説明

3次元精密成形用薄リチウムアルミノケイ酸ガラス

3次元精密成形に用いられ、かつ強化処理に適する薄リチウムアルミノケイ酸ガラスが提供される。本発明ガラスは、50MPa以下の中心引っ張り応力、600〜1200MPaの表面圧縮応力、最大で500MPaまで達する曲げ強度、及び550℃以下のガラス転移温度を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアルミノケイ酸ガラス、より詳細には、高強度、高スクラッチ耐性及び高破砕耐性であり、かつ低温3D成形及び急速イオン交換特性を有するアルミノケイ酸ガラスに関する。本発明はさらに詳細には、高強度、高スクラッチ耐性及び高破砕耐性であり、低温3D成形及び急速イオン交換特性を有し、かつ平面及び非平面電子製品用のスクリーン保護材として用いられるアルミノケイ酸ガラスに関する。本発明は猶さらに詳細には、高強度、高スクラッチ耐性及び高破砕耐性であり、低温3D成形及び急速イオン交換特性を有し、かつ平面及び非平面タッチスクリーン用の保護ガラスとして用いられるアルミノケイ酸ガラスに関する。さらに、本発明は、アルミノケイ酸ガラスの化学的強化方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
いくつかの電子装置では、デザイン上及び技術的理由から、湾曲面及び折り畳み縁などの非平面スクリーン及び3D形状化されたスクリーンが必要とされている。電子装置の保護ガラスの強度を向上させるため、ガラスには、通常ガラス中のイオン半径の小さいアルカリ金属イオンをイオン半径の長いアルカリ金属イオンで交換することによって行われるイオン交換を経て為される強化処理が必要とされる。イオン交換処理中、より半径の大きいアルカリ金属イオンが、より小さい半径をもつアルカリ金属イオンが存在した箇所に拘束されるため、ガラスの表面層中に圧縮応力が生成される。通常、イオン交換を行う場合、ガラスはKNO等の溶融金属塩中へ浸され、この方法は化学的強化と称される。化学的強化を行うときの温度はKNOの融点である328℃より高い温度でなければならない。
【0003】
電子装置あるいはタッチスクリーンの保護ガラスのガラス転移温度(T)は一般的に高い。ソーダ石灰ガラスのTは一般的に530〜560℃の範囲内である。化学的強化に適する市場で入手可能なガラスには通常一定量のAlが含まれ、このAlによってイオン交換を容易化し、及びイオン交換をスピードアップさせるガラスの網目構造が形成される。しかしながら、この種のガラスのTは一般的におよそ600℃以下である。Alは耐火性酸化物であり、その融点はSiOの融点よりも高く、また極めて高いAl−O結合エネルギーを有する。ガラスの融点は、Alがガラス中に存在する場合は、それに対応して上昇する。ガラス中におけるアルカリ金属イオンに対するアルミナのモル比はガラスの特性を決める主要要因となる。この比が1未満である場合は、アルミナがガラスの網目構造中へ入り込んで非架橋酸素と置き換わる傾向が高まり、融点の上昇及びガラス粘度の増加が生ずる。
【0004】
タッチデバイス保護のために用いられるガラスは一般的に高Tを有し、かつイオン交換速度が速いナトリウムアルミノケイ酸ガラスである。このガラスは、適したイオン交換処理を経ることにより、極めて高い破砕耐力及び通常約580℃以上となるTを有する。
【0005】
全く平面である保護ガラスの製造には、ナトリウムアルミノケイ酸ガラスを用いることが経済的である。しかしながら、3D形状をもつ保護ガラスが要求される場合には、そのTが高過ぎることが欠点となる。ガラスの変形温度がTよりも高い場合、Tの高いガラスを成形によって形状化することはその経済性から不可能である。ナトリウムアルミノケイ酸ガラスの変形温度は通常600℃以上であるため、型自体及び型コーティングの寿命が大幅に短縮される。当該技術分野においては、Tが550℃以下であって、化学的強化後に極めて高強度を有するガラスが期待されている。Tがより低いガラスは、ナトリウムアルミノケイ酸ガラス中のナトリウムの一部をリチウムで置き換えることによって得ることが可能である。かかるガラスの強度は化学的強化を行うことにより大きく高めることが可能であり、また同時に極めて高い表面硬度を得ることも可能である。LiOを含むケイ酸ガラスの粘度は、アルカリ金属を同含量含む場合において、NaOを含むガラスの粘度よりも低い。従って、リチウムアルミノケイ酸ガラスは成形温度をより低くすることができるため、安価な型及びコーティング材料を用いることが可能となる。
【0006】
