説明

3,9−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体及びモノアミン神経伝達物質再取り込み阻害薬としてのその使用

本発明は、モノアミン神経伝達物質の再取り込み阻害薬として有用な新規の3,9−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体に関する。他の態様においては、本発明は、治療方法におけるこれらの化合物の使用及び本発明の化合物を含む医薬組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モノアミン神経伝達物質の再取り込み阻害薬として有用な新規の3,9−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体に関する。
【0002】
他の態様においては、本発明は、治療方法におけるこれらの化合物の使用及び本発明の化合物を含む医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
セロトニン選択的再取り込み阻害薬(SSRI)は、現在、うつ病及びパニック障害を含めた数種のCNS障害の治療における効能を提供している。SSRIは、精神科医及び一次診療医によって、有効であり、耐容性良好であり投与が容易であると一般的に認められている。しかしながら、それらはいくつかの望ましくない特徴を伴っている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、セロトニン再取り込み対ノルアドレナリン及びドーパミン再取り込み活性の比などの、モノアミン神経伝達物質セロトニン、ドーパミン及びノルアドレナリンの再取り込み活性に関する最適化された薬理学的特性を有する化合物についての依然として強いニーズがある。
【0005】
US3196154(Sterling Drug Inc)は、3−置換−9−メチル−3,9−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナンを開示している。化合物9−メチル−3−フェニル−3,9−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン及び3−(3−クロロ−4−メチルフェニル)−9−メチル−3,9−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナンが開示されている。
【0006】
Fales H M及びBarnes R A[J.Am.Chem.Soc.;1954;76(7);1947〜48]は9−メチル−3,9−ジアザトリシクロ[3.3.1.23.9]ウンデカンの合成を記載している。化合物9−メチル−3,9−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナンのN−ピクリルピクレートの合成が記載されている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
その第1の態様においては、本発明は、式Iの化合物、
【化1】


任意のその異性体若しくはその異性体の任意の混合物、又は薬学的に許容されるその塩を提供する(式中、R及びRは以下に定義されるとおりである)。
【0008】
その第2の態様においては、本発明は、少なくとも1種の薬学的に許容される担体、賦形剤又は希釈剤と共に、治療有効量の本発明の化合物、任意のその異性体若しくはその異性体の任意の混合物、又は薬学的に許容されるその塩を含む医薬組成物を提供する。
【0009】
さらなる態様においては、本発明は、ヒトを含めた哺乳類の疾患、障害又は状態の治療、予防又は緩和用の医薬組成物の製造のための、本発明の化合物、任意のその異性体若しくはその異性体の任意の混合物、又は薬学的に許容されるその塩の使用を提供し、この疾患、障害又は状態は、中枢神経系中のモノアミン神経伝達物質の再取り込みの阻害に応答する。
【0010】
よりさらなる態様においては、本発明は、ヒトを含めた生きている動物体の疾患、障害又は状態の治療、予防又は緩和方法に関し、この疾患、障害又は状態は、中枢神経系中のモノアミン神経伝達物質の再取り込みの阻害に応答し、この方法は、それを必要とするこのような生きている動物体に、治療有効量の本発明の化合物、任意のその異性体若しくはその異性体の任意の混合物、又は薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含む。
【0011】
本発明の他の目的は、以下の詳細な説明及び実施例から、当分野の技術者には明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
3,9−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体
その第1の態様においては、本発明は、式Iの化合物、
【化2】


任意のその異性体若しくはその異性体の任意の混合物、
又は薬学的に許容されるその塩を提供する
[式中、
は、水素又はアルキルを表し、
このアルキルは、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、アルコキシ、シクロアルコキシ、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルケニル及びアルキニルからなる群から独立に選択される1つ又は複数の置換基で場合によっては置換されており、
は、単環式又は二環式アリール基を表し、
このアリール基は、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルコキシ、アルコキシアルキル、シクロアルコキシアルキル、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルケニル、アルキニル、スルファニル、チオアルコキシ、−NR’R”、−(C=O)NR’R”又は−NR’(C=O)R”からなる群から独立に選択される1つ又は複数の置換基で場合によっては置換されており、
ここで、互いに独立なR’及びR”は水素又はアルキルであるが、
但し、該化合物は、9−メチル−3−フェニル−3,9−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン、3−(3−クロロ−4−メチルフェニル)−9−メチル−3,9−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン、又は9−メチル−3−(2,4,6−トリニトロフェニル)−3,9−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナンではない]。
【0013】
一実施形態においては、Rは水素又はアルキルを表す。特別な実施形態においては、Rは水素を表す。さらなる実施形態においては、Rはメチルなどのアルキルを表す。
【0014】
さらなる実施形態においては、Rは、単環式アリール基を表し、このアリール基は、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルコキシ、アルコキシアルキル、シクロアルコキシアルキル、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルケニル、アルキニル、−NR’R”、−(C=O)NR’R”又は−NR’(C=O)R”からなる群から独立に選択される1つ又は複数の置換基で場合によっては置換されており、ここで、互いに独立なR’及びR”は水素又はアルキルである。
【0015】
よりさらなる実施形態においては、Rはフェニル基を表し、このフェニル基は、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、アルコキシ及びメチレンジオキシからなる群から独立に選択される1つ又は複数の置換基で場合によっては置換されている。
【0016】
