説明

3級アミノ変性セルロース誘導体を有するパーソナルケア組成物

エチレンアクリル酸コポリマーおよび少なくとも1種の化粧用に許容可能な界面活性剤、エモリエント剤、または化粧用活性物質を含む水性分散体を含むパーソナルケア組成物を記載する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
分野
本件は、パーソナルケア組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
背景の問題として、セルロースは、無水グルコース単糖単位(その1,4位でβアノマー配置により結合している)で構成される直鎖、非分岐の多糖である。ヒドロキシル基の置換(2,3または6位で)はセルロース誘導体を与える。一般的な置換としては、メチル(メチルセルロース)、エチル(エチルセルロース)、エトキシ(ヒドロキシエチルセルロース)、イソプロピルオキシ(ヒドロキシプロピルセルロース)、およびこれらの混合物、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースが挙げられる。ヒドロキシ置換の理論的な限界は3である。全ての無水グルコース単位が同一に置換されるわけではないため、無水グルコース単位当たりの置換されたヒドロキシル基の平均数を置換度(すなわち全ポリマー鎖を通じた平均として)という。
【0003】
置換基の末端ヒドロキシル基は更に4級アミンで置換され、極めて有用なパーソナルケア組成物,例えばカチオン性セルロース誘導体(例えばポリクオタニウム、PQ 10,PQ 24,およびPQ 67が挙げられる)を形成できる。
【0004】
毛および/または皮膚のコンディショニングはパーソナルケア組成物,特にコンディショナー、シャンプーおよびボディウォッシュにおける最も望ましい特性の1つであり、ポリクオタニウムは、優れたコンディショニング性を与えることが公知である。しかし、ポリクオタニウムは幾つかの欠点を有する可能性がある。
【0005】
これまで、3級アミンはパーソナルケア組成物に用いられてこなかった。ポリクオタニウムは、永久荷電し、その溶液のpHに左右されないためにより優れていると考えられていたからである。
【0006】
望ましい特性を有し、更に、少しの性能の改善が重要である新たなコンディショニング剤の開発は当該分野で注目されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
要約
一態様において、本発明は、3級アミン置換セルロース誘導体、および少なくとも1種の化粧用に許容可能な界面活性剤、エモリエント剤、または化粧用活性物質を含む、パーソナルケア組成物を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
詳細な説明
一態様において、本発明は、3級アミン置換セルロース誘導体、および少なくとも1種の化粧用に許容可能な界面活性剤、エモリエント剤、または化粧用活性物質を含むパーソナルケア組成物を提供する。
【0009】
「パーソナルケア」は、人間(例えば口、耳、および鼻腔、しかし摂取されない)に局所的に適用される組成物に関する。パーソナルケア組成物の例としては、スキンケア製品(例えばフェイシャルクリーム、モイスチャライザー、洗い流さないおよび洗い流すローション、サンスクリーン、ファンデーション、マスカラ、アイライナー、リップスティック、クレンザー等)、ならびにヘアケア製品(例えばシャンプー、洗い流さないおよび洗い流すコンディショナー、スタイリングジェルおよびヘアスプレー)が挙げられる。好ましくは、パーソナルケア組成物はシャンプー、洗い流すコンディショナー、洗い流さないコンディショナー、またはボディウォッシュである。好ましくは、パーソナルケア組成物はエマルションではない。
【0010】
「化粧用に許容可能な」は、パーソナルケア組成物において典型的に用いられる含有成分を意図し、そしてパーソナルケア組成物中に典型的に見出される量で存在する場合に有害である物質が本発明の部分として考慮されないことを強調することを意図する。
【0011】
一態様において、本発明は、式(I)を有する3級アミン置換セルロース誘導体を提供する。
【0012】
【化1】

【0013】
(式中、nは、重量平均分子量(Mw)約50,000〜2,000,000の範囲を有するポリマーを製造するのに十分な整数であり;
