３次元可視化用偏光フィルムおよび３次元画像表示装置
【課題】
３次元画像表示装置の薄型化を行い、製造コストの削減を図り、３次元画像表示装置に表示される３次元画像の明度を上げる。
【解決手段】
３次元画像表示装置の表示面を保護する第１の保護フィルムと、第１の保護フィルムに合着され、３次元画像表示装置の表示パネルから発する光を左眼用偏光と右眼用偏光に分割するパターンド・リターダーフィルムと、パターンド・リターダーフィルムに直接合着される偏光子および該偏光子を保護する第２の保護フィルムとから構成される偏光フィルムとを備える。
３次元画像表示装置の薄型化を行い、製造コストの削減を図り、３次元画像表示装置に表示される３次元画像の明度を上げる。
【解決手段】
３次元画像表示装置の表示面を保護する第１の保護フィルムと、第１の保護フィルムに合着され、３次元画像表示装置の表示パネルから発する光を左眼用偏光と右眼用偏光に分割するパターンド・リターダーフィルムと、パターンド・リターダーフィルムに直接合着される偏光子および該偏光子を保護する第２の保護フィルムとから構成される偏光フィルムとを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、３次元可視化用偏光フィルムおよび３次元画像表示装置に関するものであって、特に、パターンド・リターダーフィルムから構成される３次元可視化用偏光フィルムおよびその３次元可視化用偏光フィルムを搭載した３次元画像表示装置に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来、立体画像を具現することができる３次元画像表示装置が知られている。例えば、偏光メガネを用いることにより、パターンド・リターダーフィルム、当該フィルムを合着した液晶表示パネルおよびバックライトユニットから構成される３次元画像表示装置に関する技術が、特許文献１に提案されている。
【０００３】
また、液晶表示パネルの使用を目的とする、保護フィルムによりコーティングされた偏光子に関する技術が、特許文献２および３に提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特開２０１１−３４０４５号公報
【特許文献２】特開２００５−１１４９９５号公報
【特許文献３】特開２００７−２７２２４４号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
上述した３次元画像表示装置は、液晶表示パネルの偏光子に、走査線のラインごとに光線方向を変化させるフィルムパターンド・リターダー（以下、ＦＰＲ）を貼り付けるものである。視聴者は、偏光メガネをかけることにより、立体画像を見ることができる。
【０００６】
ここで、ＦＰＲおよび３次元画像表示装置の構成について説明する。図１は、ＦＰＲを説明するための図である。ＦＰＲ１０は、図１に示すように、左眼用の層ａと右眼用の層ｂを交互に配置されるものであって、例えば、左眼用の層ａと右眼用の層ｂはそれぞれ１画素ずつの間隔から構成される。左眼用の層ａは、−４５°またはＣＷ（正転）円方向偏光を行うものであり、右眼用の層ｂは＋４５°またはＣＣＷ（逆転）円方向偏光を行うものである。また、ＦＰＲは、図２に示すように、表示面を保護する保護フィルム４０とパターンド・リターダーフィルム４５から構成される。また、従来の液晶表示パネル２０（図４参照）に予め貼られている偏光フィルムは、図３に示すように、偏光子２５の両側を保護フィルム１５ａおよび１５ｂで挟み込むように構成されている。
【０００７】
そして、３次元画像表示装置は、図４に示すように、上述したＦＰＲ１０を液晶表示パネル２０に貼り付けたものである
しかしながら、３次元画像表示装置は、ＦＰＲを構成する保護フィルム４０、パターンド・リターダーフィルム４５、偏光子２５および、偏光子２５を挟み込むように保護する２つの保護フィルム１５ａおよび１５ｂと多重なフィルムにより構成されてしまうことになり、３次元画像表示装置の厚みが増してしまうこと、製造コストがかかってしまうこと、更には３次元画像表示装置に表示される画像の明度が下がってしまうという問題があった。
【０００８】
そこで、本発明は、上記事情に鑑み、３次元画像表示装置の薄型化を行い、製造コストの削減を図り、３次元画像表示装置に表示される画像の明度を上げることを可能とする３次元可視化用偏光フィルムおよび３次元画像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
