3次元顔データ登録システム、3次元顔データ登録方法、及び登録処理プログラム
【課題】システム導入から短期間で実用となる登録データベースを構築することが可能な3次元顔データ登録システムを提供する。
【解決手段】個人認証用として撮影された複数の顔写真を記憶する2次元顔画像記憶部と、この記憶された2次元の顔写真から3次元の顔形状を復元する3次元顔形状復元手段と、この復元された3次元の顔形状を登録データとして記憶する3次元顔復元形状記憶部とを備えている。3次元顔形状復元手段に、3次元で顔の形状を計測する3次元顔形状計測手段と、この3次元顔形状計測手段で計測される3次元顔計測形状データを保存する3次元顔計測形状記憶部とを併設する。そして、3次元顔形状復元手段が、2次元の顔写真から3次元の顔形状を復元するに際しては、3次元顔形状計測手段で得られる3次元顔計測形状データを参照しこれに合わせて復元する3次元形状参照復元機能を備えている。
【解決手段】個人認証用として撮影された複数の顔写真を記憶する2次元顔画像記憶部と、この記憶された2次元の顔写真から3次元の顔形状を復元する3次元顔形状復元手段と、この復元された3次元の顔形状を登録データとして記憶する3次元顔復元形状記憶部とを備えている。3次元顔形状復元手段に、3次元で顔の形状を計測する3次元顔形状計測手段と、この3次元顔形状計測手段で計測される3次元顔計測形状データを保存する3次元顔計測形状記憶部とを併設する。そして、3次元顔形状復元手段が、2次元の顔写真から3次元の顔形状を復元するに際しては、3次元顔形状計測手段で得られる3次元顔計測形状データを参照しこれに合わせて復元する3次元形状参照復元機能を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バイオメトリクス認証分野における顔データを使用した人物特定技術に関するもので、特に、顔認証にて障害となっている顔向きや光源等の変動による認証精度低下の改善を目指した3次元顔データ登録システム、3次元顔データ登録方法、及び登録処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
バイオメトリクス等を用いた個人認証方式では、認証対象者の情報をデータベースに予め登録しておく「登録プロセス」と、照合対象者を先のデータベースに登録されている情報と一件ずつ照合して本人か否かのもっともらしさ(「尤度」と呼ばれる)を求める「照合プロセス」に分かれる。
【0003】
顔認証では、上記登録及び照合の際の情報に顔の特徴データを用いるものであり、この顔の特徴データを抽出する方式として、非特許文献1に記載されている2次元の正面顔画像を用いた手法が主流である。具体的な手法としては、非特許文献1の2.2節に記載されているように、2次元顔画像から目,鼻,口といった顔造作を検出し、これらの幾何学的特徴を元に顔特徴を認識し照合する「造作ベース法」、2次元顔画像の濃淡値をベクトル集合とみなしてその主成分分析により固有顔を算出することにより顔の特徴を認識し照合する「パターン整合法」などがある。これらの手法はいずれも、2次元画像から特徴量を抽出して、比較し照合することで尤度を算出するものである。
【0004】
しかしながら、これら2次元顔画像からの特徴量抽出手法では、登録時と異なる顔の向き,照明,表情などの要因や、登録時からの経年変化の影響を受けやすい。これに対処するため、特許文献1〜2にあるように、顔の3次元データを用いることで、これら変動要素の影響を少なくした顔認証システムがある。これとは別に、非特許文献2のような3次元顔計測器を用いず、正面顔や横顔等の2次元画像から顔の3次元形状を復元する手法が研究されている。
【特許文献1】特開2004−086929
【特許文献2】特開平09−259271
【非特許文献1】赤松 茂著「コンピュータによる顔の認識−サーベイ−」電子情報通信学会論文誌 A Vol.J 80-A No.8、1997年8月、pp.1215−1230
【非特許文献2】Volker Blanz, Thomas Vetter,"A Morphable Model For The SynthesisOf 3D Faces",SIGGRAPH99, 1999
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来例における顔認証システムでは、登録プロセス又は照合プロセスに必ず顔の3次元データを入力する必要があり、これには高価な3次元顔計測器が必要であり、又、計測にはスチルカメラより長い数百ミリ秒の撮影時間が必要であるなど種々の問題点があり、実運用を目指す際の妨げになっている。
【0006】
更に、顔認証システムの導入用途として、犯罪捜査における被疑者の特定/選別等が考えられるが、これには3次元顔計測器を用いた犯罪者の登録データベース構築が必要となり、改めて3次元顔計測を行う必要があるなど膨大なリソースが必要となる。このため、システム導入時から登録データベースが十分蓄積される長期間の間、システムとして有用な運用ができないという不都合があった。
【0007】
又、非特許文献2に示すような3次元顔計測機を用いず、正面顔や横顔等の2次元画像から顔の3次元形状を復元する手法にあっては、犯罪捜査にて蓄積してある犯罪者の顔写真から3次元顔形状を復元し、データベースに登録することで、3次元顔計測機が不要と考えられる。しかしながら、この手法は他人の3次元顔計測形状を参照することで復元を行い、参照する3次元顔計測形状の数が少ない場合、十分な復元精度が得られないため、いかに参照する3次元顔計測形状を増やすかが重要な課題となっている。
【0008】
このように、上記各従来例にあって第1の問題点は、犯罪捜査等における3次元データを使用した顔認証システムで、システム導入時から長期間、有効に運営できないという不都合がある。その理由は、3次元顔計測機を用いた測定データの登録データベースが十分蓄積されないと、システムとして有効に機能しないためである。特に、犯罪捜査ではシステムが有用となるには相当数の登録データが必要であり、非常に長期間のロスタイムが発生する。
【0009】
又、第2の問題点は、登録データベース構築に際し、3次元顔計測機を使用せずに正面顔や横顔等の2次元顔画像から顔の3次元形状復元技術を用いて登録データベースを構築した場合には、復元精度が低下するということである。その理由は、3次元顔形状復元技術における復元精度は、参照すべき他人の3次元顔計測形状の数に依存し、数が少ない場合には十分な復元精度を得られないためである。
【0010】
本発明は、かかる従来例の有する不都合を改善し、顔向きや照明などの変動要因があっても、効率良く個人認証を可能とする3次元顔データ登録システム、3次元顔データ登録方法、及び登録処理プログラムを提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明にかかる3次元顔データ登録システムでは、個人認証用として撮影された複数の顔写真を記憶する2次元顔画像記憶部と、この記憶された2次元の顔写真から3次元の顔形状を復元する3次元顔形状復元手段と、この復元された3次元の顔形状を登録データとして記憶する3次元顔復元形状記憶部とを備えている。
更に、前述した3次元顔形状復元手段に、3次元で顔の形状を計測する3次元顔形状計測手段と、この3次元顔形状計測手段で計測される3次元顔計測形状データを保存する3次元顔計測形状記憶部とを併設する。又、前述した3次元顔形状復元手段が、前記2次元の顔写真から3次元の顔形状を復元するに際しては、前記3次元顔形状計測手段で得られる3次元顔計測形状データを参照しこれに合わせて復元する3次元形状参照復元機能を備えていることを特徴とする(請求項1乃至7)。
【0012】
このため、これによると、2次元顔画像データから3次元顔復元形状データの構築に際し、登録時と異なる顔の向きや証明の相違或いは表情などの相違があっても、登録時から径年変化の影響を受けにくい3次元顔計測形状データを参照して復元を実行するようにしたので、短時間に然も高精度に3次元顔復元形状データを構築することができ、信頼性の高い3次元顔復元形状データを得ることができる。
【0013】
ここで、前述した3次元顔形状復元手段で復元される3次元顔形状復元データを記憶する3次元顔復元形状記憶部と、前記3次元顔形状計測手段で計測される3次元顔計測形状データを保存する3次元顔計測形状記憶部とによって個人認証時の照合プロセスに際して機能する登録データ記憶部を構成するようにしてもよい(請求項2)。
【0014】
又、前述した3次元顔形状復元手段に予め測定された3次元顔計測形状にかかるデータを格納した3次元顔形状初期データ記憶部を併設する。更に、前述した3次元顔形状復元手段は、前記3次元顔計測形状記憶部に3次元顔計測形状データが無い場合に機能して前記3次元顔形状初期データ記憶部に記憶されている初期データを参照し,これに合わせて3次元の顔形状を復元する初期データ参照復元機能を備えた構成としてもよい(請求項3)。
【0015】
このようにすると、特にシステムの初期段階における3次元顔形状復元に際しては、初期データ参照復元機能が有効に機能して、3次元顔計測形状データが少ないにもかかわらず、前記3次元顔形状初期データ記憶部に記憶されている初期データを参照して高精度に3次元の顔形状を復元することができる。
【0016】
ここで、前述した3次元顔形状復元手段に、前記3次元顔形状計測手段及び3次元顔計測形状記憶部に代えて、前記3次元顔計測形状にかかるデータを予め測定し格納した3次元顔形状初期データ記憶部を併設した構成としてもよい(請求項4)。
このようにすると、前記3次元顔計測形状記憶部に3次元顔計測形状データが有るか否かの判断が不要となり、最初から比較的高精度に3次元の顔形状を復元することができる。
【0017】
又、前述した3次元顔復元形状記憶部と前記3次元顔計測形状記憶部とに、同一人物にかかるデータが重複して記憶されないように監視する登録データ整合手段を併設する。そして、この登録データ整合手段が、前記計測形状にかかるデータと復元形状にかかるデータとが重複して記憶されている場合に機能して復元形状にかかるデータを削除する復元形状データ削除制御機能を備えた構成としてもよい(請求項5)。
このようにすると、常に精度の高い前記計測形状にかかるデータを優先使用するようにしたので、復元形状の精度を高めることができる。
【0018】
更に、前述した2次元顔画像記憶部と3次元顔計測形状記憶部の各々に、当該各記憶の対象とした顔画像又は顔計測にかかる人物の性別および年齢等を前記各記憶データに対応して記憶する属性データ記憶部を併設する。そして、前記3次元顔形状復元手段が前記2次元の顔写真から3次元の顔形状を復元するに際しては、前記2次元の顔写真にかかる属性データに近い属性データの3次元顔計測形状データを前記3次元顔計測形状記憶部から選択して取り出すと共に前記3次元顔形状復元手段に送り込む3次元計測データ選別手段を、前記3次元顔形状復元手段に併設した構成としてもよい(請求項6)。
【0019】
このようにすると、3次元顔形状復元に際して属性の近い3次元計測データを選別して3次元顔計測形状データとして使用することができるので、3次元計測データの全てを3次元顔計測形状記憶部から取り出す必要性が無くなり、かかる点において、3次元顔計測形状を読み込むリソースの低減が可能となる。
【0020】
又、前述した3次元顔形状復元手段に、前記3次元顔計測形状記憶部および3次元顔復元形状記憶部にそれぞれ記憶される記憶内容の蓄積数を監視する再復元用監視制御手段を併設する。そして、この再復元用監視制御手段は、前記3次元顔復元形状記憶部に記憶されている一の顔復元形状について当該顔復元形状が復元された時の前記3次元顔計測形状の蓄積数が現在の3次元顔計測形状の蓄積数より小さい場合に、前記3次元顔形状復元手段に対して再度当該一の顔復元形状について顔形状復元を指令する再復元実行指令機能を備えた構成としてもよい(請求項7)。
【0021】
このようにすると、径年的に3次元顔計測回数数が増えることから情報量の多くなった3次元顔計測形状データを使用することができ、かかる点において3次元顔復元形状記憶部に記憶される3次元顔復元形状データの精度をより一層高いものとすることが可能となる。
【0022】
又、上記目的を達成するため、本発明にかかる3次元顔データ登録方法では、個人認証用として撮影された複数の顔写真を記憶する2次元顔写真記憶工程と、この記憶された2次元の顔写真から3次元の顔形状を復元する3次元顔形状復元工程と、この復元された3次元の顔形状を登録データとして3次元顔復元形状記憶部に記憶する3次元顔復元形状記憶工程部とを備えた3次元顔データ登録方法において、前記3次元顔形状復元工程の前に、3次元で顔の形状を計測すると共にその計測データを3次元顔形状計測記憶部に記憶する3次元顔形状計測工程を設ける。そして、前述した3次元顔形状復元工程では、前記2次元の顔写真から3次元の顔形状を復元するに際し、前記3次元顔形状計測手段で得られる3次元顔計測形状データを参照しこれに合わせて復元するようにその実行内容が設定されていることを特徴とした(請求項8)。
【0023】
このため、これによると、登録時から径年変化の影響を受けにくい3次元顔計測形状データを参照して復元を実行するようにしたので、短時間に然も高精度に3次元顔復元形状データを構築することができ、個人認証時に先の登録時と異なる顔の向きや証明の相違或いは表情などの相違があっても、信頼性の高い3次元顔復元形状データを得ることができる。
【0024】
ここで、前述した3次元顔形状復元工程では、前記3次元顔形状計測工程で得られる計測形状データが無い場合に機能し、初期データとして予め別に準備された3次元顔形状の計測形状データを参照し,これに合わせて3次元の顔形状を復元するようにその実行内容を設定した構成としてもよい(請求項9)。
このようにすると、特にシステムの初期段階における3次元顔形状復元に際しては、初期データ参照復元機能が有効に機能して、3次元顔計測形状データが少ないシステムの初期段階にあっても、高精度に個人認証用の3次元の顔形状を復元することができる。
【0025】
又、前述した3次元顔形状復元工程の実行前に、前記3次元顔復元形状記憶部と前記3次元顔計測形状記憶部とに同一人物にかかるデータが重複して記憶されないように監視すると共に、重複して記憶されている場合に機能して前記3次元顔復元形状記憶部の対応する復元形状にかかるデータを削除する復元形状データ削除制御工程を設けた構成としてもよい(請求項10)。
このようにすると、常に精度の高い前記計測形状にかかるデータが使用されるので、復元形状の精度を高めることができる。
【0026】
更に、前述した2次元顔写真記憶工程と3次元顔計測形状記憶工程の各実行時に、当該各工程で記憶の対象とした顔画像又は顔計測にかかる人物の性別および年齢等を前記各記憶データに対応して設けられた属性データ記憶部に記憶する属性データ記憶工程を併設する。そして、前記3次元顔形状復元工程で前記2次元の顔写真から3次元の顔形状が復元されるに際し前記2次元の顔写真にかかる属性データに近い属性データの3次元顔計測形状データを前記記憶された属性データ内から選択して前記3次元顔形状復元手段に送り込む3次元計測データ選別工程を、前記3次元顔形状復元工程に併設した構成としてもよい(請求項11)。
このようにすると、3次元計測データの全てを3次元顔計測形状記憶部から取り出す必要性がなくなり、参照する計測データが属性に近いものに限ることができるので、データの処理時間が短縮され、かかる点において3次元顔の復元をより迅速化することが可能となる。
