説明

5−ヒドロキシトリプタミン−6リガンドとしてのヘテロサイクリル−3−スルホニルインダゾール

本発明は、式Iで示される化合物および5−HT6受容体に関連するか、あるいは影響を受ける障害の治療のおけるその使用に関する。


【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
発明の背景
セロトニン(5−ヒドロキシトリプタミン)(5−HT)受容体は、ヒトおよび動物における多くの生理機能および行動機能において臨界的な役割を果たす。これらの機能には、体中に分布した種々の5−HT受容体が介在している。現在、約15種のヒト5−HT受容体サブタイプがクローン化されており、その多くはヒトにおいて明確な役割を有する。最近同定された5−HT受容体サブタイプの1つが5−HT6受容体であり、まず、1993年にラット組織からクローン化され(Monsma, F. J.; Shen, Y.; Ward, R. P.; Hamblin, M. W. Molecular Pharmacology 1993, 43, 320-327)、その後、ヒト組織からクローン化された(Kohen, R.; Metcalf, M. A.; Khan, N.; Druck, T.; Huebner, K.; Sibley, D. R. Journal of Neurochemistry 1996, 66, 47-56)。該受容体はアデニル酸シクラーゼと積極的に結合するG−タンパク結合型受容体(GPCR)である(Ruat, M.; Traiffort, E.; Arrang, J-M.; Tardivel-Lacombe, L.; Diaz, L.; Leurs, R.; Schwartz, J-C. Biochemical Biophysical Research Communications 1993, 193, 268-276)。該受容体はラットおよびヒトの両方の中枢神経系(CNS)領域にてほとんど独占的に見られる。mRNAを用いるラット脳における5−HT6受容体のインサイトゥハイブリダイゼーション研究は、線条体、側坐核、嗅結節および海馬体を包含する5−HT突起の領域に主として局在することを示す(Ward, R. P.; Hamblin, M. W.; Lachowicz, J. E.; Hoffman, B. J.; Sibley, D. R.; Dorsa, D. M. Neuroscience 1995, 64, 1105-1111)。
【0002】
入手可能な科学研究由来の直接的な効果および示唆に基づいて、5−HT6リガンドにはヒトにおいて多くの可能性のある治療的用途がある。これらの研究は該受容体の局在性、既知のインビボ活性を有するリガンドのアフィニティー、およびこれまでに行われた種々の動物研究を包含する。
【0003】
5−HT6受容体機能のモジュレーターの1つの可能性のある治療的用途は、アルツハイマーなどのヒト疾患における認識および記憶を向上させることにある。尾状核/被殻、海馬、側坐核および皮質を包含する前脳部における重要な構造において見出される受容体が高レベルであることは、これらの領域は記憶における極めて重要な役割を果たすことが知られているので、記憶および認識における該受容体の役割を示唆する(Gerard, C.; Martres, M.-P.; Lefevre, K.; Miquel, M.C.; Verge, D.; Lanfumey, R.; Doucet, E.; Hamon, M.; El Mestikawy, S. Brain Research, 1997, 746, 207-219)。既知の5−HT6受容体リガンドのコリン作動性伝達増幅能もまた、認識における使用の可能性を支持する(Bentley, J. C.; Boursson, A.; Boess, F. G.; Kone, F. C.; Marsden, C. A.; Petit, N.; Sleight, A. J. British Journal of Pharmacology, 1999, 126(7), 1537-1542)。研究により、既知の5−HT6選択的アンタゴニストが、ノルアドレナリン、ドーパミンまたは5−HTのレベルを上昇させることなく、前頭皮質におけるグルタミン酸塩およびアスパラギン酸塩レベルを有意に増加させることがわかった。記憶および認識に関与することが知られている神経化学物質のこの選択的増加は、5−HT6リガンドの認識における一の役割を強く示唆する(Dawson, L. A.; Nguyen, H. Q.; Li, P. British Journal of Pharmacology, 2000, 130(1), 23-26)。既知の選択的5−HT6アンタゴニストを用いる記憶10および学習の動物研究によりあるプラス効果が見出された(Rogers, D. C.; Hatcher, P. D.; Hagan, J. J. Society of Neuroscience, Abstracts 2000, 26, 680)。Further support for the role of a selective 5-HT6 ligand in cognition can be found in Woolley, M. L.; Marsden, C. A.; Sleight, A. J.;およびFone, K. C. F., Psychopharmacology, 2003, 170(4), 358-367。
【0004】
5−HT6リガンドの関連する可能性のある治療的用途は、子供および大人の両方における注意欠陥障害(ADD、注意欠陥多動性障害またはADHDともいう)の治療である。5−HT6アンタゴニストは黒質線条体ドーパミン経路の活性を亢進するようなので、また、ADHDは尾状核における異常と関連付けられるので(Ernst, M; Zametkin, A. J.; Matochik, J. H.; Jons, P. A.; Cohen, R. M. Journal of Neuroscience 1998, 18(15), 5901-5907)、5−HT6アンタゴニストは注意欠陥障害を軽減しうる。
【0005】
既知の治療的有用性を有するか、または既知の薬物に対する強い構造的類似性を有する種々のCNSリガンドのアフィニティーを試験する初期の研究は、統合失調症および鬱病の治療における5−HT6リガンドの一の役割を示唆する。例えば、クロザピン(効果的な抗精神病臨床薬)は5−HT6受容体サブタイプに対して高いアフィニティーを有する。また、いくつかの抗鬱臨床薬も同様に該受容体に対して高いアフィニティーを有し、該部位においてアンタゴニストとして作用する(Branchek, T. A.; Blackburn, T. P. Annual Reviews in PharmacologyおよびToxicology 2000, 40, 319-334)。
【0006】
さらに、ラットにおける近年のインビボ実験は、5−HT6モジュレーターが癲癇を含む運動障害の治療に有用である可能性のあることを示す(Stean, T.; Routledge, C.; Upton, N. British Journal of Pharmacology 1999, 127 Proc. Supplement 131P and Routledge, C.; Bromidge, S. M.; Moss, S. F.; Price, G. W.; Hirst, W.; Newman, H.; Riley, G.; Gager, T.; Stean, T.; Upton, N.; Clarke, S. E.; Brown, A. M. British Journal of Pharmacology 2000, 130(7), 1606-1612)。
【0007】
要約すると、上記の研究は、5−HT6受容体モジュレーター、すなわち、リガンドである化合物が、記憶、認識および学習の欠損に付随する疾患、例えば、アルツハイマー病および注意欠陥障害の治療;統合失調症などの人格障害の治療;行動障害、例えば、不安、鬱病および強迫障害の治療;パーキンソン病および癲癇などの運動または行動障害の治療;発作および頭部外傷などの神経変性に付随する疾患の治療;またはニコチン、アルコールおよび他の濫用物質に対する嗜癖を含む薬物嗜癖からの離脱を含む治療的適用に有用でありうることを強く示唆する。
【0008】
したがって、本発明の一の目的は、5−HT6受容体に関連するか、または該受容体によって影響される種々の中枢神経系障害の治療において治療剤として有用な化合物を提供することにある。
本発明のもう1つ別の目的は、5−HT6受容体に関連するか、または該受容体によって影響される中枢神経系障害の治療法および該障害の治療に有用な医薬組成物を提供することにある。
本発明の一の特徴は、提供される化合物をさらなる研究および5−HT6受容体の解明に使用できることである。
【0009】
発明の概要
本発明は、式I:
【化1】

[式中:
Aは、C、CRまたはNであり;
は、H、ハロゲン、CN、COR、OCO10、CO11、CONR1213、SO14、NR1516、OR17または、各々置換されていてもよい、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基であり;
は、置換されていてもよいC−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基、あるいは、橋頭にN原子有し、N、OまたはSから選択される1、2または3個の付加的なヘテロ原子を含有していてもよい、置換されていてもよい8−〜13−員の二環または三環系であり;
は、Hまたは、各々置換されていてもよい、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基であり;
は、Hまたは、各々置換されていてもよい、C−CアルキルまたはC−Cシクロアルキル基であり;
、RおよびRは、各々独立して、Hまたは、各々置換されていてもよい、C−CアルキルまたはC−Cシクロアルキル基であり;
mおよびpは、各々独立して、1、2または3の整数であり;
nは、1または2であり;
は、H、OHまたは置換されていてもよいC−Cアルコキシ基であり;
、R10、R11およびR17は、各々独立して、Hまたは、各々置換されていてもよい、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基であり;
12、R13、R15およびR16は、各々独立して、Hまたは置換されていてもよいC−Cアルキル基であるか、あるいはR12およびR13またはR15およびR16は、それらが結合している原子と一緒になって、O、NR18またはSOから選択される別のヘテロ原子を含有していてもよい、5−〜7−員環を形成し;
14は、各々置換されていてもよい、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基であり;
18は、Hまたは、各々置換されていてもよい、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基であり;
xは、0、1または2の整数であり;
【化2】

は、単結合または二重結合である]
で示される化合物もしくはその立体異性体またはその医薬上許容される塩を提供する。
【0010】
本発明は、また、中枢神経系障害の治療に有用な方法および組成物を提供する。
【0011】
発明の詳細な記載
5−ヒドロキシトリプタミン−6(5−HT6)受容体は、最近になって分子クローニングによって同定された受容体の1つである。精神医学において使用される広範囲に及ぶ治療用化合物の結合能は、脳内のその興味のある分布と結びついて、該受容体との相互作用能を有するか、または該受容体に影響を及ぼすことのできる新規化合物にて有意に関心を示す刺激となる。精神医学、認識機能異常、運動機能および調節、記憶、感情などにおける5−HT6受容体の潜在的な役割を理解するために有意な努力がなされている。そのために、5−HT6受容体の研究における助けとして、かつ、中枢神経系障害の治療において可能性のある治療薬として、5−HT6受容体に対して結合アフィニティーを示す化合物が真剣に求められている(例えば、C. Reavill and D. C. Rogers, Current Opinion in Investigational Drugs, 2001, 2(1):104-109, Pharma Press Ltdを参照のこと)。
【0012】
意外にも、この度、式Iで示されるヘテロサイクリル−3−スルホニルインダゾールが、有意なサブタイプ選択性を伴う5−HT6アフィニティーを示すことが見出された。有利には、該式Iのインダゾールは、5−HT6受容体が関連するか、または影響する中枢神経系(CNS)障害の治療用の効果的な治療剤である。したがって、本発明は、式I:
【化3】