本発明の３次元可視化用偏光フィルムは、左眼用画像及び右眼用画像を表示する３次元画像表示装置に貼るものであって、３次元画像表示装置の表示面を保護する第１の保護フィルムと、第１の保護フィルムに合着され、３次元画像表示装置の表示パネルから発する光を左眼用偏光と右眼用偏光に分割するパターンド・リターダーフィルムと、パターンド・リターダーフィルムに直接合着される偏光子および該偏光子を保護する第２の保護フィルムとから構成される偏光フィルムを備えることを特徴とする。
【００１０】
本発明の偏光子は、パターンド・リターダーフィルムとの間に、中間保護フィルムを介在しないものであってもよい。
【００１１】
本発明の第１の保護フィルムは、トリアセチルセルロース（ＴＡＣ）層または、シクロオレフィンポリマー（ＣＯＰ）層から構成されるフィルムであってもよい。
【００１２】
本発明の第２の保護フィルムは、トリアセチルセルロース（ＴＡＣ）層から構成されるフィルムであってもよい。
【００１３】
本発明の偏光子は、パターンド・リターダーフィルムと直接合着されるためのＵＶ硬化性樹脂が塗布されているものであってもよい。
【００１４】
本発明の３次元画像表示装置は、左眼用画像及び右眼用画像を表示する３次元画像表示装置において、３次元画像表示装置の表示面を保護する第１の保護フィルムと、第１の保護フィルムに合着され、３次元画像表示装置の表示パネルから発する光を左眼用偏光と右眼用偏光に分割するパターンド・リターダーフィルムと、パターンド・リターダーフィルムに直接合着される偏光子および該偏光子を保護する第２の保護フィルムとから構成される偏光フィルムを備える３次元可視化用偏光フィルムと、３次元可視化用偏光フィルムを貼る液晶表示パネルと、視聴者が装着するための偏光メガネを備えるものである。
【００１５】
本発明の３次元画像表示装置は、更に、左眼用画像及び右眼用画像の明度を調整する画像調整部を備えるものであって、画像調整部は、中間保護フィルムが介在しないことに基づいて、明度を下げる制御を行うものであってもよい。
【発明の効果】
【００１６】
本発明の３次元可視化用偏光フィルムおよび３次元画像表示装置によれば、３次元画像表示装置の表示面を保護する第１の保護フィルムと、第１の保護フィルムに合着され、３次元画像表示装置の表示パネルから発する光を左眼用偏光と右眼用偏光に分割するパターンド・リターダーフィルムと、パターンド・リターダーフィルムに直接合着される偏光子および該偏光子を保護する第２の保護フィルムとから構成される偏光フィルムを有するため、３次元画像表示装置の薄型化を行い、製造コストの削減を図り、３次元画像表示装置に表示される３次元画像の明度を上げることを可能とする。
【００１７】
また、本発明の３次元可視化用偏光フィルムおよび３次元画像表示装置によれば、偏光子は、パターンド・リターダーフィルムとの間に、中間保護フィルムを介在しないため、パターンド・リターダーフィルムを偏光フィルムの保護フィルム替りにすることができる。
【００１８】
本発明の３次元画像表示装置によれば、更に、左眼用画像及び右眼用画像の明度を調整する画像調整部を備えるものであって、画像調整部は、中間保護フィルムが介在しないことに基づいて、明度を下げる制御を行うことにより、表示される３次元画像の過度な明るさの低減調整を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【００１９】
【図１】フィルムパターンド・リターダーを説明するための図
【図２】フィルムパターンド・リターダーの構成を説明するための図
【図３】従来の実施形態における偏光フィルムの構成を説明するための図
【図４】従来の実施形態における３次元画像表示装置を説明するための図
【図５】本発明の実施形態における３次元可視化用偏光フィルムの製造工程を説明するための図
【図６】本発明の実施形態における３次元可視化用偏光フィルムを説明するための図
【図７】本発明の実施形態における３次元画像表示装置を説明するための図
【図８】本発明の実施形態におけるその他の３次元画像表示装置を説明するための図
【発明を実施するための形態】
【００２０】
本発明の実施の形態となる３次元可視化用偏光フィルムおよび３次元画像表示装置について、図面を参照しつつ説明する。
【００２１】
図１は、ＦＰＲの構成を示した図である。ＦＰＲ１０は、図１に示すように、左眼用の層ａと右眼用の層ｂを交互に配置されるものであって、左眼用の層ａと右眼用の層ｂはそれぞれ１画素ずつの間隔から構成される。左眼用の層ａは、−４５°またはＣＷ（正転）円方向偏光を行うものであり、右眼用の層ｂは＋４５°またはＣＣＷ（逆転）円方向偏光を行うものである。
【００２２】
また、ＦＰＲ１０は、図２に示すように、表示面を保護する第１の保護フィルム４０とパターンド・リターダーフィルム４５から構成される。また、液晶表示パネル２０に予め貼られている従来の偏光フィルムは、図３に示すように、偏光子２５の両側を保護フィルム１５ａおよび１５ｂで挟み込むように構成されている。
