説明

3D造影超音波を使用する介入ナビゲーション

3D造影超音波(CEUS)イメージング10を使用する介入のナビゲーションのための方法は、生体構造に投与される造影剤の有効な寿命の間に器具40での介入の治療を受ける生体構造22の所望の部分のための追跡情報と基準3D CEUSボリュームとを獲得するステップを有する。リアルタイムに追跡された組織画像は、介入の治療の間に獲得される。加えて、獲得されたリアルタイムに追跡された組織画像の少なくとも一つの画像に対する少なくとも一つの対応する造影超音波画像の多断面再構成(MPR)44が生成される。獲得されたリアルタイムに追跡された組織画像の対応する一つの画像が、対応するCEUS MPRと一緒に表示される(20)。表示されたリアルタイムに追跡された組織画像は生体構造の所望の部分内で少なくとも器具の画像を含み、CEUS MPRは表示されたリアルタイムに追跡された組織画像に対応する。CEUS MPR画像は、基準3D CEUSボリュームから得られた造影MPR画像を含み、関心ターゲットボリューム46を含み、これにより、造影の有効な寿命の満了に少なくとも続く介入のナビゲーションのために有効な造影画像情報及び組織画像情報の同時の表示を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、ジョチェン クルエッカーらにより2007年11月16日に出願され、本発明の譲受人に譲渡された「3D造影超音波を使用する介入ナビゲーション」という題名の仮出願(出願番号60/988472)の利益を請求する。
【0002】
本発明は、米国公衆衛生局との共同研究及び開発協定の遂行(CRADA番号NCI―NIHCC―01864)においてなされた。米国の政府は、本発明における特定の権利を持つ。
【0003】
本実施例は、概して超音波画像診断システム、より詳しくは、3D造影超音波を使用する介入ナビゲーションのための方法と装置とに関する。
【背景技術】
【0004】
超音波イメージングは、多くの最小限侵襲性の介入治療のための主要な画像ガイダンス方法の一つである。特に、ほとんどの手術針生検及び手術針ベースの切除治療は、超音波によりガイドされる。超音波の利点は、リアルタイム・イメージング機能、低コスト、そのアプリケーションの柔軟性及び電離放射線が使われないという事実を含む。しかしながら、一般に使用されるグレースケール超音波画像を含む造影されていない超音波は、所望のコントラストで特定のターゲット(例えば、腫瘍)を視覚化できず、場合によっては、ターゲットを全く視覚化しない。これらの場合は、異なるモダリティを使用してターゲットを撮像し、両方の画像診断法で識別される腫瘍の近くの生体構造学的目印に基づいて「精神的に」腫瘍位置をリアルタイム超音波画像に変えるステップを含むため、手術針の配置は非常に困難になり不正確の傾向がある。結果は、偽陰性生検、失敗した腫瘍治療、及び概して劣った治療的結果となる。
【0005】
造影超音波(CEUS)イメージングは、(ブリストル‐マイヤーズ・スクイブ社のDefinity(登録商標)のような)超音波造影剤の静注の後の超音波イメージングを指す超音波イメージングのもう一つの形式である。最新の超音波スキャナでは、特定の結像モードが造影剤の非線形音響反応を利用するために実行され、よって、コントラスト取り込みを持つ組織を強調するだけだった。結果として生じる画像は、「コントラスト画像」と呼ばれ、非コントラスト画像と比較して非常に異なる外観を持つ。通常のグレイスケール・モードにおいて、コントラスト注入(造影剤注入)の後、組織を画像化することも可能である。後者の例において、結果として生じる画像は、「組織画像」と呼ばれ、コントラスト取り込みの領域の小さな増強だけを示すが、コントラスト注入なしで得られたグレイスケール画像と同様に見える。
【0006】
CEUSは、非造影超音波イメージングと比較して、腫瘍、血管分布及び関心の他の組織の優れた視覚化を提供できることに注意されたい。しかしながら、ボーラス注射の後の造影は、一過性の現象で、通常は数分後に消える。数分という斯様な時間制限は、所望の処置(例えば、生検又は切除のための手術針の配置のような)を実行するために、しばしば不十分な時間である。換言すれば、生検及び切除のための手術針配置のような介入の治療の間のガイダンスのために、造影の時間窓は、介入の治療を実行するために必要とされる時間と比較して不十分である。造影剤の2回目の注入は、造影効果を延長するために可能ではあるが、これは所望の治療を完了するにはまだ不十分である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
予め獲得されたCEUSボリューム単独の使用と関連する従来技術の付加的な制限は、例えば、予め獲得されたCEUSボリュームと関係する介入の治療の間に引き続き獲得されるリアルタイム超音波組織画像の位置がわからず、推定する必要があることを含み、よって不正確になる傾向がある。さらにまた、組織の動きは、予め獲得されたCEUSボリュームに基づくターゲット位置の見積もりを複雑にする。
【0008】
従って、従来技術の課題を解決するための改良型の方法及びシステムが要求される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の実施例は、介入の治療の間、画像ガイダンスのための造影超音波イメージング(CEUS)を利用するシステム及び方法を提供する。特に、本開示の実施例は、CEUSを使用する方法及びシステムが、ワークフローを修正又は完全に異なる画像診断法へ切り替える必要がなく介入の治療の目標精度を改善できる。
【0010】
本願明細書に開示されるように、当該システム及び方法は、超音波プローブの位置を追跡するために構成される空間追跡システムを含む。追跡システムの使用は、介入の治療の始めに3D CEUSボリュームの位置の決定を可能にする。一つの実施例において、3D組織ボリュームもまた、これ以降更に説明されるように、3D CEUSボリュームで同時に得られる。その後、介入の治療の間、超音波プローブの空間追跡は、最初の3D CEUSボリュームから得られる対応するCEUS多断面再構成(MPR)と現在のリアルタイム超音波組織画像との共同表示を可能にする。最初の3D CEUS獲得とリアルタイム超音波組織イメージングとの間の組織の動きは、最初の3D CEUSボリュームで共に得られる3D超音波組織ボリュームとリアルタイム超音波組織画像との間の画像ベースの位置合せにより修正される。(i)最初のCEUSボリュームから得た対応するMPRと、(ii)リアルタイム非造影超音波組織画像との共同の表示は、好適に手術針位置及びターゲット位置の共同の視覚化を可能にし、よって介入の治療の間、造影剤の増強効果の満了の後、ターゲットへの手術針のガイドを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本開示の一つの実施例による3D造影超音波を用いた介入のナビゲーションのための方法を実行するためのシステムの部分的なブロック図である。