[式中:
Aは、C、CRまたはNであり;
は、H、ハロゲン、CN、COR、OCO10、CO11、CONR1213、SO14、NR1516、OR17または、各々置換されていてもよい、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基であり;
は、置換されていてもよいC−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリール基、あるいは、橋頭にN原子有し、N、OまたはSから選択される1、2または3個の付加的なヘテロ原子を含有していてもよい、置換されていてもよい8−〜13−員の二環または三環系であり;
は、Hまたは、各々置換されていてもよい、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基であり;
は、Hまたは、各々置換されていてもよい、C−CアルキルまたはC−Cシクロアルキル基であり;
、RおよびRは、各々独立して、Hまたは、各々置換されていてもよい、C−CアルキルまたはC−Cシクロアルキル基であり;
mおよびpは、各々独立して、1、2または3の整数であり;
nは、1または2の整数であり;
は、H、OHまたは置換されていてもよいC−Cアルコキシ基であり;
、R10、R11およびR17は、各々独立して、Hまたは、各々置換されていてもよい、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基であり;
12、R13、R15およびR16は、各々独立して、Hまたは置換されていてもよいC−Cアルキル基であるか、あるいは、R12およびR13またはR15およびR16は、それらが結合している原子と一緒になって、O、NR18またはSOから選択される別のヘテロ原子を含有していてもよい、5−〜7−員環を形成し;
14は、各々置換されていてもよい、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基であり;
18は、Hまたは、各々置換されていてもよい、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基であり;
xは、0、1または2の整数であり;
【化4】

は、単結合または二重結合である]
で示される1−ヘテロサイクリル−3−スルホニルインダゾール化合物もしくはその立体異性体またはその医薬上許容される塩を提供する。
【0013】
本明細書および請求項において用いられる場合、ハロゲンなる用語は、F、Cl、BrまたはIを意味し、シクロヘテロアルキルなる用語は、N、OまたはSから選択される、同じでも異なっていてもよい1または2個のヘテロ原子を含有し、1個の二重結合を含有していてもよい5〜7員のシクロアルキル環系を意味する。本明細書に示す用語に含まれるシクロヘテロアルキル環系の例としては、XがNR、OまたはSであり;RがHまたは以下に記載する任意の置換基である下記の環が挙げられる:
【化5】

【0014】
同様に、本明細書および請求項において用いられる場合、ヘテロアリールなる用語は、N、OまたはSから選択される同じであっても異なっていてもよい、1、2または3個のヘテロ原子を含有する、5〜7員の芳香環系を意味する。かかるヘテロアリール環系は、ピロリル、アゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、フリル、チエニル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、ベンズイソキサゾリル等を含む。アリールなる用語は、カルボサイクリック芳香環系、例えばフェニル、ナフチル、アントラセニル等を意味する。本明細書において用いられる場合、ハロアルキルなる用語は、同じであっても異なっていてもよい1〜2n+1個のハロゲン原子を有するC2n+1基を意味し、本明細書において用いられる場合、ハロアルコキシなる用語は、同じであっても異なっていてもよい1〜2n+1個のハロゲン原子を有するOC2n+1基を意味する。
【0015】
橋頭がN原子であり、N、OまたはSから選択される1、2または3個の付加的なヘテロ原子を含有していてもよい、8〜13員の二環または三環系の例としては、本明細書に示す用語に含まれる、WがNR、OまたはSであり;RがHまたは以下に記載する任意の置換基である、下記環系が挙げられる:
【化6】

【0016】
本明細書および請求項において用いられる場合、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリールまたはヘテロアリールなる用語が、置換されていてもよいと記載される場合、存在していてもよい置換基は、その構造/活性、持続性、吸収特性、安定性または他の有益な特性に影響を与える、医薬化合物の開発またはかかる化合物の修飾に一般的に用いられる、1またはそれ以上の置換基である。かかる置換基の特定の例としては、ハロゲン原子、ニトロ、シアノ、チオシアネート、シアネート、ヒドロキシル、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ホルミル、アルコキシカルボニル、カルボキシル、アルカノイル、アルキルチオ、アルキルスルフェニル、アルキルスルホニル、カルバモイル、アルキルアミノカルボニル、フェニルおよび置換フェニル(置換基は本明細書に定義するものである)、フェノキシ、ベンジル、ベンジルオキシ、ヘテロアリール、インドリル、ヘテロサイクリル(例えば、ヘテロアリール、シクロヘテロアルキル)またはシクロアルキル基が挙げられ、好ましくは、ハロゲン原子または低級アルキルまたは低級アルコキシ基である。典型的には、0〜3個の置換基が存在していてもよい。上記した置換基のいずれかがアルキル置換基を意味するか、または含有する場合、これは直鎖であっても分枝鎖であってもよく、12個まで、好ましくは6個まで、より好ましくは4個までの炭素原子を含有する。
【0017】
医薬上許容される塩は、式Iで示される化合物および医薬上許容される酸、例えばリン酸、硫酸、塩酸、臭化水素酸、クエン酸、マレイン酸、マロン酸、マンデル酸、コハク酸、フマル酸、酢酸、乳酸、硝酸、スルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等から形成される、いずれの酸付加塩であってもよい。
本発明の化合物は、エステル、カルバメートまたは本発明の化合物の機能的誘導体であり、インビボで本発明の活性基に容易に変換される、他の慣用的なプロドラッグを含む。同様に、本発明の方法は、式Iで示される化合物または特定の記載は無いが、投与された場合に、インビボで式Iで示される化合物に変換される化合物での、上記した種々の症状の治療を包含する。また、化合物が生体系に導入された場合に生産される活性種として定義される本発明の化合物の代謝物も含む。
【0018】
本発明の化合物は、1種またはそれ以上の立体異性体として存在することができる。この種々の立体異性体は、エナンチオマー、ジアステレオマー、アトロプ異性体および幾何異性体を含む。当業者には、1種の立体異性体が、他の立体異性体と比較して富む場合、または他の立体異性体から分離された場合、より活性でありうるか、または遊離な効果を示しうることは明らかだろう。加えて、当業者には、該立体異性体の分離方法、濃縮方法または選択的調整方法が知られている。したがって、本発明は、式Iで示される化合物、その立体異性体およびその医薬上許容される塩を範囲内に含む。本発明の化合物は、立体異性体の混合物、別個の立体異性体として、または光学活性形態または鏡像的に純粋な形態として存在しうる。
【0019】
の例としては、水素、置換されていてもよいフェニルにより置換されていてもよい、フェニルおよびC−Cアルキルが挙げられ、例えば、Rは、メチル、フェニルまたは3−クロロベンジルである。Aの例としてはNが挙げられる。Rの例としては、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、シアノフェニル、2、3または4−ハロフェニル、2−フェネチル、2−クロロ−4−フルオロフェニル、アミノフェニルおよびチエニルが挙げられる。Rの例としては、H、メチル、エチル、プロピルおよびフェネチルが挙げられる。
【0020】
本発明の好ましい化合物は、nが1である式Iで示される化合物である。好ましい化合物の他の群は、RがHまたは置換されていてもよいC−Cアルキル基である、式Iで示される化合物である。本発明の好ましい化合物のさらなる群は、Rが置換されていてもよいフェニル、ナフチルまたはヘテロアリール基である、式Iで示される化合物である。また、R、RおよびRがHである、式Iで示される化合物が好ましい。
【0021】
本発明のより好ましい化合物は、AがNであり、RがHまたは置換されていてもよいC−Cアルキル基である、式Iで示される化合物である。より好ましい化合物の他の群は、AがNであり;nが1であり、Rが置換されていてもよいフェニル、ナフチルまたはヘテロアリール基である、式Iで示される化合物である。さらにより好ましい本発明の化合物は、6−または7−員のアザサイクリック環が、5または7位でインダゾールに結合している、式Iで示される化合物である。
【0022】
本発明の好ましい化合物は:
5−(4−メチルピペラジン−1−イル)−3−(1−ナフチルスルホニル)−1H−インダゾール;
3−(1−ナフチルスルホニル)−5−ピペラジン−1−イル−1H−インダゾール;
1−(3−クロロベンジル)−5−(4−メチルピペラジン−1−イル)−3−(1−ナフチルスルホニル)−1H−インダゾール;
7−(4−メチルピペラジン−1−イル)−3−(フェニルスルホニル)−1H−インダゾール;
3−(フェニルスルホニル)−7−(4−プロピルピペラジン−1−イル)−1H−インダゾール;
3−(フェニルスルホニル)−7−ピペラジン−1−イル−1H−インダゾール;
5−(4−メチルピペラジン−1−イル)−3−(フェニルスルホニル)−1H−インダゾール;
3−(フェニルスルホニル)−5−(4−プロピルピペラジン−1−イル)−1H−インダゾール;
3−(フェニルスルホニル)−5−ピペラジン−1−イル−1H−インダゾール;
5−ピペラジン−1−イル−3−[(3−シアノフェニル)スルホニル]−1H−インダゾール;
7−(4−メチルピペラジン−1−イル)−3−[(2−フェネチル)スルホニル]−1H−インダゾール;
3−(1−ナフチルスルホニル)−7−(4−プロピルピペラジン−1−イル)−1H−インダゾール;
5−(4−フェネチルピペラジン−1−イル)−3−(1−ナフチルスルホニル)−1H−インダゾール;
5−(4−メチルピペラジン−1−イル)−3−(2−ナフチルスルホニル)−1H−インダゾール;
3−[(2−クロロ−4−フルオロフェニル)スルホニル]−5−ピペラジン−1−イル−1H−インダゾール;
1−メチル−3−(フェニルスルホニル)−5−ピペラジン−1−イル−1H−インダゾール;
1−フェニル−3−(フェニルスルホニル)−5−ピペラジン−1−イル−1H−インダゾール;
1−メチル−3−(フェニルスルホニル)−7−ピペラジン−1−イル−1H−インダゾール;
1−フェニル−3−(フェニルスルホニル)−7−(ピペラジン−1−イル)−1H−インダゾール;
7−ピペラジン−1−イル−3−[(3−フルオロフェニル)スルホニル]−1H−インダゾール;
3−[(4−フルオロフェニル)スルホニル]−7−(4−メチルピペラジン−1−イル)−1H−インダゾール;
3−[(2−クロロフェニル)スルホニル]−7−ピペラジン−1−イル−1H−インダゾール;
3−[(4−アミノフェニル)スルホニル]−7−(ピペラジン−1−イル)−1H−インダゾール;
5−ピペラジン−1−イル−3−[(3−フルオロフェニル)スルホニル]−1H−インダゾール;
3−[(4−フルオロフェニル)スルホニル]−5−(4−メチルピペラジン−1−イル)−1H−インダゾール;
3−[(2−クロロフェニル)スルホニル]−5−(4−プロピルピペラジン−1−イル)−1H−インダゾール;
3−[(4−アミノフェニル)スルホニル]−5−ピペラジン−1−イル−1H−インダゾール;
3−[(5−クロロチエン−2−イル)スルホニル]−5−ピペラジン−1−イル−1H−インダゾール;
3−[(5−クロロチエン−2−イル)スルホニル]−7−ピペラジン−1−イル−1H−インダゾール;
4−クロロ−3−(フェニルスルホニル)−7−ピペラジン−1−イル−1H−インダゾール;
5−フルオロ−3−(フェニルスルホニル)−7−ピペラジン−1−イル−1H−インダゾール;
6−フルオロ−3−(フェニルスルホニル)−7−ピペラジン−1−イル−1H−インダゾール;
4−クロロ−3−(フェニルスルホニル)−5−ピペラジン−1−イル−1H−インダゾール;
7−フルオロ−3−(フェニルスルホニル)−5−ピペラジン−1−イル−1H−インダゾール;
6−フルオロ−3−(フェニルスルホニル)−5−ピペラジン−1−イル−1H−インダゾール;
6−(4−フェネチルピペラジン−1−イル)−3−(フェニルスルホニル)−1H−インダゾール;
6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−3−(フェニルスルホニル)−1H−インダゾール;
6−(4−プロピルピペラジン−1−イル)−3−(フェニルスルホニル)−1H−インダゾール;
3−(フェニルスルホニル)−6−ピペラジン−1−イル−1H−インダゾール;
4−ピペラジン−1−イル−3−(フェニルスルホニル)−1H−インダゾール;
4−(4−メチルピペラジン−1−イル)−3−(フェニルスルホニル)−1H−インダゾール;
4−(4−プロピルピペラジン−1−イル)−3−(フェニルスルホニル)−1H−インダゾール;
3−(フェニルスルホニル)−4−ピペラジン−1−イル−1H−インダゾール;
3−[(5−クロロチエン−2−イル)スルホニル]−5−ピペリジン−1−イル−1H−インダゾール;
3−[(5−クロロチエン−2−イル)スルホニル]−7−ピペリジン−1−イル−1H−インダゾール;
1−メチル−3−(フェニルスルホニル)−5−ピペリジン−1−イル−1H−インダゾール;
3−[(3−フルオロフェニル)スルホニル]−5−ピペリジン−1−イル−1H−インダゾール;
1−メチル−3−(フェニルスルホニル)−7−(4−メチルピペリジン−1−イル)−1H−インダゾール;
3−[(3−フルオロフェニル)スルホニル]−7−ピペリジン−1−イル−1H−インダゾール;
3−[(3−フルオロフェニル)スルホニル]−5−ピペリジン−1−イル−1H−インダゾール;
3−(フェニルスルホニル)−5−ピペリジン−1−イル−1H−インダゾール;
1−メチル−3−[(3−フルオロフェニル)スルホニル]−7−ピペリジン−1−イル−1H−インダゾール;
3−(フェニルスルホニル)−7−ピペリジン−1−イル−1H−インダゾール;
もしくはその立体異性体またはその医薬上許容される塩を含む。
【0023】
本発明は、また、式(I)で示される化合物またはその塩の製造方法であって、下記工程:
(a) 式(VIIA):
【化7】