【００２３】
ここで、本発明の実施形態における３次元可視化用偏光フィルムの製造工程について図５を参照して説明する。まず、本発明の実施形態における偏光フィルム３５は、図５に示すように、偏光子２５と第２の保護フィルム１５ｂのみで構成されるものである。偏光子２５は、パターンド・リターダーフィルム４５との間に、中間保護フィルムを介在しないものであって、上述した従来の偏光フィルムのように第３の保護フィルム１５ａが存在しない。
【００２４】
そして、第１の保護フィルム４０とパターンド・リターダーフィルム４５に対して、偏光子２５を直接合着させることにより製造されたものである。
【００２５】
また偏光子２５は、パターンド・リターダーフィルム４５と直接合着されるためのＵＶ硬化性樹脂が塗布されているものであってもよい。また、第２の保護フィルム１５ｂの表示パネル側にＵＶ硬化性樹脂が塗布されているものであってもよい。
【００２６】
これにより、図６に示すような３次元可視化用偏光フィルム４７を構成する。具体的には、左眼用画像及び右眼用画像を表示する３次元画像表示装置に貼る３次元可視化用偏光フィルム４７は、３次元画像表示装置の表示面を保護する第１の保護フィルム４０と、第１の保護フィルムに合着され、３次元画像表示装置の表示パネルから発する光を左眼用偏光と右眼用偏光に分割するパターンド・リターダーフィルム４５と、パターンド・リターダーフィルム４５に直接合着される偏光子２５および該偏光子２５を保護する第２の保護フィルム１５ｂとから構成される偏光フィルム３５から構成される。
【００２７】
また、第１の保護フィルム４０は、トリアセチルセルロース（ＴＡＣ）層、または、シクロオレフィンポリマー（ＣＯＰ）層から構成されるものである。
【００２８】
また、第２の保護フィルム１５ｂは、トリアセチルセルロース（ＴＡＣ）層から構成される。
【００２９】
ここで、本発明の実施形態である３次元画像表示装置５７について、説明する。図７は、３次元画像表示装置５７を説明するための図である。３次元画像表示装置５７は、３次元可視化用偏光フィルム４７を、偏光子が未合着の状態である液晶表示パネル２７に貼り付けたものである。
【００３０】
具体的には、３次元画像表示装置５７は、左眼用画像及び右眼用画像を表示するものであって、３次元画像表示装置５７の表示面を保護する第１の保護フィルム４０と、第１の保護フィルム４０に合着され、３次元画像表示装置５０の表示パネルから発する光を左眼用偏光と右眼用偏光に分割するパターンド・リターダーフィルム４５と、パターンド・リターダーフィルム４５に直接合着される偏光子２５および該偏光子２５を保護する第２の保護フィルム１５ｂとから構成される偏光フィルム３５を備える３次元可視化用偏光フィルム４７と、３次元可視用偏光フィルム４７を貼る液晶表示パネル２７と、視聴者が装着するための偏光メガネ３０とを備えるものである。
【００３１】
本発明の３次元画像表示装置５７は、更に、左眼用画像及び右眼用画像の明度を調整する画像調整部（不図示）を備えるものであって、画像調整部は、中間保護フィルム（例えば、第３の保護フィルム１５ａ）が介在しないことに基づいて、明度を下げる制御を行うものである。
【００３２】
パターンド・リターダーフィルム４５と、偏光子２５の間に、中間保護フィルムが存在しないため、視聴者にとっては、３次元画像表示装置５７の画面上に表示される画像の明度が高く見えるケースが想定される。
【００３３】
そのため、画像調整部は、中間保護フィルムが存在しないことに基づいて、画面上に表示される画像の明度を下げる制御機能を備えるものである。
【００３４】
また、本発明の実施形態における３次元可視化用偏光フィルム４７は、図８（Ａ）に示すように、タッチパネル機能を備えた携帯端末６０（例えば、携帯電話、ＰＤＡ等）に貼り付けてもよい。
【００３５】
また、本発明の実施形態における３次元可視化用偏光フィルム４７は、図８（Ｂ）に示すように、ゲーム端末６５（例えば、携帯電話、ＰＤＡ等）に貼り付けてもよい。
【００３６】
また、液晶表示パネル２７は、有機発光ダイオード表示装置、電界放出表示装置、プラズマディスプレイパネルなどのような平板表示装置の表示パネルであってもよい。
【００３７】
本発明の実施形態における３次元可視化用偏光フィルム４７および３次元画像表示装置５７によれば、液晶表示パネル２７に貼る３次元可視化用偏光フィルム４７に予めＦＰＲ１０を組み込んでおき、その一体物を液晶表示パネル２７に貼るものである。このＦＰＲ１０と偏光フィルム３５を一体物にすることで、製造コスト削減が可能となる。また、偏光フィルム３５とＦＰＲ１０を貼り合わせることで、ＦＰＲ１０を偏光フィルム３５の保護フィルム替りにすることができる。保護フィルム（実施例における第３の保護フィルム１５ｂ相当）の製造コストの削減および薄型化が可能となる。