1は、独立に、各々の出現において、H,−CH3,−CH2CH2O−R2,−CH2CH2O−R2CH3であり、但し少なくとも1つのR1はHではなく;そして
2は、独立に、各々の出現において、H,R3N(R42またはその塩であり、但し少なくとも1つのR2はR3N(R42またはその塩であり:
3はC1-6アルキレンまたはO−C1-6アルキレンであり;
4は、独立に、各々の出現において、C1-6アルキル、または両R4基はこれが結合している窒素とともに飽和または不飽和の5員環または6員環を形成する。)
【0014】
用語「アルキレン」はジラジカルアルキル基を意味する。
【0015】
特記がない限り、全ての基は任意に置換された態様を包含する。「任意に置換された」はヒドロキシル、アルコキシ、カルボキシ、ニトロ、アミノ、アミド、ハロ、またはC1-3アルキルを意味する。
【0016】
従って、例えば、式Iは具体的にはR31-6アルキレン(−CH2CH(OH)CH2−および−CH2CH(OH)−として)を意図する。式IのR3部分は、一般的には、3級アミン(N(R42)またはその塩(すなわちN+(R42H)の残りをセルロースエーテルに接続する橋またはテザーと考えられる。R3の例は、これがO−C1-6アルキレンである場合、−O−CH2−,−O−CH2CH2−,および−O−CH2−CH(CH3)−である。
【0017】
好ましい態様において、R1はHまたは−CH2CH2O−R2であり、よって好ましいセルロース誘導体はヒドロキシエチルセルロースである。
【0018】
好ましい態様において、R3は−CH2CH2−または−CH2CH(OH)CH2−である。
【0019】
好ましい態様において、R4は、独立に、CH3またはCH2CH3である。
【0020】
一態様において、ケルダール窒素量は、約0.02%〜約7.5%、好ましくは約0.1%〜約5%、最も好ましくは約0.2%〜約3%である。
【0021】
一態様において、3級アミン置換セルロース誘導体は、水性分散体の質量基準で、約5wt%〜約40wt%の範囲、好ましくは約15wt%〜約25wt%の範囲で存在する。
【0022】
本発明のヒドロキシエチルセルロース態様の非限定例としては、N,N−ジエチルアミノエチルヒドロキシエチルセルロース、N,N−ジメチルアミノエチルヒドロキシエチルセルロース、N,N−ジイソプロピルアミノエチルヒドロキシエチルセルロース、N,N−ジメチルアミノプロピルヒドロキシエチルセルロース、N−エチルピペリジンヒドロキシエチルセルロース、N−エチルモルホリンヒドロキシエチルセルロース、およびN−エチルピロリジンヒドロキシエチルセルロースが挙げられる。
【0023】
一態様において、本発明は、3級アミン置換セルロース誘導体およびシリコーンを含むパーソナルケア組成物を提供する。シリコーンとしては、シリコーン油,例えば、直鎖または環状のシリコーン鎖を含む揮発性または非揮発性のポリメチルシロキサン(PDMS)(これらは室温で液体またはペースト状である)、特にシクロポリジメチルシロキサン(シクロメチコーン),例えばシクロペンタシロキサンおよびシクロヘキサジメチルシロキサン、ポリジメチルシロキサン(アルキル基、アルコキシ基またはフェニル基を含むものであり、これらはシリコーン鎖の側鎖または末端にあり、これらの基は2〜24炭素原子を含む)、フェニルシリコーン,例えばフェニルトリメチコーン、フェニルジメチコーン、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコーン、ジフェニルメチルジフェニルトリシロキサン、2−フェニルエチルトリメチルシロキシシリケート、およびポリメチルフェニルシロキサン、フルオロ油,例えば部分炭化水素系および/または部分シリコーン系のフルオロ油、好ましくはジメチコーン、シクロペンタシロキサン、シクロヘキサシロキサン、またはこれらの組合せが挙げられる。ジメチコーン、ラウレス−23、およびC12-15パレス−3の好ましいブレンド物は、Dow−Corningから商品名DOW CORNING 2−1491シリコーンエマルション(超高分子量ポリジメチルシロキサンガムと中分子量ポリジメチルシロキサン流体とのブレンド物の60%大粒子サイズノニオン性エマルションとも記載)で市販にて入手可能である。好ましくは、シリコーンは、パーソナルケア組成物の質量基準で、約0.1wt%〜約5wt%、好ましくは約0.75wt%〜約3wt%、およびより好ましくは約1wt%〜約2wt%の範囲で存在する。