リチウムアルミノケイ酸ガラスのTを、その成分を選択することによって550℃よりもずっと低くなるように制御することも可能であり、従って、このガラスをニッケル合金コーティングが施されたスチール製型あるいはアルミニウム製型を用いて成形することが可能である。他方において、Tの高いナトリウムアルミノケイ酸ガラスの場合は、炭化タングステン型等の金属炭化物あるいは金属窒化物から成る高価な型を用いなければならない。
【0007】
他方、適切な化学的強化処理後のリチウムアルミノケイ酸ガラスの強度は、強化処理されたナトリウムアルミノケイ酸ガラスの強度と同等である。リチウムイオンの拡散速度はナトリウムイオンの拡散速度よりも速いため、リチウムアルミノケイ酸ガラスの強化時間はナトリウムアルミノケイ酸ガラスの強化処理時間よりも短い。リチウムアルミノケイ酸ガラスはナトリウム塩またはカリ塩を用いて化学的に強化可能である。このように強化処理に柔軟性があるため、リチウムアルミノケイ酸ガラスに対する強化処理条件の選択範囲及び可能性がより拡大され、他の特性及び加工要求に適合させることも可能となる。
【0008】
ガラス中において温度が均等分布されていない場合、ガラスの熱膨張の値が極めて重要となる。高い熱膨張率を有するガラスは、より速い冷却速度を要する用途には不適であり、また成形後においても高温であるガラスは周辺大気に晒されると容易にひび割れを生ずる。LiOを含むガラスの熱膨張率はNaOを含むガラスに比べて低いので、より速い成形速度が要求される場合に適する。
【0009】
成形による製造においては、成形材料及びコーティングのコスト及び寿命が全製造コストに対して重要要素となる。一般的な成形型に用いられる材料は炭化タングステンであるが、成形温度が低い場合はスチール製型、ニッケル製型、あるいはスチール/ニッケル合金製型等の金属型を用いることも可能である。一般的コーティング材料は、白金あるいはイリジウム等の貴金属から成るが、特定条件下において、希土類金属コーティング、DCLコーティング、あるいはゾルゲルコーティングを用いることも可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、化学的強化処理が可能であり、550℃以下のTを有し、及び3D形状化可能なガラスを提供することを目的とする。一実施態様において、本発明に係るガラスは、リチウムアルミノケイ酸ガラス、ナトリウムアルミノケイ酸ガラス、及びリチウムナトリウムアルミノケイ酸ガラスを含むアルミノケイ酸ガラス等のケイ酸ガラスまたはリン酸ガラスである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第一に、本発明によれば、温度500〜700℃において3D形状ガラスへの成形が可能であり、かつTが550℃以下であるガラスが提供される。一実施態様において、本発明ガラスのTは530℃以下である。別の実施態様において、本発明ガラスのTは520℃以下である。さらに別の実施態様において、本発明ガラスのTは510℃以下である。
【0012】
一実施例において、成形温度は500〜650℃の範囲内である。別の実施例において、成形温度は500〜630℃の範囲内である。さらに別の実施例において、成形温度は500〜600℃の範囲内である。
【0013】
一実施例において、本発明に係るガラスは厚さ0.4〜2.0mmの平板ガラスである。
【0014】
本発明は、化学的強化処理に適するガラスを提供することも目的とする。一実施態様において、本発明ガラスは強化処理に適するアルカリケイ酸ガラスまたはアルカリリン酸ガラスである。別の実施例において、本発明ガラスはリチウムアルミノケイ酸ガラスである。
【0015】
一実施例において、本発明ガラスは、溶融NaNO中において強化処理を受け、少なくとも500〜800MPaの表面応力を有し、及び50μmの表面応力層を有する。
【0016】
一実施例において、本発明ガラスは溶融KNO中において強化処理を受け、少なくとも800〜1200MPaの表面応力を有し、及び10μmの表面応力層を有する。
【0017】
一実施例において、本発明ガラスはNaNO及びKNOの混合溶融塩中において強化処理を受け、少なくとも600〜1000MPaの表面応力を有し、及び50μmの表面応力層を有する。
【0018】
一実施例において本発明ガラスは最大で500MPaまでの曲げ強度を有し、さらに別の実施例において本発明ガラスは最大で600MPaまでの曲げ強度を有する。
【発明を実施するための手段】
【0019】
ソーダ石灰ガラスは、KNO等の塩浴中におけるイオン交換を経て化学的強化処理を受け、その後にディスプレイ装置の保護ガラスとして利用可能である。一般的に、このようなガラスは数100MPasの表面応力を有するが、ひび割れの拡がりを抑制するための表面応力層の厚さはもっと限られている。ソーダ石灰ガラスの欠点はAlの含量が少なく、そのため迅速なイオン交換速度が得られないことである。長時間に亘るイオン交換処理の後であっても表面応力層の厚さは通常10μm前後しかない。