【図2】図2は、本開示の実施例による3D CEUSを使用する介入のナビゲーションのための方法に関連するさまざまな座標系の間の変換を例示する部分的なブロック図である。
【図3】図3は、本開示の一つの実施例によるリアルタイム組織画像及び対応するCEUS多断面再構成(MPR)画像が並んでいる表示を例示するディスプレイ図である。
【図4】図4は、本開示の他の実施例によるリアルタイム組織画像及び対応するCEUS MPR画像の表示を半透明な重ね合わせで例示するディスプレイ図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図において、類似の参照符号は、類似の要素を指す。加えて、図は一定の比率で描画されていない点に留意されるべきである。
【0013】
ここで図面に戻ると、図1は、本開示の一つの実施例による3D造影超音波を使用する介入のナビゲーションのためのシステム10のブロック図である。システム10は、超音波イメージングプローブ14を備え及び/又は結合される超音波スキャナ(US)12を有する。一つの実施例において、超音波スキャナ12は、例えば、フィリップスメディカルシステムズから市販されているiU22超音波スキャナを有する。イメージングプローブ14は、適切な3D超音波イメージングプローブを有する。加えて、超音波スキャナ12は、スキャナ・ディスプレイ16を含む。さらにまた、超音波スキャナ12は、コントラスト及び組織画像の同時獲得のために設定される。超音波スキャナ12は、例えば、データストリームを介してリアルタイムで画像をワークステーション18へ転送するように更に設定される。例えば、リアルタイムで画像を転送することは、デジタルナビゲーションリンク(Digital Navigation Link)ソフトウェアでiU22超音波スキャナを使用して達成できる。超音波スキャナ12とは別に例示されているが、ワークステーション18は、超音波スキャナ12の部分に統合されていてもよい。
【0014】
まだ図1を参照して、ワークステーション18は、ワークステーション・ディスプレイ20を含む。動作時、超音波スキャナ12、プローブ14及びワークステーション18は、超音波診断及び/又は対応する処理若しくは医学療法を要する生体構造を持つ患者22に関連して用いられ、患者22は患者テーブル24に配置される。超音波スキャナ12は、例えば、コントラスト及び組織フレームのインターリーブされた獲得に対応する「サイドバイサイドモード」においてコントラスト及び組織の超音波画像を得るように設定され、獲得された両方の画像をワークステーション18に送信する。ソフトウェアは、ここで更に説明されるようなワークフローに適応するように、ワークステーション18により実行される。
【0015】
3D造影超音波を使用する介入のナビゲーションのためのシステム10は、本開示の実施例による位置追跡も含む。システム10は、外部の位置追跡システム(TS)26との統合により強化される。外部の位置追跡システム26は、概して参照符号30により示される、追跡領域を生じるために設定される追跡領域生成器28を含む。センサ32は超音波プローブ14に結合され、検知領域30の範囲内に位置されるセンサに応じて、センサの位置及び向きは追跡システム26により追跡できる。一つの実施例において、ワークステーション18は、追跡システム26に結合され、追跡情報を通信するため及び/又は所与の介入のナビゲーション若しくは実行の要件に従ってワークステーション18と追跡システム26との間の追跡命令を供給するように設定される。追跡システム26は、例えば、カナダ、ワーテルローのノーザンデジタル社による電磁「オーロラ」システムのような適切な追跡システムを有する。他の実施例において、追跡システム26は、光学追跡システムを含み、追跡領域生成器28は、図の光学領域に対応する追跡領域30内で超音波プローブ14を光学的に追跡するために、例えばカメラを有する。斯様な光学追跡システムは、例えば、カナダ、ワーテルローのノーザンデジタル社による「北極星」システムを有する。
【0016】
図1のシステム10において、外部の位置追跡システム(TS)26は、患者22の隣又はすぐ近くに準備される。6つの自由度(6DoF)位置センサ(S)32は超音波プローブ14に結合され、追跡領域生成器28はプローブ位置が追跡領域30内で追跡できるように配置される。
【0017】
ワークステーション18はまた、コンピュータ可読の媒体に含まれて、ワークステーションのメモリにロードされるソフトウェアを含み、当該ソフトウェアは、(i)センサ32により供給されるボリュームの追跡システム座標と共に、少なくとも一つの3D CEUSボリュームを得て格納し、(ii)リアルタイムの追跡センサ座標を得て処理するために、ワークステーションのプロセッサにより実行可能な命令を含み、少なくとも一つの獲得し格納された3D CEUSボリュームの多断面再構成(MPR)を計算し表示するために、リアルタイムの追跡センサ座標を使用して、対応するMPRが最新の獲得されたリアルタイム組織画像と同じ組織を示すようにする。
【0018】
一つの実施例において、超音波スキャナ12は、同時にCEUS画像/ボリュームと組織画像/ボリュームとを得て、送信するように設定される。斯様な実施例では、ワークステーション18のソフトウェアは、(iii)センサ32により供給される対応するボリュームの追跡システム座標と共に、同時に得られた3D CEUSボリューム及び3D組織ボリュームを得て格納し、(iv)リアルタイムに追跡センサ座標を得て処理し、3D CEUSボリュームと同時に得られる3D組織ボリュームと、非コントラスト・リアルタイム組織画像との画像ベースの位置合せのためリアルタイム追跡センサ座標を使用するワークステーション18のプロセッサにより実行可能な命令を更に含み、結果として生じる位置合せ変換は、CEUS MPRが最新の獲得されたリアルタイム組織画像と同じ組織を示すように、最初に獲得し格納された3D CEUSボリュームのMPRを計算し表示するために使われる。