【００３８】
３次元可視化用偏光フィルム４７および３次元画像表示装置５７によれば、３次元画像表示装置５７の表示面を保護する第１の保護フィルム４０と、第１の保護フィルム４０に合着され、３次元画像表示装置５７の表示パネルから発する光を左眼用偏光と右眼用偏光に分割するパターンド・リターダーフィルム４５と、パターンド・リターダーフィルム４５に直接合着される偏光子２５および該偏光子２５を保護する第２の保護フィルム１５ｂとから構成される偏光フィルム３５を有するため、３次元画像表示装置５７の薄型化を行い、製造コストの削減を図り、３次元画像表示装置５７に表示される３次元画像の明度を上げることを可能とする。
【００３９】
３次元可視化用偏光フィルム４７および３次元画像表示装置５７によれば、偏光子２５は、パターンド・リターダーフィルム４５との間に、中間保護フィルムを介在しないため、パターンド・リターダーフィルム４５を偏光フィルム３５の保護フィルム替りにすることができ、臨場感のある立体映像の具現を図ることを可能とする。
【００４０】
また、３次元画像表示装置５７によれば、更に、左眼用画像及び右眼用画像の明度を調整する画像調整部を備えるものであって、画像調整部は、中間保護フィルムが介在しないことに基づいて、明度を下げる制御を行うことにより、表示される３次元画像の過度な明るさの低減調整を図ることができる。
【符号の説明】
【００４１】
ａ 左眼用の層
ｂ 右眼用の層
１０ ＦＰＲ
１５ａ 第３の保護フィルム
１５ｂ 第２の保護フィルム
２０ 液晶表示パネル
２７ 液晶表示パネル
２５ 偏光子
３０ 偏光メガネ
３５ 偏光フィルム
４０ 第１の保護フィルム
４５ パターンド・リターダーフィルム
４７ ３次元可視化用偏光フィルム
５０ ３次元画像表示装置
５７ ３次元画像表示装置
６０ 携帯端末
６５ ゲーム端末
【技術分野】
【０００１】
本発明は、３次元可視化用偏光フィルムおよび３次元画像表示装置に関するものであって、特に、パターンド・リターダーフィルムから構成される３次元可視化用偏光フィルムおよびその３次元可視化用偏光フィルムを搭載した３次元画像表示装置に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来、立体画像を具現することができる３次元画像表示装置が知られている。例えば、偏光メガネを用いることにより、パターンド・リターダーフィルム、当該フィルムを合着した液晶表示パネルおよびバックライトユニットから構成される３次元画像表示装置に関する技術が、特許文献１に提案されている。
【０００３】
また、液晶表示パネルの使用を目的とする、保護フィルムによりコーティングされた偏光子に関する技術が、特許文献２および３に提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特開２０１１−３４０４５号公報
【特許文献２】特開２００５−１１４９９５号公報
【特許文献３】特開２００７−２７２２４４号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
上述した３次元画像表示装置は、液晶表示パネルの偏光子に、走査線のラインごとに光線方向を変化させるフィルムパターンド・リターダー（以下、ＦＰＲ）を貼り付けるものである。視聴者は、偏光メガネをかけることにより、立体画像を見ることができる。
【０００６】
ここで、ＦＰＲおよび３次元画像表示装置の構成について説明する。図１は、ＦＰＲを説明するための図である。ＦＰＲ１０は、図１に示すように、左眼用の層ａと右眼用の層ｂを交互に配置されるものであって、例えば、左眼用の層ａと右眼用の層ｂはそれぞれ１画素ずつの間隔から構成される。左眼用の層ａは、−４５°またはＣＷ（正転）円方向偏光を行うものであり、右眼用の層ｂは＋４５°またはＣＣＷ（逆転）円方向偏光を行うものである。また、ＦＰＲは、図２に示すように、表示面を保護する保護フィルム４０とパターンド・リターダーフィルム４５から構成される。また、従来の液晶表示パネル２０（図４参照）に予め貼られている偏光フィルムは、図３に示すように、偏光子２５の両側を保護フィルム１５ａおよび１５ｂで挟み込むように構成されている。
【０００７】
そして、３次元画像表示装置は、図４に示すように、上述したＦＰＲ１０を液晶表示パネル２０に貼り付けたものである
