)炭素数16以下の少なくとも1種の脂肪族ジカルボン酸の残基0〜10モル%
を含むジカルボン酸成分;並びに
(b)(i)2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール残基5〜50モル%未満;及び
(ii)シクロヘキサンジメタノール残基50超〜95モル%
を含むジオール成分
を含む少なくとも1種のコポリエステル(前記ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり且つ前記ジオール成分の総モル%は100モル%である)と
(II)燐酸アルキルエステル、燐酸アリールエステル、燐酸アルキルアリール混合エステル、それらの反応生成物及びそれらの混合物のうち少なくとも1種から選ばれた少なくとも1種の熱安定剤
を含んでなり、前記コポリエステルのインヘレント粘度が、25℃において60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中で0.25g/50mlの濃度で測定した場合に、0.50〜1.0dL/gであり;且つ前記コポリエステルが85〜120℃のTgを有するコポリエステル組成物の製造に使用できる。
【0043】
一態様において、本発明の方法は、
(I)(a)(i)テレフタル酸残基70〜100モル%;
(ii)炭素数20以下の少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸の残基0〜30モル%;及び
(iii)炭素数16以下の少なくとも1種の脂肪族ジカルボン酸の残基0〜10モル%
を含むジカルボン酸成分;並びに
(b)(i)2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール残基10〜30モル%;及び
(ii)シクロヘキサンジメタノール残基70〜90モル%
を含むジオール成分
を含む少なくとも1種のコポリエステル(前記ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり且つ前記ジオール成分の総モル%は100モル%である)と
(II)燐酸アルキルエステル、燐酸アリールエステル、燐酸アルキルアリール混合エステル、それらの反応生成物及びそれらの混合物のうち少なくとも1種から選ばれた少なくとも1種の熱安定剤
を含んでなり、前記コポリエステルのインヘレント粘度が、25℃において60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中で0.25g/50mlの濃度で測定した場合に、0.50〜1.0dL/gであり;且つ前記コポリエステルが85〜120℃のTgを有するコポリエステル組成物の製造に使用できる。一実施態様において、コポリエステルのTgは100〜120℃である。
【0044】
一態様において、本発明の方法は、
(I)(a)(i)テレフタル酸残基70〜100モル%;
(ii)炭素数20以下の少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸の残基0〜30モル%;及び
(iii)炭素数16以下の少なくとも1種の脂肪族ジカルボン酸の残基0〜10モル%
を含むジカルボン酸成分;並びに
(b)(i)2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール残基15〜25モル%;及び
(ii)シクロヘキサンジメタノール残基75〜85モル%
を含むジオール成分
を含む少なくとも1種のコポリエステル(前記ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり且つ前記ジオール成分の総モル%は100モル%である)と
(II)燐酸アルキルエステル、燐酸アリールエステル、燐酸アルキルアリール混合エステル、それらの反応生成物及びそれらの混合物のうち少なくとも1種から選ばれた少なくとも1種の熱安定剤
を含んでなり、インヘレント粘度が、25℃において60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中で0.25g/50mlの濃度で測定した場合に、0.50〜1.0dL/gであり;且つ前記コポリエステルが85〜120℃のTgを有するコポリエステル組成物の製造に使用できる。一実施態様において、コポリエステルのTgは100〜120℃である。
【0045】
一態様において、本発明の方法は、
(I)(a)(i)テレフタル酸残基70〜100モル%;
(ii)炭素数20以下の少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸の残基0〜30モル%;及び
(iii)炭素数16以下の少なくとも1種の脂肪族ジカルボン酸の残基0〜10モル%
を含むジカルボン酸成分;並びに
(b)(i)2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール残基15〜25モル%;及び
(ii)シクロヘキサンジメタノール残基75〜85モル%
を含むジオール成分
を含む少なくとも1種のコポリエステル(前記ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり且つ前記ジオール成分の総モル%は100モル%である)と
(II)燐酸アルキルエステル、燐酸アリールエステル、燐酸アルキルアリール混合エステル、それらの反応生成物及びそれらの混合物のうち少なくとも1種から選ばれた少なくとも1種の熱安定剤
を含んでなり、インヘレント粘度が、25℃において60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中で0.25g/50mlの濃度で測定した場合に、0.50〜0.75dL/gであり;且つ前記コポリエステルが85〜120℃のTgを有するコポリエステル組成物の製造に使用できる。一実施態様において、コポリエステルのTgは100〜120℃である。
【0046】
一態様において、本発明の方法は、
(I)(a)(i)テレフタル酸残基70〜100モル%;
(ii)炭素数20以下の少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸の残基0〜30モル%;及び
(iii)炭素数16以下の少なくとも1種の脂肪族ジカルボン酸の残基0〜10モル%
を含むジカルボン酸成分;並びに
(b)(i)2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール残基5〜50モル%未満;及び
(ii)シクロヘキサンジメタノール残基50超〜95モル%
を含むジオール成分
を含む少なくとも1種のコポリエステル(前記ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり且つ前記ジオール成分の総モル%は100モル%である)と
(II)燐酸アルキルエステル、燐酸アリールエステル、燐酸アルキルアリール混合エステル、それらの反応生成物及びそれらの混合物のうち少なくとも1種から選ばれた少なくとも1種の熱安定剤
を含んでなり、前記コポリエステルのインヘレント粘度が、25℃において60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中で0.25g/50mlの濃度で測定した場合に、0.50〜0.75dL/gであり;且つ前記コポリエステルが85〜120℃のTgを有するコポリエステル組成物の製造に使用できる。
【0047】
一態様において、本発明の方法は、
(I)(a)(i)テレフタル酸残基70〜100モル%;
(ii)炭素数20以下の少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸の残基0〜30モル%;及び
(iii)炭素数16以下の少なくとも1種の脂肪族ジカルボン酸の残基0〜10モル%
を含むジカルボン酸成分;並びに
(b)(i)2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール残基5〜50モル%未満;及び
(ii)シクロヘキサンジメタノール残基50超〜95モル%
を含むジオール成分
を含む少なくとも1種のコポリエステル(前記ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり且つ前記ジオール成分の総モル%は100モル%である)と
(II)燐酸アルキルエステル、燐酸アリールエステル、燐酸アルキルアリール混合エステル、それらの反応生成物及びそれらの混合物のうち少なくとも1種から選ばれた少なくとも1種の熱安定剤
を含んでなり、前記コポリエステルのインヘレント粘度が、25℃において60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中で0.25g/50mlの濃度で測定した場合に、0.60〜0.75dL/gであり;且つ前記コポリエステルが85〜120℃のTgを有するコポリエステル組成物の製造に使用できる。
【0048】
一態様において、本発明の方法は、
(I)(a)(i)テレフタル酸残基70〜100モル%;
(ii)炭素数20以下の少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸の残基0〜30モル%;及び
(iii)炭素数16以下の少なくとも1種の脂肪族ジカルボン酸の残基0〜10モル%
を含むジカルボン酸成分;並びに
(b)(i)2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール残基10〜30モル%;及び
(ii)シクロヘキサンジメタノール残基70〜90モル%
を含むジオール成分
を含む少なくとも1種のコポリエステル(前記ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり且つ前記ジオール成分の総モル%は100モル%である)と
(II)燐酸アルキルエステル、燐酸アリールエステル、燐酸アルキルアリール混合エステル、それらの反応生成物及びそれらの混合物のうち少なくとも1種から選ばれた少なくとも1種の熱安定剤
を含んでなり、前記コポリエステルのインヘレント粘度が、25℃において60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中で0.25g/50mlの濃度で測定した場合に、0.5〜0.8dL/gであり;且つ前記コポリエステルが85〜120℃のTgを有するコポリエステル組成物の製造に使用できる。一実施態様において、コポリエステルのTgは100〜120℃である。
【0049】
一態様において、本発明の方法は、
(I)(a)(i)テレフタル酸残基70〜100モル%;
(ii)炭素数20以下の少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸の残基0〜30モル%;及び
(iii)炭素数16以下の少なくとも1種の脂肪族ジカルボン酸の残基0〜10モル%
を含むジカルボン酸成分;並びに
(b)(i)2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール残基10〜30モル%;及び
(ii)シクロヘキサンジメタノール残基70〜90モル%
を含むジオール成分
を含む少なくとも1種のコポリエステル(前記ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり且つ前記ジオール成分の総モル%は100モル%である)と
(II)燐酸アルキルエステル、燐酸アリールエステル、燐酸アルキルアリール混合エステル、それらの反応生成物及びそれらの混合物のうち少なくとも1種から選ばれた少なくとも1種の熱安定剤
を含んでなり、前記コポリエステルのインヘレント粘度が、25℃において60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中で0.25g/50mlの濃度で測定した場合に、0.50〜0.75dL/gであり;且つ前記コポリエステルが85〜120℃のTgを有するコポリエステル組成物の製造に使用できる。一実施態様において、コポリエステルのTgは100〜120℃である。
【0050】
一態様において、本発明の方法は、
(I)(a)(i)テレフタル酸残基70〜100モル%;
(ii)炭素数20以下の少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸の残基0〜30モル%;及び
(iii)炭素数16以下の少なくとも1種の脂肪族ジカルボン酸の残基0〜10モル%
を含むジカルボン酸成分;並びに
(b)(i)2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール残基17〜28モル%;及び
(ii)シクロヘキサンジメタノール残基72〜83モル%
を含むジオール成分
を含む少なくとも1種のコポリエステル(前記ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり且つ前記ジオール成分の総モル%は100モル%である)と
(II)燐酸アルキルエステル、燐酸アリールエステル、燐酸アルキルアリール混合エステル、それらの反応生成物及びそれらの混合物のうち少なくとも1種から選ばれた少なくとも1種の熱安定剤
を含んでなり、前記コポリエステルのインヘレント粘度が、25℃において60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中で0.25g/50mlの濃度で測定した場合に、0.65〜0.75dL/gであり;且つ前記コポリエステルが85〜120℃のTgを有するコポリエステル組成物の製造に使用できる。一実施態様において、コポリエステルのTgは100〜120℃である。
【0051】
一態様において、本発明の方法は、
(I)(a)(i)テレフタル酸残基70〜100モル%;
(ii)炭素数20以下の少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸の残基0〜30モル%;及び
(iii)炭素数16以下の少なくとも1種の脂肪族ジカルボン酸の残基0〜10モル%
を含むジカルボン酸成分;並びに
(b)(i)2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール残基25〜35モル%;
(ii)シクロヘキサンジメタノール残基65〜75モル%
を含むジオール成分
を含む少なくとも1種のコポリエステル(前記ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり且つ前記ジオール成分の総モル%は100モル%である)と
(II)燐酸アルキルエステル、燐酸アリールエステル、燐酸アルキルアリール混合エステル、それらの反応生成物及びそれらの混合物のうち少なくとも1種から選ばれた少なくとも1種の熱安定剤
を含んでなり、前記コポリエステルのインヘレント粘度が、25℃において60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中で0.25g/50mlの濃度で測定した場合に、0.40〜1.0dL/gであり;且つ前記コポリエステルが110〜123℃のTgを有するコポリエステル組成物の製造に使用できる。
【0052】
一態様において、本発明の方法は、
(I)(a)(i)テレフタル酸残基70〜100モル%;
(ii)炭素数20以下の少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸の残基0〜30モル%;及び
(iii)炭素数16以下の少なくとも1種の脂肪族ジカルボン酸の残基0〜10モル%
を含むジカルボン酸成分;並びに
(b)(i)2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール残基25〜35モル%;
(ii)シクロヘキサンジメタノール残基65〜75モル%
を含むジオール成分
を含む少なくとも1種のコポリエステル(前記ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり且つ前記ジオール成分の総モル%は100モル%である)と
(II)燐酸アルキルエステル、燐酸アリールエステル、燐酸アルキルアリール混合エステル、それらの反応生成物及びそれらの混合物のうち少なくとも1種から選ばれた少なくとも1種の熱安定剤