【0019】
一つの実施例において、システム及び方法は、コントラスト及び組織モードのリアルタイム三次元画像を得ることができ、ワークステーション18(又は、例えば適切な通信ネットワークを介した他のシステム)に画像データを流す(すなわち、リアルタイムに転送する)ことができる超音波スキャナ12を使用することを有する。この実施例と連動して、当該方法は、患者が呼吸命令に従って、再現可能な息止めを生じることが更に可能であると仮定する。さらにまた、ワークステーション18で動くソフトウェアは、リアルタイム電子回路データ転送を使用して、さまざまなハードウェア(例えば、追跡システム、超音波スキャナ等)と通信するように設定される。
【0020】
ワークフローの一つの例において、超音波ガイドされた手術針切除を受ける患者22が、検査テーブル24に置かれる。位置センサ32が、超音波プローブ14に取り付けられている。追跡システム26の発信器/受信器28は、取付けられた位置センサ32を持つ超音波プローブ14が治療のために必要な超音波イメージングの間、発信器/受信器28の視野30の領域にあるように、患者22の近くに配置される。超音波スキャナ12は、まず最初にコントラスト結像モードに構成されているか又は設定され、造影剤の静脈内ボーラス注射が患者22に投与される。ディスプレイ16に表示される超音波画像に造影が見えると、このとき、関心領域又は腫瘍をカバーする3次元(3D)CEUS走査が得られる。3D CEUSボリューム及び対応するプローブ位置データは、ナビゲーション・ワークステーション18へ転送される。造影が消失した後の後続のイメージングのために、リアルタイム2D又は3D超音波組織画像及び対応するプローブ位置データが、ワークステーション18へ連続的に転送される(すなわち、流れる)。現在のプローブ位置に基づいて、初めに獲得された3D CEUS画像(予め獲得された3D CEUS画像とも呼ばれる)と関係する現在の超音波組織画像の位置が計算される。ワークステーション・ディスプレイ20に、現在のリアルタイム超音波組織画像が、CEUS画像の対応する多断面再構成(MPR)(すなわち、他の視覚化)と共に表示される。この表示は、腫瘍が単独でリアルタイム組織画像では見えないが、リアルタイム組織画像の手術針の位置決め、CEUS画像内の腫瘍の位置決め、よって腫瘍への手術針の案内を可能にする。
【0021】
図2は、本開示の実施例による図1の3D造影超音波を使用する介入のナビゲーションのためのシステムに関連するさまざまな座標系間の変換を例示する部分的なブロック図である。特に、図2は、2D超音波画像、3D超音波画像、超音波プローブに取り付けられる追跡センサ及び追跡システムの座標系間の変換の例示である。一つの実施例において、図2は、6台のDoF位置センサ、追跡システム、対応する超音波フレーム間の変換の関係を例示する。
【0022】
変換Ttrackingは、追跡システム(26,28)に関係する追跡センサ14の現在の位置及び方向(さもなければ、「ポーズ」と呼ばれる)を記述する。換言すれば、変換Ttrackingは、追跡システムCtrackingの座標系と追跡センサCsensorの座標系との間の関係を記述する。変換Ttrackingは、追跡システムにより供給され、例えば本開示の実施例による介入の治療の所与の実行のために要求されて又は連続的にリアルタイムでワークステーション18により得られる。変換Tcalibrationは、3D超音波画像の座標系C3DUS(すなわち、ボクセル座標)とプローブ14に取り付けられた追跡センサ32の座標系Csensorとの間の関係を記述する。変換Tcalibrationは、1回限りの較正手順で決定され、センサ及び/又はプローブの置換及び/又は変化に応じて再調整され、超音波プローブ14に固く取り付けられる所与の追跡センサ32に対して固定されたままである。最後に、変換T2DUS→3DUSは、2D超音波画像の座標系C2DUSと3D超音波画像の座標系C3DUS(すなわち、ボクセル座標系)との間の関係を記述する。すなわち、追跡2D及び3D超音波画像獲得のための座標系間の変換は、T2DUS→3DUSにより付与される。要約すると、変換T2DUS→3DUSは、2D画像ピクセル座標を3D画像ボクセル座標へ変換し、Tcalibrationは、3D画像ボクセル座標をセンサ座標へ変換し、Ttrackingは、センサ座標を追跡システム座標へ変換する。Ttrackingが追跡システム(26,28)により供給されるセンサ32のリアルタイム・ポーズ情報であることに注意されたい。
【0023】
一つの実施例によると、CEUS画像獲得は以下の通りである。コントラスト注入の後、ワークステーション上のナビゲーション・ソフトウェアは、音波検査者に3D CEUSモードで腫瘍ターゲットを視覚化するプローブ位置を見つけるように要求する。スキャナからのすべての三次元画像及びセンサからのすべての位置データが、ワークステーションに連続的に流される。適当な画像がワークステーションで得られて、確認されるとき、画像は、追跡センサにより与えられる対応するプローブ位置Ttracking、3DCEUSとともにワークステーションに保存される。3D CEUSボリュームに割り当てられる基準座標系は、治療の全体にわたって静止している追跡システムの座標系である。図2の具体例を用いて、3D CEUSボクセル座標から追跡システム座標への変換は、下記の式により与えられる:
3DCEUS=Tcalibration・Ttracking、3DCEUS
【0024】
加えて、本開示の実施例は、以下の画像ガイダンスを提供する。3D CEUS獲得の後、超音波スキャナは、画像ガイダンスのための2D結像モードに切り替えられる。2D画像座標と3D画像座標との間の変換T2DUS→3DUSは、超音波スキャナ上のイメージング・アルゴリズムに基づいて知られている。よって、追跡センサから現在の追跡データTtrackingを使用して、Ttracking、3D CEUSで得られるCEUS基準画像内の現在の2D超音波組織画像の位置は、下記の変換を使用して決定できる。
2DUS→3DUS
=T2DUS→3DUS・Tcalibration・Ttracking・(T3DCEUS―1
=T2DUS→3DUS・Tcalibration・Ttracking・(Ttracking、3DCEUS―1・(Tcalibration―1
【0025】