しかしながら、３次元画像表示装置は、ＦＰＲを構成する保護フィルム４０、パターンド・リターダーフィルム４５、偏光子２５および、偏光子２５を挟み込むように保護する２つの保護フィルム１５ａおよび１５ｂと多重なフィルムにより構成されてしまうことになり、３次元画像表示装置の厚みが増してしまうこと、製造コストがかかってしまうこと、更には３次元画像表示装置に表示される画像の明度が下がってしまうという問題があった。
【０００８】
そこで、本発明は、上記事情に鑑み、３次元画像表示装置の薄型化を行い、製造コストの削減を図り、３次元画像表示装置に表示される画像の明度を上げることを可能とする３次元可視化用偏光フィルムおよび３次元画像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
本発明の３次元可視化用偏光フィルムは、左眼用画像及び右眼用画像を表示する３次元画像表示装置に貼るものであって、３次元画像表示装置の表示面を保護する第１の保護フィルムと、第１の保護フィルムに合着され、３次元画像表示装置の表示パネルから発する光を左眼用偏光と右眼用偏光に分割するパターンド・リターダーフィルムと、パターンド・リターダーフィルムに直接合着される偏光子および該偏光子を保護する第２の保護フィルムとから構成される偏光フィルムを備えることを特徴とする。
【００１０】
本発明の偏光子は、パターンド・リターダーフィルムとの間に、中間保護フィルムを介在しないものであってもよい。
【００１１】
本発明の第１の保護フィルムは、トリアセチルセルロース（ＴＡＣ）層または、シクロオレフィンポリマー（ＣＯＰ）層から構成されるフィルムであってもよい。
【００１２】
本発明の第２の保護フィルムは、トリアセチルセルロース（ＴＡＣ）層から構成されるフィルムであってもよい。
【００１３】
本発明の偏光子は、パターンド・リターダーフィルムと直接合着されるためのＵＶ硬化性樹脂が塗布されているものであってもよい。
【００１４】
本発明の３次元画像表示装置は、左眼用画像及び右眼用画像を表示する３次元画像表示装置において、３次元画像表示装置の表示面を保護する第１の保護フィルムと、第１の保護フィルムに合着され、３次元画像表示装置の表示パネルから発する光を左眼用偏光と右眼用偏光に分割するパターンド・リターダーフィルムと、パターンド・リターダーフィルムに直接合着される偏光子および該偏光子を保護する第２の保護フィルムとから構成される偏光フィルムを備える３次元可視化用偏光フィルムと、３次元可視化用偏光フィルムを貼る液晶表示パネルと、視聴者が装着するための偏光メガネを備えるものである。
【００１５】
本発明の３次元画像表示装置は、更に、左眼用画像及び右眼用画像の明度を調整する画像調整部を備えるものであって、画像調整部は、中間保護フィルムが介在しないことに基づいて、明度を下げる制御を行うものであってもよい。
【発明の効果】
【００１６】
本発明の３次元可視化用偏光フィルムおよび３次元画像表示装置によれば、３次元画像表示装置の表示面を保護する第１の保護フィルムと、第１の保護フィルムに合着され、３次元画像表示装置の表示パネルから発する光を左眼用偏光と右眼用偏光に分割するパターンド・リターダーフィルムと、パターンド・リターダーフィルムに直接合着される偏光子および該偏光子を保護する第２の保護フィルムとから構成される偏光フィルムを有するため、３次元画像表示装置の薄型化を行い、製造コストの削減を図り、３次元画像表示装置に表示される３次元画像の明度を上げることを可能とする。
【００１７】
また、本発明の３次元可視化用偏光フィルムおよび３次元画像表示装置によれば、偏光子は、パターンド・リターダーフィルムとの間に、中間保護フィルムを介在しないため、パターンド・リターダーフィルムを偏光フィルムの保護フィルム替りにすることができる。
【００１８】
本発明の３次元画像表示装置によれば、更に、左眼用画像及び右眼用画像の明度を調整する画像調整部を備えるものであって、画像調整部は、中間保護フィルムが介在しないことに基づいて、明度を下げる制御を行うことにより、表示される３次元画像の過度な明るさの低減調整を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【００１９】
【図１】フィルムパターンド・リターダーを説明するための図
【図２】フィルムパターンド・リターダーの構成を説明するための図
【図３】従来の実施形態における偏光フィルムの構成を説明するための図
【図４】従来の実施形態における３次元画像表示装置を説明するための図
【図５】本発明の実施形態における３次元可視化用偏光フィルムの製造工程を説明するための図
【図６】本発明の実施形態における３次元可視化用偏光フィルムを説明するための図
【図７】本発明の実施形態における３次元画像表示装置を説明するための図
