説明

2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩の新規な結晶形

【課題】化学的安定性、固体状態の安定性、及び「保存寿命」に優れた2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩の新規な結晶形の提供。
【解決手段】下記の工程例で得られた結晶など:a)2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドを適当な溶媒中に溶解又は懸濁させ、b)メタンスルホン酸を高温で加え、c)溶液又は懸濁液を結晶させて単離する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩及びその新規な結晶形に関する。更に、本発明はまた、該化合物の胃腸疾患の治療への使用、それらを含む薬学的組成物、およびそれらを得る方法に関する。
【背景技術】
【0002】
薬物組成物の配合において、薬物物質は便利に取り扱い及び加工できるような形態であるのが重要である。このことは、商業的に実行可能な製造法を得る観点からだけでなく、引き続く該活性化合物を含む薬学的配合物の製造の観点からも重要である。
更に、経口薬物組成物の製造において、患者に投与後に、信頼できる再現可能な一定の薬物の血漿濃度プロフィールを与えることが重要である。
【0003】
活性成分の化学的安定性、固体状態の安定性、及び「保存寿命」もまた非常に重要な要素である。薬物物質及びそれを含む組成物は、該活性成分の物理化学的特性、例えばその化学組成、密度、吸湿性及び溶解性、に著しい変化を示すことなく、かなりの期間有効に保存することができなければならない。
【0004】
無定形物質はこの点で問題を提起しえる。例えば、かかる物質は典型的には取り扱い及び配合が一層難しく、信頼できない溶解性を与え、そしてしばしば一層不安定であることが見出される。
従って、商業的に実行可能なそして薬学的に許容される薬物組成物の製造において、可能であれば薬物を実質的に結晶性の安定な形態で提供するのが重要である。
【0005】
特許文献1及び特許文献2は、イミダゾピリジン誘導体と呼ばれる多くの化合物を開示し、これらは酸分泌のカリウム競合的遮断剤、P−CABs、である。非特許文献1も参照されたい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際特許出願WO 99/55705
【特許文献2】国際特許出願WO 99/55706
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】N. Vakil, Alimentary Pharmacology & Therapeutics, Volume 19,Issue 10, Page 1041, May 2004
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
驚くべきことに、2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩は1つより多くの結晶形で存在することができることが見出された。結晶形を以後、2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミド メシラート塩のA形、B形、C形、D形、E形、F形、G形及びH形と云い、そしてまた本発明の結晶形とも云う。表記A
、B、C、D、E、F、G及びHはこれらの形態が発見された時間的順番に関し、それらの相対的な熱力学的安定性に関するものではない。
【0009】
異なる結晶形は以後、A形、B形、C形、D形、E形、F形、G形及びH形として表す。これは、2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩の結晶形
AないしHを意味することが理解され、そして読みを容易にしそしてタイプ上の誤記を回避するであろう。
【0010】
従って、本発明の目的は、異なる有利な性質及び/又は効果を有する2,3−ジメチル
−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩の結晶形を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の1つの観点は、2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩のA形を提供することである。
本発明による2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩のA形は、図1に示すように、実質的に下記のd−値を示すX線粉末回折パターンを与えることを特徴とする:
【表1】

【0012】
本発明による2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩のA形は、下記のパラメータを有する単斜晶系単位格子により特徴付けられる:
a=8.6Å,b=18.7Å,c=15.8Å,α=90°,β=113°,γ=90°。
【0013】
本発明による2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩のA形は、図8に示すラマンスペクトルを与えることを特徴とする。18.6を超える相対強度を有するスペクトルのピークが下記のラマンシフト(cm-1)について観察される:
【表2】

【0014】
本発明の更なる観点は、2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩のB形を提供することである。
本発明による2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩のB形は、図2に示すように、実質的に下記のd−値を示すX線粉末回折パターンを与えることを特徴とする:
【表3】

【0015】
本発明による2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩のB形は、下記のパラメータを有する三斜晶系単位格子により特徴付けられる:
a=8.4Å,b=14.2Å,c=19.9Å,α=93°,β=100°,γ=97°。
【0016】
本発明による2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩のB形は、図9に示すラマンスペクトルを与えることを特徴とする。18.6を超える相対強度を有するスペクトルのピークが下記のラマンシフト(cm-1)について観察される:
【表4】

【0017】
本発明の更なる観点は、2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩のC形を提供することである。
本発明による2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩のC形は、図3に示すように、実質的に下記のd−値を示すX線粉末回折パターンを与えることを特徴とする:
【表5】

【0018】
本発明の更なる観点は、2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩のD形を提供することである。
本発明による2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩のD形は、実質的に下記のd−値を示すX線粉末回折パターンを与えることを特徴とする:
【表6】

【0019】
本発明による2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩のD形は、下記のパラメータを有する三斜晶系単位格子により特徴付けられる:
a=8.6Å,b=15.9Å,c=19.4Å,α=70°,β=89°,γ=75°。
【0020】
本発明の更なる観点は、2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩のE形を提供することである。
本発明による2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩のE形は、図4に示すように、実質的に下記のd−値を示すX線粉末回折パターンを与えることを特徴とする:
【表7】

【0021】
本発明の更なる観点は、2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩のF形を提供することである。
本発明による2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩のF形は、図5に示すように、実質的に下記のd−値を示すX線粉末回折パターンを与えることを特徴とする:
【表8】

【0022】
本発明の更なる観点は、2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩のG形を提供することである。
本発明による2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩のG形は、図6に示すように、実質的に下記のd−値を示すX線粉末回折パターンを与えることを特徴とする:
【表9】

【0023】
本発明の更なる観点は、2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩のH形を提供することである。
本発明による2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩のH形は、図7に示すように、実質的に下記のd−値を示すX線粉末回折パターンを与えることを特徴とする:
【表10】