ワークステーションは、リアルタイムに、2D組織画像の現在のポーズに対応する3D CEUS画像からMPRを抽出するために、この関係を使用するだろう。ワークステーション・ディスプレイ20上に、一つの実施例では両方の画像が並んで表示され、又は、もう一つの実施例ではユーザにより決定された透明度を持つ半透明な重ね合わせを使用して表示される。図3は、挿入された手術針40を示して、リアルタイム組織画像38の表示36と、造影により強調されるターゲット46を示して、予め獲得されたCEUSボリュームからの対応するMPR44の表示42とが並んでいる例示的図である。参照符号50により図4に示されるように、図4は、同じ組織及びコントラスト画像の半透明な重ね合わせ48の例示的図である。
【0026】
他の実施例によると、方法は、複数の3D CEUSボリュームの獲得を含む。すなわち、3D CEUSボリューム獲得の間、関心の造影された組織を示す単一のボリュームだけをワークステーション18に保存するよりはむしろ、時系列のボリューム及びそれらの対応する位置情報も格納される。このとき、当該方法は、コントラスト取り込みの動特性(例えば、流入及び流出)を確認でき、これは診断にとって有益なインジケーターでもある。当該方法は、更に、(a)リアルタイム組織画像との単なる単一のCEUS MPRを共同表示するのではなく、「動画」としての全体の時系列の複数のMPRを共同表示するステップを有する。加えて、当該方法はまた、(b)流入時定数のような診断に関連したパラメータのボリューム的マップを作成するための時系列データを処理し、介入の治療の間、リアルタイム組織画像と共に、このパラメータMAPのMPRを共同表示するステップを含む。
【0027】
他の実施例では、方法は、交互のターゲット視覚化を使用するステップを含む。すなわち、3D CEUSボリュームのMPRを組織画像と重ね合わせる又は共同表示するよりはむしろ、関心ターゲットボリューム(VOI)は、CEUS獲得の後3D CEUSボリュームから分割される。斯様なターゲットVOIは、例えば、3D CEUSボリュームの最も強い組織増強のエリアをカバーする球体を含む。本実施例において、介入の治療の間、現在の追跡位置によって定まるようなVOIの適当な横断面だけが、リアルタイム組織画像上に重畳される。
【0028】
他の実施例では、方法は、ガイダンスの間、リアルタイム3Dイメージングを使用するステップを含む。すなわち、ガイダンスのための2Dイメージングを使用する代わりに、方法は、リアルタイム3Dイメージングを使用する。この場合、MPRを生成するよりはむしろ、最大値投影法(MIP)のような、視覚化の他の手段が用いられる。MIP投影は、上述の実施例にて説明されたように、同一セットの変換を使用して計算できる。
【0029】
さらに別の実施例では、方法は、非リアルタイム3D CEUS獲得を使用する。この実施例において、例えば、リアルタイム3D CEUSが利用できない場合、基準CEUSボリュームはまた、2D超音波プローブを追跡し、すべての2D画像フレームをワークステーションへ流し、追跡データを対応させ、コントラスト注入の後ターゲット・エリア上に「掃引」を得て、獲得された2D画像及び追跡データに基づいて3D CEUSボリュームを再構築することにより生成できる。
【0030】
他の実施例において、方法は、動き補正のための画像ベースの位置合せの使用を含む。この実施例において、リアルタイム組織画像及び対応する3D CEUS MPRの上述の共同表示は、患者又は撮像されている器官が3D CEUSボリュームの獲得とリアルタイム組織画像の獲得との間で動いていない場合にのみ正確である。組織動きがある場合に精度を強化するために、本発明の実施例による方法は、更に例えば、以下の動き補正方法のうちの一つを含む。第1の動き補正方法は、3D組織画像と3D CEUS画像との同時獲得を含む。この動き補正方法は、例えば、フィリップスiU22のような最新のスキャナ上のリアルタイム2Dにおいて利用できるような同時のデュアルモード獲得及び視覚化を利用し、上述の通りに非リアルタイム同時の3D獲得を可能にする。第2の動き補正方法は、3D CEUS画像と同時に獲得される3D組織画像と、現在の2D組織画像(又は、最後のN個の2D組織画像、Nは小さく例えば10より小さい)との画像ベースの位置合せを含む。2D画像と関連した追跡座標は、位置合せのための初期位置(すなわち、器官動きがないとする)として役立つ。位置合せ自体は、ガウス―ニュートン・オプティマイザ及び二乗誤差和の同様の手段のようなさまざまなオプティマイザ及び同様の手段を利用できる。位置合せの結果は、変換T2DUS→3Dtissueである。3D CEUS及び組織画像が同時に得られたので、これらの座標系は同一であり、同じ変換が現在の2D座標を3D CEUS座標に変換するために使用できる。
【0031】
ここで説明されるように、本開示の実施例によるシステム及び方法は、超音波プローブの位置を追跡し、造影超音波イメージング(CEUS)の間、介入の治療の画像ガイダンスのため空間追跡システムを使用する。介入の治療の始めに、3次元(3D)CEUSボリュームが、通常の3D超音波組織画像と同時に得られる。治療の間、超音波プローブの空間追跡は、治療の始めに得られた3D CEUSボリューム(ここではまた、予め獲得された3D CEUSボリュームと呼ばれる)から、対応する多断面再構成(MPR)と現在のリアルタイム超音波組織画像との共同表示を可能にする。治療の始めに得られた3D CEUS獲得と、治療の始めの後又は治療の初めに続いたリアルタイム・イメージングとの間の組織動きは、リアルタイム3D組織画像と、治療の初めでの3D CEUSと共に得られた3D組織画像との間の画像ベースの位置合せにより修正される。予め獲得されたCEUS、より詳しくは、予め獲得されたCEUSの多断面再構成(MPR)(ここでMPRはリアルタイムの所与の組織画像に対応する)とリアルタイムの非コントラスト超音波との共同表示は、手術針位置及びターゲット位置の共同の視覚化を可能にし、よって手術針のターゲットへの案内を可能にする。前述のように、CEUSは、非造影超音波イメージングと比較して、腫瘍、血管分布及び関心の他の組織の優れた視覚化を提供できる。単独では、ボーラス注射後のコントラスト増強は、一過性の現象で、通常は数分後に消える。生検及び切除のための手術針配置のような介入の治療の間のガイダンスのためには、コントラスト増強単独の過渡状態現象の時間窓は、不十分である。しかしながら、本開示の実施例は、この制限を克服するシステム及び方法を好適に提供する。
【0032】