【図８】本発明の実施形態におけるその他の３次元画像表示装置を説明するための図
【発明を実施するための形態】
【００２０】
本発明の実施の形態となる３次元可視化用偏光フィルムおよび３次元画像表示装置について、図面を参照しつつ説明する。
【００２１】
図１は、ＦＰＲの構成を示した図である。ＦＰＲ１０は、図１に示すように、左眼用の層ａと右眼用の層ｂを交互に配置されるものであって、左眼用の層ａと右眼用の層ｂはそれぞれ１画素ずつの間隔から構成される。左眼用の層ａは、−４５°またはＣＷ（正転）円方向偏光を行うものであり、右眼用の層ｂは＋４５°またはＣＣＷ（逆転）円方向偏光を行うものである。
【００２２】
また、ＦＰＲ１０は、図２に示すように、表示面を保護する第１の保護フィルム４０とパターンド・リターダーフィルム４５から構成される。また、液晶表示パネル２０に予め貼られている従来の偏光フィルムは、図３に示すように、偏光子２５の両側を保護フィルム１５ａおよび１５ｂで挟み込むように構成されている。
【００２３】
ここで、本発明の実施形態における３次元可視化用偏光フィルムの製造工程について図５を参照して説明する。まず、本発明の実施形態における偏光フィルム３５は、図５に示すように、偏光子２５と第２の保護フィルム１５ｂのみで構成されるものである。偏光子２５は、パターンド・リターダーフィルム４５との間に、中間保護フィルムを介在しないものであって、上述した従来の偏光フィルムのように第３の保護フィルム１５ａが存在しない。
【００２４】
そして、第１の保護フィルム４０とパターンド・リターダーフィルム４５に対して、偏光子２５を直接合着させることにより製造されたものである。
【００２５】
また偏光子２５は、パターンド・リターダーフィルム４５と直接合着されるためのＵＶ硬化性樹脂が塗布されているものであってもよい。また、第２の保護フィルム１５ｂの表示パネル側にＵＶ硬化性樹脂が塗布されているものであってもよい。
【００２６】
これにより、図６に示すような３次元可視化用偏光フィルム４７を構成する。具体的には、左眼用画像及び右眼用画像を表示する３次元画像表示装置に貼る３次元可視化用偏光フィルム４７は、３次元画像表示装置の表示面を保護する第１の保護フィルム４０と、第１の保護フィルムに合着され、３次元画像表示装置の表示パネルから発する光を左眼用偏光と右眼用偏光に分割するパターンド・リターダーフィルム４５と、パターンド・リターダーフィルム４５に直接合着される偏光子２５および該偏光子２５を保護する第２の保護フィルム１５ｂとから構成される偏光フィルム３５から構成される。
【００２７】
また、第１の保護フィルム４０は、トリアセチルセルロース（ＴＡＣ）層、または、シクロオレフィンポリマー（ＣＯＰ）層から構成されるものである。
【００２８】
また、第２の保護フィルム１５ｂは、トリアセチルセルロース（ＴＡＣ）層から構成される。
【００２９】
ここで、本発明の実施形態である３次元画像表示装置５７について、説明する。図７は、３次元画像表示装置５７を説明するための図である。３次元画像表示装置５７は、３次元可視化用偏光フィルム４７を、偏光子が未合着の状態である液晶表示パネル２７に貼り付けたものである。
【００３０】
具体的には、３次元画像表示装置５７は、左眼用画像及び右眼用画像を表示するものであって、３次元画像表示装置５７の表示面を保護する第１の保護フィルム４０と、第１の保護フィルム４０に合着され、３次元画像表示装置５０の表示パネルから発する光を左眼用偏光と右眼用偏光に分割するパターンド・リターダーフィルム４５と、パターンド・リターダーフィルム４５に直接合着される偏光子２５および該偏光子２５を保護する第２の保護フィルム１５ｂとから構成される偏光フィルム３５を備える３次元可視化用偏光フィルム４７と、３次元可視用偏光フィルム４７を貼る液晶表示パネル２７と、視聴者が装着するための偏光メガネ３０とを備えるものである。
【００３１】
本発明の３次元画像表示装置５７は、更に、左眼用画像及び右眼用画像の明度を調整する画像調整部（不図示）を備えるものであって、画像調整部は、中間保護フィルム（例えば、第３の保護フィルム１５ａ）が介在しないことに基づいて、明度を下げる制御を行うものである。
【００３２】
パターンド・リターダーフィルム４５と、偏光子２５の間に、中間保護フィルムが存在しないため、視聴者にとっては、３次元画像表示装置５７の画面上に表示される画像の明度が高く見えるケースが想定される。
【００３３】
そのため、画像調整部は、中間保護フィルムが存在しないことに基づいて、画面上に表示される画像の明度を下げる制御機能を備えるものである。
【００３４】