[式中、波線、m、n、p、A、R、R、R、R、RおよびRは、上記と同意義である]
で示される化合物を、例えば、NaNO/酸でジアゾ化し、環化して、Rが水素である式(I)で示される化合物を得ること;
または
【0024】
(b) 式(IA):
【化8】

[式中、波線、m、n、p、A、R、R、R、RおよびRは、上記と同意義であり、Pは保護基またはRであり、ここに、Rは、水素を除いて上記と同意義である]
で示される保護化合物を、LGが脱離基であり、Rが、各々置換されていてもよい、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基である式R−LGで示されるアルキル化またはアリール化剤で、アルキル化またはアリール化し;要すれば、保護基を除去して、Rが、各々置換されていてもよい、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基である対応する式(I)で示される化合物を得ること;
または
【0025】
(c) 式(IB):
【化9】

[式中、波線、m、n、p、A、R、R、R、R、RおよびRは、上記と同意義である]
で示される化合物を、LGが、各々置換されていてもよい脱離基であり、RがC−CアルキルまたはC−Cシクロアルキル基である式R−LGで示されるアルキル化剤でアルキル化して、Rが、各々置換されていてもよい、C−CアルキルまたはC−Cシクロアルキル基である対応する式(I)で示される化合物を得ること;
または
【0026】
(d) 式(XII):
【化10】

[式中、m、R、RおよびRは、上記と同意義であり、LG’は脱離基、例えば、Cl、Br、Iまたは活性化ヒドロキシル基、例えばトリフラートである]
で示される化合物を、式(V):
【化11】

[式中、n、p、R、R、RおよびRは、上記と同意義である]
で示される化合物と、触媒、例えばパラジウムまたはニッケル触媒の存在下で反応させて、対応する式(I)で示される化合物を得ること;
または
【0027】
(e) 式(XVI):
【化12】

[式中、m、n、p、R、R、R、RおよびRは、上記と同意義であり、Pは保護基または上記と同意義であるRであり、P’は保護基または上記と同意義であるRである]
で示される化合物を還元し、要すれば、保護基を除去して、AがCHである対応する式(I)で示される化合物を得ること;
または
【0028】
(f) 式(XV):
【化13】

[式中、m、n、p、R、R、R、RおよびRは、上記と同意義であり、Pは保護基または上記と同意義であるRであり、P’は保護基または上記と同意義であるRである]
で示される化合物を酸性化し、要すれば、保護基を除去して、AがCであり、
【化14】

が二重結合である、対応する式(I)で示される化合物を得ること;
または
【0029】
(g)上記した式(I)で示される塩基性化合物を、その酸付加塩に変換すること、またはその逆;
または
【0030】
(h)その混合物から式(I)で示される化合物の立体異性体を分離すること;
の1つを含む方法を提供する。
【0031】
特に、本発明の化合物は、慣用的な合成方法、要すれば、標準的な分離法または単離法を用いて、慣用的に調製することができる。例えば、AがNであり;RがHであり;
【化15】

が単結合である式Iで示される化合物(Ia)は、式IIで示されるハロニトロベンゼン化合物を、式IIIで示されるクロロメチルスルホンと、強塩基、例えばKO−t−BuまたはKOHの存在下で反応させることにより調製して、式IVで示されるベンジルスルホニル化合物を得;該式IVの化合物を、式Vで示されるピペラジンまたはホモピペラジンと、塩基、例えばKCOの存在下で反応させて、式VIで示される化合物を得;該式VIの化合物を、還元剤、例えばSn、FeまたはZnと、酸の存在下で反応させて、式VIIで示される対応するアミンを得;該アミンを、NaNOと、酸の存在下で反応させて、式Iaで示される所望の化合物を得る。反応を、HalがClまたはFを意味する、流れ図Iで説明する。
【0032】
【化16】

【0033】
がH以外である、式Iaで示される化合物を、慣用的なアルキル化/脱保護法を用いて調製する。例えば、AがNであり;RがH以外であり;
【化17】

が単結合である式Iで示される化合物(Ib)は、式VIIIで示される保護化合物を、式IXで示されるアルキル化剤と、塩基および溶媒の存在下、任意に相間移動剤の存在下で反応させることにより調製して、式Xで示されるアルキル化化合物を得、該式Xの化合物を脱保護して、所望のRがHである式Ibで示される化合物を得ることにより調製することができる。別法として、Rがアリールまたはヘテロアリール基である化合物に関しては、式IXで示される薬剤は、アリールまたはヘテロアリールボロン酸であってもよく、式VIIIのインダゾールと、触媒、例えば、Cu(OCOCHの存在下でカップリングさせて、Rがアリールまたはヘテロアリール基である、式Xで示される対応する保護化合物を得ることができる。所望により、式Ibの化合物は、式XIで示されるアルキル化剤と、標準的なアルキル化条件下で反応させて、RがH以外である式Ibで示される化合物を得ることができる。要すれば、順番を、式VIIIの化合物を脱保護し、RおよびRがHである式Iaで示される化合物(Ic)を得ることができ、式Icの化合物を式XIのアルキル化剤と反応させて、式Idで示される化合物を得ることにより、逆にすることができる。所望により、式Idの化合物を、式IXのアルキル化剤、例えば上記したものと反応させて、式Ibで示される化合物を得ることができる。反応を、Pが保護基であり、LGが脱離基、Cl、Br、I、OH、B(OH)、トシル、メシルである、流れ図IIに示す。
【0034】
【化18】

【0035】
別法として、式Ibで示される化合物は、式XIIで示されるインダゾール化合物から、該式XIIの化合物を、式Vで示される適当なピペラジンまたはホモピペラジン化合物と、触媒、例えばパラジウムまたはニッケル触媒の存在下でカップリングさせることにより直接調製することができる。反応を、LG’が、脱離基、例えばCl、Br、Iまたは活性化ヒドロキシル基、例えばCFSO(トリフラート)である流れ図IIIで説明する。
【0036】
【化19】

【0037】
式VIIIで示される化合物は、また、式XIIIで示される保護3−ヨウドインダゾールを、式XIVで示されるスルフィン酸ナトリウムと、ヨウ化銅およびジエチルホルムアミド(DMF)の存在下で反応さえて、式VIIIで示される所望の化合物を得ることにより、または式XIIIの化合物を、式XVで示されるチオールと、ヨウ化銅および塩基、例えばKCOの存在下で反応させて、式XVIで示されるチオエーテルを得、該式XVIの化合物を参加して、式VIIIで示される化合物を得ることにより調製することができる。反応を、Pが保護基である流れ図IVにおいて説明する。
【0038】
【化20】