【0024】
ブラッグの式から計算したd−値及び強度で同定される上記のピークは、2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩のそれぞれA形、B形、C形、D形、E形、F形、G形及びH形の回折写真から抜き出した。最も特徴的で、顕著で、明確でそして/又は再現可能な主ピークのみを表に表したが、追加のピークを、慣用法を使用して、回折写真から抜き出すことができる。再現可能で誤差限界内(最後に記載した小数位で±2)のこれらの主ピークの存在は、殆どの場合、該結晶形態の存在を確立するのに十分である。
【0025】
本発明に従って製造される本発明の化合物である2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩A形は、それ自体は公知の技術であるX線粉末回折により分析され、特徴付けられ、そしてB形、C形、D形、E形、F形、G形及びH形から区別される。A形を分析し、特徴付けし、B形のような他の結晶形から区別するための別の適当な技術はラマン分光法による。B形、C形、D形、E形、F形、G形及びH形の分析、特徴付け及び区別は対応する方法で行い得る。
【0026】
2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩A形及び2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩B形は、便利な取り扱い、並びに化学的及び物理的安定性のような有利な性質を示す結晶形である。
【0027】
2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩のA形、B形、C形、D形、E形、F形、G形及びH形、即ち本発明の結晶形を、単一の溶媒、溶媒の混合物、又はその水性混合物中で結晶させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩A形のX線粉末回折写真である。
【図2】2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩B形のX線粉末回折写真である。
【図3】2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩C形のX線粉末回折写真である。
【図4】2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩E形のX線粉末回折写真である。
【図5】2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩F形のX線粉末回折写真である。
【図6】2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩G形のX線粉末回折写真である。
【図7】2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩H形のX線粉末回折写真である。
【図8】2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩A形のラマンスペクトルである。
【図9】2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩B形のラマンスペクトルである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
結晶化に使用される適当な溶媒は、水、低級アルコールのようなアルコール類、ケトン類、エーテル類、エステル類、ハロアルカン類、アルカン類、ハロベンゼン類、脂肪族ニトリル類、及び芳香族溶媒、例えばトルエン又はキシレン、である。しかしながら、この溶媒リストは網羅的ではない。
【0030】
“低級アルコール”の用語は本明細書では直鎖又は分岐鎖のC1−C5アルコール、例えば直鎖又は分岐鎖のC2−C3アルコールを含む。他の例はメタノール、エタノール、イソプロパノール及びブタノールである。
本発明の化合物の、少なくとも1種の溶媒を含む適当な溶媒系からの結晶化は、溶媒の
蒸発、温度の下降、及び/又は非溶媒(即ち、本発明の化合物が低溶解性の溶媒)の添加により溶媒系中に過飽和を実現することにより達成し得る。
結晶化は、本発明の適当な結晶性化合物の結晶の種を播くか又は播かずに開始及び/又は行い得る。
【0031】
本発明の化合物の結晶化は、純粋な2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドから出発して塩のその場での形成により、並びに2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩の任意の形態又は任意の形態の混合物から出発して、達成することができる。
【0032】
無水物、水和物、無溶媒物又は溶媒和物が結晶するか否かは、特定の条件でそれぞれの形態の動力学及び平衡条件に関係する。従って、当業者が理解しえるように、得られる結晶形は、結晶過程の動力学及び熱力学の両方に依存する。ある条件下で(溶媒系、温度、圧力及び本発明の化合物の濃度)、一つの結晶形は他の(又は実際に他のどれよりも)より安定であり得る。しかしながら、相対的に低い熱力学的安定性を有する結晶形は動力学的に好ましいこともある。更に、時間、不純物プロフィール、攪拌、種の存在又は不存在等のような動力学的要因もまた、結晶するのはどの形態かに影響を及ぼし得る。
【0033】
本発明の一つの目的は、2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩のA形、B形、C形、D形、E形、F形、G形及びH形の製造法を提供することである。
【0034】
2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩のA形は、低級アルコール若しくはその混合物、又はその水性混合物からの結晶により得られる。結晶化は高温、即ち40℃以上の温度、好ましくは50℃以上の温度で行われる。
【0035】
2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩のB形は、低級アルコール若しくはその混合物、又はその水性混合物からの結晶化により得られる。結晶化は低温、即ち40℃未満の温度、好ましくは室温、即ち約20℃以下、で行われる。
【0036】
2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラートのC形、D形、及びE形は、水、又は水性低級アルコールからのA形、又はB形との混合物の結晶化で得られる。存在する水の量、並びに工程中の温度に依存して、異なる結晶形C、D及びEが得られる。
【0037】
2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩のF形は、低温、好ましくは室温、最も好ましくは室温未満で行われる水と低級アルコールとの混合物からの結晶化で得られる。
【0038】
2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩のG形及び2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩のH形は、それぞれメタノ
ール又はエタノールからの結晶化で得られる。H形の結晶化は低温、好ましくは室温、最も好ましくは室温未満で行われる。
【0039】
特定の結晶形を実質的に他の結晶形がなく確実に製造するために、結晶化は所望の結晶形の種結晶を播種することにより行うのが好ましい。これは、実施例に記載した特定の結晶形の各々に対して適用される。全ての形態の種は標準的手順、例えば特定の結晶形の繰り返す結晶化、により得られる。
【0040】
本発明に従って得られる2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩のA形及びB形は、2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩の他の結晶形及び非結晶形を実質的に含まない。用語“2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩の他の結晶形及び非結晶形を実質的に含まない”とは、2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩の所望の結晶形が他の形態の2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩を10%未満、好ましくは5%未満、更に好ましくは3%未満、そして一層更に好ましくは1%未満含むことを意味すると理解されたい。
【0041】
本発明の別の側面は、2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩のいろいろな結晶形の混合物である。該混合物は、結晶形A、C、B、D、E、F、G又はHのいずれか2種又はそれ以上を含み得る。かかる混合物もまた、結晶形の2種又はそれ以上を単に混合することにより得ることができる。結晶形A、B及びHの2種又はそれ以上の組み合わせ、結晶形C、D及びEの2種又はそれ以上の組み合わせ、又は結晶形E及びGの2種又はそれ以上の組み合わせのような、本発明の結晶形のいくつかの特定の組み合わせが好ましい。
【0042】
本発明の1つの側面は、異なる結晶形A、C、D、E、F、G又はHの1種又はそれ以上と結晶形Bとを含む混合物であって、結晶形Bの量が検出可能量で1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%(質量%)である混合物である。かかる混合物もまた、異なる結晶形を単に混合する、即ち、A形、C形、D形、E形、F形、G形、及びH形の1種又はそれ以上をB形と混合する、ことにより得ることができる。
【0043】
本発明の1つの側面は、A形とB形との混合物であって、B形の量が検出可能量で1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%(質量%)である混合物である。かかる混合物もまた、単に2つの形態、即ちA形とB形、を混合することにより得ることができる。
【0044】
別の側面では、本発明は本発明の化合物の治療への使用、特に胃腸炎症性疾患に対する
使用に関する。本発明はまた、本発明の化合物の、胃酸分泌の阻止用又は胃腸炎症性疾患の治療用の医薬の製造への使用を提供する。
【0045】
本発明の化合物は、このように、ヒトを含む哺乳類の胃腸炎症性疾患及び胃酸関連疾患、例えば胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、消化性潰瘍疾患、逆流性食道炎、及びゾリンジャー−エリソン症候群、の予防及び治療に使用し得る。更に、該化合物は、例えばガストリノーマを有する患者及び急性上部胃腸出血を有する患者における、胃の抗分泌効果が望ましい他の胃腸疾患の治療に使用し得る。
【0046】
該化合物は、胸やけ及びその他の胃と食道の逆流疾患(GERD)症状の有効な制御及び治療、即ち、侵食性食道炎の治癒、侵食性食道炎の管理、症候性GERDの管理、症候性GERD;胸やけ;逆流の長期管理、ヘリコバクターピロリ(Helicobacter pylori)の撲滅、酸性逆流疾患の短期及び長期の管理、無症候性胃−食道逆流による睡眠障害、吐き気、化学療法若しくは術後症状による嘔吐の治療、にも使用し得る。該化合物はまた、集中治療の状態にある患者に、例えば酸性吸引及びストレス性潰瘍形成を防止するために使用し得る。本発明の化合物はまた、気管支炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息、肺臓炎、肺線維症、酸性吸引及び酸性喘息のような気道障害の治療に使用し得る。
【0047】
活性物質の典型的な1日の用量は広範囲で変わり得、そして例えば各患者の個々の要求、投与経路及び疾患の重症度のようないろいろな要因に依るであろう。一般に、経口及び非経口用量は1日当たりの活性物質5ないし1000mgの範囲、好ましくは20ないし60mgの範囲、例えば50mgであろう。本発明の化合物は、個々の要求及び疾患に依存して、患者に継続的治療において、並びに要望に応じた治療において投与しえる。本発明の化合物により、胃酸関連疾患及び/又は胃腸炎症性疾患を患う個人の生活の質を改良する可能性が与えられる。
【0048】
本発明の化合物は、適当な製剤に配合する前に更に加工し得る。例えば、結晶形をより小さい粒子に製粉又は粉砕し得る。
【0049】
本発明の更なる側面によると、本発明の化合物の一つを含む薬学的配合物が提供される。該薬学的配合物はまた、本発明の化合物の2種又はそれ以上の混合物、例えば2,3−
ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩のA形とB形の混合物を少なくとも1種の薬学的に許容される補助剤、希釈剤又は担体と混合したものを含み得る。
【0050】
臨床的な使用には、本発明の化合物は経口、直腸内、非経口又はその他の投与態様用の薬学的配合物に配合される。該薬学的配合物は、本発明の化合物又は該化合物の混合物を、1種又はそれ以上の薬学的に許容される成分と組み合わせて含む。担体は固体、半固体若しくは液体の希釈剤の形態、又はカプセルであり得る。これらの薬学的製剤は本発明の更なる目的である。通常、活性化合物の量は製剤の0.1質量%と95質量%の間、非経口用製剤においては好ましくは0.1%質量と20質量%の間、経口投与用の製剤においては好ましくは0.1質量%と50質量%の間である。
【0051】
本発明の結晶形又はその混合物を含む薬学的配合物を経口投与用の服量単位の形態で製造する際は、選択した化合物を固体の粉末化成分、例えばラクトース、サッカロース、ソルビトール、マンニトール、澱粉、アミロペクチン、セルロース誘導体、ゼラチン、又は他の適当な成分、並びに崩壊剤及び潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、及びポリエチレングリコールワックス、と混合してもよい。次に混合物を顆粒に加工するか又は錠剤にプレスし得る。
【0052】
軟質ゼラチンカプセルは、本発明の活性化合物を含むカプセル、植物油、脂肪又は軟質ゼラチンカプセル用の他の適当なベヒクルを用いて製造し得る。硬質ゼラチンカプセルは、本発明の結晶形の顆粒を含み得る。硬質ゼラチンカプセルはまた結晶形を固体粉末化成分、例えばラクトース、サッカロース、ソルビトール、マンニトール、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、アミロペクチン、セルロース誘導体又はゼラチン、と組み合わせて含み得る。
【0053】
直腸内投与用の服量単位は、(i)中性脂肪基材と混合した本発明の結晶形を含む座薬の形態;(ii)植物油、パラフィン油、又はゼラチン直腸用カプセル用の他の適当なベヒクルとの混合物中に本発明の結晶形を含むゼラチン直腸用カプセルの形態;(iii)既製の微小浣腸剤の形態;又は(iv)投与直前に適当な溶媒又は溶液中で再構成する乾燥微小浣腸配合物の形態で製造し得る。
【0054】
経口投与用の液体製剤は、シロップ又は懸濁液、例えば活性成分を0.1質量%ないし20質量%含み、そして残部は例えば砂糖若しくは糖アルコール並びにエタノール、水、グリセリン、プロピレングリコール及びポリエチレングリコールの混合物から成る溶液又は懸濁液の形態で製造し得る。所望により、かかる液体製剤は着色剤、風味剤、サッカリン及びカルボキシメチルセルロース又は他の増粘剤を含み得る。経口投与用の液体製剤はまた、使用前に適当な溶媒又は溶液で再構成される乾燥粉末の形態で製造し得る。
【0055】
非経口投与用の溶液は、薬学的に許容される溶媒又は溶液中の、好ましくは0.1質量%ないし10質量%の濃度の本発明の結晶形の溶液として製造し得る。これらの溶液はまた、安定化剤及び/又は緩衝成分を含んでもよく、アンプル又は小瓶の形態の単位服量に分配される。非経口投与用の溶液はまた、使用前に即座に適当な溶媒又は溶液で再構成される乾燥製剤としても製造し得る。
【0056】
本発明による結晶形はまた、例えばヒトの胃粘膜のヘリコバクターピロリによる感染を含む症状の治療又は予防に、他の活性成分と共に配合物に使用することができる。かかる他の活性成分は抗菌剤、特に、
・アモキシシリン、アンピシリン、セファロチン、セファクロール又はセフィキシム(cefixime)のようなβ−ラクタム抗生物質;
・エリスロマイシン又はクラリスロマイシンのようなマクロライド;
・テトラサイクリン又はドキシサイクリンのようなテトラサイクリン類;
・ゲンタマイシン、カナマイシン又はアミカシンのようなアミノグリコシド類;
・ノルフロキサシン、シプロフロキサシン又はエノキサシンのようなキノロン類;
・メトロニダゾール、ニトロフラントイン又はクロラムフェニコールのようなその他;又は
・次クエン酸ビスマス、次サリチル酸ビスマス、次炭酸ビスマス、次硝酸ビスマス、又は次没食子酸ビスマスのようなビスマス塩を含む製剤
であり得る。
【0057】
本発明の結晶形はまた、他の活性成分と共に、例えば医薬誘発胃潰瘍を含む症状の治療又は予防のために、配合物に使用することもできる。かかる他の活性成分は、ナプロキセン、ケトプロフェン、ケトロラック、及びジクロフェナックのようなNSAID、NO−放出性NSAID、COX−2阻害剤又はビスホスホネートであり得る。
【0058】
本発明の更なる側面によると、本発明の2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩が要求又は望まれる症状の治療方法が提供され、該方法は、本発明
の結晶形の治療有効量をかかる治療が必要な患者に投与することを含む。
疑問を避けるために、“治療”とは症状の治療上の処置、並びに予防を含む。
【0059】
本発明の結晶形は有利な性質及び/又は効果を有する。かかる効果の例は良好な化学的及び固体状態の安定性、並びに低吸湿性である。従って、該結晶形は容易に単離された結晶であり得、低温で及び/又は長時間保存された場合安定であろう。
【0060】
A形は、高温でメタンスルホン酸を、低級アルコール又は好ましくはその水性混合物中の、WO99/55706に従って製造された2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドの混合物に加えることにより製造することができる。溶液又は懸濁液を沈殿により結晶させる。結晶化は高温、即ち40℃以上の温度、好ましくは50℃以上の温度で行われる。本発明の結晶形Aの結晶は単離される。
【0061】
B形は、メタンスルホン酸を、低級アルコール又はその水性混合物中の、WO99/55706に従って製造された2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドの混
合物に加えることにより製造することができる。本発明のB形の結晶は、反応が低温、即ち40℃未満の温度、好ましくは室温、即ち約20℃以下、で行われる場合に得られ得る。本発明の結晶形のB形は沈殿しそして結晶は単離される。
【0062】
A形はまた、本発明のB形を、水及び低級アルコールから選ばれる単一溶媒中又は溶媒混合物中、好ましくは溶媒混合物中に溶解、懸濁又は再結晶させることによっても得ることができる。懸濁又は溶解は好ましくは高温で行われる。結晶化は、本発明の結晶形のA形の種を播くことにより開始し得る。
【0063】
B形はまた、A形を溶解、懸濁又は再結晶させることによっても得ることができる。これは、本発明の結晶形のA形を、低級アルコールから選ばれる単一溶媒中又は溶媒混合物中に懸濁又は溶解させることによって行われる。懸濁又は再結晶は低温で行われる。結晶化は本発明の結晶形のB形の種を播くことにより開始し得る。
【0064】
C形は、A形、B形、D形、E形、F形、G形、H形、又はそれらの混合物のいずれかを水又は低級アルコールの水性混合物中に懸濁させることにより製造することができる。本発明の結晶形Cは沈殿しそして結晶を単離する。
【0065】
D形は、A形、B形、C形、E形、F形、G形、H形、又はそれらの混合物のいずれかを水又は低級アルコールの水性混合物中に懸濁させることにより製造することができる。本発明のD形の結晶は沈殿しそして単離される。
【0066】
E形は、A形、B形、C形、D形、F形、G形、H形、又はそれらの混合物のいずれかを水又は低級アルコールの水性混合物中に室温のような低温で懸濁させることにより製造することができる。本発明のE形の結晶は沈殿しそして単離される。
【0067】
F形は、A形、B形、C形、D形、G形、H形、又はそれらの混合物のいずれかを水又は低級アルコールの水性混合物中に室温のような低温で懸濁させることにより製造することができる。本発明のF形の結晶は沈殿しそして単離される。
【0068】
G形は、A形、B形、C形、D形、F形、H形、又はそれらの混合物のいずれかをメタノール中に懸濁させることにより製造することができる。本発明のG形の結晶は沈殿しそして単離される。
【0069】
H形は、A形、B形、C形、D形、F形、G形、又はそれらの混合物のいずれかをエタノール中に室温以下のような低温で懸濁させることにより製造することができる。本発明のH形の結晶は沈殿しそして単離される。
【0070】
2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩A形、B形、及びE形の結晶形は本発明の化合物の無水物/無溶媒物であり、C形、D形及びF形は水和物であり、G形及びH形は溶媒和物である。
【0071】
本発明を下記の実施例により例示するが、これらの実施例に決して限定されない。
【実施例】
【0072】
一般的手順
X線粉末回折(XRPD)分析を、標準的方法、例えばGiacovazzo, C.外(1995), Fundamentals of Crystallography, Oxford University Press; Jenkins, R.及びSnyder, R. L.
(1996), Introduction to X-Ray Powder Diffractometry, John Wiley & Sons, New York; Bunn, C. W. (1948), Chemical Crystallography, Clarendon Press, London;又はKlug, H. P. & Alexander, L. E. (1974), X-ray Diffraction Procedures, John Wiley and
Sons, New Yorkに記載された方法に従って製造したサンプルについて行った。X線分析はPhilips X'Pert MPD 及び/又はPANalytical X´Pert PRO MPD回折計を使用して行った。
【0073】
示差走査熱量測定(DSC)はPerkin Elmer DSC 7機器を使用して、標準的方法、例えばHohne, G. W. H.外(1996), Differential Scanning Calorimetry, Springer, Berlinに記載された方法、に従って行った。
熱重量分析(TGA)はPerkin Elmer TGA 7機器を使用して行った。
DSC開始温度は±5℃の範囲(例えば±2℃)で変化し得、そしてXRPD距離は所定の最後小数位で±2の範囲で変化し得る。
【0074】
単一結晶X線回折データを室温で、グラファイト単色化MoK(α)放射線(2000)を備えたEnraf−Nonius Kappa−CCD機器を用いて収集した。正確な単位格子パラメータが、全ての観測された回折点にインデックスを付けた実空間ベクトルサーチから得られた。
FT−ラマン分光法を、パーキン エルマー(Perkin Elmer)スペクトルGX機器を用いて行った。
【0075】
1.2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩A形の製造
実施例1:1
2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミド100gをエタノール200mlに懸濁した。懸濁液をほぼ60℃に加熱し、そしてメタンスルホン酸(28.9g)とエタノール(40ml)の混合物をほぼ80分の間に充填した。エタノール(10ml)で濯いだ後、懸濁液をほぼ50℃に冷却した。結晶を単離しそしてエタノールで洗った。結晶を1.5時間乾燥(送風乾燥)した。2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩A形102gが得られた。
【0076】
実施例1:2
2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩のB形3.0gを水6mlに懸濁した。懸濁液に2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩のA形(0.02g)の結晶を播種した。懸濁液をほぼ2時間40℃で攪拌した。サンプルを濾取し、そして分析した。該サンプルが2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩A形の結晶から成ることが証明された(XRPD)。
【0077】
実施例1:3
2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩B形150gを水11.25ml及びエタノール101mlに懸濁した。懸濁液を約40℃で5時間攪拌した。サンプルを濾取し、そして分析した。該サンプルは2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩A形の結晶から成ることが証明された(XRPD)。
【0078】
本発明による2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩A形の結晶は、図1に示すように、実質的に下記のd−値及び強度を示すX線粉末回折パターンを与えることを特徴とする;
【表11】