【0027】
前述した3次元顔形状復元工程の後に、前記3次元顔計測形状記憶部および3次元顔復元形状記憶部にそれぞれ記憶される記憶内容の蓄積数を監視する再復元用監視制御工程および3次元顔形状再復元工程を設定する。そして、前述した再復元用監視制御工程では、前記3次元顔復元形状記憶部に記憶されている一の顔復元形状について当該顔復元形状が復元された時の前記3次元顔計測形状の蓄積数が現在の3次元顔計測形状の蓄積数より小さい場合に、前記3次元顔形状復元工程に対して再度当該一の顔復元形状について顔形状復元の指令すると共に、当該指令に基づいて前記3次元顔形状再復元工程が前記3次元顔形状復元工程と同一内容で実行されるように構成してもよい(請求項12)。
このようにすると、径年的に情報量の多くなった3次元顔計測形状データを使用することができ、かかる点において3次元顔復元形状データの精度をより一層高いものとすることができる。
【0028】
更に、上記目的を達成するため、本発明にかかる3次元顔データ登録プログラムでは、前述した3次元顔データ登録方法の各工程での実行内容をプログラム化してコンピュータに実行させるように構成した(請求項13乃至17)。
この3次元顔データ登録プログラムにあっては、前述した各構成手段で得られた顔形状計測データの記憶処理や3次元顔形状復元処理等の演算処理を主に実行するものであり、かかる点において、前述した3次元顔データ登録方法の場合とほぼ同等の作用効果を有し、更に、当該処理内容を迅速に且つ高精度に実行し得るという利点を兼ね備えたものとなっている。
【発明の効果】
【0029】
本発明は以上のように構成され機能するので、これによると、2次元顔画像データから3次元顔復元形状データの構築に際し、登録時と異なる顔の向きや証明の相違或いは表情などの相違があっても、登録時から径年変化の影響を受けにくい3次元顔計測形状データを参照して復元を実行するようにしたので、短時間に然も高精度に3次元顔復元形状データを復元することができるという従来にない優れた3次元顔データ登録システム,3次元顔データ登録方法,及び登録処理プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
次に、発明を実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0031】
〔第1の実施形態〕
図1乃至図2にこれを示す。この図1乃至図2に示す第1の実施形態は、個人認証用として予め撮影された複数の顔写真を記憶する2次元顔画像記憶部102と、この記憶された2次元の顔写真から3次元の顔形状を復元する3次元顔形状復元手段103と、この復元された3次元の顔形状を登録データとして記憶する3次元顔復元形状記憶部106とを備えている。ここで、前述した複数の顔写真は、顔画像撮影装置101によって個人認証用として予め撮影されるようになっている。
【0032】
前述した3次元顔形状復元手段103には、3次元で顔の形状を計測する3次元顔形状計測手段としての3次元顔形状計測装置104と、この3次元顔形状計測装置104で計測される3次元顔計測形状データを保存する3次元顔計測形状記憶部105とが併設されている。そして、前述した3次元顔形状復元手段103は、2次元の顔写真から3次元の顔形状を復元するに際しては、前記3次元顔形状計測装置104で得られる3次元顔計測形状データを参照しこれに合わせて復元する3次元形状参照復元機能を備えている。又、前記3次元顔復元形状記憶部106と3次元顔計測形状記憶部105とによって、個人認証時の照合プロセスに際して機能する登録データ記憶部107が構成されている。
【0033】
ここで、上述した本第1実施形態の各構成要素における動作機能について説明する。
まず、顔画像撮影装置101は、一般的なスチルカメラであり、この装置により人物の顔を撮影する。又、撮影された顔画像写真をスキャナで読取る動作も、本顔画像撮影装置101では成し得る機能を備えている。
2次元顔画像記憶部102は、顔画像撮影装置101で撮影された顔画像を蓄積する機能を備えている。3次元顔形状復元手段103は、2次元顔画像記憶部102に蓄積された顔画像を基にして3次元顔形状計測記憶部105を参照しつつ3次元顔形状に復元するように機能する。
【0034】
更に、3次元顔形状計測装置104は、レーザー光線やステレオ撮影機器により顔の表面形状を立体的・3次元的に計測する機能を備えている。又、3次元顔計測形状記憶部105は3次元顔形状計測装置104によって計測された3次元顔形状を蓄積する機能を備えている。同時に、3次元顔復元形状記憶部106は3次元顔形状復元手段103によって復元された3次元顔形状を蓄積する機能を備えている。
そして、登録データ記憶部107は、前述したように、実計測された3次元顔計測形状記憶部105と復元された3次元顔復元形状記憶部106を備えており、照合プロセスにおいて参照される記憶部として機能する。
【0035】
次に、本実施の形態の全体の動作を図2のフローチャートを参照して説明する。
まず、図2の(A)に示す2次元顔画像撮影フローでは、顔画像撮影装置101で顔画像を撮影し(S601)、その顔画像を2次元顔画像記憶部102に蓄積する(S602:2次元顔写真記憶工程)。又、図2の(B)に示す3次元顔形状計測フローでは、3次元顔形状を3次元顔形状計測装置104で計測し(S603:3次元顔形状計測工程)、その3次元顔形状計測データを3次元顔計測形状記憶部105に蓄積する(S604:3次元顔形状計測記憶工程)。
【0036】
更に、図2の(C)に示す3次元顔形状復元フローでは、始めに、3次元顔計測形状記憶部105に格納された3次元顔計測形状データを全て参照可能にする(S605) 。
その後、2次元顔形状記憶部102から2次元顔画像を1枚読み込み(S606) 、ステップS605で参照可能にした3次元顔計測形状データの全てに基づいて顔画像に合致するように3次元顔形状復元手段103によって3次元顔形状の復元を行う(S607:3次元顔形状復元工程)。そして、復元された3次元顔形状を3次元顔復元形状記憶部106に蓄積する(S608:3次元顔形状記憶工程) 。更に、かかる動作を復元対象となる顔画像が無くなるまで実施する(S609) 。
【0037】
ここで、上述した2次元顔写真記憶工程,3次元顔形状計測記憶工程,3次元顔形状復元工程,および3次元顔復元形状記憶工程については、その各実行内容をプログラム化しコンピュータに実行させるように構成しても良い。
このため、この第1実施形態によると、上述したように、2次元顔画像データから3次元顔復元形状データの構築に際し、登録時と異なる顔の向きや証明の相違或いは表情などの相違があっても、登録時から径年変化の影響を受けにくい3次元顔計測形状データを参照して復元を実行するようにしたので、短時間に然も高精度に3次元顔復元形状データを構築することができ、信頼性の高い3次元顔復元形状データを得ることができる。
【0038】
又、この第1実施形態では、3次元顔形状計測フローと3次元顔形状復元フローとが図2(B)(C)に示すように分離しており、各々並行に実行することが可能な構成になっている。このため、本実施形態実施形態にあっては、日々増加する3次元顔計測形状データの蓄積によって、日々形状復元する3次元顔形状の精度が経時的に高められるという効果を合わせ備えた構成となっている。
【0039】
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態を図3乃至図4に基づいて説明する。
ここで、前述した図1の第1実施形態と同一の構成部材については同一の符号を用いるものとする。
【0040】
図3において、本第2の実施形態は、顔画像撮影装置101と、2次元顔画像記憶部102と、3次元顔形状復元手段203と、3次元顔形状計測装置104と、登録データ記憶部207と、3次元顔形状復元用初期データ記憶部208とから構成されている。登録データ記憶部207は、前述した3次元顔計測形状記憶部105と、3次元顔復元形状記憶部206とを備えた構成となっている。
【0041】
ここで、上述した3次元顔形状復元手段203は、2次元顔画像記憶部102に蓄積された顔画像を、3次元顔形状計測記憶部105又は3次元顔形状復元用初期データ記憶部208に記憶された3次元顔形状計測データ又は3次元顔形状復元用初期データに基づいて、3次元形状に復元する機能を備えている。
3次元顔復元形状記憶部206は、3次元顔形状復元手段203によって復元された3次元顔形状を蓄積する機能を備えている。
【0042】
登録データ記憶部207は、前述した図1の場合と同様に、実計測された3次元顔形状計測データを記憶した3次元顔計測形状記憶部105と、復元された3次元顔復元形状記憶部206とを備え、照合プロセスにおいて参照される記憶部となる。
ここで、3次元顔形状復元用初期データ記憶部208は、他システムにて計測された3次元顔計測データが予め蓄積された構成となっている。その他の構成は、前述した第1実施形態にお場合と同一となっている。
【0043】
次に、第2実施形態の全体的な動作を、図4のフローチャートに基づいて説明する。
まず、図4の(A)に示す2次元顔画像撮影フローでは、顔画像撮影装置101で顔画像を撮影し(S701)、その顔画像を2次元顔画像記憶部102に蓄積する(S702:2次元顔画像記憶工程)。また、図4の(B)に示す3次元顔形状計測フローでは、顔の3次元顔形状を3次元顔形状計測装置104で計測し(S703)、その計測した3次元顔形状データを3次元顔形状計測記憶部105に蓄積する(S704:3次元顔形状計測工程) 。
【0044】
更に、図4の(C)に示す3次元顔形状復元フローでは、始めに、3次元顔計測形状記憶部105の記憶内容である3次元顔計測形状データを全て参照可能にし(S705) 、続いて3次元顔形状復元用初期データ記憶部208の記憶内容である3次元顔計測形状データを全て参照可能にする(S706) 。その後、2次元顔形状記憶部102より2次元顔画像を1枚読み込み(S707) 、ステップS705、ステップS706で参照可能にした3次元顔計測形状データの全てに基づいて顔画像に合致するよう3次元顔形状復元を行う(S708:3次元顔形状復元工程)。
【0045】
そして、この復元された3次元顔形状データを3次元顔復元形状記憶部206に蓄積する(S709) 。これを復元対象となる顔画像が無くなるまで実施する(S710) 。
更に、3次元顔形状復元手段203が、顔形状復元工程で参照する3次元顔計測形状データについては、3次元顔計測形状記憶部105の記憶内容を最初に取り出して参照し、この3次元顔計測形状記憶部105に記憶内容の蓄積が無い場合に前述した3次元顔形状復元用初期データ記憶部208の記憶内容を利用するように構成されている。
【0046】
ここで、3次元顔形状復元手段203による3次元顔形状復元処理に際して成される上記3次元顔計測形状データの選択参照機能は、これをプログラム化しコンピュータに実行させるように構成してもよい。
【0047】
上述したように、この第2実施形態では、予め3次元顔形状復元用初期データ記憶部208に3次元顔計測形状データを蓄積したものを使用するように構成されているため、システム導入時などで十分に3次元顔計測形状記憶部205に3次元顔計測形状データが蓄積されていない場合,若しくは3次元顔計測形状データの蓄積が全く無い場合でも、3次元顔形状復元用初期データ記憶部208を使用することで、3次元顔形状復元手段203が有効に機能する。その他の作用効果については前述した第1実施形態と同一となっている。
【0048】
〔第3の実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態を図5乃至図6に基づいて説明する。
ここで、前述した第1実施形態と同一の構成部材については同一の符号を用いるものとする。
【0049】
図5において、本第3実施形態は、顔画像撮影装置101と、2次元顔画像記憶部102と、3次元顔形状復元手段303と、3次元顔形状計測装置104と、3次元顔復元形状記憶部306と、登録データ記憶部307とを備えている。
この内、3次元顔形状復元手段303および3次元顔復元形状記憶部306は、前述した第1の実施形態(図1乃至図2参照)における3次元顔形状復元手段103および3次元顔復元形状記憶部107と、それぞれ同等の機能を備えている。
【0050】
前述した3次元顔復元形状記憶部303及び3次元顔計測形状記憶部103には、同一人物にかかるデータが重複して記憶されないように監視する機能を備えた登録データ整合手段308が併設されている。そして、この登録データ整合手段308が、前記計測形状にかかるデータと復元形状にかかるデータとが重複して記憶されている場合に機能して復元形状にかかるデータを削除する復元形状データ削除制御機能を備えている。
又、登録データ記憶部307は、3次元顔計測形状記憶部105と,3次元顔復元形状記憶部306とを含む構成となっている。
【0051】
上記各構成部材は、それぞれ以下に示す動作,機能を備えている。
先ず、3次元顔形状復元手段303は、2次元顔画像記憶部102に蓄積された顔画像を3次元顔形状計測記憶部105に記憶された顔形状計測データに基づいて3次元形状に復元する。3次元顔復元形状記憶部306は、3次元顔形状復元手段303によって復元された3次元顔復元形状データを蓄積する。
登録データ記憶部307は、前述したように、実計測された3次元顔計測形状記憶部105と復元された3次元顔復元形状記憶部306を有し、照合プロセスにおいて参照される記憶部となる。
【0052】
登録データ整合手段308は、同一人物が3次元顔計測形状記憶部105と3次元顔復元形状記憶部306の両方に重複して記録されないよう監視する機能を備え、もし重複している場合は、復元形状データ削除制御機能が作動して形状精度の高い3次元顔計測形状記憶部105の顔計測データを優先して残し、3次元顔復元形状記憶部306のデータを削除する。その他の構成は、前述した第1の実施形態(図1乃至図2参照)の場合と同一となっている。
【0053】
次に、第2実施形態の全体的な動作を、図6のフローチャートに基づいて説明する。
まず、図6の(A)に示す2次元顔画像撮影フローでは、顔画像撮影装置101で顔画像を撮影し(S801)、その顔画像を2次元顔画像記憶部102に蓄積する(S802) 。また、図6の(B)に示す3次元顔形状計測フローでは、顔の3次元顔形状を計測し(S803)、その3次元顔形状を3次元顔形状計測記憶部105に蓄積する(S804) 。
【0054】
図6の(C)に示す3次元顔形状復元フローでは、始めに3次元顔計測形状記憶部105に記憶された3次元顔計測形状データの全てを参照可能にする(S805) 。その後、2次元顔形状記憶部102より2次元顔画像を1枚読み込み(S806) 、ステップS805で参照可能にした3次元顔計測形状データの全てに基づいて顔画像に合致するよう3次元顔形状復元を行う(S807)。そして、復元された3次元顔復元形状データを3次元顔復元形状記憶部306に蓄積する(S808)。これを復元対象となる顔画像が無くなるまで実施する(S809) 。
【0055】