を含んでなり、前記コポリエステルのインヘレント粘度が、25℃において60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中で0.25g/50mlの濃度で測定した場合に、0.40〜1.0dL/gであり;且つ前記コポリエステルが110〜120℃のTgを有するコポリエステル組成物の製造に使用できる。
【0053】
一態様において、本発明の方法は、
(I)(a)(i)テレフタル酸残基70〜100モル%;
(ii)炭素数20以下の少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸の残基0〜30モル%;及び
(iii)炭素数16以下の少なくとも1種の脂肪族ジカルボン酸の残基0〜10モル%
を含むジカルボン酸成分;並びに
(b)(i)2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール残基25〜35モル%;
(ii)シクロヘキサンジメタノール残基65〜75モル%
を含むジオール成分
を含む少なくとも1種のコポリエステル(前記ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり且つ前記ジオール成分の総モル%は100モル%である)と
(II)燐酸アルキルエステル、燐酸アリールエステル、燐酸アルキルアリール混合エステル、それらの反応生成物及びそれらの混合物のうち少なくとも1種から選ばれた少なくとも1種の熱安定剤
を含んでなり、前記コポリエステルのインヘレント粘度が、25℃において60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中で0.25g/50mlの濃度で測定した場合に、0.6〜0.72dL/gであり;且つ前記コポリエステルが110〜123℃のTgを有するコポリエステル組成物の製造に使用できる。
【0054】
一態様において、本発明の方法は、
(I)(a)(i)テレフタル酸残基70〜100モル%;
(ii)炭素数20以下の少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸の残基0〜30モル%;及び
(iii)炭素数16以下の少なくとも1種の脂肪族ジカルボン酸の残基0〜10モル%
を含むジカルボン酸成分;並びに
(b)(i)2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール残基25〜35モル%;
(ii)シクロヘキサンジメタノール残基65〜75モル%
を含むジオール成分
を含む少なくとも1種のコポリエステル(前記ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり且つ前記ジオール成分の総モル%は100モル%である)と
(II)燐酸アルキルエステル、燐酸アリールエステル、燐酸アルキルアリール混合エステル、それらの反応生成物及びそれらの混合物のうち少なくとも1種から選ばれた少なくとも1種の熱安定剤
を含んでなり、前記コポリエステルのインヘレント粘度が、25℃において60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中で0.25g/50mlの濃度で測定した場合に、0.6〜0.68dL/gであり;且つ前記コポリエステルが110〜130℃のTgを有するコポリエステル組成物の製造に使用できる。
【0055】
一態様において、本発明の方法は、
(I)(a)(i)テレフタル酸残基70〜100モル%;
(ii)炭素数20以下の少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸の残基0〜30モル%;及び
(iii)炭素数16以下の少なくとも1種の脂肪族ジカルボン酸の残基0〜10モル%
を含むジカルボン酸成分;並びに
(b)(i)2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール残基28〜38モル%;
(ii)シクロヘキサンジメタノール残基62〜72モル%
を含むジオール成分
を含む少なくとも1種のコポリエステル(前記ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり且つ前記ジオール成分の総モル%は100モル%である)と
(II)燐酸アルキルエステル、燐酸アリールエステル、燐酸アルキルアリール混合エステル、それらの反応生成物及びそれらの混合物のうち少なくとも1種から選ばれた少なくとも1種の熱安定剤
を含んでなり、前記コポリエステルのインヘレント粘度が、25℃において60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中で0.25g/50mlの濃度で測定した場合に、0.5〜1.0dL/gであり;且つ前記コポリエステルが110〜130℃のTgを有するコポリエステル組成物の製造に使用できる。
【0056】
一態様において、本発明の方法は、
(I)(a)(i)テレフタル酸残基70〜100モル%;
(ii)炭素数20以下の少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸の残基0〜30モル%;及び
(iii)炭素数16以下の少なくとも1種の脂肪族ジカルボン酸の残基0〜10モル%
を含むジカルボン酸成分;並びに
(b)(i)2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール残基28〜38モル%;
(ii)シクロヘキサンジメタノール残基62〜72モル%
を含むジオール成分
を含む少なくとも1種のコポリエステル(前記ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり且つ前記ジオール成分の総モル%は100モル%である)と
(II)燐酸アルキルエステル、燐酸アリールエステル、燐酸アルキルアリール混合エステル、それらの反応生成物及びそれらの混合物のうち少なくとも1種から選ばれた少なくとも1種の熱安定剤
を含んでなり、前記コポリエステルのインヘレント粘度が、25℃において60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中で0.25g/50mlの濃度で測定した場合に、0.6〜0.72dL/gであり;且つ前記コポリエステルが110〜130℃のTgを有するコポリエステル組成物の製造に使用できる。
【0057】
一態様において、本発明の方法は、
(I)(a)(i)テレフタル酸残基70〜100モル%;
(ii)炭素数20以下の少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸の残基0〜30モル%;及び
(iii)炭素数16以下の少なくとも1種の脂肪族ジカルボン酸の残基0〜10モル%
を含むジカルボン酸成分;並びに
(b)(i)2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール残基28〜38モル%;
(ii)シクロヘキサンジメタノール残基62〜72モル%
を含むジオール成分
を含む少なくとも1種のコポリエステル(前記ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり且つ前記ジオール成分の総モル%は100モル%である)と
(II)燐酸アルキルエステル、燐酸アリールエステル、燐酸アルキルアリール混合エステル、それらの反応生成物及びそれらの混合物のうち少なくとも1種から選ばれた少なくとも1種の熱安定剤
を含んでなり、前記コポリエステルのインヘレント粘度が、25℃において60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中で0.25g/50mlの濃度で測定した場合に、0.6〜0.68dL/gであり;且つ前記コポリエステルが110〜130℃のTgを有するコポリエステル組成物の製造に使用できる。
【0058】
一態様において、本発明の方法は、
(I)(a)(i)テレフタル酸残基70〜100モル%;
(ii)炭素数20以下の少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸の残基0〜30モル%;
(iii)炭素数16以下の少なくとも1種の脂肪族ジカルボン酸の残基0〜10モル%
を含むジカルボン酸成分;並びに
(b)(i)2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール残基28〜38モル%;
(ii)シクロヘキサンジメタノール残基62〜72モル%
を含むジオール成分
を含む少なくとも1種のコポリエステル(前記ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり且つ前記ジオール成分の総モル%は100モル%である)と
(II)燐酸アルキルエステル、燐酸アリールエステル、燐酸アルキルアリール混合エステル、それらの反応生成物及びそれらの混合物のうち少なくとも1種から選ばれた少なくとも1種の熱安定剤
を含んでなり、前記コポリエステルのインヘレント粘度が、25℃において60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中で0.25g/50mlの濃度で測定した場合に、0.6〜0.68dL/gであり;且つ前記コポリエステルが110〜120℃のTgを有するコポリエステル組成物の製造に使用できる。
【0059】
一態様において、本発明の方法は、
(I)(a)(i)テレフタル酸残基70〜100モル%;
(ii)炭素数20以下の少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸の残基0〜30モル%;及び
(iii)炭素数16以下の少なくとも1種の脂肪族ジカルボン酸の残基0〜10モル%
を含むジカルボン酸成分;並びに
(b)(i)2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール残基30〜35モル%;
(ii)シクロヘキサンジメタノール残基65〜70モル%
を含むジオール成分
を含む少なくとも1種のコポリエステル(前記ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり且つ前記ジオール成分の総モル%は100モル%である)と
(II)燐酸アルキルエステル、燐酸アリールエステル、燐酸アルキルアリール混合エステル、それらの反応生成物及びそれらの混合物のうち少なくとも1種から選ばれた少なくとも1種の熱安定剤
を含んでなり、前記コポリエステルのインヘレント粘度が、25℃において60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中で0.25g/50mlの濃度で測定した場合に、0.6〜0.72dL/gであり;且つ前記コポリエステルが110〜130℃のTgを有するコポリエステル組成物の製造に使用できる。
【0060】
一態様において、本発明の方法は、
(I)(a)(i)テレフタル酸残基70〜100モル%;
(ii)炭素数20以下の少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸の残基0〜30モル%;
(iii)炭素数16以下の少なくとも1種の脂肪族ジカルボン酸の残基0〜10モル%
を含むジカルボン酸成分;並びに
(b)(i)2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール残基30〜35モル%;
(ii)シクロヘキサンジメタノール残基65〜70モル%
を含むジオール成分
を含む少なくとも1種のコポリエステル(前記ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり且つ前記ジオール成分の総モル%は100モル%である)と
(II)燐酸アルキルエステル、燐酸アリールエステル、燐酸アルキルアリール混合エステル、それらの反応生成物及びそれらの混合物のうち少なくとも1種から選ばれた少なくとも1種の熱安定剤
を含んでなり、前記コポリエステルのインヘレント粘度が、25℃において60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中で0.25g/50mlの濃度で測定した場合に、0.6〜0.72dL/gであり;且つ前記コポリエステルが110〜120℃のTgを有するコポリエステル組成物の製造に使用できる。
【0061】
一態様において、本発明の方法は、
(I)(a)(i)テレフタル酸残基70〜100モル%;
(ii)炭素数20以下の少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸の残基0〜30モル%;及び
(iii)炭素数16以下の少なくとも1種の脂肪族ジカルボン酸の残基0〜10モル%
を含むジカルボン酸成分;並びに
(b)(i)2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール残基30〜35モル%;
(ii)シクロヘキサンジメタノール残基65〜70モル%
を含むジオール成分
を含む少なくとも1種のコポリエステル(前記ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり且つ前記ジオール成分の総モル%は100モル%である)と
(II)燐酸アルキルエステル、燐酸アリールエステル、燐酸アルキルアリール混合エステル、それらの反応生成物及びそれらの混合物のうち少なくとも1種から選ばれた少なくとも1種の熱安定剤
を含んでなり、前記コポリエステルのインヘレント粘度が、25℃において60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中で0.25g/50mlの濃度で測定した場合に、0.6〜0.68dL/gであり;且つ前記コポリエステルが110〜130℃のTgを有するコポリエステル組成物の製造に使用できる。
【0062】
一態様において、本発明の方法は、
(I)(a)(i)テレフタル酸残基70〜100モル%;
(ii)炭素数20以下の少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸の残基0〜30モル%;及び
(iii)炭素数16以下の少なくとも1種の脂肪族ジカルボン酸の残基0〜10モル%
を含むジカルボン酸成分;並びに
(b)(i)2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール残基30〜35モル%;
(ii)シクロヘキサンジメタノール残基65〜70モル%
を含むジオール成分
を含む少なくとも1種のコポリエステル(前記ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり且つ前記ジオール成分の総モル%は100モル%である)と
(II)燐酸アルキルエステル、燐酸アリールエステル、燐酸アルキルアリール混合エステル、それらの反応生成物及びそれらの混合物のうち少なくとも1種から選ばれた少なくとも1種の熱安定剤
を含んでなり、前記コポリエステルのインヘレント粘度が、25℃において60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中で0.25g/50mlの濃度で測定した場合に、0.6〜0.68dL/gであり;且つ前記コポリエステルが110〜120℃のTgを有するコポリエステル組成物の製造に使用できる。
【0063】
一態様において、本発明の方法は、
(I)(a)(i)テレフタル酸残基70〜100モル%;
(ii)炭素数20以下の少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸の残基0〜30モル%;及び
(iii)炭素数16以下の少なくとも1種の脂肪族ジカルボン酸の残基0〜10モル%
を含むジカルボン酸成分;並びに
(b)(i)2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール残基30〜35モル%;
(ii)シクロヘキサンジメタノール残基65〜70モル%
を含むジオール成分
を含む少なくとも1種のコポリエステル(前記ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり且つ前記ジオール成分の総モル%は100モル%である)と
(II)燐酸アルキルエステル、燐酸アリールエステル、燐酸アルキルアリール混合エステル、それらの反応生成物及びそれらの混合物のうち少なくとも1種から選ばれた少なくとも1種の熱安定剤