よりさらなる実施形態においては、Rはフェニル基を表し、このフェニル基は、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ及びアルコキシからなる群から独立に選択される1つ又は複数の置換基で場合によっては置換されている。
【0017】
さらなる実施形態においては、Rは、フェニル基を表し、このフェニル基は、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ及びアルコキシからなる群から独立に選択される置換基で1回又は2回置換されている。
【0018】
特別な実施形態においては、Rは、3,4−ジクロロフェニル、3−クロロ−4−フルオロフェニル又は4−クロロ−3−フルオロフェニルなどの、ジクロロフェニル又はクロロフルオロフェニルなどのジハロフェニルを表す。さらなる実施形態においては、Rは、4−ブロモフェニル又は4−クロロフェニルなどの、4−ハロフェニル、ブロモフェニル又はクロロフェニルなどのハロフェニルを表す。
【0019】
さらなる実施形態においては、Rは、フェニル基を表し、このフェニル基は、ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルなどのベンゾ[1,3]ジオキソリルなどのメチレンジオキシで置換されている。
【0020】
よりさらなる実施形態においては、Rは、二環式アリール基を表し、このアリール基は、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルコキシ、アルコキシアルキル、シクロアルコキシアルキル、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルケニル、アルキニル、スルファニル、チオアルコキシ、−NR’R”、−(C=O)NR’R”又は−NR’(C=O)R”からなる群から独立に選択される1つ又は複数の置換基で場合によっては置換されており、ここで、互いに独立なR’及びR”は、水素又はアルキルである。
【0021】
さらなる実施形態においては、Rは、ナフチル基を表し、このナフチル基は、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、アルコキシ、アルコキシアルキル及びメチレンジオキシからなる群から独立に選択される1つ又は複数の置換基で場合によっては置換されている。
【0022】
さらなる実施形態においては、Rは、ナフチル基を表し、このナフチル基は、ハロ、トリフルオロメチル、トリフロオロメトキシ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ及びアルコキシからなる群から独立に選択される1つ又は複数の置換基で場合によっては置換されている。
【0023】
よりさらなる実施形態においては、Rは、ナフチル基を表し、このナフチル基は、ハロ、トリフルオロメチル、トリフロオロメトキシ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、アルコキシ及びアルコキシアルキルからなる群から選択される1つ又は複数の置換基で1回置換されている。
【0024】
よりさらなる実施形態においては、Rは、ナフチル基を表し、このナフチル基は、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ及びアルコキシからなる群から選択される置換基で1回置換されている。
【0025】
特別な実施形態においては、Rは、6−メトキシナフタレン−2−イル、7−メトキシナフタレン−2−イル、6−エトキシナフタレン−2−イル又は6−イソプロポキシナフタレン−2−イルなどの、メトキシナフチル、エトキシナフチル又はイソプロポキシナフチルなどのアルコキシナフチルを表す。さらなる実施形態においては、Rは、6−メトキシメチルナフタレン−2−イルなどの、メトキシメチルナフチルなどの、アルコキシメチルナフチルなどの、アルコキシアルキルナフチルを表す。よりさらなる実施形態においては、Rは、6−ヒドロキシナフタレン−2−イル又は7−ヒドロキシナフタレン−2−イルなどのヒドロキシナフチルを表す。さらなる実施形態においては、Rは、6,7−ジヒドロキシナフタレン−2−イルなどのジヒドロキシナフチルを表す。
【0026】
さらなる実施形態においては、Rは、ナフチル基を表し、このナフチル基は、ナフト[2,3−d][1,3]ジオキソール−6−イルなどの、ナフト[2,3−d][1,3]ジオキソリルなどの、メチレンジオキシで置換されている。
【0027】
特別な実施形態においては、本発明の化合物は、
3−(3,4−ジクロロ−フェニル)−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−(4−ブロモ−フェニル)−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−(4−クロロ−フェニル)−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−(4−クロロ−3−フルオロ−フェニル)−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−(4−ブロモ−フェニル)−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−(4−クロロ−フェニル)−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−(4−クロロ−3−フルオロ−フェニル)−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−(6−メトキシ−ナフタレン−2−イル)−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−(6−メトキシメチル−ナフタレン−2−イル)−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
6−(9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナ−3−イル)−ナフタレン−2−オール;
3−(6−イソプロポキシ−ナフタレン−2−イル)−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
6−(9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナ−3−イル)−ナフタレン−2,3−ジオール;
9−メチル−3−ナフト[2,3−d][1,3]ジオキソール−6−イル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−(6−エトキシ−ナフタレン−2−イル)−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−(7−メトキシ−ナフタレン−2−イル)−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
7−(9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナ−3−イル)−ナフタレン−2−オール;
又は薬学的に許容されるその塩である。
【0028】
上記に記載された実施形態の2つ以上の任意の組合せは、本発明の範囲内であると考えられる。
【0029】
置換基の定義
本発明の文脈においては、ハロはフルオロ、クロロ、ブロモ又はヨードを表す。
【0030】
本発明の文脈においては、アルキル基は、一価の飽和、直鎖又は分枝炭化水素鎖を表す。炭化水素鎖は、好ましくは、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、第三ペンチル、ヘキシル及びイソヘキシルを含めて1から6個の炭素原子(C1〜6−アルキル)を含む。1つの好ましい実施形態においては、アルキルは、ブチル、イソブチル、二級ブチル、及び三級ブチルを含めてC1〜4−アルキル基を表す。本発明の別の好ましい実施形態においては、アルキルは、特にメチル、エチル、プロピル又はイソプロピルであってよいC1〜3アルキル基を表す。