【0039】
がHである式XIIIで示される化合物(XIIIa)は、式XVIIで示されるジハロベンズアルデヒドを、R4が保護基である式Vで示されるピペラジンまたはホモピペラジン化合物(Va)と反応させて、式XVIIIで示されるオルトハロベンズアルデヒド化合物を得、式XVIIIの化合物を、ヒドラジン水和物と反応させて、式XIXで示されるインダゾールを得、式XIXのインダゾールをヨウ素と、塩基、例えばKOHの存在下で反応させて、所望の式XIIIaの化合物をえることにより調製することができる。反応を、Pが保護基であり、HalがF、Cl、BrまたはI、好ましくは、Fである流れ図Vにおいて説明する。
【0040】
【化21】

【0041】
nが1であり、R、RおよびRがHである式XIIIで示される化合物(XIIIb)は、式XXで示されるインダゾールアミンを、ジ(2−クロロエチル)アミン塩酸塩と反応させて、式XXIで示される対応するピペラジニルインダゾールを得、該式XXIの化合物を保護し、保護した式XXIの化合物をヨウ素と、塩基、例えばKOHの存在下で反応させて、式XIIIbで示される所望の化合物を得ることにより調製することができる。反応を、Pが保護基である流れ図VIにおいて説明する。
【0042】
【化22】

【0043】
XIIIaおよびXIIIbで示される化合物は、流れ図IIおよびIIIに示される式Ia、IbまたはIcで示される化合物に変換することができる。
AがCRである本発明の対応する化合物は、例えば、式XXIIで示される保護ブロモインダゾールをリチウム化し、リチウム化化合物をその系で、式XXIIIで示されるN−保護アザサイクリックケトンと反応させて、式XXIVで示される保護ヒドロキシ化合物を得、ついで、該ヒドロキシ化合物を脱水して、式XXVで示される化合物を得ることにより得ることができる。該式XXVの化合物を触媒水素化し、続いて脱保護して、AがCRであり;RおよびRがHであり;
【化23】

が単結合である式Iで示される所望の化合物(Id)を得ることができる。反応順序を、PおよびP’が、各々独立して、保護基である流れ図VIIに示す。
【0044】
【化24】

【0045】
上記した流れ図IIに示される方法を用いて、式XXIV、XXVおよびIdで示される化合物は、AがCRであり、RまたはRがH以外である式Iで示される化合物に容易に変換することができる。
別法として、AがCまたはCRであり、RがHである式Iで示される化合物(Ie)は、式IIIで示されるクロロメチルスルホニル化合物を、式XXVIで示されるニトロベンゼン誘導体と、強塩基、例えばKO−t−BuまたはKOHの存在下で反応させて、式XXVIIで示される化合物を得;該式XVIIの化合物を、還元剤、例えばSn、FeまたはZnで、酸の存在下で還元して、式XXVIIIで示される対応するアミンを得;該アミンをNaNOと、酸の存在下で反応させて、式Ieで示される所望のインダゾール化合物を得ることにより調製することができる。反応を流れ図VIIIに示す。
【0046】
【化25】

【0047】
式Ieで示される化合物は、該式Ieの化合物を流れ図IIに上記したようにアルキル化と反応させることにより、AがCまたはCRであり、RがH以外である式Iで示される対応する化合物に変換することができる。
【0048】
上記した反応において用いられる適当な保護基は、t−ブチルオキシカルボニル、ベンジル、アセチル、ベンジルオキシカルボニルまたは、標準的な合成法において、塩基性窒素を保護ために知られているいずれもの慣用的な基を含む。
【0049】
有利には、本発明の式Iの化合物は、運動、感情、性格、行動、精神医学、認識、神経変性などの障害を包含する5−HT6受容体に関連するか、または該受容体によって影響されるCNS障害、例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、注意欠陥障害、不安、癲癇、鬱病、強迫障害、睡眠障害、神経変性障害(例えば、頭部外傷または発作)、摂食障害(例えば、食欲不振または病的飢餓)、統合失調症、記憶喪失、薬物またはニコチン濫用からの離脱に付随する障害など、または過敏性腸症候群などの特定の胃腸障害の治療に有用である。したがって、本発明は、治療上有効量の上記のような式Iの化合物を治療の必要な患者に投与することを特徴とする、該患者において5−HT6受容体に関連するか、または該受容体によって影響される中枢神経系の障害の治療法を提供する。該化合物は、経口または非経口投与によって、または治療の必要な患者へ治療剤を有効に投与できることが知られているいずれかの一般的な方法で提供されうる。
【0050】
本発明に包含される化合物または物質を与えることに関して本明細書で用いられる「与える」なる用語は、かかる化合物または物質を直接投与すること、または体内で同量の化合物または物質を形成するプロドラッグ、誘導体またはアナログを投与することを示す。
【0051】
特定のCNS障害の治療において投与される治療的に有効な量は、治療する特定の症状、患者の大きさ、年齢および反応パターン、障害の重度、かかりつけの医者の判断により変化しうる。一般的には、1日の経口投与の有効量は、約0.01〜1,000mg/kg、好ましくは、約0.5〜500mg/kgであり、非経口投与の有効量は、約0.1〜100mg/kg、好ましくは、約0.5〜50mg/kgである。
【0052】
実務において、本発明の化合物は、化合物またはその前駆体を固体または液体形態で、ニートまたは1種またはそれ以上の慣用的な医薬担体または賦形剤と組み合わせて投与することにより与えられる。
【0053】
したがって、本発明は、医薬上許容される担体および有効量の上記した式Iで示される化合物を含む医薬組成物を提供する。
【0054】
本発明の組成物において用いられる適当な固体担体は、フレーバー剤、滑沢剤、溶解剤、懸濁化剤、充填剤、流動促進剤、圧搾補助剤、結合剤、錠剤−崩壊剤またはカプセル化物質としても作用しうる1種またはそれ以上の物質を含む。粉末において、担体は、微粉化された式Iで示される化合物と混合する、微粉化された固体であってもよい。錠剤において、式Iの化合物は、必要な圧搾特性を有する担体を適当な割合で混合し、望ましい形態および大きさに圧搾する。該粉末および錠剤は、99重量%までの式Iの化合物を含有する。本発明の組成物において用いるのに適当な固体担体は、リン酸化カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、ラクトース、デキストリン、スターチ、ゼラチン、セルロース、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、低融点ワックスおよびイオン交換樹脂を含む。
【0055】
溶液、懸濁液、エマルジョン、シロップおよびエリキシルを調製するのに適した医薬上許容される液体担体は、本発明の組成物に含まれていてもよい。式Iで示される化合物は、医薬上許容される液体担体、例えば水、有機溶媒または医薬上許容される油または油脂あるいはその混合物中に溶解または懸濁化することができる。該液体組成物は、他の適当な医薬添加剤、例えば、溶解剤、乳化剤、緩衝液、保存剤、甘味料、フレーバー、懸濁化剤、増粘剤、着色剤、粘度調整剤、安定化剤、浸透圧調整剤を含有していてもよい。経口および非経口投与に適した液体担体の例としては、水(特に、上記した添加剤、例えば、セルロース誘導体、好ましくは、カルボキシメチルセルロースナトリウム溶液を含有する)、アルコール(一価アルコールおよび多価アルコール、例えば、グリコールを含む)もしくはその誘導体、または油(例えば、ヤシ油およびラッカセイ油)が挙げられる。非経口投与に関して、担体は、油性エステル、例えばオレイン酸エチルまたはミリスチン酸イソプロピルであってもよい。
【0056】
滅菌溶液または懸濁液である本発明の組成物は、筋肉内、腹腔内または皮下注射に適している。適当な溶液は、または、静脈内投与することができる。経口投与に適した本発明の組成物は、液体または固体組成物形態のいずれであってもよい。
【0057】
本発明をより明確に理解し、より明確に説明するために、特定の実施例を下記する。以下の実施例は、単に説明するものであって、いかなる点においても範囲を限定するものではない。
【0058】
特記しない限り、すべての割合は重量による割合である。NMRなる用語は、プロトン核磁気共鳴を意味する。THF、DMFおよびDMSOなる用語は、それぞれ、テトラヒドロフラン、ジエチルホルムアミドおよびジメチルスルホキシドを示す。化学式において、Phはフェニル基を示す。
【0059】
実施例1
1−ベンジル−4−(4−ニトロフェニル)ピペラジンの調製
【化26】

エタノール中の1−ベンジルピペラジン(8.81g、50.0mmol)、4−フルオロニトロベンゼン(5.31mL、50.0mmol)およびKCO(6.90g、50.0mmol)の撹拌溶液を、窒素雰囲気下還流温度で18時間加熱し、冷却し、水で希釈し、CHClで抽出する。合した抽出物をMgSOで乾燥し、減圧下で濃縮して、固体残渣を得る。固体を、20:80の酢酸エチル:ヘキサンでトリチュレートして、濾過する。濾過ケークを空気乾燥して、標題化合物を橙色結晶として得(8.45g(57%収率)、mp218−219℃)、NMRおよび質量スペクトル分析により特徴付ける。
【0060】
実施例2
1−ベンジル−4−{4−ニトロ−3−[(フェニルスルホニル)メチル]フェニル}ピペラジンの調製
【化27】

乾燥THF中の1−ベンジル−4−(4−ニトロフェニル)ピペラジン(5.95g、20.0mmol)およびクロロメチルフェニルスルホン(3.82g、20.0mmol)の撹拌溶液を、窒素雰囲気下、−60℃で、THF中の1.0MのKO−t−Bu(44.0mL、44.0mmol)で処理し、−20℃に1時間にわたって加温し、酢酸でクエンチし、連続して、水、飽和NaHCO水溶液およびエーテルで処理する。相を分離し、水相をエーテルで抽出する。合したエーテルを水およびブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、減圧下で濃縮する。得られた残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル、溶出液として1:1および1:0の酢酸エチル:ヘキサン)に付して、標題化合物を黄色固体として得(7.52g(83%収率)、mp145−146℃)、NMRおよび質量スペクトル分析により特徴付ける。
【0061】
実施例3
4−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)−2−[(フェニルスルホニル)メチル]アニリンの調製
【化28】

