説明

3次元撮像装置及びその製造方法

【課題】2個のカメラモジュールが装着された印刷回路基板の反りの発生による3次元立体映像の立体効果の低下を防止する。
【解決手段】3次元撮像装置は、イメージセンサーを含む2個のカメラモジュール10、11が装着された印刷回路基板と、2個の露出窓130が形成された補強部材100と、を含み、該補強部材100の露出窓130を通って印刷回路基板のカメラモジュール10,11が露出されるように配置されて相互接着される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3次元撮像装置に使用される基板に係り、特に、3次元撮像装置の内部に使用される基板を補強して反りを防止する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、人間は、一つの物体を見る時、左/右の目が異なる方向から物体を見ることによって左/右の網膜にそれぞれ異なる像が結ばれることから、立体感を感じるものと知られている。人間が立体感を感じるこのような原理に基づいて3次元映像を製作しており、特に、デュアルレンズ付き撮像装置を使用し、これらの各レンズが異なる方向から物体を撮影し、該撮影された映像をそれぞれディスプレイすることで3次元映像を製作することができる。
【0003】
近年、半導体技術の飛躍的な発展に伴ってイメージセンサーの小型化が実現され、印刷回路基板の製作技術の発達に伴って、カメラモジュール付き基板の小型化、軽量化が可能になった。かかる小型化、軽量化技術によって、デジタルカメラ(digital camera)のようなモバイル機器を3次元撮像装置として使用することも可能になった。
【0004】
次に、従来の3次元撮像装置の内部に設けられるカメラモジュール付き印刷回路基板について、図1を参照して簡略に説明する。図1を参照すると、カメラモジュール付き印刷回路基板は、印刷回路基板20上にカメラモジュール10,11及びコネクター30を含む。このような従来のカメラモジュール付き印刷回路基板は、自体的な反りが発生したり、3次元撮像装置に装着される際に反りが発生したりすることがある。
【0005】
3次元立体映像を具現する上で各カメラの相対的な位置は重要である。カメラの相対的な位置によって3次元立体映像の立体感が変わることがあるからである。すなわち、印刷回路基板20が反ると、3次元撮像装置において3次元立体映像を具現するための2個のデュアルカメラモジュールの相対的な位置が変わり、該デュアルカメラモジュールで撮影して具現された3次元立体映像の立体効果が低下する問題につながることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記問題を解決するために、本発明は、印刷回路基板に所定の補強部材を結合することによって印刷回路基板の反りを防止する、3次元撮像装置に使用される印刷回路基板の構造を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を達成するために、本発明の一実施例に係る3次元撮像装置は、イメージセンサーを含む2個のカメラモジュールが装着された印刷回路基板と、2個の露出窓が形成された補強部材と、を含み、前記補強部材の露出窓を通って前記印刷回路基板のカメラモジュールが露出されるように配置されて相互接着されたことを特徴とする。
【0008】
本発明の一実施例に係る3次元撮像装置において、カメラモジュールのレンズハウジングの中心軸が補強部材の露出窓を通って前方に整列されてもよい。
【0009】
本発明の一実施例に係る3次元撮像装置において、補強部材と印刷回路基板とは、相互接触面に塗布される熱硬化エポキシによって接着されてもよい。
【0010】
本発明の一実施例に係る3次元撮像装置において、2個のカメラモジュールは相互離隔して配置されてもよい。
【0011】
本発明の一実施例に係る3次元撮像装置において、2個のカメラモジュールの間における印刷回路基板領域にコネクター部が設けられてもよい。
【0012】
本発明の一実施例に係る3次元撮像装置において、2個のカメラモジュールと前記コネクター部のそれぞれとの間に肉取りされたリブ構造が形成されてもよい。
【0013】
本発明の一実施例に係る3次元撮像装置において、補強部材は、前記印刷回路基板上に形成されたコネクター部に対応する部分が穿孔されてなる開放窓を有することができる。
【0014】
本発明の一実施例に係る3次元撮像装置において、補強部材は、前記露出窓及び開放窓以外の面積に対して肉取りされたリブ構造を有することができる。
【0015】
本発明の一実施例に係る3次元撮像装置において、補強部材の材料は、硬化液晶ポリマーとすることができる。
【0016】
本発明の一実施例に係る3次元撮像装置において、補強部材の露出窓と前記2個のカメラモジュールとの間には接着剤が介在されてもよい。
【0017】
