説明

5−ヒドロキシトリプタミン−6リガンドとしてのN−スルホニルヘテロシクロピロリルアルキルアミン化合物

本発明は、式Iで示される化合物、および5−HT6受容体に関連するかまたは該受容体の影響を受けるCNS障害の治療的処置のためのその使用を提供する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
(発明の背景)
セロトニン(5−ヒドロキシトリプタミン)(5−HT)受容体はヒトおよび動物の多くの生理機能および行動機能において重要な役割を果たす。これらの機能には体全体に分布した種々の5−HT受容体が介在している。現在、約15種類のヒト5−HT受容体サブタイプがクローン化されており、その多くはヒトにおいて明確に定義された役割を有する。ごく最近に同定された5−HT受容体サブタイプの1つに5−HT6受容体があり、それは1993年に初めてラット組織からクローン化され(Monsma, F. J.; Shen, Y.; Ward, R. P.; Hamblin, M. W. Molecular Pharmacology 1993, 43, 320-327)、その後、ヒト組織からクローン化された(Kohen, R.; Metcalf, M. A.; Khan, N.; Druck, T.; Huebner, K.; Sibley, D. R. Journal of Neurochemistry 1996, 66, 47-56)。該受容体はアデニル酸シクラーゼとポジティブに結合するGタンパク質結合受容体(GPCR)である(Ruat, M.; Traiffort, E.; Arrang, J-M.; Tardivel-Lacombe, L.; Diaz, L.; Leurs, R.; Schwartz, J-C. Biochemical Biophysical Research Communications 1993, 193, 268-276)。該受容体はラットとヒトのどちらにおいてもほとんど中枢神経系(CNS)領域のみで見られる。mRNAを使用するラット脳における5−HT6受容体のインサイツハイブリダイゼーション研究は、線条体、側坐核、嗅結節および海馬体を含む5−HTプロジェクションの領域に主として局在することを示している(Ward, R. P.; Hamblin, M. W.; Lachowicz, J. E.; Hoffman, B. J.; Sibley, D. R.; Dorsa, D. M. Neuroscience 1995, 64, 1105-1111)。
【0002】
利用可能な科学的研究からの直接的な効果および指摘に基づいて、ヒトの5−HT6リガンドについて多くの潜在的な治療的使用がある。これらの研究としては、該受容体の局在性、既知のインビボ活性を有するリガンドのアフィニティー、およびこれまでに行われた種々の動物試験が挙げられる。
【0003】
5−HT6受容体機能のモジュレーターの1つの潜在的な治療的使用は、アルツハイマー病のようなヒト疾患における認知および記憶の向上にある。
【0004】
尾状核/被殻、海馬、側坐核および皮質を包含する前脳の重要な構造において受容体が高レベルで見られるということは、これらの領域が記憶において極めて重要な役割を果たすことが知られているので記憶および認知における該受容体の役割を示唆している(Gerard, C.; Martres, M.-P.; Lefevre, K.; Miquel, M.C.; Verge, D.; Lanfumey, R.; Doucet, E.; Hamon, M.; El Mestikawy, S. Brain Research, 1997, 746, 207-219)。既知の5−HT6受容体リガンドがコリン作動性伝達を増強する能力もまた潜在的な認知使用を支持している(Bentley, J. C.; Boursson, A.; Boess, F. G.; Kone, F. C.; Marsden, C. A.; Petit, N.; Sleight, A. J. British Journal of Pharmacology, 1999, 126(7), 1537-1542)。研究により、既知の5−HT6選択的アンタゴニストはノルアドレナリン、ドーパミンまたは5−HTのレベルを上昇させることなく前頭皮質におけるグルタミン酸塩およびアスパラギン酸塩レベルを有意に増加させることがわかった。記憶および認知に関与することが知られている神経化学物質のこの選択的上昇は認知における5−HT6リガンドの役割を強く示唆している(Dawson, L. A.; Nguyen, H. Q.; Li, P. British Journal of Pharmacology, 2000, 130(1), 23-26)。既知の選択的5−HT6アンタゴニストを用いる記憶および学習の動物試験によって、前向きな兆しが見出された(Rogers, D. C.; Hatcher, P. D.; Hagan, J. J. Society of Neuroscience, Abstracts 2000, 26, 680およびFoley, A. G. et al, Neuropsychopharmacology, 2004, 29(1), 93-100)。
【0005】
5−HT6リガンドについての関連する潜在的な治療的使用は子供と大人のどちらにもおける注意欠陥障害(ADD、注意欠陥多動性障害またはADHDとしても知られている)の治療である。5−HT6アンタゴニストは黒質線条体ドーパミン経路の活性を増強するように思われるので、そして、ADHDは尾状核の異常と関連付けられているので(Ernst, M; Zametkin, A. J.; Matochik, J. H.; Jons, P. A.; Cohen, R. M. Journal of Neuroscience 1998, 18(15), 5901-5907)、5−HT6アンタゴニストは注意欠陥障害を軽減しうる。
【0006】
既知の治療的有用性を有するかまたは既知の薬物との強い構造的類似性を有する種々のCNSリガンドのアフィニティーを試験する初期の研究は、統合失調症およびうつ病の治療における5−HT6リガンドの役割を示唆している。例えば、クロザピン(有効な臨床抗精神病薬)は5−HT6受容体サブタイプに対して高いアフィニティーを有する。また、いくつかの臨床抗鬱薬も同様に該受容体に対して高いアフィニティーを有しており、この部位においてアンタゴニストとして作用する(Branchek, T. A.; Blackburn, T. P. Annual Reviews in Pharmacology and Toxicology 2000, 40, 319-334)。
【0007】
さらに、最近のラットにおけるインビボ実験は5−HT6モジュレーターが癲癇を含む運動障害の治療に有用でありうることを示している(Stean, T.; Routledge, C.; Upton, N. British Journal of Pharmacology 1999, 127 Proc. Supplement 131PおよびRoutledge, C.; Bromidge, S. M.; Moss, S. F.; Price, G. W.; Hirst, W.; Newman, H.; Riley, G.; Gager, T.; Stean, T.; Upton, N.; Clarke, S. E.; Brown, A. M. British Journal of Pharmacology 2000, 130(7), 1606-1612)。
【0008】
総合すれば、上記の研究は、5−HT6受容体リガンドである化合物が、アルツハイマー病および注意欠陥障害のような記憶、認知および学習の欠損と関連する疾患の治療;統合失調症のような人格障害の治療;行動障害、例えば、不安、うつ病および強迫性障害の治療;パーキンソン病および癲癇のような動作または運動障害の治療;脳卒中および頭部外傷のような神経変性と関連する疾患の治療;またはニコチン、アルコールおよび他の濫用物質に対する嗜癖を含む薬物嗜癖からの離脱を含む治療指標に有用でありうることを強く示唆する。
【0009】
したがって、本発明の一の目的は、5−HT6受容体に関連するかまたは該受容体の影響を受ける種々の中枢神経系障害の治療における治療剤として有用な化合物を提供することである。
【0010】
本発明のもう1つの目的は、5−HT6受容体に関連するかまたは該受容体の影響を受ける中枢神経系障害の治療に有用な治療方法および医薬組成物を提供することである。
【0011】
本発明の一の特徴は、提供される化合物がまた5−HT6受容体をさらに研究し解明するためにも使用されうることである。
【0012】
本発明のこれらおよび他の目的および特徴は以下に記載する詳細な説明によってさらに明らかになるであろう。
【0013】
(発明の概要)
本発明は、式I:
【化1】