図6の(D)に示す登録データ整合フローでは、上述した登録データ整合手段308が機能し、まず、3次元顔計測形状記憶部105と3次元顔復元形状記憶部306とに記憶されたデータが更新されたか否かを確認する(S810) 。更新されていない場合(S811) は、一定時間待機(S815) する。更新された場合(S811) は、3次元顔計測形状記憶部105と3次元顔復元形状記憶部306に同一人物が登録されていないか確認する(S812) 。同一人物が登録されていない場合(S813) は、一定時間待機(S815) する。同一人物が登録されている場合は(S813) 、3次元顔復元形状記憶部306のデータを削除し(S814:復元形状データ削除制御工程)、その後、待機する(S815) 。
【0056】
ここで、上述した復元形状データ削除制御工程で実行される登録データ整合手段308の復元形状データ削除制御機能については、その実行内容をプログラム化しコンピュータに実行させるように構成してもよい。
【0057】
上述したように、この第3実施形態では、前述した第1に実施形態(図1乃至図2)の場合と同等の効果を有するほか、更に、3次元顔計測形状記憶部105と3次元顔復元形状記憶部306との両方に登録データ整合手段308を接続するよう構成したので、同一人物が3次元顔復元形状記憶部306と3次元顔計測形状記憶部105の両方に重複して存在することがなく、且つ重複データについては計測精度の高い3次元顔計測形状記憶部105を優先してそのデータの記憶を継続させ、これによって復元精度の向上を図っている。
【0058】
〔第4の実施形態〕
次に、本発明の第4実施形態を図7乃至図8に基づいて説明する。
ここで、前述した第1実施形態と同一の構成部材については同一の符号を用いるものとする。
【0059】
この第4の実施形態は、前述した第1の実施形態における3次元顔形状計測装置104で測定した顔形状計測データに、当該被測定者の年齢や性別当業者の属性データを付加し、個人認証に際しては多くの計測データからこの属性データが近い計測データを取り出して利用するようにし、これによって、顔復元の演算処理の迅速化を図った点に特徴を有する。
【0060】
図7において、本第4実施形態は、2次元顔データ入力装置部401と、2次元顔データ記憶部404と、3次元顔形状復元手段410と、3次元顔計測形状選別手段411と、3次元顔データ入力装置部407と、登録データ記憶部412とを備えた構成となっている。
【0061】
この内、2次元顔データ入力装置部401は、顔画像撮影装置101と属性データ入力装置403を含む。2次元顔データ記憶部404は、2次元顔画像記憶部102と属性データ記憶部406を含む。3次元顔データ入力装置部407は、3次元顔形状計測装置104と属性データ入力装置409を含む。登録データ記憶部412は、3次元顔計測形状記憶部105と、属性データ記憶部414と、3次元顔復元形状記憶部415を含む。
具体的には、前述した2次元顔画像記憶部102と3次元顔計測形状記憶部105の各々に、当該各記憶の対象とした顔画像又は顔計測にかかる人物の性別および年齢等を前記各記憶データに対応して記憶する属性データ記憶部414が併設されている。
【0062】
上記3次元計測データ選別手段411は、前述した3次元顔形状復元手段410に併設され、当該3次元顔形状復元手段410が2次元の顔写真から3次元の顔形状を復元するに際しては、前記2次元の顔写真にかかる属性データに近い属性データの3次元顔計測形状データを、前記3次元顔計測形状記憶部104から選択して取り出すと共に、前記3次元顔形状復元手段410に送り込む機能を備えている。
【0063】
更に、2次元顔データ入力装置部401の属性データ入力装置403は、顔画像撮影装置102で撮影した顔の性別、年齢等の顔画像に影響する属性を入力する機能を備えている。
又、2次元顔データ入力装置部401の属性データ記憶部406は、2次元顔データの属性データ入力装置403で入力された属性を蓄積する機能を備えている。入力された属性は2次元顔画像記憶部102に蓄積された顔画像と関連付けされる。
【0064】
3次元顔データ入力装置部407の属性データ入力装置409は、3次元顔形状計測装置104で計測した顔の性別,年齢等の顔画像に影響する属性を特定し入力する機能を備えている。又、3次元顔データ入力装置部407の属性データ記憶部414は、属性データ入力装置409で入力された属性を蓄積する。入力された属性は3次元顔計測形状記憶部105に蓄積された3次元顔形状と関連付けされる。
そして、3次元顔復元形状記憶部415は、3次元顔形状復元手段410によって復元された3次元顔形状を蓄積する。
その他の構成は前述した第1の実施形態(図1乃至図2)と同一となっている。
【0065】
次に、第4実施形態の全体的な動作を、図8のフローチャートに基づいて説明する。
まず、図8の(A)に示す2次元顔画像撮影フローでは、顔画像を撮影し(S901)
、その顔画像の属性を属性データ入力装置403によって属性データ記憶部406へ入力する(S902:属性データ記憶工程)。その後、ステップS901で撮影した顔画像は2次元顔画像記憶部102に蓄積され(S903) 、同時に、当該顔画像がその属性と関連付けされて当該2次元顔画像記憶部102で蓄積される(S904:属性データ関連付け工程)。
【0066】
また、図8の(B)に示す3次元顔形状計測フローでは、顔の3次元顔形状を3次元顔形状計測装置104で計測し(S905) 、その計測した3次元顔形状の属性を属性データ入力装置409によって入力される(S906) 。その後、ステップA905で計測した3次元顔形状データが3次元顔計測形状記憶部105に蓄積され(S907:属性データ記憶工程) 、同時に、当該顔画像がその属性と関連付けされて当該3次元顔計測形状記憶部105に蓄積される(S908:属性データ関連付け工程) 。
【0067】
更に、図8の(C)に示す3次元顔形状復元フローでは、まず、2次元顔形状記憶部102より2次元顔画像を1枚読み込み(S909) 、同時に読込んだ顔画像と関連する属性データを読込む(S910) 。その後、3次元計測データ選別手段411により、属性データと同一分類の3次元顔計測形状が3次元顔計測形状記憶部105から選択されて読込まれ(S911:3次元顔計測データ選別工程)る。3次元顔形状復元手段410では、それら3次元顔計測形状データに基づいて顔画像に合致するよう3次元顔形状復元が行われる(S912:3次元顔形状復元工程)。この復元された3次元顔形状は3次元顔復元形状記憶部415に蓄積される(S913) 。これを復元対象となる顔画像が無くなるまで実施する(S914) 。
【0068】
ここで、上述した属性データ記憶工程,属性データ関連付け工程,3次元顔計測データ選別工程,および3次元顔形状復元工程については、当該各工程における実行内容をプログラム化しコンピュータに実行させるように構成してもよい。
【0069】
上述したように、この第4の実施形態では、前述した第1に実施形態(図1乃至図2)の場合と同等の作用効果を有するほか、更に、本第4実施形態施では、属性データ入力装置403と,属性データ記憶部406と,属性データ入力装置409と,属性データ記憶部414と,3次元顔計測形状選別手段411とを備えて構成されているため、3次元顔形状復元手段410にて性別,年齢等の属性が近似な3次元顔計測形状のみを読み込み又は参照すればよく、3次元顔計測形状を全て読み込み又は参照する必要はなくなる。これにより、3次元顔形状復元に際しての演算処理をより迅速に実行することが可能となり、同時に3次元顔計測形状を読み込むリソース(メモリ、ネットワーク伝送量等)の低減が可能となる。
【0070】
〔第5の実施形態〕
次に、本発明の第5実施形態を図9乃至図10に基づいて説明する。
ここで、前述した第1実施形態と同一の構成部材については同一の符号を用いるものとする。
この第5の実施形態は、前述した第1の実施形態における3次元顔形状復元手段103と同等に機能する3次元顔形状復元手段503を備え、この3次元顔形状復元手段503に再復元監視・通知手段508を併設し、先に復元された時に使用した3次元顔計測形状数と現時点で存在する3次元顔計測形状数とを比較し、十分後者の方が大きい場合に、3次元顔形状復元手段503にて再び3次元顔形状復元を行うようにし、これによって3次元顔形状復元データの精度向上を図った点に特徴を有する。
【0071】
以下、これを更に詳述する。
図9において、本第5の実施形態は、顔画像撮影装置101と、2次元顔画像記憶部102と、3次元顔形状復元手段503と、3次元顔形状計測装置104と、登録データ記憶部507と、再復元監視・通知手段508とから構成されている。登録データ記憶部507は、3次元顔計測形状記憶部105と,3次元顔復元形状記憶部506とを備えた構成となっている。
【0072】
ここで、前述した3次元顔形状復元手段503に、前記3次元顔計測形状記憶部105および3次元顔復元形状記憶部506にそれぞれ記憶される記憶内容の蓄積数を監視する上述した再復元用監視・通知手段508が併設されている。この再復元用監視・通知手段508は、前記3次元顔復元形状記憶部506に記憶されている一の顔復元形状について当該顔復元形状が復元された時の前述した3次元顔計測形状の蓄積数が、現在の3次元顔計測形状の蓄積数より小さい場合に、前記3次元顔形状復元手段503に対して再度当該一の顔復元形状について顔形状復元を指令する再復元実行指令機能を備えている。
【0073】
上記各構成部材は、それぞれ次のような動作,機能を備えている。
まず、2次元顔画像記憶部102は、顔画像撮影装置101で撮影された顔画像を蓄積する。3次元顔形状復元手段503は、2次元顔画像記憶部102に蓄積された顔画像を3次元顔形状計測記憶部105等に記憶された形状計測データに基づいて3次元顔形状を復元する機能を備えている。3次元顔復元形状記憶部506は、3次元顔形状復元手段503によって復元された3次元顔形状を蓄積する。
登録データ記憶部507は、前述したように、実計測された3次元顔計測形状記憶部105と復元された3次元顔復元形状記憶部506を持ち、照合プロセスにおいて参照される記憶部となる。
【0074】
そして、前述した再復元監視・通知手段508は、3次元顔計測形状記憶部105と3次元顔復元形状記憶部506とを同時に監視し、3次元顔復元形状記憶部506に蓄積された個々の3次元顔復元形状が、復元された時に使用した3次元顔計測形状記憶部105の3次元顔計測形状数と、現時点で存在する3次元顔計測形状記憶部105の3次元顔計測形状数とを比較し、十分後者の方が大きい場合、3次元顔形状復元手段503にて3次元顔形状復元を行う機能を備えている。
その他の構成は前述した第1実施形態の場合と同一となっている。
【0075】
次に、上記第5の実施形態における全体的な動作を、図10のフローチャートを参照して説明する。
まず、図10の(A)に示す2次元顔画像撮影フローでは、顔画像撮影装置101で顔画像を撮影し(S1001)、その顔画像を2次元顔画像記憶部102に蓄積する(S1002:2次元顔画像記憶工程)。又、図10の(B)に示す3次元顔形状計測フローでは、3次元顔形状を3次元顔形状計測装置104で計測し(S1003:3次元顔形状計測工程)、その3次元顔形状計測データを3次元顔計測形状記憶部105に蓄積する(S1004:3次元顔形状計測記憶工程)。
【0076】
図10の(C)に示す3次元顔形状復元フローでは、始めに3次元顔計測形状記憶部105に格納された3次元顔計測形状データを全て参照可能にする(S1005) 。
その後、2次元顔形状記憶部102から2次元顔画像を1枚読み込み(S1006) 、ステップS1005で参照可能にした3次元顔計測形状データの全てに基づいて顔画像に合致するように3次元顔形状復元手段103によって3次元顔形状の復元を行う(S1007:3次元顔形状復元工程)。そして、復元された3次元顔形状を3次元顔復元形状記憶部106に蓄積する(S1008:3次元顔形状記憶工程) 。更に、かかる動作を復元対象となる顔画像が無くなるまで実施する(S1009) 。
【0077】
更に、図10の(D)に示す3次元顔形状再復元フローでは、まず、前述した再復元監視・通知手段508は、3次元顔計測形状記憶部105に蓄積された3次元顔計測形状の蓄積数(この蓄積数をAとする) を参照する(S1010:再復元監視・通知工程)。その後、3次元顔復元形状記憶部105から1つの復元形状を参照し、復元形状された時の3次元顔計測形状の数(この数をBとする) を参照する(S1011)
。そして、AとBを比較し(S1012) 、Aが十分Bより大きくない場合は次の復元形状について処理をし(S1011) 、Aが十分Bより大きい場合は、再度3次元顔形状復元を行う(S1013:3次元顔形状再復元工程)。
【0078】
そして、復元された3次元顔形状データは、3次元顔復元形状記憶部105に上書きして蓄積される(S1014) 。未参照の3次元顔形状があれば、再度1011を行い、無ければ3次元顔計測形状が蓄積されるまで一定時間待機し(S1016) 、その後1010の処理を開始する。
ここで、上述した再復元監視・通知手段508による再復元監視・通知工程および3次元顔形状復元手段103による3次元顔形状再復元工程の各実行内容をプログラム化しコンピュータで実行するように構成してもよい。
【0079】
上述したように、この第5の実施形態では前述した第1に実施形態(図1乃至図2)の場合と同等の作用効果を有するほか、更に、本第5実施形態施では、再復元監視・通知手段508を備え、3次元顔形状復元を実施した際に使用した3次元顔計測形状と,現在存在する3次元顔計測形状数とを比較できる構成になっているため、3次元顔形状の再復元の時期を自動的に検出し、再復元を実行することで、3次元顔復元形状記憶部105をより高精度にすることが可能となる。
【実施例】
【0080】
次に、具体的な実施例を説明する。
図11にこれを示す。この図11に示す実施形態では、2次元顔データ撮影・蓄積部1113と、3次元顔データ撮影・蓄積部1114と、3次元顔データ復元部1115と、統合管理部1116とを備えている。これらはルータ1104を介してネットワーク接続されている。2次元顔データ撮影・蓄積部1113では、人物の顔1100をスチルカメラ1101で撮影し、コンピュータ1102でデジタルデータとして読取った後、名前,性別等の人物情報(属性データ)を入力し、データベース1103に蓄積する。
【0081】
また、3次元顔データ撮影・蓄積部1114では、人物の顔1105を2台のカメラ1106,1107から構成されるステレオカメラを用いて撮影し、コンピュータ1108に取り込む。コンピュータ1108ではステレオカメラの画像から立体形状を導出し、名前,性別等の人物情報(属性データ)と共にデータベース1109に蓄積する。
3次元顔データ復元部1115では、コンピュータ1110を用いてデータベース1103から復元対象となる人物の2次元顔データを読取り、その後データベース1109より順次3次元顔データを読取る。そして、それら3次元顔データから3次元顔形状の復元を行う。
【0082】
復元された3次元顔形状はデータベース1111に蓄積される。統合管理部1116では、コンピュータ1112が2次元顔データを持つデータベース1103と3次元顔データを持つデータベース1109をネットワーク経由で常に監視し、両データベースで重複する人物が蓄積されていないかを監視し、もし重複人物が蓄積されているようであれば、2次元顔データベースを削除するようコンピュータ1102に通知する。
【0083】
