説明

3D可変型加工システム

【課題】構造が非常に簡便でありながらも、工作物を立体加工することができる3D可変型加工システムを提供する。
【解決手段】本発明の3D可変型加工システムは、地面から離隔して配置される支持フレーム10と、支持フレーム10に回動可能に設けられる円形の回動フレーム20,30と、回動フレーム20,30の円周上でスライド可能に設けられるスライド部材40,50と、スライド部材40,50に垂直に設けられ、回動フレーム20,30に沿って旋回できるように設けられる主軸60とを含んで構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3D可変型加工システムに関する。より詳細には、円形の回動フレームにスライド可能に工作物を加工する主軸が設けられ、主軸が上下左右前後に可変し、構造が非常に簡便でありながらも、工作物を立体加工することができる3D可変型加工システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、工作物を立体加工するために発明されたのがレーザ加工機である。このようなレーザ加工機は、大きい工作物よりは小さい工作物を加工する際に主に使われる。そこで、大きい工作物を立体加工するために、3軸、4軸、5軸等の多軸のマシニング(machining)工作機械が開発された。しかし、このような多軸マシニング工作機械は、規模が大型で、主軸が複数個あることから、構造が非常に複雑であり、これにより、価格が非常に高価であるという問題があった。
【0003】
前記の問題を解決するための試みとして、特許文献1には、スロットに挿入されて位置決めされる縦支持ユニットと、ホールに挿入されて位置決めされる横支持ユニットとを備えた可変マシンツールが開示されている。
【0004】
しかし、このような縦支持ユニット及び横支持ユニットによるツールの位置決め方式では、3次元の複雑な構造物の加工に限界があり、カンチレバー(cantilever)の形状であるため、剛性が低下し、振動にも弱いという欠点があった。また、縦支持ユニット及び横支持ユニットにそれぞれツールを取り付けて多軸加工しなければならないという欠点が依然として残っている。
【0005】
このような問題を解決するために、本発明の出願人は、特許文献2に記載のように、新概念の3D可変型加工システムを提供している(図1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国登録特許第5,943,750号
【特許文献2】大韓民国特許出願第10−2008−0108376号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献2に記載のような3D可変型加工システムであると、図1に示すように、アーチ形状の回動フレーム2、3からなっているため、回動フレーム2、3の円滑な回転のために、ウエイトバランサ(weight balancer)4、5が必要となり、組立時に回動フレーム2、3の形状の変化があり得、回動フレーム2、3の加工がやや煩雑であるという問題があった。
【0008】
したがって、回動フレームの円滑な回転が可能であり、組立時における形状の変化も少なく、加工も便利であるとともに、主軸が上下左右前後に可変する構造を有し、簡便に工作物を立体加工することができる3D可変型加工システムが要求される。
【0009】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであって、回動フレームの円滑な回転が可能であり、組立時における形状の変化も少なく、加工も便利であるとともに、主軸が上下左右前後に可変する構造を有し、簡便に工作物を立体加工することができる3D可変型加工システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る3D可変形加工システムの特徴構成は、支持フレームと、前記支持フレームに回動可能に結合される回動フレームと、前記回動フレームにスライド可能に結合されるスライド部材と、前記スライド部材に結合される主軸と、を備え、前記回動フレームは円形である点にある。
【0011】
本発明に係る3D可変形加工システムにおいて、前記支持フレームは、グラニットベッド(granite bed)からなっていると好適である。
【0012】
本発明に係る3D可変形加工システムにおいて、前記支持フレームは、支持台によって支持されていると好適である。
【0013】
本発明に係る3D可変形加工システムにおいて、前記支持台は、3つであり、同一の間隔で離隔していると好適である。
【0014】
本発明に係る3D可変形加工システムにおいて、前記支持台には、エアクッション(air cushion)が設けられていると好適である。
【0015】