[式中、
Xは、CR7、SOm、OまたはNR8であり;
Yは、CR9、SOm、OまたはNR8であり;
Zは、CR10、SOm、OまたはNR8であり、ただし、X、YおよびZのうち2つはCR7、CR9またはCR10でなければならない;
1およびR2は、各々独立して、H、OHまたは置換されていてもよいC1−C6アルキル基であり;
3およびR4は、各々独立して、H、またはC1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C3−C7シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリールもしくはヘテロアリール基であり、それぞれ置換されていてもよいか、またはR3およびR4は、それらが結合している原子と一緒になって、O、NR11またはSOxから選択される付加的ヘテロ原子を含有していてもよい、置換されていてもよい5〜8員環を形成してもよく;
5は、H、ハロゲン、またはC1−C6アルキル、C2−C6アルコキシ、C3−C7シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基であり、それぞれ置換されていてもよく;
6は、置換されていてもよいC1−C6アルキル、C3−C7シクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリール基、または橋頭にN原子を有しており、N、OまたはSから選択される1、2または3個の付加的ヘテロ原子を含有していてもよい、置換されていてもよい8〜13員二環式または三環式環系であり;
nは、2、3、4または5の整数であり;
7、R9およびR10は、各々独立して、H、ハロゲン、CN、OCO212、CO213、CONR1415、SOp16、NR1718、OR19、COR20、またはC1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C3−C7シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリールもしくはヘテロアリール基であり、それぞれ置換されていてもよく;
8、R11、R12、R13、R16、R19、およびR20は、各々独立して、H、またはC1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C3−C6シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリールもしくはヘテロアリール基であり、それぞれ置換されていてもよく;
14およびR15は、各々独立して、H、または置換されていてもよいC1−C6アルキル基であるか、またはR14およびR15は、それらが結合している原子と一緒になって、O、NR21またはSから選択されるもう1つのヘテロ原子を含有していてもよい5〜7員環を形成してもよく;
17およびR18は、各々独立して、H、または置換されていてもよいC1−C4アルキル基であるか、またはR17およびR18は、それらが結合している原子と一緒になって、O、NR22またはSOqから選択されるもう1つのヘテロ原子を含有していてもよい5〜7員環を形成してもよく;
21およびR22は、各々独立して、H、またはC1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C3−C7シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリールもしくはヘテロアリール基であり、それぞれ置換されていてもよく;
m、p、qおよびxは、各々独立して、0、または1もしくは2の整数であり;
---------は、単結合または二重結合を表す]
で示されるN−スルホニルヘテロシクロピロリルアルキルアミン誘導体またはその立体異性体またはその医薬上許容される塩を提供する。
【0014】
本発明は、また、5−HT6受容体に関連するかまたは該受容体の影響を受ける中枢神経系障害の治療的処置のために有用な方法および組成物を提供する。
【0015】
(発明の詳細な説明)
脳におけるその興味深い分布に加えて、精神医学において使用される幅広い治療化合物を結合する5−ヒドロキシトリプタミン−6(5−HT6)受容体の能力は、該受容体と相互作用しうるかまたは該受容体に影響を及ぼしうる新規化合物への大きな関心を刺激した。精神医学、認知障害、運動機能および調節、記憶、気分および同種のものにおける5−HT6受容体の果たしうる役割を理解するためにかなりの努力が行われている。そのために、5−HT6受容体の研究における補助として、かつ、中枢神経系障害の治療における潜在的な治療薬として、5−HT6受容体に対して結合アフィニティーを示す化合物が切望されている。例えば、C. Reavill and D. C. Rogers, Current Opinion in Investigational Drugs, 2001, 2(1):104-109, Pharma Press Ltd.を参照。
【0016】
意外にも、この度、式Iで示されるN−スルホニルヘテロシクロ−ピロリルアルキルアミン誘導体が5−HT6アフィニティーを示すことが見出された。有利には、該アルキルアミン誘導体は5−HT6受容体に関連するかまたは該受容体の影響を受ける中枢神経系(CNS)障害を治療するための有効な治療薬として使用され得る。したがって、本発明は、式I:
【化2】

[式中、
Xは、CR7、SOm、OまたはNR8であり;
Yは、CR9、SOm、OまたはNR8であり;
Zは、CR10、SOm、OまたはNR8であり、ただし、X、YおよびZのうち2つはCR7、CR9またはCR10でなければならない;
1およびR2は、各々独立して、H、OHまたは置換されていてもよいC1−C6アルキル基であり;
3およびR4は、各々独立して、H、またはC1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C3−C7シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリールもしくはヘテロアリール基であり、それぞれ置換されていてもよいか、またはR3およびR4は、それらが結合している原子と一緒になって、O、NR11またはSOxから選択される付加的ヘテロ原子を含有していてもよい、置換されていてもよい5〜8員環を形成してもよく;
5は、H、ハロゲン、またはC1−C6アルキル、C2−C6アルコキシ、C3−C7シクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリール基であり、それぞれ置換されていてもよく;
6は、置換されていてもよいC1−C6アルキル、C3−C7シクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリール基、または橋頭にN原子を有しており、N、OまたはSから選択される1、2または3個の付加的ヘテロ原子を含有していてもよい、置換されていてもよい8〜13員二環式または三環式環系であり;
nは、2、3、4または5の整数であり;
7、R9およびR10は、各々独立して、H、ハロゲン、CN、OCO212、CO213、CONR1415、SOp16、NR1718、OR19、COR20、またはC1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C3−C7シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリールもしくはヘテロアリール基であり、それぞれ置換されていてもよく;
8、R11、R12、R13、R16、R19、およびR20は、各々独立して、H、またはC1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C3−C6シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリールもしくはヘテロアリール基であり、それぞれ置換されていてもよく;
14およびR15は、各々独立して、H、または置換されていてもよいC1−C6アルキル基であるか、またはR14およびR15は、それらが結合している原子と一緒になって、O、NR21またはSから選択されるもう1つのヘテロ原子を含有していてもよい5〜7員環を形成してもよく;
17およびR18は、各々独立して、H、または置換されていてもよいC1−C4アルキル基であるか、またはR17およびR18は、それらが結合している原子と一緒になって、O、NR22またはSOqから選択されるもう1つのヘテロ原子を含有していてもよい5〜7員環を形成してもよく;
21およびR22は、各々独立して、H、またはC1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C3−C7シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリールもしくはヘテロアリール基であり、それぞれ置換されていてもよく;
m、p、qおよびxは、各々独立して、0、または1もしくは2の整数であり;
---------は、単結合または二重結合を表す]
で示されるN−スルホニルヘテロシクロピロリルアルキルアミンまたはその立体異性体またはその医薬上許容される塩を提供する。
【0017】
本明細書および特許請求の範囲において、基
【化3】

は、
【化4】

を示す。
【0018】
本明細書および特許請求の範囲において使用する場合、ハロゲンなる用語は、F、Cl、BrまたはIを示し、シクロヘテロアルキルなる用語は、N、OまたはSから選択される同一であっても異なっていてもよい1または2個のヘテロ原子を含有し、1つの二重結合を含有していてもよい、5〜7員シクロアルキル環系を示す。本明細書で示される用語に含まれるシクロヘテロアルキル環系の例は、X1がNR、OまたはSであり;RがHまたは以下に記載する任意の置換基である以下の環である:
【化5】

【0019】
同様に、本明細書および特許請求の範囲において使用する場合、ヘテロアリールなる用語は、N、OまたはSから選択される同一であっても異なっていてもよい1、2または3個のヘテロ原子を含有する5〜10員芳香環系を示す。かかるヘテロアリール環系としては、ピロリル、アゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、フリル、チエニル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、ベンゾイソオキサゾリル、または同種のものが挙げられる。アリールなる用語は、フェニル、ナフチル、アントラセニル、または同種のもののような、例えば炭素原子6〜14個を有する、芳香族炭素環式環系を示す。本明細書において使用するハロアルキルなる用語は、同一であっても異なっていてもよい1個〜2n+1個のハロゲン原子を有するCn2n+1基を示し、本明細書で使用するハロアルコキシなる用語は、同一であっても異なっていてもよい1個〜2n+1個のハロゲン原子を有するOCn2n+1基を示す。
【0020】
橋頭にN原子を有し、N、OまたはSから選択される1、2または3個の付加的ヘテロ原子を含有していてもよい8〜13員二環式または三環式環系の例は、WがNR、OまたはSであり;RがHまたは以下に記載する任意の置換基である以下の環系である:
【化6】