このように具体的に構成することにより、2次元顔画像データから3次元顔復元形状データの構築に際し、登録時と異なる顔の向きや証明の相違或いは表情などの相違があっても、登録時から径年変化の影響を受けにくい3次元顔計測形状データを参照して復元を実行するようにしたので、前述した各実施形態の場合と同様に、短時間に然も高精度に3次元顔復元形状データを復元することができる。
【0084】
以上のように、上述した各実施形態および実施例により、3次元顔認証システムで必要とする本発明にかかる3次元顔登録システムは、顔画像の撮影を行う手段101と、2次元顔画像を保存する手段102と、3次元顔形状を復元する手段103と、3次元で顔形状を計測する手段104と、3次元の顔形状を保存する手段107を備え、3次元顔形状復元手段において3次元顔計測形状データを参照することで2次元顔画像を3次元に復元するよう動作する。このような構成を採用し、3次元顔形状計測装置で3次元顔データを逐次計測を行い3次元顔計測形状のデータ数が増加するに伴い、3次元顔形状復元精度が逐次向上する。これにより、本発明の目的を達成することができる。
【0085】
このように、本発明にあっては、第1に、3次元顔認証システムがシステム導入当初から有用な運用ができるという効果が得られる。その理由は、3次元形状復元装置を導入することで既存の2次元顔画像から3次元顔形状を復元でき、登録データベースに十分なデータが蓄積できるためである。
第2に、システム運用を続ける程、3次元顔形状復元の精度が向上する、という効果が得られる。その理由は、3次元顔形状復元では既存の3次元顔計測形状データを参照に復元を行うが、このとき復元精度がデータ量に比例して向上することから、3次元顔形状計測装置で3次元顔計測形状データを逐次計測することで、データ量を逐次増加することができるからである。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明にかかる3次元顔登録システムは、犯罪現場を撮影したビデオ映像から顔照合技術を使用して犯人を特定するといった用途にも適用できる。特に、照明条件や顔向きのような顔照合精度に影響する要素に対して、ロバストな3次元顔照合システムにおける3次元顔登録データベース構築に適用できる。又、セキュリティが厳重な建物への入出管理や自動車での運転者確認等の顔認証システムにおける3次元顔登録データベース構築にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明にかかる第1実施形態を示すブロック図である。
【図2】図1に開示した第1実施形態の動作を示す図で、図2(A)は2次元顔画像撮影フローを示すフローチャート、図2(B)は3次元顔形状計測フローを示すフローチャート、図2(C)は3次元顔形状復元フローを示すフローチャートである。
【図3】本発明にかかる第2実施形態を示すブロック図である。
【図4】図3に開示した第2実施形態の動作を示す図で、図4(A)は2次元顔画像撮影フローを示すフローチャート、図4(B)は3次元顔形状計測フローを示すフローチャート、図4(C)は3次元顔形状復元フローを示すフローチャートである。
【図5】本発明にかかる第3実施形態を示すブロック図である。
【図6】図5に開示した第3実施形態の動作を示す図で、図6(A)は2次元顔画像撮影フローを示すフローチャート、図6(B)は3次元顔形状計測フローを示すフローチャート、図6(C)は3次元顔形状復元フローを示すフローチャート、図6(D)は登録データ整合フローを示すフローチャートである。
【図7】本発明にかかる第4実施形態を示すブロック図である。
【図8】図7に開示した第4実施形態の動作を示す図で、図8(A)は2次元顔画像撮影フローを示すフローチャート、図8(B)は3次元顔形状計測フローを示すフローチャート、図8(C)は3次元顔形状復元フローを示すフローチャートである。
【図9】本発明にかかる第4実施形態を示すブロック図である。
【図10】図9に開示した第5実施形態の動作を示す図で、図10(A)は2次元顔画像撮影フローを示すフローチャート、図10(B)は3次元顔形状計測フローを示すフローチャート、図10(C)は3次元顔形状復元フローを示すフローチャート、図10(D)は3次元顔形状再復元フローを示すフローチャートである。
【図11】本発明の具体例としての実施例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0088】
101……顔画像撮影装置
102……2次元顔画像記憶部
103,203,303,410,503……3次元顔形状復元手段
104……3次元顔形状計測装置
105……3次元顔計測形状記憶部
106,206,306,415,506……3次元顔復元形状記憶部
107,207,307,412,507……登録データ記憶部
308……登録データ整合手段
401,409……2次元顔データ入力装置部
403……属性データ入力装置
404……2次元顔データ記憶部
406,414……属性データ記憶部
407……3次元顔データ入力装置部
411……3次元顔計測形状選別手段
503……3次元顔形状復元手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、バイオメトリクス認証分野における顔データを使用した人物特定技術に関するもので、特に、顔認証にて障害となっている顔向きや光源等の変動による認証精度低下の改善を目指した3次元顔データ登録システム、3次元顔データ登録方法、及び登録処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
バイオメトリクス等を用いた個人認証方式では、認証対象者の情報をデータベースに予め登録しておく「登録プロセス」と、照合対象者を先のデータベースに登録されている情報と一件ずつ照合して本人か否かのもっともらしさ(「尤度」と呼ばれる)を求める「照合プロセス」に分かれる。
【0003】
顔認証では、上記登録及び照合の際の情報に顔の特徴データを用いるものであり、この顔の特徴データを抽出する方式として、非特許文献1に記載されている2次元の正面顔画像を用いた手法が主流である。具体的な手法としては、非特許文献1の2.2節に記載されているように、2次元顔画像から目,鼻,口といった顔造作を検出し、これらの幾何学的特徴を元に顔特徴を認識し照合する「造作ベース法」、2次元顔画像の濃淡値をベクトル集合とみなしてその主成分分析により固有顔を算出することにより顔の特徴を認識し照合する「パターン整合法」などがある。これらの手法はいずれも、2次元画像から特徴量を抽出して、比較し照合することで尤度を算出するものである。
【0004】
しかしながら、これら2次元顔画像からの特徴量抽出手法では、登録時と異なる顔の向き,照明,表情などの要因や、登録時からの経年変化の影響を受けやすい。これに対処するため、特許文献1〜2にあるように、顔の3次元データを用いることで、これら変動要素の影響を少なくした顔認証システムがある。これとは別に、非特許文献2のような3次元顔計測器を用いず、正面顔や横顔等の2次元画像から顔の3次元形状を復元する手法が研究されている。
【特許文献1】特開2004−086929
【特許文献2】特開平09−259271
【非特許文献1】赤松 茂著「コンピュータによる顔の認識−サーベイ−」電子情報通信学会論文誌 A Vol.J 80-A No.8、1997年8月、pp.1215−1230
【非特許文献2】Volker Blanz, Thomas Vetter,"A Morphable Model For The SynthesisOf 3D Faces",SIGGRAPH99, 1999
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来例における顔認証システムでは、登録プロセス又は照合プロセスに必ず顔の3次元データを入力する必要があり、これには高価な3次元顔計測器が必要であり、又、計測にはスチルカメラより長い数百ミリ秒の撮影時間が必要であるなど種々の問題点があり、実運用を目指す際の妨げになっている。
【0006】
更に、顔認証システムの導入用途として、犯罪捜査における被疑者の特定/選別等が考えられるが、これには3次元顔計測器を用いた犯罪者の登録データベース構築が必要となり、改めて3次元顔計測を行う必要があるなど膨大なリソースが必要となる。このため、システム導入時から登録データベースが十分蓄積される長期間の間、システムとして有用な運用ができないという不都合があった。
【0007】
又、非特許文献2に示すような3次元顔計測機を用いず、正面顔や横顔等の2次元画像から顔の3次元形状を復元する手法にあっては、犯罪捜査にて蓄積してある犯罪者の顔写真から3次元顔形状を復元し、データベースに登録することで、3次元顔計測機が不要と考えられる。しかしながら、この手法は他人の3次元顔計測形状を参照することで復元を行い、参照する3次元顔計測形状の数が少ない場合、十分な復元精度が得られないため、いかに参照する3次元顔計測形状を増やすかが重要な課題となっている。
【0008】
このように、上記各従来例にあって第1の問題点は、犯罪捜査等における3次元データを使用した顔認証システムで、システム導入時から長期間、有効に運営できないという不都合がある。その理由は、3次元顔計測機を用いた測定データの登録データベースが十分蓄積されないと、システムとして有効に機能しないためである。特に、犯罪捜査ではシステムが有用となるには相当数の登録データが必要であり、非常に長期間のロスタイムが発生する。
【0009】
又、第2の問題点は、登録データベース構築に際し、3次元顔計測機を使用せずに正面顔や横顔等の2次元顔画像から顔の3次元形状復元技術を用いて登録データベースを構築した場合には、復元精度が低下するということである。その理由は、3次元顔形状復元技術における復元精度は、参照すべき他人の3次元顔計測形状の数に依存し、数が少ない場合には十分な復元精度を得られないためである。
【0010】
本発明は、かかる従来例の有する不都合を改善し、顔向きや照明などの変動要因があっても、効率良く個人認証を可能とする3次元顔データ登録システム、3次元顔データ登録方法、及び登録処理プログラムを提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明にかかる3次元顔データ登録システムでは、個人認証用として撮影された複数の顔写真を記憶する2次元顔画像記憶部と、この記憶された2次元の顔写真から3次元の顔形状を復元する3次元顔形状復元手段と、この復元された3次元の顔形状を登録データとして記憶する3次元顔復元形状記憶部とを備えている。
更に、前述した3次元顔形状復元手段に、3次元で顔の形状を計測する3次元顔形状計測手段と、この3次元顔形状計測手段で計測される3次元顔計測形状データを保存する3次元顔計測形状記憶部とを併設する。又、前述した3次元顔形状復元手段が、前記2次元の顔写真から3次元の顔形状を復元するに際しては、前記3次元顔形状計測手段で得られる3次元顔計測形状データを参照しこれに合わせて復元する3次元形状参照復元機能を備えていることを特徴とする(請求項1乃至7)。
【0012】
このため、これによると、2次元顔画像データから3次元顔復元形状データの構築に際し、登録時と異なる顔の向きや証明の相違或いは表情などの相違があっても、登録時から径年変化の影響を受けにくい3次元顔計測形状データを参照して復元を実行するようにしたので、短時間に然も高精度に3次元顔復元形状データを構築することができ、信頼性の高い3次元顔復元形状データを得ることができる。
【0013】
ここで、前述した3次元顔形状復元手段で復元される3次元顔形状復元データを記憶する3次元顔復元形状記憶部と、前記3次元顔形状計測手段で計測される3次元顔計測形状データを保存する3次元顔計測形状記憶部とによって個人認証時の照合プロセスに際して機能する登録データ記憶部を構成するようにしてもよい(請求項2)。
【0014】
又、前述した3次元顔形状復元手段に予め測定された3次元顔計測形状にかかるデータを格納した3次元顔形状初期データ記憶部を併設する。更に、前述した3次元顔形状復元手段は、前記3次元顔計測形状記憶部に3次元顔計測形状データが無い場合に機能して前記3次元顔形状初期データ記憶部に記憶されている初期データを参照し,これに合わせて3次元の顔形状を復元する初期データ参照復元機能を備えた構成としてもよい(請求項3)。
【0015】
このようにすると、特にシステムの初期段階における3次元顔形状復元に際しては、初期データ参照復元機能が有効に機能して、3次元顔計測形状データが少ないにもかかわらず、前記3次元顔形状初期データ記憶部に記憶されている初期データを参照して高精度に3次元の顔形状を復元することができる。
【0016】
ここで、前述した3次元顔形状復元手段に、前記3次元顔形状計測手段及び3次元顔計測形状記憶部に代えて、前記3次元顔計測形状にかかるデータを予め測定し格納した3次元顔形状初期データ記憶部を併設した構成としてもよい(請求項4)。
このようにすると、前記3次元顔計測形状記憶部に3次元顔計測形状データが有るか否かの判断が不要となり、最初から比較的高精度に3次元の顔形状を復元することができる。
【0017】
又、前述した3次元顔復元形状記憶部と前記3次元顔計測形状記憶部とに、同一人物にかかるデータが重複して記憶されないように監視する登録データ整合手段を併設する。そして、この登録データ整合手段が、前記計測形状にかかるデータと復元形状にかかるデータとが重複して記憶されている場合に機能して復元形状にかかるデータを削除する復元形状データ削除制御機能を備えた構成としてもよい(請求項5)。
このようにすると、常に精度の高い前記計測形状にかかるデータを優先使用するようにしたので、復元形状の精度を高めることができる。
【0018】
更に、前述した2次元顔画像記憶部と3次元顔計測形状記憶部の各々に、当該各記憶の対象とした顔画像又は顔計測にかかる人物の性別および年齢等を前記各記憶データに対応して記憶する属性データ記憶部を併設する。そして、前記3次元顔形状復元手段が前記2次元の顔写真から3次元の顔形状を復元するに際しては、前記2次元の顔写真にかかる属性データに近い属性データの3次元顔計測形状データを前記3次元顔計測形状記憶部から選択して取り出すと共に前記3次元顔形状復元手段に送り込む3次元計測データ選別手段を、前記3次元顔形状復元手段に併設した構成としてもよい(請求項6)。
【0019】
このようにすると、3次元顔形状復元に際して属性の近い3次元計測データを選別して3次元顔計測形状データとして使用することができるので、3次元計測データの全てを3次元顔計測形状記憶部から取り出す必要性が無くなり、かかる点において、3次元顔計測形状を読み込むリソースの低減が可能となる。
【0020】
又、前述した3次元顔形状復元手段に、前記3次元顔計測形状記憶部および3次元顔復元形状記憶部にそれぞれ記憶される記憶内容の蓄積数を監視する再復元用監視制御手段を併設する。そして、この再復元用監視制御手段は、前記3次元顔復元形状記憶部に記憶されている一の顔復元形状について当該顔復元形状が復元された時の前記3次元顔計測形状の蓄積数が現在の3次元顔計測形状の蓄積数より小さい場合に、前記3次元顔形状復元手段に対して再度当該一の顔復元形状について顔形状復元を指令する再復元実行指令機能を備えた構成としてもよい(請求項7)。
【0021】