を含んでなり、前記コポリエステルのインヘレント粘度が、25℃において60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中で0.25g/50mlの濃度で測定した場合に、0.6〜0.68dL/gであり;且つ前記コポリエステルが114〜120℃のTgを有するコポリエステル組成物の製造に使用できる。
【0064】
一態様において、本発明の方法は、
(I)(a)(i)テレフタル酸残基70〜100モル%;
(ii)炭素数20以下の少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸の残基0〜30モル%;及び
(iii)炭素数16以下の少なくとも1種の脂肪族ジカルボン酸の残基0〜10モル%
を含むジカルボン酸成分;並びに
(b)(i)2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール残基31〜35モル%;
(ii)シクロヘキサンジメタノール残基65〜69モル%
を含むジオール成分
を含む少なくとも1種のコポリエステル(前記ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり且つ前記ジオール成分の総モル%は100モル%である)と
(II)燐酸アルキルエステル、燐酸アリールエステル、燐酸アルキルアリール混合エステル、それらの反応生成物及びそれらの混合物のうち少なくとも1種から選ばれた少なくとも1種の熱安定剤
を含んでなり、前記コポリエステルのインヘレント粘度が、25℃において60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中で0.25g/50mlの濃度で測定した場合に、0.6〜0.68dL/gであり;且つ前記コポリエステルが110〜120℃のTgを有するコポリエステル組成物の製造に使用できる。
【0065】
一態様において、本発明の方法は、
(I)(a)(i)テレフタル酸残基70〜100モル%;
(ii)炭素数20以下の少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸の残基0〜30モル%;及び
(iii)炭素数16以下の少なくとも1種の脂肪族ジカルボン酸の残基0〜10モル%
を含むジカルボン酸成分;並びに
(b)(i)2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール残基31〜35モル%;
(ii)シクロヘキサンジメタノール残基65〜69モル%
を含むジオール成分
を含む少なくとも1種のコポリエステル(前記ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり且つ前記ジオール成分の総モル%は100モル%である)と
(II)燐酸アルキルエステル、燐酸アリールエステル、燐酸アルキルアリール混合エステル、それらの反応生成物及びそれらの混合物のうち少なくとも1種から選ばれた少なくとも1種の熱安定剤
を含んでなり、前記コポリエステルのインヘレント粘度が、25℃において60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中で0.25g/50mlの濃度で測定した場合に、0.6〜0.68dL/gであり;且つ前記コポリエステルが114〜120℃のTgを有するコポリエステル組成物の製造に使用できる。
【0066】
一態様において、本発明の方法は、
(I)(a)(i)テレフタル酸残基70〜100モル%;
(ii)炭素数20以下の少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸の残基0〜30モル%;及び
(iii)炭素数16以下の少なくとも1種の脂肪族ジカルボン酸の残基0〜10モル%
を含むジカルボン酸成分;並びに
(b)(i)2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール残基30〜40モル%;
(ii)シクロヘキサンジメタノール残基60〜70モル%
を含むジオール成分
を含む少なくとも1種のコポリエステル(前記ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり且つ前記ジオール成分の総モル%は100モル%である)と
(II)燐酸アルキルエステル、燐酸アリールエステル、燐酸アルキルアリール混合エステル、それらの反応生成物及びそれらの混合物のうち少なくとも1種から選ばれた少なくとも1種の熱安定剤
を含んでなり、前記コポリエステルのインヘレント粘度が、25℃において60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中で0.25g/50mlの濃度で測定した場合に、0.6〜0.72dL/gであり;且つ前記コポリエステルが110〜130℃のTgを有するコポリエステル組成物の製造に使用できる。
【0067】
一態様において、本発明の方法は、
(I)(a)(i)テレフタル酸残基70〜100モル%;
(ii)炭素数20以下の少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸の残基0〜30モル%;及び
(iii)炭素数16以下の少なくとも1種の脂肪族ジカルボン酸の残基0〜10モル%
を含むジカルボン酸成分;並びに
(b)(i)2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール残基30〜40モル%;
(ii)シクロヘキサンジメタノール残基60〜70モル%
を含むジオール成分
を含む少なくとも1種のコポリエステル(前記ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり且つ前記ジオール成分の総モル%は100モル%である)と
(II)燐酸アルキルエステル、燐酸アリールエステル、燐酸アルキルアリール混合エステル、それらの反応生成物及びそれらの混合物のうち少なくとも1種から選ばれた少なくとも1種の熱安定剤
を含んでなり、前記コポリエステルのインヘレント粘度が、25℃において60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中で0.25g/50mlの濃度で測定した場合に、0.6〜0.72dL/gであり;且つ前記コポリエステルが110〜120℃のTgを有するコポリエステル組成物の製造に使用できる。
【0068】
一態様において、本発明の方法は、
(I)(a)(i)テレフタル酸残基70〜100モル%;
(ii)炭素数20以下の少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸の残基0〜30モル%;及び
(iii)炭素数16以下の少なくとも1種の脂肪族ジカルボン酸の残基0〜10モル%
を含むジカルボン酸成分;並びに
(b)(i)2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール残基30〜40モル%;
(ii)シクロヘキサンジメタノール残基60〜70モル%
を含むジオール成分
を含む少なくとも1種のコポリエステル(前記ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり且つ前記ジオール成分の総モル%は100モル%である)と
(II)燐酸アルキルエステル、燐酸アリールエステル、燐酸アルキルアリール混合エステル、それらの反応生成物及びそれらの混合物のうち少なくとも1種から選ばれた少なくとも1種の熱安定剤
を含んでなり、前記コポリエステルのインヘレント粘度が、25℃において60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中で0.25g/50mlの濃度で測定した場合に、0.6〜0.68dL/gであり;且つ前記コポリエステルが110〜120℃のTgを有するコポリエステル組成物の製造に使用できる。
【0069】
一態様において、本発明の方法は、
(I)(a)(i)テレフタル酸残基70〜100モル%;
(ii)炭素数20以下の少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸の残基0〜30モル%;及び
(iii)炭素数16以下の少なくとも1種の脂肪族ジカルボン酸の残基0〜10モル%
を含むジカルボン酸成分;並びに
(b)(i)2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール残基20〜35モル%;
(ii)シクロヘキサンジメタノール残基65〜80モル%
を含むジオール成分
を含む少なくとも1種のコポリエステル(前記ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり且つ前記ジオール成分の総モル%は100モル%である)と
(II)燐酸アルキルエステル、燐酸アリールエステル、燐酸アルキルアリール混合エステル、それらの反応生成物及びそれらの混合物のうち少なくとも1種から選ばれた少なくとも1種の熱安定剤
を含んでなり、前記コポリエステルのインヘレント粘度が、25℃において60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中で0.25g/50mlの濃度で測定した場合に、0.55〜0.80dL/gであるコポリエステル組成物の製造に使用できる。
【0070】
一態様において、本発明の方法は、
(I)(a)(i)テレフタル酸残基70〜100モル%;
(ii)炭素数20以下の少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸の残基0〜30モル%;及び
(iii)炭素数16以下の少なくとも1種の脂肪族ジカルボン酸の残基0〜10モル%
を含むジカルボン酸成分;並びに
(b)(i)2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール残基20〜35モル%;
(ii)シクロヘキサンジメタノール残基65〜80モル%
を含むジオール成分
を含む少なくとも1種のコポリエステル(前記ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり且つ前記ジオール成分の総モル%は100モル%である)と
(II)燐酸アルキルエステル、燐酸アリールエステル、燐酸アルキルアリール混合エステル、それらの反応生成物及びそれらの混合物のうち少なくとも1種から選ばれた少なくとも1種の熱安定剤
を含んでなり、前記コポリエステルのインヘレント粘度が、25℃において60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中で0.25g/50mlの濃度で測定した場合に、0.55〜0.75dL/gであるコポリエステル組成物の製造に使用できる。
【0071】
一態様において、本発明の方法は、
(I)(a)(i)テレフタル酸残基70〜100モル%;
(ii)炭素数20以下の少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸の残基0〜30モル%;及び
(iii)炭素数16以下の少なくとも1種の脂肪族ジカルボン酸の残基0〜10モル%
を含むジカルボン酸成分;並びに
(b)(i)2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール残基20〜35モル%;
(ii)シクロヘキサンジメタノール残基65〜80モル%
を含むジオール成分
を含む少なくとも1種のコポリエステル(前記ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり且つ前記ジオール成分の総モル%は100モル%である)と
(II)燐酸アルキルエステル、燐酸アリールエステル、燐酸アルキルアリール混合エステル、それらの反応生成物及びそれらの混合物のうち少なくとも1種から選ばれた少なくとも1種の熱安定剤
を含んでなり、前記コポリエステルが100〜125℃のTgを有するコポリエステル組成物の製造に使用できる。
【0072】
一態様において、本発明の方法は、
(I)(a)(i)テレフタル酸残基70〜100モル%;
(ii)炭素数20以下の少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸の残基0〜30モル%;及び
(iii)炭素数16以下の少なくとも1種の脂肪族ジカルボン酸の残基0〜10モル%
を含むジカルボン酸成分;並びに
(b)(i)2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール残基20〜35モル%;
(ii)シクロヘキサンジメタノール残基65〜80モル%
を含むジオール成分
を含む少なくとも1種のコポリエステル(前記ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり且つ前記ジオール成分の総モル%は100モル%である)と
(II)燐酸アルキルエステル、燐酸アリールエステル、燐酸アルキルアリール混合エステル、それらの反応生成物及びそれらの混合物のうち少なくとも1種から選ばれた少なくとも1種の熱安定剤
を含んでなり、前記コポリエステルのインヘレント粘度が、25℃において60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中で0.25g/50mlの濃度で測定した場合に、0.55〜0.75dL/gであり且つ前記コポリエステルが100〜125℃のTgを有するコポリエステル組成物の製造に使用できる。
【0073】
一態様において、本発明の方法は、
(I)(a)(i)テレフタル酸残基70〜100モル%;
(ii)炭素数20以下の少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸の残基0〜30モル%;及び
(iii)炭素数16以下の少なくとも1種の脂肪族ジカルボン酸の残基0〜10モル%
を含むジカルボン酸成分;並びに
(b)(i)2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール残基20〜35モル%;
(ii)シクロヘキサンジメタノール残基65〜80モル%
を含むジオール成分
を含む少なくとも1種のコポリエステル(前記ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり且つ前記ジオール成分の総モル%は100モル%である)と
(II)燐酸アルキルエステル、燐酸アリールエステル、燐酸アルキルアリール混合エステル、それらの反応生成物及びそれらの混合物のうち少なくとも1種から選ばれた少なくとも1種の熱安定剤
を含んでなり、前記コポリエステルのインヘレント粘度が、25℃において60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中で0.25g/50mlの濃度で測定した場合に、0.55〜0.80dL/gであり且つ前記コポリエステルが95〜150℃のTgを有するコポリエステル組成物の製造に使用できる。
【0074】
一態様において、本発明の方法は、
(I)(a)(i)テレフタル酸残基70〜100モル%;
(ii)炭素数20以下の少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸の残基0〜30モル%;及び
(iii)炭素数16以下の少なくとも1種の脂肪族ジカルボン酸の残基0〜10モル%
を含むジカルボン酸成分;並びに
(b)(i)2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール残基20〜25モル%;
(ii)シクロヘキサンジメタノール残基75〜80モル%
を含むジオール成分
を含む少なくとも1種のコポリエステル(前記ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり且つ前記ジオール成分の総モル%は100モル%である)と
(II)燐酸アルキルエステル、燐酸アリールエステル、燐酸アルキルアリール混合エステル、それらの反応生成物及びそれらの混合物のうち少なくとも1種から選ばれた少なくとも1種の熱安定剤
を含んでなり、前記コポリエステルのインヘレント粘度が、25℃において60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中で0.25g/50mlの濃度で測定した場合に、0.69〜0.75dL/gであるコポリエステル組成物の製造に使用できる。
【0075】
一態様において、本発明の方法は、
(I)(a)(i)テレフタル酸残基70〜100モル%;