本発明の一実施例に係る3次元撮像装置において、前記印刷回路基板に少なくとも一つの突起が形成されており、前記補強部材に前記突起が挿入されるホールが形成されてもよい。
【0018】
本発明の一実施例に係る3次元撮像装置において、前記ホールは、前記補強部材の露出窓に隣接して形成されてもよい。
【0019】
本発明の一実施例に係る3次元撮像装置の製造方法は、イメージセンサーが備えられている印刷回路基板にレンズハウジングを取り付けるステップと、基板の設定された接触面に熱硬化性エポキシを塗布するステップと、熱硬化性エポキシが塗布された基板上に、露出窓の形成された補強部材を仮結合するステップと、補強部材の仮結合された基板をホットプレートに配置するステップと、補強部材の上部を加圧して熱硬化性エポキシを硬化させて結合するステップと、を含む。
【0020】
本発明の一実施例に係る3次元撮像装置の製造方法は、補強部材の上部を加圧して熱硬化エポキシを硬化させて結合するステップにおいて、露出窓に該当する部分に凹部が形成された硬化ジグを用いて加圧することができる。
【0021】
本発明の一実施例に係る3次元撮像装置の製造方法は、補強部材の上部を加圧して熱硬化エポキシを硬化させて結合するステップにおいて、露出窓に対応する部分に凹部が形成された硬化ジグを用いて加圧することができる。
【0022】
本発明の一実施例に係る3次元撮像装置の製造方法において、カメラモジュールのレンズハウジングの中心軸が補強部材の露出窓を通って前方に整列されてもよい。
【0023】
本発明の一実施例に係る3次元撮像装置の製造方法において、2個のカメラモジュールは相互離隔しており、2個のカメラモジュールの印刷回路基板領域にコネクター部が設けられてもよい。
【0024】
本発明の一実施例に係る3次元撮像装置の製造方法において、2個のカメラモジュールと前記コネクター部のそれぞれとの間に肉取りされたリブ構造が形成されてもよい。
【0025】
本発明の一実施例に係る3次元撮像装置の製造方法において、補強部材は、印刷回路基板上に形成されたコネクター部に対応する部分が穿孔されてなる開放窓を有することができる。
【0026】
本発明の一実施例に係る3次元撮像装置の製造方法において、補強部材は、露出窓及び開放窓以外の面積に対して肉取りされたリブ構造を有することができる。
【0027】
本発明の一実施例に係る3次元撮像装置の製造方法において、補強部材の材料は、硬化液晶ポリマーである。
【発明の効果】
【0028】
上記のように、本発明の3次元撮像装置に使用される基板が反ることを防止するための基板構造は、印刷回路基板に補強部材を結合することで、印刷回路基板が基板自体の弾性により反ったり、3次元撮像装置に装着される時に反ることを防止することができる。このように基板の反りを防止することによって、2個のカメラモジュールから得られる映像で製作された3次元映像の立体感が低下することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】従来のカメラモジュール付き印刷回路基板を示す模式図である。
【図2】本発明の一実施例に係る3次元撮像装置の分解斜視図である。
【図3】本発明の一実施例に係る3次元撮像装置の結合斜視図である。
【図4】本発明の一実施例に係るカメラモジュール付き印刷回路基板に補強部材を硬化ジグ(Jig)を用いて結合する方法を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明は、様々な変更が可能で、様々な実施例を有することができるが、以下、特定の実施例を図面に例示し、詳細な説明に詳細に説明する。しかし、本発明が特定の実施形態に限定されることはなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる変更、均等物乃至代替物はいずれも本発明に含まれるものと理解すべきである。
【0031】
第1、第2のような序数を含む用語は、様々な構成要素を説明するのに使用可能であるが、これらの用語に構成要素が限定されることはない。単に、それらの用語は、ある構成要素を他の構成要素から区別する目的にのみ使用される。例えば、本発明の権利範囲を逸脱しない限り、第2構成要素を第1構成要素と命名でき、同様に、第1構成要素も第2構成要素と命名できる。
【0032】
ある構成要素が他の構成要素に「連結」または「接続」されていると言及された時、ある構成要素が他の構成要素に直接連結または直接接続されている場合もあり、中間に別の構成要素が介在される場合もあると理解すべきである。一方、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結」または「直接接続」されていると言及された時は、中間に別の構成要素が存在しないと理解すべきである。
【0033】