【0020】
US2008/0286548、CN200810147442.3、CN200910301240.4に開示されているような新たに開発されたガラスはより良好な化学的強化特性及び強度を有する。しかしながら、これらのガラスは、高い温度で形状化しなければならないため、その結果製造コストが高くなり、また生産性が低下し、低温3D形状化の要求、例えばタッチスクリーンの保護ガラスに対する要求を満たすことができない。
【0021】
アルミノケイ酸ガラスのTを550℃以下まで下げた場合は、ガラスの結晶化傾向が高まるため、ガラスの溶融がより困難となる。そのため、結晶化傾向を低下させるためにZrO等の酸化物の添加が必須となる。さらに、アルカリ金属が高含量含まれるアルミノケイ酸ガラスは溶融中にガラス炉をかなり腐食させるため、ガラス炉の材料には適切な耐火性材料が選択されなければならない。
【0022】
ZrO及びZnOを添加することによりガラスの耐水性を向上させることが可能である。
【0023】
ガラスの透過率はディスプレイ装置の保護において最も重要な性能である。化学的強化処理後に、不純物によってガラスの透過率に影響が及ぶ可能性がある。透過率の低下は主としてFe2+、Fe3+等の多価イオンによって引き起こされる。それゆえ、不純物の含量は1000ppm以下、好ましくは500ppm以下、さらに好ましくは100ppm以下とされなければならない。
【0024】
一実施態様において、低温成形に使用可能なガラスは下記組成から構成される。
SiO 58〜65重量%
LiO 4.6〜5.4重量%
NaO 8.1〜9.7重量%
O 0.01〜1.0重量%
Al 16〜20重量%
0.1〜1.0重量%
MgO 0〜0.1重量%
SrO 0〜0.2重量%
ZnO 0〜0.5重量%
CaO 0.2〜2.0重量%
ZrO 2.5〜5.0重量%
0〜1重量%
Fe 0.008〜0.2重量%
SnO 0.05〜0.6重量%
CeO 0.01〜0.3重量%
また、同時に下記式が満たされる。
(LiO+Al)/(NaO+KO)>2.0
SnO+CeO+Fe>0.1重量%
0.8重量%<CaO+ZnO+P+B+CeO+Fe<2.0重量%
なお、SiOはガラス形成剤である。
【0025】
Alは、高強度及び高硬度なガラスを作製するために最も重要な成分である。Na−Kイオン交換速度を高めるためにより速い拡散速度を達成しようとする目的において、ガラス中のAlの含量は、Al3+がガラス中に通常みられる[SiO]四面体よりもずっと多い容積で[AlO]四面体を形成し易いこと、それゆえにイオン交換のためのチャネルとしての空間をより多く占める理由から、高くなければならない。しかしながら、Alの含量が20重量%以上となることは避けなければならない。含量がそれ以上になれば、結果としてガラスの失透傾向及び粘度が増大するからである。従って、Alの含量は16〜20重量%、好ましくは17〜19重量%、さらに好ましくは17.5〜18.5重量%の範囲内とされる。
【0026】
ガラスへLiOを添加することによりガラスの融点を下げ、次いでガラス転移温度を下げることが可能である。さらに重要なこととして、塩浴中、特にNaNOの塩浴中においてリチウムイオンに関してイオン交換を行うことが可能であり、Li−Na間のイオン交換が極めて速いことから、非常に深い表面応力層が生ずる。LiOは速いイオン交換のため、また成形のため低いTをもつガラスにとって必要とされる。しかしながら、LiOの含量が多過ぎると失透を起こす傾向が高まり、また製造中に炉本体を甚大に腐食させる可能性がある。本発明において、LiOの含量は4.6〜5.4重量%、好ましくは4.8〜5.2重量%の範囲内とされる。
【0027】
NaOはガラスの融点降下に働く。ガラスがNaNO中において化学的強化処理される際、一定量のNaによってLiとNa間のイオン交換が速められる。NaOを含むガラスはKによっても交換され、それによって高い表面応力が得られ、従ってさらに有効な交換効果が得られる。原則的にはNaOの含量は可能な限り高くされるが、NaO含量が過剰になるとガラス転移温度が大きく下がり、ガラスに失透が生ずる傾向が強くなる。本発明において、NaOの含量は8.1〜9.7重量%、好ましくは8.4〜9.6重量%、さらに好ましくは8.6〜9.5重量%の範囲内とされる。
【0028】
Oもガラスの融点降下に働く。しかしながら、KO含量が過剰であるとイオン交換処理に悪影響が及ぶ。従ってKOの含量は、1.0重量%以下、好ましくは0.5重量%以下、さらに好ましくは0.3重量%以下とされる。