【0021】
本明細書および特許請求の範囲において、C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C3−C7シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリールまたはヘテロアリールなる用語が置換されていてもよいと示されている場合、存在してもよい置換基は、医薬化合物の開発またはかかる化合物の変更に慣例的に用いられてそれらの構造/活性、持続性、吸収、安定性または他の有益な特性に影響を及ぼす1個またはそれ以上の置換基であってよい。かかる置換基の具体的な例としては、ハロゲン原子、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ホルミル、アルコキシカルボニル、カルボキシル、アルカノイル、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、カルバモイル、アルキルアミド、フェニル、フェノキシ、ベンジル、ベンジルオキシ、ヘテロサイクリル(例えば、ヘテロアリールまたはシクロヘテロアルキル)またはシクロアルキル基が挙げられ、好ましくは、ハロゲン原子または低級(例えば、C1−C6)アルキル基が挙げられる。典型的には、同一であっても異なっていてもよい0〜3個の置換基が存在してもよい。上記の置換基のいずれかがアルキル置換基を表すかまたは含む場合、これは、直鎖であっても分枝鎖であってもよく、また、炭素原子を12個まで、好ましくは6個まで、より好ましくは4個まで含有していてよい。
【0022】
医薬上許容される塩は、式Iで示される化合物、およびリン酸、硫酸、塩酸、臭化水素酸、クエン酸、マレイン酸、マロン酸、マンデル酸、コハク酸、フマル酸、酢酸、乳酸、硝酸、スルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、または同種のもののような医薬上許容される酸によって形成されるいずれかの酸付加塩であってよい。
【0023】
本発明の化合物は、一般に、本発明の化合物の機能的誘導体であり、インビボで発明的な活性部分に容易に転換される、アミド、エステル、カルバマートまたは他の慣用的なプロドラッグ形態を含む。相応して、本発明の方法は、式Iで示される化合物、または具体的に記載していないが投与後にインビボにて式Iで示される化合物へと変わる化合物での上記した種々の症状の治療を含む。これらの化合物を生体系に導入した後に生産される活性種であると定義された本発明の化合物の代謝物もまた包含される。
【0024】
本発明の化合物は、1またはそれ以上の立体異性体として存在しうる。種々の立体異性体としては、エナンチオマー、ジアステレオマー、アトロプ異性体および幾何異性体が挙げられる。一の立体異性体が他の立体異性体と比べて豊富化されると、または他の立体異性体から分離されると、その一の立体異性体がより活性であるか、または有益な効果を示しうることは当業者に明らかであろう。また、当業者は、立体異性体をどのようにして分離するか、豊富化するか、または選択的に調製するかを知っている。したがって、本発明は、式Iで示される化合物、その立体異性体およびその医薬上許容される塩を含む。本発明の化合物は、立体異性体の混合物、個々の立体異性体、または光学活性もしくは鏡像異性的に純粋な形態として存在してもよい。
【0025】
本発明の好ましい化合物は、XまたはZがSOmである式Iで示されるこれらの化合物である。nが2である式Iで示されるこれらの化合物もまた好ましい。式Iで示される好ましい化合物のもう1つの群は、R6が置換されていてもよいアリールもしくはヘテロアリール基、または橋頭にN原子を有しており、N、OまたはSから選択される1、2または3個の付加的ヘテロ原子を含有していてもよい、置換されていてもよい8〜13員二環式または三環式環系であるこれらの化合物である。
【0026】
本発明のより好ましい化合物は、ZがSOmであり、mが0である式Iで示されるこれらの化合物である。より好ましい化合物のもう1つの群は、nが2であり、R3およびR4が、各々独立して、HまたはCH3である式Iで示されるこれらの化合物である。さらに好ましい化合物は、ZがSであり;nが2であり;R6が置換されていてもよいフェニル、ナフチル、チエニルまたはイミダゾチアゾリル基であり;R1、R2およびR5がHであり;R3およびR4が、各々独立して、HまたはC1−C3アルキルである式Iで示されるこれらの化合物である。
【0027】
ある種の実施態様において、R6は、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいナフチル、置換されていてもよいチエニル、置換されていてもよいイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾリル、置換されていてもよいベンゾチエニル、置換されていてもよいイミダゾ[1,2−a]ピリジル、置換されていてもよいイミダゾリルおよび置換されていてもよいキノリニルから選択される。置換基は、上記したものであるが、好ましい置換基は、クロロ、フルオロ、ブロモ、メチル、トリフルオロメチルおよびメトキシから選択される。
【0028】
ある種の実施態様において、R6は、フェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、3−クロロフェニル、5−クロロチエン−2−イル、6−クロロイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル、2−ナフチル、3−メトキシフェニル、5−クロロ−3−メチルベンゾ[b]チエン−2−イル、2−フルオロフェニル、2−クロロフェニル、イミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル、2−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジ−3−イル、2,6−ジクロロイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル、4−クロロフェニル、2,3−ジクロロフェニル、3−ブロモフェニル、5−ブロモチエン−2−イル、チエン−2−イル、4,5−ジクロロチエン−2−イル、1−ナフチル、3−メチルフェニル、1,2−ジメチル−1H−イミダゾール−4−イル、キノリン−8−イル、2−トリフルオロメチルフェニル、4−メトキシフェニル、3−クロロ−2−メチルフェニル、4−アミノフェニル、3−フルオロフェニルから選択される。
【0029】
本発明の好ましい化合物の例としては、以下のものが挙げられる:
2−[6−(フェニルスルホニル)−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル]エチルアミン;
2−{[6−(3−トリフルオロメチル)フェニルスルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}エチルアミン;
2−{[6−(3−クロロフェニル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}エチルアミン;
2−{[6−(5−クロロチエン−2−イル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}エチルアミン;
2−{[6−(6−クロロイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}−エチルアミン;
2−[6−(2−ナフチルスルホニル)−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル]エチルアミン;
2−{[6−(3−メトキシフェニル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}エチルアミン;
2−{[6−(5−クロロ−3−メチルベンゾ[b]チエン−2−イル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}−エチルアミン;
2−{[6−(2−フルオロフェニル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}エチルアミン;
2−{[6−(3−フルオロフェニル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}エチルアミン;
【0030】
2−{[6−(2−クロロフェニル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}エチルアミン;
2−{[6−(イミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}エチルアミン;
2−{[6−(2−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジ−3−イル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}−エチルアミン;
2−{[6−(2,6−ジクロロイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}−エチルアミン;
2−{[6−(4−クロロフェニル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}エチルアミン;
2−{[6−(2,3−ジクロロフェニル)スルホニル)−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}エチルアミン;
2−{[6−(3−ブロモフェニル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}エチルアミン;
2−{[6−(5−ブロモチエン−2−イル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}エチルアミン;
2−[6−(チエン−2−イルスルホニル)−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル−エチルアミン;
2−{[6−(4,5−ジクロロチエン−2−イル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}エチルアミン;
2−[6−(1−ナフチルスルホニル)−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル]エチルアミン;
2−{[6−(3−メチルフェニル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}エチルアミン;
2−{[6−(1,2−ジメチル−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}エチルアミン;
2−{[6−(キノリン−8−イル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}−エチルアミン;
2−{{[6−(2−トリフルオロメチル)フェニル]スルホニル}−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}エチルアミン;
2−{[6−(4−メトキシフェニル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}エチルアミン;
2−{[6−(3−クロロ−2−メチルフェニル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}エチルアミン;
2−{[6−(4−アミノフェニル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−[(6−フェニルスルホニル)−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル]エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−{{[6−(3−トリフルオロメチル)フェニル]スルホニル}−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}−エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−{[6−(3−クロロフェニル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−{[6−(5−クロロチエン−2−イル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル]−エチル}−アミン;
N,N−ジメチル−2−{[6−(6−クロロイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−[6−(2−ナフチルスルホニル)−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル]エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−{[6−(3−メトキシフェニル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル]−エチル}−アミン;
N,N−ジメチル−2−{[6−(5−クロロ−3−メチルベンゾ[b]チエン−2−イル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}エチルアミン;
【0031】
N,N−ジメチル−2−{[6−(2−フルオロフェニル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−{[6−(3−フルオロフェニル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル]−エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−{[6−(2−クロロフェニル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−{[6−(イミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}−エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−{[6−(2−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−{[6−(2,6−ジクロロイミダゾ[2,1−b]チアゾール−5−イル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−{[6−(4−クロロフェニル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−{[6−(2,3−ジクロロフェニル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}エチル−アミン;
N,N−ジメチル−2−{[6−(3−ブロモフェニル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}−エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−{[6−(5−ブロモチエン−2−イル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}エチル}−アミン;
N,N−ジメチル−2−{(6−チエン−2−イルスルホニル)−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル]−エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−{[6−(4,5−ジクロロチエン−2−イル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル]−エチル]−アミン;
N,N−ジメチル−2−{[6−(1−ナフチル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−{[6−(3−メチルフェニル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−{[6−(1,2−ジメチル−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−{[6−(8−キノリニル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−{{[6−(2−トリフルオロメチル)フェニル]スルホニル}−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−{[6−(4−メトキシフェニル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}エチル−アミン;
N,N−ジメチル−2−{[6−(3−クロロ−2−メチルフェニル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}−エチルアミン;
2−{[4−(3−クロロフェニル)スルホニル]−4H−チエノ[3,2−b]ピロール−6−イル}エチルアミン;
2−{[4−(2−ナフチル)スルホニル]−4H−チエノ[2,3−b]ピロール−6−イル}エチルアミン;
2−{[4−(3−メトキシフェニル)スルホニル]−4H−チエノ[3,2−b]ピロール−6−イル}エチルアミン;
【0032】
2−{[4−(5−クロロ−3−メチル−ベンゾ[b]チエン−2−イル)スルホニル]−4H−チエノ[2,3−b]ピロール−6−イル}−エチルアミン;
2−{[4−(2−クロロフェニル)スルホニル]−4H−チエノ[3,2−b]ピロール−6−イル}エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−[4−(フェニルスルホニル)−4H−チエノ[2,3−b]ピロール−6−イル]エチル]アミン;
N,N−ジメチル−2−{[4−(3−トリフルオロメチルフェニル)スルホニル]−4H−チエノ[2,3−b]ピロール−6−イル}−エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−{[4−(3−クロロフェニル)スルホニル]−4H−チエノ[2,3−b]ピロール−6−イル}エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−{[4−(5−クロロチエン−2−イル)スルホニル]−4H−チエノ[2,3−b]ピロール−6−イル}エチル−アミン;
N,N−ジメチル−2−{[4−(4−クロロイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)スルホニル]−4H−チエノ[2,3−b]−ピロール−6−イル}エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−{[4−(2−ナフチル)スルホニル]−4H−チエノ[2,3−b]ピロール−6−イル}−エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−{[4−(3−メトキシフェニル)スルホニル]−4H−チエノ[2,3−b]ピロール−6−イル}エチル−アミン;
N,N−ジメチル−2−{[4−(5−クロロ−3−メチル−ベンゾ[b]チエン−2−イル)スルホニル]−4H−チエノ[2,3−b]ピロール−6−イル}エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−{[4−(2−フルオロフェニル)スルホニル]−4H−チエノ[2,3−b]ピロール−6−イル}エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−{[4−(3−フルオロフェニル)スルホニル]−4H−チエノ[2,3−b]ピロール−6−イル}エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−{[4−(2−クロロフェニル)スルホニル]−4H−チエノ[2,3−b]ピロール−6−イル}エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−{[4−(イミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)スルホニル]−4H−チエノ[2,3−b]ピロール−6−イル}エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−[(4−フェニルスルホニル)−4H−フロ[3,2−b]ピロール−6−イル]エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−{[4−(6−クロロイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)スルホニル]−4H−フロ[3,2−b]−ピロール−6−イル}エチルアミン;
2−[1−(フェニルスルホニル)−4−メチル−1,4−ジヒドロ−ピロロ[3,2−b]ピロール−3−イル}エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−{[1−(6−クロロイミダゾ[2,1−b]チアゾール−5−イル)スルホニル]−4−メチル−1,4−ジヒドロ−ピロロ[3,2−b]ピロール−3−イル}エチルアミン;
2−[(1−フェニルスルホニル)−1H−チエノ[3,4−b]ピロール−3−イル]エチルアミン;
2−{[1−(6−クロロイミダゾ[2,1−b]チアゾール−5−イル)スルホニル]−1H−チエノ[3,4−b]ピロール−3−イル}−エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−[(1−フェニルスルホニル)−1H−チエノ[3,4−b]ピロール−3−イル]エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−{[1−(6−クロロイミダゾ[2,1−b]チアゾール−5−イル)スルホニル]−1H−チエノ[3,4−b]−ピロール−3−イル}エチルアミン;
【0033】
N,N−ジメチル−2−[(1−フェニルスルホニル)−1H−フロ[3,4−b]ピロール−3−イル]エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−{[1−(6−クロロイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)スルホニル]−1H−フロ[3,4−b]−ピロール−3−イル}エチルアミン;
2−[(1−フェニルスルホニル)−5−メチル−1,5−ジヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピロール−3−イル]エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−{[1−(6−クロロイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)スルホニル]−5−メチル−1,5−ジヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピロール−3−イル}エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−[(6−フェニルスルホニル)−6H−フロ[2,3−b]ピロール−4−イル]エチルアミン;
2−{[6−(6−クロロイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)スルホニル]−6H−フロ[2,3−b]ピロール−4−イル}−エチルアミン;
2−[(1−フェニルスルホニル)−6−メチル−1,6−ジヒドロ−ピロロ[2,3−b]ピロール−3−イル]エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−{[1−(6−クロロイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)スルホニル]−6−メチル−1,6−ジヒドロ−ピロロ[2,3−b]ピロール−3−イル}エチルアミン;
その立体異性体;および
その医薬上許容される塩。
【0034】
有利には、本発明は、溶媒の存在下であってもよい塩基の存在下にて式IIで示される化合物をスルホニルクロリド、ClSO26と反応させることを含む、式Iで示される化合物の製造方法を提供する。該製造方法をフローダイヤグラムIに示す。
【0035】
フローダイヤグラムI
【化7】