【0024】
界面活性剤は、カチオン性、アニオン性、ノニオン性、もしくは両性の界面活性剤、またはこれらの混合物である。一態様において、界面活性剤はノニオン性/乳化剤界面活性剤である。一態様において、界面活性剤は、カチオン性界面活性剤、好ましくはベヘントリモニウムクロリドである。この態様において、界面活性剤は、組成物の質量基準で約0.1wt%〜約10wt%、好ましくは組成物の質量基準で約0.5wt%〜約7wt%、最も好ましくは組成物の質量基準で約1wt%〜約4wt%の量で存在する。
【0025】
一態様において、界面活性剤は洗剤界面活性剤である。この態様において、界面活性剤は、組成物の質量基準で約1wt%〜約25wt%、好ましくは組成物の質量基準で約5wt%〜約20wt%、最も好ましくは組成物の質量基準で約7wt%〜約18wt%の量で存在する。
【0026】
好ましくは、洗剤界面活性剤は、アニオン性界面活性剤と両性界面活性剤との組合せである。一態様において、アニオン性界面活性剤は、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸ナトリウム、またはラウリル硫酸ナトリウムである。一態様において、アニオン性界面活性剤は、組成物の質量基準で、約1wt%〜約25wt%、好ましくは約5wt%〜約20wt%、より好ましくは約7wt%〜約15wt%の量で存在する。
【0027】
一態様において、混合物は、アニオン性界面活性剤と第2の界面活性剤(ジナトリウムココアンホジアセテート、デシルグルコシド、またはコカミドプロピルベタインである)との組合せである。一態様において、第2の界面活性剤は、組成物の質量基準で、約1wt%〜約10wt%、好ましくは約1wt%〜約8wt%、より好ましくは約2wt%〜約6wt%の量で存在する。
【0028】
好ましい態様において、界面活性剤はラウレス硫酸ナトリウム(例えばCognisから商品名STANDAPOL ESで市販にて入手可能なもの)とジナトリウムココアンホジアセテート(例えば、Henkelから商品名VELVETEX CDCで市販にて入手可能なもの)との混合物である。界面活性剤が、ラウレス硫酸ナトリウムとジナトリウムココアンホジアセテートとの混合物である場合、ラウレス硫酸ナトリウムのジナトリウムココアンホジアセテートに対する比は、約9:1〜約2:1の範囲、最も好ましくは約6:1である。
【0029】
一態様において、組成物はpHを調整するためのクエン酸を含む。
【0030】
本発明のパーソナルケア組成物のための他の任意の含有成分としては、化粧用に許容可能なエモリエント、サンスクリーン、界面活性剤、乳化剤、防腐剤、レオロジー調整剤、着色剤、染料、防腐剤、pH調整剤、推進剤、還元剤、香料、発泡剤、タンニング剤、脱毛剤、芳香剤、収斂剤、消毒剤、消臭剤、制汗剤、虫除け剤、脱色剤、ライトナー、フケ防止剤、接着剤、ポリッシュ、強化剤、フィラー、バリア物質、または殺生剤が挙げられる。
【0031】
幾つかの態様において、パーソナルケア組成物は、増粘剤として、任意のレオロジー調整剤を更に含む。増粘剤の例としては、ポリマー,例えば、変性または非変性のカルボキシビニルポリマー,例えば名称CARBOPOLおよびPEMULEN(INCI名:アクリレート/C10-30アルキルアクリレートクロスポリマー;Noveonから入手可能)で販売される製品、ポリアクリレートおよびポリメタクリレート,例えば名称LUBRAJELおよびNORGEL(Guardianから市販で入手可能)またはHISPAGEL(Hispano Chimicaから市販で入手可能)の製品、ポリアクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ポリマーおよび複数ポリマーであって任意に架橋および/または中和されているもの,例えばポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパン−スルホン酸)であってClariantから販売されるもの(INCI名:アンモニウムポリアクリルジメチルタウルアミド)、アクリルアミドおよびAMPSの乳化架橋アニオン性ポリマー,例えば名称SEPIGEL 305(INCI名:ポリアクリルアミド/C13−14イソパラフィン/ラウレス−7;Seppicより)および名称SIMULGEL 