【0079】
ブラッグの式から計算されるd−値及び強度で同定されるピークは、2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩A形の回折写真から抜き出した。相対
強度は信頼性が低く、分散スリット変換(divergence slit conversion)をすることなく見積もった。
【0080】
相対強度の定義:
%相対強度
vs 非常に強い >85%
s 強い 27−85%
m 中程度 10−27%
w 弱い 5−10%
vw 非常に弱い <5%
*相対強度は可変のスリットを用いて測定した回折写真から導いた。
【0081】
ピークの相対強度は試験されるサンプルの配向及び使用した機器の種類及び設置により変わり得ることが理解されるので、本明細書に含まれるX線粉末回折トレース中の強度は例示であり、絶対的比較に使用するように意図されていない。
A形の示差走査熱量測定(DSC)は255℃で開始する吸熱溶融を示した。
TGAは質量約0.5%の減少(20−100℃)を示した。
【0082】
単結晶X線回折分析はA形が空間群P21/cで単斜晶系として結晶し、単位格子中に4分子を有することを示した。単位格子寸法は以下の通りであることが見出された:
a=8.575(1)Å
b=18.653(1)Å
c=15.794(1)Å
α=90°
β=113.21(1)°
γ=90°
V=2371.0(4)Å3
計算した密度はDc=1.296(1)g/cm3
【0083】
本発明による2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩A形の結晶は、図8に示すようなラマンスペクトルを与えることを特徴とする。18.6を超える相対強度を有するスペクトルからのピークが下記のラマンシフト(cm-1)について観察された:
【表12】