メタノールおよび濃塩酸中の1−ベンジル−4−{4−ニトロ−3−[(フェニルスルホニル)メチル]フェニル}ピペラジン(6.77g、15.0mmol)および粒状のスズ(7.48g、63.0mmol)の混合物を、45℃で4時間加熱し、大気圧で18時間撹拌し、注意深く飽和NaHCO水溶液に注ぎ、エーテルで処理し、0.5時間撹拌した。相を分離し、水相を連続してエーテルおよびCHClで抽出する。抽出物および有機相を合し、MgSOで乾燥し、減圧下で濃縮する。得られた残渣をCHCl中に溶解し、セライト(登録商標)により濾過する。濾液を減圧下で濃縮し、標題化合物を淡黄色固体として得(6.11g(97%収率)、mp141−143℃)NMRおよび質量スペクトル分析により特徴付ける。
【0062】
実施例4
5−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)−3−(フェニルスルホニル)−1H−インダゾール塩酸塩の調製
【化29】

4.0Mの塩酸中の4−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)−2−[(フェニルスルホニル)メチル]−アニリン(0.371g、0.88mmol)の撹拌溶液を、氷浴で冷却し、水中NaNO(91mg、1.32mmol)を滴下して処理し、40分間撹拌し、2.5MのNaOH水溶液で処理して、pH約14とし、濾過する。濾過ケークをCHCl中に溶解し、クロマトグラフィー(溶出液としてシリカゲル、酢酸エチル)に付して、標題生成物の遊離インダゾールを黄色固体として得る(276mg、64%)。固体をエタノールおよびCHClの混合物中に溶解し、ジオキサン中の4.0MのHClで処理し、減圧下で濃縮して、固体残渣を得る。残渣を酢酸エチルでトリチュレートして、標題生成物を灰白色固体として得(278mg(57%収率)mp177−180℃)、NMRおよび質量スペクトル分析により同定する。
【0063】
実施例5
5−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)−3−[(3−フルオロフェニル)スルホニル]−1H−インダゾール塩酸塩の調製
【化30】

上記した実施例2〜4の記載と実質的に同様の方法を用いて、クロロメチル−(3−フルオロフェニル)スルホンを用いて、標題化合物を灰白色固体として得(mp157−160℃)、NMRおよび質量スペクトル分析により同定する。
【0064】
実施例6
1−ベンジル−4−(3−メトキシ−4−ニトロフェニル)ピペラジンの調製
【化31】

DMF中の1−ベンジルピペラジン(3.53g、20.0mmol)、4−クロロ−3−メトキシ−ニトロベンゼン(3.75g、20.0mmol)およびKCO(2.76g、20.0mmol)の撹拌溶液を、窒素雰囲気下85℃〜100℃で23時間加熱し、室温に冷却し、2Mの塩酸で処理し、水で希釈し、エーテルで抽出する。合した抽出物を、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、減圧下で濃縮する。得られた残渣を、クロマトグラフィー(シリカゲル、抽出液として30:70の酢酸エチル:ヘキサンおよび50:50の酢酸エチル:ヘキサン)に付して、標題化合物を、黄色−橙色油として得(2.64g(57%収率))、NMR分析により同定する。
【0065】
実施例7
5−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)−6−メトキシ−3−(フェニルスルホニル)−1H−インダゾール塩酸塩の調製
【化32】

上記した実施例2〜4の記載と実質的に同様の方法を用い、1−ベンジル−4−(2−メトキシ−4−ニトロフェニル)ピペラジンを出発物質として用いて、標題化合物を淡黄色固体として得(70mg、mp185−187℃)、NMRおよび質量スペクトル分析により同定する。
【0066】
実施例8
5−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)−6−メトキシ−1−フェニル−3−(フェニル−スルホニル)−1H−インダゾール塩酸塩の調製
【化33】

塩化メチレン中の5−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)−6−メトキシ−3−(フェニルスルホニル)−1H−インダゾール(448mg、0.97mmol)、フェニルボロン酸(242mg、1.94mmol)、酢酸銅(II)(271mg、1.50mmol)、ピリジン(160mg、2.00mmol)および4/モレキュラーシーブ(1.0g)の混合物を、室温にて48時間撹拌し、濾過する。濾過ケークをTHFで洗浄する。濾液を合し、減圧下で濃縮する。得られた残渣を、クロマトグラフィー(シリカゲル、溶出液として60:40および80:20の酢酸エチル:ヘキサン)に付して、標題生成物の遊離アミンを白色固体として得る(130mg(25%収率))。遊離アミンをエタノール中に溶解し、ジオキサン中の4.0MのHClで処理し、減圧下で濃縮して、固体残渣を得る。この固体を酢酸エチルでトリチュレートして、標題生成物を白色固体として得(mp:210−212℃)、NMRおよび質量スペクトル分析により同定する。
【0067】
実施例9
6−メトキシ−1−フェニル3−(フェニルスルホニル)−5−ピペラジン−1−イル−1H−インダゾール塩酸塩の調製
【化34】

1,2−ジクロロエタン中の5−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)−6−メトキシ−1−フェニル−3−(フェニル−スルホニル)−1H−インダゾール(190mg、0.353mmol)および1−クロロエチルクロロホルメート(250mg、1.77mmol)の混合物を、還流温度で4時間撹拌し、室温に冷却し、濃縮して乾燥させる。得られた残渣をエタノールに溶解し、還流温度で16時間加熱し、減圧下で濃縮して、標題化合物を白色固体として得る(130mg、(82%収率))。この化合物を、エタノール/エーテルから再結晶して精製して、白色固体を得(mp167−170℃)、NMRおよび質量スペクトル分析により同定する。
【0068】
実施例10
6−メトキシ−3−(フェニルスルホニル)−5−(ピペラジン−1−イル)−1−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−1H−インダゾール塩酸塩の調製
【化35】

上記した実施例8および9の記載と実質的に同様の方法を用い、4−(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸を用いて、標題生成物をを白色固体として得(mp175−177℃)、NMRおよび質量スペクトル分析により同定する。
【0069】
実施例11
5−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)−1−メチル−3−(フェニルスルホニル)−1H−インダゾールの調製
【化36】

THF中の5−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)−3−(フェニルスルホニル)−1H−インダゾール(433mg、1.00mmol)の溶液を、室温にてNaH(80mg、鉱油中60%、2.00mmol)で処理し、0.5時間撹拌し、ヨウ化メチル(142mg、1.00mmol)で処理し、16時間撹拌し、水およびEtOAcで希釈する。有機相を分離し、MgSOで乾燥し、減圧下で濃縮する。得られた残渣を、クロマトグラフィー(SiO、溶出液として90:10のEtOAc:ヘキサン)に付して、標題化合物を白色固体として得(190mg(43%収率)、mp195−197℃)、質量スペクトルおよびNMR分析により同定する。
【0070】
実施例12
5−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)−1−エチル−3−(フェニルスルホニル)−1H−インダゾール二塩酸塩の調製
【化37】

DMF中の5−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)−3−(フェニルスルホニル)−1H−インダゾール(400mg、0.92mmol)、ブロモエタン(108mg、1.00mmol)およびKCO(276mg、2.00mmol)の混合物を、16時間室温にて撹拌し、水およびEtOAcで希釈する。有機相を分離し、MgSOで乾燥し、減圧下で濃縮する。得られた残渣を、クロマトグラフィー(SiO、溶出液として80:20、ついで、90:10のEtOAc:ヘキサン)に付して、標題生成物の遊離アミンを白色固体として得る(230mg)。この固体の一部(115mg、0.25mmol)をエタノール中に溶解し、ジオキサン中の4MのHClで処理し、減圧下で濃縮して、標題化合物を白色固体として得(mp>250℃)、質量スペクトルおよびNMR分析により同定する。
【0071】
実施例13−93
3−アリールスルホニル−5−ピペラジニルインダゾール誘導体の調製
【化38】

上記した実施例2−12の記載と実質的に同様の方法を用い、基質として適当な4−ニトロフェニルピペラジンを、および反応物質として適当なクロロメチルアリールスルホンを用いて、表1に示す化合物を得、HNMRおよび質量スペクトル分析により同定する。
【0072】
【表1−1】

【0073】
【表1−2】

【0074】
【表1−3】

【0075】
【表1−4】

【0076】
実施例94
1−(5−クロロ−2−ニトロフェニル)−4−メチルピペラジンの調製
【化39】

DMF中の4−クロロ−2−フルオロ−ニトロベンゼン(28.5mmol)、1−メチルピペラジン(28.5mmol)およびKCO(37.0mmol)の混合物を、100℃で16時間撹拌し、水およびEtOAcで希釈する。相を分離し、水相をEtOAcで抽出する。有機相および抽出物を合し、連続して水およびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、および減圧下で乾燥する。得られた残渣をクロマトグラフィー(SiO、溶出液としてEtOAc中の10%メタノール)標題生成物を得る。
【0077】
実施例95
1−{5−クロロ−2−ニトロ−3−{[(4−フルオロフェニル)スルホニル]メチル}フェニル}−4−メチルピペラジンの調製
【化40】

THF中の1−(5−クロロ−2−ニトロフェニル)−4−メチルピペラジン(1.0mmol)および4−フルオロベンジルスルホニルクロライド(1.0mmol)の撹拌混合物を、−78℃で、THF中の2.2mLの1MのKOt−Bu(2.2mmol)溶液で処理し、2時間にわたって室温に加温し、酢酸でクエンチし、減圧下で濃縮する。得られた残渣をEtOAcおよびNaCO水溶液間で分配する。相を分離し、水相をEtOAcで抽出する。有機相を抽出物と合し、NaSOで乾燥し、濃縮して、減圧下で乾燥し、標題生成物を得る。
【0078】
実施例96
4−クロロ−2−{[(4−フルオロフェニル)スルホニル]メチル}−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)アニリンの調製
【化41】