【0031】
本発明の文脈においては、アルケニル基は、ジエン、トリエン及びポリエンを含めた1個又は複数の二重結合を含有する炭素鎖を表す。1つの好ましい実施形態においては、本発明のアルケニル基は、少なくとも1個の二重結合を含む2から6個の炭素原子(C2〜6−アルケニル)を含む。1つの最も好ましい実施形態においては、本発明のアルケニル基は、エテニル;1−若しくは2−プロペニル;1−、2−若しくは3−ブテニル、又は1,3−ブタジエニル;1−、2−、3−、4−若しくは5−ヘキセニル、又は1,3−ヘキサジエニル、又は1,3,5−ヘキサトリエニルである。
【0032】
本発明の文脈においては、アルキニル基は、ジイン、トリイン及びポリインを含めた1個又は複数の三重結合を含有する炭素鎖を表す。1つの好ましい実施形態においては、本発明のアルキニル基は、少なくとも1個の三重結合を含む2から6個の炭素原子(C2〜6−アルキニル)を含む。その最も好ましい実施形態においては、本発明のアルキニル基は、エチニル;1−、若しくは2−プロピニル;1−、2−、若しくは3−ブチニル、又は1,3−ブタジニル;1−、2−、3−、4−ペンチニル、又は1,3−ペンタジニル;1−、2−、3−、4−、若しくは5−ヘキシニル、又は1,3−ヘキサジニル又は1,3,5−ヘキサトリニルである。
【0033】
本発明の文脈においては、シクロアルキル基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチルを含めた、好ましくは3から7個の炭素原子を含有する環状アルキル基(C3〜7−シクロアルキル)を表す。
【0034】
アルコキシはO−アルキルであり、ここで、アルキルは上記に定義された通りである。
【0035】
シクロアルコキシはO−シクロアルキルを意味し、ここで、シクロアルキルは上記に定義された通りである。
【0036】
シクロアルキルアルキルは上記のシクロアルキル及び上記のアルキルを意味し、例えば、シクロプロピルメチルを意味する。
【0037】
チオアルコキシは−S−アルキルであり、ここで、アルキルは上記に定義されたとおりである。
【0038】
本発明の文脈においては、単環式アリール基は、フェニルなどの単環式炭素環式芳香族環系を表す。
【0039】
本発明の文脈においては、二環式アリール基は、ナフチルなどの二環式炭素環式芳香族環系を表す。
【0040】
薬学的に許容される塩
本発明の化合物は、所望の投与に適した任意の形態で提供することができる。適切な形態には、本発明の化合物の薬学的に(即ち生理学的に)許容される塩、及びプリドラッグ(predrug)又はプロドラッグ形態が含まれる。
【0041】
薬学的に許容される付加塩の例には、無制限に、塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、アコニット酸塩、アスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、桂皮酸塩、クエン酸塩、エンボン酸塩、エナント酸塩、フマル酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸塩、フタル酸塩、サリチル酸塩、ソルビン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、トルエン−p−スルホン酸塩、及び同様のものなどの無毒性の無機酸付加塩及び有機酸付加塩が含まれる。このような塩は、当技術分野で周知の記載された手順によって形成することができる。
【0042】
薬学的に許容されないと考えられるシュウ酸などの他の酸は、本発明の化合物及びその薬学的に許容される酸付加塩を得る際に中間体として有用な塩の調製において有用であり得る。
【0043】
本発明の化合物の薬学的に許容されるカチオン塩の例には、無制限に、アニオン基を含有する本発明の化合物の、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、アルミニウム、リチウム、コリン、リシニウム、及びアンモニウム塩などが含まれる。このようなカチオン塩は、当技術分野で周知の記載された手順によって形成することができる。
【0044】
本発明の文脈においては、N含有化合物の「オニウム塩」も、薬学的に許容される塩と考えられる。好ましい「オニウム塩」には、アルキル−オニウム塩、シクロアルキル−オニウム塩、及びシクロアルキルアルキル−オニウム塩が含まれる。
【0045】
本発明の化合物のプリドラッグ形態又はプロドラッグ形態の例には、親化合物の1つ又は複数の反応基又は誘導体化可能な基において修飾された化合物を含む本発明による物質の適切なプロドラッグの例が含まれる。特に興味深いのはカルボキシル基、ヒドロキシル基、又はアミノ基において修飾された化合物である。適切な誘導体の例はエステル又はアミドである。
【0046】
本発明の化合物は、水、エタノール、及び同様のものなどの薬学的に許容される溶媒と共に、溶解性形態又は不溶性形態で提供することができる。溶解性形態は、一水和物、二水和物、半水和物、三水和物、四水和物、及び同様のものなどの水和形態も含むことができる。一般的に、溶解性形態は、本発明の目的のために不溶性形態と等価であると考えられる。
【0047】
異性体
本発明の化合物は、鏡像異性体、ジアステレオマー、及びシス−トランス異性体を含めた様々な立体異性体で存在しうることは当分野の技術者に理解されよう。
【0048】
本発明は、すべてのこのような異性体及びラセミ混合物を含めたそれらの任意の混合物を含む。
【0049】
ラセミ体は、既知の方法及び技術によって光学対掌体に分割することができる。異性体塩を分割する1つの方法は、光学活性酸の使用、及び塩基での処理による光学活性アミン化合物の遊離によるものである。ラセミ体を光学対掌体に分割するための別の方法は、光学活性マトリックス上のクロマトグラフィーに基づく。本発明のラセミ化合物は、したがって、例えば、d−又はl−(酒石酸塩、マンデル酸塩、若しくはカンファースルホン酸塩)塩の分別晶出によってそれらの光学対掌体に分割することができる。
【0050】
本発明の化合物は、本発明の化合物と(+)若しくは(−)フェニルアラニン、(+)若しくは(−)フェニルグリシン、(+)若しくは(−)カンファン酸などの光学活性な活性カルボン酸との反応によるジアステレオマーアミドの形成によって、又は本発明の化合物と光学活性クロロホルメートなどとの反応によるジアステレオマーカルバメートの形成によっても分割することができる。
【0051】
光学異性体を分割するためのさらなる方法は当分野で周知である。このような方法には、Jaques J、Collet A、及びWilen Sによって「鏡像異性体、ラセミ体、及び分割(Enantiomers,Racemates,and Resolutions)」、John Wiley and Sons、New York(1981)に記載されたものが含まれる。
【0052】
光学活性化合物は、光学活性な出発原料から調製することもできる。
【0053】
標識化合物
本発明の化合物は、それらの標識形態又は非標識形態で使用することができる。本発明の文脈においては、標識化合物は、自然に通常見出される原子質量又は質量数と異なる原子質量又は質量数を有する原子により置換された1個又は複数の原子を有する。標識化は前記化合物の容易な定量的検出を可能にする。
【0054】
本発明の標識化合物は、種々の診断方法における診断用手段、放射性トレーサー、又はモニタリング剤(monitoring agent)として、及びインビボ受容体イメージング用に有用でありうる。
【0055】
本発明の標識異性体は、好ましくは少なくとも1つの放射性核種を標識として含有する。陽電子放出核種はすべて使用のための候補である。本発明に関して、放射性核種は、好ましくはH(重水素)、H(三重水素)、13C、14C、131I、125I、123I、及び18Fから選択される。
【0056】