【0084】
2.2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩B形の製造
実施例2:1
2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミド110gをエタノール550mlに懸濁した。エタノール80mlで希釈したメタンスルホン酸32gを充填した。エタノール(30ml)で濯いだ後、懸濁液を室温で、2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩B形への変換が完了するまで攪拌した。懸濁液を−10℃/hで2℃に冷却した。結晶を単離しそして一晩30℃で減圧乾燥した。2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩B形133gが得られた。
【0085】
実施例2:2
2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミド75gをエタノール350ml中に懸濁し、そして10℃に冷却した。エタノール56mlで希釈したメタンスルホン酸21.9gを充填した。エタノール(44ml)で濯いだ後、懸濁液を、2,3−ジメチル
−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩B形への変換が完了するまで攪拌した。2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩B形の結晶を単離しそして一晩30℃で減圧乾燥した。収率99%。
【0086】
実施例2:3
2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミド20gを、水0.8mlと混合したエタノール99.2ml中に懸濁した。エタノール15mlで希釈したメタンスルホン酸3.94mlを7℃で充填した。懸濁液を攪拌し、そして5時間後にサンプリングした。サンプルは、2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩B形の結晶から成ることが証明された(XRPD)。
【0087】
実施例2:4
2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミド20gを、水1.9mlと混合したエタノール98.1ml中に懸濁した。エタノール15mlで希釈したメタンスルホン酸3.94mlを2℃で充填した。充填操作の間、懸濁液に2,3−ジメチル−8−(2,
6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩B形の結晶を播種した。懸濁液を攪拌し、6時間後にサンプリングした。サンプルは、2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩B形の結晶から成ることが証明された(XRPD)。
【0088】
実施例2:5
2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミド10gをイソプロパノール47mlに懸濁した。イソプロパノール11mlで希釈したメタンスルホン酸1.97mlを10℃で添加した。懸濁液を一晩攪拌し、そして次にサンプリングした。サンプルは、2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩B形の結晶から成ることが証明された(XRPD)。
【0089】
実施例2:6
2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩A形2.0gをエタノール3mlに懸濁した。懸濁液に“少量の”2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩B形を播種した。懸濁液を室温で一晩攪拌した。結晶を単離した。サンプルは、2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩B形の結晶から成ることが証明された(XRPD)。
【0090】
実施例2:7
2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩A形2.0gをエタノール/メタノール(1:1)3mlに懸濁した。該懸濁液に2,3−ジメチル−8−(
2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリ
ジン−6−カルボキシアミドメシラート塩B形10mgを加えた。攪拌を室温で17時間続けた。固体の2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩B形を濾取した。収率87%。
【0091】
実施例2:8
2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩A形2.0gをエタノール/イソプロパノール(1:1)3mlに懸濁した。該懸濁液に2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩B形10mgを種として加えた。該懸濁液を室温で16時間攪拌した。固体の2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩B形を濾取した。収率93%。
【0092】
実施例2:9
2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミド15gをエタノール70mlに懸濁した。懸濁液を、メタンスルホン酸4.3gとエタノール26mlの混合物を18分間で加える時に、27℃に調節した。該懸濁液を0℃に冷却し、そして一晩攪拌した。単離した化合物は2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩B形から成ることが証明された(XRPD)。収率:95%。
【0093】
実施例2:10
2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミド15gをエタノール70mlに懸濁し、メタンスルホン酸4.3gとエタノール3mlの混合物を18分間で加える時に、37℃に調節した。該懸濁液を0℃に冷却し、そして一晩攪拌した。単離した化合物は2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩B形から成ることが証明された(XRPD)。収率:97%。
【0094】
実施例2:11
2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミド68.8kgをエタノール257kgに懸濁し、30−32℃に調節した。メタンスルホン酸20kgとエタノール40kgの混合物の10%を14分間で加え、次に2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボ
キサミドメシラート塩B形600gを播種した。エタノールとメタンスルホン酸の混合物の残りを97分で加えた。懸濁液をサンプリングし、そして2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩B形から成ることが証明された。該懸濁液を10℃に冷却し、次に結晶を単離した。収率:85%。
【0095】
実施例2:12
2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミド75kgをエタノール276kgに懸濁し、31−32℃に調節した。メタンスルホン酸21.8kgとエタノール44kgの混合物を99分間で加え、次に別のエタノール34kgを加えた。懸濁液を10℃
に冷却し、そして6時間後にサンプリングした。サンプルは2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩B形から成ることが証明された。収率:92%。
【0096】
本発明による2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩B形
は、図2に示すように、実質的に下記のd−値及び強度を示すX線粉末回折パターンを与えることを特徴とする;
【表13】