600(INCI名:アクリルアミド/ナトリウムアクリロイルジメチルタウレートポリマー/イソへキサデカン/ポリソルベート80;Seppicより)で販売されるもの、多糖バイオポリマー,例えばキサンタンガム、グアーガム、キャロブガム、アカシアガム、スクレログルカン、キチンおよびキトサンの誘導体、カラギーナン、ジェラン、アルギネート、セルロース類,例えば微結晶セルロース、セルロース誘導体、会合性ポリマー,例えば会合性ポリウレタン、少なくとも2つの、6〜30個の炭素原子を含む炭化水素系親油性鎖を含むポリマー,親水性配列で分離されるもの,例えば品名SERAD FX1010,SERAD FX1100およびSERAD FX1035(Huels Americaから市販で入手可能)、RHEOLATE 255,RHEOLATE 278およびRHEOLATE 244(INCI名:ポリエーテル−ウレア−ポリウレタン;Rheoxより)、DW 1206F,DW 1206J,DW 1206B,DW 1206G,およびACRYSOL RM 2020(Roehm&Haasより市販で入手可能)で販売されるポリウレタンが挙げられる。
【0032】
着色剤としては、顔料,特にメイクアップで使用されるもの,例えば金属酸化物顔料、二酸化チタン、任意に表面処理されているもの、酸化ジルコニウムまたは酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化鉄(黒、黄または赤)、酸化クロム、マンガンバイオレット、ウルトラマリンブルー、クロム水和物および第二鉄ブルー、カーボンブラック、バリウム、ストロンチウム、カルシウムまたはアルミニウムの顔料(例えばD&CまたはFD&C)、コチニールカーミン、チタンまたはビスマスオキシクロリドでコートされたマイカ、チタンマイカ(酸化鉄を伴うもの)、チタンマイカ(特に第二鉄ブルーまたは酸化クロムを伴うもの)、チタンマイカ(有機顔料を伴うもの)、パール顔料であってビスマスオキシクロリドを基にするもの、ゴニオクロマチック(goniochromatic)顔料,例えば、多層干渉構造を有する顔料、反射顔料,例えば銀コートされたガラス物質、ニッケル/クロム/モリブデン合金でコートされたガラス物質、茶酸化鉄でコートされたガラス物質を有する粒子、少なくとも2つのポリマー層の積層物を含む粒子,例えばMIRROR GLITTER(3Mより市販で入手可能)が挙げられる。
【0033】
染料としては、水溶性染料,例えば硫酸銅、硫酸鉄、水溶性スルホポリエステル、ローダミン、天然染料,例えばカロテンおよびビート根汁、メチレンブルー、カラメル、タートラジンの二ナトリウム塩およびフスチン(fuschin)の二ナトリウム塩、ならびにその混合物が挙げられる。上記の列挙からの脂溶性染料もまた任意に使用できる。
【0034】
防腐剤としては、アルコール、アルデヒド、メチルクロロイソチアゾリノンおよびメチルイソチアゾリノン、p−ヒドロキシベンゾエート、および特にメチルパラベン、プロピルパラベン、グルタルアルデヒドおよびエチルアルコールが挙げられる。
【0035】
pH調整剤としては、無機および有機の酸および塩基、ならびに特に水性のアンモニア、クエン酸、リン酸、酢酸および水酸化ナトリウムが挙げられる。
【0036】
還元剤としては、アンモニウムチオグリコレート、ハイドロキノンおよびナトリウムチオグリコレートが挙げられる。
【0037】
芳香剤は、天然物質の抽出によって得られるかまたは人工的に製造される(上記のように)アルデヒド、ケトン、または油であることができる。しばしば、芳香剤は補助的な物質,例えば定着剤、増量剤、安定剤および溶媒を伴う。
【0038】
殺生剤としては、抗菌剤、殺バクテリア剤、防カビ剤、殺藻剤、殺菌剤(mildicides)、消毒剤、殺菌剤(antiseptics)、および殺虫剤が挙げられる。
【0039】
任意の含有成分の、所望の特性(このような含有成分により与えられる)を実現するために有効な量は当業者により容易に決定できる。
【0040】
好ましい態様において、パーソナルケア組成物はシャンプー、ボディウォッシュ、またはフェイシャルクレンザー、好ましくはシャンプーである。
【0041】
使用において、パーソナルケア組成物は毛(hair)または皮膚に適用する。一態様において、本発明のパーソナルケア組成物の適用は、毛のコンディショニング方法を構成する。
【0042】