本発明に係る3D可変形加工システムにおいて、前記支持フレームは、ドーナツ(doughnut)形状または正方形状であると好適である。
【0016】
本発明に係る3D可変形加工システムにおいて、前記支持フレームには、少なくとも1つのブラケットが設けられていると好適である。
【0017】
本発明に係る3D可変形加工システムにおいて、前記ブラケットは、2つであり、前記支持フレームの中心を基準として互いに対向していると好適である。
【0018】
本発明に係る3D可変形加工システムにおいて、前記回動フレームは、モータに連結されて回動すると好適である。
【0019】
本発明に係る3D可変形加工システムにおいて、前記回動フレームの円周には、前記回動フレームの中心を基準として互いに対向する少なくとも2つのホール(hole)が形成され、作業台を置く下部ベースが前記2つのホールを介して前記支持フレームに結合されると好適である。
【0020】
本発明に係る3D可変形加工システムにおいて、前記ホールの形状は、アーチ(arch)形状またはバナナ形状であると好適である。
【0021】
本発明に係る3D可変形加工システムにおいて、前記下部ベース上にスライド可能に結合される中間ベースを備え、前記作業台は前記中間ベース上に置かれると好適である。
【0022】
本発明に係る3D可変形加工システムにおいて、前記作業台は、前記中間ベースと交差してスライド可能であると好適である。
【0023】
本発明に係る3D可変形加工システムにおいて、前記主軸は、リニアモータによって動くと好適である。
【0024】
本発明に係る3D可変形加工システムにおいて、前記支持フレームには、チップ排出部が取り付けられ、前記チップ排出部の中央には、穴が形成されると好適である。
【0025】
本発明に係る3D可変形加工システムにおいて、前記スライド部材は、リニアモータであると好適である。
【0026】
本発明に係る3D可変形加工システムにおいて、前記スライド部材は、エアベアリングまたはLMガイドであると好適である。
【0027】
本発明に係る3D可変形加工システムにおいて、前記回動フレームは、断面がIビーム形状であると好適である。
【0028】
本発明に係る3D可変形加工システムにおいて、前記回動フレームの円周に沿って穴が複数形成されると好適である。
【0029】
本発明に係る3D可変形加工システムの別の特徴構成は、支持フレームと、前記支持フレームに回動可能に結合される前後回動フレームと、前記前後回動フレームと交差し、前記支持フレームに回動可能に結合される左右回動フレームと、前記前後回動フレームでスライド可能に結合される左右スライド部材と、前記左右回動フレームでスライド可能に結合される前後スライド部材と、前記前後回動フレームと前記左右回動フレームとが交差する位置において、前記左右スライド部材と前記前後スライド部材とに亘って設けられる主軸と、を備え、前記前後回動フレーム及び前記左右回動フレームは円形である点にある。
【0030】
本発明に係る別の3D可変形加工システムにおいて、前記前後回動フレーム及び前記左右回動フレームを貫通して前記支持フレームに設けられる下部ベースと、前記下部ベース上にスライド可能に設けられる中間ベースと、前記中間ベースと交差するように、前記中間ベースの上部にスライド可能に設けられる作業台と、をさらに備えると好適である。
【0031】
本発明に係る別の3D可変形加工システムにおいて、前記前後回動フレーム及び前記左右回動フレームは、モータに連結されて回動すると好適である。
【0032】
本発明に係る別の3D可変形加工システムにおいて、前記前後回動フレームの円周には、前記前後回動フレームの中心を基準として互いに対向する少なくとも2つのホール(hole)が形成され、前記左右回動フレームの円周には、前記左右回動フレームの中心を基準として互いに対向する少なくとも2つのホールが形成され、前記下部ベースが、前記前後回動フレームの前記2つのホール及び前記左右回動フレームの前記2つのホールを介して、前記支持フレームに結合されてもよい。
【0033】
本発明に係る別の3D可変形加工システムにおいて、前記スライド部材は、リニアモータであると好適である。
【0034】
本発明に係る別の3D可変形加工システムにおいて、前記スライド部材は、エアベアリングまたはLMガイドであると好適である。
【0035】
本発明に係る別の3D可変形加工システムにおいて、前記回動フレームは、断面がIビーム形状であると好適である。
【0036】
本発明に係る別の3D可変形加工システムにおいて、前記回動フレームの円周に沿って穴が複数形成されると好適である。
【0037】
本発明に係る別の3D可変形加工システムにおいて、前記支持フレームは、ドーナツ形状または正方形状であると好適である。
【0038】
〔発明の効果〕