(ii)炭素数20以下の少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸の残基0〜30モル%;及び
(iii)炭素数16以下の少なくとも1種の脂肪族ジカルボン酸の残基0〜10モル%
を含むジカルボン酸成分;並びに
(b)(i)2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール残基20〜25モル%;
(ii)シクロヘキサンジメタノール残基75〜80モル%
を含むジオール成分
を含む少なくとも1種のコポリエステル(前記ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり且つ前記ジオール成分の総モル%は100モル%である)と
(II)燐酸アルキルエステル、燐酸アリールエステル、燐酸アルキルアリール混合エステル、それらの反応生成物及びそれらの混合物のうち少なくとも1種から選ばれた少なくとも1種の熱安定剤
を含んでなり、前記コポリエステルが105〜112℃のTgを有するコポリエステル組成物の製造に使用できる。
【0076】
一態様において、本発明の方法は、
(I)(a)(i)テレフタル酸残基70〜100モル%;
(ii)炭素数20以下の少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸の残基0〜30モル%;及び
(iii)炭素数16以下の少なくとも1種の脂肪族ジカルボン酸の残基0〜10モル%
を含むジカルボン酸成分;並びに
(b)(i)2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール残基20〜25モル%;
(ii)シクロヘキサンジメタノール残基75〜80モル%
を含むジオール成分
を含む少なくとも1種のコポリエステル(前記ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり且つ前記ジオール成分の総モル%は100モル%である)と
(II)燐酸アルキルエステル、燐酸アリールエステル、燐酸アルキルアリール混合エステル、それらの反応生成物及びそれらの混合物のうち少なくとも1種から選ばれた少なくとも1種の熱安定剤
を含んでなり、前記コポリエステルのインヘレント粘度が、25℃において60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中で0.25g/50mlの濃度で測定した場合に、0.69〜0.75dL/gであり且つ前記コポリエステルが105〜112℃のTgを有するコポリエステル組成物の製造に使用できる。
【0077】
一態様において、本発明の方法は、
(I)(a)(i)テレフタル酸残基70〜100モル%;
(ii)炭素数20以下の少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸の残基0〜30モル%;及び
(iii)炭素数16以下の少なくとも1種の脂肪族ジカルボン酸の残基0〜10モル%
を含むジカルボン酸成分;並びに
(b)(i)2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール残基30〜35モル%;
(ii)シクロヘキサンジメタノール残基65〜70モル%
を含むジオール成分
を含む少なくとも1種のコポリエステル(前記ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり且つ前記ジオール成分の総モル%は100モル%である)と
(II)燐酸アルキルエステル、燐酸アリールエステル、燐酸アルキルアリール混合エステル、それらの反応生成物及びそれらの混合物のうち少なくとも1種から選ばれた少なくとも1種の熱安定剤
を含んでなり、前記コポリエステルのインヘレント粘度が、25℃において60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中で0.25g/50mlの濃度で測定した場合に、0.61〜0.68dL/gであるコポリエステル組成物の製造に使用できる。
【0078】
一態様において、本発明の方法は、
(I)(a)(i)テレフタル酸残基70〜100モル%;
(ii)炭素数20以下の少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸の残基0〜30モル%;及び
(iii)炭素数16以下の少なくとも1種の脂肪族ジカルボン酸の残基0〜10モル%
を含むジカルボン酸成分;並びに
(b)(i)2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール残基30〜35モル%;
(ii)シクロヘキサンジメタノール残基65〜70モル%
を含むジオール成分
を含む少なくとも1種のコポリエステル(前記ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり且つ前記ジオール成分の総モル%は100モル%である)と
(II)燐酸アルキルエステル、燐酸アリールエステル、燐酸アルキルアリール混合エステル、それらの反応生成物及びそれらの混合物のうち少なくとも1種から選ばれた少なくとも1種の熱安定剤
を含んでなり、前記コポリエステルが114〜120℃のTgを有するコポリエステル組成物の製造に使用できる。
【0079】
一態様において、本発明の方法は、
(I)(a)(i)テレフタル酸残基70〜100モル%;
(ii)炭素数20以下の少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸の残基0〜30モル%;及び
(iii)炭素数16以下の少なくとも1種の脂肪族ジカルボン酸の残基0〜10モル%
を含むジカルボン酸成分;並びに
(b)(i)2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール残基30〜35モル%;
(ii)シクロヘキサンジメタノール残基65〜70モル%
を含むジオール成分
を含む少なくとも1種のコポリエステル(前記ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり且つ前記ジオール成分の総モル%は100モル%である)と
(II)燐酸アルキルエステル、燐酸アリールエステル、燐酸アルキルアリール混合エステル、それらの反応生成物及びそれらの混合物のうち少なくとも1種から選ばれた少なくとも1種の熱安定剤
を含んでなり、前記コポリエステルのインヘレント粘度が、25℃において60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中で0.25g/50mlの濃度で測定した場合に、0.61〜0.68dL/gであり且つ前記コポリエステルが114〜120℃のTgを有するコポリエステル組成物の製造に使用できる。
【0080】
一態様において、本発明の方法は、
(I)(a)(i)テレフタル酸残基70〜100モル%;
(ii)炭素数20以下の少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸の残基0〜30モル%;及び
(iii)炭素数16以下の少なくとも1種の脂肪族ジカルボン酸の残基0〜10モル%
を含むジカルボン酸成分;並びに
(b)(i)2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール残基20〜35モル%;
(ii)シクロヘキサンジメタノール残基65〜80モル%
を含むジオール成分
を含む少なくとも1種のコポリエステル(前記ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり且つ前記ジオール成分の総モル%は100モル%である)と
(II)燐酸アルキルエステル、燐酸アリールエステル、燐酸アルキルアリール混合エステル、それらの反応生成物及びそれらの混合物のうち少なくとも1種から選ばれた少なくとも1種の熱安定剤
を含んでなり、前記コポリエステルのインヘレント粘度が、25℃において60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中で0.25g/50mlの濃度で測定した場合に、0.55〜0.67dL/gであり且つ前記コポリエステルが105〜120℃のTgを有するコポリエステル組成物の製造に使用できる。
【0081】
一態様において、本発明の方法は、
(I)(a)(i)テレフタル酸残基70〜100モル%;
(ii)炭素数20以下の少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸の残基0〜30モル%;及び
(iii)炭素数16以下の脂肪族ジカルボン酸の残基0〜10モル%
を含むジカルボン酸成分;並びに
(b)(i)2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール残基20〜35モル%;
(ii)シクロヘキサンジメタノール残基65〜80モル%
を含むジオール成分
を含む少なくとも1種のコポリエステル(前記ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり且つ前記ジオール成分の総モル%は100モル%である)と
(II)燐酸アルキルエステル、燐酸アリールエステル、燐酸アルキルアリール混合エステル、それらの反応生成物及びそれらの混合物のうち少なくとも1種から選ばれた少なくとも1種の熱安定剤
を含んでなり、前記コポリエステルが108〜116℃のTgを有するコポリエステル組成物の製造に使用できる。
【0082】
一態様において、本発明の方法は、
(I)(a)(i)テレフタル酸残基70〜100モル%;
(ii)炭素数20以下の少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸の残基0〜30モル%;及び
(iii)炭素数16以下の脂肪族ジカルボン酸の残基0〜10モル%
を含むジカルボン酸成分;並びに
(b)(i)2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール残基21〜25モル%;
(ii)シクロヘキサンジメタノール残基75〜79モル%
を含むジオール成分
を含む少なくとも1種のコポリエステル(前記ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり且つ前記ジオール成分の総モル%は100モル%である)と
(II)燐酸アルキルエステル、燐酸アリールエステル、燐酸アルキルアリール混合エステル、それらの反応生成物及びそれらの混合物のうち少なくとも1種から選ばれた少なくとも1種の熱安定剤
を含んでなり、前記コポリエステルのインヘレント粘度が、25℃において60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中で0.25g/50mlの濃度で測定した場合に、0.6〜0.75dL/gであり且つ前記コポリエステルが100〜120℃のTgを有するコポリエステル組成物の製造に使用できる。
【0083】
一態様において、本発明の方法は、
(I)(a)(i)テレフタル酸残基70〜100モル%;
(ii)炭素数20以下の少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸の残基0〜30モル%;及び
(iii)炭素数16以下の少なくとも1種の脂肪族ジカルボン酸の残基0〜10モル%
を含むジカルボン酸成分;並びに
(b)(i)2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール残基20〜25モル%;
(ii)シクロヘキサンジメタノール残基75〜80モル%
を含むジオール成分
を含む少なくとも1種のコポリエステル(前記ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり且つ前記ジオール成分の総モル%は100モル%である)と
(II)燐酸アルキルエステル、燐酸アリールエステル、燐酸アルキルアリール混合エステル、それらの反応生成物及びそれらの混合物のうち少なくとも1種から選ばれた少なくとも1種の熱安定剤
を含んでなり、前記コポリエステルのインヘレント粘度が、25℃において60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中で0.25g/50mlの濃度で測定した場合に、0.65〜0.75dL/gであり且つ前記コポリエステルが100〜120℃のTgを有するコポリエステル組成物の製造に使用できる。
【0084】
一態様において、本発明の方法は、
(I)(a)(i)テレフタル酸残基70〜100モル%;
(ii)炭素数20以下の少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸の残基0〜30モル%;及び
(iii)炭素数16以下の少なくとも1種の脂肪族ジカルボン酸の残基0〜10モル%
を含むジカルボン酸成分;並びに
(b)(i)2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール残基21〜25モル%;
(ii)シクロヘキサンジメタノール残基75〜79モル%
を含むジオール成分
を含む少なくとも1種のコポリエステル(前記ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり且つ前記ジオール成分の総モル%は100モル%である)と
(II)燐酸アルキルエステル、燐酸アリールエステル、燐酸アルキルアリール混合エステル、それらの反応生成物及びそれらの混合物のうち少なくとも1種から選ばれた少なくとも1種の熱安定剤
を含んでなり、前記コポリエステルのインヘレント粘度が、25℃において60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中で0.25g/50mlの濃度で測定した場合に、0.65〜0.75dL/gであり且つ前記コポリエステルが100〜120℃のTgを有するコポリエステル組成物の製造に使用できる。
【0085】
一態様において、本発明の方法は、
(I)(a)(i)テレフタル酸残基70〜100モル%;
(ii)炭素数20以下の少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸の残基0〜30モル%;及び
(iii)炭素数16以下の少なくとも1種の脂肪族ジカルボン酸の残基0〜10モル%
を含むジカルボン酸成分;並びに
(b)(i)2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール残基21〜25モル%;
(ii)シクロヘキサンジメタノール残基75〜79モル%
を含むジオール成分
を含む少なくとも1種のコポリエステル(前記ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり且つ前記ジオール成分の総モル%は100モル%である)と
(II)燐酸アルキルエステル、燐酸アリールエステル、燐酸アルキルアリール混合エステル、それらの反応生成物及びそれらの混合物のうち少なくとも1種から選ばれた少なくとも1種の熱安定剤
を含んでなり、前記コポリエステルのインヘレント粘度が、25℃において60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中で0.25g/50mlの濃度で測定した場合に、0.7〜0.75dL/gであり且つ前記コポリエステルが100〜120℃のTgを有するコポリエステル組成物の製造に使用できる。
【0086】
一態様において、本発明の方法は、
(I)(a)(i)テレフタル酸残基70〜100モル%;
(ii)炭素数20以下の少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸の残基0〜30モル%;及び
(iii)炭素数16以下の少なくとも1種の脂肪族ジカルボン酸の残基0〜10モル%
を含むジカルボン酸成分;並びに
(b)(i)2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール残基15〜25モル%;
(ii)シクロヘキサンジメタノール残基75〜85モル%
を含むジオール成分
を含む少なくとも1種のコポリエステル(前記ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり且つ前記ジオール成分の総モル%は100モル%である)と
(II)燐酸アルキルエステル、燐酸アリールエステル、燐酸アルキルアリール混合エステル、それらの反応生成物及びそれらの混合物のうち少なくとも1種から選ばれた少なくとも1種の熱安定剤