【0029】
MgOは溶融中におけるガラス溶融物の均質性を高める。本発明においてMgOは不純物としてのみ存在し、その含量は0.1重量%以下である。
【0030】
SrOは不純物として存在し、その含量は0.2重量%以下である。
【0031】
ZnO、CaO、及びPのいずれもガラス融点の降下に働くが、本発明においてこれら酸化物は低含量で存在する。本発明において、ZnOの含量は0.5重量%以下、好ましくは0.4重量%以下、さらに好ましくは0.3重量%以下である。CaOの含量は2.0重量%以下、好ましくは1.5重量%以下、さらに好ましくは1.0重量%以下である。また、Pの含量は1.0重量%以下、好ましくは0.5重量%以下、さらに好ましくは0.2重量%以下である。
【0032】
LiO及びAlの含量は、より速いイオン交換速度が得られるように、また式(LiO+Al)/(NaO+KO)>2.0の条件が満たされるように、十分に高くなければならない。SnOはフロート法によって製造されるガラスにおいては不可欠な成分であり、Feはガラス溶融出発原料中の不純物である。少量のCeOによってガラスの太陽光耐久性及び色発現性の改善が促進される。これら3種酸化物の含量は0.1重量%以上とされる。CaO、ZnO、P及びBはガラス溶融のための出発原料中の不純物であり、これらの含量は、ガラスの安定品質を確保するため一定レベル以下でなければならない。しかしながら、出発原料の純度を厳しく要求すれば製造コストが大幅に高くなる。本発明において、CaO+ZnO+P+B+CeO+Feの総含量は0.8重量%より多く、かつ2.0重量%未満とされる。
【0033】
ガラスへZrOを添加することによってガラスの化学的安定性及び硬度が改善される。しかしながら、ZrOの含量が5.0重量%より高くなると重大な失透を生ずる畏れがある。そのため、本発明においては、ZrOの含量は5.0重量%以下、好ましくは4.5重量%以下、さらに好ましくは4.0重量%以下とされる。
【0034】
ZnO及びZrOは、ガラスの化学的安定性を改善させ、及びガラス中のLi等の揮発性元素の揮発を減ずるために使用することがきる。
【0035】
もガラス形成剤である。ガラスへBを添加することによりガラスの粘度を下げることが可能である。しかしながら、Bが過剰であるとガラス転移温度が低くなり過ぎる可能性があり、それによってAlを高含量で含むガラスの溶融に不利となる。他方において、B含量が過剰であると、イオン交換速度が減じられる。本発明におけるガラス中のB含量は1.0重量%以下、好ましくは0.8重量%以下、さらに好ましくは0.6重量%以下である。
【0036】
CeOの添加により、ガラスの太陽光耐久性及び色発現性が増強される。このような効果を得るためには、少量のCeOを添加するだけで十分であり、その含量は0.01〜0.3重量%。好ましくは0.03〜0.25重量%、さらに好ましくは0.05〜0.2重量%の範囲内とすることができる。
【0037】
フロート法による製造においては、SnOはガラス中への不可欠成分である。本発明においてガラス中のSnO含量は0.6重量%以下、好ましくは0.5重量%以下、さらに好ましくは0.4重量%以下とされる。SnO含量が過剰であるとガラスの透過率が減じられる可能性がある。
【0038】
一実施態様において、タッチスクリーン用の保護ガラスとして用いられるガラスは、厚さ0.4〜2mmの薄ガラスである。
【0039】
薄ガラスは、下方引き出し(down-drawn)、オバーフロー溶融(over flow fusion)、フロート、上方引き出し(up-drawn)などの工程を経て製造可能である。下方引き出し工程及びオバーフロー溶融工程はディスプレイ用ガラスの製造に一般的に用いられる。Alを高含量で含むガラスを製造する場合、ガラスからの泡の除去工程が課題となる。それゆえ、ガラス溶融物の清澄及び均質化を補助するため、溶融中にAs及びSbがしばしば投入される。今日、家電分野においては「グリーン化(地球にやさしい)」がより重要視されている。As及びSbは「非グリーンな」成分であるため、成分の含量の調整においては、ガラスへの添加は禁じられるべきである。
【0040】
本発明の一実施態様では、ガラスはフロート法によって製造される。フロート法において用いられる錫浴中においてSnOが生成されるため、ガラス溶融工程においてAsやSbを添加する必要性は全くない。従って、製造されるガラスは有害成分を含まない「グリーンな」ガラスである。
【0041】