本発明にかかる3D可変型加工システムによれば、構造が簡単で、割安な価格で3D加工が可能な工作機械を実現することができる。また、工作物を加工する主軸が1つで構成されるが、前記主軸は、円形の回動フレームを介して上下左右前後に可変し、工作物を立体加工することができる。さらに、回動フレームの円滑な回転が可能であり、組立時における回動フレームの形状の変化も少なく、回動フレームの加工も便利である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】従来の3D可変型加工システムの斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかる3D可変型加工システムの斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかる3D可変型加工システムの支持フレームと下部ベースとの結合部分を示す分解斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態にかかる3D可変型加工システムの回動フレームとスライド部材及び主軸との結合部分を示す拡大図である。
【図5】本発明の別の実施形態にかかる3D可変型加工システムの斜視図である。
【図6】断面がIビーム形状の回動フレームを採用した、さらに別の実施形態にかかる3D可変型加工システムの斜視図である。
【図7】図6のA−A方向の断面を示す断面図である。
【図8】本発明の実施形態にかかる3D可変型加工システムの作動の様子を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
上述した本発明の特徴及び効果は、添付した図面に関する以下の詳細な説明からより明確になるはずであり、それにより、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明の技術的思想を容易に実施することができる。本発明は、多様な変更を加えることができ、様々な形態を有することができるが、ここでは、特定の実施形態を図面に示して本文に詳細に説明する。しかし、これは、本発明を特定の開示された形態に限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるすべての変更、均等物または代替物を含むものと理解されなければならない。本出願における用語は、単に特定の実施形態を説明するために使われたものであって、本発明を限定しようとする意図ではない。
【0041】
以下、本発明の好ましい実施形態を、添付した図面を参照して詳細に説明する。図2〜図4は、本発明の一実施形態にかかる3D可変型加工システムを示す図である。これらの図を参照すると、本発明の一実施形態にかかる3D可変型加工システムは、工作物を加工する主軸60が1つで構成される。前記主軸60は、円形の前後回動フレーム20と円形の左右回動フレーム30とを介して上下左右前後に可変し、工作物を立体的に加工することができる構造を有する。
【0042】
このような3D可変型加工システムは、支持フレーム10と、支持フレーム10に結合される前後回動フレーム20及び左右回動フレーム30と、前後回動フレーム20の円周に結合される左右スライド部材40と、左右回動フレーム30の円周に結合される前後スライド部材50と、左右スライド部材40と前後スライド部材50とを貫通して設けられる主軸60と、作業部70とを含む。
【0043】
ここで、支持フレーム10は、振動及び熱変形の影響を低減するために、例えば、グラニットベッド(granite bed)からなり得る。
【0044】
また、支持フレーム10は、3つの支持台80によって地面から離隔する。支持台80は、同一の間隔で離隔する。支持台80には、エアクッション(air cushion)81が設けられ、外部の振動を遮断することができる。支持フレーム10は、前後回動フレーム20及び左右回動フレーム30が結合できるように、中空のドーナツ(doughnut)状の構造を有する。なお、支持フレーム10の形状は、例えば、正方形状であり得る。支持台80の数も任意に選択することができる。
【0045】
これとともに、支持フレーム10の中心を基準として互いに対向する位置にブラケット11が配置される。前後回動フレーム20は、円形であり、その円周部分がブラケット11に連結される。左右回動フレーム30も、前後回動フレーム20と同様に、別のブラケット11に連結される。前後回動フレーム20と左右回動フレーム30とは互いに交差するように設けられる。このため、左右回動フレーム30は、前後回動フレーム20より低く設けられる。
【0046】
前後回動フレーム20及び左右回動フレーム30は、モータM1、M2によって回動することができる。なお、前後回動フレーム20と左右回動フレーム30は、モータなしに手動で回動することもできる。
【0047】