このようにすると、径年的に3次元顔計測回数数が増えることから情報量の多くなった3次元顔計測形状データを使用することができ、かかる点において3次元顔復元形状記憶部に記憶される3次元顔復元形状データの精度をより一層高いものとすることが可能となる。
【0022】
又、上記目的を達成するため、本発明にかかる3次元顔データ登録方法では、個人認証用として撮影された複数の顔写真を記憶する2次元顔写真記憶工程と、この記憶された2次元の顔写真から3次元の顔形状を復元する3次元顔形状復元工程と、この復元された3次元の顔形状を登録データとして3次元顔復元形状記憶部に記憶する3次元顔復元形状記憶工程部とを備えた3次元顔データ登録方法において、前記3次元顔形状復元工程の前に、3次元で顔の形状を計測すると共にその計測データを3次元顔形状計測記憶部に記憶する3次元顔形状計測工程を設ける。そして、前述した3次元顔形状復元工程では、前記2次元の顔写真から3次元の顔形状を復元するに際し、前記3次元顔形状計測手段で得られる3次元顔計測形状データを参照しこれに合わせて復元するようにその実行内容が設定されていることを特徴とした(請求項8)。
【0023】
このため、これによると、登録時から径年変化の影響を受けにくい3次元顔計測形状データを参照して復元を実行するようにしたので、短時間に然も高精度に3次元顔復元形状データを構築することができ、個人認証時に先の登録時と異なる顔の向きや証明の相違或いは表情などの相違があっても、信頼性の高い3次元顔復元形状データを得ることができる。
【0024】
ここで、前述した3次元顔形状復元工程では、前記3次元顔形状計測工程で得られる計測形状データが無い場合に機能し、初期データとして予め別に準備された3次元顔形状の計測形状データを参照し,これに合わせて3次元の顔形状を復元するようにその実行内容を設定した構成としてもよい(請求項9)。
このようにすると、特にシステムの初期段階における3次元顔形状復元に際しては、初期データ参照復元機能が有効に機能して、3次元顔計測形状データが少ないシステムの初期段階にあっても、高精度に個人認証用の3次元の顔形状を復元することができる。
【0025】
又、前述した3次元顔形状復元工程の実行前に、前記3次元顔復元形状記憶部と前記3次元顔計測形状記憶部とに同一人物にかかるデータが重複して記憶されないように監視すると共に、重複して記憶されている場合に機能して前記3次元顔復元形状記憶部の対応する復元形状にかかるデータを削除する復元形状データ削除制御工程を設けた構成としてもよい(請求項10)。
このようにすると、常に精度の高い前記計測形状にかかるデータが使用されるので、復元形状の精度を高めることができる。
【0026】
更に、前述した2次元顔写真記憶工程と3次元顔計測形状記憶工程の各実行時に、当該各工程で記憶の対象とした顔画像又は顔計測にかかる人物の性別および年齢等を前記各記憶データに対応して設けられた属性データ記憶部に記憶する属性データ記憶工程を併設する。そして、前記3次元顔形状復元工程で前記2次元の顔写真から3次元の顔形状が復元されるに際し前記2次元の顔写真にかかる属性データに近い属性データの3次元顔計測形状データを前記記憶された属性データ内から選択して前記3次元顔形状復元手段に送り込む3次元計測データ選別工程を、前記3次元顔形状復元工程に併設した構成としてもよい(請求項11)。
このようにすると、3次元計測データの全てを3次元顔計測形状記憶部から取り出す必要性がなくなり、参照する計測データが属性に近いものに限ることができるので、データの処理時間が短縮され、かかる点において3次元顔の復元をより迅速化することが可能となる。
【0027】
前述した3次元顔形状復元工程の後に、前記3次元顔計測形状記憶部および3次元顔復元形状記憶部にそれぞれ記憶される記憶内容の蓄積数を監視する再復元用監視制御工程および3次元顔形状再復元工程を設定する。そして、前述した再復元用監視制御工程では、前記3次元顔復元形状記憶部に記憶されている一の顔復元形状について当該顔復元形状が復元された時の前記3次元顔計測形状の蓄積数が現在の3次元顔計測形状の蓄積数より小さい場合に、前記3次元顔形状復元工程に対して再度当該一の顔復元形状について顔形状復元の指令すると共に、当該指令に基づいて前記3次元顔形状再復元工程が前記3次元顔形状復元工程と同一内容で実行されるように構成してもよい(請求項12)。
このようにすると、径年的に情報量の多くなった3次元顔計測形状データを使用することができ、かかる点において3次元顔復元形状データの精度をより一層高いものとすることができる。
【0028】
更に、上記目的を達成するため、本発明にかかる3次元顔データ登録プログラムでは、前述した3次元顔データ登録方法の各工程での実行内容をプログラム化してコンピュータに実行させるように構成した(請求項13乃至17)。
この3次元顔データ登録プログラムにあっては、前述した各構成手段で得られた顔形状計測データの記憶処理や3次元顔形状復元処理等の演算処理を主に実行するものであり、かかる点において、前述した3次元顔データ登録方法の場合とほぼ同等の作用効果を有し、更に、当該処理内容を迅速に且つ高精度に実行し得るという利点を兼ね備えたものとなっている。
【発明の効果】
【0029】
本発明は以上のように構成され機能するので、これによると、2次元顔画像データから3次元顔復元形状データの構築に際し、登録時と異なる顔の向きや証明の相違或いは表情などの相違があっても、登録時から径年変化の影響を受けにくい3次元顔計測形状データを参照して復元を実行するようにしたので、短時間に然も高精度に3次元顔復元形状データを復元することができるという従来にない優れた3次元顔データ登録システム,3次元顔データ登録方法,及び登録処理プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
次に、発明を実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0031】
〔第1の実施形態〕
図1乃至図2にこれを示す。この図1乃至図2に示す第1の実施形態は、個人認証用として予め撮影された複数の顔写真を記憶する2次元顔画像記憶部102と、この記憶された2次元の顔写真から3次元の顔形状を復元する3次元顔形状復元手段103と、この復元された3次元の顔形状を登録データとして記憶する3次元顔復元形状記憶部106とを備えている。ここで、前述した複数の顔写真は、顔画像撮影装置101によって個人認証用として予め撮影されるようになっている。
【0032】
前述した3次元顔形状復元手段103には、3次元で顔の形状を計測する3次元顔形状計測手段としての3次元顔形状計測装置104と、この3次元顔形状計測装置104で計測される3次元顔計測形状データを保存する3次元顔計測形状記憶部105とが併設されている。そして、前述した3次元顔形状復元手段103は、2次元の顔写真から3次元の顔形状を復元するに際しては、前記3次元顔形状計測装置104で得られる3次元顔計測形状データを参照しこれに合わせて復元する3次元形状参照復元機能を備えている。又、前記3次元顔復元形状記憶部106と3次元顔計測形状記憶部105とによって、個人認証時の照合プロセスに際して機能する登録データ記憶部107が構成されている。
【0033】
ここで、上述した本第1実施形態の各構成要素における動作機能について説明する。
まず、顔画像撮影装置101は、一般的なスチルカメラであり、この装置により人物の顔を撮影する。又、撮影された顔画像写真をスキャナで読取る動作も、本顔画像撮影装置101では成し得る機能を備えている。
2次元顔画像記憶部102は、顔画像撮影装置101で撮影された顔画像を蓄積する機能を備えている。3次元顔形状復元手段103は、2次元顔画像記憶部102に蓄積された顔画像を基にして3次元顔形状計測記憶部105を参照しつつ3次元顔形状に復元するように機能する。
【0034】
更に、3次元顔形状計測装置104は、レーザー光線やステレオ撮影機器により顔の表面形状を立体的・3次元的に計測する機能を備えている。又、3次元顔計測形状記憶部105は3次元顔形状計測装置104によって計測された3次元顔形状を蓄積する機能を備えている。同時に、3次元顔復元形状記憶部106は3次元顔形状復元手段103によって復元された3次元顔形状を蓄積する機能を備えている。
そして、登録データ記憶部107は、前述したように、実計測された3次元顔計測形状記憶部105と復元された3次元顔復元形状記憶部106を備えており、照合プロセスにおいて参照される記憶部として機能する。
【0035】
次に、本実施の形態の全体の動作を図2のフローチャートを参照して説明する。
まず、図2の(A)に示す2次元顔画像撮影フローでは、顔画像撮影装置101で顔画像を撮影し(S601)、その顔画像を2次元顔画像記憶部102に蓄積する(S602:2次元顔写真記憶工程)。又、図2の(B)に示す3次元顔形状計測フローでは、3次元顔形状を3次元顔形状計測装置104で計測し(S603:3次元顔形状計測工程)、その3次元顔形状計測データを3次元顔計測形状記憶部105に蓄積する(S604:3次元顔形状計測記憶工程)。
【0036】
更に、図2の(C)に示す3次元顔形状復元フローでは、始めに、3次元顔計測形状記憶部105に格納された3次元顔計測形状データを全て参照可能にする(S605) 。
その後、2次元顔形状記憶部102から2次元顔画像を1枚読み込み(S606) 、ステップS605で参照可能にした3次元顔計測形状データの全てに基づいて顔画像に合致するように3次元顔形状復元手段103によって3次元顔形状の復元を行う(S607:3次元顔形状復元工程)。そして、復元された3次元顔形状を3次元顔復元形状記憶部106に蓄積する(S608:3次元顔形状記憶工程) 。更に、かかる動作を復元対象となる顔画像が無くなるまで実施する(S609) 。
【0037】
ここで、上述した2次元顔写真記憶工程,3次元顔形状計測記憶工程,3次元顔形状復元工程,および3次元顔復元形状記憶工程については、その各実行内容をプログラム化しコンピュータに実行させるように構成しても良い。
このため、この第1実施形態によると、上述したように、2次元顔画像データから3次元顔復元形状データの構築に際し、登録時と異なる顔の向きや証明の相違或いは表情などの相違があっても、登録時から径年変化の影響を受けにくい3次元顔計測形状データを参照して復元を実行するようにしたので、短時間に然も高精度に3次元顔復元形状データを構築することができ、信頼性の高い3次元顔復元形状データを得ることができる。
【0038】
又、この第1実施形態では、3次元顔形状計測フローと3次元顔形状復元フローとが図2(B)(C)に示すように分離しており、各々並行に実行することが可能な構成になっている。このため、本実施形態実施形態にあっては、日々増加する3次元顔計測形状データの蓄積によって、日々形状復元する3次元顔形状の精度が経時的に高められるという効果を合わせ備えた構成となっている。
【0039】
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態を図3乃至図4に基づいて説明する。
ここで、前述した図1の第1実施形態と同一の構成部材については同一の符号を用いるものとする。
【0040】
図3において、本第2の実施形態は、顔画像撮影装置101と、2次元顔画像記憶部102と、3次元顔形状復元手段203と、3次元顔形状計測装置104と、登録データ記憶部207と、3次元顔形状復元用初期データ記憶部208とから構成されている。登録データ記憶部207は、前述した3次元顔計測形状記憶部105と、3次元顔復元形状記憶部206とを備えた構成となっている。
【0041】
ここで、上述した3次元顔形状復元手段203は、2次元顔画像記憶部102に蓄積された顔画像を、3次元顔形状計測記憶部105又は3次元顔形状復元用初期データ記憶部208に記憶された3次元顔形状計測データ又は3次元顔形状復元用初期データに基づいて、3次元形状に復元する機能を備えている。
3次元顔復元形状記憶部206は、3次元顔形状復元手段203によって復元された3次元顔形状を蓄積する機能を備えている。
【0042】
登録データ記憶部207は、前述した図1の場合と同様に、実計測された3次元顔形状計測データを記憶した3次元顔計測形状記憶部105と、復元された3次元顔復元形状記憶部206とを備え、照合プロセスにおいて参照される記憶部となる。
ここで、3次元顔形状復元用初期データ記憶部208は、他システムにて計測された3次元顔計測データが予め蓄積された構成となっている。その他の構成は、前述した第1実施形態にお場合と同一となっている。
【0043】
次に、第2実施形態の全体的な動作を、図4のフローチャートに基づいて説明する。
まず、図4の(A)に示す2次元顔画像撮影フローでは、顔画像撮影装置101で顔画像を撮影し(S701)、その顔画像を2次元顔画像記憶部102に蓄積する(S702:2次元顔画像記憶工程)。また、図4の(B)に示す3次元顔形状計測フローでは、顔の3次元顔形状を3次元顔形状計測装置104で計測し(S703)、その計測した3次元顔形状データを3次元顔形状計測記憶部105に蓄積する(S704:3次元顔形状計測工程) 。
【0044】
更に、図4の(C)に示す3次元顔形状復元フローでは、始めに、3次元顔計測形状記憶部105の記憶内容である3次元顔計測形状データを全て参照可能にし(S705) 、続いて3次元顔形状復元用初期データ記憶部208の記憶内容である3次元顔計測形状データを全て参照可能にする(S706) 。その後、2次元顔形状記憶部102より2次元顔画像を1枚読み込み(S707) 、ステップS705、ステップS706で参照可能にした3次元顔計測形状データの全てに基づいて顔画像に合致するよう3次元顔形状復元を行う(S708:3次元顔形状復元工程)。
【0045】
そして、この復元された3次元顔形状データを3次元顔復元形状記憶部206に蓄積する(S709) 。これを復元対象となる顔画像が無くなるまで実施する(S710) 。
更に、3次元顔形状復元手段203が、顔形状復元工程で参照する3次元顔計測形状データについては、3次元顔計測形状記憶部105の記憶内容を最初に取り出して参照し、この3次元顔計測形状記憶部105に記憶内容の蓄積が無い場合に前述した3次元顔形状復元用初期データ記憶部208の記憶内容を利用するように構成されている。
【0046】
ここで、3次元顔形状復元手段203による3次元顔形状復元処理に際して成される上記3次元顔計測形状データの選択参照機能は、これをプログラム化しコンピュータに実行させるように構成してもよい。
【0047】
上述したように、この第2実施形態では、予め3次元顔形状復元用初期データ記憶部208に3次元顔計測形状データを蓄積したものを使用するように構成されているため、システム導入時などで十分に3次元顔計測形状記憶部205に3次元顔計測形状データが蓄積されていない場合,若しくは3次元顔計測形状データの蓄積が全く無い場合でも、3次元顔形状復元用初期データ記憶部208を使用することで、3次元顔形状復元手段203が有効に機能する。その他の作用効果については前述した第1実施形態と同一となっている。
【0048】
〔第3の実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態を図5乃至図6に基づいて説明する。
ここで、前述した第1実施形態と同一の構成部材については同一の符号を用いるものとする。
【0049】