また、本発明の実施形態における３次元可視化用偏光フィルム４７は、図８（Ａ）に示すように、タッチパネル機能を備えた携帯端末６０（例えば、携帯電話、ＰＤＡ等）に貼り付けてもよい。
【００３５】
また、本発明の実施形態における３次元可視化用偏光フィルム４７は、図８（Ｂ）に示すように、ゲーム端末６５（例えば、携帯電話、ＰＤＡ等）に貼り付けてもよい。
【００３６】
また、液晶表示パネル２７は、有機発光ダイオード表示装置、電界放出表示装置、プラズマディスプレイパネルなどのような平板表示装置の表示パネルであってもよい。
【００３７】
本発明の実施形態における３次元可視化用偏光フィルム４７および３次元画像表示装置５７によれば、液晶表示パネル２７に貼る３次元可視化用偏光フィルム４７に予めＦＰＲ１０を組み込んでおき、その一体物を液晶表示パネル２７に貼るものである。このＦＰＲ１０と偏光フィルム３５を一体物にすることで、製造コスト削減が可能となる。また、偏光フィルム３５とＦＰＲ１０を貼り合わせることで、ＦＰＲ１０を偏光フィルム３５の保護フィルム替りにすることができる。保護フィルム（実施例における第３の保護フィルム１５ｂ相当）の製造コストの削減および薄型化が可能となる。
【００３８】
３次元可視化用偏光フィルム４７および３次元画像表示装置５７によれば、３次元画像表示装置５７の表示面を保護する第１の保護フィルム４０と、第１の保護フィルム４０に合着され、３次元画像表示装置５７の表示パネルから発する光を左眼用偏光と右眼用偏光に分割するパターンド・リターダーフィルム４５と、パターンド・リターダーフィルム４５に直接合着される偏光子２５および該偏光子２５を保護する第２の保護フィルム１５ｂとから構成される偏光フィルム３５を有するため、３次元画像表示装置５７の薄型化を行い、製造コストの削減を図り、３次元画像表示装置５７に表示される３次元画像の明度を上げることを可能とする。
【００３９】
３次元可視化用偏光フィルム４７および３次元画像表示装置５７によれば、偏光子２５は、パターンド・リターダーフィルム４５との間に、中間保護フィルムを介在しないため、パターンド・リターダーフィルム４５を偏光フィルム３５の保護フィルム替りにすることができ、臨場感のある立体映像の具現を図ることを可能とする。
【００４０】
また、３次元画像表示装置５７によれば、更に、左眼用画像及び右眼用画像の明度を調整する画像調整部を備えるものであって、画像調整部は、中間保護フィルムが介在しないことに基づいて、明度を下げる制御を行うことにより、表示される３次元画像の過度な明るさの低減調整を図ることができる。
【符号の説明】
【００４１】
ａ 左眼用の層
ｂ 右眼用の層
１０ ＦＰＲ
１５ａ 第３の保護フィルム
１５ｂ 第２の保護フィルム
２０ 液晶表示パネル
２７ 液晶表示パネル
２５ 偏光子
３０ 偏光メガネ
３５ 偏光フィルム
４０ 第１の保護フィルム
４５ パターンド・リターダーフィルム
４７ ３次元可視化用偏光フィルム
５０ ３次元画像表示装置
５７ ３次元画像表示装置
６０ 携帯端末
６５ ゲーム端末
【特許請求の範囲】
【請求項１】
左眼用画像及び右眼用画像を表示する３次元画像表示装置に貼る３次元可視化用偏光フィルムにおいて、
前記３次元画像表示装置の表示面を保護する第１の保護フィルムと、
前記第１の保護フィルムに合着され、前記３次元画像表示装置の表示パネルから発する光を左眼用偏光と右眼用偏光に分割するパターンド・リターダーフィルムと、
前記パターンド・リターダーフィルムに直接合着される偏光子および該偏光子を保護する第２の保護フィルムとから構成される偏光フィルムとを備えることを特徴とする３次元可視化用偏光フィルム。
【請求項２】
前記偏光子は、前記パターンド・リターダーフィルムとの間に、中間保護フィルムを介在しないものであることを特徴とする請求項１記載の３次元可視化用偏光フィルム。
【請求項３】
前記第１の保護フィルムは、トリアセチルセルロース（ＴＡＣ）層、または、シクロオレフィンポリマー（ＣＯＰ）層から構成されるフィルムであることを特徴とする請求項１または２記載の３次元可視化用偏光フィルム。
【請求項４】
前記第２の保護フィルムは、トリアセチルセルロース（ＴＡＣ）層から構成されるフィルムであることを特徴とする請求項１から３いずれか１項記載の３次元可視化用偏光フィルム。
【請求項５】
前記偏光子は、前記パターンド・リターダーフィルムと直接合着されるためのＵＶ硬化性樹脂が塗布されていることを特徴とする請求項１から４いずれか１項記載の３次元可視化用偏光フィルム。
【請求項６】
左眼用画像及び右眼用画像を表示する３次元画像表示装置において、
前記３次元画像表示装置の表示面を保護する第１の保護フィルムと、