本発明の標識異性体を検出するための物理的方法は、陽電子放出型断層撮影(PET)、単光子放出コンピュータ断層撮影(SPECT)、核磁気共鳴分光法(MRS)、核磁気共鳴映像法(MRI)、及びX線コンピューター体軸断層撮影(CAT)、又はそれらの組合せから選択することができる。
【0057】
調製方法
本発明の化合物は、化学合成の通常の方法、例えば実施例に記載された方法により調製することができる。本出願に記載された方法のための出発原料は周知であるか、市販の化学物質から通常の方法によって容易に調製することができる。
【0058】
本発明の1種の化合物は、通常の方法を使用して本発明の別の化合物に変換することもできる。
【0059】
本明細書に記載された反応の最終生成物は、通常の技術、例えば抽出、結晶化、蒸留、クロマトグラフィーなどによって単離することができる。
【0060】
生物活性
本発明の化合物は、例えばWO97/30997に記載されたように、シナプトソーム中においてモノアミンであるドーパミン、ノルアドレナリン及びセロトニンの再取り込みを阻害するその能力について試験することができる。これらの試験において観察されたバランスのとれた活性に基づき、本発明の化合物は、ヒトを含めた哺乳類の疾患、障害又は状態の治療、予防又は緩和に有用であると考えられ、この疾患、障害又は状態は、中枢神経系におけるモノアミン神経伝達物質の再取り込みの阻害に応答する。
【0061】
特別な実施形態においては、本発明の化合物は、気分障害、うつ病、非定型うつ病、疼痛に伴ううつ病、大うつ病性障害、気分変調性障害、双極性障害、双極I型障害、双極II型障害、気分循環性障害、一般的な病状による気分障害、物質誘発性気分障害、偽認知症、ガンザー症候群、強迫障害、パニック障害、広場恐怖症を伴わないパニック障害、広場恐怖症を伴うパニック障害、パニック障害の病歴のない広場恐怖症、パニック発作、記憶障害、記憶喪失、注意欠陥過活動性障害、肥満、不安神経症、全般性不安障害、摂食障害、パーキンソン病、パーキンソニズム、認知症、加齢による認知症、老年認知症、アルツハイマー病、後天性免疫不全症候群による認知症、加齢による記憶障害、特定の恐怖症、社会恐怖、社会不安障害、心的外傷後ストレス傷害、急性ストレス障害、薬物嗜癖、薬物乱用、コカイン乱用、ニコチン乱用、タバコ乱用、アルコール依存症、アルコール中毒、窃盗癖、疼痛、慢性疼痛、炎症性疼痛、神経因性疼痛、片頭痛の痛み、緊張性頭痛、慢性緊張性頭痛、うつ病に関係する痛み、線維筋痛、関節炎、変形性関節症、関節リウマチ、背痛、癌の痛み、過敏性腸疼痛、過敏性腸症候群、術後疼痛、乳房切除後疼痛症候群(PMPS)、脳卒中後の痛み、薬物誘発性の神経障害、糖尿病性神経障害、交感神経依存性疼痛、三叉神経痛、歯痛、顔面筋疼痛、幻想肢痛、過食症、月経前症候群、月経前不快気分障害、黄体期後期症候群、外傷後症候群、慢性疲労症候群、尿失禁、緊張性尿失禁、急迫性尿失禁、夜尿、性的不全、早漏、勃起困難、勃起不全、女性早発オルガスムス、下肢静止不能症候群、周期性四肢運動障害、摂食障害、神経性食欲不振症、睡眠障害、広汎性発達障害、自閉症、アスペルガー症候群、レット症候群、小児期崩壊性障害、学習不能症、運動能力障害、無言症、抜毛癖、ナルコレプシー、脳卒中後うつ病、脳卒中による脳損傷、脳卒中による神経細胞損傷、ジルドラツレット病、耳鳴り、チック障害、身体醜形障害、反抗的行為障害又は脳卒中後の能力障害の治療、予防又は緩和に有用であると考えられる。好ましい実施形態においては、上記化合物は、うつ病の治療、予防又は緩和に有用であると考えられる。
【0062】
活性薬剤成分(API)の適切な用量は、厳密な投与様式、それが投与される形態、考えられる徴候、対象と特に関与する対象の体重、さらに担当の医師又は獣医の好みと経験に応じて、1日あたり約0.1から約1000mgのAPIの範囲、1日あたり約10から約500mgのAPIのより好ましい範囲、1日あたり約30から約100mgのAPIの最も好ましい範囲に含まれることが現在考えられている。
【0063】
本発明の好ましい化合物は、マイクロモル以下及びマイクロモル範囲、即ち1未満から約100μMにおいて生物活性を示す。
【0064】
医薬組成物
別の態様においては、本発明は、本発明の化合物の治療有効量を含む新規の医薬組成物を提供する。
【0065】
治療における使用のための本発明の化合物は、原料のままの化合物の形態で投与することができるが、1種又は複数のアジュバント、賦形剤、担体、緩衝剤、希釈剤、及び/又は他の通例の製薬助剤と共に、場合によっては生理学的に許容される塩の形態の活性成分を医薬組成物中に導入することが好ましい。
【0066】
1つの好ましい実施形態においては、本発明は、当技術分野で周知であり使用される、1種又は複数の薬学的に許容される担体、及び場合によっては、他の治療及び/又は予防成分と一緒に、本発明の化合物、又は薬学的に許容されるその塩若しくは誘導体を含む医薬組成物を提供する。この担体は、この製剤の他の成分と適合性があり、それらのレシピエントに有害でないという意味において「許容される」必要がある。
【0067】
本発明の医薬組成物は、経口投与、直腸投与、気管支内投与、経鼻投与、肺投与、局所投与(口腔投与と舌下投与を含む)、経皮投与、膣投与又は非経口投与(皮膚適用、皮下投与、筋肉内投与、腹腔内投与、静脈内投与、動脈内投与、脳内投与、眼内注射又は眼内注入を含む)に適したもの、或いは粉末及び液体エアゾール投与を含めた、吸入若しくは吹送、又は持続放出系による投与に適した形態のものであってよい。持続放出系の適切な例には、本発明の化合物を含有する固体疎水性ポリマーの半透性マトリックスが含まれ、このマトリックスは成形物品の形態、例えばフィルム又はマイクロカプセルであってよい。
【0068】
本発明の化合物は、通常のアジュバント、担体、又は希釈剤と共に、したがって、医薬組成物及びその単位剤形にすることができる。このような形態には、固体、特には錠剤、充てんカプセル、粉末形態とペレット形態、及び液体、特には水溶液と非水溶液、懸濁液、乳濁液、エリキシル剤、及びそれを充てんしたカプセル、経口使用のためのものすべて、直腸投与用坐剤、及び非経口使用のための滅菌注射液が含まれる。このような医薬組成物及びその単位剤形は、さらなる活性化合物若しくは活性成分と一緒に、又はさらなる活性化合物若しくは活性成分無しに、通常の割合で通常の成分を含むことができ、このような単位剤形は、用いる所望の日用量範囲に応じた任意の適切な有効量の活性成分を含有することができる。
【0069】
本発明の化合物は、多種多様の経口剤形及び非経口剤形で投与することができる。以下の剤形は、活性成分として本発明の化合物又は本発明の化合物の薬学的に許容される塩のいずれかを含むことができることは当分野の技術者に明らかであろう。
【0070】
本発明の化合物から医薬組成物を調製するためには、薬学的に許容される担体は固体又は液体のいずれかであってよい。固形製剤には、粉末、錠剤、丸剤、カプセル、カシェ剤、坐剤、分散性顆粒が含まれる。固体担体は、希釈剤、着香剤、可溶化剤、潤滑剤、懸濁化剤、結合剤、保存料、錠剤崩壊剤、又は封入材としても作用しうる1種又は複数の物質であってよい。
【0071】
粉末においては、担体は微粉化した活性成分との混合物中にある微粉化した固体である。
【0072】
錠剤においては、活性成分は、適切な割合で必要な結合能力を有する担体と混合され、所望の形状とサイズに成形される。
【0073】
粉末及び錠剤は、好ましくは、5%又は10%から約70%の活性成分を含有する。適切な担体は、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、砂糖、乳糖、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点ワックス、カカオ脂、及び同様のものである。「製剤」という用語は、活性化合物と、カプセルを提供する担体としての封入材料との配合物を含むものとし、このカプセルでは、担体を含むか又は含まない活性成分が担体によって取り囲まれており、したがってこれらは提携している。同様に、カシェ剤及びロゼンジは含まれる。錠剤、粉末、カプセル、丸剤、カシェ剤、及びロゼンジは経口投与に適した固体形態として使用することができる。