【0097】
ブラッグの式から計算されるd−値及び強度で同定されるピークは、2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩B形の回折写真から抜き出した。相対強度は信頼性が低く、分散スリット変換(divergence slit conversion)をすることなく見積もった。
【0098】
ピークの相対強度は試験されるサンプルの配向及び使用した機器の種類及び設置により変わり得ることが理解されるので、本明細書に含まれるX線粉末回折トレース中の強度は例示であり、絶対的比較に使用するように意図されていない。
相対強度の定義:
%相対強度
vs 非常に強い >60%
s 強い 30−60%
m 中程度 10−30%
w 弱い 5−10%
vw 非常に弱い <5%
*相対強度は可変スリットを用いて測定した回折写真から導いた。
【0099】
B形の示差走査熱量測定(DSC)は112℃で開始する発熱事象および255℃で開始する吸熱溶解を示した。
TGAは質量約0.2%の減少(21−100℃)を示した。
単結晶X線回折分析はB形が空間群P(−1)(空間群No.2)中の三斜晶系として結晶化し、単位格子中に4分子を有することを示した。単位格子寸法は以下の通りであるこ
とが見出された:
a=8.440(1)
b=14.244(1)
c=19.898(1)Å
α=93.03(1)°
β=99.88(1)°
γ=96.81(1)°
V=2333.5(4)Å3
計算された密度Dc=1.317(1)g/cm3
【0100】
本発明による2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩B形の結晶は、図9に示すようなラマンスペクトルを与えることを特徴とする。18.6を超える相対強度を有するスペクトルからのピークが下記のラマンシフト(cm-1)について観察される:
【表14】