を含んでなり、前記コポリエステルのインヘレント粘度が、25℃において60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中で0.25g/50mlの濃度で測定した場合に、0.6〜0.75dL/gであり且つ前記コポリエステルが100〜120℃のTgを有するコポリエステル組成物の製造に使用できる。
【0087】
一態様において、本発明の方法は、
(I)(a)(i)テレフタル酸残基70〜100モル%;
(ii)炭素数20以下の少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸の残基0〜30モル%;及び
(iii)炭素数16以下の少なくとも1種の脂肪族ジカルボン酸の残基0〜10モル%
を含むジカルボン酸成分;並びに
(b)(i)2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール残基20〜25モル%;
(ii)シクロヘキサンジメタノール残基75〜80モル%
を含むジオール成分
を含む少なくとも1種のコポリエステル(前記ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり且つ前記ジオール成分の総モル%は100モル%である)と
(II)燐酸アルキルエステル、燐酸アリールエステル、燐酸アルキルアリール混合エステル、それらの反応生成物及びそれらの混合物のうち少なくとも1種から選ばれた少なくとも1種の熱安定剤
を含んでなり、前記コポリエステルのインヘレント粘度が、25℃において60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中で0.25g/50mlの濃度で測定した場合に、0.6〜0.75dL/gであり且つ前記コポリエステルが100〜120℃のTgを有するコポリエステル組成物の製造に使用できる。
【0088】
一態様において、本発明の方法は、
(I)(a)(i)テレフタル酸残基70〜100モル%;
(ii)炭素数20以下の少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸の残基0〜30モル%;及び
(iii)炭素数16以下の少なくとも1種の脂肪族ジカルボン酸の残基0〜10モル%
を含むジカルボン酸成分;並びに
(b)(i)2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール残基21〜25モル%;
(ii)シクロヘキサンジメタノール残基75〜79モル%
を含むジオール成分
を含む少なくとも1種のコポリエステル(前記ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり且つ前記ジオール成分の総モル%は100モル%である)と
(II)燐酸アルキルエステル、燐酸アリールエステル、燐酸アルキルアリール混合エステル、それらの反応生成物及びそれらの混合物のうち少なくとも1種から選ばれた少なくとも1種の熱安定剤
を含んでなり、前記コポリエステルのインヘレント粘度が、25℃において60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中で0.25g/50mlの濃度で測定した場合に、0.6〜0.75dL/gであり且つ前記コポリエステルが100〜120℃のTgを有するコポリエステル組成物の製造に使用できる。
【0089】
一態様において、本発明の方法は、
(I)(a)(i)テレフタル酸残基70〜100モル%;
(ii)炭素数20以下の少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸の残基0〜30モル%;及び
(iii)炭素数16以下の少なくとも1種の脂肪族ジカルボン酸の残基0〜10モル%
を含むジカルボン酸成分;並びに
(b)(i)2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール残基15〜25モル%;
(ii)シクロヘキサンジメタノール残基75〜85モル%
を含むジオール成分
を含む少なくとも1種のコポリエステル(前記ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり且つ前記ジオール成分の総モル%は100モル%である)と
(II)燐酸アルキルエステル、燐酸アリールエステル、燐酸アルキルアリール混合エステル、それらの反応生成物及びそれらの混合物のうち少なくとも1種から選ばれた少なくとも1種の熱安定剤
を含んでなり、前記コポリエステルのインヘレント粘度が、25℃において60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中で0.25g/50mlの濃度で測定した場合に、0.69〜0.75dL/gであり且つ前記コポリエステルが100〜120℃のTgを有するコポリエステル組成物の製造に使用できる。
【0090】
一態様において、本発明の方法は、
(I)(a)(i)テレフタル酸残基70〜100モル%;
(ii)炭素数20以下の少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸の残基0〜30モル%;及び
(iii)炭素数16以下の少なくとも1種の脂肪族ジカルボン酸の残基0〜10モル%
を含むジカルボン酸成分;並びに
(b)(i)2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール残基20〜25モル%;
(ii)シクロヘキサンジメタノール残基75〜80モル%
を含むジオール成分
を含む少なくとも1種のコポリエステル(前記ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり且つ前記ジオール成分の総モル%は100モル%である)と
(II)燐酸アルキルエステル、燐酸アリールエステル、燐酸アルキルアリール混合エステル、それらの反応生成物及びそれらの混合物のうち少なくとも1種から選ばれた少なくとも1種の熱安定剤
を含んでなり、前記コポリエステルのインヘレント粘度が、25℃において60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中で0.25g/50mlの濃度で測定した場合に、0.69〜0.75dL/gであり且つ前記コポリエステルが100〜120℃のTgを有するコポリエステル組成物の製造に使用できる。
【0091】
一態様において、本発明の方法は、
(I)(a)(i)テレフタル酸残基70〜100モル%;
(ii)炭素数20以下の少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸の残基0〜30モル%;及び
(iii)炭素数16以下の少なくとも1種の脂肪族ジカルボン酸の残基0〜10モル%
を含むジカルボン酸成分;並びに
(b)(i)2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール残基21〜25モル%;
(ii)シクロヘキサンジメタノール残基75〜79モル%
を含むジオール成分
を含む少なくとも1種のコポリエステル(前記ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり且つ前記ジオール成分の総モル%は100モル%である)と
(II)燐酸アルキルエステル、燐酸アリールエステル、燐酸アルキルアリール混合エステル、それらの反応生成物及びそれらの混合物のうち少なくとも1種から選ばれた少なくとも1種の熱安定剤
を含んでなり、前記コポリエステルのインヘレント粘度が、25℃において60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中で0.25g/50mlの濃度で測定した場合に、0.69〜0.75dL/gであり且つ前記コポリエステルが100〜120℃のTgを有するコポリエステル組成物の製造に使用できる。
【0092】
一態様において、本発明の方法によって製造されるものは錫原子を含むことができる。別の態様において、本発明の方法によって製造されるコポリエステル及び/又はコポリエステル組成物は少なくとも1種のポリカーボネートを含むことができる。
【0093】
一態様において、本発明の方法によって製造されるコポリエステルは、エチレングリコール残基を含むことができる。別の態様において、本発明の方法によって製造されるコポリエステルは、エチレングリコール残基を含まないことができる。別の態様において、本発明の方法によって製造されるコポリエステルは、添加の方法又は順序に関係なく、少なくとも1種の分岐剤を含むことができる。
【0094】
一態様において、本発明の方法によって製造されるコポリエステルは、1,3−プロパンジオール又は1,4−ブタンジオールを単独で又は組合せて用いて製造できる。他の態様において、1,3−プロパンジオール又は1,4−ブタンジオールを単独で又は組合せて、本発明において有用なコポリエステルの製造方法に使用できる。
【0095】
本発明の一態様において、本発明の一部の方法において有用なシス−2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールのモル%は、50モル%超又は55モル%超又は70モル%超であり、シス−2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールとトランス−2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールの総モル百分率は合計100モル%に等しい。
【0096】
本発明の一態様において、本発明の一部の方法において有用な2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールの異性体のモル%はシス−2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール30〜70モル%若しくはトランス−2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール30〜70モル%、又はシス−2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール40〜60モル%若しくはトランス−2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール40〜60モル%であり、シス−2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールとトランス−2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールの総モル百分率は合計100モル%に等しい。
【0097】
一態様において、本発明の方法によって製造されるコポリエステル及び/又はコポリエステル組成物は、燐原子を含むことができる。別の態様において、本発明の方法によって製造されるコポリエステルは少なくとも1種の燐酸エステルを含むことができる。
【0098】
一態様において、本発明の方法によって製造されるコポリエステルは燐原子と錫原子を含むことができる。別の態様において、本発明の方法によって製造されるコポリエステルのいずれも少なくとも1種の錫化合物と少なくとも1種のチタン化合物を含むことができる。
【0099】
一態様において、本発明の方法によって製造されるコポリエステル組成物のいずれも少なくとも1種の燐酸アリールエステルを含むことができる。別の態様において、本発明の方法によって製造されるコポリエステル組成物のいずれも少なくとも1種の非置換燐酸アリールエステルを含むことができる。更に別の態様において、本発明の方法によって製造されるコポリエステル組成物のいずれもベンジル基で置換されていない少なくとも1種の燐酸アリールエステルを含むことができる。更に別の態様において、本発明の方法によって製造されるコポリエステル組成物のいずれも少なくとも1種の燐酸トリアリールエステルを含むことができる。更に別の態様において、本発明の方法によって製造されるコポリエステル組成物のいずれもベンジル基で置換されていない少なくとも1種の燐酸トリアリールエステルを含むことができる。更に別の態様において、本発明の方法によって製造されるコポリエステル組成物のいずれも少なくとも1種の燐酸アルキルエステルを含むことができる。別の態様において、本発明の方法のいずれも本明細書中に記載した少なくとも1種の錫化合物を含むことができる。
【0100】
一実施態様において、本発明の方法における燐化合物の存在は、最終コポリエステル中の総錫原子対総燐原子の重量比を2〜10:1とすることができる。一実施態様において、本発明の方法における燐化合物の存在は、最終コポリエステル中の総錫原子対総燐原子の重量比を5〜9:1とすることができる。一実施態様において、本発明の方法における燐化合物の存在は、最終コポリエステル中の総錫原子対総燐原子の重量比を6〜8:1とすることができる。一実施態様において、本発明の方法における燐化合物の存在は、最終コポリエステル中の総錫対総燐の重量比を7:1とすることができる。例えば最終コポリエステル中に存在する錫及び燐(元素状錫又は燐)の重量はppmで測定することができ、前記重量比のいずれかの最終コポリエステル中の総錫対燐の重量比とすることができる。
【0101】
一実施態様において、本発明の方法によって製造される最終コポリエステル中の錫の量は、最終コポリエステルの重量に基づき、錫15〜400ppmであることができる。別の実施態様において、本発明の方法によって製造される最終コポリエステル中の錫の量は、最終コポリエステルの重量に基づき、錫25〜400ppmであることができる。更に別の実施態様において、本発明の方法によって製造される最終コポリエステル中の錫の量は、最終コポリエステルの重量に基づき、錫40〜200ppmであることができる。更に別の実施態様において、本発明の方法によって製造される最終コポリエステル中の錫の量は、最終コポリエステルの重量に基づき、錫50〜125ppmであることができる。
【0102】
一実施態様において、本発明の方法によって製造される最終コポリエステル中の燐の量は、最終コポリエステルの重量に基づき、燐1〜100ppmであることができる。別の実施態様において、本発明の方法によって製造される最終コポリエステル中の燐の量は、最終コポリエステルの重量に基づき、燐4〜60ppmであることができる。更に別の実施態様において、本発明の方法によって製造される最終コポリエステル中の燐の量は、最終コポリエステルの重量に基づき、燐6〜20ppmであることができる。
【0103】
一実施態様において、本発明の方法によって製造される最終コポリエステル中の燐の量は、最終コポリエステルの重量に基づき、燐1〜100ppmであることができ且つ最終コポリエステル中の錫の量は、最終コポリエステルの重量に基づき、錫15〜400ppmであることができる。別の実施態様において、本発明の方法によって製造される最終コポリエステル中の燐の量は、最終コポリエステルの重量に基づき、燐1〜100ppmであることができ且つ最終コポリエステル中の錫の量は、最終コポリエステルの重量に基づき、錫25〜400ppmであることができる。更に別の実施態様において、本発明の方法によって製造される最終コポリエステル中の燐の量は、最終コポリエステルの重量に基づき、燐4〜60ppmであることができ且つ最終コポリエステル中の錫の量は、最終コポリエステルの重量に基づき、錫40〜200ppmであることができる。更に別の実施態様において、本発明の方法によって製造される最終コポリエステル中の燐の量は、最終コポリエステルの重量に基づき、燐6〜20ppmであることができ且つ本発明の方法によって製造される最終コポリエステル中の錫の量は、最終コポリエステルの重量に基づき、錫50〜125ppmであることができる。
【0104】
本発明の方法によって製造されるコポリエステルは約85〜約200℃のガラス転移温度を有することができる。ガラス転移温度の更なる例としては、約100〜約120℃、約105〜約115℃及び約110〜約120℃が挙げられる。コポリエステルのガラス転移温度(Tg)は、Thermal Analyst Instrument製のTA DSC 2920走査熱量計を用いて、20℃/分の走査速度で測定できる。
【0105】