【0036】
本発明の製造方法に使用するのに適した塩基としては、NaH、KOt−Bu、NaOHのような強塩基、または塩基性窒素原子からプロトンを取り外すことができるいずれもの慣用の塩基が挙げられる。
【0037】
本発明の製造方法において使用するのに適した溶媒としては、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、低級アルキルアルコール、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、または類似のもののような極性溶媒が挙げられる。
【0038】
式IIで示される化合物は、慣用の合成方法、および、必要な場合には、標準的な分取または単離技術を使用して製造することができる。例えば、ZがS、OまたはNR8であり;nが2であり;R1、R2およびR5がHである式IIで示される化合物(IIa)は、Blair, J. B. et al, Journal Medicinal Chemistry (1999), 42, 1106-1111によって記載された方法と同様の方法で、すなわち、t−ブタノール中にて式IIIで示される3−ヨード−2−カルボン酸をジフェノキシルホスホリルアジドおよびトリエチルアミンと反応させて式IVで示される対応する3−ヨード−2−(N−t−ブトキシカルボニル)アミン化合物を得;炭酸セシウムのような塩基の存在下にて式IVで示されるアミンを4−ブロモクロトン酸エチルと反応させて式Vで示される化合物を得;高温にて酢酸パラジウム[Pd(OAc)2]およびトリフェニルホスフィン[P(Ph)3]を用いて式Vで示される化合物を環化して式VIで示される保護ヘテロシクロピロロエステルを得;式VIで示される化合物を脱保護し、該脱保護エステルを式VIIで示されるメチルクロロアルミニウムアミドと反応させて式VIIIで示されるヘテロシクロピロロアミドを得;式VIIIで示されるアミドを水素化アルミニウムリチウムで還元して式IIaで示される所望の化合物を得ることによって製造することができる。該反応をフローダイヤグラムIIに示す(ここで、Bocはt−ブトキシカルボニルを表す)。
【0039】
フローダイヤグラムII
【化8】

【0040】
同様に、XがS、OまたはNR8であり;nが2であり;R1、R2およびR5がHである式IIで示される化合物(IIb)は、t−ブタノール中にて式IXで示される3−カルボン酸をジフェニルホスホニルアジドおよびトリエチルアミンと反応させて式Xで示される対応する3−(保護)アミンを得;CCl4中にて式Xで示される化合物をN−ヨードスクシンイミドと反応させて式XIで示される2−ヨード−3−(保護)アミン化合物を得;式XIで示される化合物をフローダイヤグラムIIに示すように処理し、すなわち、4−ブロモクロトン酸エチルでアルキル化し、環化し、脱保護し、式VIIで示されるメチルクロロアルミニウムアミドと反応させ、LiAlH4で還元して式IIbで示される所望の化合物を得ることによって製造することができる。この反応をフローダイヤグラムIIIに示す。
【0041】
フローダイヤグラムIII
【化9】

【0042】
YがS、OまたはNR8であり;nが2であり;R1、R2およびR5がHである式IIで示される化合物(IIc)は、フローダイヤグラムIにおいて上記した実質的に同一の方法を使用し、出発物質として式XIIで示される4−ヨード−3−カルボン酸化合物を使用して製造することができる。この反応をフローダイヤグラムIVに示す。
【0043】
フローダイヤグラムIV
【化10】