【0101】
3.2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル
−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩C形の製造
実施例3:1
2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩(A形とB形の混合物)0.5gを水0.75mlに懸濁した。懸濁液を22℃で24時間攪拌した。サンプルは2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩C形の結晶から成ることが証明された(XRPD)。
【0102】
本発明による2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩C形は、図3に示すように、実質的に下記のd−値及び強度を示すX線粉末回折パターンを与えることを特徴とする;
【表15】

【0103】
ブラッグの式から計算されるd−値及び強度で同定されるピークは、2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩C形の回折写真から抜き出した。相対強度は信頼性が低く、分散スリット変換(divergence slit conversion)をすることなく見積もった。
【0104】
相対強度の定義:
%相対強度
vs 非常に強い >85%
s 強い 27−85%
m 中程度 12−27%
w 弱い 6−12%
vw 非常に弱い <6 %
*相対強度は可変スリットを用いて測定した回折写真から導いた。
TGAは質量約0.2%の減少(21−75℃)を示した。
【0105】
4.2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩D形の製造
実施例4:1
2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩C形の結晶の懸濁液を単離し、結晶を短時間外気で乾燥した。サンプルを分析し(XRPD)、そして2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩D形の結晶から成ることが証明された(XRPD)。
【0106】
本発明による2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩D形は、実質的に下記のd−値及び強度を示すX線粉末回折パターンを与えることを特徴とする;
【表16】