従って、ここで開示される3D造影超音波(CEUS)イメージングを使用する介入のナビゲーションのための方法は、器具での介入の治療を受ける生体構造の所望の部分のための追跡情報及び基準3D CEUSボリュームを獲得する獲得ステップであって、当該獲得ステップは生体構造の所望の部分に投与される造影剤の有効な寿命の間に起こる当該獲得ステップと、介入の治療の間、リアルタイムに追跡された組織画像を獲得するステップと、基準3D CEUSボリューム及び追跡情報の関数として、介入の治療の間、獲得されたリアルタイムに追跡された組織画像の少なくとも一つの画像に対する少なくとも一つの対応する造影超音波画像の多断面再構成(CEUS MPR)を生成する生成ステップと、獲得されたリアルタイムに追跡された組織画像の少なくとも一つの組織画像を表示する表示ステップであって、表示されたリアルタイムに追跡された組織画像は生体構造の所望の部分内に少なくとも器具の画像を含む当該表示ステップと、表示されたリアルタイムに追跡された組織画像に対応する少なくとも一つの対応する造影超音波画像の多断面再構成(CEUS MPR)を表示するステップとを有し、CEUS MPR画像は基準3D CEUSボリュームから得られた造影MPR画像を含み、関心ターゲットボリュームを含み、これにより、造影の有効な寿命の満了に少なくとも続く介入のナビゲーションのために有効な造影画像情報及び組織画像情報の同時の表示を提供することが現時点で理解されるだろう。
【0033】
他の実施例によると、基準3D CEUSボリュームの獲得は、少なくとも一つの追跡された3D超音波コントラスト画像と組織画像との対の同時の獲得を含む。加えて、少なくとも一つの追跡された3D超音波コントラストと組織画像との対は、最初の超音波コントラスト画像と、実質的に同時に捕捉され、互いに自動的に重ね合わされた対応する最初の組織画像とを有する。
【0034】
もう一つの実施例では、介入の治療は、造影の有効な寿命の満了の前に起こっている第1の部分と、造影の有効な寿命の満了の後に起こる第2の部分とを含む。さらなる実施例において、少なくとも一つの対応する造影超音波画像の多断面再構成が、獲得されたリアルタイムに追跡された組織画像の対応する一つの画像と空間的に重ね合わされる。もう一つの実施例では、リアルタイムに追跡された組織画像及び対応するCEUS MPRは、互いに隣接して表示される。さらに別の実施形態では、リアルタイムに追跡された組織画像及び対応するCEUS MPR基準画像は、単一表示で一緒に表示される。後者の例では、リアルタイムに追跡された組織画像及び対応するCEUS MPRは、一つの画像が他の画像に重なるように、重ね合わせる配置で更に表示できる。またさらに、重ね合わせる配置は、他の画像に関して半透明の一つの画像を有し得る。
【0035】
他の実施例によると、介入の治療の間、獲得されたリアルタイムに追跡された組織画像の少なくとも一つの画像に対して少なくとも一つの対応する造影超音波多断面再構成(CEUS MPR)を生成する代わりに、また、獲得されたリアルタイムに追跡された組織画像を表示する代わりに、方法は、獲得された追跡された3Dリアルタイムの超音波コントラスト画像と組織画像との少なくとも一つの対の関数として、最大値投影(MIP)を生成するステップと、獲得されたリアルタイムに追跡された3D組織画像の少なくとも一つの画像の最大値投影(MIP)を表示する表示ステップであって、表示されたリアルタイムに追跡された組織画像MIPが、生体構造の所望の部分内に少なくとも器具の画像を含む当該表示ステップと、少なくとも一つの獲得されたリアルタイムに追跡された3D組織画像の表示されたMIPに対応する少なくとも一つの対応する造影超音波画像最大値投影(CEUS MIP)を表示するステップとを有し、CEUS MIP画像は、関心ターゲットボリュームからの造影MIP画像を含み、これにより、造影の有効な寿命の満了に少なくとも続く介入のナビゲーションのために有効な同時の表示を提供する。
【0036】
もう一つの実施例では、リアルタイムの3D超音波がない場合、基準3D CEUSボリュームは、2D超音波プローブを追跡し、造影剤付与後、生体構造の所望の部分にわたって追跡された2D超音波プローブを掃引しながら一連の2Dコントラスト及び組織画像フレーム並びに対応する追跡データを得て、獲得された一連の2Dコントラスト及び組織画像並びに対応する追跡データをワークステーションに流し、獲得された2Dコントラスト及び組織画像並びに対応する追跡データに基づいて、ワークステーションで基準3D CEUSボリュームを再構築することにより獲得される。
【0037】
さらに別の実施形態では、基準3D CEUSボリュームを獲得することは、基準3D CEUSボリュームを獲得する際に使用される超音波プローブの位置を追跡するように設定される空間追跡システムを使用することを含み、前記追跡システムは基準3D CEUSボリュームの位置及び方向の決定を可能にし、前記追跡システムは、介入の治療の間、獲得された組織画像を追跡するように更に設定される。方法は、更に、(i)基準3D CEUSボリュームの獲得の時間と、(ii)少なくとも一つのリアルタイムに追跡された組織画像の獲得の時間との間に起こる生体構造の所望の部分内の組織動きを修正するステップを有する。なお更に、組織動きを修正するステップは、(a)リアルタイムに追跡された3D組織画像と、(b)追跡された3D超音波コントラスト画像と組織画像との対の超音波組織画像との間の画像ベースの位置合せを用いるステップを含む。
【0038】
他の実施例によると、基準3D CEUSボリューム及び追跡情報を獲得する獲得ステップは、時系列の3D CEUSボリューム及び対応する追跡情報を獲得するステップを有し、少なくとも一つの対応するCEUS MPR画像を生成する生成ステップは、時系列のCEUS MPR画像を生成するステップを含み、獲得されたリアルタイムに追跡された組織画像を表示し、少なくとも一つの対応するCEUS MPR画像を表示するステップは、時系列データとしてリアルタイム組織画像とCEUS MPR画像とを共同表示するステップを有する。方法は、さらに、診断に関連したパラメータのボリューム的マップを作成するために時系列データを処理するステップと、(i)CEUS MPR画像及び(ii)リアルタイムの組織画像と、前記ボリューム的マップとを共同表示するステップとを有する。加えて、診断に関連したパラメータは、少なくとも造影剤の流入時定数を含む。
【0039】