【0044】
式XIIで示される化合物は、3,4−ジヨードチオフェン、−フランまたは−ピロールとリチウムとの反応、次いで、カルボニル化;またはチオフェン−、フラン−またはピロール−3−カルボン酸のリチオ化、次いで、ヨウ素化のような標準的な方法によって製造することができる(例えば、Ayres, B. E. et al, Tetrahedron (1975), 31, 1755-1760を参照。
【0045】
X、YまたはZがSOまたはSO2である式IIで示される化合物は、式IIa、IIbまたはIIcで示される化合物を、1当量またはそれ以上の、m−クロロ過安息香酸のような酸化剤で酸化することによって製造することができる。
【0046】
有利には、本発明の式Iで示される化合物は、運動障害、気分障害、人格障害、行動障害、精神障害、認知障害、神経変性障害または同種の障害、例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、注意欠陥障害、不安、癲癇、うつ病、強迫性障害、睡眠障害、神経変性障害(例えば、頭部外傷または脳卒中)、摂食障害(例えば、食欲不振症または病的飢餓)、統合失調症、記憶喪失、薬物もしくはニコチン濫用からの離脱に関連する障害または同種のもの、または過敏性大腸症候群のようなある種の胃腸障害を包含する5−HT6受容体に関連するかまたは該受容体の影響を受けるCNS障害の治療に有用である。したがって、本発明は、5−HT6受容体に関連するかまたは該受容体の影響を受ける中枢神経系の障害の治療を必要とする患者におけるかかる障害の治療方法であって、該患者に上記式Iで示される化合物の治療上有効量を与えることを含む方法を提供する。該化合物は、経口もしくは非経口投与によって、または必要とする患者への治療薬の有効な投与法であることが知られているいずれもの一般的な方法で与えることができる。
【0047】
本発明に含まれる化合物または物質を与えることに関して本明細書において使用する「与える」なる用語は、かかる化合物または物質を直接投与すること、または体内で等価な量の該化合物または物質を形成するプロドラッグ、誘導体またはアナログを投与することのいずれかを示す。
【0048】
特定のCNS障害の治療において与えられる治療上有効量は、治療する特定の症状、患者の大きさ、年齢および応答パターン、障害の重篤度、主治医の判断および同種のものにより異なる。一般に、有効な一日経口投与量は約0.01〜1,000mg/kg、好ましくは、約0.5〜500mg/kgであってよく、有効な非経口投与量は、約0.1〜100mg/kg、好ましくは、約0.5〜50mg/kgであってよい。
【0049】
実際の実施では、本発明の化合物は、固体もしくは液体形態の化合物またはその前駆物質を、それだけで、または1またはそれ以上の慣用的な医薬担体または賦形剤と組み合わせて投与することによって与えられる。したがって、本発明は、医薬上許容される担体および上記式Iで示される化合物の有効量を含む医薬組成物を提供する。
【0050】
本発明の組成物において使用するのに適した固体担体としては、フレーバー剤、滑沢剤、可溶化剤、懸濁化剤、充填剤、流動促進剤、圧縮助剤、結合剤、錠剤崩壊剤またはカプセル材料として作用することもできる1つまたはそれ以上の物質が挙げられる。散剤においては、担体は、微細な式Iで示される化合物と混合状態の微細な固体であり得る。錠剤においては、式Iで示される化合物を適当な割合で必要な圧縮特性を有する担体と混合し、望ましい形状および大きさに圧縮することができる。該散剤および錠剤は、式Iで示される化合物を99重量%まで含有することができる。本発明の組成物において使用するのに適した固体担体としては、リン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、ラクトース、デキストリン、デンプン、ゼラチン、セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリジン、低融点ワックスおよびイオン交換樹脂が挙げられる。
【0051】
液剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤およびエリキシル剤を調製するのに適したいずれの医薬上許容される液体担体も本発明の組成物に使用することができる。式Iで示される化合物を、水、有機溶媒または医薬上許容される油もしくは脂肪、またはそれらの混合物のような医薬上許容される液体担体に溶解または懸濁することができる。該液体組成物は、可溶化剤、乳化剤、緩衝剤、保存剤、甘味剤、フレーバー剤、懸濁化剤、増粘剤、着色剤、粘性調節剤、安定剤、浸透圧調節剤または同種のもののような他の適当な医薬添加剤を含有していてもよい。経口投与および非経口投与に適した液体担体の例としては、水(特に、上記添加剤、例えば、セルロース誘導体、好ましくは、カルボキシメチルセルロースナトリウム溶液を含有する)、アルコール(一価アルコールおよび多価アルコール、例えば、グリコールを包含する)またはそれらの誘導体、または油(例えば、精製ヤシ油および落花生油)が挙げられる。非経口投与については、該担体はまた、オレイン酸エチルまたはミリスチン酸イソプロピルのような油性エステルであってもよい。
【0052】
滅菌液剤または懸濁剤である本発明の組成物は、筋肉注射、腹腔内注射または皮下注射に適している。滅菌液剤はまた、静脈内投与することもできる。経口投与に適した本発明の組成物は、液体または固体のいずれかの組成物形態であってよい。
【0053】
より明確な理解のために、および本発明をより明確に説明するために、その特定の実施例を以下に記載する。下記の実施例は単なる例示であって、如何なる場合も本発明の範囲および根本的原理を制限するものと理解されるべきではない。
【0054】
HPLCなる用語は高速液体クロマトグラフィーを示す。EtOAcおよびDMFなる用語は、それぞれ、酢酸エチルおよびジメチルホルムアミドを示す。DMSOおよびTHFなる用語は、それぞれ、ジメチルスルホキシドおよびテトラヒドロフランを示す。全てのクロマトグラフィーは支持体としてSiO2を使用して行われる。
【0055】
実施例1
2−(3−ヨードチエン−2−イル)カルボン酸の製造
【化11】

2−チオフェンカルボン酸(12.8g、0.1mol)の−78℃でのTHF中溶液をn−ブチルリチウム(THF中2.5M溶液88mL、2.2当量)で滴下処理し、0.5時間撹拌し、ヨウ素(28g)のTHF(1.1当量)中溶液で滴下処理し、撹拌しながら室温に加温し、真空濃縮する。得られた残留物をEtOAcに溶解し、10%水性Na2CO3で抽出する。水性抽出物を合わせ、濃HClで酸性化し、EtOAcで抽出する。EtOAc抽出物を合わせ、MgSO4で乾燥させ、真空濃縮して、HPLCおよび質量スペクトル分析によって同定した黄−橙色の固体としての標記生成物23.5g(収率95%)を得る。
【0056】
実施例2
3−ヨード−2−[(N−t−ブトキシカルボニル)アミノ]チオフェンの製造
【化12】

2−(3−ヨードチエン−2−イル)カルボン酸(23.5g、0.10mol)、トリエチルアミン(15mL、1.1当量)およびジフェノキシルホスホリルアジド[(PhO)2PON3](30g、1.1当量)のt−ブタノール中混合物を還流温度で16時間加熱し、室温に冷却し、飽和Na2CO3で洗浄し、EtOAcで抽出する。抽出物を合わせ、MgSO4で乾燥させ、真空濃縮する。得られた残留物をクロマトグラフィー(溶離液としてヘキサン中10%EtOAc)に付して、HPLCおよび質量スペクトル分析によって同定した茶色の固体としての標記化合物10.5g(収率35%)を得る。
【0057】
実施例3
1−[6−(t−ブトキシカルボニル)−4−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル]酢酸エチルの製造
【化13】

3−ヨード−2−[(N−t−ブトキシカルボニル)アミノ]チオフェン(10g、32mmol)、K2CO3(9g、2当量)および4−ブロモクロトン酸エチル(9g、1.5当量)のDMF中混合物を室温で16時間撹拌し、トリフェニルホスフィン(838mg、0.1当量)および酢酸パラジウム(358mg、0.05当量)で処理し、70℃で8時間加熱し、室温に冷却し、水で希釈し、EtOAcで抽出する。抽出物を合わせ、MgSO4で乾燥させ、真空濃縮する。得られた残留物をクロマトグラフィー(溶離液としてヘキサン中20%EtOAc)に付して、HPLCおよび質量スペクトル分析によって同定した透明な油状物としての標記生成物8.6g(収率90%)を得る。
【0058】
実施例4
1−(チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル)酢酸エチルの製造
【化14】

1−[6−(t−ブトキシカルボニル)−4−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル]酢酸エチル(8.6g、27mmol)のCH2Cl2中溶液をシリカゲルに吸収させ、真空濃縮して溶媒を除去し、真空下にて60℃で48時間加熱する。得られた乾燥シリカゲル混合物をシリカゲルカラムの上部に置き、ヘキサン中20%EtOAcで溶離して、液体クロマトグラフィーおよび質量スペクトル分析によって同定した透明な油状物としての標記生成物2.48g(収率42%)を得る。
【0059】
実施例5
1−(チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル)アセトアミドの製造
【化15】

塩化アンモニウム(963mg、3当量)の5℃でのトルエン中撹拌懸濁液をトリメチルアルミニウム(トルエン中2M溶液9mL、3当量)で処理し、室温で2時間撹拌し、1−(チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル)酢酸エチル(1.25g、6mmol、1当量)のトルエン中溶液で処理し、50℃で16時間加熱し、室温に冷却し、水でクエンチし、EtOAcで抽出する。抽出物を合わせ、MgSO4で乾燥させ、真空濃縮して、液体クロマトグラフィーおよび質量スペクトル分析によって同定した黄褐色油状物としての標記化合物1.1g(定量的収率)を得る。
【0060】
実施例6
2−(6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル)エチルアミンの製造
【化16】

1−(チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル)アセトアミド(1.08g、6mmol)のTHF中撹拌溶液をLiAlH4のTHF中1M溶液(18mL、3当量)で滴下処理し、40℃で2時間撹拌し、室温に冷却し、水性NaOHでクエンチし、EtOAcで抽出する。抽出物を合わせ、MgSO4で乾燥させ、真空濃縮して、HPLCおよび質量スペクトル分析によって同定した黄褐色の油状物としての標記生成物1.0g(定量的収率)を得る。
【0061】
実施例7
N−(t−ブトキシカルボニル)−2−(6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル)エチルアミンの製造
【化17】

2−(6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル)エチルアミン(1g、6mmol)のアセトン/水(1:1)中撹拌溶液をK2CO3(2.48g、3当量)およびジ炭酸ジ−t−ブチル(1.44g、1.1当量)で処理し、室温で8時間撹拌し、濃縮してアセトンを除去し、EtOAcで抽出する。抽出物を合わせ、MgSO4およびEtOAcで乾燥させ、真空濃縮して、HPLCおよび質量スペクトル分析によって同定した茶色の油状物としての標記生成物0.93g(収率58%)を得る。
【0062】
実施例8
N−(t−ブトキシカルボニル)−2−[6−(フェニルスルホニル)チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル]エチルアミンの製造
【化18】