本発明の方法によって製造される熱可塑性コポリエステルは、典型的には、少なくとも0.1dL/gのインヘレント粘度(ここでは「IV」と略記する)を有する。IV範囲の他の例としては、約0.4〜1.2dL/g及び約0.4〜約1dL/gが挙げられる。本発明の実施態様の場合は、本発明の方法によって製造されるコポリエステルは、25℃において60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中で0.25g/50mlの濃度で測定した場合に、以下のインヘレント粘度:0.10〜1.2dL/g;0.10〜1.1dL/g;0.10〜1dL/g;0.10dL/g〜1dL/g未満;0.10〜0.98dL/g;0.10〜0.95dL/g;0.10〜0.90dL/g;0.10〜0.85dL/g;0.10〜0.80dL/g;0.10〜0.75dL/g;0.10dL/g〜0.75dL/g未満;0.10〜0.72dL/g;0.10〜0.70dL/g;0.10dL/g〜0.70dL/g未満;0.10〜0.68dL/g;0.10dL/g〜0.68dL/g未満;0.10〜0.65dL/g;0.10〜0.6dL/g;0.10〜0.55dL/g;0.10〜0.5dL/g;0.10〜0.4dL/g;0.10〜0.35dL/g;0.20〜1.2dL/g;0.20〜1.1dL/g;0.20〜1dL/g;0.20dL/g〜1dL/g未満;0.20〜0.98dL/g;0.20〜0.95dL/g;0.20〜0.90dL/g;0.20〜0.85dL/g;0.20〜0.80dL/g;0.20〜0.75dL/g;0.20dL/g〜0.75dL/g未満;0.20〜0.72dL/g;0.20〜0.70dL/g;0.20dL/g〜0.70dL/g未満;0.20〜0.68dL/g;0.20dL/g〜0.68dL/g未満;0.20〜0.65dL/g;0.20〜0.6dL/g;0.20〜0.55dL/g;0.20〜0.5dL/g;0.20〜0.4dL/g;0.20〜0.35dL/g;0.35〜1.2dL/g;0.35〜1.1dL/g;0.35〜1dL/g;0.35dL/g〜1dL/g未満;0.35〜0.98dL/g;0.35〜0.95dL/g;0.35〜0.90dL/g;0.35〜0.85dL/g;0.35〜0.80dL/g;0.35〜0.75dL/g;0.35dL/g〜0.75dL/g未満;0.35〜0.72dL/g;0.35〜0.70dL/g;0.35dL/g〜0.70dL/g未満;0.35〜0.68dL/g;0.35dL/g〜0.68dL/g未満;0.35〜0.65dL/g;0.40〜1.2dL/g;0.40〜1.1dL/g;0.40〜1dL/g;0.40dL/g〜1dL/g未満;0.40〜0.98dL/g;0.40〜0.95dL/g;0.40〜0.90dL/g;0.40〜0.85dL/g;0.40〜0.80dL/g;0.40〜0.75dL/g;0.40dL/g〜0.75dL/g未満;0.40〜0.72dL/g;0.40〜0.70dL/g;0.40dL/g〜0.70dL/g未満;0.40〜0.68dL/g;0.40dL/g〜0.68dL/g未満;0.40〜0.65dL/g;0.42dL/g超〜1.2dL/g;0.42dL/g超〜1.1dL/g;0.42dL/g超〜1dL/g;0.42dL/g超〜1dL/g未満;0.42dL/g超〜0.98dL/g;0.42dL/g超〜0.95dL/g;0.42dL/g超〜0.90dL/g;0.42dL/g超〜0.85dL/g;0.42dL/g超〜0.80dL/g;0.42dL/g超〜0.75dL/g;0.42dL/g超〜0.75dL/g未満;0.42dL/g超〜0.72dL/g;0.42dL/g超〜0.70dL/g;0.42dL/g超〜0.70dL/g未満;0.42dL/g超〜0.68dL/g;0.42dL/g超〜0.68dL/g未満;及び0.42dL/g超〜0.65dL/gの少なくとも1つを示すことができる。
【0106】
本発明の実施態様の場合には、本発明において有用なコポリエステルは、25℃において60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中で0.25g/50mlの濃度で測定した場合に、以下のインヘレント粘度:0.45〜1.2dL/g;0.45〜1.1dL/g;0.45〜1dL/g;0.45〜0.98dL/g;0.45〜0.95dL/g;0.45〜0.90dL/g;0.45〜0.85dL/g;0.45〜0.80dL/g;0.45〜0.75dL/g;0.45dL/g〜0.75dL/g未満;0.45〜0.72dL/g;0.45〜0.70dL/g;0.45dL/g〜0.70dL/g未満;0.45〜0.68dL/g;0.45dL/g〜0.68dL/g未満;0.45〜0.65dL/g;0.50〜1.2dL/g;0.50〜1.1dL/g;0.50〜1dL/g;0.50dL/g〜1dL/g未満;0.50〜0.98dL/g;0.50〜0.95dL/g;0.50〜0.90dL/g;0.50〜0.85dL/g;0.50〜0.80dL/g;0.50〜0.75dL/g;0.50dL/g〜0.75dL/g未満;0.50〜0.72dL/g;0.50〜0.70dL/g;0.50dL/g〜0.70dL/g未満;0.50〜0.68dL/g;0.50dL/g〜0.68dL/g未満;0.50〜0.65dL/g;0.55〜1.2dL/g;0.55〜1.1dL/g;0.55〜1dL/g;0.55dL/g〜1dL/g未満;0.55〜0.98dL/g;0.55〜0.95dL/g;0.55〜0.90dL/g;0.55〜0.85dL/g;0.55〜0.80dL/g;0.55〜0.75dL/g;0.55dL/g〜0.75dL/g未満;0.55〜0.72dL/g;0.55〜0.70dL/g;0.55dL/g〜0.70dL/g未満;0.55〜0.68dL/g;0.55dL/g〜0.68dL/g未満;0.55〜0.67dL/g;0.55〜0.65dL/g;0.58〜1.2dL/g;0.58〜1.1dL/g;0.58〜1dL/g;0.58dL/g〜1dL/g未満;0.58〜0.98dL/g;0.58〜0.95dL/g;0.58〜0.90dL/g;0.58〜0.85dL/g;0.58〜0.80dL/g;0.58〜0.75dL/g;0.58dL/g〜0.75dL/g未満;0.58〜0.72dL/g;0.58〜0.70dL/g;0.58dL/g〜0.70dL/g未満;0.58〜0.68dL/g;0.58dL/g〜0.68dL/g未満;0.58〜0.65dL/g;0.60〜1.2dL/g;0.60〜1.1dL/g;0.60〜1dL/g;0.60dL/g〜1dL/g未満;0.60〜0.98dL/g;0.60〜0.95dL/g;0.60〜0.90dL/g;0.60〜0.85dL/g;0.60〜0.80dL/g;0.60〜0.75dL/g;0.60dL/g〜0.75dL/g未満;0.60〜0.72dL/g;0.60〜0.70dL/g;0.60dL/g〜0.70dL/g未満;0.60〜0.68dL/g;0.50dL/g〜0.68dL/g未満;0.60〜0.65dL/g;0.60〜0.64dL/g;0.61〜0.68dL/g;0.64〜0.65dL/g;0.65〜1.2dL/g;0.65〜1.1dL/g;0.65〜1dL/g;0.65dL/g〜1dL/g未満;0.65〜0.98dL/g;0.65〜0.95dL/g;0.65〜0.90dL/g;0.65〜0.85dL/g;0.65〜0.80dL/g;0.65〜0.75dL/g;0.65dL/g〜0.75dL/g未満;0.65〜0.72dL/g;0.65〜0.70dL/g及び0.65dL/g〜0.70dL/g未満の少なくとも1つを示すことができる。
【0107】
一実施態様において、本発明において有用な方法によって製造されるポリエステル及び/又は本発明の製造品は以下の密度:23℃において1.3g/ml未満の密度;23℃において1.2g/ml未満の密度;23℃において1.18g/ml未満の密度;23℃において0.70〜1.2g/mlの密度;23℃において0.70〜1.3g/mlの密度;23℃において0.70g/ml〜1.2g/ml未満の密度;23℃において0.75〜1.2g/mlの密度;23℃において0.75g/ml〜1.2g/ml未満の密度;23℃において0.80〜1.2g/mlの密度;23℃において0.80g/ml〜1.2g/ml未満の密度;23℃において0.90〜1.2g/mlの密度;23℃において1.0〜1.2g/mlの密度;23℃において1.0〜1.3g/mlの密度;23℃において1.1〜1.2g/mlの密度;23℃において1.1g/ml〜1.2g/ml未満の密度;23℃において1.13〜1.3g/mlの密度;23℃において1.13〜1.2g/mlの密度;23℃において0.80〜1.18g/mlの密度;23℃において0.80g/ml〜1.18g/ml未満の密度;23℃において1.0g/ml〜1.18g/ml未満の密度;23℃において1.1g/ml〜1.18g/ml未満の密度の少なくとも1つを示すことができる。
【0108】
本発明の一実施態様において、熱可塑性コポリエステルは、約0.5〜約0.8dL/gのインヘレント粘度、約100〜約120℃のTgを有し、且つ(a)100モル%のテレフタル酸の残基を含む二酸残基;並びに(b)約20〜約40モル%の2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールの残基及び約60〜約80モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールの残基を含むジオール残基;(c)最終ポリエステルの総重量に基づき、1〜100ppmの燐;並びに(d)最終コポリエステルの重量に基づき、15〜400ppmの錫を含んでなる。
【0109】
更に別の実施態様において、本発明は、また、少なくとも1種のジアルキルテレフタル酸エステルを含むジエステル組成物を、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールを含む第1ジオール成分及び1,4−シクロヘキサンジメタノールを含む第2ジオール成分を含むジオール組成物と反応させることを含んでなるコポリエステルの製造方法であって、前記反応が、
(i)前記第1ジオール成分を前記ジエステル組成物と反応させて、前記ジオール組成物中の前記2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールの総モルに基づき、少なくとも50モル%の前記2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールの転化率でポリエステルオリゴマーを形成し;
(ii)前記第2ジオール成分を工程(i)の前記ポリエステルオリゴマーと反応させて改質ポリエステルオリゴマーを形成し;そして
(iii)前記改質ポリエステルオリゴマーを加熱して、約0.4〜約1dL/gのインヘレント粘度を有する熱可塑性ランダムコポリエステルを形成する、
前記ジオール組成物中の全ジオール対前記ジエステル組成物中の全ジエステルのモル比が約1.1〜約1.5である方法を提供する。前記方法は前述のようなジオール及びジエステル成分、プロセス条件、コポリエステル、熱安定剤、触媒、ガラス転移温度、IVなどの種々の実施態様を含むと理解される。前記反応の工程(i)におけるTMCDのポリエステルオリゴマーへの転化率は、ジオール組成物中のTMCDの総モルに基づき、少なくとも50モル%である。
【0110】
ジオール組成物中の全ジオール対ジエステル組成物中の全ジエステルのモル比は約1.1〜約1.5である。総ジオール:ジエステルモル比の更なる例は約1.1〜約1.4、約1.1〜約1.3、約1.1〜約1.2、1.15〜約1.45、約1.15〜約1.40、約1.15〜約1.35、約1.15〜約1.3、約1.15〜約1.25、約1.15〜約1.2、約1.2〜約1.45、約1.2〜約1.4、約1.2〜約1.35、約1.2〜約1.3及び約1.2〜約1.25である。本発明の方法において使用できる総ジオール:ジエステルモル比のいくつかの更なる具体例は1.1、1.12、1.13、1.15、1.17、1.20、1.22、1.25、1.27、1.30、1.32、1.35、1.37、1.40、1.43、1.45及び1.50である。この方法は、約0.4〜約1dL/gのIVを有する熱可塑性ランダムコポリエステルを生成することができる。例えば、一実施態様において、熱可塑性コポリエステルは少なくとも0.4dL/gのIVを有することができる。本発明の方法によって製造されるコポリエステルの他のIV範囲の例は約0.50〜約0.80dL/g及び約0.50〜約0.75dL/gである。IVの値及び範囲の更なる例については、本明細書中で前述した。
【0111】
前述のように、ジエステル組成物はテレフタル酸のジアルキルエステルを含む。ジアルキルエステルは炭素数1〜8の第一アルコールの残基を含むことができる。第一アルコールの例としては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアルコール、ペンチルアルコール、ヘキシルアルコール及び2−エチルヘキシルアルコールが挙げられるが、これらに限定するものではない。例えば、ジエステル組成物は、ジエステル組成物中のジエステルの総モルに基づき、約100モル%のテレフタル酸ジメチルを含むことができる。ジエステル組成物は更に、ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、イソフタル酸及びそれらの組合せから選ばれた1種又はそれ以上のジカルボン酸ジエステルを含むことができる。前記ジカルボン酸ジエステルの他に、ジエステル成分は更に、1種又はそれ以上の改質用ジカルボン酸ジエステルを含むことができる。改質用ジカルボン酸ジエステルの例としては、フマル酸、コハク酸、アジピン酸、グルタル酸、アゼライン酸、セバシン酸、レゾルシノール二酢酸、ジグリコール酸、4,4’−オキシビス(安息香酸)、ビフェニルジカルボン酸、4,4’−メチレンジ安息香酸、トランス−4,4’−スチルベンジカルボン酸及びスルホイソフタル酸のジエステルが挙げられるが、これらに限定するものではない。例えば、ジエステル組成物は、テレフタル酸のジエステルに加えて、イソフタル酸の少なくとも1種のジアルキルエステルを更に含むことができる。
【0112】
ジオール組成物は、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールを含む第1ジオール成分及び1,4−シクロヘキサンジメタノールを含む第2ジオール成分を含んでなる。CHDM及びTMCDは純粋なシス若しくはトランス異性体として又はシス異性体とトランス異性体の混合物として使用できる。CHDM及びTMCDの他に、本発明の方法はネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、ポリアルキレングリコール及びそれらの組合せから選ばれた1種又はそれ以上のグリコールをポリエステルオリゴマー又は改質ポリエステルオリゴマーと反応させることを更に含むことができる。
【0113】
第1ジオール成分は、ジオール組成物中の2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールの総モルに基づき、約70〜約100モル%の2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール及びジオール組成物中の1,4−シクロヘキサンジメタノールの総モルに基づき、0〜約80モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールを含むことができる。第1ジオール成分内のTMCDのモル百分率の他の例は、ジオール組成物中のTMCDの総モルに基づき、75、80、85、90及び95モル%である。第1ジオール成分内のCHDMのモル百分率の更なる例は、ジオール組成物中のCHDMの総モルに基づき、5、10,15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70及び75モル%である。一実施態様において、例えば、第1ジオール成分は、ジオール組成物中のTMCDの総モルに基づき、約100モル%の2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール及びジオール組成物中の総CHDMに基づき、約60〜約80モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールを含むことができる。
【0114】