一実施態様において、タッチ制御用の保護ガラスとして用いるために、ガラスは湾曲面あるいは折り畳み縁をもつようにデザインされる。このような形状は精密成形によってのみ得ることができる。精密成形は、低T光学ガラスを用いた非球面レンズの製造において広く利用されている。ガラスは縁部が折り畳まれるように形状化され、また完全な平面の他、中心部が平面な湾曲面にも形状化され、また他の部分では特定のデザインに形状化される。
【0042】
精密成形に用いられる温度は通常500〜700℃である。従って、550℃以下のTをもつガラスが精密成形に適する。成形工程は、底型中へ原料ガラスシートを置く工程、型内部を真空にする工程、及び窒素ガスまたは他の不活性ガス下で充填する工程、底型と原料ガラスシートを加熱する工程、プレス型を用いて加圧する工程、成形工程、冷却工程、及びプレスされたガラスを取り出す工程から構成される。
【0043】
ガラス材料のTは成形温度に影響を与える主要要因である。低温成形の目的を果たすためには、Tは550℃以下、好ましくは530℃以下、さらに好ましくは520℃以下、最も好ましくは510℃以下でなければならない。種々ガラスの異なるTに従って成形温度は異なるが、成形温度は一般的には500〜700℃、好ましくは500〜650℃、さらに好ましくは500〜630℃、最も好ましくは500〜600℃である。
【0044】
タッチスクリーン用の保護ガラスとして利用されるためには、湾曲ガラスに対して化学的強化処理を行うことが必要である。化学的強化処理によってガラスが強化され、及びガラスのスクラッチ耐久性及び耐衝撃性が改善され、ひび割れが防止される。化学的強化は、ガラス中のより小さなアルカリ金属イオンを塩浴中のより大きなアルカリ金属イオンに交換する処理である。例えば、ガラス中のNa及びLiをKNO塩浴中においてKに交換することが可能である。イオン交換後、ガラスの表面層中に圧縮応力が生成され、それによってガラスの強度が増大される。ガラスの表面層において圧縮応力との平衡を保つため、ガラスの中心部に引っ張り応力が生成される。引っ張りと応力が過剰であるとガラスが破損されるリスクが増大する。湾曲ガラス部分は外部応力下における中心部での引っ張り応力に対してさらに敏感である。それゆえ、中心部における引っ張り応力は50MPa以下でなければならず、好ましくは30MPa以下、さらに好ましくは20MPa以下、最も好ましくは15MPa以下になるように設計される。前記表面応力は600MPa、好ましくは700MPa以上、最も好ましくは800MPa以上でなければならず、同時に概して1,200MPa以上とならないように設計される。
【0045】
前記表面応力層の厚さは引っ掻き傷に対する強化ガラスの許容度に反映される。表面応力層が厚ければ厚いほど引っ掻き傷に対するガラスの許容度はより大きくなる。しかしながら、表面応力層の厚さを可能な限り厚くすることは、中心部における引っ張り応力も大きくなることから妥当とはいえない。一実施例において、ガラスの厚さが0.7mmである場合、表面圧力層の厚さは60μm未満であり、好ましくは50μm未満、さらに好ましくは40μm未満となるように設計される。
【0046】
ソーダ石灰ガラス及びナトリウムアルミノケイ酸ガラスには、精密成形に適する特性、及びガラス表面品質が大きく低下しない特性のいずれの特性もないが、これらの特性はしばしば要求される。ガラスの付着及び熱衝撃特性は、特にガラスシートを3mmより薄く、好ましくは2mmより薄く、さらに好ましくは1mmより薄くプレスする場合においては、急速成形加工に求められる要求を満たせるものでなければならない。一実施例において、厚さ0.7mm未満及び0.5mm未満のガラスをプレス成形することも可能である。
【0047】
ガラス表面の特殊な構造もプレス工程において作出あるいは保持することが可能である。該表面構造に装飾効果、及びレンズ、ライトガイド等の光学的機能(屈折、回析、反射)を与えることも可能である。また、該表面構造に機械的機能やタッチ機能を含めることも可能である。薄ガラス上へ空洞を直接プレスすることも可能である。
【0048】
実施例
以下において、実施例を用いて本発明の特徴について説明する。但し、本発明は下記実施例に限定されない。
【0049】
本発明に係るガラスは、主要成分としてのSiO62.21%、Al17.99%、NaO 9.54%、LiO 5.08%、ZrO 3.61%から成り、その他残余分としてB、P、KO、CaO、SrO、ZnO、CeO、Fe及びSnOを含む。
【0050】
表1の実施例ごとに与えられた成分に従った対応出発材料を処方し、白金るつぼ中において温度1600〜1640°下で溶融し、該温度を5〜15時間維持した後、温度1640〜1660℃で清澄し、次いで約1600℃まで冷却した。高温炉から白金るつぼを取り出し、ガラス溶融物を冷ステンレススチール製型中へ注入してサイズ100×80×40mmのガラスブランクを得た。次いで、ガラスをステンレススチール製型と共に温度約600℃に加温された焼鈍し炉中へ置いて約2〜8時間焼鈍しを行った。