【0074】
坐剤を調製するためには、脂肪酸グリセリドの混合物又はカカオ脂などの低融点ワックスを最初に溶融し、活性成分をその中に攪拌しながら均一に分散させる。次いで、この溶融均一混合物を好都合なサイズの型に注ぎ入れ、冷却しそれにより固化させる。
【0075】
膣投与に適する組成物は、活性成分に加えて適切であることが当技術分野で周知である担体を含有する膣坐剤、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、泡沫又は噴霧として提供することができる。
【0076】
液体製剤には、溶液、懸濁液、及び乳濁液、例えば、水又は水−プロピレングリコール溶液が含まれる。例えば、非経口注射液製剤は、ポリエチレングリコール水溶液中の溶液として配合することができる。
【0077】
本発明による化合物は、したがって、非経口投与(例えば注入、例えばボーラス注入法若しくは持続注入による)用に配合することができ、アンプル、予め充てんされた注射器、少量注入の単位剤形で、又は添加保存料を含む反復投与容器で提供することができる。組成物は、油性ビヒクル又は水性ビヒクル中の懸濁液、溶液、又は乳濁液としての形態をとることができ、懸濁化剤、安定剤及び/又は分散剤などの製剤化剤を含むことができる。別法として、活性成分は、使用前に、適切なビヒクル、例えば無菌の、発熱物質を含まない水で構成されるための、無菌固体の無菌単離又は溶液からの凍結乾燥により得られる粉末形態であってよい。
【0078】
経口使用に適した水溶液は、活性成分を水中に溶解し、所望による適切な着色剤、着香剤、安定剤及び増粘剤を添加することによって調製することができる。
【0079】
経口使用に適した水性懸濁液は、天然ゴム若しくは合成ゴム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、又は他の周知の懸濁化剤などの粘性材料と共に、微粉化した活性成分を水中に分散させることによって作製することができる。
【0080】
使用直前に経口投与用の液体形態製剤への変換を意図した固体形態製剤もまた同様に含まれる。このような液体形態には、溶液、懸濁液、及び乳濁液が含まれる。活性成分に加えて、このような製剤は、着色剤、着香剤、安定剤、緩衝剤、人工甘味料及び天然甘味料、分散剤、増粘剤、可溶化剤、及び同様のものを含むことができる。
【0081】
表皮への局所投与用には、本発明の化合物は、軟膏、クリーム若しくはローション、又は経皮貼布として製剤化することができる。軟膏及びクリームは、例えば、適切な増粘剤及び/又はゲル化剤を添加して、水性又は油性ベースを用いて製剤化することができる。ローションは、水性又は油性ベースを用いて製剤化することができ、一般的に1種又は複数の乳化剤、安定剤、分散剤、懸濁化剤、増粘剤、又は着色剤も含む。
【0082】
口内の局所投与に適した組成物には、味付けされたベース(通常はショ糖とアラビアゴム若しくはトラガカント)中に活性成分を含むロゼンジ;ゼラチン及びグリセリン又はショ糖及びアラビアゴムなどの不活性なベース中に活性成分を含むパステル剤;並びに適切な液体担体中に活性成分を含む洗口剤が含まれる。
【0083】
溶液又は懸濁液は、通常の手段、例えば、スポイト、ピペット又は噴霧により鼻腔に直接適用される。組成物は単回投与形態又は多回投与形態で提供することができる。
【0084】
気道への投与も、クロロフルオロカーボン(CFC)、例えばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、若しくはジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素、又は他の適切なガスなどの適切な噴射剤を含む加圧容器で、活性成分が提供されるエアゾール製剤を利用して達成することができる。エアゾールは、好都合に、レシチンなどの界面活性剤を含むこともできる。薬物の用量は、計量バルブの提供により制御することができる。
【0085】
別法として、活性成分は、乾燥粉末の形態、例えば乳糖、デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのデンプン誘導体及びポリビニルピロリドン(PVP)などの適切な粉末ベース中の化合物の粉末混合物で提供することができる。都合よくは、粉末担体は鼻腔内でゲルを形成する。粉末組成物は、単位用量形態、例えば、ゼラチンのカプセル又はカートリッジ、又はブリスターパック(これから吸入器を利用して粉末を投与できる)で提供することができる。
【0086】
経鼻投与用組成物を含めた気道への投与を目的とした組成物においては、組成物は、一般的に、例えば5ミクロン以下のオーダーの小さな粒径を有する。このような粒径は、当技術分野で周知の手段、例えば微粉化によって得ることができる。
【0087】
必要に応じて、活性成分の持続放出をもたらすように適合された組成物を用いることができる。
【0088】
医薬製剤は、好ましくは単位剤形である。このような形態においては、製剤は適切な量の活性成分を含有する単位用量に再分割される。単位剤形は、包装製剤とすることができ、この包装は、別々の量の製剤、例えば、包装された錠剤、カプセル、及びバイアル又はアンプル中の粉末を含む。同様に、単位剤形は、カプセル、錠剤、カシェ剤、又はロゼンジ自体であってよく、或いは適切な数の包装形態のこれらのいずれかであってよい。
【0089】
経口投与用の錠剤又はカプセル、及び静脈内投与と持続注入用の液体は、好ましい組成物である。
【0090】
製剤及び投与のための技術のさらなる詳細は、Remington’s Pharmaceutical Sciences(Maack Publishing Co.、Easton、PA)の最新版に見出すことができる。
【0091】
治療有効用量は、症状又は状態を改善する活性成分の量に相当する。治療効果及び毒性効果、例えばED50及びLD50は、細胞培養又は実験動物における標準の薬理学的手法によって求めることができる。治療効果と毒性効果との間の用量比は、治療指数であり、比LD50/ED50で表すことができる。大きな治療指数を示す医薬組成物が好ましい。
【0092】
投与される用量は、当然ながら、治療すべき個体の年齢、体重及び状態、並びに投与経路、剤形とレジメン、及び所望の結果に対して慎重に調節される必要があり、厳密な用量は当然ながら開業医によって決定されるべきである。
【0093】
実際の用量は、治療すべき疾患の性質と重篤性によって決まり、医師の裁量の範囲に含まれ、本発明の特定の状況に所望の治療効果を生ずるための用量の設定によって変えることができる。しかしながら、個別の用量あたり約0.1から約500mgの活性成分、好ましくは約1から約100mgの活性成分、最も好ましくは約1から約10mgの活性成分を含む医薬組成物は、治療上の措置に適することが現在考えられる。
【0094】
活性成分は、1日あたり1回又は数回の用量で投与することができる。満足のいく結果は、特定の場合において、0.1μg/kgi.v.及び1μg/kg p.o.の低い用量で得ることができる。用量範囲の上限は、約10mg/kg i.v.及び100mg/kg p.o.であると現在考えられる。好ましい範囲は、約0.1μg/kgから約10mg/kg/日 i.v.及び約1μg/kgから約100mg/kg/日 p.o.である。
【0095】
治療方法
別の態様においては、本発明は、ヒトを含めた生きている動物体の疾患、障害又は状態の治療、予防又は緩和方法を提供し、この疾患、障害又は状態は、中枢神経系中のモノアミン神経伝達物質の再取り込みの阻害に応答し、この方法は、それを必要とするヒトを含めたこのような生きている動物体に、有効量の本発明の化合物を投与することを含む。
【0096】
適切な用量範囲は、厳密な投与様式、それが投与される形態、それに対して投与が指示される適用症、関係する対象と関係する対象の体重、さらに担当の医師又は獣医の好みと経験に応じて、1日あたり0.1から1000mg、1日あたり10〜500mg、特に1日あたり30〜100mgであることが現在考えられる。