N−(t−ブトキシカルボニル)−2−(6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル)エチルアミン(54mg、0.2mmol)、フェニルスルホニルクロリド(70mg、0.22mmol)およびKOt−Bu(THF中1M溶液0.22mL、0.22mmol)のTHF中混合物を周囲温度で8時間振盪し、真空濃縮する。得られた残留物をTHFに溶解し、ジオキサン中4N HCl(2mL)で処理し、室温で16時間振盪し、真空濃縮する。この残留物をDMSO、メタノールおよび水の混合液に溶解し、分取HPLC1によって精製して、標記生成物([M+H]307、保持時間(RT)1.53分)を得る。
1Gilson分取HPLC条件: Gilson分取HPLC系;YMC Pro C18、20mm×50mm ID、5uMカラム;注入2mL;溶媒A:0.02%TFA/水;溶媒B:0.02%TFA/アセトニトリル;勾配:時間0:A 95%、2分:A 95%、14分:A 10%、15分:A 10%、16分:A 95%;流速22.5mL/分;検出:254nm DAD。
【0063】
実施例9〜35
2−[6−(アリールスルホニル)6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル]エチルアミン誘導体の製造
【化19】

上記実施例8に記載した実質的に同一の方法を使用し、適当なアリールスルホニルクロリドを使用して、表Iに示される化合物を得、HPLC2および質量スペクトル分析によって同定する。
2HPLC条件: HP 1100 HPLC系;Waters Xterra MS C18、2mm(内径)×50mm(長さ)、3.5μmカラム、50℃に設定;流速1.0mL/分;溶媒A:水中0.02%ギ酸;溶媒B:ACN中0.02%ギ酸;勾配:時間0:B 10%、2.5分:B 90%、3分:B 90%;試料濃度:〜2.0mM;注入容量:5uL;検出:220nm、254nm DAD。
【0064】
【表1−1】

【0065】
【表1−2】

【0066】
実施例36
N,N−ジメチル−2−(6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル)アセトアミドの製造
【化20】

ジメチルアンモニウムクロリド(978mg、2当量)の5℃でのトルエン中撹拌懸濁液をトリメチルアルミニウム(トルエン中2M溶液6mL、2当量)で処理し、室温で2時間撹拌し、1−(チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル)酢酸エチル(1.25g、6mmol、1当量)で処理し、80℃で2時間加熱し、室温に冷却し、水でクエンチし、EtOAcで抽出する。抽出物を合わせ、MgSO4で乾燥させ、真空濃縮して、液体クロマトグラフィーおよび質量スペクトル分析によって同定した標記生成物を得る。
【0067】
実施例37
N,N−ジメチル−2−(6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル)エチルアミンの製造
【化21】

THF中にて撹拌したN,N−ジメチル−2−(6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル]アセトアミド(1.16g、6mmol)を室温にてLiALH4(THF中1M溶液18mL、3当量)で処理し、40℃で2時間撹拌し、室温に冷却し、水性NaOHでクエンチし、EtOAcで抽出する。抽出物を合わせ、MgSO4で乾燥させ、真空濃縮して、HPLCおよび質量スペクトル分析によって同定した黄褐色の油状物としての標記生成物0.81g(収率89%)を得る。
【0068】
実施例38
N,N−ジメチル−2−[6−(フェニルスルホニル)−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル]エチルアミンの製造
【化22】

N,N−ジメチル−2−(6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル)エチルアミン(0.2mmol)、ベンゼンスルホニルクロリド(0.22mmol)およびKOt−Bu(0.22mmol)のTHF中混合物を周囲温度で8時間振盪し、真空濃縮する。得られた残留物をDMSO、メタノールおよび水の混合液に溶解し、分取HPLC1によって精製して、標記生成物([M+H] 335、保持時間(RT)1.42分)を得る。
1Gilson分取HPLC条件: Gilson分取HPLC系;YMC Pro C18、20mm×50mm ID、5uMカラム;注入2mL;溶媒A:0.02%TFA/水;溶媒B:0.02%TFA/アセトニトリル;勾配:時間0:A 95%、2分:A 95%、14分:A 10%、15分:A 10%、16分:A 95%;流速22.5mL/分;検出:254nm DAD。
【0069】
実施例39〜64
N,N−ジメチル−2−[6−(アリールスルホニル)−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル]エチルアミンの製造
【化23】

上記実施例38に記載した実質的に同一の方法を使用し、適当なアリールスルホニルクロリドを使用して、表IIに示される化合物を得、HPLC2および質量スペクトル分析によって同定する。
2HPLC条件: HP 1100 HPLC系;Waters Xterra MS C18、2mm(内径)×50mm(長さ)、3.5μmカラム、50℃に設定;流速1.0mL/分;溶媒A:水中0.02%ギ酸;溶媒B:ACN中0.02%ギ酸;勾配:時間0:B 10%、2.5分:B 90%、3分:B 90%;試料濃度:〜2.0mM;注入容量:5uL;検出:220nm、254nm DAD。
【0070】
【表2−1】

【0071】
【表2−2】

【0072】
実施例65〜81
2−(4H−チエノ[3,2−b]ピロール−6−イル]エチルアミン誘導体の製造
【化24】

上記実施例2〜8および36〜38に記載した実質的に同一の方法を使用し、出発物質としての2−ヨード−3−[(N−t−ブトキシカルボニル)アミノ]チオフェン、ならびに適当なアンモニウムクロリドおよびアリールスルホニルクロリドを使用して、表IIIに示される化合物を得、HPLC2および質量スペクトル分析によって同定する。
2HPLC条件: HP 1100 HPLC系;Waters Xterra MS C18、2mm(内径)×50mm(長さ)、3.5μmカラム、50℃に設定;流速1.0mL/分;溶媒A:水中0.02%ギ酸;溶媒B:ACN中0.02%ギ酸;勾配:時間0:B 10%、2.5分:B 90%、3分:B 90%;試料濃度:〜2.0mM;注入容量:5uL;検出:220nm、254nm DAD。
【0073】
【表3】

【0074】
実施例82
試験化合物の5−HT6結合アフィニティーの比較評価
セロトニン5−HT6受容体に対する試験化合物のアフィニティーを以下の方法で評価する。ヒトクローン化5−HT6受容体を発現しているHela培養細胞を回収し、低速(1,000×g)で10.0分間遠心分離に付して培養培地を除去する。回収した細胞を半分の容量の新鮮なリン酸緩衝生理食塩水に懸濁し、同じ速度で再度遠心分離に付す。この操作を繰り返す。次いで、集めた細胞を10容量の50mMトリスHCl(pH7.4)および0.5mM EDTA中でホモジナイズする。該ホモジネートを40,000×gで30.0分間遠心分離に付し、沈殿物を集める。得られたペレットを10容量のトリスHClバッファーに再度懸濁し、同じ速度で再度遠心分離に付す。最終ペレットを少量のトリスHClバッファーに懸濁し、10〜25μl容量のアリコートの組織タンパク質含量を測定する。Lowry et al., J. Biol. Chem., 193:265(1951)に記載の方法に従って、ウシ血清アルブミンをタンパク質測定における標準として用いる。懸濁液1ml中1.0mgの組織タンパク質濃度になるように、懸濁した細胞膜の容量を調整する。調製した膜懸濁液(10倍濃縮)を1.0ml容量のアリコートに分け、その後の結合実験に用いるまで−70℃で貯蔵する。
【0075】
結合実験は、96ウェルマイクロタイタープレートフォーマットにおいて、全容量200μlで行う。各ウェルに以下の混合物を加える:インキュベーションバッファー(10.0mM MgCl2および0.5mM EDTAを含有する50mMトリスHClバッファー(pH7.4))80.0μlおよび[3H]−LSD(S.A.,86.0Ci/ミリモル、Amersham Life Scienceから入手可能、3.0nM)20μl。ヒトセロトニン5−HT6受容体における[3H]LSDの解離定数KDは、増加濃度の[3H]LSDとの飽和結合によって決定したように2.9nMである。該反応は組織懸濁液100.0μlの最終的な添加によって開始する。非特異的結合は10.0μMメチオテピンの存在下に測定される。試験化合物を20.0μl容量で加える。
【0076】
該反応を暗所にて室温で120分間進行させ、その時点で、Packard Filtermate(登録商標)196ハーベスターを用いて、結合リガンド−受容体複合体を96ウェル・ユニフィルター(unifilter)で濾過する。該フィルターディスク上に捕獲された結合複合体を風乾させ、Microscint(登録商標)−20シンチラント40.0μlを浅いウェルの各々に添加後、6個の光電子増倍管検出器を備えたPackard TopCount(登録商標)で放射能を測定する。該ユニフィルタープレートをヒートシールし、31.0%のトリチウム効率を有するPackard TopCount(登録商標)において計数する。
【0077】
5−HT6受容体との特異的結合は、全結合放射活性から10.0μM非標識メチオテピンの存在下での結合量を差し引いたものであると定義される。種々の濃度の試験化合物の存在下での結合を試験化合物の不在下での特異的結合のパーセンテージとして表す。結果を対数結合%対試験化合物の対数濃度としてプロットする。コンピューター援用プログラムPrism(登録商標)を用いてデータポイントを非線形回帰分析に付し、95%信頼限界を有する試験化合物のIC50値およびKi値の両方を得た。データポイントの線形回帰線をプロットし、そこからIC50値を決定し、以下の方程式:
i=IC50/(1+L/KD)
[式中、Lは使用される放射性リガンドの濃度であり、KDは受容体に対するリガンドの解離定数であり、どちらもnMで表される]
を基にKi値を決定する。
【0078】
このアッセイを用いて、以下のKi値を決定し、5−HT6受容体との結合を示すことが知られている代表的化合物によって得られるその値と比較する。データを下記表IVに示す。
【0079】
【表4−1】