【0051】
焼鈍しを行ったガラスを切断し、縁取りを行い、所望のサイズである80×60×0.7mmになるまで精密研磨した。研磨後の表面粗さは1ナノメーター未満であった。
【0052】
以下に述べる方法によって膨張計上において熱膨張係数及び転移点を測定した。サンプルを直径5mmの円筒体に加工した。20℃と300℃における長さの変化を記録して線膨張率を算出した。ガラスの転移点前後において明瞭かつ急激な線膨張率の変化が起こることから、外挿法を経てガラスの転移点が得られた。
【0053】
得られたガラスについて測定した結果、Tは505℃であり、線膨張率は8.5×10−6/℃であった。
【0054】
アルキメデスの原理を用いてガラス密度を測定した。水を含んだ容器中へガラスサンプルを浸し、容器中の水の変位量を正確に測定してサンプルの容積を得た。サンプルの重量を正確に測定してその容積で割算してガラス密度データを得た。
【0055】
ガラス密度は2.49g/cmであった。
【0056】
次いで、このガラスを成形型中へ供し、約575℃での曲げ及び形状化を経て所望形状を得た。
【0057】
サンプルに対して化学的強化処理を行った。該強化処理は実験室スケールの小さな塩浴炉(直径250×250mm、高さ400mm)中において実施した。サンプルを特殊な耐腐食性ステンレススチール製サンプルサポート上へ置いた。温度400℃のKNO塩浴中における6時間に亘るイオン交換処理後において測定されたガラスの表面圧縮応力は810MPa、中心引っ張り応力は31MPa、及び圧縮応力層の深さは25μmであった。
【0058】
ガラスの応力及びガラスの応力層の深さをFSM6000及び偏光顕微鏡を用いて測定した。
【0059】
サンプルの破損強度を4点曲げ強度試験機において測定した。化学的強化処理されたガラスの破損強度は600MPaにまで達していた。
【比較例】
【0060】
比較例サンプルの成分は表2の比較例に示した通りであり、LiOが含まれず、NaO含量が高い。十分な化学的強度を持っていたけれども、比較例サンプルはTが高いため、低温での3D形状化には適さなかった。
【0061】
【表1】


【0062】
【表2】



【特許請求の範囲】
【請求項1】
3次元精密成形に用いられ、強化処理に適し、強化処理後における中心引っ張り応力が50MPaより小さく、表面圧縮応力が500〜1200MPaであり、曲げ強度が最大で500MPaであり、及び転移点が550℃であることを特徴とする薄リチウムアルミノケイ酸ガラス。
【請求項2】
強化処理後における中心引っ張り応力が30MPaより小さいことを特徴とする請求項1項記載の3次元精密成形に用いられ、かつ強化処理に適する薄リチウムアルミノケイ酸ガラス。
【請求項3】
強化処理後における中心引っ張り応力が20MPaより小さいことを特徴とする請求項2項記載の3次元精密成形に用いられ、かつ強化処理に適する薄リチウムアルミノケイ酸ガラス。
【請求項4】
強化処理後における表面圧縮応力が700〜1200MPaであることを特徴とする請求項1項記載の3次元精密成形に用いられ、かつ強化処理に適する薄リチウムアルミノケイ酸ガラス。
【請求項5】
強化処理後における表面圧縮応力が800〜1200MPaであることを特徴とする請求項4項記載の3次元精密成形に用いられ、かつ強化処理に適する薄リチウムアルミノケイ酸ガラス。
【請求項6】
強化処理後において曲げ強度が最大600MPaであることを特徴とする請求項1項記載の3次元精密成形に用いられ、かつ強化処理に適する薄リチウムアルミノケイ酸ガラス。
【請求項7】
ガラス転移点が530℃以下であることを特徴とする請求項1項記載の3次元精密成形に用いられ、かつ強化処理に適する薄リチウムアルミノケイ酸ガラス。
【請求項8】
ガラス転移点が520℃以下であることを特徴とする請求項7項記載の3次元精密成形に用いられ、かつ強化処理に適する薄リチウムアルミノケイ酸ガラス。
【請求項9】
ガラス転移点が510℃以下であることを特徴とする請求項8項記載の3次元精密成形に用いられ、かつ強化処理に適する薄リチウムアルミノケイ酸ガラス。
【請求項10】
ガラス組成全重量に対する重量%で下記成分から成ることを特徴とする請求項1項記載の3次元精密成形に用いられ、かつ強化処理に適する薄リチウムアルミノケイ酸ガラス:
SiO 58〜65重量%
LiO 4.6〜5.4重量%
NaO 8.1〜9.7重量%
O 0.01〜1.0重量%
Al 16〜20重量%