【実施例】
【0097】
本発明は、以下の実施例を参照してさらに例証されるが、これらは特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を何ら制限することを意図しない。
【0098】
概要:空気に対して敏感な試薬又は中間体を関与させるすべての反応は、窒素下及び無水溶媒中でおこなった。ワークアップ手順における乾燥剤として硫酸マグネシウムを使用し、溶媒を減圧下で蒸発させた。
【0099】
方法A
3−(3,4−ジクロロフェニル)−9−メチル−3,9−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナンフマル酸塩
9−メチル−3,9−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン(0.50g、3.56mmol)、1−ブロモ−3,4−ジクロロベンゼン(1.61g、7.13mmol)、カリウムtert−ブトキシド(0.80g、7.13mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピル−1,1’−ビフェニル(0.050g、0.105mmol)及びパラジウム(II)アセテート(0.025g、0.111mmol)並びにジオキサン(10ml)の混合物を110℃で20分間攪拌した。水(30ml)を添加し、次いで酢酸エチル(3×10ml)で抽出した。この有機相を乾燥し蒸発した。この粗生成物を、ジクロロメタン、メタノール及びアンモニア水の溶媒混合物(18−1−1%)を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。この純粋な生成物を単離した。収量211mg(20%)。このフマル酸塩を、1.1当量のフマル酸及びエタノールとジエチルエーテルの混合物(2:5)から沈殿させた。Mp187〜189℃。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、285.092Da.Calc.285.092529Da,dev.−1.9ppmを示す。
【0100】
3−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル−9−メチル−3,9−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン
5−ブロモベンゾ[1,3]ジオキソールから方法Aによって調製する。
【0101】
3−(4−ブロモフェニル)−9−メチル−3,9−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン
1,4−ジブロモベンゼンから方法Aによって調製する。
【0102】
3−(4−クロロフェニル)−9−メチル−3,9−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン
1−ブロモ−4−クロロベンゼンから方法Aによって調製する。
【0103】
3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−9−メチル−3,9−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン
4−ブロモ−1−クロロ−2−フルオロベンゼンから方法Aによって調製する。
【0104】
3−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−9−メチル−3,9−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン
4−ブロモ−2−クロロ−1−フルオロベンゼンから方法Aによって調製する。
【0105】
方法B
3−(3,4−ジクロロフェニル)−3,9−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン塩酸塩
3−(3,4−ジクロロフェニル)−9−メチル−3,9−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン(0.50g、1.75mmol)、2,2,2−トリクロロエチルクロロホルメート(1.11g、5.26mmol)及びトルエン(30ml)の混合物を還流させながら15時間攪拌した。水(30ml)を添加し、相を分離した。この有機相を蒸発した。酢酸(10ml)及び水(10ml)及び亜鉛粉(0.57g、8.8mmol)を添加した。この混合物を15時間攪拌した。水酸化ナトリウム水溶液(20ml、1M)を添加し、次いでジクロロメタン(3×10ml)で抽出した。この粗生成物を、ジクロロメタン、メタノール及びアンモニア水の溶媒混合物(9:1:1%)を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。収量150mg(32%)。ジエチルエーテルに溶解した塩化水素の混合物(1ml、2M)の添加によって対応する塩を得た。Mp295.4℃。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、271.0769Da.Calc.271.076879Da,dev.0.1ppmを示す。
【0106】
3−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル−3,9−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン
3−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル−9−メチル−3,9−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナンから方法Bによって調製する。
【0107】
3−(4−ブロモフェニル)−3,9−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン
3−(4−ブロモフェニル)−9−メチル−3,9−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナンから方法Bによって調製する。
【0108】
3−(4−クロロフェニル)−3,9−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン
3−(4−クロロフェニル)−9−メチル−3,9−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナンから方法Bによって調製する。
【0109】
3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−3,9−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン
3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−9−メチル−3,9−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナンから方法Bによって調製する。
【0110】
3−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−3,9−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン
3−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−9−メチル−3,9−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナンから方法Bによって調製する。
【0111】
方法C
3−(6−メトキシナフタレン−2−イル)−9−メチル−3,9−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナンフマル酸塩