図5において、本第3実施形態は、顔画像撮影装置101と、2次元顔画像記憶部102と、3次元顔形状復元手段303と、3次元顔形状計測装置104と、3次元顔復元形状記憶部306と、登録データ記憶部307とを備えている。
この内、3次元顔形状復元手段303および3次元顔復元形状記憶部306は、前述した第1の実施形態(図1乃至図2参照)における3次元顔形状復元手段103および3次元顔復元形状記憶部107と、それぞれ同等の機能を備えている。
【0050】
前述した3次元顔復元形状記憶部303及び3次元顔計測形状記憶部103には、同一人物にかかるデータが重複して記憶されないように監視する機能を備えた登録データ整合手段308が併設されている。そして、この登録データ整合手段308が、前記計測形状にかかるデータと復元形状にかかるデータとが重複して記憶されている場合に機能して復元形状にかかるデータを削除する復元形状データ削除制御機能を備えている。
又、登録データ記憶部307は、3次元顔計測形状記憶部105と,3次元顔復元形状記憶部306とを含む構成となっている。
【0051】
上記各構成部材は、それぞれ以下に示す動作,機能を備えている。
先ず、3次元顔形状復元手段303は、2次元顔画像記憶部102に蓄積された顔画像を3次元顔形状計測記憶部105に記憶された顔形状計測データに基づいて3次元形状に復元する。3次元顔復元形状記憶部306は、3次元顔形状復元手段303によって復元された3次元顔復元形状データを蓄積する。
登録データ記憶部307は、前述したように、実計測された3次元顔計測形状記憶部105と復元された3次元顔復元形状記憶部306を有し、照合プロセスにおいて参照される記憶部となる。
【0052】
登録データ整合手段308は、同一人物が3次元顔計測形状記憶部105と3次元顔復元形状記憶部306の両方に重複して記録されないよう監視する機能を備え、もし重複している場合は、復元形状データ削除制御機能が作動して形状精度の高い3次元顔計測形状記憶部105の顔計測データを優先して残し、3次元顔復元形状記憶部306のデータを削除する。その他の構成は、前述した第1の実施形態(図1乃至図2参照)の場合と同一となっている。
【0053】
次に、第2実施形態の全体的な動作を、図6のフローチャートに基づいて説明する。
まず、図6の(A)に示す2次元顔画像撮影フローでは、顔画像撮影装置101で顔画像を撮影し(S801)、その顔画像を2次元顔画像記憶部102に蓄積する(S802) 。また、図6の(B)に示す3次元顔形状計測フローでは、顔の3次元顔形状を計測し(S803)、その3次元顔形状を3次元顔形状計測記憶部105に蓄積する(S804) 。
【0054】
図6の(C)に示す3次元顔形状復元フローでは、始めに3次元顔計測形状記憶部105に記憶された3次元顔計測形状データの全てを参照可能にする(S805) 。その後、2次元顔形状記憶部102より2次元顔画像を1枚読み込み(S806) 、ステップS805で参照可能にした3次元顔計測形状データの全てに基づいて顔画像に合致するよう3次元顔形状復元を行う(S807)。そして、復元された3次元顔復元形状データを3次元顔復元形状記憶部306に蓄積する(S808)。これを復元対象となる顔画像が無くなるまで実施する(S809) 。
【0055】
図6の(D)に示す登録データ整合フローでは、上述した登録データ整合手段308が機能し、まず、3次元顔計測形状記憶部105と3次元顔復元形状記憶部306とに記憶されたデータが更新されたか否かを確認する(S810) 。更新されていない場合(S811) は、一定時間待機(S815) する。更新された場合(S811) は、3次元顔計測形状記憶部105と3次元顔復元形状記憶部306に同一人物が登録されていないか確認する(S812) 。同一人物が登録されていない場合(S813) は、一定時間待機(S815) する。同一人物が登録されている場合は(S813) 、3次元顔復元形状記憶部306のデータを削除し(S814:復元形状データ削除制御工程)、その後、待機する(S815) 。
【0056】
ここで、上述した復元形状データ削除制御工程で実行される登録データ整合手段308の復元形状データ削除制御機能については、その実行内容をプログラム化しコンピュータに実行させるように構成してもよい。
【0057】
上述したように、この第3実施形態では、前述した第1に実施形態(図1乃至図2)の場合と同等の効果を有するほか、更に、3次元顔計測形状記憶部105と3次元顔復元形状記憶部306との両方に登録データ整合手段308を接続するよう構成したので、同一人物が3次元顔復元形状記憶部306と3次元顔計測形状記憶部105の両方に重複して存在することがなく、且つ重複データについては計測精度の高い3次元顔計測形状記憶部105を優先してそのデータの記憶を継続させ、これによって復元精度の向上を図っている。
【0058】
〔第4の実施形態〕
次に、本発明の第4実施形態を図7乃至図8に基づいて説明する。
ここで、前述した第1実施形態と同一の構成部材については同一の符号を用いるものとする。
【0059】
この第4の実施形態は、前述した第1の実施形態における3次元顔形状計測装置104で測定した顔形状計測データに、当該被測定者の年齢や性別当業者の属性データを付加し、個人認証に際しては多くの計測データからこの属性データが近い計測データを取り出して利用するようにし、これによって、顔復元の演算処理の迅速化を図った点に特徴を有する。
【0060】
図7において、本第4実施形態は、2次元顔データ入力装置部401と、2次元顔データ記憶部404と、3次元顔形状復元手段410と、3次元顔計測形状選別手段411と、3次元顔データ入力装置部407と、登録データ記憶部412とを備えた構成となっている。
【0061】
この内、2次元顔データ入力装置部401は、顔画像撮影装置101と属性データ入力装置403を含む。2次元顔データ記憶部404は、2次元顔画像記憶部102と属性データ記憶部406を含む。3次元顔データ入力装置部407は、3次元顔形状計測装置104と属性データ入力装置409を含む。登録データ記憶部412は、3次元顔計測形状記憶部105と、属性データ記憶部414と、3次元顔復元形状記憶部415を含む。
具体的には、前述した2次元顔画像記憶部102と3次元顔計測形状記憶部105の各々に、当該各記憶の対象とした顔画像又は顔計測にかかる人物の性別および年齢等を前記各記憶データに対応して記憶する属性データ記憶部414が併設されている。
【0062】
上記3次元計測データ選別手段411は、前述した3次元顔形状復元手段410に併設され、当該3次元顔形状復元手段410が2次元の顔写真から3次元の顔形状を復元するに際しては、前記2次元の顔写真にかかる属性データに近い属性データの3次元顔計測形状データを、前記3次元顔計測形状記憶部104から選択して取り出すと共に、前記3次元顔形状復元手段410に送り込む機能を備えている。
【0063】
更に、2次元顔データ入力装置部401の属性データ入力装置403は、顔画像撮影装置102で撮影した顔の性別、年齢等の顔画像に影響する属性を入力する機能を備えている。
又、2次元顔データ入力装置部401の属性データ記憶部406は、2次元顔データの属性データ入力装置403で入力された属性を蓄積する機能を備えている。入力された属性は2次元顔画像記憶部102に蓄積された顔画像と関連付けされる。
【0064】
3次元顔データ入力装置部407の属性データ入力装置409は、3次元顔形状計測装置104で計測した顔の性別,年齢等の顔画像に影響する属性を特定し入力する機能を備えている。又、3次元顔データ入力装置部407の属性データ記憶部414は、属性データ入力装置409で入力された属性を蓄積する。入力された属性は3次元顔計測形状記憶部105に蓄積された3次元顔形状と関連付けされる。
そして、3次元顔復元形状記憶部415は、3次元顔形状復元手段410によって復元された3次元顔形状を蓄積する。
その他の構成は前述した第1の実施形態(図1乃至図2)と同一となっている。
【0065】
次に、第4実施形態の全体的な動作を、図8のフローチャートに基づいて説明する。
まず、図8の(A)に示す2次元顔画像撮影フローでは、顔画像を撮影し(S901)
、その顔画像の属性を属性データ入力装置403によって属性データ記憶部406へ入力する(S902:属性データ記憶工程)。その後、ステップS901で撮影した顔画像は2次元顔画像記憶部102に蓄積され(S903) 、同時に、当該顔画像がその属性と関連付けされて当該2次元顔画像記憶部102で蓄積される(S904:属性データ関連付け工程)。
【0066】
また、図8の(B)に示す3次元顔形状計測フローでは、顔の3次元顔形状を3次元顔形状計測装置104で計測し(S905) 、その計測した3次元顔形状の属性を属性データ入力装置409によって入力される(S906) 。その後、ステップA905で計測した3次元顔形状データが3次元顔計測形状記憶部105に蓄積され(S907:属性データ記憶工程) 、同時に、当該顔画像がその属性と関連付けされて当該3次元顔計測形状記憶部105に蓄積される(S908:属性データ関連付け工程) 。
【0067】
更に、図8の(C)に示す3次元顔形状復元フローでは、まず、2次元顔形状記憶部102より2次元顔画像を1枚読み込み(S909) 、同時に読込んだ顔画像と関連する属性データを読込む(S910) 。その後、3次元計測データ選別手段411により、属性データと同一分類の3次元顔計測形状が3次元顔計測形状記憶部105から選択されて読込まれ(S911:3次元顔計測データ選別工程)る。3次元顔形状復元手段410では、それら3次元顔計測形状データに基づいて顔画像に合致するよう3次元顔形状復元が行われる(S912:3次元顔形状復元工程)。この復元された3次元顔形状は3次元顔復元形状記憶部415に蓄積される(S913) 。これを復元対象となる顔画像が無くなるまで実施する(S914) 。
【0068】
ここで、上述した属性データ記憶工程,属性データ関連付け工程,3次元顔計測データ選別工程,および3次元顔形状復元工程については、当該各工程における実行内容をプログラム化しコンピュータに実行させるように構成してもよい。
【0069】
上述したように、この第4の実施形態では、前述した第1に実施形態(図1乃至図2)の場合と同等の作用効果を有するほか、更に、本第4実施形態施では、属性データ入力装置403と,属性データ記憶部406と,属性データ入力装置409と,属性データ記憶部414と,3次元顔計測形状選別手段411とを備えて構成されているため、3次元顔形状復元手段410にて性別,年齢等の属性が近似な3次元顔計測形状のみを読み込み又は参照すればよく、3次元顔計測形状を全て読み込み又は参照する必要はなくなる。これにより、3次元顔形状復元に際しての演算処理をより迅速に実行することが可能となり、同時に3次元顔計測形状を読み込むリソース(メモリ、ネットワーク伝送量等)の低減が可能となる。
【0070】
〔第5の実施形態〕
次に、本発明の第5実施形態を図9乃至図10に基づいて説明する。
ここで、前述した第1実施形態と同一の構成部材については同一の符号を用いるものとする。
この第5の実施形態は、前述した第1の実施形態における3次元顔形状復元手段103と同等に機能する3次元顔形状復元手段503を備え、この3次元顔形状復元手段503に再復元監視・通知手段508を併設し、先に復元された時に使用した3次元顔計測形状数と現時点で存在する3次元顔計測形状数とを比較し、十分後者の方が大きい場合に、3次元顔形状復元手段503にて再び3次元顔形状復元を行うようにし、これによって3次元顔形状復元データの精度向上を図った点に特徴を有する。
【0071】
以下、これを更に詳述する。
図9において、本第5の実施形態は、顔画像撮影装置101と、2次元顔画像記憶部102と、3次元顔形状復元手段503と、3次元顔形状計測装置104と、登録データ記憶部507と、再復元監視・通知手段508とから構成されている。登録データ記憶部507は、3次元顔計測形状記憶部105と,3次元顔復元形状記憶部506とを備えた構成となっている。
【0072】
ここで、前述した3次元顔形状復元手段503に、前記3次元顔計測形状記憶部105および3次元顔復元形状記憶部506にそれぞれ記憶される記憶内容の蓄積数を監視する上述した再復元用監視・通知手段508が併設されている。この再復元用監視・通知手段508は、前記3次元顔復元形状記憶部506に記憶されている一の顔復元形状について当該顔復元形状が復元された時の前述した3次元顔計測形状の蓄積数が、現在の3次元顔計測形状の蓄積数より小さい場合に、前記3次元顔形状復元手段503に対して再度当該一の顔復元形状について顔形状復元を指令する再復元実行指令機能を備えている。
【0073】
上記各構成部材は、それぞれ次のような動作,機能を備えている。
まず、2次元顔画像記憶部102は、顔画像撮影装置101で撮影された顔画像を蓄積する。3次元顔形状復元手段503は、2次元顔画像記憶部102に蓄積された顔画像を3次元顔形状計測記憶部105等に記憶された形状計測データに基づいて3次元顔形状を復元する機能を備えている。3次元顔復元形状記憶部506は、3次元顔形状復元手段503によって復元された3次元顔形状を蓄積する。
登録データ記憶部507は、前述したように、実計測された3次元顔計測形状記憶部105と復元された3次元顔復元形状記憶部506を持ち、照合プロセスにおいて参照される記憶部となる。
【0074】
そして、前述した再復元監視・通知手段508は、3次元顔計測形状記憶部105と3次元顔復元形状記憶部506とを同時に監視し、3次元顔復元形状記憶部506に蓄積された個々の3次元顔復元形状が、復元された時に使用した3次元顔計測形状記憶部105の3次元顔計測形状数と、現時点で存在する3次元顔計測形状記憶部105の3次元顔計測形状数とを比較し、十分後者の方が大きい場合、3次元顔形状復元手段503にて3次元顔形状復元を行う機能を備えている。
その他の構成は前述した第1実施形態の場合と同一となっている。
【0075】
次に、上記第5の実施形態における全体的な動作を、図10のフローチャートを参照して説明する。
まず、図10の(A)に示す2次元顔画像撮影フローでは、顔画像撮影装置101で顔画像を撮影し(S1001)、その顔画像を2次元顔画像記憶部102に蓄積する(S1002:2次元顔画像記憶工程)。又、図10の(B)に示す3次元顔形状計測フローでは、3次元顔形状を3次元顔形状計測装置104で計測し(S1003:3次元顔形状計測工程)、その3次元顔形状計測データを3次元顔計測形状記憶部105に蓄積する(S1004:3次元顔形状計測記憶工程)。
【0076】
図10の(C)に示す3次元顔形状復元フローでは、始めに3次元顔計測形状記憶部105に格納された3次元顔計測形状データを全て参照可能にする(S1005) 。
その後、2次元顔形状記憶部102から2次元顔画像を1枚読み込み(S1006) 、ステップS1005で参照可能にした3次元顔計測形状データの全てに基づいて顔画像に合致するように3次元顔形状復元手段103によって3次元顔形状の復元を行う(S1007:3次元顔形状復元工程)。そして、復元された3次元顔形状を3次元顔復元形状記憶部106に蓄積する(S1008:3次元顔形状記憶工程) 。更に、かかる動作を復元対象となる顔画像が無くなるまで実施する(S1009) 。
【0077】