0.1〜1.0重量%
MgO 0〜0.1重量%
SrO 0〜0.2重量%
ZnO 0〜0.5重量%
CaO 0.2〜2.0重量%
ZrO 2.5〜5.0重量%
0〜1重量%
Fe 0.008〜0.2重量%
SnO 0.05〜0.6重量%
CeO 0.01〜0.3重量%
ここで、(LiO+Al)/(NaO+KO)>2.0
SnO+CeO+Fe>0.1重量%
0.8重量%<CaO+ZnO+P+B+CeO+Fe<2.0重量%
【請求項11】
O含量が0.5重量%未満であることを特徴とする請求項10項記載の3次元精密成形に用いられ、かつ強化処理に適する薄リチウムアルミノケイ酸ガラス。
【請求項12】
O含量が0.3量%未満であることを特徴とする請求項11項記載の3次元精密成形に用いられ、かつ強化処理に適する薄リチウムアルミノケイ酸ガラス。
【請求項13】
ZnO含量が0.4重量%未満であることを特徴とする請求項10項記載の3次元精密成形に用いられ、かつ強化処理に適する薄リチウムアルミノケイ酸ガラス。
【請求項14】
ZnO含量が0.3重量%未満であることを特徴とする請求項13項記載の3次元精密成形に用いられ、かつ強化処理に適する薄リチウムアルミノケイ酸ガラス。
【請求項15】
CaO含量が1.5重量%未満であることを特徴とする請求項10項記載の3次元精密成形に用いられ、かつ強化処理に適する薄リチウムアルミノケイ酸ガラス。
【請求項16】
CaO含量が1.0重量%未満であることを特徴とする請求項15項記載の3次元精密成形に用いられ、かつ強化処理に適する薄リチウムアルミノケイ酸ガラス。
【請求項17】
含量が0.5重量%未満であることを特徴とする請求項10項記載の3次元精密成形に用いられ、かつ強化処理に適する薄リチウムアルミノケイ酸ガラス。
【請求項18】
含量が0.2重量%未満であることを特徴とする請求項17項記載の3次元精密成形に用いられ、かつ強化処理に適する薄リチウムアルミノケイ酸ガラス。
【請求項19】
含量が0.8重量%未満であることを特徴とする請求項10項記載の3次元精密成形に用いられ、かつ強化処理に適する薄リチウムアルミノケイ酸ガラス。
【請求項20】
含量が0.6重量%未満であることを特徴とする請求項19項記載の3次元精密成形に用いられ、かつ強化処理に適する薄リチウムアルミノケイ酸ガラス。
【請求項21】
ZrO含量が4.5重量%未満であることを特徴とする請求項10項記載の3次元精密成形に用いられ、かつ強化処理に適する薄リチウムアルミノケイ酸ガラス。
【請求項22】
ZrO含量が4.0重量%未満であることを特徴とする請求項21項記載の3次元精密成形に用いられ、かつ強化処理に適する薄リチウムアルミノケイ酸ガラス。
【請求項23】
SnO含量が0.5重量%未満であることを特徴とする請求項10項記載の3次元精密成形に用いられ、かつ強化処理に適する薄リチウムアルミノケイ酸ガラス。
【請求項24】
SnO含量が0.4重量%未満であることを特徴とする請求項23項記載の3次元精密成形に用いられ、かつ強化処理に適する薄リチウムアルミノケイ酸ガラス。
【請求項25】
Al含量が17〜19重量%であることを特徴とする請求項10項記載の3次元精密成形に用いられ、かつ強化処理に適する薄リチウムアルミノケイ酸ガラス。
【請求項26】
Al含量が17.5〜18.5重量%であることを特徴とする請求項25項記載の3次元精密成形に用いられ、かつ強化処理に適する薄リチウムアルミノケイ酸ガラス。
【請求項27】
LiO含量が4.8〜5.2重量%であることを特徴とする請求項10項記載の3次元精密成形に用いられ、かつ強化処理に適する薄リチウムアルミノケイ酸ガラス。
【請求項28】
NaO含量が8.4〜9.6重量%であることを特徴とする請求項10項記載の3次元精密成形に用いられ、かつ強化処理に適する薄リチウムアルミノケイ酸ガラス。
【請求項29】
NaO含量が8.6〜9.5重量%であることを特徴とする請求項28項記載の3次元精密成形に用いられ、かつ強化処理に適する薄リチウムアルミノケイ酸ガラス。
【請求項30】
CeO含量が0.03〜0.25重量%であることを特徴とする請求項10項記載の3次元精密成形に用いられ、かつ強化処理に適する薄リチウムアルミノケイ酸ガラス。
【請求項31】
CeO含量が0.05〜0.2重量%であることを特徴とする請求項30項記載の3次元精密成形に用いられ、かつ強化処理に適する薄リチウムアルミノケイ酸ガラス。
【請求項32】
ガラスにAS及びSbが含まれないことを特徴とする請求項1〜31のいずれかに記載の3次元精密成形に用いられ、かつ強化処理に適する薄リチウムアルミノケイ酸ガラス。
【請求項33】