以下の例は、例示のみのためであって、本発明の範囲の限定を意図しない。全てのパーセントは特記がない限り質量基準である。
【0043】
例1
本発明のパーソナルケア組成物は以下の3級アミンを含む:
バッチA
32.28g(30.00g含有)のCELLOSIZE(登録商標)QP−100MHヒドロキシエチルセルロースおよび180.0gのイソプロピルアルコールを、500mlの樹脂ケトル(または4口丸底フラスコ)(撹拌翼、窒素入口、鉱物油バブラーに接続された還流凝縮器、等圧化添加漏斗、温度計、およびラバーセラムキャップを備えるもの)に入れる。スラリーを撹拌し、窒素を約1時間パージする。
【0044】
添加漏斗に、18.6gの2−クロロ−nN,N−ジエチルエチルアミンヒドロクロリド(別名、N,N−ジエチルアミノエチルクロリドヒドロクロリド)の43.4g蒸留水中の溶液(アミンのセルロース誘導体に対するモル比 0.901)を入れる。添加漏斗内の溶液をスラリーに、撹拌しながら約15分かけて滴下添加する。添加完了後、12.25gの50%水性水酸化ナトリウム溶液をスラリーに約5分かけて滴下添加する。得られる混合物を加熱し、約40℃で約2時間保ち、次いで室温まで冷却し、5.00gの氷酢酸を添加して約15分間撹拌することにより中和する。
【0045】
得られるポリマーを、ブフナー漏斗による減圧ろ過により回収し、ワーリングブレンダーで、5回、500mlの5:1(体積基準)アセトン/水で洗浄し、2回、500mlの純アセトンで洗浄する。ポリマーは最後の乾燥ステップ(2回目の純アセトン洗浄)にて、0.6gの40%グリオキサルおよび0.4gの氷酢酸を添加することによりグリオキサル処理してもよい。ポリマーを1晩減圧中で50℃にて乾燥させる。
【0046】
最終生成物は、従来法を用い、揮発分(6.62%)および灰分(6.18%、酢酸ナトリウムとして)と特性化される。ブルックフィールド粘度は30rpm(1%、灰分および揮発分について較正された)と測定され、2500cPであることが見出される。ケルダール窒素含有量(灰分および揮発分について較正された)は2.11%であることが見出される。
【0047】
バッチB
バッチAにおいて記載したように調製するが、CELLOSIZE AM−103ヒドロキシエチルセルロース,より低分子量の生成物を用いることを除く。
【0048】
例2
例示の比較パーソナルケア明澄シャンプー組成物は、表1に挙げる成分を質量/質量基準(wt%)で含有する。
【0049】
【表1】

【0050】
バッチAをベース界面活性剤と組合せる。オーバーヘッド撹拌器で混合(約500rpm)しながら約65℃までゆっくり加熱する。界面活性剤が溶液になるまで撹拌を継続する。室温まで冷却する。10%のクエン酸を添加して約10分間撹拌する。Glydant防腐剤を添加し、適量の水で100gにする。約15分間約500rpmで撹拌する。
【0051】
対照シャンプー(比較配合物1)を、実質的に上記したようにして調製するが、3級アミンを従来のカチオン性セルロース誘導体(PQ−10)(これは実質的に同様の分子量およびケルダール窒素含有量を有するが4級アミンである)で置換える。
【0052】
例3
例2の手順に実質的に従った組成物を調製した。前洗浄および前抱水させたヨーロッパ人の単一脱色毛の束(International Hair Importers and Products Inc.から入手可能)を0.5gのこれらのシャンプー配合物で処理した。シャンプーを毛に1分間入れ込み、次いで流水道水(38℃にて0.4gal/分の水流)下で洗い流した。
【0053】
湿潤櫛通りピーク力(WCPF)を、インストロン引張試験機のロードセルを用いて測定した。シャンプー配合物の湿潤櫛通り性を、湿潤櫛通り力(WCPF)、配合物で処理された毛束の低減パーセント(同じ含有成分を含むが4級または3級のアミノ基で置換されたHECポリマーを含まないベース配合物で処理された毛束との比較で)について以下のように算出した。表2に報告する。
【0054】
【表2】

【0055】
統計的に有意な結果は、発明配合物Aが実際に、基準シャンプーよりも良好なコンディショニング性能(湿潤櫛通りピーク力のより大きい低減として)を有していたことを示す。これは特に驚くべきことである。これらが有する荷電したセルロース誘導体は実質的に同様の分子量およびケルダール窒素含有量を有し、3級 対 4級のアミンという点のみで異なるからである。当業者は、コンディショニングを電荷と同一視するため、せいぜい同等の性能を予測するに過ぎない。