前記第１の保護フィルムに合着され、前記３次元画像表示装置の表示パネルから発する光を左眼用偏光と右眼用偏光に分割するパターンド・リターダーフィルムと、
前記パターンド・リターダーフィルムに直接合着される偏光子および該偏光子を保護する第２の保護フィルムとから構成される偏光フィルムとを備える３次元可視化用偏光フィルムと、
前記３次元可視化用偏光フィルムを貼る液晶表示パネルと、
視聴者が装着するための偏光メガネとを備えることを特徴とする３次元画像表示装置。
【請求項７】
前記偏光子は、前記パターンド・リターダーフィルムとの間に、中間保護フィルムを介在しないものであることを特徴とする請求項６記載の３次元画像表示装置。
【請求項８】
前記３次元画像表示装置は、更に、前記左眼用画像及び前記右眼用画像の明度を調整する画像調整部を備えるものであって、
前記画像調整部は、前記中間保護フィルムが介在しないことに基づいて、明度を下げる制御を行うことを特徴とする請求項７記載の３次元画像表示装置。
【請求項１】
左眼用画像及び右眼用画像を表示する３次元画像表示装置に貼る３次元可視化用偏光フィルムにおいて、
前記３次元画像表示装置の表示面を保護する第１の保護フィルムと、
前記第１の保護フィルムに合着され、前記３次元画像表示装置の表示パネルから発する光を左眼用偏光と右眼用偏光に分割するパターンド・リターダーフィルムと、
前記パターンド・リターダーフィルムに直接合着される偏光子および該偏光子を保護する第２の保護フィルムとから構成される偏光フィルムとを備えることを特徴とする３次元可視化用偏光フィルム。
【請求項２】
前記偏光子は、前記パターンド・リターダーフィルムとの間に、中間保護フィルムを介在しないものであることを特徴とする請求項１記載の３次元可視化用偏光フィルム。
【請求項３】
前記第１の保護フィルムは、トリアセチルセルロース（ＴＡＣ）層、または、シクロオレフィンポリマー（ＣＯＰ）層から構成されるフィルムであることを特徴とする請求項１または２記載の３次元可視化用偏光フィルム。
【請求項４】
前記第２の保護フィルムは、トリアセチルセルロース（ＴＡＣ）層から構成されるフィルムであることを特徴とする請求項１から３いずれか１項記載の３次元可視化用偏光フィルム。
【請求項５】
前記偏光子は、前記パターンド・リターダーフィルムと直接合着されるためのＵＶ硬化性樹脂が塗布されていることを特徴とする請求項１から４いずれか１項記載の３次元可視化用偏光フィルム。
【請求項６】
左眼用画像及び右眼用画像を表示する３次元画像表示装置において、
前記３次元画像表示装置の表示面を保護する第１の保護フィルムと、
前記第１の保護フィルムに合着され、前記３次元画像表示装置の表示パネルから発する光を左眼用偏光と右眼用偏光に分割するパターンド・リターダーフィルムと、
前記パターンド・リターダーフィルムに直接合着される偏光子および該偏光子を保護する第２の保護フィルムとから構成される偏光フィルムとを備える３次元可視化用偏光フィルムと、
前記３次元可視化用偏光フィルムを貼る液晶表示パネルと、
視聴者が装着するための偏光メガネとを備えることを特徴とする３次元画像表示装置。
【請求項７】
前記偏光子は、前記パターンド・リターダーフィルムとの間に、中間保護フィルムを介在しないものであることを特徴とする請求項６記載の３次元画像表示装置。
【請求項８】
前記３次元画像表示装置は、更に、前記左眼用画像及び前記右眼用画像の明度を調整する画像調整部を備えるものであって、
前記画像調整部は、前記中間保護フィルムが介在しないことに基づいて、明度を下げる制御を行うことを特徴とする請求項７記載の３次元画像表示装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【公開番号】特開２０１２−２５５８４９（Ｐ２０１２−２５５８４９Ａ）
【公開日】平成２４年１２月２７日（２０１２．１２．２７）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−１２７７９３（Ｐ２０１１−１２７７９３）
【出願日】平成２３年６月８日（２０１１．６．８）
【出願人】（５００１７１７０７）株式会社ブイ・テクノロジー (283)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年１２月２７日（２０１２．１２．２７）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年６月８日（２０１１．６．８）
【出願人】（５００１７１７０７）株式会社ブイ・テクノロジー (283)
【Ｆターム（参考）】
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