本出願で使用した用語は単に特定の実施例を説明するためのもので、本発明を限定するためのものではない。単数の表現は、明示しない限り、複数の表現を含むとする。本出願において、「含む」または「有する」などの用語は、単に、明細書上に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品またはそれらの組み合わせを指定するためのもので、一つまたはそれ以上の他の特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品またはそれらの組み合わせが存在したり付加されたりする可能性を排除するためのものでないということは明らかである。
【0034】
以下、本発明の一実施例に係る3次元撮像装置について、図面を参照して詳細に説明する。図面中、同一のまたは対応する構成要素には、同一の参照番号を付し、その重複説明は省略するものとする。
【0035】
図2は、本発明の一実施例に係る3次元撮像装置の分解斜視図であり、図3は、本発明の一実施例に係る3次元撮像装置の結合斜視図である。
【0036】
図2及び図3に示す3次元撮像装置は、イメージセンサーを含む2個のカメラモジュール10,11が装着された印刷回路基板20、及び2個の露出窓130が形成された補強部材100を含み、補強部材100の露出窓130から印刷回路基板20のカメラモジュール10,11がそれぞれ露出されている。
【0037】
図2及び図3の補強部材100は、露出窓130と開放窓120が備えられている。露出窓130は、補強部材100と印刷回路基板20との結合時に、印刷回路基板20の上部に装着されたカメラモジュール10,11を前方に露出させる機能を担う。
【0038】
一方、開放窓120は、補強部材100と印刷回路基板20との結合時に、印刷回路基板20の上部に設けられたコネクター部30を前方に露出させる機能を担う。
【0039】
図2は、2個のカメラモジュール10,11が装着された印刷回路基板20と補強部材100とが結合する前の状態を示す。具体的には、カメラモジュール10,11のレンズハウジングの中心軸が、補強部材100の露出窓130を通って前方に整列されるように、カメラモジュール10,11付き印刷回路基板20と補強部材100とが配置される。
【0040】
なお、2個のカメラモジュール10,11は、互いに離隔して配置されてよく、これら2個のカメラモジュール10,11の間における印刷回路基板20の領域にコネクター部30が設置されてよい。
【0041】
また、2個のカメラモジュール10,11とコネクター部30のそれぞれとの間に肉取りされたリブ構造110が形成されてよい。
【0042】
図3は、カメラモジュール10,11付き印刷回路基板20と補強部材100とが結合された形態を示す図で、カメラモジュール10,11付き印刷回路基板20と補強部材100との結合には、熱硬化性エポキシが使用される。
【0043】
本実施例は、従来のカメラモジュール10,11付き印刷回路基板20と違い、カメラモジュール10,11付き印刷回路基板20上に補強部材100が結合される。
【0044】
図1に示すように、カメラモジュール10,11付き印刷回路基板20に補強部材100が結合されない従来の場合は、反りが発生するが、本発明の一実施例のように、印刷回路基板20に補強部材100が結合された場合は、カメラモジュール10,11付き印刷回路基板20の構造的剛性が補強されるため、反りの発生を最小限に抑えることができる。
【0045】
そして、補強部材100の露出窓130と2個のカメラモジュール10,11との間に接着剤が介在されてよい。
【0046】
また、印刷回路基板20に少なくとも一つの突起が形成されており、この突起が挿入されるホールが補強部材に形成されてよい。
ここで、ホールは、補強部材の露出窓に隣接して形成されるとよい。
【0047】
図2及び図3に示す補強部材100は、露出窓130及び開放窓120以外の領域においては、デッドマス(Dead-Mass)を切り取って(「肉取り」という。)、補強部材100の歪みを防止し、補強部材100の強度を増加させたリブ(Rib)構造を有することが好ましい。また、このように肉取りの目的で形成された窓を、肉取り窓と称する。
【0048】
補強部材100は、弾性率の高い材料とすることが好ましい。弾性率の高い材料には、硬化液晶ポリマーなどがある。
【0049】
本発明の3次元撮像装置の製造方法は、イメージセンサーが設けられている印刷回路基板20にレンズハウジングを取り付けるステップ、この基板において設定された接触面に熱硬化性エポキシを塗布するステップ、熱硬化性エポキシの塗布された基板上に、露出窓を有する補強部材100を仮結合するステップ、補強部材100の仮結合された基板を、ホットプレート(Hot Plate)150に配置するステップ、及び補強部材の上部を加圧して熱硬化性エポキシを硬化させて結合するステップを含む。
【0050】
図4は、本発明の一実施例に係るカメラモジュール付き印刷回路基板20に補強部材100を硬化ジグ170を用いて結合する方法を示す図である。補強部材100の上部を加圧して熱硬化エポキシを硬化させて結合するステップにおいて、露出窓130に対応する部分に凹部が形成された硬化ジグ170を用いて補強部材100を加圧することで、熱硬化性エポキシを硬化させる。