第2ジオール成分は、ジオール組成物中の1,4−シクロヘキサンジメタノールの総モルに基づき、約20〜約100モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノール及びジオール組成物中の2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールの総モルに基づき、0〜約30モル%の2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールを含むことができる。ジオール組成物中のCHDMの総モルに基づく第2ジオール成分中のCHDMのモル百分率の更なる例は25、30、35、40,45、50、55、60、65、70、75、80、85、90及び95モル%である。ジオール組成物中のTMCDの総モルに基づく第2ジオール成分中のTMCDのモル百分率の更なる例は、5、10、15、20及び25モル%である。更なる例において、第2ジオール成分は、ジオール組成物中のCHDMの総モルに基づき、約20〜約40モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールを含むことができる。
【0115】
ジエステル組成物と第1及び第2ジオール組成物との反応は前述のようにインクレメント方式で実施できる。例えば、この方法は、更に、工程(i)においてジエステル組成物に第1ジオール成分をインクレメント方式で添加し、工程(ii)においてポリエステルオリゴマーに第2ジオール成分をインクレメント方式で添加し、又はその組合せを行うことを含んでなることができる。例えば、本発明の一実施態様において、工程(i)及び(ii)における第1及び第2ジオール成分の添加は、それぞれ、2段階又はそれ以上で実施する。前述のように、ジエステル組成物は、また、インクレメント方式でジオール成分の1種又はそれ以上と反応させることもできるし、或いは反応ゾーンに加えることもできる。別の実施態様において、工程(i)及び(ii)における第1及び第2ジオール成分の添加は、それぞれ、連続的に実施する。反応温度、圧力及び滞留時間は前述した通りである。
【0116】
また、前述のように、両工程の反応は、例えばチタン、錫、アンチモン、ゲルマニウムの種々の化合物及びそれらの混合物のような適切な触媒によって触媒できる。一態様において、本発明の任意の方法は少なくとも1種の錫化合物並びに任意的にチタン、ガリウム、亜鉛、アンチモン、コバルト、マンガン、マグネシウム、ゲルマニウム、リチウム、アルミニウム化合物並びに水酸化リチウム若しくは水酸化ナトリウムを含むアルミニウム化合物から選ばれた少なくとも1種の触媒を含むことができる。典型的には、触媒は1〜500ppmの範囲で存在できる。本発明において有用な触媒の例としては、ブチル錫トリス−2−エチルヘキサノエート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫オキサイド及びジメチル錫オキサイドの1種又はそれ以上が挙げられるが、これらに限定するものではない。燐化合物阻害剤も任意的に使用できる。例えば触媒は少なくとも1種の錫化合物を含むことができる。別の実施態様においては、本発明において有用なコポリエステルの製造方法のいずれもを、少なくとも1種の錫化合物及び少なくとも1種のチタン化合物を含む触媒を用いて準備できる。
【0117】
本発明の方法は、場合によっては、燐化合物を含む熱安定剤を含むことができる。例えば、本発明において有用な燐化合物は燐酸、亜燐酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、亜ホスホン酸、並びにそれらの種々のエステル及び塩を含むことができる。エステルはアルキル、分岐鎖アルキル、置換アルキル、二官能価アルキル、アルキルエーテル、アリール及び置換アリールであることができる。例えば、熱安定剤は、置換若しくは非置換燐酸アルキルエステル、置換若しくは非置換燐酸アリールエステル、置換若しくは非置換燐酸アルキルアリール混合エステル、ジホスファイト、燐酸の塩、ホスフィンオキサイド、及び亜燐酸アルキルアリール混合エステル、それらの反応生成物並びにそれらの混合物のうち少なくとも1種から選ばれた少なくとも1種の化合物を含むことができる。燐酸エステルは、燐酸が完全にエステル化された又は一部分だけエステル化されたエステルを含む。一実施態様において、熱安定剤は燐酸トリアリールを含むことができる。別の実施態様において、熱安定剤は燐酸トリアリール及び/又は燐酸アルキルアリール混合エステルを含むことができる。更に別の態様において、熱安定剤は、燐酸トリフェニル及び/又はMerpol Aの使用を含むことができる。更に別の態様において、本発明の熱安定剤は燐酸トリフェニルを含むことができる。
【0118】
本発明の方法によって製造されるコポリエステルは、典型的には、二酸残基の総モルに基づき、約60〜約100モル%のテレフタル酸、イソフタル酸又はそれらの組合せの残基;並びにジオール残基の総モルに基づき、約10〜約90モル%の、1,4−シクロヘキサンジメタノールの残基及び約10〜約90モル%の2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールの残基を含むことができる。CHDM及びTMCDの他に、コポリエステルは、約0〜約80モル%の、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、ポリアルキレングリコール又はそれらの組合せから選ばれた1種又はそれ以上のジオールの残基を含むことができる。
【0119】
例えば、熱可塑性コポリエステルは、総二酸残基に基づき、約80〜100モル%のテレフタル酸の残基並びに総ジオール残基に基づき、約85モル%〜50モル%超の1,4−シクロヘキサンジメタノールの残基及び約15モル%〜50モル%未満の2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールの残基を含むことができる。別の例において、コポリエステルは(a)約70〜約100モル%のテレフタル酸の残基、0〜30モル%の炭素数20以下の少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸の残基及び0〜約10モル%の炭素数16以下の少なくとも1種の脂肪族ジカルボン酸の残基を含む二酸残基;並びに(b)約20〜約40モル%の2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールの残基及び約60〜約80モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールの残基を含むジオール残基を含むことができる。別の例において、コポリエステルは、約95モル%のテレフタル酸の残基及び約5モル%のイソフタル酸の残基を含むことができる。更に別の例において、コポリエステルは約100モル%のテレフタル酸の残基を含むことができる。本発明の方法によって製造できるコポリエステル組成物のいくつかの更なる例は約70〜約100モル%のテレフタル酸の残基、0〜約30モル%の炭素数20以下の少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸の残基及び0〜約10モル%の炭素数16以下の少なくとも1種の脂肪族ジカルボン酸の残基を含む二酸残基;並びに(a)約20〜約35モル%の2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールの残基及び約65〜約80モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールの残基;(b)約30〜約40モル%の2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールの残基及び約60〜約70モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールの残基;(c)約20〜約25モル%の2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールの残基及び約75〜約80モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールの残基;(d)約30〜約35モル%の2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールの残基及び65〜70モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールの残基を含むジオール残基を含むものである。
【0120】
本発明の一実施態様において、熱可塑性コポリエステルは約0.5〜約0.8dL/gのインヘレント粘度、約100〜約120℃のTgを有し、且つ(a)100モル%のテレフタル酸の残基を含む二酸残基;並びに(b)約20〜約40モル%の2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールの残基及び約60〜約80モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールの残基を含むジオール残基;(c)最終コポリエステルの総重量に基づき、1〜100ppmの燐;並びに(d)最終コポリエステルの重量に基づき、15〜400ppmの錫を含んでなる。
【0121】
更に別の実施態様において、本発明はテレフタル酸ジメチルを含むジエステル組成物を、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールを含む第1ジオール成分及び1,4−シクロヘキサンジメタノールを含む第2ジオール成分を含むジオール組成物と反応させることを含んでなるコポリエステルの製造方法であって、前記反応が、
(i)前記ジオール組成物中の2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール総モルに基づき、約100モル%の2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール及び前記ジオール組成物中の1,4−シクロヘキサンジメタノールの総モルに基づき、30〜約80モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールを含む第1ジオール成分を前記ジエステル成分と反応させて、前記ジオール組成物中の前記2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールの総モルに基づき、少なくとも50モル%の前記2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールの転化率でポリエステルオリゴマーを形成し;
(ii)前記ジオール組成物中の1,4−シクロヘキサンジメタノールの総モルに基づき、約20〜約70モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールを含む前記第2ジオール成分を工程(i)の前記ポリエステルオリゴマーと反応させて改質ポリエステルオリゴマーを形成し;そして
(iii)前記改質ポリエステルオリゴマーを加熱して、約0.4〜約1.0dL/gのインヘレント粘度を有する熱可塑性ランダムコポリエステルを形成する、
前記ジオール組成物中の全ジオール対前記ジエステル組成物中の全ジエステルのモル比が約1.1〜約1.5である方法を提供する。ジオール及びジエステル成分、プロセス条件、触媒、熱安定剤、IV、ガラス転移温度、モル比、コポリエステルなどの種々の実施態様は前述した通りである。
【実施例】
【0122】
本発明を以下の例によって更に説明する。インヘレント粘度(IV)は、ASTM Method D4603に記載された標準法に従って、25℃において60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中で0.25g/50mlの濃度で測定した。本発明の最終コポリエステル中の触媒及び燐濃度は、当業界で知られた標準法を用いて、螢光X線によって測定した。それを、最終ポリマーの総重量に基づいて、元素ベースでppmで報告してある。ポリマー組成は、クロロホルム−トリフルオロ酢酸(70/30vol/vol)溶液中の1H NMR(JEOL Eclipse Plus 600MHzスペクトロメーター)によって、当業者によく知られたピーク積分技法を用いて算出した。オリゴマーへのTMCD転化率もまた、1H NMRによって、ロックのためのクロロホルム−dに加えて60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン溶媒を用いて測定した。TMCDグリコール共鳴に関するピーク指定(エステルカルボニル基に隣接するプロトンについて)は、モデルのTMCDのモノ及びジ安息香酸エステルの比較によって行った。これらのモデル化合物は、ポリマー及びオリゴマーサンプルの実際の共鳴位置に極めて近い。転化率は、サンプル中の未反応DMTのピーク積分によって、又は別法として、反応したTMCDジオールのピーク積分によって算出した。全ての例において、特に断らない限り、反応は、割り当てられた時間に達するまで又はポリマーメルトがそれ以上の撹拌をできなくする高粘度に達するまで、表Iに示したプロフィールに従って段階19まで実施した。以下の表中のジオール対ジエステルモル比は、反応に用いたジオール及びジエステルの総モルに基づく。
【0123】
実施例1〜10及び比較例1〜9: テレフタル酸ジメチル(DMT)97.90g、1,1,2,2−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール(TMCD)28.90g、1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)18.25g、最終ポリエステル重量に基づき、約200ppmの錫(ブチル錫トリス(2−エチルヘキサノエート)として反応混合物に添加)及び約30ppmの燐安定剤(燐酸トリフェニルとして反応混合物に添加)を室温で0.5リットルの反応器に装入することによって、テレフタル酸ジメチルのコポリエステルを製造した。反応器には機械的撹拌機、凝縮液除去用のサイドアーム、窒素入口及び熱源(一般に油浴又は金属浴)を装着した。次に、反応器を熱源に浸漬し、表Iに示した出発温度まで急速に上昇させた。下記表Iの段階5までエステル交換を実施した。2番目のCHDM装入材料40.10gを段階6で添加した。この場合の総ジオール対ジエステル供給モル比は1.20:1であった。残りのエステル交換及び重合を、表Iに示した反応プロフィールの段階6〜19で実施した。実施例1の場合には、得られたポリマーは、IVが0.656dl/g、測定Snレベルが230ppm及び測定燐レベルが30ppmであり、良好な明澄度(透明度)を示した。
【0124】
【表1】

【0125】
実施例2〜10及び比較例1〜9は実施例1に関する表Iのプロフィールを用いて同様にして実施したが、段階6に加えたCHDMの量及び最初に添加したTMCDの総量を変えた。CHDMの総添加は約57.7gの一定のままとした。TMCDの添加は総ジオール対エステルモル比が約1.00から1.40まで変化するように変えた。結果の要約を表IIに示す。比較例1〜9は、段階9までに充分なIVを構築できず、不透明な部分的に凝固したメルトとなった。これらの実験は早期に打ち切り、得られた生成物はIV、Sn又はP分析には適さなかった。比較例5も、また、段階9の終了前に部分的に凝固したメルトを形成したが、充分なIVを有する最終ポリマーを生成した。この最終ポリマーは、早期オリゴマー結晶化のために不透明であった。実施例3、7、9及び10は、結晶化の開始のために、段階13の前にクラウディ(cloudy)なメルトを示し、許容され得るIVを有するヘイジー(hazy)なポリマーを生成した(ヘイジネス(haziness)は透明なポリマーを必要とする用途には望ましくない可能性がある)。実施例2、4、5、6及び8は、実施例1と同様に、良好な明澄度を示す0.50dl/g超のIVを有するポリマーを生成した。実施例13は、実施例11の繰り返しであったが、ブチル錫トリス(2−エチルヘキサノエート)ではなく、異なるジメチル錫オキサイドを触媒として用いた。
【0126】
【表2】

【0127】
実施例11〜20及び比較例10〜14: 表Iの反応順序の段階3及び5における滞留時間を27分から55分に増加させた以外は、前述と同様にしてテレフタル酸ジメチルのコポリエステルを製造した。総ジオール対ジエステル供給モル比は1.00から1.40まで変化させた。結果の要約を表IIIに示す。比較例10〜14は、段階9までに不透明な部分的に凝固したメルトを生じ、早期に打ち切った。得られた物質はIV、Sn又はP分析には適さなかった。実施例11〜20は、良好な明澄度を示す0.50dl/g超のIVを有するポリマーを生成した。