ガラスが温度500〜700℃の範囲内で3D形状に成形され、及びガラスのTが550℃以下であることを特徴とする請求項1〜32のいずれかに記載の3次元精密成形に用いられ、かつ強化処理に適する薄リチウムアルミノケイ酸ガラス。
【請求項34】
ガラスが温度500〜650℃の範囲内で3D形状に成形され、及びガラスのTが530℃以下であることを特徴とする請求項33項記載の3次元精密成形に用いられ、かつ強化処理に適する薄リチウムアルミノケイ酸ガラス。
【請求項35】
ガラスが温度500〜630℃の範囲内で3D形状に成形され、及びガラスのTが520℃以下であることを特徴とする請求項34項記載の3次元精密成形に用いられ、かつ強化処理に適する薄リチウムアルミノケイ酸ガラス。
【請求項36】
ガラスが温度500〜600℃の範囲内で3D形状に成形され、及びガラスのTが510℃以下であることを特徴とする請求項35項記載の3次元精密成形に用いられ、かつ強化処理に適する薄リチウムアルミノケイ酸ガラス。
【請求項37】
ガラスが厚さ0.4〜2.0mmの平板ガラスであることを特徴とする請求項1〜36のいずれかに記載の3次元精密成形に用いられ、かつ強化処理に適する薄リチウムアルミノケイ酸ガラス。
【請求項38】
ガラスが溶融KNO中、あるいは溶融NaNO中、あるいは溶融NaNOと溶融KNOの混合塩中において強化処理されることを特徴とする請求項1〜37のいずれかに記載の3次元精密成形に用いられ、かつ強化処理に適する薄リチウムアルミノケイ酸ガラス。
【請求項39】
ガラスが溶融KNO中において強化処理を受け、及びガラスの表面応力が800〜1200MPaであることを特徴とする請求項38項記載の3次元精密成形に用いられ、かつ強化処理に適する薄リチウムアルミノケイ酸ガラス。
【請求項40】
ガラスが溶融KNO中において強化処理を受け、及びガラスの表面応力層が少なくとも10μmであることを特徴とする請求項38項記載の3次元精密成形に用いられ、かつ強化処理に適する薄リチウムアルミノケイ酸ガラス。
【請求項41】
ガラスが溶融NaNO中において強化処理を受け、及びガラスの表面応力が500〜800MPaであることを特徴とする請求項38項記載の3次元精密成形に用いられ、かつ強化処理に適する薄リチウムアルミノケイ酸ガラス。
【請求項42】
ガラスが溶融NaNO中において強化処理を受け、及びガラスの表面応力層が少なくとも50μmであることを特徴とする請求項38項記載の3次元精密成形に用いられ、かつ強化処理に適する薄リチウムアルミノケイ酸ガラス。
【請求項43】
ガラスがKNO及びNaNOの混合溶融液中において強化処理を受け、及びガラスの表面応力が600〜1000MPaであることを特徴とする請求項38項記載の3次元精密成形に用いられ、かつ強化処理に適する薄リチウムアルミノケイ酸ガラス。
【請求項44】
ガラスがKNO及びNaNOの混合溶融液中において強化処理を受け、及びガラスの表面応力層が少なくとも50μmであることを特徴とする請求項38項記載の3次元精密成形に用いられ、かつ強化処理に適する薄リチウムアルミノケイ酸ガラス。
【請求項45】
ガラスの厚さが0.4〜3.0mmであることを特徴とする請求項1〜44のいずれかに記載の薄リチウムアルミノケイ酸ガラス。
【請求項46】
ガラスの厚さが0.4〜2.0mmであることを特徴とする請求項1〜45のいずれかに記載の薄リチウムアルミノケイ酸ガラス。
【請求項47】
ガラスの厚さが0.4〜1.0mmであることを特徴とする請求項1〜46のいずれかに記載の薄リチウムアルミノケイ酸ガラス。
【請求項48】
タッチパッドの保護ガラスとして用いられることを特徴とする請求項1〜47のいずれかに記載の薄リチウムアルミノケイ酸ガラス。
【請求項49】
ガラスが、光学、機械、タッチ、装飾等の機能を持つ表面構造を有することを特徴とする請求項1〜48のいずれかに記載の薄リチウムアルミノケイ酸ガラス。

【公表番号】特表2013−520385(P2013−520385A)
【公表日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−554206(P2012−554206)
【出願日】平成23年2月22日(2011.2.22)
【国際出願番号】PCT/CN2011/071157
【国際公開番号】WO2011/103799
【国際公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(512139847)ショット グラス テクノロジーズ (スゾウ) カンパニー リミテッド (3)
【氏名又は名称原語表記】SCHOTT GLASS TECHNOLOGIES (SUZHOU) CO., LTD.
【Fターム(参考)】