さらに別の実施例では、方法は、基準3D CEUSボリュームから関心ターゲットボリュームを分割する分割ステップであって、前記関心ターゲットボリュームが最も強い組織増強の領域を有する当該分割ステップと、少なくとも一つの対応する造影超音波画像の多断面再構成(CEUS MPR)を表示する代わりに、表示されたリアルタイムに追跡された組織画像に対応する前記関心ターゲットボリュームの対応する横断面区分を表示するステップと、表示されたリアルタイムに追跡された組織画像上に前記関心ターゲットボリュームの対応する横断面区分を重畳するステップとを更に有する。
【0040】
他の実施例によると、3D造影超音波(CEUS)イメージングを使用する介入のナビゲーションのための方法は、器具での介入の治療を受ける生体構造の所望の部分のための追跡情報及び基準3D CEUSボリュームを獲得する獲得ステップであって、当該獲得ステップは、生体構造の所望の部分に投与される造影剤の有効な寿命の間に起こり、基準3D CEUSボリュームの獲得が少なくとも一つの追跡された3D超音波コントラスト画像と組織画像との対の同時の獲得を含む当該獲得ステップと、介入の治療の間、リアルタイムに追跡された組織画像を獲得するステップと、基準3D CEUSボリューム及び追跡情報の関数として、介入の治療の間、獲得されたリアルタイムに追跡された組織画像の少なくとも一つの画像に対して、少なくとも一つの対応する造影超音波画像の多断面再構成(CEUS MPR)を生成する生成ステップであって、前記少なくとも一つの対応する造影超音波画像の多断面再構成は、獲得されたリアルタイムに追跡された組織画像の対応する一つの画像と空間的に重ね合わされる当該生成ステップと、獲得されたリアルタイムに追跡された組織画像を表示する表示ステップであって、表示されたリアルタイムに追跡された組織画像は、生体構造の所望の部分内に少なくとも器具の画像を含む当該表示ステップと、表示されたリアルタイムに追跡された組織画像に対応する少なくとも一つの対応する造影超音波画像の多断面再構成(CEUS MPR)を表示するステップとを有し、CEUS MPR画像は、基準3D CEUSボリュームから得られた造影MPR画像を含み、関心ターゲットボリュームを含み、これにより、造影の有効な寿命の満了に少なくとも続く介入のナビゲーションのために有効な造影画像情報及び組織画像情報の同時の表示を提供する。
【0041】
さらに別の実施例では、3D造影超音波(CEUS)イメージングを使用する介入のナビゲーションのためのシステムは、(i)器具での介入の治療を受ける生体構造の所望の部分のための追跡情報及び基準3D CEUSボリュームを獲得する超音波画像形成デバイスであって、当該超音波画像形成デバイスは、生体構造の所望の部分に投与される造影剤の有効な寿命の間に、基準3D CEUSボリューム及び追跡情報を獲得するように更に設定され、(ii)介入の治療の間、リアルタイムに追跡された組織画像を獲得し、(iii)基準3D CEUSボリューム及び追跡情報の関数として、介入の治療の間、獲得されたリアルタイムに追跡された組織画像の少なくとも一つの画像に対して少なくとも一つの対応する造影超音波画像の多断面再構成(CEUS MPR)を生成する当該超音波画像形成デバイスと、当該超音波画像形成デバイスに結合され、(i)獲得されたリアルタイムに追跡された組織画像を表示するディスプレイであって、表示されたリアルタイムに追跡された組織画像が生体構造の所望の部分内で少なくとも器具の画像を含み、(ii)表示されたリアルタイムに追跡された組織画像に対応する少なくとも一つの対応する造影超音波画像の多断面再構成(CEUS MPR)を表示する当該ディスプレイとを有し、CEUS MPR画像が基準3D CEUSボリュームから得られた造影MPR画像を含み、関心ターゲットボリュームを含み、これにより造影の有効な寿命の満了に少なくとも続く介入のナビゲーションのために有効な造影画像情報及び組織画像情報の同時の表示を提供する。
【0042】
ここで述べられたように、本開示の実施例は、診断及び治療的な医学療法の超音波ベースの画像ガイダンスに適用できる。例えば、本開示の実施例は、生検及び切除治療のための手術針ガイダンスを改善できる。加えて、本開示の実施例は、限られた視覚化又はいくつかの腫瘍/ターゲットが視覚化できないことや、ターゲット位置が予め獲得されたモダリティ(本開示の実施例に関して開示される予め獲得されたCEUS以外)に基づいて推定される場合、治療の実行の低い精度、所与の介入の治療の実行には不十分であるCEUSイメージングのコントラスト増強の短い期間のような現在の超音波ベースの治療ガイダンスの限界及び不利な点を好適に克服する。
【0043】
少数の例示的な実施例だけが上で詳述されたにもかかわらず、当業者は、多くの変更態様が、本開示の実施例の新しい教示及び利点から著しく逸脱することなく例示的な実施例において可能であることは容易に理解されるだろう。従って、斯様なすべての変更態様は、以下の請求項に規定されるように、本開示の実施例の範囲内に含まれることを意図する。請求項において、ミーンズプラスファンクション(機能的手段)の項は、引用された機能を実行するようにここで説明された構造をカバーし、構造的に等価なものだけでなく、等価な構造もカバーすることを意図する。
【0044】
加えて、一つ以上の請求項の括弧にある何れの参照符号も、請求項を制限するものとして解釈されない。語「を有する」等は、全体として何れの請求項又は明細書にリストされるもの以外の要素又はステップの存在を除外しない。単一の要素は、斯様な要素の複数を除外しないし、逆もそうである。一つ以上の実施例は、幾つかの明白な要素を有するハードウェアによって、及び/又は最適にプログラムされたコンピュータによって実行されてもよい。幾つかの手段を列挙するデバイスの請求項において、これらの手段の幾つかは、ハードウェアの全く同一の品目により具現化されてもよい。特定の手段が相互に異なる従属クレームに引用されているという単なる事実は、これらの手段の組合せが効果的に使用できないことを示さない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