【0080】
【表4−2】

【0081】
【表4−3】

【0082】
上記の結果から分かるように、本発明の化合物は5−HT6受容体に対して有意なアフィニティーを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

[式中、
Xは、CR7、SOm、OまたはNR8であり;
Yは、CR9、SOm、OまたはNR8であり;
Zは、CR10、SOm、OまたはNR8であり、ただし、X、YおよびZのうち2つはCR7、CR9またはCR10でなければならない;
1およびR2は、各々独立して、H、OHまたは置換されていてもよいC1−C6アルキル基であり;
3およびR4は、各々独立して、H、またはC1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C3−C7シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリールもしくはヘテロアリール基であり、それぞれ置換されていてもよいか、またはR3およびR4は、それらが結合している原子と一緒になって、O、NR11またはSOxから選択される付加的ヘテロ原子を含有していてもよい、置換されていてもよい5〜8員環を形成してもよく;
5は、H、ハロゲン、またはC1−C6アルキル、C2−C6アルコキシ、C3−C7シクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリール基であり、それぞれ置換されていてもよく;
6は、置換されていてもよいC1−C6アルキル、C3−C7シクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリール基、または橋頭にN原子を有しており、N、OまたはSから選択される1、2または3個の付加的ヘテロ原子を含有していてもよい、置換されていてもよい8〜13員二環式または三環式環系であり;
nは、2、3、4または5の整数であり;
7、R9およびR10は、各々独立して、H、ハロゲン、CN、OCO212、CO213、CONR1415、SOp16、NR1718、OR19、COR20、またはC1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C3−C7シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリールもしくはヘテロアリール基であり、それぞれ置換されていてもよく;
8、R11、R12、R13、R16、R19、およびR20は、各々独立して、H、またはC1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C3−C6シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリールもしくはヘテロアリール基であり、それぞれ置換されていてもよく;
14およびR15は、各々独立して、H、または置換されていてもよいC1−C6アルキル基であるか、またはR14およびR15は、それらが結合している原子と一緒になって、O、NR21またはSから選択されるもう1つのヘテロ原子を含有していてもよい5〜7員環を形成してもよく;
17およびR18は、各々独立して、H、または置換されていてもよいC1−C4アルキル基であるか、またはR17およびR18は、それらが結合している原子と一緒になって、O、NR22またはSOqから選択されるもう1つのヘテロ原子を含有していてもよい5〜7員環を形成してもよく;
21およびR22は、各々独立して、H、またはC1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C3−C7シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリールもしくはヘテロアリール基であり、それぞれ置換されていてもよく;
m、p、qおよびxは、各々独立して、0、または1もしくは2の整数であり;
---------は、単結合または二重結合を表す]
で示される化合物またはその立体異性体またはその医薬上許容される塩。
【請求項2】
XまたはZがSOmである請求項1記載の化合物。
【請求項3】
mが0である、請求項2記載の化合物。
【請求項4】
nが2である、請求項1〜3いずれか1項記載の化合物。
【請求項5】
6が置換されていてもよいアリールもしくはヘテロアリール基、または橋頭にN原子を有しており、N、OまたはSから選択される1、2または3個の付加的ヘテロ原子を含有していてもよい、置換されていてもよい8〜13員二環式または三環式環系である、請求項1〜4いずれか1項記載の化合物。
【請求項6】
3およびR4が、各々独立して、HまたはCH3である、請求項1〜5いずれか1項記載の化合物。
【請求項7】
6が置換されていてもよいフェニル、ナフチル、チエニルまたはイミダゾチアゾリル基である、請求項5記載の化合物。
【請求項8】
2−[6−(フェニルスルホニル)−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル]エチルアミン;
2−{[6−(3−トリフルオロメチル)フェニルスルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}エチルアミン;
2−{[6−(3−クロロフェニル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}エチルアミン;
2−{[6−(5−クロロチエン−2−イル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}エチルアミン;
2−{[6−(6−クロロイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}−エチルアミン;
2−[6−(2−ナフチルスルホニル)−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル]エチルアミン;
2−{[6−(3−メトキシフェニル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}エチルアミン;
2−{[6−(5−クロロ−3−メチルベンゾ[b]チエン−2−イル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}−エチルアミン;
2−{[6−(2−フルオロフェニル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}エチルアミン;
2−{[6−(3−フルオロフェニル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}エチルアミン;
2−{[6−(2−クロロフェニル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}エチルアミン;
2−{[6−(イミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}エチルアミン;
2−{[6−(2−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジ−3−イル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}−エチルアミン;
2−{[6−(2,6−ジクロロイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}−エチルアミン;
2−{[6−(4−クロロフェニル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}エチルアミン;
2−{[6−(2,3−ジクロロフェニル)スルホニル)−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}エチルアミン;
2−{[6−(3−ブロモフェニル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}エチルアミン;
2−{[6−(5−ブロモチエン−2−イル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}エチルアミン;
2−[6−(チエン−2−イルスルホニル)−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル−エチルアミン;
2−{[6−(4,5−ジクロロチエン−2−イル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}エチルアミン;
2−[6−(1−ナフチルスルホニル)−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル]エチルアミン;
2−{[6−(3−メチルフェニル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}エチルアミン;
2−{[6−(1,2−ジメチル−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}エチルアミン;
2−{[6−(キノリン−8−イル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}−エチルアミン;
2−{{[6−(2−トリフルオロメチル)フェニル]スルホニル}−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}エチルアミン;
2−{[6−(4−メトキシフェニル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}エチルアミン;
2−{[6−(3−クロロ−2−メチルフェニル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}エチルアミン;
2−{[6−(4−アミノフェニル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−[(6−フェニルスルホニル)−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル]エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−{{[6−(3−トリフルオロメチル)フェニル]スルホニル}−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}−エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−{[6−(3−クロロフェニル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−{[6−(5−クロロチエン−2−イル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル]−エチル}−アミン;
N,N−ジメチル−2−{[6−(6−クロロイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−[6−(2−ナフチルスルホニル)−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル]エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−{[6−(3−メトキシフェニル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル]−エチル}−アミン;
N,N−ジメチル−2−{[6−(5−クロロ−3−メチルベンゾ[b]チエン−2−イル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−{[6−(2−フルオロフェニル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−{[6−(3−フルオロフェニル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル]−エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−{[6−(2−クロロフェニル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−{[6−(イミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}−エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−{[6−(2−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−{[6−(2,6−ジクロロイミダゾ[2,1−b]チアゾール−5−イル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−{[6−(4−クロロフェニル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−{[6−(2,3−ジクロロフェニル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}エチル−アミン;
N,N−ジメチル−2−{[6−(3−ブロモフェニル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}−エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−{[6−(5−ブロモチエン−2−イル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}エチル}−アミン;
N,N−ジメチル−2−{(6−チエン−2−イルスルホニル)−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル]−エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−{[6−(4,5−ジクロロチエン−2−イル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル]−エチル]−アミン;
N,N−ジメチル−2−{[6−(1−ナフチル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−{[6−(3−メチルフェニル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−{[6−(1,2−ジメチル−1H−イミダゾール−4−イル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−{[6−(8−キノリニル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−{{[6−(2−トリフルオロメチル)フェニル]スルホニル}−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−{[6−(4−メトキシフェニル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}エチル−アミン;
N,N−ジメチル−2−{[6−(3−クロロ−2−メチルフェニル)スルホニル]−6H−チエノ[2,3−b]ピロール−4−イル}−エチルアミン;
2−{[4−(3−クロロフェニル)スルホニル]−4H−チエノ[3,2−b]ピロール−6−イル}エチルアミン;
2−{[4−(2−ナフチル)スルホニル]−4H−チエノ[2,3−b]ピロール−6−イル}エチルアミン;
2−{[4−(3−メトキシフェニル)スルホニル]−4H−チエノ[3,2−b]ピロール−6−イル}エチルアミン;
2−{[4−(5−クロロ−3−メチル−ベンゾ[b]チエン−2−イル)スルホニル]−4H−チエノ[2,3−b]ピロール−6−イル}−エチルアミン;
2−{[4−(2−クロロフェニル)スルホニル]−4H−チエノ[3,2−b]ピロール−6−イル}エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−[4−(フェニルスルホニル)−4H−チエノ[2,3−b]ピロール−6−イル]エチル]アミン;
N,N−ジメチル−2−{[4−(3−トリフルオロメチルフェニル)スルホニル]−4H−チエノ[2,3−b]ピロール−6−イル}−エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−{[4−(3−クロロフェニル)スルホニル]−4H−チエノ[2,3−b]ピロール−6−イル}エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−{[4−(5−クロロチエン−2−イル)スルホニル]−4H−チエノ[2,3−b]ピロール−6−イル}エチル−アミン;
N,N−ジメチル−2−{[4−(4−クロロイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)スルホニル]−4H−チエノ[2,3−b]−ピロール−6−イル}エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−{[4−(2−ナフチル)スルホニル]−4H−チエノ[2,3−b]ピロール−6−イル}−エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−{[4−(3−メトキシフェニル)スルホニル]−4H−チエノ[2,3−b]ピロール−6−イル}エチル−アミン;
N,N−ジメチル−2−{[4−(5−クロロ−3−メチル−ベンゾ[b]チエン−2−イル)スルホニル]−4H−チエノ[2,3−b]ピロール−6−イル}エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−{[4−(2−フルオロフェニル)スルホニル]−4H−チエノ[2,3−b]ピロール−6−イル}エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−{[4−(3−フルオロフェニル)スルホニル]−4H−チエノ[2,3−b]ピロール−6−イル}エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−{[4−(2−クロロフェニル)スルホニル]−4H−チエノ[2,3−b]ピロール−6−イル}エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−{[4−(イミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)スルホニル]−4H−チエノ[2,3−b]ピロール−6−イル}エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−[(4−フェニルスルホニル)−4H−フロ[3,2−b]ピロール−6−イル]エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−{[4−(6−クロロイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)スルホニル]−4H−フロ[3,2−b]−ピロール−6−イル}エチルアミン;
2−[1−(フェニルスルホニル)−4−メチル−1,4−ジヒドロ−ピロロ[3,2−b]ピロール−3−イル}エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−{[1−(6−クロロイミダゾ[2,1−b]チアゾール−5−イル)スルホニル]−4−メチル−1,4−ジヒドロ−ピロロ[3,2−b]ピロール−3−イル}エチルアミン;
2−[(1−フェニルスルホニル)−1H−チエノ[3,4−b]ピロール−3−イル]エチルアミン;
2−{[1−(6−クロロイミダゾ[2,1−b]チアゾール−5−イル)スルホニル]−1H−チエノ[3,4−b]ピロール−3−イル}−エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−[(1−フェニルスルホニル)−1H−チエノ[3,4−b]ピロール−3−イル]エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−{[1−(6−クロロイミダゾ[2,1−b]チアゾール−5−イル)スルホニル]−1H−チエノ[3,4−b]−ピロール−3−イル}エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−[(1−フェニルスルホニル)−1H−フロ[3,4−b]ピロール−3−イル]エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−{[1−(6−クロロイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)スルホニル]−1H−フロ[3,4−b]−ピロール−3−イル}エチルアミン;
2−[(1−フェニルスルホニル)−5−メチル−1,5−ジヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピロール−3−イル]エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−{[1−(6−クロロイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)スルホニル]−5−メチル−1,5−ジヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピロール−3−イル}エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−[(6−フェニルスルホニル)−6H−フロ[2,3−b]ピロール−4−イル]エチルアミン;
2−{[6−(6−クロロイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)スルホニル]−6H−フロ[2,3−b]ピロール−4−イル}−エチルアミン;
2−[(1−フェニルスルホニル)−6−メチル−1,6−ジヒドロ−ピロロ[2,3−b]ピロール−3−イル]エチルアミン;
N,N−ジメチル−2−{[1−(6−クロロイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)スルホニル]−6−メチル−1,6−ジヒドロ−ピロロ[2,3−b]ピロール−3−イル}エチルアミン;
その立体異性体;および
その医薬上許容される塩
からなる群から選択される請求項1記載の化合物。
【請求項9】
5−HT6受容体に関連するかまたは該受容体の影響を受ける中枢神経系の障害の治療を必要とする患者におけるかかる障害の治療方法であって、該患者に請求項1〜8いずれか1項記載の式Iで示される化合物の治療上有効量を与えることを含む、方法。
【請求項10】
障害が不安障害、認知障害または神経変性障害である、請求項9記載の方法。
【請求項11】
障害がアルツハイマー病またはパーキンソン病である、請求項10記載の方法。
【請求項12】
障害が注意欠陥障害または強迫性障害である、請求項10記載の方法。
【請求項13】
障害が脳卒中または頭部外傷である、請求項11記載の方法。
【請求項14】
医薬上許容される担体および請求項1〜8いずれか1項記載の式Iで示される化合物の有効量を含む医薬組成物。
【請求項15】
式I:
【化2】