9−メチル−3,9−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン(2.0g、14.3mmol)、2−ブロモ−6−メトキシナフタレン(5.07g、21.4mmol)、パラダサイクル(palladacycle)(100mg、0.11mmol)、カリウムtert−ブトキシド(3.2g、28.5mmol)及びジオキサン(30ml)の混合物を還流しながら40時間攪拌した。この混合物を室温に冷却した。水(50ml)を添加し、この混合物を酢酸エチル(3×30ml)で抽出した。この粗生成物を、ジクロロメタン、メタノール及びアンモニア水の溶媒混合物(18:1:1%)を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。このフマル酸塩を、1.1当量のフマル酸及びエタノールとジエチルエーテルの混合物(2:5)から沈殿させた。収量1.4g(33%)。Mp190.0〜198.3℃。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、297.1955Da.Calc.297.196688Da,dev.−4ppmを示す。
【0112】
3−(6−メトキシメチルナフタレン−2−イル)−9−メチル−3,9−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナンフマル酸塩
2−ブロモ−6−メトキシメチルナフタレンから方法Cによって調製した。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、311.2116Da.Calc.311.212338Da,dev.−2.4ppmを示す。
【0113】
6−(9−メチル−3,9−ジアザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル)−ナフタレン−2−オル遊離塩基
6−ブロモナフタレン−2−オルから方法Cによって調製した。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、283.1801Da.Calc.283.181038Da,dev.−3.3ppmを示す。
【0114】
3−(6−イソプロポキシナフタレン−2−イル)−9−メチル−3,9−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン遊離塩基
2−ブロモ−6−イソプロポキシナフタレンから方法Cによって調製した。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、325.2288Da.Calc.325.227988Da,dev.2.5ppmを示す。
【0115】
6−(9−メチル−3,9−ジアザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル)−ナフタレン−2,3−ジオール
6−ブロモナフタレン−2,3−ジオールから方法Cによって調製した。
【0116】
9−メチル−3−ナフト[2,3−d][1,3]ジオキソール−6−イル−3,9−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン
6−ブロモナフト[2,3−d][1,3]ジオキソールから方法Cによって調製した。
【0117】
3−(6−エトキシナフタレン−2−イル)−9−メチル−3,9−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン
2−ブロモ−6−エトキシナフタレンから方法Cによって調製した。
【0118】
3−(7−メトキシナフタレン−2−イル)−9−メチル−3,9−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン
2−ブロモ−7−メトキシナフタレンから方法Cによって調製した。
【0119】
7−(9−メチル−3,9−ジアザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル)−ナフタレン−2−オール
7−ブロモナフタレン−2−オルから方法Cによって調製した。
【0120】
(6−ブロモナフタレン−2−イル)−メタノール(中間体)
メチル−6−ブロモ−2−ナフトエート(25g、94.3mmol)をテトラヒドロフラン(200ml)中のリチウムアルミニウムヒドリド(5.36g、141.4mmol)で還元した。この結晶生成物をエタノール(96%)から再結晶した。収量15.84g(70.8%)。
【0121】
2−ブロモ−6−メトキシメチルナフタレン(中間体)
ヨードメタン(18.96g、133.6mmol)を、(6−ブロモナフタレン−2−イル)−メタノール(15.84g、66.8mmol)、60%水酸化ナトリウム油中分散液(3.84g、100.2mmol)、及びDMF(100ml)の氷冷した混合物に一滴ずつ添加した。水を添加し、この生成物をろ過した。収量16.7g(99%)。
【0122】
試験実施例
インビトロ阻害活性
いくつかの化合物を、WO97/16451に記載されたように、シナプトソーム中におけるモノアミン神経伝達物質ドーパミン(DA)、ノルアドレナリン(NA)及びセロトニン(5−HT)の再取り込みを阻害するその能力について試験した。
【0123】
試験値はIC50H−DA、H−NA、又はH−5−HTの特定の結合を50%だけ阻害する試験物質の濃度(μM))として与えられる。
【0124】
選択した本発明の化合物を試験することによって得られた試験結果を下表に示す。
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物、
【化1】


任意のその異性体若しくはその異性体の任意の混合物、
又は薬学的に許容されるその塩
[式中、
は、水素又はアルキルを表し、
このアルキルは、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、アルコキシ、シクロアルコキシ、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルケニル及びアルキニルからなる群から独立に選択される1つ又は複数の置換基で場合によっては置換されており、
は、単環式又は二環式アリール基を表し、
このアリール基は、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルコキシ、アルコキシアルキル、シクロアルコキシアルキル、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルケニル、アルキニル、スルファニル、チオアルコキシ、−NR’R”、−(C=O)NR’R”又は−NR’(C=O)R”からなる群から独立に選択される1つ又は複数の置換基で場合によっては置換されており、
ここで、互いに独立なR’及びR”は水素又はアルキルであるが、
但し、該化合物は、9−メチル−3−フェニル−3,9−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン、3−(3−クロロ−4−メチルフェニル)−9−メチル−3,9−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン、又は9−メチル−3−(2,4,6−トリニトロフェニル)−3,9−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナンではない]。
【請求項2】
が水素又はアルキルを表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
がフェニル基を表し、このフェニル基が、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、アルコキシ及びメチレンジオキシからなる群から独立に選択される1つ又は複数の置換基で場合によっては置換されている、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