更に、図10の(D)に示す3次元顔形状再復元フローでは、まず、前述した再復元監視・通知手段508は、3次元顔計測形状記憶部105に蓄積された3次元顔計測形状の蓄積数(この蓄積数をAとする) を参照する(S1010:再復元監視・通知工程)。その後、3次元顔復元形状記憶部105から1つの復元形状を参照し、復元形状された時の3次元顔計測形状の数(この数をBとする) を参照する(S1011)
。そして、AとBを比較し(S1012) 、Aが十分Bより大きくない場合は次の復元形状について処理をし(S1011) 、Aが十分Bより大きい場合は、再度3次元顔形状復元を行う(S1013:3次元顔形状再復元工程)。
【0078】
そして、復元された3次元顔形状データは、3次元顔復元形状記憶部105に上書きして蓄積される(S1014) 。未参照の3次元顔形状があれば、再度1011を行い、無ければ3次元顔計測形状が蓄積されるまで一定時間待機し(S1016) 、その後1010の処理を開始する。
ここで、上述した再復元監視・通知手段508による再復元監視・通知工程および3次元顔形状復元手段103による3次元顔形状再復元工程の各実行内容をプログラム化しコンピュータで実行するように構成してもよい。
【0079】
上述したように、この第5の実施形態では前述した第1に実施形態(図1乃至図2)の場合と同等の作用効果を有するほか、更に、本第5実施形態施では、再復元監視・通知手段508を備え、3次元顔形状復元を実施した際に使用した3次元顔計測形状と,現在存在する3次元顔計測形状数とを比較できる構成になっているため、3次元顔形状の再復元の時期を自動的に検出し、再復元を実行することで、3次元顔復元形状記憶部105をより高精度にすることが可能となる。
【実施例】
【0080】
次に、具体的な実施例を説明する。
図11にこれを示す。この図11に示す実施形態では、2次元顔データ撮影・蓄積部1113と、3次元顔データ撮影・蓄積部1114と、3次元顔データ復元部1115と、統合管理部1116とを備えている。これらはルータ1104を介してネットワーク接続されている。2次元顔データ撮影・蓄積部1113では、人物の顔1100をスチルカメラ1101で撮影し、コンピュータ1102でデジタルデータとして読取った後、名前,性別等の人物情報(属性データ)を入力し、データベース1103に蓄積する。
【0081】
また、3次元顔データ撮影・蓄積部1114では、人物の顔1105を2台のカメラ1106,1107から構成されるステレオカメラを用いて撮影し、コンピュータ1108に取り込む。コンピュータ1108ではステレオカメラの画像から立体形状を導出し、名前,性別等の人物情報(属性データ)と共にデータベース1109に蓄積する。
3次元顔データ復元部1115では、コンピュータ1110を用いてデータベース1103から復元対象となる人物の2次元顔データを読取り、その後データベース1109より順次3次元顔データを読取る。そして、それら3次元顔データから3次元顔形状の復元を行う。
【0082】
復元された3次元顔形状はデータベース1111に蓄積される。統合管理部1116では、コンピュータ1112が2次元顔データを持つデータベース1103と3次元顔データを持つデータベース1109をネットワーク経由で常に監視し、両データベースで重複する人物が蓄積されていないかを監視し、もし重複人物が蓄積されているようであれば、2次元顔データベースを削除するようコンピュータ1102に通知する。
【0083】
このように具体的に構成することにより、2次元顔画像データから3次元顔復元形状データの構築に際し、登録時と異なる顔の向きや証明の相違或いは表情などの相違があっても、登録時から径年変化の影響を受けにくい3次元顔計測形状データを参照して復元を実行するようにしたので、前述した各実施形態の場合と同様に、短時間に然も高精度に3次元顔復元形状データを復元することができる。
【0084】
以上のように、上述した各実施形態および実施例により、3次元顔認証システムで必要とする本発明にかかる3次元顔登録システムは、顔画像の撮影を行う手段101と、2次元顔画像を保存する手段102と、3次元顔形状を復元する手段103と、3次元で顔形状を計測する手段104と、3次元の顔形状を保存する手段107を備え、3次元顔形状復元手段において3次元顔計測形状データを参照することで2次元顔画像を3次元に復元するよう動作する。このような構成を採用し、3次元顔形状計測装置で3次元顔データを逐次計測を行い3次元顔計測形状のデータ数が増加するに伴い、3次元顔形状復元精度が逐次向上する。これにより、本発明の目的を達成することができる。
【0085】
このように、本発明にあっては、第1に、3次元顔認証システムがシステム導入当初から有用な運用ができるという効果が得られる。その理由は、3次元形状復元装置を導入することで既存の2次元顔画像から3次元顔形状を復元でき、登録データベースに十分なデータが蓄積できるためである。
第2に、システム運用を続ける程、3次元顔形状復元の精度が向上する、という効果が得られる。その理由は、3次元顔形状復元では既存の3次元顔計測形状データを参照に復元を行うが、このとき復元精度がデータ量に比例して向上することから、3次元顔形状計測装置で3次元顔計測形状データを逐次計測することで、データ量を逐次増加することができるからである。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明にかかる3次元顔登録システムは、犯罪現場を撮影したビデオ映像から顔照合技術を使用して犯人を特定するといった用途にも適用できる。特に、照明条件や顔向きのような顔照合精度に影響する要素に対して、ロバストな3次元顔照合システムにおける3次元顔登録データベース構築に適用できる。又、セキュリティが厳重な建物への入出管理や自動車での運転者確認等の顔認証システムにおける3次元顔登録データベース構築にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明にかかる第1実施形態を示すブロック図である。
【図2】図1に開示した第1実施形態の動作を示す図で、図2(A)は2次元顔画像撮影フローを示すフローチャート、図2(B)は3次元顔形状計測フローを示すフローチャート、図2(C)は3次元顔形状復元フローを示すフローチャートである。
【図3】本発明にかかる第2実施形態を示すブロック図である。
【図4】図3に開示した第2実施形態の動作を示す図で、図4(A)は2次元顔画像撮影フローを示すフローチャート、図4(B)は3次元顔形状計測フローを示すフローチャート、図4(C)は3次元顔形状復元フローを示すフローチャートである。
【図5】本発明にかかる第3実施形態を示すブロック図である。
【図6】図5に開示した第3実施形態の動作を示す図で、図6(A)は2次元顔画像撮影フローを示すフローチャート、図6(B)は3次元顔形状計測フローを示すフローチャート、図6(C)は3次元顔形状復元フローを示すフローチャート、図6(D)は登録データ整合フローを示すフローチャートである。
【図7】本発明にかかる第4実施形態を示すブロック図である。
【図8】図7に開示した第4実施形態の動作を示す図で、図8(A)は2次元顔画像撮影フローを示すフローチャート、図8(B)は3次元顔形状計測フローを示すフローチャート、図8(C)は3次元顔形状復元フローを示すフローチャートである。
【図9】本発明にかかる第4実施形態を示すブロック図である。
【図10】図9に開示した第5実施形態の動作を示す図で、図10(A)は2次元顔画像撮影フローを示すフローチャート、図10(B)は3次元顔形状計測フローを示すフローチャート、図10(C)は3次元顔形状復元フローを示すフローチャート、図10(D)は3次元顔形状再復元フローを示すフローチャートである。
【図11】本発明の具体例としての実施例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0088】
101……顔画像撮影装置
102……2次元顔画像記憶部
103,203,303,410,503……3次元顔形状復元手段
104……3次元顔形状計測装置
105……3次元顔計測形状記憶部
106,206,306,415,506……3次元顔復元形状記憶部
107,207,307,412,507……登録データ記憶部
308……登録データ整合手段
401,409……2次元顔データ入力装置部
403……属性データ入力装置
404……2次元顔データ記憶部
406,414……属性データ記憶部
407……3次元顔データ入力装置部
411……3次元顔計測形状選別手段
503……3次元顔形状復元手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
個人認証用として撮影された複数の顔写真を記憶する2次元顔画像記憶部と、この記憶された2次元の顔写真から3次元の顔形状を復元する3次元顔形状復元手段と、この復元された3次元の顔形状を登録データとして記憶する3次元顔復元形状記憶部とを備えた3次元顔データ登録システムにおいて、
前記3次元顔形状復元手段に、3次元で顔の形状を計測する3次元顔形状計測手段と、この計測された3次元顔計測形状データを保存する3次元顔計測形状記憶部とを併設すると共に、
前記3次元顔形状復元手段が、前記2次元の顔写真から3次元の顔形状を復元するに際しては、前記3次元顔形状計測手段で得られる3次元顔計測形状データを参照しこれに基づいて復元する3次元形状参照復元機能を備えていることを特徴とした3次元顔データ登録システム。
【請求項2】
前記請求項1に記載の3次元顔データ登録システムにおいて、
前記3次元顔形状復元手段で復元される3次元顔形状復元データを記憶する3次元顔復元形状記憶部と、この計測された3次元顔計測形状データを保存する3次元顔計測形状記憶部とによって個人認証時の照合プロセスに際して機能する登録データ記憶部を構成するようにしたことを特徴とする3次元顔データ登録システム。
【請求項3】
前記請求項1又は2に記載の3次元顔データ登録システムにおいて、
前記3次元顔形状復元手段に、予め測定された3次元顔計測形状にかかるデータを格納するための3次元顔形状初期データ記憶部を併設すると共に、
前記3次元顔形状復元手段は、前記3次元顔計測形状記憶部に3次元顔計測形状データが無い場合に機能して前記3次元顔形状初期データ記憶部に記憶されている初期データを参照し,これに合わせて3次元の顔形状を復元する初期データ参照復元機能を備えていることを特徴とした3次元顔データ登録システム。
【請求項4】
前記請求項1又は2に記載の3次元顔データ登録システムにおいて、
前記3次元顔形状復元手段に、前記3次元顔形状計測手段及び3次元顔計測形状記憶部に代えて、前記3次元顔計測形状にかかるデータを予め測定し格納した3次元顔形状初期データ記憶部を併設したことを特徴とする3次元顔データ登録システム。
【請求項5】
前記請求項1又は2に記載の3次元顔データ登録システムにおいて、
前記3次元顔復元形状記憶部と前記3次元顔計測形状記憶部とに、同一人物にかかるデータが重複して記憶されないように監視する登録データ整合手段を併設し、
この登録データ整合手段が、前記計測形状にかかるデータと復元形状にかかるデータとが重複して記憶されている場合に機能して復元形状にかかるデータを削除する復元形状データ削除制御機能を備えていることを特徴とする3次元顔データ登録システム。
【請求項6】
前記請求項1又は2に記載の3次元顔データ登録システムにおいて、
前記2次元顔画像記憶部と3次元顔計測形状記憶部の各々に、当該各記憶の対象とした顔画像又は顔計測にかかる人物の性別および年齢等を前記各記憶データに対応して記憶する属性データ記憶部を併設し、
前記3次元顔形状復元手段が前記2次元の顔写真から3次元の顔形状を復元するに際しては、前記2次元の顔写真にかかる属性データに近い属性データの3次元顔計測形状データを前記3次元顔計測形状記憶部から選択して取り出すと共に前記3次元顔形状復元手段に送り込む3次元計測データ選別手段を、前記3次元顔形状復元手段に併設したことを特徴とする3次元顔データ登録システム。
【請求項7】
前記請求項1又は2に記載の3次元顔データ登録システムにおいて、
前記3次元顔形状復元手段に、前記3次元顔計測形状記憶部および3次元顔復元形状記憶部にそれぞれ記憶される記憶内容の蓄積数を監視する再復元用監視・通知手段を併設すると共に、
この再復元用監視・通知手段は、前記3次元顔復元形状記憶部に記憶されている一の顔復元形状について当該顔復元形状が復元された時の前記3次元顔計測形状の蓄積数が現在の3次元顔計測形状の蓄積数より小さい場合に、前記3次元顔形状復元手段に対して再度当該一の顔復元形状について顔形状復元を指令する再復元実行指令機能を備えていることを特徴とする3次元顔データ登録システム。
【請求項8】
個人認証用として撮影された複数の顔写真を記憶する2次元顔写真記憶工程と、この記憶された2次元の顔写真から3次元の顔形状を復元する3次元顔形状復元工程と、この復元された3次元の顔形状を登録データとして3次元顔復元形状記憶部に記憶する3次元顔復元形状記憶工程部とを備えた3次元顔データ登録方法において、
前記3次元顔形状復元工程の前に、3次元で顔の形状を計測すると共にその計測データを3次元顔形状計測記憶部に記憶する3次元顔形状計測工程を設け、
前記3次元顔形状復元工程では、前記2次元の顔写真から3次元の顔形状を復元するに際し、前記3次元顔形状計測手段で得られる3次元顔計測形状データを参照しこれに合わせて復元するようにその実行内容が設定されていることを特徴とした3次元顔データ登録方法。
【請求項9】
前記請求項8に記載の3次元顔データ登録方法において、
前記3次元顔形状復元工程では、前記3次元顔形状計測工程で得られる計測形状データが無い場合に機能し、初期データとして予め別に準備された3次元顔形状の計測形状データを参照し,これに合わせて3次元の顔形状を復元するようにその実行内容が設定されていることを特徴とした3次元顔データ登録方法。
【請求項10】
前記請求項8又は9に記載の3次元顔データ登録方法において、
前記3次元顔形状復元工程の実行前に、前記3次元顔復元形状記憶部と前記3次元顔計測形状記憶部とに同一人物にかかるデータが重複して記憶されないように監視すると共に、重複して記憶されている場合に機能して前記3次元顔復元形状記憶部の対応する復元形状にかかるデータを削除する復元形状データ削除制御工程を設けたことを特徴とする3次元顔データ登録方法。
【請求項11】
前記請求項8乃至10のいずれか一つに記載の3次元顔データ登録システムにおいて、
前記2次元顔写真記憶工程と3次元顔計測形状記憶工程の各実行時に、当該各工程で記憶の対象とした顔画像又は顔計測にかかる人物の性別および年齢等を前記各記憶データに対応して設けられた属性データ記憶部に記憶する属性データ記憶工程を併設し、
前記3次元顔形状復元工程で前記2次元の顔写真から3次元の顔形状が復元されるに際し前記2次元の顔写真にかかる属性データに近い属性データの3次元顔計測形状データを前記記憶された属性データ内から選択して前記3次元顔形状復元手段に送り込む3次元計測データ選別工程を、前記3次元顔形状復元工程に併設したことを特徴とする3次元顔データ登録方法。
【請求項12】
前記請求項8乃至11のいずれか一つに記載の3次元顔データ登録方法において、
前記3次元顔形状復元工程の後に、前記3次元顔計測形状記憶部および3次元顔復元形状記憶部にそれぞれ記憶される記憶内容の蓄積数を監視する再復元用監視・通知工程および3次元顔形状再復元工程を設定し、