メタノール中の4−クロロ−2−{[(4−フルオロフェニル)スルホニル]メチル}−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)アニリン(1.0mmol)の溶液を、Snホイル(593.3mg)、ついで、5.8mLの12MのHClで処理し、60℃で4時間加熱し(反応が薄層クロマトグラフィーにより完了したことが確認されるまで)、0℃に冷却し、固体NaOHで処理して、pH>10とし、CHClで抽出する。抽出物を合し、水で洗浄し、濃縮して、減圧下で乾燥して、標題化合物を得る。
【0079】
実施例97 5−クロロ−3[(4−フルオロフェニル)スルホニル]−7−(4−メチルピペラジン−1−イル)−1H−インダゾールの調製
【化42】

水中のNaNO(2.0mg)の溶液を、0℃で、1MのHCl中の4−クロロ−2−{[(4−フルオロフェニル)スルホニル]メチル}−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)アニリン(102.2mg、0.25mmol)の溶液で滴下し、2時間にわたって室温に加温し、飽和NaCOで処理して、pH>10とし、濾過する。濾過ケークを水で洗浄し、減圧下で乾燥して、標題化合物を得、質量スペクトルおよびNMR分析により同定する。
【0080】
実施例98−101
3(アリールスルホニル)−7−(4−メチルピペラジン−1−イル)−1H−インダゾール誘導体の調製
【化43】

上記した実施例95−97の記載と実質的に同様の方法を用い、適当なアリールスルホニルクロライドを用いて、表IIに示す化合物を得、質量スペクトルおよびNMR分析により同定する。
【0081】
【表2】

【0082】
実施例102
1−フルオロ−3−[4−(t−ブトキシカルボニル)ピペラジン−1−イル]ベンズアルデヒドの調製
【化44】

N,N−ジメチルホルムアミド中の2,6−ジフルオロベンズアルデヒド5(10.0g、70mmol)の撹拌溶液を、ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(Boc)6(14.4g、77.0mmol)および炭酸カリウム(11.7g、85.0mmol)で処理し、80℃で16時間撹拌し、常温に冷却し、水で希釈し、塩化メチレンで抽出する。抽出物を合し、連続して水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮して、粗油を得る。この油を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、15:85の酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、標題化合物を黄色固体として得(15.5g(71%収率))、NMRおよび質量スペクトル分析により同定する。
【0083】
実施例103
4−[4−(t−ブトキシカルボニル)ピペラジン−1−イル]−1H−インダゾールの調製
【化45】

メチルスルホキシド中の7(20.0g、64.9mmol)およびヒドラジン一水和物(30mL)の溶液を、95℃で96時間撹拌し、室温に冷却し、飽和炭酸水素ナトリウムおよびエーテル間で分配する。相を分離し、水相をエーテルで抽出する。抽出物を有機相と合し、連続して水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮して、粗残渣を得る。この残渣を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、10:90〜30:70の酢酸エチル/ヘキサン)に付して、標題化合物を淡黄色固体として得(12.3g(57%収率))、NMRおよび質量スペクトル分析により同定する。
【0084】
実施例104
4−[4−(t−ブトキシカルボニル)ピペラジン−1−イル]−3−ヨウド−1H−インダゾールの調製
【化46】

N,N,−ジメチルホルムアミド中の4−[4−(t−ブトキシカルボニル)ピペラジン−1−イル]−1H−インダゾール(5.00g、16.5mmol)の溶液を、粉末水酸化カリウム(1.85g、33.07mmol)およびヨウ素(4.61g、18.2mmol)で処理し、室温にて16時間撹拌し、酢酸エチルで希釈し、15%のメタ重亜硫酸ナトリウム水溶液でクエンチする。相を分離し、水相を酢酸エチルで抽出する。抽出物および有機相を合し、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮して、粗固体を得る。この固体を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、10:90〜15:85〜20:80の酢酸エチル/ヘキサン)に付して、標題生成物を黄色固体として得(2.40g(35%収率))、HNMRおよび質量スペクトル分析により同定する。
【0085】
実施例105
4−[4−(t−ブトキシカルボニル)ピペラジン−1−イル]−3−(フェニルスルホニル)−1H−インダゾールの調製
【化47】

4−[4−(t−ブトキシカルボニル)ピペラジン−1−イル]−3−ヨウド−1H−インダゾール(0.110g、0.257mmol)、ベンゼンスルフィン酸ナトリウム(0.068g、0.411mmol)、ヨウ化銅(I)(0.073g、0.386mmol)およびN,N−ジメチルホルムアミドの混合物を、テフロンで被覆したセプタムを備えたスクリューキャップ試験管に加える。管を真空にし、アルゴンで満たす。この方法を2回繰り返し、ついで、管を125℃に4時間加熱する。反応混合物を冷却し、酢酸エチルおよび水間で分配し、珪藻土のパッドで濾過する。濾液を分離する。有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮する。得られた粗物質をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、40:60の酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、標題化合物を淡黄色泡沫体として得(0.022g(18%収率))、NMRおよび質量スペクトル分析により同定する。
【0086】
実施例106
3−(フェニルスルホニル)−4−ピペラジン−1−イル−1H−インダゾール塩酸塩の調製
【化48】

メタノール中の4−[4−(t−ブトキシカルボニル)ピペラジン−1−イル]−3−(フェニルスルホニル)−1H−インダゾール(0.022g、0.050mmol)の溶液を、エーテル(0.4mL)中の2MのHClの溶液で処理し、還流温度で1時間加熱し、室温に冷却し、蒸発させて乾燥する。残渣をメタノールに再溶解し、濃縮する。この操作を三回以上繰り返し、標題生成物を白色固体として得(0.009g(40%収率))、NMRおよび質量スペクトル分析により同定する。
【0087】
実施例107
4−[4−t−ブトキシカルボニル)ピペラジン−1−イル)−3−(1−ナフチルチオ)−1H−インダゾールの調製
【化49】

4−[4−(t−ブトキシカルボニル)ピペラジン−1−イル]−3−ヨウド−1H−インダゾール(0.068g、0.159mmol)、ヨウ化銅(I)(0.005g、0.024mmol)および炭酸カリウム(0.044g、0.318mmol)の混合物を、テフロンで被覆したセプタムを備えたスクリューキャップ試験管に加える。管を真空にし、アルゴンで満たし、この方法を2回以上繰り返す。反応混合物を、連続して、2−プロパノール(1.5mL)、エチレングリコール(19μL、0.318mmol)および1−ナフタレンチオール(0.051g、0.318mmol)で処理し、130〜140℃で8時間加熱し、室温に冷却し、酢酸エチルで希釈し、珪藻土で濾過する。濾液を減圧下で濃縮する。得られた粗物質を、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、40:60の酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、標題化合物を無色の油として得(0.033g(45%収率))、NMRおよび質量スペクトル分析により同定する。
【0088】
実施例108
4−[4−(t−ブトキシカルボニル)ピペラジン−1−イル]−3−(1−ナフチルスルホニル)−1H−インダゾールの調製
【化50】

氷酢酸中の4−[4−t−ブトキシカルボニル)ピペラジン−1−イル)−3−(1−ナフチルチオ)−1H−インダゾール(0.030g、0.065mmol)の撹拌溶液を、35%の過酸化水素水(0.127g、1.30mmol)で処理し、24時間撹拌し、10%のメタ重亜硫酸ナトリウム溶液(1mL)でクエンチし、減圧下で濃縮する。得られた固体を、直接メタノール(10mL)中の10%の炭素担持パラジウム(3mg)に加え、混合物をParr水素化装置で、40psiの水素雰囲気下2時間振盪させ、珪藻土で濾過する。濾液を減圧下で濃縮する。得られた粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、30:70の酢酸エチル/ヘキサン)により精製し、標題化合物を、無色の油として得(0.011g(35%収率))、NMRおよび質量スペクトル分析により同定する。
【0089】
実施例109
3−(1−ナフチルスルホニル)−4−ピペラジン−1−イル−1H−インダゾール塩酸塩の調製
【化51】

上記した実施例106の記載と実質的に同様の方法を用い、基質として4−[4−(t−ブトキシカルボニル)ピペラジン−1−イル]−3−(1−ナフチルスルホニル)−1H−インダゾールを用いて、標題生成物を淡黄色固体として得((74%収率)、mp220℃で分解)、NMRおよび質量スペクトル分析により同定する。
【0090】
実施例110−114
3−(アリールスルホニル)−4−ピペラジン−1−イル−1H−インダゾール塩酸塩誘導体の調製
【化52】

上記した実施例102〜109の記載と実質的に同様の方法を用い、適当なアリールチオールまたはアリールスルフィナートを用いて、表IIIに示す化合物を得、NMRおよび質量スペクトル分析により同定する。
【0091】
【表3】

【0092】
実施例115
6−[4−t−ブトキシカルボニル)ピペラジン−1−イル]−1H−インダゾールの調製
【化53】

n−ブタノール中の6−アミノインダゾール(13.3g、100mmol)の撹拌溶液を、ビス(2−クロロエチル)アミン塩酸塩(28.6g、160mmol)および炭酸カリウム(34.6g、250mmol)で処理し、還流温度で72時間加熱し、室温に冷却し、減圧下で濃縮する。1,4−ジオキサン中の得られた粗物質の撹拌溶液を、0℃で、1Nの水酸化ナトリウム溶液(200mL)およびジ−tert−ブチルジカルボナート(34.9g、160mmol)で処理し、大気圧で24時間撹拌し、減圧下で濃縮して、粗油を得る。この油を酢酸エチルおよび水間で分配する。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮する。さらにこの得られた残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、40:60の酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、標題化合物を無色の油として得(11.5g(38%収率))、NMRおよび質量スペクトル分析により同定する。
【0093】
実施例116
6−[4−t−ブトキシカルボニル)ピペラジン−1−イル]−3−ヨウド−1H−インダゾールの調製
【化54】

N,N−ジメチルホルムアミド中の6−[4−t−ブトキシカルボニル)ピペラジン−1−イル]−1H−インダゾール(7.20g、23.8mmol)の撹拌溶液を、0℃で、粉末水酸化カリウム(5.40g、95.4mmol)、ついで、N,N−ジメチルホルムアミド中のヨウ素(10.9g、42.9mmol)の溶液を滴下することにより処理し、大気圧で16時間撹拌し、酢酸エチルで希釈し、10%のメタ重亜硫酸ナトリウム水溶液でクエンチする。相を分離する。水相を酢酸エチルで抽出する。抽出物を有機相と合し、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮する。得られた粗物質を、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、30:70の酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、標題化合物黄色固体として得(11.5g(38%収率))、NMRおよび質量スペクトル分析により同定する。
【0094】
実施例117
6−[4−t−ブトキシカルボニル)ピペラジン−1−イル]−3−(フェニルスルホノイル)−1H−インダゾールの調製
【化55】