【0107】
ブラッグの式から計算されるd−値及び強度で同定されるピークは、2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩D形の回折写真から抜き出した。相対強度は信頼性が低く、分散スリット変換(divergence slit conversion)をすることなく見積もった。
【0108】
相対強度の定義:
%相対強度
s 強い >60%
m 中程度 17−60%
w 弱い 7−17%
vw 非常に弱い <7%
*相対強度は可変スリットを用いて測定した回折写真から導いた。
【0109】
単結晶X線回折分析はD形が空間群P(−1)(空間群No.2)中の三斜晶系として結晶化し、単位格子中に4分子を有することを示した。単位格子寸法は以下の通りであることが見出された:
a=8.613(1)Å
b=15.908(1)Å
c=19.401(1)Å
α=70.27(1)°
β=89.14(1)°
γ=74.86(1)°
V=2407.5Å3
計算した密度はDc=1.301(1)g/cm3
【0110】
5.2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩E形の製造
実施例5:1
2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩C形の結晶の懸濁液を室温で単離した。結晶を40℃で一晩減圧乾燥した。結晶を分析し(XRPD)、そして2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩E形の結晶から成ることが証明された(XRPD)。
【0111】
本発明による2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩E形は、図4に示すように、実質的に下記のd−値及び強度を示すX線粉末回折パターンを与えることを特徴とする;
【表17】

【0112】
ブラッグの式から計算されるd−値及び強度で同定されるピークは、2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−
a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩E形の回折写真から抜き出した。相対強度は信頼性が低く、分散スリット変換(divergence slit conversion)をすることなく見積もった。
【0113】
相対強度の定義
%相対強度
vs 非常に強い >70%
s 強い 33−70%
m 中程度 10−33%
w 弱い 5−10%
vw 非常に弱い <5%
*相対強度は可変スリットを用いて測定した回折写真から導いた。
TGAは質量約0.2%の減少(21−200℃)を示した。
【0114】
6.2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩F形の製造
実施例6:1
湿った2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩A形3.0gを水0.68ml及びエタノール3.85mlに懸濁した。懸濁液を−10℃で4日間攪拌した。サンプルを濾取しそして分析した。サンプルは2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩F形の結晶から成ることが証明された(XRPD)。
【0115】
実施例6:2
2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩A形3.0gをエタノールと水(1:1)の混合物4.5mlに懸濁した。懸濁液を室温で4日間攪拌した。サンプルは2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩F形の結晶から成ることが証明された(XRPD)。
【0116】
本発明による2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩F形は、図5に示すように、実質的に下記のd−値及び強度を示すX線粉末回折パターンを与えることを特徴とする;
【表18】

【0117】
ブラッグの式から計算されるd−値及び強度で同定されるピークは、2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩F形の回折写真から抜き出した。相対強度は信頼性が低く、分散スリット変換(divergence slit conversion)をすることなく見積もった。
【0118】
相対強度の定義
%相対強度
s 強い >60%
m 中程度 17−60%
w 弱い 7−17%
vw 非常に弱い <7%
*相対強度は可変スリットを用いて測定した回折写真から導いた。
TGAは質量約3.4%の減少(25−75℃)を示した。
【0119】
7.2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩G形の製造
実施例7:1
2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩のA形とB形の混合物0.5gをメタノール0.75mlに懸濁した。懸濁液を小瓶に加え、系を閉鎖した。該懸濁液を室温で一晩攪拌した。サンプルを濾取しそして分析した。該サンプルは2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩G形の結晶から成ることが証明された(XRPD)。
【0120】
本発明による2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩G形は、図6に示すように、実質的に下記のd−値及び強度を示すX線粉末回折パターンを与えることを特徴とする;
【表19】

【0121】
ブラッグの式から計算されるd−値及び強度で同定されるピークは、2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩G形の回折写真から抜き出した。相対強度は信頼性が低く、分散スリット変換(divergence slit conversion)をすることなく見積もった。
【0122】
相対強度の定義:
%相対強度
s 強い >50%
m 中程度 22−50%
w 弱い 6−22%
vw 非常に弱い <6%
*相対強度は可変スリットを用いて測定した回折写真から導いた。
TGAは質量約18.6%の減少(23−81℃)及び約5.2%の減少(81−100℃)を示した。
【0123】
8.2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩H形の製造
実施例8:1
2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミド40gをエタノール187ml
に懸濁し、そして10℃に冷却した。エタノール40mlで希釈したメタンスルホン酸11.7gを充填した。エタノール(13ml)で濯いだ後、懸濁液を5時間攪拌した。結晶をフィルター中に集め、洗い、そして減圧中で30℃で64時間乾燥した。結晶は2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩H形から成ることが証明された(XRPD)。
【0124】
本発明による2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩H形は、図7に示すように、実質的に下記のd−値及び強度を示すX線粉末回折パターンを与えることを特徴とする;
【表20】

【0125】
ブラッグの式から計算されるd−値及び強度で同定されるピークは、2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩H形の回折写真から抜き出した。相対強度は信頼性が低く、分散スリット変換(divergence slit conversion)をすることなく見積もった。
【0126】
相対強度の定義:
%相対強度
vs 非常に強い >85%
s 強い 37−85%
m 中程度 14−37%
w 弱い 6−14%
vw 非常に弱い <6%
*相対強度は可変スリットを用いて測定した回折写真から導いた。
TGAは質量約5.4%の減少(22−150℃)を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩およびその結晶形。
【請求項2】
結晶形が2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩A形であり、下記のパラメータを有する三斜晶系単位格子を特徴とする請求項1に記載の化合物: a=8.6Å,b=18.7Å,c=15.8Å,α=90°,β=113°,γ=90°。
【請求項3】
結晶形が2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩A形であり、実質的に下記のd−値を示すX線粉末回折パターンを与えることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【表1】

【請求項4】
結晶形が2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩A形であり、実質的に18.6を超える下記の相対強度を示すラマンスペクトルを与えることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【表2】

【請求項5】
結晶形が2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩B形であり、下記のパラメータを有する三斜晶系単位格子を特徴とする請求項1に記載の化合物: a=8.4Å,b=14.2Å,c=19.9Å,α=93°,β=100°,γ=97°。
【請求項6】
結晶形が2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩B形であり、実質的に下記のd−値を示すX線粉末回折パターンを与えることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【表3】