【0056】
例4
例示の比較パーソナルケア2−イン−1シャンプー組成物は、表3に挙げる成分を質量/質量基準(wt%)で含有する。
【0057】
【表3】

【0058】
ベース界面活性剤を組合せる。オーバーヘッド撹拌器で混合(約500rpm)しながらゆっくり74℃まで加熱する。界面活性剤が溶液になるまで撹拌を継続する。パール化剤を約550rpmで添加し、速度は15分間維持し、次いで約35℃までゆっくり冷却する。撹拌速度を750rpmまで増大させ、シリコーンを添加する。約15分間撹拌する。バッチAまたはPQ−10(適宜)をゆっくり添加し、約30分間撹拌する。10%のクエン酸を添加して約10分間撹拌する。Glydant防腐剤を添加し、適量の水で100gにする。
【0059】
例5
例4の手順に実質的に従った組成物を調製した。前洗浄および前抱水させたヨーロッパ人のバージン茶毛束(International Hair Importers and Products Inc.から入手可能)を0.5gのこれらのシャンプー配合物で処理した。2回、シャンプーを毛に1分間入れ込み、次いで流水道水(38℃にて0.4gal/分の水流)下で洗い流した。
【0060】
配合物Bまたは比較配合物2で処理された毛に堆積したシリコーンの総量を、電子吸光分光分析を用いて測定した。シリコーンを毛から、50/50(v/v)メチルイソブチルケトン/トルエン溶液で抽出した。シリコーン含有量を測定し、次いで毛1グラム当たりのシリコーンのマイクログラム単位での堆積(すなわちppm)を算出し、表4に報告した。
【0061】
【表4】

【0062】
統計的に有意な結果は、発明配合物Bが、基準シャンプー(これは従来の堆積を示した)よりも特筆すべきであるほど高いシリコン蓄積を有したことを示す。これは特に驚くべきことである。これらが含有する荷電したセルロース誘導体は実質的に同様の分子量およびケルダール窒素含有量を有し、3級 対 4級のアミンという点のみで異なるからである。
【0063】
別の評価で、上記の湿潤毛束を、完全に乾燥するまで吊るし、乾燥知覚評価を実施した。毛上の化粧用製品の性能を評価するために訓練された5人の熟練したパネリストに、乾燥状態での櫛通り性および感触を評価してもらった。各パネリストは1対の束を評価した。1つの束は本発明の組成物で処理されたものであり、対して1つは比較組成物で処理されたものである。パネリストに、より優れた乾燥特性を有する1つの束をとってもらった。結果を表5に示す。
【0064】
【表5】

【0065】
これらの主観評価を統計的に分析し、信頼度が89%を超える差異を特定した。結果は、発明配合物Bがより優れた乾燥知覚特性を有していたことを示す。
【0066】
例6
本発明の例示のパーソナルケアの洗い流すコンディショナー組成物は、表6に挙げる成分を質量/質量基準(wt%)で含有する。
【0067】
【表6】

【0068】
バッチBおよびヒドロキシエチルセルロースを水中に室温で撹拌しながら分散させる。次いで混合物を約70℃まで、撹拌しながら加熱する。別個の容器内で、グリコールジステアレート、セテアリルアルコール、セチルアルコール、およびPEG−100ステアレートを混合し、約70℃まで加熱する。均一になったら、ポリマー溶液を撹拌下で添加し、次いでステアルアルコニウムクロリド、クエン酸、および防腐剤を添加し、残りの水の添加でコンディショナーは室温まで冷える。
【0069】
例7
本発明の例示のパーソナルケアの洗い流さないコンディショナー組成物は、表7に挙げる成分を質量/質量基準(wt%)で含有する。
【0070】
【表7】

【0071】
バッチAおよびヒドロキシエチルセルロースを水中に、室温で撹拌しながら分散させる。次いで混合物を約60℃まで撹拌しながら加熱する。ステアルアミドプロピルジメチルアミンおよびステアルアルコニウムクロリドを添加して溶解させる。混合物を約75℃まで加熱し、セチルアルコールおよびステアリルアルコールおよびセテアレス−20を添加する。均一になったら、混合物を40℃未満まで冷却し、シリコンエマルション、クエン酸、および防腐剤を添加する。コンディショナーを、残りの水の添加で室温まで冷却する。
【0072】