前後回動フレーム20と左右回動フレーム30は、中空の円形であるため、円周に質量が均一に分布する。したがって、前後回動フレーム20と左右回動フレーム30とに別のウエイトバランサを備えなくても、円滑な回動が可能である。また、回動フレーム20、30が円形となっているため、ブラケット11との結合時に、アーチ形状の場合に比べて、円周方向の内側または外側への変形が少なくて済むという利点がある。また、回動フレーム20、30が円形であるため、これを加工するうえでもより便利である。
【0048】
前後回動フレーム20の円周には、左右スライド部材40が結合される。左右スライド部材40は、前後回動フレーム20の円周方向への移動が可能である。左右スライド部材40の中心には、主軸60が貫通して結合する。これとともに、左右回動フレーム30の円周には、前後スライド部材50が結合される。前後スライド部材50は、左右回動フレーム30の円周方向への移動が可能である。前後スライド部材50の中心には、主軸60が貫通して結合する。左右スライド部材40と前後スライド部材50は、前後回動フレーム20と左右回動フレーム30とが交差する位置に設けられる。
【0049】
即ち、主軸60は、前後回動フレーム20と左右回動フレーム30とが交差する位置において、左右スライド部材40と前後スライド部材50とを貫通して設けられる。
【0050】
前後回動フレーム20及び左右回動フレーム30の円周方向には、長溝21、31が形成されている。主軸60が長溝21、31を貫通して設けられるため、主軸60は、回動フレーム20、30上で前後左右に移動することができる。長溝21、31の幅は、主軸60が貫通できる程度でなければならない。つまり、長溝21、31の幅は、主軸60の直径より大きくなければならない。
【0051】
スライド部材40、50は、例えば、LMガイドやエアベアリングであり得る。スライド部材40、50は、回動フレーム20、30に取り付けられるレール22、32に沿って移動する。LMガイドやエアベアリングをスライド部材40として用いて、主軸60が左右方向に固定されるようにすることができる。
【0052】
一方、リニアモータをスライド部材40として用いて、主軸60が左右方向に旋回可能にすることもできる。つまり、リニアモータをスライド部材40として用いる場合、スライド部材40、50に駆動源を内蔵することができるため、前記モータM1、M2なしにも主軸60の移動が可能である。
【0053】
また、図3に示すごとく、前後回動フレーム20及び左右回動フレーム30の長溝21、31の端部には、バナナ状のホール23が対で形成されている。下部ベース71がバナナ状のホール23を介してブラケット11に固定される。下部ベース71は略「十」字状であって、支持フレーム10の4箇所に固定される。また、下部ベース71上には、中間ベース72がスライド可能に設けられる。中間ベース72の上部には、作業台73が置かれ、作業台73は、中間ベース72と略垂直に交差してスライド可能である。作業台73に作業対象物が固定される。
【0054】
このように、バナナ状のホール23を介して下部ベース71を固定するため、前後回動フレーム20と左右回動フレーム30との剛性を維持しながら、各回動フレーム20、30が下部ベース71を支持する軸(図示せず)の干渉を受けることなく、前後左右に自由に回動することができる。
【0055】
また、主軸60にリニアモータなどを結合させて、主軸60も上下に移動可能であるため、作業の自由度を向上させることができる。
【0056】
一方、支持フレーム10の下部には、半球状のチップ排出部90が取り付けられる。チップ排出部90は、支持フレーム10の下部を密閉するように取り付けられ、中央に穴が形成される。加工時に発生するチップは、チップ排出部90の中央に集められて排出されるため、チップを容易に回収することができる。
【0057】
次に、本発明の実施形態にかかる3D可変型加工システムの作動について、図面を参照して詳細に説明する。図8は、本発明の実施形態にかかる3D可変型加工システムの作動の様子を示す斜視図である。
【0058】
左右回動フレーム30に連結されたモータM2を駆動させると、左右回動フレーム30は、モータM2のモータ軸(図示せず)を中心に回転する。そして、左右回動フレーム30に結合された前後スライド部材50は、左右回動フレーム30とともに回動し、前後回動フレーム20に結合された左右スライド部材40は、前後回動フレーム20に取り付けられたレール22に沿って移動する。これにより、主軸60を、工作物を加工するための位置に移動させる。この状態で、主軸60を前後に移動させて工作物を加工することができる。
【0059】
このような構造により、本発明の実施形態にかかる3D可変型加工システムは、モータM1、M2を介してそれぞれ個別に回動する円形の前後回動フレーム20と左右回動フレーム30とを用いて、主軸60を上下左右前後に可変させ、工作物を立体加工することができる。
【0060】