前記再復元用監視・通知工程では、前記3次元顔復元形状記憶部に記憶されている一の顔復元形状について当該顔復元形状が復元された時の前記3次元顔計測形状の蓄積数が現在の3次元顔計測形状の蓄積数より小さい場合に、前記3次元顔形状復元工程に対して再度当該一の顔復元形状について顔形状復元の指令すると共に、当該指令に基づいて前記3次元顔形状再復元工程が前記3次元顔形状復元工程と同一内容で実行されることを特徴とした3次元顔データ登録方法。
【請求項13】
個人認証用として撮影された複数の顔写真を2次元顔画像記憶部に記憶させる2次元顔データ記憶処理機能、
前記復元処理機能の実行に先立って、予め計測された3次元の顔形状の計測データを3次元顔形状計測記憶部に記憶する計測形状データ記憶処理機能、
この記憶された2次元の顔写真から3次元の顔形状を復元するに際し,前記3次元顔形状計測で得られた3次元顔計測形状データを参照しこれに合わせて復元させる3次元顔形状復元機能,
この復元された3次元の顔形状を登録データとして記憶する3次元顔復元形状記憶処理機能、
をコンピュータに実行させることを特徴とした3次元顔データ登録プログラム。
【請求項14】
前記請求項13に記載の3次元顔データ登録プログラムにおいて、
前記3次元顔形状復元処理機能の実行に際し、前記3次元顔形状計測記憶部に前記計測形状データが無い場合に機能し、初期データとして予め別に準備された3次元顔形状の計測形状データを参照し,これに合わせて3次元の顔形状を復元するようにその実行内容が設定されていることを特徴とした3次元顔データ登録プログラム。
【請求項15】
前記請求項13又は14に記載の3次元顔データ登録プログラムにおいて、
前記3次元顔形状復元工程の実行前に、前記3次元顔復元形状記憶部と前記3次元顔計測形状記憶部とに同一人物にかかるデータが重複して記憶されないように監視すると共に、重複して記憶されている場合に機能して前記3次元顔復元形状記憶部の対応する復元形状にかかるデータを削除する復元形状データ削除処理機能を設け、
これをコンピュータに実行させるようにしたことを特徴とした3次元顔データ登録プログラム。
【請求項16】
前記請求項13乃至15のいずれか一つに記載の3次元顔データ登録プログラムにおいて、
前記2次元顔写真記憶処理および3次元顔計測形状記憶処理の各実行時に、当該各記憶処理で記憶の対象とした顔画像又は顔計測にかかる人物の性別および年齢等を前記各記憶データに対応して属性データ記憶部に記憶する属性データ記憶処理を設け、
前記3次元顔形状復元処理の実行により前記2次元の顔写真から3次元の顔形状が復元されるに際しては、予め前記2次元の顔写真にかかる属性データに近い属性データの3次元顔計測形状データを前記記憶された属性データ内から選択して前記3次元顔形状復元手段に送り込む3次元計測データ選別処理を、前記3次元顔形状復元処理に併設し、
これをコンピュータに実行させるようにしたことを特徴とした3次元顔データ登録プログラム。
【請求項17】
前記請求項13乃至16のいずれか一つに記載の3次元顔データ登録プログラムにおいて、
前記3次元顔形状復元処理の後に、前記3次元顔計測形状記憶部および3次元顔復元形状記憶部にそれぞれ記憶される記憶内容の蓄積数を監視し計数する再復元用監視処理および3次元顔形状再復元処理を設け、
前記再復元用監視処理では、前記3次元顔復元形状記憶部に記憶されている一の顔復元形状について当該顔復元形状が復元された時の前記3次元顔計測形状の蓄積数が現在の3次元顔計測形状の蓄積数より小さい場合に、前記3次元顔形状復元処理に対して再度当該一の顔復元形状について顔形状再復元を指令すると共に、当該指令に基づいて前記3次元顔形状再復元処理が前記3次元顔形状復元処理と同一内容で実行されることを特徴とした3次元顔データ登録プログラム。
【請求項1】
個人認証用として撮影された複数の顔写真を記憶する2次元顔画像記憶部と、この記憶された2次元の顔写真から3次元の顔形状を復元する3次元顔形状復元手段と、この復元された3次元の顔形状を登録データとして記憶する3次元顔復元形状記憶部とを備えた3次元顔データ登録システムにおいて、
前記3次元顔形状復元手段に、3次元で顔の形状を計測する3次元顔形状計測手段と、この計測された3次元顔計測形状データを保存する3次元顔計測形状記憶部とを併設すると共に、
前記3次元顔形状復元手段が、前記2次元の顔写真から3次元の顔形状を復元するに際しては、前記3次元顔形状計測手段で得られる3次元顔計測形状データを参照しこれに基づいて復元する3次元形状参照復元機能を備えていることを特徴とした3次元顔データ登録システム。
【請求項2】
前記請求項1に記載の3次元顔データ登録システムにおいて、
前記3次元顔形状復元手段で復元される3次元顔形状復元データを記憶する3次元顔復元形状記憶部と、この計測された3次元顔計測形状データを保存する3次元顔計測形状記憶部とによって個人認証時の照合プロセスに際して機能する登録データ記憶部を構成するようにしたことを特徴とする3次元顔データ登録システム。
【請求項3】
前記請求項1又は2に記載の3次元顔データ登録システムにおいて、
前記3次元顔形状復元手段に、予め測定された3次元顔計測形状にかかるデータを格納するための3次元顔形状初期データ記憶部を併設すると共に、
前記3次元顔形状復元手段は、前記3次元顔計測形状記憶部に3次元顔計測形状データが無い場合に機能して前記3次元顔形状初期データ記憶部に記憶されている初期データを参照し,これに合わせて3次元の顔形状を復元する初期データ参照復元機能を備えていることを特徴とした3次元顔データ登録システム。
【請求項4】
前記請求項1又は2に記載の3次元顔データ登録システムにおいて、
前記3次元顔形状復元手段に、前記3次元顔形状計測手段及び3次元顔計測形状記憶部に代えて、前記3次元顔計測形状にかかるデータを予め測定し格納した3次元顔形状初期データ記憶部を併設したことを特徴とする3次元顔データ登録システム。
【請求項5】
前記請求項1又は2に記載の3次元顔データ登録システムにおいて、
前記3次元顔復元形状記憶部と前記3次元顔計測形状記憶部とに、同一人物にかかるデータが重複して記憶されないように監視する登録データ整合手段を併設し、
この登録データ整合手段が、前記計測形状にかかるデータと復元形状にかかるデータとが重複して記憶されている場合に機能して復元形状にかかるデータを削除する復元形状データ削除制御機能を備えていることを特徴とする3次元顔データ登録システム。
【請求項6】
前記請求項1又は2に記載の3次元顔データ登録システムにおいて、
前記2次元顔画像記憶部と3次元顔計測形状記憶部の各々に、当該各記憶の対象とした顔画像又は顔計測にかかる人物の性別および年齢等を前記各記憶データに対応して記憶する属性データ記憶部を併設し、
前記3次元顔形状復元手段が前記2次元の顔写真から3次元の顔形状を復元するに際しては、前記2次元の顔写真にかかる属性データに近い属性データの3次元顔計測形状データを前記3次元顔計測形状記憶部から選択して取り出すと共に前記3次元顔形状復元手段に送り込む3次元計測データ選別手段を、前記3次元顔形状復元手段に併設したことを特徴とする3次元顔データ登録システム。
【請求項7】
前記請求項1又は2に記載の3次元顔データ登録システムにおいて、
前記3次元顔形状復元手段に、前記3次元顔計測形状記憶部および3次元顔復元形状記憶部にそれぞれ記憶される記憶内容の蓄積数を監視する再復元用監視・通知手段を併設すると共に、
この再復元用監視・通知手段は、前記3次元顔復元形状記憶部に記憶されている一の顔復元形状について当該顔復元形状が復元された時の前記3次元顔計測形状の蓄積数が現在の3次元顔計測形状の蓄積数より小さい場合に、前記3次元顔形状復元手段に対して再度当該一の顔復元形状について顔形状復元を指令する再復元実行指令機能を備えていることを特徴とする3次元顔データ登録システム。
【請求項8】
個人認証用として撮影された複数の顔写真を記憶する2次元顔写真記憶工程と、この記憶された2次元の顔写真から3次元の顔形状を復元する3次元顔形状復元工程と、この復元された3次元の顔形状を登録データとして3次元顔復元形状記憶部に記憶する3次元顔復元形状記憶工程部とを備えた3次元顔データ登録方法において、
前記3次元顔形状復元工程の前に、3次元で顔の形状を計測すると共にその計測データを3次元顔形状計測記憶部に記憶する3次元顔形状計測工程を設け、
前記3次元顔形状復元工程では、前記2次元の顔写真から3次元の顔形状を復元するに際し、前記3次元顔形状計測手段で得られる3次元顔計測形状データを参照しこれに合わせて復元するようにその実行内容が設定されていることを特徴とした3次元顔データ登録方法。
【請求項9】
前記請求項8に記載の3次元顔データ登録方法において、
前記3次元顔形状復元工程では、前記3次元顔形状計測工程で得られる計測形状データが無い場合に機能し、初期データとして予め別に準備された3次元顔形状の計測形状データを参照し,これに合わせて3次元の顔形状を復元するようにその実行内容が設定されていることを特徴とした3次元顔データ登録方法。
【請求項10】
前記請求項8又は9に記載の3次元顔データ登録方法において、
前記3次元顔形状復元工程の実行前に、前記3次元顔復元形状記憶部と前記3次元顔計測形状記憶部とに同一人物にかかるデータが重複して記憶されないように監視すると共に、重複して記憶されている場合に機能して前記3次元顔復元形状記憶部の対応する復元形状にかかるデータを削除する復元形状データ削除制御工程を設けたことを特徴とする3次元顔データ登録方法。
【請求項11】
前記請求項8乃至10のいずれか一つに記載の3次元顔データ登録システムにおいて、
前記2次元顔写真記憶工程と3次元顔計測形状記憶工程の各実行時に、当該各工程で記憶の対象とした顔画像又は顔計測にかかる人物の性別および年齢等を前記各記憶データに対応して設けられた属性データ記憶部に記憶する属性データ記憶工程を併設し、
前記3次元顔形状復元工程で前記2次元の顔写真から3次元の顔形状が復元されるに際し前記2次元の顔写真にかかる属性データに近い属性データの3次元顔計測形状データを前記記憶された属性データ内から選択して前記3次元顔形状復元手段に送り込む3次元計測データ選別工程を、前記3次元顔形状復元工程に併設したことを特徴とする3次元顔データ登録方法。
【請求項12】
前記請求項8乃至11のいずれか一つに記載の3次元顔データ登録方法において、
前記3次元顔形状復元工程の後に、前記3次元顔計測形状記憶部および3次元顔復元形状記憶部にそれぞれ記憶される記憶内容の蓄積数を監視する再復元用監視・通知工程および3次元顔形状再復元工程を設定し、
前記再復元用監視・通知工程では、前記3次元顔復元形状記憶部に記憶されている一の顔復元形状について当該顔復元形状が復元された時の前記3次元顔計測形状の蓄積数が現在の3次元顔計測形状の蓄積数より小さい場合に、前記3次元顔形状復元工程に対して再度当該一の顔復元形状について顔形状復元の指令すると共に、当該指令に基づいて前記3次元顔形状再復元工程が前記3次元顔形状復元工程と同一内容で実行されることを特徴とした3次元顔データ登録方法。
【請求項13】
個人認証用として撮影された複数の顔写真を2次元顔画像記憶部に記憶させる2次元顔データ記憶処理機能、
前記復元処理機能の実行に先立って、予め計測された3次元の顔形状の計測データを3次元顔形状計測記憶部に記憶する計測形状データ記憶処理機能、
この記憶された2次元の顔写真から3次元の顔形状を復元するに際し,前記3次元顔形状計測で得られた3次元顔計測形状データを参照しこれに合わせて復元させる3次元顔形状復元機能,
この復元された3次元の顔形状を登録データとして記憶する3次元顔復元形状記憶処理機能、
をコンピュータに実行させることを特徴とした3次元顔データ登録プログラム。
【請求項14】
前記請求項13に記載の3次元顔データ登録プログラムにおいて、
前記3次元顔形状復元処理機能の実行に際し、前記3次元顔形状計測記憶部に前記計測形状データが無い場合に機能し、初期データとして予め別に準備された3次元顔形状の計測形状データを参照し,これに合わせて3次元の顔形状を復元するようにその実行内容が設定されていることを特徴とした3次元顔データ登録プログラム。
【請求項15】
前記請求項13又は14に記載の3次元顔データ登録プログラムにおいて、
前記3次元顔形状復元工程の実行前に、前記3次元顔復元形状記憶部と前記3次元顔計測形状記憶部とに同一人物にかかるデータが重複して記憶されないように監視すると共に、重複して記憶されている場合に機能して前記3次元顔復元形状記憶部の対応する復元形状にかかるデータを削除する復元形状データ削除処理機能を設け、
これをコンピュータに実行させるようにしたことを特徴とした3次元顔データ登録プログラム。
【請求項16】
前記請求項13乃至15のいずれか一つに記載の3次元顔データ登録プログラムにおいて、
前記2次元顔写真記憶処理および3次元顔計測形状記憶処理の各実行時に、当該各記憶処理で記憶の対象とした顔画像又は顔計測にかかる人物の性別および年齢等を前記各記憶データに対応して属性データ記憶部に記憶する属性データ記憶処理を設け、
前記3次元顔形状復元処理の実行により前記2次元の顔写真から3次元の顔形状が復元されるに際しては、予め前記2次元の顔写真にかかる属性データに近い属性データの3次元顔計測形状データを前記記憶された属性データ内から選択して前記3次元顔形状復元手段に送り込む3次元計測データ選別処理を、前記3次元顔形状復元処理に併設し、
これをコンピュータに実行させるようにしたことを特徴とした3次元顔データ登録プログラム。
【請求項17】
前記請求項13乃至16のいずれか一つに記載の3次元顔データ登録プログラムにおいて、
前記3次元顔形状復元処理の後に、前記3次元顔計測形状記憶部および3次元顔復元形状記憶部にそれぞれ記憶される記憶内容の蓄積数を監視し計数する再復元用監視処理および3次元顔形状再復元処理を設け、
前記再復元用監視処理では、前記3次元顔復元形状記憶部に記憶されている一の顔復元形状について当該顔復元形状が復元された時の前記3次元顔計測形状の蓄積数が現在の3次元顔計測形状の蓄積数より小さい場合に、前記3次元顔形状復元処理に対して再度当該一の顔復元形状について顔形状再復元を指令すると共に、当該指令に基づいて前記3次元顔形状再復元処理が前記3次元顔形状復元処理と同一内容で実行されることを特徴とした3次元顔データ登録プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−265162(P2007−265162A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−91066(P2006−91066)
【出願日】平成18年3月29日(2006.3.29)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【出願人】(000213301)中部日本電気ソフトウェア株式会社 (56)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月29日(2006.3.29)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【出願人】(000213301)中部日本電気ソフトウェア株式会社 (56)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]