【0051】
以上説明された本発明の実施例は本発明の技術的思想を限定するためのものではなく、本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載の事項により定められるべきである。したがって、当該技術の分野における通常の知識を有する者には、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で本発明の様々な改変が可能であり、これらの様々な改変も本発明の保護範囲に含まれるものと解釈すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
イメージセンサーを含む2個のカメラモジュールが装着された印刷回路基板と、
2個の露出窓が形成された補強部材と、を含み、
前記補強部材の露出窓を通って前記印刷回路基板のカメラモジュールが露出されるように配置されて相互接着された、3次元撮像装置。
【請求項2】
前記カメラモジュールのレンズハウジングの中心軸が、補強部材の露出窓を通って前方に整列された、請求項1に記載の3次元撮像装置。
【請求項3】
前記補強部材と印刷回路基板とは、相互接触面に塗布される熱硬化性エポキシによって接着された、請求項1に記載の3次元撮像装置。
【請求項4】
前記2個のカメラモジュールは、相互離隔している、請求項1に記載の3次元撮像装置。
【請求項5】
前記2個のカメラモジュール間における印刷回路基板領域にコネクター部が設けられている、請求項4に記載の3次元撮像装置。
【請求項6】
前記2個のカメラモジュールと前記コネクター部のそれぞれとの間に肉取りされたリブ構造が形成されている、請求項1に記載の3次元撮像装置。
【請求項7】
前記補強部材は、前記印刷回路基板上に形成されたコネクター部に対応する部分が穿孔されてなる開放窓を有する、請求項1に記載の3次元撮像装置。
【請求項8】
前記補強部材は、前記露出窓及び開放窓以外の面積に対して肉取りされたリブ構造を有する、請求項7に記載の3次元撮像装置。
【請求項9】
前記補強部材の材料は、硬化液晶ポリマーである、請求項1に記載の3次元撮像装置。
【請求項10】
前記補強部材の露出窓と前記2個のカメラモジュールとの間に接着剤が介在されている、請求項1に記載の3次元撮像装置。
【請求項11】
前記印刷回路基板に少なくとも一つの突起が形成されており、
前記補強部材に前記突起が挿入されるホールが形成されている、請求項10に記載の3次元撮像装置。
【請求項12】
前記ホールは、前記補強部材の露出窓に隣接して形成されている、請求項11に記載の3次元撮像装置。
【請求項13】
イメージセンサーが設けられた印刷回路基板にレンズハウジングを取り付けるステップと、
前記基板の設定された接触面に熱硬化性エポキシを塗布するステップと、
前記熱硬化性エポキシの塗布された基板上に、露出窓の形成された補強部材を仮結合するステップと、
前記補強部材の仮結合された基板をホットプレートに配置するステップと、
前記補強部材の上部を加圧して熱硬化性エポキシを硬化させて結合するステップと、
を含む、3次元撮像装置の製造方法。
【請求項14】
前記補強部材の上部を加圧して熱硬化エポキシを硬化させて結合するステップにおいて、
前記露出窓に対する部分に凹部が形成された硬化ジグを用いて加圧する、請求項13に記載の3次元撮像装置の製造方法。
【請求項15】
前記カメラモジュールのレンズハウジングの中心軸が、補強部材の露出窓を通って前方に整列された、請求項13に記載の3次元撮像装置の製造方法。
【請求項16】
前記2個のカメラモジュールは相互離隔しており、前記2個のカメラモジュールの間における印刷回路基板領域にコネクター部が設置されている、請求項13に記載の3次元撮像装置の製造方法。
【請求項17】
前記2個のカメラモジュールと前記コネクター部のそれぞれとの間に肉取りされたリブ構造が形成されている、請求項13に記載の3次元撮像装置の製造方法。
【請求項18】
前記補強部材は、前記印刷回路基板上に形成されたコネクター部に対応する部分が穿孔されてなる開放窓を有する、請求項13に記載の3次元撮像装置の製造方法。
【請求項19】
前記補強部材は、前記露出窓及び開放窓以外の面積に対して肉取りされたリブ構造を有する、請求項13に記載の3次元撮像装置の製造方法。
【請求項20】
前記補強部材の材料は、硬化液晶ポリマーである、請求項13に記載の3次元撮像装置の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2012−85290(P2012−85290A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−222812(P2011−222812)
【出願日】平成23年10月7日(2011.10.7)
【出願人】(510039426)エルジー イノテック カンパニー リミテッド (279)
【Fターム(参考)】