[式中、
Xは、CR7、SOm、OまたはNR8であり;
Yは、CR9、SOm、OまたはNR8であり;
Zは、CR10、SOm、OまたはNR8であり、ただし、X、YおよびZのうち2つはCR7、CR9またはCR10でなければならない;
1およびR2は、各々独立して、H、OHまたは置換されていてもよいC1−C6アルキル基であり;
3およびR4は、各々独立して、H、またはC1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C3−C7シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリールもしくはヘテロアリール基であり、それぞれ置換されていてもよいか、またはR3およびR4は、それらが結合している原子と一緒になって、O、NR11またはSOxから選択される付加的ヘテロ原子を含有していてもよい、置換されていてもよい5〜8員環を形成してもよく;
5は、H、ハロゲン、またはC1−C6アルキル、C2−C6アルコキシ、C3−C7シクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリール基であり、それぞれ置換されていてもよく;
6は、置換されていてもよいC1−C6アルキル、C3−C7シクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリール基、または橋頭にN原子を有しており、N、OまたはSから選択される1、2または3個の付加的ヘテロ原子を含有していてもよい、置換されていてもよい8〜13員二環式または三環式環系であり;
nは、2、3、4または5の整数であり;
7、R9およびR10は、各々独立して、H、ハロゲン、CN、OCO212、CO213、CONR1415、SOp16、NR1718、OR19、COR20、またはC1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C3−C7シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリールもしくはヘテロアリール基であり、それぞれ置換されていてもよく;
8、R11、R12、R13、R16、R19、およびR20は、各々独立して、H、またはC1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C3−C6シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリールもしくはヘテロアリール基であり、それぞれ置換されていてもよく;
14およびR15は、各々独立して、H、または置換されていてもよいC1−C6アルキル基であるか、またはR14およびR15は、それらが結合している原子と一緒になって、O、NR21またはSから選択されるもう1つのヘテロ原子を含有していてもよい5〜7員環を形成してもよく;
17およびR18は、各々独立して、H、または置換されていてもよいC1−C4アルキル基であるか、またはR17およびR18は、それらが結合している原子と一緒になって、O、NR22またはSOqから選択されるもう1つのヘテロ原子を含有していてもよい5〜7員環を形成してもよく;
21およびR22は、各々独立して、H、またはC1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C3−C7シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリールもしくはヘテロアリール基であり、それぞれ置換されていてもよく;
m、p、qおよびxは、各々独立して、0、または1もしくは2の整数であり;
---------は、単結合または二重結合を表す]
で示される化合物の製造方法であって、溶媒の存在下であってもよい塩基の存在下で式II:
【化3】

[式中、X、Y、Z、n、R1、R2、R3、R4およびR5は上記のとおりである]
で示される化合物をスルホニルクロリド、ClSO26と反応させることを含む、方法。
【請求項16】
薬剤として使用するための請求項1〜8いずれか1項記載の式Iで示される化合物。
【請求項17】
5−HT6受容体に関連するかまたは該受容体の影響を受ける中枢神経系の障害の治療のための薬剤の製造における請求項1〜8いずれか1項記載の式Iで示される化合物の使用。


【公表番号】特表2007−500701(P2007−500701A)
【公表日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−521964(P2006−521964)
【出願日】平成16年7月23日(2004.7.23)
【国際出願番号】PCT/US2004/023993
【国際公開番号】WO2005/012311
【国際公開日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【出願人】(591011502)ワイス (573)
【氏名又は名称原語表記】Wyeth
【Fターム(参考)】