上記した実施例105の記載と実質的に類似の方法を用い、6−[4−t−ブトキシカルボニル)ピペラジン−1−イル]−3−ヨウド−1H−インダゾールおよびベンゼンスルフィン酸ナトリウムを用いて、標題化合物を無色の泡沫体として得(80%収率)、NMRおよび質量スペクトル分析により同定する。
【0095】
実施例118
3−(フェニルスルホニル)−6−ピペラジン−1−イル−1H−インダゾール塩酸塩の調製
【化56】

上記した実施例106の記載と実質的に類似の方法を用い、基質として6−[4−t−ブトキシカルボニル)ピペラジン−1−イル]−3−(フェニルスルホニル)−1H−インダゾールを用いて、標題化合物を灰白色固体として得(81%収率)、NMRおよび質量スペクトル分析により同定する。
【0096】
実施例119−124
3−(アリールスルフノイル)−6−ピペラジン−1−イル−1H−インダゾール塩酸塩化合物の調製
【化57】

上記した実施例117および118の記載と実質的に同様の方法を用い、適当なアリールスルフィナートを用いて、表IVに示す化合物を得、NMRおよび質量スペクトル分析により同定する。
【0097】
【表4】

【0098】
実施例125
6−[4−t−ブトキシカルボニル)ピペラジン−1−イル)−3−(1−ナフチルチオ)−1H−インダゾールの調製
【化58】

上記した実施例107の記載と実質的に同様の方法を用い、基質として6−[4−t−ブトキシカルボニル)ピペラジン−1−イル)−3−ヨウド−1H−インダゾールを用いて、標題化合物を無色の油として得(78%収率)、NMRおよび質量スペクトル分析により同定する。
【0099】
実施例126
6−[4−t−ブトキシカルボニル)ピペラジン−1−イル)−3−(1−ナフチルスルホニル)−1H−インダゾールの調製
【化59】

塩化メチレン中の6−[4−t−ブトキシカルボニル)ピペラジン−1−イル)−3−(1−ナフチルチオ)−1H−インダゾール(0.240g、0.521mmol)の撹拌溶液を、メタクロロペルオキシ安息香酸純度、0.350g、1.56mmol)および炭酸水素ナトリウム(0.219g、2.61mmol)で処理し、大気圧で16時間撹拌し、酢酸エチルおよび水間で分配する。相を分離し、水相を塩化メチレンで抽出する。抽出物および有機相を合し、連続して、10%の炭酸水素ナトリウム水溶液およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮して、粗油を得る。この油を、メタノール中の10%の炭素担持パラジウム40mg)、Parr水素化を、得られた粗物質を、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、50:50の酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、標題化合物を無色の油として得(0.106g(41%収率))、NMRおよび質量スペクトル分析により同定する。
【0100】
実施例127
3−(1−ナフチルスルホニル)−6−ピペラジン−1−イル−1H−インダゾール塩酸塩の調製
【化60】

上記した実施例106の記載と実質的に同様の方法を用い、基質として6−[4−t−ブトキシカルボニル)ピペラジン−1−イル)−3−(1−ナフチルスルホニル)−1H−インダゾール、標題生成物をを白色固体として得((98%収率)、mp205−210℃)、NMRおよび質量スペクトル分析により同定する。
【0101】
実施例128
試験化合物の5−HT6結合アフィニティーの比較評価
セロトニン5−HT6受容体に対する試験化合物のアフィニティーを下記の方法で評価する。ヒトクローン化5−HT6受容体を発現しているHela培養細胞を回収し、低速(1,000xg)で10.0分間遠心分離に付して培養培地を除去する。回収した細胞を半容量の新鮮な生理学的リン酸緩衝化セイライン溶液中に懸濁し、同じ速度で再度遠心分離に付す。この操作を繰り返す。ついで、集めた細胞を10容量の50mMトリスHCl(pH7.4)および0.5mM EDTA中でホモジナイズする。該ホモジネートを40,000xgで30.0分間遠心分離に付し、沈殿を集める。得られるペレットを10容量のトリスHClバッファー中に再懸濁し、同じ速度で再度遠心分離に付す。最終的なペレットを少量のトリスHClバッファー中に懸濁し、10−25μl容量のアリコートの組織タンパク質含量を測定する。Lowryら、J.Biol.Chem. 193:265(1951)に記載の方法にしたがって、ウシ血清アルブミンをタンパク測定における標体として用いる。懸濁液1ml中1.0mgの組織タンパク濃度になるように、懸濁した細胞膜の容量を調整する。調製した膜懸濁(10倍濃縮)を1.0ml容量のアリコートに分け、その後の結合実験に用いるまで−70℃で保存する。
【0102】
結合実験は、96ウェルマイクロタイタープレートフォーマットにおいて、全量200μlで行う。各ウェルに以下の混合物を加える:80.0μlのインキュベーションバッファー(10.0mM MgClおよび0.5mM EDTAを含有する50mMトリスHClバッファー(pH7.4))および20μlの[H]−LSD(S.A.,86.0Ci/ミリモル、AmershamLifeScience製、3.0nM)。ヒトセロトニン5−HT6受容体における[H]LSDの解離定数Kは、増加濃度の[H]LSDとの飽和結合によって決定する場合、2.9nMである。該反応は100.0μl組織懸濁の最終的な添加によって開始する。非特異的結合は10.0μMメチオテピン(methiothepin)の存在下に測定される。試験化合物を20.0μl容量で加える。
【0103】
該反応は、暗所中、室温で120分間進行させ、その時点で、PackardFiltermate(登録商標)196ハーベスターを用いて、結合したリガンド−受容体の複合体を96ウェル・ユニフィルター(unifilter)で濾過する。該フィルターディスク上に捕獲された結合複合体を風乾させ、40.0μlのMicroscint(登録商標)−20シンチラントを浅いウェルの各々に添加後、6個の光電子増倍管検出器を備えたPackardTopCount(登録商標)で放射能を測定する。該ユニフィルタープレートをヒートシールし、31.0%のトリチウム効率を有するPackardTopCount(登録商標)において計数する。
【0104】
5−HT6受容体に対する特異的結合は10.0μM非標識メチオテピンの存在下での結合量を減じた全結合放射活性として定義される。種々の濃度の試験化合物の存在下での結合を試験化合物不在下での特異的結合のパーセンテージとして表す。結果を対数結合%に対する試験化合物の対数濃度としてプロットする。データポイントをコンピューター援用プログラム(Prism(登録商標))を用いて非線形回帰分析に付し、95%信頼限界を有する試験化合物のIC50およびK値の両方を得た。
【0105】
試験化合物による置換量は、パーセント(%)阻害で与えられ、下記式:
【数1】

[式中、Bは、試験薬剤の存在下でのCPM結合量であり、NSBは、飽和濃度のディスプレーサーの存在下でのCPM結合であり、TBは、試験化合物のゼロ(0)濃度でのCPM結合の総量である]
から導かれる。
【0106】
別法として、データポイントの線形回帰線をプロットし、そこからIC50値を決定し、K値を下記の等式:
=IC50/(1+L/K
[式中、Lは使用される放射性リガンドの濃度であり、Kはリガンドの受容体に対する解離定数であり、どちらもnMで表される]
に基づいて決定する。
【0107】
このアッセイを用いて、%阻害およびKi値を決定し、5−HT6受容体に結合することが明らかな既知の代表的化合物によって得られるその値と比較する。データを下記表Vに示す。
【表5−1】

【0108】
【表5−2】

【0109】
【表5−3】

【0110】
【表6】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

[式中:
Aは、C、CRまたはNであり;
は、H、ハロゲン、CN、COR、OCO10、CO11、CONR1213、SO14、NR1516、OR17または各々置換されていてもよい、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基であり;
は、置換されていてもよいC−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基または、橋頭窒素を有し、さらにN、OまたはSから選択される1、2または3個のヘテロ原子を含有していてもよい、置換されていてもよい8〜13員の二環系または三環系であり;
は、Hまたは各々置換されていてもよい、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり;
は、Hまたは各々置換されていてもよい、C−CアルキルまたはC−Cシクロアルキルであり;
、RおよびRは、各々独立して、Hまたは各々置換されていてもよい、C−CアルキルまたはC−Cシクロアルキル基であり;
mおよびpは、各々独立して、1、2または3の整数であり;
nは、1または2の整数であり;
は、H、OHまたは置換されていてもよいC−Cアルコキシ基であり;
、R10、R11およびR17は、各々独立して、Hまたは各々置換されていてもよい、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基であり;
12、R13、R15およびR16は、各々独立して、Hまたは置換されていてもよいC−Cアルキル基であるか、あるいは、R12およびR13またはR15およびR16は、それらが結合している原子と一緒になって、O、NR18またはSOから選択されるヘテロ原子を含有していてもよい5〜7員環を形成し;
14は、置換されていてもよい、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基であり;
18は、Hまたは置換されていてもよい、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基であり;
xは、0、1または2の整数であり;
【化2】