器具での介入の治療を受ける生体構造の所望の部分のための追跡情報及び基準3D CEUSボリュームを獲得する獲得ステップであって、当該獲得ステップは前記生体構造の所望の部分に投与される造影剤の有効な寿命の間に起こる当該獲得ステップと、前記介入の治療の間、リアルタイムに追跡された組織画像を獲得するステップと、前記基準3D CEUSボリューム及び追跡情報の関数として、前記介入の治療の間、獲得されたリアルタイムに追跡された組織画像の少なくとも一つの画像に対する少なくとも一つの対応する造影超音波画像の多断面再構成(CEUS MPR)を生成する生成ステップと、前記獲得されたリアルタイムに追跡された組織画像の少なくとも一つの組織画像を表示する表示ステップであって、表示されたリアルタイムに追跡された組織画像は前記生体構造の所望の部分内で少なくとも前記器具の画像を含む当該表示ステップと、前記表示されたリアルタイムに追跡された組織画像に対応する少なくとも一つの対応する造影超音波画像の多断面再構成(CEUS MPR)を表示するステップとを有し、CEUS MPR画像は、前記基準3D CEUSボリュームから得られた造影MPR画像を含み、関心ターゲットボリュームを含み、これにより、造影の有効な寿命の満了に少なくとも続く介入のナビゲーションのために有効な造影画像情報及び組織画像情報の同時の表示を提供する、3D造影超音波(CEUS)イメージングを使用する介入のナビゲーションのための方法。
【請求項2】
前記基準3D CEUSボリュームの獲得は、少なくとも一つの追跡された3D超音波コントラスト画像と組織画像との対の同時の獲得を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも一つの追跡された3D超音波コントラスト画像と組織画像との対は、最初の超音波コントラスト画像と、実質的に同時に捕捉され、互いに自動的に重ね合わされた対応する最初の組織画像とを有する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記介入の治療は、造影の有効な寿命の満了の前に起こっている第1の部分と、造影の有効な寿命の満了の後に起こる第2の部分とを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
少なくとも一つの対応する造影超音波画像の多断面再構成が、前記獲得されたリアルタイムに追跡された組織画像の対応する一つの画像と空間的に重ね合わされる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
リアルタイムに追跡された組織画像及び対応するCEUS MPRは、互いに隣接して表示される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
リアルタイムに追跡された組織画像及び対応するCEUS MPR基準画像は、単一表示で一緒に表示される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
リアルタイムに追跡された組織画像及び対応するCEUS MPRは、一つの画像が他の画像に重なるように、重ね合わせる配置で表示される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記重ね合わせる配置は、他の画像に関して半透明の一つの画像を有する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
リアルタイムの3D超音波がない場合、前記基準3D CEUSボリュームは、2D超音波プローブを追跡し、造影剤付与後、前記生体構造の所望の部分にわたって追跡された2D超音波プローブを掃引しながら一連の2Dコントラスト及び組織画像フレーム並びに対応する追跡データを得て、獲得された一連の2Dコントラスト及び組織画像並びに対応する追跡データをワークステーションに流し、獲得された2Dコントラスト及び組織画像並びに対応する追跡データに基づいて、前記ワークステーションで前記基準3D CEUSボリュームを再構成することにより獲得される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記基準3D CEUSボリュームを獲得する獲得ステップは、前記基準3D CEUSボリュームを獲得する際に使用される超音波プローブの位置を追跡するように設定される空間追跡システムを使用するステップを含み、前記追跡システムは前記基準3D CEUSボリュームの位置及び方向の決定を可能にし、前記追跡システムは、介入の治療の間、獲得された組織画像を追跡するように更に設定される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
(i)前記基準3D CEUSボリュームの獲得の時間と、(ii)少なくとも一つの前記リアルタイムに追跡された組織画像の獲得の時間との間に起こる前記生体構造の所望の部分内の組織動きを修正するステップを更に有する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記組織動きを修正するステップは、(a)前記リアルタイムに追跡された3D組織画像と、(b)追跡された3D超音波コントラスト画像と組織画像との対の超音波組織画像との間の画像ベースの位置合せを用いるステップを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記基準3D CEUSボリューム及び追跡情報を獲得する獲得ステップは、時系列の3D CEUSボリューム及び対応する追跡情報を獲得するステップを有し、前記少なくとも一つの対応するCEUS MPR画像を生成する生成ステップは、時系列のCEUS MPR画像を生成するステップを含み、前記獲得されたリアルタイムに追跡された組織画像を表示し、前記少なくとも一つの対応するCEUS MPR画像を表示するステップは、時系列データとしてリアルタイム組織画像とCEUS MPR画像とを共同表示するステップを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
診断に関連したパラメータのボリューム的マップを作成するために時系列データを処理するステップと、(i)CEUS MPR画像及び(ii)リアルタイムの組織画像と、前記ボリューム的マップとを共同表示するステップとを更に有する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記診断に関連したパラメータは、少なくとも造影剤の流入時定数を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記基準3D CEUSボリュームから関心ターゲットボリュームを分割する分割ステップであって、前記関心ターゲットボリュームが最も強い組織増強の領域を有する当該分割ステップと、前記少なくとも一つの対応する造影超音波画像の多断面再構成(CEUS MPR)を表示する代わりに、表示されたリアルタイムに追跡された組織画像に対応する前記関心ターゲットボリュームの対応する横断面区分を表示するステップと、前記表示されたリアルタイムに追跡された組織画像上に前記関心ターゲットボリュームの対応する横断面区分を重畳するステップとを更に有する、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