本発明は本明細書に具体的に開示および例示された態様に限定されないことが理解される。発明の種々の改変は当業者に明らかとなろう。そのような変更および改変は、特許請求の範囲から逸脱することなくなすことができる。
【0073】
更に、各々の列挙される範囲は、範囲、更にその中に含まれる具体的な数値の全ての組合せおよび下位組合せを包含する。加えて、本明細書に列挙または記載される各々の特許、特許出願、および公開公報はその全部を参照により本明細書に組入れる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
3級アミン置換セルロース誘導体;および
少なくとも1種の化粧用に許容可能な界面活性剤、エモリエント剤、または化粧用活性物質;
を含む、パーソナルケア組成物。
【請求項2】
該3級アミン置換セルロース誘導体が、分子量範囲約50,000〜約2,000,000ダルトン、およびケルダール窒素量約0.02%〜約7.5%、好ましくは約0.1%〜約5%、最も好ましくは約0.2%〜約3%を有する、請求項1に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項3】
該3級アミン置換セルロース誘導体が、3級アミン置換ヒドロキシエチルセルロースである、請求項1に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項4】
該3級アミン置換セルロース誘導体が、N,N−ジエチルアミノエチルヒドロキシエチルセルロース、N,N−ジメチルアミノエチルヒドロキシエチルセルロース、N,N−ジイソプロピルアミノエチルヒドロキシエチルセルロース、N,N−ジメチルアミノプロピルヒドロキシエチルセルロース、N−エチルピペリジンヒドロキシエチルセルロース、N−エチルモルホリンヒドロキシエチルセルロース、またはN−エチルピロリジンヒドロキシエチルセルロースの少なくとも1つである、請求項3に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項5】
該3級アミン置換セルロース誘導体が、水性分散体の質量基準で、約5wt%〜約40wt%の範囲、好ましくは約15wt%〜約25wt%の範囲で存在する、請求項1に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項6】
シリコーンを、該シリコーンが水性分散体中にないことを条件に更に含む、請求項1に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項7】
該シリコーンが、パーソナルケア組成物の質量基準で、約0.1wt%〜約5wt%、好ましくは約0.75wt%〜約3wt%、およびより好ましくは約1wt%〜約2wt%の範囲で存在する、請求項6に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項8】
該界面活性剤が存在し、そして洗剤界面活性剤である、請求項1に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項9】
該界面活性剤が存在し、そしてノニオン性界面活性剤である、請求項1に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項10】
該パーソナルケア組成物がシャンプー、洗い流すコンディショナー、洗い流さないコンディショナー、またはボディウォッシュである、請求項1に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項11】
請求項1または6に記載のパーソナルケア組成物を毛に適用することを含む、毛のコンディショニング方法。

【公表番号】特表2013−514360(P2013−514360A)
【公表日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−544700(P2012−544700)
【出願日】平成22年12月14日(2010.12.14)
【国際出願番号】PCT/US2010/060234
【国際公開番号】WO2011/084408
【国際公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(591123001)ユニオン カーバイド ケミカルズ アンド プラスティックス テクノロジー エルエルシー (85)
【Fターム(参考)】