がフェニル基を表し、このフェニル基が、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ及びアルコキシからなる群から独立に選択される置換基で1回又は2回置換されている、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項5】
がナフチル基を表し、このナフチル基が、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アルコキシアルキル及びメチレンジオキシからなる群から独立に選択される1つ又は複数の置換基で場合によっては置換されている、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項6】
がナフチル基を表し、このナフチル基が、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、アルコキシ及びアルコキシアルキルからなる群から独立に選択される置換基で1回又は2回置換されている、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項7】
3−(3,4−ジクロロ−フェニル)−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−(4−ブロモ−フェニル)−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−(4−クロロ−フェニル)−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−(4−クロロ−3−フルオロ−フェニル)−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−(4−ブロモ−フェニル)−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−(4−クロロ−フェニル)−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−(4−クロロ−3−フルオロ−フェニル)−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−(6−メトキシ−ナフタレン−2−イル)−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−(6−メトキシメチル−ナフタレン−2−イル)−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
6−(9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナ−3−イル)−ナフタレン−2−オール;
3−(6−イソプロポキシ−ナフタレン−2−イル)−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
6−(9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナ−3−イル)−ナフタレン−2,3−ジオール;
9−メチル−3−ナフト[2,3−d][1,3]ジオキソール−6−イル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−(6−エトキシ−ナフタレン−2−イル)−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−(7−メトキシ−ナフタレン−2−イル)−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
7−(9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナ−3−イル)−ナフタレン−2−オール;
又は薬学的に許容されるその塩である、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
少なくとも1種の薬学的に許容される担体、賦形剤又は希釈剤と共に、治療有効量の請求項1から7までのいずれか一項に記載の化合物、任意のその異性体若しくはその異性体の任意の混合物、又は薬学的に許容されるその塩を含む医薬組成物。
【請求項9】
薬剤の製造のための、請求項1から7までのいずれか一項に記載の化合物、任意のその異性体若しくはその異性体の任意の混合物、又は薬学的に許容されるその塩の使用。
【請求項10】
ヒトを含めた哺乳類の疾患、障害又は状態の治療、予防又は緩和用の医薬組成物の製造のための、該疾患、障害又は状態が中枢神経系中のモノアミン神経伝達物質の再取り込みの阻害に応答する、請求項9に記載の使用。
【請求項11】
前記疾患、障害又は状態が、気分障害、うつ病、非定型うつ病、疼痛に伴ううつ病、大うつ病性障害、気分変調性障害、双極性障害、双極I型障害、双極II型障害、気分循環性障害、一般的な病状による気分障害、物質誘発性気分障害、偽認知症、ガンザー症候群、強迫障害、パニック障害、広場恐怖症を伴わないパニック障害、広場恐怖症を伴うパニック障害、パニック障害の病歴のない広場恐怖症、パニック発作、記憶障害、記憶喪失、注意欠陥過活動性障害、肥満、不安神経症、全般性不安障害、摂食障害、パーキンソン病、パーキンソニズム、認知症、加齢による認知症、老年認知症、アルツハイマー病、後天性免疫不全症候群による認知症、加齢による記憶障害、特定の恐怖症、社会恐怖、社会不安障害、心的外傷後ストレス傷害、急性ストレス障害、薬物嗜癖、薬物乱用、コカイン乱用、ニコチン乱用、タバコ乱用、アルコール依存症、アルコール中毒、窃盗癖、疼痛、慢性疼痛、炎症性疼痛、神経因性疼痛、片頭痛の痛み、緊張性頭痛、慢性緊張性頭痛、うつ病に関係する痛み、線維筋痛、関節炎、変形性関節症、関節リウマチ、背痛、癌の痛み、過敏性腸疼痛、過敏性腸症候群、術後疼痛、乳房切除後疼痛症候群(PMPS)、脳卒中後の痛み、薬物誘発性の神経障害、糖尿病性神経障害、交感神経依存性疼痛、三叉神経痛、歯痛、顔面筋疼痛、幻想肢痛、過食症、月経前症候群、月経前不快気分障害、黄体期後期症候群、外傷後症候群、慢性疲労症候群、尿失禁、緊張性尿失禁、急迫性尿失禁、夜尿、性的不全、早漏、勃起困難、勃起不全、女性早発オルガスムス、下肢静止不能症候群、周期性四肢運動障害、摂食障害、神経性食欲不振症、睡眠障害、広汎性発達障害、自閉症、アスペルガー症候群、レット症候群、小児期崩壊性障害、学習不能症、運動能力障害、無言症、抜毛癖、ナルコレプシー、脳卒中後うつ病、脳卒中による脳損傷、脳卒中による神経細胞損傷、ジルドラツレット病、耳鳴り、チック障害、身体醜形障害、反抗的行為障害及び脳卒中後の能力障害である、請求項10に記載の使用。
【請求項12】
ヒトを含めた生きている動物体の疾患、障害又は状態の治療、予防又は緩和方法であって、該疾患、障害又は状態が、中枢神経系中のモノアミン神経伝達物質の再取り込みの阻害に応答し、それを必要とするこのような生きている動物体に、治療有効量の請求項1から7までのいずれか一項に記載の化合物、任意のその異性体若しくはその異性体の任意の混合物、又は薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含む上記方法。

【公表番号】特表2009−526022(P2009−526022A)
【公表日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−553775(P2008−553775)
【出願日】平成19年2月9日(2007.2.9)
【国際出願番号】PCT/EP2007/051270
【国際公開番号】WO2007/090886
【国際公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【出願人】(505377201)ノイロサーチ アクティーゼルスカブ (135)
【Fターム(参考)】