上述した本発明の詳細な説明では、本発明の好ましい実施形態を参照して説明したが、当該技術分野における熟練した当業者または当該技術分野における通常の知識を有する者であれば、後述する特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び技術領域から逸脱しない範囲内で本発明の多様な修正及び変更が可能であることを理解することができる。
【0061】
〔別実施形態〕
(1)上述の実施形態においては、回動フレーム20、30が2つであるが、図5のように、回動フレーム20が1つであってもよい。この場合は、モータM1の作動によって回動フレーム20が回動し、スライド部材40は、回動フレーム20とともに回動する。スライド部材40は、リニアモータの作動によってレールに沿って移動して、主軸60を、工作物を加工するための位置に移動させる。その状態で、主軸60を前後に移動させて工作物を加工することができる。
【0062】
(2)図5に示すように、前後回動フレーム20がモータM1によって駆動され、前後回動フレーム20によって主軸60の前後方向の回動を調整することができる。一方、リニアモータをスライド部材40として用いることにより、スライド部材40の左右方向への旋回によって主軸60の左右方向の位置を調整する。
【0063】
(3)図6、7に示すように、前後回動フレーム20及び左右回動フレーム30は、断面がIビーム形状であり得る。図6は、前後回動フレーム20の断面の形状がIビーム形状である3D可変型加工システムを示す。図7は、図6のA−A方向の断面の形状を示す図である。この場合、Iビーム形状の凹部分に水平に貫通する穴25が形成可能である。回動フレーム20、30の断面をIビーム形状にすることにより、剛性を高めることができる。また、回動フレーム20、30に穴25を形成することにより、軽く熱変形によく耐えられるようにすることができる。
【0064】
本実施形態では、前後回動フレーム20の内側に形成された溝27にレール22が結合される。前記のような構成により、前後回動フレーム20の断面をIビーム形状にするとともに、前後回動フレーム20にレール22を安定的に結合させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明は、支持フレームと、前記支持フレームに回動可能に結合される回動フレームと、前記回動フレームにスライド可能に結合されるスライド部材と、前記スライド部材に結合されて、工作物を加工する主軸と、を備え、前記回動フレームは、円形である3D可変型加工システムに適用可能である。
【符号の説明】
【0066】
10:支持フレーム
11:ブラケット
20:前後回動フレーム(回動フレーム)
21、31:長溝
22、32:レール
23、33:ホール
30:左右回動フレーム(回動フレーム)
40:左右スライド部材(スライド部材)
50:前後スライド部材(スライド部材)
60:主軸
71:下部ベース
72:中間ベース
73:作業台
80:支持台
81:エアクッション
90:チップ排出部
M1、M2:モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持フレームと、
前記支持フレームに回動可能に結合される回動フレームと、
前記回動フレームにスライド可能に結合されるスライド部材と、
前記スライド部材に結合される主軸と、を備え、
前記回動フレームは、円形であることを特徴とする3D可変型加工システム。
【請求項2】
前記支持フレームは、グラニットベッド(granite bed)からなることを特徴とする請求項1に記載の3D可変型加工システム。
【請求項3】
前記支持フレームは、支持台によって支持されることを特徴とする請求項1または2に記載の3D可変型加工システム。
【請求項4】
前記支持台は、3つであり、同一の間隔で離隔することを特徴とする請求項3に記載の3D可変型加工システム。
【請求項5】
前記支持台には、エアクッション(air cushion)が設けられることを特徴とする請求項3または4に記載の3D可変型加工システム。
【請求項6】
前記支持フレームは、ドーナツ(doughnut)形状または正方形状であることを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の3D可変型加工システム。
【請求項7】
前記支持フレームには、少なくとも1つのブラケットが設けられることを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載の3D可変型加工システム。
【請求項8】
前記ブラケットは、2つであり、前記支持フレームの中心を基準として互いに対向することを特徴とする請求項7に記載の3D可変型加工システム。
【請求項9】
前記回動フレームは、モータに連結されて回動することを特徴とする請求項1から8の何れか一項に記載の3D可変型加工システム。
【請求項10】