は、単結合または二重結合である]
で示される化合物もしくはその立体異性体またはその医薬上許容される塩。
【請求項2】
nが1である、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
がHまたは置換されていてもよいC−Cアルキル基である、請求項1または請求項2記載の化合物。
【請求項4】
が置換されていてもよいフェニル、ナフチルまたはヘテロアリール基である、請求項1〜3いずれか1項記載の化合物。
【請求項5】
6または7員のアザサイクリック環が、5または7位でインダゾールに結合している、請求項1〜4いずれか1項記載の化合物。
【請求項6】
AがNである、請求項1〜5いずれか1項記載の化合物。
【請求項7】
が、水素、置換されていてもよいフェニルにより置換されていてもよい、フェニルおよびC−Cアルキルから選択される、請求項1〜6いずれか1項記載の化合物。
【請求項8】
mが1であり、Rが水素またはハロゲンである、請求項1〜7いずれか1項記載の化合物。
【請求項9】
5−(4−メチルピペラジン−1−イル)−3−(1−ナフチルスルホニル)−1H−インダゾール;
3−(1−ナフチルスルホニル)−5−ピペラジン−1−イル−1H−インダゾール;
1−(3−クロロベンジル)−5−(4−メチルピペラジン−1−イル)−3−(1−ナフチルスルホニル)−1H−インダゾール;
7−(4−メチルピペラジン−1−イル)−3−(フェニルスルホニル)−1H−インダゾール;
3−(フェニルスルホニル)−7−(4−プロピルピペラジン−1−イル)−1H−インダゾール;
3−(フェニルスルホニル)−7−ピペラジン−1−イル−1H−インダゾール;
5−(4−メチルピペラジン−1−イル)−3−(フェニルスルホニル)−1H−インダゾール;
3−(フェニルスルホニル)−5−(4−プロピルピペラジン−1−イル)−1H−インダゾール;
3−(フェニルスルホニル)−5−ピペラジン−1−イル−1H−インダゾール;
5−ピペラジン−1−イル−3−[(3−シアノフェニル)スルホニル]−1H−インダゾール;
7−(4−メチルピペラジン−1−イル)−3−[(2−エチルフェニル)スルホニル]−1H−インダゾール;
3−(1−ナフチルスルホニル)−7−(4−プロピルピペラジン−1−イル)−1H−インダゾール;
5−(4−フェネチルピペラジン−1−イル)−3−(1−ナフチルスルホニル)−1H−インダゾール;
5−(4−メチルピペラジン−1−イル)−3−(2−ナフチルスルホニル)−1H−インダゾール;
3−[(2−クロロ−4−フルオロフェニル)スルホニル]−5−ピペラジン−1−イル−1H−インダゾール;
1−メチル−3−(フェニルスルホニル)−5−ピペラジン−1−イル−1H−インダゾール;
1−フェニル−3−(フェニルスルホニル)−5−ピペラジン−1−イル−1H−インダゾール;
1−メチル−3−(フェニルスルホニル)−7−ピペラジン−1−イル−1H−インダゾール;
1−フェニル−3−(フェニルスルホニル)−7−(ピペラジン−1−イル)−1H−インダゾール;
7−ピペラジン−1−イル−3−[(3−フルオロフェニル)スルホニル]−1H−インダゾール;
3−[(4−フルオロフェニル)スルホニル]−7−(4−メチルピペラジン−1−イル)−1H−インダゾール;
3−[(2−クロロフェニル)スルホニル]−7−ピペラジン−1−イル−1H−インダゾール;
3−[(4−アミノフェニル)スルホニル]−7−(ピペラジン−1−イル)−1H−インダゾール;
5−ピペラジン−1−イル−3−[(3−フルオロフェニル)スルホニル]−1H−インダゾール;
3−[(4−フルオロフェニル)スルホニル]−5−(4−メチルピペラジン−1−イル)−1H−インダゾール;
3−[(2−クロロフェニル)スルホニル]−5−(4−プロピルピペラジン−1−イル)−1H−インダゾール;
3−[(4−アミノフェニル)スルホニル]−5−ピペラジン−1−イル−1H−インダゾール;
3−[(5−クロロチエン−2−イル)スルホニル]−5−ピペラジン−1−イル−1H−インダゾール;
3−[(5−クロロチエン−2−イル)スルホニル]−7−ピペラジン−1−イル−1H−インダゾール;
4−クロロ−3−(フェニルスルホニル)−7−ピペラジン−1−イル−1H−インダゾール;
5−フルオロ−3−(フェニルスルホニル)−7−ピペラジン−1−イル−1H−インダゾール;
6−フルオロ−3−(フェニルスルホニル)−7−ピペラジン−1−イル−1H−インダゾール;
4−クロロ−3−(フェニルスルホニル)−5−ピペラジン−1−イル−1H−インダゾール;
7−フルオロ−3−(フェニルスルホニル)−5−ピペラジン−1−イル−1H−インダゾール;
6−フルオロ−3−(フェニルスルホニル)−5−ピペラジン−1−イル−1H−インダゾール;
6−(4−フェネチルピペラジン−1−イル)−3−(フェニルスルホニル)−1H−インダゾール;
6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−3−(フェニルスルホニル)−1H−インダゾール;
6−(4−プロピルピペラジン−1−イル)−3−(フェニルスルホニル)−1H−インダゾール;
3−(フェニルスルホニル)−6−ピペラジン−1−イル−1H−インダゾール;
4−ピペラジン−1−イル−3−(フェニルスルホニル)−1H−インダゾール;
4−(4−メチルピペラジン−1−イル)−3−(フェニルスルホニル)−1H−インダゾール;
4−(4−プロピルピペラジン−1−イル)−3−(フェニルスルホニル)−1H−インダゾール;
3−(フェニルスルホニル)−4−ピペラジン−1−イル−1H−インダゾール;
3−[(5−クロロチエン−2−イル)スルホニル]−5−ピペリジン−1−イル−1H−インダゾール;
3−[(5−クロロチエン−2−イル)スルホニル]−7−ピペリジン−1−イル−1H−インダゾール;
1−メチル−3−(フェニルスルホニル)−5−ピペリジン−1−イル−1H−インダゾール;
3−[(3−フルオロフェニル)スルホニル]−5−ピペリジン−1−イル−1H−インダゾール;
1−メチル−3−(フェニルスルホニル)−7−(4−メチルピペリジン−1−イル)−1H−インダゾール;
3−[(3−フルオロフェニル)スルホニル]−7−ピペリジン−1−イル−1H−インダゾール;
3−[(3−フルオロフェニル)スルホニル]−5−ピペリジン−1−イル−1H−インダゾール;
3−(フェニルスルホニル)−5−ピペリジン−1−イル−1H−インダゾール;
1−メチル−3−[(3−フルオロフェニル)スルホニル]−7−ピペリジン−1−イル−1H−インダゾール;
3−(フェニルスルホニル)−7−ピペリジン−1−イル−1H−インダゾール;
もしくはその立体異性体;またはその医薬上許容される塩の1つである、請求項1記載の化合物。
【請求項10】
治療を必要とする患者の5−HT6受容体に関連するか、またはそれにより影響を受ける中枢神経系障害の治療方法であって、該患者に治療的に有効な量の請求項1〜9いずれか1項記載の式Iで示される化合物もしくはその立体異性体;またはその医薬上許容される塩を与えることを含む方法。
【請求項11】
障害が、運動障害、不安障害または認知障害である、請求項10記載の方法。
【請求項12】
障害が神経変性障害である、請求項10記載の方法。
【請求項13】
障害が、注意力欠如障害;強迫障害;薬物の禁断症状、アルコールまたはニコチン中毒;統合失調症;鬱病;およびアルツハイマー病からなる群から選択される、請求項11記載の方法。
【請求項14】
障害が、卒中;頭部傷害;およびニューロパシー痛からなる群から選択される、請求項12記載の方法。
【請求項15】
医薬上許容される担体および請求項1〜9いずれか1項記載の式Iで示される化合物もしくはその立体異性体;またはその医薬上許容される塩を含む、医薬組成物。
【請求項16】
請求項1記載の式(I)で示される化合物の製造方法であって、下記工程:
(a)式(VIIA):
【化3】

[式中、波線、m、n、p、A、R、R、R、R、RおよびRは1の記載と同意義である]
で示される化合物を、例えば、NaNO/酸でジアゾ化し、環化して、Rが水素である式(I)で示される化合物を得ること;
または
(b)式(IA):
【化4】

[式中、波線、m、n、p、A、R、R、R、RおよびRは、請求項1の記載と同意義であり、Pは保護基またはRであり、ここに、Rは、水素を除いて請求項1の記載と同意義である]
で示される保護化合物を、LGが脱離基であり、Rが、各々置換されていてもよい、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基である式R−LGで示されるアルキル化またはアリール化剤で、アルキル化またはアリール化し;要すれば、保護基を除去して、Rが、各々置換されていてもよい、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基である対応する式(I)で示される化合物を得ること;
または
(c)式(IB):
【化5】

[式中、波線、m、n、p、A、R、R、R、R、RおよびRは、請求項1の記載と同意義である]
で示される化合物を、LGが、脱離基であり、Rが、各々置換されていてもよい、C−CアルキルまたはC−Cシクロアルキル基である式R−LGで示されるアルキル化剤でアルキル化して、Rが、各々置換されていてもよい、C−CアルキルまたはC−Cシクロアルキル基である対応する式(I)で示される化合物を得ること;
または
(d)式(XII):
【化6】

[式中、m、R、RおよびRは、請求項1の記載と同意義であり、LG’は脱離基、例えば、Cl、Br、Iまたは活性化ヒドロキシル基、例えばトリフラートである]
で示される化合物を、式(V):
【化7】

[式中、n、p、R、R、RおよびRは、請求項1の記載と同意義である]
で示される化合物と、触媒、例えばパラジウムまたはニッケル触媒の存在下で反応させて、対応する式(I)で示される化合物を得ること;
または
(e)式(XVI):
【化8】

[式中、m、n、p、R、R、R、RおよびRは、請求項1の記載と同意義であり、Pは保護基または請求項1の記載と同意義であるRであり、P’は保護基または請求項1の記載と同意義であるRである]
で示される化合物を還元し、要すれば、保護基を除去して、対応するAがCHである式(I)で示される化合物を得ること;
または
(f)式(XV):
【化9】

[式中、m、n、p、R、R、R、RおよびRは、請求項1の記載と同意義であり、Pは保護基または請求項1の記載と同意義であるRであり、P’は保護基または請求項1の記載と同意義であるRである]
で示される化合物を酸性化し、要すれば、保護基を除去して、AがCであり、
【化10】

が二重結合である、対応する式(I)で示される化合物を得ること;
または
(g)請求項1に記載の式(I)で示される塩基性化合物を、その酸付加塩に変換すること、またはその逆;
または
(h)その混合物から式(I)で示される化合物の立体異性体を分離すること;
のいずれか1つを含む方法。

【公表番号】特表2006−518385(P2006−518385A)
【公表日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−503466(P2006−503466)
【出願日】平成16年2月10日(2004.2.10)
【国際出願番号】PCT/US2004/003926
【国際公開番号】WO2004/074243
【国際公開日】平成16年9月2日(2004.9.2)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
テフロン
【出願人】(591011502)ワイス (573)
【氏名又は名称原語表記】Wyeth
【Fターム(参考)】