【0128】
【表3】

【0129】
実施例21〜38及び比較例15〜20: 段階3及び5の反応温度を210℃に増加させた以外は、実施例11〜20及び比較例10〜14と同様にしてテレフタル酸ジメチルのコポリエステルを製造した。総ジオール対ジエステル供給モル比は1.00から1.20まで変化させた。結果の要約を表IVに示す。比較例15〜20は、段階9の終了までに不透明な部分的に凝固したメルトを生じ、早期に打ち切った。比較例18、19及び20は、全てのモノマーを前もって添加して(段階的なグリコール添加を行わずに)実施し、段階3の終了までに部分的に凝固した。これらの例の場合には、得られた物質は、IV、Sn又はP分析には適さなかった。実施例21及び22は、結晶化の開始により、段階9の終了までにクラウディなメルトを示し、最終ポリマーにおいて若干のヘイジネスを示した。実施例23〜29は良好な明澄度(透明度)を示す0.50dl/g超のIVを有するポリマーを生成した。
【0130】
実施例30、32、33、34及び35は、実施例23の繰り返し試験であった。実施例30及び32は、0.50dl/g超のIVを有するポリマーを生成したが、段階9においてクラウディなメルトを示した。実施例33〜35もまた、段階においてクラウディなメルトを示し、真空制御できなかったために段階17で早期に打ち切った。従って、分析データは得られなかった。実施例31は実施例24の繰り返しであった。実施例31は、0.50dl/g超のIVを有するポリマーを生成したが、段階9においてクラウディなメルトを示した。
【0131】
【表4】

【0132】
実施例36、37及び38は、それぞれ、転化率分析用のオリゴマーサンプルを得るために段階11まで実施した実施例29、23及び26の繰り返し試験であった。サンプルは段階5の最後及び段階11の最後において採取し、1H NMRを用いて分析した。結果を下記表Vに要約する。総ジオール対ジエステル比は、段階6におけるCHDMの最終添加前は1.0:1未満であり、段階6におけるCHDMの添加後は1.0:1より大きかった。DMTの転化率(TMCD及びCHDMを用いたエステル交換)は、1H NMRによって測定した場合、CHDMの最終添加前の段階5の最後では約52〜60%の範囲であり、CHDMの最終添加後の段階11の最後では約89〜91%の範囲であった。同様に、この方法において使用したTMCDの総量を基準とした実施例36、37及び38の段階5の後のTMCDの転化率はそれぞれ63%、63%及び71%であった。段階11の後は、TMCDの転化率はそれぞれ、71%、71%及び73%であった。
【0133】
【表5】

【0134】
実施例39〜43及び比較例21〜23: これらは、実施例セット1(表I)と同一プロフィールを用いて実施した。これらの例は、実験プロトコールを開発していた本発明の初期の実験室試験に相当し、実験データ一式を提供するために以下に記載してある。これらの試験からの結果を下記表VIに要約する。比較例21及び22並びに実施例43においては、燐安定剤(P 30ppmを燐酸トリフェニルとして添加)を用いた。比較例23及び実施例39〜42においては、燐は添加しなかった。比較例21、22及び23並びに実施例39及び40は充分なIVに達しなかった。比較例21並びに実施例39及び40は真空制御の問題を示した。実施例39及び40は結果的に早期に打ち切った。比較例21〜23及び実施例39〜42においては、錫触媒添加にミスがあった;使用した目標添加が、望ましい添加0.15gに対して、0.015gであった。これは実施例41において確認され、測定錫レベルが200ppmの目標値に対して、25ppmであった。実施例41は、燐安定剤を使用しなかったが、0.50dl/gより大きいIVを示した。実施例42は錫触媒(0.15g)の望ましい添加を用いたが、段階13においてクラウディなメルトを示し、それは段階17までに明澄になった。実施例42も、また、段階17まで真空制御の問題を示し、0.50dl/gより大きいIVを示さなかった。実施例43も、また、段階13においてクラウディなメルトを示し、これは段階17までに明澄になった。
【0135】
【表6】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種のジアルキルテレフタル酸エステルを含むジエステル組成物を、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールを含む第1ジオール成分及び1,4−シクロヘキサンジメタノールを含む第2ジオール成分を含むジオール組成物と反応させることを含んでなるコポリエステルの製造方法であって、前記反応が、
(i)前記第1ジオール成分を前記ジエステル組成物と反応させてポリエステルオリゴマーを形成し;
(ii)前記第2ジオール成分を工程(i)の前記ポリエステルオリゴマーと反応させて改質ポリエステルオリゴマーを形成し;そして
(iii)前記改質ポリエステルオリゴマーを加熱して、約0.4〜約1.0dL/gのインヘレント粘度を有する熱可塑性ランダムコポリエステルを形成することを含んでなり、
前記ジエステル組成物中の全ジエステルに対する前記ジオール組成物中の全ジオールのモル比が約1.2〜約1.5であるコポリエステルの製造方法。
【請求項2】
前記方法がネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、ポリアルキレングリコール又はそれらの組合せを、前記ジエステル組成物又は前記ポリエステルオリゴマーと反応させることを更に含んでなる請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ジエステル組成物がナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、イソフタル酸、フマル酸、コハク酸、アジピン酸、グルタル酸、アゼライン酸、セバシン酸、レゾルシノール二酢酸、ジグリコール酸、4,4’−オキシビス(安息香酸)、ビフェニルジカルボン酸、4,4’−メチレンジ安息香酸、トランス−4,4’−スチルベンジカルボン酸及びスルホイソフタル酸から選ばれた1種又はそれ以上のジカルボン酸の少なくとも1種のジアルキルエステルを更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ジエステル組成物がイソフタル酸の少なくとも1種のジアルキルエステルを更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ジオール:ジエステルのモル比が約1.2〜約1.40である請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記熱可塑性ポリエステルが、二酸残基の総モルに基づき、約60〜約100モル%のテレフタル酸、イソフタル酸又はそれらの組合せの残基;並びにジオール残基の総モルに基づき、約10〜約90モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールの残基、約10〜約90モル%の2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールの残基及び0〜約80モル%のネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、ポリアルキレングリコール又はそれらの組合せの残基を含む請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ジアルキルテレフタル酸エステルが炭素数1〜8の第一アルコールの残基を含む請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ジエステル組成物が、前記ジエステル組成物中のジエステルの総モルに基づき、約100モル%のテレフタル酸ジメチルを含む請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記熱可塑性コポリエステルが、総二酸残基に基づき、約80〜約100モル%のテレフタル酸の残基並びに、総ジオール残基に基づき、約85モル%〜50モル%超の1,4−シクロヘキサンジメタノールの残基及び約15モル%〜50モル%未満の2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールの残基を含む請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記熱可塑性コポリエステルが(a)約70〜約100モル%のテレフタル酸の残基、0〜約30モル%の炭素数20以下の少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸の残基及び0〜約10モル%の炭素数16以下の少なくとも1種の脂肪族ジカルボン酸の残基を含む二酸残基;並びに(b)約20〜約40モル%の2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールの残基及び約60〜約80モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールの残基を含むジオール残基を含む請求項6に記載の方法。
【請求項11】
前記ジオール残基が20〜35モル%の2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールの残基及び60〜70モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールの残基を含む請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ジオール残基が30〜40モル%の2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールの残基及び60〜70モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールの残基を含む請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記ジオール残基が20〜25モル%の2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールの残基及び75〜80モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールの残基を含む請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記ジオール残基が30〜35モル%の2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールの残基及び65〜70モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールの残基を含む請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記熱可塑性コポリエステルのインヘレント粘度が約0.5〜約0.80dL/gである請求項9に記載の方法。
【請求項16】
前記熱可塑性コポリエステルのインヘレント粘度が約0.55〜約0.68dL/gである請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記熱可塑性コポリエステルのインヘレント粘度が約0.60〜約0.68dL/gである請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記熱可塑性コポリエステルのインヘレント粘度が約0.65〜約0.75dL/gである請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記熱可塑性コポリエステルのインヘレント粘度が約0.55〜約0.75dL/gである請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記熱可塑性コポリエステルが約100〜約120℃のガラス転移温度を有する請求項19に記載の方法。
【請求項21】
工程(i)及び(ii)を、約180〜約270℃の温度において約45〜約550kPaの絶対圧で、実施する請求項1に記載の方法。
【請求項22】
工程(iii)を、第1及び第2ジオール成分の添加完了後に約220〜約290℃の温度において約0.001〜約55kPaの絶対圧で、実施する請求項1に記載の方法。
【請求項23】
工程(i)において前記ジエステル組成物に前記第1ジオール成分をインクレメント方式で添加し、工程(ii)において前記ポリエステルオリゴマーに前記第2ジオール成分をインクレメント方式で添加し、又はその組合せを行うことを更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項24】
工程(i)及び(ii)における前記第1及び第2ジオール成分の前記添加を、それぞれ、2段階又はそれ以上で実施する請求項23に記載の方法。
【請求項25】
工程(i)及び(ii)における前記第1及び第2ジオール成分の前記添加をそれぞれ連続的に実施する請求項23に記載の方法。
【請求項26】
燐酸アルキルエステル、燐酸アリールエステル、燐酸アルキルアリール混合エステル、それらの反応生成物又はそれらの混合物のうち少なくとも1種を含む熱安定剤の存在下で、実施する請求項1に記載の方法。
【請求項27】
前記熱安定剤が燐酸トリフェニルを含む請求項26に記載の方法。
【請求項28】
少なくとも1種の錫化合物を含む少なくとも1種の触媒の存在下で、実施する請求項1に記載の方法。
【請求項29】
前記熱可塑性コポリエステルが、約0.5〜約0.8dL/gのインヘレント粘度、約100〜約120℃のTgを有し、且つ(a)100モル%のテレフタル酸の残基を含む二酸残基;及び(b)約20〜約40モル%の2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールの残基及び約60〜約80モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールの残基を含むジオール残基;(c)最終コポリエステルの総重量に基づき、1〜100ppmの燐;及び(d)最終コポリエステルの総重量に基づき、15〜400ppmの錫を含む請求項9に記載の方法。
【請求項30】
少なくとも1種のジアルキルテレフタル酸エステルを含むジエステル組成物を、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールを含む第1ジオール成分及び1,4−シクロヘキサンジメタノールを含む第2ジオール成分を含むジオール組成物と反応させることを含んでなるコポリエステルの製造方法であって、前記反応が、
(i)前記第1ジオール成分を前記ジエステル成分と反応させて、前記ジオール組成物中の前記2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールの総モルに基づき、少なくとも50モル%の前記2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールの転化率でポリエステルオリゴマーを形成し;
(ii)前記第2ジオール成分を工程(i)の前記ポリエステルオリゴマーと反応させて改質ポリエステルオリゴマーを形成し;そして
(iii)前記改質ポリエステルオリゴマーを加熱して、約0.4〜約1.0dL/gのインヘレント粘度を有する熱可塑性ランダムコポリエステルを形成することを含んでなり、
前記ジエステル組成物中の全ジエステルに対する前記ジオール組成物中の全ジオールのモル比が約1.1〜約1.5であるコポリエステルの製造方法。

【公表番号】特表2010−526904(P2010−526904A)
【公表日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−507434(P2010−507434)
【出願日】平成20年5月6日(2008.5.6)
【国際出願番号】PCT/US2008/005799
【国際公開番号】WO2008/140705
【国際公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願人】(594055158)イーストマン ケミカル カンパニー (391)
【Fターム(参考)】