【請求項7】
結晶形が2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩B形であり、実質的に18.6を超える下記の相対強度を示すラマンスペクトルを与えることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【表4】

【請求項8】
結晶形が2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩C形であり、実質的に下記のd−値を示すX線粉末回折パターンを与えることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【表5】

【請求項9】
結晶形が2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩D形であり、実質的に下記のd−値を示すX線粉末回折パターンを与えることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【表6】

【請求項10】
結晶形が2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩D形であり、下記のパラメータを有する三斜晶系単位格子を特徴とする請求項1に記載の化合物: a=8.6Å,b=15.9Å,c=19.4Å,α=70°,β=89°,γ=75°。
【請求項11】
結晶形が2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩E形であり、実質的に下記のd−値を示すX線粉末回折パターンを与えることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【表7】

【請求項12】
結晶形が2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩F形であり、実質的に下記のd−値を示すX線粉末回折パターンを与えることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【表8】

【請求項13】
結晶形が2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩G形であり、実質的に下記のd−値を示すX線粉末回折パターンを与えることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【表9】

【請求項14】
結晶形が2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩H形であり、実質的に下記のd−値を示すX線粉末回折パターンを与えることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【表10】

【請求項15】
請求項2ないし14のいずれか1項に定義した2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩の結晶形の2種又はそれ以上の混合物であることを特徴とする、2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩。
【請求項16】
A形とB形の混合物であることを特徴とする2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩。
【請求項17】
A形、B形及びH形の2種又はそれ以上の混合物であることを特徴とする2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩。
【請求項18】
下記の工程:
a)2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドを適当な溶媒中に溶解又は懸濁させ;
b)メタンスルホン酸を高温で加え;
c)溶液又は懸濁液を結晶させ;そして
d)このようにして得られたA形を単離する
を含む、請求項2ないし4のいずれか1項に定義したA形の製造法。
【請求項19】
下記の工程:
a)2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドを適当な溶媒中に溶解又は懸濁させ;
b)メタンスルホン酸を低温で加え;
c)溶液又は懸濁液を結晶化させ;そして
d)このようにして得られたB形を単離する
を含む、請求項5ないし7のいずれか1項に定義したB形の製造法。
【請求項20】
下記の工程:
a)いずれかの形態の2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩を適当な溶媒中に溶解又は懸濁させ;
b)場合によっては結晶化を誘発させるためにA形を使用して、溶液又は懸濁液を高温で結晶させ;そして
c)このようにして得られたA形を単離する
を含む、請求項2ないし4のいずれか1項に定義したA形の製造法。
【請求項21】
下記の工程:
a)いずれかの形の2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩を適当な溶媒中に溶解又は懸濁させ;
b)場合によっては結晶化を誘発させるためにB形を使用して、溶液又は懸濁液を低温で結晶させ;そして
c)このようにして得られたB形を単離する
を含む、請求項5ないし7のいずれか1項に定義したB形の製造法。
【請求項22】
2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩の形態がB形である、請求項20に記載のA形の製造法。
【請求項23】
2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩の形態が2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩A形である、請求項21に記載のB形の製造法。
【請求項24】
結晶化を誘発させるために溶液又は懸濁液に種を加えることを特徴とする、請求項18又は19に記載の製造法。
【請求項25】
高温が40℃またはそれ以上の温度である請求項18、20、22及び24のいずれか1項に記載の製造法。
【請求項26】
低温が40℃未満の温度である請求項19、21、23及び24のいずれか1項に記載の製造法。
【請求項27】
請求項18ないし26のいずれか1項に従って製造された2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩のA形又はB形。
【請求項28】
請求項1ないし14のいずれか1項に定義した2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩の結晶形の少なくとも1種を薬学的に許容される賦形剤の少なくとも1種と混合して含む薬学的配合物。
【請求項29】
治療における請求項1ないし14のいずれか1項に定義した2,3−ジメチル−8−(
2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩の使用。
【請求項30】
胃腸疾患の治療又は予防用の医薬の製造における活性成分としての、請求項1ないし14のいずれか1項に定義した2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩の使用。
【請求項31】
胃腸疾患が胃腸炎症性疾患又は胃酸関連疾患である、請求項30に記載の使用。
【請求項32】
胃腸炎症性疾患又は胃酸関連疾患が胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、消化性潰瘍疾患、逆流性食道炎、ゾリンジャー−エリソン症候群、ガストリノーマ、急性上部胃腸出血である、請求項30に記載の使用。
【請求項33】
胃と食道の逆流疾患(GERD)症状、胸やけ、逆流、短期及び長期の管理を必要とする酸性逆流疾患、無症候性胃−食道逆流による睡眠障害、ヘリコバクターピロリ(Helicobacter pylori)の撲滅、吐き気、化学療法若しくは術後症状による嘔吐、及びストレス性潰瘍形成の治療又は防止における請求項30に記載の使用。
【請求項34】
侵食性食道炎及び、症候性GERDの治癒、治癒した侵食性食道炎の管理、及び症候性GERDの長期管理を含む胃と食道の逆流疾患(GERD)症状の治療又は予防における請求項30に記載の使用。
【請求項35】
気道障害の治療又は予防における請求項30に記載の使用。
【請求項36】
気道障害が気管支炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息、肺臓炎、肺線維症、酸性吸引及び酸性喘息である請求項35に記載の使用。
【請求項37】
請求項1ないし14のいずれか1項に定義した2,3−ジメチル−8−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−N−ヒドロキシエチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシアミドメシラート塩の治療上有効量を、胃腸疾患を患う患者に投与することを含む、胃腸疾患の治療方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−102143(P2012−102143A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−10610(P2012−10610)
【出願日】平成24年1月23日(2012.1.23)
【分割の表示】特願2006−545292(P2006−545292)の分割
【原出願日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【出願人】(391008951)アストラゼネカ・アクチエボラーグ (625)
【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
【Fターム(参考)】