器具での介入の治療を受ける生体構造の所望の部分のための追跡情報及び基準3D CEUSボリュームを獲得する獲得ステップであって、当該獲得ステップは、前記生体構造の所望の部分に投与される造影剤の有効な寿命の間に起こり、前記基準3D CEUSボリュームの獲得が少なくとも一つの追跡された3D超音波コントラスト画像と組織画像との対の同時の獲得を含む当該獲得ステップと、介入の治療の間、リアルタイムに追跡された組織画像を獲得するステップと、前記基準3D CEUSボリューム及び追跡情報の関数として、介入の治療の間、獲得されたリアルタイムに追跡された組織画像の少なくとも一つの画像に対して、少なくとも一つの対応する造影超音波画像の多断面再構成(CEUS MPR)を生成する生成ステップであって、前記少なくとも一つの対応する造影超音波画像の多断面再構成は、前記獲得されたリアルタイムに追跡された組織画像の対応する一つの画像と空間的に重ね合わされる当該生成ステップと、前記獲得されたリアルタイムに追跡された組織画像を表示する表示ステップであって、表示されたリアルタイムに追跡された組織画像は、前記生体構造の所望の部分内に少なくとも器具の画像を含む当該表示ステップと、前記表示されたリアルタイムに追跡された組織画像に対応する前記少なくとも一つの対応する造影超音波画像の多断面再構成(CEUS MPR)を表示するステップとを有し、CEUS MPR画像は前記基準3D CEUSボリュームから得られた造影MPR画像を含み、関心ターゲットボリュームを含み、これにより、造影の有効な寿命の満了に少なくとも続く介入のナビゲーションのために有効な造影画像情報及び組織画像情報の同時の表示を提供する、3D造影超音波(CEUS)イメージングを使用する介入のナビゲーションのための方法。
【請求項19】
(i)器具での介入の治療を受ける生体構造の所望の部分のための追跡情報及び基準3D CEUSボリュームを獲得する超音波画像形成デバイスであって、当該超音波画像形成デバイスは、前記生体構造の所望の部分に投与される造影剤の有効な寿命の間に、前記基準3D CEUSボリューム及び追跡情報を獲得するように更に設定され、(ii)介入の治療の間、リアルタイムに追跡された組織画像を獲得し、(iii)前記基準3D CEUSボリューム及び追跡情報の関数として、介入の治療の間、獲得されたリアルタイムに追跡された組織画像の少なくとも一つの画像に対して少なくとも一つの対応する造影超音波画像の多断面再構成(CEUS MPR)を生成する当該超音波画像形成デバイスと、当該超音波画像形成デバイスに結合され、(i)前記獲得されたリアルタイムに追跡された組織画像を表示するディスプレイであって、表示されたリアルタイムに追跡された組織画像が前記生体構造の所望の部分内に少なくとも器具の画像を含み、(ii)前記表示されたリアルタイムに追跡された組織画像に対応する前記少なくとも一つの対応する造影超音波画像の多断面再構成(CEUS MPR)を表示する当該ディスプレイとを有し、CEUS MPR画像が前記基準3D CEUSボリュームから得られた造影MPR画像を含み、関心ターゲットボリュームを含み、これにより造影の有効な寿命の満了に少なくとも続く介入のナビゲーションのために有効な造影画像情報及び組織画像情報の同時の表示を提供する、3D造影超音波(CEUS)イメージングを使用する介入のナビゲーションのためのシステム。
【請求項20】
器具での介入の治療を受ける生体構造の所望の部分のための追跡情報及び基準3D CEUSボリュームを獲得する獲得ステップであって、当該獲得ステップは前記生体構造の所望の部分に投与される造影剤の有効な寿命の間に起こる当該獲得ステップと、介入の治療の間、リアルタイムに追跡された組織画像を獲得するステップと、獲得された追跡された3Dリアルタイムの超音波コントラスト画像と組織画像との少なくとも一つの対の関数として、最大値投影(MIP)を生成するステップと、獲得されたリアルタイムに追跡された3D組織画像の少なくとも一つの画像の最大値投影(MIP)を表示する表示ステップであって、表示されたリアルタイムに追跡された組織画像MIPが、前記生体構造の所望の部分内に少なくとも前記器具の画像を含む当該表示ステップと、少なくとも一つの獲得されたリアルタイムに追跡された3D組織画像の表示されたMIPに対応する少なくとも一つの対応する造影超音波画像最大値投影(CEUS MIP)を表示する表示ステップであって、CEUS MIP画像は、関心ターゲットボリュームからの造影MIP画像を含み、これにより、造影の有効な寿命の満了に少なくとも続く介入のナビゲーションのために有効な同時の表示を提供する当該表示ステップと、表示されたリアルタイムに追跡された組織画像に対応する少なくとも一つの対応する造影超音波画像の多断面再構成(CEUS MPR)を表示するステップとを有し、CEUS MPR画像は、前記基準3D CEUSボリュームから得られた造影MPR画像を含み、関心ターゲットボリュームを含み、これにより、造影の有効な寿命の満了に少なくとも続く介入のナビゲーションのために有効な造影画像情報及び組織画像情報の同時の表示を提供する、3D造影超音波(CEUS)イメージングを使用する介入のナビゲーションのための方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−502687(P2011−502687A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−533703(P2010−533703)
【出願日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際出願番号】PCT/IB2008/054769
【国際公開番号】WO2009/063423
【国際公開日】平成21年5月22日(2009.5.22)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】