前記回動フレームの円周には、前記回動フレームの中心を基準として互いに対向する少なくとも2つのホール(hole)が形成され、
作業台を置く下部ベースが前記2つのホールを介して前記支持フレームに結合されることを特徴とする請求項1から9の何れか一項に記載の3D可変型加工システム。
【請求項11】
前記ホールの形状は、アーチ(arch)形状またはバナナ形状であることを特徴とする請求項10に記載の3D可変型加工システム。
【請求項12】
前記下部ベース上にスライド可能に結合される中間ベースを備え、
前記作業台は前記中間ベース上に置かれることを特徴とする請求項10または11に記載の3D可変型加工システム。
【請求項13】
前記作業台は、前記中間ベースと交差してスライド可能であることを特徴とする請求項12に記載の3D可変型加工システム。
【請求項14】
前記主軸は、リニアモータによって動くことを特徴とする請求項1から13の何れか一項に記載の3D可変型加工システム。
【請求項15】
前記支持フレームにはチップ排出部が取り付けられ、
前記チップ排出部の中央には、穴が形成されることを特徴とする請求項1に記載の3D可変型加工システム。
【請求項16】
前記スライド部材は、リニアモータであることを特徴とする請求項1から15の何れか一項に記載の3D可変型加工システム。
【請求項17】
前記スライド部材は、エアベアリングまたはLMガイドであることを特徴とする請求項1から15の何れか一項に記載の3D可変型加工システム。
【請求項18】
前記回動フレームは、断面がIビーム形状であることを特徴とする請求項1から17の何れか一項に記載の3D可変型加工システム。
【請求項19】
前記回動フレームの円周に沿って穴が複数形成されることを特徴とする請求項18に記載の3D可変型加工システム。
【請求項20】
支持フレームと、
前記支持フレームに回動可能に結合される前後回動フレームと、
前記前後回動フレームと交差し、前記支持フレームに回動可能に結合される左右回動フレームと、
前記前後回動フレームでスライド可能に結合される左右スライド部材と、
前記左右回動フレームでスライド可能に結合される前後スライド部材と、
前記前後回動フレームと前記左右回動フレームとが交差する位置において、前記左右スライド部材と前記前後スライド部材とに亘って設けられる主軸と、を備え、
前記前後回動フレーム及び前記左右回動フレームは、円形であることを特徴とする3D可変型加工システム。
【請求項21】
前記前後回動フレーム及び前記左右回動フレームを貫通して前記支持フレームに設けられる下部ベースと、
前記下部ベース上にスライド可能に設けられる中間ベースと、
前記中間ベースと交差するように、前記中間ベースの上部にスライド可能に設けられる作業台と、をさらに備えることを特徴とする請求項20に記載の3D可変型加工システム。
【請求項22】
前記前後回動フレーム及び前記左右回動フレームは、モータに連結されて回動することを特徴とする請求項20または21に記載の3D可変型加工システム。
【請求項23】
前記前後回動フレームの円周には、前記前後回動フレームの中心を基準として互いに対向する少なくとも2つのホール(hole)が形成され、
前記左右回動フレームの円周には、前記左右回動フレームの中心を基準として互いに対向する少なくとも2つのホールが形成され、
前記下部ベースが、前記前後回動フレームの前記2つのホール及び前記左右回動フレームの前記2つのホールを介して、前記支持フレームに結合されることを特徴とする請求項20から22の何れか一項に記載の3D可変型加工システム。
【請求項24】
前記スライド部材は、リニアモータであることを特徴とする請求項20から23の何れか一項に記載の3D可変型加工システム。
【請求項25】
前記スライド部材は、エアベアリングまたはLMガイドであることを特徴とする請求項20から23の何れか一項に記載の3D可変型加工システム。
【請求項26】
前記回動フレームは、断面がIビーム形状であることを特徴とする請求項20から25の何れか一項に記載の3D可変型加工システム。
【請求項27】
前記回動フレームの円周に沿って穴が複数形成されることを特徴とする請求項26に記載の3D可変型加工システム。
【請求項28】
前記支持フレームは、ドーナツ形状または正方形状であることを特徴とする請求項20から27の何れか一項に記載の3D可変型加工システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−240480(P2011−240480A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−108438(P2011−108438)
【出願日】平成23年5月13日(2011.5.13)
【出願人】(304059937)コリア・インスティテュート・オブ・マシナリー・アンド・マテリアルズ (27)
【Fターム(参考)】